説明

携帯端末装置へ無線送信されるファイルを安全に解読するためのシステムと方法

【課題】暗号化ファイルの解除キーを第三者に漏れることなく受信でき、かつ、暗号化ファイルを安全に受信する。
【解決手段】携帯端末装置100は、第1外部装置104から暗号化された暗号化ファイルを無線にて受信する無線インターフェース102と、第2外部装置108から暗号化ファイルに関する解除キーを表わす解除キー情報を無線にて受信するパーソナル近接インターフェース105と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にデジタル通信を安全に行うことに関し、特に、無線通信型の携帯端末装置に配信される解除キー(復号キー)を保護するシステムと方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話および関連する携帯端末装置が高性能になるにつれて、文書を持ち運んだり読んだり、または配信するような機能が提供され、携帯電話をメモリや表示装置として利用する機会が高まっている。不幸なことに多くの今日の携帯端末装置は、VPN(仮想プライベート・ネットワーク)などの安全なインターネットに接続する機能を有していない。携帯端末装置のユーザは、安全なパーソナルメモリとして自身の携帯電話を使用して文書を保存し、読出し、共有しまたは印刷することを希望している。また、文書が流出したり盗まれたりする危険に晒されることなく安全に配信されることが必要である。
【0003】
ここで、特許文献1には、スキャンした画像を暗号化して送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−5079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題の1つは、公共の無線ネットワーク接続を介したデータの配信中に盗聴や乗っ取りを受けることなく、携帯端末装置に対して機密文書を作成し、配信し、保存する方法を見つけ出すことである。理想的な解決策としては、コピーセンターまたは法人の多機能周辺機器(MFP)のコピー/スキャン機器などの公共のまたは個人の施設において使用が可能となることである。それは、MFP上、MFPに対してアプリケーションサービスを提供するサーバ上、またはその双方上で起動する所有のソフトウェアと組み合わせて、対象の携帯端末装置上の市販のソフトウェアを利用することにより実現する。
【0006】
上記課題に対する従来のアプローチには、スキャンする文書の宛先として電子メールアドレスを入力してからその人の電子メールアカウントへ、ポータブル・ドキュメント・フォーマット(PDF)ファイルとして文書をスキャンして配信するために、MFPを利用するものがある。その後電子メールを受け取った人は、電子メールプログラムを利用して添付のPDFファイルを読取って保存する。スキャン時にパスワードの設定が必要であったり、電子メール添付物の受取保存後に添付物をデジタルに暗号化するAdobe(登録商標)のAcrobat(登録商標)などのPDFエディタの利用が必要なものもある。MFPと携帯端末装置の両方に長くて安全なパスワードを入力することは難しいため、短くて安全かは不確かなパスワードが使用される場合がある。
【0007】
それから、携帯端末装置をコンピュータへ物理的に接続したり、Bluetooth(登録商標)などの無線接続を介して繋いだりする必要があり、暗号化文書が見られないよう安全を確保して携帯端末装置へ複写する。この手順は、アクセサリがすべて提供されている職場では可能である。しかしながら、コピーセンターのような公共の場で、ケーブルやドライバを公共のワークステーションに持ち込んだり、個人の電子メールアカウントを利用可能にすることは困難である。
【0008】
いずれにせよ、このような手順は、何らかの情報(パスワード、電子メールアドレス、添付位置、およびメモリデバイスドライバ)のキー要素を覚えておいて、不慣れなシステムに打ち込まなければならないという厄介なものであり、時間がかかり、間違いやすいものである。しかも、自覚なしに、覗かれやすく記録されやすい公共の場所でやらなければならない場合もある。
【0009】
よって、解除キーがより安全なインターフェースによって送信されながら、暗号化ファイルが無線装置に公共のネットワークを利用して送信されれば、好都合である。
【0010】
また、特許文献1に記載の方法を用いた場合、暗号解除のための設定操作を容易に行えないという問題がある。さらに、受信した側にて画像を復号する復号化手段を有していることが前提であり、有していない場合には、受信した側で暗号化画像を表示することができない。
【0011】
そこで、本願発明は、上記の問題に鑑み、その目的は、暗号化された原稿ファイルである暗号化ファイルを解読(復号)する解除キーを第三者に漏れることなく携帯端末装置に送信でき、かつ、暗号化ファイルを安全に携帯端末装置に送信できるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る携帯端末装置は、上記課題を解決するために、外部装置と無線通信する携帯端末装置であって、第1外部装置から暗号化された暗号化ファイルを無線にて受信する暗号化ファイル受信部と、第2外部装置から、前記暗号化ファイルに関する解除キーを表わす解除キー情報を無線にて受信する解除キー情報受信部と、を備えることを特徴としている。
【0013】
上記構成によると、暗号化ファイルは暗号化ファイル受信部により無線にて受信し、暗号化ファイルに関する解除キーを表わす解除キー情報は、解除キー情報受信部により無線にて受信する。よって、暗号化ファイルを解読(復号)する解除キーを第三者に漏れることなく受信でき、かつ、暗号化ファイルを安全に受信することが可能となる。
【0014】
ここで、前記暗号化ファイル受信部は、携帯電話およびWiFiインターフェースのいずれかであってもよい。
【0015】
本発明に係る携帯端末装置では、上記構成に加え、前記暗号化ファイル受信部は、前記暗号化ファイルを、画像形成装置、ネットワーク・サーバ、およびコンピュータのいずれか1つである前記第1外部装置から受信してもよい。
【0016】
上記構成によると、画像形成装置、ネットワーク・サーバ、およびコンピュータのいずれか1つである前記第1外部装置から暗号化ファイルを、安全に受信することができる。
【0017】
本発明に係る携帯端末装置では、上記構成に加え、前記暗号化ファイルは、画像形成装置によって読み取られた原稿のファイルであってもよい。
