説明

携帯端末装置

【課題】複数の機能ブロック毎に断線を検出するとともに、回路構成を簡単にし、断線の検知処理に伴う処理負荷を抑制すること。
【解決手段】第2の回路基板202は、所定の機能を有する第1の機能ブロックと、第1の機能ブロックと異なる機能を有する第2の機能ブロックとを有する。FPC基板203は、第1の回路基板201と第1の機能ブロックとを接続する第1の信号線302、及び第1の回路基板201と第2の機能ブロックとを接続する第2の信号線304を有するとともに、第1の回路基板201と第2の回路基板202との間を往復して第1の信号線302の左右外側に配置される第1のダミー線303と、第1の回路基板201と第2の回路基板202との間を往復して第2の信号線304の左右外側に配置される第2のダミー線305とを有する。回路部301は、第1のダミー線303または第2のダミー線305の断線を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば折り畳み式の筐体を有する携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、複数の筐体をヒンジ部を介して開閉自在に接続する折り畳み式等の携帯端末装置が主流である。このような携帯端末装置では、筐体内における各機能ブロックの最適な配置、及び各機能ブロックを動作させる制御回路の集積化等のため、各機能ブロック及び制御回路は複数の筐体に渡って配置されることが多い。このため、種々の信号を筐体間において伝送する必要が生じ、各筐体に配置される回路基板間を接続する信号線及び電源供給線が設けられる。このような信号線を設けた開閉機構を有する携帯端末装置では、開閉に伴い可動する箇所において、信号線または電源供給線の断線が生じやすいという問題がある。従って、信号線または電源供給線の断線の恐れがあることを検出して報知することは、突然の故障または突然の動作不良を未然に防ぐためには重要である。
【0003】
また、従来、信号線の断線の恐れがあることを検出して報知するものが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1は、フレキシブルプリント(以下「FPC」と記載する)基板の剥離、または内部配線の断線を検出し、その結果を液晶表示装置により報知するものである。具体的には、液晶パネルと液晶ドライバ基板との間に配設したFPC基板において、制御信号ラインとは別に、剥離または断線を検知する2本の検知用ラインを形成する。そして、特許文献1では、2本の検知用ラインの電圧値を各々論理和することにより断線を検出し、液晶パネルに警告情報を表示する。このように、特許文献1は、表示機能ブロックとしての液晶パネルと液晶ドライバとを接続する制御信号ラインの断線を検出して報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−15287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1においては、1つの機能ブロックの断線を検出するものであり、複数の機能ブロック毎に断線を検出しようとすると、機能ブロックの数だけ特許文献1に示す断線検知回路を設ける必要がある。従って、特許文献1においては、断線を検知する回路が複雑になるとともに断線の検知処理に伴う処理負荷が増大するという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、複数の機能ブロック毎に断線を検出することができるとともに、回路構成を簡単にすることができ、断線の検知処理に伴う処理負荷を抑制することができる携帯端末装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の携帯端末装置は、第1の筐体と、前記第1の筐体に対して回転自在に前記第1の筐体と接続する第2の筐体と、前記第1の筐体に設けられる第1の回路基板と、前記第2の筐体に設けられ、所定の機能を有する第1の機能ブロックと、前記第1の機能ブロックと異なる機能を有する第2の機能ブロックとを有する第2の回路基板と、前記第1の回路基板と前記第1の機能ブロックとを接続する第1の信号線、及び前記第1の回路基板と前記第2の機能ブロックとを接続する第2の信号線を有するとともに、前記第1の回路基板と前記第2の回路基板との間を往復して前記第1の信号線の左右外側に配置される第1のダミー線と、前記第1の回路基板と前記第2の回路基板との間を往復して前記第2の信号線の左右外側に配置される第2のダミー線とを有する接続部と、前記第1の回路基板または前記第2の回路基板に設けられ、前記第1のダミー線または前記第2のダミー線の断線を検出する断線検出部と、を具備する構成を採る。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の機能ブロック毎に断線を検出することができるとともに、回路構成を簡単にすることができ、断線の検知処理に伴う処理負荷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置の開いた状態の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置の開いた状態の平面図
【図3】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置の要部の平面図
【図4】本発明の実施の形態1に係るFPC基板の側面図
【図5】本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の要部の平面図
【図6】本発明の実施の形態3に係る携帯端末装置の要部の平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置100の開いた状態の斜視図である。また、図2は、携帯端末装置100の開いた状態の平面図である。
【0012】
図1に示すように、携帯端末装置100は、第1の筐体101と、第2の筐体102と、ヒンジ部103とから主に構成される。
