説明

携帯表示装置、表示状態変更方法およびプログラム

【課題】操作上の利便性を確保しつつ、その操作と保持とを片手で同時に行う。
【解決手段】筐体の所定の面に設けられた表示部と、筐体の所定の面とは異なる面に設けられ、物体が近接または接触した位置を検知することで、スライド操作を含む複数の種類の入力操作のそれぞれを受け付ける入力部と、スライド操作以外の所定の入力操作が受け付けられると、表示部に表示された表示画像の表示状態を変化させる際の複数の種類の態様のいずれかを選択し、スライド操作が受け付けられると、当該スライド操作における物体の移動方向と移動距離とに基づき、表示画像の表示状態を選択した態様で変化させる制御部とを有し、制御部は、複数の種類の態様のいずれかを選択すると、選択した態様で表示画像の表示状態を変化させるときのスライド操作における物体の移動方向をスライド操作の操作者に認識させるためのガイダンス情報を表示部に表示させる携帯表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示することが可能な携帯表示装置、表示状態変更方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを備えた携帯端末等の携帯表示装置の操作者は、タッチパネルに指等の物体で接触することでタッチパネルに表示された表示画像の表示状態を変化させることができる。
【0003】
操作者は例えば、2本の指でタッチパネルに接触し、接触させたままその2本の指の間の間隔を広げたり、縮めたりすることで、タッチパネルに表示された表示画像の表示倍率を拡大させたり、縮小させたりすることができる。この場合、操作者は片手で携帯表示装置を保持しつつ、もう一方の手の指でタッチパネルを操作することになる。
【0004】
このように、操作者は、表示画像の表示状態を変化させるための操作と保持とを片手で同時に行うのが難しい場合がある。
【0005】
そこで、操作者が表示画像の表示状態を変化させるための操作と保持とを片手で同時に行うことを可能にする技術が求められ、これを可能にする技術が例えば、特許文献1に開示されている。
【0006】
特許文献1に開示されている技術において携帯電話機には、筺体の前面に表示画面が設けられ、筺体の4つの側面のそれぞれにタッチパッドが設けられている。そして、操作者は、その4つのタッチパッドのうちの少なくとも1つに対してスライド操作することで表示画面に表示された画像をスクロールさせたり、表示倍率を変更させたりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−117842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献1に開示されている技術を用いることで操作者は、表示画像の表示状態を変化させるための操作と保持とを片手で同時に行うことが可能となる。
【0009】
しかし、特許文献1に開示されている技術を用いた場合、操作者は、表示画像の表示状態を変化させる態様毎に、4つのタッチパッドのうちスライド操作するタッチパッドや、スライド操作において指等を移動させる方向を覚えておかなくてはならない。つまり、操作上の利便性が確保されていないという問題点がある。
【0010】
本発明は、操作上の利便性を確保しつつ、その操作と保持とを片手で同時に行うことを可能にする携帯表示装置、表示状態変更方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明の携帯表示装置は、
筐体の所定の面に設けられた表示部と、
前記筐体の前記所定の面とは異なる面に設けられ、物体が近接または接触した位置を検知することで、前記物体が近接または接触しながら移動するスライド操作を含む複数の種類の入力操作のそれぞれを受け付ける入力部と、
前記複数の種類の入力操作のうち前記スライド操作以外の所定の入力操作が前記入力部にて受け付けられると、前記表示部に表示された表示画像の表示状態を変化させる際の複数の種類の態様のいずれかを選択し、前記入力部にて前記スライド操作が受け付けられると、当該スライド操作における前記物体の移動方向と移動距離とに基づき、前記表示画像の表示状態を前記選択した態様で変化させる制御部と、を有し、
前記制御部は、前記複数の種類の態様のいずれかを選択すると、該選択した態様で前記表示画像の表示状態を変化させるときの前記スライド操作における前記物体の移動方向を前記スライド操作の操作者に認識させるためのガイダンス情報を前記表示部に表示させる。
【0012】
