説明

携帯端末装置、その制御方法及びプログラム

【課題】安全性を確保した上で遠隔制御を行うことができる携帯端末装置、その制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】携帯端末装置10は、リモートコントロール機能を有する。リモートコントロール機能が、着信又は着呼に応答して、発信元又は発呼元が登録されている発信元又は発呼元と一致するか否かを判定する判定装置40と、判定装置40によって一致が判定されると、発信元又は発呼元から信号入力を受け付ける信号入力受付装置60と、信号入力受付装置60で受け付けられた信号入力によって指定された所定の処理を実行する信号処理部20と、によって実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置、その制御方法及びプログラムに関し、更に詳しくは、リモートコントロール機能を有する携帯端末装置、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話装置等の携帯端末装置は、多機能化が進み、通話だけでなく各種データ蓄積機能や情報通信サービスを利用する機能を備えている。このため、ユーザが携帯端末装置を紛失し、この携帯端末装置が第三者に取得された場合には、第三者が携帯端末装置から個人情報を取得し、またこれを操作して情報通信サービスを不正利用することが考えられる。その結果、携帯端末装置に保存されている個人情報が漏洩する可能性もあり、また、ユーザに意図しない料金が請求される場合がある。
【0003】
このような状況の下、ユーザが、手元にない自身の携帯端末装置の使用をコントロールする技術が求められている。特許文献1には、携帯端末装置の紛失や盗難等を考慮して、他の携帯端末装置から、紛失等により手元にない携帯端末装置をリモートコントロール(遠隔制御)する技術が記載されている。
【0004】
特許文献1に記載の技術では、ユーザが手元にない遠隔制御対象である携帯端末装置の各種機能の動作設定を変更したい場合には、他の携帯端末装置から遠隔制御対象の携帯端末装置に対して、動作設定が可能な項目及び項目の設定状態を示すステータス情報の通知を要求する電子メールを送信する。電子メールを受信した遠隔制御対象の携帯端末装置は、予め記憶された遠隔制御を許可するためのパスワードが、電子メールに含まれているパスワードと一致するか否かを判定し認証を行う。遠隔制御対象の携帯端末装置は、認証が成功すれば遠隔制御を許可し、現在のステータス情報を他の携帯端末装置に送信する。
【0005】
他の携帯端末装置は、受信したステータス情報を参照して、動作設定の変更を指示する電子メールを、遠隔制御対象の携帯端末装置に送信する。この電子メールを受信した遠隔制御対象の携帯端末装置は、電子メールに含まれる指示に従い動作設定の変更を実施する。このようにして、ユーザは、他の携帯端末装置から電子メールを送信することで、手元にない携帯端末装置を遠隔制御できる。
【0006】
【特許文献1】特開2006−254311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の技術では、遠隔制御対象の携帯端末装置に対して電子メールを送信する他の携帯端末装置としては、電子メールの送信機能を有していればよく、特別な機能を有する必要はないので、一般的な装置を使用できる。このため、遠隔制御を許可するパスワードが第三者に知られてしまうと、第三者からの不正な遠隔制御を防止することが困難となる。
【0008】
本発明は、安全性を確保した上で遠隔制御を行うことができる携帯端末装置、その制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、リモートコントロール機能を有する携帯端末装置であって、前記リモートコントロール機能が、
着信又は着呼に応答して、発信元又は発呼元が登録されている発信元又は発呼元と一致するか否かを判定する判定装置と、
前記判定装置によって一致が判定されると、前記発信元又は発呼元から信号入力を受け付ける信号入力受付装置と、
前記信号入力受付装置で受け付けられた信号入力によって指定された所定の処理を実行する信号処理部と、によって実行されることを特徴とする携帯端末装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、上述の携帯端末装置と通信を行う携帯端末装置であって、
発信又は発呼に連続して所定の入力があると、該所定の入力に対応する信号を前記発信先又は発呼先の携帯端末装置に送信する信号送信部と、
