説明

携帯端末探索システム及び携帯端末

【課題】携帯端末紛失時の探索において、特に屋内や近距離での携帯端末の探索において、より外乱の影響を受けにくい方法により精度の高い距離情報をもとに探索者が探索対象携帯端末を探索できるシステムを提供する。
【解決手段】被探索携帯端末1は、自身の位置情報を被探索側送受信手段1aを用いて探索用携帯端末2に送信し、探索用携帯端末2は、送信された位置情報を探索側送受信手段2bによって受信し、被探索用携帯端末2との距離が被探索側無線通信手段1jと探索側無線通信手段2jとの無線通信可能範囲移動したときに、被探索側無線通信手段1jと前記探索側無線通信手段2jとの間の無線通信によって被探索携帯端末1と探索用携帯端末2との距離を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末および携帯端末紛失時の探索システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯情報端末は、その小型化軽量化により持ち運びやすく、より便利なものとなっている。しかしながら、その反面で置き忘れ等により紛失しやすいという問題がある。
この問題に対する従来技術として、例えば、特許文献1に記載されるような携帯端末の探索システムが知られている。このシステムでは、探索対象である紛失した携帯端末がGPS機能あるいは携帯基地局情報を用いて自身の位置情報を取得し、取得した位置情報を探索側の携帯端末に送信し、探索側の携帯端末において受信した探索対象携帯端末の位置情報をもとに探索が行われる。また、さらに、探索側の携帯端末においても、探索対象の携帯端末と同様に自身の位置情報を取得し、探索側、探索対象の携帯端末の位置情報をそれぞれ比較した結果、両者が所定の範囲内にある場合、音やライトや振動による報知手段を持たせることにより探索が行われやすくすることが開示されている。
【特許文献1】特開2003−284154公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の開示においては、GPS機能あるいは携帯基地局情報を用いているが、紛失した携帯端末を探索する上で、探索側携帯端末と探索対象携帯端末の距離が遠い場合においてはそれらによる両者のおおまかな位置情報の取得、比較は有効な手段となりうる。また探索側携帯端末と探索対象携帯端末との距離が所定範囲内にある場合に、探索側携帯端末を所持した探索者にとってライトが見える場合や音や振動が聞こえる場合においてはライトや音による報知手段は有効である。
しかしながら、屋内での探索、例えば家の中にある探索対象携帯端末を探索側携帯端末で探索する場合においても、GPS衛星や基地局を介して探索対象携帯端末を探索するのでは、衛星や基地局と探索対象携帯端末との間にある外乱の影響を受けやすく、そのような影響下では位置情報の精度が落ち、正確な探索ができなくなる問題がある。また、位置情報の精度が低い状態下で探索対象携帯端末のライトが探索者に見えない場合や、音や振動を吸収するような物体の中にある場合のように、報知手段が有効に機能しない場合には、探索者にとっては探索をすることが難しくなるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、携帯端末紛失時の探索において、特に屋内や近距離での携帯端末の探索においてより外乱の影響を受けにくい方法により探索できるようにすること、また報知手段が有効に機能しない場合においても精度の高い距離情報をもとに探索者が探索対象携帯端末を探索することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被探索携帯端末と、該被探索携帯端末を探索するための探索用携帯端末と、から構成される携帯端末探索システムにおいて、前記被探索携帯端末は、基地局を介して前記探索用携帯端末との間で情報の送受信を行うための被探索側送受信手段と、当該被探索携帯端末の位置情報を得るための位置情報取得手段と、前記探索用携帯端末と直接に無線通信をするための被探索側無線通信手段と、を備え、前記探索用携帯端末は、基地局を介して被探索携帯端末との間で情報の送受信を行うための探索側送受信手段と、前記被探索携帯端末と直接に通信をするための探索用無線通信手段と、を備え、前記被探索携帯端末は、前記位置情報を前記被探索側送受信手段を用いて前記探索用携帯端末に送信し、前記探索用携帯端末は、