説明

携帯端末

【課題】どのイベントが発生したかを利用者に明確に認識させることができる、携帯性及び操作性に優れた携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯電話50は、利用者によって操作される入力装置であり、かつ各種イベントの発生を利用者に通知するための機能を有するトラックボール装置58を含む。トラックボール装置58は、利用者によって操作されるトラックボール108と、トラックボール108の下部に配置され、各種イベントの発生を利用者に通知する、互いに異なる色で発光する第1〜第3のLED100〜104と、LED100〜104からの光をトラックボール108の周囲の筐体表面まで案内する導光部材とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に関し、特に、イベントの発生を利用者に通知する機能を持つ携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の携帯端末において、他の端末からの着呼及び電子メールの受信等のようなイベントが生じた場合、そのイベントの発生を利用者に通知するための方法が提案されている。
【0003】
特許文献1は、他の装置から電子メールを受信した場合、電子メールの受信イベントの発生を利用者に通知する機能を有する携帯電話等の移動体通信端末を開示している。特許文献1に記載の移動体通信端末は、音声を出力したり、移動体通信端末自体を振動させたり、液晶パネルのバックライトを点灯したり、LED(Light Emitting Diode)を点灯及び点滅したりして、イベントの発生を利用者に通知する。
【0004】
ところで、暗所でも利用者による入力操作を容易にするための装置が開発されている。
【0005】
その中で、特許文献2では、入力デバイスとしてトラックボールを備える装置を開示している。特許文献2に記載の装置は、筐体と、筐体の表面に一部が露出し、筐体内に回転可能に設置され、光を透過する材質で形成されているトラックボールと、筐体の内部に設置され、トラックボールに光を照射する光源とを含む。このトラックボールの筐体の表面に露出した部分は指で全方向に回転させることができる。その回転方向、回転量及び回転速度などを検出し、検出結果に応じて何らかの処理を行なう。
【0006】
特許文献2に記載の装置において、何らかのイベントが発生したときに、光源から光を照射し、トラックボールによって透過された光を利用者が認識することができれば、イベント発生を通知するための手段として利用できる。
【特許文献1】特開2000−278750
【特許文献2】国際公開第03/065194号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、携帯電話に代表される携帯端末では、主機能である通話機能に加えて、インターネットで提供されるコンテンツの検索及び閲覧機能、電子メール送受信機能、並びにテレビジョン(以下、TVと呼ぶ。)視聴機能等が組込まれたりして、多機能化が進んでいる。
【0008】
そのような携帯端末において何らかのイベントが発生した場合、各イベントを区別してそれらの発生を利用者に通知することができることが望ましい。そのために、特許文献1に開示された技術を用いて、例えばディスプレイの領域の一部にイベントの発生を利用者に通知するためのダイアログボックスを表示したり、アラーム音を出力したり、携帯端末自体を振動させたり、ディスプレイのバックライトを点灯したりすることが考えられる。
しかし、このようなイベント通知方法では、以下に述べる問題が発生する。
【0009】
例えば、TV視聴中に何らかのイベントが発生した場合を考える。TV画面は通常はディスプレイ全体を使用して表示される。そのようなときに、ディスプレイの一部にせよダイアログボックスが表示されては、利用者に不快感を与えかねない。また、TVとは関係のないアラーム音を出力したり、携帯端末自体を振動させたり、TVとは関係のないバックライトを点灯したりする場合にも、利用者に不快感を与えかねない。アラーム音を発生すればそのためにTVの音声が聞きにくくなる。携帯端末自体を振動させると画面が見にくくなる上、振動自体が不快に感じられる可能性がある。バックライトを点灯させれば、TV画像の内容が変化することになり、これも問題である。その上、携帯端末の振動又はバックライトの点灯によっては、イベントの種類を区別することが困難であるという問題もある。
【0010】
一般的に、携帯端末は、持ち運びに便利なように、軽く薄く小さいことが要求される。一方、上記したような多機能化に伴い、できるだけディスプレイを大きくすること、及び利用者にとって押下しやすい大きさのキーを配置することが携帯端末には要求される。
【0011】
このような問題に対処し、各機能を有効に使い分けられるように、機能によって形状を変化させることが可能な携帯端末が開発され商品化されている。代表的なものに、第1の姿勢と第2の姿勢との間で形状を変えることができる、二つの筐体で構成されたものがある。例えばテキストを入力したりする場合には、入力のための比較的多数のキーが必要とされる。一方、TVの視聴の際に操作することが必要なキーの数は少ない。そこで、テキスト入力のためのキーを一方の筐体に集中し、第1の姿勢では、TV視聴などに必要な少数の入力デバイスを除いてこれらキーが隠され、第2の姿勢ではこれらキーと入力デバイスとが全て露出されるような構成が選ばれることが多い。
【0012】
ところで、そのような携帯端末において、トラックボールを常時露出部分に設置することが考えられ、実際にそうした携帯端末も存在している。そのような携帯端末において、トラックボールとして特許文献2に記載されたものを採用することが考えられる。イベントの発生時には光源を点灯させることによって、トラックボールから光を発することでイベントの発生が利用者に通知できる。
【0013】
しかし、携帯電話ではトラックボールのサイズは小さいことが好ましいとされるため、利用者がトラックボールを操作している場合、トラックボールが利用者の指で完全に覆われてしまうことが考えられる。そのようなときにトラックボールが点灯しても、利用者に気付かれない可能性がある。さらに、携帯電話において生じる可能性のあるイベント数は多く、特許文献2に記載されたトラックボールではイベントを区別して報知することができないという問題もある。
【0014】
したがって、本発明の目的は、どのイベントが発生したかを利用者に明確に認識させ、携帯性及び操作性に優れた携帯端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の局面に係る携帯端末は、開口部を有する筐体と、筐体内の、開口部に臨む位置に設けられた基板と、基板上の、開口部に対向した所定位置上に設けられ、筐体の開口部を介して筐体の外部に一部が露出した操作部材を有する入力デバイスと、基板上の、所定位置から互いにほぼ等しい位置に配置された、互いに異なる色を発光する複数の発光体と、基板上の複数の発光体の位置から、筐体の開口部の、操作部材の外周に接する領域まで、操作部材を囲むように設けられた導光部材とを含む。
【0016】
携帯端末の筺体内には、筐体の開口部に臨む位置に基板が設けられている。入力デバイスは、当該基板上において、開口部に対向した所定位置上に設けられ、入力デバイスの操作部材の一部は、開口部を介して筐体の外部に露出している。複数の発光体は、基板上において、入力デバイスが設置されている所定位置から互いにほぼ等しい位置に配置され、互いに異なる色の光を発光する。導光部材は、基板上の複数の発光体の位置から、筐体の開口部において、操作部材の外周に接する領域まで、操作部材を囲むように設けられている。携帯端末において、何らかのイベントが生じた場合、携帯端末が基板に設置された複数の発光体を点灯し、導光部材を介して複数の発光体からの光を利用者が見ることによって、利用者はイベントの発生を認識することができる。それら複数の発光体を様々な発光態様で点灯すれば、いかなるイベントが生じたとしても、利用者はどのイベントが生じたかを明確に認識することが可能になるだろう。
【0017】
また、筐体の表面において導光部材が操作部材の外周に設置されているので、筐体の表面における導光部材が占める面積はさほど大きくはならない。したがって、当該導光部材を携帯端末に設置する際には、携帯端末の筐体のサイズを大きくする必要がない。したがって、当該導光部材を携帯端末に設置しても、従来の携帯電話と比較にして、重量はさほど変化せず、持ち運びに便利であることに変わりはない。また、他の各種キーの数を減少させたり、各種キーのサイズを小さくしたりする必要がないので、従来の携帯端末の操作性を損なうことがない。その結果、どのイベントが発生したかを利用者に明確に認識させ、携帯性及び操作性に優れた携帯端末を提供することができる。
【0018】
好ましくは、筐体は、表示部を有する第1の筐体と、操作入力部を有する第2の筐体と、第1の筐体と第2の筐体とを、所定の第1のスタイル及び第2のスタイルの間で移動可能に連結する連結機構部とを含む。第1のスタイルでは第2の筐体の操作入力部が第1の筐体によって覆われている。第2のスタイルでは第2の筐体の操作入力部が露出されている。開口部は第1の筐体及び第2の筐体のうちのいずれか一方の、第2のスタイル時に露出される位置に形成されている。基板、入力デバイス、複数の発光体、及び導光部材も、当該一方の筐体内に設けられている。
【0019】
携帯端末は、表示部を有する第1の筐体と、操作入力部を有する第2の筐体とによって構成されている。連結機構部は、第1の筐体が操作入力部を覆う第1のスタイルと、操作入力部が露出される第2のスタイルとを切換えることが可能なように、第1の筐体と第2の筐体とを連結する。基板、入力デバイス、複数の発光体、及び導光部材は、第1の筐体及び第2の筐体のいずれか一方に設置されている。
【0020】
第1のスタイルは、TV視聴機能等、キー操作をあまり必要としない機能に適した姿勢である。第2のスタイルは、電子メール作成等、複雑なキー操作を要する機能に適した姿勢となる。携帯端末を第1のスタイルにすることができるので、持ち運びに便利である。また、第2のスタイルでは、複雑なキー操作が可能となるので、形状が小さくて持ち運びに便利であるにも関わらず、様々な機能を当該携帯端末に実装することが可能となる。
【0021】
より好ましくは、携帯端末はさらに、入力デバイスが操作されている間に携帯端末においてあるイベントが発生したことに応答して、複数の発光体をそれぞれ所定の発光態様で発光させるための第1の発光制御手段を含む。
【0022】
あるイベントが生じたことに応答して、複数の発光体を当該イベントに対応した所定の発光態様で点灯することができるので、利用者はどのイベントが生じたかを明確に認識することが可能となる。
【0023】
さらに好ましくは、携帯端末はさらに、第1の発光制御手段が複数の発光体を所定の発光態様で点滅させている間に、操作部材の操作が中断されたことに応答して、複数の発光体のうち、あるイベントに対応する発光体以外の発光体を消灯させるための手段を含む。
【0024】
消灯させるための手段は、第1の発光制御手段が複数の発光体を所定の発光態様で点滅させている間、携帯端末の利用者等によって操作部材への操作が中断されたときに、当該イベントに対応する発光体以外の発光体を消灯する。したがって、利用者は、どのイベントが生じたかを明確に認識することができ、当該イベントに対して、次にどのようなアクションを起こすべきかを即座に考えることができる。
【0025】
さらに好ましくは、携帯端末はさらに、第1の発光制御手段が複数の発光体を所定の発光態様で点滅させている間に、あるイベントの継続が停止したことに応答して、複数の発光体のうち、あるイベントに対応する発光体以外の発光体を消灯させるための手段を含む。
【0026】
