説明

携帯端末装置

【課題】長時間稼働可能で且つ情報の不用意な閲覧を抑制可能な携帯端末装置の提供。
【解決手段】表示の対象となる画像の画像情報を記憶する記憶手段と、前記画像を表示可能とする表示手段と、前記画像の表示可否を判断する表示判断手段と、前記記憶手段と前記表示手段と前記表示判断手段とを制御する制御手段と、を有する携帯端末装置において、
前記記憶手段は前記画像の表示可否を判断するための判断基準を記憶し、前記判断基準に対応する項目を検知する検知手段を有し、前記制御手段は、前記画像情報が前記記憶手段に記憶されていない時は前記表示判断手段に前記画像の表示可否を判断させず前記検知手段を作動させないことを特徴とする携帯端末装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
携帯可能な携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年デジタル技術の進歩はめざましく、外部から送信される各種電子データをいつでも何処でも受信し閲覧(表示)可能な携帯端末装置が一般に普及してきている。しかし、いつでも何処でも受信し閲覧可能という特性から、不用意に電子データを他人に閲覧され、機密情報が漏洩してしまう可能性があった。
【0003】
このような問題点を解決するために、電子データを閲覧しても良い場所を制限し、電子データを閲覧しても良い閲覧許可領域のみで電子データの閲覧を可能とする携帯端末装置が提案されている。このような携帯端末装置として、例えば、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)を用いて現在位置を取得し、閲覧許可領域内であると判断された時に電子データの閲覧を可能としたものが従来知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、GPS又は通信エリアのID取得手段で位置を検知し、閲覧許可領域内であると判断された時に電子データの閲覧を可能としたものが従来知られている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
また、閲覧許可領域の中心等、特定の場所に設置された基地局からの信号を常時監視し、信号の強弱や周波数や変調情報等を解析して閲覧許可領域内外を判断し、閲覧許可領域内であると判断された時に電子データの閲覧を可能としたものが従来知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−108267号公報
【特許文献2】特開2006−39107号公報
【特許文献3】特開2007−286602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
携帯端末装置はその携帯性を確保するため、一般的に携帯端末装置内部に取り付けたバッテリにより駆動電力を得ている。
【0008】
特許文献1に記載された携帯端末装置は、前述のようにGPS(グローバル・ポジショニング・システム)を用いて現在位置を取得し、閲覧許可領域内であると判断された時に電子データの閲覧を可能としている。このため、携帯端末装置の位置が閲覧許可領域内か外かを判断するために常時GPS等の位置検知手段等を作動させねばならず、GPS等の消費電力が大きくなり、携帯端末装置としての稼働時間の低下を招くという問題点があった。
【0009】
また、特許文献2に記載された携帯端末装置は、前述のように更に通信エリアのID等を用いて現在位置を取得し、閲覧許可領域内であると判断された時に電子データの閲覧を可能としている。このため、GPSや通信エリアのID取得手段を常時作動させねばならず、これらの消費電力が大きくなり、携帯端末装置としての稼働時間の低下を招くという問題点があった。
【0010】
また、特許文献3に記載された携帯端末装置は、前述のように基地局からの信号を常時受信して信号の強弱や周波数や変調情報等を解析することにより現在位置を取得し、閲覧許可領域内であると判断された時に電子データの閲覧を可能としている。このため、基地局からの信号受信手段や信号の解析手段を常時作動せねばならず、これらの消費電力が大きくなり、携帯端末装置としての稼働時間の低下を招くという問題点があった。
【0011】
本発明は上記問題点に鑑み、長時間稼働可能で且つ情報の不用意な閲覧を抑制可能な携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
1.表示の対象となる画像の画像情報を記憶する記憶手段と、
前記画像を表示可能とする表示手段と、
前記画像の表示可否を判断する表示判断手段と、
前記記憶手段と前記表示手段と前記表示判断手段とを制御する制御手段と、を有する携帯端末装置において、
前記記憶手段は前記画像の表示可否を判断するための判断基準を記憶し、
前記判断基準に対応する項目を検知する検知手段を有し、
前記制御手段は、前記画像情報が前記記憶手段に記憶されていない時は前記表示判断手段に前記画像の表示可否を判断させず前記検知手段を作動させないことを特徴とする携帯端末装置。
【0013】
2.前記制御手段は、前記画像情報が前記記憶手段に記憶されている時は、前記表示判断手段に前記画像の表示可否を判断させ前記検知手段を作動させることを特徴とする前記1項に記載の携帯端末装置。
【0014】
3.前記制御手段は、前記判断基準と前記検知手段の検知結果とに基づいて前記画像の表示可否を前記表示判断手段に判断させ、判断結果によって前記表示手段に前記画像を表示させることを特徴とする前記1又は2項に記載の携帯端末装置。
【0015】
4.前記判断基準は、前記画像の表示可に係る領域情報であり、前記検知手段は前記判断基準に対応する項目として携帯端末装置の位置を検出し、前記表示判断手段は、前記領域情報が示す領域の内部に前記検知手段が検知した前記位置が含まれる場合に前記画像を表示可と判断することを特徴とする前記3項に記載の携帯端末装置。
【0016】
5.前記画像情報は複数の頁に亙る情報であって、任意の頁の表示を要求する頁表示要求手段を有し、
前記判断基準は、表示可に係る表示可頁情報であり、
前記制御手段は、前記頁表示要求手段によって頁の表示が要求された際に、前記表示判断手段に前記画像の表示可否を判断させ、前記頁表示要求手段によって頁の表示が要求されていない時には前記表示判断手段に前記画像の表示可否を判断させないことを特徴とする前記3項に記載の携帯端末装置。
【0017】
6.前記画像情報は複数の頁に亙る情報であって、表示する頁を切り替える操作を行う頁切替要求手段を有し、
前記制御手段は、前記頁切替要求手段によって頁の切り替え要求が行われた際に、切り替えられる頁について前記表示判断手段に表示可否を判断させ、
