説明

携帯端末及び端末制御方法

【課題】タッチパネルにおける接触操作の反応感度を向上させ、操作性を向上すること。
【解決手段】携帯端末1は、静電容量式のタッチパネル24とユーザの指先を湿らせるためのアクアチップ25とを備え、タッチパネル24によって検出されたユーザの指先による接触操作について、反応感度を検出する検出部11と、検出部11によって検出された反応感度に基づいて、アクアチップ25を有効にする有効部12と、有効部12によってアクアチップ25が有効にされると、ユーザに対して指先を湿らせるように促す通知を行う通知部13とを備える。これにより、携帯端末1において、タッチパネル24における接触操作の反応感度を向上させ、操作性を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末及び端末制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年スマートフォンの台頭により、タッチパネル式の携帯電話は驚異的な速度で普及している。また、その中でも静電容量式のタッチパネルは、複数本の指を同時に用いた操作が可能なマルチタッチが行えるため主流となりつつある。
【0003】
ところで、従来、タッチパネルを備えた装置において、タッチパネルの感度の制御を行う装置が知られている。例えば、特許文献1では、タッチパネル操作を行う前はタッチセンサの感度を高め、指の接近を検知するとタッチセンサの感度を通常値に戻す情報端末装置が開示されている。また、例えば、特許文献2では、タッチ入力を検出する電極について、タッチ入力位置近傍の電極を基準として予め設定された距離範囲にある電極における検出感度を高める静電容量式タッチパネル装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−257012号公報
【特許文献2】特開2010−262460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の情報端末装置及び静電容量式タッチパネル装置では、例えば、ユーザの指先が乾燥または帯電している場合、指先の状態が通常の場合に比べてタッチパネルにおける接触操作の反応感度が悪く、それにより操作性が悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、タッチパネルにおける接触操作の反応感度を向上させ、操作性を向上することができる携帯端末及び端末制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る携帯端末は、静電容量式のタッチパネルとユーザの指先を湿らせるための湿性部材とを備える携帯端末であって、タッチパネルによって検出されたユーザの指先による接触操作について、反応感度を検出する検出手段と、検出手段によって検出された反応感度に基づいて、湿性部材を有効にする有効手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る携帯端末では、タッチパネルによって検出されたユーザの指先による接触操作について、検出された反応感度に基づいて湿性部材が有効にされる。従って、本発明に係る携帯端末によれば、有効にされた湿性部材によりユーザが指先を湿らせることができるため、タッチパネルにおける接触操作の反応感度が悪い場合に、反応感度を向上させ、操作性を向上することができる。
【0009】
検出手段は、反応感度として反応速度を検出し、有効手段は、検出手段によって検出された反応速度に基づいて、湿性部材を有効にする、ことが望ましい。この構成によれば、検出された反応速度に基づいて湿性部材が有効にされる。従って、有効にされた湿性部材によりユーザが指先を湿らせることができるため、タッチパネルにおける接触操作の反応速度が遅い場合に、反応速度を向上させ、操作性を向上することができる。
【0010】
検出手段は、ユーザに対して接触操作を促す通知を行い、通知が行われてからタッチパネルによって接触操作が検出されるまでの操作反応時間を算出することで、反応速度を検出し、有効手段は、検出手段によって算出された操作反応時間が予め設定された閾値以上である場合に湿性部材を有効にする、ことが望ましい。この構成によれば、ユーザに対して接触操作を促す通知を行ってから操作反応時間を算出することができるため、任意のタイミングで反応速度を検出することができる。また、算出された操作反応時間が予め設定された閾値以上であるか否かによって、反応速度が遅いか早いかを正確に判定することができる。さらに、反応速度が遅いと判定された場合に、有効にされた湿性部材によりユーザが指先を湿らせることができるため、タッチパネルにおける接触操作の反応速度を向上させ、操作性を向上することができる。
【0011】
検出手段は、非活性状態から活性状態に自端末が遷移されると、反応感度を検出することが望ましい。この構成によれば、タッチパネルへの接触操作の開始時に反応感度を検出することができるため、ユーザはタッチパネルへの接触操作の開始以降の当分の間、反応感度の悪さに悩まされることがなくなり、ユーザの利便性が向上する。
【0012】
有効手段は、ユーザによって物理的に接触不可能な状態の湿性部材を、物理的に接触可能な状態にすることで、湿性部材を有効にすることが望ましい。この構成によれば、物理的に接触可能な状態になった湿性部材によりユーザが指先を湿らせることができるため、タッチパネルにおける接触操作の反応感度が悪い場合に、反応感度を向上させ、操作性を向上することができる。
