説明

携帯通信装置、携帯電子機器装着用通信装置、およびプログラム

【課題】ユーザが携帯できる通信機器で、ドアの施錠・開錠させる施錠/開錠信号を送信する機能、および車輪の物理状態を無線受信、表示する機能を併せて実現する。
【解決手段】 ユーザが携帯できるような携帯電話機4に通信モジュール5を装着することで、これら携帯電話機4および通信モジュール5が共働し、ユーザの車輪物理状態要求操作に基づいて、車輪物理状態要求信号を車輪物理状態送信装置2に送信し、その結果車輪物理状態送信装置2から車輪物理状態のデータを受信して表示装置に表示させる機能、スマートエントリ車両側機3からのプローブ信号を受信することに基づいて、自動的に車両のドアのロックを解除させるための施錠/開錠信号を送信する機能、および、ユーザのロック/アンロック操作に基づいて、車両のドアの施錠・開錠をさせるためのアンロック信号を送信する機能を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、施錠/開錠信号を無線受信したことに基づいて車両のドアのロックを解除するドア装置宛に施錠/開錠信号を無線送信するための携帯通信装置、携帯電子機器装着用通信装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが携帯する無線通信装置から送信された信号を、車両のドアロック装置が受信することで、当該ドアロック装置が車両のドアのロックを解除する技術として、キーレスエントリシステムやスマートエントリシステムが広く利用されている。
【0003】
また従来、車輪に搭載された通信装置が、その車輪のタイヤ内空気圧、タイヤ温度等の車輪の物理状態を、無線信号として送信する技術が広く利用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記点に鑑み、ユーザが携帯できるような通信機器で、車両のドアの施開錠するための施錠/開錠信号を送信する機能、および車輪の物理状態を無線信号として受信、表示する機能を併せて実現することを第1の目的とする。
【0005】
また、最近はPDA、携帯電話等の携帯電子機器を多くのユーザが携行するようになっているので、このような携帯電子機器機に施錠/開錠信号を送信させる機能を付加したいという要求が発生することが考えられる。しかし、また、車両のライフサイクルと携帯電子機器とのライフサイクルは異なっているので、携帯電子機器機に施錠/開錠信号の送信機能を内蔵させることは困難であった。
【0006】
本発明は上記点に鑑み、携帯電子機器に脱着可能に装着されるような、施錠/開錠信号送信機能を有する通信装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記第1の目的を達成するための本発明の第1の特徴は、表示装置と、車輪に搭載され、当該車輪の物理状態の信号を無線送信する車輪物理状態送信装置から無線送信された信号を無線受信する受信回路と、車外から施錠/開錠信号を無線受信したことに基づいて自車両のドアの施錠・開錠をするドアロック装置宛に信号を無線送信する送信回路と、制御回路と、を備えたユーザが携帯可能な携帯通信装置が、ドアロック装置宛の施錠/開錠信号を当該送信回路に送信させ、当該車輪物理状態送信装置が無線送信した車輪の物理状態の信号を当該受信回路が無線受信することに基づいて、当該信号に基づいた物理状態を当該表示装置に表示させることである。
【0008】
このようになっていることで、ユーザが携帯できるような通信機器で、車両のドアの施錠・開錠をするための施錠/開錠信号を送信する機能、および車輪の物理状態を無線信号として受信、表示する機能を併せて実現することができる。
【0009】
また、この携帯通信装置は、ユーザの操作を受け付ける操作装置を備え、また、車輪に搭載され、当該車輪の物理状態の送信の要求信号を無線受信すると、当該車輪の物理状態の信号を無線送信する車輪物理状態送信装置宛にも、送信回路は信号を無線送信するようになっている場合、当該操作装置に対して車輪の物理状態の表示のための操作があったことを検出し、その検出に基づいて、第1の出力電力で、車輪の物理状態の送信の要求信号を前記送信回路に送信させ、第1の出力電力よりも高い第2の出力電力で、施錠/開錠信号を当該送信回路に送信させるようになっていてもよい。
【0010】
車輪の物理状態の送信の要求信号が送信されたときに、その信号を車両の4つの車輪すべてが受け、それぞれが同時に自車輪の物理状態の信号を無線送信してしまうことを防ぐという観点では、車輪の物理状態の送信の要求信号の到達範囲は、各車輪間の距離よりも短くなっていることが望ましい。しかしその一方、施錠/開錠信号の送信が行われる範囲は、車両から数メートル程度以内の範囲であるので、施錠/開錠信号の出力電力は、電波到達範囲が数メートル程度あることが望ましい。そこで、上記のように、車輪の物理状態の送信の要求信号を送信するときの出力電力よりも、施錠/開錠信号を送信するときの出力電力の方が高くなるようにすることが好ましい。
【0011】
また、車両側が所定のプローブ信号を無線送信し、施錠/開錠信号を無線受信したことに基づいて車両のドアの施錠・開錠をするドアロック装置から無線送信された信号も、当該受信回路は無線受信するようになっている場合、携帯通信装置は、受信回路による所定のプローブ信号の受信に基づいて、当該施錠/開錠信号を送信回路に送信させるようになっていてもよい。このようになっていれば、携帯通信装置がプローブ信号を受信できる範囲内に入ることで、自動的なドアの施錠・開錠が実現する。
【0012】
また、携帯通信装置が無線電話通信機能を有している場合、当該受信回路は、車載無線送信装置からの信号を無線受信し、当該携帯通信装置は、当該受信回路が車載無線送信装置からの信号を無線受信したことに基づいて、無線電話通信機能の着信または通話の作動を抑制するようになっていてもよい。
【0013】
このようになっていることで、携帯通信装置は、車両からの信号を受信しているときは、その無線電話通信機能が制限される。
【0014】
なお、ここでいう車載無線送信装置は、上述のプローブ信号を送信するドアロック装置であってもよいし、それ以外の装置であってもよい。
【0015】
さらにこの携帯通信装置は、車載無線送信装置からの、当該車両が運転中であることを示す信号(例えば車速信号やイグニッションオン信号)を前記受信回路が無線受信したことに基づいて、無線電話通機能段における着信または通話の作動を抑制するようになっていれば、当該車両の運転中は、その無線電話通信機能が制限される。
【0016】
また、上記第2の目的を達成するための本発明の第2の特徴は、携帯電子機器と着脱可能に接続するためのインターフェース回路と、車外から施錠/開錠信号を無線受信したことに基づいて自車両のドアのロックを解除するドアロック装置宛に信号を無線送信する送信回路と、装着側制御回路とを備え、携帯電子機器に着脱可能に装着される携帯電子機器装着用通信装置が、装着側制御回路の機能により、ドアロック装置宛の施錠/開錠信号を送信回路に送信させ、当該送信回路および装着側制御回路は、当該インターフェース回路を介して接続する携帯電子機器から電力を受けて作動することである。
【0017】
このようになっていることで、携帯電子機器装着用通信装置は、着脱可能に装着された携帯電子機器から電力を受けることで、施錠/開錠信号送信機能を送信することができる。
【0018】
また、携帯電子機器装着用通信装置は、携帯電子機器が有する操作装置に対してユーザが施錠/開錠操作をしたことによって携帯電子機器が出力した信号をインターフェース回路を介して受けることに基づいて、ドアロック装置宛の施錠/開錠信号を送信回路に送信させるようになっていてもよい。
【0019】
このようにすることで、携帯電子機器装着用通信装置自体が操作装置を有さずとも、携帯電子機器装着用通信装置と連携して作動することで、ユーザの操作に基づいた施錠/開錠信号の送信を行うことができるようになる。
【0020】