前記頁切替要求手段によって頁の切り替え要求が行われていない時に、切り替えられた頁について前記表示判断手段に前記画像の表示可否を判断させないことを特徴とする前記3項に記載の携帯端末装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、表示の対象となる情報を保有していない場合は情報の閲覧可否判断等を行わないことで消費電力の低減を可能とし、且つ、表示の対象となる情報を保有し閲覧可となった場合に、閲覧を許可する所定の要件(閲覧許可要件)に沿った場合にのみ閲覧許可要件に沿った情報の閲覧を可能としたことにより、長時間稼働可能で且つ情報の不用意な閲覧を抑制可能な携帯端末装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】電子ペーパの外観図である。
【図2】電子ペーパのブロック図である。
【図3】電子ペーパの現在位置を取得する方法の説明図である。
【図4】電子ペーパの第1の制御方法のフロー図である。
【図5】電子ペーパの第2の制御方法のフロー図である。
【図6】電子ペーパの第3の制御方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の携帯端末装置は、表示の対象となる画像の情報を保有している場合に、該情報に係る画像を表示しても良いか否かを判断するもので、表示して良い要件に沿わない場合は、該画像の表示を禁止できるものである。そして、携帯端末装置としては例えば電子ペーパ、携帯電話、携帯可能な小型のパーソナルコンピュータ、等が挙げられるが、以下、主として携帯端末装置の1例である電子ペーパを例にとって説明する。
【0021】
以下、表示の対象となる画像を単に画像と称し、表示の対象となる画像の画像情報を画像情報と称す。
【0022】
なお、画像の例としては、文書、図形、絵、動画等の画像があり、より詳しくは例えば団体の営業や財務に係る画像、会議等に必要な資料の画像等の他者に閲覧されては困る機密の画像と、他者に閲覧されても良い通常の画像が挙げられる。なお、表示内容をスピーカ等により音声で報知するようにしても良い。
【0023】
また、画像の表示可否を判断するための判断基準であり、画像を閲覧(表示)するための制限要件であり、画像をどの様な要件が満たされれば閲覧(表示)して良いかを判断するための要件を、以下閲覧許可要件と称する。
【0024】
そして、閲覧許可要件は、場所に係る要件(基準)として例えば団体(会社)の占有する領域や会議室といった領域、使用者の認証に係る要件(基準)として例えば指紋に係る要件、パスワードに係る要件、画像自体の要件(基準)として画像の機密レベルに係る要件、また時刻に係る要件(基準)として何時から何時までといった時間要件等が挙げられる。
【0025】
以下の説明においては、閲覧許可要件が例えば場所に係る要件である場合について主として説明する。
【0026】
図1は電子ペーパの外観図である。
【0027】
電子ペーパ1は、電子ペーパ1全体を制御する制御部2と、画像を表示可能な表示部4と、使用者が入力操作等を行う操作部25と、外部と通信を行う通信部26と、閲覧許可要件(判断基準)に対応する項目例えば、領域(電子ペーパの現在位置)、指紋、画像の機密レベル、時間等を検知する検知手段28と、を有している。
【0028】
そして、操作部25には頁表示要求手段である例えば任意の頁の表示要求を行う頁表示スイッチ251、頁切替要求手段である画像を切り替える頁めくりスイッチ252、表示を中止する表示OFFスイッチ253等のスイッチが設けられている。また、電子ペーパ1はバッテリ(不図示)で駆動されており、充電可能なバッテリの場合は不図示の充電機能を有する充電器に装着することによりバッテリを充電可能となっている。
【0029】
図2は電子ペーパのブロック図である。
【0030】
制御部2は電子ペーパ1全体の制御を司るCPU(中央演算処理装置)22と、ROM(読み出し専用メモリ)23とRAM(ランダム・アクセス・メモリ)24とを有する記憶手段(不図示)と、これらを有機的につなぐバス21とを有している。
【0031】
また、バス21は操作部25と通信部26と検知手段28にもつながっており、これらはCPU22により制御されている。
【0032】
CPU22は、ROM23から電子ペーパ1全体を制御するプログラムを読み込んでRAM24をワークエリアとして使用しながらプログラムに記述された各種処理を実行する。
【0033】
ROM23は電子ペーパ1全体を制御するプログラムを格納している。RAM24はバッテリバックアップされており制御上のワークエリアとなっている。そして、通信部26等を介して送信された表示の対象となる画像の情報(表示画像情報)と閲覧許可要件とを格納しておく表示画像情報エリア241を有している。なお、格納スペースが許せばHDD(ハードディスクドライブ)を設けてRAM24の一部機能を持たせても良い。
【0034】
制御部2は、後に詳しく説明するが、画像情報が記憶手段(RAM24)に記憶されている時に、画像の表示可否を判断する表示判断手段に画像の表示可否を判断させ、
閲覧許可要件と、検知手段28の検知結果と、に基づいて画像の表示可否を前記表示判断手段に判断させ、判断結果によって表示部4に前記情報を表示させる。
【0035】
また、制御部2は、任意の頁の表示を要求する頁表示要求手段により頁の表示要求が行われると前記表示判断手段に画像の表示可否を判断させ、
表示する頁を切り替える操作を行う頁切替要求手段が操作されると、切り替えられた頁について前記表示判断手段に画像の表示可否を判断させる。
【0036】
また制御部2は、画像の表示可否を判断する表示判断手段としての機能を果たしている。以下の説明においては説明を分かりやすくするため、制御部2における表示可否判断機能を表示可否判断部29と称することもある。
【0037】
バッテリ3は、表示部4、CPU22、ROM23、RAM24、操作部25、通信部26、及び検知手段28に電力を供給している。
【0038】
表示部4は、表示制御回路27を有し、各種の画像の表示を行う。そして、表示画面として液晶、有機EL、プラズマ等、公知の表示手段が利用でき、タッチパネル機能を有している、タッチパネル機能により表示部4から直接情報の入力が可能となり作業の効率化が図れる。
【0039】
また、表示部4は電源を切っても画像表示が継続するメモリ型表示装置を用いても良い。メモリ型表示装置はメモリ型表示素子(不図示)と、該メモリ型表示素子に対して表示すべき画像を書き込むための表示素子駆動回路(不図示)を有している。
【0040】
前記メモリ型表示素子は、メモリ性を有する表示素子であり、例えばコレステリック液晶を有する液晶表示素子が挙げられる。このようなメモリ型表示素子によれば、画像情報を周期的にリフレッシュする必要がなく、動作電圧や駆動信号の供給が停止した場合でも画像の表示が継続して可能となる。
【0041】
操作部25は、使用者が入力操作等を行う前述したスイッチ等を有し、入力された操作情報が制御部2に入力される。
【0042】
通信部26は、各種の情報を有線或いは無線で授受可能となっており、受信した表示の対象となる画像の情報(表示画像情報)等はCPU22によって必要に応じてRAM24(表示の対象となる画像の情報を格納する表示画像情報エリア241)に記憶される。
