説明

携帯端末装置への鉄道情報提供システム、駅構内サーバ、鉄道情報提供方法、プログラム、及び記録媒体

【課題】乗客への適切な情報を確実に知らせることができる鉄道情報提供システム、駅構内サーバ、鉄道情報提供方法、プログラム、及び記録媒体を提供する。
【解決手段】電車内の乗客が有する携帯端末装置と、電車内に設けられ発車の前に携帯端末装置と情報を授受するための電車内サーバと、各駅に設けられ電車内サーバと情報を授受するための駅構内サーバと、電車が各駅を発車する前に駅構内サーバから各駅の情報を取得し、その取得した情報を携帯端末装置に送信すると共にバイブレーション機能を動作させる前記電車内サーバとを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置への鉄道情報提供システム、駅構内サーバ、鉄道情報提供方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電車に乗っている場合、現在停車中の駅はどこなのか、または現在どこの区間を走っているのかについては、電車内の電光掲示板の駅表示や電車から見える看板を直接確認したり乗務員のアナウンスで確認を行ったりしている。
しかしながら通勤時間帯の電車は満員状態であることが多く、その場合には電光掲示板の確認をしようとしても乗客の陰になって確認することが出来ない。また、電車外の看板を確認しようとしても看板が見つけられなければ、現在どこの駅にいるのかが不明だったり、車内アナウンスにおいても乗車中に寝てしまった場合や、音楽再生機器を使用している場合は、聞こえない場合が多々発生したりして、乗り過ごしてしまう状況が発生する。
同様に長距離移動時で寝ようとしても、乗り過ごしてしまうのではないかといった不安感により、安心して寝ることができない場合や、読書や音楽に集中できない場合がある。
電車の乗り過ごし対策についてはいくつか提案されているが、特許文献1では、出発駅名と下車駅名とを携帯端末入力することにより、データベースサーバを利用して、使用者に到着を通知する手段があった。
しかしながら特許文献1に記載の技術では大容量のサーバが必要であり、また電車が多数走っている都内では一度にアクセスが集中してサーバに負荷がかかりすぎてしまう。また、電車走行中はアクセスポイントが移動するため、電波が繋がりにくく、情報の到達が遅れてしまうことも考えられる。
【0003】
また、特許文献2では、非接触型ICカードを利用し、サーバを利用せず、携帯電話のタイマ機能を利用して知らせる方法を用いているが、特許文献2に記載の技術では電車が遅延した場合において、タイマを変化させることが出来ないため、目的地到着前に知らせてしまう問題がある。また、同時に駅に到着して、駅周辺のどこの店にいくか迷ったり、どのような種類の店があるか不明なことがあったりする。駅周辺情報を取得するには、事前にインターネットや雑誌等で調べておく必要があるが、それでは手間がかかってしまう。この他、本発明に関連する技術が特許文献3〜7に記載されている。
【0004】
特許文献3に記載の列車内情報提供システムは、列車に搭載されるデータサーバと無線通信装置とを含み、列車の乗客が携帯する携帯情報端末に対して情報提供を行う列車内情報提供システムであって、データサーバは、複数の配信データを記憶する配信データ記憶手段を含み、無線通信装置は、配信データ記憶手段に記憶されるいずれか少なくとも一つの配信データを携帯情報端末に対して無線送信する無線送信手段を含むものである。
【0005】
この列車内情報提供システムによれば、乗客が携帯する携帯情報端末に対してデータ配信を行うことにより、列車内の広範囲にわたって情報提供を行うことができるとしている。
【0006】
特許文献4に記載のデータ配信システムは、データサーバと複数のデータ中継装置とを含んで構成され、情報端末に対してデータ配信を行うデータ配信システムであって、データサーバは、配信データ群を記憶する配信データ記憶手段と、配信データ群に含まれる常時配信データを複数のデータ中継装置に対して同報配信する常時配信手段と、を含み、複数のデータ中継装置は、夫々、情報端末からデータ配信要求を受信するデータ配信要求受信手段と、データ配信要求により指定される配信データを、常時配信手段により配信される常時配信データの中から取得する配信データ取得手段と、配信データ取得手段により取得される配信データを情報端末に対して送信する配信データ送信手段と、を含むものである。
