携帯電話機、セキュリティプログラムおよびセキュリティ方法
【構成】携帯電話機10は、任意のパスワードを入力するためのキー入力装置26を備える。また、記憶部34には、6文字のパスワードおよび4文字のダミーパスワードが記憶される。さらに、パスワードの入力画面において、初期状態ではダミーパスワードの文字数と同じ4つの入力枠(64a−64d)が表示される。ここで、4文字分のパスワードが入力され、正規のパスワードの4桁目まで一致していれば、残りの2文字分の入力枠(64e,64f)が表示される。そして、新たに入力されたパスワードも一致すれば、通常画面が表示される。
【効果】パスワードの入力画面には、正しいパスワードとは異なる桁数の入力枠(64)が表示されるため、第三者によるパスワードの推測が防止される。
【効果】パスワードの入力画面には、正しいパスワードとは異なる桁数の入力枠(64)が表示されるため、第三者によるパスワードの推測が防止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話機、セキュリティプログラムおよびセキュリティ方法に関し、特にパスワードを利用可能な携帯電話機、セキュリティプログラムおよびセキュリティ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特にたとえばパスワードを利用可能な携帯電話機、セキュリティプログラムおよびセキュリティ方法は広く知られており、この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術の電子機器は、認証用番号およびその認証用番号とは異なるダミー番号が設定できる。入力番号が暗証番号と一致する場合には、使用権限者であると認証されるので、所定のデータが表示される。また、入力番号がダミー番号と一致する場合には、不正な使用を試行していると判定され、フォルダ内にはデータが格納されていない旨のワーニングメッセージや、ダミーデータが表示される。
【特許文献1】特開2007−148958号公報[G06F 21/20, H04L 9/32]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1の電子機器において、認証用番号およびダミー番号が同じ桁数である場合、全ての番号の組み合わせを探索されると、設定によってはダミー番号より認証用番号の方が先に解読されることがあり得る。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、携帯電話機、セキュリティプログラムおよびセキュリティ方法を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、第三者による、パスワードの推測を防止する事ができる、携帯電話機、セキュリティプログラムおよびセキュリティ方法を提供することである。
【0006】
この発明のその他の目的は、第三者をダミーパスワードに誘導できる、携帯電話機、セキュリティプログラムおよびセキュリティ方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0008】
第1の発明は、パスワードが入力される入力部を有し、第1字数の第1パスワードを利用可能な携帯電話機であって、第1字数より少ない第2字数分の入力枠を含む、パスワードの入力画面を表示する表示部、入力画面が表示され、入力部に入力された第2字数のパスワードが第1パスワードの第2字数桁目まで一致するとき、第1字数と第2字数との差に基づく残りのパスワードを入力可能にする表示制御部、入力部に入力されたパスワードが第1パスワードと一致するかを判断する第1判断部、および第1判断部によって、第1パスワードと入力部に入力されたパスワードとが一致すると判断されたとき、通常画面を表示させる通常画面表示部を備える、携帯電話機である。
【0009】
第1の発明では、携帯電話機(10)は、入力部であるキー入力装置(26)を有し、たとえば6文字(第1数字)の第1パスワードを利用できる。表示部(24,S23)は、第1字数よりも少ない、たとえば4文字分の入力枠(64)を含むパスワードの入力画面を表示する。たとえば第1字数が6文字であり、第2字数が4文字である場合、表示制御部(24,S33)は、入力部に4文字分のパスワードが入力され、かつその4文字分の入力パスワードが第1パスワードの4桁目まで一致する場合に、残りの2文字分の入力枠(64e,64f)をさらに表示することで、残りのパスワードを入力可能にする。第1判断部(24,S35)は、たとえば残りの入力枠に応じてパスワードが入力されると、入力パスワードが第1パスワードと一致するか判断する。そして、通常画面表示部(24,S3)は、入力パスワードが第1パスワードと一致すれば、通常画面を表示する。また、この通常画面とは、たとえば携帯電話機の電源がオンにされたときに最初に表示される画面のことである。
【0010】
第1の発明によれば、パスワードの入力画面には、正しいパスワードとは異なる桁数の入力枠が表示されるため、第三者による、パスワードの推測を防止する事ができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明に従属し、第2字数の第2パスワードを記憶する記憶部、入力画面が表示されているとき、入力部に入力されたパスワードが第2パスワードと一致するかを判断する第2判断部、および第2判断部によって、入力部に入力されたパスワードと第2パスワードとが一致すると判断されたとき、携帯電話機を疑似的に動作させる疑似動作部をさらに備える。
【0012】
第2の発明では、RAMなどの記憶部(34)には、4文字の第2パスワード(ダミーパスワード)が記憶される。第2判断部(24,S43)は、表示部によって表示された入力枠に、4文字のパスワードが入力されると、第2パスワードと一致するか否かを判断する。疑似動作部(24,S51)は、入力された4文字のパスワードが第2パスワードと一致する場合に、携帯電話機を疑似的に動作させる。
【0013】
第2の発明によれば、入力画面において、第2パスワードの桁数に応じた入力枠だけを表示することで、悪意を持つ第三者を、正規のパスワードの桁数とは異なる第2パスワードの入力に誘導する事ができる。
【0014】
また、携帯電話機が疑似的に動作することで、第三者に正常に動作しているかのように感じさせることができる。
【0015】
第3の発明は、第2の発明に従属し、疑似動作部は、発信操作がされたとき、発信不能であることを通知する発信不能通知部を含む。
【0016】
第3の発明では、発信不能通知部(24,S67,S123)は、たとえば音声発信およびメール発信の操作が行われたとき、発信不能であることを通知する。
【0017】
第3の発明によれば、第三者に携帯電話機が正常に動作していると思い込ませたまま、発信操作を禁止する事ができる。
【0018】
第4の発明は、第2の発明または第3の発明に従属し、疑似動作部は、ネットワークとの通信操作がされたとき、ネットワークとの通信が不可能であることを通知する通信不能通知部をさらに含む。
【0019】
第4の発明では、通信不能通知部(24,S87)は、第三者によってネットワークとの通信操作がされたとき、ネットワークとの通信が不可能であることを通知する。
【0020】
第4の発明によれば、正常な状態で発生するネットワークのトラブルに見せ掛けて、通信操作を禁止することができる。
【0021】
第5の発明は、第2の発明ないし第4の発明のいずれかに従属し、記憶部は、個人データをさらに記憶し、疑似動作部は、個人データの表示操作が行われたとき、疑似データを表示する疑似データ表示部をさらに含む。
【0022】
第5の発明では、記憶部には、アドレスデータ、受信メール、着信/発信履歴などの個人データが記憶される。疑似データ表示部(24,S79,S91)は、たとえばアドレスデータの表示操作が行われると、疑似データとしてダミーアドレスデータを表示する。
【0023】
第5の発明によれば、正しい表示がされているかのように見せ掛けた疑似データを表示することで、個人データの表示を禁止することができる。
【0024】
第6の発明は、第2の発明ないし第5の発明のいずれかに従属し、疑似動作部は、記憶部に新たなデータを記憶させる操作がされたとき、新たなデータが記憶できないことを通知する記憶不能通知部をさらに含む。
【0025】
第6の発明では、記憶不能通知部(24,S147)は、たとえばカメラ機能などによって撮影操作が行われると、画像ファイルが記憶できないことを通知する。
【0026】
第6の発明によれば、記憶部に対する記憶操作が行われたとしても、正常な状態でも起き得る記憶部側の都合に見せ掛けて、記憶操作を禁止することができる。
【0027】
第7の発明は、第2の発明ないし第6の発明のいずれかに従属し、着信が有るとき、携帯電話機が疑似的に動作している場合、その着信を外部に通知させない処理を実行する実行部をさらに備える。
【0028】
第7の発明では、実行部(24,S165,S195)は、着信が有るとき、携帯電話機が疑似的に動作していれば、その着信を外部に通知させないようにする処理を実行する。つまり、着信が第三者に気づかれないようにする。
【0029】
第7の発明によれば、不意の着信によって第三者に個人情報が知られることを、防ぐことができる。
【0030】
第8の発明は、第7の発明に従属し、着信には、音声着信が含まれ、実行部は、音声着信が有るとき、留守応答処理を実行する留守応答実行部を含む。
【0031】
第8の発明では、携帯電話機が疑似的に動作しているときに音声着信が有れば、留守応答実行部(24,S165)は留守応答処理を実行する。
【0032】
第8の発明によれば、第三者に対して通話相手を通知せず、通話相手には使用者が近くに居ないことを通知できる。
【0033】
第9の発明は、第7の発明または第8の発明に従属し、着信には、メール着信が含まれ、実行部は、メール着信が有るとき、新着メールの受信を保留する処理を実行する保留実行部をさらに含む。
【0034】
第9の発明では、携帯電話機が疑似的に動作しているときにメール着信が有れば、保留実行部(24,S195)は、新着メールの受信を保留する処理を実行する。
【0035】
第9の発明によれば、第三者が携帯電話機を使用している状態では、新着メールが受信されないようにすることができる。
【0036】
第10の発明は、第2の発明ないし第9の発明のいずれかに従属し、携帯電話機が疑似的に動作しないようにセキュリティ状態を変更する変更部をさらに備える。
【0037】
第10の発明では、変更部(24,S215,S223)は、携帯電話機が疑似的に動作しないように、セキュリティ機能を無効に変更したり、レベルの低いセキュリティモードに変更したりする。
【0038】
第10の発明によれば、パスワードを利用するセキュリティ機能を任意に設定する事ができる。
【0039】
第11の発明は、パスワードが入力される入力部(26)を有し、第1字数(6)の第1パスワード(346)を利用可能な携帯電話機(10)のプロセッサ(24)を、第1字数より少ない第2字数分の入力枠(64a−64d)を含む、パスワードの入力画面を表示する表示部(S23)、入力画面が表示され、入力部に入力された第2字数のパスワードが第1パスワードの第2字数桁目まで一致するとき、第1字数と第2字数との差に基づく残りのパスワードを入力可能にする表示制御部(S33)、入力部に入力されたパスワードが第1パスワードと一致するかを判断する判断部(S35)、および判断部によって、第1パスワードと入力部に入力されたパスワードとが一致すると判断されたとき、通常画面を表示させる通常画面表示部(S3)として機能させる、セキュリティプログラムである。
【0040】
第11の発明でも、第1の発明と同様に、パスワードの入力画面には、正しいパスワードとは異なる桁数の入力枠が表示されるため、第三者による、パスワードの推測を防止する事ができる。
【0041】
第12の発明は、パスワードが入力される入力部(26)を有し、第1字数(6)の第1パスワード(346)を利用可能な携帯電話機(10)のセキュリティ方法であって、第1字数より少ない第2字数分の入力枠(64a−64d)を含む、パスワードの入力画面を表示し(S23)、入力画面が表示され、入力部に入力された第2字数のパスワードが第1パスワードの第2字数桁目まで一致するとき、第1字数と第2字数との差に基づく残りの入力枠(64e,64f)を入力可能にし(S33)、入力部に入力されたパスワードが第1パスワードと一致するかを判断し(S35)、そして第1パスワードと入力部に入力されたパスワードとが一致すると判断されたとき、通常画面を表示させる(S3)、セキュリティ方法である。
【0042】
第12の発明でも、第1の発明と同様に、パスワードの入力画面には、正しいパスワードとは異なる桁数の入力枠が表示されるため、第三者による、パスワードの推測を防止する事ができる。
【発明の効果】
【0043】
この発明によれば、パスワードの入力画面には、正しいパスワードとは異なる桁数の入力枠が表示されるため、第三者による、パスワードの推測が防止される。
【0044】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1はこの発明の一実施例の携帯電話機の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】図2は図1に示す携帯電話機のパスワードの認証手順を示す図解図である。
【図3】図3は図1に示すディスプレイに表示されるGUIの一例を示す図解図である。
【図4】図4は図1に示すRAMに記憶されるアドレス帳データの一例を示す図解図である。
【図5】図5は図1に示すディスプレイに表示される他のGUIの一例を示す図解図である。
【図6】図6は図1に示す携帯電話機のセキュリティモードを設定するためのGUIの一例を示す図解図である。
【図7】図7は図1に示す携帯電話機のパスワードの入力画面の一例を示す図解図である。
【図8】図8は図1に示すディスプレイに表示されるGUIの他の一例を示す図解図である。
【図9】図9は図1に示すRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【図10】図10は図9に示すメモリマップにおけるデータ記憶領域の一例を示す図解図である。
【図11】図11は図1に示すプロセッサの初期画面表示処理の一部を示すフロー図である。
【図12】図12は図1に示すプロセッサの初期画面表示処理の他の一部であって、図11に後続するフロー図である。
【図13】図13は図1に示すプロセッサの疑似モード処理の一部を示すフロー図である。
【図14】図14は図1に示すプロセッサの疑似モード処理の他の一部であって、図13に後続するフロー図である。
【図15】図15は図1に示すプロセッサの疑似メール機能処理を示すフロー図である。
【図16】図16は図1に示すプロセッサの疑似カメラ機能処理を示すフロー図である。
【図17】図17は図1に示すプロセッサの音声着信処理を示すフロー図である。
【図18】図18は図1に示すプロセッサのメール着信処理を示すフロー図である。
【図19】図19は図1に示すプロセッサのセキュリティ設定処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1を参照して、この実施例の携帯電話機10は携帯通信端末の一種であり、CPUまたはコンピュータと呼ばれるプロセッサ24を含む。このプロセッサ24には、無線通信回路14、A/D16、第1D/A20a、第2D/A20b、キー入力装置26、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34、カメラ制御回路36およびI/F42が接続される。また、無線通信回路14にはアンテナ12が接続され、A/D16にはマイク18が接続され、第1D/A20aおよび第2D/A20bにはアンプ(図示せず)を介して、第1スピーカ22aおよび第2スピーカ22bが接続される。さらに、表示ドライバ28にはディスプレイ30が接続され、カメラ制御回路36にはイメージセンサ38およびフォーカスレンズ40の光学位置を制御するモータ(図示せず)が接続される。そして、I/F42にはメモリカード44が接続される。
【0047】
プロセッサ24は、携帯電話機10の全体制御を司る。記憶部であるRAM34は、プロセッサ24の作業領域(描画領域を含む)ないしバッファ領域として用いられる。フラッシュメモリ32には、携帯電話機10の文字、画像、音声、音および映像のようなコンテンツのデータなどが記録される。
【0048】
A/D16は、当該A/D16に接続されたマイク18を通して入力される音声ないし音についてのアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換する。第1D/A20aおよび第2D/A20bは、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換(復号)して、アンプを介して第1スピーカ22aおよび第2スピーカ22bに与える。したがって、アナログ音声信号に対応する音声ないし音が第1スピーカ22aおよび第2スピーカ22bの少なくとも一方から出力される。
【0049】
キー入力装置26は、入力部とも呼ばれ、「0」〜「9」キー、「*」キーおよび「#」キーを含むダイヤルキーや、その他のキーを備えており、利用者が操作したキーの情報(キーデータ)がプロセッサ24に入力される。表示ドライバ28は、プロセッサ24の指示の下、当該表示ドライバ28に接続されたディスプレイ30の表示を制御する。なお、キー入力装置26に含まれる各キーが操作されると、フィードバック処理が実行され、第2スピーカ22bからフィードバック音が出力される。したがって、使用者は、フィードバック音を聞くことで、キー操作に対する操作感を得られる。
【0050】
無線通信回路14は、たとえばCDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、使用者がキー入力装置26を用いて音声発信を指示すると、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、音声発信処理を実行し、アンテナ12を介して音声発信信号を出力する。音声発信信号は、基地局および通信網(図示せず)を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、接続状態(通信可能状態)が確立され、プロセッサ24は通話処理を実行する。
【0051】
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号(高周波信号)が、アンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。これらの処理によって得られた受話音声信号は、第1D/A20aによってアナログ音声信号に変換された後、第1スピーカ22aから出力される。一方、マイク18を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D16によってデジタル音声信号に変換された後、プロセッサ24に与えられる。デジタル音声信号に変換された送話信号には、プロセッサ24の指示の下、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ12を介して出力される。したがって、変調音声信号は、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
【0052】
また、相手の電話機からの発信信号がアンテナ12によって受信されると、無線通信回路14は、音声着信(着呼ともいう)をプロセッサ24に通知する。これに応じて、プロセッサ24は、表示ドライバ28を制御して、着信通知に記述された発信元情報(電話番号)をディスプレイ30に表示する。また、これとほぼ同時に、プロセッサ24は、第2D/A20bを介して第2スピーカ22bから着信音(または、着信メロディ、着信音声)を出力させ、さらに図示しないモータを駆動(回転)させることで携帯電話機10を振動させる。使用者が、キー入力装置26を用いて応答操作を行うと、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、音声着信処理を実行し、接続状態(通信可能状態)が確立され、プロセッサ24は上述した通常の通話処理を実行する。
【0053】
なお、プロセッサ24は、着信音を出力させるとともに、図示しないLEDを発光させることもある。また、ディスプレイ30は表示装置と呼ばれることもある。さらに、発信信号および発信元情報を受信するアンテナ12は受信部として機能する。
【0054】
カメラ制御回路36は、携帯電話機10で静止画像または動画像を撮影するための回路である。たとえば、キー入力装置26に対してカメラ機能を実行する操作が行われると、プロセッサ24は、カメラ制御回路36およびイメージセンサ38を撮影部として機能させ、カメラ機能を実行する。
【0055】
たとえば、被写界の光学像はイメージセンサ38に照射され、イメージセンサ38の撮像エリアには、たとえばSXGA(1280×1024画素)に対応する受光素子が配置されており、撮像エリアでは、光電変換によって、被写界の光学像に対応する電荷つまりSXGAの生画像信号が生成される。なお、使用者は、画像データのサイズを、SXGAの他に、XGA(1024×768画素)およびFull-WVGA(854×480画素)などに変更することができる。
【0056】
そして、カメラ機能が実行されると、被写界のリアルタイム動画像つまりスルー画像をディスプレイ30に表示するべく、プロセッサ24は、カメラ制御回路36に内蔵されるイメージセンサドライバを起動させ、露光動作および指定された読み出し領域に対応する電荷読み出し動作をイメージセンサドライバに命令する。