送信された前記位置情報を前記探索側送受信手段によって受信し、前記被探索携帯端末及び前記探索用携帯端末との距離が前記被探索側無線通信手段と前記探索側無線通信手段との無線通信可能範囲となる位置に前記探索用携帯端末が移動したときは、前記被探索側無線通信手段と前記探索側無線通信手段との間の無線通信によって前記被探索携帯端末と前記探索用携帯端末との距離を取得することにより前記被探索携帯端末の探索を完了する携帯端末探索システムを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯端末探索システムにおいて、前記被探索携帯端末は、所定の認証情報を保持する記憶手段と、前記探索用携帯端末から送信されたデータに含まれる認証情報と前記記憶手段内に保持される認証情報とが一致するか否かを判断する認証手段と、を備え、認証情報が一致すると前記認証手段が判断したときに、前記位置情報を前記探索用携帯端末に送信する携帯端末探索システムを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の携帯端末探索システムにおいて、前記被探索携帯端末は、当該被探索携帯端末の存在を報知する報知手段を備えた携帯端末探索システムを特徴とする。
【0007】
請求項4に記載の発明は、基地局を介して他の携帯端末との間で情報の送受信を行うための送受信手段と、現在位置情報を取得するための位置情報取得手段と、所定の認証情報を保持する記憶手段と、前記他の携帯端末と直接に通信をするための無線通信手段と、前記他の端末から前記送受信手段を介して送信されるデータに含まれる認証情報と前記記憶手段内に保持される認証情報が一致するか否かを判断する認証手段と、を備えた携帯端末であって、該携帯端末が前記他の携帯端末によって探索されるときは、該認証手段が認証情報が一致すると判断したときに前記送受信手段により前記他の携帯端末に前記現在位置情報を送信し、前記他の携帯端末が移動して前記無線通信手段と通信可能な範囲にあるときは、前記無線通信手段と、前記他の携帯端末が有する無線通信手段とを通信させることにより、前記他の携帯端末に、前記携帯端末と前記他の携帯端末間の距離を取得させる携帯端末を特徴とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の携帯端末であって、当該携帯端末の存在を報知する報知手段を備えた携帯端末を特徴とする。
請求項6に記載の発明は、基地局を介して他の携帯端末との間で情報の送受信を行うための送受信手段と、現在位置情報を取得するための位置情報取得手段と、所定の認証情報を保持する記憶手段と、前記他の携帯端末と直接に通信をするための無線通信手段と、前記他の端末から前記送受信手段を介して送信されるデータに含まれる認証情報と前記記憶手段内に保持される認証情報が一致するか否かを判断する認証手段と、を備えた携帯端末であって、該携帯端末が前記他の携帯端末を探索するときは、前記送受信手段を介して前記認証情報を含むデータを前記他の携帯端末に送信し、前記認証情報が前記認証手段により認証されることで前記他の携帯端末から送信される当該他の携帯端末の位置情報を前記送受信手段を介して取得し、前記他の携帯端末と前記無線通信手段とが通信可能な範囲に移動したときに、前記無線通信手段と、前記他の携帯端末が有する無線通信手段とを通信させることにより、前記携帯端末と前記他の携帯端末との距離を取得して前記他の携帯端末の探索を完了する携帯端末を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上のように構成することで、本発明によれば携帯端末紛失時の探索において、GPSによる広範囲にわたる探索が可能なだけでなく、GPSの苦手とする屋内や近距離での携帯端末の探索においては通信相手と基地局などを介さず直接通信を行う無線USB通信機能から得られる通信相手との高精度な距離情報をもとに探索を行うことができ、より容易に探索を行うことができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、紛失して、探索の対象となった探索対象携帯端末(以下、被探索携帯端末)1と、被探索携帯端末1を探索するための探索用携帯端末2から構成される携帯端末探索システムを示す図である。
