説明

携帯端末

【課題】本発明は、表示・操作入力が可能なタッチスクリーンを備え、タッチスクリーンに一度に多くの情報を表示できるとともに、ユーザがタッチスクリーンに表示された操作可能な項目を片手で簡単に選択できる携帯端末を提供する。
【解決手段】データの表示及び操作入力を行うタッチスクリーンを備えるとともに、タッチスクリーンに、操作可能な項目を含んだ表示情報を表示する第1の表示手段30と、第1の表示手段の表示情報からユーザにより操作可能な項目を抽出する抽出手段と、抽出された項目をタッチスクリーンに上位レイヤで表示する第2の表示手段33と、第2の表示手段33により表示された項目に対する操作入力を、第1の表示手段により表示された項目に対する操作入力として受け付ける受付手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データの表示・操作入力を行うタッチスクリーンを備え、リンクやテキストボックス等の入力インタフェースを表示する際に、ユーザの持ち手の指で選択可能な位置にこれらのインタフェースをまとめて表示することができる携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等の携帯端末の小型化が進み、ユーザが片手のみを用いて操作できる携帯端末が増えてきている。ユーザが片手で携帯端末のタッチスクリーンを操作する場合、ユーザの持ち手の指から遠い位置に表示された項目をその指のみで操作するのは困難であった。
【0003】
そこで、ユーザに特に意識させることなく、ユーザにとって最適な表示を行なうことができる、持ちやすい情報処理装置が提案されている(特許文献1参照)。この情報処理装置は、片手で保持可能な大きさの、主表面を有する概略長方体形状を有する扁平な筐体を含み、筐体は、主表面をはさんで配置された第1及び第2の側面を有し、さらに、主表面に設けられた表示面を有する表示装置と、第1及び第2の側面に設けられ、第1及び第2の側面と人の手との接触領域の分布を検知するためのシート状の感圧センサと、感圧センサの出力に基づいて、表示装置により表示面上に表示される内容を制御するための制御部とを含むものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−27183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、携帯電話機等の携帯端末の多機能化/高機能化が進み、ユーザがディスプレイに触れることにより操作入力できるタッチスクリーンが搭載された携帯端末が増えてきている。これらの携帯端末において一度に表示可能な情報が多くなるのに伴い、ユーザにより多くの情報を提供するために、タッチスクリーンに表示される文字や画像が小さく表示されるようになってきている。そして、タッチスクリーンにおいて、リンクや選択ボタンやテキストボックス等の、ユーザにより操作される項目でさえも小さく表示されるようになり、特にユーザの指よりも小さく表示された場合には、ユーザが指を使って所望の項目を選択するのが難しくなってきている。
【0006】
また、タッチスクリーンにおいて、ユーザの持ち手の指で届かない位置に操作可能な項目が表示されてしまった場合には、ユーザが持ち手の指でその項目を選択することが難しくなってしまう。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされてものであり、表示・操作入力が可能なタッチスクリーンを備え、タッチスクリーンに一度に多くの情報を表示できるとともに、ユーザがタッチスクリーンに表示された操作可能な項目を簡単に選択できる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯端末は、データの表示及び操作入力を行うタッチスクリーンを備えるとともに、前記タッチスクリーンに、操作可能な項目を含んだ表示情報を表示する第1の表示手段と、前記第1の表示手段の表示情報からユーザにより操作可能な項目を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された項目を前記タッチスクリーンに上位レイヤで表示する第2の表示手段と、前記第2の表示手段により表示された項目に対する操作入力を、前記第1の表示手段により表示された項目に対する操作入力として受け付ける第1の受付手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る携帯端末によると、表示・操作入力が可能なタッチスクリーンを備え、タッチスクリーンに一度に多くの情報を表示できるとともに、ユーザがタッチスクリーンに表示された操作可能な項目を簡単に選択することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)を示す斜視図。
【図2】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)の機能ブロック図。