【0007】
このデータ配信システムによれば、データサーバは複数のデータ中継装置に対して常時配信データを同報配信する。そして、データ中継装置は、情報端末からデータ配信要求があった配信データを、データサーバから同報配信された常時配信データから取得し、情報端末に対して返信する。すなわち、データサーバは複数のデータ中継装置に対して常時配信データを常時配信し、データ中継装置は、その常時配信データを用い、情報端末に対して配信データのオンデマンド送信を行う。こうすれば、情報端末からの要求すべてをデータ中継装置からデータサーバへ要求することなしに情報端末へ配信できるので、通信資源を効率的に利用しつつ、情報端末にて必要なデータを迅速に取得できるようになり、列車内情報提供システムにも好適な、効率的なデータ配信システムを得ることができるとしている。
【0008】
特許文献5に記載の目的地到着通知システムは、出発駅と下車駅を入力することで、乗車可能な列車種別、列車名、発着時刻、使用路線、乗換え駅、所要時間の全部ないし一部を含む列車データが検出できる列車データを格納し、データを参照できるデータベースサーバと、到着前通知サービス画面上で、乗車する列車の種別、列車名、発車時刻、下車駅名および通知方法の全部ないし一部を指定することにより、データベースサーバに指定内容を登録する携帯電話端末と、データベースサーバからの列車データを基に、アクセスしてきた携帯電話端末に対して到着前通知サービス画面、あるいは携帯電話端末が不応答のときに再度表示される再通知要求画面、および登録された下車駅近辺であることの通知を送信する通知サーバと、データベースサーバに登録された下車駅到着時刻が、列車の運行状況により変更が生じたときには、データベースサーバに通知して下車駅の到着時刻を更新させる列車運行状況サービスセンタとを具備したものである。
【0009】
この目的地到着通知システムによれば、列車を利用する乗客は、手持ちの携帯電話端末から情報センタにアクセスし、送付される到着前通知画面へ利用する列車の列車種別、列車名および/または発車時刻、利用路線、下車駅および通知方法を指定、登録するだけで、乗車した列車が目的地の列車到着時刻近くになると、情報センタのデータベースサーバから下車駅近辺である通知が携帯電話端末へ送付されるので、列車での乗り過ごしもなく、目的地までゆっくりと睡眠もでき、安心して乗車することができるとしている。
【0010】
特許文献6に記載の到着報知システムは、列車のチケットとして利用可能な乗客携帯端末と接続し、乗客携帯端末を利用する乗客の到着予定時刻を管理する到着報知システムにおいて、乗客携帯端末から、乗客携帯端末に記録された指定券情報に含まれる到着駅情報および乗車列車を特定する列車情報を受信する手段と、列車のダイヤを示すダイヤ情報を列車の運行状況に対応して記録する手段と、記録手段に記録されたダイヤ情報と、到着駅情報および列車情報に基づいて、乗客の到着予定時刻を算出する手段と、到着予定時刻を乗客携帯端末に対応づけて格納する手段とを有するものである。
【0011】
この到着報知システムによれば、事前に予約されている指定券の予約受付情報を利用したシステムで、改札機で乗客の指定券情報を読み取り、予約受付サーバが列車に設置された到着時刻管理サーバに乗客の到着駅情報と携帯番号、携帯メールを送信し、到着時刻管理サーバはダイヤと到着駅情報を照合して到着予定時刻を算出し、乗客の到着予定時刻を管理することにより、列車の乗客が到着を気にすることなく到着直前に到着を知ることができ、列車の遅延に到着の時刻、遅れ時間を知ることができるとしている。
【0012】
