説明

携帯端末装置、基地局装置、及び交換局装置並びに移動通信方法

【課題】対象携帯端末装置に所望無線品質を測定させて、測定報告と一緒に正確な位置情報を取得すること。
【解決手段】位置情報を取得する携帯端末装置は、位置情報の取得が行われる際に、当該携帯端末装置に、ネットワークの無線品質測定調査の測定のための測定条件が設定されているかどうかを判定する判定部と、前記測定条件が設定されていると判定された場合に、ネットワークの無線品質測定調査の測定を行うように制御する測定制御部と、ネットワークの無線品質測定調査の測定結果と前記位置情報とを含む報告情報を生成する報告情報生成部と、該報告情報をネットワークに送信する送信部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)は、W-CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)の標準化団体3GPP(3rd Generation Partnership Project)にて、仕様が作成されている。LTEは、W-CDMAの拡張技術であるHSPA(High Speed Packet Access)から更に発展した標準規格である。LTEでは、下りリンクにおいて100Mbps以上、上りリンクにおいて50Mbps以上の高速通信が実現され、遅延の改善や周波数の利用効率向上などが図られる。
【0003】
今後、LTEが導入されることにより、既存の移動体通信システムとLTEとが混在する状況となることが予想される。既存のシステムには、W-CDMA方式による移動体通信システムが含まれる。
【0004】
移動体通信システムでは、ネットワークの品質の改善を行うために、ドライブテスト(Drive-Tests)が行われる。ドライブテストとは、オペレータ自身が各エリアで電界強度の測定(電測)を行うことによりネットワークの品質の調査を行うことである。例えば、オペレータが全エリアに定期的に出向いて、各エリアにおける電界強度を測定する。該電界強度の測定結果から問題となるエリアを検出する。該問題となるエリアにおける電界強度の測定結果に基づいて、ネットワークの品質を改善する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TR 36.805 v9.0.0, 2009 12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ドライブテストを行うには、オペレータ自身が各エリアに出向く必要がある。各エリアに出向く必要があるため、ネットワークの無線品質の測定に時間がかかる。また、コストが高い問題がある。
【0007】
このような問題を改善するため、3GPPでは、ミニマイゼーションオヴドライブテスト(ドライブテストの最小化)(MDT: Minimization of Drive-Tests)(以下、「MDT」と呼ぶ)について議論されている。
【0008】
MDTでは、携帯端末装置を用いて、ネットワークにおける無線品質の測定を行うことにより、ネットワークの品質測定調査を行う。該測定結果は、ネットワークに報告される。
【0009】
MDTが導入されることにより、ネットワークの無線品質の測定時間を短縮でき、また、コストを低減できることが期待される。
【0010】
しかし、MDTの具体的な方法については規定されていないことも多い。
【0011】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、対象携帯端末装置に所望無線品質を測定させて、測定報告と一緒に正確な位置情報を取得することができる携帯端末装置、基地局装置、及び交換局装置並びに移動通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本携帯端末装置は、
位置情報を取得する携帯端末装置であって、
前記位置情報の取得が行われる際に、当該携帯端末装置に、ネットワークの無線品質測定調査の測定のための測定条件及び報告方法が設定されているかどうかを判定する判定部と、
該判定部により、前記測定条件及び報告方法が設定されていると判定された場合に、ネットワークの無線品質測定調査の測定を行うように制御する測定制御部と、
前記ネットワークの無線品質測定調査の測定結果と前記位置情報とを含む報告情報を生成する報告情報生成部と、
該報告情報生成部により生成された報告情報をネットワークに送信する送信部と
を有する。
【0013】
本基地局装置は、
対象携帯端末に所望無線品質を測定させて報告させる移動通信方法で用いられる基地局装置であって、
位置情報サービスを提供する位置情報関連ノードにより通知されるべき位置測位手順が起動されたことを表す起動信号を受信する起動信号受信部と、
交換局装置からネットワークの無線品質測定調査の測定を開始させる信号を受信する測定開始信号受信部と、
前記起動信号受信部により起動信号が受信され、且つ前記測定開始信号受信部により測定を開始させる信号が受信された場合に、前記対象携帯端末装置に対して、前記所望無線品質の測定および報告方法に基づいて該所望無線品質の測定および報告を行うように指示する信号を送信する送信部と
を有する。
【0014】
本交換局装置は、
対象携帯端末装置に所望無線品質を測定させて報告させる移動通信方法で用いられる交換局装置であって、
位置測位手順が起動されたことを検出する起動検出部と、
該起動検出部により位置測位手順が起動されたことが検出された場合に、基地局装置に対して、前記対象携帯端末装置にネットワークの無線品質測定調査の測定を開始させるための測定開始信号を送信する測定開始信号送信部と
を有し、
前記基地局装置は、前記対象携帯端末装置に対して、前記所望無線品質の測定および報告方法に基づいて該所望無線品質の測定および報告を行うように指示する前記測定開始信号を送信し、該対象携帯端末装置は、前記測定開始信号に従って、ネットワークの無線品質測定調査の測定を行う。
【0015】
本移動通信方法は、
前記位置情報の取得が行われる際に、当該携帯端末装置に、ネットワークの無線品質測定調査の測定のための測定条件及び報告方法が設定されているかどうかを判定する判定ステップと、
該判定ステップにより、前記測定条件及び報告方法が設定されていると判定された場合に、ネットワークの無線品質測定調査の測定を行うように制御する測定制御ステップと、
前記ネットワークの無線品質測定調査の測定結果と前記位置情報とを含む報告情報を生成する報告情報生成ステップと、
該報告情報生成ステップにより生成された報告情報をネットワークに送信する送信ステップと
を有する。
【0016】
本移動通信方法は、
対象携帯端末に所望無線品質を測定させて報告させる移動通信方法であって、
基地局装置が、位置情報サービスを提供する位置情報関連ノードにより通知されるべき位置測位手順が起動されたことを表す起動信号を受信する起動信号受信ステップと、
基地局装置が、交換局装置からネットワークの無線品質測定調査の測定開始信号を受信する測定開始信号受信ステップと、
基地局装置が、前記起動信号受信ステップにより起動信号が受信され、且つ前記測定開始信号受信ステップにより測定開始信号が受信された場合に、前記対象携帯端末装置に対して、前記所望無線品質の測定および報告方法に基づいて該所望無線品質の測定および報告を行うように指示する信号を送信するステップと
を有する。
【0017】
本移動通信方法は、
対象携帯端末装置に所望無線品質を測定させて報告させる移動通信方法であって、
