説明

携帯端末

【課題】レーザーポインタ機能を有し、利便性に優れた携帯端末を提供する。
【解決手段】無線通信を行うためのアンテナや送受信部からなる無線通信手段である無線部201と、レーザー光をスポット的に照射するレーザーポインタ出力部204と、テンキー部に対する操作に応じて、所定の機器を操作するためのリモートコントロール信号を出力するリモコン出力部203と、これらを制御する制御部202から構成される。レーザーポインタ出力部204は、照射するレーザー光の色が可変である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の携帯端末に関し、特に、レーザーポインタ機能を有する携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザーポインタは、プロジェクター等を使ってプレゼンテーションを行う場合に、レーザー光を照射することにより、示したい場所を的確に示すことができる。このようなレーザーポインタにおいては、リモコン機能を付加したものや、撮影機能及びその撮影データを送信する機能を付加したものが考えられており、特許文献1,2に開示されている。
【0003】
ところで、近年、携帯電話機は、従来の通話機能だけではなく、カメラ機能や音楽再生機能を有するものが製造、販売されるようになり、それにより、携帯電話機を持ち歩くユーザーは増加の傾向にあると言える。そこで、携帯電話機にレーザーポインタ機能を付加したものも考えられ、特許文献3に開示されている。このように、携帯電話機にレーザーポインタ機能を付加することにより、レーザーポインタを常時持ち歩くことが容易となる。
【特許文献1】実開平7−11082号公報
【特許文献2】特開平10−112855号公報
【特許文献3】特許第2996964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献3に開示されたもののように、携帯電話機にレーザーポインタ機能を付加しただけでは、利便性に優れているとは言いがたい。
【0005】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、レーザーポインタ機能を有し、利便性に優れた携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、
無線通信手段と、レーザー光をスポット的に照射するレーザーポインタ出力手段とを有する携帯端末であって、
前記レーザーポインタ出力手段は、照射するレーザー光の色が可変である。
【0007】
上記のように構成された本発明においては、無線通信手段を有する携帯端末にレーザーポインタ出力手段が設けられていることにより、レーザーポインタを常時持ち歩くことが容易となるとともに、レーザーポインタ出力手段から照射されるレーザー光の色が可変であるため、用途に応じてレーザー光の色を変更することにより、利便性が高まる。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明においては、レーザーポインタ出力手段から照射されるレーザー光の色が可変であるため、用途に応じてレーザー光の色を変更することにより、利便性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の携帯端末の実施の一形態を示す外観斜視図であり、図2は、図1に示した携帯電話機100の内部構成を示すブロック図である。
【0011】
本形態は図1に示すように、2つの筐体103a,103bがヒンジ部104を介して折り畳み可能に連接して構成された携帯電話機100であって、一方の筐体103aには、情報が表示されるメインLCD部101と、レーザー光を照射するレーザーポインタ部108と、情報が音声出力されるレシーバ音孔102とが設けられており、他方の筐体103bには、操作手段となる操作部105及びテンキー部106と、音声情報が入力されるマイク音孔107とが設けられている。なお、レーザーポインタ部108においては、筐体103a上部に実装することに限らず、任意の位置に実装してよい。また、レーザーポインタ機能とリモコン機能を使用する場合は、レーザーポインタ部108とテンキー部106を使用するが、レーザーポインタ機能用に特定のキーを実装してもよい。
【0012】
また、図1に示した携帯電話機100は図2に示すように、無線通信を行うためのアンテナや送受信部からなる無線通信手段である無線部201と、レーザーポインタ部108を介してレーザー光をスポット的に照射するレーザーポインタ出力部204と、テンキー部106に対する操作に応じて、所定の機器を操作するためのリモートコントロール信号を出力するリモコン出力部203と、これらを制御する制御部202とを有している。
【0013】
上記のように構成された携帯電話機100においては、ユーザーがテンキー106を操作すると、その操作に応じたキー情報200が制御部202に取り込まれ、制御部202の制御によって、制御部202に取り込まれたキー情報200に応じてリモコン出力部203とレーザーポインタ出力部204が動作する。また、制御部202においては、無線部201を用いて通話を実現する。
【0014】
以下に、上述した携帯電話機100の動作について説明する。
【0015】
図3は、図1及び図2に示した携帯電話機100の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0016】
携帯電話機100の待ち受け状態において(ステップS301)、レーザーポインタ機能あるいはリモコン機能を選択するためのメニュー画面がメインLCD部101に表示され、そのメニュー画面において、レーザーポインタ機能あるいはリモコン機能が選択されると(ステップS302)、制御部202の制御によって、レーザーポインタ機能及びリモコン機能のうち選択された機能が起動してON状態となる(ステップS303)。
【0017】