【0013】
有効手段は、湿性部材に水分を供給することで、湿性部材を有効にすることが望ましい。この構成によれば、水分が供給された湿性部材によりユーザが指先を湿らせることができるため、タッチパネルにおける接触操作の反応速度の反応感度が悪い場合に、反応感度を向上させ、操作性を向上することができる。
【0014】
有効手段によって湿性部材が有効にされると、ユーザに対して指先を湿らせるように促す通知を行う通知手段を更に備えることが望ましい。この構成によれば、ユーザに確実に指先を湿らせるように促すことができる。
【0015】
ところで、本発明は、上記のように携帯端末の発明として記述できる他に、以下のように端末制御方法の発明としても記述することができる。これはカテゴリが異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
【0016】
即ち、本発明に係る端末制御方法は、静電容量式のタッチパネルとユーザの指先を湿らせるための湿性部材とを備える携帯端末が、タッチパネルによって検出されたユーザの指先による接触操作について、反応感度を検出する検出ステップと、携帯端末が、検出ステップにおいて検出された反応感度に基づいて、湿性部材を有効にする有効ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、タッチパネルにおける接触操作の反応速度の反応感度を向上させ、操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯端末の機能構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る携帯端末の表面外観を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る携帯端末の裏面外観を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る携帯端末における反応感度検出時の画面例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る携帯端末で実行される処理(端末制御方法)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面と共に本発明に係る携帯端末及び端末制御方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
図1に本実施形態に係る携帯端末1を示す。携帯端末1は、後述のタッチパネル24と後述のアクアチップ25とを備えた携帯電話端末である。なお、携帯端末1は、携帯電話端末に限らず、PDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)、カーナビゲーション装置などであってもよい。
【0021】
図1に示すように、携帯端末1は、検出部11と、有効部12と、通知部13とを備えて構成される。携帯端末1は、上記の構成要素以外にも、例えば、携帯電話端末としての機能も備えていてもよい。なお、図1には、説明をわかりやすくするために、後述の図2のタッチパネル24及びアクアチップ25も図示している。
【0022】
図2に携帯端末1のハードウェア構成を示す。図2に示すように、携帯端末1は、CPU(Central Processing Unit)21、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)22及びROM(Read Only Memory)23、入出力デバイスである後述のタッチパネル24、後述のアクアチップ25、データ送受信デバイスである通信モジュール26、補助記憶装置27などのハードウェアにより構成されている。これらの構成要素が動作することにより、図1に示した携帯端末1の各構成要素の機能が発揮される。
【0023】
以下、タッチパネル24及びアクアチップ25の詳細について説明する。タッチパネル24は、静電容量式のタッチパネルであり、タッチパネルとしての入出力機能を備える。具体的には、タッチパネル24は、ユーザの指先によるタッチパネル24上の接触操作を検出する入力機能を備える。また、タッチパネル24は、タッチパネル24の画面に表示を行う出力機能も備える。図3は、携帯端末1の表面外観を示す図である。携帯端末1の表面にはタッチパネル24が備えられており、タッチパネル24は上述の入出力機能を実行することができる。
【0024】
アクアチップ25は、ユーザの指先を湿らせるための水分を含んだ湿性部材である。具体的には、アクアチップ25は、ユーザの指先の湿度を上げさせることができる水分または油分などを保持することが可能な材質、例えば、フェノール樹脂を原料とする生花用吸水スポンジであるフローラルフォーム(通称、オアシスと呼ばれている)をチップ状に形成した部材である。ユーザは、アクアチップ25の表面に指先を軽く当てることで、指先を湿らせることができる。そして、アクアチップ25によって指先を湿らせることで、その後のタッチパネル24への接触操作の反応速度を向上させることができる。アクアチップ25は表面に水分を含んでいる必要があるが、常時含んでいなくてもよい。例えば、アクアチップ25は水分を蓄えるタンクなどを内蔵し、アクアチップ25あるいは後述の有効部12は、タンクの水分をアクアチップ25に供給することが可能な、ポンプなどから構成される制御機構に対し、水分を供給する旨の指示を送信することで、必要に応じて蓄えた水分をアクアチップ25の表面に供給してもよい。