また携帯電子機器装着用通信装置は、車輪に搭載され、当該車輪の物理状態の信号を無線送信する車輪物理状態送信装置から無線送信された信号を無線受信する受信回路を備え、装着側制御回路は更に、受信回路が車輪物理状態送信装置から無線送信された当該車輪の物理状態の信号を受信したことに基づいて、当該信号に係る車輪の物理状態を、インターフェース回路を介して接続する携帯電子機器が有する表示装置に表示させるための信号を、インターフェース回路を介して当該携帯電子機器に出力するよう機能するようになっていてもよい。
【0021】
このようにすることで、携帯電子機器装着用通信装置自体が表示装置を有さずとも、携帯電子機器装着用通信装置と連携して作動することで、車輪の物理状態の信号をユーザに表示させることができる。
【0022】
また、車輪に搭載され、当該車輪の物理状態の送信の要求信号を無線受信すると、当該車輪の物理状態の信号を無線送信する車輪物理状態送信装置宛にも、送信回路は信号を無線送信し、制御回路は更に、携帯電子機器が有する操作装置に対してユーザが車輪の物理状態の表示のための操作をしたことによって携帯電子機器が出力した信号をインターフェース回路を介して受けることに基づいて、第1の出力電力で、車輪の物理状態の送信の要求信号を前記送信回路に送信させ、また、第1の出力電力よりも高い第2の出力電力で、施錠/開錠信号を送信回路に送信させるよう機能するようになっていてもよい。
【0023】
車輪の物理状態の送信の要求信号の到達範囲は、各車輪間の距離よりも短くなっていることが望ましく、施錠/開錠信号の電波到達範囲が数メートル程度あることが望ましいという観点からは、このように、車輪の物理状態の送信の要求信号を送信するときの出力電力よりも、施錠/開錠信号を送信するときの出力電力の方が高くなるようにすることが好ましい。
【0024】
また受信回路は、車載無線送信装置からの信号を無線受信し、装着側制御回路は更に、受信回路が車載無線送信装置からの信号を無線受信したことに基づいて、インターフェース回路を介して接続する携帯電話機に着信または通話の作動を抑制させるための信号を、インターフェース回路を介して携帯電話機に出力するよう機能してもよい。
【0025】
このようになっていることで、携帯電子機器装着用通信装置が装着された携帯電話機は、車両からの信号を受信しているときは、その無線電話通信機能が制限される。
【0026】
なお、ここでいう車載無線送信装置は、上述のプローブ信号を送信するドアロック装置であってもよいし、それ以外の装置であってもよい。
【0027】
また、車両側が所定のプローブ信号を無線送信し、施錠/開錠信号を無線受信したことに基づいて車両のドアの施錠・開錠をするドアロック装置から無線送信された信号も、受信回路が無線受信する場合、装着側制御回路は、受信回路による所定のプローブ信号の受信に基づいて、当該施錠/開錠信号を送信回路に送信させるよう機能してもよい。このようになっていれば、携帯通信装置がプローブ信号を受信できる範囲内に入ることで、自動的なドアの施錠・開錠が実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1に、本発明の第1実施形態に係る通信システムの概略図を示す。この通信システムは、車両1の各車輪に1つずつ搭載された車輪物理状態送信装置2、車両1の車体に搭載されたスマートエントリ車両側機3、PHS、PDC、CDMA等による無線電話通信を行うための携帯電話機4、およびカードタイプの通信モジュール5を有している。携帯電話機4は、カードスロットを有しており、通信モジュール5は、そのカードスロットに収められることで、携帯電話機4に着脱可能に装着されるようになっている。通信モジュール5が携帯電話機4に装着された状態において、携帯電話機4から通信モジュール5に電力が供給されることで、通信モジュール5が車輪物理状態送信装置2、スマートエントリ車両側機3と通信可能となる。
【0029】
図2に、車輪物理状態送信装置2のハードウェア構成をブロック図で示す。車輪物理状態送信装置2は、送信部21、送信アンテナ22、受信部23、受信アンテナ24、圧力センサ25、温度センサ26、および制御部27を有している。この車輪物理状態送信装置2において、受信部23が受信アンテナ24から車輪の物理状態の送信の要求信号(以降タイヤ状態要求信号と記す)を受信すると、受信部23はその信号に増幅、周波数変換、復調、A/D変換等の処理を施して制御部27が認識できるようなデータにしたのちに、制制御部27に出力する。制御部27はこのタイヤ状態要求信号に基づくデータを受けると、タイヤ内空気圧を検出する圧力センサ25およびタイヤ内温度を検出する温度センサ26から、それぞれタイヤ内空気圧データおよびタイヤ内温度データを取得し、これら取得したデータに自車両の識別コードを含めたデータ送信部21に出力する。送信部21は、制御部27から受けたこのデータに対してD/A変換、変調、増幅、周波数変換等の処理を施した結果の信号を、送信アンテナ22を用いて無線送信する。
【0030】
このように、車輪物理状態送信装置2は、搭載された車輪、すなわち自車輪の物理状態(具体的にはタイヤ内空気圧、タイヤ内温度)の送信の要求信号を無線受信すると、当該車輪の物理状態の信号を無線送信する。
【0031】
図3に、スマートエントリ車両側機3のハードウェア構成をブロック図で示す。スマートエントリ車両側機3は、送信部31、送信アンテナ32、受信部33、受信アンテナ34、および制御部35を有している。このスマートエントリ車両側機3において、制御部35は、周期的に(例えば1秒間隔で)車両1のイグニッション信号および車速センサからの車速信号を取得し、その取得した信号に基づいて、自車両1のイグニッション位置(オン、オフ、ACC等)、自車両1の車速、およびスマートエントリ車両側機3の識別コードを含む車両データを送信部31に出力する。送信部31は、制御部35から受けたこの車両データに対してD/A変換、変調、増幅、周波数変換等の処理を施した結果の信号(以下プローブ信号と記す)を、送信アンテナ32を用いて無線送信する。このように、スマートエントリ車両側機3は、周期的に周囲にプローブ信号を無線送信している。なお、このプローブ信号の到達範囲は、スマートエントリ車両側機3の半径1m程度の範囲であるため、スマートエントリ車両側記3のアンテナ32は車両のドアノブ付近に設置されることが多い。
【0032】
またこのスマートエントリ車両側機3において、受信部33が受信アンテナ34から照合用コードを含む施錠/開錠信号を新たに受信すると、受信部33はその信号に増幅、周波数変換、復調、A/D変換等の処理を施して制御部35が認識できるようなデータにした後制御部35に出力する。制御部35はこの施錠/開錠信号に基づくデータを受けると、その施錠/開錠信号に含まれる照合用コードがあらかじめ定められたスマートエントリ車両側機3毎に異なる規定のコードと合致しているか否かを判定し、合致している場合、車両のドアの施錠/開錠を制御するドアECUに対して、ドアの施錠/開錠を要求する信号を出力する。ドアECUは、この信号を受けることで、車両1のドアの施錠/開錠をする。このように、スマートエントリ車両側機3は、所定の施錠/開錠信号を無線受信したことに基づいて自車両のドアの施錠/開錠をするようになっている。
【0033】
図4に、これら車輪物理状態送信装置2およびスマートエントリ車両側機3と通信するための携帯電話機4および通信モジュール5の外観を概略的に説明する。携帯電話機4は、例えばコンパクトフラッシュ(登録商標)やスマートメディア等のための装着スロットを有し、通信モジュール5は、そのスロットに全部または一部が挿入されることができるようなカード形状となっている。
【0034】
図5に、この携帯電話機4のハードウェア構成を示す。この図に示すように、携帯電話機4は、バッテリ41、定電圧回路42、インターフェース回路43、操作装置44、表示装置45、電話機側制御回路46、および電話通信部47を有している。
【0035】
定電圧回路42は、バッテリ41から加えられる電圧を定電圧化させて、上記の携帯電話機4の各構成要素に電力を供給する。この電力供給によって、上記の携帯電話機4の各構成要素が作動可能となる。
【0036】