【0018】
上記構成によると、画像形成装置によって読み取られた原稿のファイルを安全に受信することができる。
【0019】
本発明に係る携帯端末装置では、上記構成に加え、前記解除キー情報をデジタル解除キーへ変換する解除キー変換部と、前記デジタル解除キーを用いて前記暗号化ファイルを復号するファイル処理部とを備える。
【0020】
上記構成によると、携帯端末装置にて受信した暗号化ファイルを復号し、解読することが可能となる。
【0021】
本発明に係る携帯端末装置では、上記構成に加え、前記解除キー情報受信部は、前記第2外部装置の表示部に表示された前記解除キーを表す画像を撮影するカメラであってもよい。
【0022】
上記構成によると、携帯端末装置のカメラにより解除キーを表す画像を撮影することで、上記解除キー情報を受信することができる。
【0023】
本発明に係る携帯端末装置では、上記構成に加え、前記解除キー情報受信部は、前記解除キーを表す画像として、クイックレスポンスコードの画像を撮影してもよい。
【0024】
上記構成によると、携帯端末装置のカメラにより解除キーを表すクイックレスポンスコードの画像を撮影することで、上記解除キー情報を受信することができる。
【0025】
本発明に係る携帯端末装置では、上記構成に加え、前記解除キー情報受信部は、前記第2外部装置の音声出力部によって出力される前記解除キーを表す音声情報を取得するマイクロフォンであってもよい。
【0026】
上記構成によると、携帯端末装置のマイクロフォンにより解除キーを表す音声情報を取得することで、上記解除キー情報を受信することができる。
【0027】
また、本発明に係る携帯端末装置では、前記解除キー情報受信部は、近接場での無線周波数を検出可能なRF検出器であってもよい。
【0028】
上記構成によると、RF検出器により、解除キーを表す無線周波数を受信することができる。
【0029】
本発明に係る方法は、上記課題を解決するために、携帯端末装置へ無線送信されるファイルを安全に復号する方法であって、前記携帯端末装置が、暗号化ファイル受信部にて第1外部装置から暗号化された暗号化ファイルを無線で受信する工程と、解除キー情報受信部にて、第2外部装置から前記暗号化ファイルに関する解除キーを表わす解除キー情報を無線で受信する工程と、を含むことを特徴としている。
【0030】
上記方法によると、上記携帯端末装置と同様の効果を奏し、暗号化ファイルを解読(復号)する解除キーを第三者に漏れることなく受信でき、かつ、暗号化ファイルを安全に受信することが可能となる。
【0031】
本発明に係るシステムは、上記課題を解決するために、暗号化された暗号化ファイルを携帯端末装置へ安全に無線送信するシステムであって、前記暗号化ファイルを携帯端末装置へ無線にて送信するための暗号化ファイル送信部を有する第1装置と、前記携帯端末装置へ無線にて前記暗号化ファイルに関する解除キーを表わす解除キー情報を送信するための解除キー情報送信部を有する第2装置と、を備え、前記解除キー情報送信部は、表示部、音声スピーカ、印字シートおよび近接場での無線周波数を送信可能なRF送信器のいずれか1つであることを特徴としている。
【0032】
上記構成によると、暗号化ファイルは第1装置の暗号化ファイル送信部により無線にて送信し、暗号化ファイルに関する解除キーを表わす解除キー情報は、第2装置の解除キー情報送信部により無線にて送信する。よって、暗号化ファイルを復号する解除キーを第三者に漏れることなく携帯端末装置に送信でき、かつ、暗号化ファイルを安全に携帯端末装置に送信することができる。
【0033】
ここで、解除キー情報送信部は、表示部、音声スピーカ、印字シートおよび近接場での無線周波数を送信可能なRF送信器のいずれかであればよい。
【0034】
ここで、本発明に係るシステムでは、前記第1装置および前記第2装置は同じ装置であってもよい。
【0035】
本発明に係るシステムでは、上記構成に加え、前記暗号化ファイルは、画像形成装置が原稿を読み取りかつ暗号化したファイルであり、前記画像形成装置が、前記暗号化ファイルを前記第1装置へネットワークを介して送信してもよい。
【0036】
上記構成によると、画像形成装置が原稿を読み取りかつ暗号化した暗号化ファイルを、安全に携帯端末装置に送信することができる。
【0037】
本発明に係るシステムでは、上記構成に加え、前記第1装置は、画像形成装置、ネットワーク・サーバ、およびコンピュータのいずれか1つであり、前記第2装置は、画像形成装置およびコンピュータのいずれかであってもよい。
【0038】
上記構成によると、像形成装置、ネットワーク・サーバ、およびコンピュータのいずれか1つから暗号化ファイルを携帯端末装置に送信でき、画像形成装置およびコンピュータのいずれかから解除キーを表わす解除キー情報を携帯端末装置に送信できる。
【0039】
本発明に係るシステムでは、上記構成に加え、前記第2装置の解除キー情報送信部は、前記解除キーを表す画像を表示するための表示部であってもよい。
【0040】
上記構成によると、第2装置の表示部にて解除キーを表す画像を表示することで、上記解除キー情報を送信することができる。
【0041】
本発明に係るシステムでは、上記構成に加え、前記表示部は、前記解除キーを、クイックレスポンスコードの画像としもよい。
【0042】
上記構成によると、第2装置の表示部にて解除キーをクイックレスポンスコードの画像として表示することで、上記解除キー情報を送信することができる。
【0043】
本発明に係るシステムでは、上記構成に加え、前記第2装置の解除キー情報送信部は、前記解除キーを表す音声情報を出力する音声出力部であってもよい。
【0044】
上記構成によると、第2装置の音声出力部にて、解除キーを表す音声情報を出力することで、上記解除キー情報を送信することができる。
【0045】
本発明に係るシステムでは、上記構成に加え、前記第2装置は、前記暗号化ファイルに関連するデジタル解除キーを前記解除キーを表わす解除キー情報に変換するキー変換部を備えていてもよい。
【0046】
上記構成によると、第2装置のキー変換部にて、暗号化ファイルに関連するデジタル解除キーを前記解除キーを表わす解除キー情報に変換することができる。
【0047】
本発明に係る方法は、上記課題を解決するために、携帯端末装置へ無線送信される暗号化ファイルを保護する方法であって、第1装置が、無線にて暗号化された暗号化ファイルを携帯端末装置へ送信する工程と、第2装置が、無線にて前記暗号化ファイルに関する解除キーを表わす解除キー情報を前記携帯端末装置へ送信する工程と、を含むことを特徴とする。
