説明

携帯電子機器

【課題】操作性が高く、かつ、安全性の高い携帯電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】画像を投影する画像投影部と、画像投影部による投影動作を制御する制御部と、画像投影部と制御部を支持する筐体と、を有し、制御部は、第1のモードと、第2のモードとが選択可能であり、第1のモードを選択している場合は、第2のモードを選択している場合とは異なる条件で前記画像投影部の動作を制御することで、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーンや壁面に画像を投影する画像投影部を有する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、壁面やスクリーンに画像を投影する装置としては、いわゆるプロジェクタがある。このプロジェクタは、商用電源から電力が供給され、所定位置に固定した状態で使用される、いわゆる据え置き型の装置が主流である。この据え置き型のプロジェクタは、固定した状態で、一定箇所の壁面やスクリーンに画像を投影させる。
【0003】
これに対して、近年、プロジェクタとして、小型で持ち運びが容易な携帯型のプロジェクタが提案されている。例えば、特許文献1には、上キャビネットと、下キャビネットと、上キャビネットおよび下キャビネットを互いに回動可能に接続するヒンジ部とを備え、レンズと光源とを有するプロジェクタが搭載されたプロジェクタ機能付携帯端末が記載されている。
【0004】
このような、携帯型のプロジェクタでは、プロジェクタが画像を投影する領域を容易に変更することができる。つまり、光の照射方向を容易に変更することができる。そのため、意図せず人間に対して光を照射してしまう可能性がある。プロジェクタからは高輝度の光が照射されるため、プロジェクタから照射された光が近接した位置で直接目に入ると非常にまぶしい。
【0005】
この点に対しては、例えば特許文献2に、投影データを投影する投影部と、当該端末の状態を検出する検知部と、前記検知部によって検出された状態に変化が生じたか否かを判断する動き判定部と、投影データを前記投影部に送る制御部と、を備え、前記制御部は、前記動き判定部が当該端末の状態に変化が生じたと判断したときには、投射する光量を制御する制御データを前記投影部に伝送することにより、投射光領域に人間が入ったときに光量を調節することができる投影機能付携帯通信端末が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−96542号公報
【特許文献2】特開2007−228551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載されているように、端末の状態が変化したら、投影部から出力される光の光量を低減するまたは出力を停止することで、操作者が端末を操作している間は、人間の目に直接光が入射する可能性及びまぶしい思いをさせる可能性を低くすることができる。
【0008】
ここで、携帯型のプロジェクタでは、基本的に操作部と投影部とが一体化されることになる。そのため、表示画像を変更するためには、端末を操作する必要があるが、操作を行う度に投影が停止されたり光量が低減されたりすると、必要以上に出力が制限されることになり、表示させたい場合も表示させることができなくなる。また、携帯型のプロジェクタ(携帯電子機器)では、操作者が手に持っている状態で使用することもあるが、特許文献2に記載の装置では、操作者が手に持っている状態では、通常の光量で画像を投影することが困難である。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、操作性が高く、かつ、安全性の高い携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、携帯電子機器であって、画像を投影する画像投影部と、画像投影部による投影動作を制御する制御部と、前記画像投影部と前記制御部を支持する筐体と、を有し、前記制御部は、第1のモードと、第2のモードとが選択可能であり、前記第1のモードを選択している場合は、前記第2のモードを選択している場合とは異なる条件で前記画像投影部の動作を制御することを特徴とする。
【0011】
また、前記制御部は、前記第1のモードが選択されている場合は、予め設定されている操作が行われているときに画像を投影させることが好ましい。
【0012】
さらに、少なくとも1つ以上のボタンで構成された入力部を有し、前記制御部は、前記第1のモードが選択されている場合は、前記入力部のうち予め設定されている前記ボタンが押されているときに前記画像投影部から画像を投影させることが好ましい。
【0013】
また、前記制御部は、操作者から入力された指示に基づいて、前記第1のモードと前記第2のモードとを選択することが好ましい。
【0014】
さらに、前記筐体が台座に支持されているかを検出する状態検出部を有し、前記制御部は、前記状態検出部で前記台座に支持されていることを検出したら、前記第2のモードを選択することが好ましい。
【0015】
さらに、前記筐体に作用する加速度を検出する加速度センサを有し、前記制御部は、前記加速度センサにより検出される加速度が一定値を超えたら前記第1のモードを選択することを特徴とすることが好ましい。
【0016】
また、前記制御部は、前記加速度センサにより検出される加速度の振動数が手振れにより発生するものであると判定したら前記第1のモードを選択することが好ましい。
【0017】
さらに、前記筐体の一部に、前記筐体の所定面が他の部材と接触した状態であるかを検出する接触検出部を有し、前記制御部は、前記第2のモードが選択されている場合は、前記接触検出部により、前記筐体の所定面が他の部材と接触した状態であると検出されたときに前記画像投影部から画像を投影させることが好ましい。
【0018】
また、前記接触検出部は、他の部材と接触することにより負荷される力を機械的に検出する力検出機構であることが好ましい。
【0019】
さらに、前記筐体の向きを検出する向き検出部を有し、前記制御部は、前記第1のモードが選択されている場合は、前記接触検出部により前記筐体の所定面が他の部材と接触した状態であると検出されたときに、前記画像投影部から前記向き検出部で検出した前記筐体の向きに基づいて前記画像の上側部分が、鉛直方向上側となる向きで画像を投影させることが好ましい。
【0020】
また、前記向き検出部は、前記筐体に作用する加速度を検出する加速度センサと、前記加速度センサにより重力が作用する方向を算出する算出部とで構成されることを特徴とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明にかかる携帯電子機器は、第1のモードと第2のモードとを切り換えることで、操作者の使用態様に応じて制御条件を切り換え、より適切な制御を行うことができる。これにより、操作性と安全性を高くすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、携帯電子機器の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す携帯電子機器の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、図1に示す携帯電子機器で画像を表示させている状態を示す説明図である。
