説明

携帯電子機器及びスライドキー部材

【課題】本発明は、防水性を損なうことなくスイッチ端子部を押圧できる新たな携帯電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】携帯電子機器は、第1内部ケース2aに形成される第1貫通孔27と、第1貫通孔27を封止する柔軟でシート状のパッキン部材40と、スイッチ端子部32を有するスイッチ部材30と、第2スライドキー19であって、パッキン部材40側に突出する当接部52を有するキー部材50と、当接部52とパッキン部材40との間に配置され、キー部材50が第2位置PL2に位置した場合に当接される被当接部71を有し、キー部材50が第2位置PL2に位置した場合、所定部70cがパッキン部材40を介してスイッチ端子部32を押圧するように変形する舌片部材70と、を有する第2スライドキー19とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の携帯電子機器に関する。また、本発明は、携帯電子機器に用いられるスライドキー部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防水性を有する携帯電話機等が存在する。防水性を有する携帯電話機等において、筺体内部への水の浸入を防止するため、各種パッキンが用いられている。パッキンは、例えば、ケース部材同士を組み合わせた状態における互いの当接部分や、操作キー等を挿通させる開口部に配置される。
【0003】
ここで、携帯電話機等がスライドキーを備える場合、筺体内に配置されるスイッチを切り替えるため、シート状のパッキンには、スライドキーから突出する突出部材を挿通させる挿通孔が形成される。
そして、スライドキーがスライド移動されることで、突出部材は、シート状のパッキンを平面方向に変形させながら移動して、筺体内に配置されるスイッチを切り替える。
【0004】
しかし、上記構成において、スライドキーを繰り返し移動させることにより、突出部材に平面方向に繰り返し変形され、挿通孔の周囲に破損が生じる場合がある。
【0005】
これに対し、挿通孔の周囲に肉厚部を形成して、パッキンにおける破損を抑制するスイッチ構造を有する携帯電話機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−49803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
防水性を損なうことなくスイッチ端子部を押圧できる新たな携帯電子機器が望まれている。
【0008】
また、本発明は、防水性を損なうことなくスイッチ端子部を押圧できる新たな携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、内部空間を有する内部ケース部材と、前記内部ケース部材に形成される第1貫通孔と、前記第1貫通孔を封止する柔軟でシート状の封止部材と、前記内部ケース部材の前記内部空間に配置され、スイッチ本体と、前記スイッチ本体の前記封止部材側に突出すると共に突出位置が変位可能に構成されるスイッチ端子部と、を有するスイッチ部材と、前記内部ケース部材の外側に前記封止部材を挟んで前記スイッチ部材と対向して配置されるスライドキー部材であって、板状の操作部と、前記操作部の前記封止部材側に形成され前記封止部材側に突出する当接部とを有するキー部材と、前記キー部材を前記当接部における突出方向と交差する方向にスライド移動可能であって第1位置と第2位置とにスライド移動可能に保持するキー保持部材と、前記キー部材における前記当接部と前記封止部材との間に配置され、一端側が自由端となるよう前記キー保持部材に直接又は間接的に固定される舌片部材であって、前記自由端側における前記キー部材側の面に前記キー部材側に突出して形成され、前記キー部材が第1位置に位置した場合には当接されず、前記キー部材が前記第2位置に位置した場合には当接される被当接部を有し、前記キー部材が第2位置に位置した場合、前記自由端側における所定部が、前記キー部材が前記第1位置に位置した状態における位置よりも前記スイッチ端子部側に位置して、前記封止部材を介して前記スイッチ端子部を押圧することで前記スイッチ端子部の突出位置を変位させるように変形する舌片部材と、を有するスライドキー部材と、を備える携帯電子機器に関する。
【0010】
また、携帯電子機器は、前記舌片部材が固定される舌片保持部材と、を備え、前記舌片保持部材は、前記キー保持部材の前記封止部材側に取り付けられることが好ましい。
【0011】
また、携帯電子機器において、前記キー保持部材は、前記内部ケース部材の外面に取り付けられることが好ましい。
【0012】
また、携帯電子機器において、前記舌片保持部材は、前記スライド移動方向に長い長孔状であって前記当接部に挿通される挿通孔と、前記挿通孔の内面に該内面から突出して形成され、前記キー部材が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する場合において、所定位置で前記当接部に当接されるクリック部と、を備えることが好ましい。
【0013】
また、携帯電子機器は、前記内部ケース部材の外側に配置され、前記第1貫通孔に対向して配置される第2貫通孔を有する外部ケースを備え、前記スライドキー部材は、前記キー部材が前記第2貫通孔を介して前記外部ケースの外側に露出するように配置されることが好ましい。
【0014】
また、本発明は、内部空間を有する内部ケース部材と、前記内部ケース部材に形成される第1貫通孔と、前記第1貫通孔を封止する柔軟でシート状の封止部材と、前記内部ケース部材の前記内部空間に配置され、スイッチ本体と、前記スイッチ本体の前記封止部材側に突出すると共に突出位置が変位可能に構成されるスイッチ端子部と、を有するスイッチ部材と、を有する携帯電子機器に用いられるスライドキー部材であって、前記内部ケース部材の外側に前記封止部材を挟んで前記スイッチ部材と対向して配置され、板状の操作部と、前記操作部の前記封止部材側に形成され前記封止部材側に突出する当接部とを有するキー部材と、前記キー部材を前記当接部における突出方向と交差する方向にスライド移動可能であって第1位置と第2位置とにスライド移動可能に保持するキー保持部材と、前記キー部材における前記当接部と前記封止部材との間に配置され、一端側が自由端となるよう前記キー保持部材に直接又は間接的に固定される舌片部材であって、前記自由端側における前記キー部材側の面に前記キー部材側に突出して形成され、前記キー部材が第1位置に位置した場合には当接されず、前記キー部材が前記第2位置に位置した場合には当接される被当接部を有し、前記キー部材が第2位置に位置した場合、前記自由端側の所定部が、前記キー部材が前記第1位置に位置した状態における位置よりも前記スイッチ端子部側に位置して、前記封止部材を介して前記スイッチ端子部を押圧することで前記スイッチ端子部の突出位置を変位させるように変形する舌片部材と、を備えるスライドキー部材に関する。