【0048】
上記構成によると、上記システムと同様の効果を奏し、暗号化ファイルを解読(復号)する解除キーを第三者に漏れることなく送信でき、かつ、暗号化ファイルを安全に送信することが可能となる。
【0049】
本発明は、重要な機密文書を得るために、個人情報を打ち込まなくてもよく、また、一連の多くのステップをいちいち踏まなくてもよいサービスシステムを構築することによって、上記課題を解決する手段を開示するものである。またそれは配信する過程でデータを公共の場所でも晒さなくても済むものである。本方法は、カスタマイズされたアプリケーションまたは第三者アプリケーションを携帯端末装置と多機能周辺機器(MFP)の両方で起動する能力のような、最新のハードウェアシステムに内蔵されているものを幾つか組合せて成り立っている。携帯機器とMFPはともに機能性と使いやすさを提供する固有の配信システムを形成している。
【0050】
本発明の一形態では、安全に携帯端末装置へパスワードを配信する既存の2次元バーコード読取り方法と同時に、強固に暗号化された文書を携帯端末装置へ配信することにより、上記課題が解決される。この組合せがこの困難な課題を解決する唯一の方法である。MFP内で起動するアプリケーションソフトウェアがMFPにて文書をスキャンしデジタル暗号化する。さらに、そのアプリケーションは、MFPのディスプレイにカスタム画像を提供する。このカスタム画像によって、アプリケーションは解除キーを携帯電話または類似のデジタルカメラ付機器へ安全に配信できる。またこのアプリケーションは第三者のソフトウェア(Blackberry、iPhone(登録商標)、またはAndroid(登録商標)のレベルの機器)を起動させる能力を提供する。
【0051】
従って、本発明により、携帯端末装置へ無線送信されるファイルを安全に暗号化する方法が提供される。携帯端末装置は、第1外部装置から暗号化ファイルを受け取るために用いられる携帯電話やWiFi(登録商標)インターフェースなどの無線インターフェースを一般に有している。解除キー表現(解除キーを表わす解除キー情報)は、第2外部装置から、パーソナル近接インターフェースを介して受信される。パーソナル近接インターフェースは、例えば、カメラ、マイクロフォン、または近接場無線周波数(RF)検出器である。
【0052】
本発明の一形態では、前記第1外部装置は、例えば、MFP、ネットワーク・サーバ、またはコンピュータであってもよい。また、他の形態にでは、第1および第2外部装置が同じ装置であってもよく、それが、MFPやコンピュータなどであってもよい。
【0053】
携帯端末装置の変換アプリケーションは、解除キー表現をデジタル解除キーへ変換し、その後、デジタル解除キーは暗号化ファイルを解読するのに使用される。本発明の一形態では、携帯端末装置のカメラは、解除キーを表す画像を撮影し、第2外部装置の表示部(表示画面)上へ提供する。例えば、その画像は、クイックレスポンス(QR)コードの画像であってもよい。
【0054】
暗号化ファイルを携帯端末装置へ無線送信するための方法も提供される。MFP、コンピュータ、又はネットワーク・サーバなどの第1の装置は、携帯電話またはWiFiなどの無線インターフェースを用いて、暗号化ファイルを第1の携帯端末装置へ送信する。第2の装置は、解除キー表現を前記携帯端末装置へパーソナル近接インターフェース(表示部、音声スピーカ、印字シートまたは近接場RF送信器)を介して送信する。上記のように、前記第1の装置および第2の装置は同じ装置であってもよい。
【0055】
上記した方法、パーソナル近接インターフェースを有する無線携帯端末装置、および携帯端末装置へ無線送信される暗号化ファイルを安全に送信するシステムのさらなる詳細は、後述する。
【発明の効果】
【0056】
本発明の携帯端末装置は、以上のように、第1外部装置から暗号化された暗号化ファイルを無線にて受信する暗号化ファイル受信部と、第2外部装置から、前記暗号化ファイルに関する解除キーを表わす解除キー情報を無線にて受信する解除キー情報受信部と、を備える。
【0057】
上記構成によると、暗号化ファイルは暗号化ファイル受信部により無線にて受信し、暗号化ファイルに関する解除キーを表わす解除キー情報は、解除キー情報受信部により無線にて受信する。よって、暗号化ファイルを解読(復号)する解除キーを第三者に漏れることなく受信でき、かつ、暗号化ファイルを安全に受信することが可能となる。
【0058】
また、本発明のシステムは、以上のように、前記暗号化ファイルを携帯端末装置へ無線にて送信するための暗号化ファイル送信部を有する第1装置と、前記携帯端末装置へ無線にて前記暗号化ファイルに関する解除キーを表わす解除キー情報を送信するための解除キー情報送信部を有する第2装置と、を備え、前記解除キー情報送信部は、表示画面、音声スピーカ、印字シートおよび近接場での無線周波数を送信可能なRF送信器のいずれか1つであることを特徴としている。
【0059】
上記構成によると、暗号化ファイルは第1装置の暗号化ファイル送信部により無線にて送信し、暗号化ファイルに関する解除キーを表わす解除キー情報は、第2装置の解除キー情報送信部により送信する。よって、暗号化ファイルを復号する解除キーを第三者に漏れることなく携帯端末装置に送信でき、かつ、暗号化ファイルを安全に携帯端末装置に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】無線インターフェースを介して通信された暗号化ファイルを保護するためのパーソナル近接インターフェースを備えた無線携帯端末装置の概略ブロック図である。
【図2】図1のシステムの他の形態であり、第1遠隔装置および第2遠隔装置が1つの装置となっている形態の、概略ブロック図であり、
【図3】携帯端末装置の都合で取り出せるように暗号化文書を保存する公共の文書サーバの使用に関するイベントの流れを示す図である。
【図4】携帯端末装置に無線送信されたファイルを安全に復号化するための方法を示すフローチャートである。
【図5】携帯端末装置に無線送信された暗号化ファイルを保護するための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、本発明の実施形態について、以下に図を参照して説明する。
【0062】