【図4】図4は、携帯電子機器の動作の一例を示すフロー図である。
【図5−1】図5−1は、携帯電子機器の制御の一例を示す説明図である。
【図5−2】図5−2は、携帯電子機器の制御の一例を示す説明図である。
【図5−3】図5−3は、携帯電子機器の制御の一例を示す説明図である。
【図5−4】図5−4は、携帯電子機器の制御の一例を示す説明図である。
【図6−1】図6−1は、携帯電子機器の他の実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図6−2】図6−2は、図6−1に示す携帯電子機器の概略構成を他の角度から示す斜視図である。
【図7−1】図7−1は、携帯電子機器の他の実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図7−2】図7−2は、図7−1に示す携帯電子機器の概略構成を他の角度から示す斜視図である。
【図8】図8は、携帯電子機器の他の実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図9】図9は、携帯電子機器の他の実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図10】図10は、携帯電子機器の他の実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図11−1】図11−1は、図10に示す携帯電子機器の動作を説明するための説明図である。
【図11−2】図11−2は、図10に示す携帯電子機器の動作を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器として携帯電話機を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0024】
まず、携帯電子機器の外観の構成を説明する。図1は、携帯電子機器の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。携帯電子機器10は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。携帯電子機器10は、1つの箱型形状の筐体11の内部に各部が収納されたストレート形状の携帯電話機である。なお、本実施形態では、筐体11を1つの箱型形状としたが、ヒンジで連結された2つの部材で構成した折りたたみ可能な筐体や、2つの部材をスライドさせる筐体としてもよい。また、3つ以上の部材を連結した筐体も用いることができる。
【0025】
筐体11には、表示部として、図1に示すディスプレイ12が設けられる。ディスプレイ12は、所定の画像として、携帯電子機器10が受信を待機している状態のときに待ち受け画像を表示したり、携帯電子機器10の操作を補助するために用いられるメニュー画像を表示したりする。
【0026】
筐体11には、通話相手の電話番号や、メール作成時等に文字を入力するための操作キー13が複数設けられている。さらに、筐体11の一つの側部(操作キー13が設けられる面と略直交する面のうちの一つ)には、後述するプロジェクタ34の動作を制御する専用キー14が設けられる。なお、操作キー13及び専用キー14は、携帯電子機器10の操作部を構成する。また、筐体11には、携帯電子機器10の通話時に音声を受け取るマイク15、携帯電子機器10の通話時に音声を発するレシーバ16が設けられる。
【0027】
また、筐体11の上面(一辺が、操作キー13が設けられる面と接し、他の一辺が、専用キー14が設けられている面と接している面)には、画像を投影するプロジェクタ34の光射出部34aが設けられている。
【0028】
図2は、図1に示す携帯電子機器の機能の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように携帯電子機器10は、制御部22と、記憶部24と、送受信部26と、操作部28と、音声処理部30と、表示部32と、プロジェクタ34と、加速度センサ36と、を有する。
【0029】
制御部22は、CPU(Central Processing Unit)等の携帯電子機器10の全体的な動作を統括的に制御する処理部である。すなわち、携帯電子機器10の各種の処理が、操作部28の操作や携帯電子機器10の記憶部24に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、送受信部26や、音声処理部30や、表示部32等の動作を制御する。携帯電子機器10の各種の処理としては、例えば、回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成及び送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧等がある。また、送受信部26、音声処理部30、表示部32等の動作としては、例えば、送受信部26による信号の送受信、音声処理部30による音声の入出力、表示部32による画像の表示等がある。
【0030】
制御部22は、記憶部24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。制御部22は、例えば、マイクロプロセッサユニット(MPU:Micro Processor Unit)で構成され、前記ソフトウェアで指示された手順にしたがって上述した携帯電子機器10の各種の処理を実行する。すなわち、制御部22は、記憶部24に保存されるオペレーティングシステムプログラムやアプリケーションプログラム等から命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
【0031】
制御部22は、複数のアプリケーションプログラムを実行する機能を有する。制御部22が実行するアプリケーションプログラムとしては、例えば、プロジェクタの駆動を制御するアプリケーションプログラムや、各種ゲームを作動させるゲームアプリケーションプログラム等の複数のアプリケーションプログラムがある。
【0032】
記憶部24には、制御部22での処理に利用されるソフトウェアやデータが保存されており、上述した、プロジェクタの駆動を制御するアプリケーションプログラムを作動させるタスクや、各種ゲームアプリケーションプログラムを作動させるタスクが保存されている。
【0033】