【0015】
また、本発明は、第1貫通孔が形成されるケース部材と、前記第1貫通孔を封止する封止部材と、スイッチ端子部と、前記封止部材を挟んで前記スイッチ端子部と対向して配置され、一端側が自由端となる舌片部材を有する、スライド移動可能なスライドキー部材と、を有し、前記スライドキー部材は、前記スライド移動に伴って、前記封止部材を介して前記舌片部材の前記自由端が前記スイッチ端子部を押圧する携帯電子機器に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、防水性を損なうことなくスイッチ端子部を押圧できる新たな携帯電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】携帯電話機1における正面図である。
【図2】携帯電話機1における裏面図である。
【図3】携帯電話機1における側面図である。
【図4】携帯電話機1における裏面側の斜視図である。
【図5】図4の携帯電話機1における展開図である。
【図6】携帯電話機1における第2スライドキー19やスイッチ部材30の配置を示す水平断面図である。
【図7】図6に示した第2スライドキー19の拡大図である。
【図8】図7に示した第2スライドキー19の展開図である。
【図9】第2スライドキー19を構成するキー部材50、キー保持部材60、舌片部材70の展開状態の斜視図である。
【図10】組立状態の第2スライドキー19をシート状のパッキン部材40側から見た斜視図である。
【図11】舌片部材70及び舌片保持部材86のシート状のパッキン部材40側から見た斜視図である。
【図12A】第2スライドキー19の動作説明図で、キー部材50が第1位置PL1に位置している状態の説明図である。
【図12B】第2スライドキー19の動作説明図で、キー部材50が第2位置PL2に位置している状態の説明図である。
【図13A】スイッチ部材30及び舌片部材70の配置の他の実施の形態の説明図である。
【図13B】スイッチ部材30及び舌片部材70の配置の更に他の実施の形態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
図1から図5により、携帯電話機1(携帯電子機器)における基本構造を説明する。
図1は、携帯電話機1における正面図である。図2は、携帯電話機1における裏面図である。図3は、携帯電話機1における側面図である。図4は、携帯電話機1における裏面側の斜視図である。図5は、図4の携帯電話機1における展開図である。
【0019】
図1から図4に示すように、携帯電話機1は、筐体2を有する。
筐体2は、表面2Aと、裏面2Bとを有する。本実施形態において、表面2Aは、ユーザに対向する面であってユーザからの押圧操作を受ける面である。また、裏面2Bは、ユーザの指や手の平に対向して配置される(載置される)面である。
筐体2における外郭は、外部ケース2bと、バッテリーカバー2cと、第2内部ケース2dと、フロントパネル2eとにより構成される。また、筐体2における内部には、内部空間IS(図5参照)を有する第1内部ケース2aが配置される。
【0020】
筐体2における表面2A側には、操作キー群11と、第1スライドキー12と、表示部21と、音出力部25と、表面側気圧調整部110(外側通気孔111)とが配置される。
また、筐体2における裏面2B側には、裏面側気圧調整部120(外側通気孔121)が配置される。
また、筐体2における長手方向の側面には、インターフェース17(IFカバー17a)と、サイドキー16と、第2スライドキー19(スライドキー部材)とが配置される。
また、筐体2における短手方向の側面には、音入力部24(マイク用孔24a)が配置される。
【0021】
操作キー群11は、内部ケース部材(第1内部ケース2a及び第2内部ケース2d)の長手方向における一端側に配置される。
操作キー群11は、第2内部ケース2dの外側に配置される第1操作キー11a、第2操作キー11b、第3操作キー11cを備える。
第1操作キー11a、第2操作キー11b、第3操作キー11cそれぞれには、所定の機能がアサインされている。第1操作キー11a、第2操作キー11b、第3操作キー11cのいずれかが選択(押下)された場合、選択された機能にアサインされた機能が実行される(対応アプリケーションが起動する)。
第1操作キー11a、第2操作キー11b、第3操作キー11cに対しては、例えば、表示部21に各操作キーの近傍に表示されたアイコン等の機能表示に対応する機能をアサインされる。
【0022】
第1スライドキー12は、携帯電話機1における長手方向の一端側に形成される。第1スライドキー12は、表面2Aに沿って筐体2の幅方向にスライド移動可能に構成される。
第1スライドキー12は、位置に応じて所定の機能や起動中の機能における動作条件がアサインされる。
例えば、第1スライドキー12は、位置に応じて、呼び出し音や音出力部25における出音の大きさを切り替えるように動作条件がアサインされてもよく、位置に応じて、他の機能が起動(切替)するようにアサインされてもよい。
【0023】
表示部21は、文字情報や画像情報等の各種情報を表示可能に構成される。
表示部21は、所定の機能に対応した文字情報や画像情報を表示可能に構成される。
【0024】
音出力部25は、筐体2における該筐体2の長手方向における一端側に配置される。音出力部25は、長手方向において、後述する音入力部24と反対の端部側に配置される。
音出力部25は、表面2Aに形成されたレシーバ用孔25aと、第1内部ケース2a第2内部ケース2dの内部に収容配置されるレシーバ(スピーカ)25bとを有する。
レシーバ用孔25aは、第2内部ケース2d及びフロントパネル2eに形成された貫通孔である。
レシーバ25bは、第1内部ケース2aと第2内部ケース2dとにより形成された内部空間ISに収容配置される。レシーバ25bは、振動板(不図示)を有する。レシーバ25bは、振動板を振動させることで、レシーバ用孔25aを介して外部空間OSに出音する。