図1は、無線インターフェースを介して通信された暗号化されたファイル(暗号化ファイル)を保護するためのパーソナル近接インターフェースを備えた無線型の携帯端末装置の概略ブロック図である。携帯端末装置100は、無線インターフェース(暗号化ファイル受信部)102を備えている。無線インターフェース102は、例えば、携帯電話あるいはWiFi(登録商標)(IEEE802.11)インターフェースであり、第1外部装置(第1装置)104から暗号化ファイル103を受信するものである。明確に描かれていないが、携帯端末装置100は、無線インターフェースの代わりにハードウェアに組み込まれたインターフェースを使用してもよい。ただし、ハードウェアに組み込まれたネットワークは、盗聴の感度が低い。文書の暗号化の方法が複数当業者に知られており、そのうちのいくつかは、ここに記載の装置で可能となる。対称キー・アルゴリズムと同様に公開キーが使用されてもよい。携帯端末装置100は、さらに、例えば、カメラ、マイクロフォン、プリンタあるいは近接場無線周波数(RF)検出器といった、パーソナル接近インターフェース(解除キー情報受信部)105を備えている。パーソナル接近インターフェース105は、第2外部装置(第2装置、画像形成装置、MFP)108から解除キー表現(解除キーを表わす解除キー情報)106を受信する。また、携帯端末装置100は、携帯電話装置100に含まれる各ブロックを制御する制御部114と、各種データを記録するローカルメモリ112とを備えている。さらに、携帯端末装置100は、解除キー変換アプリケーション(解除キー変換部)110、ファイル処理アプリケーション(ファイル処理部)118を備えている。
【0063】
解除キー変換アプリケーション110、解除キー表現106をデジタル解除キー116に変換するものでありローカルメモリ112に格納されたソフトウェア命令のシーケンスとして可能になり、制御部114により実行される。
【0064】
ファイル処理アプリケーション118は、デジタル解除キー116を使用して暗号化ファイル103を復号化するものであり、ローカルメモリ112に格納されたソフトウェア指示のシーケンスとして可能になり、制御部114により実行される。
【0065】
実施の一形態では、パーソナル接近インターフェース105は、解除キー106を表わす画像を撮影するカメラである。解除キー106は、第2外部装置108のパーソナル接近インターフェース(解除キー情報送信部)120の表示部にて提供される、あるいは、用紙上に印刷される。例えば、解除キー表現は、クイックレスポンス(QR)コードの画像であってもよい。QRコード(商標登録)は、専用のQRコード・リーダおよびカメラ付き携帯電話によって判読可能な、特定の種類のマトリックスあるいは二次元バーコードである。このコードは、白地上に正方形のパターンの中に配置された黒いモジュールから成る。コード化された情報は、キーコードのような、テキスト、URLあるいは他のデータであってもよい。グーグルのモバイルのアンドロイド(商標登録)のオペレーティング・システムは、いくつかのモデル上で予めバーコード・スキャナ(ZXing)を有していることにより、QRコードをサポートする。
【0066】
ノキアのSymbian(登録商標)・オペレーティング・システムもQRコードを読み取るバーコード・スキャナを有しており、mbarcodeはMAEMO(登録商標)のオペレーティング・システムのためのQRコードである。アップル(登録商標)のiOSには、QRコード・リーダは予め含まれていない。しかしながら、コード・リーダの能力のある多くのフリー・アプリケーションが利用可能である。より一般的には、パーソナル接近インターフェースは、従来のバーコードあるいは他のタイプのメッセージ・フォーマットを読み取るように構成されていてもよい。実施の一形態では、パーソナル接近インターフェースは、10進数、16進数あるいは2進数で記述されたシーケンスとして表される解除キー情報を読み取ることができる。
【0067】
他の実施形態では、パーソナル接近インターフェース105は、解除キー106を表わすオーディオ・シーケンスを捕らえるマイクロフォンであり、解除キー106は、第2外部装置108のパーソナル接近インターフェース120であるスピーカ(音声スピーカ)により提供される。例えば、オーディオ・シーケンスは、ファクシミリ通信としてフォーマットされてもよい。あるいは、パーソナル接近インターフェース105は、RF識別(RFID)タグ・リーダであってもよく、また、第2外部装置108のパーソナル接近インターフェース120は、上記リーダに非常に近接して信号を送信する受動素子であってもよい。Bluetoothは、別のパーソナル接近インターフェースとして利用可能である。しかしながら、Bluetoothの発信機のパワーレベルによって、これらの信号は盗聴に対して感度がよくなる。同じ実施形態で、Bluetoothが、無線インターフェース102として使用されてもよい。
【0068】
第1外部装置104は、無線インターフェース(暗号化ファイル送信部)122から暗号化ファイルを携帯端末装置100に送信する。第1外部装置104は、多機能周辺装置(MFP)、ネットワーク・サーバあるいはコンピュータであってもよい。ここで使用されるように、MFPは、文書のスキャンが可能な装置であり、また典型的に、コピー機および印刷機としての機能を備え、そして、典型的に、ネットワーク・インタフェースを有する。暗号化ファイルは、MFPにてスキャンされたファイルであってもよい。一実施形態では、このファイルは、MFPにてスキャンされて暗号化され、暗号化されたファイルは、(安全な無線リンクを介して)第1の携帯端末装置として作用するサーバに送信される。この実施形態では、MFPは第2外部装置として作用してもよい。別の実施形態では、MFPは、ファイルをスキャンし暗号化し、それを、第1外部装置104として作用するコンピュータあるいは無線・アクセス・ポイントに送信してもよい。同様に、MFPは第2外部装置108として作用する。
【0069】
図2は、図1のシステムの変形であり、第1外部装置と第2外部装置とが同じ装置である場合の、概略ブロック図である。一実施形態では、第1/第2遠隔装置104/108は、MFPである。この実施形態では、MFP104/108は、ファイルをスキャンし、ファイルを暗号化し、無線インターフェース122を介して暗号化ファイルを送り、そして、パーソナル接近インターフェース120を介して解除キー表現106を送る。他の実施形態では、第1/第2遠隔装置104/108はコンピュータである。コンピュータ104/108は記憶装置からファイルを検索する。ファイルが既に暗号化されている場合、コンピュータはさらに解除キーにアクセスする。ファイルがまだ暗号化されない場合、暗号化プロセスが実行され、また、解除キーが生成される。暗号化ファイルは無線インターフェース122を介して、解除キー表現106はパーソナル接近インターフェース120を介して、送信される。