交換局装置が、位置測位手順が起動されたことを検出する起動検出ステップと、
交換局装置が、該起動検出ステップにより位置測位手順が起動されたことが検出された場合に、基地局装置に対して、前記対象携帯端末装置にネットワークの無線品質測定調査の測定を開始させるための測定開始信号を送信する測定開始信号送信ステップと、
前記基地局が、前記対象携帯端末装置に対して、前記所望無線品質の測定および報告方法に基づいて該所望無線品質の測定および報告を行うように指示する前記測定開始信号を送信するステップと、
該携帯端末装置が、前記測定開始信号に従って、ネットワークの無線品質測定調査の測定を行うステップと
を有する。
【発明の効果】
【0018】
開示の携帯端末装置、基地局装置、及び交換局装置並びに移動通信方法によれば、対象携帯端末装置に所望無線品質を測定させて、測定報告と一緒に正確な位置情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施例に従った移動体通信システムの一例を示す説明図である。
【図2】本実施例に従った携帯端末装置を示すハードウェアの一例を示す構成図である。
【図3】本実施例に従った携帯端末装置を示す機能ブロック図である。
【図4】本実施例に従った携帯端末装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】本実施例に従った交換局装置を示すハードウェアの一例を示す構成図である。
【図6】本実施例に従った交換局装置を示す機能ブロック図である。
【図7】本実施例に従った交換局装置を含む移動体通信システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【図8】本実施例に従った基地局装置を示すハードウェアの一例を示す構成図である。
【図9】本実施例に従った基地局装置を示す機能ブロック図である。
【図10】本実施例に従った基地局装置を含む移動体通信システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0021】
<第1の実施例>
<システム>
図1は、本実施例に従った携帯端末装置100が適用されるシステムの一例を示す。
【0022】
本携帯端末装置100が適用される環境は、W-CDMA方式の移動体通信システムが適用される環境であってもよいし、Evolved UTRA and UTRAN方式の移動体通信システムが適用される環境であってもよい。両システムが適用される環境であってもよい。Evolved UTRAN and UTRAN方式の移動体通信システムは、ロングタームエボリューション(LTE: Long Term Evolution)と呼ばれることもある。
【0023】
図1には、一例として、Evolved UTRA and UTRAN方式の移動体通信システムが示される。
【0024】
該移動体通信システムは、携帯端末装置(UE: User Equipment)100と、基地局装置(eNB: eNodeB)200と、交換局装置300とを含む。交換局装置300は、MME(Mobility Management Entity)と呼ばれることもある。
【0025】
基地局装置200は交換局装置300と接続され、交換局装置300は、コアネットワーク(図示無し)と接続される。コアネットワークに、オペレーションアンドメンテナンス(OAM: operation and maintenance)ノード500が接続される。また、コアネットワークに、位置情報関連ノード400が接続される。位置情報関連ノードには、例えば、ゲートウェイモバイルロケーションセンター(GMLC: Gateway Mobile Location Center)が含まれる。携帯端末装置100は基地局装置200によりカバーされるセルにおいて基地局装置200とEvolved UTRA and UTRAN方式により無線通信を行う。
【0026】
図1には、1台の携帯端末装置100が描かれているが、2台以上であってもよい。また、図1には、交換局装置300に1台の基地局装置200が接続されているが、2台以上でもよい。また、図1には、1台の交換局装置300が描かれているが、2台以上であってもよい。
【0027】
基地局装置200と無線通信を行うことができる携帯端末装置100は、W-CDMA方式により無線通信を行う基地局装置(図示無し)とも無線通信を行うことができるものであってもよい。換言すれば、携帯端末装置100は、デュアルモード端末であってもよい。デュアルモード端末は、既存の移動体通信システム、例えばW-CDMA方式と、新たに導入される移動体通信システム、例えばLTE方式により通信を行うことができる。携帯端末装置100には、既存の移動体通信システムにより無線通信を行うものと、新たに導入される移動体通信システムにより無線通信を行うものと、両方の移動体通信システムにより無線通信を行うものとが含まれてもよい。
【0028】
<本携帯端末装置>
図2は、本実施例に従った携帯端末装置100を示す。図2には、主にハードウェア構成が示される。
【0029】
本携帯端末装置100は、入力部102と、出力部104と、通信制御部106と、無線部108と、記憶部110と、中央演算処理装置(CPU: Central Processing Unit)112と、位置情報取得部114とを有する。各機能ブロックは、バス150により接続される。本実施例では、一例として、携帯端末装置100について説明される。携帯端末装置100に限らず、MDTの測定を適用できる端末装置であれば適用できる。例えば、携帯情報端末(PDA: Personal Digital Assistants)などに適用できる。
【0030】
中央演算処理装置112は、入力部102、出力部104、通信制御部106、無線部108、記憶部110、及び位置情報取得部114の制御を行う。中央演算処置装置112は、記憶部110に記憶されたプログラムに従って機能し、所定の処理を行う。
【0031】
記憶部110は、アプリケーション(Application)と、オペレーティングシステム(OS: Operating System)とを有する。アプリケーションは、ユーザが本携帯端末装置100上で実行する作業を実施する機能を有するソフトウェアである。オペレーティングシステムは、本携帯端末装置100において、ハードウェアを抽象化したインターフェースをアプリケーションソフトウェアに提供するソフトウェアである。
【0032】
入力部102は、例えば、キーボードやマウスにより構成され、当該携帯端末装置100への指示や、データの入力を行うための装置である。また、入力部102は、例えば、マイクにより構成され、ユーザにより発せられた音声を入力する。該音声には、当該携帯端末装置100への指示が含まれてもよい。該指示には、オペレーティングシステムに対するものや、アプリケーションに対するものが含まれる。
【0033】
出力部104は、例えば、ディスプレイにより構成され、当該携帯端末装置100による処理状態や処理結果を表示する。また、出力部104は、例えば、スピーカにより構成され、ユーザに対して、音を出力するようにしてもよい。該処理状態や処理結果には、オペレーティングシステムやアプリケーションによるものが含まれる。ディスプレイには、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display :LCD)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP: Plasma Display Panel)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどが含まれる。