また、記憶部24には、これらのタスク以外にも、例えば、通信、ダウンロードされた音声データ、あるいは記憶部24に対する制御に制御部22が用いるソフトウェア、通信相手の電話番号やメールアドレス等を保存し、管理するアドレス帳、発信音や着信音等の音声ファイル、ソフトウェアの処理過程で用いられる一時的なデータ等が保存されている。なお、ソフトウェアの処理過程で用いられるコンピュータプログラムや一時的なデータは、制御部22によって記憶部24に割り当てられた作業領域へ一時的に保存される。記憶部24は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(ROM:Read Only Memory等の不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置等)や、読み書き可能な記憶デバイス(例えば、SRAM:Static Random Access Memory、DRAM:Dynamic Random Access Memory)等で構成される。
【0034】
送受信部26は、アンテナ26aを有し、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。
【0035】
操作部28は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられた操作キー13と専用キー14とで構成され、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。そして、発生した信号は、ユーザの指示として制御部22へ入力される。
【0036】
音声処理部30は、マイク15に入力される音声信号やレシーバ16から出力される音声信号の処理を実行する。すなわち、音声処理部30は、マイク15から入力される音声を増幅し、AD変換(Analog Digital変換)を実行した後さらに符号化等の信号処理を施して、ディジタルの音声データに変換して制御部22へ出力する。また、制御部22から送られる音声データに対して復号化、DA変換(Digital Analog変換)、増幅等の処理を施してアナログの音声信号に変換してから、レシーバ16へ出力する。
【0037】
表示部32は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成された表示パネル(上述したディスプレイ12等)を備え、制御部22から供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示パネルに表示させる。
【0038】
プロジェクタ34は、画像を投影する画像投影機構であり、上述したように、筐体11の上面に画像を投影する光射出部34aが設けられている。ここで、図3は、図1に示す携帯電子機器で画像を表示させている状態を示す説明図である。携帯電子機器10は、プロジェクタ34の光射出部34aから画像を投影する、つまり画像を構成する光を射出することで、図3に示すように、筐体11の上面に対向する面にある壁面、スクリーン等のうち、一定の領域(投影領域)に画像を投影することができる。なお、プロジェクタ34は、制御部22により動作が制御され、制御部22から送られる種々の映像、例えば映画、プレゼンテーション資料を投影し、投影領域に表示させる。
【0039】
プロジェクタ34は、光源と、画像データに応じて、光源から射出された光を投影するか否かを切り換える光学系とで構成されている。例えば、プロジェクタ34には、ハロゲンライトや、LED光源、LD光源を光源とし、LCD(Liquid Crystal Display)や、DMD(Digital Micro-mirror Device)を光学系とした構成のプロジェクタを用いることができる。この場合は、光学系を各画素に対応して投影領域の全面に配置し、光源から射出された光を画像に合わせて光学系をオンオフさせることで画像を投影領域の全面に投影させることができる。また、プロジェクタ34には、レーザ光を光源とし、光源から射出された光を透過させるか否かを切り換える切り換え素子と、切り換え素子を通過した光をラスター走査させるミラーとで構成される光学系とした構成のプロジェクタを用いることもできる。この場合は、ミラーによってレーザ光から射出された光の角度を変えて、投影領域の全面に光源から照射された光を走査させることで、投影領域に画像を投影させることができる。
【0040】
加速度センサ36は、筐体11に加わる加速度を検出する検出器である。加速度センサ36として、種々の方法で加速度を検出する検出器を用いることができ、例えば、静電容量の変化や、ピエゾ抵抗の変化、相対位置の変化等で加速度を検出する検出器を用いることができる。加速度センサ36は、操作者が筐体11を振ったり、移動させたりする際に、筐体11に作用する加速度を検出する。携帯電子機器10は、基本的に以上のような構成である。
【0041】
次に、図4を用いて携帯電子機器10の動作、具体的には、プロジェクタの制御動作について説明する。ここで、図4は、携帯電子機器の動作の一例を示すフロー図である。
まず、携帯電子機器10は、ステップS12として通常の動作を行っている。ここで、通常の動作とは、例えば、待ち受け画像の表示や、通話動作等、プロジェクタ34以外の機能が使用されている状態である。次に、携帯電子機器10の制御部22は、ステップS14として、プロジェクタ34を起動させる指示、つまり起動指示が入力されているかを判定する。制御部22は、プロジェクタ34の起動指示が入力されていない(No)と判定したら、ステップS12に進み、通常動作を続ける。このように、制御部22は、プロジェクタ34の起動指示が入力されたことが検出されるまでステップS12とステップS14を繰り返す。
【0042】
次に、制御部22は、ステップS14でプロジェクタ起動指示が入力されている、つまり、起動指示あり(Yes)と判定したら、ステップS16として、プロジェクタ34を起動させる。また、制御部22は、記憶部24からプロジェクタ34の動作を制御するためのタスクを読み出し、アプリケーションプログラムを起動させる。制御部22は、ステップS16でプロジェクタ34を起動させたら、ステップS18として、携帯モードが選択されたかを判定する。ここで、制御部22は、プロジェクタ34を駆動させるモードとして、操作者が携帯電子機器10(筐体11)を持っている状態でプロジェクタ34を使用することを想定した携帯モード(第1のモード)と、操作者が携帯電子機器10(筐体11)を机や、台や、充電台に置いた状態でプロジェクタ34を使用することを想定した据え置きモード(第2のモード)との2つのモードを有する。携帯モードと据え置きモードの制御方法は、以下で動作と共に説明する。なお、本実施形態では携帯モードと据え置きモードとは、操作者により選択される。なお、操作者が選択するタイミングとしては、制御部22がステップS18に進んだ段階で選択させるようにしても、プロジェクタ起動前の通常動作時に予め設定として選択させるようにしてもよい。
【0043】
制御部22は、ステップS18で、携帯モードが選択されている(Yes)と判定したら、ステップS20として、携帯モードを起動させる。制御部22は、ステップS20で携帯モードを起動させたら、ステップS22として、専用キー14が押されているかを判定する。制御部22は、ステップS22で専用キー14が押されていない(No)と判定したら、ステップS24として、画像を投影させない。つまり、プロジェクタ34から光を射出させない。また、制御部22は、ステップS22で専用キー14が押されている(Yes)と判定したら、ステップS26として、プロジェクタ34から画像を投影させる。つまり、プロジェクタ34から光を射出させる。