また、上記目的を達成するために本発明の表示状態変更方法は、筐体の所定の面に設けられた表示部と、前記筐体の前記所定の面とは異なる面に設けられ、物体が近接または接触した位置を検知することで、前記物体が近接または接触しながら移動するスライド操作を含む複数の種類の入力操作のそれぞれを受け付ける入力部とを有する携帯表示装置における表示状態変更方法であって、
前記複数の種類の入力操作のうち前記スライド操作以外の所定の入力操作が前記入力部にて受け付けられると、前記表示部に表示された表示画像の表示状態を変化させる際の複数の種類の態様のいずれかを選択する選択処理と、
前記選択した態様で前記表示画像の表示状態を変化させるときの前記スライド操作における前記物体の移動方向を前記スライド操作の操作者に認識させるためのガイダンス情報を前記表示部に表示させるガイダンス表示処理と、
前記入力部にて前記スライド操作が受け付けられると、当該スライド操作における前記物体の移動方向と移動距離とに基づき、前記表示画像の表示状態を前記選択した態様で変化させる処理と、を有する。
【0013】
また、上記目的を達成するために本発明のプログラムは、筐体の所定の面に設けられた表示部と、前記筐体の前記所定の面とは異なる面に設けられ、物体が近接または接触した位置を検知することで、前記物体が近接または接触しながら移動するスライド操作を含む複数の種類の入力操作のそれぞれを受け付ける入力部とを有する携帯表示装置に、
前記複数の種類の入力操作のうち前記スライド操作以外の所定の入力操作が前記入力部にて受け付けられると、前記表示部に表示された表示画像の表示状態を変化させる際の複数の種類の態様のいずれかを選択する選択機能と、
前記選択した態様で前記表示画像の表示状態を変化させるときの前記スライド操作における前記物体の移動方向を前記スライド操作の操作者に認識させるためのガイダンス情報を前記表示部に表示させるガイダンス表示機能と、
前記入力部にて前記スライド操作が受け付けられると、当該スライド操作における前記物体の移動方向と移動距離とに基づき、前記表示画像の表示状態を前記選択した態様で変化させる機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以上説明したように構成されているので、操作上の利便性を確保しつつ、その操作と保持とを片手で同時に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の携帯表示装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した携帯表示装置の外観図である。
【図3】図1に示したタッチパネルに表示されるガイダンス情報の一例を説明するための図である。
【図4】図1〜図3に示した携帯表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1に示したタッチパネルに表示されるガイダンス情報の他の例を説明するための図である。
【図6】本発明の携帯表示装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の携帯表示装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。また、図2は、図1に示した携帯表示装置10の外観図である。
【0018】
本実施形態の携帯表示装置10は図1に示すように、制御部11と、表示部であるタッチパネル12と、入力部であるタッチパッド13と、記憶部14とを備えている。
【0019】
記憶部14は、タッチパネル12に表示する画像を示す画像データ等を記憶している。また、記憶部14は、画像データを画像として表示するための画像アプリケーションを記憶している。
【0020】
タッチパネル12は、携帯表示装置10の筺体の所定の面に設けられている。具体的には、タッチパネル12は図2に示すように、携帯表示装置10の筺体の正面に設けられている。タッチパネル12は、記憶部14に記憶された画像データが示す画像等を表示する。タッチパネル12は、携帯表示装置10の操作者(以降、操作者という)の指等での接触を検知し、検知した接触の位置を示す検知情報を制御部11へ出力する。
【0021】