インターフェース回路43は、上述の装着スロットの奥の部分に配置され、通信モジュール5が脱着可能に装着できるような形状となっている。また、このインターフェース回路43を介して、定電圧回路42からの電力や電話機側制御回路46からの信号が、装着された機器に出力され、また、装着された機器からの信号が電話機側制御回路46に出力されるようになっている。
【0037】
操作装置44は、ボタン、スイッチ等、ユーザの操作を受け付け、その受け付けた操作に対応する信号を電話機側制御回路46に出力するようになっている。
【0038】
表示装置45は、電話機側制御回路46から受けた映像信号に基づく映像を出力する液晶ディスプレイ等の画像表示装置、および、電話機側制御回路46から受けた音信号に基づく音を出力するスピーカを有している。
【0039】
電話機側制御回路46は、CPU、RAM、ROM、I/O等を有する通常のマイクロコンピュータから成り、ROMに記憶されているプログラムを実行することで作動し、その作動において、インターフェース回路43、操作装置44、電話通信部47から各種信号を受け、また必要に応じてインターフェース回路43、表示装置45、電話通信部47に各種信号を出力し、またRAM、ROMからデータを読み出し、RAMにデータを書き込む。電話機側制御回路46の具体的な作動については後述する。
【0040】
電話通信部47は、周知の無線電話通信を行うための装置であり、無線電話通信用のアンテナ、送受信回路、話者の音声を取得するマイク、通話相手からの音声や呼び出し音等を出力するスピーカ、携帯電話機4を振動させるモータ、LED、記憶媒体、およびこれらの装置を制御する電話通話用制御回路等を有している。この電話通話用制御回路は、例えば、無線電話通信用のアンテナおよび送受信回路を介して着信信号を無線受信すると、スピーカに着信音信号を出力し、また通話時においては無線電話通信用のアンテナおよび送受信回路を介して無線受信した通話相手からの音声信号をスピーカに出力し、また話者の音声を取得するマイクから受けた音声信号を、無線電話通信用のアンテナおよび送受信回路を介して通話相手宛に無線送信する。また例えば、この電話通話用制御回路は、ユーザが操作装置44に対して電話発呼の操作をしたことに基づいて、当該操作によって指定された発呼先を呼び出す信号を、送受信回路に無線送信させる。
【0041】
また電話通信部47は、複数の内部状態を有している。内部状態としては、通常モード、マナーモード、サイレントモード、運転中モードがある。電話通話用制御回路は、通常モードにおいては上記のような作動を行い、マナーモードにおいては、着信があったときにはスピーカに着信音信号を出力せずに携帯電話機4を振動させるためのモータを駆動し、サイレントモードにおいては、着信があったときにスピーカに着信音信号を出力せずにLEDを点滅させる。また電話通話用制御回路は、電話通信部47の運転中モードにおいては、着信があったときにスピーカに着信音信号を出力せずに、記憶媒体中にあらかじめ記憶された、運転中であるから電話を受けることができない旨の音声データを、発信相手に無線送信する。また電話通話用制御回路は、電話通信部47の運転中モードにおいては、ユーザが携帯電話機4の操作装置44に対して電話発呼の操作をしても、電話発呼は行わず、運転中であるので電話をかけることができないという旨の表示を表示装置45に対して行わせる。このような運転中モードにおける、携帯電話機4の着信や通話を抑制する作動を、運転モード機能48と記す。
【0042】
また電話通信部47は、電話機側制御回路46からモード切り替え用の制御信号を受けることで、これらの内部状態間を遷移するようになっている。
【0043】
次に図6に、通信モジュール5のハードウェア構成を示す。通信モジュール5は、送信回路51、送信アンテナ52、受信回路53、受信アンテナ54、書き換え可能な不揮発性記憶媒体であるEEPROM55、インターフェース回路56、およびモジュール側制御回路57を有している。
【0044】
送信回路51は、モジュール側制御回路57から受けたデータに対してD/A変換、変調、周波数変換、増幅等、所定の無線通信プロトコルに従った処理を施し、その結果の信号を送信アンテナ52に出力する。ここで用いる無線通信プロトコルは、上述の車輪物理状態送信装置2の受信部23、およびスマートエントリ車両側機3の受信部33が受信して正しくデータを読み取ることのできるようなものである。なお、本実施形態においては受信部23および受信部33の受信周波数帯はほぼ同じで僅かにずれている。したがって、送信回路51における周波数変換、変調等に用いる回路構成は、1つの周波数帯に対応した1組だけあればよい。ただし受信部23および受信部33のそれぞれに無線送信するために2つの周波数帯に対応した2組の上記回路構成を有していてもよい。また送信回路51は、モジュール側制御回路57からの制御を受けて、その無線送信の出力電力の調整および送信周波数の微調整を行うようになっている。
【0045】
受信回路53は、受信アンテナ54が受信した信号に対して増幅、周波数変換、復調、A/D変換等、所定の無線通信プロトコルに従った処理を施し、その結果をモジュール側制御回路57に出力する。ここで用いる無線通信プロトコルは、上述の車輪物理状態送信装置2の送信部31、およびスマートエントリ車両側機3の送信部31が送信した無線信号中のデータを正しく読み取ることのできるようなものである。なお、本実施形態においては送信部21および送信部31の送信周波数帯はほぼ同じで僅かにずれている。したがって、受信回路53における周波数変換、復調等に用いる回路構成は、1つの周波数帯に対応した1組だけあればよい。ただし送信部21および送信部31のそれぞれにからの信号を無線受信するために2つの周波数帯に対応した2組の上記回路構成を有していてもよい。
【0046】
インターフェース回路56は、上述の携帯電話機4のインターフェース回路43と、装着スロットの奥の部分において結合することで、携帯電話機4と通信モジュール5との電気的および物理的接続を実現するものである。なお、この接続は、脱着可能な接続となっている。また、インターフェース回路56と携帯電話機4のインターフェース回路43とが接続しているとき、インターフェース回路56はインターフェース回路43から受けた電力を通信モジュール5の上述の各部に供給する。これによって、通信モジュール5の各部が作動可能となる。また、インターフェース回路56と携帯電話機4のインターフェース回路43とが接続しているとき、インターフェース回路56は、インターフェース回路43から出力された信号をモジュール側制御回路57に出力し、また、モジュール側制御回路57から受けた信号をインターフェース回路43に出力する。
【0047】
モジュール側制御回路57は、CPU、RAM、ROM、I/O等を有する通常のマイクロコンピュータから成り、ROMに記憶されているプログラムを実行することで作動し、その作動において、受信回路53、インターフェース回路56から各種信号を受け、また必要に応じて送信回路51、インターフェース回路56に各種信号を出力し、またRAM、ROM、EEPROM55からデータを読み出し、RAM、EEPROM55にデータを書き込む。モジュール側制御回路57の具体的な作動については後述する。
【0048】
以上のようなハードウェア構成の通信モジュール5および携帯通信装置6において、通信モジュール5が携帯通信装置6に装着されているときのそれぞれの作動について、以下説明する。このとき、モジュール側制御回路57は、インターフェース回路43を介して通信モジュール5から電力供給を受けることで作動し、図7に示すプログラム100を実行する。また電話機側制御回路46は、通信モジュール5がインターフェース回路43に装着されたことを検出した場合、あるいは起動時、図8に示すプログラム200を実行する。
【0049】
このプログラム100およびプログラム200の処理の内容を、(1)車両1の車輪のいずれかから数十センチメートル以内の範囲で、携帯電話機4の操作装置44に対してユーザが車輪の物理状態の表示のための操作をした場合、(2)通信モジュール5の受信回路53がスマートエントリ車両側機3からプローブ信号を受信した場合、および(3)車両1から数メートル以内の範囲で、携帯電話機4の操作装置44に対してユーザがアンロック操作を行った場合の、3つの場合を例にとって説明する。