【0044】
制御部22は、ステップS22またはステップS24で画像を投影させるか否かを制御したら、ステップS28として、一定時間が経過したかを判定する。制御部22は、ステップS28で一定時間が経過してない(No)と判定したら、ステップS22に進み、一定時間が経過している(Yes)と判定したら、ステップS40に進む。このように制御部22は、一定時間が経過するまで、ステップS22からステップS28の動作を繰り返し、専用キー14が押されているか押されていないかで、画像を投影するか投影しないかを切り換える。なお、本実施形態では、画像を投影するか投影しないかを切り換えたが、所定値以下の光強度で投影するか否かを切り換えてもよい。この場合は、専用キー14が押されていない間は、所定値以下の光強度で投影し、専用キー14が押されている間は、通常の光強度で投影するようにすればよい。
【0045】
また、制御部22は、ステップS18で携帯モードが選択されていない(No)と判定したら、ステップS30として、据え置きモードを起動する。制御部22は、ステップS30で据え置きモードを起動させたら、ステップS32として、プロジェクタ34から画像を投影させる。つまり、プロジェクタ34から光を射出させる。制御部22は、ステップS32でプロジェクタ34により画像を投影させたら、ステップS34として、一定時間が経過したかを判定する。制御部22は、ステップS34で一定時間が経過してない(No)と判定したら、ステップS32に進み、一定時間が経過している(Yes)と判定したら、ステップS40に進む。このように制御部22は、一定時間が経過するまで、ステップS32とステップS34の動作を繰り返し、プロジェクタ34から画像を投影し続ける。
【0046】
また、制御部22は、ステップS28またはステップS34で一定時間が経過したら、ステップS40として、プロジェクタ34の駆動を終了させる指示、つまり、終了指示があるかを判定する。制御部22は、ステップS40でプロジェクタ終了指示がない(No)と判定したらステップS18に進み、再び、選択されているモードを検出し、モードに基づいて、プロジェクタ34の動作を制御する。つまり、プロジェクタ34の駆動を停止するまで、上記動作を繰り返す。また、制御部22が、ステップS40で、プロジェクタ終了指示がある(Yes)と判定したら、ステップS42として、プロジェクタ34の駆動を終了し、通常動作に戻り処理を終了する。なお、制御部22は、通常動作に戻ったら、再び、プロジェクタの起動指示が入力されているかを判定する。つまり、制御部22は、図4に示すフロー図の動作を繰り返す。
【0047】
以上のように、携帯電子機器10は、携帯モードと据え置きモードの2つのモードを選択可能とし、携帯モードが選択されている場合は、専用キー14が押されている場合のみプロジェクタ34から画像を投影させ、据え置きモードが選択されている場合は、専用キー14が押されているか否かにかかわらず、プロジェクタ34から画像を投影させる。
【0048】
このように、操作者が手に持って使用する等、画像の投影位置、つまり光の照射位置が変化しやすい場合は、携帯モードを選択し、専用キー14を押している場合のみ画像を投影するようにすることで、画像の投影領域に人間が入った場合にすぐに画像の投影を停止、つまり光の照射を停止することができる。特に、射出している光が人間の顔に照射された場合も、操作者は、専用キー14を離すのみで、光の照射を停止できるため、人間にまぶしい思いをさせる可能性をより低くすることができる。また、操作者が不意に携帯電子機器を落としたりした場合も、光の照射が停止するため、落下時等、どの方向に光が照射されるかわからない時に光が照射される可能性を低減することができ、人間にまぶしい思いをさせる可能性をより少なくすることができる。また、人間にまぶしい思いをさせる可能性をより低くできるため、本実施形態のように専用キーが押されていない場合は光の射出を停止することが好ましいが、上述したように、専用キーが押されていない場合は、所定値以下の光強度で投影するようにする、つまり、射出させる光の光量を一定値以下とすることでも、人間にまぶしい思いをさせる可能性をより低くできる。
【0049】
また、従来のプロジェクタと同様に、携帯電子機器10を机、いす、台に置いて使用する等、画像の投影位置が基本的に変化しない場合は、据え置きモードを選択し、常に画像を投影するようにすることで、携帯電子機器10を置いた状態で画像を投影させることができる。これにより、操作者は、特に操作することなく画像を投影させ続けることができる。なお、所定位置に置かれている場合は、基本的に、光の照射位置が急激に変化することはないので、プロジェクタ34から照射される光が人間の顔を照明する可能性は低い。そのため、画像を投影させ続けても、人間にまぶしい思いをさせる可能性を少なくすることができる。
【0050】
このように、使用状態に応じて、動作制御を切り換え可能にすることで、人間に対して光を照射する可能性をより低減しつつ、操作性も高くすることができる。
【0051】
ここで、上記実施形態では、専用キー14を筐体11の側面に設けたが、専用キー14を設ける位置は特に限定されず、操作キー13が設けられている面に設けても、筐体11の底面に設けてもよい。また、上記実施形態では、携帯モードが選択されている場合は、専用キー14が押されている場合のみ画像を投影するようにしたが、本発明はこれに限定されず、画像を投影するか否かを決定するキーはどのキーとしてもよい。例えば、操作キー13の中の特定のキーが押されている場合は、画像を投影するようにしてもよいし、操作キー13の中のいずれか1つのキーが押されていれば、キーの種類にかかわらず画像を投影するようにしてもよい。また、キーの代わりにタッチパネルを用いている場合は、タッチパネルに触れられている間は画像を投影するようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、操作者が、携帯モードとするか据え置きモードとするかを選択するようにしたが、本発明はこれに限定されず、携帯電子機器10が状態を検出して、自動的に選択するようにしてもよい。
【0053】
例えば、加速度センサ36により筐体11に作用する加速度を検出し、検出した加速度に基づいてモードを選択するように(切り換えるように)してもよい。一例としては、制御部22は、加速度が検出されない場合、実質的に0と判定できる場合は、据え置きモードとし、それ以外の場合は、携帯モードとするようにしてもよい。また、一定以上の加速度が検出された場合は、携帯モードとするようにしてもよい。このように、加速度に基づいて、モードを切り換えることで、操作者が操作することなく、適切な制御モードを選択することができ、安全性を確保しつつ、操作性をさらに高くすることができる。また、自動的に切り替わるようにすることで、操作者が携帯電子機器10を保持しているにもかかわらず据え置きモードを選択してしまうことを抑制することができる。
【0054】