前記信号送信部の発信先又は発呼先の携帯端末装置からデータを受け付けるデータ受付部と、を備えることを特徴とする携帯端末装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、リモートコントロール機能を有する携帯端末装置における制御方法であって、
着信又は着呼に応答して、発信元又は発呼元が登録されている発信元又は発呼元と一致するか否かを判定するステップと、
前記判定するステップによって一致が判定されると、前記発信元又は発呼元から信号入力を受け付けるステップと、
前記受け付けられた信号入力によって指定された所定の処理を実行するステップと、を有することを特徴とする制御方法を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、リモートコントロール機能を有する携帯端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
着信又は着呼に応答して、発信元又は発呼元が登録されている発信元又は発呼元と一致するか否かを判定する処理と、
前記判定する処理によって一致が判定されると、前記発信元又は発呼元から信号入力を受け付ける処理と、
前記受け付けられた信号入力によって指定された所定の処理を実行する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の携帯端末装置、その制御方法及びプログラムでは、安全性を確保した上で遠隔制御を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の例示的な実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る携帯端末装置の構成を示すブロック図である。携帯端末装置10は、リモートコントロール(遠隔制御)機能を有する電話機である。リモートコントロール機能とは、他の携帯端末装置(他端末)10Aからのアクセスを受け付けて、他端末10Aの要求に応じた所定の処理を実行する機能をいう。つまり、携帯端末装置10は、他端末10Aから見て遠隔制御対象であり、信号の発信先又は発呼先となる。また、他端末10Aは、携帯端末装置10から見て、信号の発信元又は発呼元となる。
【0015】
携帯端末装置10は、図1(a)に示すように、無線部11と、アンテナ12と、ベースバンド部13と、信号処理部20と、キーボード31と、表示部32と、認証部(判定部)40と、記憶部50と、信号入力受付部60と、機能選択部71と、報知選択部72と、設定部80とを備える。無線部11は、アンテナ12を介して受信した信号をベースバンド部13に受け渡し、ベースバンド部13から受け渡された信号をアンテナ12を介して送信する。ベースバンド部13は、無線部11から受け渡された信号を復調して信号処理部20に出力し、信号処理部20から入力された信号を変調して、無線部11に受け渡す。
【0016】
キーボード31は、携帯端末装置10の筐体表面に搭載された複数のテンキー等であって、操作や入力等を行う。表示部32は、LCD(Liquid Crystal Display)であって、受信したメールや電話帳等の情報を表示する。
【0017】
判定部40は、着信又は着呼に応答して、発信元又は発呼元と携帯端末装置10との間で通信回線が確立された後に、発信元又は発呼元の電話番号又は機器ID等が、記憶部50に予め登録されている電話番号又は機器IDと一致するか否かを判定する。なお、電話番号又は機器ID等を、以下では識別情報と称する。
【0018】
記憶部50は、判定部40での判定で用いられる上記識別情報を記憶する。なお、記憶部50に記憶される識別情報は、キーボード31等により予め登録される。
【0019】
信号入力受付部60は、判定部40が、発信元又は発呼元の識別情報と記憶部50に登録された識別情報とが一致する旨の判定を行うと、発信元又は発呼元である他端末10Aに対して信号入力の許可信号を送信すると共に、他端末10Aからの信号入力を受け付ける。ここで、他端末10Aからの信号は、遠隔制御対象である携帯端末装置10に対して所定の処理を実行させるための指示情報を含む。
【0020】
信号処理部20は、信号入力受付部60で受け付けられた信号入力の指示情報によって指定された所定の処理を実行する。なお、信号処理部20は、プログラムによって制御されるコンピュータとして構成され、上記各部を制御する機能も備えている。
【0021】
信号処理部20は、処理選択部21と、処理実行部22とを備えている。処理選択部21は、他端末10Aから受け付けられた信号入力に従って、処理内容を記憶する記憶部50を検索して、信号入力に対応する処理を選択する。また、処理実行部22は、処理選択部21によって選択された処理を実行する。
【0022】