【図3】(A)は、本発明に係る携帯端末(携帯電話機)の表示画面にWebページが表示された場合の一例を示す画面図、(B)は、本発明に係る携帯端末(携帯電話機)の表示画面にWebページが表示されるとともに、そのWebページにおける操作可能な項目を選択するための入力パネルが表示された場合の一例を示す画面図。
【図4】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)が表示制御処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図5】操作可能の項目と識別情報との対応情報を示すデータ構成図。
【図6】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)の表示画面に表示された入力パネルから、項目が選択された場合の一例を示す画面図。
【図7】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)の表示画面に表示された入力パネルから、項目が選択された場合の一例を示す画面図。
【図8】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)の表示画面に表示された入力パネルから、項目が選択された場合の一例を示す画面図。
【図9】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)の表示画面にWebページが表示されるとともに、そのWebページにおける操作可能な項目を選択するための入力パネルが表示された場合の一例を示す画面図。
【図10】本発明に係る携帯端末(携帯電話機)の表示画面にWebページが表示されるとともに、そのWebページにおける操作可能な項目を選択するための入力パネルが表示された場合の一例を示す画面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る携帯端末の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本発明に係る携帯端末として、カード型に形成され、ユーザがディスプレイを指で触れることで操作することができる携帯電話機1を例に挙げて説明する。図1は、携帯電話機1を示す斜視図である。
【0012】
携帯電話機1は、図1に示すように、矩形の板状の筐体11を備えている。筐体11の一方の面には、文字や画像等からなる画面を表示するとともに、指やペン等の接触を検知することにより情報を入力するタッチスクリーン12と、音声を出力するためのスピーカ13と、音声を入力するためのマイクロフォン14と、携帯電話機1の電源のON/OFF状態を切り替えるための電源ボタン15とを備えている。
【0013】
タッチスクリーン12は、文字や画像等からなる画面を表示する表示機能、及び、指や専用のペンが画面に触れることで、その触れた位置に基づいた情報が入力される入力機能の双方の機能を備えたディスプレイである。タッチスクリーン12は、例えば、ディスプレイの上面に表面の接触を検知するための素子が複数配置され、さらにその上に透明なスクリーンが積層されることにより形成されている。また、タッチスクリーン12上での接触を検知する方法は、圧力の変化を感知する感圧式であっても、静電気による電気信号を感知する静電式、その他の方法であっても良い。
【0014】
次に、携帯電話機1の機能について、図2に示す機能ブロック図に基づいて説明する。携帯電話機1は、図2に示すように、主制御部20、電源回路部21、操作入力制御部22、表示制御部23、記憶部24、音声制御部25、及び通信制御部26がバスによって相互に電気的に接続されて構成されている。
【0015】
主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)を具備し、携帯電話機1の総括的な制御を行うとともに、後述する表示制御処理や、その他様々な演算処理や制御処理等を行う。電源回路部21は、ユーザによる電源ボタン15を介した入力に基づいて電源のオン/オフ状態を切り替え、電源がオン状態の場合に内蔵されている電力供給源(バッテリ等)または外部に接続されている電力供給源から各部に対して電力を供給して、携帯電話機1を動作可能にする。
【0016】
入力制御部22はタッチスクリーン12に対する入力インタフェースを備え、例えばタッチスクリーン12にかかった圧力を検出して、この位置を示す信号を生成し、この信号を主制御部20に伝送する。表示制御部23はタッチスクリーン12に対する表示インタフェースを備え、主制御部20の制御に基づいて、文字や画像等を含んだ表示画面をタッチスクリーン12に表示する。
【0017】
記憶部24は、主制御部20が行う処理の処理プログラムや処理に必要なデータ等を格納するROM(Read Only Memory)やハードディスク、不揮発性メモリ、主制御部20が処理を行う際に使用されるデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等の記憶装置からなる。なお、主制御部20が行う表示制御処理に使用される処理プログラムやデータ等は、記憶部24に記憶されているものとする。
【0018】
