撮像装置、その制御方法及びプログラム
【課題】画像データを精度よく補正し、最終的に出力される画像データの画質を向上させる。
【解決手段】コントラスト分析解析部6は、撮像素子3より出力される画像データのコントラスト分布を解析する。切替部7、9、11は、その解析結果に基づいて、倍率色収差補正部10による倍率色収差の補正処理と、周辺光量落ち補正部8による周辺光量落ちの補正処理との処理順を切り替える。
【解決手段】コントラスト分析解析部6は、撮像素子3より出力される画像データのコントラスト分布を解析する。切替部7、9、11は、その解析結果に基づいて、倍率色収差補正部10による倍率色収差の補正処理と、周辺光量落ち補正部8による周辺光量落ちの補正処理との処理順を切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系に起因した画質の劣化を補正する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光学系に起因する色収差、歪曲収差、周辺光量落ち等の画質劣化を、撮像装置本体内の画像信号処理によって低減する撮像装置が提案されている。このような撮像装置では、色収差、歪曲収差、周辺光量落ち等の光学系に起因する画質劣化は、焦点距離、絞り、フォーカス位置(以下、光学パラメータと称す)と、光軸中心からの距離とに応じて変化する。そのため、予め補正特性をメモリに記憶しておき、光学パラメータの設定に応じて、メモリから補正特性を参照し、撮像装置内の信号処理で補正を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、光学系に起因する画質劣化を撮像装置内の信号処理で補正する場合、色収差、歪曲収差等に対しては、画像内の画素位置を補正する処理が行われ、周辺光量落ち等に対しては、画像の信号レベルを補正する処理が行われる。このとき、色収差、歪曲収差の補正処理によって、周辺光量落ちの補正特性が変化してしまい、予めデータベースに保持されている周辺光量落ち補正特性との誤差が大きくなる場合がある。従って、このような誤差による画質劣化を懸念して、信号レベルの補正を行った後、画素位置の補正を行うようにした撮像装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−225270号公報
【特許文献2】特開2002−190979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に開示される撮像装置では、周辺光量落ちの補正を行った後に、色収差、倍率色収差用の補正を行うよう、補正の順番が固定されているので、色収差、倍率色収差用の補正が、前段に行われる周辺光量落ち補正の影響を受けることになる。
【0006】
ここで、周辺光量落ちは平坦な被写体で目立ち、色収差、歪曲収差はコントラストの高いエッジを含む被写体で目立つ。そのため、例えば、コントラストの高いエッジを多く含み、平坦部の少ない画像では、画面内で倍率色収差による画質劣化が支配的となる。しかし、このような画像に対して、周辺光量落ち補正を行った後、倍率色収差用の補正を行うと、画像に発生している倍率色収差の特性が前段の周辺光量落ち補正によって変化してしまう。従って、データベースから読み出してきた倍率色収差の補正特性では適切に補正できなくなってしまうという課題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、画像データを精度よく補正し、最終的に出力される画像データの画質を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の撮像装置は、撮像手段と、前記撮像手段より出力される画像データのコントラスト分布を解析する解析手段と、前記画像データの倍率色収差を補正する第1の補正手段と、前記画像データの周辺光量落ちを補正する第2の補正手段と、前記解析手段による解析結果に基づいて、前記第1の補正手段による倍率色収差の補正処理と、前記第2の補正手段による周辺光量落ちの補正処理との処理順を切り替える切替手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像データを精度よく補正し、最終的に出力される画像データの画質を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】コントラスト分布解析部の構成及び動作について説明するための図ある。