特許文献7に記載の通知システムは、利用者が乗車している交通手段が利用者の降車地点に到着する場合に利用者の端末装置を介して利用者へ通知する通知システムにおいて、交通手段を特定するための特定情報を記憶する記憶部と、端末装置からの要求に応じて、特定情報を記憶部から読み出す情報処理部と、特定情報を端末装置へ送信する送受信処理部とを備え、端末装置は、交通手段ごとに停車地点における到着時刻を規定した時刻表情報を記憶する端末記憶部と、利用者の降車地点の情報を利用者から受け付ける端末入力部と、特定情報を送受信処理部から受信する端末送受信処理部と、降車地点の情報と特定情報に基づいて端末記憶部内の時刻表情報から利用者の降車地点における到着時刻を検索する端末情報処理部と、到着時刻又は到着時刻より所定時間前に利用者へ通知する端末通知処理部とを備えるものである。
【0013】
この通知システムによれば、列車移動を行うときに列車に乗車後、端末装置で降車駅の設定を行うだけで、降車駅に近づいたときにアラームで気付かせてくれるため、列車移動中に時刻を気にすることなく時間を有効に活用でき、また睡眠時間にあてることもできるとしている。
【特許文献1】特開2003−216705号公報
【特許文献2】特開2006−331175号公報
【特許文献3】特開2001−63580号公報
【特許文献4】特開2001−77774号公報
【特許文献5】特開2003−216705号公報
【特許文献6】特開2005−41262号公報
【特許文献7】特開2006−76461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上述した特許文献1〜8に記載の発明は、乗客の携帯端末装置に対してメールを送信するものの、下車駅に接近した場合にはメールに気がつかない場合がある。また、上述した関連技術では電車が発車してから路線情報を携帯端末装置に提供するものがあり、この場合には乗り換えたくてもすでに電車が発車した後には間に合わないおそれがある。
そこで、本発明の目的は、乗客への適切な情報を確実に知らせることができる鉄道情報提供システム、駅構内サーバ、鉄道情報提供方法、プログラム、及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の携帯端末装置への鉄道情報提供システムは、電車内の乗客が有する携帯端末装置と、電車内に設けられ発車の前に携帯端末装置と情報を授受するための電車内サーバと、各駅に設けられ電車内サーバと情報を授受するための駅構内サーバと、電車が前記各駅を発車する前に駅構内サーバから各駅の情報を取得し、その取得した情報を携帯端末装置に送信すると共にバイブレーション機能を動作させる電車内サーバと、を備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明の鉄道情報提供システム用の駅構内サーバは、電車内の乗客が有する携帯端末装置と、電車内に設けられ発車の前に携帯端末装置と情報を授受するための電車内サーバと、各駅に設けられ電車内サーバと情報を授受するための駅構内サーバとを有する携帯端末装置への鉄道情報提供システムに用いられる鉄道情報提供システム用の駅構内サーバであって、駅構内サーバは、逐次鉄道情報を更新することを特徴とする。
【0017】
本発明の携帯端末装置への鉄道情報提供方法は、駅構内サーバは電車内サーバと情報を授受し、電車内サーバは、電車が各駅を発車する前に駅構内サーバから各駅の情報を取得し、その取得した情報を携帯端末装置に送信すると共にバイブレーション機能を動作させることを特徴とする
【0018】
本発明のプログラムは、コンピュータに、駅構内サーバが電車内サーバと情報を授受する処理、電車内サーバが、電車が各駅を発車する前に駅構内サーバから各駅の情報を取得する処理、その取得した情報を携帯端末装置に送信する処理、バイブレーション機能を動作させる処理を実行させることを特徴とする。
【0019】
本発明の記録媒体は、コンピュータに、駅構内サーバが電車内サーバと情報を授受する処理、電車内サーバが、電車が各駅を発車する前に駅構内サーバから各駅の情報を取得する処理、その取得した情報を携帯端末装置に送信する処理、バイブレーション機能を動作させる処理を実行させるプログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、駅構内サーバは電車内サーバと情報を授受し、電車内サーバは、電車が各駅を発車する前に駅構内サーバから各駅の情報を取得し、その取得した情報を携帯端末装置に送信すると共にバイブレーション機能を動作させることにより、乗客は電車の発車前に情報を入手することができ、バイブレータで促されるので、乗客への適切な情報を確実に知らせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(特徴)