【0043】
検知手段28は、閲覧許可要件(判断基準)に対応する項目を検知する検知手段であり、閲覧許可要件に対応する項目(領域、認証、画像の機密レベル、時間等)を検知する部分で、例えば領域に対応する項目を検知するものとして電子ペーパ1の現在位置を検知する位置検知手段28aと、認証に対応する項目を検知するものとして使用者の認証を行う認証手段28bとを有している。
【0044】
そして、通信部26を介して受信した閲覧許可要件(例えば場所に関する要件)に応じて、対応する検知手段(例えば位置検知手段28a)を選択し、検知手段(例えば位置検知手段28a)により検知された電子ペーパ1の位置情報(例えば事業場A内部の事務室の位置情報)を制御手段2に入力する。
【0045】
なお、検知手段としては、位置検知手段28aと認証手段28bと画像自体の要件に対応する検知手段と時刻に係る要件に対応する検知手段とが挙げられる。
【0046】
位置検知手段28aとしては後述するGPS281と電波強度測定手段282等が挙げられ、認証手段28bとして不図示の指紋を読み取る読取装置とパスワード入力装置等が挙げられ、画像自体の要件に対応する検知手段として不図示の画像ID読み取り手段が挙げられ、時刻に係る要件に対応する検知手段として計時手段等が挙げられる。
【0047】
以下に閲覧許可要件が場所に係る要件の場合を例にとって、図2と3を参照して電子ペーパの現在位置を取得する方法と、情報の閲覧を許可するか否かを判断する方法について説明する。
【0048】
図3は電子ペーパの現在位置を取得する方法の説明図である。
【0049】
パーソナルコンピュータ400(以下パーソナルコンピュータをPCと称す)やサーバー500から送信される様々な情報は、周辺機器と通信を行い情報の交通整理を行うコミュニケーションサーバー600(以下コミュニケーションサーバーをCBS600と称する)で受信される。そして、CBS600は様々な情報を電子ペーパ1で処理可能なフォーマットに変換して電子ペーパ1に送信する。
【0050】
電子ペーパ1に送信される情報としては例えば、画像情報と画像情報に関する閲覧許可要件とが挙げられる。そして、画像情報と画像情報に関する閲覧許可要件とがCBS600を介して電子ペーパ1に送信され、これらの情報がそれぞれ記憶手段に記憶される。
【0051】
図3(a)を参照して、電子ペーパ1内部で画像の表示可否判断を行う形態について説明する。
【0052】
図3(a)において電子ペーパ1は、画像情報を記憶している場合にのみ、閲覧許可要件(例えば場所に関する要件:事業所Aが占有する領域情報)に対応した検知手段28(例えば位置検知手段28a、GPS281)を選択する。そして、例えばGPS281によりGPS衛星710からの電波を受け現在位置(例えば事業場A内部の事務室の位置)を検知する。
【0053】
なお、地下街やビルディング内部のようにGPS衛星710からの電波が届きにくい場所に対応するための検知手段28としては、複数の信号発信機から発信される各電波の強度を測定し、現在位置を検知する電波強度測定手段(不図示)を設けても良い。
【0054】
この場合は、画像を閲覧可とする領域(例えばビルディング内の会議室)の周辺に信号発信機を配設し、前記電波強度測定手段により測定した複数(少なくとも3箇所)の信号発信機の各電波強度により現在位置の検知が可能となる。なおこの場合電子ペーパ1は、測定した複数の各電波強度に対応する現在位置情報を記載した電子的なテーブルを設け、該テーブルを参照することで現在位置の検知が可能となる。
【0055】
そして電子ペーパ1は、画像情報を記憶している場合にのみ、CBS600から送信された閲覧許可要件(例えば場所に関する要件:事業所Aが占有する領域情報)と、検知手段28(GPS281)が検知した現在位置情報例えば事業場A内部の事務室の位置情報と、を比較し、現在位置情報(例えば事業場A内部の事務室の位置情報)が、閲覧許可要件に示された領域(例えば事業所Aが占有する領域情報)の中に含まれている場合は閲覧を可とするようになっている。
【0056】
図3(a)を参照して説明した構成をとることにより、画像情報が記憶手段に記憶されていなければ検知手段28(例えばGPS281)に判断基準に対応する項目を検知させず、且つ表示可否判断部29に画像情報の表示可否を判断させないことで、GPS281等の、消費電力が大きな機器を作動させずにすむことで消費電力の削減ができ携帯端末装置の稼働時間を延長可能とできる。また閲覧許可要件に沿った場所(領域)等でのみ文書等の閲覧を可能とできる。
【0057】
なお上記図3(a)の説明において、位置検知手段28aを無線ICとして、画像情報を記憶している場合に無線ICをON可能とし、所定の場所例えば閲覧を許可する領域の内部又は周辺に設置された無線ICリーダと通信を行わせ電子ペーパ1の現在位置を取得するようにしても良い。
【0058】
また、位置検知手段28aは物理的な位置座標を算出する物でなく、予め決められたエリア等に出入りしたことを検出するものでも良い。例えば位置検知手段28aをSuica(登録商標)等に使われている無線ICタグとして、無線ICリーダを閲覧が許可された場所、例えば建物、室などの出入り口に設け、無線ICタグの通過を検出し、電子ペーパ1が室内にあることを把握可能としても良い。
【0059】
なお、PC400、サーバー500、CBS600、及び電子ペーパ1の間の通信は、PC400、サーバー500、CBS600、及び電子ペーパ1の状況に応じて適宜無線或いは有線を用いることができ、通信形態としては無線であれば例えば無線LANやBluetoothが利用可能で、有線であれば例えばUSBやIEEE1394が利用できる。
【0060】
以上場所に係る要件を例にとって説明したが、前述した使用者の認証に係る要件、画像自体の要件、時刻に係る要件により、画像を表示しても良いか否かを判断し、要件に沿わない場合は、画像の表示を禁止できるようにしても良いことは言うまでもない。
【0061】
また、閲覧許可要件が単一の場合について説明したが、場所に係る要件、使用者の認証に係る要件、画像自体の要件、時刻に係る要件等の複数の要件のうち少なくとも2要件を閲覧許可要件とすることにより、より厳密に情報の閲覧を許可するか否かを判断することができ、よりセキュリティー性を高められることは言うまでもない。
【0062】
例えば場所に係る要件と使用者の認証に係る要件とを閲覧許可要件とする場合について説明すると、
(1)PC400やサーバー500から送信される複数の閲覧許可要件(例えば場所に係る閲覧許可要件と個人の認証に係る閲覧許可要件)をCBS600で論理式(and)で記述(場所に係る閲覧許可要件and個人の認証に係る閲覧許可要件)して電子ペーパ1に送信し、
(2)電子ペーパ1は、CBS600から送信される論理式で示された場所に係る閲覧許可要件と使用者の認証に係る閲覧許可要件とを検知すると、例えばGPSと指紋の読取装置により現在位置情報と指紋画像情報とを取得し、