【0050】
(1)車両1の車輪のいずれかから数十センチメートル以内の範囲で、携帯電話機4の操作装置44に対してユーザが車輪の物理状態の表示のための操作をした場合:
この場合、電話機側制御回路46は、プログラム200のステップ210でアンロック操作がないと判定し、その判定に基づき、ステップ220で車輪の物理状態の表示のための操作、すなわち車輪物理状態表示操作があると判定する。その判定に基づき、続いてステップ225で、インターフェース回路43へ所定の車輪物理状態要求コマンドを出力する。これによって、インターフェース回路43、インターフェース回路56を介してモジュール側制御回路57に車輪物理状態要求コマンドが渡される。さらにステップ230で、車輪物理状態要求コマンドに対する応答データをインターフェース回路43から受けるか、あるいは所定の第1の待ち時間(例えば20秒)が経過するまで待つ。
【0051】
このときモジュール側制御回路57は、ステップ110でプローブ信号を受信していないと判定し、その判定に基づき、続いてステップ120でアンロックコマンドを受けていないと判定し、その判定に基づき、続いてステップ150で、車輪物理状態要求コマンドをインターフェース回路56から受けたと判定する。
【0052】
その判定に基づき、続いてステップ160で、車輪物理状態要求信号の送信出力設定を行う。この設定は、具体的には、車輪物理状態送信装置2およびスマートエントリ車両側機3のうち、車輪物理状態送信装置2に無線送信するための送信周波数の微調整、および送信出力電力の調整を行うよう、送信回路51を制御する。ここで設定する出力電力を第1の出力電力と記す。この第1の出力電力は、具体的には、通信モジュール5から50センチメートル程度離れた位置の車輪物理状態送信装置2が、その出力電力で送信された信号を正しく受信できるために必要十分な程度の電力である。
【0053】
続いてステップ170で、車輪物理状態要求信号を、実際に送信回路51に送信させる。これによって、送信回路51、送信アンテナ52を介して、車輪物理状態送信装置2向けの車輪物理状態要求信号が無線送信される。そして、携帯電話機4および通信モジュール5の最寄りの車輪に搭載された車輪物理状態送信装置2は、この車輪物理状態要求信号を受信部23から受信すると、圧力センサ25から取得したタイヤ内空気圧、および温度センサ26から取得したタイヤ内温度のデータを、車輪物理状態データとして送信部21から無線送信する。
【0054】
続いてステップ180で、モジュール側制御回路57は、車輪物理状態送信装置2からの応答としての車輪物理状態データを受信するか、あるいは所定の第2の待ち時間(第1の待ち時間より短い:例えば10秒)が経過するまで待ち、応答があるか所定の第2の待ち時間が経過すると、続いてステップ190で、ステップ180で応答があったか否か、すなわち車輪物理状態送信装置2からの応答としての車輪物理状態データを受信したか否かを判定する。そして応答なしであると判定すると、続いてステップ110の実行を行う。そして応答ありの場合、続いてステップ195で、インターフェース回路56に受信した車輪物理状態データ、すなわち応答データを出力する。これによって、インターフェース回路56、インターフェース回路43を介して、電話機側制御回路46がこの応答データを受ける。ステップ195に続いては、ステップ110の判定を行う。
【0055】
プログラム200のステップ230で応答データを待っていた電話機側制御回路46は、所定の第1の待ち時間以内にこの応答データを受けると、続いてステップ235で、応答データがありと判定し、その判定に基づき、続いてステップ240で、その応答データに含まれる車輪物理量が正常値であるか否かを判定する。具体的には、応答データに含まれるタイヤ内空気圧が、正常基準範囲にあるか、あるいは正常基準範囲を上回っていたり下回っていたりするかの判定を行ってもよいし、応答データに含まれるタイヤ内温度が正常基準範囲にあるか、あるいは正常基準範囲を上回っていたり下回っていたりするかの判定を行ってもよいし、両方の判定を行ってもよい。
【0056】
そして、その判定の結果、車輪物理量が正常値であれば、続いてステップ245で、正常である旨のメッセージおよび当該車輪物理量(具体的にはタイヤ内空気圧、タイヤ内温度)を表示装置45に映像または音声で表示させる。また、その判定の結果、車輪物理量が正常値でなければ、続いてステップ250で、異常である旨の警告メッセージおよび当該車輪物理量(具体的にはタイヤ内空気圧、タイヤ内温度)を表示装置45に映像または音声で表示させる。ステップ245、250に続いては、ステップ210の判定を実行する。
【0057】
なお、ステップ230において応答データの無いまま所定の第1の待ち時間が経過すると、続いてステップ235で、応答なしと判定し、続いてステップ238で、応答がない旨のメッセージを表示装置45に画像または音声表示させ、その後ステップ210を実行する。
【0058】
このような電話機側制御回路46およびモジュール側制御回路57の作動により、操作装置44に対して車輪の物理状態の表示のための操作があると、それを電話機側制御回路46が検出してモジュール側制御回路57に車輪物理状態要求コマンドを送信する(ステップ220、230参照)。そして、モジュール側制御回路57は、インターフェース回路56からその車輪物理状態要求コマンドを受信すると、車輪物理状態要求信号を送信回路51に第1の出力電力で送信させ(ステップ160、170参照)、その結果、車輪物理状態送信装置2から応答データを受信すると、その応答データをインターフェース回路56を介して電話機側制御回路46に出力する(ステップ195参照)。そして、電話機側制御回路46は、受けた応答データに基づいた物理状態を表示装置45に表示させる(ステップ240、245、250参照)。
【0059】
モジュール側制御回路57の作動に着目すれば、この作動は、モジュール側制御回路57が、操作装置44に対して車輪の物理状態の表示のための操作があることに基づいて、車輪物理状態要求信号を送信回路51に第1の出力電力で送信させ、その結果、車輪物理状態送信装置2から応答データを受信すると、その応答データを、携帯電子機器が有する表示装置に表示させるための信号として、インターフェース回路56を介して携帯電話機4に出力することに相当する。
【0060】
(2)通信モジュール5の受信回路53がスマートエントリ車両側機3からプローブ信号を受信し、ドアをアンロックした場合:
この場合、モジュール側制御回路57は、プログラム100のステップ110で、スマートエントリ車両側機3からの所定のプローブ信号を受信回路53を介して受信したと判定する。なお、受信したプローブ信号に含まれるスマートエントリ車両側機3の識別コードが、EEPROM55中のあらかじめ記憶された通信モジュール5毎に異なる所定の識別コードと合致したとき、この判定で肯定、すなわち所定のプローブ信号を受信したと判定する。
【0061】
その判定に基づき、続いてステップ130で、アンロック信号送信出力設定を行う。この設定は、具体的には、車輪物理状態送信装置2およびスマートエントリ車両側機3のうち、スマートエントリ車両側機3に無線送信するための送信周波数の微調整、および送信出力電力の調整を行うよう、送信回路51を制御する。ここで設定する出力電力としては、第1の出力電力より大きい第2の出力電力とする。この第2の出力電力は、具体的には、通信モジュール5から数メートル程度離れた位置のスマートエントリ車両側機3が、その出力電力で送信された信号を正しく受信できる程度の電力である。
【0062】
続いてステップ140で、アンロック信号を実際に送信回路51に送信させる。なお、このアンロック信号には、スマートエントリ車両側機3の記憶された規定のコードと同じ照合用コードを含める。この照合用コードは、EEPROM55にあらかじめ記憶されている。ステップ140に続いては、再びステップ110における、プローブ信号を受信したか否かの判定を行う。
【0063】