本発明は、到着駅および駅周辺情報を電車内に設置したサーバと送受信機により特定のネットワークを構築し、乗車時における乗り過ごし防止のために、車内に設置された送受信機からPUSH型で携帯電話に情報を送信し、受け取る携帯電話側は、情報を取得した際に、バイブレーション機能を動作させ、使用者に伝える。また、駅周辺の情報(飲食店、デパート等)を電車内サーバから必要に応じて取得可能とすることで、リアルタイムで有益な情報のやりとりを可能とする。
【0022】
本発明に係る携帯端末装置への鉄道情報提供システムの一実施の形態は、電車内の乗客が有する携帯端末装置と、電車内に設けられ発車の前に携帯端末装置と情報を授受するための電車内サーバと、各駅に設けられ電車内サーバと情報を授受するための駅構内サーバと、電車が各駅を発車する前に駅構内サーバから各駅の情報を取得し、その取得した情報を携帯端末装置に送信すると共にバイブレーション機能を動作させる電車内サーバと、を備えたことを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、駅構内サーバは電車内サーバと情報を授受し、電車内サーバは、電車が各駅を発車する前に駅構内サーバから各駅の情報を取得し、その取得した情報を携帯端末装置に送信すると共にバイブレーション機能を動作させることにより、乗客は電車の発車前に情報を入手することができ、バイブレータで促されるので、乗客への適切な情報を確実に知らせることができる。
【0024】
本発明に係る携帯端末装置への鉄道情報提供システムの他の実施の形態は、上記構成に加え、駅構内サーバは、逐次鉄道情報を更新することを特徴とする。
【0025】
本発明に係る携帯端末装置への鉄道情報提供システムの他の実施の形態は、上記構成に加え、駅構内サーバは、情報を入力する入力部を有し、回線を通じて情報を受信することを特徴とする。
【0026】
本発明に係る携帯端末装置への鉄道情報提供システムの他の実施の形態は、上記構成に加え、駅構内サーバは、電車が各駅に停車中に電車内サーバと交信し、各駅に関連する更新情報があるときは更新情報を送信することを特徴とする。
【0027】
本発明に係る携帯端末装置への鉄道情報提供システムの他の実施の形態は、上記構成に加え、電車内サーバは、更新情報を記憶することを特徴とする。
【0028】
本発明に係る携帯端末装置への鉄道情報提供システムの他の実施の形態は、上記構成に加え、駅構内サーバ及び電車内サーバは、無線通信装置を有することを特徴とする。
【0029】
本発明に係る携帯端末装置への鉄道情報提供システムの他の実施の形態は、上記構成に加え、各電車内に設けられ鉄道情報を中継すると共に送受信する中継器を有することを特徴とする。
【0030】
本発明に係る鉄道情報提供システム用の駅構内サーバの一実施の形態は、電車内の乗客が有する携帯端末装置と、電車内に設けられ発車の前に携帯端末装置と情報を授受するための電車内サーバと、各駅に設けられ電車内サーバと情報を授受するための駅構内サーバとを有する携帯端末装置への鉄道情報提供システムに用いられる鉄道情報提供システム用の駅構内サーバであって、駅構内サーバは、逐次鉄道情報を更新することを特徴とする。
【0031】
上記構成によれば、駅構内サーバは、逐次鉄道情報を更新することにより、乗客は最新の情報を得ることができる。
【0032】
本発明に係る鉄道情報提供システム用の駅構内サーバの他の実施の形態は、上記構成に加え、駅構内サーバは、情報を入力する入力部を有し、回線を通じて情報を受信することを特徴とする。
【0033】
本発明に係る鉄道情報提供システム用の駅構内サーバの他の実施の形態は、上記構成に加え、駅構内サーバは、電車が各駅に停車中に電車内サーバと交信し、各駅に関連する更新情報があるときは更新情報を送信することを特徴とする。
【0034】