【0057】
イメージセンサドライバは、イメージセンサ38の撮像面の露光と、当該露光によって生成された電荷の読み出しとを実行する。この結果、生画像信号が、イメージセンサ38から出力される。また、出力された生画像信号は、カメラ制御回路36に入力され、カメラ制御回路36は、入力された生画像信号に対して、色分離、白バランス調整、YUV変換などの処理を施し、YUV形式の画像データを生成する。そして、YUV形式の画像データはプロセッサ24に入力される。このとき、カメラ制御回路36は、フォーカスレンズ40を制御することで、被写界にピントを合わせる。
【0058】
また、プロセッサ24に入力されたYUV形式の画像データは、プロセッサ24によってRAM34に一旦格納される。さらに、格納されたYUV形式の画像データは、プロセッサ24を介して、RAM34から表示ドライバ28に与えられる。また同時に、プロセッサ24は、間引き読み出し命令を表示ドライバ28に発行する。そして、表示ドライバ28は、プロセッサ24から発行された間引き読み出し命令に従って、YUV形式の画像データを30fpsでディスプレイ30に出力する。これによって、被写界を表す低解像度(たとえば、320×240画素)のスルー画像がディスプレイ30に表示される。
【0059】
なお、YUV形式の画像データにおいて、Yは輝度を意味し、Uは青色から輝度を引いた色差を意味し、Vは赤色から輝度を引いた色差を意味する。つまり、YUV形式の画像データは、輝度信号(Y)データと青色の色差信号(U)データと赤色の色差信号(V)データとから構成される。
【0060】
ここで、キー入力装置26によって撮影操作が行われると、プロセッサ24は、本撮影処理を実行する。つまり、プロセッサ24は、イメージセンサ38から出力されるSXGAの生画像信号に所定の信号処理を施して、RAM34に一旦格納し、メモリカード44に対する記録処理をI/F42に命令する。I/F42は、プロセッサ24を通してRAM34から画像データを読み出し、読み出された画像データを含む画像ファイルとしてメモリカード44に記録する。さらに、プロセッサ24は、第2スピーカ22bから、本撮影処理が実行されていること通知する音を出力させる。なお、本撮影処理が実行された場合、画像ファイルは、メモリカード44の代わりに、NAND型のフラッシュメモリ32に記憶されてもよい。
【0061】
I/F42は、メモリカード44保存されている画像ファイルなどを読み出すためのインターフェースである。また、I/F42は、上述したように、本撮影処理が実行されたとき、画像ファイルをメモリカード44に書き込むためのインターフェースでもある。
【0062】
また、携帯電話機10は、図示しないネットワークを利用して、電子メール機能およびネットワーク通信機能を実行できる。さらに、携帯電話機10は、使用が制限される状態(ロック状態)にされ、パスワードを利用してその状態を解除できるセキュリティ機能を備える。
【0063】
図2(A)−図2(F)は携帯電話機10のパスワードの認証手順を示す図解図である。図2(A)を参照して、ディスプレイ30は、状態表示領域60および機能表示領域62から構成される。状態表示領域60には、二次電池の残電池容量を示すアイコン(ピクトと言うこともある。)、現在日時およびセキュリティ機能が有効であることを示すロックアイコン66が表示される。また、機能表示領域62には、携帯電話機10で実行される機能に応じて様々な画像が表示され、本実施例では、図2(A)に示すパスワード入力画面が表示される。このパスワード入力画面には、4つの入力枠64a−64dが表示される。なお、入力枠64a−64dを特に限定しない場合は、「入力枠64」と言うことにする。
【0064】
図2(B)を参照して、このパスワード入力画面は、キー入力装置26を構成する任意のキーが操作されると、パスワード入力画面が表示される。つまり、キー入力装置26における「0」〜「9」キーに対してキー操作がされる毎に、入力枠64a−64dに「*」が表示される。たとえば、「9」キーが1回操作されると入力枠64aに「*」が表示され、「9」キーがさらに1回操作されると入力枠64bに「*」が表示される。
【0065】
入力枠64dまで「*」が表示された状態で、パスワードの入力を確定するキーが操作されると、入力されたパスワード(入力パスワード)が、正しいものであるか否かが判断される。このとき、入力パスワードが間違っていれば、図2(C)に示すように、入力パスワードが間違っていることがディスプレイ30に表示される。
【0066】
ここで、本実施例のセキュリティ機能は、6文字(第1字数)のパスワード(第1パスワード)および正規のパスワードよりも少ない4文字(第2字数)のダミーパスワード(第2パスワード)を利用できる。そして、図2(A)−図2(C)に示すように、初期状態の入力画面では4文字分の入力枠64が表示される。
【0067】
図2(B)に示すように、4文字分のパスワードが入力されたとき、その入力パスワードがパスワードの前半4文字と一致していれば、図2(D)に示すように、残りの2文字分の入力枠64eおよび入力枠64fが表示される。また、図2(E)に示すように、残りのパスワードが入力され、入力パスワードがパスワードと一致していれば、図2(F)に示すように、状態表示領域60では、アンテナ12による電波受信状態のアイコン(アンテナアイコン)がさらに表示され、ロックアイコン66の表示が消去される。また、機能表示領域62では初期画面として通常画面が表示される。
【0068】
そして、図2(B)に示す状態で、4文字の入力パスワードがダミーパスワードと一致する場合には、セキュリティ機能が解除されたかのように動作する、ダミー動作モードが設定される。
【0069】
つまり、初期状態のパスワード入力画面において、ダミーパスワードの桁数に応じた入力枠64だけを表示することで、悪意を持つ第三者を、正規のパスワードの桁数とは異なるダミーパスワードの入力に誘導する事ができる。
【0070】
図3(A)−図3(F)および図5(A)、図5(B)は、セキュリティ機能が解除された状態(解除状態)とダミー動作モードが設定されている状態(ダミー状態)とを対比する図解図である。図3(A)は、図2(E)または図2(B)に示す入力画面から画面遷移した後に表示される、初期画面である。初期画面において解除状態では、通常画像、つまり使用者によって設定された画像が表示される。一方、ダミー状態では、デフォルト画像、つまり携帯電話機10が工場から出荷された状態で表示される画像が表示される。さらに、ダミー状態では、再ロックアイコン68が表示される。この再ロックアイコン68は再ロック機能が有効であることを示すアイコンである。また、この再ロック機能は、ダミー状態に設定されてから、キー操作が一定時間(たとえば、一分)経過すれば、携帯電話機10が再びロック状態にされる機能である。たとえば、図3(A)におけるダミー状態で、キー操作が一分間行われなければ、図2(A)に示す入力画面に遷移する。さらに、開閉タイプの端末であれば、開いた状態から閉じたとき、または閉じた状態から開いたときのいずれか一方が検出された後に所定時間が経過すると、携帯電話機10が再びロック状態にされてもよい。
【0071】
なお、ダミー状態では、この再ロック機能は必ず有効になる。これは、ダミー状態に設定された後に、正規の使用者が携帯電話機10を利用する際に、正しいパスワードを入力できるようにするためである。
【0072】
図3(B)は、音声発信操作が行われたときに表示される音声発信画面である。解除状態における音声発信画面では、相手の電話番号が表示されるとともに、「発信中」の文字列も表示される。これに対して、ダミー状態における音声発信画面では、相手の電話番号は表示されるが、通信網の都合によって音声発信信号を送信できないことを示す文字列が表示される。なお、この文字列は、「ただいま回線が混雑しています」などである。このように、音声発信が可能な状態であったとしても、ダミー状態では、音声発信が禁止される。
【0073】
図3(C)は、メール発信操作が行われたときに表示されるメール発信画面である。このメール発信状態において解除状態では、送信相手のメールアドレスが表示され、さらに「発信中」の文字列が表示される。一方、ダミー状態では、メールサーバにアクセスできないことを示す文字列が表示される。たとえば、表示される文字列としては、「通信が混雑しており、サーバにアクセスできません」である。つまり、メール発信が可能な状態であったとしても、ダミー状態の携帯電話機10ではメール発信が禁止される。
【0074】
このように、ダミー状態では、ただ単に音声発信またはメール発信が禁止されるのではなく、正常な状態でも発生する通信網の通信トラブルに見せ掛けて、音声発信が禁止される。つまり、第三者に携帯電話機10が正常に動作していると思い込ませたまま、発信操作を禁止する事ができる。
【0075】
図3(D)は、ネットワーク上のサーバとの通信操作が行われたときに表示される通信画面である。解除状態の通信画面では、検索サイトのトップページが表示される。また、ダミー状態の通信画面では、ネットワークとの通信が確立できない文字列、たとえば「アクセスが集中しており、接続できません」が表示される。
【0076】
このように、音声またはメール発信と同様に、正常な状態で発生するネットワークのトラブルに見せ掛けて、通信操作を禁止することができる。
【0077】
図3(E)は、カメラ機能による撮影操作が行われたときに表示される記憶処理画面である。2つの記憶処理画面における解除状態では、撮影操作がされると、メモリカード44に画像ファイルが記憶されている事を示す文字列(「保存中」)が表示される。一方、ダミー状態では、メモリカード44に空き容量が無いことを示す文字列(「メモリに空きがありません」)が表示される。つまり、ダミー動作モードでは、メモリカード44に空き容量が有ったとしても、ダミー動作モードでは、メモリカード44などの空き容量が無いと通知される。
【0078】
このように、フラッシュメモリ32またはメモリカード44に対する記憶操作が行われたとしても、正常な状態でも起き得るメモリ側の都合に見せ掛けて、撮影操作が禁止される。
【0079】
なお、ダミー状態の携帯電話機10においては、アドレスデータの登録や、新規メールの作成処理が行われたとしても、RAM34に記憶されることはない。また、他の実施例では、上記の作成処理などが行われても、RAM34のバッファに記憶されるだけで、画像ファイルと同様に、保存はされないようにしてもよい。また、メモリカード44が交換された場合には、交換後のメモリカード44が認識できないことを通知してもよい。
【0080】
図3(F)は、アドレス帳データの表示操作が行われたときに表示されるアドレス帳画面である。解除状態のアドレス帳画面では、メモリに記憶されるアドレス帳データが読み出されて、各アドレスデータがディスプレイ30に表示される。これに対して、ダミー状態のアドレス帳画面では、ダミーアドレス帳データに基づくダミーアドレスデータ(疑似データ)が表示される。
【0081】
ここで、図4(A)、図4(B)を参照して、ダミーアドレス帳データについて説明する。まず、図4(A)に示されるアドレス帳データは、RAM34に記憶されるデータであり、姓の列、名の列および電話番号の列などから構成されている。また、図4(A)に示すように、アドレス帳データには、最初の行から「AA BB」、「CC DD」および「EE FF」のアドレスデータが記憶され、最後の行には「YY XX」のアドレスデータが記憶される。たとえば、姓名が「AA BB」であり、対応する電話番号が「090aaaa1111」のアドレスデータでは、姓の列には「AA」が記録され、名の列には「BB」が記録され、電話番号の列には「090aaaa1111」が記録される。
【0082】
そして、ダミーアドレス帳データは、上述のアドレス帳データを組み替えて作成される。たとえば図4(B)を参照して、姓の列に対して、名の列を一段繰り下げて対応付ける。つまり、姓が「CC」であれば名が「BB」となり、姓が「EE」であれば名が「DD」となり、姓が「YY」であれば名が「XX」となる。そして、最初の行のアドレスデータの「姓」には最後の行のアドレスデータの「名」が対応付けられる。つまり、姓が「AA」であれば名が「XX」となる。なお、図4(B)では示していない他の項目についても、名の列と同様に一段繰り下げて対応付けられる。
【0083】
また、各アドレスデータにおける電話番号は、予め決められている電話番号リストから読み出され、置き換えられる。この電話番号リストに含まれる電話番号は、携帯電話機10の事業主、または携帯電話機10の開発メーカに関係する電話番号とする。
【0084】
なお、図4(B)では図示していないが、メールアドレスや住所などがアドレスデータに含まれる場合にも、予めリストを用意しておき、そのリストに含まれるデータと置き換えられる。
【0085】
また、ダミーアドレス帳データを作成せずに、ディスプレイに表示するために読み出す際に、上述したように姓と名とをずらして読み出したうえで、電話番号を置き換えてもよい。つまり、ダミーアドレス帳データを作成しないようにすることで、RAM34のデータ容量を節約する。また、姓の列と名の列との組み替えは、一段下げるのではなく、一段上げてもよいし、名の列をランダムに並べ替えてから、対応付けてもよい。また、姓名が同一の欄に登録され、姓名を組み替えられない場合には、姓名の文字列における前の二文字を抽出したうえで、後半の文字列と組み替えてもよい。また、予めダミーアドレス帳データをRAM34に記憶させておくようにしてもよい。
【0086】
このように、アドレス帳データを表示する操作が行われたときに、正しいデータを疑似したデータ(疑似データ)を表示することで、第三者にダミー動作モードの違和感を与えることなく、アドレス帳データの表示を禁止する事ができる。
【0087】
図5(A)は、音声発信履歴の情報を表示する操作が行われたときに表示される履歴画面である。解除状態の履歴画面では、音声発信の履歴が記録されるテーブルに基づいて、発信相手および発信時刻などが表示される。一方、ダミー状態の履歴画面では、音声発信履歴が全く存在しないことを示す文字列が表示される。たとえば、表示される文字列としては「履歴はありません」である。つまり、音声発信履歴が記録されていたとしても、音声発信履歴が記録されていないかのうように見せ掛ける文字列データ(疑似データ)が表示される。
【0088】
なお、図5(A)に示したように、疑似データとして文字列を表示するのではなく、発信相手の情報をダミーアドレス帳データに基づいて、置き換えてもよい。また、図5(A)では、音声発信履歴の情報について図示されているが、音声着信履歴の情報であってもよい。
【0089】
図5(B)は、受信済みのメール(受信メール)を表示する操作が行われたときに表示される受信メール画面である。解除状態の受信メール画面では、RAM34に記憶される受信メールが、受信時刻の順番で表示される。一方、ダミー状態の受信メール画面では、履歴画面と同様に、受信メールが全く存在しないことを示す文字列(たとえば「メールはありません」)が表示される。つまり、受信メールがRAM34に記憶されていたとしても、受信メールが記憶されていないかのように見せ掛ける文字列データ(疑似データ)が表示される。
【0090】
なお、他の実施例としては、疑似データとしてダミー受信メールデータを予め用意しておき、ダミー状態のメール受信画面では、そのダミー受信メールデータを表示させてもよい。また、送信済みのメール(送信メール)画面でも、図5(B)に示すように、疑似データが表示されてもよい。
【0091】
このように、アドレス帳データ、音声発信履歴および受信メールなどの個人データに対する表示操作がされたときには、正しい表示がされているかのように見せ掛けた疑似データを表示することで、個人データの表示を禁止することができる。なお、個人データには、フラッシュメモリ32またはメモリカード44に保存される画像ファイルや、使用者のプロフィールデータなども含まれる。
【0092】
ここで、ダミー状態の携帯電話機10における、着信およびモード変更について説明する。まず、ダミー状態の携帯電話機10に音声着信またはメール着信があると、第三者がそれらの着信に気づけないように処理される。たとえば、音声着信であれば、ディスプレイ30には発信元情報が表示されることなく、留守応答処理が実行される。つまり、第三者に対して通話相手を通知せず、通話相手には使用者が近くに居ないことを通知できる。また、メール着信であれば、携帯電話機10はメールサーバから新着メール通知を受け取っても、新着メールが受信されないように受信保留処理が実行される。つまり、第三者が携帯電話機10を使用している状態では、新着メールが受信されないようにすることができる。
【0093】
このように、第三者が携帯電話機10を操作しているため、携帯電話機10に対する着信は一切外部に通知されない。したがって、携帯電話機10は、不意の着信によって第三者に個人情報が知られることを防ぐことができる。
【0094】
なお、これらの実施例は、音声着信およびメール着信だけに限らず、SMS(Short Message Service)などの様々な着信に対して適用されてもよい。
【0095】
次に、携帯電話機10におけるセキュリティ機能には、ハイセキュリティモードとセキュリティモードとの2つのモードがあり、使用者によって任意に設定可能である。そして、これまでに記述したダミー状態に遷移可能なモードが、ハイセキュリティモードである。また、セキュリティモードは、ダミーパスワードを利用しないモードであり、ダミーパスワードが入力されたとしてもダミー状態に遷移する事はない。さらに、使用者は、セキュリティモードを選択する際に、このセキュリティ機能自体を無効(オフ)にすることも可能である。なお、セキュリティ機能が無効にされると、図2(A)などに示すパスワード入力画面そのものが表示されなくなる。つまり、携帯電話機10は、使用者および第三者に関係なく、利用可能な状態になる。
【0096】
図6を参照して、ディスプレイ30にはセキュリティ設定画面が表示される。このセキュリティ設定画面には、オフキー70、セキュリティキー72およびハイセキュリティキー74が表示され、さらに各キーを選択可能なカーソルCUも表示される。そして、オフキー70がカーソルCUによって選択され、その選択が確定されると(操作されると)、セキュリティ機能は無効にされる。また、セキュリティキー72が操作されると、セキュリティ機能が有効になり、かつダミーパスワードを利用しないセキュリティモードが設定される。さらに、ハイセキュリティキー74が操作されると、セキュリティ機能が有効になり、ダミーパスワードを利用するハイセキュリティモードが設定される。
【0097】
このように、使用者は、パスワードを利用するセキュリティ機能を任意に設定する事ができる。
【0098】
なお、セキュリティモードにおけるパスワードの入力画面では、図7に示すように初期状態で6つの入力枠64が表示されるとともに、アンテナアイコンが表示される。つまり、使用者は、入力画面において、セキュリティモードとハイセキュリティモードとの違いをアンテナアイコンおよび入力枠64に基づいて判断する事ができる。
【0099】
また、他の実施例では、ダミー状態では、アンテナ12による電波受信状態に係わらず、「圏外」の表示をするようにしてもよい。つまり、状態表示領域60において、アンテナアイコンの代わりに、「圏外」の文字列が表示される。そして、他の実施例のダミー状態では、発信操作や通信操作が行われると、圏外であることに基づいた表示がされる。
【0100】
たとえば、他の実施例におけるダミー状態で、音声発信操作がされると、図8(A)に示すように、発信相手の電話番号と「電波を受信できません」の文字列とが表示される。また、メール発信操作または通信操作が行われても、図8(B)および図8(C)に示すように、「電波を受信できません」の文字列が表示される。
【0101】
図9はRAM34のメモリマップ300を示す図解図である。RAM34のメモリマップ300には、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。また、プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ32から一度に全部または必要に応じて部分的にかつ順次的に読み出され、RAM34に記憶されてからプロセッサ24によって処理される。なお、アドレス帳データは、図示しないSIM(Subscriber Identity Module)カードから読み出され、RAM34に記憶される。
【0102】
プログラム記憶領域302は、携帯電話機10を動作させるためのプログラムが記憶されており、たとえば初期画面表示プログラム310、ダミー動作プログラム312、疑似メール機能プログラム314、疑似カメラ機能プログラム316、音声着信プログラム318、メール着信プログラム320およびセキュリティ設定プログラム322などから構成される。
【0103】
初期画面表示プログラム310は、たとえば待機状態の携帯電話機10に対してキー操作がされたときに実行されるプログラムである。ダミー動作プログラム312は、ダミー状態の携帯電話機10を制御するためのプログラムである。疑似メール機能プログラム314は、ダミー状態で実行されるメール機能を制御するためのプログラムである。疑似カメラ機能プログラム316は、ダミー状態で実行されるカメラ機能を制御するためのプログラムである。音声着信プログラム318は、発信信号を受信した際に、たとえば通話状態を確立するためのプログラムである。メール着信プログラム320は、新着メール通知を受信した際に、たとえば新着メールを受信するための処理を実行するプログラムである。セキュリティ設定プログラム322は、セキュリティ機能の有効/無効およびモードを設定するためのプログラムである。