消灯させるための手段は、第1の発光制御手段が複数の発光体を所定の発光態様で点滅させている間、あるイベントの継続が停止されたときに、当該イベントに対応する発光体以外の発光体を消灯する。したがって、利用者は、次に携帯端末を利用する場合、どのイベントの継続が停止されたかを明確に認識することができる。また、利用者は、継続が停止されたイベントに対して、次にどのようなアクションを起こすべきかを即座に考えることができる。
【0027】
さらに好ましくは、携帯端末はさらに、第1の発光制御手段が複数の発光体を所定の発光態様で点滅させている間に、所定時間が経過したことに応答して、複数の発光体のうち、あるイベントに対応する発光体以外の発光体を消灯させるための消灯手段を含む。
【0028】
消灯させるための手段は、第1の発光制御手段が複数の発光体を所定の発光態様で点滅させている間、所定時間が経過したことに応答して、当該イベントに対応する発光体以外の発光体を消灯する。あるイベントが生じたときに、利用者が何らかの理由で当該イベントにすぐに対応できなかったとしても、当該イベントに対応する発光体以外の発光体が消灯される。したがって、利用者が次に携帯端末を利用するとき、利用者は消灯されている発光体を見て、どのイベントが生じたかを明確に認識することができ、当該イベントに対して、次にどのようなアクションを起こすべきかを即座に考えることができる。
【0029】
さらに好ましくは、携帯端末はさらに、あるイベントに対応する発光体以外の発光体が消灯されたときに、あるイベントに対応する発光体の点滅を停止して点灯させるための手段を含む。
【0030】
点灯させるための手段は、あるイベントに対応する発光体以外の発光体が消灯されたときに、当該イベントに対応する発光体の点滅を停止して、点灯させる。何らかの理由によって、利用者が当該イベントの発生にしばらくの間気付かなかったとしても、当該イベントに対応する発光体は点灯されたままの状態となる。したがって、利用者は、次に携帯端末を利用するときに、どのイベントが生じたかを認識することができ、当該イベントに対して、即座に何らかのアクションを起こすことができる。
【0031】
さらに好ましくは、第1の発光制御手段は、入力デバイスが操作されている間に携帯端末においてあるイベントが発生したことに応答して、複数の発光体のうちの第1の発光体群及び第2の発光体群がそれぞれ消灯及び点灯している第1の状態と、第1の発光体群及び第2の発光体群がそれぞれ点灯及び消灯している第2の状態とを所定の時間において繰返し、かつ当該繰返しの間には複数の発光体の全てが1度は点灯するように複数の発光体を制御するための手段を含む。
【0032】
制御するための手段は、入力デバイスの操作中にイベントが生じたことに応答して、所定の時間の間、第1の状態と第2の状態とで複数の発光体を点灯させる。また、制御するための手段は、複数の発光体の全てが1度は点灯するように制御する。第1の状態と第2の状態との間で繰返し点灯する。複数の発光体の全てが1度は点灯されるので、利用者の指が入力デバイスおよび導光部材を覆うような大きさであったとしても、入力デバイスの操作中には、導光部材を通過する光は利用者の指で遮られず、利用者の目に到達する可能性が高くなる。その結果、利用者は、入力デバイスの操作中であっても、イベントが生じたことを認識しやすくなる。
【0033】
さらに好ましくは、携帯端末はさらに、入力デバイスが操作されていない間に携帯端末において特定のイベントが発生したことに応答して、複数の発光体のうち、特定のイベントに対応する発光体を所定の発光態様で発光させるための第2の発光制御手段と、第2の発光制御手段が特定のイベントに対応する発光体を所定の発光態様で発光させているときに、入力デバイスに対する特定の操作が行われたことに応答して、特定のイベントに関する応答処理を実行するための応答手段とを含む。
【0034】
第2の発光制御手段は、利用者が入力デバイスを操作していない間に特定のイベントが生じたときに、当該イベントに対応する発光体を所定の発光態様で発光させる。応答手段は、利用者による入力デバイスに対する特定の操作に応答して、当該イベントに関する応答処理を行なう。当該イベントに対応する発光体が所定の発光態様で発光されたときに、入力デバイスに対して特定の操作を行なうだけで、携帯端末は、当該イベントに関する応答処理を行なう。したがって、利用者は、複雑な操作を行なうことなく、入力デバイスのみを操作するという簡単な操作で、生じたイベントに対応することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下の実施の形態の説明では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能及び名称も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0036】
[携帯電話50の外観構成]
図1(A)は、本実施の形態に係る携帯端末である携帯電話50の外観構成を示す図である。図1(A)を参照して、携帯電話50は、表面に表示装置56が配置された第1筐体54と、上面の中央部分が露出された状態と、第1筐体54によって上面の中央部分が覆われる状態との間で形状が変化可能なように第1筐体54に連結されている第2筐体52とを含む。以下、第1筐体54により第2筐体52の上面の中央部分が覆われている状態を第1姿勢と呼び、第2筐体52の上面の中央部分が露出されている状態を第2姿勢と呼ぶ。図1(A)に示すのは第2姿勢である。
【0037】
第2筐体52は、第2筐体52の上面の中央部分に配置され、文字入力等に使用される多数のメインキー70と、第2筐体52の上面においてメインキー70より右側の部分に配置されている、キー60〜64、キー68、マイク78、及びトラックボール装置58と、第2筐体52の上面においてメインキー70より左側の部分に配置されているキー72、キー76、及びスピーカ74とを含む。トラックボール装置58は、利用者によって操作される入力デバイスであるが、特許文献2のものと異なり、各種イベントの発生を区別して利用者に通知する機能を有する。それら機能については後述する。
【0038】
第1筐体54は、図1(A)には図示していない連結機構により、図1(A)に示した第1姿勢から第2筐体52の長辺中央部を中心として第1筐体54が第2筐体52の表面とほぼ同じ面内で180度回転して第2の姿勢に変化することが可能なように第2筐体52に連結されている。図1(B)は第2姿勢における携帯電話50の外観構成を示す図である。図1(B)に示すように、第2姿勢では、メインキー70は、第1筐体54によって完全に覆われる。
【0039】
なお、当該連結機構は、公知の機構であり、また本発明と直接の関係を持たないのでその詳細はここでは説明しない。
【0040】
本実施の形態に係る携帯電話50において発生する主なイベントは、携帯電話50のバッテリの残量が10%未満になるというローバッテリイベント、他の端末から電子メールを受信する新着メールイベント、及び他の端末からの着呼を受ける着呼イベントであるものとする。
【0041】
[携帯電話50のハードウェア構成]
図2は、携帯電話50のハードウェア構成を示すブロック図である。図2を参照して、携帯電話50は、各種イベントを区別して利用者に報知する機能を有する、入力デバイスとしてのトラックボール装置58と、携帯電話50の下位システムを制御するための、実質的にコンピュータからなるシステム部96と、システム部96に接続され、各種アプリケーションを実行する機能を有する、これも実質的にコンピュータからなる上位アプリケーション実行部(以下、上位アプリ実行部と呼ぶ。)106と、いずれもシステム部96及び上位アプリ実行部106の両方に接続された、他の端末との間でデータの無線通信を行なう無線通信装置98、種々の情報を記憶する記憶部92、並びにシステム部96及び上位アプリ実行部106による演算及び処理の結果を一時的に記憶するワーキングメモリとしての機能を提供するメモリ94とを含む。携帯電話50はさらに、いずれも上位アプリ実行部106に接続され、利用者によって操作される入力装置90、及び上位アプリ実行部106によって提供される各種アプリケーションの画像を表示したりする表示装置56と、無線通信装置98に接続されているマイク78及びスピーカ74とを含む。システム部96及び上位アプリ実行部106とは、本実施の形態では同一のコンピュータハードウェアによって実現されている。
【0042】
無線通信装置98は、何れも図示しないアンテナ、RF(Radio Frequency)部、変調部及び復調部等を含む。入力装置90は、図1(A)に示すキー60〜64、68、72、及び76、並びにメインキー70等を含む。表示装置56は、図1(A)及び図1(B)に示す表示装置56等を含む。
【0043】
トラックボール装置58は、利用者によって操作されるトラックボール108と、各種イベントの発生を利用者に通知する、互いに異なる色で発光する第1〜第3のLED100〜104と、トラックボール108に対する操作に応じて操作信号を出力する図示しない機構構成部とを含む。LED100〜104の発光色は、例えば、赤、緑、及び青である。
【0044】
記憶部92は、第1〜第3のLED100〜104が点灯されているか否かを示す値をそれぞれ記憶する変数LED1F、変数LED2F、及び変数LED3Fとを記憶する領域を含む。
【0045】
変数LED1F、変数LED2F、及び変数LED3Fの各々には、0又は1が記憶される。これら変数の値が0のとき、第1〜第3のLED100〜104は消灯されており、これら変数の値が1のとき、第1〜第3のLED100〜104は点灯されている。
【0046】
ローバッテリイベント、新着メールイベント、及び着呼イベント等の他に、利用者によってトラックボール装置58が操作されるイベントを、トラックボール操作イベントと呼ぶ。
【0047】
図3(A)は、第1筐体54を取外したときの第2筐体52の右半分の平面図である。図3(B)は、トラックボール部分のカバーを取外したときの第2筐体52の右半分の平面図である。図3(C)は、図3(B)の状態からさらにトラックボール装置58をトラックボール装置58の基板から取外したときの、第2筐体52の右半分の平面図である。図3(D)は、図3(C)の状態で、第2筐体52内の基板上からトラックボール装置58の基板を取外した状態の、第2筐体52の右半分の平面図である。
【0048】
特に図3(C)を参照して、第2筐体52の内部には、トラックボール装置58を第2筐体52内に固定するための固定部材120と、固定部材のさらに下部に設けられ、トラックボール装置58が設置される基板122とが設けられている。
【0049】
[トラックボール装置58の構成]
図4は、配線基板140上の、トラックボール装置58の各部品の配置を模式的に示す図である。図5は、トラックボール装置58において、トラックボール108に対する操作に応じた信号を生成する機能を実現する機構構成部142の斜視図を示す図である。図6は、機構構成部142の断面図を示す図である。図7は、トラックボール装置58の分解斜視図を示す図である。
【0050】
図7を参照して、トラックボール装置58は、配線基板140と、配線基板140の上面の中心に設置された機構構成部142と、配線基板140の下面に配され、配線基板140に形成された開口を通して機構構成部142と係合することにより、機構構成部142及びトラックボール108を配線基板140に固定するための、SUS(Stainless Used Steel)430等の磁性材料からなる部材186とを含む。
【0051】
図4及び図7を参照して、配線基板140は、略正方形状の基板150と、基板150の中央部分に配置された略正方形状のプッシュスイッチ148とを含む。基板150の上面の、プッシュスイッチ148の3辺の外側には、第1〜第3のLED100〜104が配置されている。第1〜第3のLED100〜104は、トラックボールの最下部を中心とする略円周上に配置されている。