【0034】
通信制御部106は、当該携帯端末装置100を接続すべきネットワークと接続するための制御情報を生成し、また、接続すべき基地局装置200により送信された制御情報を解析する。また、通信制御部106は、ネットワークの無線品質測定調査(以下、「MDT測定」と呼ぶ)を行う。該MDT測定では、参照信号受信電力(RSRP: Reference Signal Received Power)、参照信号受信品質(RSRQ: Reference Signal Received Quality)が測定されてもよい。例えば、無線部108からの入力信号に基づいてMDP測定を行う。
【0035】
無線部108は、中央演算処理装置112による制御により、基地局装置200との間で、所定の無線通信方式により無線通信を行う。該無線通信方式には、E-UTRA (Evolved Universal Terrestrial Radio Access)/E-UTRAN (Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network) が含まれる。例えば、通信制御部106により生成された制御情報を無線信号に変換して送信する。また、基地局装置200からの無線信号をベースバンド信号に変換する。
【0036】
位置情報取得部114は、当該携帯端末装置100の位置情報を取得する。例えば、位置情報取得プロシージャーを起動することにより、位置情報を取得する。また、例えば、位置情報取得部114は、GPS受信装置を含んでいてもよい。GPS受信装置は、GPS衛星により送信される測位信号に基づいて、当該携帯端末装置100の位置を測位する。位置情報は、経度、緯度により表されてもよい。さらに、位置情報は、高度により表されてもよい。現在、約30個のGPS衛星が高度約20,000kmの上空で地球を一周しており、55度ずつ傾いた6つの地球周回軌道面があり、各々の軌道面に4個以上のGPS衛星が均等に配置されている。従って、天空が開けている場所であれば、地球上のどの場所にいても、常時、少なくとも5個以上のGPS衛星が観測可能である。また、位置情報取得部114は、GPSに限らず、他の位置情報取得手段により位置情報を取得してもよい。例えば、無線LANにおけるアクセスポイントからの電波に基づいて位置情報を取得してもよい。
【0037】
<MDTの種類>
MDTには、「イミディエートMDT(Immediate MDT)」と「ログMDT(Logged MDT)の2つのタイプが規定されている。
【0038】
「Immediate MDT」は、当該携帯端末装置100が、RRC_CONNECTEDの状態である場合に実行されるMDTの測定と、該測定結果の報告とを含む。通常、携帯端末装置100は、RRC_CONNECTEDの状態で、CONNECTED Measurement and Reportingを行うが、該CONNECTED Measurement and Reportingと同様の方法により行われる。例えば、携帯端末装置100は、予め設定されたイベントやピリオドを満たす場合に報告を行う。イベントには、サービングセルからの電界強度があるしきい値未満となることが含まれる。
【0039】
「Logged MDT」は、当該携帯端末装置100が、RRC_IDLEの状態である場合に実行されるMDTの測定と、該測定結果の記録とを含む。携帯端末装置100には、MDTの測定のための測定条件及び報告方法(以下、「MDT測定コンフィグレーション」と呼ぶ)が予め設定される。例えば、RRC_CONNECTEDの状態である場合に、携帯端末装置100に、MDT測定コンフィグレーションが設定される。該MDT測定コンフィグレーションは、携帯端末装置100がRRC_IDLEである場合に適用されるものであってもよい。携帯端末装置100は、RRC_IDLEの状態になったら、予め設定されたMDT測定コンフィグレーションに従って、MDTの測定と、該測定結果を記録する。また、RRC_CONNECTEDの状態である場合に、MDT用の測定と、該測定結果を記録するようにしてもよい。携帯端末装置100は、RRC_CONNECTEDセッションで、記録した測定結果を報告する。
【0040】
「Immediate MDT」と「Logged MDT」との違いは、イベントを満たした場合に報告するか、記録するかの違いであってもよい。
【0041】
<本携帯端末装置の機能>
MDT測定結果の報告は、ネットワークの無線品質を調査して、該品質が悪い所を改善するために行われる。従って、ネットワークの無線品質の情報だけでは不十分であり、該無線品質が得られた位置に関する位置情報も必要である。
【0042】
特に、「Logged MDT」では、様々な位置で測定されたネットワークの品質の測定結果が記録されるため、該測定結果を報告する際には、位置情報も含めて報告するのが好ましい。
【0043】
「Logged MDT」では、携帯端末装置100がRRC_IDLEの状態での測定結果が記録される場合が多いので、位置情報をネットワーク側で把握できない場合が多い。
【0044】
そこで、本携帯端末装置100では、ネットワークの無線品質の測位結果と、当該携帯端末装置100が有する利用可能な位置情報とを記録する。
【0045】
本携帯端末装置100により実行される処理には、当該携帯端末装置100の有する位置情報取得部114が起動した場合に、MDT測定コンフィグレーションが設定されているかどうかを判定する処理が含まれる。本携帯端末装置100により実行される処理には、該判定の結果が、MDT測定コンフィグレーションが設定されている場合に、MDT測定を行う処理が含まれる。本携帯端末装置100により実行される処理には、該測定結果と当該携帯端末装置100の位置情報(location info)とを報告する処理が含まれる。該位置情報は、当該携帯端末装置100が有する利用可能な(available)位置情報であるのが好ましい。該利用可能な位置情報は、当該携帯端末装置100が有する最新の位置情報が含まれる。例えば、報告のために、最新の位置情報を取得する手順(プロシージャー:procedure)は起動せず、測定結果を報告する時点で当該携帯端末装置100に記憶されている位置情報であってもよい。また、必要に応じて、測定結果を報告する際に、位置情報を取得する手順が起動され、該位置情報を取得する手順により取得された位置情報であってもよい。
【0046】
また、位置情報には、該位置情報に関連した情報が含まれてもよい。例えば、スタンドアロン(standalone)GPSが起動された場合には、該GPSによる測位結果に加え、周辺セルの参照信号受信電力、参照信号受信品質が含まれてもよい。
【0047】
図3は、本携帯端末装置100の機能を示す。図3には、中央演算処理装置112により実行される機能が主に示される。
【0048】