機能選択部71は、リモートコントロール機能を有効又は無効とする選択を行う。また、報知選択部72は、判定部40で上記両者の識別情報が一致する旨の判定を得ると、他端末10Aからの着信又は着呼に対して自端末内での報知を行うか否か、及び報知を行う際の報知の態様を選択する。
【0023】
設定部80は、着信又は着呼に引き続いて、他端末10Aからの信号入力を受け付けた際に、信号入力に従って携帯端末装置10がどのような応答や処理を行うかを、携帯端末装置10で予め設定する機能を有する。設定部80は、図1(b)に示すように、例えば、外部アクセス方法設定部81と、モニター内容設定部82と、設定登録管理部83とを備える。なお、上記信号処理部20、機能選択部71及び報知選択部72は、設定部80で予め設定された応答や処理を選択して、各動作を行う。
【0024】
外部アクセス方法設定部81は、他端末10Aからの信号入力を受け付けた外部アクセス時での、報知の有無や態様を設定する。モニター内容設定部82は、外部アクセス時に実行される処理内容を設定する。設定登録管理部83は、キーボード31及び表示部32を用いた操作に伴い、外部アクセス方法設定部81及びモニター内容設定部82で設定された各種設定の登録や管理を行う。
【0025】
ここで、モニター内容設定部82で設定された処理内容としては、例えば、携帯端末装置10の表示部32の表示内容を他端末10Aに送信する処理と、携帯端末装置10で起動されているプログラムの種類(動作内容)を他端末10Aに送信する処理とが挙げられる。なお、これらの表示内容や動作内容は、他端末10Aからの外部アクセス時での携帯端末装置10の使用状況を示している。
【0026】
他端末10Aは、遠隔制御対象である携帯端末装置10と通信を行う携帯電話機であって、図1(a)に示すように、無線部11A、アンテナ12A、ベースバンド部13A、キーボード31A及び表示部32A、制御部91、信号送信部92及びデータ受付部93を備える。
【0027】
信号送信部92は、キーボード31Aを用いた携帯端末装置10への発信又は発呼に後続して、信号入力の許可信号が携帯端末装置10から送信された後に、キーボード31Aを用いた所定の入力があると、この所定の入力に対応する信号を携帯端末装置10に送信する。なお、所定の入力に対応する信号とは、例えば、キーボード31Aのテンキーの押下に応じて生成される信号であって、上記指示情報を含む。
【0028】
データ受付部93は、携帯端末装置10から送信された、外部アクセス時での使用状況を示すデータを受け付ける。また、制御部91は、表示部32Aを制御して、データ受付部93で受け付けたデータを表示部32Aに表示する。従って、他端末10Aでは、携帯端末装置10から送信される表示内容や動作内容を受信して、外部アクセス時での携帯端末装置10の使用状況をモニターできる。
【0029】
次に、図2を参照して、携帯端末装置10の動作について説明する。ここでは、一例として、ユーザが携帯端末装置10を紛失し、携帯端末装置10が第三者により使用される状況を考慮している。以下では、ユーザが携帯端末装置10に予め設定を行い、他端末10Aからの外部アクセスを受付け、かつ、携帯端末装置10の使用状況を示すデータを他端末10Aへ送信する一連の動作について説明する。
【0030】
まず、設定部80の外部アクセス方法設定部81及びモニター内容設定部82は、キーボード31や表示部32の操作に応じて、他端末10Aからの外部アクセスに対する携帯端末装置10の応答や処理内容の設定を行う(ステップS11)。設定登録管理部83は、ステップS11による設定を登録し管理する(ステップS12)。
【0031】
次に、図3及び図4を参照して、ステップS11で外部アクセスに対する携帯端末装置10の応答(外部アクセス方法)を設定する動作について説明する。なお、外部アクセス方法の設定とは、他端末10Aからの外部アクセスを受け付けるか否か、また、受け付ける際には自端末内で報知を行うか否か、報知する際にはどのような態様とするか、を設定することをいう。
【0032】
まず、外部アクセス方法設定部81は、キーボード31の操作に応じて表示部32を制御して、外部アクセス方法を設定するためのメニュー画面を表示する(ステップS21)。次に、ステップS22で外部アクセス方法の設定を行うときには(Y)、外部アクセス方法設定部81は、表示部32を制御して、図4(a)に示す外部アクセス機能設定画面32Bを表示する(ステップS23)。
【0033】
続いて、ステップS24で外部アクセス機能設定画面32Bの「Yes」が選択されると、外部アクセス方法設定部81は、外部アクセス機能ONを確定する(ステップS25)。さらに、外部アクセス方法設定部81は、表示部32を制御して、外部アクセスを許可する他端末10Aを登録するための登録画面を表示する(ステップS26)。