【0052】
基板150の上面の4つの角部の近傍には、部材186の係合部を通すための長方形の孔154〜160が形成されている。また、基板150の上端及び下端の中心部分には、配線基板140を筐体内の基板に固定するためのねじ孔146及び144が形成されている。
【0053】
図7を参照して、機構構成部142は、平面形状が略十字状となるように形成され、かつ上面中央に凹部を有する樹脂性の取付台190と、取付台190の十字部分に、正方形を形成するように配置された、各々が略円柱形状の、トラックボール108の回転を検出するための4本のローラ192とを含む。これら4本のローラ192の上方に、トラックボール108が配置される。各ローラの一端には磁石が固定され、この磁石が部材186に引き寄せられることで、ローラ192が下方に付勢される。
【0054】
機構構成部142はさらに、取付台、ローラ192、及びトラックボール108の上方からこれら全てを覆うように取付けられた、導光性の樹脂からなるハウジング部180と、ハウジング部180の上方からハウジング部180を抑えるようにして取付けられ、側端に形成された4つ脚部によって取付台190と係合する、金属からなるカバー184とを含む。ハウジング部の上部中央には、トラックボール108の上部を露出させるための円形の開口が形成され、かつその開口部周囲は一定の高さでハウジング部180の他の部分よりも上に突き出している。この突出部200は、トラックボール装置58が第2筐体52内に固定されたときに、第2筐体52の表面に形成された円形開口部にはまりこみ、上面が第2筐体52の表面と面一となるような高さを持つ。カバー184には、この突出部200の外形とほぼ一致する大きさの開口が形成されている。したがって、トラックボール108の上端部は、ハウジング部180及びカバー184の開口部を介して第2筐体52の表面に露出されることになる。
【0055】
取付台190の上面中央の凹部には、一端が取付台190の側壁部分に固定され、他端が取付台190の中心に位置する片持ち状の板ばねが設置されている。板ばねの他端は、トラックボール108を安定して保持し、かつ上方に付勢するように、円形形状に形成されている。
【0056】
トラックボール108が板ばねにより上方に付勢されているため、トラックボールに対する操作が行われないときにはトラックボール108と4本のローラとの間には空隙があく。トラックボール108に対して、下方向への押し下げ力が加えられた場合、取付台190の板ばねの他端は下側に移動する。例えば指によりトラックボールが回転するような操作が加えられると、トラックボール108は回転方向側に移動しながら下方に移動する。そのため、トラックボール108の下部が4本のローラのうち指がある方向と逆の位置にあるものに接し、そのローラを回転させる。どのローラがどの程度の量だけ回転しているかによって、トラックボール108に対する操作が判定できる。利用者がトラックボール108を押し下げることにより、配線基板140のプッシュスイッチ188は取付台190の板ばねの他端によって押圧され、押圧信号を出力する。
【0057】
第1〜第3のLED100〜104が点灯されると、ハウジング部180によって、トラックボール周囲までその光が導かれる。利用者は、トラックボールの周囲の、ハウジング部180の突出部200(第2筐体表面とは面一である。)から外部に射出される光を見ることができる。
【0058】
図8は、第1〜第3のLED100〜104が点灯された場合に、ハウジング部180において第2筐体52から露出する略円周状の突出部200による光の透過の様子を示す図である。図8を参照して、第1〜第3のLED100〜104が点灯された場合、発せられた光はそれぞれ突出部200を透過してくる。そして、第1のLED100に近い部分202では赤い色の光が、第2のLED102に近い部分204では緑の光が、第3のLED104に近い部分206では青い光が、それぞれ観測される。三つのLEDを同時に点灯すれば、これら三つの色が互いの境界部分でグラデーションのように変化して連続的に突出部200の周囲に観測できるし、各LEDを単独で点灯すれば、そのLEDに近い部分だけで、そのLEDの発光色を観測できる。
【0059】
第1〜第3のLED100〜104の点灯はシステム部96によって制御される。
【0060】
[ソフトウェア構成]
(ソフトウェアにより実現される動作の概略)
以下、最初に本実施の形態に係る携帯電話50において、イベントが発生した場合の携帯電話50の動作の概要について述べ、次にそうした動作を実現するコンピュータソフトウェアの制御構造について述べる。
【0061】
本実施の形態に係る携帯電話50では、ローバッテリイベント、新着メールイベント、及び着呼イベントが生じた場合、主に、それぞれ第1〜第3のLED100〜104を点灯することにより、イベントの発生を利用者に通知するものとする。なお、以下の説明では、最初、ローバッテリイベント、新着メールイベント、及び着呼イベントのいずれも携帯電話50に生じていないものとする。そのような状態を初期状態と呼ぶ。
【0062】
<ローバッテリイベントが生じた場合の動作例>
図9は、ローバッテリイベントが生じた場合の携帯電話50の動作の例について説明するための図である。図9を参照して、初期状態220では、どのLEDも点灯されていないものとする。ここで、利用者がトラックボール108を操作していない場合にローバッテリイベントが生じたものとする。矢印240により示されるように、携帯電話50の状態は、第1のLED100のみが点滅する状態230に遷移する。状態230では、表示装置56の状態242に示されるように、バックライトが消灯される。
【0063】
状態230において、第1のLED100が点滅し始めてから一定の時間が経過するまでに、利用者がイベントの発生に気付き、第1のLED100の方向にトラックボール108を回転させたものとする。携帯電話50はそうした操作を検知すると、その時点で状態を矢印244により示されるように状態236に遷移する。状態236では、第1のLED100の点滅が終わり点灯状態となる。表示画面238により示されるように、バックライトは消灯され、ローバッテリ警告表示が行われる。
【0064】
図10は、利用者が第1のLED100の方向にトラックボール108を回転させる様子を示す図である。図10を参照して、利用者の指260が、トラックボール108の上部を押さえながら矢印262により示される方向に移動することにより、第1のLED100に近い領域206の方向にトラックボール108が回転する。
【0065】
再び図9を参照して、状態230において、第1のLED100が点滅し始めてからユーザがトラックボールの操作を継続して所定時間(例えば5秒)が経過したものとする。その場合、矢印246により示されるように、携帯電話50は状態236に遷移する。状態236については既に説明したとおりである。
【0066】
初期状態220で利用者がトラックボール108を操作している際に、ローバッテリイベントが生じたものとする。矢印222により示されるように、突出部200の状態は、第1〜第3のLED100〜104が順番に点灯される状態226に遷移する。
【0067】
状態226では、表示装置の状態224により示されるように、バックライトは消灯しない。
【0068】
状態226において、利用者がイベントの発生に気付き、所定時間(本実施の形態では5秒)の間にトラックボール108の操作を中断したものとする。その場合、矢印228により示されるように、突出部200の状態は状態230に遷移する。以後の動作については既に説明したとおりである。
【0069】
状態226において利用者が所定時間以上トラックボールの操作を継続した場合には、矢印232により示されるように、突出部200の状態は状態236に遷移する。ただしこの場合、バックライトは消灯するが、ローバッテリ警告は表示されず、表示内容はそのままとなる。
【0070】
<新着メールイベントが生じた場合の動作例>
図11は、新着メールイベントが生じた場合の携帯電話50の動作の例について説明するための図である。図11に示す初期状態270では、第2のLED102が消灯している場合と点灯している場合の両方があり得る。いずれの場合でも、その後の状態遷移は同じである。最初に、初期状態270において、利用者がトラックボール108を操作しているときに新着メールイベントが発生したものとする。矢印280により示される状態遷移により、突出部200の状態は第1〜第3のLED100〜104が順番に点灯する状態284に遷移する。状態284では、利用者が操作しているアプリケーションの画面282が継続して表示されている。
【0071】
突出部200が状態284に遷移してから所定時間(5秒)内に利用者がトラックボール108の操作を中断するか否かにより、突出部200の状態遷移が変化する。すなわち、利用者がトラックボール108の操作を継続した場合には、突出部200の状態は、第2のLED102のみが点灯する状態292に遷移する。状態292ではアプリケーションの画面294がそのまま表示される。以後、次のイベントが発生するまで突出部200の状態はこのままで維持される。第2のLED102が点灯していることにより、利用者に対しメールの着信があったことが報知されている。
【0072】
一方、状態284に遷移してから所定時間(5秒)以内に利用者がトラックボール108の操作を中断すると、矢印286により示されるように、突出部200の状態は、第2のLED102のみが点滅する第2の点滅状態288に遷移する。第2の点滅状態288では、利用者に新着メールイベントの発生を報知するために、画面298で示されるようにバックライトが消灯される。この状態で、所定時間(5秒)以内に利用者がトラックボールを第2のLED102側に操作するかしないかにより、突出部200の状態遷移が変化する。
【0073】
すなわち、利用者がトラックボール108を第2のLED102側に操作した場合には、矢印300により示されるように、突出部200の状態は、どのLEDも点灯されていない状態302に遷移する。状態302では、新規に受信したメールの一覧を表示した画面304が表示される。
【0074】
図12は、利用者が第2のLED102の方向にトラックボール108を回転させる様子を示す図である。図12を参照して、利用者の指260が、トラックボール108の上部を押さえながら矢印330により示される方向に移動することにより、第2のLED102に近い領域204の方向にトラックボール108が回転する。
【0075】
再び図11を参照して、一方、状態288において、第2のLED102が点滅し始めてから、利用者がトラックボール108を操作しないで一定の時間(例えば5秒)が経過したものとする。その場合、矢印306により示されるように、携帯電話50は状態308に遷移する。状態308では、第2のLED102の点滅が終わり点灯状態となる。状態308では、画面310により示されるように、新着メール通知画面表示が行なわれる。
【0076】
状態308において、新着メールが届いたことを利用者が確認する操作を行なった場合、突出部200の状態は、矢印312により示されるように状態302に遷移する。状態302については既に説明したとおりである。
【0077】
初期状態270で、利用者がトラックボール108を操作していない場合に、新着メールイベントが生じたものとする。その場合、矢印296により示されるように、突出部200の状態は、初期状態270から、第2のLED102のみが点滅する第2の点滅状態288に遷移する。以後の動作については既に説明したとおりである。
【0078】
<着呼イベントが生じた場合の動作例>