本発明に係る携帯端末装置への鉄道情報提供方法の一実施の形態は、駅構内サーバは電車内サーバと情報を授受し、電車内サーバは、電車が各駅を発車する前に駅構内サーバから各駅の情報を取得し、その取得した情報を携帯端末装置に送信すると共にバイブレーション機能を動作させることを特徴とする。
【0035】
本発明に係る携帯端末装置への鉄道情報提供方法の他の実施の形態は、上記構成に加え、駅構内サーバは、逐次鉄道情報を更新することを特徴とする。
【0036】
本発明に係る携帯端末装置への鉄道情報提供方法の他の実施の形態は、上記構成に加え、駅構内サーバは、情報を入力する入力部を有し、回線を通じて情報を受信することを特徴とする。
【0037】
本発明に係る携帯端末装置への鉄道情報提供方法の他の実施の形態は、上記構成に加え、駅構内サーバは、電車が各駅に停車中に電車内サーバと交信し、各駅に関連する更新情報があるときは更新情報を送信することを特徴とする。
【0038】
本発明に係る携帯端末装置への鉄道情報提供方法の他の実施の形態は、上記構成に加え、電車内サーバは、更新情報を記憶することを特徴とする。
【0039】
<プログラム及び記憶媒体>
以上で説明した本発明の携帯端末装置への鉄道情報提供システムは、コンピュータで処理を実行させるプログラムによって実現されている。コンピュータとしては、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションなどの汎用的なものが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明に係るプログラムの一実施の形態は、コンピュータに、駅構内サーバが電車内サーバと情報を授受する処理、電車内サーバが、電車が各駅を発車する前に駅構内サーバから各駅の情報を取得する処理、その取得した情報を携帯端末装置に送信する処理、バイブレーション機能を動作させる処理を実行させることを特徴とする。
【0040】
上記構成によれば、駅構内サーバは電車内サーバと情報を授受し、電車内サーバは、電車が各駅を発車する前に駅構内サーバから各駅の情報を取得し、その取得した情報を携帯端末装置に送信すると共にバイブレーション機能を動作させることにより、乗客は電車の発車前に情報を入手することができ、バイブレータで促されるので、乗客への適切な情報を確実に知らせることができる。
【0041】
本発明に係るプログラムの他の実施の形態は、上記構成に加え、コンピュータに、駅構内サーバが逐次鉄道情報を更新する処理を実行させることを特徴とする。
【0042】
本発明に係るプログラムの他の実施の形態は、上記構成に加え、コンピュータに、駅構内サーバが、情報を入力する処理、回線を通じて情報を受信する処理を実行させることを特徴とする。
【0043】
本発明に係るプログラムの他の実施の形態は、上記構成に加え、コンピュータに、駅構内サーバが、電車が各駅に停車中に電車内サーバと交信する処理、各駅に関連する更新情報があるときは更新情報を送信する処理を実行させることを特徴とする。
【0044】
本発明の記録媒体の一実施の形態は、上記いずれかのプログラムを記録したことを特徴とする。
【0045】
これにより、プログラムが実行可能なコンピュータ環境さえあれば、どこにおいても本発明の携帯端末装置への鉄道情報提供システムを実現することができる。
このようなプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。
ここで、記憶媒体としては、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(CD Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)などのコンピュータで読み取り可能な記憶媒体、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、FeRAM(強誘電体メモリ)等の半導体メモリが挙げられる。
【0046】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【実施例1】
【0047】
(構成)