【0025】
図4(a)及び(b)は、携帯端末1の裏面外観を示す図である。図4(a)に示す通り、携帯端末1の裏面には蓋31が備えられている。蓋31は開閉式であり、図4(a)は蓋31が閉められた状態を示す図である。ここで、後述の有効部12が、蓋31を開閉することが可能な、ばねや油圧式ポンプなどから構成される制御機構に対し、蓋31を開く旨の指示を送信することで、蓋31が横にスライドされ、蓋31が開く。図4(b)は蓋31が開いた状態を示す図である。蓋31が開くことにより、携帯端末1の裏面に埋め込まれているアクアチップ25をユーザが利用することが可能となる。つまり、アクアチップ25は、図4(a)の状態ではユーザによって物理的に接触不可能であり、図4(b)の状態ではユーザによって物理的に接触可能である。
【0026】
以上、タッチパネル24及びアクアチップ25の詳細について説明した。続いて、図1に示す携帯端末1の各構成要素について説明する。
【0027】
検出部11は、タッチパネル24によって検出されたユーザの指先による接触操作について、反応感度を検出する検出手段である。検出部11は、反応感度の検出結果を有効部12に入力する。検出部11が検出する反応感度の一例は、反応速度である。具体的には、検出部11は、ユーザに対して接触操作を促す通知を行い、通知が行われてからタッチパネル24によって接触操作が検出されるまでの操作反応時間を算出することで、反応速度を検出する。この場合、検出部11は、反応速度の検出結果として、算出した操作反応時間を有効部12に入力する。
【0028】
図5(a)は、検出部11がユーザに対して接触操作を促す通知を行っている際の画面例を示す図である。図5(a)に示す通り、検出部11は、タッチパネル24の画面上の所定の位置に「画面の+印をタッチしてください」というメッセージを含む反応確認画面32を表示すると共に、反応確認画面32上の任意の位置に+印33を表示する。さらに、検出部11は、反応確認画面32及び+印33を表示したと同時に時間計測を開始する。続いて、反応確認画面32上の+印33の位置におけるユーザの接触操作がタッチパネル24によって検出されると、検出部11は時間計測を終了し、時間計測の開始から終了までの時間である操作反応時間を算出する。つまり、操作反応時間とは、+印33が表示されてからユーザの操作を認識するまでの時間である。なお、ユーザに対して接触操作を促す通知は、検出部11ではなく、後述の通知部13が検出部11からの命令に従って行ってもよい。
【0029】
検出部11は、ユーザに対して接触操作を促す通知を複数回行い、タッチパネル24によって検出された複数回の接触操作のそれぞれの操作反応時間に基づいて、反応速度を検出してもよい。例えば、検出部11により1回目の接触操作が検出され、対応する1回目の操作反応時間が算出された後、検出部11は、+印33を反応確認画面32上の1回目に表示した位置とは異なる任意の位置に表示すると共に、2回目の時間計測を開始する。そして、1回目と同様に、タッチパネル24上の+印33の新しい位置におけるユーザの接触操作がタッチパネル24によって検出されると、検出部11は2回目の時間計測を終了し、2回目の操作反応時間を算出する。3回目以降も同様にして、検出部11は複数回分の操作反応時間を算出する。この場合、検出部11は、算出した複数回分の操作反応時間を有効部12に入力する。
【0030】
検出部11は、非活性状態から活性状態に自端末が遷移されると、反応感度を検出してもよい。ここで、非活性状態と活性状態との組としては、例えば、携帯端末1にロックをかけた状態とロックを解除した状態との組が挙げられる。ロックをかけた状態とは、特定のロック解除操作以外のユーザの接触操作を受け付けない状態であり、ユーザにより特定のロック解除操作が行われるとロックを解除した状態に遷移する。ロックを解除した状態とは、ユーザの接触操作が通常通り受け付けられる状態である。また、例えば、非活性状態と活性状態との組としては、タッチパネル24の画面を消灯にした状態と点灯した状態との組が挙げられる。消灯にした状態とは、携帯端末1においてユーザにより一定時間操作が行われないことにより、タッチパネル24の画面のバックライトなどが消灯した状態であり、ユーザにより任意の操作が行われるとタッチパネル24の画面のバックライトなどが点灯し、点灯した状態に遷移する。また、例えば、携帯端末1の電源をオフにした状態とオンにした状態との組などが挙げられる。オフにした状態において、ユーザにより電源ボタンなどが押下されることで、オンにした状態に遷移する。
【0031】