【0013】
また、第1の筐体101は、操作部110と、第1の回路基板201と、コネクタ204とを有する。また、第2の筐体102は、表示部120と、第2の回路基板202と、コネクタ205とを有する。以下に、各構成について、詳細に説明する。
【0014】
第1の筐体101は、略箱形であり、第2の筐体102に対してヒンジ部103を介してX1またはX2(図1参照)方向に回転自在に第2の筐体102と接続する。また、第1の筐体101は、第1の回路基板201を内部に有する。また、第1の筐体101は、ユーザにより操作されてメールの送受信、またはデジタルテレビ放送の視聴等を可能にする操作部110を有する。
【0015】
第2の筐体102は、略箱形であり、第1の筐体101に対してヒンジ部103を介してX1またはX2方向に回転自在に第1の筐体101と接続する。また、第2の筐体102は、第2の回路基板202を内部に有する。また、第2の筐体102は、操作部110により入力された文字等、または携帯端末装置100が受信したデジタルテレビ放送の画像等を表示する表示部120を有する。
【0016】
ヒンジ部103は、第1の筐体101と第2の筐体102とを互いにX1またはX2方向に回転自在に接続する。また、ヒンジ部103は、内部にFPC基板203を有する。
【0017】
第1の回路基板201は、FPC基板203と接続するコネクタ204を有する。第1の回路基板201は、コネクタ204と、FPC基板203と、コネクタ205とを介して、第2の回路基板202と電気的に接続される。なお、第1の回路基板201における回路構成の説明は後述する。
【0018】
第2の回路基板202は、FPC基板203と接続するコネクタ205を有する。第2の回路基板202は、コネクタ205と、FPC基板203と、コネクタ204とを介して第1の回路基板201と電気的に接続する。なお、第1の回路基板201と、第2の回路基板202と、FPC基板203とは各々別体である場合に限らず、第1の回路基板201とFPC基板203とを一体に形成し、第2の回路基板202とFPC基板203とを別体に形成してもよい。また、第1の回路基板201とFPC基板203とを別体に形成し、第2の回路基板202とFPC基板203とを一体に形成してもよい。この際、第1の回路基板201とFPC基板203とを一体に形成した場合には、コネクタ204を不要にすることができる。また、第2の回路基板202とFPC基板203とを一体に形成した場合には、コネクタ205を不要にすることができる。
【0019】
次に、携帯端末装置100の要部の構成について、図3を用いて詳細に説明する。図3は、携帯端末装置100の要部の平面図である。なお、図3において、図1及び図2と同一構成である部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。また、図3において、第1の筐体101と、第2の筐体102と、ヒンジ部103の記載は、説明の便宜上省略する。
【0020】
第1の回路基板201は、回路部301を有する。また、第1の回路基板201は、第1の信号線302と、第1のダミー線303とが印刷形成される。また、第1の回路基板201は、第2の信号線304と、第2のダミー線305とが印刷形成される。また、第1の回路基板201は、抵抗306及び抵抗307を有する。
【0021】
第2の回路基板202は、第1の信号線302及び第2の信号線304が印刷形成される。また、第2の回路基板202は、第1のダミー線303及び第2のダミー線305が印刷形成される。また、第2の回路基板202は、図示しない複数の異なる機能ブロックを有する。なお、第1の信号線302と、第1のダミー線303と、第2の信号線304と、第2のダミー線305とは、印刷形成する場合に限らず、第2の回路基板202と別体に形成してもよいし、任意の方法により形成することができる。ここで、機能ブロックとは、例えば、カメラ、IrDA、またはLCDを動作させるのに必要な電子部品により構成される。
【0022】
FPC基板203は、可撓性を有する材料により形成される。また、FPC基板203は、第1の信号線302と、第1のダミー線303と、第2の信号線304と、第2のダミー線305とが形成される。また、FPC基板203は、第1の信号線302と、第1のダミー線303と、第2の信号線304と、第2のダミー線305とを、互いに絶縁するとともに外部から絶縁する絶縁部が設けられる。
【0023】
回路部301は、第1の信号線302と、第1のダミー線303と、第2の信号線304と、第2のダミー線305とに電気的に接続する。また、回路部301は、第1の信号線302及び第2の信号線304の接続先の機能ブロックに電源を供給する。また、回路部301は、第1の信号線302及び第2の信号線304の接続先の機能ブロックの動作を制御するための制御信号を第1の信号線302及び第2の信号線304に出力する。また、回路部301は、第1のダミー線303及び第2のダミー線305に一定の電流を供給する定電流源を有する。また、回路部301は、第1のダミー線303及び第2のダミー線305の断線を検出する。なお、断線を検出する方法については後述する。
【0024】
第1の信号線302は、回路部301と第2の筐体102に設けた図示しない機能ブロックとを接続する。また、第1の信号線302は、第1の回路基板201において印刷形成され、ヒンジ部103においてFPC基板203に形成されるとともに、第2の回路基板202において印刷形成される。また、第1の信号線302は、第1の回路基板201と、FPC基板203と、第2の回路基板202とにおいて、連続する1本の信号線として形成される。
【0025】