本携帯端末装置100は、MDT測定コンフィグレーション設定判定部1122を有する。該MDT測定コンフィグレーション設定判定部1122には、位置情報取得部114から該位置情報取得部114が起動された場合に、起動されたことを表す起動情報が入力される。例えば、GPS受信装置を含む位置情報取得部114に、位置情報サービスによる命令が入力されることにより該GPS受信装置が起動された場合に、該位置情報取得部114は、MDT測定コンフィグレーション設定判定部1122に起動情報を入力する。MDT測定コンフィグレーション設定判定部1122は、位置情報取得部114から起動情報が入力されると、MDP測定コンフィグレーション設定部1124に、MDT測定コンフィグレーションが設定されているかどうかを問い合わせる。MDT測定コンフィグレーション設定部1124にMDT測定コンフィグレーションが設定されている場合、MDT測定コンフィグレーション設定判定部1122は、MDT測定制御部1126に、MDT測定を開始するように命令する。MDT測定コンフィグレーション設定部1124にMDT測定コンフィグレーションが設定されていない場合、MDT測定コンフィグレーション設定判定部1122は、待機する。
【0049】
本携帯端末装置100は、MDT測定コンフィグレーション設定部1124を有する。該MDT測定コンフィグレーション設定部1124は、MDT測定コンフィグレーション設定判定部1122と接続される。該MDT測定コンフィグレーション設定部1124には、通信制御部106から、MDT測定コンフィグレーションが入力される。該MDT測定コンフィグレーションには、MDT測定により測定し、報告すべき測定結果を得るための測定パラメータや項目が含まれる。MDT測定コンフィグレーション設定部1124は、通信制御部106により入力されたMDT測定コンフィグレーションを設定する。また、MDT測定コンフィグレーション設定部1124は、MDT測定制御部1126に、MDT測定コンフィグレーションの設定結果を入力する。また、MDT測定コンフィグレーション設定部1124は、MDT測定コンフィグレーション設定判定部1122によるMDT測定コンフィグレーションが設定されたかどうかの問い合わせに応答する。
【0050】
本携帯端末装置100は、MDT測定制御部1126を有する。該MDT測定制御部1126は、MDT測定コンフィグレーション設定判定部1122、及びMDT測定コンフィグレーション設定部1124と接続される。該MDT測定制御部1126は、MDT測定コンフィグレーション設定判定部1122からMDT測定を開始するように命令された場合に、MDT測定コンフィグレーション設定部1124により入力されるべきMDT測定コンフィグレーションに従って、MDT測定の制御を行う。MDT測定制御部1126は、MDT測定結果報告情報生成部1128に、ネットワークに報告すべき報告情報を生成するように命令する。
【0051】
本携帯端末装置100は、MDT測定結果報告情報生成部1128を有する。該MDT測定結果報告情報生成部1128は、MDT測定制御部1126と接続される。該MDT測定結果報告情報生成部1128には、位置情報取得部114から位置情報が入力され、通信制御部106からMDT測定結果が入力される。MDT測定結果報告情報生成部1128は、MDT測定制御部1126からネットワークに報告すべき報告情報を生成するように命令された場合、該命令に従って、MDT測位結果と位置情報とを含む報告情報を生成する。MDT測定結果報告情報生成部1128は、該報告情報を通信制御部106に入力する。
【0052】
<本携帯端末装置の動作>
図4は、本携帯端末装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0053】
本携帯端末装置100の有する位置測位装置が起動される(ステップS402)。該位置測位装置は、例えばスタンドアロンGPSであってもよい。例えば、位置情報取得部114は、当該携帯端末装置100の有する位置測位装置が起動されたかどうかを判定し、起動されたと判定した場合に、MDT測定コンフィグレーション設定判定部1122に、起動情報を入力する。
【0054】
本携帯端末装置100は、MDT測定コンフィグレーションが設定されているかどうかを判定する(ステップS404)。例えば、MDT測定コンフィグレーション設定判定部1122は、MDT測定コンフィグレーション設定部1124に、MDT測定コンフィグレーションが設定されているかどうかを問い合わせることにより、MDT測定コンフィグレーションが設定されているかどうかを判定する。
【0055】
MDT測定コンフィグレーションが設定されている場合(ステップS404:YES)、本携帯端末装置100は、MDT測定を開始し、MDTデータの収集を開始する(ステップS406)。例えば、MDT測定コンフィグレーション設定判定部1122は、MDT測定コンフィグレーションが設定されていると判定した場合、MDT測定制御部1126に、MDT測定を開始するように命令する。MDT測定制御部1126は、MDT測定コンフィグレーション設定判定部1122により入力されたMDT測定を開始する命令に従ってMDT測定の制御を行う。
【0056】
本携帯端末装置100は、ネットワークに、MDTデータ収集結果と、測位情報とを報告する。例えば、MDT測定制御部1126は、MDT測定結果情報生成部1128に、ネットワークに報告すべき報告情報を生成するように命令する。MDT測定結果報告情報生成部1128は、MDT測定制御部1126から、ネットワークに報告すべき測位結果情報を生成するように命令された場合、該命令に従って、MDT測位結果と位置情報とを含む報告情報を生成する。MDT測定結果報告情報生成部1128は、報告情報を通信制御部106に入力する。通信制御部106は、該報告情報を無線部108から無線送信させる。
【0057】
ステップS404においてMDT測定コンフィグレーションが設定されていないと判定された場合、MDT測定は不可能であるので終了する。
【0058】
図4に示されるフローチャートにおいて、ステップS408において生成された報告情報を記録するようにしてもよい。例えば、MDT測定制御部1126は、MDT測定結果報告情報生成部1128に、報告情報を記憶部110に格納するように命令する。記憶部110に格納された報告情報は、その後、ネットワークに無線送信されてもよい。
【0059】
本実施例によれば、MDT測定結果に、本携帯端末装置100の有する最新の位置情報と関連付けて報告情報を生成できる。MDT測定のために位置情報の測定が行われるのではなく、位置情報が取得される際にMDT測定が行われるため、MDT測定に係る処理負荷を低減できる。
【0060】
<第2の実施例>
<システム>
本実施例に従った交換局装置300が適用される環境は、図1を参照して説明した環境と同様である。
【0061】
<本交換局装置>
図5は、本実施例に従った交換局装置300を示す。図5には、主にハードウェア構成が示される。
【0062】
本交換局装置300は、通信部302と、中央演算処理装置304と、記憶部306とを有する。各機能ブロックは、バス350により接続される。
【0063】
中央演算処理装置304は、通信部302、及び記憶部306の制御を行う。中央演算処置装置304は、記憶部306に記憶されたプログラムに従って機能し、所定の処理を行う。
【0064】
記憶部306は、アプリケーションと、オペレーティングシステムとを有する。アプリケーションは、ユーザが本交換局装置300上で実行する作業を実施する機能を有するソフトウェアである。オペレーティングシステムは、本交換局装置300において、ハードウェアを抽象化したインターフェースをアプリケーションソフトウェアに提供するソフトウェアである。
【0065】