図13は、着呼イベントが生じた場合の携帯電話50の動作の例について説明するための図である。図13に示す初期状態384では、第3のLED104が消灯している場合と点灯している場合の両方があり得る。いずれの場合でも、その後の状態遷移は同じである。最初に、初期状態384において、利用者がトラックボール108を操作しているときに着呼イベントが発生したものとする。矢印350により示される状態遷移により、突出部200の状態は第1〜第3のLED100〜104が順番に点灯する状態354に遷移する。状態354では、利用者が操作しているアプリケーションの画面352が継続して表示されている。
【0079】
突出部200が状態354に遷移してから、相手の端末が発呼を中断するまでの間に、携帯電話50の利用者がトラックボール108の操作を中断するか否かにより、突出部200の状態遷移が変化する。
【0080】
すなわち、利用者がトラックボール108の操作を継続した場合には、突出部200の状態は、第3のLED104のみが点灯する状態362に遷移する。状態362ではアプリケーションの画面364がそのまま表示される。以後、次のイベントが発生するまで突出部200の状態はこのままで維持される。第3のLED104が点灯していることにより、利用者に対し着呼があったことが報知されている。
【0081】
一方、状態354に遷移してから、相手の端末が発呼を中断するまでの間に、利用者がトラックボール108の操作を中断すると、矢印356により示されるように、突出部200の状態は、第3のLED104のみが点滅する第3の点滅状態358に遷移する。第3の点滅状態358では、利用者に着呼イベントの発生を報知するために、画面368で示されるように着呼通知画面が表示される。この状態で、相手の端末が発呼を中断するまでの間に、利用者による第3のLED104側へのトラックボール108の回転操作と、通話応答ボタンの押下とのいずれかをするかしないかにより、突出部200の状態遷移が変化する。
【0082】
すなわち、利用者がトラックボールを第3のLED104側に操作した、又は、通話応答ボタンを押下した場合には、矢印370により示されるように、突出部200の状態は、どのLEDも点灯されていない状態372に遷移する。状態372では、状態384において利用していたアプリケーションの画面382が表示され、呼出相手との通話接続が行なわれる。
【0083】
一方、状態358において、第3のLED104が点滅し始めてから、利用者がトラックボール108を操作しないまま、相手の端末が発呼を中断したものとする。その場合、矢印374により示されるように、携帯電話50は状態376に遷移する。状態376では、第3のLED104の点滅が終わり点灯状態となる。状態376では、何時にどの電話番号から着呼を受けたかが示された画面378が表示される。
【0084】
状態376において、利用者が画面378を閉じる操作を行なった場合、突出部200の状態は、矢印380により示されるように状態372に遷移する。状態372については既に説明したとおりである。なお、この場合には通話接続は行なわれない。
【0085】
初期状態384で、利用者がトラックボール108を操作していない場合に、着呼イベントが生じたものとする。その場合、矢印366により示されるように、突出部200の状態は、初期状態384から第3の点滅状態358に遷移する。以後の動作については既に説明したとおりである。
【0086】
(上記動作のためのソフトウェア)
以下、上記した動作を実現するソフトウェアの構成について述べる。
【0087】
図14、15、19、24、及び29〜32は、図2に示すシステム部96が実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。このプログラムを実質的にコンピュータであるシステム部96が実行することにより、携帯電話50の機能が実現される。
【0088】
図14を参照して、このプログラムは携帯電話50が電源ONされた後に実行が開始され、第1〜第3のLED100〜104を消灯して、変数LED1F、変数LED2F、及び変数LED3Fに0を代入するステップ400と、ステップ400の後、携帯電話50によって提供されるアプリケーションのいずれかを利用者に選択させるメニューアプリケーション(以下、メニューアプリと呼ぶ。)の実行を、上位アプリ実行部106に指示するステップ404とを含む。
【0089】
このプログラムはさらに、ステップ404の後、ローバッテリイベントが発生したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ406と、ステップ406の判定結果がNOの場合に、新着メールイベントが発生したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ408と、ステップ408の後、着呼イベントが発生したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ412と、ステップ412の判定結果がNOの場合に、トラックボール操作イベントが発生したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ416とを含む。
【0090】
このプログラムはさらに、ステップ406の判定結果がYESの場合に、図9においてローバッテリイベントが生じた場合の動作例で述べたように、ローバッテリイベント対応処理を実行して、制御をステップ406に戻すステップ420と、ステップ408の判定結果がYESの場合に、図11において新着メールイベントが生じた場合の動作例で述べたように、新着メールイベント対応処理を実行して、制御をステップ406に戻すステップ410と、ステップ412の判定結果がYESの場合に、図13において着呼イベントが生じた場合での動作例で述べたように、着呼イベント対応処理を実行して、制御をステップ406に戻すステップ414とを含む。
【0091】
ローバッテリイベント対応処理、新着メールイベント対応処理、及び着呼イベント対応処理の詳細については後述する。
【0092】
このプログラムはさらに、ステップ416の判定結果がYESの場合に、トラックボール装置58が利用者によってどのように操作されたかを示す情報をトラックボール装置58から得て上位アプリ実行部106に送信して、制御をステップ406に戻すステップ418を含む。なお、ステップ416の判定結果がNOの場合、制御はステップ406に戻る。
【0093】
図15は、図14に示すステップ420において実行されるローバッテリイベント対応処理の詳細なフローである。図15を参照して、このルーチンは、トラックボール操作イベントが生じているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ442と、ステップ442の判定結果がYESの場合に、トラックボール操作イベントによってトラックボール108がどのように操作されたかを示す情報を上位アプリ実行部106に送信するステップ444と、ステップ444の後、第1〜第3のLED100〜104を順番に繰返し点灯するLED回転点灯処理を実行するステップ446とを含む。
【0094】
ステップ444において送信された情報を上位アプリ実行部106が受信すると、上位アプリ実行部106は、受信した情報に応じた処理を実行して、当該処理に応じた画像を表示装置56に表示する。
【0095】
図16は、ステップ446において、第1〜第3のLED100〜104を順番に点灯する方法を示す図である。図16において、左から順番に、第1のLED100のみが第1の時間の間点灯され、突出部200のうち第1のLED100に近い部分202から光が透過される。その後、第1のLED100が消灯される。次に、第2のLED102のみが第1の時間の間点灯され、突出部200のうち第2のLED102に近い部分206から光が透過される。その後、第2のLED102が消灯される。次に、第3のLED104が第1の時間の間点灯され、突出部200のうち第3のLED104に近い部分204から光が透過される。その後、同様にして、第1のLED100、第2のLED102、及び第3のLED104を順番に点灯することを繰返す。
【0096】
ステップ446において、LED回転点灯処理が実行されている間に、利用者がトラックボール108の操作を中断した場合、値BALLSTOPを戻り値としてLED回転点灯処理が終了する。LED回転点灯処理が実行されても、利用者がトラックボール108の操作を継続している場合、一定時間経過後に値BALLCONTを戻り値としてLED回転点灯処理が終了する。
【0097】
再び図15を参照して、このルーチンはさらに、ステップ446の後、ステップ446の戻り値がBALLSTOPであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ448と、ステップ448の判定結果がNOの場合に、第1のLED100を点灯した状態にして、変数LED1Fに1を代入し、バックライトを消灯して、このルーチンを終了するステップ466とを含む。
【0098】
このルーチンはさらに、ステップ442の判定結果がNOの場合、又はステップ448の判定結果がYESの場合に実行され、第1のLED100を点滅する第1のLED点滅処理を実行するステップ450と、ステップ450の後、第1のLED100のみを点灯したままの状態にして、変数LED1Fに1を代入するステップ452とを含む。
【0099】
図17は、図15のステップ450における、第1のLED100の点滅の仕方を示す図である。図17において、左から順番に、最初は第1のLED100のみが第1の時間の間点灯され、突出部200のうち第1のLED100に近い部分206から光が透過される。その後、全てのLEDが第1の時間の間消灯される。その後、同様にして、第1の時間ずつ第1のLED100の点灯及び消灯を繰返す。
【0100】
本実施の形態では、第1の時間は、LEDが点滅していることを利用者が認識できるのであればどのような時間でも良い。例えば、第1の時間は、0.3秒であっても良い。第1の時間は、携帯電話50の製造時に予め定められているものとする。
【0101】
再び図15を参照して、このルーチンはさらに、ステップ452の後、バッテリの残量を表示するバッテリ残量情報表示アプリケーション(以下、バッテリ残量情報表示アプリと呼ぶ。)を実行するように、上位アプリ実行部106に指示して、バックライトを消灯するステップ454を含む。
【0102】
図18は、ステップ454において、表示装置56に表示される画像の詳細を示す図である。図18を参照して、表示装置56には、バッテリの残量等を示すダイアログボックス486と、ポインタ484とが表示される。ダイアログボックス486は、利用者によって操作される確認ボタン482を含む。利用者は、ダイアログボックス486に表示された文章を見て、その内容を確認した後に、ポインタ484を確認ボタン482に移動させ、確認ボタン482を押下する操作を行なうことができる。この操作により、バッテリ残量情報表示アプリが終了する。
【0103】
再び図15を参照して、このルーチンはさらに、ステップ454の後、利用者が確認ボタン482を押下することによって、バッテリ残量情報表示アプリを終了させたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ458と、ステップ458の判定結果がNOの場合に、トラックボール操作イベントが発生したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ460と、ステップ460の判定結果がYESの場合に、トラックボール装置58が利用者によってどのように操作されたかを示す情報を上位アプリ実行部106に送信し、当該情報をバッテリ残量情報表示アプリに反映させ、制御をステップ458に戻すステップ462とを含む。ステップ458の判定結果がYESの場合、このルーチンを終了する。ステップ460の判定結果がNOの場合、制御はステップ458に戻る。