被探索携帯端末1は、送受信部(被探索側送受信部)1a、送受信用アンテナ1b、GPS(Global Positioning System)受信部(位置情報取得手段)1c、GPS受信用アンテナ1d、制御部1e、表示部1f、操作部1g、記憶部1h、無線USB通信部(被探索側無線通信手段)1i、無線USB通信用アンテナ1j、認証部1k、報知部(報知手段)1lから構成されている。
送受信用アンテナ1bは、基地局(アクセスポイント)との電波の送受信に用い、送受信部1aにて、送受信する電波の変調、復調を行う。この送受信部1a及び送受信用アンテナ1bを備えることにより、被探索携帯端末1は、基地局を介してインターネット等に接続し、E−mailの送受信やWWW(World Wide Web)等のサービスが利用可能となり、また、離れた探索用携帯端末2との通信を行うことができる。
【0011】
GPS受信部1cとGPS受信用アンテナ1dは、GPS衛星から電波を受信し、被探索携帯端末1の位置情報を求めるものである。
また、制御部1eは携帯端末1の各動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)を含んでいる。記憶部1hは制御部1eが被探索携帯端末1の動作制御を行うにあたって必要とする情報を格納するメモリである。
表示部1fは被探索携帯端末1内の情報を表示するためのものである。操作部1gは利用者がキー入力などの操作を行うためのものである。無線USB通信部1iと無線USB通信用アンテナ1jは、周波数が3.1GHz〜10.6GHzの電波を利用して、通信距離10m程度内で、転送速度が50〜480Mbpsの基地局を介さない1対1近距離高速無線通信を行うものである。そして、同じ無線USB通信部1iをもつ通信端末と通信することで、互いの距離を理論上±10cmの精度まで測定することが可能である。無線USB通信については、後に詳述する。
【0012】
認証部1kは、後述するように探索用携帯端末2から受信したメールが被探索携帯端末1の記憶部1hに格納されているパスワード(認証情報)を含むメールの雛形と一致するかどうかを確認するものである。また、一致していた場合、記憶部1hに格納されている被探索携帯端末1の位置情報を探索用携帯端末2に送信する許可を与える、それと同時に探索用携帯端末2が携帯端末1と無線USB通信を行う許可を与えるものでもある。
これにより、特定の者のみが携帯端末1の位置情報を得ることや、また携帯端末1のもつ情報を無線USB通信により受信することができるようになり、セキュリティーの向上に繋がる。報知部1lは、音や振動やライトにより携帯端末1自身の存在を周囲に放置するためのものであり、認証をパスした探索用携帯端末2から報知部1lを動作させる内容のメールを受信すると、音や振動や光を発するものとする。これにより視覚的、聴覚的に探索することが可能となる。また、探索用携帯端末2を所持する探索者は無線USB通信による距離情報をもとに報知部1lを動作させるかどうかの判断を行うことができる。
本発明による携帯端末1としては、上記の構成要素を含むものであればその形態を問わない。
【0013】
探索用携帯端末2は、送受信部(探索側送受信部)2a、制御部2e、表示部2f、操作部2g、記憶部2h、無線USB通信部(探索側無線通信手段)2iから構成されている。送受信部2a、制御部2e、表示部2f、操作部2g、記憶部2h、無線USB通信部2iについては、上記の携帯端末1の送受信部1a、制御部1e、表示部1f、操作部1g、記憶部1h、無線USB通信部1iとそれぞれ同じ機能を果たすものであり、説明を省略する。
紛失中の被探索携帯端末1の位置情報や無線USB通信部1iにより得られる紛失中の携帯端末1との距離情報は表示部2fに表示される。
本発明による探索用携帯端末2としても、上記の構成要素を含むものであればその形態を問わず、つまりは上記の携帯端末1も探索用携帯端末2として機能することも可能である。
また、認証時に必要となるパスワードを含むメールの雛形、GPS受信部1cとGPS受信用アンテナ1dによって得られた携帯端末1の位置情報、報知機能をONにするためのメールの雛形、報知機能をOFFにするためのメールの雛形は記憶部1hに格納されるものとする。
【0014】
次に、被探索携帯端末1と探索用携帯端末2による携帯端末探索の手順について説明する。
探索を行う前に、予め設定して記憶部1hに格納しておく必要がある情報として、被探索携帯端末1の位置情報を獲得する場合と携帯端末1と無線USB通信を行う場合の認証で使用するパスワードを含むメールの雛形と報知機能をONにするためのメールの雛形と報知機能をOFFにするためのメールの雛形がある。これらの設定は携帯端末1の操作部1gによりキー入力し、制御部1eを通して記憶部1hに格納される。