ここで、レシーバ25bは、内部空間ISにおける内圧が上昇した場合、ビリ音が生じる等の不具合が生じる場合がある。
【0025】
表面側気圧調整部110は、表面2A側に形成される気圧調整部である。表面側気圧調整部110は、後述する裏面側気圧調整部120と共に、内部空間ISと外部空間OS(図5参照)との気圧が同じくなるよう調整する。
表面側気圧調整部110は、気圧調整部材113を有する。
気圧調整部材113に用いられる気圧調整シートは、防水機能を有すると共に、通気性を有するシートである。
【0026】
裏面側気圧調整部120は、裏面2B側に形成される気圧調整部である。裏面側気圧調整部120は、上述した表面側気圧調整部110と共に、内部空間ISと外部空間OSとの気圧が同じくなるよう調整する。
裏面側気圧調整部120は、内側気圧調整部材130を有する。
内側気圧調整部材130に用いられる気圧調整シートは、防水機能を有すると共に、通気性を有するシートである。
【0027】
インターフェース17は、不使用時には、IFカバー17aにより覆われている。
サイドキー16は、所定の機能がアサインされている。サイドキー16が選択(押下)された場合、選択された機能にアサインされた機能が実行される(対応アプリケーションが起動する)。本実施形態において、例えば、サイドキー16には、キーロック機能がアサインされる。
【0028】
第2スライドキー19は、側面に沿って筐体2の長手方向にスライド移動可能に構成される。
第2スライドキー19は、位置に応じて所定の機能や起動中の機能における動作条件がアサインされる。
例えば、第2スライドキー19は、位置に応じて、電源をオン/オフするよう動作条件がアサインされていてもよい。第2スライドキー19の配置や構造等については後に詳述する。
【0029】
音入力部24は、筐体2における短手方向に延びる側面に配置される。音入力部24は、長手方向において、前述の音出力部25と反対の端部側に配置される。
音入力部24は、側面に形成されたマイク用孔24aと、第1内部ケース2a及び第2内部ケース2dの内部に収容配置されるマイク24bとを有する。
マイク用孔24aは、第2内部ケース2dに形成された貫通孔である。
マイク24bは、第1内部ケース2aと第2内部ケース2dとにより形成された内部空間ISに収容配置される。
【0030】
次いで、図5により、携帯電話機1における内部構造について説明する。
図5に示すように、筐体2は、上述の通り、第1内部ケース2aと、外部ケース2b(外部ケース部材)と、バッテリーカバー2cと、第2内部ケース2dと、フロントパネル2eとを備える。ここで、第1内部ケース2a及び第2内部ケース2dは、内部空間ISを有する内部ケース部材20を構成する。
また、携帯電話機1は、内部空間ISを有する内部ケース部材20と、内部ケース部材20に形成される第1貫通孔27と、第1貫通孔27を封止する柔軟でシート状のパッキン部材40と、シート状のパッキン部材40と対向するように内部ケース部材20の内部空間ISに配置されるスイッチ部材30と、内部ケース部材20内のスイッチ部材30とシート状のパッキン部材40を挟んで対向するように内部ケース部材20の外側に配置される第2スライドキー19と、を備える。
【0031】
第1内部ケース2aは、筐体2の内部側に配置されるケース部材である。第1内部ケース2aは、第2内部ケース2dとともに内部空間ISを形成する。
第1内部ケース2aは、外側(外部空間OS側)に形成されるバッテリ収容部81を有する。バッテリ収容部81には、バッテリ80が収容配置される。バッテリ収容部81は、バッテリ80が収容された状態でバッテリーカバー2cにより密閉される。
【0032】
外部ケース2bは、第1内部ケース2aの外側(外部空間OS側)に配置される。外部ケース2bは、第1内部ケース2aの外側に積層配置される。
外部ケース2bは、開口190を有する。開口190は、バッテリを着脱するための開口であって、上述のバッテリ収容部81に対応して形成される。開口190は、バッテリーカバー2cにより被覆される部分である。
外部ケース2bには、前述の外側通気孔121(図2参照)が形成される。外側通気孔121は、内部ケースの長手方向における操作キー群11側と反対の他端側に形成される。外側通気孔121は、外部ケース2bにおける一面側と他面側とを連通させる。外側通気孔121は、内部空間ISと外部空間OSとを連通させる。
【0033】
バッテリーカバー2cは、上述の通り、開口190を覆うように配置されると共に、バッテリ収容部81を密閉する部材である。
第2内部ケース2dは、第1内部ケース2aとともに内部空間ISを形成する。第2内部ケース2dは、第1内部ケース2aと防水パッキン等を介して組み合わされる。第2内部ケース2dは、第1内部ケース2aとともに密閉された内部空間ISを形成する。
第1内部ケース2aと第2内部ケース2dとが、内部空間ISを形成する内部ケース部材20を形成している。
【0034】
フロントパネル2eは、光透過性の板状部材である。フロントパネル2eは、筐体2における表示部21側の表面に配置される。フロントパネル2eは、表示部21に表示した文字や画像を外部に視認可能に透過する。
また、表示部21がタッチパネルである場合、フロントパネル2eは、ユーザの指やタッチペンにより接触される部分である。
【0035】
第1内部ケース2aと第2内部ケース2dとの間に形成される内部空間ISは、防水された密閉空間であって、前述の表面側気圧調整部110及び裏面側気圧調整部120により、防水性を維持しつつ、気圧が外部空間OSと同じ気圧になるよう調整されている。
そして、内部空間ISには、マイク24bと、レシーバ25bと、表示部21と、キー構造部(不図示)と、回路基板(不図示)と、アンテナ(不図示)と、第2スライドキー19により動作切り替えされるスイッチ部材30と、が収容配置される。
【0036】
表示部21は、液晶パネルと、液晶パネルを駆動する駆動回路と、液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とを含んで構成される。
【0037】
キー構造部は、操作キー11a、11b、11cそれぞれに対応する操作部材と、キーシートと、各操作部材に対応するスイッチが実装されたキー基板と、を有する。
【0038】
回路基板は、平板状の基板部と、基板部の表面に実装される電子部品及び各種回路ブロックと、基板部の表面に実装される基準電位パターン層(グランドパターン層)とを有する。