第1のダミー線303は、一端が回路部301と電気的に接続する。また、第1のダミー線303は、回路部301と接続する一端から第2の筐体102方向に延設されるとともに、第1の回路基板201と第2の回路基板202との間を往復して、他端が抵抗306を介して第1の回路基板201のグランド部に接地される。また、第1のダミー線303は、第1の信号線302の左右外側に設けられる。ここで、第1の信号線302の左右外側とは、図3において第1の信号線302の上側と下側を意味する。また、第1のダミー線303は、第2の回路基板202において折り返し部303aを有する。また、第1のダミー線303は、第1の回路基板201と、FPC基板203と、第2の回路基板202とにおいて、連続する1本のダミー線として形成される。
【0026】
第2の信号線304は、回路部301と第2の筐体102に設けた図示しない機能ブロックとを接続する。また、第1の信号線302は、第1の回路基板201において印刷形成され、ヒンジ部103においてFPC基板203に形成されるとともに、第2の回路基板202において印刷形成される。また、第2の信号線304は、第1の回路基板201と、FPC基板203と、第2の回路基板202とにおいて、連続する1本の信号線として形成される。
【0027】
第2のダミー線305は、一端が回路部301と電気的に接続する。また、第2のダミー線305は、回路部301と接続する一端から第2の筐体102方向に延設されるとともに、第1の回路基板201と第2の回路基板202との間を往復して、他端が抵抗307を介して第1の回路基板201のグランド部に接地される。また、第2のダミー線305は、第2の信号線304の左右外側に設けられる。ここで、第2の信号線304の左右外側とは、図3において第2の信号線304の上側と下側を意味する。また、第2のダミー線305は、第2の回路基板202において折り返し部305aを有する。また、第2のダミー線305は、第1の回路基板201と、FPC基板203と、第2の回路基板202とにおいて、連続する1本のダミー線として形成される。
【0028】
次に、FPC基板203の構成について、図4を用いて説明する。図4は、FPC基板203の側面図である。
【0029】
FPC基板203は、図4に示すように、多層構造を有する。具体的には、FPC基板203は、第1層L1と、第2層L2と、第3層L3と、第4層L4との4層構造を有する。また、第1層L1と第2層L2との間、第2層L2と第3層L3との間、及び第3層L3と第4層L4との間は、図示しない絶縁部によって互いに絶縁される。また、第1のダミー線303は、第1層L1において第1の回路基板201側から第2の回路基板202側の方向へ延設される。また、第1のダミー線303は、第1層L1の途中で下方に折り曲げられるとともに、第2層L2において第1の回路基板201側に折り曲げられることにより、第2層L2において第2の回路基板202側から第1の回路基板201側に延設される。また、第1のダミー線303は、第2層L2の途中で下方に折り曲げられるとともに、第3層L3において第2の回路基板202側に折り曲げられることにより、第3層L3において第1の回路基板201側から第2の回路基板202側に延設される。また、第1のダミー線303は、第3層L3の途中で下方に折り曲げられるとともに、第4層L4において第1の回路基板201側に折り曲げられることにより、第4層L4において第2の回路基板202側から第1の回路基板201側に延設される。また、第1層L1に形成した第1のダミー線303と第2層L2に形成した第1のダミー線303とを、第1の信号線302の左右外側になるように配置する。または、第3層L3に形成した第1のダミー線303と第4層L4に形成した第1のダミー線303とを、第1の信号線302の左右外側になるように配置する。このように、第1のダミー線303は、第1の回路基板201と第2の回路基板202との間を往復し、第1層L1から第4層L4まで1本の連続したダミー線として形成される。なお、FPC基板203の層は、4層に限らず、任意の数の層にすることができる。
【0030】
また、このような多層構造を有するFPC基板203によれば、第1層L1〜第4層L4の各層に、回路部301と異なる機能ブロックとを各々接続する信号線を設けることができる。これにより、複数の機能ブロックと接続される複数の信号線と第1のダミー線303とを1つの配線群としてグループ化して、断線の検出及び警告を行うことができる。
【0031】
なお、第2のダミー線305は、図4と同一構成により形成するので、その説明を省略する。
【0032】
以上で、携帯端末装置100の構成の説明を終える。
【0033】
次に、FPC基板203における断線を検出する方法について、図3を用いて説明する。
【0034】
回路部301は、第1のダミー線303及び第2のダミー線305に対して、定電流源から一定の電流を供給する。そして、回路部301は、第1のダミー線303及び第2のダミー線305の電圧を監視し、電圧変化を検出する。この際、回路部301は、例えば、検出した電圧値をアナログ/ディジタル変換し、変換後の電圧値と閾値とを比較することにより、電圧変化を検出する。電圧変化の検出は、上記の方法に限らず、種々の方法を採用することができる。例えば、回路部301がアナログ/ディジタル変換機能を有する場合には、抵抗306及び抵抗307を削除して、回路部301が第1のダミー線303及び第2のダミー線305にバイアス印加して電圧変化を検出するようにしてもよい。
【0035】
第1のダミー線303及び第2のダミー線305が断線していない正常な状態においては、回路部301により検出される第1のダミー線303及び第2のダミー線305の電圧は一定の規定範囲内である。
【0036】
この状態において、第1のダミー線303に断線が生じた場合には、回路部301により検出される第1のダミー線303の電圧は規定範囲外になる。従って、回路部301は、第1のダミー線303の電圧が規定範囲外になったことを検出することにより、第1のダミー線303の断線を検出する。
【0037】
同様に、第2のダミー線305に断線が生じた場合には、回路部301により検出される第2のダミー線305の電圧は規定範囲外になる。従って、回路部301は、第2のダミー線305の電圧が規定範囲外になったことを検出することにより、第2のダミー線305の断線を検出する。
【0038】