【0015】
図2は本実施例にかかる携帯端末探索の手順を示す図である。紛失した携帯端末1を探索するとき、まず探索用携帯端末2がパスワード(認証情報)を含むメールを紛失中の携帯端末1に送受信部2a経由で送信する(S11)ことにより開始される。
次に、被探索携帯端末1が送受信部1a経由により探索用携帯端末2から送信されたパスワードを含むメールを受信する(S12)。
認証部1kは、メールに含まれているパスワードが記憶部1hにあるパスワードを含むメールの雛形のパスワードと一致しているかどうかを判断する(S13)。これについてさらに詳しく説明する。例えばパスワードを「ABCD」と仮定した場合、『紛失中の端末のパスワードはABCD』という本文からなるメールを、パスワードを含むメールの雛形として予め設定し記憶部1hに格納しておき、受信したメールの本文が『紛失中の端末のパスワードは』から始まる場合、『紛失中の端末のパスワードは』に続く文字をパスワードとして認識し、予め記憶部1hに格納しておいたメールの雛形のパスワードと一致するかどうかを判断する。単にパスワード『ABCD』のみの本文からなるメールを雛形として記憶部1hに格納し、受信したメールにパスワード『ABCD』が含まれるかどうかだけで認証を行うと、パスワードによっては探索用のメールではないにも関わらず偶然『ABCD』という単語を本文に含んでしまうメールを紛失中の携帯端末1で受信してしまう恐れがあり、その場合誤って認証をパスしてしまうということを防ぐためである。また、受信したメールが探索用であるかどうかの判断を本文が『紛失中の端末のパスワードは』という文で始まるかどうかにより判断することができ、それにより探索用でない通常のメールか、それとも探索用の紛失中の携帯端末1の位置情報を要求するメールか、の区別を行うことができる。ここで『紛失中の端末のパスワードは』という部分は任意に設定することができ、通常のメールの本文としては含まれにくいと考えられる表現を使う方がよい。
【0016】
そして、パスワードが一致していた場合(S13でYes)、紛失中の携帯端末1はGPS受信部1cとGPS受信用アンテナ(1d)により位置情報を取得し、記憶部に格納する(S14)。パスワードが一致していなかった場合(S13でNo)、パスワードが違うことを伝えるメールを、パスワードを間違えていたメールの送信元アドレスを宛先として送受信部1a経由により送信する(S15−1)探索者は、探索用携帯端末2が送受信部2a経由によりこのメールを受信する(S15−2)ことで、パスワードが違っていることを知り、再度正しいパスワードを送りなおすことができる。紛失中の携帯端末1は正しいパスワードを含むメールの送信元アドレスを宛先として、記憶部1hに格納されているGPS受信部1cとGPS受信用アンテナ1dにより得られる携帯端末1の位置情報のメールを送受信部1a経由で送信する(S16)。探索用携帯端末2が送受信部2a経由で紛失中の携帯端末1の位置情報のメールを受信する(S17)。位置情報をもとに探索用携帯端末2を所持する探索者は、紛失中の携帯端末1の所在地に近づいていき、無線USB通信可能な距離に達する(S18)。ここで無線USB通信可能な距離とは一般に10m程度内とされる。無線USB通信が可能となると、紛失中の携帯端末1と探索用携帯端末2とが互いの無線USB通信部1i、2iと無線USB通信用アンテナ1j、2jを経由して直接無線通信を行い、紛失中の携帯端末1と探索用携帯端末2は互いの距離を理論上±10cmの精度で知ることができる(S19)。ここで距離情報は探索用携帯端末2の表示部2fに表示されるようにしておき、この距離情報が報知部1lを動作させて探索を行いたいと思う距離であれば、報知機能をONにするためのメールの雛形と同じメールを送受信部2a経由で送信する(S20)。紛失中の携帯端末1が送受信部1a経由によりメールを受信し、記憶部1hに格納されている報知機能をONにするためのメールの雛形と同じメールであることを確認すると、報知部1lの動作をONにする(S21)。音や振動やライトが動作することと、加えて無線USB通信機能による正確な距離情報をもとに紛失中の携帯端末1を発見することが可能となる(S23)。紛失中の携帯端末1を発見後は発見した携帯端末1を直接操作して報知部1lの動作をOFFにし(S24)、探索が終了する。なお、報知部1lが動作中で紛失中の携帯端末1を探索中に報知機能をOFFにしたい場合は、報知機能をOFFにするためのメールの雛形と同じメールを探索用携帯端末2から送信すれば報知部1lの動作をOFFにすることが可能であるとする。