図1は、本発明に係る携帯端末装置への鉄道情報提供システムの一実施例を示す概念図である。
図1を参照して、本システム構成の説明を行う。本発明は電車情報と駅周辺の情報を持ち、各電車内サーバと定期的に接続・通信して情報を更新するサーバ01、また電車ごとに設置する電車内サーバ02、現在の位置を管理する電車位置管理03それとネットワーク接続された送受信機04を有する。
【0048】
また送受信機から送信されてくるデータフォーマットを解析し、現在の駅位置情報を取得でき、駅周辺の情報を取得できるアプリケーションを搭載し、またバイブレーション機能が搭載されている携帯電話05から構成される。
【0049】
(動作の説明)
本実施例の動作について詳細の説明を行う。
本実施例は、乗車中において、サービス利用者に到着情報と駅周辺情報を通知することを想定したものである。
図2は、鉄道の利用者の所有する携帯端末装置としての携帯電話が、到着駅情報を自動的に取得する際の流れ図の一例である。
まず利用者は、携帯電話06よりサーバ07からアプリケーションをダウンロードし、そのアプリケーションを利用してサービスの利用を行う。
まず、降車駅をアプリケーションに入力して、送信ボタンを押すと、送信されるデータは、事業者内のゲートウェイサーバ(アクセスポイント)には送られず、直接各車両に取り付けられている送受信機08に送られる。送信方法は、携帯電話から微弱電波を発信するようにしておき、その各車両に設置されている送受信機08のみに届く範囲にする。受け取った送受信機08は電車内ネットーワーク09を経由して、各電車に設置されている電車内サーバ10に送られる。各電車内に設置されている電車内サーバ10では、現在の走っている電車位置情報を持っている電車位置管理11とサービス提供者から送信されてきたデータを電車内サーバのプログラムにより、サービス提供者の降車したい駅と現在の位置と照合を行う。
【0050】
目的の場所に着いたときには、電車内サーバ10から送受信機08にネットワーク09を経由して、情報を送信するように指示を送る。送受信機08は、電車内サーバ10からの情報送信命令が送られてきたら、微弱電波により、サービス提供者の携帯電話06に送る。情報を受け取った携帯電話06は、あらかじめ設定されておいたバイブレーション機能によりバイブレーションを発生させ、サービス利用者に知らせる。そうすることにより、電車内のネットワークだけで利用者に特定の駅に電車に到着したか認知させることが可能となる。
【0051】
また図3は、携帯端末装置としての携帯電話が駅周辺情報を取得する場合の流れ図の一例である。
サーバ13では路線ごとに各駅の周辺情報コンテンツを保持している。電車内サーバ16は、サーバ13より今から走る路線上の駅の情報コンテンツ(始点から終点までの情報)を受信する。携帯電話12では、特定の駅周辺情報を取得したい場合、携帯電話12から指定駅を微弱電波により送信し、送受信機14でその情報を受信し、ネットワーク経由15で電車内サーバ16に情報を送る。電車内サーバ16では出発前にすでに駅周辺情報を保持しているので、リクエストが来た場合、情報コンテンツを送受信機14に送り、送受信機14はサービス利用者にコンテンツを配信する。受信側の携帯電話12は、送られてきた情報を受信し、表示する。
【0052】
図4は、本発明に係る携帯端末装置への鉄道情報提供システムに用いられる電車内サーバの処理の一例を示すフローチャートである。
図4で電車内サーバの処理の流れを説明する。まず電車内サーバは出発する前に、今から走行する路線における各駅情報の取得要求をサーバに行う(17)。
サーバでは、路線情報、各駅の周辺情報をデータベースとして、管理テーブルを保持している。取得要求を受け取ったサーバは、その要求に適した情報を電車内サーバに送信する。電車内サーバは、サーバより応答があった場合は、その応答と同時に送信されてくるコンテンツ情報受信し(19)、電車内サーバに保存する(20)。
応答がなかった場合は、再度取得要求を行う。応答がない場合は、再度駅情報配信要求を行う(18)。
各車両に設置されている送受信機から要求を受けると(21)、まず降車駅要求の情報であるのか(22)、駅周辺のコンテンツ情報取得であるのかを判断する(23)。
