説明

携帯電子機器

【課題】着脱部材の収納部を有し、筐体の薄型化を可能とする携帯電子機器を提供する。
【解決手段】キーFPC22は、折り返し部222及び橋部223を有する。折り返し部222は橋部223を支点としてシールドケース23を挟んで折り返され、シールドケース23上の露出部231に固定される。露出部231は基板24の切欠部241の位置に対応して配設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着雑部材を着脱可能に収納する収納部を有する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の携帯電子機器は、様々な着雑部材が着脱可能に構成されることが多い。
着脱部材の例としては、例えばSDメモリーカード、メモリースティック等の外部メモリ、或いは、SIMカードやUIMカード等の電話番号特定のためのICカード等が挙げられる。
【0003】
SDメモリーカードやメモリースティック等は、小型のカード状或いはスティック状のメモリデバイスである。
これらの外部メモリを着脱可能な携帯電子機器は、外部メモリの形状に応じた専用の収納部を有する。
着脱部材を着脱可能なコネクタを有する技術の一例として、例えば特許文献1に開示された技術がある。
【0004】
また、SIMカード(Subscriber Identity Module Card)は、携帯電話機等、無線公衆電話網を利用して無線通信を行う携帯電子機器には電話番号等を特定するために必ず接続されているものである。
特に、W−CDMA方式等の第三世代携帯電話機には、SIMカードをベースにして拡張されたUIMカード(Universal Subscriber Identity Module Card)が接続される。
SIMカードやUIMカードは、小型のチップ形状に形成されており、携帯電子機器はこれらのカードを収納する収納部(カードコネクタ)を有する。
【0005】
【特許文献1】特開2007−300190号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、携帯電子機器の携帯性を向上させるため、携帯電子機器の小型化や薄型化を図りたい、と言う強い要求がある。
従って、携帯電子機器においては、できるだけ全体の厚みが薄くなるように収納部が設置されることが好ましい。
【0007】
特許文献1に開示された技術では、収納部に対応する構成である外部コネクタが回路基板の一方側の面に配設される。このため、収納部に対応する構成に対して外部から着脱部材を着脱する操作を行いやすいように、収納部に対応する構成を外部に露出しようとした場合に、筐体の薄型化が困難である、と言う不利益が生じることがある。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本発明は、着脱部材の収納部を有し、筐体の薄型化を可能とした携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の携帯電子機器は、開口部が形成された筐体と、一方側の面が前記開口部から外部に露出すると共に切欠部が形成されて前記筐体の内部に配設された回路基板と、前記回路基板における他方側の面に配設されると共に、前記回路基板の前記切欠部を介して前記開口部から外部に露出する露出部を有するシールドケースと、前記シールドケースの前記他方側の面に配設されると共に、前記シールドケースの前記他方側の面から前記一方側の面に跨って前記露出部に配設される跨部を有するフレキシブルプリント基板と、前記跨部の前記一方側の面に配設され、第1の着脱部材を着脱可能に収納する収納部と、を有する。
【0010】
好適には、前記露出部の前記一方側の面には凸部が形成され、前記跨部は、前記凸部に係合される。
【0011】
好適には、両面が接着性を有し、前記他方側の面が前記露出部の前記一方側の面に接着された両面接触部を有し、前記跨部の前記他方側の面は、前記両面接着部の前記一方側の面に装着される。
【0012】
好適には、前記シールドケースは基準電位に電気的に接続され、前記両面接着部が導電性を有する。
【0013】
好適には、前記収納部の前記一方側の面は、前記回路基板の前記一方側の面よりも前記他方側に形成され、前記回路基板の前記一方側の面は、第2の着脱部材を着脱可能に載置する載置部を有する。
【0014】
好適には、前記露出部の前記一方側の面または前記フレキシブルプリント基板の前記跨部の前記一方側を向いた面に配設されるケース部材を有し、前記ケース部材は、前記他方側の面に前記収納部の前記一方側の面よりも前記一方側に突出する突出部が形成される。
【0015】