携帯端末装置100は、回路部301により第1のダミー線303の断線を検出した場合には、第1の信号線302の断線の恐れがあることを、表示部120に表示等することにより警告する。また、携帯端末装置100は、回路部301により第2のダミー線305の断線を検出した場合には、第2の信号線304の断線の恐れがあることを、表示部120に表示等することにより警告する。また、この際、携帯端末装置100は、機能ブロック毎に異なる警告表示を行うことができる。これにより、ユーザは、断線の恐れが強い箇所を瞬時に把握することができる。
【0039】
ここで、FPC基板203の外側の方が内側よりも第1の筐体101と第2の筐体102との開閉動作に伴う応力が加わりやすい。従って、通常、第1の信号線302よりは第1のダミー線303の方が断線し易い。同様に、通常、第2の信号線304よりは第2のダミー線305の方が断線し易い。従って、第1のダミー線303の断線を検出した際または第2のダミー線305の断線を検出した際に警告することにより、ユーザは、第1の信号線302または第2の信号線304が断線する前に、修理する等の事前の対策を取ることができる。
【0040】
また、本実施の形態において、第1のダミー線303及び第2のダミー線305を、各々2本ずつ配置することができる。この場合、第1のダミー線303及び第2のダミー線305の各々において、外側のダミー線を警告表示用とし、内側のダミー線を電源停止用とすることができる。この場合、外側のダミー線のみが断線した場合には警告を発し、外側のダミー線の断線に加えて、内側のダミー線が断線した場合に電源の供給を停止することができる。これにより、機能ブロック毎に警告及び電源の供給を停止することができる。例えば、カメラの機能ブロックの信号線が断線する恐れがある場合に、カメラの機能ブロックに対する電源の供給を停止する一方、電話の機能ブロックに対する電源の供給を継続することが可能である。この結果、携帯端末装置100は、カメラ機能は使用できないが、通話機能は継続して使用することができる。
【0041】
このように、本実施の形態によれば、複数の機能ブロック毎に断線を検出することができるとともに、回路構成を簡単にすることができ、断線の検知処理に伴う処理負荷を抑制することができる。また、本実施の形態によれば、第1の回路基板と第2の回路基板とをFPC基板により接続するので、同軸線を使用する場合に比べて、製造コストを低減することができる。また、本実施の形態によれば、ダミー線の断線を検出した際に警告することにより、信号線が断線する前に修理を行うこと等が可能になり、信号線の断線により突然使用できなくなる状態を回避することができる。
【0042】
なお、本実施の形態において、信号線を2つにしたが、信号線の数は携帯端末装置に搭載する機能ブロックの数に応じて任意の数にすることができる。また、本実施の形態において、1本の信号線と1本のダミー線とを対応付けて配置したが、本実施の形態はこれに限らず、複数本数の信号線と1本のダミー線とを対応付けて配置してもよいし、1本の信号線と複数本数のダミー線とを対応付けて配置してもよい。
【0043】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置100の要部の平面図である。
【0044】
図5に示す携帯端末装置100は、図3に示す実施の形態1に係る携帯端末装置100に対して、第1の信号線302と、第1のダミー線303と、第2の信号線304と、第2のダミー線305と、抵抗306と、抵抗307とを除き、第1の信号線502と、第1のダミー線503と、第2の信号線504と、第2のダミー線505と、第3の信号線506と、第3のダミー線507と、抵抗508と、抵抗509と、抵抗510とを追加し、回路部301の代わりに回路部501を有する。なお、図5において、図3と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、本実施の形態において、携帯端末装置100の開いた状態の斜視図は図1と同一であり、携帯端末装置100の開いた状態の平面図は図2と同一であるので、その説明を省略する。また、本実施の形態において、FPC基板の構成は図4と同一であるので、その説明を省略する。
【0045】
第1の回路基板201は、回路部501を有する。また、第1の回路基板201は、第1の信号線502と、第1のダミー線503とが印刷形成される。また、第1の回路基板201は、第2の信号線504と、第2のダミー線505とが印刷形成される。また、第1の回路基板201は、第3の信号線506と、第3のダミー線507とが印刷形成される。また、第1の回路基板201は、抵抗508と、抵抗509と、抵抗510とを有する。なお、第1の信号線502と、第1のダミー線503と、第2の信号線504と、第2のダミー線505と、第3の信号線506と、第3のダミー線507とは、印刷形成する場合に限らず、第1の回路基板201と別体に形成してもよいし、任意の方法により形成することができる。
【0046】
第2の回路基板202は、第1の信号線502と、第1のダミー線503とが印刷形成される。また、第2の回路基板202は、第2の信号線504と、第2のダミー線505とが印刷形成される。また、第2の回路基板202は、第3の信号線506と、第3のダミー線507とが印刷形成される。また、第2の回路基板202は、図示しない複数の異なる機能ブロックを有する。なお、第1の信号線502と、第1のダミー線503と、第2の信号線504と、第2のダミー線505と、第3の信号線506と、第3のダミー線507とは、印刷形成する場合に限らず、第2の回路基板202と別体に形成してもよいし、任意の方法により形成することができる。
【0047】
FPC基板203は、可撓性を有する材料により形成される。また、FPC基板203は、第1の信号線502と、第1のダミー線503と、第2の信号線504と、第2のダミー線505と、第3の信号線506と、第3のダミー線507とが形成される。また、FPC基板203は、第1の信号線502と、第1のダミー線503と、第2の信号線504と、第2のダミー線505と、第3の信号線506と、第3のダミー線507とを、互いに絶縁するとともに外部から絶縁する絶縁部が設けられる。