このように、モジュール側制御回路57は、所定のプローブ信号の受信に基づいて(ステップ110参照)、送信回路51の無線送信の出力電力を、第2の出力電力に調整し、送信周波数をスマートエントリ車両側機3向けの周波数に微調整し(ステップ130参照)、その後に、所定の照合コードを含むアンロック信号を送信回路51に送信させる(ステップ140参照)。
【0064】
(3)車両1から数メートル以内の範囲で、携帯電話機4の操作装置44に対してユーザがアンロック操作を行った場合:
この場合、電話機側制御回路46は、プログラム200のステップ210で、操作装置44に対してアンロック操作があったことを判定し、その判定に基づき、続いてステップ215で、インターフェース回路43(図8中ではI/Fと記す)へ所定のアンロックコマンドを出力する。これによって、インターフェース回路43、インターフェース回路56を介してモジュール側制御回路57にアンロックコマンドが渡される。ステップ215の後は、続いてステップ210の判定処理を実行する。
【0065】
このときモジュール側制御回路57は、ステップ110でプローブ信号を受信していないと判定し、その判定に基づき、続いてステップ120でアンロックコマンドをインターフェース回路56から受けたと判定する。続いてステップ130、140で、(2)で説明したものと同等の処理を行う。
【0066】
このような電話機側制御回路46およびモジュール側制御回路57の作動により、携帯電話機4の操作装置44に対してアンロック信号送信のための操作があると、それを電話機側制御回路46が検出してモジュール側制御回路57にアンロックコマンドを送信する(ステップ210、215参照)。そして、モジュール側制御回路57は、インターフェース回路56からそのアンロックコマンドを受信すると、スマートエントリ車両側機3向けのアンロック信号を送信回路51に第2の出力電力で送信させる(ステップ130、140参照)。
【0067】
モジュール側制御回路57の作動に着目すれば、この作動は、モジュール側制御回路57が、操作装置44に対してアンロック操作があることに基づいて、スマートエントリ車両側機3向けのアンロック信号を送信回路51に第2の出力電力で送信させることに相当する。
【0068】
なお、モジュール側制御回路57は、プログラム100の実行において、ステップ110でプローブ信号を受信していないと判定し、続いてステップ120でアンロックコマンドを受けていないと判定し、続いてステップ150で車輪物理状態要求コマンドを受けていないと判定する場合、これらステップ110、120、150をこの順に繰り返し実行するようになっているが、この場合、繰り返しの一巡に要する時間は、スマートエントリ車両側機3におけるプローブ信号の送信間隔(例えば1秒)より充分短い時間(例えば10、100ミリ秒等)であるとする。
【0069】
以上のような作動により、ユーザが携帯できるような機器(具体的には携帯電話機4)に通信モジュール5を装着することで、ユーザの車輪物理状態要求操作に基づいて、車輪物理状態要求信号を車輪物理状態送信装置2に送信し、その結果車輪物理状態送信装置2から車輪物理状態のデータを受信して表示装置に表示させる機能、スマートエントリ車両側機3からのプローブ信号を受信することに基づいて、自動的に車両のドアのロックを解除させるためのアンロック信号を送信する機能(すなわちいわゆるスマートエントリ機能)、および、ユーザのアンロック操作に基づいて、車両のドアのロックを解除させるためのアンロック信号を送信する機能(すなわちいわゆるキーレスエントリ機能)が併せて実現する。
【0070】
また、送信回路51が車輪物理状態要求信号を送信するときの第1の出力電力は、送信回路51がアンロック信号を送信するときの第2の出力電力より低くなっている。より具体的には、第1の出力電力は、車輪物理状態要求信号が例えば50センチメートル程度の車輪間の距離よりも短い範囲をその到達範囲とする程度の電力であり、第2の出力電力は、アンロック信号が例えば数メートル程度の車両全体よりも広い範囲に到達する程度の電力である。このようになっていることで、車輪物理状態要求信号は、所望の車輪の近くで送信されれば、他の車輪にはほとんど届かないので、複数の車輪から車輪物理状態の信号が送信されて互いに干渉し合うことがほとんどない。また、アンロック信号は、車両から数メートル程度離れた場合においてもスマートエントリ車両側機3に到達する。
【0071】
また、モジュール側制御回路57は、通信モジュール5が携帯電話機4に装着されているとき、図9に示すプログラム300をも実行するようになっている。モジュール側制御回路57は、このプログラムの実行において、まずステップ310で、受信回路53を介して車両データを無線受信したか否かを判定する。この車両データとは、上述のスマートエントリ車両側機3が無線送信したプローブ信号中のデータであり、スマートエントリ車両側機3の識別コードに加え、車速、車両のイグニッションの状態等、車両に関するデータが含まれている。車速、車両のイグニッションの状態のデータは、それぞれ車両が運転中かつ走行中であるか否か、車両が運転中であるか否かについてのデータである。なお、受信した車両信号に含まれるスマートエントリ車両側機3の識別コードが、EEPROM55中のあらかじめ記憶された所定の識別コードと合致したとき、この判定で肯定、すなわち所定の車両データを受信したと判定する。車両データを受信していれば、続いてステップ320を実行し、受信していなければ、ステップ310を再度実行する。
【0072】
ステップ320では、車両が運転中であるか否かを、受信した車両データ中のイグニッション状態のデータがオンを示しているか否かで判定する。なお、車両データ中にイグニッション状態のデータが含まれていなければ、その車両データ中の車速データが実質的に走行中(例えば時速1km以上)であるか否かで、車両が運転中であるか否かを判定してもよい。なお、この車速データを用いる場合は、実質的には車両が運転中かつ走行中であることを判定していることになる。車両が運転中であると判定すると、続いてステップ330を実行し、運転中でないと判定すると、続いてステップ310の判定を実行する。
【0073】
ステップ330では、携帯電話機4を運転中モードに切り替えるための制御を行う。具体的には、インターフェース回路56に対して運転中モード移行コマンドを出力する。これによって、この運転中モード移行コマンドは、インターフェース回路56、インターフェース回路43を介して電話機側制御回路46に渡され、電話機側制御回路46は、この運転中モード移行コマンドを受けたことに基づいて、電話通信部47に、運転モードに移行するよう要求するモード切り替え用の制御信号を出力する。これによって、電話通信部47は運転モードに入り、携帯電話機4における着信や通話が抑制されることになる。ステップ330に続いては、再度ステップ310を実行する。
【0074】
このようなプログラム300の実行により、受信回路53がスマートエントリ車両側機3から自車両が運転中である旨の車両データを無線受信したことに基づいて(ステップ310、330参照)、電話通信部47の着信または通話の作動を抑制する。このようになっていることで、携帯電話機4は、車両運転中は、その無線電話通信機能が抑制される。
【0075】
なお、ここでいう車載無線送信装置は、上述のプローブ信号を送信するドアアンロック装置であってもよいし、それ以外の装置であってもよい。
【0076】
また、携帯電話機4においてEEPROM55に記憶された識別コードと、スマートエントリ車両側機3からの識別コートとが合致して初めて、その携帯電話機4の無線電話通信機能が抑制される。したがって、スマートエントリ車両側機3を備えたある車両のユーザ以外の所有する携帯電話機4が当該車両内にあり、かつ当該車両が運転中であったとしても、その携帯電話機4の電話通信機能は抑制されることがない。
【0077】
なお、このような車両データは、必ずしもスマートエントリ車両側機3から送信される必要はなく、車両の他の車載無線送信装置から無線信号として送信されるようになっていてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図10に、本実施形態に係る携帯通信装置6のハードウェア構成を示す。この携帯通信装置6は、第1実施形態に示した車両1中の車輪物理状態送信装置2およびスマートエントリ車両側機3と通信するようになっている。