基板部に実装される電子部品は、例えば、アンテナが送受信する信号を処理する信号処理部を含む電子部品等である。また、回路ブロックは、例えば、RF(Radio Frequency)回路や電源回路等である。
【0039】
アンテナは、基台と、基台に上に配置された所定形状のアンテナエレメントとを有して構成される。
アンテナエレメントは、帯状の板金により形成される。アンテナエレメントは、不図示の給電端子を介して回路基板から給電される。これにより、アンテナエレメントは、給電端子を介して回路基板から給電されると共に、回路基板のRFモジュール等と接続される。
【0040】
図5に示すように、スイッチ部材30は、内部空間IS内に配置される。スイッチ部材30は、内部ケース部材20におけるサイドキー16が配置されている側面側に配置される。
図6に示すように、スイッチ部材30は、スイッチ本体31と、スイッチ本体31のシート状のパッキン部材40側に突出すると共に突出位置が変位可能に構成されるスイッチ端子部32と、を有する。スイッチ部材30は、略直方体状のスイッチ本体31と、前記スイッチ本体31からシート状のパッキン部材40側に突出して設けられたスイッチ端子部32と、を有する。
【0041】
スイッチ本体31は、スイッチ端子部32を回動可能に保持する。スイッチ本体31は、スイッチ端子部32を突出位置が変更に可能に保持する。スイッチ本体31は、スイッチ端子部32の突出位置により状態を切り替える構造部を保持する。
スイッチ端子部32は、上述の通り、突出位置が変位可能に構成されており、外部からの押圧により突出位置が変更可能に構成される。
スイッチ部材30は、スイッチ端子部32に突出位置が変更されることで、状態の切り替えを行う。
【0042】
ここで、内部ケース部材20(第1内部ケース2a)の側面部であってスイッチ部材30に対向する領域には、スイッチ部材30を外部空間OSに連通させる第1貫通孔27が形成される。第1貫通孔27は、後述の図12Aに示すシート状のパッキン部材40により封止される。
パッキン部材40は、柔軟で、シート状の封止部材である。パッキン部材40は、第1貫通孔27における外側に配置される。パッキン部材40は、第1貫通孔27を覆うように配置される。パッキン部材40は、第1貫通孔27における防水性を付与する。
【0043】
また、図5に示すように、外部ケース2bの側面部であって第1貫通孔27と対向する領域には、第2貫通孔28が形成されている。
第2貫通孔28は、後述するキー保持部材60のキー部材載置面61と略同等の大きさの貫通孔である。
第2貫通孔28が形成されることで、内部ケース部材20に取り付けられる第2スライドキー19のキー部材50は、第2貫通孔28を介して外部ケース2bの外側に露出するように配置される。
【0044】
続けて、図5から図11により、第2スライドキー19の配置及び構造について説明する。図6は、携帯電話機1における第2スライドキー19やスイッチ部材30の配置を示す水平断面図である。図7は、図6に示した第2スライドキー19の拡大図である。図8は、図7に示した第2スライドキー19の展開図である。図9は、第2スライドキー19を構成するキー部材50、キー保持部材60、舌片部材70の展開状態の斜視図である。図10は、組立状態の第2スライドキー19をシート状のパッキン部材40側から見た斜視図である。図11は、舌片部材70及び舌片保持部材86のシート状のパッキン部材40側から見た斜視図である。
【0045】
図5から図9に示すように、第2スライドキー19は、キー部材50と、キー保持部材60と、舌片部材構造部70Aと、を備える。
第2スライドキー19は、内部ケース部材20の外側にシート状のパッキン部材40を挟んでスイッチ部材30と対向して配置される。
【0046】
図7に示すように、キー部材50は、板状の操作部51と、当接部52と、を有する。
キー部材50は、矢印Y1方向にスライド可能に構成される。キー部材50は、第1位置PL1と、第2位置PL2(所定位置)とにスライド可能に構成される。
【0047】
操作部51は、第2貫通孔28が形成された外部ケース2bの側面に沿って延びる平板部51aと、平板部51aの外表面(シート状のパッキン部材40とは反対側)に形成される突起部51bとを有する。
操作部51は、ユーザからの操作を受け付ける(指が当接される)部分である。
平板部51aは、例えば、ユーザの指が載置される部分である。
突起部51bは、例えば、ユーザがスライド操作する際に指に引っかかる部分である。
【0048】
当接部52は、操作部51におけるシート状のパッキン部材40側の面に、シート状のパッキン部材40側に向かって突出して形成される突出部材である。
当接部52は、操作部51に対する操作に対応して、操作部51と共にスライド移動する。
【0049】
当接部52は、キー部材50が第1位置PL1に位置した場合、後述する舌片部材70における被当接部71に当接せず、キー部材50が第2位置PL2に位置した場合、後述する舌片部材70における被当接部71に当接するよう構成される。
当接部52は、キー部材50が第2位置PL2に位置した状態において、被当接部71に当接することで、舌片部材70を押下する。そして、当接部52は、キー部材50が第2位置PL2に位置した状態において、舌片部材70及びシート状のパッキン部材40を介して、内部ケース部材20内のスイッチ部材30のスイッチ端子部32を押下操作する。
【0050】
キー保持部材60は、キー部材載置面61と、該キー部材載置面61の中央部に貫通形成された当接部挿通孔62と、保持部材収容凹部64と、誤挿入防止部65と、を備える。
【0051】
キー部材載置面61は、キー部材50の操作部51が図7の矢印Y1方向にスライド可能に載置される部分である。
図7の矢印Y1方向は、キー部材50の当接部52の突出方向(図7の矢印X1方向)と交差する方向であり、本実施形態の場合、外部ケース2bの側面の長手方向に沿う方向である。
【0052】
当接部挿通孔62は、キー保持部材60に形成され、キー部材載置面61に載置されたキー部材50の当接部52を、シート状のパッキン部材40側に挿通させる貫通孔である。当接部挿通孔62は、挿通した当接部52が図7の矢印Y1方向に移動可能なように、矢印Y1方向に長い長孔状に形成される。
【0053】
保持部材収容凹部64は、後述する舌片保持部材86を収容保持する凹状の部分である。保持部材収容凹部64は、キー保持部材60におけるパッキン部材40側に形成される矩形状に窪んだ収容部である。