タッチパッド13は、携帯表示装置10の筺体のタッチパネル12とは異なる面に設けられている。具体的には、タッチパッド13は図2に示すように、携帯表示装置10の筺体の側面に設けられている。タッチパッド13は、操作者の指等での接触を検知する。ここで、操作者は、少なくともタップ操作およびスライド操作を含む複数の種類の入力操作をタッチパッド13に対して行うことができる。タップ操作とは、操作者が指等の物体でタッチパッド13にごく短い時間接触する操作である。一方、スライド操作とは、操作者がタッチパッド13に指等の物体を接触させたまま移動させる操作である。スライド操作では、タップ操作と比べてタッチパッド13に長時間接触し、かつ、接触した位置の範囲が広くなる。タッチパッド13は、検知した接触の接触時間および接触位置に基づき、操作者からの入力操作の種類を判定する。タップ操作であると判定した場合、タッチパッド13は、操作者からタップ操作を受け付けたことを示すタップ操作情報を制御部11へ出力する。一方、スライド操作であると判定した場合、タッチパッド13は、そのスライド操作における指等の移動距離と移動方向とを、接触位置の変化から認識する。そして、タッチパッド13は、認識した移動距離と移動方向とを示すスライド操作情報を制御部11へ出力する。
【0022】
制御部11は、タッチパネル12に表示される画像と、その画像のタッチパネル12における表示位置とを対応付けて記憶している。また、制御部11は、タッチパネル12から出力された検知情報を受け付ける。そして、制御部11は、受け付けた検知情報が示す接触の位置に基づいた処理を実行する。また、制御部11は、タッチパッド13から出力されたタップ操作情報およびスライド操作情報を受け付ける。制御部11は、タップ操作情報を受け付けると、タッチパッド操作モードに移行する。タッチパッド操作モードとは、操作者のタッチパッド13に対する入力操作に応じ、タッチパネル12に表示されている表示画像の表示状態を変化させるためのモードである。なお、タッチパッド操作モードに移行している場合でも、制御部11は、タッチパネル12から出力された検知情報を受け付け、受け付けた検知情報が示す接触の位置に基づいた処理を実行することができることに変わりはない。なお、制御部11は、所定の時間の経過を測定するためのタイマー(不図示)を備えており、タイマーの経過時間が所定の時間を超過すると、タッチパッド操作モードに移行する前のモードである通常モードに移行する。
【0023】
ここで、タッチパッド操作モードについて説明する。
【0024】
タッチパッド操作モードにおいて操作者は、タッチパッド13に対してスライド操作を行うことで、タッチパネル12に表示されている表示画像の表示状態を複数の種類の態様のそれぞれで変化させることができる。本実施形態においては、以下に示す(1)〜(3)の3つの種類の態様があるものとするが、態様の種類は3つに限定されるものではない。
【0025】
(1)タッチパネル12に表示された表示画像の表示倍率の拡大または縮小(以降、拡大縮小態様という)
(2)タッチパネル12に表示された表示画像のスクロール(以降、スクロール態様という)
(3)タッチパネル12に表示された表示画像の回転(以降、回転態様という)
制御部11は、通常モードにある場合に、タッチパッド13から出力されたタップ操作情報を受け付けると、タッチパッド操作モードに移行するとともに、上記(1)の拡大縮小態様を選択する。そして、制御部11は、次のタップ操作情報を受け付けると、上記(2)のスクロール態様を選択し、さらに、次のタップ操作情報を受け付けると、上記(3)の回転態様を選択する。そして、次のタップ操作情報を受け付けると、制御部11は再度、上記(1)の拡大縮小態様を選択する。このように、制御部11は、タッチパッド操作モードに移行している間、タップ操作情報を受け付ける度に、上記(1)〜(3)のいずれかの態様を選択する。また、制御部11が上記(1)〜(3)のいずれかの態様を選択する順番は予め決められている。なお、ここでは、タップ操作情報を受け付ける度に、制御部11が上記(1)〜(3)を、(1)→(2)→(3)の順番で選択する場合を説明したが、これは一例である。そして、制御部11は、上記(1)〜(3)の態様のうちのいずれかの態様を選択すると、選択した態様に対応付けられたガイダンス情報をタッチパネル12に表示させる。
【0026】
図3は、図1に示したタッチパネル12に表示されるガイダンス情報の一例を説明するための図である。
【0027】
ガイダンス情報51〜53のそれぞれは図3に示すように、タッチパネル12の表示画面上のタッチパッド13側に、タッチパッド13に沿うように表示される。
【0028】
ガイダンス情報51〜53のそれぞれがタッチパネル12に表示されることで、操作者は、表示状態を変化させるときのスライド操作における指等の移動方向を認識することができる。
【0029】
