説明

携帯電子装置用カバー及びその製造方法

【課題】本発明は、本発明は製造工程が簡単であり、カバーの表面に3Dイメージが生じることができることができる携帯電子装置用カバーの製造方法を提供するのを目的とする。
【解決手段】携帯電子装置用カバーは、表面を含む基板と、前記基板の表面に形成されるインク層と、前記基板の表面と前記インク層の上に形成される上塗布層と、を含む。この製造方法は、基板を準備するステップと、立体印刷を実施して前記基板の表面にインク層を形成するステップと、塗布工程を実施して前記基板の表面と前記インク層との上に上塗布層を形成するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子装置用カバー及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今、携帯電話、携帯情報端末(Personal Digital Assistants、PDAと省略)、ゲームなどの携帯電気装置が広く用いられている。使用者は、このような携帯電気装置の機能ばかりでなく、携帯電気装置の外観に対してもさまざまな要求を提出している。さまざまな使用者の要求を満足させるために、業界で成形同時転写技術(In-Mold Decoration)を使用して、携帯電気装置用カバーの表面を飾る。この技術を使用して製造した携帯電子装置用カバーの表面には、3D(Three-Dimensional)イメージを生じることができる。
【0003】
成形同時転写技術は、携帯電子装置用カバーばかりでなく、他の製造領域にも広く用いられている。成形同時転写技術は、携帯電子装置用カバーの表面を美しく飾ることができるが、製造工程が複雑であり、製造コストが高い欠点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の問題点に鑑みて、本発明は製造工程が簡単であり、カバーの表面に3Dイメージを形成することができる携帯電子装置用カバー及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、表面を含む基板と、前記基板の表面に形成されるインク層と、前記基板の表面と前記インク層との上に形成される上塗布層と、を含む携帯電子装置用カバーを提供する。
【0006】
この目的を達成するために、基板を準備するステップと、立体印刷を実施して前記基板の表面にインク層を形成するステップと、塗布工程を実施して前記基板の表面と前記インク層との上に上塗布層を形成するステップと、を含む携帯電子装置用カバーの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
前記携帯電子装置用カバー及びその製造方法において、立体印刷技術を利用して携帯電子装置用カバーの外表面に所定のイメージを有するインク層を形成したので、この携帯電子装置用カバーの外表面に3Dイメージを生じさせるか、3D効果を表現させることができる。即ち、前記携帯電子装置用カバーの外観を美しく飾ることができる。前記携帯電子装置用カバーは、従来の塗布技術と立体印刷とを使用して製造したのでコストを減らすことができる。即ち、コストが高く、製造工程が複雑な同時転写技術(In-Mold Decoration)を使用しないので、前記携帯電子装置用カバーを製造する工程が簡単であり、製造コストを減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態に携帯電子装置用カバーに対して詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る携帯電子装置用カバー100を示す断面図である。前記携帯電子装置用カバー100は、基板10と、下塗布層20と、インク層30と、上塗布層40と、を含む。
【0010】
前記基板10は、携帯電子装置用カバー又はバッテリ蓋などの本体になる。該基板10の表面12(図2を参照)は、平面又は小さい湾曲がある円弧面である。前記下塗布層20は、塗布技術によって前記基板10の表面12に塗布される薄膜層である。前記インク層30は、立体印刷技術によって前記下塗布層20の表面に印刷され、厚さが0.15mmより厚いインク・イメージ層である。前記上塗布層40は、塗布技術によって前記下塗布層20及びインク層30の上に塗布されて、このインク層30が脱落することを防ぐ透明な薄膜層である。
【0011】
本実施形態で、前記インク層30は、離間して前記前記下塗布層20の表面に印刷されている。なお、前記インク層30を前記前記下塗布層20の表面全体に印刷することもできる。
【0012】
前記インク層30を印刷する場合、立体印刷技術を使用せずに所定のイメージが形成されたマスクを利用して、所定の3Dイメージを形成することができる。前記下塗布層20及びインク層30を異なる色で形成すると、異なる3D効果を得ることができる。且つ、前記基板10の表面12に下塗布層20を塗布せず、前記インク層30を基板10の表面12に直接塗布することもできる。
【0013】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態に携帯電子装置用カバー100の製造方法に対して詳細に説明する。この製造方法は、以下のようなステップを含む。
【0014】
第一ステップでは、図2に示したように、基板10を提供する。
【0015】