【0054】
図10に示すように、誤挿入防止部65は、保持部材収容凹部64の一側の端縁から保持部材収容凹部64側に突出した突起である。
【0055】
キー保持部材60は、キー部材50を当接部52における突出方向と交差する方向(図6及び図7における矢印Y1方向)にスライド移動可能に保持する。
詳細には、キー保持部材60は、キー部材50を、第1位置PL1と、第2位置PL2と、矢印Y1方向にスライド移動可能に保持する。
ここで、第1位置PL1は、キー部材50の初期位置であり、スイッチ部材30を初期の動作状態に維持する位置である。
また、第2位置PL2は、初期位置である第1位置PL1から所定距離だけスライド移動した位置である。第2位置PL2は、キー部材50における当接部52が舌片部材70における被当接部71に当接する位置である。また、第2位置PL2は、当接部52により舌片部材70がスイッチ端子部32側に押下される位置である。また、第2位置PL2は、舌片部材70によりパッキン部材40を介してスイッチ端子部32が押下され、スイッチ部材30が初期の動作状態とは異なる動作状態に切り替えられる位置である。
【0056】
図6に示すように、キー保持部材60は、内部ケース部材20の側面の長手方向(図6の矢印Y1方向)に離間した両端部60a,60bそれぞれを、第1内部ケース2aの外面の保持部材係合部201,202に係合させることで、内部ケース部材20の外面に固定される。
【0057】
図5から図7に示すように、キー部材載置面61には、キー部材載置面61の表面を覆うシート84が配置される。図9に示すように、シート84は、キー保持部材60における当接部挿通孔62に対応する位置形成され、当接部52を挿通させる当接部挿通孔84aを有する。シート84は、キー部材載置面61と操作部51との間に介在し、キー部材50のスライド移動をスムースにする。
【0058】
舌片部材構造部70Aは、舌片部材70と、舌片部材70の他端70bが固定される舌片保持部材86とを有する。
【0059】
舌片保持部材86は、矩形の枠状構造であって、舌片部材70の他端70bが一体形成されている。舌片保持部材86は、他端70bが固定された舌片部材70の外周を囲うように形成される。
【0060】
図7に示すように、舌片保持部材86は、キー保持部材60におけるパッキン部材40側に形成された保持部材収容凹部64に嵌合装着される。
図9に示すように、舌片保持部材86は、外周面に形成される係合突起86aと、誤挿入防止溝86bとを有する。
【0061】
係合突起86aは、舌片保持部材86の外周面に複数形成される。各係合突起86aは、舌片保持部材86が保持部材収容凹部64に装着された状態において保持部材収容凹部64内の係止用凹部と係合する。各係合突起86aは、舌片保持部材86をキー保持部材60に固定する。
【0062】
誤挿入防止溝86bは、舌片保持部材86の外周の一箇所だけに形成される。図10に示すように、誤挿入防止溝86bは、キー保持部材60の誤挿入防止部65に嵌入される凹部である。誤挿入防止溝86bは、誤挿入防止部65とともに舌片部材構造部70Aにおける不正な向きでの装着を防止する。
【0063】
また、図10に示すように、舌片保持部材86は、挿通孔861と、クリック部862,862と、を備える。
挿通孔861は、キー保持部材60に装着されたキー部材50の当接部52が挿通される当接部挿通孔である。挿通孔861は、キー部材50のスライド移動方向(矢印Y1方向)に長い長孔状に形成されている。
【0064】
クリック部862,862は、挿通孔861の内面に該内面から突出して形成される。クリック部862,862は、キー部材50が第1位置PL1と第2位置PL2との間を移動する場合において、所定位置で当接部52に当接される。これにより、クリック部862,862は、ユーザ(操作者)に対してクリック感を与える。
【0065】
舌片部材70は、キー部材50における当接部52とシート状のパッキン部材40との間に配置される(図12A参照)。
図7に示すように、舌片部材70は、他端70b側がキー保持部材60に舌片保持部材86を介して間接的に固定される。舌片部材70は、一端側が自由端70aとなるよう、他端70b側がキー保持部材60に間接的に固定される。
具体的には、舌片部材70は、舌片保持部材86がキー保持部材60の保持部材収容凹部64に装着されることで、舌片部材70の他端70bが舌片保持部材86を介して、間接的にキー保持部材60に固定された状態になる。
【0066】
舌片部材70は、自由端70a側におけるキー部材50側の面に形成された被当接部71を有する。
被当接部71は、キー部材50側に突出して形成された隆起部(傾斜部)である。被当接部71は、キー部材50が第1位置PL1に位置している場合、図7に示すように、当接部52には当接されない。
被当接部71が第1位置PL1に位置する場合、舌片部材70は、自由端70a側における所定部70c(スイッチ部材30に一番接近する位置)の位置が、図7に示すようにパッキン部材40を介してスイッチ端子部32を押圧しないか、又は、スイッチ端子部32を押圧していても押圧量が規定量に達せずにスイッチ端子部32が動作切り替えしない状態(第1状態)に維持される。
【0067】
また、被当接部71は、キー部材50が第2位置PL2に位置する場合、当接部52に当接される(図12B参照)。
キー部材50が第2位置PL2に位置する場合、舌片部材70は、当接部52が被当接部71に当接されることで自由端70a側がスイッチ側に移動する。
具体的には、キー部材50が第2位置PL2に位置する場合、舌片部材70の自由端70aは、被当接部71が当接部52により押圧されて、スイッチ端子部32側に撓み変形される状態(第2状態)になる。
【0068】
言い換えると、舌片部材70は、自由端70a側の所定部70cがスイッチ端子部32側に移動するよう撓み変形する。この場合における所定部70cの位置は、自由端70a側のスイッチ端子部32側への撓み変位によって、キー部材50が第1位置PL1に位置した状態における位置よりもスイッチ端子部32側に位置(移動)する。
【0069】
つまり、所定部70cは、スイッチ端子部32側への変位によって、シート状のパッキン部材40をスイッチ端子部32側に撓み変位(変形)させる。
そして、所定部70cは、シート状のパッキン部材40を介してスイッチ端子部32を押圧して、該スイッチ端子部32の突出位置を変位させる。これにより、スイッチ部材30における状態が切り替えられる。