(3)CBS600から送信された論理式に記載された場所に係る閲覧許可要件と個人の認証に係る閲覧許可要件と、取得した現在位置情報と指紋画像情報と、をそれぞれ比較し、論理式に記載された複数の閲覧許可要件に取得した情報が全て沿うような場合に当該画像の閲覧を可とすることにより可能となる。
【0063】
以下に、電子ペーパ1の制御方法を、電子ペーパ1が自分自身で閲覧許可要件に対応する例えば領域、指紋画像、画像の機密レベル、時間等を検知し、検知した検知情報が閲覧許可要件に沿っているか否かを判断する場合について、図2、図3(a)及びフロー図(図4、5、6)を参照して説明する。
【0064】
また、以下のフローに係るプログラムは例えばROM23に予め記憶されており、制御部2のCPU22により不図示の電子ペーパの全体を制御するメインプログラムの実行中に逐次実行される。
【0065】
以下、電子ペーパ1はPC400やサーバー500からCBS600を介して送信された画像情報と当該画像情報に係る閲覧許可要件とを受信して、記憶手段(例えばRAM24の表示情報エリア241)に画像情報と当該画像情報に係る閲覧許可要件とが格納されているものとして説明する。
【0066】
図4は電子ペーパの第1の制御方法のフロー図である。
【0067】
以下、画像情報が記憶手段(RAM24)に記憶されていない時に、表示可否判断部29に画像の表示可否を判断させず、検知手段28に閲覧許可要件に対応する項目を検知させない第1の制御方法について、図2、図3(a)、図4とを参照して説明する。
【0068】
1.記憶手段の表示画像情報エリアチェック ステップS101
表示画像情報エリア241には閲覧許可要件テーブルが記憶されており、電源投入時、又は所定時間毎に表示画像情報エリア241から画像情報を読み出し、次ステップに進む。
【0069】
例えば表示画像情報エリア241に格納されている下記(表1)に示す閲覧許可要件テーブルTB1を読み出し、閲覧許可要件テーブルTB1から表示画像情報欄TB11の内容を読み出す。
【0070】
【表1】

【0071】
閲覧許可要件テーブルTB1は、画像情報が格納される表示画像情報欄TB11と、各画像情報に対応した閲覧許可要件が格納される閲覧許可要件欄TB12とを有している。そして、CBS600から送信された画像情報が表示画像情報欄TB11に格納され、閲覧許可要件が閲覧許可要件欄TB12に格納される。
【0072】
表示画像情報欄TB11に情報が格納されていない時又は閲覧許可要件欄TB12に情報が格納されていない時は不用意に閲覧させたくない画像情報が無いことを意味し、表示画像情報欄TB11と閲覧許可要件欄TB12とに情報が格納されている時は、表示可否判断を行う必要がある画像情報、換言すると不用意に閲覧させたくない画像情報が有ることを意味している。
【0073】
表示画像情報欄TB11には、例えば文書情報1、文書情報2、図面情報1、文書情報3が格納されており、
閲覧許可要件欄TB12には、例えば文書情報1に対する閲覧許可要件である、事務所Aの占有する(位置座標x1.y1/x2.y2/x3.y3で囲まれる)領域情報と、
文書情報2に対する閲覧許可要件である、事務所Bの占有する(位置座標x4.y4/x5.y5/x6.y6/x7.y7で囲まれる)領域情報と、
図面情報1に対する閲覧許可要件である、事務所Aの占有する(位置座標x1.y1/x2.y2/x3.y3で囲まれる)領域情報と、
文書情報3に対する閲覧許可要件である、事務所Cの占有する(位置座標x8.y8/x9.y9/x10.y10/x11.y11で囲まれる)領域情報とが格納されている。
【0074】
なお、文書情報1、文書情報2、図面情報1、及び文書情報3は、それぞれ閲覧許可要件を有しているため、表示可否判断を行う必要がある、換言すると不用意に閲覧させたくない情報であることを示している。
【0075】
2.表示情報の有無判断 ステップS102
読み出した結果、画像情報が無い場合(Yes)はステップS105に進み、有る場合(No)は次ステップに進む。
【0076】
具体的には表示画像情報欄TB11に格納された画像情報の有無を確認する。
【0077】
なお、ステップS102において、表示画像情報欄TB11と閲覧許可要件欄TB12とに情報が有る場合に次ステップに進むようにすると、閲覧許可要件が無い場合にもステップS103で表示可否判断部29が作動中であるか否かを判断する必要もなくなり電力の消費を抑えることができる。
【0078】
3.表示可否判断部作動状況判断 ステップS103
画像情報があるため、表示可否判断部29が作動中であるか否かを判断し、作動中(Yes)であればエンドに進み、作動していなければ(No)表示可否判断部29を作動させるために次ステップに進む。
【0079】
4.表示可否判断部ON ステップS104
画像情報を閲覧可能とするか否かを判断させるために、表示可否判断部29を作動(ON)させ、検知手段28(例えばGPS281)がOFFの場合は電子ペーパの現在位置を取得させるためにGPS281を作動(ON)させエンドに進む。
【0080】
5.表示可否判断部作動状況判断 ステップS105
表示可否判断部29が作動中であるか否かを判断し、作動中(Yes)であれば表示可否判断部29を作動停止(OFF)させるために次ステップに進み、作動していなければ(No)エンドに進む。
【0081】
6.表示可否判断部作動OFF ステップS106
画像情報がないため電力の消費を抑えるために、表示可否判断部29及び検知手段28(例えばGPS281)の作動をOFFとしエンドに進む。
【0082】
このように、画像情報がなければ表示可否判断部29に画像情報の表示可否を判断させる必要もなく、従って表示可否判断部29の作動及び検知手段28(例えばGPS281)の作動を行わせない。
【0083】
このため、表示可否判断部29を常時作動させるため、また、検知手段28(例えばGPS281)を常時作動させるための電力が削減可能となり、特にバッテリ駆動の携帯端末装置において長時間稼働が可能となる。
【0084】
制御部2内部の処理に比べて検知手段28(例えばGPS281)や通信手段の作動に必要な消費電力は大きく、画像情報が無い時に検知手段28(例えばGPS281)の作動を停止することは特にバッテリ駆動の携帯端末装置において稼働時間延長に顕著な効果をもたらす。
【0085】
以下、ステップS104で行う、表示可否判断部29による表示可否判断方法について、閲覧許可要件が場所に係る要件の場合の概要を説明する。
【0086】
1.閲覧許可要件テーブルTB1を読み出して表示部4に閲覧許可要件テーブルTB1(表1)を表示させる。
【0087】
2.表示画像情報欄TB11に表示された例えば文書情報1、文書情報2、図面情報1、文書情報3、等のうち、タッチパネル機能により使用者が選択した情報(例えば文書情報2)に対する閲覧許可要件〔例えば事務所Bの占有する(位置座標x4.y4/x5.y5/x6.y6/x7.y7で囲まれる)領域情報〕を閲覧許可要件欄TB12から読み出す。