【0034】
次に、外部アクセス方法設定部81は、他端末10Aの電話番号やメールアドレス等を含む識別情報を設定登録管理部83に登録し、他端末10Aを、外部アクセスを許可する端末とする登録を完了する(ステップS27)。
【0035】
続いて、外部アクセス方法設定部81は、表示部32を制御して、図4(b)に示す外部アクセス時の動作設定画面32Cを表示する(ステップS28)。動作設定画面32Cで、キーボード31の操作に応じて「報知無し」が選択されると(ステップS29)、外部アクセス方法設定部81は、外部アクセス時には報知を行わない設定を確定し(ステップS30)、外部アクセス方法の設定を終了する(ステップS31)。
【0036】
また、ステップS28の動作設定画面32Cで、「スピーカーで報知」が選択されると(ステップS32)、外部アクセス方法設定部81は、外部アクセス時にはスピーカーで報知する設定を確定し(ステップS33)、上記ステップS31に進む。また、ステップS28の動作設定画面32Cで、「バイブモータで報知」が選択されると(ステップS34)、外部アクセス方法設定部81は、外部アクセス時にはバイブモータで報知する設定を確定し(ステップS35)、上記ステップS31に進む。
【0037】
一方、上記ステップS22,S24で外部アクセス方法の設定を行わない場合には、外部アクセス方法設定部81は、外部アクセス方法の設定OFFを確定し(ステップS36)、上記ステップS31に進む。ステップS31で外部アクセス方法の設定が終了すると、表示部32は、通常の待ち受け画面に戻る(ステップS37)。
【0038】
続いて、図5及び図6を参照して、ステップS11で外部アクセスに対する携帯端末装置10の処理内容(モニター内容)を設定する動作について説明する。ここで、モニター内容の設定とは、他端末10Aからの外部アクセス時に、携帯端末装置10の使用状況を示すデータを他端末10Aに送信するか否か、データを送信する際には表示内容又は動作内容のいずれかを送信するか、を設定することをいう。
【0039】
まず、モニター内容設定部82は、キーボード31の操作に応じて表示部32を制御して、外部アクセス時のモニター内容を設定するためのメニュー画面を表示する(ステップS41)。次に、ステップS42でモニター内容の設定を行うときには(Y)、モニター内容設定部82は、表示部32を制御して、図6(a)に示す外部アクセス時のモニター内容設定画面32Dを表示する(ステップS43)。
【0040】
続いて、ステップS44でモニター内容設定画面32Dの「Yes」が選択されると、モニター内容設定部82は、表示部32を制御して、図6(b)に示す外部アクセス(着呼)時のモニター内容選択画面32Eを表示する(ステップS45)。ここで、モニター内容選択画面32Eには、各モニター内容として、「通常呼び出し」「表示内容を表示」及び「動作内容を表示」が表示されている。次に、モニター内容設定部82は、モニター内容選択画面32Eに表示されている各モニター内容に、キーボード31の操作に伴って1から9の数字をそれぞれ割り振り(ステップS46)、モニター内容の設定を終了する(ステップS47)。
【0041】
一方、上記ステップS42,S44でモニター内容の設定を行わない場合には、モニター内容設定部82は、モニター内容の設定OFFを確定し(ステップS48)、予め設定されていたモニター内容が維持された状態で、モニター内容の設定を終了する(ステップS47)。ステップS47でモニター内容の設定が終了すると、表示部32は、通常の待ち受け画面に戻る(ステップS49)。
【0042】
以上、図3〜図6を参照して説明した、図2に示すステップS11の各設定は、上記したように、ステップS12で設定登録管理部83に登録される。なお、設定登録管理部83に登録された各設定は、例えば記憶部50に記憶される。続いて、再び図2に戻り、ユーザが紛失した携帯端末装置10に対して、ユーザが他端末10Aを用いて外部アクセスを行う場合における携帯端末装置10の動作について説明する。
【0043】
まず、ステップS11,12で外部アクセス方法及びモニター内容が設定された携帯端末装置10に対して、他端末10Aから外部アクセスがあると(ステップS13)、まず、判定部40は、外部アクセスに含まれる識別情報と、記憶部50に記憶されている識別情報とを比較し、他端末10Aが、外部アクセスを許可するものとして登録されているか否かを判定する。そして、両者の識別情報が一致すれば、判定部40による判定(認証)が完了する(ステップS14)。ここで、両者の識別情報が不一致であれば、携帯端末装置10は、通常の着呼又は着信処理に移行して、他端末10Aからの外部アクセスによる信号入力を受け付けない。このため、携帯端末装置10では、外部アクセスを許可されていない一般の端末から遠隔制御されることはない。