【0104】
図19は、図14に示すステップ410において実行される新着メールイベント対応処理の詳細なフローである。図19を参照して、このルーチンは、トラックボール操作イベントが生じているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ502と、ステップ502の判定結果がYESの場合に、トラックボール操作イベントによってトラックボール108がどのように操作されたかを示す情報を上位アプリ実行部106に送信するステップ504と、ステップ504の後、第1〜第3のLED100〜104を順番に点灯するLED回転点灯処理を実行するステップ506とを含む。
【0105】
ステップ506において、LED回転点灯処理が実行されている間に、利用者がトラックボール108の操作を中断した場合、値BALLSTOPを戻り値としてLED回転点灯処理が終了する。ステップ506において、LED回転点灯処理が実行されても利用者がトラックボール108の操作を継続している場合、一定時間後に値BALLCONTを戻り値としてLED回転点灯処理が終了する。
【0106】
このルーチンはさらに、ステップ506の後、ステップ506において出力された戻り値がBALLSTOPであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ508と、ステップ508の判定結果がNOの場合に、第2のLED102を点灯した状態にして、変数LED2Fに1を代入し、このルーチンを終了するステップ522とを含む。
【0107】
このルーチンはさらに、ステップ502の判定結果がNOの場合、又はステップ508の判定結果がYESの場合に実行され、第2のLED102を点滅させる第2のLED点滅処理を実行するステップ510を含む。
【0108】
ステップ510において第2のLED点滅処理が開始され、所定の時間(例えば5秒)が経過しても、利用者がトラックボール108を操作しなかった場合、値TIMEOUTを戻り値として第2のLED点滅処理が終了する。ステップ510において第2のLED点滅処理が開始され、所定の時間(例えば5秒)が経過するまでの間に、利用者がトラックボール108を第2のLED102の側に回転させる操作をした場合、値BALLOPEを戻り値として第2のLED点滅処理が終了する。
【0109】
図20は、ステップ510において、第2のLED102の点滅の仕方を示す図である。第2のLED102が点灯している間、突出部200のうち第2のLED102に近い部分206から光が透過される。ここでの第2のLED102の点滅の仕方は、図17に示す第1のLED100の点滅の仕方とほぼ同様である。
【0110】
再び図19を参照して、このルーチンはさらに、ステップ510の後、ステップ510における戻り値がBALLOPEであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ512と、ステップ512の判定結果がNOの場合に、第2のLED102のみを点灯したままの状態にして、変数LED2Fに1を代入するステップ514と、ステップ514の後、新着メールを受信したことを利用者に通知する新着メール通知アプリケーション(以下、新着メール通知アプリと呼ぶ。)を実行するように、上位アプリ実行部106に指示するステップ518とを含む。
【0111】
図21は、ステップ518において、表示装置56に表示される画像の詳細を示す図である。図21を参照して、表示装置56には、新着メールが届いたことを利用者に提示するダイアログボックス502が表示される。ダイアログボックス502には、新着メールが何件届いたかを示す文章と、利用者が当該文章の内容を確認した場合に操作される確認ボタン504と、新着メール通知アプリを終了するために操作される、「閉じる」と表示されたボタン506とが表示される。
【0112】
再び図19を参照して、このルーチンはさらに、ステップ518の後、利用者によって、「閉じる」と表示されたボタン506が押下されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ520と、ステップ520の判定結果がNOの場合に、利用者によって確認ボタン504が押下されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ526と、ステップ526の判定結果がNOの場合に、トラックボール操作イベントが発生したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ528と、ステップ528の判定結果がYESの場合に、トラックボール装置58が利用者によってどのように操作されたかを示す情報を上位アプリ実行部106に送信し、当該情報を新着メール通知アプリに反映させ、制御をステップ520に戻すステップ530とを含む。ステップ520の判定結果がYESの場合、このルーチンを終了する。ステップ528の判定結果がNOの場合、制御はステップ520に戻る。
【0113】
このルーチンはさらに、ステップ512又はステップ526の判定結果がYESの場合に実行され、第1〜第3のLED100〜104を消灯したままの状態にして、変数LED2Fに0を代入するステップ532と、ステップ532の後、未読の新着メールを利用者に閲覧させる未読メール表示アプリケーション(以下、未読メール表示アプリと呼ぶ。)の実行を、上位アプリ実行部106に指示するステップ536とを含む。
【0114】
図22は、ステップ536において、表示装置56に表示される画像の詳細を示す図である。図22を参照して、表示装置56には、未読メールの一覧を利用者に提示するダイアログボックス522が表示される。ダイアログボックス522には、未読のメールのアドレス及びタイトルの一覧を表示するテーブル524と、未読メール表示アプリを終了するために操作される、「閉じる」と表示されたボタン526とが表示される。
【0115】
再び図19を参照して、このルーチンはさらに、ステップ536の後、利用者によって「閉じる」と表示されたボタン526が押下されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ538と、ステップ538の判定結果がNOの場合に、トラックボール操作イベントが発生したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ540と、ステップ540の判定結果がYESの場合に、トラックボール装置58が利用者によってどのように操作されたかを示す情報を上位アプリ実行部106に送信し、当該情報を未読メール表示アプリに反映させ、制御をステップ538に戻すステップ542とを含む。ステップ538における判定結果がNOの場合、このルーチンは終了する。ステップ540の判定結果がNOの場合、制御はステップ538に戻る。
【0116】
図23は、図14に示すステップ414において実行される着呼イベント対応処理の詳細なフローである。図23を参照して、このルーチンは、トラックボール操作イベントが生じているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ542と、ステップ542の判定結果がYESの場合に、トラックボール操作イベントによってトラックボール108がどのように操作されたかを示す情報を上位アプリ実行部106に送信するステップ544と、ステップ544の後、第1〜第3のLED100〜104を順番に点灯するLED回転点灯処理を実行するステップ546とを含む。
【0117】
ステップ546において、LED回転点灯処理が実行されている間に、利用者がトラックボール108の操作を中断した場合、値BALLSTOPを戻り値としてLED回転点灯処理が終了する。ステップ546において、LED回転点灯処理が実行されても、利用者がトラックボール108の操作を継続している場合、一定時間経過後に値BALLCONTを戻り値としてLED回転点灯処理が終了する。
【0118】
再び図23を参照して、このルーチンはさらに、ステップ546の後、ステップ546における戻り値がBALLSTOPであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ548と、ステップ548の判定結果がNOの場合に、第3のLED104を点灯したままの状態にして、変数LED3Fに1を代入し、このルーチンを終了するステップ566とを含む。
【0119】
このルーチンはさらに、ステップ542の判定結果がNOの場合、又はステップ548の判定結果がYESの場合に実行され、着呼を受けたことを利用者に提示する画面を表示装置56に表示するように、上位アプリ実行部106に指示するステップ550を含む。
【0120】
図24は、ステップ550において、表示装置56に表示される画像の詳細を示す図である。図24を参照して、表示装置56には、どの電話番号から着呼を受けたかを利用者に提示するダイアログボックス592が表示される。
【0121】
再び図23を参照して、このルーチンはさらに、ステップ550の後、第3のLED104を点滅する第3のLED点滅処理を実行するステップ552を含む。
【0122】
ステップ552において第3のLED点滅処理が開始され、所定の時間(例えば5秒)が経過しても、利用者がトラックボール108を操作しなかった場合、値CALLSTOPを戻り値として第3のLED点滅処理が終了する。ステップ552において第3のLED点滅処理が開始され、所定の時間(例えば5秒)が経過するまでの間に、利用者がトラックボール108を第3のLED104の側に向けて回転させる操作をした場合、値BALLOPEを戻り値として第3のLED点滅処理が終了する。
【0123】
図25は、ステップ552において、第3のLED104の点滅の仕方を示す図である。第3のLED104が点灯している間、突出部200のうち第3のLED104に近い部分204から光が透過される。第3のLED104の点滅の仕方は、図17に示す第1のLED100の点滅の仕方とほぼ同様である。
【0124】
再び図23を参照して、このルーチンはさらに、ステップ552の後、ステップ552における戻り値がBALLOPEであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ554と、ステップ554の判定結果がYESの場合に、携帯電話50と相手先の端末との回線を接続して、通話可能な状態にするステップ556と、ステップ556の後、いずれかが通話を終了するまで待機するステップ558と、ステップ558において通話が終了した場合、回線を切断するステップ560とを含む。このルーチンはさらに、ステップ560の後、第1〜第3のLED100〜104を消灯したままの状態にして、変数LED3Fに0を代入し、このルーチンを終了するステップ562とを含む。
【0125】
このルーチンはさらに、ステップ554の判定結果がNOの場合に、第3のLED104を点灯したままの状態にして、変数LED3Fに1を代入するステップ566Aと、ステップ566Aの後、どの日時にどの電話番号から着呼があったかを利用者に通知する不在着呼通知アプリケーション(以下、不在着呼通知アプリと呼ぶ。)を実行するように、上位アプリ実行部106に指示するステップ570とを含む。
【0126】
図26は、ステップ570において、表示装置56に表示される画像の詳細を示す図である。図26を参照して、表示装置56には、他の端末から着呼を受けたことを利用者に提示するダイアログボックス602が表示される。ダイアログボックス602には、どの電話番号から何時に着呼を受けたかを提示する文章と、不在着呼通知アプリを終了するために操作される、「閉じる」と表示されたボタン604とが表示される。
【0127】