【0104】
なお、図は省略するが、携帯電話機10を動作させるためのプログラムには、ディスプレイ30に表示されるGUIを制御するためのプログラムなどが含まれる。
【0105】
図10を参照して、データ記憶領域304には、入力パスワードバッファ330、ダミー動作バッファ332およびスルー画像バッファ344が設けられるとともに、エラー画像データ336、ダミーモード表示データ338、デフォルト画像データ340、アドレス帳データ342、通常画像データ344、パスワードデータ346およびダミーパスワードデータ348が記憶される。また、データ記憶領域304には、セキュリティフラグ350、ハイセキュリティフラグ352、ダミーフラグ354、エラーカウンタ356および無操作カウンタ358がさらに設けられる。
【0106】
入力パスワードバッファ330は、入力画面が表示されている状態で、キー入力装置26に対して行われたキーデータが一時的に記憶されるバッファである。たとえば、キー入力装置26に対して、「1」、「2」、「3」、「4」キーが順番に操作されると、入力パスワードバッファ330には、「1」、「2」、「3」、「4」の数字が順に格納される。ダミー動作バッファ332は、ダミー状態で操作された結果が一時的に記憶されるバッファであり、たとえばダミー状態でアドレスデータの登録操作がされると、そのアドレスデータが格納される。そして、ダミー状態でなくなると、ダミー動作バッファ332内のデータは、他のメモリ領域に保存されることなく消去される。スルー画像バッファ334は、カメラ機能が実行された際に、スルー画像が一時的に記憶されるバッファである。
【0107】
エラー画像データ336は、入力画面において、入力パスワードがパスワードまたはダミーパスワードに一致しない場合に表示される画像データである。ダミーモード表示データ338は、たとえばダミー状態で発信された場合に、発信不可能であることを通知するための画像および文字列データから構成されるデータである。また、他にもメール発信操作や、ネットワークとの通信操作などが行われた後に表示される画像および文字列データも含まれる。
【0108】
デフォルト画像データ340は、携帯電話機10が工場から出荷された状態で既に記憶されているデータである。また、デフォルト画像データ340は、ダミー状態では壁紙画像として読み出される。アドレス帳データ342は、図4(A)に示すような仕様で構成されるデータであり、複数のアドレスデータから構成される。通常画像データ344は、たとえば解除状態で壁紙画像として読み出される画像データである。
【0109】
パスワードデータ346は、セキュリティ機能によるロック状態を解除するときに、読み出されるデータである。たとえば、本実施例では、パスワードデータ346は6桁の数字から構成される。ダミーパスワードデータ348は、ダミー状態に遷移するか否かを判断するときに読み出されるデータである。そのため、入力パスワードバッファ330に格納される文字列がダミーパスワード348を構成する文字列と一致した場合には、携帯電話機10がダミー状態になる。
【0110】
セキュリティフラグ350は、セキュリティ機能が有効であるか否かを判断するためのフラグである。たとえば、セキュリティフラグ350は1ビットのレジスタで構成される。また、セキュリティフラグ350がオン(成立)にされると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、セキュリティフラグ350がオフ(不成立)にされると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。なお、他のフラグも、構成はセキュリティフラグ350と同じであるため、他のフラグでは詳細な説明は省略する。
【0111】
ハイセキュリティフラグ352は、ハイセキュリティモードであるか否かを判断するためのフラグである。また、ダミーフラグ354は、携帯電話機10にダミー状態であるか否かを判断するためのフラグである。
【0112】
エラーカウンタ356は、パスワードの入力を失敗した回数をカウントするためのカウンタである。無操作カウンタ358は、キー入力装置26に対してキー操作がされていない時間をカウントするためのカウンタである。
【0113】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、ディスプレイ30に表示されるGUIなどが記憶されると共に、携帯電話機10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
【0114】
プロセッサ24は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOS、またはその他のOSの制御下で、図11および図12に示す初期画面表示処理、図13および図14に示すダミー動作処理、図15に示す疑似メール機能処理、図16に示す疑似カメラ機能処理、図17に示す音声着信処理、図18に示すメール着信処理および図19に示すセキュリティ設定処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
【0115】
図11は、初期画面表示処理における一部のフロー図である。たとえば、使用者が待機状態の携帯電話機10に対してキー操作を行うと、プロセッサ24はステップS1でセキュリティ機能が有効であるか否かを判断する。つまり、セキュリティフラグ350がオンであるか否かを判断する。ステップS1で“NO”であれば、つまりセキュリティフラグ350がオフであり、セキュリティが無効であれば、ステップS3で通常画面を表示し、初期画面表示処理を終了する。つまり、ステップS3では通常画像データ344を読み出し、壁紙画像としてディスプレイ30に表示する。このように、セキュリティ機能が有効になっていなければ、パスワードの入力画面が表示されず、携帯電話機10の使用が制限されることも無い。なお、ステップS3の処理を実行するプロセッサ24は通常画面表示部として機能する。
【0116】
一方、ステップS1で“YES”であれば、つまりセキュリティフラグ350がオンであり、セキュリティ機能が有効であれば、ステップS5でハイセキュリティモードか否かを判断する。つまり、ハイセキュリティフラグ352がオンであるか否かを判断する。ステップS5で“YES”であれば、つまりハイセキュリティモードが設定され、ハイセキュリティフラグ352がオンであれば、図12に示すステップS23に進む。また、ステップS5で“NO”であれば、つまりハイセキュリティモードが設定されておらず、ハイセキュリティフラグ352がオフであれば、ステップS7で第1入力画面を表示する。たとえば、図7に示すように、パスワードデータ346を構成する数字列の桁数に応じた入力枠64a−64fを含む、入力画面がディスプレイ30に表示される。
【0117】
続いて、ステップS9では、パスワードが入力されたか否かを判断する。つまり、キー入力装置26に対してキー操作がされ、入力パスワードバッファ330に数字列が格納されたか否かを判断する。ステップS9で“NO”であれば、つまりパスワードが入力されず、入力パスワードバッファ330に何も格納されなければ、ステップS9の処理を繰り返し実行する。つまり、パスワードが入力されるまでステップS9の処理は繰り返される。ただし、「戻る」キーや終話キーなどが操作されると、初期画面に戻ったり、一つ前の画面に戻ったりすることができる。一方、ステップS9で“YES”であれば、つまりパスワードが入力されて、入力パスワードバッファ330に数字列が格納されれば、ステップS11でフィードバック処理が実行される。たとえば、使用者によるキー操作に応じて、第2スピーカ22bからフィードバック音が出力される。
【0118】
続いて、ステップS13では確定操作がされたか否かを判断する。つまり、ステップS13では、使用者によるパスワードの入力が終了したことを判断するために、確定操作がされたか否かを判断する。また、たとえばステップS13では、キー入力装置26に含まれる確定キーの操作結果に基づいて、確定操作の有無を判断する。ステップS13で“NO”であれば、つまり確定操作がされていなければステップS9に戻り、引き続きパスワードの入力を受け付ける。一方、ステップS13で“YES”であれば、つまり確定操作がされれば、ステップS15で入力パスワードがパスワードと一致するか否かを判断する。つまり、入力パスワードバッファ330に格納される数字列とパスワードデータ346を構成する数字列とにおいて、各数字および順番が一致するか否かを判断する。
【0119】
ステップS15で“YES”であれば、つまり入力されたパスワードがパスワードに一致すればステップS3に進み、通常画面をディスプレイ30に表示する。つまり、入力パスワードがパスワードと一致すれば、パスワードを入力した者は正規の使用者であると判断できるため、ロック状態が解除される。一方、ステップS15で“NO”であれば、つまり入力パスワードがパスワードと一致していなければ、ステップS17でエラー処理を実行する。たとえば、ステップS17のエラー処理では、図2(C)に示すようにディスプレイ30に入力パスワードが間違っていることを示す文字列が表示される。また、他にも第2スピーカ22bからビープ音を出力させたり、携帯電話機10に内蔵されるバイブレータを振動させたりしてもよい。
【0120】
続いて、ステップS19では、エラーカウンタ356をインクリメントする。つまり、ステップS19では、パスワードの入力を失敗(入力エラー)の回数がカウントされる。続いて、ステップS21では、所定回数以上の入力エラーがされたか否かを判断する。たとえば、所定回数が3回であれば、ステップS21では入力エラーが3回以上続いたか否かを、エラーカウンタ356の値に基づいて判断する。ステップS21で“NO”であれば、たとえば入力エラーが3回未満であればステップS9に戻り、携帯電話機10は、パスワードが再入力可能な状態になる。また、ステップS9に戻る際には、入力パスワードバッファ330に格納されている数字列は消去される。
【0121】
一方、ステップS21で“YES”であれば、たとえば入力エラーが3回目であれば、初期画面表示処理を終了する。つまり、所定回数以上の入力エラーが連続した場合には、正規の使用者が操作していないと判断し、初期画面表示処理を終了する。また、ステップS21で“YES”と判断された場合には、入力パスワードバッファ330とエラーカウンタ356が初期化される。つまり、次回のパスワード入力時に影響しないようにする。
【0122】
なお、ステップS21で“YES”と判断されて初期画面表示処理が終了された後には、携帯電話機10が、電源をオフにされたり、強制的に待機状態にされたりしてもよい。また、所定回数は、使用者によって任意に設定されてもよい。
【0123】
このように、本実施例のセキュリティモードは、1つのパスワードを利用するだけの一般的なセキュリティ機能と何ら変わりがない。
【0124】
ここで、ハイセキュリティモードが設定されている場合、つまりステップS5で“YES”である場合について説明する。図12を参照して、ステップS23では、第2入力画面を表示する。つまり、ダミーパスワードの桁数と同じ数の入力枠64を含む、入力画面が表示される。たとえば、ダミーパスワードが「1234」の4文字であれば、図2(A)に示すように、入力枠64も4つ表示される。なお、ステップS23の処理を実行するプロセッサ24は表示部として機能する。
【0125】
続く、ステップS25−S29の処理は、ステップS9−S13の処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。ステップS25では、パスワードが入力されたか否かを判断する。ステップS25で“NO”であれば、つまりパスワードが入力されていなければステップS25の処理を繰り返す。一方、ステップS25で“YES”であれば、つまりパスワードが入力されれば、ステップS27でフィードバック処理を実行し、続けてステップS29で確定操作がされたか否かを判断する。ステップS29で“NO”であれば、つまり確定操作がされなければ、ステップS25に戻る。一方、ステップS29で“YES”であれば、つまり確定操作がされればステップS31に進む。
【0126】
続いて、ステップS31では、入力パスワードがパスワードの前半と一致するか否かを判断する。ここで、パスワードの前半とは、表示されている入力枠64の数に対応する桁数までを指す。たとえば、入力枠64が4つ表示されており、パスワードが「886976」の6桁であれば、パスワードの前半は、「8869」の4桁目までとなる。そして、ステップS31では、入力パスワードバッファ330に格納された数字列が、このパスワードの前半と一致するか否かを判断する。
【0127】
ステップS31で“NO”であれば(たとえば入力パスワードバッファ330に格納される数字列が、上述した「8869」でなければ)、ステップS43に進む。一方、ステップS31で“YES”であれば(たとえば入力パスワードバッファ330に格納される数字列が「8869」であれば)、ステップS33で残りのパスワードに対応する入力枠64を新たに表示する。たとえば、4つの入力枠64が表示されているため、入力されていない残りのパスワードの桁は2桁となる。そのため、ステップS33の処理が実行されると、図2(D)に示すように、4つの入力枠64a−64dに加えて、新たに2つの入力枠64dおよび入力枠64fが表示される。なお、他の実施例では、残りの2文字分の入力枠64eおよび入力枠64fに代えて、複数の文字が入力可能な1つの大きな入力枠64が表示されてもよい。つまり、他の実施例では、残りのパスワードの桁数も明確にしないようにする。なお、ステップS33の処理を実行するプロセッサ24は、表示制御部として機能する。
【0128】
続いて、ステップS35では、ステップS15と同様に、入力パスワードがパスワードと一致するか否かを判断する。ステップS35で“NO”であれば、つまり残りのパスワードが入力されても、入力パスワードバッファ330に格納される数字列が、パスワードと一致しなければ、ステップS37−S41の処理を実行する。なお、ステップS37−S41の処理は、ステップS17−S21の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、ステップS35の処理を実行するプロセッサ24は、第1判断部として機能する。
【0129】
ステップS37ではエラー処理を実行し、ステップS39ではエラーカウンタ356をインクリメントする。またステップS41では所定回数以上の入力エラーか否かを判断する。ステップS41で“NO”であれば、つまり入力エラーの回数が所定回数未満であれば、ステップS35に戻る。一方、ステップS49で“YES”であれば、つまり入力エラーの回数が所定回数以上であれば、ステップS51でダミー動作処理を実行する。つまり、パスワードの前半が一致した状態で、入力エラーを所定回数以上繰り返すと、ダミー動作モードが設定される。
【0130】
なお、ダミー動作処理については、図13および図14に示すフロー図を用いて後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。また、ステップS51の処理を実行するプロセッサ24は、疑似動作部として機能する。
【0131】
また、ステップS35で“YES”であれば、つまりパスワードが一致すればステップS3に進み、通常画面を表示する。つまり、セキュリティモードと同様に、正しいパスワードが入力されれば、ロック状態が解除される。
【0132】
また、入力パスワードがパスワードの前半に一致しなければ、プロセッサ24は、ステップS43でダミーパスワードと一致するか否かを判断する。たとえば、ステップS43では、入力パスワードバッファ330に格納される数字列が、ダミーパスワードである「1234」と一致するか否かを判断する。ステップS43で“NO”であれば、つまり入力パスワードがパスワードおよびダミーパスワードの何れにも一致しなければ、ステップS45−S49の処理を実行する。なお、ステップS45−S49の処理は、ステップS17−S21の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、ステップS43の処理を実行するプロセッサ24は、第2判断部として機能する。
【0133】
ステップS45ではエラー処理を実行し、ステップS47ではエラーカウンタ356をインクリメントする。またステップS49では所定回数以上の入力エラーか否かを判断する。ステップS49で“NO”であれば、つまり入力エラーの回数が所定回数未満であれば、ステップS25に戻る。一方、ステップS49で“YES”であれば、つまり入力エラーの回数が所定回数以上であれば、初期画面表示処理を終了する。
【0134】
また、ステップS43で“YES”であれば、たとえば入力パスワードバッファ330に格納される数字列が、ダミーパスワードの数字列である「1234」と一致すれば、ステップS51で、ダミー動作処理を実行して、この処理が終了すれば初期画面表示処理を終了する。
【0135】
以下、図13および図14を参照して、ダミー動作処理のフロー図について説明する。プロセッサ24は、入力パスワードがダミーパスワードと一致すれば、ステップS61でダミーフラグ354をオンにする。つまり、ダミー動作処理が実行されることは、ダミー動作モードが設定されることと同義であるため、ダミーフラグ354をオンにする。なお、このダミーフラグ354のオン/オフ状態は、後述する音声着信処理およびメール着信処理で利用される。続いて、ステップS63では、デフォルト画面を表示する。たとえば、ステップS63では、デフォルト画像データ340を読み出し、図3(A)のダミー状態のように壁紙画像を表示する。なお、このとき再ロックアイコン68も表示する。
【0136】
続いて、ステップS65では、発信操作がされたか否かを判断する。たとえば、「0」〜「9」キーが操作されて電話番号が入力された後に、通話キーが操作されたか否かを判断する。ステップS65で“NO”であれば、つまり上記したような発信操作がされていなければ、ステップS71に進む。一方、ステップS65で“YES”であれば、つまり発信操作がされれば、ステップS67で発信不能画面を表示する。たとえば、ステップS67では、ダミーモード表示データ338を読み出し、図3(B)に示すダミー状態の画面をディスプレイ30に表示する。つまり、ステップS67の処理が実行されると、携帯電話機10は、第三者に対して、音声発信ができないことを通知する。なお、ステップS67の処理を実行するプロセッサ24は、発信不能通知部として機能する。
【0137】
続いて、ステップS69では、無操作カウンタ358がリセットされ、ステップS63に戻る。つまり、発信操作がされたため、無操作カウンタ358がリセットされる。なお、この無操作カウンタ358を利用する処理(ステップS95)については、後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0138】
また、発信操作がされていなければ、ステップS71でメール機能実行操作か否かを判断する。たとえば、キー入力装置26に含まれる、メール機能実行キーが操作されたか否かを判断する。ステップS71で“NO”であれば、たとえば上記のメール機能実行操作がされていなければ、ステップS75に進む。一方、ステップS71で“YES”であれば、つまりメール機能実行操作がされれば、ステップS73で疑似メール機能処理を実行し、ステップS69に進む。なお、ステップS73の疑似メール機能処理については、図15に示すフロー図を用いて後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0139】
また、メール機能実行操作がされていなければ、ステップS75でアドレス帳操作か否かを判断する。たとえば、キー入力装置26に含まれる、アドレス表示キーが操作されたか否かを判断する。ステップS75で“NO”であれば、つまりアドレス帳操作がされていなければ、ステップS81に進む。
【0140】
一方、ステップS75で“YES”であれば、つまりアドレス帳操作がされれば、ステップS77でダミーアドレスを作成する。たとえば、アドレス帳データ342を読み出し、図4(B)に示すような、ダミーアドレス帳データを作成する。なお、作成されたダミーアドレスは、ダミー動作バッファ332に格納される。続いて、ステップS79では、ダミーアドレスの表示処理を実行し、ステップS69に進む。つまり、ダミー動作バッファ332に格納されるダミーアドレス帳データを読み出し、図3(F)のダミー状態のように、ダミーアドレスをディスプレイ30に表示する。なお、ステップS79の処理を実行するプロセッサ24は、疑似データ表示部として機能する。
【0141】
また、アドレス帳操作がされていなければ、ステップS81でカメラ操作か否かを判断する。たとえば、ステップS81では、キー入力装置26に対して、カメラ機能を実行させるキー操作が行われたか否かを判断する。ステップS81で“NO”であれば、つまり上記のキー操作がされていなければ、図14に示すステップS85に進む。一方、ステップS81で“YES”であれば、つまりカメラ操作がされていれば、ステップS83で疑似カメラ機能処理を実行し、処理が終了すればステップS69に進む。なお、この疑似カメラ機能処理については、図16に示すフロー図を用いて後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0142】