図3(a)に示すガイダンス情報51は、拡大縮小態様に対応付けられた情報である。ガイダンス情報51は、表示画像の表示倍率を拡大させるときのスライド操作における指等の移動方向と、表示画像の表示倍率を縮小させるときのスライド操作における指等の移動方向とを操作者が認識できる情報になっている。具体的には、ガイダンス情報51は、スライド操作における移動方向が、図3(a)の図中上方向である場合に表示画像の表示倍率が拡大され、図3(a)の図中下方向である場合に表示画像の表示倍率が縮小されることを示している。制御部11は、拡大縮小態様を選択している状態で、タッチパッド13から出力されたスライド操作情報を受け付けると、受け付けたスライド操作情報が示す移動方向に基づき、表示画像を拡大させるか縮小させるかを決定する。そして、制御部11は、表示画像を拡大させると決定した場合、受け付けたスライド操作情報が示す移動距離に基づいた倍率で表示画像を拡大させる。一方、制御部11は、表示画像を縮小させると決定した場合、受け付けたスライド操作情報が示す移動距離に基づいた倍率で表示画像を縮小させる。
【0030】
図3(b)に示すガイダンス情報52は、スクロール態様に対応付けられた情報である。ガイダンス情報52は、表示画像をスクロールさせるときのスライド操作における指等の移動方向を操作者が認識できる情報になっている。具体的には、ガイダンス情報52は、スライド操作における移動方向が、図3(b)の図中上方向である場合に表示画像がその方向にスクロールされ、図3(b)の図中下方向である場合に表示画像がその方向にスクロールされることを示している。制御部11は、スクロール態様を選択している状態で、タッチパッド13から出力されたスライド操作情報を受け付けると、受け付けたスライド操作情報が示す移動方向に基づき、表示画像を図3(b)の図中上方向にスクロールさせるか下方向にスクロールさせるかを決定する。そして、制御部11は、表示画像を上方向にスライドさせると決定した場合、受け付けたスライド操作情報が示す移動距離に基づいた長さだけ、表示画像を上方向にスクロールさせる。一方、制御部11は、表示画像を下方向にスライドさせると決定した場合、受け付けたスライド操作情報が示す移動距離に基づいた長さだけ、表示画像を下方向にスクロールさせる。
【0031】
図3(c)に示すガイダンス情報53は、回転動作に対応付けられた情報である。ガイダンス情報52は、表示画像を回転させるときのスライド操作における指等の移動方向を操作者が認識できる情報になっている。具体的には、ガイダンス情報53は、スライド操作における移動方向が、図3(c)の図中上方向である場合に表示画像が左回転され、図3(a)の図中下方向である場合に表示画像が右回転されることを示している。制御部11は、回転態様を選択している状態で、タッチパッド13から出力されたスライド操作情報を受け付けると、受け付けたスライド操作情報が示す移動方向に基づき、表示画像を右回転させるか左回転させるかを決定する。そして、制御部11は、表示画像を右回転させると決定した場合、受け付けたスライド情報が示す移動距離に基づいた角度で表示画像を右回転させる。一方、制御部11は、表示画像を左回転させると決定した場合、受け付けたスライド情報が示す移動距離に基づいた角度で表示画像を左回転させる。
【0032】
なお、制御部11は、操作者が表示画像を視認するのを妨げないように、上述したガイダンス情報51〜53を、表示してから一定時間の経過後に非表示にする。
【0033】
以下に、上記のように構成された携帯表示装置10の動作について説明する。
【0034】
図4は、図1〜図3に示した携帯表示装置10の動作を説明するためのフローチャートである。なお、ここでは、制御部11は、タッチパッド操作モードにおいて、上記(1)〜(3)の態様を選択することが可能であるものとする。
【0035】
まず、操作者は、タッチパッド13に対してタップ操作を行う。
【0036】
タッチパッド13は、接触を検知することでタップ操作を受け付ける(ステップS1)。
【0037】
操作者からのタップ操作を受け付けたタッチパッド13は、タップ操作情報を制御部11へ出力する。
【0038】
タッチパッド13から出力されたタップ操作情報を受け付けた制御部11は、タッチパッド操作モードへ移行し(ステップS2)、上記(1)〜(3)の3つの態様のうち、最初の順番の態様を選択する(ステップS3)。
【0039】
次に、制御部11は、選択された態様に対応するガイダンス情報をタッチパネル12に表示させる(ステップS4)。例えば、拡大縮小態様が選択されている場合には、図3(a)に示したガイダンス情報51がタッチパネル12に表示される。
【0040】
次に、制御部11は、タイマーをスタートさせる(ステップS5)。
【0041】
次に、制御部11は、タッチパッド13から出力されたタップ操作情報を受け付けたかどうかを確認する(ステップS6)。