【図3】切替制御信号決定部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】コントラストの高いフレームと低いフレームとを示す図である。
【図5】積分コントラストレベルと切替制御信号との関係を示す図である。
【図6】画像データに対して、周辺光量落ち補正処理、倍率色収差補正処理が行われ、映像信号出力端子から出力されるまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】切替制御信号と、倍率色収差補正処理、周辺光量落ち補正処理の処理順との関係を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図9】合焦判定結果と閾値C1、C2に対する抑圧係数Kとの関係を示す図である。
【図10】合焦時の積分コントラストレベルと切替制御信号との関係を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図12】動き検出結果と閾値C1、C2に対する抑圧係数との関係を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図14】加算読み出しモードの際の加算画素数と、閾値C1、C2に対する抑圧係数Kとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。図1において、1はレンズ、絞り等を含む光学系であり、光学系駆動部2によって駆動制御される。3は撮像素子であり、撮像素子駆動部4によって駆動制御される。5はA/D変換部であり、撮像素子3から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号(以下、画像データと称す)に変換する。6はコントラスト分布解析部であり、A/D変換部5から出力される画像データのコントラスト分布を解析する。8は、光学系1の光学特性に起因して発生する周辺光量落ちを補正する周辺光量落ち補正部である。10は、光学系1の光学特性に起因して発生する倍率色収差を補正する倍率色収差補正部である。13は、光学系1の光学特性を保持する光学特性データベースである。周辺光量落ち補正部8、倍率色収差補正部10での補正処理についてはそれぞれ、光学特性データベース13に保持された光学特性に基づいて補正特性が決定される。なお、倍率色収差補正部10は、第1の補正手段の適用例となる構成であり、周辺光量落ち補正部8は、第2の補正手段の適用例となる構成である。
【0013】
切替部7は、周辺光量落ち補正部8に入力される画像データを切替える機能を有し、システム制御部12からの制御に基づいて、A/D変換部5から出力される画像データ、又は、倍率色収差補正部10から出力される画像データの何れかを選択して出力する。切替部9は、倍率色収差補正部10に入力される画像データを切替える機能を有し、システム制御部12からの制御に基づいて、A/D変換部5から出力される画像データ、又は、周辺光量落ち補正部8から出力される画像データの何れかを選択して出力する。切替部11は、システム制御部12の制御に基づいて、倍率色収差補正部10から出力される画像データ、又は、周辺光量落ち補正部8から出力される画像データの何れかを選択して、映像信号出力端子14に出力する。
【0014】
次に、第1の実施形態に係る撮像装置における動作の概要について説明する。撮影が開始されると、システム制御部12から指示されるズーム、フォーカス、絞りの設定に基づいて、光学系駆動部2が動作し、光学系1の駆動制御が行われる。それと同時に、システム制御部12は、光学系1の光学設定(ズーム、絞り、フォーカス等の設定値)に基づいて、光学特性データベース13を探索する。そして、システム制御部12は、光学設定に応じた周辺光量落ち、倍率色収差の補正特性を、周辺光量落ち補正部8、倍率色収差補正部10にそれぞれ転送する。光学系1を介して撮像素子3に結像された被写体像は、撮像素子駆動部4での駆動制御によって撮像素子3から読み出され、A/D変換部5によってデジタル画像信号に変換される。A/D変換部5から出力されるデジタル画像信号である画像データは、コントラスト分布解析部6、切替部7、切替部9にそれぞれ入力される。
【0015】
コントラスト分布解析部6は、A/D変換部5から出力される1フレーム分の画像データのコントラスト分布を解析し、解析結果をシステム制御部12に出力する。システム制御部12では、コントラスト分布解析部6におけるコントラスト分布の解析結果に基づき、切替部7、切替部9、切替部11に対して切替制御信号を出力する。
【0016】