レーザーポインタ機能がON状態となった場合は、操作部105あるいはテンキー部106が操作されると、レーザーポインタ出力部204からレーザーポインタ部108を介してレーザー光がスポット的に照射される。またこの際、レーザーポインタ出力部204から照射されるレーザー光の色は、操作される操作部105あるいはテンキー部106に応じて決まる。そのため、例えば、レーザーポインタ部108を発光ポインタとして利用する場合は、操作部105あるいはテンキー部106のうちそれに応じたキーが操作されると赤色のレーザー光が照射され、また、レーザーポインタ部108を懐中電灯として利用する場合は、操作部105あるいはテンキー部106のうちそれに応じたキーが操作されると白色のレーザー光が照射されるというようなことができる。このように異なる色の光を照射する手段としては、レーザーポインタ出力部204が、互いに異なる色を照射する複数のレーザー光源を有し、この複数のレーザー光源を選択的に用いることにより、レーザー光の色を変更したり、1つの光源の出力側に光変調器を配置して照射するレーザー光の周波数を変更することによりレーザー光の色を変更したりすることが考えられる。
【0018】
また、リモコン機能がON状態となった場合は、操作部105あるいはテンキー部106が操作されると、その操作に応じて所定の機器を操作するためのリモートコントロール信号がリモコン出力部203から出力される。
【0019】
その後、終了メニューにおいて、ON状態となっているレーザーポインタ機能あるいはリモコン機能の終了が指定されると(ステップS304)、レーザーポインタ機能あるいはリモコン機能がOFF状態となり、待ち受け状態となる。
【0020】
図4は、図1及び図2に示した携帯電話機100の動作の他の例を説明するためのフローチャートである。
【0021】
携帯電話機100の待ち受け状態において(ステップS401)、レーザーポインタ機能を選択するためのメニュー画面がメインLCD部101に表示され、そのメニュー画面において、レーザーポインタ機能が選択されると(ステップS402)、制御部202の制御によって、レーザーポインタ機能が起動してON状態となる(ステップS403)。
【0022】
この状態において、無線部201を介して着信があった場合(ステップS404)、制御部202の制御によって、レーザーポインタ出力部204から照射されるレーザー光の色が変更され(ステップS405)、その後、操作部105を操作することにより着信に応答すると、動作モードが無線部201を介した通話モードに変更され、レシーバ音孔102やマイク音孔107を用いて通話が行われる(ステップS406)。
【0023】
このようにすることで、例えば、プレゼンテーション中において、着信があった場合に着信音を鳴らしたり、バイブレータの振動音を発生させたりすることなく、着信を通知することができ、静かな環境でのプレゼンテーションを継続することができる。また、レーザーポインタ機能がON状態の場合においても、操作部105あるいはテンキー106の操作によってレーザーポインタ出力部204からレーザー光が照射されていない場合は、バイブレータをON状態としておくことにより、着信を認識することができる。
【0024】
なお、本形態においては、携帯端末として携帯電話機100を例に挙げて説明したが、本発明の携帯端末は、PHS(Personal Handyphone System)や、PDA(Personal Data Assistance,Personal Digital Assistants:個人向け携帯型情報通信機器)等の携帯端末装置に適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の携帯端末の実施の一形態を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示した携帯電話機の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図1及び図2に示した携帯電話機の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1及び図2に示した携帯電話機の動作の他の例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0026】
100 携帯電話機
101 メインLCD部
102 レシーバ音孔
103a,103b 筐体
104 ヒンジ部
105 操作部
106 テンキー部
107 マイク音孔
108 レーザーポインタ部
200 キー情報
201 無線部
202 制御部
203 リモコン出力部
204 レーザーポインタ出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信手段と、レーザー光をスポット的に照射するレーザーポインタ出力手段とを有する携帯端末であって、
前記レーザーポインタ出力手段は、照射するレーザー光の色が可変である携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記無線通信手段を用いて通信を行う際に操作する操作手段を有し、
前記レーザーポインタ出力手段は、前記操作手段に対する操作に応じた色のレーザー光を照射することを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯端末において、
前記操作手段に対する操作に応じて、所定の機器を操作するためのリモートコントロール信号を出力するリモコン出力手段を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項4】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記レーザーポインタ出力手段は、前記無線通信手段における着信時に、照射しているレーザー光の色を変更することを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯端末において、
前記レーザーポインタ出力手段は、互いに異なる色を照射する複数のレーザー光源を有し、該複数のレーザー光源を選択的に用いることにより、レーザー光の色を変更することを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯端末において、
前記レーザーポインタ出力手段は、照射するレーザー光の周波数を変更することにより該レーザー光の色を変更することを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−206026(P2008−206026A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−42148(P2007−42148)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】