また、カメラ操作がされていなければ、図14に示すステップS85で、通信機能実行操作がされたか否かを判断する。たとえば、キー入力装置26に対して、通信機能を実行させるキー操作がされたか否かを判断する。ステップS85で“NO”であれば、つまり通信機能を実行させる操作がされなければ、ステップ89に進む。一方、ステップS85で“YES”であれば、つまり通信機能を実行する操作がされれば、ステップS87で通信不能画面を表示し、続けてステップS69に進む。たとえば、ステップS87では、ダミーモード表示データ338を読み出し、図3(D)のダミー状態のように、ネットワークとの通信が確立できないことを通知する。なお、ステップS87の処理を実行するプロセッサ24は、通信不能通知部として機能する。
【0143】
また、通信機能を実行する操作がされていなければ、ステップS89で履歴表示操作がされたか否かを判断する。たとえば、キー入力装置26に含まれる音声着信の履歴表示キーが操作されたか否かを判断する。ステップS89で“NO”であれば、たとえば上記の履歴表示操作がされなければ、ステップS93に進む。一方、ステップS89で“YES”であれば、つまり履歴表示操作がされれば、ステップS91で疑似履歴画面を表示し、ステップS69に進む。たとえば、ステップS91では、ダミーモード表示データ338を読み出し、図5(A)に示すダミー状態のように音声着信の履歴をディスプレイ30に表示する。なお、音声発信の履歴表示操作がされた場合には、音声発信の履歴をディスプレイ30に表示する。また、ステップS91の処理を実行するプロセッサ24は、疑似データ表示部として機能する。
【0144】
また、デフォルト画面が表示された後に、キー入力装置26に対してキー操作がされなければ、ステップS93で無操作カウンタ358をインクリメントする。つまり、キー操作がされていない無操作時間を計測するために、無操作カウンタ358をインクリメントする。続いて、ステップS95では、所定時間が経過したか否かを判断する。たとえば、所定時間が60秒であれば、無操作カウンタ358の値が60秒に相当する値であるか否かを判断する。ステップS95で“NO”であれば、つまり無操作時間が所定時間を経過していなければ、ステップS63に戻る。一方、ステップS95で“YES”であれば、つまりつまりキー入力装置26に対してキー操作がされないまま、所定時間が経過すれば、ステップS97に進む。たとえば、ステップS63,S65,S71,S75,S81,S85,S89,S93およびS95の処理を繰り返す時間が約100m秒である場合、無操作カウンタ358の値が600以上になれば、プロセッサ24は、ステップS95で“YES”と判断する。
【0145】
続いて、ステップS97では、ダミーフラグ354をオフし、ダミー動作処理を終了する。つまり、ステップS97の処理が終了すると、ダミー動作処理も終了するため、ダミーフラグ354をオフにする。なお、ダミー動作処理を終了した後は、初期画面表示処理に戻る。
【0146】
図15は、図13のステップS73で実行される疑似メール機能処理のフロー図である。たとえばプロセッサ24によってステップS73の処理が実行されると、ステップS111でメール機能画面を表示する。たとえば、通常のメール機能が実行された状態と同じように、新規作成メニュー、受信メール表示メニューなどの複数のメニューを含むメール機能画面をディスプレイ30に表示する。続いて、ステップS113では、メール表示操作か否かを判断する。たとえば、受信メールの表示メニューを選択する操作が行われたか否かを判断する。ステップS113では、メール表示操作がされなければ、ステップS117に進む。一方、ステップS113で“YES”であれば、たとえば受信メールの表示操作がされれば、ステップS115で疑似メール画面を表示し、ステップS113に戻る。たとえば、ステップS115では、ダミーモード表示データ338を読み出し、図5(B)のダミー状態のように、「メールはありません」の文字列を含む疑似メール画面を表示する。なお、疑似メール画面は、送信メールの表示操作がされた場合に表示されてもよい。
【0147】
また、メール表示操作がされていなければ、ステップS117でメール作成操作がされたか否かを判断する。たとえば、新規メールの作成メニューを選択する操作がされたか否かを判断する。ステップS117で“NO”であれば、つまりメール作成操作がされていなければ、ステップS125に進む。一方、ステップS117で“YES”であれば、つまりメール作成操作がされれば、ステップS119でメール作成処理を実行する。たとえば、ステップS119では、宛先を設定する処理や、新規メールの題名や本文を作成する処理がサブルーチンとして実行される。続いて、ステップS121では、送信操作か否かを判断する。たとえば、ディスプレイ30に表示されるGUIに対して、メールの送信操作がされたか否かを判断する。ステップS121で“NO”であれば、つまりメールの送信操作がされなければ、送信操作が行われるまでステップS121の処理を繰り返し実行する。一方、ステップS121で“YES”であれば、つまり送信操作がされれば、ステップS123で送信不能画面を表示する。たとえば、ステップS123では、ダミーモード表示データ338を読み出し、図3(C)のダミー状態のように、新規メールを送信できないことを第三者に対して通知する。なお、ステップS123の処理を実行するプロセッサ24は、発信不能通知部として機能する。
【0148】
また、メール表示操作およびメール作成操作が行われなければ、ステップS125で終了操作がされたか否かを判断する。たとえば、キー入力装置26に含まれる終了キー(または、終話キーとも呼ばれる)が操作されたか否かを判断する。ステップS125で“NO”であれば、つまり終了操作がされていなければ、ステップS113に戻る。一方、ステップS125で“YES”であれば、つまり終了操作がされていれば、疑似メール機能処理を終了し、ダミー動作処理に戻る。
【0149】
なお、他の実施例では、疑似メール機能処理において、新規メールの保存操作や、作成中断操作など、さらに多くの操作を受け付けるようにしてもよい。また、新規メールが送信されず、保存操作がされた場合には、保存できないことを通知してもよいし、ダミー動作バッファ332に一時的に記憶するだけで、正しく保存されないようにしてもよい。
【0150】
図16は、図13のステップS83で実行される疑似カメラ機能処理のフロー図である。たとえば、プロセッサ24によってステップS73の処理が実行されると、ステップS141でカメラ機能を実行する。つまり、カメラ制御回路36に命令を発行しスルー画像を生成させる。続いて、ステップS143では、スルー画像を表示する。つまり、スルー画像バッファ334に格納されるスルー画像を読み出し、ディスプレイ30に表示する。
【0151】
続いて、ステップS145では、撮影操作がされたか否かを判断する。たとえば、ステップS145では、キー入力装置26に対して、本撮影処理を実行させるためのキー操作がされたか否かを判断する。ステップS145で“YES”であれば、つまり撮影処理がされれば、ステップS147で撮影不可能画面を表示し、ステップS143に戻る。たとえば、ステップS147では、ダミーモード表示データ338を読み出し、図3(E)のダミー状態のように、画像ファイルが保存できないことを第三者に通知する。なお、ステップS147の処理を実行するプロセッサ24は、記憶不能通知部として機能する。
【0152】
また、ステップS145で“NO”であれば、つまり撮影操作がされていなければ、ステップS149で、終了操作か否かを判断する。たとえば、キー入力装置26に対してカメラ機能を終了させる操作がされたか否かを判断する。ステップS149で“NO”であれば、つまり終了操作がされていなければ、ステップS145に戻る。一方、ステップS149で“YES”であれば、つまり終了操作がされていれば、疑似カメラ機能処理を終了して、ダミー動作処理に戻る。
【0153】
図17は、音声着信処理のフロー図である。プロセッサ24は、たとえば携帯電話機10の電源がオンにされると、ステップS161で音声発信信号を受信したか否かを判断する。つまり、通話相手からの音声発信信号がアンテナ12によって捉えられ、無線通信回路14から着信が通知されたか否かを判断する。ステップS161で“NO”であれば、つまり音声発信信号が受信されなければ、受信されるまでステップS161の処理が一定時間毎に繰り返し実行される。一方、ステップS161で“YES”であれば、つまり音声発信信号が受信されれば、ステップS163でダミーフラグ354がオンであるか否かを判断する。つまりダミー動作モードが設定さているか否かを判断する。ステップS163で“NO”であれば、つまりダミーフラグ354がオフであり、ダミー動作モードが設定されていなければ、ステップS169に進む。
【0154】
一方、ステップS163で“YES”であれば、つまりダミーフラグ354がオンであり、ダミー動作モードが設定されていれば、ステップS165で留守応答処理が実行される。つまり、第三者が音声着信に応答できないようにするため、留守応答処理が実行される。また、ダミー状態で留守応答処理が実行されると、ディスプレイ30には発信元情報が表示されず、留守応答の処理画面も表示されない。これにより、ダミー状態で音声着信があったとしても、第三者がその音声着信に気づくことはない。なお、ステップS165の処理を実行するプロセッサ24は、実行部または留守応答実行部として機能する。
【0155】
続いて、ステップS167では、時刻および発信元情報を記録し、ステップS161に戻る。つまり、ステップS167では、着信の履歴情報としてRAM30に時刻および発信元情報を記録する。
【0156】
なお、携帯電話機10にダミー動作モードが設定されていなければ、ステップS169で音声着信状態処理を実行する。この音声着信状態処理が実行されると、使用者が通常報知として設定している報知(たとえば着信音)が出力される。続いて、ステップS171では、音声発信信号が途絶したか否かを判断する。たとえば、通話可能状態が確立されることで、音声発信信号が途絶したか否かを判断する。ステップS171で“NO”であれば、つまりアンテナ12が音声発信信号を受信していれば、ステップS171の処理を繰り返し実行する。一方、ステップS171で“YES”であれば、つまりアンテナ12によって音声発信信号が受信されなければ、ステップS173で音声着信状態処理を終了し、ステップS161に戻る。たとえば、ステップS173では、着信音の出力が停止される。
【0157】
図18は、メール着信処理のフロー図である。たとえば、プロセッサ24は、携帯電話機10の電源がオンにされると、ステップS191で、新着メール通知を受信したか否かを判断する。つまり、ステップS191では、図示しないメールサーバからの新着メール通知を、アンテナ12が受信したか否かを判断する。ステップS191で“NO”であれば、つまり新着メール通知を受信してなければ、ステップS191の処理を、一定時間毎に繰り返し実行する。一方、ステップS191で“YES”であれば、つまり新着メール通知を受信すれば、ステップS193で、ステップS163と同様に、ダミーフラグ354がオンであるか否かを判断する。ステップS193で“YES”であれば、つまりダミーフラグ354がオンであり、ダミー動作モードが設定されていれば、ステップS195で新着メール受信保留処理を実行し、ステップS191に戻る。たとえば、受信保留処理では、メール機能によって、新着メール受信要求がされないように処理する。さらに、受信保留処理では、新着メール通知を受け取ったことを、外部に知らせる処理(たとえば、ディスプレイ30の電源をオンにする処理など)が実行されないようにする。
【0158】
これにより、ダミー状態で新着メールの通知があったとしても、第三者に気づかれることはない。なお、ステップS195の処理を実行するプロセッサ24は、実行部または保留実行部として機能する。
【0159】
また、ステップS193で“NO”であれば、つまりダミーフラグ354がオフであり、ダミー動作モードが設定されていなければ、ステップS197でメールサーバから新着メールを受信し、ステップS199で新着メール受信処理を実行する。そして、ステップS199の処理が終了すれば、ステップS191に戻る。つまり、メールサーバから新着メールのデータを受信すれば、使用者が通常報知として設定している報知、たとえば着信音が出力される。
【0160】
図19はセキュリティ設定処理のフロー図である。たとえば、プロセッサ24は、セキュリティ機能の設定を変更する操作が行われると、ステップS211で設定画面を表示する。たとえば、図6に示すように、モードを設定するためのキーを含む設定画面がディスプレイ30に表示される。続いて、ステップS213では、セキュリティ機能が無効にされたか否かを判断する。たとえば、図6に示すオフキー70が操作されたか否かを判断する。ステップS213で“YES”であれば、つまりセキュリティ機能が無効にされると、セキュリティフラグ350をオフし、セキュリティ設定処理を終了する。つまり、設定画面でオフキー70が操作されると、セキュリティフラグ350がオフになり、セキュリティ機能が無効になる。
【0161】
また、ステップS213で“NO”であれば、たとえばオフキー70以外のキーが操作されれば、ステップS217でセキュリティフラグ350をオンにする。つまり、セキュリティモードキー72またはハイセキュリティモードキー74が操作されたことになるため、セキュリティ機能が有効にされる。
【0162】
続いて、ステップS219では、ハイセキュリティモードか否かを判断する。つまり、図6に示すハイセキュリティモードキー74が操作されたか否かを判断する。ステップS219で“YES”であれば、つまりハイセキュリティモードキー74が操作されれば、ステップS221でハイセキュリティフラグ352をオンにし、セキュリティ設定処理を終了する。つまり、設定画面でハイセキュリティモードキー74が操作されると、ハイセキュリティモードが設定されるため、ハイセキュリティフラグ352がオンになる。
【0163】
一方、ステップS219で“NO”であれば、つまりハイセキュリティキー74が操作されていなければ、セキュリティキー72が操作されたことになるため、ステップS223でハイセキュリティフラグ352をオフにする。つまり、設定画面でセキュリティモードキー72が操作されると、セキュリティモードが設定されるため、セキュリティフラグ352がオフになる。このように、携帯電話機10の使用者は、セキュリティ機能の有効/無効およびモードを任意に設定する事ができる。
【0164】
なお、ステップS215およびステップS223の処理を実行するプロセッサ24は、変更部として機能する。
【0165】
以上の説明から分かるように、携帯電話機10は、任意のパスワードを入力するためのキー入力装置26を備える。また、記憶部34には、6文字のパスワードおよび4文字のダミーパスワードが記憶される。さらに、パスワードの入力画面において、初期状態ではダミーパスワードの文字数と同じ4つの入力枠64a−64dが表示される。ここで、4文字分のパスワードが入力され、正規のパスワードの4桁目まで一致していれば、残りの2文字分の入力枠64e,64fが表示される。そして、新たに入力されたパスワードも一致すれば、通常画面が表示される。一方、4文字分の入力パスワードが、ダミーパスワードと一致していれば、ダミー動作モードが設定される。
【0166】
本実施例によれば、パスワードの入力画面には、正しいパスワードとは異なる桁数の入力枠が表示されるため、第三者による、パスワードの推測を防止できる。
【0167】
また、ダミーパスワードの桁数に応じた入力枠64を表示することで、悪意を持つ第三者を、正規のパスワードの桁数とは異なるダミーパスワードの入力に誘導する事ができる。(2−1)
さらに、ダミー状態の携帯電話機10は、第三者に対して、正常に動作しているかのように感じさせることができる。
【0168】
なお、キー入力装置26に含まれるキーがQWERTY配列であれば、パスワードおよびダミーパスワードは、数字だけに限らず、アルファベットや記号なども組み合わせて設定されてもよい。また、入力部としては、キー入力装置26だけに限らず、タッチパネルなどの他の入力装置とGUIとの組み合わせであってもよい。
【0169】
また、ダミー動作モードで、音声発信がされた場合には、指定された宛先に係わらず、特定の相手(事業主のサポートセンター)との通話状態が確立されるようにされてもよい。また、メール発信場合には、上記の特定の相手に対して、メールが送付されてもよい。
【0170】
また、セキュリティ機能の有効/無効およびモードは、W63SA 取扱説明書(P.292-P294)に開示されているように、遠隔地にある他の端末からの特定操作に応じて変更されてもよい。
【0171】
また、携帯電話機10の通信方式には、LTE(Long Term Evolution)方式、CDMA方式に限らず、W-CDMA方式、GSM方式、TDMA方式、FDMA方式およびPHS方式などを採用してもよい。さらに、ディスプレイ30にはLCDモニタが利用されるが、有機ELパネルなどの他の表示装置が利用されてもよい。
【0172】
そして、本願発明は、携帯電話機10のみに限らず、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)およびノート型PC(ネットブックなども含む)などの電子機器などに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0173】
10 … 携帯電話機
12 … アンテナ
14 … 無線通信回路
24 … プロセッサ
26 … キー入力装置
30 … ディスプレイ
34 … RAM
44 … メモリカード
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話機、セキュリティプログラムおよびセキュリティ方法に関し、特にパスワードを利用可能な携帯電話機、セキュリティプログラムおよびセキュリティ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特にたとえばパスワードを利用可能な携帯電話機、セキュリティプログラムおよびセキュリティ方法は広く知られており、この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術の電子機器は、認証用番号およびその認証用番号とは異なるダミー番号が設定できる。入力番号が暗証番号と一致する場合には、使用権限者であると認証されるので、所定のデータが表示される。また、入力番号がダミー番号と一致する場合には、不正な使用を試行していると判定され、フォルダ内にはデータが格納されていない旨のワーニングメッセージや、ダミーデータが表示される。
【特許文献1】特開2007−148958号公報[G06F 21/20, H04L 9/32]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1の電子機器において、認証用番号およびダミー番号が同じ桁数である場合、全ての番号の組み合わせを探索されると、設定によってはダミー番号より認証用番号の方が先に解読されることがあり得る。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、携帯電話機、セキュリティプログラムおよびセキュリティ方法を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、第三者による、パスワードの推測を防止する事ができる、携帯電話機、セキュリティプログラムおよびセキュリティ方法を提供することである。
【0006】
この発明のその他の目的は、第三者をダミーパスワードに誘導できる、携帯電話機、セキュリティプログラムおよびセキュリティ方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0008】
第1の発明は、パスワードが入力される入力部を有し、第1字数の第1パスワードを利用可能な携帯電話機であって、第1字数より少ない第2字数分の入力枠を含む、パスワードの入力画面を表示する表示部、入力画面が表示され、入力部に入力された第2字数のパスワードが第1パスワードの第2字数桁目まで一致するとき、第1字数と第2字数との差に基づく残りのパスワードを入力可能にする表示制御部、入力部に入力されたパスワードが第1パスワードと一致するかを判断する第1判断部、および第1判断部によって、第1パスワードと入力部に入力されたパスワードとが一致すると判断されたとき、通常画面を表示させる通常画面表示部を備える、携帯電話機である。
【0009】
第1の発明では、携帯電話機(10)は、入力部であるキー入力装置(26)を有し、たとえば6文字(第1数字)の第1パスワードを利用できる。表示部(24,S23)は、第1字数よりも少ない、たとえば4文字分の入力枠(64)を含むパスワードの入力画面を表示する。たとえば第1字数が6文字であり、第2字数が4文字である場合、表示制御部(24,S33)は、入力部に4文字分のパスワードが入力され、かつその4文字分の入力パスワードが第1パスワードの4桁目まで一致する場合に、残りの2文字分の入力枠(64e,64f)をさらに表示することで、残りのパスワードを入力可能にする。第1判断部(24,S35)は、たとえば残りの入力枠に応じてパスワードが入力されると、入力パスワードが第1パスワードと一致するか判断する。そして、通常画面表示部(24,S3)は、入力パスワードが第1パスワードと一致すれば、通常画面を表示する。また、この通常画面とは、たとえば携帯電話機の電源がオンにされたときに最初に表示される画面のことである。
【0010】