音声制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン14により入力された音声からアナログ音声信号を生成し、このアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。また音声制御部25は、デジタル音声信号を取得すると、主制御部20の制御に基づいて、このデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ13から音声として出力する。
【0019】
通信制御部26は、主制御部20の制御に基づいて、基地局からアンテナ26aを介して受信した受信信号をスペクトラム逆拡散処理してデータを復元する。このデータは、主制御部20の指示により、音声制御部25に伝送されてスピーカ13から出力されたり、表示制御部23に伝送されてタッチスクリーン12に表示されたり、または記憶部24に記憶されたりする。
【0020】
また通信制御部26は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン14を介して入力された音声信号やタッチスクリーン12を介して入力されたデータや記憶部24に記憶されたデータを取得すると、これらのデータに対してスペクトラム拡散処理を行い、基地局に対してアンテナ26aを介して送信する。
【0021】
ここで、例えば図3(A)に示すように、携帯電話機1の高機能化に伴い、タッチスクリーン12に表示される情報が多くなると、各々の表示項目がタッチスクリーン12の表示画面30において縮小されて表示されてしまい、ユーザが持ち手の指で所望の項目を選択する場合等に、それらの項目を正確に操作することが難しくなってしまっていた。
【0022】
また、ユーザが携帯電話機1を保持した状態で、タッチスクリーン12の表示画面30において全面に情報が表示された際に、ユーザの持ち手の指で届かない範囲が生じるため、ユーザが持ち手でない側の手の指でタッチスクリーン12の操作を行わなければならない場面も考えられる。
【0023】
そこで携帯電話機1は、表示画面30上に表示されている情報の中から、ユーザにより操作可能な項目を抽出し、それらの抽出された項目をユーザの持ち手の指の近辺にまとめて表示することで、ユーザが持ち手の指で簡単にタッチスクリーン12を操作できる機能を備えている。
【0024】
すなわち携帯電話機1は、タッチスクリーン12の表示画面30から操作可能な項目を抽出する。例えば図3(B)に示すように、表示画面30にWebページが表示されていて、表示画面30にリンク31やテキストボックス32等のユーザにより操作可能な項目が含まれている場合には、携帯電話機1は、これらの操作可能な項目に対して識別子(例えば識別番号)を付し、表示画面30において、各々の項目の上に識別子をそれぞれオーバーレイ等で重ねて表示する。
【0025】
例えば図3(B)に示すように、表示画面30の最上部にある3つのリンク31にそれぞれ「1」乃至「3」の番号が付されオーバーレイで表示され、上から2段目にある3つのリンク31にそれぞれ「4」乃至「6」の番号が付されオーバーレイで表示され、上から3段目にあるテキストボックス32に「7」の番号が付されオーバーレイで表示され、上から4段目にある2つのリンク31にそれぞれ「8」及び「9」の番号が付されオーバーレイで表示されている。
【0026】
一方で携帯電話機1は、ユーザにより操作可能な項目に対して付された識別子にそれぞれ対応する識別子ボタン34を入力パネル33に配置し、この入力パネル33を表示画面30に、ユーザの持ち手の指で操作しやすい位置にオーバーレイで表示する。この際、携帯電話機1は、表示画面30に入力パネル33を表示している間は、誤動作防止のために、元々の表示画面30に表示されている各々の項目を操作無効にする。
【0027】
携帯電話機1は、入力パネル33に表示された識別子ボタン34を、もともとの表示画面30上の項目にそれぞれ関連付けておき、ユーザにより入力パネル33上のいずれかの識別子ボタン34が選択された場合に、この識別子に関連付けられた項目が選択されたものとして、表示画面30においてこの項目が選択された場合の処理を行う。
【0028】
携帯電話機1は、ユーザにより操作可能な項目をタッチスクリーン12に表示した場合に、タッチスクリーン12を用いた所定操作等によるユーザによる指示に従って、これらの操作可能な項目を入力パネル33を用いてユーザの持ち手の指の近辺にまとめて表示する(なお、ユーザの持ち手の指の近辺とは、例えば携帯電話機1の右下の固定の点の近辺とすることが望ましいが、これに限定されず、他の固定の点の近辺でもよい)。携帯電話機1がこの表示制御処理を行う際の手順について、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。以下、例えば「ステップS101」を「S101」のように、「ステップ」の語句を省略して説明する。
【0029】