さらに、制御部22は、筐体11に作用する加速度から、力の振動数や、力の大きさ(振幅)を検出し、検出した値が手振れと判定することができる数値である場合は、携帯モードを選択するようにすればよい。このように、手振れに基づいて操作者が持っているか判定することで、操作者が持っているときに発生する揺れとそれ以外の揺れ(例えば、机に物がぶつかったときに生じる揺れ)とを識別することができ、より操作性を高くすることができる。
【0055】
また、加速度センサ36で検出した加速度に基づいて、携帯モードか据え置きモードかを選択することに限定されず、携帯電子機器10を充電する際に使用する外部の電源(例えば、ACアダプタ)と接続しているかを検出し、その検出結果に基づいてモードを選択するようにしてもよい。ここで、電源と携帯電子機器10とが接続しているか否かを検出する検出器としては、携帯電子機器10の接続端子が電源と接続しているかを検出する検出センサや、外部から携帯電子機器10に供給される電力、電圧及び/または電流を検出する検出センサを用いることができる。
【0056】
このように、携帯電子機器10が電源に接続されている否かに基づいて、モードを切り換える場合は、電源に接続されていることを検出したら据え置きモードを選択し、電源に接続されていることを検出しなかったら、つまり、電源に接続されていないことを検出したら携帯モードを選択するよう設定することができる。これにより、電源(電源コード)と接続され、移動が制限される場合は据え置きモードとし、移動に制限がない場合は、携帯モードとすることができ、安全性と操作性を高くすることができる。
【0057】
なお、電力を検出する場合は、供給される電力、電圧及び/または電流に基づいて、備え付けのコンセント等の商用電源から供給されるか、乾電池、USBで接続されたPC等のバッテリから供給されるかを識別することが好ましい。なお、このように識別できる場合は、商用電源から電力が供給されている場合に据え置きモードとすることが好ましい。これにより、乾電池等の自在に移動可能な電源に接続されている場合と、コードにより移動範囲が制限される商用電源に接続されている場合とで選択するモードを変えることができ、安全性と操作性をより高くすることができる。
【0058】
また、携帯電子機器10を充電する際等に、携帯電子機器10を置く充電台に置かれているかを検出し、その検出結果に基づいてモードを選択するようにしてもよい。ここで、携帯電子機器10が充電台に置かれているかを検出する検出器としては、筐体11の充電台との接触位置に接触検出センサを設ければよい。
【0059】
このように、携帯電子機器10が充電台に置かれているか否かに基づいて、モードを切り換える場合は、充電台に置かれていることを検出したら据え置きモードを選択し、充電台に置かれていることを検出しなかったら、つまり、充電台に置かれていないことを検出したら携帯モードを選択するよう設定することができる。これにより、充電台に置かれ、移動が制限される場合は据え置きモードとし、移動に制限がない場合は、携帯モードとすることができる。
【0060】
また、本発明は、携帯電子機器10の状態に応じて、つまり、携帯電子機器10が電源に接続されているか否か、または、充電台に置かれているか否かに応じてモードを決定することにも限定されない。
【0061】
ここで、図5−1から図5−4は、それぞれ、携帯電子機器の制御の一例、つまり、動作パターンを示す説明図である。まず、図5−1に示す動作パターンは、携帯電子機器10が充電台に置かれている場合及び/または電源に接続されている場合は、据え置きモードを選択可能、携帯モードを選択不可能とし、携帯電子機器10が充電台に置かれておらずかつ電源に接続されていない場合は、据え置きモードを選択不可能、携帯モードを選択可能とする動作パターンである。つまり、図5−1に示す動作パターンは、上述した携帯電子機器10の状態に応じて1つのモードを選択する動作パターンである。
【0062】
次に、図5−2に示す動作パターンは、携帯電子機器10が充電台に置かれている場合及び/または電源に接続されている場合は、据え置きモードを選択可能、携帯モードを選択不可能とし、携帯電子機器10が充電台に置かれておらずかつ電源に接続されていない場合は、据え置きモードと携帯モードの両方を選択可能とする動作パターンである。この動作パターンのときは、携帯電子機器10が充電台に置かれておらずかつ電源に接続されていない場合に、操作者が、据え置きモードにするか携帯モードにするかを選択することができる。
【0063】
次に、図5−3に示す動作パターンは、携帯電子機器10が充電台に置かれている場合及び/または電源に接続されている場合は、据え置きモードと携帯モードの両方を選択可能とし、携帯電子機器10が充電台に置かれておらずかつ電源に接続されていない場合は、据え置きモードを選択不可能、携帯モードを選択可能とする動作パターンである。この動作パターンのときは、携帯電子機器10が充電台に置かれている場合及び/または電源に接続されている場合に、操作者が、据え置きモードにするか携帯モードにするかを選択することができる。
【0064】
また、図5−4に示す動作パターンは、携帯電子機器10が充電台に置かれている場合及び/または電源に接続されている場合も、携帯電子機器10が充電台に置かれておらずかつ電源に接続されていない場合も、据え置きモードと携帯モードの両方を選択可能とする動作パターンである。この動作パターンのときは、いずれの場合も操作者が、据え置きモードにするか携帯モードにするかを選択することができる。
【0065】
このように、図5−1から図5−4に示す4つのいずれの動作パターンとしても、2つのモードを選択することができ、安全性と操作性を高くすることができる。また、操作者が、4つの動作パターンから1つの動作パターンを設定できるようにしてもよいし、4つの動作パターンの中の1つの動作パターンのみをアプリケーションプログラムとして記憶させるようにしてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、携帯電子機器10に加速度センサ36を設けたが、携帯モードと据え置きモードとを選択する際に加速度の検出結果を用いない場合は、必ずしも設ける必要はない。例えば、モードの選択を操作者の選択操作のみにより行う場合は、加速度センサを設ける必要はない。
【0067】
また、上記実施形態では、据え置きモードの場合は、画像を投影し続けるとしたがこれに限定されず、プロジェクタ34が光を照射する方向に人間がいることを検出したら、画像の投影を停止してもよい。このように、光の照射方向に人間がいる場合は、画像の投影を停止させることで、人間にまぶしい思いをさせる可能性を低減することができ、安全性をより高くすることができる。ここで、プロジェクタ34が光を照射する方向に人間がいるか否かを検出する方法は特に限定されない。例えば、近接センサを設け、光の照射方向に、携帯電子機器10(筐体11)から一定距離以内に物体があることを検出したら、人間がいると判定するようにしもよい。また、光センサや、赤外線センサ等により検出するようにしてもよい。
【0068】