【0048】
回路部501は、第1の信号線502と、第1のダミー線503と、第2の信号線504と、第2のダミー線505と、第3の信号線506と、第3のダミー線507とに電気的に接続する。また、回路部501は、第1の信号線502と、第2の信号線504と、第3の信号線506との接続先の機能ブロックに電源を供給する。また、回路部501は、第1の信号線502と、第2の信号線504と、第3の信号線506との接続先の機能ブロックの動作を制御するための制御信号を第1の信号線502と、第2の信号線504と、第3の信号線506に出力する。また、回路部501は、第1のダミー線503と、第2のダミー線505と、第3のダミー線507とに一定の電流を供給する定電流源を有する。また、回路部501は、第1のダミー線503と、第2のダミー線505と、第3のダミー線507の断線を検出する。なお、断線を検出する方法については後述する。
【0049】
第1の信号線502は、回路部501と第2の筐体102に設けた図示しない機能ブロックとを接続する。また、第1の信号線502は、第1の回路基板201において印刷形成され、ヒンジ部103においてFPC基板203に形成されるとともに、第2の回路基板202において印刷形成される。また、第1の信号線502は、第1の回路基板201と、FPC基板203と、第2の回路基板202とにおいて、連続する1本の信号線として形成される。
【0050】
第1のダミー線503は、一端が回路部501と電気的に接続する。また、第1のダミー線503は、回路部501と接続する一端から第2の筐体102方向に延設されるとともに、第1の回路基板201と第2の回路基板202との間を往復して、他端が抵抗510を介して第1の回路基板201のグランド部に接地される。また、第1のダミー線503は、第1の信号線502の左右外側に設けられる。ここで、第1の信号線502の左右外側とは、図5において第1の信号線502の上側と下側を意味する。また、第1のダミー線503は、第2の回路基板202において折り返し部503aを有する。また、第1のダミー線503は、第1の回路基板201と、FPC基板203と、第2の回路基板202とにおいて、連続する1本のダミー線として形成される。
【0051】
第2の信号線504は、回路部501と第2の筐体102に設けた図示しない機能ブロックとを接続する。また、第2の信号線504は、第1の回路基板201において印刷形成され、ヒンジ部103においてFPC基板203に形成されるとともに、第2の回路基板202において印刷形成される。また、第2の信号線504は、第1の回路基板201と、FPC基板203と、第2の回路基板202とにおいて、連続する1本の信号線として形成される。
【0052】
第2のダミー線505は、一端が回路部501と電気的に接続する。また、第2のダミー線505は、回路部501と接続する一端から第2の筐体102方向に延設されるとともに、第1の回路基板201と第2の回路基板202との間を往復して、他端が抵抗509を介して第1の回路基板201のグランド部に接地される。また、第2のダミー線505は、第2の信号線504の左右外側に設けられる。ここで、第2の信号線504の左右外側とは、図5において第2の信号線504の上側と下側を意味する。また、第2のダミー線505は、第2の回路基板202において折り返し部505aを有する。また、第2のダミー線505は、第1の回路基板201と、FPC基板203と、第2の回路基板202とにおいて、連続する1本のダミー線として形成される。また、第2のダミー線505は、第1のダミー線503よりも内側に配置される。
【0053】
第3の信号線506は、回路部501と第2の筐体102に設けた図示しない機能ブロックとを接続する。また、第3の信号線506は、第1の回路基板201において印刷形成され、ヒンジ部103においてFPC基板203に形成されるとともに、第2の回路基板202において印刷形成される。また、第3の信号線506は、第1の回路基板201と、FPC基板203と、第2の回路基板202とにおいて、連続する1本の信号線として形成される。
【0054】
第3のダミー線507は、一端が回路部501と電気的に接続する。また、第3のダミー線507は、回路部501と接続する一端から第2の筐体102方向に延設されるとともに、第1の回路基板201と第2の回路基板202との間を往復して、他端が抵抗508を介して第1の回路基板201のグランド部に接地される。また、第3のダミー線507は、第3の信号線506の左右外側に設けられる。ここで、第3の信号線506の左右外側とは、図5において第3の信号線506の上側と下側を意味する。また、第3のダミー線507は、第2の回路基板202において折り返し部507aを有する。また、第3のダミー線507は、第1の回路基板201と、FPC基板203と、第2の回路基板202とにおいて、連続する1本のダミー線として形成される。また、第3のダミー線507は、第1のダミー線503及び第2のダミー線505よりも内側に配置される。
【0055】
次に、FPC基板203における断線を検出する方法について、図5を用いて説明する。
【0056】
回路部501は、第1のダミー線503と、第2のダミー線505と、第3のダミー線507とに対して、定電流源から一定の電流を供給する。そして、回路部501は、第1のダミー線503と、第2のダミー線505と、第3のダミー線507との電圧を監視し、電圧変化を検出する。この際、回路部501は、例えば、検出した電圧値をアナログ/ディジタル変換し、変換後の電圧値と閾値とを比較することにより、電圧変化を検出する。電圧変化の検出は、上記の方法に限らず、種々の方法を採用することができる。例えば、回路部501がアナログ/ディジタル変換機能を有する場合には、抵抗508、抵抗509及び抵抗510を削除して、回路部501が第1のダミー線503、第2のダミー線505及び第3のダミー線507にバイアス印加して電圧変化を検出するようにしてもよい。
【0057】