【0088】
3.検知手段28例えばGPS281により取得した位置情報(例えば位置座標x41.y41)と、閲覧許可要件欄TB12から読み出した閲覧許可要件〔例えば事務所Bの占有する(位置座標x4.y4/x5.y5/x6.y6/x7.y7で囲まれる)領域情報〕と、を比較する。
【0089】
5.位置座標x41.y41が、画像情報を表示して良い領域に係る位置座標x4.y4/x5.y5/x6.y6/x7.y7で囲まれる領域内に位置する座標であれば表示可と判断し、領域外に位置する座標であれば表示否と判断する。
【0090】
表示可否判断部29はこのようにして画像の表示可否を判断することができる。
【0091】
なお、例えば使用者の認証に係る要件の場合は、1項で後述の閲覧許可要件テーブルTB2(表2)を表示させ、2項で使用者が選択した情報(例えば文書情報2)に対する閲覧許可要件(例えば指紋画像情報)を読み出し、3項で表示可否判断部29に設けた指紋の読取装置(不図示)により取得した指紋画像情報と閲覧許可要件欄TB22から読み出した指紋画像情報とを、通常用いられるパタン認識等の手法を用いて比較し、4項で両者が同一人の指紋画像と判断すると表示可と判断し、異なる人の指紋画像と判断すると表示否と判断する。以上により、任意の画像情報について、検知手段28で検知した検知情報が閲覧許可要件に沿っているか否かを判断することが可能となる。
【0092】
図5は電子ペーパの第2の制御方法のフロー図である。
【0093】
画像情報が記憶手段(RAM24)に記憶されていない時に、表示可否判断部29に画像の表示可否を判断させず、検知手段28に閲覧許可要件に対応する項目を検知させず、且つ、
画像情報が記憶手段(RAM24)に記憶されている時に、閲覧許可要件が場所に係る要件の場合は、電子ペーパ1の位置を検知可能とし、画像情報を閲覧可能とするか否かを判断可能とし、
場所に係る要件がない場合は、他の要件について検知可能とし、他の要件に関する画像情報を閲覧可能とするか否かを判断可能とする第2の制御方法について、図2、図3(a)、図5とを参照して説明する説明する。
【0094】
1.記憶手段の表示画像情報エリアチェック ステップS201
RAM24の表示画像情報エリア241から画像情報を読み出し、次ステップに進む。
【0095】
具体的には、表示画像情報エリア241に格納されている閲覧許可要件テーブルを読み出す。例えば(表1)に示す閲覧許可要件テーブルTB1を読み出して、表示画像情報欄TB11の内容を取得する。
【0096】
なお、閲覧許可要件テーブルが複数有る場合は順次読み出す。
【0097】
2.表示情報の有無判断 ステップS202
読み出した結果、画像情報が無い場合(Yes)は検知手段28をOFFとするためステップS208に進み、有る場合(No)は次ステップに進む。
【0098】
具体的には表示画像情報欄TB11に格納された画像情報の有無を確認する。
【0099】
3.閲覧許可要件の確認 ステップS203
RAM24に記憶されている閲覧許可要件を読み出して次ステップに進む。
【0100】
具体的には、(表1)に示す閲覧許可要件欄TB12の内容を読み出す。
【0101】
4.場所に関する要件有無判断 ステップS204
読み出した結果、場所に関する要件が無ければ(No)他の要件を確認するため次ステップに進み、有れば(Yes)検知手段28をONとするためステップS206に進む。
【0102】
なお、場所に関する要件が無いとは閲覧許可要件欄TB12に場所に関する要件が格納されていない場合、或いは空欄となっている場合を指し、有るとは閲覧許可要件欄TB12に場所に関する要件が格納されている場合を指す。
【0103】
5.他の表示情報有無判断 ステップS205
RAM24に記憶されている閲覧許可要件を読み出して、場所に関する要件以外の閲覧許可要件が有るか無いかを判断し、有る場合(No)は他の閲覧許可要件を確認するためステップS203に進み、無い場合は(Yes)ステップS208に進む。
【0104】
具体的には、例えば閲覧許可要件テーブルを順次読み出して場所に関する要件以外の閲覧許可要件が有るか無いかを確認する。以下、場所に関する要件以外の閲覧許可要件が記憶された下記(表2)に示す閲覧許可要件テーブルTB2があったものとして説明する。
【0105】
(表2)に示す閲覧許可要件テーブルTB2を読み出して、表示画像情報欄TB21の内容を読み出す。
【0106】
なお、場所に関する要件以外の閲覧許可要件が有る場合とは、場所に関する要件に関する閲覧許可要件テーブルTB1以外の、例えば使用者の認証に関する下記閲覧許可要件テーブルTB2等が格納されている場合を指し、また、場所に関する要件以外の閲覧許可要件が無い場合とは閲覧許可要件テーブルTB1以外の閲覧許可要件テーブルが格納されていない場合を指す。
【0107】
なお、閲覧許可要件テーブルを、例えば場所に関する要件が格納された閲覧許可要件テーブルTB1、使用者の認証(指紋画像)に関する要件が格納された下記閲覧許可要件テーブルTB2、等特定の閲覧許可要件毎に纏めた場合について説明しているが、各種の閲覧許可要件を含む単一の閲覧許可要件テーブルとしても良いことは言うまでもない。
【0108】
また、ステップS205において他の閲覧許可要件(例えば閲覧許可要件テーブルTB2)が有る場合(No)と判断してステップS203に進んだ時には、
ステップS203ではステップS205であると判断した他の閲覧許可要件(例えば閲覧許可要件欄TB22)を確認し、
ステップS204では前記他の閲覧許可要件(例えば閲覧許可要件欄TB22)を確認し、
ステップS206とステップS208では前記他の閲覧許可要件に関する検知手段(例えば指紋の読取装置)の作動状況を判断する。
【0109】
【表2】

【0110】
閲覧許可要件テーブルTB2は、画像情報が格納される表示画像情報欄TB21と、各画像情報に対応した閲覧許可要件が格納される閲覧許可要件欄TB22とを有している。そして、CBS600から送信された画像情報が表示画像情報欄TB21に格納され、閲覧許可要件が閲覧許可要件欄TB22に格納される。
【0111】
表示画像情報欄TB21に情報が格納されていない時又は閲覧許可要件欄TB22に情報が格納されていない時は不用意に閲覧させたくない画像情報が無いことを意味し、表示画像情報欄TB21と閲覧許可要件欄TB22とに情報が格納されている時は、表示可否判断を行う必要がある、換言すると不用意に閲覧させたくない内容を含む画像情報が有ることを意味している。
【0112】
表示画像情報欄TB21には、例えば文書情報1、文書情報2、図面情報1、文書情報3、等が格納されており、
閲覧許可要件欄TB22には、例えば文書情報1に対する閲覧許可要件であるA氏の指紋画像情報1と、文書情報2に対する閲覧許可要件であるB氏の指紋画像情報2と、図面情報1に対する閲覧許可要件であるC氏の指紋画像情報3と、文書情報3に対する閲覧許可要件であるA氏とC氏との指紋画像情報1と3、等が格納されている。