通信部302は、中央演算処理装置304による制御により、基地局装置200との間で、所定の通信方式により通信を行う。また、通信部302は、OAMノードとの間で、所定の通信方式により通信を行う。また、通信部302は、位置情報関連ノード400との間で、所定の通信方式により通信を行う。
【0066】
<本交換局装置の機能>
交換局装置300は、携帯端末装置100がRRC_IDLEの状態であるのかRRC_CONNECTEDの状態であるのかを検出できる。また、位置情報関連ノード400により位置情報測位手順が起動される際には、交換局装置300に、位置情報測位指示が送信される。交換局装置300は、該位置情報測位指示をトリガーとして、基地局装置200に、MDTデータの収集を開始するように指示する。該指示は、対象となる携帯端末装置に所望の無線品質を測定させて報告させるためのものである。
【0067】
図6は、本交換局装置300の機能を示す。図6には、中央演算処理装置304により実行される機能が主に示される。
【0068】
本交換局装置300は、MDTポリシー通知部3042を有する。MDTポリシー通知部3042には、MDTポリシーが入力される。該MDTポリシーには、MDP測定を行うエリアを示す情報、例えば、セルIDが含まれる。また、MDTポリシーには、携帯端末装置100の契約者情報が含まれてもよい。また、MDTポリシーには、携帯端末装置100の能力を表す情報が含まれてもよい。また、MDTポリシーには、ある加入者識別子(IMSI: International Mobile Subscriber Identity)を有する携帯端末装置を示す情報が含まれてもよい。MDTポリシーは、例えば、OAMノード500から受信されたものであってもよい。OAMノード500は、ネットワーク装置の運用・保守を行うためのノードである。MDTポリシー通知部3042は、記憶部306に、MDTポリシーを一時的に格納する。また、MDTポリシー通知部3042は、記憶部306に格納されたMDTポリシーを通信部302に入力する。通信部302に入力されたMDTポリシーは、基地局装置200に送信される。該MDTポリシーは、基地局装置200により、携帯端末装置100に送信するためのフォーマットに変換され、MDT測定コンフィグレーションとして、携帯端末装置100に無線送信される。携帯端末装置100は、MDT測定コンフィグレーションを設定する。
【0069】
本交換局装置300は、MDT測定開始制御部3044を有する。MDT測定開始制御部3044には、位置情報関連ノード400により位置情報測位指示信号が入力される。MDT測定開始制御部3044は、MDTポリシー通知部3042に、MDTポリシーを通知するように命令する。また、MDT測定開始制御部3044は、該位置情報測位指示信号が入力されたことをトリガーとして、MDT測定開始信号生成部3046に、MDT測定開始信号を生成するように命令する。
【0070】
本交換局装置300は、MDT測定開始信号生成部3046を有する。MDT測定開始信号生成部3046は、MDT測定開始制御部3044からのMDT測定開始信号を生成する命令に従って、MDT測定開始信号を生成する。また、MDT測定開始信号生成部3046は、該MDT測定開始信号を通信部302に入力する。該MDT測定開始信号は、基地局装置200により携帯端末装置100に送信するためのフォーマットに変換され、携帯端末装置100に無線送信される。携帯端末装置100は、該MDT測定開始信号に従って、MDT測定を行う。
【0071】
また、携帯端末装置100には、位置情報関連ノード400から位置情報が通知される。携帯端末装置100は、位置情報関連ノード400により通知された位置情報と、MDT測定結果とを含む報告情報を生成する。該報告情報は、交換局装置300に送信される。さらに、交換局装置300からOAMノード500に通知されてもよい。
【0072】
<本交換局装置の動作>
図7は、本交換局装置300の動作の一例を説明するためのシーケンスチャートである。
【0073】
OAMノード500から交換局装置300に、MDTポリシーが送信される(ステップS702)。
【0074】
交換局装置300は、OAMノード500からのMDTポリシーを基地局装置200に送信する(ステップS704)。例えば、MDTポリシー通知部3042は、MDTポリシーを記憶部306に一時的に格納する。MDTポリシー通知部3042は、記憶部306に格納されたMDTポリシーを基地局装置200に送信する。例えば、MDTポリシーを受信したときの携帯端末装置100の状態がRRC_IDLEの状態の場合に記憶部306に格納し、該携帯端末装置100がRRC_CONNECTEDの状態に遷移した際に、基地局装置200に送信するようにしてもよい。また、記憶部306に格納する必要がない場合には、記憶部306に格納せずに、基地局装置300に送信してもよい。例えば、MDTポリシーを受信したときの携帯端末装置100の状態がRRC_CONNECTEDの状態である場合には、記憶部306に格納せずに送信してもよい。
【0075】
基地局装置200は、交換局装置300により通知されたMDTポリシーをMDT測定コンフィグレーションに変換し、携帯端末装置100に無線送信する(ステップS706)。携帯端末装置100は、基地局装置200により通知されたMDT測定コンフィグレーションを設定する(ステップS708)。
【0076】
位置情報関連ノード400において位置測位が行われる場合には、位置情報関連ノード400から、交換局装置300に、位置情報測位指示信号が送信される(ステップS710)。
【0077】
位置情報関連ノード400は、位置情報測位手順を起動する(ステップS712)。
【0078】
交換局装置300は、位置情報関連ノード400からの位置情報測位指示信号をトリガーとして、MDT測位開始信号を生成する(ステップS714)。例えば、位置情報関連ノード400からの位置情報開始信号は、MDT測位開始制御部3044に入力される。MDT測位開始制御部3044は、該位置情報測位指示信号をトリガーとして、MDT測定開始信号生成部3046に、MDT測定開始信号を生成するように命令する。MDT測定開始信号生成部3046は、MDT測定開始信号生成部304により入力されたMDT測定開始信号を生成する命令に従って、MDT測定開始信号を生成する。
【0079】
交換局装置300は、MDT測定開始信号を基地局装置200に送信する(ステップS716)。
【0080】
基地局装置200は、携帯端末装置100に、交換局装置300からのMDT測定開始信号を無線送信する(ステップS718)。該MDT測定開始信号は、MDT測定コンフィグレーションに基づいて送信される。
【0081】
携帯端末装置100は、MDT測定開始信号を受信した場合、ステップS708により設定したMDT測定コンフィグレーションに従って、MDT測定を行う(ステップS720)。
【0082】
位置情報関連ノード400から、携帯端末装置100の位置情報が、該携帯端末装置100に通知される(ステップS722)。
【0083】
携帯端末装置100は、ステップS720によるMDT測定結果と、ステップS722により通知された位置情報とを含む報告情報を生成する(ステップS724)。
【0084】
携帯端末装置100は、ステップS724により生成された報告情報を交換局装置300に送信する(ステップS726)。さらに、交換局装置300からOAMノード500に、該報告情報が送信されてもよい。
【0085】