好適には、前記突出部の前記一方側の面は、前記回路基板の前記一方側の面と面一に形成される。
【0016】
好適には、前記ケース部材は、前記第1の着脱部材の前記収納部への着脱を案内する案内部を有する。
【0017】
好適には、前記ケース部材の前記他方側の面の少なくとも一部は、前記両面接着部の前記一方側の面に装着される。
【0018】
好適には、前記シールドケースの前記他方側の面に配設された前記フレキシブルプリント基板の前記他方側の面における前記ケース部材に対応する領域には、押圧操作可能に構成されるキー部材の押圧操作を検出可能に構成される検出部が配設される。
【0019】
好適には、前記検出部の少なくとも一部は、前記シールドケースの前記他方側の面に配設された前記フレキシブルプリント基板の前記他方側の面における前記ケース部材に形成された突出部に対応する領域に配設される。
【発明の効果】
【0020】
着脱部材の収納部を有し、筐体の薄型化を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の携帯電子機器の実施形態の携帯端末100について説明する。
以下説明する本発明の実施形態の携帯端末100は、折り畳み式の携帯電話機を想定している。
【0022】
図1は、携帯端末100の外観を示す斜視図である。
図1(a)は、折り畳み式の携帯端末100が開いた状態(以下開状態と称する)を示した図、図1(b)は、携帯端末100が閉じた状態(以下閉状態と称する)を示した図である。
図1に示すように、携帯端末100は表示部109を含む上部筐体1と、操作部105を含む下部筐体2(本発明の筐体に対応)とを有する。
そして、上部筐体1と下部筐体2とは、ヒンジ部3により連結され、図1(a)に示す開状態と図1(b)に示す閉状態とを遷移可能に構成されている。
図1(a)及び(b)に示すように、上部筐体1及び下部筐体2はそれぞれ薄型直方体状に形成されており、閉状態では互いに重ね合わされて互いの輪郭がほぼ一致する。
【0023】
上部筐体1には、表示を行うための表示部109、音声通話のためのスピーカ111(図2参照)が配設される。
また、下部筐体には、通話用のマイクロフォン110(図2参照)、ユーザの操作を受け付ける操作部105が配設される。
【0024】
図2は、携帯端末100の信号処理系の構成の一例を示した図である。
図2に示すように、携帯端末100の信号処理系は、アンテナ101、通信処理部102、メモリ103、CPU104、操作部105、音響処理部106、画像処理部107、撮像部108、表示部109を有する。
【0025】
通信処理部102は、アンテナ101を介して電波を送受信し、通信システム(電話網やインターネット)を介した他の携帯端末装置やサーバとの通信を行う。すなわち、通信処理部102は、CPU104で処理された音響データ、画像データ等の各種データを変調して、変調された信号をアンテナ101から送信する。また、通信処理部102は、アンテナ101を介して受信した信号を復調し、復調したデータをCPU104に出力する。
【0026】
CPU104及びメモリ103は、操作部105等の各種手段からの信号に基づいて所定の演算を行い、音響処理部106や画像処理部107等の各処理部の制御を実行する。
音響処理部106は、CPU104からの音響データを電気信号に変換して、その信号を、スピーカ111に出力する。スピーカ111は、音響処理部106からの電気信号を音に変換し、その音を出力する。一方、マイクロフォン110は、入力された音を電気信号に変換し、その信号を音響処理部106に出力する。
音響処理部106は、マイクロフォン110からの電気信号を音声データに変換し、その音声データをCPU104に出力する。
【0027】
画像処理部107は、CPU104からの画像データを画像信号に変換し、その信号を表示部109へ出力する。
表示部109は、例えばLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスであり、携帯端末100の各機能に応じた表示を行う。
【0028】
上述した携帯端末100の信号処理系の各構成は、上部筐体1及び下部筐体2に内包される基板上に集積回路(IC)として実装されるのが一般的である。
以下、下部筐体2内部の構成について説明する。
図3は、操作部105側から見た下部筐体2の分解斜視図である。
図3に示すように、下部筐体2は、フロントケース21、キーFPC22(本発明のフレキシブルプリント基板に対応)、シールドケース23、基板24、リアケース25を有する。
【0029】
フロントケース21は、下部筐体2の外形を形成するケース部材である。フロントケース21は、下部筐体2の操作部105側の面の外形を形成する。