【0070】
続けて、図12A及び図12Bにより、第2スライドキー19の作用(動作)を説明する。
図12Aは、第2スライドキー19の動作説明図で、キー部材50が第1位置PL1に位置している状態の説明図である。図12Bは、第2スライドキー19の動作説明図で、キー部材50が第2位置PL2に位置している状態の説明図である。
【0071】
図12Aに示すように、キー部材50が初期位置である第1位置PL1に位置している状態(第1状態)において、キー部材50における当接部52は、被当接部71に対して非接触(当接しない)の位置にある。
舌片部材70における自由端70aは、スイッチ部材30側に変位していない初期状態になっている。
この状態において、舌片部材70とスイッチ部材30との間に介在するシート状のパッキン部材40は変形されていない。
【0072】
また、この状態において、パッキン部材40とスイッチ本体31との間の離間距離L1は、スイッチ端子部32がスイッチ部材30の状態(動作)切り替える距離によりも大きい。
つまり、スイッチ端子部32は、スイッチ部材30の状態(動作)を切り替える傾斜位置にいたっていない。よって、スイッチ部材30は、初期の状態を維持している。
【0073】
次いで、ユーザが、図12Aに示す第1位置PL1に位置したキー部材50を図12Bに示す第2位置PL2に移動させた場合について説明する。
図12Bに示すように、キー部材50が初期位置である第1位置PL1から第2位置PL2にスライド移動された状態(第2状態)において、キー部材50における当接部52は、被当接部71に当接する。
【0074】
舌片部材70における自由端70aは、スイッチ部材30側に変位される。
この状態において、舌片部材70とスイッチ部材30との間に介在するパッキン部材40は、自由端70a側の所定部70cによってスイッチ部材30側に押し下げられてシート状における平面の垂直方向に撓む(伸びる)ように変形される。パッキン部材40は、所定部70cに押下された領域の周囲が伸びるように変形し、所定部70cに当接する部分がスイッチ端子部32側に向かって移動するように変形される。
【0075】
これにより、舌片部材70における所定部70cは、パッキン部材40を介して、スイッチ端子部32を押し下げる。所定部70cは、パッキン部材40を介して、スイッチ端子部32を該スイッチ端子部32におけるスイッチ本体31からの突出量が小さくなるよう突出位置を変位させる。
また、この状態において、パッキン部材40とスイッチ本体31との間の離間距離L2は、スイッチ端子部32がスイッチ部材30の状態(動作)を切り替える距離よりも小さい。
つまり、スイッチ端子部32は、スイッチ部材30の状態(動作)を切り替える傾斜位置を越えている。よって、スイッチ部材30は、初期の状態から、初期の状態とは異なる状態に切り替えられる。
【0076】
また、キー部材50が第1位置PL1から第2位置PL2にスライド移動することで、当接部52の両側部が舌片保持部材86のクリック部862,862に当接すると共に、クリック部862,862を乗り越える。この際、キー部材50においてクリック感が発生する。そして、ユーザは、キー部材50の位置が切り替わったことを触覚(操作時の感触)により検知することができる。
【0077】
ここで、ユーザは、図12Bに示す第2位置PL2に位置したキー部材50を、図12Aに示す第1位置PL1の位置に移動させる(元にもどす)こともできる。
キー部材50が第2位置PL2から初期位置である第1位置PL1に移動された場合、キー部材50における当接部52は、被当接部71に対して非接触(当接しない)の位置に移動される。
これにより、舌片部材70における自由端70aは、スイッチ部材30側と反対側に変位し、初期位置にももどる。
【0078】
この状態において、舌片部材70とスイッチ部材30との間に介在するパッキン部材40は、自由端70a側の所定部70cの移動にともなって、撓みが少なくなるよう変形し、初期状態にもどる。
これにより、舌片部材70における所定部70cは、パッキン部材40を介して、スイッチ端子部32を押し下げる位置から、キー保持部材60側に向かうよう変位する。
【0079】
ここで、スイッチ端子部32は不図示の付勢部材によりスイッチ本体31からの突出量が大きくなるよう移動される。
この状態において、パッキン部材40とスイッチ本体31との間の離間距離L1は、スイッチ端子部32がスイッチ部材30の状態(動作)を切り替える距離よりも大きくなる。
つまり、スイッチ端子部32は、スイッチ部材30の状態(動作)を切り替える傾斜位置を越えて元の位置に移動している。よって、スイッチ部材30は、初期状態とは異なる状態から、初期の状態に切り替えられる。
【0080】
また、上記と同様に、キー部材50が第1位置PL1から第2位置PL2にスライド移動することで、当接部52の両側部が舌片保持部材86のクリック部862,862に当接すると共に、クリック部862,862を乗り越える。この際、キー部材50においてクリック感が発生する。そして、ユーザは、キー部材50の位置が切り替わったことを触覚(操作時の感触)により検知することができる。
【0081】
本実施形態によれば、携帯電話機1において、第2スライドキー19は、キー部材50の当接部52(突出部材)をシート状のパッキン部材40を挿通させることなく、内部ケース部材20に取り付けられている。そして、キー部材50がスライド移動された場合には、キー部材50の当接部52は、シート状のパッキン部材40を介して内部ケース部材20内のスイッチ部材30を押圧する状態又は押圧しない状態に切り替わる。
これにより、シート状のパッキン部材に突出部材を挿通させることなく、筺体内に配置されたスイッチ部材を切替可能な携帯電子機器を提供することができる。また、シート状のパッキン部材に突出部材を挿通させることなく、筺体内に配置されたスイッチ部材を切替可能なスライドキー部材を提供することができる。
【0082】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1において、キー部材50の当接部52がシート状のパッキン部材40に挿通していないため、破損防止のためにパッキン部材の全部又は一部(例えば、挿通孔の周縁)を厚肉化する必要がない。このため、パッキン部材を薄肉化することができる。また、不要な肉厚部を形成する必要がないので、本実施形態においては筺体における厚さ方向の省スペース化(薄型化)を図ることができる。