第1の発明によれば、パスワードの入力画面には、正しいパスワードとは異なる桁数の入力枠が表示されるため、第三者による、パスワードの推測を防止する事ができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明に従属し、第2字数の第2パスワードを記憶する記憶部、入力画面が表示されているとき、入力部に入力されたパスワードが第2パスワードと一致するかを判断する第2判断部、および第2判断部によって、入力部に入力されたパスワードと第2パスワードとが一致すると判断されたとき、携帯電話機を疑似的に動作させる疑似動作部をさらに備える。
【0012】
第2の発明では、RAMなどの記憶部(34)には、4文字の第2パスワード(ダミーパスワード)が記憶される。第2判断部(24,S43)は、表示部によって表示された入力枠に、4文字のパスワードが入力されると、第2パスワードと一致するか否かを判断する。疑似動作部(24,S51)は、入力された4文字のパスワードが第2パスワードと一致する場合に、携帯電話機を疑似的に動作させる。
【0013】
第2の発明によれば、入力画面において、第2パスワードの桁数に応じた入力枠だけを表示することで、悪意を持つ第三者を、正規のパスワードの桁数とは異なる第2パスワードの入力に誘導する事ができる。
【0014】
また、携帯電話機が疑似的に動作することで、第三者に正常に動作しているかのように感じさせることができる。
【0015】
第3の発明は、第2の発明に従属し、疑似動作部は、発信操作がされたとき、発信不能であることを通知する発信不能通知部を含む。
【0016】
第3の発明では、発信不能通知部(24,S67,S123)は、たとえば音声発信およびメール発信の操作が行われたとき、発信不能であることを通知する。
【0017】
第3の発明によれば、第三者に携帯電話機が正常に動作していると思い込ませたまま、発信操作を禁止する事ができる。
【0018】
第4の発明は、第2の発明または第3の発明に従属し、疑似動作部は、ネットワークとの通信操作がされたとき、ネットワークとの通信が不可能であることを通知する通信不能通知部をさらに含む。
【0019】
第4の発明では、通信不能通知部(24,S87)は、第三者によってネットワークとの通信操作がされたとき、ネットワークとの通信が不可能であることを通知する。
【0020】
第4の発明によれば、正常な状態で発生するネットワークのトラブルに見せ掛けて、通信操作を禁止することができる。
【0021】
第5の発明は、第2の発明ないし第4の発明のいずれかに従属し、記憶部は、個人データをさらに記憶し、疑似動作部は、個人データの表示操作が行われたとき、疑似データを表示する疑似データ表示部をさらに含む。
【0022】
第5の発明では、記憶部には、アドレスデータ、受信メール、着信/発信履歴などの個人データが記憶される。疑似データ表示部(24,S79,S91)は、たとえばアドレスデータの表示操作が行われると、疑似データとしてダミーアドレスデータを表示する。
【0023】
第5の発明によれば、正しい表示がされているかのように見せ掛けた疑似データを表示することで、個人データの表示を禁止することができる。
【0024】
第6の発明は、第2の発明ないし第5の発明のいずれかに従属し、疑似動作部は、記憶部に新たなデータを記憶させる操作がされたとき、新たなデータが記憶できないことを通知する記憶不能通知部をさらに含む。
【0025】
第6の発明では、記憶不能通知部(24,S147)は、たとえばカメラ機能などによって撮影操作が行われると、画像ファイルが記憶できないことを通知する。
【0026】
第6の発明によれば、記憶部に対する記憶操作が行われたとしても、正常な状態でも起き得る記憶部側の都合に見せ掛けて、記憶操作を禁止することができる。
【0027】
第7の発明は、第2の発明ないし第6の発明のいずれかに従属し、着信が有るとき、携帯電話機が疑似的に動作している場合、その着信を外部に通知させない処理を実行する実行部をさらに備える。
【0028】
第7の発明では、実行部(24,S165,S195)は、着信が有るとき、携帯電話機が疑似的に動作していれば、その着信を外部に通知させないようにする処理を実行する。つまり、着信が第三者に気づかれないようにする。
【0029】
第7の発明によれば、不意の着信によって第三者に個人情報が知られることを、防ぐことができる。
【0030】
第8の発明は、第7の発明に従属し、着信には、音声着信が含まれ、実行部は、音声着信が有るとき、留守応答処理を実行する留守応答実行部を含む。
【0031】
第8の発明では、携帯電話機が疑似的に動作しているときに音声着信が有れば、留守応答実行部(24,S165)は留守応答処理を実行する。
【0032】
第8の発明によれば、第三者に対して通話相手を通知せず、通話相手には使用者が近くに居ないことを通知できる。
【0033】
第9の発明は、第7の発明または第8の発明に従属し、着信には、メール着信が含まれ、実行部は、メール着信が有るとき、新着メールの受信を保留する処理を実行する保留実行部をさらに含む。
【0034】
第9の発明では、携帯電話機が疑似的に動作しているときにメール着信が有れば、保留実行部(24,S195)は、新着メールの受信を保留する処理を実行する。
【0035】
第9の発明によれば、第三者が携帯電話機を使用している状態では、新着メールが受信されないようにすることができる。
【0036】
第10の発明は、第2の発明ないし第9の発明のいずれかに従属し、携帯電話機が疑似的に動作しないようにセキュリティ状態を変更する変更部をさらに備える。
【0037】
第10の発明では、変更部(24,S215,S223)は、携帯電話機が疑似的に動作しないように、セキュリティ機能を無効に変更したり、レベルの低いセキュリティモードに変更したりする。
【0038】
第10の発明によれば、パスワードを利用するセキュリティ機能を任意に設定する事ができる。
【0039】
第11の発明は、パスワードが入力される入力部(26)を有し、第1字数(6)の第1パスワード(346)を利用可能な携帯電話機(10)のプロセッサ(24)を、第1字数より少ない第2字数分の入力枠(64a−64d)を含む、パスワードの入力画面を表示する表示部(S23)、入力画面が表示され、入力部に入力された第2字数のパスワードが第1パスワードの第2字数桁目まで一致するとき、第1字数と第2字数との差に基づく残りのパスワードを入力可能にする表示制御部(S33)、入力部に入力されたパスワードが第1パスワードと一致するかを判断する判断部(S35)、および判断部によって、第1パスワードと入力部に入力されたパスワードとが一致すると判断されたとき、通常画面を表示させる通常画面表示部(S3)として機能させる、セキュリティプログラムである。
【0040】
第11の発明でも、第1の発明と同様に、パスワードの入力画面には、正しいパスワードとは異なる桁数の入力枠が表示されるため、第三者による、パスワードの推測を防止する事ができる。
【0041】
第12の発明は、パスワードが入力される入力部(26)を有し、第1字数(6)の第1パスワード(346)を利用可能な携帯電話機(10)のセキュリティ方法であって、第1字数より少ない第2字数分の入力枠(64a−64d)を含む、パスワードの入力画面を表示し(S23)、入力画面が表示され、入力部に入力された第2字数のパスワードが第1パスワードの第2字数桁目まで一致するとき、第1字数と第2字数との差に基づく残りの入力枠(64e,64f)を入力可能にし(S33)、入力部に入力されたパスワードが第1パスワードと一致するかを判断し(S35)、そして第1パスワードと入力部に入力されたパスワードとが一致すると判断されたとき、通常画面を表示させる(S3)、セキュリティ方法である。
【0042】
第12の発明でも、第1の発明と同様に、パスワードの入力画面には、正しいパスワードとは異なる桁数の入力枠が表示されるため、第三者による、パスワードの推測を防止する事ができる。
【発明の効果】
【0043】
この発明によれば、パスワードの入力画面には、正しいパスワードとは異なる桁数の入力枠が表示されるため、第三者による、パスワードの推測が防止される。
【0044】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1はこの発明の一実施例の携帯電話機の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】図2は図1に示す携帯電話機のパスワードの認証手順を示す図解図である。
【図3】図3は図1に示すディスプレイに表示されるGUIの一例を示す図解図である。
【図4】図4は図1に示すRAMに記憶されるアドレス帳データの一例を示す図解図である。
【図5】図5は図1に示すディスプレイに表示される他のGUIの一例を示す図解図である。
【図6】図6は図1に示す携帯電話機のセキュリティモードを設定するためのGUIの一例を示す図解図である。
【図7】図7は図1に示す携帯電話機のパスワードの入力画面の一例を示す図解図である。
【図8】図8は図1に示すディスプレイに表示されるGUIの他の一例を示す図解図である。
【図9】図9は図1に示すRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【図10】図10は図9に示すメモリマップにおけるデータ記憶領域の一例を示す図解図である。
【図11】図11は図1に示すプロセッサの初期画面表示処理の一部を示すフロー図である。
【図12】図12は図1に示すプロセッサの初期画面表示処理の他の一部であって、図11に後続するフロー図である。
【図13】図13は図1に示すプロセッサの疑似モード処理の一部を示すフロー図である。
【図14】図14は図1に示すプロセッサの疑似モード処理の他の一部であって、図13に後続するフロー図である。
【図15】図15は図1に示すプロセッサの疑似メール機能処理を示すフロー図である。
【図16】図16は図1に示すプロセッサの疑似カメラ機能処理を示すフロー図である。
【図17】図17は図1に示すプロセッサの音声着信処理を示すフロー図である。
【図18】図18は図1に示すプロセッサのメール着信処理を示すフロー図である。
【図19】図19は図1に示すプロセッサのセキュリティ設定処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1を参照して、この実施例の携帯電話機10は携帯通信端末の一種であり、CPUまたはコンピュータと呼ばれるプロセッサ24を含む。このプロセッサ24には、無線通信回路14、A/D16、第1D/A20a、第2D/A20b、キー入力装置26、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34、カメラ制御回路36およびI/F42が接続される。また、無線通信回路14にはアンテナ12が接続され、A/D16にはマイク18が接続され、第1D/A20aおよび第2D/A20bにはアンプ(図示せず)を介して、第1スピーカ22aおよび第2スピーカ22bが接続される。さらに、表示ドライバ28にはディスプレイ30が接続され、カメラ制御回路36にはイメージセンサ38およびフォーカスレンズ40の光学位置を制御するモータ(図示せず)が接続される。そして、I/F42にはメモリカード44が接続される。
【0047】
プロセッサ24は、携帯電話機10の全体制御を司る。記憶部であるRAM34は、プロセッサ24の作業領域(描画領域を含む)ないしバッファ領域として用いられる。フラッシュメモリ32には、携帯電話機10の文字、画像、音声、音および映像のようなコンテンツのデータなどが記録される。
【0048】
A/D16は、当該A/D16に接続されたマイク18を通して入力される音声ないし音についてのアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換する。第1D/A20aおよび第2D/A20bは、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換(復号)して、アンプを介して第1スピーカ22aおよび第2スピーカ22bに与える。したがって、アナログ音声信号に対応する音声ないし音が第1スピーカ22aおよび第2スピーカ22bの少なくとも一方から出力される。
【0049】
キー入力装置26は、入力部とも呼ばれ、「0」〜「9」キー、「*」キーおよび「#」キーを含むダイヤルキーや、その他のキーを備えており、利用者が操作したキーの情報(キーデータ)がプロセッサ24に入力される。表示ドライバ28は、プロセッサ24の指示の下、当該表示ドライバ28に接続されたディスプレイ30の表示を制御する。なお、キー入力装置26に含まれる各キーが操作されると、フィードバック処理が実行され、第2スピーカ22bからフィードバック音が出力される。したがって、使用者は、フィードバック音を聞くことで、キー操作に対する操作感を得られる。
【0050】
無線通信回路14は、たとえばCDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、使用者がキー入力装置26を用いて音声発信を指示すると、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、音声発信処理を実行し、アンテナ12を介して音声発信信号を出力する。音声発信信号は、基地局および通信網(図示せず)を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、接続状態(通信可能状態)が確立され、プロセッサ24は通話処理を実行する。
【0051】
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号(高周波信号)が、アンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。これらの処理によって得られた受話音声信号は、第1D/A20aによってアナログ音声信号に変換された後、第1スピーカ22aから出力される。一方、マイク18を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D16によってデジタル音声信号に変換された後、プロセッサ24に与えられる。デジタル音声信号に変換された送話信号には、プロセッサ24の指示の下、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ12を介して出力される。したがって、変調音声信号は、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
【0052】
また、相手の電話機からの発信信号がアンテナ12によって受信されると、無線通信回路14は、音声着信(着呼ともいう)をプロセッサ24に通知する。これに応じて、プロセッサ24は、表示ドライバ28を制御して、着信通知に記述された発信元情報(電話番号)をディスプレイ30に表示する。また、これとほぼ同時に、プロセッサ24は、第2D/A20bを介して第2スピーカ22bから着信音(または、着信メロディ、着信音声)を出力させ、さらに図示しないモータを駆動(回転)させることで携帯電話機10を振動させる。使用者が、キー入力装置26を用いて応答操作を行うと、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、音声着信処理を実行し、接続状態(通信可能状態)が確立され、プロセッサ24は上述した通常の通話処理を実行する。
【0053】
なお、プロセッサ24は、着信音を出力させるとともに、図示しないLEDを発光させることもある。また、ディスプレイ30は表示装置と呼ばれることもある。さらに、発信信号および発信元情報を受信するアンテナ12は受信部として機能する。
【0054】
カメラ制御回路36は、携帯電話機10で静止画像または動画像を撮影するための回路である。たとえば、キー入力装置26に対してカメラ機能を実行する操作が行われると、プロセッサ24は、カメラ制御回路36およびイメージセンサ38を撮影部として機能させ、カメラ機能を実行する。
【0055】
たとえば、被写界の光学像はイメージセンサ38に照射され、イメージセンサ38の撮像エリアには、たとえばSXGA(1280×1024画素)に対応する受光素子が配置されており、撮像エリアでは、光電変換によって、被写界の光学像に対応する電荷つまりSXGAの生画像信号が生成される。なお、使用者は、画像データのサイズを、SXGAの他に、XGA(1024×768画素)およびFull-WVGA(854×480画素)などに変更することができる。
【0056】
そして、カメラ機能が実行されると、被写界のリアルタイム動画像つまりスルー画像をディスプレイ30に表示するべく、プロセッサ24は、カメラ制御回路36に内蔵されるイメージセンサドライバを起動させ、露光動作および指定された読み出し領域に対応する電荷読み出し動作をイメージセンサドライバに命令する。
【0057】
イメージセンサドライバは、イメージセンサ38の撮像面の露光と、当該露光によって生成された電荷の読み出しとを実行する。この結果、生画像信号が、イメージセンサ38から出力される。また、出力された生画像信号は、カメラ制御回路36に入力され、カメラ制御回路36は、入力された生画像信号に対して、色分離、白バランス調整、YUV変換などの処理を施し、YUV形式の画像データを生成する。そして、YUV形式の画像データはプロセッサ24に入力される。このとき、カメラ制御回路36は、フォーカスレンズ40を制御することで、被写界にピントを合わせる。
【0058】
また、プロセッサ24に入力されたYUV形式の画像データは、プロセッサ24によってRAM34に一旦格納される。さらに、格納されたYUV形式の画像データは、プロセッサ24を介して、RAM34から表示ドライバ28に与えられる。また同時に、プロセッサ24は、間引き読み出し命令を表示ドライバ28に発行する。そして、表示ドライバ28は、プロセッサ24から発行された間引き読み出し命令に従って、YUV形式の画像データを30fpsでディスプレイ30に出力する。これによって、被写界を表す低解像度(たとえば、320×240画素)のスルー画像がディスプレイ30に表示される。
【0059】
なお、YUV形式の画像データにおいて、Yは輝度を意味し、Uは青色から輝度を引いた色差を意味し、Vは赤色から輝度を引いた色差を意味する。つまり、YUV形式の画像データは、輝度信号(Y)データと青色の色差信号(U)データと赤色の色差信号(V)データとから構成される。
【0060】
ここで、キー入力装置26によって撮影操作が行われると、プロセッサ24は、本撮影処理を実行する。つまり、プロセッサ24は、イメージセンサ38から出力されるSXGAの生画像信号に所定の信号処理を施して、RAM34に一旦格納し、メモリカード44に対する記録処理をI/F42に命令する。I/F42は、プロセッサ24を通してRAM34から画像データを読み出し、読み出された画像データを含む画像ファイルとしてメモリカード44に記録する。さらに、プロセッサ24は、第2スピーカ22bから、本撮影処理が実行されていること通知する音を出力させる。なお、本撮影処理が実行された場合、画像ファイルは、メモリカード44の代わりに、NAND型のフラッシュメモリ32に記憶されてもよい。
【0061】
I/F42は、メモリカード44保存されている画像ファイルなどを読み出すためのインターフェースである。また、I/F42は、上述したように、本撮影処理が実行されたとき、画像ファイルをメモリカード44に書き込むためのインターフェースでもある。
【0062】
また、携帯電話機10は、図示しないネットワークを利用して、電子メール機能およびネットワーク通信機能を実行できる。さらに、携帯電話機10は、使用が制限される状態(ロック状態)にされ、パスワードを利用してその状態を解除できるセキュリティ機能を備える。
【0063】
図2(A)−図2(F)は携帯電話機10のパスワードの認証手順を示す図解図である。図2(A)を参照して、ディスプレイ30は、状態表示領域60および機能表示領域62から構成される。状態表示領域60には、二次電池の残電池容量を示すアイコン(ピクトと言うこともある。)、現在日時およびセキュリティ機能が有効であることを示すロックアイコン66が表示される。また、機能表示領域62には、携帯電話機10で実行される機能に応じて様々な画像が表示され、本実施例では、図2(A)に示すパスワード入力画面が表示される。このパスワード入力画面には、4つの入力枠64a−64dが表示される。なお、入力枠64a−64dを特に限定しない場合は、「入力枠64」と言うことにする。
【0064】
図2(B)を参照して、このパスワード入力画面は、キー入力装置26を構成する任意のキーが操作されると、パスワード入力画面が表示される。つまり、キー入力装置26における「0」〜「9」キーに対してキー操作がされる毎に、入力枠64a−64dに「*」が表示される。たとえば、「9」キーが1回操作されると入力枠64aに「*」が表示され、「9」キーがさらに1回操作されると入力枠64bに「*」が表示される。
【0065】
入力枠64dまで「*」が表示された状態で、パスワードの入力を確定するキーが操作されると、入力されたパスワード(入力パスワード)が、正しいものであるか否かが判断される。このとき、入力パスワードが間違っていれば、図2(C)に示すように、入力パスワードが間違っていることがディスプレイ30に表示される。
【0066】
ここで、本実施例のセキュリティ機能は、6文字(第1字数)のパスワード(第1パスワード)および正規のパスワードよりも少ない4文字(第2字数)のダミーパスワード(第2パスワード)を利用できる。そして、図2(A)−図2(C)に示すように、初期状態の入力画面では4文字分の入力枠64が表示される。
【0067】