フロントケース21の図3における下面には、図1に示すような操作部105のキー・ボタン類のキートップ112(本発明のキー部材に対応)が配設される。
キートップ112は、例えば樹脂等で形成された、キー・ボタン類の外形を形成する部材である。このキートップ112が押下されると、キートップ112は小さく変形して後述するキーFPC22上に配設されたキースイッチ221(本発明の検出部に対応、図4参照)に応力が伝達される。
【0030】
キーFPC22は、上述したキースイッチ221をフロントケース21側の面(図3における下面、本発明の他方側の面に対応)に配設したFPC(Flexible Printed Circuits)である。キースイッチ221は、操作部105を構成するキー・ボタン類の数だけキーFPC22上に配設される。キーFPC22は、図示しない信号線などを介して基板24に実装されたCPU104等と電気的に接続されている。
操作部105のキー・ボタン類のキートップ112が押下されると、キースイッチ221に応力が伝達され、キースイッチ221はこの応力を検出してCPU104に伝達する。これにより操作部105に対する操作が検出されることになる。
【0031】
キーFPC22は、その端部に折り返し部222(本発明の跨部に対応)を有する。
図4は、折り返し部222について説明するための図である。
図4(a)は、キーFPC22のキースイッチ221が配設された面を示す図であり、図4(b)は、図4(a)の反対側の面を示す図である。
【0032】
図4(a)及び(b)に示すように、キーFPC22の角部付近には、折り返し部222が配設される。折り返し部222は、橋部223によってキーFPC22と接続されている。
折り返し部222には、図3及び図4に示すように、コネクタ4(本発明の収納部)及びコネクタカバー6(本発明のケース部材に対応)が配設される。
コネクタ4は、携帯端末100が無線通信を行う際に、電話番号の特定等を行うためのUIMカード5(本発明の第1の着脱部材に対応)を収納する。コネクタ4は、導電性を有する端子部41と、UIMカード5を収納し固定する固定部42を有する。
【0033】
端子部41は、UIMカード5の端子等と接することにより電気的に接続され、UIMカード5との電気信号のやりとりを行う。端子部41は、UIMカード5の端子の数に合わせて、少なくとも1つ配設される。端子部41の形状は、携帯端末100に対応するUIMカード5の端子形状に合わせて形成される。端子部41を介してUIMカード5から読み取られた電気信号は、コネクタ4から橋部223を介して基板24のCPU104等に送信される。
固定部42は、コネクタ4に接続されたUIMカード5を固定し収納するための固定具である。固定部42の形状は、携帯端末100に対応するUIMカード5の端子形状に合わせて形成される。
【0034】
コネクタカバー6は、コネクタ4を保護するためのカバー部材である。
コネクタカバー6の詳細については後述する。
【0035】
後述する図5及び図6に示すように、キーFPC22は、フロントケース21とシールドケース23とに挟まれることにより、携帯端末100内で固定される。ここで、フロントケース21とシールドケース23に挟まれるのは、折り返し部222及び橋部223を含まない部位のみである。
従って、フロントケース21とシールドケース23に挟まれない折り返し部222は、橋部223を支点とした折り曲げが可能である。
本実施形態の携帯端末100では、折り返し部222は、実際にはシールドケース23の露出部231(本発明の露出部に対応)に折り返されて固定される。折り返しの詳細については後述する。
【0036】
シールドケース23は、下部筐体2内の基板24等の構成要素を保持・保護するためのケース部材である。シールドケース23は、例えば金属のフレーム及び板金により構成される。フレーム内には携帯端末100の各構成要素が保持される。また、シールドケース23は、基準電位(例えば基板24に形成されたグランドパターン)と電気的に接続されている。
シールドケース23は、その一部位として、露出部231を有する。
図3において、露出部231は斜線を付した部位である。
【0037】
基板24は、IC等の電子部品を実装した回路基板である。基板24には、上述した携帯端末100の信号処理系の各構成要素がICチップ等の形で配設されている。
基板24は、図3に示すように切欠部241(本発明の切欠部に対応)を有する。
切欠部241は、上述した露出部231を後述の開口部251から下部筐体2外部に露出させるために、露出部231に対応する位置に設けられている。
【0038】