第1のダミー線503と、第2のダミー線505と、第3のダミー線507との何れも断線していない正常な状態においては、回路部501により検出される第1のダミー線503と、第2のダミー線505と、第3のダミー線507の電圧は一定の規定範囲内である。
【0058】
この状態において、第1のダミー線503に断線が生じた場合には、回路部501により検出される第1のダミー線503の電圧は規定範囲外になる。従って、回路部501は、第1のダミー線503の電圧が規定範囲外になったことを検出することにより、第1のダミー線503の断線を検出する。
【0059】
同様に、第2のダミー線505に断線が生じた場合には、回路部501により検出される第2のダミー線505の電圧は規定範囲外になる。従って、回路部501は、第2のダミー線505の電圧が規定範囲外になったことを検出することにより、第2のダミー線505の断線を検出する。
【0060】
同様に、第3のダミー線507に断線が生じた場合には、回路部501により検出される第3のダミー線507の電圧は規定範囲外になる。従って、回路部501は、第3のダミー線507の電圧が規定範囲外になったことを検出することにより、第3のダミー線507の断線を検出する。
【0061】
携帯端末装置100は、回路部501により第1のダミー線503の断線を検出し、かつ第2のダミー線の断線を検出しない場合、第1の信号線502のみに断線の恐れがあることを、表示部120に表示等することにより警告する。また、携帯端末装置100は、回路部501により第2のダミー線505の断線を検出した場合、第1の信号線502は断線したものと判断し、第2の信号線504の断線の恐れがあることを、表示部120に表示等することにより警告する。また、携帯端末装置100は、回路部501により第3のダミー線507の断線を検出した場合、第1の信号線502及び第2の信号線504は断線したものと判断し、第3の信号線506の断線の恐れがあることを、表示部202に表示等することにより警告する。また、この際、携帯端末装置100は、機能ブロック毎に異なる警告表示を行うことができる。これにより、ユーザは、断線の恐れが強い箇所を瞬時に把握することができる。
【0062】
ここで、FPC基板203の外側の方が内側よりも第1の筐体101と第2の筐体102との開閉動作に伴う応力が加わりやすい。従って、通常、第1の信号線502よりは第1のダミー線503の方が断線し易い。同様に、通常、第2の信号線504よりは第2のダミー線505の方が断線し易い。同様に、通常、第3の信号線506よりは第3のダミー線507の方が断線し易い。従って、第1のダミー線503の断線を検出した際、第2のダミー線505の断線を検出した際、または第3のダミー線507の断線を検出した際に警告することにより、ユーザは、第1の信号線502、第2の信号線504または第3の信号線506が断線する前に、修理する等の事前の対策を取ることができる。
【0063】
また、図5において、第1の信号線502に接続される機能ブロックよりも第2の信号線504に接続される機能ブロックの方が使用頻度の多い機能ブロック、即ち重要度の高い機能ブロックにする。例えば、第1の信号線502と接続する機能ブロックをカメラまたはIrDAとし、第2の信号線504と接続する機能ブロックを表示部120及び表示部120を制御する制御回路にする。これにより、重要度の高い機能ブロックほど断線による故障を少なくすることができる。
【0064】
同様に、図5において、第2の信号線504に接続される機能ブロックよりも第3の信号線506に接続される機能ブロックの方が使用頻度の多い機能ブロック、即ち重要度の高い機能ブロックにする。例えば、第2の信号線504と接続する機能ブロックを表示部202及び表示部202を制御する制御回路とし、第3の信号線506と接続する機能ブロックを電話の通話機能を制御する制御回路にする。これにより、重要度の高い機能ブロックほど断線による故障を少なくすることができる。
【0065】
また、本実施の形態において、第1のダミー線503と、第2のダミー線505と、第3のダミー線507とを、各々2本ずつ配置することができる。この場合、第1のダミー線503と、第2のダミー線505と、第3のダミー線507との各々において、外側のダミー線を断線検出用とし、内側のダミー線を電源停止用とすることができる。例えば、第2のダミー線505の断線を検出した場合、第1の信号線502と接続する機能ブロックへの電源の供給停止と、第2の信号線504の断線の恐れがあることの警告とを行う。また、第3のダミー線507の断線を検出した場合、第1の信号線502と接続する機能ブロック及び第2の信号線504と接続する機能ブロックへの電源の供給停止と、第3の信号線506の断線の恐れがあることの警告とを行う。
【0066】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、重要度の高い機能ブロックの信号線及びそのダミー線ほどFPC基板の内側に配置することにより、重要度の高い機能ブロックの信号線の断線を少なくすることができる。
【0067】
なお、本実施の形態において、使用頻度に応じて重要度の高い機能ブロックを選択したが、本実施の形態はこれに限らず、ユーザのマニュアル設定等により重要度の高い機能ブロックを選択してもよく、重要度の高い機能ブロックを任意に選択することができる。また、本実施の形態において、信号線を2本にしたが、信号線の数は携帯端末装置に搭載する機能ブロックの数に応じて任意の数にすることができる。また、本実施の形態において、1本信号線と1本ダミー線とを対応付けて配置したが、本実施の形態はこれに限らず、複数本数の信号線と1本のダミー線とを対応付けて配置してもよいし、1本の信号線と複数本数のダミー線とを対応付けて配置してもよい。
【0068】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3に係る携帯端末装置100の要部の平面図である。
【0069】