【0078】
この携帯通信装置6は、バッテリ61、送信回路62、送信アンテナ63、受信回路64、受信アンテナ65、操作装置66、表示装置67、EEPROM68、および制御回路69を有する、ユーザが持ち運び可能な一体型の通信装置である。
【0079】
バッテリ61は、携帯通信装置6の上記各構成要素に作動のための電力を供給する。
【0080】
送信回路62は、制御回路69から受けたデータに対してD/A変換、変調、周波数変換、増幅等、所定の無線通信プロトコルに従った処理を施し、その結果の信号を送信アンテナ63に出力する。ここで用いる無線通信プロトコルは、上述の車輪物理状態送信装置2の受信部23、およびスマートエントリ車両側機3の受信部33が受信して正しくデータを読み取ることのできるようなものである。なお、本実施形態においても受信部23および受信部33の受信周波数帯はほぼ同じで僅かにずれている。したがって、送信回路51における周波数変換、変調等に用いる回路構成は、1つの周波数帯に対応した1組だけあればよい。ただし受信部23および受信部33のそれぞれに無線送信するために2つの周波数帯に対応した2組の上記回路構成を有していてもよい。また送信回路62は、制御回路69からの制御を受けて、その無線送信の出力電力の調整および送信周波数の微調整を行うことができるようになっている。
【0081】
受信回路64は、受信アンテナ65が受信した信号に対して増幅、周波数変換、復調、A/D変換等、所定の無線通信プロトコルに従った処理を施し、その結果を制御回路69に出力する。ここで用いる無線通信プロトコルは、上述の車輪物理状態送信装置2の送信部31、およびスマートエントリ車両側機3の送信部31が送信した無線信号中のデータを正しく読み取ることのできるようなものである。なお、本実施形態においても送信部21および送信部31の送信周波数帯はほぼ同じで僅かにずれている。したがって、受信回路64における周波数変換、復調等に用いる回路構成は、1つの周波数帯に対応した1組だけあればよい。ただし送信部21および送信部31のそれぞれからの信号を無線受信するために2つの周波数帯に対応した2組の上記回路構成を有していてもよい。
【0082】
操作装置66は、ボタン、スイッチ等、ユーザの操作を受け付け、その受け付けた操作に対応する信号を制御回路69に出力するようになっている。
【0083】
表示装置67は、制御回路69から受けた映像信号に基づく映像を出力する液晶ディスプレイ等の画像表示装置、および、制御回路69から受けた音信号に基づく音を出力するスピーカを有している。
【0084】
制御回路69は、CPU、RAM、ROM、I/O等を有する通常のマイクロコンピュータから成り、ROMに記憶されているプログラムを実行することで作動し、その作動において、受信回路64、操作装置66から各種信号を受け、また必要に応じて送信回路62、表示装置67に各種信号を出力し、またRAM、ROM、EEPROM68からデータを読み出し、RAM、EEPROM68にデータを書き込む。
【0085】
図11に、制御回路69が実行するプログラム400の処理の内容を、(1)車両1の車輪のいずれかから数十センチメートル以内の範囲で、操作装置66に対してユーザが車輪の物理状態の表示のための操作をした場合、(2)受信回路64がスマートエントリ車両側機3からプローブ信号を受信した場合、および(3)車両1から数メートル以内の範囲で、操作装置66に対してユーザがアンロック操作を行った場合の、3つの場合を例にとって説明する。
【0086】
(1)車両1の車輪のいずれかから数十センチメートル以内の範囲で、操作装置66に対してユーザが車輪の物理状態の表示のための操作をした場合:
この場合、制御回路69は、ステップ405でプローブ信号を受信回路64が受信していないと判定し、その判定に基づき、ステップ410で操作装置66に対するアンロック操作がないと判定し、その判定に基づき、ステップ420で車輪の物理状態の表示のための操作、すなわち車輪物理状態表示操作があると判定する。その判定に基づき、続いてステップ423で、第1実施形態において示したプログラム100のステップ160と同じ作動で、車輪物理状態要求信号の送信出力設定を行う。すなわち、送信回路62の送信出力電力を第1の出力電力とし、送信周波数を車輪物理状態送信装置2宛のものとする。
【0087】
続いてステップ428で、車輪物理状態要求信号を実際に送信回路62に送信させる。これによって、送信回路62、送信アンテナ63を介して、車輪物理状態送信装置2向けの車輪物理状態要求信号が無線送信される。そして、携帯通信装置6の最寄りの車輪に搭載された車輪物理状態送信装置2は、この車輪物理状態要求信号に応じて、第1実施形態と同等の車輪物理状態データを無線送信する。
【0088】
続いてステップ430で、プログラム100のステップ180と同様の作動で、車輪物理状態送信装置2からの応答としての車輪物理状態データを受信するか、あるいは所定の待ち時間(例えば20秒)が経過するまで待ち、応答があるか所定の待ち時間が経過すると、続いてステップ435で、ステップ430で応答を受信したか否か、すなわち車輪物理状態送信装置2からの応答としての車輪物理状態データを受信したか否かを判定する。
【0089】
そして応答ありの場合、続いてステップ440で、プログラム100のステップ240と同等の処理でその応答のデータに含まれる車輪物理量が正常値であるか否かを判定する。
【0090】
そして、その判定の結果、車輪物理量が正常値であれば、続いてステップ445で、正常である旨のメッセージおよび当該車輪物理量(具体的にはタイヤ内空気圧、タイヤ内温度)を表示装置67に映像または音声で表示させる。また、その判定の結果、車輪物理量が正常値でなければ、続いてステップ450で、以上である旨の警告メッセージおよび当該車輪物理量(具体的にはタイヤ内空気圧、タイヤ内温度)を表示装置67に映像または音声で表示させる。ステップ445、450に続いては、ステップ210の判定を実行する。
【0091】
なお、ステップ430において応答データの無いまま所定の待ち時間が経過すると、続いてステップ435で、応答なしと判定し、続いてステップ438で、応答がない旨のメッセージを表示装置67に画像または音声表示させ、その後ステップ405を実行する。
【0092】
このような制御回路69の作動により、操作装置66に対して車輪の物理状態の表示のための操作があると、車輪物理状態要求信号を送信回路62が第1の出力電力で送信し(ステップ423、428参照)、その結果、車輪物理状態送信装置2から応答データを受信すると、その応答データに基づいた物理状態を表示装置67に表示させる(ステップ440、445、450参照)。
【0093】
(2)受信回路64がスマートエントリ車両側機3からプローブ信号を受信した場合:
この場合、制御回路69は、ステップ405で、スマートエントリ車両側機3からの所定のプローブ信号を、受信回路64を介して受信したと判定する。なお、受信したプローブ信号に含まれるスマートエントリ車両側機3の識別コードが、EEPROM68中のあらかじめ記憶された携帯通信装置6毎に異なる所定の識別コードと合致したとき、この判定で肯定、すなわち所定のプローブ信号を受信したと判定する。
【0094】
その判定に基づき、続いてステップ413で、プログラム100のステップ130と同じアンロック信号送信出力設定を行う。
【0095】
続いてステップ418で、アンロック信号を実際に送信回路62に送信させる。なお、このアンロック信号には、スマートエントリ車両側機3の記憶された規定のコードと同じ照合用コードを含める。この照合用コードは、EEPROM68にあらかじめ記憶されている。ステップ418に続いては、再びステップ405における、プローブ信号を受信したか否かの判定を行う。
【0096】
このように、制御回路69は、所定のプローブ信号の受信に基づいて(ステップ405参照)、送信回路62の無線送信の出力電力を、第2の出力電力に調整し、送信周波数をスマートエントリ車両側機3向けの周波数に微調整し(ステップ413参照)、その後に、所定の照合コードを含むアンロック信号を送信回路62に送信させる(ステップ418参照)。