【0017】
以上のように構成することで、携帯端末紛失時の探索において、GPSによる広範囲にわたる探索が可能なだけでなく、GPSの苦手とする屋内や近距離での携帯端末の探索においては通信相手と基地局などを介さず直接通信を行う無線USB通信機能から得られる通信相手との高精度な距離情報をもとに探索を行うことができ、より容易に探索を行うことができる。また、このようにして得られた距離情報をもとに音や振動や光などの報知手段を動作させるかどうかを判断することができ、報知手段の動作によってより容易に探索を行うことができる。また、認証手段を設けることにより、セキュリティーを考慮した探索を行うことができる。
【0018】
最後に、本発明に用いた無線USB(ワイヤレスUSB)について説明する。
ワイヤレスUSBとは、UWB(Ultra Wide Band)を無線方式とする、USBのインタフェースである。
UWBは、3.1〜10.6[GHz]の7.5[GHz]という、広い周波数帯域を使用している。
UWBの物理層には、MB−ODFM(Multi Band-Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、DS−UWB(Direct Spread-UWB)の2つの変調方式がある。
MB−ODFMは、3.1〜10.6[GHz]の帯域を、14のバンドに分割し、各バンドで、まず、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)により、ディジタル信号を電波に乗せるための1次変調を行い、他の電波からの干渉に強い通信を実現するための2次変調を、OFDM変調によっておこなう。
DS−UWBは、3.1〜4.9[GHz]のローバンドと、6.2〜9.7[GHz]のハイバンドの2つのバンド(デュアルバンド)を使用して、まず、QPSKまたはBPSK(Binary Phase Shift Keying)によって1次変調をおこなった後、2次変調にCDMA(Code Division Multiple Access)を使用してデータを運ぶ。このとき直接周波数拡散方式を使用する。
【0019】
IEEE(米国電気電子学会)802.15.3aが、UWBの物理レイヤーの標準化を担当している。これらの変調方式によって、変調をおこなうことにより、UWBでは、1[MHz]当たりの送信電力レベルを抑制している。
具体的には、FCC(米国連邦通信委員会:Federal Communications Commission)では、UWB通信における1[MHz]当たりの送信電力レベルの規制値を表すEIRP(Equivalent Isotropic Radiation)を、−41.25[dBm]以下と定めている。
これは、総電力に換算すると、0.5[mW]程度であり、PHS(Personal Handyphone System)の約20分の1である。
ワイヤレスUSBでは、UWBを無線インフラとして使用することにより、半径3[m]の範囲で最大480[Mbps]、半径10[m]の範囲で最大110[Mbps]の高速を実現できる仕様となっている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】被探索携帯端末と探索用携帯端末から構成される携帯端末探索システムを示す図。
【図2】携帯端末を探索する手順を示す図。
【符号の説明】
【0021】
1 携帯端末、1a、2a 送受信部、1b、2b 送受信用アンテナ、1c GPS受信部、1d GPS受信用アンテナ、1e 制御部、1f、2f 表示部、1g、2g 操作部、1h、2h 記憶部、1i、2i 無線USB通信部、1j、2j 無線USB通信用アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被探索携帯端末と、該被探索携帯端末を探索するための探索用携帯端末と、から構成される携帯端末探索システムにおいて、
前記被探索携帯端末は、基地局を介して前記探索用携帯端末との間で情報の送受信を行うための被探索側送受信手段と、当該被探索携帯端末の位置情報を得るための位置情報取得手段と、前記探索用携帯端末と直接に無線通信をするための被探索側無線通信手段と、を備え、