図2(B)に示すように、4文字分のパスワードが入力されたとき、その入力パスワードがパスワードの前半4文字と一致していれば、図2(D)に示すように、残りの2文字分の入力枠64eおよび入力枠64fが表示される。また、図2(E)に示すように、残りのパスワードが入力され、入力パスワードがパスワードと一致していれば、図2(F)に示すように、状態表示領域60では、アンテナ12による電波受信状態のアイコン(アンテナアイコン)がさらに表示され、ロックアイコン66の表示が消去される。また、機能表示領域62では初期画面として通常画面が表示される。
【0068】
そして、図2(B)に示す状態で、4文字の入力パスワードがダミーパスワードと一致する場合には、セキュリティ機能が解除されたかのように動作する、ダミー動作モードが設定される。
【0069】
つまり、初期状態のパスワード入力画面において、ダミーパスワードの桁数に応じた入力枠64だけを表示することで、悪意を持つ第三者を、正規のパスワードの桁数とは異なるダミーパスワードの入力に誘導する事ができる。
【0070】
図3(A)−図3(F)および図5(A)、図5(B)は、セキュリティ機能が解除された状態(解除状態)とダミー動作モードが設定されている状態(ダミー状態)とを対比する図解図である。図3(A)は、図2(E)または図2(B)に示す入力画面から画面遷移した後に表示される、初期画面である。初期画面において解除状態では、通常画像、つまり使用者によって設定された画像が表示される。一方、ダミー状態では、デフォルト画像、つまり携帯電話機10が工場から出荷された状態で表示される画像が表示される。さらに、ダミー状態では、再ロックアイコン68が表示される。この再ロックアイコン68は再ロック機能が有効であることを示すアイコンである。また、この再ロック機能は、ダミー状態に設定されてから、キー操作が一定時間(たとえば、一分)経過すれば、携帯電話機10が再びロック状態にされる機能である。たとえば、図3(A)におけるダミー状態で、キー操作が一分間行われなければ、図2(A)に示す入力画面に遷移する。さらに、開閉タイプの端末であれば、開いた状態から閉じたとき、または閉じた状態から開いたときのいずれか一方が検出された後に所定時間が経過すると、携帯電話機10が再びロック状態にされてもよい。
【0071】
なお、ダミー状態では、この再ロック機能は必ず有効になる。これは、ダミー状態に設定された後に、正規の使用者が携帯電話機10を利用する際に、正しいパスワードを入力できるようにするためである。
【0072】
図3(B)は、音声発信操作が行われたときに表示される音声発信画面である。解除状態における音声発信画面では、相手の電話番号が表示されるとともに、「発信中」の文字列も表示される。これに対して、ダミー状態における音声発信画面では、相手の電話番号は表示されるが、通信網の都合によって音声発信信号を送信できないことを示す文字列が表示される。なお、この文字列は、「ただいま回線が混雑しています」などである。このように、音声発信が可能な状態であったとしても、ダミー状態では、音声発信が禁止される。
【0073】
図3(C)は、メール発信操作が行われたときに表示されるメール発信画面である。このメール発信状態において解除状態では、送信相手のメールアドレスが表示され、さらに「発信中」の文字列が表示される。一方、ダミー状態では、メールサーバにアクセスできないことを示す文字列が表示される。たとえば、表示される文字列としては、「通信が混雑しており、サーバにアクセスできません」である。つまり、メール発信が可能な状態であったとしても、ダミー状態の携帯電話機10ではメール発信が禁止される。
【0074】
このように、ダミー状態では、ただ単に音声発信またはメール発信が禁止されるのではなく、正常な状態でも発生する通信網の通信トラブルに見せ掛けて、音声発信が禁止される。つまり、第三者に携帯電話機10が正常に動作していると思い込ませたまま、発信操作を禁止する事ができる。
【0075】
図3(D)は、ネットワーク上のサーバとの通信操作が行われたときに表示される通信画面である。解除状態の通信画面では、検索サイトのトップページが表示される。また、ダミー状態の通信画面では、ネットワークとの通信が確立できない文字列、たとえば「アクセスが集中しており、接続できません」が表示される。
【0076】
このように、音声またはメール発信と同様に、正常な状態で発生するネットワークのトラブルに見せ掛けて、通信操作を禁止することができる。
【0077】
図3(E)は、カメラ機能による撮影操作が行われたときに表示される記憶処理画面である。2つの記憶処理画面における解除状態では、撮影操作がされると、メモリカード44に画像ファイルが記憶されている事を示す文字列(「保存中」)が表示される。一方、ダミー状態では、メモリカード44に空き容量が無いことを示す文字列(「メモリに空きがありません」)が表示される。つまり、ダミー動作モードでは、メモリカード44に空き容量が有ったとしても、ダミー動作モードでは、メモリカード44などの空き容量が無いと通知される。
【0078】
このように、フラッシュメモリ32またはメモリカード44に対する記憶操作が行われたとしても、正常な状態でも起き得るメモリ側の都合に見せ掛けて、撮影操作が禁止される。
【0079】
なお、ダミー状態の携帯電話機10においては、アドレスデータの登録や、新規メールの作成処理が行われたとしても、RAM34に記憶されることはない。また、他の実施例では、上記の作成処理などが行われても、RAM34のバッファに記憶されるだけで、画像ファイルと同様に、保存はされないようにしてもよい。また、メモリカード44が交換された場合には、交換後のメモリカード44が認識できないことを通知してもよい。
【0080】
図3(F)は、アドレス帳データの表示操作が行われたときに表示されるアドレス帳画面である。解除状態のアドレス帳画面では、メモリに記憶されるアドレス帳データが読み出されて、各アドレスデータがディスプレイ30に表示される。これに対して、ダミー状態のアドレス帳画面では、ダミーアドレス帳データに基づくダミーアドレスデータ(疑似データ)が表示される。
【0081】
ここで、図4(A)、図4(B)を参照して、ダミーアドレス帳データについて説明する。まず、図4(A)に示されるアドレス帳データは、RAM34に記憶されるデータであり、姓の列、名の列および電話番号の列などから構成されている。また、図4(A)に示すように、アドレス帳データには、最初の行から「AA BB」、「CC DD」および「EE FF」のアドレスデータが記憶され、最後の行には「YY XX」のアドレスデータが記憶される。たとえば、姓名が「AA BB」であり、対応する電話番号が「090aaaa1111」のアドレスデータでは、姓の列には「AA」が記録され、名の列には「BB」が記録され、電話番号の列には「090aaaa1111」が記録される。
【0082】
そして、ダミーアドレス帳データは、上述のアドレス帳データを組み替えて作成される。たとえば図4(B)を参照して、姓の列に対して、名の列を一段繰り下げて対応付ける。つまり、姓が「CC」であれば名が「BB」となり、姓が「EE」であれば名が「DD」となり、姓が「YY」であれば名が「XX」となる。そして、最初の行のアドレスデータの「姓」には最後の行のアドレスデータの「名」が対応付けられる。つまり、姓が「AA」であれば名が「XX」となる。なお、図4(B)では示していない他の項目についても、名の列と同様に一段繰り下げて対応付けられる。
【0083】
また、各アドレスデータにおける電話番号は、予め決められている電話番号リストから読み出され、置き換えられる。この電話番号リストに含まれる電話番号は、携帯電話機10の事業主、または携帯電話機10の開発メーカに関係する電話番号とする。
【0084】
なお、図4(B)では図示していないが、メールアドレスや住所などがアドレスデータに含まれる場合にも、予めリストを用意しておき、そのリストに含まれるデータと置き換えられる。
【0085】
また、ダミーアドレス帳データを作成せずに、ディスプレイに表示するために読み出す際に、上述したように姓と名とをずらして読み出したうえで、電話番号を置き換えてもよい。つまり、ダミーアドレス帳データを作成しないようにすることで、RAM34のデータ容量を節約する。また、姓の列と名の列との組み替えは、一段下げるのではなく、一段上げてもよいし、名の列をランダムに並べ替えてから、対応付けてもよい。また、姓名が同一の欄に登録され、姓名を組み替えられない場合には、姓名の文字列における前の二文字を抽出したうえで、後半の文字列と組み替えてもよい。また、予めダミーアドレス帳データをRAM34に記憶させておくようにしてもよい。
【0086】
このように、アドレス帳データを表示する操作が行われたときに、正しいデータを疑似したデータ(疑似データ)を表示することで、第三者にダミー動作モードの違和感を与えることなく、アドレス帳データの表示を禁止する事ができる。
【0087】
図5(A)は、音声発信履歴の情報を表示する操作が行われたときに表示される履歴画面である。解除状態の履歴画面では、音声発信の履歴が記録されるテーブルに基づいて、発信相手および発信時刻などが表示される。一方、ダミー状態の履歴画面では、音声発信履歴が全く存在しないことを示す文字列が表示される。たとえば、表示される文字列としては「履歴はありません」である。つまり、音声発信履歴が記録されていたとしても、音声発信履歴が記録されていないかのうように見せ掛ける文字列データ(疑似データ)が表示される。
【0088】
なお、図5(A)に示したように、疑似データとして文字列を表示するのではなく、発信相手の情報をダミーアドレス帳データに基づいて、置き換えてもよい。また、図5(A)では、音声発信履歴の情報について図示されているが、音声着信履歴の情報であってもよい。
【0089】
図5(B)は、受信済みのメール(受信メール)を表示する操作が行われたときに表示される受信メール画面である。解除状態の受信メール画面では、RAM34に記憶される受信メールが、受信時刻の順番で表示される。一方、ダミー状態の受信メール画面では、履歴画面と同様に、受信メールが全く存在しないことを示す文字列(たとえば「メールはありません」)が表示される。つまり、受信メールがRAM34に記憶されていたとしても、受信メールが記憶されていないかのように見せ掛ける文字列データ(疑似データ)が表示される。
【0090】
なお、他の実施例としては、疑似データとしてダミー受信メールデータを予め用意しておき、ダミー状態のメール受信画面では、そのダミー受信メールデータを表示させてもよい。また、送信済みのメール(送信メール)画面でも、図5(B)に示すように、疑似データが表示されてもよい。
【0091】
このように、アドレス帳データ、音声発信履歴および受信メールなどの個人データに対する表示操作がされたときには、正しい表示がされているかのように見せ掛けた疑似データを表示することで、個人データの表示を禁止することができる。なお、個人データには、フラッシュメモリ32またはメモリカード44に保存される画像ファイルや、使用者のプロフィールデータなども含まれる。
【0092】
ここで、ダミー状態の携帯電話機10における、着信およびモード変更について説明する。まず、ダミー状態の携帯電話機10に音声着信またはメール着信があると、第三者がそれらの着信に気づけないように処理される。たとえば、音声着信であれば、ディスプレイ30には発信元情報が表示されることなく、留守応答処理が実行される。つまり、第三者に対して通話相手を通知せず、通話相手には使用者が近くに居ないことを通知できる。また、メール着信であれば、携帯電話機10はメールサーバから新着メール通知を受け取っても、新着メールが受信されないように受信保留処理が実行される。つまり、第三者が携帯電話機10を使用している状態では、新着メールが受信されないようにすることができる。
【0093】
このように、第三者が携帯電話機10を操作しているため、携帯電話機10に対する着信は一切外部に通知されない。したがって、携帯電話機10は、不意の着信によって第三者に個人情報が知られることを防ぐことができる。
【0094】
なお、これらの実施例は、音声着信およびメール着信だけに限らず、SMS(Short Message Service)などの様々な着信に対して適用されてもよい。
【0095】
次に、携帯電話機10におけるセキュリティ機能には、ハイセキュリティモードとセキュリティモードとの2つのモードがあり、使用者によって任意に設定可能である。そして、これまでに記述したダミー状態に遷移可能なモードが、ハイセキュリティモードである。また、セキュリティモードは、ダミーパスワードを利用しないモードであり、ダミーパスワードが入力されたとしてもダミー状態に遷移する事はない。さらに、使用者は、セキュリティモードを選択する際に、このセキュリティ機能自体を無効(オフ)にすることも可能である。なお、セキュリティ機能が無効にされると、図2(A)などに示すパスワード入力画面そのものが表示されなくなる。つまり、携帯電話機10は、使用者および第三者に関係なく、利用可能な状態になる。
【0096】
図6を参照して、ディスプレイ30にはセキュリティ設定画面が表示される。このセキュリティ設定画面には、オフキー70、セキュリティキー72およびハイセキュリティキー74が表示され、さらに各キーを選択可能なカーソルCUも表示される。そして、オフキー70がカーソルCUによって選択され、その選択が確定されると(操作されると)、セキュリティ機能は無効にされる。また、セキュリティキー72が操作されると、セキュリティ機能が有効になり、かつダミーパスワードを利用しないセキュリティモードが設定される。さらに、ハイセキュリティキー74が操作されると、セキュリティ機能が有効になり、ダミーパスワードを利用するハイセキュリティモードが設定される。
【0097】
このように、使用者は、パスワードを利用するセキュリティ機能を任意に設定する事ができる。
【0098】
なお、セキュリティモードにおけるパスワードの入力画面では、図7に示すように初期状態で6つの入力枠64が表示されるとともに、アンテナアイコンが表示される。つまり、使用者は、入力画面において、セキュリティモードとハイセキュリティモードとの違いをアンテナアイコンおよび入力枠64に基づいて判断する事ができる。
【0099】
また、他の実施例では、ダミー状態では、アンテナ12による電波受信状態に係わらず、「圏外」の表示をするようにしてもよい。つまり、状態表示領域60において、アンテナアイコンの代わりに、「圏外」の文字列が表示される。そして、他の実施例のダミー状態では、発信操作や通信操作が行われると、圏外であることに基づいた表示がされる。
【0100】
たとえば、他の実施例におけるダミー状態で、音声発信操作がされると、図8(A)に示すように、発信相手の電話番号と「電波を受信できません」の文字列とが表示される。また、メール発信操作または通信操作が行われても、図8(B)および図8(C)に示すように、「電波を受信できません」の文字列が表示される。
【0101】
図9はRAM34のメモリマップ300を示す図解図である。RAM34のメモリマップ300には、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。また、プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ32から一度に全部または必要に応じて部分的にかつ順次的に読み出され、RAM34に記憶されてからプロセッサ24によって処理される。なお、アドレス帳データは、図示しないSIM(Subscriber Identity Module)カードから読み出され、RAM34に記憶される。
【0102】
プログラム記憶領域302は、携帯電話機10を動作させるためのプログラムが記憶されており、たとえば初期画面表示プログラム310、ダミー動作プログラム312、疑似メール機能プログラム314、疑似カメラ機能プログラム316、音声着信プログラム318、メール着信プログラム320およびセキュリティ設定プログラム322などから構成される。
【0103】
初期画面表示プログラム310は、たとえば待機状態の携帯電話機10に対してキー操作がされたときに実行されるプログラムである。ダミー動作プログラム312は、ダミー状態の携帯電話機10を制御するためのプログラムである。疑似メール機能プログラム314は、ダミー状態で実行されるメール機能を制御するためのプログラムである。疑似カメラ機能プログラム316は、ダミー状態で実行されるカメラ機能を制御するためのプログラムである。音声着信プログラム318は、発信信号を受信した際に、たとえば通話状態を確立するためのプログラムである。メール着信プログラム320は、新着メール通知を受信した際に、たとえば新着メールを受信するための処理を実行するプログラムである。セキュリティ設定プログラム322は、セキュリティ機能の有効/無効およびモードを設定するためのプログラムである。
【0104】
なお、図は省略するが、携帯電話機10を動作させるためのプログラムには、ディスプレイ30に表示されるGUIを制御するためのプログラムなどが含まれる。
【0105】
図10を参照して、データ記憶領域304には、入力パスワードバッファ330、ダミー動作バッファ332およびスルー画像バッファ344が設けられるとともに、エラー画像データ336、ダミーモード表示データ338、デフォルト画像データ340、アドレス帳データ342、通常画像データ344、パスワードデータ346およびダミーパスワードデータ348が記憶される。また、データ記憶領域304には、セキュリティフラグ350、ハイセキュリティフラグ352、ダミーフラグ354、エラーカウンタ356および無操作カウンタ358がさらに設けられる。
【0106】
入力パスワードバッファ330は、入力画面が表示されている状態で、キー入力装置26に対して行われたキーデータが一時的に記憶されるバッファである。たとえば、キー入力装置26に対して、「1」、「2」、「3」、「4」キーが順番に操作されると、入力パスワードバッファ330には、「1」、「2」、「3」、「4」の数字が順に格納される。ダミー動作バッファ332は、ダミー状態で操作された結果が一時的に記憶されるバッファであり、たとえばダミー状態でアドレスデータの登録操作がされると、そのアドレスデータが格納される。そして、ダミー状態でなくなると、ダミー動作バッファ332内のデータは、他のメモリ領域に保存されることなく消去される。スルー画像バッファ334は、カメラ機能が実行された際に、スルー画像が一時的に記憶されるバッファである。
【0107】
エラー画像データ336は、入力画面において、入力パスワードがパスワードまたはダミーパスワードに一致しない場合に表示される画像データである。ダミーモード表示データ338は、たとえばダミー状態で発信された場合に、発信不可能であることを通知するための画像および文字列データから構成されるデータである。また、他にもメール発信操作や、ネットワークとの通信操作などが行われた後に表示される画像および文字列データも含まれる。
【0108】
デフォルト画像データ340は、携帯電話機10が工場から出荷された状態で既に記憶されているデータである。また、デフォルト画像データ340は、ダミー状態では壁紙画像として読み出される。アドレス帳データ342は、図4(A)に示すような仕様で構成されるデータであり、複数のアドレスデータから構成される。通常画像データ344は、たとえば解除状態で壁紙画像として読み出される画像データである。
【0109】
パスワードデータ346は、セキュリティ機能によるロック状態を解除するときに、読み出されるデータである。たとえば、本実施例では、パスワードデータ346は6桁の数字から構成される。ダミーパスワードデータ348は、ダミー状態に遷移するか否かを判断するときに読み出されるデータである。そのため、入力パスワードバッファ330に格納される文字列がダミーパスワード348を構成する文字列と一致した場合には、携帯電話機10がダミー状態になる。
【0110】
セキュリティフラグ350は、セキュリティ機能が有効であるか否かを判断するためのフラグである。たとえば、セキュリティフラグ350は1ビットのレジスタで構成される。また、セキュリティフラグ350がオン(成立)にされると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、セキュリティフラグ350がオフ(不成立)にされると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。なお、他のフラグも、構成はセキュリティフラグ350と同じであるため、他のフラグでは詳細な説明は省略する。
【0111】
ハイセキュリティフラグ352は、ハイセキュリティモードであるか否かを判断するためのフラグである。また、ダミーフラグ354は、携帯電話機10にダミー状態であるか否かを判断するためのフラグである。
【0112】
エラーカウンタ356は、パスワードの入力を失敗した回数をカウントするためのカウンタである。無操作カウンタ358は、キー入力装置26に対してキー操作がされていない時間をカウントするためのカウンタである。
【0113】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、ディスプレイ30に表示されるGUIなどが記憶されると共に、携帯電話機10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
【0114】
プロセッサ24は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOS、またはその他のOSの制御下で、図11および図12に示す初期画面表示処理、図13および図14に示すダミー動作処理、図15に示す疑似メール機能処理、図16に示す疑似カメラ機能処理、図17に示す音声着信処理、図18に示すメール着信処理および図19に示すセキュリティ設定処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