ここで、本実施形態に係る撮像装置は、入力される画像データのコントラスト分布に応じて、周辺光量落ち補正処理と倍率色収差補正処理との処理順を切り替える。即ち、入力される画像データのコントラスト分布に応じて、A/D変換部5から出力される画像データに対して周辺光量落ち補正処理を行った後、倍率色収差補正処理を行う場合と、A/D変換部5から出力される画像データに対して倍率色収差補正処理を行った後、周辺光量落ち補正処理を行う場合とがある。このような処理順の制御は、切替部7、切替部9、切替部11の制御によって実現している。
【0017】
周辺光量落ち補正部8は、システム制御部12から出力される補正特性を参照し、切替部7から出力される画像データに対して周辺光量落ち補正処理を行う。倍率色収差補正部10は、システム制御部12から出力される補正特性を参照し、切替部9から出力される画像データに対して倍率色収差補正処理を行う。
【0018】
切替部11は、システム制御部12から出力される切替制御信号に基づいて、A/D変換部5から出力される画像データに対して周辺光量落ち補正処理を行った後、倍率色収差補正処理を行うことにより得られた画像データか、A/D変換部5から出力される画像データに対して倍率色収差補正処理を行った後、周辺光量落ち補正を行うことにより得られた画像データかを選択して、映像信号出力端子14に出力する。
【0019】
以上により、1フレーム分の画像データの生成が終了する。上記一連の処理を、撮影期間中、フレーム毎に行うことで、光学系の特性に起因した画質劣化(倍率色収差、周辺光量落ち)が補正された画像データを出力することができる。
【0020】
次に、コントラスト分布解析部6の構成及び動作について、図2を参照しながら詳細に説明する。図2において、61はコントラスト検出フィルタ、62は解析領域判定部、63は積分部、64は記憶部、65は切替制御信号決定部である。
【0021】
コントラスト検出フィルタ61は、A/D変換部5から出力される画像データに対して、画素毎にコントラストレベルを検出するためのフィルタ処理を行う。コントラストレベルを検出するためのフィルタ処理としては、例えばsobelフィルタ等が用いられるが、別の方法でもよい。
【0022】
解析領域判定部62は、システム制御部12から出力される、着目画素の像高と、像高に対する閾値とを参照して、着目画素が解析対象の像高範囲に含まれる画素か否かを判定する。なお、着目画素の像高は、システム制御部12において、着目画素の水平、垂直の画素アドレスを用いて計算されるものとする。
【0023】
積分部63は、解析領域判定部62から出力される判定結果に基づき、フレーム内の所定の像高領域に含まれる画素について、コントラスト検出フィルタ61から出力される、画素毎のコントラストレベルを積分し、積分結果(積分コントラストレベル)を記憶部64に格納する。また、記憶部64は、後述する切替制御信号決定部65で決定された、1フレーム前の画像データに対する切替制御信号も格納されている。
【0024】
切替制御信号決定部65は、記憶部64に格納された、現フレームの画像データの積分コントラストレベルと、1フレーム前の画像データに対する切替制御信号と、システム制御部12から出力される閾値C1(第1の基準)、C2(第2の基準)とを用いて、現フレームの画像データに対する切替制御信号を生成する。なお、閾値C1、C2は、現フレームの積分コントラストレベルを判定するために用いられるものである。光学系1の倍率色収差及び周辺光量落ちの特性を考慮して予め算出された閾値C1、C2が、システム制御部12内の図示しないRAMに保持されているものとする。
【0025】
図3は、切替制御信号決定部65の処理の流れを示すフローチャートである。ステップS200において、切替制御信号決定部65は、現フレームの画像データの積分コントラストレベルを閾値C1と比較する。現フレームの画像データの積分コントラストレベルが閾値C1よりも小さい場合、処理はステップS201に移行する。一方、現フレームの画像データの積分コントラストレベルが閾値C1以上である場合、処理はステップS202に移行する。
【0026】
ステップS201において、切替制御信号決定部65は、切替制御信号をLレベルに設定する。ステップS202において、切替制御信号決定部65は、現フレームの画像データの積分コントラストレベルが閾値C2以上であるか否かを判定する。現フレームの画像データの積分コントラストレベルが閾値C2以上である場合、処理はステップS203に移行する。一方、現フレームの積分コントラストレベルが閾値C2より小さい場合、処理はステップS204に移行する。