【0042】
ステップS6における確認の結果、タッチパッド13から出力されたタップ操作情報を受け付けた場合、制御部11は、選択している態様の次の順番の態様を選択する(ステップS7)。そして、ステップS4の動作へ遷移する。
【0043】
一方、ステップS6における確認の結果、タッチパッド13から出力されたタップ操作情報を受け付けていない場合、制御部11は、タッチパッド13から出力されたスライド操作情報を受け付けたかどうかを確認する(ステップS8)。
【0044】
ステップS8における確認の結果、タッチパッド13から出力されたスライド操作情報を受け付けた場合、制御部11は、選択している態様を確認する(ステップS9)。
【0045】
ステップS9における確認の結果、選択している態様が拡大縮小態様である場合、受け付けたスライド操作情報が示す移動方向および移動距離に基づき、タッチパネル12に表示された表示画像を拡大または縮小させる(ステップS10)。
【0046】
次に、制御部11は、タイマーをリセットして再スタートさせる(ステップS11)。そして、ステップS6の動作へ遷移する。
【0047】
また、ステップS9における確認の結果、選択している態様がスクロール態様である場合、受け付けたスライド操作情報が示す移動方向および移動距離に基づき、タッチパネル12に表示された表示画像をスクロールさせる(ステップS12)。そして、ステップS11の動作へ遷移する。
【0048】
また、ステップS9における確認の結果、選択している態様が回転態様である場合、受け付けたスライド操作情報が示す移動方向および移動距離に基づき、タッチパネル12に表示された表示画像を回転させる(ステップS13)。そして、ステップS11の動作へ遷移する。
【0049】
ここで、ステップS8における確認の結果、タッチパッド13から出力されたスライド操作情報を受け付けていない場合、制御部11は、タイマーの経過時間が所定の時間を超過したかどうかを確認する(ステップS14)。
【0050】
ステップS14における確認の結果、タイマーの経過時間が所定の時間を超過していない場合、ステップS6の動作へ遷移する。
【0051】
一方、ステップS14における確認の結果、タイマーの経過時間が所定の時間を超過している場合、制御部11は、通常モードへ移行する(ステップS15)。
【0052】
このように本実施形態において携帯表示装置10は、筐体の所定の面に設けられたタッチパネル12を有する。また、携帯表示装置10は、筐体のタッチパネル12が設けられた面とは異なる面に設けられ、物体が接触した位置を検知することで、物体が接触しながら移動するスライド操作を含む複数の種類の入力操作のそれぞれを受け付けるタッチパッド13を有する。
【0053】
また、携帯表示装置10は、複数の種類の入力操作のうちタップ操作がタッチパッド13にて受け付けられると、タッチパネル12に表示された表示画像の表示状態を変化させる際の複数の種類の態様のいずれかを選択し、タッチパッド13にてスライド操作が受け付けられると、当該スライド操作における指等の移動方向と移動距離とに基づき、表示画像の表示状態を、選択した態様で変化させる制御部11を有する。
【0054】
制御部11は、複数の種類の態様のいずれかを選択すると、選択した態様で表示画像の表示状態を変化させるときのスライド操作における指等の移動方向を操作者に認識させるためのガイダンス情報をタッチパネル12に表示させる。
【0055】
これにより、操作上の利便性を確保しつつ、その操作と保持とを片手で同時に行うことが可能となる。
【0056】
また、本実施形態では、一般的な携帯表示装置の側面に設けられていることが多いボタン式の入力装置の代わりとしてタッチパッド13を用いることができる。そのため、ボタン数に制限されることなく、携帯表示装置に対する様々な操作をタッチパッド13を用いて行うことができる。
【0057】
例えば、携帯表示装置において音楽を再生しているときの音量調整手段としてタッチパッド13を用いることができる。この場合、上述したタッチパッド操作モードに移行している状態において、上述した(3)の回転態様が選択されている場合に、制御部11がタップ操作情報を受け付けると、音量調整手段としてタッチパッド13を用いることができるようにすることもできる。その際、スライド操作において、再生している音楽の音量を大きくするときの移動方向と、音量を小さくするときの移動方向とを示すガイダンス情報をタッチパネル12に表示することもできる。
【0058】
図5は、図1に示したタッチパネル12に表示されるガイダンス情報の他の例を説明するための図である。
【0059】