再び図23を参照して、このルーチンはさらに、ステップ570の後、利用者によって「閉じる」と表示されたボタン604が押下されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ572と、ステップ572の判定結果がNOの場合に、トラックボール操作イベントが発生したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ574と、ステップ574の判定結果がYESの場合に、トラックボール装置58が利用者によってどのように操作されたかを示す情報を上位アプリ実行部106に送信し、制御をステップ572に戻すステップ576とを含む。なお、ステップ572における判定結果がYESの場合、制御はステップ562に進む。ステップ574の判定結果がNOの場合、制御はステップ572に戻る。
【0128】
図27は、図15に示すステップ450において実行される第1のLED点滅処理、又は図19に示すステップ510において実行される第2のLED点滅処理の詳細なフローである。なお、ステップ450及びステップ510は、いずれも同様の処理を行うが、点滅させるLEDは異なる。図27では点滅させるLEDをLEDx(x=1又は2)として表わしている。ステップ450及びステップ510において実行される場合、xはそれぞれ1及び2である。x=1及び2の場合、LEDxは、それぞれ第1のLED100及び第2のLED102を指す。以下、LEDxを「指定LED」と呼ぶ。
【0129】
図27を参照して、このルーチンは、バックライトを消灯するステップ638と、ステップ638の後、指定LEDを点灯するステップ620と、ステップ620の後、ステップ620における点灯から第1の時間を経過するまで待機するステップ622と、ステップ622において点灯から第1の時間を経過した場合に、指定LEDを消灯するステップ624と、ステップ624の後、ステップ624における消灯から第1の時間を経過するまで待機するステップ626とを含む。
【0130】
このルーチンはさらに、ステップ626において、消灯から第1の時間を経過した場合に、トラックボール操作イベントが発生したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ628と、ステップ628の判定結果がNOの場合に、このルーチンが開始されてから第2の時間を経過したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ632とを含む。なお、ステップ632の判定結果がYESの場合、このルーチンは、TIMEOUTを戻り値として終了する。ステップ632の判定結果がNOの場合、制御はステップ620に戻る。
【0131】
第2の時間は、上述した「(ソフトウェアにより実現される動作の概略)」で述べた「所定時間(5秒)」に相当する時間であり、イベントが生じてから利用者からのアクションを待機するための制限時間であれば、どのような時間でもよい。本実施の形態では、第2の時間を5秒として定める。第2の時間は、携帯電話50の製造時に予め定められているものとする。
【0132】
このルーチンはさらに、ステップ628の判定結果がYESの場合に、利用者がトラックボール108の中心から指定LEDへの方向で、トラックボール108を回転させたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ630を含む。ステップ630の判定結果がYESの場合、このルーチンは、BALLOPEを戻り値として終了する。ステップ630の判定結果がNOの場合、制御はステップ632に進む。
【0133】
図28は、図23に示すステップ552の詳細なフローである。図28を参照して、このルーチンは、第3のLED104を点灯するステップ650と、ステップ650の後、ステップ650における点灯から第1の時間を経過するまで待機するステップ654と、ステップ654において、点灯から第1の時間を経過した場合に、第3のLED104を消灯するステップ656と、ステップ656の後、ステップ656における消灯から第1の時間を経過するまで待機するステップ660とを含む。
【0134】
このルーチンはさらに、ステップ660において、消灯から第1の時間を経過した場合に、トラックボール操作イベントが発生したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ662と、ステップ662の判定結果がNOの場合に、相手の端末が発呼を中断したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ666とを含む。なお、ステップ666の判定結果がYESの場合、このルーチンは、CALLSTOPを戻り値として終了する。ステップ666の判定結果がNOの場合、制御はステップ650に戻る。
【0135】
このルーチンはさらに、ステップ662の判定結果がYESの場合に、利用者がトラックボール108の中心から第3のLED104への方向で、トラックボール108を回転させたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ664を含む。なお、ステップ664の判定結果がYESの場合、このルーチンは、BALLOPEを戻り値として終了する。ステップ664の判定結果がNOの場合、制御はステップ666に進む。
【0136】
図29は、図15に示すステップ446、又は図19に示すステップ506の詳細なフローである。図29を参照して、このルーチンは、第1〜第3のLED100〜104を消灯するステップ692と、ステップ692の後、第1のLED100を点灯するステップ694と、ステップ694の後、ステップ694における点灯から第1の時間を経過するまで待機するステップ698と、ステップ698において、点灯から第1の時間を経過した場合に、第1のLED100を消灯するステップ700とを含む。このルーチンはさらに、ステップ700の後、第2のLED102を点灯するステップ702と、ステップ702の後、ステップ702における点灯から第1の時間を経過するまで待機するステップ706と、ステップ706において、点灯から第1の時間を経過した場合に、第2のLED102を消灯するステップ708とを含む。このルーチンはさらに、ステップ708の後、第3のLED104を点灯するステップ710と、ステップ710の後、ステップ710における点灯から第1の時間を経過するまで待機するステップ714と、ステップ714において、点灯から第1の時間を経過した場合に、第3のLED104を消灯するステップ716とを含む。
【0137】
このルーチンはさらに、ステップ716の後、利用者によるトラックボール108の操作が継続されているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ718と、ステップ718の判定結果がYESの場合に、トラックボール装置58が利用者によってどのように操作されたかを示す情報を上位アプリ実行部106に送信するステップ720と、ステップ720の後、このルーチンが開始されてから第2の時間が経過したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ722とを含む。このルーチンはさらに、ステップ722の判定結果がYESの場合に、後述するように、変数LED1F、LED2F、及びLED3Fの値にそれぞれ応じて、第1〜第3のLED100〜104を点灯又は消灯し、値BALLSTOPを戻り値として、このルーチンを終了するステップ724と、ステップ718の判定結果がNOの場合に、以下に述べるように、変数LED1F、LED2F、及びLED3Fの値にそれぞれ応じて、第1〜第3のLED100〜104を点灯又は消灯し、値BALLSTOPを戻り値として、このルーチンを終了するステップ728とを含む。なお、ステップ722の判定結果がNOの場合、制御はステップ694に戻る。
【0138】
図30は、図23に示すステップ546の詳細なフローである。図30を参照して、このルーチンは、図29に示すステップ692、694、698、700、702、706、708、710、714、及び716と同様の処理をそれぞれ行なうステップ692A、694A、698A、700A、702A、706A、708A、710A、714A、及び716Aを含む。
【0139】
このルーチンはさらに、ステップ716Aの後、利用者によるトラックボール108の操作が継続されているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ718Aと、ステップ718Aの判定結果がYESの場合に、トラックボール装置58が利用者によってどのように操作されたかを示す情報を上位アプリ実行部106に送信するステップ720Aと、ステップ720Aの後、相手の端末が発呼を中断したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ782とを含む。このルーチンはさらに、ステップ782の判定結果がYESの場合に、変数LED1F、LED2F、及びLED3Fの値にそれぞれ応じて、第1〜第3のLED100〜104を点灯又は消灯し、値BALLCONTを戻り値として、このルーチンを終了するステップ784と、ステップ718Aの判定結果がNOの場合に、変数LED1F、LED2F、及びLED3Fの値にそれぞれ応じて、第1〜第3のLED100〜104を点灯又は消灯し、値BALLSTOPを戻り値として、このルーチンを終了するステップ788とを含む。なお、ステップ782の判定結果がNOの場合、制御はステップ694Aに戻る。
【0140】
[動作]
図1〜図30を参照して、上記した構成を持つ本実施の形態に係る携帯電話50は以下のように動作する。
【0141】
携帯電話50が起動されると、携帯電話50は、第1〜第3のLED100〜104を消灯して、変数LED1F、LED2F、及びLED3Fの各々に0を代入する(図14に示すステップ400)。携帯電話50は、メニューアプリを実行する(図14に示すステップ404)。携帯電話50は、ローバッテリイベント、新着メールイベント、着呼イベント、及びトラックボール操作イベントのいずれかが生じるまで待機する(それぞれ図14に示すステップ406、408、412、及び416)。以後、これら4つのイベントを携帯電話50が待機している状態を、イベント待機状態と呼ぶ。
【0142】
携帯電話50がイベント待機状態であるときに、利用者が、トラックボール108を操作したものとする(図14に示すステップ416においてYES)。
【0143】
携帯電話50は、利用者によるトラックボール108の操作の内容をメニューアプリに反映させて、イベント待機状態に戻る。
【0144】
(ローバッテリイベントが生じた場合の動作)
−トラックボール操作中にローバッテリイベントが発生したとき
携帯電話50がイベント待機状態であるときに、ローバッテリイベントが生じたものとする(図14に示すステップ406においてYES)。また、当該ローバッテリイベントが生じたときに、利用者は、トラックボール108を操作して、メニューアプリを利用しているものとする。
【0145】
携帯電話50は、トラックボール108の操作の内容をメニューアプリに反映する(図15に示すステップ444)。携帯電話50は、第1〜第3のLED100〜104を順番に繰返し点灯するLED回転点灯処理を開始する(図29に示すステップ692、694、698、700、702、706、708、710、714、及び716)。
【0146】
LED回転点灯処理のように、全てのLEDを順番に点灯させることは、イベントの発生の通知を特に利用者に強調するためである。ローバッテリイベントが発生したときに、利用者が第1のLED100を覆い隠すようにトラックボール108を操作していた場合、第1のLED100を点滅させるだけでは、利用者はイベントの発生に気付かない場合がある。しかし、全てのLEDを順番に点灯させれば、いずれかのLEDから発せられた光が利用者の目に届く可能性が高くなるので、利用者はイベントが発生したことに気付きやすくなる。