【0044】
次に、ステップS14で両者の識別情報が一致するとの判定を得ると、報知選択部72は、外部アクセス方法の設定に従い記憶部50に記憶された、図4(b)に示す「報知無し」、「スピーカーで報知」及び「バイブモータで報知」のいずれかを選択する。そして、携帯端末装置10は、選択された動作を行う。
【0045】
続いて、信号入力受付部60は、他端末10Aからの信号入力を受け付ける。次に、処理選択部21は、他端末10Aからの受け付けられた信号入力に含まれる指示情報に従って、記憶部50を検索して、信号入力に対応する処理を選択する(ステップS15)。なお、処理選択部21は、指示情報が、数字「1」を示す情報であれば、「通常呼び出し」、数字「2」を示す情報であれば、「表示内容を表示」、数字「3」を示す情報であれば、「動作内容を表示」という処理がそれぞれ選択される。
【0046】
次に、処理実行部22は、処理選択部21によって選択された上記各処理を実行して、携帯端末装置10の外部アクセス時の使用状況を示すモニター内容(表示内容又は動作内容)を、外部アクセスを行った他端末10Aへ送信する(ステップS16)。なお、モニター内容を送信しない際には、外部アクセス時に通常の呼び出しを行う。
【0047】
他端末10Aでは、携帯端末装置10からのモニター内容を示すデータをデータ受付部93で受け付け、制御部91が表示部32Aを制御して、モニター内容を表示する。このようにして、他端末10Aでは、携帯端末装置10にアクセスして、使用状況をモニターできる。
【0048】
本実施形態の携帯端末装置は、リモートコントロール機能を有する携帯端末装置であって、リモートコントロール機能が、着信又は着呼に応答して、発信元又は発呼元が登録されている発信元又は発呼元と一致するか否かを判定する判定装置と、判定装置によって一致が判定されると、発信元又は発呼元から信号入力を受け付ける信号入力受付装置と、信号入力受付装置で受け付けられた信号入力によって指定された所定の処理を実行する信号処理部と、によって実行される。
【0049】
上記構成を採用することによって、判定装置が、発信元又は発呼元の端末自体の正当性を判定するので、第三者が、正当性を有しない一般の端末を用いた場合には、遠隔制御を行うことはできない。従って、安全性を確保した上で遠隔制御を行うことができる。
【0050】
また、信号処理部は、受け付けられた信号入力に従って、処理内容を記憶する記憶装置を検索して、信号入力に対応する処理を選択する選択部と、選択部によって選択された処理を実行する処理実行部とを有する。これにより、信号入力に対応した処理内容を選択して実行できる。
【0051】
また、記憶装置に記憶される処理が、携帯端末装置の表示部の表示内容を送信する処理と、携帯端末装置で起動されているプログラムの種類を送信する処理と、処理中のプログラムを停止する処理との少なくとも1つを含む。これにより、信号入力を受け付けた際での携帯端末装置の使用状況を、発信元又は発呼元で把握できる。さらに、処理中のプログラムを停止する処理を実行すれば、発信元又は発呼元からの指示により、例えば、紛失して手元にない携帯端末装置が、第三者によって不正に使用されることを防止できる。
【0052】
また、リモートコントロール機能を有効又は無効とする機能選択部を更に有してもよい。また、発信元又は発呼元が登録されているときに、着信又は着呼に対する報知を行うか否か、及び報知を行う際には報知の態様を選択する報知選択部を更に備える。これにより、着信又は着呼があっても報知を行わなければ、遠隔制御対象の携帯端末装置に対して外部からアクセスしていることが第三者に気付かれない。また、報知を行う場合には、例えばスピーカによる音声やバイブレータによる振動を選択してもよい。
【0053】
また、上記携帯端末装置と通信を行う携帯端末装置は、発信又は発呼に連続して所定の入力があると、該所定の入力に対応する信号を発信先又は発呼先の携帯端末装置に送信する信号送信部と、信号送信部の発信先又は発呼先の携帯端末装置からデータを受け付けるデータ受付部と、を備える。上記構成を採用することによって、発信先又は発呼先の遠隔制御対象の携帯端末装置に対して、発信又は発呼に連続して所定の入力を行い、遠隔制御を指示する信号を送信できる。この信号は、例えば、発信元又は発呼元の携帯端末装置自体の識別情報を含んでおり、第三者が別の端末を用いても遠隔制御を行うことはできない。さらに、発信先又は発呼先の携帯端末装置からのデータを受け付けることで、携帯端末装置の使用状況を把握できる。
【0054】