【0070】
異なる観点から図1を見ると、携帯端末装置100へ無線送信された暗号化ファイルを安全に送信するためのシステムが提供される。
【0071】
システム130は、第1の無線インターフェース122を有する第1外部装置104を備えている。第1の無線インターフェース122は、第1の携帯端末装置100へ暗号化されたファイルを送るための、例えば、携帯電話またはWiFiインターフェースである。
第2外部装置108は、第1の携帯端末装置100解除キー表現106を送信するパーソナル接近インターフェース120を有する。第1の携帯端末装置100では、接近インターフェース120は、表示画面、オーディオ・スピーカー、印字シートあるいは近接場RF発信機である。
【0072】
実施の一形態では、第2外部装置108のローカルのメモリ134にソフトウェア命令のシーケンスとして格納され、かつ制御部136によって実行される暗号化アプリケーション132は、ファイル138を受信するかスキャンし、そして、暗号化ファイルおよびデジタル解除キーを作成する。ローカルメモリ134にソフトウェア命令のシーケンスとして格納され、制御部136によって実行されるキー変換アプリケーション(キー変換部)140は、暗号化ファイルに関連したデジタル解除キーを受理し、デジタル解除キーを解除キー表現に変換する。
【0073】
別の実施の形態では、第1外部装置104は、ネットワーク・サーバである。また、第2外部装置108はMFPである。MFP108は、文書138をスキャンし、スキャンしたファイルを暗号化し、暗号化されたファイルをサーバ104にネットワーク接続を介してオンライン104で送信する。
さらに、通常、第1外部装置104は、MFP、ネットワーク・サーバ、コンピュータあるいは無線・アクセス・ポイントであってもよい。その一方で、第2外部装置108は、一般的に、MFPかコンピュータのいずれかである。
【0074】
実施の一形態では、第2外部装置のパーソナル接近インターフェース120は、解除キーを表わす画像を表示するための表示画面、あるいは解除キーを表す画像を用紙上に印刷するためのプリンタ装置である。例えば、解除キー表現は、QRコード画像であってもよい。別の実施の形態では、第2外部装置のパーソナル接近インターフェース120は、解除キーの音声表現を発するスピーカ、あるいはRFID発信機である。
【0075】
図2に戻り、実施の一形態では、第1外部装置と第2外部装置とは、同じ装置(1つの装置)104/108であってもよい。上記で説明したように、この組み合わせた装置は、一般的には、MFPかあるいはコンピュータである。
【0076】
(機能的説明)
一実施形態では、携帯端末装置のユーザは、文書の宛先を取り決めるためにネットワーク・サーバとコンタクトを取るアプリケーションを携帯端末装置上で実行する。宛先は、直接携帯端末装置自身(図1参照)か、あるいは、携帯端末装置が暗号化文書を検索できる遠隔サーバ上に配置された記憶部(図2参照)か、である。その後、ユーザは、MFPの上の文書アプリケーションを起動する。文書アプリケーションは、文書のスキャンを開始しそして暗号化し、その後、暗号化文書を携帯端末装置へ直接あるいは中間サーバを介して配信する。暗号キーは、MFPによって任意に生成されてもよい。また、それは長い(128の任意の文字、それ以上)と通信するのが難しいかもしれない。
【0077】
実施の一形態では、その後キーは、バーコード画像において128から2048文字の間でエンコードすることができる、QRコード画像(原文の情報フィールドを送信するために使用されるバーコードを付ける形式)あるいは同様のバーコードとして、MFP上でローカルにエンコードされる。MFPは、文書が、スキャンされ、暗号化され、ネットワークを介して送信されると、MFPのフロントパネルにバーコード画像を表示する。MFPがQRコードを表示するとともに、携帯端末装置のユーザは、携帯端末装置に備えられたカメラを使用し、バーコード画像をスキャンし、かつそれを解読する。QRコードは、一旦暗号化文書として携帯端末装置に配信される文書を開くために使用できる解除キーを含んでいる。
【0078】
解除キーが公衆網を介して伝送されず、かつ、文書が文書記憶サーバにさえ知られていないパスワードにてデジタルに暗号化されるので、文書は文書の内容の機密性を常に危険に晒されることなく、携帯端末装置に配達される。
【0079】
この種のシステムへの付加価値として、第1のユーザは、QRコードを格納し、その後、QRコードを第1のユーザの装置スクリーン上に表示、あるいは紙にQRコードを印刷し表示することで、第2のユーザあるいはユーザ達へ直接文書を送信するこのシステムを使用することもできる。そして、第2のユーザは、同じあるいは同様のQRコード・リーダのソフトウェアを使用して、第1のユーザと同じ方法にて解除キーを取得し、文書を復号化する。
【0080】
暗号化キーがネットワークを介して送信されないので、文書を後に解読するために、バーコード画像を保存するか印刷して使用することがある。解読には、文書の搬送体(キャリア)が必要とする状況に基づく可能性のある中間通信が用いられる。
【0081】
図3は、携帯端末装置が都合のよい時に検索するよう、暗号化文書を格納する公用の文書サーバの使用に関連するイベントのシーケンスを描く図である。解除キーがネットワークに常に置かれないため、この処理は安全である。ステップ300では、携帯端末装置は、処理を始める際、MFP108のHTTPアドレスを送信する。ステップ302aおよび302bでは、アプリケーションがMFP108で開始され、MFPとサーバとの間で通信が確立される。実施の一形態では、サーバは、解除キー表現の暗号化および/または生成を可能にするアプリケーションをMFPに提供する。ステップ304では、MFPにて文書がスキャンされる。ステップ306では、MFPにて暗号化ファイルが生成される。実施の一形態では、ステップ308にて、暗号化ファイルが携帯端末装置へ直接送信される。あるいは、暗号化ファイルは、ステップ310aにてサーバに送信され、その後、サーバは、ステップ310bにて携帯端末装置へ暗号化ファイルを送信する。ステップ312では、MFPは携帯端末装置へ復号キー表現を送り、ステップ314にて、携帯端末装置は、ファイルを解読するキーを使用する。
【0082】