携帯電話機1がタッチスクリーン12に表示画面30を表示しているとき、例えばユーザは表示画面30に表示された「抽出」ボタン30aを選択したり、タッチスクリーン12を線状に滑らせながら触れたりすることで、携帯電話機1に対して、この表示画面30に表示されているリンクやテキストボックス等を操作するための入力パネル33を表示させるように指示を出す。ユーザにより入力パネル33の表示が指示された場合、まず主制御部20は、一つの操作で複数の動作が実行されてしまう等の誤動作を防止するために、表示画面30における直接の操作を無効化する(S101)。すなわち主制御部20は、図3(B)に示すように、表示画面30にリンク31等が表示されていて、ユーザにより表示画面30上のこれらのリンク31等が選択されたときに、この選択を無効にするように制御する。
【0030】
主制御部20は、表示画面30に表示されているコンテンツを解析して、ユーザにより操作可能な項目(例えばリンクやボタン、テキストボックス、選択ボックス等)を所定個数抽出する(S102)。このときの所定個数は、入力パネル33に表示できる個数であり、例えば、識別子「1」乃至「9」によって識別される9個である。操作可能な項目が所定個数に達していない場合は、すべての操作可能な項目が抽出される。
【0031】
主制御部20は、ステップS102(またはステップS110)にて抽出された操作可能な項目の表示位置、及びこの項目が選択された場合の動作をそれぞれ識別子に対応付けて対応情報40を生成し、この対応情報40を記憶部26に記憶する(S103)。対応情報40は、例えば図5に示すように、操作可能な項目の識別子を示す識別子情報41に対して、この項目の表示位置を示す表示位置情報42、この項目が選択された場合の動作を示す動作情報43が対応付けられた情報である。
【0032】
対応情報40において、例えば図5に示すように、識別子「1」の項目に対して、表示位置(70,70)及び「http://www.xx1.jpのホームページを表示する」の動作が対応付けられていて、また、識別子「7」の項目に対して、表示位置(150,115)及び「テキストボックスにカーソルを合わせてキーボードを表示する」の動作が対応付けられている。
【0033】
主制御部20は、ステップS102にて抽出された操作可能な項目に対して、ステップS103にて対応付けられた識別子を、上位レイヤを用いて表示画面30に表示する(S104)。例えば図3(B)に示すように、表示画面30における各々の項目に対して、各々の識別子が各々の項目の近辺に表示されるため、ユーザは、各々の項目がどの識別子に対応するかを確認することができる。
【0034】
主制御部20は、ユーザにより選択可能なように識別子を配置した入力パネル33を、表示画面30におけるユーザの保持している位置の近辺(例えばユーザが携帯電話機1を右手で保持する設定をしている場合は、携帯電話機1の表示画面30の右下の固定部分の近辺領域)に表示する(S105)。例えば図3(B)に示すように、表示画面30に、「1」乃至「9」の識別子ボタン34が配置された入力パネル33が表示される。また、この入力パネル33には、上位の操作可能な項目を表示させるための「↑」や、下位の操作可能な項目を表示させるための「↓」等の矢印ボタン35、入力パネル33を非表示にするための「×」等の終了ボタン36が配置されている。
【0035】
ユーザは、この入力パネル33の中から任意の識別子ボタン34または矢印ボタン35や終了ボタン36を例えば指で触れることにより、入力パネル33を操作する。よって主制御部20は、入力パネル33が操作されたか否かを判断する(S106)。入力パネル33が操作されていない場合(S106のNo)は、主制御部20は入力パネル33が操作されるまで待機する。
【0036】
入力パネル33が操作された場合(S106のYes)は、主制御部20は、ステップS104にて表示画面30への表示が開始された識別子、及び、ステップS105にて表示画面30への表示が開始された入力パネル33について、表示を終了する(S107)。
【0037】
主制御部20は、ステップS106における入力内容を判断する(S108)。入力パネル33に配置された「1」乃至「9」の識別子ボタン34のいずれかが選択された場合(S108;識別子)は、主制御部20は、ステップS103にて記憶部26に記憶した対応情報40に基づいて、選択された識別子に対応付けられた動作を実行する(S109)。
【0038】
例えばユーザにより「1」の識別子ボタン34が選択された場合には、対応情報40において識別子「1」に対応付けられた動作である「http://www.xx1.jpのホームページを表示する」に従い、図6に示すように、タッチスクリーン12の表示画面30にこのホームページを表示する。
【0039】
また、例えばユーザにより「7」の識別子ボタン34が選択された場合には、対応情報40において識別子「7」に対応付けられた動作である「テキストボックスにカーソルを合わせてキーボードを表示する」に従い、図7に示すように、テキストボックス32にカーソルを設定して、表示画面30の下部にソフトウェアキーボード37を表示する。このソフトウェアキーボード37が表示された表示画面30上において、ユーザが指やペン等で各々のキーの位置に触れることで、この触れた位置にあるキーに対応した文字列がテキストボックス32に入力される。
【0040】