本実施例において、交換局装置300がMDTポリシーを通知することにより、MDT測定が開始されるようにしてもよい。例えば、交換局装置300は、位置情報関連ノード400からの位置情報測位指示信号を受信するまでは、MDTポリシーを保持する。交換局装置300は、位置情報測位指示信号を受信した場合に、MDTポリシーを基地局装置200に送信する。基地局装置200は、交換局装置300からのMDTポリシーに基づいてMDT測定コンフィグレーションを生成し、携帯端末装置100に無線送信する。携帯端末装置100は、基地局装置200からのMDTコンフィグレーションを設定し、MDT測定を開始する。MDTポリシーの通知によりMDT測定が開始されることにより、MDT測定のために通知する信号数を減少させることができる。
【0086】
本実施例によれば、位置情報取得プロシージャーが起動されていた場合に、携帯端末装置はMDT測定を開始し、MDTの測定結果と位置情報とを含む報告情報を生成する。MDT測定のために位置情報の測定が行われるのではなく、位置情報が取得される際にMDT測定が行われるため、MDT測定に係る処理負荷を低減できる。
【0087】
<変形例>
第2の実施例において、基地局装置200により、携帯端末装置100の位置情報と、該携帯端末装置100によるMDT測位結果とを対応付けてもよい。
【0088】
<本基地局装置>
図8は、本変形例に従った基地局装置200を示す。図8には、主にハードウェア構成が示される。
【0089】
本基地局装置200は、通信部202と、中央演算処理装置204と、記憶部206とを有する。各機能ブロックは、バス250により接続される。
【0090】
中央演算処理装置204は、通信部202、及び記憶部206の制御を行う。中央演算処置装置204は、記憶部206に記憶されたプログラムに従って機能し、所定の処理を行う。
【0091】
記憶部206は、アプリケーションと、オペレーティングシステムとを有する。アプリケーションは、ユーザが本基地局装置200上で実行する作業を実施する機能を有するソフトウェアである。オペレーティングシステムは、本交換局装置300において、ハードウェアを抽象化したインターフェースをアプリケーションソフトウェアに提供するソフトウェアである。
【0092】
通信部202は、中央演算処理装置204による制御により、交換局装置300との間で有線により通信を行う。また、通信部202は、中央演算処理装置204による制御により、携帯端末装置100との間で、所定の無線通信方式により無線通信を行う。該無線通信方式には、LTEが含まれる。
【0093】
<本基地局装置の機能>
図9は、本基地局装置200の機能を示す。図9には、中央演算処理装置204により実行される機能が主に示される。
【0094】
本基地局装置200は、MDT測定コンフィグレーション通知部2042を有する。MDT測定コンフィグレーション通知部2042には、位置情報関連ノード400からの起動通知信号と、交換局装置300からのMDT測定開始信号が入力される。MDT測定コンフィグレーション通知部2042は、起動信号通知信号及びMDT測定開始信号が入力された場合に、通信部202にMDT測定コンフィグレーションを入力する。MDT測定コンフィグレーションを生成するためのMDTポリシーが事前に当該基地局装置200に通知される。通信部202は、MDT測定コンフィグレーション通知部2042により入力されたMDT測定コンフィグレーションを、携帯端末装置100に無線送信する。
【0095】
<本基地局装置の動作>
図10は、本基地局装置200の動作の一例を説明するためのシーケンスチャートである。
【0096】
位置情報関連ノード400により位置情報測位手順が起動されている場合、位置情報関連ノード400は、基地局装置200に、起動されたことを通知する(ステップS1002)。例えば、位置情報関連ノード400がE-SMLC(Evolved-Serving Mobile Location Center)である場合、該E-SMLCは、基地局装置200に起動されたことを通知する。
【0097】
OAMノード500から交換局装置300に、MDTポリシーが送信される(ステップS1004)。
【0098】
交換局装置300は、OAMノード500からのMDTポリシーを基地局装置200に送信する(ステップS1006)。例えば、MDTポリシー通知部3042は、MDTポリシーを記憶部306に一時的に格納する。MDTポリシー通知部3042は、記憶部306に格納されたMDTポリシーを基地局装置200に送信する。例えば、MDTポリシーを受信したときの携帯端末装置100の状態がRRC_IDLEの状態の場合に記憶部306に格納し、該携帯端末装置100がRRC_CONNECTEDの状態に遷移した際に、基地局装置200に送信するようにしてもよい。また、記憶部306に格納する必要がない場合には、記憶部306に格納せずに、基地局装置300に送信してもよい。例えば、MDTポリシーを受信したときの携帯端末装置100の状態がRRC_CONNECTEDの状態である場合には、記憶部306に格納せずに送信してもよい。
【0099】
また、交換局装置300は、OAMノード500からのMDTポリシーが受信された際に、MDT測定開始信号を基地局装置200に送信する(ステップS1008)。
【0100】
基地局装置200は、交換局装置300により通知されたMDTポリシーをMDT測定コンフィグレーションに変換し、携帯端末装置100に無線送信する(ステップS1010)。携帯端末装置100は、基地局装置200により通知されたMDT測定コンフィグレーションを設定する(ステップS1012)。
【0101】
携帯端末装置100は、MDT測定コンフィグレーションを設定した後、該MDT測定コンフィグレーションに従って、MDT測定を行う(ステップS1014)。基地局装置200は、携帯端末装置100に、MDP測定を開始させるMDP測定開始信号を送信するようにしてもよい。例えば、該MDP測定開始信号は、MDT測定コンフィグレーションに従って送信されるものであってもよい。
【0102】
位置情報関連ノード400から、携帯端末装置100の位置情報が、該携帯端末装置100に通知される(ステップS1016)。
【0103】
携帯端末装置100は、ステップS1014によるMDT測定結果と、ステップS1016により通知された位置情報とを含む報告情報を生成する(ステップS1018)。
【0104】
携帯端末装置100は、ステップS1018により生成された報告情報を交換局装置300に送信する(ステップS1020)。さらに、交換局装置300からOAMノード500に、該報告情報が送信されてもよい。
【0105】
本変形例において、位置情報関連ノード400からの位置情報が基地局装置200に通知されるようにしてもよい。換言すれば、位置情報が携帯端末装置100に返されない。例えば、MT-LR(Mobile Terminated Location Request)手順が適用された場合が該当する。位置情報が携帯端末装置100に返されない場合、基地局装置200により、MDT測定結果と位置情報とが対応付けられる。該対応付けられたMDT測定結果と位置情報は、交換局装置300に送信される。さらに、OAMノード500に送信されてもよい。
【0106】