【0053】
降車駅要求であった場合、要求された降車駅が、本路線内に存在するか否かを判断する(24)。
本路線内の駅では無かった場合には、サービス提供者にエラー送信を行う(25)。本路線内の駅であれば、設定完了の情報をサービス提供者に送信し(26)、要求された降車駅と現在電車が走行している駅を比較する(27)。
一致しなければ、駅情報が変わるたびに比較を行い(28)、一致した場合にサービス提供者の携帯電話に情報を送信する(29)。
また、駅周辺のコンテンツ情報取得の場合(23)も同様に、要求された駅が本路線内に存在するかどうか判断し(30)、無ければエラー送信を行う(25)。
本路線内にあれば、あらかじめ本サーバより取得し、保存していたコンテンツの取得を行い(31)、サービス提供者に情報を送信する(29)。
【実施例2】
【0054】
電車内のネットワークを利用することで、電車の壁に貼っている情報などの詳細を電車内サーバに保有しておき、サービス提供者が取得した情報をリクエストすると、情報を簡単に取得できるようにする、などの応用が考えられる。
【実施例3】
【0055】
通勤などで毎日乗車する場合、あらかじめ携帯電話端末側に降車駅を登録しておき、各車両に取り付けられている送受信機から特定の電波を受け取ると、自動的に携帯電話側のアプリケーションが動き出して、降車駅を通知する仕組みなども考えられる。
【0056】
(効果)
・電車ごとにサーバを保有することにより、サーバと携帯電話からのアクセスレスポンスの負荷軽減が可能である。
・電車内にサーバがあるため、位置情報の取得が容易であり、利用者が得たいタイミングで情報を取得することができる。
・駅情報取得の場合において、高速で移動している電車内では電波が繋がりにくい場合があるが、電車内に送受信機を電車内に設置することにより、スムーズに情報を得ることが出来る。
・路線ごとの駅周辺情報を持っていて情報量が限られているので、サーバや通信の負荷も小さく、情報の取得が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る携帯端末装置への鉄道情報提供システムの一実施例を示す概念図である。
【図2】鉄道の利用者の所有する携帯端末装置としての携帯電話が、到着駅情報を自動的に取得する際の流れ図である。
【図3】携帯端末装置としての携帯電話が駅周辺情報を取得する場合の流れ図の一例である。
【図4】本発明に係る携帯端末装置への鉄道情報提供システムに用いられる電車内サーバの処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
01 サーバ
02 電車内サーバ
03 電車位置管理装置
04 送受信機
05 携帯端末装置(携帯電話)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電車内の乗客が有する携帯端末装置と、
前記電車内に設けられ発車の前に前記携帯端末装置と情報を授受するための電車内サーバと、
各駅に設けられ前記電車内サーバと情報を授受するための駅構内サーバと、
前記電車が前記各駅を発車する前に前記駅構内サーバから前記各駅の情報を取得し、その取得した情報を前記携帯端末装置に送信すると共にバイブレーション機能を動作させる前記電車内サーバと、
を備えたことを特徴とする携帯端末装置への鉄道情報提供システム。
【請求項2】
前記駅構内サーバは、逐次前記鉄道情報を更新することを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置への鉄道情報提供システム。
【請求項3】
前記駅構内サーバは、情報を入力する入力部を有し、回線を通じて情報を受信することを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置への鉄道情報提供システム。
【請求項4】
前記駅構内サーバは、前記電車が前記各駅に停車中に前記電車内サーバと交信し、前記各駅に関連する更新情報があるときは前記更新情報を送信することを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置への鉄道情報提供システム。