【0115】
図11は、初期画面表示処理における一部のフロー図である。たとえば、使用者が待機状態の携帯電話機10に対してキー操作を行うと、プロセッサ24はステップS1でセキュリティ機能が有効であるか否かを判断する。つまり、セキュリティフラグ350がオンであるか否かを判断する。ステップS1で“NO”であれば、つまりセキュリティフラグ350がオフであり、セキュリティが無効であれば、ステップS3で通常画面を表示し、初期画面表示処理を終了する。つまり、ステップS3では通常画像データ344を読み出し、壁紙画像としてディスプレイ30に表示する。このように、セキュリティ機能が有効になっていなければ、パスワードの入力画面が表示されず、携帯電話機10の使用が制限されることも無い。なお、ステップS3の処理を実行するプロセッサ24は通常画面表示部として機能する。
【0116】
一方、ステップS1で“YES”であれば、つまりセキュリティフラグ350がオンであり、セキュリティ機能が有効であれば、ステップS5でハイセキュリティモードか否かを判断する。つまり、ハイセキュリティフラグ352がオンであるか否かを判断する。ステップS5で“YES”であれば、つまりハイセキュリティモードが設定され、ハイセキュリティフラグ352がオンであれば、図12に示すステップS23に進む。また、ステップS5で“NO”であれば、つまりハイセキュリティモードが設定されておらず、ハイセキュリティフラグ352がオフであれば、ステップS7で第1入力画面を表示する。たとえば、図7に示すように、パスワードデータ346を構成する数字列の桁数に応じた入力枠64a−64fを含む、入力画面がディスプレイ30に表示される。
【0117】
続いて、ステップS9では、パスワードが入力されたか否かを判断する。つまり、キー入力装置26に対してキー操作がされ、入力パスワードバッファ330に数字列が格納されたか否かを判断する。ステップS9で“NO”であれば、つまりパスワードが入力されず、入力パスワードバッファ330に何も格納されなければ、ステップS9の処理を繰り返し実行する。つまり、パスワードが入力されるまでステップS9の処理は繰り返される。ただし、「戻る」キーや終話キーなどが操作されると、初期画面に戻ったり、一つ前の画面に戻ったりすることができる。一方、ステップS9で“YES”であれば、つまりパスワードが入力されて、入力パスワードバッファ330に数字列が格納されれば、ステップS11でフィードバック処理が実行される。たとえば、使用者によるキー操作に応じて、第2スピーカ22bからフィードバック音が出力される。
【0118】
続いて、ステップS13では確定操作がされたか否かを判断する。つまり、ステップS13では、使用者によるパスワードの入力が終了したことを判断するために、確定操作がされたか否かを判断する。また、たとえばステップS13では、キー入力装置26に含まれる確定キーの操作結果に基づいて、確定操作の有無を判断する。ステップS13で“NO”であれば、つまり確定操作がされていなければステップS9に戻り、引き続きパスワードの入力を受け付ける。一方、ステップS13で“YES”であれば、つまり確定操作がされれば、ステップS15で入力パスワードがパスワードと一致するか否かを判断する。つまり、入力パスワードバッファ330に格納される数字列とパスワードデータ346を構成する数字列とにおいて、各数字および順番が一致するか否かを判断する。
【0119】
ステップS15で“YES”であれば、つまり入力されたパスワードがパスワードに一致すればステップS3に進み、通常画面をディスプレイ30に表示する。つまり、入力パスワードがパスワードと一致すれば、パスワードを入力した者は正規の使用者であると判断できるため、ロック状態が解除される。一方、ステップS15で“NO”であれば、つまり入力パスワードがパスワードと一致していなければ、ステップS17でエラー処理を実行する。たとえば、ステップS17のエラー処理では、図2(C)に示すようにディスプレイ30に入力パスワードが間違っていることを示す文字列が表示される。また、他にも第2スピーカ22bからビープ音を出力させたり、携帯電話機10に内蔵されるバイブレータを振動させたりしてもよい。
【0120】
続いて、ステップS19では、エラーカウンタ356をインクリメントする。つまり、ステップS19では、パスワードの入力を失敗(入力エラー)の回数がカウントされる。続いて、ステップS21では、所定回数以上の入力エラーがされたか否かを判断する。たとえば、所定回数が3回であれば、ステップS21では入力エラーが3回以上続いたか否かを、エラーカウンタ356の値に基づいて判断する。ステップS21で“NO”であれば、たとえば入力エラーが3回未満であればステップS9に戻り、携帯電話機10は、パスワードが再入力可能な状態になる。また、ステップS9に戻る際には、入力パスワードバッファ330に格納されている数字列は消去される。
【0121】
一方、ステップS21で“YES”であれば、たとえば入力エラーが3回目であれば、初期画面表示処理を終了する。つまり、所定回数以上の入力エラーが連続した場合には、正規の使用者が操作していないと判断し、初期画面表示処理を終了する。また、ステップS21で“YES”と判断された場合には、入力パスワードバッファ330とエラーカウンタ356が初期化される。つまり、次回のパスワード入力時に影響しないようにする。
【0122】
なお、ステップS21で“YES”と判断されて初期画面表示処理が終了された後には、携帯電話機10が、電源をオフにされたり、強制的に待機状態にされたりしてもよい。また、所定回数は、使用者によって任意に設定されてもよい。
【0123】
このように、本実施例のセキュリティモードは、1つのパスワードを利用するだけの一般的なセキュリティ機能と何ら変わりがない。
【0124】
ここで、ハイセキュリティモードが設定されている場合、つまりステップS5で“YES”である場合について説明する。図12を参照して、ステップS23では、第2入力画面を表示する。つまり、ダミーパスワードの桁数と同じ数の入力枠64を含む、入力画面が表示される。たとえば、ダミーパスワードが「1234」の4文字であれば、図2(A)に示すように、入力枠64も4つ表示される。なお、ステップS23の処理を実行するプロセッサ24は表示部として機能する。
【0125】
続く、ステップS25−S29の処理は、ステップS9−S13の処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。ステップS25では、パスワードが入力されたか否かを判断する。ステップS25で“NO”であれば、つまりパスワードが入力されていなければステップS25の処理を繰り返す。一方、ステップS25で“YES”であれば、つまりパスワードが入力されれば、ステップS27でフィードバック処理を実行し、続けてステップS29で確定操作がされたか否かを判断する。ステップS29で“NO”であれば、つまり確定操作がされなければ、ステップS25に戻る。一方、ステップS29で“YES”であれば、つまり確定操作がされればステップS31に進む。
【0126】
続いて、ステップS31では、入力パスワードがパスワードの前半と一致するか否かを判断する。ここで、パスワードの前半とは、表示されている入力枠64の数に対応する桁数までを指す。たとえば、入力枠64が4つ表示されており、パスワードが「886976」の6桁であれば、パスワードの前半は、「8869」の4桁目までとなる。そして、ステップS31では、入力パスワードバッファ330に格納された数字列が、このパスワードの前半と一致するか否かを判断する。
【0127】
ステップS31で“NO”であれば(たとえば入力パスワードバッファ330に格納される数字列が、上述した「8869」でなければ)、ステップS43に進む。一方、ステップS31で“YES”であれば(たとえば入力パスワードバッファ330に格納される数字列が「8869」であれば)、ステップS33で残りのパスワードに対応する入力枠64を新たに表示する。たとえば、4つの入力枠64が表示されているため、入力されていない残りのパスワードの桁は2桁となる。そのため、ステップS33の処理が実行されると、図2(D)に示すように、4つの入力枠64a−64dに加えて、新たに2つの入力枠64dおよび入力枠64fが表示される。なお、他の実施例では、残りの2文字分の入力枠64eおよび入力枠64fに代えて、複数の文字が入力可能な1つの大きな入力枠64が表示されてもよい。つまり、他の実施例では、残りのパスワードの桁数も明確にしないようにする。なお、ステップS33の処理を実行するプロセッサ24は、表示制御部として機能する。
【0128】
続いて、ステップS35では、ステップS15と同様に、入力パスワードがパスワードと一致するか否かを判断する。ステップS35で“NO”であれば、つまり残りのパスワードが入力されても、入力パスワードバッファ330に格納される数字列が、パスワードと一致しなければ、ステップS37−S41の処理を実行する。なお、ステップS37−S41の処理は、ステップS17−S21の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、ステップS35の処理を実行するプロセッサ24は、第1判断部として機能する。
【0129】
ステップS37ではエラー処理を実行し、ステップS39ではエラーカウンタ356をインクリメントする。またステップS41では所定回数以上の入力エラーか否かを判断する。ステップS41で“NO”であれば、つまり入力エラーの回数が所定回数未満であれば、ステップS35に戻る。一方、ステップS49で“YES”であれば、つまり入力エラーの回数が所定回数以上であれば、ステップS51でダミー動作処理を実行する。つまり、パスワードの前半が一致した状態で、入力エラーを所定回数以上繰り返すと、ダミー動作モードが設定される。
【0130】
なお、ダミー動作処理については、図13および図14に示すフロー図を用いて後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。また、ステップS51の処理を実行するプロセッサ24は、疑似動作部として機能する。
【0131】
また、ステップS35で“YES”であれば、つまりパスワードが一致すればステップS3に進み、通常画面を表示する。つまり、セキュリティモードと同様に、正しいパスワードが入力されれば、ロック状態が解除される。
【0132】
また、入力パスワードがパスワードの前半に一致しなければ、プロセッサ24は、ステップS43でダミーパスワードと一致するか否かを判断する。たとえば、ステップS43では、入力パスワードバッファ330に格納される数字列が、ダミーパスワードである「1234」と一致するか否かを判断する。ステップS43で“NO”であれば、つまり入力パスワードがパスワードおよびダミーパスワードの何れにも一致しなければ、ステップS45−S49の処理を実行する。なお、ステップS45−S49の処理は、ステップS17−S21の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、ステップS43の処理を実行するプロセッサ24は、第2判断部として機能する。
【0133】
ステップS45ではエラー処理を実行し、ステップS47ではエラーカウンタ356をインクリメントする。またステップS49では所定回数以上の入力エラーか否かを判断する。ステップS49で“NO”であれば、つまり入力エラーの回数が所定回数未満であれば、ステップS25に戻る。一方、ステップS49で“YES”であれば、つまり入力エラーの回数が所定回数以上であれば、初期画面表示処理を終了する。
【0134】
また、ステップS43で“YES”であれば、たとえば入力パスワードバッファ330に格納される数字列が、ダミーパスワードの数字列である「1234」と一致すれば、ステップS51で、ダミー動作処理を実行して、この処理が終了すれば初期画面表示処理を終了する。
【0135】
以下、図13および図14を参照して、ダミー動作処理のフロー図について説明する。プロセッサ24は、入力パスワードがダミーパスワードと一致すれば、ステップS61でダミーフラグ354をオンにする。つまり、ダミー動作処理が実行されることは、ダミー動作モードが設定されることと同義であるため、ダミーフラグ354をオンにする。なお、このダミーフラグ354のオン/オフ状態は、後述する音声着信処理およびメール着信処理で利用される。続いて、ステップS63では、デフォルト画面を表示する。たとえば、ステップS63では、デフォルト画像データ340を読み出し、図3(A)のダミー状態のように壁紙画像を表示する。なお、このとき再ロックアイコン68も表示する。
【0136】
続いて、ステップS65では、発信操作がされたか否かを判断する。たとえば、「0」〜「9」キーが操作されて電話番号が入力された後に、通話キーが操作されたか否かを判断する。ステップS65で“NO”であれば、つまり上記したような発信操作がされていなければ、ステップS71に進む。一方、ステップS65で“YES”であれば、つまり発信操作がされれば、ステップS67で発信不能画面を表示する。たとえば、ステップS67では、ダミーモード表示データ338を読み出し、図3(B)に示すダミー状態の画面をディスプレイ30に表示する。つまり、ステップS67の処理が実行されると、携帯電話機10は、第三者に対して、音声発信ができないことを通知する。なお、ステップS67の処理を実行するプロセッサ24は、発信不能通知部として機能する。
【0137】
続いて、ステップS69では、無操作カウンタ358がリセットされ、ステップS63に戻る。つまり、発信操作がされたため、無操作カウンタ358がリセットされる。なお、この無操作カウンタ358を利用する処理(ステップS95)については、後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0138】
また、発信操作がされていなければ、ステップS71でメール機能実行操作か否かを判断する。たとえば、キー入力装置26に含まれる、メール機能実行キーが操作されたか否かを判断する。ステップS71で“NO”であれば、たとえば上記のメール機能実行操作がされていなければ、ステップS75に進む。一方、ステップS71で“YES”であれば、つまりメール機能実行操作がされれば、ステップS73で疑似メール機能処理を実行し、ステップS69に進む。なお、ステップS73の疑似メール機能処理については、図15に示すフロー図を用いて後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0139】
また、メール機能実行操作がされていなければ、ステップS75でアドレス帳操作か否かを判断する。たとえば、キー入力装置26に含まれる、アドレス表示キーが操作されたか否かを判断する。ステップS75で“NO”であれば、つまりアドレス帳操作がされていなければ、ステップS81に進む。
【0140】
一方、ステップS75で“YES”であれば、つまりアドレス帳操作がされれば、ステップS77でダミーアドレスを作成する。たとえば、アドレス帳データ342を読み出し、図4(B)に示すような、ダミーアドレス帳データを作成する。なお、作成されたダミーアドレスは、ダミー動作バッファ332に格納される。続いて、ステップS79では、ダミーアドレスの表示処理を実行し、ステップS69に進む。つまり、ダミー動作バッファ332に格納されるダミーアドレス帳データを読み出し、図3(F)のダミー状態のように、ダミーアドレスをディスプレイ30に表示する。なお、ステップS79の処理を実行するプロセッサ24は、疑似データ表示部として機能する。
【0141】
また、アドレス帳操作がされていなければ、ステップS81でカメラ操作か否かを判断する。たとえば、ステップS81では、キー入力装置26に対して、カメラ機能を実行させるキー操作が行われたか否かを判断する。ステップS81で“NO”であれば、つまり上記のキー操作がされていなければ、図14に示すステップS85に進む。一方、ステップS81で“YES”であれば、つまりカメラ操作がされていれば、ステップS83で疑似カメラ機能処理を実行し、処理が終了すればステップS69に進む。なお、この疑似カメラ機能処理については、図16に示すフロー図を用いて後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0142】
また、カメラ操作がされていなければ、図14に示すステップS85で、通信機能実行操作がされたか否かを判断する。たとえば、キー入力装置26に対して、通信機能を実行させるキー操作がされたか否かを判断する。ステップS85で“NO”であれば、つまり通信機能を実行させる操作がされなければ、ステップ89に進む。一方、ステップS85で“YES”であれば、つまり通信機能を実行する操作がされれば、ステップS87で通信不能画面を表示し、続けてステップS69に進む。たとえば、ステップS87では、ダミーモード表示データ338を読み出し、図3(D)のダミー状態のように、ネットワークとの通信が確立できないことを通知する。なお、ステップS87の処理を実行するプロセッサ24は、通信不能通知部として機能する。
【0143】
また、通信機能を実行する操作がされていなければ、ステップS89で履歴表示操作がされたか否かを判断する。たとえば、キー入力装置26に含まれる音声着信の履歴表示キーが操作されたか否かを判断する。ステップS89で“NO”であれば、たとえば上記の履歴表示操作がされなければ、ステップS93に進む。一方、ステップS89で“YES”であれば、つまり履歴表示操作がされれば、ステップS91で疑似履歴画面を表示し、ステップS69に進む。たとえば、ステップS91では、ダミーモード表示データ338を読み出し、図5(A)に示すダミー状態のように音声着信の履歴をディスプレイ30に表示する。なお、音声発信の履歴表示操作がされた場合には、音声発信の履歴をディスプレイ30に表示する。また、ステップS91の処理を実行するプロセッサ24は、疑似データ表示部として機能する。
【0144】
また、デフォルト画面が表示された後に、キー入力装置26に対してキー操作がされなければ、ステップS93で無操作カウンタ358をインクリメントする。つまり、キー操作がされていない無操作時間を計測するために、無操作カウンタ358をインクリメントする。続いて、ステップS95では、所定時間が経過したか否かを判断する。たとえば、所定時間が60秒であれば、無操作カウンタ358の値が60秒に相当する値であるか否かを判断する。ステップS95で“NO”であれば、つまり無操作時間が所定時間を経過していなければ、ステップS63に戻る。一方、ステップS95で“YES”であれば、つまりつまりキー入力装置26に対してキー操作がされないまま、所定時間が経過すれば、ステップS97に進む。たとえば、ステップS63,S65,S71,S75,S81,S85,S89,S93およびS95の処理を繰り返す時間が約100m秒である場合、無操作カウンタ358の値が600以上になれば、プロセッサ24は、ステップS95で“YES”と判断する。
【0145】
続いて、ステップS97では、ダミーフラグ354をオフし、ダミー動作処理を終了する。つまり、ステップS97の処理が終了すると、ダミー動作処理も終了するため、ダミーフラグ354をオフにする。なお、ダミー動作処理を終了した後は、初期画面表示処理に戻る。
【0146】
図15は、図13のステップS73で実行される疑似メール機能処理のフロー図である。たとえばプロセッサ24によってステップS73の処理が実行されると、ステップS111でメール機能画面を表示する。たとえば、通常のメール機能が実行された状態と同じように、新規作成メニュー、受信メール表示メニューなどの複数のメニューを含むメール機能画面をディスプレイ30に表示する。続いて、ステップS113では、メール表示操作か否かを判断する。たとえば、受信メールの表示メニューを選択する操作が行われたか否かを判断する。ステップS113では、メール表示操作がされなければ、ステップS117に進む。一方、ステップS113で“YES”であれば、たとえば受信メールの表示操作がされれば、ステップS115で疑似メール画面を表示し、ステップS113に戻る。たとえば、ステップS115では、ダミーモード表示データ338を読み出し、図5(B)のダミー状態のように、「メールはありません」の文字列を含む疑似メール画面を表示する。なお、疑似メール画面は、送信メールの表示操作がされた場合に表示されてもよい。
【0147】
また、メール表示操作がされていなければ、ステップS117でメール作成操作がされたか否かを判断する。たとえば、新規メールの作成メニューを選択する操作がされたか否かを判断する。ステップS117で“NO”であれば、つまりメール作成操作がされていなければ、ステップS125に進む。一方、ステップS117で“YES”であれば、つまりメール作成操作がされれば、ステップS119でメール作成処理を実行する。たとえば、ステップS119では、宛先を設定する処理や、新規メールの題名や本文を作成する処理がサブルーチンとして実行される。続いて、ステップS121では、送信操作か否かを判断する。たとえば、ディスプレイ30に表示されるGUIに対して、メールの送信操作がされたか否かを判断する。ステップS121で“NO”であれば、つまりメールの送信操作がされなければ、送信操作が行われるまでステップS121の処理を繰り返し実行する。一方、ステップS121で“YES”であれば、つまり送信操作がされれば、ステップS123で送信不能画面を表示する。たとえば、ステップS123では、ダミーモード表示データ338を読み出し、図3(C)のダミー状態のように、新規メールを送信できないことを第三者に対して通知する。なお、ステップS123の処理を実行するプロセッサ24は、発信不能通知部として機能する。