【0097】
(3)車両1から数メートル以内の範囲で、操作装置66に対してユーザがアンロック操作を行った場合:
この場合、制御回路69は、プログラム400のステップ405で、プローブ信号を受信してないと判定し、その判定に基づき、続いてステップ410で、操作装置66に対してアンロック操作があったことを判定し、その判定に基づき、続いてステップ413、418で、(2)で説明したものと同等の処理を行う。
【0098】
このような制御回路69の作動により、操作装置66に対してアンロック信号送信のための操作があると、スマートエントリ車両側機3向けのアンロック信号を送信回路62に第2の出力電力で送信させる(ステップ413、418参照)。
【0099】
なお、制御回路69は、プログラム400の実行において、ステップ405でプローブ信号を受信していないと判定し、続いてステップ410でアンロック操作を受けていないと判定し、続いてステップ420で車輪物理状態要求操作を受けていないと判定する場合、これらステップ405、410、420をこの順に繰り返し実行するようになっているが、この場合、繰り返しの一巡に要する時間は、スマートエントリ車両側機3におけるプローブ信号の送信間隔(例えば1秒)より充分短い時間(例えば10、100ミリ秒等)であるとする。
【0100】
以上のような作動により、ユーザが携帯できるような機器(具体的には携帯通信装置6)が、ユーザの車輪物理状態要求操作に基づいて、車輪物理状態要求信号を車輪物理状態送信装置2に送信し、その結果車輪物理状態送信装置2から車輪物理状態のデータを受信して表示装置に表示させる機能、スマートエントリ車両側機3からのプローブ信号を受信することに基づいて、自動的に車両のドアの施錠・開錠するための施錠/開錠信号を送信する機能(すなわちいわゆるスマートエントリ機能)、および、ユーザの施錠/開錠操作に基づいて、車両のドアの施錠・開錠させるための施錠/開錠信号を送信する機能(すなわちいわゆるキーレスエントリ機能)が併せて実現する。
【0101】
また、送信回路62が車輪物理状態要求信号を送信するときの第1の出力電力は、送信回路51が施錠/開錠信号を送信するときの第2の出力電力より低くなっている。より具体的には、第1の出力電力は、車輪物理状態要求信号が例えば50センチメートル程度の車輪間の距離よりも短い範囲をその到達範囲とする程度の電力であり、第2の出力電力は、ア施錠/開錠信号が例えば数メートル程度の車両全体よりも広い範囲に到達する程度の電力である。このようになっていることで、車輪物理状態要求信号は、所望の車輪の近くで送信されれば、他の車輪にはほとんど届かないので、複数の車輪から車輪物理状態の信号が送信されて互いに干渉し合うことがほとんどない。また、アンロック信号は、車両から数メートル程度離れた場合においてもスマートエントリ車両側機3に到達する。
【0102】
なお、上記の各実施形態において、スマートエントリ車両側機3がドアアンロック装置および車載無線送信装置に相当する。
【0103】
また、第1実施形態において、携帯電話機4および通信モジュール5の組み合わせが携帯通信装置に相当する。また、携帯電話機4が携帯電子機器に相当し、通信モジュール5が携帯電子機器装着用通信装置に相当する。
【0104】
また、電話機側制御回路46およびモジュール側制御回路57の組み合わせが、制御回路に相当する。また、電話機側制御回路46が装着側制御回路に相当する。また、電話通信部47が無線電話通信手段に相当する。また、モジュール側制御回路57がプログラム300を実行することで、電話抑制手段として機能する。
【0105】
また、モジュール側制御回路57がプログラム100のステップ130および140を実行することで、施錠/開錠信号送信制御手段の機能が実現する。また、電話機側制御回路46がプログラム200のステップ240、245、および250を実行することで、表示制御手段の機能が実現する。また、電話機側制御回路46がプログラム200のステップ220を実行することで、車輪物理状態表示操作検出手段の機能が実現する。また、モジュール側制御回路57がプログラム100のステップ160および170を実行することで、車輪物理状態要求信号送信制御手段の機能が実現する。また、モジュール側制御回路57がプログラム100のステップ195を実行することで、車輪物理状態表示出力手段の機能が実現する。
【0106】
また、第2実施形態において、また、制御回路69がプログラム400のステップ413および418を実行することで、アンロック信号送信制御手段の機能が実現する。また、制御回路69がプログラム400のステップ440、445および450を事項することで、表示制御手段の機能が実現する。また、制御回路69がプログラム400のステップ420を実行することで、車輪物理状態表示操作検出手段の機能が実現する。また、制御回路69がプログラム400のステップ
423および428を実行することで車輪物理状態要求信号送信制御手段の機能が実現する。
(他の実施形態)
なお、上記の第1実施形態において、携帯電話機4が携帯電子機器の一例として示されているが、必ずしも携帯電話である必要はなく、例えばPDA、デジタルカメラ、ビデオカメラ等、通信モジュール5を着脱可能に装着でき、かつ携帯可能な電子機器であればどのようなものでもよい。
【0107】
また、携帯電子機器は、カードスロットとしてメモリカードスロットを有しており、携帯電子機器装着用通信装置は、メモリカードスロットに挿入されるような外形およいインターフェース回路を有しており、このメモリカードスロットに携帯電子機器装着用通信装置が挿入されることで、携帯電子機器装着用通信装置が携帯電子機器に着脱可能に装着されるようになっていてもよい。また、携帯電子機器装着用通信装置が携帯電子機器に着脱可能に装着されるスロットの部分は、メモリカードのような広く利用されている規格に従ったものでなく、独自の構造を有していてもよい。その際、携帯電子機器装着用通信装置はその独自のスロットに着脱可能に装着されるような外形およびインターフェース回路を有している必要がある。
【0108】
また、第1実施形態においては、モジュール側制御回路57がプログラム300を実行することで、車両が運転中であるか否かを判定するようになっているが、車両が運転中であるか否か、および車両が走行中であるか否かの判定は、電話機側制御回路46が行うようになっていてもよい。この場合、モジュール側制御回路57は、車両データを含むプローブ信号を受信回路53を介して受信すると、それをインターフェース回路56に出力し、電話機側制御回路46は、インターフェース回路56、インターフェース回路43を介してその車両データを受け、その受けた車両データに基づいて、ステップ320の判定を実行し、運転中、または走行中であると判定した場合、電話通信部47に運転中モードに切り替えるよう要求する制御信号を出力するようになっていてもよい。
【0109】
なお、第1および第2実施形態においては、携帯電話機4および通信モジュール5の組み合わせ、ならびに携帯通信装置6は、それぞれキーレスエントリ機能とスマートエントリ機能を実現しているが、例えばこれらのうちキーレスエントリ機能のみを実現するようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの構成を概略的に示す図である。
【図2】車輪物理状態送信装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】スマートエントリ車両側機3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】携帯電話機4および通信モジュール5の外観を概略的に示す図である。
【図5】携帯電話機4のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】通信モジュール5のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図7】モジュール側制御回路57が実行するプログラム100のフローチャートである。
【図8】電話機側制御回路46が実行するプログラム200のフローチャートである。