【0147】
(A)LED回転点灯処理中に利用者がトラックボール108の操作を中止すると(図29に示すステップ718においてNO)、携帯電話50は、第1〜第3のLED100〜104を、変数LED1F、LED2F、及びLED3Fの値にしたがって点灯又は消灯する(図29に示すステップ728)。この結果、図15のステップ448の判定結果はYESとなり、ステップ450で第1のLED100の点滅処理が実行される。
【0148】
携帯電話50は、バックライトを消灯し(図27に示すステップ638)、第1のLED100を点滅する第1のLED点滅処理を行なう(図27に示すステップ620〜626)。
【0149】
携帯電話50が、第1のLED100を点滅させることは、ローバッテリイベントが生じたことに対して、何らかのアクションを行なわせることを利用者に促すための動作である。
【0150】
携帯電話50がLED点滅処理を開始してから第2の時間が経過するまでの間に、利用者が、利用者がLEDの点滅に気付き、トラックボール108の中心から第1のLED100の方向に向けて、トラックボール108を回転させたものとする。利用者によるこの動作は、利用者がローバッテリイベントの発生を認識したことを携帯電話50に通知するための動作である。
【0151】
携帯電話50は、第1のLED100のみを点灯させ、変数LED1Fに1を代入する(図15に示すステップ452)。携帯電話50は、バッテリ残量表示アプリを実行して、図18に示す、バッテリの残量を表示するダイアログボックス486を表示装置56に表示し、バックライトを消灯する(図15に示すステップ454)。
【0152】
利用者は、バックライトが消灯しており、ダイアログボックス486が表示されていることに気付くと、トラックボール108を操作することによってバッテリ残量表示アプリを利用する。携帯電話50は、利用者による操作の内容を、バッテリ残量表示アプリに反映する(図15に示すステップ460及び462)。こうして利用者が、ダイアログボックス486の確認ボタン482を押下すると(図15に示すステップ458においてYES)、携帯電話50は、イベント待機状態に戻る。
【0153】
(B)携帯電話50がLED回転点灯処理を開始してから第2の時間が経過しても、利用者が、LEDの点灯を無視して、トラックボール108の操作を継続し、携帯電話50の通常のアプリケーションを利用し続けているものとする。
【0154】
携帯電話50は、第1〜第3のLED100〜104を、変数LED1F、LED2F、及びLED3Fの値にしたがって点灯又は消灯させる(図29に示すステップ724)。
【0155】
携帯電話50は、第1のLED100を点灯させ、変数LED1Fに1を代入し、バックライトを消灯する(図15に示すステップ466)。携帯電話50は、イベント待機状態に戻る。
【0156】
その後、利用者が、携帯電話50の通常のアプリケーションの利用を継続したとしても、第1のLED100は点灯されたままの状態となる。したがって、利用者がアプリケーションの利用を終了した場合、第1のLED100が点灯されていることを認識すれば、利用者はローバッテリイベントに対して即座に対処することが可能となる。
【0157】
−トラックボール非操作中にローバッテリイベントが発生したとき
携帯電話50がイベント待機状態であるときに、ローバッテリイベントが生じたものとする。また、当該ローバッテリイベントが生じたとき、利用者は、トラックボール108を操作していないものとする。
【0158】
その場合、携帯電話50は、第1のLED100を点滅するLED点滅処理を行なう。その後の動作は、上記したステップ452以降の動作と同様である。
【0159】
(新着メールイベントが生じた場合の動作)
−トラックボール操作中に新着メールイベントが発生したとき
携帯電話50がイベント待機状態であるときに、新着メールイベントが生じたものとする。このとき、利用者は、トラックボール108を操作して、メニューアプリを利用しているものとする。
【0160】
携帯電話50は、トラックボール108の操作の内容をメニューアプリに反映する。携帯電話50はLED回転点灯処理を開始する。
【0161】
(A)携帯電話50がLED回転点灯処理を開始してから第2の時間が経過しても、利用者がトラックボール108の操作を継続している場合、携帯電話50は、第1〜第3のLED100〜104を、それぞれ変数LED1F,LED2F及びLED3Fの値にしたがって点灯又は消灯させる(図29に示すステップ724)。携帯電話50は、第2のLED102を点灯させ、変数LED2Fに1を代入し(図19に示すステップ522)、イベント待機状態に戻る。この結果、第2のLED102は点灯されたままの状態となる。したがって、この後に利用者が第2のLED102が点灯されていることに気付けば、利用者は新着メールイベントに即座に対処することが可能となる。
【0162】
(B)一方、LED回転点灯処理中に利用者がトラックボールの操作を中止すると(図29におけるステップ718からステップ728)、携帯電話50は、第1〜第3のLED100〜104を、それぞれ変数LED1F,LED2F及びLED3Fの値にしたがって点灯又は消灯させる(図29に示すステップ728)。この結果、図19のステップ508の判定結果はYESとなり、ステップ510で第2のLED102の点滅処理が実行される。
【0163】
このLED102の点滅処理が実行されているときに、利用者がトラックボールを第2のLED102の方向に回転させると、ステップ512の判定結果がYESとなる。制御はステップ532に進んで第2のLEDが消灯され、変数LED2Fに0が代入された後、未読メール表示アプリケーションが実行される(図19に示すステップ536)。未読メール表示アプリケーションの実行が終了すると、携帯電話50はイベント待機状態に戻る。
【0164】
ステップ510の第2のLED102の点滅処理において、所定時間が経過しても利用者がトラックボール108を第2のLED102の方向に回す操作を行なわなかった場合、ステップ512の判定結果はNOとなり、ステップ512、514及び518の処理が実行される。この結果、第2のLED102が点灯され、変数LED2Fに1が代入された後に(図19に示すステップ514)、新着メール通知アプリケーションが実行される(図19に示すステップ518)。この後、利用者が確認ボタンを押すまでこの画面が表示され、確認ボタンが押されると第2のLED102が消灯され、変数LED2Fに0が代入される(図19に示すステップ532)。さらに未読メール表示アプリケーションが実行されて(図19に示すステップ536〜542)、イベント待機状態に戻る。
【0165】
−トラックボール非操作中に新着メールイベントが発生したとき
携帯電話50がイベント待機状態であるときに、新着メールイベントが生じたものとする。また、新着メールイベントが生じたとき、利用者は、トラックボール108を操作していないものとする。
【0166】
その場合、携帯電話50は、第2のLED102を点滅するLED点滅処理を行なう。その後の動作は、上記したステップ512以降の動作と同様である。
【0167】
(着呼イベントが生じた場合の動作)
−トラックボール操作中に着呼イベントが発生したとき
携帯電話50がイベント待機状態であるときに、他の端末からの着呼を受ける着呼イベントが生じたものとする。また、着呼イベントが生じたとき、利用者は、トラックボール108を操作して、メニューアプリを利用しているものとする。携帯電話50は、LED回転点灯処理を始める。
【0168】
(A)携帯電話50がLED回転点灯処理を開始してから第2の時間が経過しても、利用者がトラックボール108の操作を継続している場合、携帯電話50は、第1〜第3のLED100〜104を、それぞれ変数LED1F,LED2F及びLED3Fの値にしたがって点灯又は消灯させる(図30に示すステップ784)。携帯電話50は、第3のLED104を点灯させ、変数LED3Fに1を代入し(図23に示すステップ566)、イベント待機状態に戻る。この結果、第3のLED104は点灯されたままの状態となる。したがって、この後に利用者が第3のLED104が点灯されていることに気付けば、利用者は着呼イベントに即座に対処することが可能となる。
【0169】
(B)一方、LED回転点灯処理中に利用者がトラックボールの操作を中止すると(図30におけるステップ718AにおいてNO)、携帯電話50は、第1〜第3のLED100〜104を、それぞれ変数LED1F,LED2F及びLED3Fの値にしたがって点灯又は消灯させる(図30に示すステップ788)。この結果、図23のステップ548の判定結果はYESとなり、着呼を受けたことを利用者に提示する画面が表示装置56に表示され(図23に示すステップ550)、ステップ552で第3のLED104の点滅処理が実行される。
【0170】
この第3のLED104の点滅処理が実行されているときに、利用者がトラックボールを第3のLED104の方向に回転させると、ステップ554の判定結果がYESとなる。制御はステップ556に進んで、携帯電話50は相手の端末との回線を接続し(図23に示すステップ556)、利用者は、相手の端末と通話する。通話が終了すると、携帯端末50は回線を切断する(図23に示すステップ560)。その後、第3のLED104が消灯され、変数LED3Fに0が代入された後、携帯電話50は、イベント待機状態に戻る(図23に示すステップ562)。
【0171】
ステップ552の第3のLED104の点滅処理において、利用者がトラックボール108を第3のLED104の方向に回す操作を行なう前に、相手の端末が発呼を中断した場合、ステップ554の判定結果はNOとなり、ステップ554、566A及び570の処理が実行される。この結果、第3のLED104が点灯され、変数LED3Fに1が代入された後に(図23に示すステップ566A)、不在着呼通知アプリが実行される(図23に示すステップ570)。この後、利用者が「閉じる」と表示されたボタンを押すまでこの画面が表示される。ボタンが押されると第3のLED104が消灯され、変数LED3Fに0が代入されて(図23に示すステップ562)、イベント待機状態に戻る。
【0172】
−トラックボール非操作中に着呼イベントが発生したとき
携帯電話50がイベント待機状態であるときに、着呼イベントが生じたものとする。また、着呼イベントが生じたとき、利用者は、トラックボール108を操作していないものとする。
【0173】
その場合、携帯電話50は、着呼を受けたことを利用者に提示する画面を表示装置56に表示して、第3のLED104を点滅するLED点滅処理を行なう。その後の動作は、上記したステップ554以降の動作と同様である。
【0174】
[本実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る携帯電話50では、トラックボール108の一部であって第2筐体52の表面上に露出する部分の周辺に、突出部200が配置されている。突出部200は、トラックボール108の露出する部分の周辺において、略円周上に配置しているので、突出部200が占める面積は小さくて済む。したがって、第2筐体52のサイズを大きくしたり、第2筐体52の表面に配置されている各キーのサイズを大きくしたりする必要がないので、従来の携帯電話のように持ち運びが便利であるという利点を損なうことがない。また、第2筐体52の表面に配置されている各キーのサイズを小さくする必要がないので、従来の携帯端末に備わっている操作性の良さは保証される。
【0175】