第二ステップでは、図3に示したように、塗布技術を使用して前記基板10の表面12に下塗布層20を形成する。これにより、従来の塗布技術を使用して前記下塗布層20を形成する。
【0016】
第三ステップでは、図4に示したように、前記基板10に立体印刷を実施して、前記下塗布層20の上に所定のイメージを有するインク層30を形成する。即ち、スクリーン印刷装置又は印刷マスクを使用して、所定のイメージを有し、且つ厚さが0.15mmより厚いインク層30を前記下塗布層20の上に形成する。前記インク層30を形成する時、この厚さが0.15mmより厚いようにする。印刷マスクを使用して前記インク層30を形成する場合、印刷マスクの形状を変更すると、異なる3Dイメージを有するインク層30を得ることができる。前記下塗布層20及びインク層30の色を変更しても、異なる3D効果を得ることができる。
【0017】
第四ステップでは、前記基板10に塗布工程を実施して、前記下塗布層20及びインク層30の上に上塗布層40を形成する。これにより、従来の塗布技術を使用して前記上塗布層40を形成する。この上塗布層40は、前記インク層30が前記下塗布層20から脱落することを防ぐ透明な薄膜層である。
【0018】
上述したステップでは、前記基板10の表面12に下塗布層20を形成するステップを省略することができる。即ち、前記基板10の表面12に下塗布層20を形成せずに、前記インク層30を基板10の表面12に直接形成することができる。
【0019】
前記携帯電子装置用カバー100を製造する工程は、全部クリーン・ルームの内部で実施する。このクリーン・ルームの温度が18〜25℃であり、湿度が45%RH〜80%RHであり、光強度が600〜1300Luxであり、清浄度クラスが10万以上であり、ノイズが75dBより小さい。
【0020】
上述したように、立体印刷技術を利用して携帯電子装置用カバーの外表面に所定のイメージを有するインク層を形成したので、この携帯電子装置用カバーの外表面に3Dイメージが生じるか、3D効果が表現される。即ち、前記携帯電子装置用カバーの外観を美しく飾ることができる。前記携帯電子装置用カバーは、従来の塗布技術と立体印刷とを使用したので製造コストを減らすことができる。即ち、コストが高く、製造過程が複雑な同時転写技術(In-Mold Decoration)を使用しないので、前記携帯電子装置用カバーを製造するコストを減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の携帯電子装置用カバーを示す断面図である。
【図2】本発明の携帯電子装置用カバーの基板を示す断面図である。
【図3】本発明の携帯電子装置用カバーの基板及び下塗布層を示す断面図である。
【図4】本発明の携帯電子装置用カバーの基板、下塗布層及びインク層を示す断面図である。
【符号の説明】
【0022】
10 基板
12 表面
20 下塗布層
30 インク層
40 上塗布層
100 携帯電子装置用カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を含む基板と、前記基板の表面に形成されるインク層と、前記基板の表面と前記インク層との上に形成される上塗布層と、を含むことを特徴とする携帯電子装置用カバー。
【請求項2】
前記インク層は、立体印刷技術によって形成され、且つ厚さが0.15mmより大きいことを特徴とする請求項1に記載の携帯電子装置用カバー。
【請求項3】
前記基板の表面と前記インク層との間に形成される下塗布層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯電子装置用カバー。
【請求項4】
前記上塗布層は、前記インク層が脱落することを防ぐ透明層であることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子装置用カバー。
【請求項5】
基板を準備するステップと、
立体印刷を実施して前記基板の表面にインク層を形成するステップと、
塗布工程を実施して前記基板の表面と前記インク層との上に上塗布層を形成するステップと、を含むことを特徴とする携帯電子装置用カバーの製造方法。
【請求項6】
前記インク層の厚さを0.15mmより大きいように形成することを特徴とする請求項5に記載の携帯電子装置用カバーの製造方法。
【請求項7】
スクリーン印刷装置又は印刷マスクを使用して前記立体印刷を実施することを特徴とする請求項6に記載の携帯電子装置用カバーの製造方法。
【請求項8】
前記インク層は、前記基板の表面に形成され、且つ所定のイメージを有するインク層であることを特徴とする請求項5に記載の携帯電子装置用カバーの製造方法。
【請求項9】
前記基板の表面に前記インク層を形成する前に、前記基板の表面と前記インク層との間に下塗布層をさらに形成することを特徴とする請求項5に記載の携帯電子装置用カバーの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−254428(P2008−254428A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51161(P2008−51161)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(506422788)スーテック・トレーディング・リミテッド (6)
【出願人】(505177003)深▲セン▼富泰宏精密工業有限公司 (138)
【Fターム(参考)】