また、例えばユーザにより「↑」または「↓」等の矢印ボタン35が選択された場合(S108;矢印)は、ステップS102にて抽出された項目に対して、「↓」ボタンが選択されたら下の項目を所定個数だけ抽出し、「↑」ボタンが選択されたら上の項目を所定個数だけ抽出する(S110)。そしてステップS103に戻って、主制御部20は再びステップS103乃至S108の処理を行う。
【0041】
例えば図3(B)に示す状態で操作可能な項目に識別子が付されていた際に、「↓」ボタンが選択された場合には、図8に示すように、ステップS103にて、それらの項目の下に配置されている操作可能な項目に対して、上から順に識別子を付け直し、ステップS104にて、この識別子を表示画面30において表示し、ステップS105にて、これらの識別子に対応する入力パネル33を表示する。
【0042】
ステップS109にて識別子に対応した動作を実行した後、または、ユーザにより終了ボタン36が選択された場合(S108;終了)は、主制御部20は、ステップS101にて無効にした表示画面30における直接の操作を有効にする(S111)。これにより、表示画面30は、再び図3(A)に示す状態で表示され、ユーザは、指やペン等で元々の表示画面30を触れることにより、携帯電話機1を操作することができる。
【0043】
このように携帯電話機1は、ユーザにより操作可能な項目をタッチスクリーン12に表示する場合に、これらの操作可能な項目を抽出して、各々の項目に対して識別子を付し、表示画面30における各々の項目上にオーバーレイ等でその識別子を表示するとともに、各々の項目に関連付けられた識別子ボタン34を配置した入力パネル33を、表示画面30においてユーザが操作しやすい位置に表示する。
【0044】
ユーザは、入力パネル33上の識別子ボタン34を選択することにより各々の項目を選択する。そして携帯電話機1は、ユーザにより選択された項目がリンクであった場合には、リンク先のコンテンツを表示する。ユーザにより選択された項目が文字列を入力するためのテキストボックスであった場合には、このテキストボックスにカーソルを移動させ、ソフトウェアキーボード37を表示する。また、ユーザにより選択された項目が矢印ボタン35であった場合には、入力パネル33に配置する項目の抽出対象とする範囲を切り替える。その際に、必要に応じて表示画面30がスクロールされるようにすると良い。
【0045】
この際、携帯電話機1は、抽出対象とする項目の個数を無制限にしてしまうと視認性や操作性に問題が生じる恐れがあるため、抽出対象とする項目の個数を制限するとともに、選択可能な範囲を切り替えながら動作させるようにしている。
【0046】
また携帯電話機1は、表示画面30に入力パネル33が表示されている間は、誤動作防止のために、元々の表示画面30に表示されている項目の操作入力を無効にし、直接操作できないようにしている。このとき、有効な操作対象を明確にするために、元々の表示画面30のコントラストが低くなるように設定されるようにすると良い。
【0047】
なお、ユーザにより操作可能な項目を抽出する際に、表示画面30における抽出対象の項目や、表示画面30において各々の項目に対して付された識別子、入力パネル33における識別子の表示を大きく拡大して表示するようにしても良い。または、表示画面30上における入力パネル33の表示位置を、ユーザの持ち手に合わせて変更するようにしても良い。この際、例えばユーザが右手で携帯電話機1を保持していた場合には、表示画面30における右下部分に表示し、ユーザが左手で携帯電話機1を保持する設定をしていた場合には、表示画面30における左下部分に表示すると良い。
【0048】
また、タッチスクリーン12が長押しされたことに基づいて、操作可能な項目を抽出して入力パネル33を表示するようにし、このとき、タッチスクリーン12の表示画面30上における長押しされた位置を入力パネル33の表示位置としても良い。
【0049】
さらに、表示画面30において操作可能な項目が密集して表示されていて、表示画面30に識別子が表示された際に複数の識別子が重なってしまって見えづらい場合には、携帯電話機1は、項目の直上に識別子を表示せずに、各々の識別子が重ならないように離れた位置に表示する。その場合には、携帯電話機1は、識別子とそれに関連付けられた項目とをそれぞれ線で結んで、関連付けを明確にして表示すると良い。
【0050】
また、本発明の実施形態として、操作可能な項目に対して識別子を付して、それらの識別子を入力パネル33に配置する例について説明したが、これに限定されず、例えば図9に示すように、操作可能な項目がリンクである場合にはリンク先を示す情報、テキストボックスであればテキストボックスに入力される内容を示す情報等、文字列を識別子として操作可能な項目に付し、これらの文字列を示す識別子ボタン34Aを入力パネル33Aに配置して、この文字列に基づいてユーザに項目を選択させるようにしても良い。例えば画面がHTML(HyperText Markup Language)で記述されている場合には、“alt(代替テキスト)”等の属性情報に基づいて表示するようにすると良い。また、例えば画面がアプリケーションプログラムにより生成されている場合には、そのアプリケーションプログラムのインタフェースから名称を抽出して表示するようにすると良い。