また、筐体にスイッチを設け、据置きモードの場合もそのスイッチが押されている場合のみプロジェクタから光を投影させるようにしてもよい。以下、具体例とともに説明する。ここで、図6−1は、携帯電子機器の他の実施形態の概略構成を示す斜視図であり、図6−2は、図6−1に示す携帯電子機器の概略構成を他の角度から示す斜視図である。図6−1及び図6−2に示す携帯電子機器100は、筐体110のディスプレイ12及び操作キー13が設けられている面とは反対側の面(以下「背面)という。)にスイッチ部材112が設けられている。なお、携帯電子機器100は、スイッチ部材112を設けたことを除いて他の構成は、図1及び図2に示す携帯電子機器10と同様である。
【0069】
スイッチ部材112は、筐体110の背面に背面よりも突出して配置され、他の部材と接触しているかを検出する。ここで、他の部材としては、携帯電子機器100を載置する種々の部材、例えば、床、机、台等がある。スイッチ部材112は、他の部材と接触することで外力が負荷されると筐体110の内部側に移動され、ONの状態となる。また、スイッチ部材112は、ばね等の付勢部材が設けられており、他の部材と接触していない状態では、自然状態の位置、つまり、背面よりも一定距離突出した状態に戻り、OFFの状態となる。スイッチ部材112は、このON/OFFの状態を示す信号を制御部22(図2参照)に送る。
【0070】
携帯電子機器100の制御部22は、据置きモードが選択されていると判定したら、スイッチ部材112のON/OFFの信号を検出し、スイッチ部材112からONの信号が発信されていることを検出したら、プロジェクタ34から画像を投影させ、スイッチ部材112からOFFの信号が発信されていることを検出したら、プロジェクタ34から画像を投影させない、つまり、OFFの信号が発信されている間は、画像の投影を停止する。
【0071】
このように、携帯電子機器100は、据置きモードが選択されている時は、スイッチ部材112が他の部材と接触している場合のみ画像を投影するようにすることで、携帯電子機器100(の筐体110)が他の部材に載置されている場合のみプロジェクタ34から光を射出させるようにすることができる。このように、携帯電子機器100が載置されている物体から離れたことを検出することで、据置きモードの場合に、持ち上げられたり、机から落下したりした場合に、光の射出を停止することができる。これにより、光が射出される方向が急に変化し、人間にまぶしい思いをさせる可能性をより少なくすることができる。また、据置きモードが選択されている場合は、所定の向きで他の部材に載置されている場合のみ画像を投影させるようにすることができ、画像を正しい向きで投影することができる。つまり、筐体110の背面以外の面を他の部材に接触した状態で載置しても画像が投影されないため、画像が横向きで投影されたりすることを抑制することができる。
【0072】
なお、携帯電子機器100では、スイッチ部材からON、OFFの両方の信号を発信するようにしたが、ON、OFFの信号の一方のみを発信させるようにしてもよい。例えば、ONの状態のときのみ信号を発信させるようにし、制御部22は、据置きモードの場合にスイッチ部材から信号が発信されていることを検出した場合のみプロジェクタ34から画像を投影させるようにしてもよい。
【0073】
上記実施形態では、スイッチ部材を外力の作用により移動し、その移動を検出することでON/OFFの切り替えを機械的に検出するスイッチを用いたが、他の部材との接触を検出する接触検出部であればよく、他の部材との接触を電気的に検出するスイッチも用いることができる。例えば、筐体110の背面に接触端子を設け、接触端子が他の部材と接触したら、電流等が流れ、信号が発信されるスイッチとしてもよい。
【0074】
また、スイッチ部材を携帯モードと判定されているときに光を投影するために押下する専用キーとしても用いるようにしてもよい。ここで、スイッチ部材を専用キーとして用い、携帯モードで画像を投影する場合は、加速度センサにより鉛直方向の上下方向を検出して、携帯電子機器100の筐体110の向き、つまり背面が鉛直方向上向きとなっているか下向きになっているかを判定し、画像の上側が、鉛直方向上側となるように、投影する画像の向きを制御するようにすることが好ましい。このように、加速度センサの検出した鉛直方向の情報に基づいて、投影する画像の向きを設定することで、操作者が携帯電子機器の筐体を操作しやすい任意の向きで持った状態でも正しい方向に画像を投影することができる。例えば、スイッチ部材を押しやすいように、筐体の背面を鉛直方向上側に向けて保持しても、制御部の制御により、据置きモードとは反対向きにした画像を投影するため照射面には、正しい向きで画像を投影させることができる。これにより、画像を見やすくすることができ、かつ、操作性を高くすることができる。
【0075】
なお、上記では、筐体の向きを検出するセンサとして加速度センサを用いたが、筐体の向きを検出するセンサは、加速度センサに限定されない。例えば、地磁気センサも用いることができる。なお、センサとしては、部品点数を少なくすることができるため、他の機能にも用いるセンサを使用することが好ましい。従って、据置きモードと携帯モードとを判定するために加速度センサを用いる場合は、筐体の向きを検出するセンサとして、加速度センサを用いることが好ましい。
【0076】
また、携帯電子機器100では、背面の一部にスイッチ部材を設けたが、スイッチ部材の配置位置は、これに限定されない。図7−1は、携帯電子機器の他の実施形態の概略構成を示す斜視図であり、図7−2は、図7−1に示す携帯電子機器の概略構成を他の角度から示す斜視図である。図7−1及び図7−2に示す携帯電子機器120は、筐体122の背面に、スタンド124が設けられ、スタンド124の他の部材と接触する面にスイッチ部材126が設けられている。なお、携帯電子機器120も、スタンド124とスイッチ部材126とを設けたことを除いて他の構成は、図1及び図2に示す携帯電子機器10と同様である。
【0077】
スタンド124は、筐体122の背面のプロジェクタ34側の領域に設けられた凹部に収納可能な棒状部材であり、一方の端部が筐体122に回動可能な状態で支持されている。スタンド124は、棒状部材の中心軸が、背面と平行になる角度から背面と直交する角度まで、つまり90度の範囲で回動する。
【0078】
また、スタンド124は、棒状部材の中心軸が背面と平行となっている状態では、筐体122の凹部に収納され、スタンド124の一面が、背面と同一平面にある状態となる。スタンド124が筐体122の凹部に収納されている状態で、筐体122の背面側を他の部材と接触させると、筐体122の背面の全面及び、スタンド124の一面が他の部材と接触する。
【0079】
また、スタンド124は、棒状部材の中心軸が背面と直交している状態では、スタンド124の回転軸となっている端部とは反対側の端部が、筐体122の背面よりも突出した状態となる。スタンド124の一部が筐体122の凹部から突出している状態で、筐体122の背面側を他の部材と接触させると、スタンド124と、筐体122の背面のプロジェクタ34側とは反対側の端面とが、他の部材と接触し、他の部材を支持する。背面よりも突出したスタンド124と筐体122を支持することで、筐体122の背面が他の部材に対して所定角度傾斜した状態で支持される。