従って、携帯端末装置は、解除キーを得るために、時間に依存し、かつキー・ソースに対して視覚的に接近したキーと無関係のコンテンツを得る。符号化データはどのような文書へも埋め込まれまれない。携帯端末装置は、例えば、ネットワークを介してキー情報を送信する要求を除去しながら、バーコードを使用して復号化する。一方で、暗号化文書は、広帯域の公衆網を介して安全に送信することができる。文書を開くために使用されるキーは、文書に格納されないし、復号が完成した後使用されない。要約すると、バーコード、あるいは、他のパーソナル接近インターフェースは、公衆網を介した文書に、リンクする、検索する、あるいは検査するためには使用されない。より正確に言えば、バーコードは、ネットワークを介したどのような復号キー・データを送信する必要のない、安全なキー変換メカニズムである。
【0083】
図4は、携帯端末装置へ無線送信されるファイルを安全に解読する方法を説明するフローチャートである。本方法は、明確にするために、番号を付したステップのシーケンスとして描かれているが、番号は必ずしもステップの順序を決定するものではない。これらのステップのうちのいくつかが、スキップされるかもしれないし、並行して実行されるかもしれないし、あるいは、シーケンスの厳密な順序を維持する要求なしに実行されるかもしれないことが、理解されるであろう。しかしながら一般的には、本方法は、描かれたステップの番号順に続けられる。本方法はステップ400からスタートする。
【0084】
ステップ402では、第1の携帯端末装置は、第1の無線インターフェースを備え、第1外部装置から暗号化ファイルを受信する。第1の無線インターフェースは、携帯電話あるいはWiFiインターフェースあるいは他の公衆網のインターフェースであってもよい。暗号化ファイルは、MFP、ネットワーク・サーバあるいはコンピュータから受信されてもよい。実施の一形態では、ステップ402で受信される暗号化ファイルは、予めMFPにてスキャンされたものであってもよい。
【0085】
ステップ404では、パーソナル接近インターフェースを介して第2外部装置から解除キー表現を受信する。パーソナル接近インターフェースのいくつかの例は、カメラ、マイクロフォン、近接場RF検出器である。あるいはいくつかの状況では、ブルートゥース・トランシーバである。別の実施形態では、携帯端末装置のカメラは、第2外部装置の表示画面上で提供される第1の解除キーを表わす画像(例えばQRコード)を撮影する。
【0086】
ステップ406では、ローカルメモリに格納され制御部によって実行されるソフトウェア命令のシーケンスとして第1の携帯端末装置メモリに埋め込まれた第1の携帯端末装置の変換アプリケーションは、解除キー表現をデジタル解除キーに変換する。ステップ408では、暗号化ファイルを解読するためにデジタル解除キーが使用される。
【0087】
図5は、携帯端末装置へ無線送信された暗号化ファイルを保護する方法を説明するフローチャートである。本方法は、ステップ500からスタートする。ステップ502にて、携帯電話のインターフェースまたはワイファイのインターフェースのような第1の無線インターフェースを有する第1外部装置は、第1の携帯端末装置へ暗号化ファイルを送信する。ステップ504にて、第2外部装置はパーソナル接近インターフェースを介して第1の携帯端末装置へ解除キー表現を送信する。パーソナル近接インターフェースは、表示画面、オーディオ・スピーカー、印字シートあるいは近接場RF発信機であってもよい。一実施形態では、ステップ504を行う第2外部装置は、解除キーを表わす画像(例えばQRコード)を表示するディスプレイを含んでいる。実施の一形態では、ステップ503で、制御部によって実行されるソフトウェア命令のシーケンスとしてローカルメモリに格納された第2外部装置のキー変換アプリケーションは、暗号化ファイルに関連したデジタル解除キーを解除キー表現に変換する。
【0088】
実施の一形態では、第1外部装置と第2外部装置とは同じ装置である。一般に、ステップ502を行う第1外部装置はMFP、ネットワーク・サーバあるいはコンピュータである。また、ステップ504を行う第2外部装置はMFPかコンピュータである。他の実施形態では、ステップ501aにて、MFPは文書をスキャンする。ステップ501bにて、MFPはスキャンしたファイルを暗号化する。ステップ501cにて、MFPはネットワーク接続を介してサーバに暗号化ファイルを送信する。その後のステップ502での暗号化ファイルの送信は、ネットワーク・サーバから暗号化ファイルを送信することを含んでいる。
【0089】
以上により、公衆ネットワークを介して暗号化ファイルを安全に送信するためのシステムと方法とが提供された。なお、特別の通信構造およびプロセス・フローの例は、発明を説明するために示したものである。よって、本発明は、上記した実施形態に制限されることはない。発明の他のバリエーションおよび実施形態は、当業者に理解できる。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態では、携帯端末装置100、第1外部装置、第2外部装置を、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0091】
すなわち、携帯端末装置100、第1外部装置104、または第2外部装置108は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯端末装置100、第1外部装104、または第2外部装置108の各制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、携帯端末装置100、第1外部装置104、または第2外部装置108に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0092】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、PLD(Programmable logic device)等の論理回路類などを用いることができる。
【0093】
また、携帯端末装置100、第1外部装置104、または第2外部装置108を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0094】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0095】