【図9】モジュール側制御回路57が実行するプログラム300のフローチャートである。
【図10】携帯通信装置6のフローチャートである。
【図11】制御回路69が実行するプログラム400のフローチャートである。
【符号の説明】
【0111】
1…車両、2…車輪物理状態送信装置、3…スマートエントリ車両側機、
4…携帯電話、5…通信モジュール、6…携帯通信装置、21…送信部、
22…送信アンテナ、23…受信部、24…受信アンテナ、25…圧力センサ、
26…温度センサ、27…制御部、31…送信部、32…送信アンテナ、
33…受信部、34…受信アンテナ、35…制御部、41…バッテリ、
42…定電圧回路、43…インターフェース回路、44…操作装置、45…表示装置、
46…電話機側制御回路、47…電話通信部、48…運転モード機能、
51…送信回路、52…送信アンテナ、53…受信回路、54…受信アンテナ、
55…EEPROM、56…インターフェース回路、57…モジュール側制御回路、
61…バッテリ、62…送信回路、63…送信アンテナ、64…受信回路、
65…受信アンテナ、66…操作装置、67…表示装置、68…EEPROM、
69…制御回路、100〜400…プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、
車輪に搭載され、当該車輪の物理状態の信号を無線送信する車輪物理状態送信装置から無線送信された信号を無線受信する受信回路と、
車外から施錠/開錠信号を無線受信したことに基づいて自車両のドアの施開錠をするドアロック装置宛に信号を無線送信する送信回路と、
制御回路と、を備え、
前記制御回路は、
前記ドアロック装置宛の前記施錠/開錠信号を前記送信回路に送信させる施錠/開錠信号送信制御手段、および
前記車輪物理状態送信装置が無線送信した前記車輪の物理状態の信号を前記受信回路が無線受信することに基づいて、当該信号に基づいた物理状態を前記表示装置に表示させる表示制御手段として機能することを特徴とする、ユーザが携帯可能な携帯通信装置。
【請求項2】
ユーザの操作を受け付ける操作装置を備え、
車輪に搭載され、当該車輪の物理状態の送信の要求信号を無線受信すると、当該車輪の物理状態の信号を無線送信する車輪物理状態送信装置宛にも、前記送信回路は信号を無線送信し、
前記制御回路は更に、
前記操作装置に対して車輪の物理状態の表示のための操作があったことを検出する車輪物理状態表示操作検出手段、および
前記車輪物理状態表示操作検出手段の検出に基づいて、第1の出力電力で、車輪の物理状態の送信の要求信号を前記送信回路に送信させる車輪物理状態要求信号送信制御手段として機能し、
前記施錠/開錠信号送信制御手段は、前記第1の出力電力よりも高い第2の出力電力で、前記施錠/開錠信号を前記送信回路に送信させることを特徴とする請求項1に記載の携帯通信装置。
【請求項3】
所定のプローブ信号を無線送信し、施錠/開錠信号を無線受信したことに基づいて車両のドアの施開錠をするドアロック装置から無線送信された信号も、前記受信回路は無線受信し、
前記施錠/開錠信号送信制御手段は、前記受信回路による前記所定のプローブ信号の受信に基づいて、前記施錠/開錠信号を前記送信回路に送信させることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯通信装置。
【請求項4】
無線電話通信手段を備え、
前記受信回路は、車載無線送信装置からの信号を無線受信し、
前記制御回路は更に、前記受信回路が前記車載無線送信装置からの信号を無線受信したことに基づいて、前記無線電話通信手段における着信または通話の作動を抑制する電話抑制手段として機能することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の携帯通信装置。
【請求項5】
前記電話抑制手段は、前記車載無線送信装置からの、当該車両が運転中であることを示す信号を前記受信回路が無線受信したことに基づいて、前記無線電話通信手段における着信または通話の作動を抑制することを特徴とする請求項4に記載の携帯通信装置。
【請求項6】
携帯電子機器と着脱可能に接続するためのインターフェース回路(56)と、
車外から施錠/開錠信号を無線受信したことに基づいて自車両のドアの施錠・開錠をするドアロック装置宛に信号を無線送信する、前記インターフェース回路を介して接続する携帯電子機器から電力を受けて作動する送信回路(51、62)と、
前記インターフェース回路を介して接続する携帯電子機器から電力を受けて作動する装着側制御回路と、を備え、
前記装着側制御回路は、前記ドアロック装置宛の前記施錠/開錠信号を前記送信回路に送信させる施錠/開錠信号送信制御手段として機能することを特徴とする、携帯電子機器に着脱可能に装着される携帯電子機器装着用通信装置。
【請求項7】
前記施錠/開錠信号送信制御手段は、前記携帯電子機器が有する操作装置に対してユーザが施開錠操作をしたことによって前記携帯電子機器が出力した信号を前記インターフェース回路を介して受けることに基づいて、前記ドアロック装置宛の前記施錠/開錠信号を前記送信回路に送信させることを特徴とする請求項6に記載の携帯電子機器装着用通信装置。
【請求項8】
車輪に搭載され、当該車輪の物理状態の信号を無線送信する車輪物理状態送信装置から無線送信された信号を無線受信する受信回路を備え、
前記装着側制御回路は更に、前記受信回路が車輪物理状態送信装置から無線送信された当該車輪の物理状態の信号を受信したことに基づいて、当該信号に係る車輪の物理状態を、前記インターフェース回路を介して接続する携帯電子機器が有する表示装置に表示させるための信号を、前記インターフェース回路を介して当該携帯電子機器に出力する車輪物理状態表示出力手段としても機能することを特徴とする請求項6または7に記載の携帯電子機器装着用通信装置。
【請求項9】
車輪に搭載され、当該車輪の物理状態の送信の要求信号を無線受信すると、当該車輪の物理状態の信号を無線送信する車輪物理状態送信装置宛にも、前記送信回路は信号を無線送信し、
前記制御回路は更に、前記携帯電子機器が有する操作装置に対してユーザが車輪の物理状態の表示のための操作をしたことによって前記携帯電子機器が出力した信号を前記インターフェース回路を介して受けることに基づいて、第1の出力電力で、車輪の物理状態の送信の要求信号を前記送信回路に送信させる車輪物理状態要求信号送信制御手段として機能し、
前記施錠/開錠信号送信制御手段は、前記第1の出力電力よりも高い第2の出力電力で、前記施錠/開錠信号を前記送信回路に送信させることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1つに記載の携帯電子機器装着用通信装置。
【請求項10】
前記受信回路は、車載無線送信装置からの信号を無線受信し、
前記装着側制御回路は更に、前記受信回路が前記車載無線送信装置からの信号を無線受信したことに基づいて、前記インターフェース回路を介して接続する携帯電話機に着信または通話の作動を抑制させるための信号を、前記インターフェース回路を介して前記携帯電話機に出力することを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1つに記載の携帯電子機器装着用通信装置。
【請求項11】
所定のプローブ信号を無線送信し、施錠/開錠信号を無線受信したことに基づいて車両の施開錠するドアロック装置から無線送信された信号も、前記受信回路は無線受信し、
前記施錠/開錠信号送信制御手段は、前記受信回路による前記所定のプローブ信号の受信に基づいて、前記施錠/開錠信号を前記送信回路に送信させることを特徴とする請求項6ないし10のいずれか1つに記載の携帯通信装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−138156(P2006−138156A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−330150(P2004−330150)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】