本変形例によれば、位置情報取得プロシージャーが起動されていた場合に、ネットワークはMDT測定を指示する。携帯端末装置は該指示に従ってMDTの測定を開始し、該MDTの測定結果と位置情報とを含む報告情報を生成する。MDT測定のために位置情報の測定が行われるのではなく、位置情報が取得される際にMDT測定が行われるため、MDT測定に係る処理負荷を低減できる。ここで、ネットワークには、基地局装置が含まれる。
【0107】
本実施例によれば、位置情報を取得する携帯端末装置が提供される。
【0108】
該携帯端末装置は、
前記位置情報の取得が行われる際に、当該携帯端末装置に、ネットワークの無線品質測定調査の測定のための測定条件が設定されているかどうかを判定する判定部と、
該判定部により、前記測定条件が設定されていると判定された場合に、ネットワークの無線品質測定調査の測定を行うように制御する測定制御部と、
前記ネットワークの無線品質測定調査の測定結果と前記位置情報とを含む報告情報を生成する報告情報生成部と、
該報告情報生成部により生成された報告情報をネットワークに送信する送信部と
を有する。
【0109】
MDT測定結果に、本携帯端末装置100の有する最新の位置情報と関連付けて報告情報を生成できる。MDT測定のために位置情報の測定が行われるのではなく、位置情報が取得される際にMDT測定が行われるため、MDT測定に係る処理負荷を低減できる。
【0110】
さらに、
前記報告情報生成部により生成された報告情報を記憶する記憶部
を有し、
前記送信部は、前記記憶部に記憶された報告情報をネットワークに送信する。
【0111】
MDT測定結果と、位置情報とを含む報告情報とまとめて報告できる。
【0112】
本実施例により提供される基地局装置は、
対象携帯端末に所望無線品質を測定させて報告させる移動通信方法で用いられる基地局装置であって、
位置情報サービスを提供する位置情報関連ノードにより通知されるべき位置測位手順が起動されたことを表す起動信号を受信する起動信号受信部と、
交換局装置からネットワークの無線品質測定調査の測定を開始させる信号を受信する測定開始信号受信部と、
前記起動信号受信部により起動信号が受信され、且つ前記測定開始信号受信部により測定を開始させる信号が受信された場合に、前記対象携帯端末装置に対して、前記所望無線品質の測定および報告方法に基づいて該所望無線品質の測定および報告を行うように指示する信号を送信する送信部と
を有する。
【0113】
位置情報取得プロシージャーが起動されていた場合に、ネットワークはMDT測定を指示する。携帯端末装置は該指示に従ってMDTの測定を開始し、該MDTの測定結果と位置情報とを含む報告情報を生成する。MDT測定のために位置情報の測定が行われるのではなく、位置情報が取得される際にMDT測定が行われるため、MDT測定に係る処理負荷を低減できる。
【0114】
さらに、
前記位置情報関連ノードにより送信されるべき位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記携帯端末装置により送信されるべきネットワークの無線品質測定調査による測定結果を取得する測定結果取得部と、
前記位置情報取得部により取得された位置情報と、前記測定結果取得部により取得された測定結果のうち前記位置情報に対応する携帯端末装置により送信された測定結果とを含む報告情報を生成する報告情報生成部と、
該報告情報生成部により生成された報告情報を上位ノードに送信する報告情報送信部と
を有する。
【0115】
基地局装置により報告情報を生成できる。
【0116】
本実施例により提供される交換局装置は、
位置測位手順が起動されたことを検出する起動検出部と、
該起動検出部により位置測位手順が起動されたことが検出された場合に、基地局装置に対して、前記対象携帯端末装置にネットワークの無線品質測定調査の測定を開始させるための測定開始信号を送信する測定開始信号送信部と
を有し、
前記基地局装置は、前記対象携帯端末装置に対して、前記所望無線品質の測定および報告方法に基づいて該所望無線品質の測定および報告を行うように指示する前記測定開始信号を送信し、該対象携帯端末装置は、前記測定開始信号に従って、ネットワークの無線品質測定調査の測定を行う。
【0117】
位置情報取得プロシージャーが起動されていた場合に、携帯端末装置はMDT測定を開始し、MDTの測定結果と位置情報とを含む報告情報を生成する。MDT測定のために位置情報の測定が行われるのではなく、位置情報が取得される際にMDT測定が行われるため、MDT測定に係る処理負荷を低減できる。
【0118】
さらに、
ネットワークの無線品質測定調査ポリシーを記憶する記憶部と、
前記対象携帯端末装置に、前記基地局装置を経由して、前記記憶部に記憶されたネットワークの無線品質測定調査ポリシーを通知する通知部と
を有し、
前記基地局装置は、前記ネットワークの無線品質測定調査ポリシーを、ネットワークの無線品質測定調査の測定ための測定条件に変換して、前記対象携帯端末装置に通知する。
【0119】
携帯端末装置に、ミニマイゼーションオヴドライブテストの測定ためのコンフィグレーションを通知できる。
【0120】
本実施例による移動通信方法によれば、
位置情報を取得する携帯端末装置における移動通信方法であって、
前記位置情報の取得が行われる際に、当該携帯端末装置に、ネットワークの無線品質測定調査の測定のための測定条件が設定されているかどうかを判定する判定ステップと、
該判定ステップにより、前記測定条件が設定されていると判定された場合に、ネットワークの無線品質測定調査の測定を行うように制御する測定制御ステップと、
前記ネットワークの無線品質測定調査の測定結果と前記位置情報とを含む報告情報を生成する報告情報生成ステップと、
該報告情報生成ステップにより生成された報告情報をネットワークに送信する送信ステップと
を有する。
【0121】
本実施例により提供される移動通信方法は、
対象携帯端末に所望無線品質を測定させて報告させる移動通信方法であって、
基地局装置が、位置情報サービスを提供する位置情報関連ノードにより通知されるべき位置測位手順が起動されたことを表す起動信号を受信する起動信号受信ステップと、
基地局装置が、交換局装置からネットワークの無線品質測定調査の測定開始信号を受信する測定開始信号受信ステップと、
基地局装置が、前記起動信号受信ステップにより起動信号が受信され、且つ前記測定開始信号受信ステップにより測定開始信号が受信された場合に、前記対象携帯端末装置に対して、前記所望無線品質の測定および報告方法に基づいて該所望無線品質の測定および報告を行うように指示する信号を送信するステップと
を有する。
【0122】
本実施例により提供される移動通信方法は、
対象携帯端末装置に所望無線品質を測定させて報告させる移動通信方法であって、
交換局装置が、位置測位手順が起動されたことを検出する起動検出ステップと、
交換局装置が、該起動検出ステップにより位置測位手順が起動されたことが検出された場合に、基地局装置に対して、前記対象携帯端末装置にネットワークの無線品質測定調査の測定を開始させるための測定開始信号を送信する測定開始信号送信ステップと、
前記基地局が、前記対象携帯端末装置に対して、前記所望無線品質の測定および報告方法に基づいて該所望無線品質の測定および報告を行うように指示する前記測定開始信号を送信するステップと、
該携帯端末装置が、前記測定開始信号に従って、ネットワークの無線品質測定調査の測定を行うステップと
を有する。
【0123】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0124】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【符号の説明】