【0080】
スイッチ部材126は、スタンド124の筐体122に支持されていない側の端部の端面に配置され、他の部材と接触しているかを検出する。なお、スイッチ部材126は、配置位置を除いて他の構成は、上述した携帯電子機器100のスイッチ部材112と同様であるので、その詳細な説明は省略する。スイッチ部材126は、他の部材と接触することで外力が負荷されるとスタンド124の内部側に移動され、ONの状態となる。また、携帯電子機器120も、スイッチ部材126により他の部材と接触しているかを検出し、据置きモードが選択されている時は、スイッチ部材126が他の部材と接触している場合のみ画像を投影するようにし、携帯電子機器100(の筐体110)が他の部材に載置されている場合のみプロジェクタ34から光を射出させるようにする。
【0081】
これにより、携帯電子機器120のように、スタンド124を設けた場合でも、スタンド124が他の部材と接触している場合のみ光を射出させるようにすることができ、光が射出される方向が急に変化し、人間の目に光が入ることを抑制でき、人間にまぶしい思いをさせる可能性をより少なくすることができる。また、据置きモードが選択されている場合は、所定の向きで他の部材に載置されている場合のみ画像を投影させるようにすることができ、画像を正しい向きで投影することができる。
【0082】
また、携帯電子機器120は、スタンド124を設けることで、プロジェクタ34から射出させる光が他の部材(机等)に投影されてしまうことを抑制することができる。つまり、水平方向よりも鉛直方向上側に所定角度上向いた向きに画像を照射できるため、投影された画像のうち背面側の部分が他の部材に投影されることを抑制することができる。さらに、スタンド124を設け、かつ、スタンド124にスイッチ部材126を設けることで、スタンド124を使用して、他の部材に載置した場合のみ光を射出させるようにすることができる。これにより、携帯電子機器120は、所定の向きで、所定の姿勢の場合のみ光を射出させるようにすることができる。
【0083】
また、上記実施形態では、スイッチ部材126をスタンド124の他の部材と接触する面に設けたが、本発明はこれに限定されず、携帯電子機器の筐体が他の部材と接触していることが検出できれば、その配置位置は特に限定されない。図8は、携帯電子機器の他の実施形態の概略構成を示す斜視図である。ここで、図8に示す携帯電子機器130は、筐体122とスタンド132との間にスイッチ部材134を設けられている。ここで、スタンド132は、他の部材と接触している面から筐体122の凹部に向けた方向に力が負荷されると、筐体122の凹部側に移動する構造となっている。また、スタンド132が筐体122の凹部側に移動すると、スイッチ部材134は、筐体122とスタンド132とにより挟まれて、押された状態となる。スイッチ部材134は、筐体122とスタンド132とにより押された状態であるか否かを検出し、筐体122とスタンド132とにより押された状態であると検出したら、ON状態の信号を出力する。
【0084】
このように、スイッチ部材134は、直接他の部材と接触する位置に配置されていなくとも、筐体122やスタンド132を介して、携帯電子機器130が所定の姿勢で他の部材に載置されていることを検出することができれば、携帯電子機器100、携帯電子機器120と同様の制御を行うことができ、携帯電子機器100、携帯電子機器120と同様の効果を得ることができる。
【0085】
また、上記ではいずれも携帯電子機器の筐体がストレート形状の場合を例として説明したが、他の形状の場合も同様である。以下、具体例とともに説明する。まず、図9は、携帯電子機器の他の実施形態の概略構成を示す斜視図である。図9に示す携帯電子機器160は、いわゆる折りたたみ形状の携帯電子機器であり、筐体162が、第1筐体162aと第2筐体162bとで形成されている。この第1筐体162aと第2筐体162bとは、ヒンジ163を介して開閉可能な状態で連結されている。具体的には、第1筐体162a及び第2筐体162bは、ヒンジ163を中心としてともに回動して、互いに遠ざかる方向及び互いに接近する方向に回動できるように構成される。第1筐体162aと第2筐体162bとが互いに遠ざかる方向に回動すると携帯電子機器160が開き、第1筐体162aと第2筐体162bとが互いに接近する方向に回動すると携帯電子機器160が閉じる。また、第1筐体162aのヒンジ163が設けられている端部とは反対側の端部には、プロジェクタ34が設けられている。
【0086】
また、スイッチ部材164は、第2筐体162bの閉じられた状態のときに第1筐体162aと向かい合う面とは反対側の面、つまり、背面に相当する面に設けられている。なお、スイッチ部材164の構成は、スイッチ部材112と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0087】
携帯電子機器160のように、折りたたみ形状としても、携帯電子機器160が他の部材と接触しているかを検出するスイッチ部材を設け、携帯電子機器100、120と同様の操作をすることで、携帯電子機器100、120と同様の効果を得ることができる。
【0088】
図10は、携帯電子機器の他の実施形態の概略構成を示す斜視図である。また、図11−1は、図10に示す携帯電子機器の動作を説明するための説明図であり、図11−2は、図10に示す携帯電子機器の動作を説明するための説明図である。図10に示す携帯電子機器180は、いわゆる2軸ヒンジの折りたたみ形状の携帯電子機器であり、筐体182が、第1筐体182aと第2筐体182bとで構成されている。この第1筐体182aと第2筐体182bとは、ヒンジ183を介して連結されている。また、ヒンジ183は、第1筐体182aと第2筐体182bとを、開閉方向及びねじれ方向の2つの回転軸で相対的に回転させる。ここで、ねじれ方向とは、開閉方向の回転軸に直交し、かつ、第1筐体182aのヒンジ183と接続されている端部から先端に向けて伸びる線を軸として回転する方向である。具体的には、まず、第1筐体182a及び第2筐体182bは、ヒンジ183を中心としてともに回動して、互いに遠ざかる方向及び互いに接近する方向に回動できるように構成される。第1筐体182aと第2筐体182bとが互いに遠ざかる方向に回動すると携帯電子機器180が開き、第1筐体182aと第2筐体182bとが互いに接近する方向に回動すると携帯電子機器180が閉じる。さらに、第1筐体182a及び第2筐体182bは、ヒンジ183の中央を通り、且つ回転方向の回転軸に直交する線を回転軸として、第1筐体182aのディスプレイ12が形成されている面と、第2筐体182bの操作キー13が設けられている面とがねじれる方向に回転する。
【0089】
また、第1筐体182aのヒンジ183が設けられている端部とは反対側の端部には、プロジェクタ34が設けられている。さらに、第1筐体182aの側面、つまり、ねじれ方向の回転時に外周面となる面のヒンジ183側の端部には、スイッチ184が設けられている。なお、スイッチ部材184の構成は、スイッチ部材112と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0090】