図5に示すガイダンス情報54は、再生している音楽の音量を調整するときのスライド操作における移動方向を操作者が認識できる情報になっている。具体的には、ガイダンス情報54は、スライド操作における移動方向が、図5の図中上方向である場合に音量が大きくなり、図5の図中下方向である場合に音量が小さくなることを示している。
【0060】
なお、本実施形態においては、タッチパッド13にてタップ操作が受け付けられた場合に、制御部11が、表示画像の表示状態を変化させる際の態様を選択する場合について説明した。これ以外にも例えば、タッチパッド13にて例えばダブルタップ操作が受け付けられた場合に、制御部11が、表示画像の表示状態を変化させる際の態様を選択するようにしてもよい。
【0061】
また、本実施形態においては、タッチパッド操作モードにおいてタイマーの経過時間が所定の時間を超過した場合に、通常モードへ移行する場合について説明した。タッチパッド操作モードから通常モードへ移行する方法としては、これ以外にも例えば、タップ操作が受け付けられた場合に制御部11が選択する態様が上記の(1)〜(3)であるとすると、制御部11が(3)の態様を選択しているときにタップ操作が受け付けられると、通常モードへ移行するという方法も考えられる。また、制御部11がガイダンス情報を非表示にするとともに、通常モードへ移行するようにしてもよい。
【0062】
また、本実施形態においては、制御部11は、ガイダンス情報を表示してから一定時間の経過後に、表示したガイダンス情報を非表示にする場合について説明した。これ以外にも例えば、タッチパッド13にて例えばダブルタップ操作が受け付けられた場合や、タッチパネル12のガイダンス情報が表示された位置に操作者の指等の物体が接触した場合等に、表示したガイダンス情報を非表示にするようにしてもよい。
【0063】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の携帯表示装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。図6において、図1に示したものと同一の構成のものには同一の符号を付してある。
【0064】
本実施形態において携帯表示装置20は、筐体の所定の面に設けられたタッチパネル12を有する。また、携帯表示装置20は、筐体のタッチパネル12が設けられた面とは異なる面に設けられ、物体が接触した位置を検知することで、物体が接触しながら移動するスライド操作を含む複数の種類の入力操作のそれぞれを受け付けるタッチパッド13を有する。
【0065】
また、携帯表示装置20は、複数の種類の入力操作のうちタップ操作がタッチパッド13にて受け付けられると、タッチパネル12に表示された表示画像の表示状態を変化させる際の複数の種類の態様のいずれかを選択し、タッチパッド13にてスライド操作が受け付けられると、当該スライド操作における指等の移動方向と移動距離とに基づき、表示画像の表示状態を、選択した態様で変化させる制御部11を有する。
【0066】
制御部11は、複数の種類の態様のいずれかを選択すると、選択した態様で表示画像の表示状態を変化させるときのスライド操作における指等の移動方向を操作者に認識させるためのガイダンス情報をタッチパネル12に表示させる。
【0067】
これにより、操作上の利便性を確保しつつ、その操作と保持とを片手で同時に行うことが可能となる。
【0068】
なお、上述した第1および第2の実施形態では、物体の接触を検知するタッチパッド13を入力部として用いた場合について説明した。入力部としてはこれ以外にも、物体の近接を検知することで、物体が近接しながら移動するスライド操作を含む複数の種類の入力操作を受け付けることが可能な装置を用いてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10,20 携帯表示装置
11 制御部
12 タッチパネル
13 タッチパッド
14 記憶部
51〜54 ガイダンス情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の所定の面に設けられた表示部と、
前記筐体の前記所定の面とは異なる面に設けられ、物体が近接または接触した位置を検知することで、前記物体が近接または接触しながら移動するスライド操作を含む複数の種類の入力操作のそれぞれを受け付ける入力部と、
前記複数の種類の入力操作のうち前記スライド操作以外の所定の入力操作が前記入力部にて受け付けられると、前記表示部に表示された表示画像の表示状態を変化させる際の複数の種類の態様のいずれかを選択し、前記入力部にて前記スライド操作が受け付けられると、当該スライド操作における前記物体の移動方向と移動距離とに基づき、前記表示画像の表示状態を前記選択した態様で変化させる制御部と、を有し、