【請求項5】
前記電車内サーバは、前記更新情報を記憶することを特徴とする請求項4記載の携帯端末装置への鉄道情報提供システム。
【請求項6】
前記駅構内サーバ及び前記電車内サーバは、無線通信装置を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の携帯端末装置への鉄道情報提供システム。
【請求項7】
前記各電車内に設けられ前記鉄道情報を中継すると共に送受信する中継器を有することを特徴とする請求項2から6のいずれか1項記載の携帯端末装置への鉄道情報提供システム。
【請求項8】
電車内の乗客が有する携帯端末装置と、前記電車内に設けられ発車の前に前記携帯端末装置と情報を授受するための電車内サーバと、各駅に設けられ前記電車内サーバと情報を授受するための駅構内サーバとを有する携帯端末装置への鉄道情報提供システムに用いられる鉄道情報提供システム用の駅構内サーバであって、
前記駅構内サーバは、逐次前記鉄道情報を更新することを特徴とする鉄道情報提供システム用の駅構内サーバ。
【請求項9】
前記駅構内サーバは、情報を入力する入力部を有し、回線を通じて情報を受信することを特徴とする請求項8記載の携帯端末装置への鉄道情報提供システムに用いられる鉄道情報提供システム用の駅構内サーバ。
【請求項10】
前記駅構内サーバは、前記電車が前記各駅に停車中に前記電車内サーバと交信し、前記各駅に関連する更新情報があるときは前記更新情報を送信することを特徴とする請求項7記載の携帯端末装置への鉄道情報提供システムに用いられる鉄道情報提供システム用の駅構内サーバ。
【請求項11】
駅構内サーバは電車内サーバと情報を授受し、
前記電車内サーバは、電車が各駅を発車する前に前記駅構内サーバから前記各駅の情報を取得し、その取得した情報を携帯端末装置に送信すると共にバイブレーション機能を動作させることを特徴とする携帯端末装置への鉄道情報提供方法。
【請求項12】
前記駅構内サーバは、逐次前記鉄道情報を更新することを特徴とする請求項11記載の携帯端末装置への鉄道情報提供方法。
【請求項13】
前記駅構内サーバは、情報を入力する入力部を有し、回線を通じて情報を受信することを特徴とする請求項11記載の携帯端末装置への鉄道情報提供方法。
【請求項14】
前記駅構内サーバは、前記電車が前記各駅に停車中に前記電車内サーバと交信し、前記各駅に関連する更新情報があるときは前記更新情報を送信することを特徴とする請求項11記載の携帯端末装置への鉄道情報提供方法。
【請求項15】
前記電車内サーバは、前記更新情報を記憶することを特徴とする請求項14記載の携帯端末装置への鉄道情報提供方法。
【請求項16】
コンピュータに、
駅構内サーバが電車内サーバと情報を授受する処理、
前記電車内サーバが、電車が各駅を発車する前に前記駅構内サーバから前記各駅の情報を取得する処理、
その取得した情報を前記携帯端末装置に送信する処理、
バイブレーション機能を動作させる処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
前記コンピュータに、前記駅構内サーバが逐次前記鉄道情報を更新する処理を実行させることを特徴とする請求項16記載のプログラム。
【請求項18】
前記コンピュータに、前記駅構内サーバが、情報を入力する処理、回線を通じて情報を受信する処理を実行させることを特徴とする請求項16記載のプログラム。
【請求項19】
前記コンピュータに、前記駅構内サーバが、前記電車が前記各駅に停車中に前記電車内サーバと交信する処理、前記各駅に関連する更新情報があるときは前記更新情報を送信する処理を実行させることを特徴とする請求項16記載のプログラム。
【請求項20】
請求項16から19のいずれか1項記載のプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−166759(P2009−166759A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8956(P2008−8956)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】