有効部12は、検出部11から入力された反応感度の検出結果に基づいて、アクアチップ25を有効にする有効手段である。また、有効部12は、検出部11から入力された操作反応時間に基づいて、アクアチップ25を有効にしてもよい。具体的には、有効部12は、検出部11から入力された操作反応時間が予め設定された閾値以上、例えば0.7秒以上である場合に、アクアチップ25を有効にする。検出部11から複数回分の操作反応時間が入力された場合、有効部12は、例えば、複数回分の操作反応時間の平均値を算出し、算出された平均値が予め設定された閾値以上である場合にアクアチップ25を有効にする。また、例えば、有効部12、入力された複数回分の操作反応時間のうち一つでも予め設定された閾値以上の操作反応時間がある場合にアクアチップ25を有効にすることとしてもよい。なお、予め設定された閾値は、ユーザにより任意で変更することが可能であってもよいし、携帯端末1の端末設定値に従って設定されてもよい。有効部12は、アクアチップ25を有効にした後、アクアチップ25を有効にした旨を示す情報を通知部13に入力する。
【0032】
有効部12は、ユーザによって物理的に接触不可能な状態のアクアチップ25を、物理的に接触可能な状態にすることで、アクアチップ25を有効にする。具体的には、上述した通り、携帯端末1の裏面にある開閉式の蓋31が閉められた状態から、有効部12は、制御機構に対して指示を送信することで、蓋31を横にスライドし、蓋31を開いた状態にする。また、有効部12は、上述した通り、制御機構に対して指示を送信することで、アクアチップ25に水分を供給し、アクアチップ25を有効にしてもよい。
【0033】
通知部13は、アクアチップ25を有効にした旨を示す情報が有効部12から入力されると、ユーザに対して指先を湿らせるように促す通知を行う通知手段である。図5(b)は、通知部13がユーザに対して指先を湿らせるように促す通知を行っている際の画面例を示す図である。図5(b)に示す通り、通知部13は、タッチパネル24の画面上の所定の位置に「アクアチップを操作する指先で軽く触れてください」というメッセージ34を表示する。以上が、携帯端末1の構成である。
【0034】
引き続いて、図6のシーケンス図を用いて、本実施形態に係る携帯端末1で実行される処理(端末制御方法)を説明する。
【0035】
本処理では、まず、携帯端末1において、ロック解除操作やタッチパネル24の画面の点灯などが行われ、接触操作が通常通り受け付けられる状態に復帰されたことが携帯端末1により検出される(S01)。S01の検出を契機として、検出部11により、反応確認画面32が表示され、表示された反応確認画面32上でのユーザの接触操作に基づいて、操作反応時間が算出される(S02、検出ステップ)。
【0036】
続いて、有効部12により、算出された操作反応時間が予め設定された閾値を超えているか否かが判定される(S03、有効ステップ)。S03にて超えていると判定された場合、すなわち、反応感度が悪い場合、有効部12によりアクアチップ25の蓋が開けられる(S04、有効ステップ)。続いて、通知部13により、アクアチップで指先を湿らせる旨を伝えるメッセージ34がタッチパネル24に表示され(S05)、検出部11により、反応確認画面32が消去され、携帯端末1は通常の操作受付状態に戻る(S06)。ここで、S03にて超えていないと判定された場合、すなわち、反応感度が良い場合、続いて上記S06が実行される。
【0037】
なお、S06はS02以降であればいつ実行してもよい。また、S04とS05の順番は逆でもよい。さらに、S02及びS06の反応確認画面32の表示操作については、検出部11の命令に基づいて通知部13が実行してもよい。以上が本実施形態に係る携帯端末1で実行される処理(端末制御方法)である。
【0038】
上述したように、本実施形態では、携帯端末1において、タッチパネル24によって検出されたユーザの指先による接触操作について、検出部11により反応感度が検出されると、有効部12によりアクアチップ25が有効にされる。これにより、有効にされたアクアチップ25によりユーザが指先を湿らせることができるため、タッチパネル24における接触操作の反応感度が悪い場合に、反応感度を向上させ、操作性を向上することができる。
【0039】
また、本実施形態のように、検出部11が、反応感度として反応速度を検出し、有効部12が、検出部11によって検出された反応速度に基づいて、アクアチップ25を有効にしてもよい。この構成によれば、有効にされたアクアチップ25によりユーザが指先を湿らせることができるため、タッチパネル24における接触操作の反応速度が遅い場合に、反応速度を向上させ、操作性を向上することができる。
【0040】
また、本実施形態のように、検出部11が、ユーザに対して接触操作を促す通知を行い、通知が行われてからタッチパネル24によって接触操作が検出されるまでの操作反応時間を算出することで、反応速度を検出し、有効部12は、検出部11によって算出された操作反応時間が予め設定された閾値以上である場合にアクアチップ25を有効にしてもよい。この構成によれば、ユーザに対して接触操作を促す通知を行ってから操作反応時間を算出することができるため、任意のタイミングで反応速度を検出することができる。また、算出された操作反応時間が予め設定された閾値以上であるか否かによって、反応速度が遅いか早いかを正確に判定することができる。さらに、反応速度が遅いと判定された場合に、有効にされたアクアチップ25によりユーザが指先を湿らせることができるため、タッチパネル24における接触操作の反応速度を向上させ、操作性を向上することができる。
【0041】
また、本実施形態のように、検出部11が、非活性状態から活性状態に携帯端末1が遷移されると、反応感度を検出してもよい。この構成によれば、タッチパネル24への接触操作の開始時に反応感度を検出することができるため、ユーザはタッチパネル24への接触操作の開始以降の当分の間、反応感度の悪さに悩まされることがなくなり、ユーザの利便性が向上する。