また、本発明は、次のように表現してもよい。すなわち、本発明の方法は、携帯端末装置へ無線送信されるファイルを安全に解読する方法であって、携帯端末装置が、第1外部装置から暗号化ファイルを受け取るために、携帯電話およびWiFiインターフェースからなる群から選択される第1無線インターフェースを有する工程と、カメラ、マイクロフォン、および近接場無線周波数(RF)検出器からなる群から選択されるパーソナル近接インターフェースを介して、第2外部装置から解除キー表現を受信する工程、を含む方法として表現される。
【0096】
また、本発明の方法は、上記方法に加え、前記暗号化ファイルを受信する工程が、複合機(MFP)、ネットワーク・サーバ、およびコンピュータからなる群から選択される前記第1外部装置から暗号化ファイルを受信する工程を含んでいてもよい。
【0097】
また、本発明に係る方法は、上記方法に加え、前記暗号化ファイルを受信する工程が、MFPにてスキャンされた暗号化文書を受信する工程を含んでいてもよい。
【0098】
また、本発明の方法は、上記方法に加え、制御部によって実行可能なソフトウェア命令のシーケンスとして携帯端末装置のローカルメモリに内蔵された第1携帯端末変換アプリケーションが、前記解除キー表現をデジタル解除キーへ変換する工程と、前記デジタル解除キーを用いて前記暗号化ファイルを解読する工程と、をさらに含んでいてもよい。
【0099】
また、本発明の方法は、上記方法に加え、前記解除キー表現を受信する工程は、前記携帯端末装置のカメラが、第2外部装置の表示画面に提供された前記解除キーを表示する画像を撮影する工程を含んでもよい。
【0100】
また、本発明の方法は、上記方法に加え、前記画像を撮影する工程は、クイックレスポンス(QR)コード画像を撮影する工程を含んでもよい。
【0101】
また、本発明の方法は、携帯端末装置へ無線送信される暗号化ファイルを保護する方法であって、第1装置が、携帯電話およびWiFiインターフェースからなる群から選択される第1無線インターフェースを有し、暗号化ファイルを携帯端末装置へ送信する工程と、第2装置が暗号化されたキー表現を前記携帯端末装置へ、表示画面、音声スピーカ、印字シート、および近接場無線周波数(RF)送信器からなる群から選択されるパーソナル近接インターフェースを介して送信する工程とを含む方法、と表現してもよい。
【0102】
また、本発明の方法は、上記方法に加え、記第1装置および第2装置は同じ装置であってもよい。
【0103】
また、本発明の方法は、上記方法に加え、さらに複合機(MFP)が文書をスキャンする工程、前記MFPがスキャンしたファイルを暗号化する工程、および前記MFPが前記暗号化ファイルをサーバへネットワーク接続を介して送信する工程、を含み、前記MFPが暗号化ファイルを送信する工程が、前記暗号化されたファイルを前記ネットワーク・サーバから送信する工程を含んでいてもよい。
【0104】
また、本発明の方法は、上記方法に加え、前記暗号化ファイルを送信する工程が、前記暗号化されたファイルを、MFP、ネットワーク・サーバ、およびコンピュータからなる群から選択される第1装置から送信する工程を含み、さらに、前記解除キー表現を送信する工程が、前記解除キー表現を、前記MFPおよび前記コンピュータからなる群から選択される第2装置によって送信する工程を含んでもよい。
【0105】
また、本発明の方法は、上記方法に加え、前記解除キー表現を送信する工程が、第2装置の表示部が、前記解除キーを表す画像を提示する工程を含んでいてもよい。
【0106】
また、本発明に係る方法は、上記方法に加え、前記画像を提示する工程は、前記第2装置がクイックレスポンス(QR)コードの画像として解除キーを提示する工程を含んでもよい。
【0107】
また、本発明の方法は、上記方法に加え、プロセッサによって実行されるソフトウェア命令のシーケンスとしてローカルメモリに保存された、第2装置のキー変換アプリケーションが、前記暗号化ファイルに関連するデジタル解除キーを前記解除キー表現に変換してもよい。
【0108】
また、本発明は、次のように表現してもよい。すなわち、本発明の携帯端末装置は、無線インターフェースを介して送信された暗号化ファイルを保護するための、パーソナル近接インターフェースを備えた無線型携帯端末装置であって、第1外部装置から暗号化ファイルを受信する、携帯電話およびWiFiインターフェースからなる群から選択される第1無線インターフェースと、第2外部装置から、解除キー表現を受け取る、カメラ、マイクロフォン、および近接場無線周波数(RF)検出器からなる群から選択されるパーソナル近接インターフェースと、ローカルメモリに保存され、かつ制御部によって実行可能な、ソフトウェア命令のシーケンスとして利用可能な解除キー表現をデジタル解除キーへ変換する、解除キー変換アプリケーションと、を備えてなる装置、と表現してもよい。
【0109】
また、本発明の携帯端末装置は、上記構成に加え、前記第1無線インターフェースが、前記暗号化ファイルを、複合機(MFP)、ネットワーク・サーバ、およびコンピュータからなる群から選択される前記第1外部装置から受信してもよい。
【0110】
また、本発明の携帯端末装置では、上記構成に加え、前記暗号化ファイルは、復号機によってスキャンされた文書ファイルであってもよい。
【0111】
また、本発明の携帯端末装置は、上記構成に加え、ローカルメモリに保存されかつ前記プロセッサによって実行可能なソフトウェアのシーケンスとして利用可能な、前記デジタル暗号キーを用いて前記暗号化ファイルを解読する、ファイル処理アプリケーションをさらに備えていてもよい。
【0112】
また、本発明の携帯端末装置では、上記構成に加え、前記パーソナル近接インターフェースは、第2外部装置の表示画面に提供された前記解除キーを表示する画像を撮影するカメラであってもよい。
【0113】
また、本発明の携帯端末装置では、上記構成に加え、前記パーソナル近接インターフェースは、前記画像として、クイックレスポンス(QR)コード画像を撮影してもよい。
【0114】
また、本発明の携帯端末装置では、上記構成に加え、前パーソナル近接インターフェースは、第2外部装置のスピーカによって提供される解除キーを表す音声シーケンスを取得するマイクロフォンであってもよい。
【0115】
また、本発明は、次のように表現してもよい。すなわち、本発明のシステムは、暗号化ファイルを携帯端末装置へ安全に無線送信するシステムであって、暗号化ファイルを第1携帯端末装置へ送信するために、携帯電話およびWiFiインターフェースからなる群から選択される第1無線インターフェースを有する第1装置、および、第1携帯端末装置へ解除キー表現を送信するためのパーソナル近接インターフェースを有する第2装置を備え、前記パーソナル近接インターフェースは、表示画面、音声スピーカ、印字シートおよび近接場無線周波数(RF)発信器からなる群から選択されるシステム、と表現できる。