前記探索用携帯端末は、基地局を介して被探索携帯端末との間で情報の送受信を行うための探索側送受信手段と、前記被探索携帯端末と直接に通信をするための探索用無線通信手段と、を備え、
前記被探索携帯端末は、前記位置情報を前記被探索側送受信手段を用いて前記探索用携帯端末に送信し、前記探索用携帯端末は、送信された前記位置情報を前記探索側送受信手段によって受信し、
前記被探索携帯端末及び前記探索用携帯端末との距離が前記被探索側無線通信手段と前記探索側無線通信手段との無線通信可能範囲となる位置に前記探索用携帯端末が移動したときは、前記被探索側無線通信手段と前記探索側無線通信手段との間の無線通信によって前記被探索携帯端末と前記探索用携帯端末との距離を取得することにより前記被探索携帯端末の探索を完了することを特徴とする携帯端末探索システム。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末探索システムにおいて、前記被探索携帯端末は、所定の認証情報を保持する記憶手段と、前記探索用携帯端末から送信されたデータに含まれる認証情報と前記記憶手段内に保持される認証情報とが一致するか否かを判断する認証手段と、を備え、認証情報が一致すると前記認証手段が判断したときに、前記位置情報を前記探索用携帯端末に送信することを特徴とする携帯端末探索システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の携帯端末探索システムにおいて、前記被探索携帯端末は、当該被探索携帯端末の存在を報知する報知手段を備えたことを特徴とする携帯端末探索システム。
【請求項4】
基地局を介して他の携帯端末との間で情報の送受信を行うための送受信手段と、現在位置情報を取得するための位置情報取得手段と、所定の認証情報を保持する記憶手段と、前記他の携帯端末と直接に通信をするための無線通信手段と、前記他の端末から前記送受信手段を介して送信されるデータに含まれる認証情報と前記記憶手段内に保持される認証情報が一致するか否かを判断する認証手段と、を備えた携帯端末であって、該携帯端末が前記他の携帯端末によって探索されるときは、該認証手段が認証情報が一致すると判断したときに前記送受信手段により前記他の携帯端末に前記現在位置情報を送信し、前記他の携帯端末が移動して前記無線通信手段と通信可能な範囲にあるときは、前記無線通信手段と、前記他の携帯端末が有する無線通信手段とを通信させることにより、前記他の携帯端末に、前記携帯端末と前記他の携帯端末間の距離を取得させることを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯端末であって、当該携帯端末の存在を報知する報知手段を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
基地局を介して他の携帯端末との間で情報の送受信を行うための送受信手段と、現在位置情報を取得するための位置情報取得手段と、所定の認証情報を保持する記憶手段と、前記他の携帯端末と直接に通信をするための無線通信手段と、前記他の端末から前記送受信手段を介して送信されるデータに含まれる認証情報と前記記憶手段内に保持される認証情報が一致するか否かを判断する認証手段と、を備えた携帯端末であって、該携帯端末が前記他の携帯端末を探索するときは、
前記送受信手段を介して前記認証情報を含むデータを前記他の携帯端末に送信し、前記認証情報が前記認証手段により認証されることで前記他の携帯端末から送信される当該他の携帯端末の位置情報を前記送受信手段を介して取得し、前記他の携帯端末と前記無線通信手段とが通信可能な範囲に移動したときに、前記無線通信手段と、前記他の携帯端末が有する無線通信手段とを通信させることにより、前記携帯端末と前記他の携帯端末との距離を取得して前記他の携帯端末の探索を完了することを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−148166(P2008−148166A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−335156(P2006−335156)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】