図6に示す携帯端末装置100は、図3に示す実施の形態1に係る携帯端末装置100に対して、第1の信号線302と、第1のダミー線303と、第2の信号線304と、第2のダミー線305と、抵抗306と、抵抗307とを除き、信号線602と、第1のダミー線603と、第2のダミー線604と、抵抗605とを追加し、回路部301の代わりに回路部601を有する。なお、図6において、図3と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、本実施の形態において、携帯端末装置100の開いた状態の斜視図は図1と同一であり、携帯端末装置100の開いた状態の平面図は図2と同一であるので、その説明を省略する。また、本実施の形態において、FPC基板の構成は図4と同一であるので、その説明を省略する。
【0070】
第1の回路基板201は、回路部601を有する。また、第1の回路基板201は、信号線602と、第1のダミー線603と、第2のダミー線604とが印刷形成される。また、第1の回路基板201は、抵抗605を有する。なお、信号線602と、第1のダミー線603と、第2のダミー線604とは、印刷形成する場合に限らず、第1の回路基板201と別体に形成してもよいし、任意の方法により形成することができる。
【0071】
第2の回路基板202は、信号線602が印刷形成される。また、第2の回路基板202は、第1のダミー線603及び第2のダミー線604が印刷形成される。また、第2の回路基板202は、図示しない機能ブロックを有する。なお、信号線602と、第1のダミー線603と、第2のダミー線604とは、印刷形成する場合に限らず、第2の回路基板202と別体に形成してもよいし、任意の方法により形成することができる。
【0072】
FPC基板203は、可撓性を有する材料により形成される。また、FPC基板203は、信号線602と、第1のダミー線603と、第2のダミー線604とが形成される。また、FPC基板203は、信号線602と、第1のダミー線603と、第2のダミー線604とを、互いに絶縁するとともに外部から絶縁する絶縁部が設けられる。
【0073】
回路部601は、信号線602と、第1のダミー線603と、第2のダミー線604とに電気的に接続する。また、回路部601は、信号線602の接続先の機能ブロックに電源を供給する。また、回路部601は、信号線602の接続先の機能ブロックの動作を制御するための制御信号を信号線602に出力する。また、回路部601は、第1のダミー線603及び第2のダミー線604に一定の電流を供給する定電流源を有する。また、回路部601は、第1のダミー線603及び第2のダミー線604の断線を検出する。なお、断線を検出する方法については後述する。
【0074】
信号線602は、回路部601と第2の筐体102に設けた図示しないデバイスとを接続する。また、信号線602は、第1の回路基板201において印刷形成され、ヒンジ部103においてFPC基板203に形成されるとともに、第2の回路基板202において印刷形成される。また、信号線602は、第1の回路基板201と、FPC基板203と、第2の回路基板202とにおいて、連続する1本の信号線として形成される。
【0075】
第1のダミー線603は、一端が回路部601と電気的に接続する。また、第1のダミー線603は、回路部601と接続する一端から第2の筐体102方向に延設されるとともに、第1の回路基板201と第2の回路基板202との間を往復して、他端が抵抗605を介して第1の回路基板201のグランド部に接地される。また、第1のダミー線603は、信号線602及び第2のダミー線604の左右外側に設けられる。ここで、信号線602の左右外側とは、図6において信号線602の上側と下側を意味する。また、第2のダミー線604の左右外側とは、図6において第2のダミー線604の上側と下側を意味する。また、第1のダミー線603は、第2の回路基板202において折り返し部603aを有する。また、第1のダミー線603は、第1の回路基板201と、FPC基板203と、第2の回路基板202とにおいて、連続する1本のダミー線として形成される。
【0076】
第2のダミー線604は、一端が回路部601と電気的に接続する。また、第2のダミー線604は、回路部601と接続する一端から第2の筐体102方向に延設されるとともに、第1の回路基板201と第2の回路基板202との間を往復して、他端が抵抗605を介して第1の回路基板201のグランド部に接地される。また、第2のダミー線604は、信号線602の左右外側に設けられる。また、第2のダミー線604は、第2の回路基板202において折り返し部604aを有する。また、第2のダミー線604は、第1の回路基板201と、FPC基板203と、第2の回路基板202とにおいて、連続する1本のダミー線として形成される。
【0077】
次に、FPC基板203における断線を検出する方法について、図6を用いて説明する。
【0078】
回路部601は、第1のダミー線603及び第2のダミー線604に対して、定電流源から一定の電流を供給する。そして、回路部601は、第1のダミー線603及び第2のダミー線604の電圧を監視し、電圧変化を検出する。この際、回路部601は、例えば、検出した電圧値をアナログ/ディジタル変換し、変換後の電圧値と閾値とを比較することにより、電圧変化を検出する。電圧変化の検出は、上記の方法に限らず、種々の方法を採用することができる。例えば、回路部601がアナログ/ディジタル変換機能を有する場合には、抵抗605を削除して、回路部601が第1のダミー線603及び第2のダミー線604にバイアス印加して電圧変化を検出するようにしてもよい。
【0079】
第1のダミー線603及び第2のダミー線604が断線していない正常な状態においては、回路部601により検出される第1のダミー線603及び第2のダミー線604の電圧は一定の規定範囲内である。
【0080】
この状態において、第1のダミー線603に断線が生じた場合には、回路部601により検出される第1のダミー線603の電圧は規定範囲外になる。従って、回路部601は、第1のダミー線603の電圧が規定範囲外になったことを検出することにより、第1のダミー線603の断線を検出する。