携帯電子機器180は、図10、図11−1及び図11−2に示すように、携帯電子機器180の第1筐体182aと第2筐体182bとをヒンジ183を中心として開閉方向に回転させて開き、かつ、第1筐体182aと第2筐体182bとをヒンジ183を中心として、ねじれ方向に相対的に回転させ、スイッチ184が形成されている面が第2筐体182bの背面と略平行となった状態、つまり、図10に示す状態のときに、据置きモードで画像の投影を行う。
【0091】
したがって、携帯電子機器180は、図11−1に示すように、第1筐体182aのスイッチ部材184が設けられている部分が他の部材と接触している状態、基本的には、第1筐体182aのスイッチ部材184が設けられている部分と第2筐体182bの一部とが他の部材190に接触している状態となったら、スイッチ部材184がONの状態となり、プロジェクタ34から光が射出され、画像を投影する。また、図11−2に示すように、携帯電子機器180が浮いた状態となり、スイッチ部材184が他の部材190と接触していない状態となったら、スイッチ部材184がOFFの状態となり、プロジェクタ34から光の射出が停止される。
【0092】
携帯電子機器180のように、2軸ヒンジの折りたたみ形状としても、携帯電子機器180が他の部材と接触しているかを検出するスイッチ部材を設け、携帯電子機器100、120、160と同様の操作をすることで、携帯電子機器100、120、160と同様の効果を得ることができる。また、第1筐体側のスイッチを設けることで、ねじれ方向に一定回転させて、他の部材に載置した場合のみ画像が投影されるようにすることができ、第1筐体のねじれ方向の位置を所定の位置とすることができる。これにより、第1筐体182aのねじれ方向の角度を検出しなくとも、プロジェクタ34から投影される画像を適切な向きで投影することができる。なお、上述した種々の実施形態に記載の技術事項を互いに組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上のように、本発明にかかる携帯電子機器は、種々の画像を投影することに適している。
【符号の説明】
【0094】
10、100、120、130、160、180 携帯電子機器
11、110、122、162、182 筐体
12 ディスプレイ
13 操作キー
14 専用キー
15 マイク
16 レシーバ
22 制御部
24 記憶部
26 送受信部
26a アンテナ
28 操作部
30 音声処理部
32 表示部
34 プロジェクタ
36 加速度センサ
112、126、134、164、184 スイッチ部材
124、132 スタンド
162a、182a 第1筐体
162b、182b 第2筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を投影する画像投影部と、
画像投影部による投影動作を制御する制御部と、
前記画像投影部と前記制御部を支持する筐体と、を有し、
前記制御部は、第1のモードと、第2のモードとが選択可能であり、前記第1のモードを選択している場合は、前記第2のモードを選択している場合とは異なる条件で前記画像投影部の動作を制御することを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1のモードが選択されている場合は、予め設定されている操作が行われているときに画像を投影させることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
さらに、少なくとも1つ以上のボタンで構成された入力部を有し、
前記制御部は、前記第1のモードが選択されている場合は、前記入力部のうち予め設定されている前記ボタンが押されているときに前記画像投影部から画像を投影させることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、操作者から入力された指示に基づいて、前記第1のモードと前記第2のモードとを選択することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
さらに、前記筐体が台座に支持されているかを検出する状態検出部を有し、
前記制御部は、前記状態検出部で前記台座に支持されていることを検出したら、前記第2のモードを選択することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
さらに、前記筐体に作用する加速度を検出する加速度センサを有し、
前記制御部は、前記加速度センサにより検出される加速度が一定値を超えたら前記第1のモードを選択することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記加速度センサにより検出される加速度の振動数が手振れにより発生するものであると判定したら前記第1のモードを選択することを特徴とする請求項6に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
さらに、前記筐体の一部に、前記筐体の所定面が他の部材と接触した状態であるかを検出する接触検出部を有し、
前記制御部は、前記第2のモードが選択されている場合は、前記接触検出部により、前記筐体の所定面が他の部材と接触した状態であると検出されたときに前記画像投影部から画像を投影させることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記接触検出部は、他の部材と接触することにより負荷される力を機械的に検出する力検出機構であることを特徴とする請求項8に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
さらに、前記筐体の向きを検出する向き検出部を有し、
前期制御部は、前記第1のモードが選択されている場合は、前記接触検出部により前記筐体の所定面が他の部材と接触した状態であると検出されたときに、前記画像投影部から前記向き検出部で検出した前記筐体の向きに基づいて前記画像の上側部分が、鉛直方向上側となる向きで画像を投影させることを特徴とする請求項8または9に記載の携帯電子機器。
【請求項11】
前記向き検出部は、前記筐体に作用する加速度を検出する加速度センサと、前記加速度センサにより重力が作用する方向を算出する算出部とで構成されることを特徴とする請求項10に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図5−4】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【公開番号】特開2010−226684(P2010−226684A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77782(P2009−77782)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】