【0116】
また、本発明のシステムでは、上記構成に加え、前記第1装置および前記第2装置は同じ装置であってもよい。
【0117】
また、本発明のシステムでは、上記構成に加え、前記第2装置が、複合機(MFP)であり、前記MFPが文書をスキャンし、スキャンしたファイルを暗号化し、暗号化した暗号化ファイルをサーバへネットワーク接続を介して送信してもよい。
【0118】
また、本発明のシステムでは、上記構成に加え、前記第1装置は、MFP、ネットワーク・サーバ、およびコンピュータからなる群から選択され、かつ、前記第2装置は、MFPおよびコンピュータからなる群から選択されてもよい。
【0119】
また、本発明のシステムでは、上記構成に加え、前記第2装置の近接インターフェースは、前記解除キーを表す画像を提示するための表示画面であってもよい。
【0120】
また、本発明のシステムでは、上記構成に加え、前記第2装置は、前記解除キーをクイックレスポンス(QR)コードの画像として提示してもよい。
【0121】
また、本発明のシステムでは、上記構成に加え、前記第2装置の近接インターフェースは、前記解除キーの音声表現を放送するスピーカであってもよい。
【0122】
また、本発明のシステムでは、上記構成に加え、前記第2装置内に、ソフトウェア命令のシーケンスとしてローカルメモリに保存されかつプロセッサによって実行可能な、キー変換アプリケーションをさらに備え、前記暗号化ファイルに関連するデジタル解除キーを受信し、前記デジタル解除キーを前記解除キー表現に変換してもよい。
【0123】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、無線通信型の携帯端末装置に原稿ファイルを送信するシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0125】
100 携帯端末装置
102 無線インターフェース(暗号化ファイル受信部)
103 暗号化ファイル
104 第1外部装置(第1装置)
105 パーソナル近接インターフェース(解除キー情報受信部)
106 解除キー表現(解除キーを表わす解除キー情報)
108 第2外部装置(第2装置、画像形成装置、MFP)
112 ローカルメモリ
114 制御部
116 デジタル解除キー
118 ファイル処理アプリケーション(ファイル処理部)
110 解除キー変換アプリケーション(解除キー変換部)
120 パーソナル近接インターフェース(解除キー情報送信部)
122 無線インターフェース(暗号化ファイル送信部)
132 暗号化アプリケーション
134 メモリ
140 キー変換アプリケーション(キー変換部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と無線通信する携帯端末装置であって、
第1外部装置から暗号化された暗号化ファイルを無線にて受信する暗号化ファイル受信部と、
第2外部装置から、前記暗号化ファイルに関する解除キーを表わす解除キー情報を無線にて受信する解除キー情報受信部と、
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記暗号化ファイル受信部は、携帯電話およびWiFiインターフェースのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記暗号化ファイルは、画像形成装置によって読み取られた原稿のファイルであることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記解除キー情報受信部は、
前記第2外部装置の表示部に表示された前記解除キーを表す画像であるクイックレスポンスコードの画像を撮影するカメラ、あるいは、
前記第2外部装置の音声出力部によって出力される前記解除キーを表す音声情報を取得するマイクロフォン、あるいは、
近接場での無線周波数を検出可能なRF検出器、
のいずれか1つであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
携帯端末装置へ無線送信されるファイルを安全に復号する方法であって、
前記携帯端末装置が、
暗号化ファイル受信部にて、第1外部装置から暗号化された暗号化ファイルを無線で受信する工程と、
解除キー情報受信部にて、第2外部装置から前記暗号化ファイルに関する解除キーを表わす解除キー情報を無線で受信する工程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
暗号化された暗号化ファイルを携帯端末装置へ安全に無線送信するシステムであって、
前記暗号化ファイルを携帯端末装置へ無線にて送信するための暗号化ファイル送信部を有する第1装置と、
前記携帯端末装置へ無線にて前記暗号化ファイルに関する解除キーを表わす解除キー情報を送信するための解除キー情報送信部を有する第2装置と、を備え、
前記解除キー情報送信部は、表示部、音声スピーカ、印字シートおよび近接場での無線周波数を送信可能なRF送信器のいずれか1つであることを特徴とするシステム。
【請求項7】
前記第2装置の解除キー情報送信部は、
前記解除キーをクイックレスポンスコードの画像として表示するための表示部、あるいは、
前記解除キーを表す音声情報を出力する音声出力部、あるいは、
近接場での無線周波数を送信可能なRF送信器、のいずれか1つであることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
携帯端末装置へ無線送信される暗号化ファイルを保護する方法であって、
第1装置が、無線にて暗号化された暗号化ファイルを携帯端末装置へ送信する工程と、
第2装置が、無線にて前記暗号化ファイルに関する解除キーを表わす解除キー情報を前記携帯端末装置へ送信する工程と、を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−231450(P2012−231450A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−17294(P2012−17294)
【出願日】平成24年1月30日(2012.1.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】