リアケース25は、下部筐体2の外形を形成するケース部材である。リアケース25は、下部筐体2の操作部105側の面とは反対側の面の外形を形成する。
携帯端末100の下部筐体2は、上述したようにフロントケース21とリアケース25とが嵌合することによりその外形が形成される。
リアケース25は、図3に示すように、図3に図示しないバッテリ7(後述する図5参照、本発明の第2の着脱部材に対応)を収納するための開口部251(本発明の開口部に対応)を有する。
【0039】
図5に、携帯端末100においてバッテリ7を収納する様子を示す。
図5は、携帯端末100を下部筐体2のリアケース25側から見た図である。
バッテリ7は、携帯端末100の各構成に電力を供給するための、例えばリチウムイオン二次電池等の蓄電池である。
図5に示すように、リアケース25の開口部251は、バッテリ7の形状に合わせて開けられている。図5においては図示を省略するが、リアケース25にバッテリ7が収納された場合には、収納されたバッテリを固定する蓋体がバッテリ7に被せられ、リアケース25と嵌合されることにより、バッテリ7を携帯端末100外部から隔絶することになる。
【0040】
図5に示すように、下部筐体2をリアケース25側から見た場合、開口部251を介して下部筐体2内部が携帯端末100外部から見えることになる。
開口部251を介して外部から見える下部筐体2の構成要素は、図5に示すように、基板24、コネクタ4及びコネクタカバー6である。
図5に示すように、開口部251を介して下部筐体2の構成要素を外部から見た場合、基板24の切欠部241を通して、シールドケース23の露出部231が外部に露出して見えることになる。
【0041】
ところで、上述したように、コネクタ4及びコネクタカバー6は、キーFPC22の折り返し部222に配設されている。
ここで、折り返し部222は、橋部223を支点として折り返され、露出部231に固定されている。
従って、図5に示すように、折り返し部222に配設されたコネクタ4及びコネクタカバー6は開口部251を介して外部に露出することになる。
【0042】
キーFPC22、シールドケース23、折り返し部222、橋部223、基板24の位置関係は以下のようになっている。
図6は、コネクタ4の位置における下部筐体2の幅方向での下部筐体2の断面図である。
図6においては、下方向がフロントケース21側の方向、上方向がリアケース25側の方向となっている。
【0043】
図6に示すように、キーFPC22は、キースイッチ221がフロントケース21側の方向を向くようにフロントケース21とシールドケース23により固定される。
そして、橋部223が支点となって折り返し部222が折れ曲がり、折り返し部222はシールドケース23を挟んでキーFPC22のキースイッチ221が配設された面と反対側を向くように固定される。
ここで折り返し部222が固定される位置は、シールドケース23上の露出部231の位置となる。
【0044】
上述したように、露出部231は基板24の切欠部241の位置に対応している。
従って、露出部231に固定されるコネクタ4及びコネクタカバー6は、基板24とは下部筐体2の厚さ方向には重ならずに配設されることになる。
以上説明したように、本実施形態の携帯端末100においては、コネクタ4が基板24と厚さ方向に重ならないように配設されるため、下部筐体2の薄型化を図ることができる。また、コネクタ4が露出部231に配設され、バッテリ7を下部筐体2に収納しない時にはコネクタ4が外部に露出するため、コネクタ4に対するUIMカード5の着脱が容易である。
【0045】
なお、図6に示すように、上述した折り返し部222と、シールドケース23の露出部231とは、両面テープ8(本発明の両面接着部に対応)によって接着され固定される。
また、図6に示すように、コネクタカバー6も両面接着部によりシールドケース23の露出部231に対して固定される。
ここで、本実施形態では、両面テープ8は導電性を有する部材により構成されている。
上述したようにシールドケース23は、基準電位と電気的に接続されているため、両面テープ8が導電性を有することにより、両面テープ8に接着された物体も基準電位と接続される。
すなわち、両面テープ8が導電性を有することにより、キーFPC22が基準電位と接続され、キーFPC22から放射されるノイズ、或いはキーFPC22に侵入するノイズを基準電位に逃がすことができる。従って、キーFPC22におけるノイズ対策を図ることができる。
【0046】
図7は、露出部231、基板24、コネクタ4及びコネクタカバー6の位置関係を示すための斜視図である。
図7に示すように、シールドケース23の露出部231及び、そこに固定された折り返し部222及びコネクタ4は、基板24の切欠部241内に配設される。