【0083】
また、本実施形態によれば、第2スライドキー19のキー部材50をスライド移動させた場合、パッキン部材40に発生する変形は、舌片部材70における自由端70aの撓み変形に応じたパッキン部材40における肉厚方向(平面における垂直方向)への変形である。この変形は、キー部材の当接部がパッキン部材を挿通している場合においてキー部材の移動に伴い生じるパッキン部材における平面方向の変形(平面方向の伸縮変形)と比較すると、キー部材50の移動操作時における操作力の変動を小さく抑えることができる。よって、携帯電話機1は、操作時における違和感の発生を抑制することができる。
【0084】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1は、舌片部材70が固定される舌片保持部材86を備える。そして、舌片保持部材86は、キー保持部材60のシート状のパッキン部材40側に取り付けられる。
つまり、舌片部材70は、舌片保持部材86を介して間接的にキー保持部材60に取り付けられる構造であるので、キー保持部材60の寸法や形状等を変更することで、その位置を調整することが可能に構成される。これにより、携帯電話機1は、舌片部材70における配置位置を柔軟に変更することができる。
【0085】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1において、キー保持部材60は、内部ケース部材20の外面に取り付けられる。
このため、キー保持部材60の取り付け作業は、内部ケース部材20内に収容される部品の組み付け作業とは別の作業とすることができる。これにより、携帯電話機1は、第2スライドキー19の内部ケース部材20への組み付け性を向上させる。
【0086】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1において、舌片保持部材86は、キー部材50のスライド移動方向に長い長孔状であって、当接部52に挿通される挿通孔861と、挿通孔861の内面に該内面から内側に突出して形成されるクリック部862と、を備える。そして、クリック部862は、キー部材50が第1位置PL1と第2位置PL2との間を移動する場合において、所定位置で当接部52に当接される。これにより、キー部材50が第1位置PL1と第2位置PL2との間をスライド移動された場合、クリック部862,862は、当接部52との当接によりユーザに対してクリック感を感じさせる。ユーザは、キー部材50の移動完了を感触で検知することができる。よって、携帯電話機1は、キー部材50の良好な操作フィーリングを確保することができる。
【0087】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1は、内部ケース部材20の外側に配置され、第1貫通孔27に対向して配置される第2貫通孔28を有する外部ケース2bを備える。そして、第2スライドキー19は、キー部材50が第2貫通孔28を介して外部ケース2bの外側に露出するように配置される。
そのため、携帯電話機1は、内部ケース部材20の外部露出を抑止して、内部ケース部材20に対する防水性を向上させることができる。
【0088】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。例えば、本実施形態において、携帯電子機器として携帯電話機1について説明しているが、これに限定されず、携帯電子機器は、PHS(登録商標;Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン等であってもよい。
【0089】
また、本実施形態において、筐体が一つであるストレートタイプの携帯電話機について説明しているが、携帯電子機器は、このような携帯電話機に限定されない。本発明の携帯電子機器として、例えば、複数の筐体を有するタイプも含まれる。例えば、携帯電子機器は、2つの筺体が連結部を介して折りたたみ可能に構成された折り畳みタイプや、2つの筐体が重ね合わされた状態から一方の筐体を一方向にスライド移動可能に構成されたスライドタイプや、2つの筺体が重ね合された状態から重ね合わせ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転可能に構成された回転(ターン)タイプや、いわゆる2軸ヒンジタイプであってもよい。
【0090】
また、本実施形態において、第2スライドキー19における舌片部材70は、舌片保持部材86を介してキー保持部材60に間接的に固定されていたが、これに限定されず、舌片部材70は、他端70bがキー保持部材60に直接固定されていてもよい。
【0091】
また、スイッチ部材と舌片部材との位置関係は、本実施形態において説明した位置関係に限定されない。特に、スイッチ部材におけるスイッチ端子部の回動方向によって、スイッチ部材と舌片部材との位置関係は適宜調整されてよい。
例えば、図13A及び図13により、スイッチ部材と舌片部材との位置関係について更に説明する。図13Aは、スイッチ部材30及び舌片部材70の配置の他の実施の形態の説明図である。図13Bは、スイッチ部材30及び舌片部材70の配置の更に他の実施の形態の説明図である。
【0092】
図13A及び図13Bに示す他の実施形態において、舌片部材70は、反時計回りに回動移動するよう構成される。
ここで、図13Aに示す他の実施形態において、スイッチ部材30は、舌片部材70と反対方向の時計周りに回動移動するよう構成される。
図13Aに示す他の実施形態において、舌片部材70は、他端70b側の固定端を回転支点S1として、角度θ1の回動により、舌片部材70の自由端70aがスイッチ端子部32を押圧するよう構成される。
舌片部材70は、図13Aにおいて自由端70aが固定端よりも下方に位置した状態で、スイッチ端子部32をスイッチ部材30の状態が切り替わる位置に変位させることが可能に構成される。
【0093】
一方、図13Bに示す他の実施形態において、スイッチ部材30は、舌片部材70と同じ方向の反時計回りに回動移動するよう構成される。
図13Bに示す他の実施形態において、舌片部材70は、他端70b側の固定端を回転支点S1として、角度θ2の回動により、舌片部材70の自由端70aがスイッチ端子部32を押圧するよう構成される。