【0125】
100 携帯端末装置
102 入力部
104 出力部
106 通信制御部
108 無線部
110 記憶部
112 中央演算処理装置(CPU: Central Processing Unit)
1122 MDT測定コンフィグレーション設定判定部
1124 MDT測定コンフィグレーション設定部
1126 MDT測定制御部
1128 MDT測定結果報告情報生成部
114 位置情報取得部
200 基地局装置
202 通信部
204 CPU
2042 MDT測定コンフィグレーション通知部
206 記憶部
300 交換局装置
302 通信部
304 CPU
3042 MDTポリシー通知部
3044 MDT測定開始制御部
3046 MDT測定開始信号生成部
306 記憶部
400 位置情報関連ノード
500 オペレーションアンドメンテナンス(OAM: Operation and Maintenances)ノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報を取得する携帯端末装置であって、
前記位置情報の取得が行われる際に、当該携帯端末装置に、ネットワークの無線品質測定調査の測定のための測定条件が設定されているかどうかを判定する判定部と、
該判定部により、前記測定条件が設定されていると判定された場合に、ネットワークの無線品質測定調査の測定を行うように制御する測定制御部と、
前記ネットワークの無線品質測定調査の測定結果と前記位置情報とを含む報告情報を生成する報告情報生成部と、
該報告情報生成部により生成された報告情報をネットワークに送信する送信部と
を有する携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記報告情報生成部により生成された報告情報を記憶する記憶部
を有し、
前記送信部は、前記記憶部に記憶された報告情報をネットワークに送信する携帯端末装置。
【請求項3】
対象携帯端末に所望無線品質を測定させて報告させる移動通信方法で用いられる基地局装置であって、
位置情報サービスを提供する位置情報関連ノードにより通知されるべき位置測位手順が起動されたことを表す起動信号を受信する起動信号受信部と、
交換局装置からネットワークの無線品質測定調査の測定を開始させる信号を受信する測定開始信号受信部と、
前記起動信号受信部により起動信号が受信され、且つ前記測定開始信号受信部により測定を開始させる信号が受信された場合に、前記対象携帯端末装置に対して、前記所望無線品質の測定および報告方法に基づいて該所望無線品質の測定および報告を行うように指示する信号を送信する送信部と
を有する基地局装置。
【請求項4】
請求項3に記載の基地局装置において、
前記位置情報関連ノードにより送信されるべき位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記携帯端末装置により送信されるべきネットワークの無線品質測定調査による測定結果を取得する測定結果取得部と、
前記位置情報取得部により取得された位置情報と、前記測定結果取得部により取得された測定結果のうち前記位置情報に対応する携帯端末装置により送信された測定結果とを含む報告情報を生成する報告情報生成部と、
該報告情報生成部により生成された報告情報を上位ノードに送信する報告情報送信部と
を有する基地局装置。
【請求項5】
対象携帯端末装置に所望無線品質を測定させて報告させる移動通信方法で用いられる交換局装置であって、
位置測位手順が起動されたことを検出する起動検出部と、
該起動検出部により位置測位手順が起動されたことが検出された場合に、基地局装置に対して、前記対象携帯端末装置にネットワークの無線品質測定調査の測定を開始させるための測定開始信号を送信する測定開始信号送信部と
を有し、
前記基地局装置は、前記対象携帯端末装置に対して、前記所望無線品質の測定および報告方法に基づいて該所望無線品質の測定および報告を行うように指示する前記測定開始信号を送信し、該対象携帯端末装置は、前記測定開始信号に従って、ネットワークの無線品質測定調査の測定を行う交換局装置。
【請求項6】
請求項5に記載の交換局装置において、
ネットワークの無線品質測定調査ポリシーを記憶する記憶部と、
前記対象携帯端末装置に、前記基地局装置を経由して、前記記憶部に記憶されたネットワークの無線品質測定調査ポリシーを通知する通知部と
を有し、
前記基地局装置は、前記ネットワークの無線品質測定調査ポリシーを、ネットワークの無線品質測定調査の測定ための測定条件に変換して、前記対象携帯端末装置に通知する交換局装置。
【請求項7】
位置情報を取得する携帯端末装置における移動通信方法であって、
前記位置情報の取得が行われる際に、当該携帯端末装置に、ネットワークの無線品質測定調査の測定のための測定条件が設定されているかどうかを判定する判定ステップと、
該判定ステップにより、前記測定条件が設定されていると判定された場合に、ネットワークの無線品質測定調査の測定を行うように制御する測定制御ステップと、
前記ネットワークの無線品質測定調査の測定結果と前記位置情報とを含む報告情報を生成する報告情報生成ステップと、
該報告情報生成ステップにより生成された報告情報をネットワークに送信する送信ステップと
を有する移動通信方法。
【請求項8】
対象携帯端末に所望無線品質を測定させて報告させる移動通信方法であって、
基地局装置が、位置情報サービスを提供する位置情報関連ノードにより通知されるべき位置測位手順が起動されたことを表す起動信号を受信する起動信号受信ステップと、
基地局装置が、交換局装置からネットワークの無線品質測定調査の測定開始信号を受信する測定開始信号受信ステップと、
基地局装置が、前記起動信号受信ステップにより起動信号が受信され、且つ前記測定開始信号受信ステップにより測定開始信号が受信された場合に、前記対象携帯端末装置に対して、前記所望無線品質の測定および報告方法に基づいて該所望無線品質の測定および報告を行うように指示する信号を送信するステップと
を有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項9】
対象携帯端末装置に所望無線品質を測定させて報告させる移動通信方法であって、
交換局装置が、位置測位手順が起動されたことを検出する起動検出ステップと、
交換局装置が、該起動検出ステップにより位置測位手順が起動されたことが検出された場合に、基地局装置に対して、前記対象携帯端末装置にネットワークの無線品質測定調査の測定を開始させるための測定開始信号を送信する測定開始信号送信ステップと、
前記基地局が、前記対象携帯端末装置に対して、前記所望無線品質の測定および報告方法に基づいて該所望無線品質の測定および報告を行うように指示する前記測定開始信号を送信するステップと、
該携帯端末装置が、前記測定開始信号に従って、ネットワークの無線品質測定調査の測定を行うステップと
を有することを特徴とする移動通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−238990(P2011−238990A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105995(P2010−105995)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】