露出部231には、位置決め用の凸部232が設けられている。
折り返し部222には、凸部232に対応する位置に孔部224が予め設けられている。
そして、凸部232が孔部224に嵌合されることにより、折り返し部222は露出部231に対して、ひいてはシールドケース23に対して固定される。
【0047】
すなわち、上述したように折り返し部222の凸部232に対応する位置に、予め孔部224が設けられていることにより、携帯端末100の製造段階において、折り返し部222の位置決めが容易となる。このため、携帯端末100の製造コストを低減することができる。
なお、図7においては、凸部232は2つ設けられているが、本発明はこれには限定されない。凸部の数はいくつでもよい。
【0048】
次に、コネクタカバー6の詳細について説明する。
図8は、コネクタカバー6の拡大斜視図である。
図8に示すように、コネクタカバー6は、保持部61(本発明の突出部に対応)、スロープ部62(本発明の案内部に対応)、ストッパ部63を有し、キーFPC22の折り返し部222のフロントケース21を向いた側に配設される。なお、コネクタカバー6は、シールドケース23の露出部231のフロントケース21を向いた側に配置されていてもよい。
保持部61は、上述したように基板24の載置部242と共にバッテリ7を保持する部位であり、同時に、コネクタ4を折り返し部222に固定する役割を果たす。すなわち、保持部61によりコネクタ4は折り返し部222に対して確実に保持されると共に、コネクタ4に余分な応力がかからないようにすることができる。
【0049】
スロープ部62は、コネクタカバー6がコネクタ4に被せられた時、UIMカード5を容易にコネクタ4に挿入することができるようにするためのガイド部材である。
スロープ部62においては、図8において、上方向から下方向にかけてスロープが形成されている。コネクタカバー6がコネクタ4に被せられる際には、図8におけるスロープ部62の下部にコネクタ4が位置することになるため、図8における上方向から下方向へとUIMカード5は挿入されることになる。スロープ部62は、そのスロープにより、UIMカード5のコネクタ4への挿入を案内する役割を果たす。
【0050】
ストッパ部63は、コネクタ4にUIMカード5が挿入された時、UIMカード5がコネクタ4から外れないように保持するストッパ部材である。これにより、コネクタ4に挿入されたUIMカード5が外れないように保持することができる。
【0051】
ところで、図6に示すように、基板24のリアケース25側の面(図6における上方向、本発明の一方側の面に対応)は、バッテリ7を保持するための載置部242として構成されている。
図6に示すように、下部筐体2の厚さ方向において、基板24の載置部242は、コネクタ4のリアケース25側の面と比較して、リアケース25に近くなるように構成されている。
本実施形態においては、図6に示すように、コネクタカバー6の保持部61におけるリアケース25側の面と載置部242とは、面一になるように構成されている。
【0052】
従って、バッテリ7は、開口部251に挿入された場合に、コネクタカバー6の保持部61及び基板24のリアケース25側の面によって保持されることになる。
これにより、バッテリ7を保持するための応力は、基板24の載置部242及びコネクタカバー6が受けることになり、コネクタ4にはバッテリ7による応力がかからない。従って、バッテリ7がリアケース25の開口部251から抜き差しされる際に、コネクタ4に対して大きな応力がかかることがなく、バッテリ7の抜き差しによるコネクタ4の破損を抑制することができる。
【0053】
また、図6に示すように、コネクタカバー6の保持部61と、キーFPC22のキースイッチ221の一部とは、下部筐体2の幅方向において対応する位置に配設されている。これにより、キースイッチ221が押下されたとき下部筐体2にかかる負荷を保持部61により低減させることができるようになる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態の携帯端末100によれば、キーFPC22は、折り返し部222及び橋部223を有する。折り返し部222は橋部223を支点としてシールドケース23を挟んで折り返され、シールドケース23上の露出部231に固定される。
そして、露出部231は基板24の切欠部241の位置に対応して配設される。
従って、露出部231に固定されるコネクタ4及びコネクタカバー6は、基板24とは下部筐体2の厚さ方向には重ならずに配設される。