【0113】
なお、文書情報1、文書情報2、図面情報1、及び文書情報3は、それぞれ閲覧許可要件を有しているため、表示可否判断を行う必要がある画像情報、換言すると不用意に閲覧させたくない画像情報が有ることを意味している。
【0114】
6.位置検知手段作動状況判断 ステップS206
電子ペーパ1の位置を検知する位置検知手段28a(例えばGPS281)が作動状態にあるかないかを判断し、作動中の場合はエンドに進み、停止中の場合は次ステップに進む。
【0115】
7.位置検知手段ON ステップS207
電子ペーパ1の位置を検知可能とし、画像情報を閲覧可能とするか否かを判断可能とするために、検知手段28(例えばGPS281)と、表示可否判断部29とを作動させてエンドに進む。
【0116】
8.位置検知手段作動状況判断 ステップS208
電子ペーパ1の位置を検知する位置検知手段28(例えばGPS281)又は表示可否判断部29が作動状態にあるかないかを判断し、作動中の場合は次ステップに進み、停止中の場合はエンドに進む。
【0117】
9.位置検知手段OFF ステップS209
位置検知手段28(例えばGPS281)又は表示可否判断部29による電力消費を0とするためGPS281と表示可否判断部29とを停止させエンドに進む。
【0118】
このため、表示可否判断部29を常時作動させるため、また、検知手段28(例えばGPS281)を常時作動させるための電力が削減可能となり、特にバッテリ駆動の携帯端末装置において長時間稼働が可能となる。
【0119】
制御部2内部の処理に比べて検知手段28(例えばGPS281)や通信手段の作動に必要な消費電力は大きく、画像情報が無い時に検知手段28(例えばGPS281)の作動を停止することは特にバッテリ駆動の携帯端末装置において稼働時間延長に顕著な効果をもたらす。
【0120】
また、場所に係る閲覧許可要件以外の閲覧許可要件についても画像情報の閲覧可否を判断可能となり、この場合についても上述したように電力を削減可能となりより、特にバッテリ駆動の携帯端末装置において長時間稼働が可能となる。
【0121】
図6は電子ペーパの第3の制御方法のフロー図である。
【0122】
なお、第3の制御方法のフローは前記第1の制御方法のフローに付帯するもので、
即ち、画像情報が記憶手段(RAM24)に記憶されていない時に、表示可否判断部29に画像の表示可否を判断させず、検知手段28に閲覧許可要件に対応する項目を検知させないことを前提として処理される。
【0123】
また、画像が複数の頁にわたり、閲覧許可要件が情報を表示して良い頁に係る表示可頁情報であって、画像情報が記憶手段(RAM24)に記憶されている時に、
頁表示要求操作が行われないと、画像情報が記憶手段(RAM24)に記憶されていても表示判断手段に画像情報の表示可否を判断させず、
頁切替要求操作が行われないと、画像情報が記憶手段(RAM24)に記憶されていても表示判断手段に画像情報の表示可否を判断させない第3の制御方法について、図2、図3(a)、図6とを参照して説明する。
【0124】
1.ページ表示要求有無判断 ステップS301
操作部25に設けられた頁表示スイッチ251を監視して閲覧したい頁の表示要求(スイッチON)があると(Yes)次ステップに進み、頁の表示要求がないと(No)閲覧許可要件検知手段を停止させるためにステップS313に進む。
【0125】
2.表示要求ページの閲覧許可要件の取得 ステップS302
ページの表示要求により、RAM24から画像情報である例えば文章情報と、該文章情報に係る閲覧許可要件情報と、を読み出して次ステップに進む。
【0126】
具体的には、表示画像情報エリア241に格納されている閲覧許可要件テーブルを読み出す。例えば下記(表3)に示す閲覧許可要件テーブルTB3を読み出して、表示画像情報欄TB31と閲覧許可要件欄TB32との内容を読み出す。
【0127】
【表3】

【0128】
表示画像情報エリア241は例えば(表3)に示す、画像情報の各頁に係る要件に関する閲覧許可要件テーブルTB3を有している。
【0129】
そして、閲覧許可要件テーブルTB3は、画像情報が格納される表示画像情報欄TB31と、各画像情報に対応した閲覧許可要件が格納される閲覧許可要件欄TB32とを有している。そして、CBS600から送信された画像情報が表示画像情報欄TB31に格納され、閲覧許可要件が閲覧許可要件欄TB32にそれぞれ格納される。
【0130】
表示画像情報欄TB1には、例えば文書の第1頁情報、文書の第2頁情報、文書の第3頁情報、文書の第4頁情報が格納されており、
閲覧許可要件欄TB32には、例えば文書の第1頁に対する閲覧許可要件である、事務所Aの占有する(位置座標x1.y1/x2.y2/x3.y3で囲まれる)領域情報と、
文書の第2頁情報に対する閲覧許可要件である、A氏の指紋画像情報1と、
文書の第3頁情報に対する閲覧許可要件である、事務所Aの占有する(位置座標x1.y1/x2.y2/x3.y3で囲まれる)領域情報と、
文書の第4頁情報に対する閲覧許可要件である、A氏とC氏との指紋画像情報1と3とが格納されている。
【0131】
表示画像情報欄TB31に情報が格納されていない時又は閲覧許可要件欄TB32に情報が格納されていない時は不用意に閲覧させたくない画像情報が無いことを意味し、表示画像情報欄TB31と閲覧許可要件欄TB32とに情報が格納されている時は表示可否判断を行う必要がある画像情報、換言すると不用意に閲覧させたくない画像情報が有ることを意味している。
【0132】
なお、文書の第1頁情報〜第4頁情報は、それぞれ閲覧許可要件を有しているため、表示可否判断を行う必要がある、換言すると不用意に閲覧させたくない情報であることを示している。
【0133】
3.閲覧許可要件有無判断 ステップS303
読み出した文章情報に係る閲覧許可要件情報(例えば場所に係る要件)が有るか無いかを確認して無い場合は次ステップに進み、有る場合はステップS307に進む。
【0134】
具体的には、表示画像情報欄TB31と閲覧許可要件欄TB32とに、それぞれ画像情報と閲覧許可要件情報が格納してあるか否かを判断する。
【0135】
4.閲覧許可要件検知手段作動状況判断 ステップS304
閲覧許可要件に対応する項目、例えば領域、指紋画像、画像の機密レベル、時間等を検知する検知手段(以下、該検知手段を閲覧許可要件検知手段とも称する)の作動状況を確認して、作動中の場合(Yes)は次ステップに進み、停止中(No)の場合はステップS306に進む。
【0136】
具体的には、閲覧許可要件テーブルTB3を読み出して表示部4に閲覧許可要件テーブルTB3(表3)を表示させ、使用者が表示画像情報欄TB31から選択した画像情報(例えば文書の第2頁情報)に対応する閲覧許可要件(例えばA氏の指紋画像情報1)を検知可能な検知手段(例えば指紋の読取装置)の作動状況を確認する。
【0137】