【0042】
また、本実施形態のように、有効部12が、ユーザによって物理的に接触不可能な状態のアクアチップ25を、物理的に接触可能な状態にすることで、アクアチップ25を有効にしてもよい。この構成によれば、物理的に接触可能な状態になったアクアチップ25によりユーザが指先を湿らせることができるため、タッチパネル24における接触操作の反応感度が悪い場合に、反応感度を向上させ、操作性を向上することができる。
【0043】
また、本実施形態のように、有効部12が、アクアチップ25に水分を供給することで、アクアチップ25を有効にしてもよい。この構成によれば、水分が供給されたアクアチップ25によりユーザが指先を湿らせることができるため、タッチパネル24における接触操作の反応速度の反応感度が悪い場合に、反応感度を向上させ、操作性を向上することができる。
【0044】
また、本実施形態のように、有効部12によってアクアチップ25が有効にされると、通知部13が、ユーザに対して指先を湿らせるように促す通知を行ってもよい。この構成によれば、ユーザに確実に指先を湿らせるように促すことができる。
【0045】
なお、本実施形態では、検出部11は反応感度を検出するとしたが、反応速度の低下を検出してもよい。例えば、検出部11は、前回の操作反応時間を記憶しておき、今回算出した操作反応時間が、記憶された前回の操作反応時間よりも大きい場合、反応速度の低下を検出する。そして、有効部12は、検出部11によって反応速度の低下が検出されると、アクアチップ25を有効にしてもよい。
【0046】
以上の通り、本実施形態に係る携帯端末1において、ユーザの指先を湿らせる手段であるアクアチップ25を提供することにより、指先の乾燥や帯電による静電容量式のタッチパネル24の反応感度の悪さ、または反応速度の低下を防止することができるため、天候やユーザの体質によらず快適にタッチパネル24を操作することができる。
【符号の説明】
【0047】
1…携帯端末、11…検出部、12…有効部、13…通知部、21…CPU、22…RAM、23…ROM、24…タッチパネル、25…アクアチップ、26…通信モジュール、27…補助記憶装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量式のタッチパネルとユーザの指先を湿らせるための湿性部材とを備える携帯端末であって、
前記タッチパネルによって検出された前記ユーザの指先による接触操作について、反応感度を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された反応感度に基づいて、前記湿性部材を有効にする有効手段と、
を備える携帯端末。
【請求項2】
前記検出手段は、反応感度として反応速度を検出し、
前記有効手段は、前記検出手段によって検出された反応速度に基づいて、前記湿性部材を有効にする、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記検出手段は、前記ユーザに対して前記接触操作を促す通知を行い、前記通知が行われてから前記タッチパネルによって前記接触操作が検出されるまでの操作反応時間を算出することで、反応速度を検出し、
前記有効手段は、前記検出手段によって算出された操作反応時間が予め設定された閾値以上である場合に前記湿性部材を有効にする、
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記検出手段は、非活性状態から活性状態に自端末が遷移されると、反応感度を検出することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記有効手段は、前記ユーザによって物理的に接触不可能な状態の前記湿性部材を、物理的に接触可能な状態にすることで、前記湿性部材を有効にすることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記有効手段は、前記湿性部材に水分を供給することで、前記湿性部材を有効にすることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記有効手段によって前記湿性部材が有効にされると、前記ユーザに対して指先を湿らせるように促す通知を行う通知手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の携帯端末。
【請求項8】
静電容量式のタッチパネルとユーザの指先を湿らせるための湿性部材とを備える携帯端末が、前記タッチパネルによって検出された前記ユーザの指先による接触操作について、反応感度を検出する検出ステップと、
前記携帯端末が、前記検出ステップにおいて検出された反応感度に基づいて、前記湿性部材を有効にする有効ステップと、
を含む端末制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−208657(P2012−208657A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72902(P2011−72902)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】