すなわち、コネクタ4が基板24と厚さ方向に重ならないように配設されるため、下部筐体2の薄型化を図ることができる。また、コネクタ4が露出部231に配設され、バッテリ7を下部筐体2に収納しない時にはコネクタ4が外部に露出するため、コネクタ4に対するUIMカード5の着脱が容易である。
【0055】
また、本実施形態の携帯端末100によれば、折り返し部222と露出部231とは導電性を有する両面テープ8によって互いに固定される。
そして、シールドケース23は、基準電位と電気的に接続されている。
このため、キーFPC22は両面テープ8及びシールドケース23を介して基準電位と接続される。従って、キーFPC22から放射されるノイズ、或いはキーFPC22に侵入するノイズを基準電位に逃がすことができ、キーFPC22におけるノイズ対策が図られる。
【0056】
また、本実施形態の携帯端末100によれば、露出部231には、折り返し部222の位置決め用の凸部232が設けられている。そして、折り返し部222の凸部232に対応する位置に、予め孔部224が設けられている。
これにより、携帯端末100の製造段階において、折り返し部222の位置決めが容易となり、携帯端末100の製造コストを低減することができる。
【0057】
また、本実施形態の携帯端末100によれば、コネクタカバー6は、コネクタ4を折り返し部222に固定するための保持部61を有する。
ここで、保持部61のリアケース25側の面は、基板24のバッテリ7を保持する部位である載置部242と面一に構成されている。
従って、保持部61により、コネクタ4が折り返し部222に対して確実に保持されると共に、コネクタ4に余分な応力がかからないようにすることができる。
このため、バッテリ7がリアケース25の開口部251から抜き差しされる際に、コネクタ4に対して大きな応力がかかることがなく、バッテリ7の抜き差しによるコネクタ4の破損を防止することができる。
【0058】
そして、保持部61と、キーFPC22のキースイッチ221の一部とは、下部筐体2の幅方向において対応する位置に配設されている。これにより、キースイッチ221が押下されたとき下部筐体2にかかる負荷を保持部61により低減させることができるようになる。
また、コネクタカバー6はスロープ形状を有するスロープ部62を有する。スロープ部62のスロープ形状がUIMカード5のコネクタ4への挿入を案内するため、スロープ部62によりUIMカード5のコネクタ4への挿入が容易となる。
【0059】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、本発明の実施に際しては、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し様々な変更並びに代替を行ってもよい。
上述した実施形態においては、コネクタ4(本発明の収納部)に収納される第1の着脱部材の一例として、UIMカード5が収納されることになっていたが、本発明はこれには限定されない。
第1の着脱部材の他の例として、例えばSIMカードや、外部メモリ(SDカードやメモリスティック等)がある。
【0060】
また、上述した実施形態においては、携帯端末100は第1の着脱部材を収納する携帯電話機を想定していたが、本発明はこれには限定されない。PDA(Personal Digital Assistant)等他の携帯端末であってもよい。
【0061】
なお、本発明における一方側とは、上述した実施形態においては、下部筐体2の厚さ方向におけるフロントケース21からリアケース25に向かう方向側を指し、他方側とは、下部筐体2の厚さ方向におけるリアケース25からフロントケース21に向かう方向側を指す。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、携帯端末の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、携帯端末の信号処理系の構成の一例を示した図である。
【図3】図3は、操作部側から見た下部筐体2の分解斜視図である。
【図4】図4は、折り返し部について説明するための図である。
【図5】図5は、携帯端末を下部筐体のリアケース側から見た図である。
【図6】図6は、コネクタの位置における下部筐体の幅方向での下部筐体の断面図である。
【図7】図7は、露出部、基板、コネクタ及びコネクタカバーの位置関係を示すための斜視図である。
【図8】図8は、コネクタカバーの拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0063】