前記制御部は、前記複数の種類の態様のいずれかを選択すると、該選択した態様で前記表示画像の表示状態を変化させるときの前記スライド操作における前記物体の移動方向を前記スライド操作の操作者に認識させるためのガイダンス情報を前記表示部に表示させる携帯表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯表示装置において、
前記複数の種類の態様は、前記表示画像の表示倍率を変化させる態様である拡大縮小態様を含み、
前記制御部は、前記拡大縮小態様を選択した場合、前記スライド操作において前記表示画像の表示倍率を拡大させるときの前記物体の移動方向と、縮小させるときの前記物体の移動方向とを前記スライド操作の操作者に認識させるための情報を前記ガイダンス情報として前記表示部に表示させる携帯表示装置。
【請求項3】
筐体の所定の面に設けられた表示部と、前記筐体の前記所定の面とは異なる面に設けられ、物体が近接または接触した位置を検知することで、前記物体が近接または接触しながら移動するスライド操作を含む複数の種類の入力操作のそれぞれを受け付ける入力部とを有する携帯表示装置における表示状態変更方法であって、
前記複数の種類の入力操作のうち前記スライド操作以外の所定の入力操作が前記入力部にて受け付けられると、前記表示部に表示された表示画像の表示状態を変化させる際の複数の種類の態様のいずれかを選択する選択処理と、
前記選択した態様で前記表示画像の表示状態を変化させるときの前記スライド操作における前記物体の移動方向を前記スライド操作の操作者に認識させるためのガイダンス情報を前記表示部に表示させるガイダンス表示処理と、
前記入力部にて前記スライド操作が受け付けられると、当該スライド操作における前記物体の移動方向と移動距離とに基づき、前記表示画像の表示状態を前記選択した態様で変化させる処理と、を有する表示状態変更方法。
【請求項4】
請求項3に記載の表示状態変更方法において、
前記複数の種類の態様は、前記表示画像の表示倍率を変化させる態様である拡大縮小態様を含み、
前記ガイダンス表示処理は、前記選択処理にて前記拡大縮小態様が選択された場合、前記スライド操作において前記表示画像の表示倍率を拡大させるときの前記物体の移動方向と、縮小させるときの前記物体の移動方向とを前記スライド操作の操作者に認識させるための情報を前記ガイダンス情報として前記表示部に表示させる処理である表示状態変更方法。
【請求項5】
筐体の所定の面に設けられた表示部と、前記筐体の前記所定の面とは異なる面に設けられ、物体が近接または接触した位置を検知することで、前記物体が近接または接触しながら移動するスライド操作を含む複数の種類の入力操作のそれぞれを受け付ける入力部とを有する携帯表示装置に、
前記複数の種類の入力操作のうち前記スライド操作以外の所定の入力操作が前記入力部にて受け付けられると、前記表示部に表示された表示画像の表示状態を変化させる際の複数の種類の態様のいずれかを選択する選択機能と、
前記選択した態様で前記表示画像の表示状態を変化させるときの前記スライド操作における前記物体の移動方向を前記スライド操作の操作者に認識させるためのガイダンス情報を前記表示部に表示させるガイダンス表示機能と、
前記入力部にて前記スライド操作が受け付けられると、当該スライド操作における前記物体の移動方向と移動距離とに基づき、前記表示画像の表示状態を前記選択した態様で変化させる機能と、を実現させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムにおいて、
前記複数の種類の態様は、前記表示画像の表示倍率を変化させる態様である拡大縮小態様を含み、
前記ガイダンス表示機能は、前記選択機能にて前記拡大縮小態様が選択された場合、前記スライド操作において前記表示画像の表示倍率を拡大させるときの前記物体の移動方向と、縮小させるときの前記物体の移動方向とを前記スライド操作の操作者に認識させるための情報を前記ガイダンス情報として前記表示部に表示させる機能であるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−230615(P2012−230615A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99573(P2011−99573)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】