本実施形態の携帯端末装置10では、他端末10Aからのアクセスを可能とし、携帯端末装置10の使用状況を他端末10Aでモニターできる。このため、ユーザが携帯端末装置10を紛失した場合であっても、ユーザが他端末10Aを用いることで、携帯端末装置10で起動中のプログラムの種類や表示部32に表示されている表示内容を把握できる。これにより、携帯端末装置10は、個人情報の漏洩状況を把握することもでき、利便性を高めることができる。
【0055】
次に、上記実施形態では、図5及び図6を用いて、外部アクセスの着呼時での携帯端末装置10の処理内容を説明したが、これに限定されない。即ち、他端末10Aからの外部アクセスを、電話による電話着呼時と、メールによるメール着信時とに区分し、それぞれの場合での処理内容を個別に設定してもよい。以下、図7及び図8を参照して説明する。
【0056】
図7に示す処理は、図5で示した上記ステップS45,S46の処理に代えて、ステップS51〜S56の処理を行う点で、図5に示した処理と異なる。以下では、このステップS51〜S56について主に説明する。ステップS44で図6(a)に示すモニター内容設定画面32Dの「Yes」が選択されると、モニター内容設定部82は、表示部32を制御して、図8(a)に示すモニター内容選択画面32Fを表示する(ステップS51)。ここで、モニター内容選択画面32Fには、各モニター内容として、「電話着呼時のモニター内容」及び「メール着信時のモニター内容」が表示されている。
【0057】
次に、モニター内容設定部82は、モニター内容選択画面32Fに表示されている各モニター内容に、キーボード31の操作に応じて1から9の数字をそれぞれ割り振る(ステップS52)。ステップS52で電話着呼時のモニター内容を選択すると、モニター内容設定部82は、表示部32を制御して、図8(b)に示すモニター内容選択画面32Gを表示する(ステップS53)。さらに、モニター内容設定部82は、モニター内容選択画面32Gに表示されている各モニター内容に、キーボード31の操作に応じて1から9の数字をそれぞれ割り振る(ステップS54)。
【0058】
また、ステップS52でメール着信時のモニター内容を選択すると、モニター内容設定部82は、表示部32を制御して、図8(c)に示すモニター内容選択画面32Hを表示する(ステップS55)。さらに、モニター内容設定部82は、モニター内容選択画面32Hに表示されている各モニター内容に、キーボード31の操作に応じて1から9の数字をそれぞれ割り振る(ステップS56)。ステップS54,S56以降は、ステップS47に進み、モニター内容の設定を終了する。
【0059】
このように、携帯端末装置10では、図7及び図8に示す各処理を行うことで、他端末10Aからの電話着呼時又はメール着信時に対応して、他端末10Aに送信されるモニター内容を予め適宜設定できる。
【0060】
また、上記実施形態では、モニター内容設定部82で設定された処理内容として、携帯端末装置10の表示内容や動作内容を他端末10Aに送信する例を挙げたが、これに限られず、処理中のプログラムを停止する処理を実行してもよい。このようにすれば、他端末10Aからの指示により、携帯端末装置10が、第三者により不正利用されることを防止できる。
【0061】
また、上記実施形態では、携帯端末装置10を紛失して、ユーザの携帯端末装置10が手元にない場合について説明したが、これに限定されない。一例として、保護者である親が他端末10Aを所持し、かつ、子供が携帯端末装置10を所持している場合には、親の他端末10Aから子供の携帯端末装置10にアクセスして、携帯端末装置10の使用状況を示すデータを取得してもよい。このようにすれば、子供が携帯端末装置10で有害サイトへアクセスし、また、他人に迷惑をかけるような不正な使用をしていた場合に、保護者である親は、携帯端末装置10の使用について子供に注意を促すことができる。
【0062】
また、他端末10Aは、携帯電話機としたが、これに限定されず、固定電話であってもよい。このようにすれば、他端末10Aを紛失する虞がないので、より安全性を確保した上で携帯端末装置10への遠隔制御が可能となる。
【0063】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の携帯端末装置、その制御方法及びプログラムは、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る携帯端末装置の構成を示すブロック図。
【図2】携帯端末装置の動作を示すフローチャート。
【図3】外部アクセス方法を設定する動作を示すフローチャート。
【図4】(a)及び(b)は、外部アクセス方法を設定する際の設定画面を示す図。
【図5】モニター内容を設定する動作を示すフローチャート。