以下に、閲覧許可要件に対応する項目を検知する検知手段の検知方法について概要を説明する。
【0138】
(1)閲覧許可要件テーブルTB3を読み出して表示部4に閲覧許可要件テーブルTB3(表3)を表示させる。
【0139】
(2)表示画像情報欄TB31に表示された例えば文書の第1頁情報、文書の第2頁情報、文書の第3頁情報、文書の第4頁情報等のうち、使用者が選択した情報(例えば文書の第2頁情報)に対する閲覧許可要件(例えばA氏の指紋画像情報1)を閲覧許可要件欄TB32から読み出す。
【0140】
(3)閲覧許可要件に対応する項目を検知する検知手段(認証手段)である指紋を読み取る読取装置により取得した指紋画像情報と閲覧許可要件欄TB32から読み出した閲覧許可要件〔例えばA氏の指紋画像情報1〕とを比較する。
【0141】
(4)取得した指紋画像情報が、A氏の指紋画像情報1と同一人と判断されると表示可と判断し、他人と判断されれば表示否と判断する。
【0142】
なお、同一人か否かの判断は通常用いられるパタン認識等の手法を用いて比較することで可能となる。
【0143】
5.閲覧許可要件検知手段OFF ステップS305
閲覧許可要件検知手段として、ステップS304で選択した検知手段(例えば指紋を読み取る読取装置)の作動をOFFとして次ステップに進む。
【0144】
6.表示要求ページの表示ON ステップS306
ステップS304で使用者が表示画像情報欄TB31で選択した画像情報(例えば文書の第2頁情報)を表示制御回路27により表示部4に表示させて次ステップに進む。
【0145】
7.閲覧許可要件の検知手段作動状況判断 ステップS307
閲覧許可要件検知手段として、ステップS304で選択した検知手段(例えば指紋を読み取る読取装置)の作動状況を確認して、作動中の場合(Yes)はステップS309に進み、停止中(No)の場合は次ステップに進む。
【0146】
8.閲覧許可要件検知手段ON ステップS308
ステップS304で選択した検知手段(例えば指紋を読み取る読取装置)の作動をONとして次ステップに進む。
【0147】
9.表示切り替え操作有無判断 ステップS309
表示する頁を切り替える操作を行う頁切替要求手段(例えば頁めくりスイッチ252)を監視して頁の切替要求があると(Yes)、切替要求に応じた頁の表示について表示可否の判断を行うためにステップS302に進み、ページの切替要求がないと(No)表示判断手段による切り替えられる頁についての画像の表示可否を判断させず次ステップに進む。
【0148】
10.表示OFF操作有無判断 ステップS310
表示を中止する表示OFFスイッチ253を監視して頁の表示OFF要求があると(Yes)次ステップに進み、頁の表示OFF要求がないと(No)ステップS301に進む。
【0149】
11.表示要求ページの表示OFF ステップS311
ステップS304で使用者が表示画像情報欄TB31で選択した画像情報(例えば文書の第2頁情報)を表示制御回路27により消去させて次ステップに進む。
【0150】
消去は表示中の当該情報を他の例えば白紙情報や模様情報で上書きすることで消去することが確実性の上で望ましい。
【0151】
なお、閲覧許可要件に画像の機密レベルを設け機密性が低い場合に閲覧可となった場合は、通常行われる手法により表示画面の低解像度化、モザイク化、マスキングを行って表示しても良い。また、画像が文章である場合は、文頭の数文字、文尾の数文字を残して間のみ消去して表示しても良い。
【0152】
こうすると情報の詳細内容は知らせることなく、どの様な情報があったのかのみ程度は表示でき、本来の使用者にとっても業務の効率性を挙げることが出来る。
【0153】
12.閲覧許可要件検知手段作動状況判断 ステップS312
ステップS304と同様にして、閲覧許可要件に対応する項目、例えば領域、指紋画像、画像の機密レベル、時間等を検知する検知手段(閲覧許可要件検知手段)の作動状況を確認して、作動中の場合(Yes)は次ステップに進み、停止中(No)の場合はエンドに進む。
【0154】
13.閲覧許可要件検知手段OFF ステップS313
ステップS304で選択した検知手段(例えば指紋を読み取る読取装置)の作動をOFFとしてエンドに進む。
【0155】
上記フローにより、頁の表示要求がなければ閲覧許可要件に対応する項目、例えば領域、指紋画像等を検知する検知手段を作動させず、また、表示要求を行った頁に対する閲覧許可要件がなければ閲覧許可要件に対応する項目、例えば領域、指紋画像等を検知する検知手段(閲覧許可要件検知手段)を作動させないことにより、閲覧許可要件検知手段を常時作動させる場合に比べて電力を削減可能となり、特にバッテリ駆動の携帯端末装置において長時間稼働が可能となる。
【0156】
また、表示要求を行った頁に対して閲覧の可否判断を行うため、より具体的なレベルで表示の対象となる画像について閲覧の可否判断が可能となる。
【0157】
また、バッテリを駆動電源とする携帯端末装置(電子ペーパ)において、バッテリの電圧測定部を設け、バッテリの出力電圧が所定値以上のバッテリに余力のある時点では、常時、例えば所定時間毎に検知手段28に閲覧許可要件に対応する項目を検知させ、表示可否判断部29に画像情報の閲覧可否の判断をさせる。そして、バッテリの出力電圧が所定値未満のバッテリの余力が少なくなってきた時点以降は画像情報を記憶している場合にのみ検知手段28に閲覧許可要件に対応する項目を検知させ、表示可否判断部29に画像情報の閲覧可否の判断をさせても良い。
【0158】
上記の、バッテリに余力のある時点では、常時検知手段28による検知と、表示可否判断部29による画像情報の閲覧可否判断とで、周囲の状況にかかわらず情報の閲覧可否判断が遅滞なく可能となり、
バッテリの余力が少なくなってきた時点では、画像情報を記憶していない場合には検知手段28による検知と、画像情報の閲覧可否判断とを行わせないことで、消費電力の低減を図り特にバッテリ駆動の携帯端末装置において長時間稼働を可能とできる。
【0159】
以上図3(a)を参照して、電子ペーパ1が自分自身で閲覧許可要件に対応する項目(例えば領域、指紋画像、画像の機密レベル、時間等)を検知し、検知結果が閲覧許可要件に沿っているか否かを判断する場合について説明したが、以下に参考として、図3(b)、(c)を参照して、検知結果が閲覧許可要件に沿っているか否かの判断を電子ペーパ1の外部で行う他の形態について説明する。
【0160】
なお、前述した閲覧許可要件テーブルTB1〜3がSAC800に記憶されており、PC400やサーバー500から送信される例えば画像情報と画像情報に関する閲覧許可要件情報が、CBS600を介してSAC800に送信され、閲覧許可要件テーブルTB1〜3に格納されているものとして説明する。
【0161】
図3(b)において電子ペーパ1は、画像情報を記憶している場合に、CBS600から送信された閲覧許可要件(例えば場所に関する要件:事業所Aが占有する領域情報)に対応した検知手段28(例えば位置検知手段28a:GPS281)を選択し、GPS281は現在位置(例えば事業場A内部の事務室の位置)を検知し、制御部2は現在位置情報をSAC800に送信する。