【0081】
同様に、第2のダミー線604に断線が生じた場合には、回路部601により検出される第2のダミー線604の電圧は規定範囲外になる。従って、回路部601は、第2のダミー線604の電圧が規定範囲外になったことを検出することにより、第2のダミー線604の断線を検出する。
【0082】
携帯端末装置100は、回路部601により第1のダミー線603の断線を検出した場合には、信号線602の断線の恐れがあることを、表示部120に表示等することにより警告する。また、携帯端末装置100は、回路部601により第2のダミー線604の断線を検出した場合には、回路部601による信号線602に対する電源の供給を停止する。これにより、信号線602に接続している機能ブロックに対する電源の供給を停止することができる。
【0083】
ここで、FPC基板203の外側の方が内側よりも第1の筐体101と第2の筐体102との開閉動作に伴う応力が加わりやすい。従って、通常、信号線602よりは第2のダミー線604の方が断線し易い。同様に、通常、第2のダミー線604よりは第1のダミー線603の方が断線し易い。従って、第1のダミー線603の断線を検出した際に警告するので、第2のダミー線604の断線により、信号線602と接続する機能ブロックへの電源の供給が停止する前に、修理する等の事前の対策を取ることができる。また、第2のダミー線604の断線を検出した際に信号線602による電源の供給を停止することにより、故障または動作不良の状態で携帯端末装置100を使用し続けることを防ぐことができる。
【0084】
このように、本実施の形態によれば、本実施の形態によれば、ダミー線の断線を検出した際に警告することにより、信号線が断線する前に修理を行うこと等が可能になり、信号線の断線により突然使用できなくなる状態を回避することができる。また、本実施の形態によれば、第1の回路基板と第2の回路基板とをFPC基板により接続するので、同軸線を使用する場合に比べて、製造コストを低減することができる。
【0085】
なお、本実施の形態において、信号線を1つにしたが、信号線の数は携帯端末装置に搭載するデバイスの数に応じて任意の数にすることができる。また、本実施の形態において、1本の信号線と2本のダミー線とを対応付けて配置したが、本実施の形態はこれに限らず、複数本数の信号線と2本のダミー線とを対応付けて配置してもよいし、1本の信号線と3本以上の本数のダミー線とを対応付けて配置してもよい。
【0086】
上記の実施の形態1〜実施の形態3において、ダミー線を第2の回路基板を経由して形成したが、本発明はこれに限らず、ヒンジ部を経由すれば、必ずしも第2の回路基板を経由しなくてもよい。即ち、筐体の開閉に伴うFPC基板における信号線の断線の危険性を検出することができれば、ダミー線を任意に配線することができる。また、上記の実施の形態1〜実施の形態3において、FPC基板を多層構造にしたが、本発明はこれに限らず、FPC基板を1層構造にしても良い。また、上記の実施の形態1〜実施の形態3において、表示部による表示により断線の警告を行ったが、本発明はこれに限らず、振動または音声等の任意の報知手段を用いて断線の警告を行うことができる。また、上記の実施の形態1〜実施の形態3において、断線を検出する回路部を第1の回路基板に設けたが、本発明はこれに限らず、断線を検出する回路部を第2の回路基板に設けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、例えば折り畳み式の筐体を有する携帯端末装置に好適である。
【符号の説明】
【0088】
201 第1の回路基板
202 第2の回路基板
203 FPC基板
301 回路部
302 第1の信号線
303 第1のダミー線
304 第2の信号線
305 第2のダミー線
306、307 抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体と、
前記第1の筐体に対して回転自在に前記第1の筐体と接続する第2の筐体と、
前記第1の筐体に設けられる第1の回路基板と、
前記第2の筐体に設けられ、所定の機能を有する第1の機能ブロックと、前記第1の機能ブロックと異なる機能を有する第2の機能ブロックとを有する第2の回路基板と、
前記第1の回路基板と前記第1の機能ブロックとを接続する第1の信号線、及び前記第1の回路基板と前記第2の機能ブロックとを接続する第2の信号線を有するとともに、前記第1の回路基板と前記第2の回路基板との間を往復して前記第1の信号線の左右外側に配置される第1のダミー線と、前記第1の回路基板と前記第2の回路基板との間を往復して前記第2の信号線の左右外側に配置される第2のダミー線とを有する接続部と、
前記第1の回路基板または前記第2の回路基板に設けられ、前記第1のダミー線または前記第2のダミー線の断線を検出する断線検出部と、
を具備する携帯端末装置。
【請求項2】
前記第1の機能ブロックは、前記第2の機能ブロックよりも使用頻度が少なく、
前記接続部は、前記第1の信号線及び前記第1のダミー線が、前記第2の信号線及び前記第2のダミー線よりも外側に配置される請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記接続部は、フレキシブルプリント基板において多層構造により、前記第1の信号線と、前記第1のダミー線と、前記第2の信号線と、前記第2のダミー線とが形成される請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記断線検出部により断線を検出した際に警告を発する報知手段をさらに具備する請求項1記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−114658(P2011−114658A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270035(P2009−270035)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】