【図6】(a)及び(b)は、モニター内容を設定する際の設定画面を示す図。
【図7】電話着呼又はメール着信に応じたモニター内容を設定する動作を示すフローチャート。
【図8】(a)〜(c)は、電話着呼又はメール着信に応じたモニター内容を設定する際の設定画面を示す図。
【符号の説明】
【0065】
10:携帯端末装置
10A:他端末
11,11A:無線部
12,12A:アンテナ
13,13A:ベースバンド部
20:信号処理部
21:処理選択部
22:処理実行部
31,31A:キーボード
32,32A:表示部
32B〜32H:設定画面
40:認証部(判定部)
50:記憶部
60:信号入力受付部
71:機能選択部
72:報知選択部
80:設定部
81:外部アクセス方法設定部
82:モニター内容設定部
83:設定登録管理部
91:制御部
92:信号送信部
93:データ受付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモートコントロール機能を有する携帯端末装置であって、前記リモートコントロール機能が、
着信又は着呼に応答して、発信元又は発呼元が登録されている発信元又は発呼元と一致するか否かを判定する判定装置と、
前記判定装置によって一致が判定されると、前記発信元又は発呼元から信号入力を受け付ける信号入力受付装置と、
前記信号入力受付装置で受け付けられた信号入力によって指定された所定の処理を実行する信号処理部と、によって実行されることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記信号処理部は、前記受け付けられた信号入力に従って、処理内容を記憶する記憶装置を検索して、前記信号入力に対応する処理を選択する選択部と、
前記選択部によって選択された処理を実行する処理実行部とを有する、請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記記憶装置に記憶される処理が、携帯端末装置の表示部の表示内容を送信する処理と、携帯端末装置で起動されているプログラムの種類を送信する処理と、処理中のプログラムを停止する処理との少なくとも1つを含む、請求項2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記リモートコントロール機能を有効又は無効とする機能選択部を更に有する、請求項1〜3の何れか一に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記判定装置によって一致が判定されると、前記着信又は着呼に対する報知を行うか否か、及び報知を行う際には報知の態様を選択する報知選択部を更に備える、請求項1〜4の何れか一に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一に記載の携帯端末装置と通信を行う携帯端末装置であって、
発信又は発呼に連続して所定の入力があると、該所定の入力に対応する信号を前記発信先又は発呼先の携帯端末装置に送信する信号送信部と、
前記信号送信部の発信先又は発呼先の携帯端末装置からデータを受け付けるデータ受付部と、を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
リモートコントロール機能を有する携帯端末装置における制御方法であって、
着信又は着呼に応答して、発信元又は発呼元が登録されている発信元又は発呼元と一致するか否かを判定するステップと、
前記判定するステップによって一致が判定されると、前記発信元又は発呼元から信号入力を受け付けるステップと、
前記受け付けられた信号入力によって指定された所定の処理を実行するステップと、を有することを特徴とする制御方法。
【請求項8】
リモートコントロール機能を有する携帯端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
着信又は着呼に応答して、発信元又は発呼元が登録されている発信元又は発呼元と一致するか否かを判定する処理と、
前記判定する処理によって一致が判定されると、前記発信元又は発呼元から信号入力を受け付ける処理と、
前記受け付けられた信号入力によって指定された所定の処理を実行する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−109853(P2010−109853A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−281590(P2008−281590)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】