【0051】
また、本発明の実施形態として、操作可能な項目に対して「1」乃至「9」の識別子を付して、9個の項目を入力パネル33に配置する例について説明したが、これに限定されず、例えば図10に示すように、10以上の項目に対して識別子を付して、「0」乃至「9」の識別子ボタン34が配置された入力パネル33Bを表示して、ユーザにこの入力パネル33Bから複数の識別子ボタン34を選択させることにより、2桁以上の識別子を入力させるようにしても良い。例えばユーザが入力パネル33Bにおいて「0」、「2」と順に選択した場合には、「2」の識別子が選択されたものとし、また、ユーザが入力パネル33Bにおいて「1」、「2」と順に選択した場合には、「12」の識別子が選択されたものする。
【0052】
本発明の説明として、タッチスクリーン12にWebページが表示された場合の例について説明したが、これに限定されず、操作可能な項目を表示する画面であれば、任意の画面に対して上述した表示制御処理を適用できる。
【0053】
本発明に係る携帯端末(携帯電話機1)によると、表示・入力の双方が可能なタッチスクリーン12を備え、タッチスクリーン12に一度に多くの情報を表示できるとともに、表示情報のうちユーザにより操作可能な項目を、ユーザの持ち手の指の近辺にまとめて表示することにより、ユーザがタッチスクリーン12に表示された操作可能な項目を片手で簡単に選択することが可能になる。
【0054】
本発明の説明として、携帯電話機1について説明したが、これに限定されず、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯型音楽プレイヤー、携帯型ゲーム機等、タッチスクリーンを備えた携帯端末であれば任意の携帯端末で構わない。
【符号の説明】
【0055】
1…携帯電話機、11…筐体,12…タッチスクリーン,13…スピーカ,14…マイクロフォン,15…電源ボタン,20…主制御部,21…電源回路部,22…入力制御部,23…表示制御部,24…記憶部,25…音声制御部,26…通信制御部,26a…アンテナ,30…表示画面、31…リンク、32…テキストボックス、33…入力パネル、34…識別子ボタン、35…矢印ボタン、36…終了ボタン、37…ソフトウェアキーボード、40…対応情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの表示及び操作入力を行うタッチスクリーンを備えるとともに、
前記タッチスクリーンに、操作可能な項目を含んだ表示情報を表示する第1の表示手段と、
前記第1の表示手段の表示情報からユーザにより操作可能な項目を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された項目を前記タッチスクリーンに上位レイヤで表示する第2の表示手段と、
前記第2の表示手段により表示された項目に対する操作入力を、前記第1の表示手段により表示された項目に対する操作入力として受け付ける第1の受付手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記第2の表示手段に表示させるための指示を受け付ける第2の受付手段を備え、
前記抽出手段は、前記第2の受付手段により指示が受け付けられたことに基づいて、抽出を開始し、
前記第2の表示手段は、前記第1の受付手段により操作入力が受け付けられた場合、表示を終了することを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記第2の表示手段により表示がされている間、前記第1の表示手段における操作入力を禁止する禁止手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記抽出手段は、所定個数の操作可能な項目を抽出するとともに、
前記抽出手段により抽出される項目を変更させるための指示を受け付ける第3の受付手段を備え、
前記第3の受付手段により指示が受け付けられた場合、前記抽出手段は、抽出対象とする項目を変更して再度操作可能な項目を抽出し、第2の表示手段は、前記抽出手段により再度抽出された項目を表示することを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項5】
前記第2の表示手段は、前記抽出手段により抽出された各々の項目に識別子を付して、それらの識別子を表示し、
前記第1の表示手段は、前記第2の表示手段により各々の項目の識別子が表示されている間、前記各々の項目に対して上位レイヤで識別子を表示することを特徴とする請求項1記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−160564(P2010−160564A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−969(P2009−969)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】