100…携帯端末、1…上部筐体、2…下部筐体、21…フロントケース、22…キーFPC、221…キースイッチ、222…折り返し部、223…橋部、224…孔部、23…シールドケース、231…露出部、232…凸部、24…基板、241…切欠部、242…載置部、25…リアケース、251…開口部、3…ヒンジ部、4…コネクタ、41…端子部、42…固定部、5…カード、6…コネクタカバー、61…保持部、62…スロープ部、63…ストッパ部、7…バッテリ、8…両面テープ、101…アンテナ、102…通信処理部、103…メモリ、104…CPU、105…操作部、106…音響処理部、107…画像処理部、108…撮像部、109…表示部、110…マイクロフォン、111…スピーカ、112…キートップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が形成された筐体と、
一方側の面が前記開口部から外部に露出すると共に切欠部が形成されて前記筐体の内部に配設された回路基板と、
前記回路基板における他方側の面に配設されると共に、前記回路基板の前記切欠部を介して前記開口部から外部に露出する露出部を有するシールドケースと、
前記シールドケースの前記他方側の面に配設されると共に、前記シールドケースの前記他方側の面から前記一方側の面に跨って前記露出部に配設される跨部を有するフレキシブルプリント基板と、
前記跨部の前記一方側の面に配設され、第1の着脱部材を着脱可能に収納する収納部と、
を有することを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記露出部の前記一方側の面には凸部が形成され、
前記跨部は、前記凸部に係合される
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
両面が接着性を有し、前記他方側の面が前記露出部の前記一方側の面に接着された両面接触部を有し、
前記跨部の前記他方側の面は、前記両面接着部の前記一方側の面に装着される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記シールドケースは基準電位に電気的に接続され、
前記両面接着部が導電性を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記収納部の前記一方側の面は、前記回路基板の前記一方側の面よりも前記他方側に形成され、
前記回路基板の前記一方側の面は、第2の着脱部材を着脱可能に載置する載置部を有する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記露出部の前記一方側の面または前記フレキシブルプリント基板の前記跨部の前記一方側を向いた面に配設されるケース部材を有し、
前記ケース部材は、前記他方側の面に前記収納部の前記一方側の面よりも前記一方側に突出する突出部が形成される
ことを特徴とする請求項5に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記突出部の前記一方側の面は、前記回路基板の前記一方側の面と面一に形成される
ことを特徴とする請求項6に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記ケース部材は、前記第1の着脱部材の前記収納部への着脱を案内する案内部を有する
ことを特徴とする請求項6または7に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記ケース部材の前記他方側の面の少なくとも一部は、前記両面接着部の前記一方側の面に装着される
ことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記シールドケースの前記他方側の面に配設された前記フレキシブルプリント基板の前記他方側の面における前記ケース部材に対応する領域には、押圧操作可能に構成されるキー部材の押圧操作を検出可能に構成される検出部が配設される
ことを特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項11】
前記検出部の少なくとも一部は、前記シールドケースの前記他方側の面に配設された前記フレキシブルプリント基板の前記他方側の面における前記ケース部材に形成された突出部に対応する領域に配設される
ことを特徴とする請求項10に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−109761(P2010−109761A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280373(P2008−280373)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】