【0148】
また、メール表示操作およびメール作成操作が行われなければ、ステップS125で終了操作がされたか否かを判断する。たとえば、キー入力装置26に含まれる終了キー(または、終話キーとも呼ばれる)が操作されたか否かを判断する。ステップS125で“NO”であれば、つまり終了操作がされていなければ、ステップS113に戻る。一方、ステップS125で“YES”であれば、つまり終了操作がされていれば、疑似メール機能処理を終了し、ダミー動作処理に戻る。
【0149】
なお、他の実施例では、疑似メール機能処理において、新規メールの保存操作や、作成中断操作など、さらに多くの操作を受け付けるようにしてもよい。また、新規メールが送信されず、保存操作がされた場合には、保存できないことを通知してもよいし、ダミー動作バッファ332に一時的に記憶するだけで、正しく保存されないようにしてもよい。
【0150】
図16は、図13のステップS83で実行される疑似カメラ機能処理のフロー図である。たとえば、プロセッサ24によってステップS73の処理が実行されると、ステップS141でカメラ機能を実行する。つまり、カメラ制御回路36に命令を発行しスルー画像を生成させる。続いて、ステップS143では、スルー画像を表示する。つまり、スルー画像バッファ334に格納されるスルー画像を読み出し、ディスプレイ30に表示する。
【0151】
続いて、ステップS145では、撮影操作がされたか否かを判断する。たとえば、ステップS145では、キー入力装置26に対して、本撮影処理を実行させるためのキー操作がされたか否かを判断する。ステップS145で“YES”であれば、つまり撮影処理がされれば、ステップS147で撮影不可能画面を表示し、ステップS143に戻る。たとえば、ステップS147では、ダミーモード表示データ338を読み出し、図3(E)のダミー状態のように、画像ファイルが保存できないことを第三者に通知する。なお、ステップS147の処理を実行するプロセッサ24は、記憶不能通知部として機能する。
【0152】
また、ステップS145で“NO”であれば、つまり撮影操作がされていなければ、ステップS149で、終了操作か否かを判断する。たとえば、キー入力装置26に対してカメラ機能を終了させる操作がされたか否かを判断する。ステップS149で“NO”であれば、つまり終了操作がされていなければ、ステップS145に戻る。一方、ステップS149で“YES”であれば、つまり終了操作がされていれば、疑似カメラ機能処理を終了して、ダミー動作処理に戻る。
【0153】
図17は、音声着信処理のフロー図である。プロセッサ24は、たとえば携帯電話機10の電源がオンにされると、ステップS161で音声発信信号を受信したか否かを判断する。つまり、通話相手からの音声発信信号がアンテナ12によって捉えられ、無線通信回路14から着信が通知されたか否かを判断する。ステップS161で“NO”であれば、つまり音声発信信号が受信されなければ、受信されるまでステップS161の処理が一定時間毎に繰り返し実行される。一方、ステップS161で“YES”であれば、つまり音声発信信号が受信されれば、ステップS163でダミーフラグ354がオンであるか否かを判断する。つまりダミー動作モードが設定さているか否かを判断する。ステップS163で“NO”であれば、つまりダミーフラグ354がオフであり、ダミー動作モードが設定されていなければ、ステップS169に進む。
【0154】
一方、ステップS163で“YES”であれば、つまりダミーフラグ354がオンであり、ダミー動作モードが設定されていれば、ステップS165で留守応答処理が実行される。つまり、第三者が音声着信に応答できないようにするため、留守応答処理が実行される。また、ダミー状態で留守応答処理が実行されると、ディスプレイ30には発信元情報が表示されず、留守応答の処理画面も表示されない。これにより、ダミー状態で音声着信があったとしても、第三者がその音声着信に気づくことはない。なお、ステップS165の処理を実行するプロセッサ24は、実行部または留守応答実行部として機能する。
【0155】
続いて、ステップS167では、時刻および発信元情報を記録し、ステップS161に戻る。つまり、ステップS167では、着信の履歴情報としてRAM30に時刻および発信元情報を記録する。
【0156】
なお、携帯電話機10にダミー動作モードが設定されていなければ、ステップS169で音声着信状態処理を実行する。この音声着信状態処理が実行されると、使用者が通常報知として設定している報知(たとえば着信音)が出力される。続いて、ステップS171では、音声発信信号が途絶したか否かを判断する。たとえば、通話可能状態が確立されることで、音声発信信号が途絶したか否かを判断する。ステップS171で“NO”であれば、つまりアンテナ12が音声発信信号を受信していれば、ステップS171の処理を繰り返し実行する。一方、ステップS171で“YES”であれば、つまりアンテナ12によって音声発信信号が受信されなければ、ステップS173で音声着信状態処理を終了し、ステップS161に戻る。たとえば、ステップS173では、着信音の出力が停止される。
【0157】
図18は、メール着信処理のフロー図である。たとえば、プロセッサ24は、携帯電話機10の電源がオンにされると、ステップS191で、新着メール通知を受信したか否かを判断する。つまり、ステップS191では、図示しないメールサーバからの新着メール通知を、アンテナ12が受信したか否かを判断する。ステップS191で“NO”であれば、つまり新着メール通知を受信してなければ、ステップS191の処理を、一定時間毎に繰り返し実行する。一方、ステップS191で“YES”であれば、つまり新着メール通知を受信すれば、ステップS193で、ステップS163と同様に、ダミーフラグ354がオンであるか否かを判断する。ステップS193で“YES”であれば、つまりダミーフラグ354がオンであり、ダミー動作モードが設定されていれば、ステップS195で新着メール受信保留処理を実行し、ステップS191に戻る。たとえば、受信保留処理では、メール機能によって、新着メール受信要求がされないように処理する。さらに、受信保留処理では、新着メール通知を受け取ったことを、外部に知らせる処理(たとえば、ディスプレイ30の電源をオンにする処理など)が実行されないようにする。
【0158】
これにより、ダミー状態で新着メールの通知があったとしても、第三者に気づかれることはない。なお、ステップS195の処理を実行するプロセッサ24は、実行部または保留実行部として機能する。
【0159】
また、ステップS193で“NO”であれば、つまりダミーフラグ354がオフであり、ダミー動作モードが設定されていなければ、ステップS197でメールサーバから新着メールを受信し、ステップS199で新着メール受信処理を実行する。そして、ステップS199の処理が終了すれば、ステップS191に戻る。つまり、メールサーバから新着メールのデータを受信すれば、使用者が通常報知として設定している報知、たとえば着信音が出力される。
【0160】
図19はセキュリティ設定処理のフロー図である。たとえば、プロセッサ24は、セキュリティ機能の設定を変更する操作が行われると、ステップS211で設定画面を表示する。たとえば、図6に示すように、モードを設定するためのキーを含む設定画面がディスプレイ30に表示される。続いて、ステップS213では、セキュリティ機能が無効にされたか否かを判断する。たとえば、図6に示すオフキー70が操作されたか否かを判断する。ステップS213で“YES”であれば、つまりセキュリティ機能が無効にされると、セキュリティフラグ350をオフし、セキュリティ設定処理を終了する。つまり、設定画面でオフキー70が操作されると、セキュリティフラグ350がオフになり、セキュリティ機能が無効になる。
【0161】
また、ステップS213で“NO”であれば、たとえばオフキー70以外のキーが操作されれば、ステップS217でセキュリティフラグ350をオンにする。つまり、セキュリティモードキー72またはハイセキュリティモードキー74が操作されたことになるため、セキュリティ機能が有効にされる。
【0162】
続いて、ステップS219では、ハイセキュリティモードか否かを判断する。つまり、図6に示すハイセキュリティモードキー74が操作されたか否かを判断する。ステップS219で“YES”であれば、つまりハイセキュリティモードキー74が操作されれば、ステップS221でハイセキュリティフラグ352をオンにし、セキュリティ設定処理を終了する。つまり、設定画面でハイセキュリティモードキー74が操作されると、ハイセキュリティモードが設定されるため、ハイセキュリティフラグ352がオンになる。
【0163】
一方、ステップS219で“NO”であれば、つまりハイセキュリティキー74が操作されていなければ、セキュリティキー72が操作されたことになるため、ステップS223でハイセキュリティフラグ352をオフにする。つまり、設定画面でセキュリティモードキー72が操作されると、セキュリティモードが設定されるため、セキュリティフラグ352がオフになる。このように、携帯電話機10の使用者は、セキュリティ機能の有効/無効およびモードを任意に設定する事ができる。
【0164】
なお、ステップS215およびステップS223の処理を実行するプロセッサ24は、変更部として機能する。
【0165】
以上の説明から分かるように、携帯電話機10は、任意のパスワードを入力するためのキー入力装置26を備える。また、記憶部34には、6文字のパスワードおよび4文字のダミーパスワードが記憶される。さらに、パスワードの入力画面において、初期状態ではダミーパスワードの文字数と同じ4つの入力枠64a−64dが表示される。ここで、4文字分のパスワードが入力され、正規のパスワードの4桁目まで一致していれば、残りの2文字分の入力枠64e,64fが表示される。そして、新たに入力されたパスワードも一致すれば、通常画面が表示される。一方、4文字分の入力パスワードが、ダミーパスワードと一致していれば、ダミー動作モードが設定される。
【0166】
本実施例によれば、パスワードの入力画面には、正しいパスワードとは異なる桁数の入力枠が表示されるため、第三者による、パスワードの推測を防止できる。
【0167】
また、ダミーパスワードの桁数に応じた入力枠64を表示することで、悪意を持つ第三者を、正規のパスワードの桁数とは異なるダミーパスワードの入力に誘導する事ができる。(2−1)
さらに、ダミー状態の携帯電話機10は、第三者に対して、正常に動作しているかのように感じさせることができる。
【0168】
なお、キー入力装置26に含まれるキーがQWERTY配列であれば、パスワードおよびダミーパスワードは、数字だけに限らず、アルファベットや記号なども組み合わせて設定されてもよい。また、入力部としては、キー入力装置26だけに限らず、タッチパネルなどの他の入力装置とGUIとの組み合わせであってもよい。
【0169】
また、ダミー動作モードで、音声発信がされた場合には、指定された宛先に係わらず、特定の相手(事業主のサポートセンター)との通話状態が確立されるようにされてもよい。また、メール発信場合には、上記の特定の相手に対して、メールが送付されてもよい。
【0170】
また、セキュリティ機能の有効/無効およびモードは、W63SA 取扱説明書(P.292-P294)に開示されているように、遠隔地にある他の端末からの特定操作に応じて変更されてもよい。
【0171】
また、携帯電話機10の通信方式には、LTE(Long Term Evolution)方式、CDMA方式に限らず、W-CDMA方式、GSM方式、TDMA方式、FDMA方式およびPHS方式などを採用してもよい。さらに、ディスプレイ30にはLCDモニタが利用されるが、有機ELパネルなどの他の表示装置が利用されてもよい。
【0172】
そして、本願発明は、携帯電話機10のみに限らず、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)およびノート型PC(ネットブックなども含む)などの電子機器などに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0173】
10 … 携帯電話機
12 … アンテナ
14 … 無線通信回路
24 … プロセッサ
26 … キー入力装置
30 … ディスプレイ
34 … RAM
44 … メモリカード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パスワードが入力される入力部を有し、第1字数の第1パスワードを利用可能な携帯電話機であって、
前記第1字数より少ない第2字数分の入力枠を含む、パスワードの入力画面を表示する表示部、
前記入力画面が表示され、前記入力部に入力された前記第2字数のパスワードが前記第1パスワードの第2字数桁目まで一致するとき、前記第1字数と前記第2字数との差に基づく残りのパスワードを入力可能にする表示制御部、
前記入力部に入力されたパスワードが前記第1パスワードと一致するかを判断する第1判断部、および
前記第1判断部によって、前記第1パスワードと前記入力部に入力されたパスワードとが一致すると判断されたとき、通常画面を表示させる通常画面表示部を備える、携帯電話機。
【請求項2】
前記第2字数の第2パスワードを記憶する記憶部、
前記入力画面が表示されているとき、前記入力部に入力されたパスワードが前記第2パスワードと一致するかを判断する第2判断部、および
前記第2判断部によって、前記入力部に入力されたパスワードと前記第2パスワードとが一致すると判断されたとき、前記携帯電話機を疑似的に動作させる疑似動作部をさらに備える、請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記疑似動作部は、発信操作がされたとき、発信不能であることを通知する発信不能通知部を含む、請求項2記載の携帯電話機。
【請求項4】
前記疑似動作部は、ネットワークとの通信操作がされたとき、ネットワークとの通信が不可能であることを通知する通信不能通知部をさらに含む、請求項2または3記載の携帯電話機。
【請求項5】
前記記憶部は、個人データをさらに記憶し、
前記疑似動作部は、前記個人データの表示操作が行われたとき、疑似データを表示する疑似データ表示部をさらに含む、請求項2ないし4のいずれかに記載の携帯電話機。
【請求項6】
前記疑似動作部は、前記記憶部に新たなデータを記憶させる操作がされたとき、前記新たなデータが記憶できないことを通知する記憶不能通知部をさらに含む、請求項2ないし5のいずれかに記載の携帯電話機。
【請求項7】
着信が有るとき、前記携帯電話機が疑似的に動作している場合、その着信を外部に通知させない処理を実行する実行部をさらに備える、請求項2ないし6のいずれかに記載の携帯電話機。
【請求項8】
前記着信には、音声着信が含まれ、
前記実行部は、音声着信が有るとき、留守応答処理を実行する留守応答実行部を含む、請求項7記載の携帯電話機。
【請求項9】
前記着信には、メール着信が含まれ、
前記実行部は、メール着信が有るとき、新着メールの受信を保留する処理を実行する保留実行部をさらに含む、請求項7または8記載の携帯電話機。
【請求項10】
前記携帯電話機が疑似的に動作しないようにセキュリティ状態を変更する変更部をさらに備える、請求項2ないし9のいずれかに記載の携帯電話機。
【請求項11】
パスワードが入力される入力部を有し、第1字数の第1パスワードを利用可能な携帯電話機のプロセッサを、
前記第1字数より少ない第2字数分の入力枠を含む、パスワードの入力画面を表示する表示部、
前記入力画面が表示され、前記入力部に入力された前記第2字数のパスワードが前記第1パスワードの第2字数桁目まで一致するとき、前記第1字数と前記第2字数との差に基づく残りのパスワードを入力可能にする表示制御部、
前記入力部に入力されたパスワードが前記第1パスワードと一致するかを判断する判断部、および
前記判断部によって、前記第1パスワードと前記入力部に入力されたパスワードとが一致すると判断されたとき、通常画面を表示させる通常画面表示部として機能させる、セキュリティプログラム。
【請求項12】
パスワードが入力される入力部を有し、第1字数の第1パスワードを利用可能な携帯電話機のセキュリティ方法であって、
前記第1字数より少ない第2字数分の入力枠を含む、パスワードの入力画面を表示し、
前記入力画面が表示され、前記入力部に入力された前記第2字数のパスワードが前記第1パスワードの第2字数桁目まで一致するとき、前記第1字数と前記第2字数との差に基づく残りのパスワードを入力可能にし、
前記入力部に入力されたパスワードが前記第1パスワードと一致するかを判断し、そして
前記第1パスワードと前記入力部に入力されたパスワードとが一致すると判断されたとき、通常画面を表示させる、セキュリティ方法。
【請求項1】
パスワードが入力される入力部を有し、第1字数の第1パスワードを利用可能な携帯電話機であって、
前記第1字数より少ない第2字数分の入力枠を含む、パスワードの入力画面を表示する表示部、
前記入力画面が表示され、前記入力部に入力された前記第2字数のパスワードが前記第1パスワードの第2字数桁目まで一致するとき、前記第1字数と前記第2字数との差に基づく残りのパスワードを入力可能にする表示制御部、
前記入力部に入力されたパスワードが前記第1パスワードと一致するかを判断する第1判断部、および
前記第1判断部によって、前記第1パスワードと前記入力部に入力されたパスワードとが一致すると判断されたとき、通常画面を表示させる通常画面表示部を備える、携帯電話機。
【請求項2】
前記第2字数の第2パスワードを記憶する記憶部、
前記入力画面が表示されているとき、前記入力部に入力されたパスワードが前記第2パスワードと一致するかを判断する第2判断部、および
前記第2判断部によって、前記入力部に入力されたパスワードと前記第2パスワードとが一致すると判断されたとき、前記携帯電話機を疑似的に動作させる疑似動作部をさらに備える、請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記疑似動作部は、発信操作がされたとき、発信不能であることを通知する発信不能通知部を含む、請求項2記載の携帯電話機。
【請求項4】
前記疑似動作部は、ネットワークとの通信操作がされたとき、ネットワークとの通信が不可能であることを通知する通信不能通知部をさらに含む、請求項2または3記載の携帯電話機。
【請求項5】
前記記憶部は、個人データをさらに記憶し、
前記疑似動作部は、前記個人データの表示操作が行われたとき、疑似データを表示する疑似データ表示部をさらに含む、請求項2ないし4のいずれかに記載の携帯電話機。
【請求項6】
前記疑似動作部は、前記記憶部に新たなデータを記憶させる操作がされたとき、前記新たなデータが記憶できないことを通知する記憶不能通知部をさらに含む、請求項2ないし5のいずれかに記載の携帯電話機。
【請求項7】
着信が有るとき、前記携帯電話機が疑似的に動作している場合、その着信を外部に通知させない処理を実行する実行部をさらに備える、請求項2ないし6のいずれかに記載の携帯電話機。
【請求項8】
前記着信には、音声着信が含まれ、
前記実行部は、音声着信が有るとき、留守応答処理を実行する留守応答実行部を含む、請求項7記載の携帯電話機。
【請求項9】
前記着信には、メール着信が含まれ、
前記実行部は、メール着信が有るとき、新着メールの受信を保留する処理を実行する保留実行部をさらに含む、請求項7または8記載の携帯電話機。
【請求項10】
前記携帯電話機が疑似的に動作しないようにセキュリティ状態を変更する変更部をさらに備える、請求項2ないし9のいずれかに記載の携帯電話機。
【請求項11】
パスワードが入力される入力部を有し、第1字数の第1パスワードを利用可能な携帯電話機のプロセッサを、
前記第1字数より少ない第2字数分の入力枠を含む、パスワードの入力画面を表示する表示部、
前記入力画面が表示され、前記入力部に入力された前記第2字数のパスワードが前記第1パスワードの第2字数桁目まで一致するとき、前記第1字数と前記第2字数との差に基づく残りのパスワードを入力可能にする表示制御部、
前記入力部に入力されたパスワードが前記第1パスワードと一致するかを判断する判断部、および
前記判断部によって、前記第1パスワードと前記入力部に入力されたパスワードとが一致すると判断されたとき、通常画面を表示させる通常画面表示部として機能させる、セキュリティプログラム。
【請求項12】
パスワードが入力される入力部を有し、第1字数の第1パスワードを利用可能な携帯電話機のセキュリティ方法であって、
前記第1字数より少ない第2字数分の入力枠を含む、パスワードの入力画面を表示し、
前記入力画面が表示され、前記入力部に入力された前記第2字数のパスワードが前記第1パスワードの第2字数桁目まで一致するとき、前記第1字数と前記第2字数との差に基づく残りのパスワードを入力可能にし、
前記入力部に入力されたパスワードが前記第1パスワードと一致するかを判断し、そして
前記第1パスワードと前記入力部に入力されたパスワードとが一致すると判断されたとき、通常画面を表示させる、セキュリティ方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−134149(P2011−134149A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293737(P2009−293737)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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