舌片部材70は、図13Bにおいて自由端70aが固定端よりも上方又は略同じ高さに位置した状態で、スイッチ端子部32をスイッチ部材30の状態が切り替わる位置に変位させることが可能に構成される。
【0094】
このように、スイッチ部材と舌片部材との位置関係は、例えば、スイッチ部材におけるスイッチ端子部の回動方向によって、適宜調整されてよい。
【符号の説明】
【0095】
1 携帯電話機
2 筺体
2a 第1内部ケース(内部ケース部材)
2b 外部ケース
2d 第2内部ケース(内部ケース部材)
19 第2スライドキー(スライドキー部材)
20 内部ケース部材
27 第1貫通孔
28 第2貫通孔
30 スイッチ部材
31 スイッチ本体
32 スイッチ端子部
40 パッキン部材(封止部材)
50 キー部材
51 操作部
52 当接部
60 キー保持部材
70 舌片部材
70a 自由端
70c 所定部
71 被当接部
86 舌片保持部材
861 挿通孔
862 クリック部
IS 内部空間
PL1 第1位置
PL2 第2位置(所定位置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を有する内部ケース部材と、
前記内部ケース部材に形成される第1貫通孔と、
前記第1貫通孔を封止する柔軟でシート状の封止部材と、
前記内部ケース部材の前記内部空間に配置され、スイッチ本体と、前記スイッチ本体の前記封止部材側に突出すると共に突出位置が変位可能に構成されるスイッチ端子部と、を有するスイッチ部材と、
前記内部ケース部材の外側に前記封止部材を挟んで前記スイッチ部材と対向して配置されるスライドキー部材であって、
板状の操作部と、前記操作部の前記封止部材側に形成され前記封止部材側に突出する当接部とを有するキー部材と、
前記キー部材を前記当接部における突出方向と交差する方向にスライド移動可能であって第1位置と第2位置とにスライド移動可能に保持するキー保持部材と、
前記キー部材における前記当接部と前記封止部材との間に配置され、一端側が自由端となるよう前記キー保持部材に直接又は間接的に固定される舌片部材であって、
前記自由端側における前記キー部材側の面に前記キー部材側に突出して形成され、前記キー部材が第1位置に位置した場合には当接されず、前記キー部材が前記第2位置に位置した場合には当接される被当接部を有し、
前記キー部材が第2位置に位置した場合、前記自由端側における所定部が、前記キー部材が前記第1位置に位置した状態における位置よりも前記スイッチ端子部側に位置して、前記封止部材を介して前記スイッチ端子部を押圧することで前記スイッチ端子部の突出位置を変位させるように変形する舌片部材と、を有するスライドキー部材と、を備える
携帯電子機器。
【請求項2】
前記舌片部材が固定される舌片保持部材と、を備え、
前記舌片保持部材は、前記キー保持部材の前記封止部材側に取り付けられる
請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記キー保持部材は、前記内部ケース部材の外面に取り付けられる
請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記舌片保持部材は、
前記スライド移動方向に長い長孔状であって前記当接部に挿通される挿通孔と、
前記挿通孔の内面に該内面から突出して形成され、前記キー部材が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する場合において、所定位置で前記当接部に当接されるクリック部と、を備える
請求項2又は3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記内部ケース部材の外側に配置され、前記第1貫通孔に対向して配置される第2貫通孔を有する外部ケースを備え、
前記スライドキー部材は、
前記キー部材が前記第2貫通孔を介して前記外部ケースの外側に露出するように配置される
請求項4に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
内部空間を有する内部ケース部材と、
前記内部ケース部材に形成される第1貫通孔と、
前記第1貫通孔を封止する柔軟でシート状の封止部材と、
前記内部ケース部材の前記内部空間に配置され、スイッチ本体と、前記スイッチ本体の前記封止部材側に突出すると共に突出位置が変位可能に構成されるスイッチ端子部と、を有するスイッチ部材と、を有する携帯電子機器に用いられるスライドキー部材であって、
前記内部ケース部材の外側に前記封止部材を挟んで前記スイッチ部材と対向して配置され、
板状の操作部と、前記操作部の前記封止部材側に形成され前記封止部材側に突出する当接部とを有するキー部材と、
前記キー部材を前記当接部における突出方向と交差する方向にスライド移動可能であって第1位置と第2位置とにスライド移動可能に保持するキー保持部材と、
前記キー部材における前記当接部と前記封止部材との間に配置され、一端側が自由端となるよう前記キー保持部材に直接又は間接的に固定される舌片部材であって、
前記自由端側における前記キー部材側の面に前記キー部材側に突出して形成され、前記キー部材が第1位置に位置した場合には当接されず、前記キー部材が前記第2位置に位置した場合には当接される被当接部を有し、
前記キー部材が第2位置に位置した場合、前記自由端側の所定部が、前記キー部材が前記第1位置に位置した状態における位置よりも前記スイッチ端子部側に位置して、前記封止部材を介して前記スイッチ端子部を押圧することで前記スイッチ端子部の突出位置を変位させるように変形する舌片部材と、を備える
スライドキー部材。
【請求項7】
第1貫通孔が形成されるケース部材と、
前記第1貫通孔を封止する封止部材と、
スイッチ端子部と、
前記封止部材を挟んで前記スイッチ端子部と対向して配置され、一端側が自由端となる舌片部材を有する、スライド移動可能なスライドキー部材と、を有し、
前記スライドキー部材は、前記スライド移動に伴って、前記封止部材を介して前記舌片部材の前記自由端が前記スイッチ端子部を押圧する携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【公開番号】特開2013−58919(P2013−58919A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196195(P2011−196195)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】