上記したように、持ち運びに便利であることと、操作性が良いこととに加えて、携帯電話50は、第1〜第3のLED100〜104を様々なパターンで点灯することにより、各種イベントの発生を利用者に通知する。したがって、利用者は、LEDの点灯パターンを確認することにより、どのイベントが生じたかを明確に認識することができる。
【0176】
[変形例]
上記した実施の形態に係る携帯端末は、携帯電話50であった。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されない。本発明に係る携帯端末は、持ち運びが便利であるように、重量が小さく、形状が薄くて小さいものであれば、どのようなものでも良い。例えば、携帯電話の他に、PHS(Personal Handyphone System)及びPDA(Personal Digital Assistant)等の個人用携帯情報端末でも良い。
【0177】
また、上記した実施の形態では、トラックボール108の周辺に配置された複数のLEDは、第1〜第3のLED100〜104の3つのLEDのみであった。しかし、本発明は、そのような実施の形態には限定されず、複数のLEDであれば、どれだけの数のLEDを設置しても良い。
【0178】
さらに、上記した実施の形態では、第1〜第3のLED100〜104が利用者に通知するイベントの種類は、ローバッテリイベント、新着メールイベント、及び着呼イベントのみであった。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されず、携帯端末が利用者に通知するイベントは、どのようなものでもよい。
【0179】
近年、携帯端末には、他の携帯端末と赤外線でデータを送受信する機能、サーバ装置から自動的に最新のニュースのデータを受信する機能、及びアラーム機能等のように利用者によって予め定められた時間に何らかの動作を起こす機能が備わっている。他の装置から赤外線でデータを受信したり、サーバ装置から最新のニュースのデータを受信したり、予め定められた時間に到達したりするイベントが生じた場合に、携帯端末に設置された複数のLEDで、イベントの発生を通知しても良い。
【0180】
さらに、上記した実施の形態では、トラックボール装置58の表面において、第1〜第3のLED100〜104の複数のLEDの内側に設置されるハードウェア部品はトラックボール108であった。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されず、複数のLEDの位置に関連して設置されるハードウェア部品は、トラックボール108以外の部品でも良い。例えば、そのようなハードウェア部品として、通常のキー、略十字形状のカーソルキーでもよい。また、そのようなハードウェア部品として、1つの円から別の円までの長さが短い略円筒形状の小型部品であるポインティングスティックでもよい。ポインティングスティックは、上側の円を含む部分が筐体の外部に露出するように、筺体内に設置されている。利用者は、ポインティングスティックの露出した部分に指を当てながら、あらゆる方向に力を加えることによって、表示装置上のカーソルを移動させたりすることが可能である。さらにそのようなハードウェア部品として、トグルスイッチ、レバースイッチ、スライドスイッチ、ロッカースイッチ、ディップスイッチ、及びプッシュスイッチ等の一般的なハードウェアスイッチのいずれでも良い。それらのハードウェア部品の周辺に複数のLEDを設置して、イベントの発生を利用者に通知しても良い。
【0181】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0182】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯電話50の外観構成を示す図である。
【図2】図1に示す携帯電話50のブロック図である。
【図3】図1に示す第2筐体52のカバーを取り外した場合の外観構成を示す図である。
【図4】図1に示すトラックボール装置58に含まれる配線基板140の上面図を示す図である。
【図5】図1に示すトラックボール装置58に含まれる機構構成部142の斜視図を示す図である。
【図6】図1に示すトラックボール装置58に含まれる機構構成部142の断面図を示す図である。
【図7】図1に示すトラックボール装置58の分解斜視図を示す図である。
【図8】第1〜第3のLED100〜104が点灯された場合に、突出部200による光の透過の様子を示す図である。
【図9】ローバッテリイベントが生じた場合の携帯電話50の動作の例について説明するための図である。
【図10】利用者が第1のLED100の方向にトラックボール108を回転させる様子を示す図である。
【図11】新着イベントが生じた場合の携帯電話50の動作の例について説明するための図である。
【図12】利用者が第2のLED102の方向にトラックボール108を回転させる様子を示す図である。
【図13】着呼イベントが生じた場合の携帯電話50の動作の例について説明するための図である。
【図14】システム部96の機能を実現するコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図15】図14に示すステップ420の詳細なフローである。
【図16】第1〜第3のLED100〜104を順番に繰返し点灯する方法を示す図である。
【図17】第1のLED100の点滅の仕方を示す図である。
【図18】バッテリ残量情報表示アプリを実行したときに、表示装置56に表示される画像である。
【図19】図14に示すステップ410の詳細なフローである。
【図20】第2のLED102の点滅の仕方を示す図である。
【図21】新着メール通知アプリを実行したときに、表示装置56に表示される画像である。
【図22】未読メール表示アプリを実行したときに、表示装置56に表示される画像である。
【図23】図14に示すステップ414の詳細なフローである。
【図24】着呼を受けたことを利用者に提示するための画面を示す図である。
【図25】第3のLED104の点滅の仕方を示す図である。
【図26】不在着呼通知アプリを実行したときに、表示装置56に表示される画像である。
【図27】図15に示すステップ450、又は図19に示すステップ510の詳細なフローである。
【図28】図23に示すステップ552の詳細なフローである。
【図29】図15に示すステップ446、又は図19に示すステップ506の詳細なフローである。
【図30】図23に示すステップ546の詳細なフローである。
【符号の説明】
【0183】
50 携帯電話
52 第2筐体
54 第1筐体
56 表示装置
58 トラックボール装置
74 スピーカ
78 マイク
90 入力装置
92 記憶部
94 メモリ
96 システム部
98 無線通信装置
100 第1のLED
102 第2のLED
104 第3のLED
106 上位アプリケーション実行部
108 トラックボール
140 配線基板
142 機構構成部
200 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する筐体と、
前記筐体内の、前記開口部に臨む位置に設けられた基板と、
前記基板上の、前記開口部に対向した所定位置上に設けられ、前記筐体の開口部を介して前記筐体の外部に一部が露出した操作部材を有する入力デバイスと、
前記基板上の、前記所定位置から互いにほぼ等しい位置に配置された、互いに異なる色を発光する複数の発光体と、
前記基板上の前記複数の発光体の位置から、前記筐体の開口部の、前記操作部材の外周に接する領域まで、前記操作部材を囲むように設けられた導光部材とを含む、携帯端末。
【請求項2】
前記筐体は、
表示部を有する第1の筐体と、
操作入力部を有する第2の筐体と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを、所定の第1のスタイル及び第2のスタイルの間で移動可能に連結する連結機構部とを含み、
前記第1のスタイルでは前記第2の筐体の前記操作入力部が前記第1の筐体によって覆われ、
前記第2のスタイルでは前記第2の筐体の前記操作入力部が露出され、
前記開口部は前記第1の筐体及び前記第2の筐体のうちのいずれか一方の、前記第2のスタイル時に露出される位置に形成され、
前記基板、前記入力デバイス、前記複数の発光体、及び前記導光部材も、当該一方の筐体内に設けられる、請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記携帯端末はさらに、前記入力デバイスが操作されている間に前記携帯端末においてあるイベントが発生したことに応答して、前記複数の発光体をそれぞれ所定の発光態様で発光させるための第1の発光制御手段を含む、請求項1又は請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記携帯端末はさらに、前記第1の発光制御手段が前記複数の発光体を前記所定の発光態様で点滅させている間に、前記操作部材の操作が中断されたことに応答して、前記複数の発光体のうち、前記あるイベントに対応する発光体以外の発光体を消灯させるための手段を含む、請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記携帯端末はさらに、前記第1の発光制御手段が前記複数の発光体を前記所定の発光態様で点滅させている間に、前記あるイベントの継続が停止したことに応答して、前記複数の発光体のうち、前記あるイベントに対応する発光体以外の発光体を消灯させるための手段を含む、請求項3又は請求項4に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記携帯端末はさらに、前記第1の発光制御手段が前記複数の発光体を前記所定の発光態様で点滅させている間に、所定時間が経過したことに応答して、前記複数の発光体のうち、前記あるイベントに対応する発光体以外の発光体を消灯させるための手段を含む、請求項3〜請求項5のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項7】
前記携帯端末はさらに、前記あるイベントに対応する発光体以外の発光体が消灯されたときに、前記あるイベントに対応する発光体の点滅を停止して点灯させるための手段を含む、請求項4〜請求項6のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項8】
前記第1の発光制御手段は、前記入力デバイスが操作されている間に前記携帯端末において前記あるイベントが発生したことに応答して、前記複数の発光体のうちの第1の発光体群及び第2の発光体群がそれぞれ消灯及び点灯している第1の状態と、前記第1の発光体群及び前記第2の発光体群がそれぞれ点灯及び消灯している第2の状態とを所定の時間において繰返し、かつ当該繰返しの間には前記複数の発光体の全てが1度は点灯するように前記複数の発光体を制御するための手段を含む、請求項3〜請求項7のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項9】
前記携帯端末はさらに、前記入力デバイスが操作されていない間に前記携帯端末において特定のイベントが発生したことに応答して、前記複数の発光体のうち、前記特定のイベントに対応する発光体を所定の発光態様で発光させるための第2の発光制御手段と、
前記第2の発光制御手段が前記特定のイベントに対応する発光体を所定の発光態様で発光させているときに、前記入力デバイスに対する特定の操作が行なわれたことに応答して、前記特定のイベントに関する応答処理を実行するための応答手段とを含む、請求項3〜請求項8のいずれかに記載の携帯端末。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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