【0162】
なお、画像情報を記憶していない場合は、CBS600から送信された閲覧許可要件(例えば場所に関する要件:事業所Aが占有する領域情報)に対応した検知手段28(例えば位置検知手段28a:GPS281)を選択せず、GPS281は作動せず、制御部2は現在位置情報をSAC800に送信しない。
【0163】
SAC800は、表示可否判断部29を有し、CBS600から送信された閲覧許可要件(例えば場所に関する要件:事業所Aが占有する領域情報)と、電子ペーパ1から送信された例えば電子ペーパ1の位置情報(事業場A内部の事務室の位置情報)と、を比較可能となっている。そして、現在位置情報(例えば事業場A内部の事務室の位置情報)が、閲覧許可要件に示された領域(例えば事業所Aが占有する領域情報)の中に含まれている場合は比較結果として、閲覧を可とする閲覧可情報を電子ペーパ1の通信部26に送信する。
【0164】
そして、電子ペーパ1の制御部2(表示可否判断部29)は閲覧可情報の受信により、閲覧許可要件に対応した画像の表示(閲覧)を可とするようになっている。
【0165】
以上、図3(b)で説明した構成をとることにより、画像情報が記憶手段に記憶されていなければ検知手段28(例えばGPS)を作動させないことで消費電力の削減ができ携帯端末装置の稼働時間を延長可能とでき、また閲覧許可要件に沿った場所(領域)等でのみ文書等の閲覧を可能とできる。
【0166】
また、図3(c)において電子ペーパ1は、画像情報を記憶している場合に、CBS600から送信された閲覧許可要件(例えば場所に関する要件:事業所Aが占有する領域情報)に対応した検知手段28(例えば位置検知手段28a:電波強度測定手段282)を選択する。なお、電波強度測定手段282は複数(少なくとも3箇所)の信号発信局720から発信される各電波の強度を測定する電波強度測定手段であり、電波強度測定手段282により測定した複数の信号発信局720の各電波強度情報を通信部26によりSAC800に送信する。なお、複数の信号発信局720は例えば画像を閲覧可とする領域(例えばビルディング内の会議室)の周辺に配設されている。
【0167】
SAC800は、電子ペーパ1から送信された各電波強度情報により、電子ペーパ1が複数の信号発信局720で囲まれる領域の内部に位置しているか否かを判断する。例えば、各電波強度情報が全て所定の電波強度以内に入っていれば、電子ペーパ1が複数の信号発信局720で囲まれる領域の内部に位置していることを特定できる。
【0168】
そして、領域の内部に位置していることを特定できた場合は閲覧を可とする閲覧可情報を電子ペーパ1の通信部26に送信する。
【0169】
そして、電子ペーパ1の制御部2(表示可否判断部29)は閲覧可情報の受信により、閲覧許可要件に対応した画像の表示(閲覧)を可とするようになっている。
【0170】
以上図3(c)で説明した構成をとることにより、画像情報が記憶手段に記憶されていなければ検知手段28(例えば電波強度測定手段282)を作動させないことで消費電力の削減ができ携帯端末装置の稼働時間を延長可能とでき、また閲覧許可要件に沿った場所(領域)等でのみ文書等の閲覧を可能とできる。
【0171】
そして、閲覧を許可する領域が狭い範囲(例えば直径10m以内)である場合は、複数の信号発信局720を狭い範囲に配置でき、現在位置をGPSで取得するより正確に取得可能とできる。
【符号の説明】
【0172】
1 電子ペーパ
2 制御部
3 バッテリ
4 表示部
24 RAM
28 検知手段
28a 現在位置検知手段
28b 認証手段
29 表示可否判断部
281 GPS
600 CBS(コミュニケーションサーバー)
TB1〜3 閲覧許可要件テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示の対象となる画像の画像情報を記憶する記憶手段と、
前記画像を表示可能とする表示手段と、
前記画像の表示可否を判断する表示判断手段と、
前記記憶手段と前記表示手段と前記表示判断手段とを制御する制御手段と、を有する携帯端末装置において、
前記記憶手段は前記画像の表示可否を判断するための判断基準を記憶し、
前記判断基準に対応する項目を検知する検知手段を有し、
前記制御手段は、前記画像情報が前記記憶手段に記憶されていない時は前記表示判断手段に前記画像の表示可否を判断させず前記検知手段を作動させないことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記画像情報が前記記憶手段に記憶されている時は、前記表示判断手段に前記画像の表示可否を判断させ前記検知手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記判断基準と前記検知手段の検知結果とに基づいて前記画像の表示可否を前記表示判断手段に判断させ、判断結果によって前記表示手段に前記画像を表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記判断基準は、前記画像の表示可に係る領域情報であり、前記検知手段は前記判断基準に対応する項目として携帯端末装置の位置を検出し、前記表示判断手段は、前記領域情報が示す領域の内部に前記検知手段が検知した前記位置が含まれる場合に前記画像を表示可と判断することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記画像情報は複数の頁に亙る情報であって、任意の頁の表示を要求する頁表示要求手段を有し、
前記判断基準は、表示可に係る表示可頁情報であり、
前記制御手段は、前記頁表示要求手段によって頁の表示が要求された際に、前記表示判断手段に前記画像の表示可否を判断させ、前記頁表示要求手段によって頁の表示が要求されていない時には前記表示判断手段に前記画像の表示可否を判断させないことを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記画像情報は複数の頁に亙る情報であって、表示する頁を切り替える操作を行う頁切替要求手段を有し、
前記制御手段は、前記頁切替要求手段によって頁の切り替え要求が行われた際に、切り替えられる頁について前記表示判断手段に表示可否を判断させ、
前記頁切替要求手段によって頁の切り替え要求が行われていない時に、切り替えられた頁について前記表示判断手段に前記画像の表示可否を判断させないことを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−217497(P2010−217497A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64100(P2009−64100)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】