【0027】
ステップS203において、切替制御信号決定部65は、切替制御信号をHレベルに設定する。ステップS204において、切替制御信号決定部65は、記憶部64に記憶されている1フレーム前の画像データに対する切替制御信号を、現フレームの切替制御信号として選択する。
【0028】
ここで、切替制御信号としてLレベルが設定された場合、図4(a)に示すように、フレーム内の解析対象の領域において、コントラストの高い被写体があまり分布していないとみなすことができる。一方、切替制御信号としてHレベルが設定された場合、図4(b)に示すように、フレーム内の解析対象の領域において、コントラストの高い被写体が多く分布しているとみなすことができる。
【0029】
また、動画撮影中、ノイズや手ぶれ等によって、積分コントラストレベルが微小に変動した場合、切替部7、切替部9、切替部11における制御が敏感に反応してしまうと、同じようなシーンを撮影しているのに、周辺光量落ち補正処理と倍率色収差補正処理との処理順が毎フレーム切り替わってしまう可能性がある。このような状況を防ぐために、本実施形態に係る撮像装置は、現フレームの積分コントラストレベルが閾値C1と閾値C2との間Dで揺らいでいる場合、図5に示すように、1フレーム前の切替制御信号を維持するようにしている。以上のようにして決定された切替制御信号は、記憶部64に上書きされ、また、切替部7、切替部9、切替部11に出力される。
【0030】
次に、A/D変換部5から出力された画像データに対して、周辺光量落ち補正処理、倍率色収差補正処理が行われ、映像信号出力端子14から出力されるまでの処理の流れについて、図6及び図7を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
図6において、ステップS100において、システム制御部12は、内部の画素位置カウンタを初期化する。画素位置カウンタは、着目画素の画素位置を示すXYアドレスをカウントアップするものとし、1フレーム分の処理が終わる毎に開始画素位置のXYアドレスに対応した初期値にリセットされるものとする。
【0032】
ステップS101において、システム制御部12は着目画素のXYアドレスから像高を求め、解析領域判定部62は着目画素が所定の像高範囲に存在するか否かを判定する。着目画素が所定の像高範囲に存在する場合、処理はステップS102に移行する。一方、着目画素が所定の像高範囲外に存在する場合、処理はステップS104に移行する。ここで所定の像高範囲とは、倍率色収差、周辺光量落ちによる画質劣化が目立つと予測される像高範囲であり、光学系1の光学設定に応じて定まるものである。
【0033】
ステップS102において、コントラスト検出フィルタ61は、A/D変換部5から出力された画像データに対してコントラスト検出フィルタ処理を実行し、着目画素におけるコントラストレベルを検出する。ステップS103において、積分部63は、ステップS102で求めた着目画素のコントラストレベルを積分し、記憶部64に格納する。
【0034】
ステップS104において、システム制御部12は、画素位置カウンタの値を参照し、フレーム内の全ての画素について解析領域の判定とコントラストレベルの検出、積分とを実行したか否かを判定する。フレーム内の全ての画素について処理が終了した場合、処理はステップS106に移行する。一方、フレーム内の全ての画素について未だ処理が終了していない場合、処理はステップS105に移行する。
【0035】
ステップS105において、システム制御部12は、画素位置カウンタの値を1画素分インクリメントする。ステップS106において、切替制御信号決定部65は、現フレームの積分コントラストレベルと、1フレーム前の画像データに対応する切替制御信号とを記憶部64から読み出す。
【0036】
ステップS107において、切替制御信号決定部65は、現フレームの積分コントラストレベル、1フレーム前の切替制御信号、及び、閾値C1、C2を参照して、現フレームの画像データに対応する切替制御信号を決定する。
【0037】
ステップS108において、システム制御部12は、現フレームの切替制御信号を記憶部64に上書きする。ステップS109において、システム制御部12は、現フレームの切替制御信号を切替部7、切替部9、切替部11に出力する。
【0038】
ステップS110において、システム制御部12は、切替制御信号に基づいて、周辺光量落ち補正部8及び倍率色収差補正部10での補正処理が指定の処理順で行われるよう、切替部7、切替部9、切替部11を制御する。
【0039】
切替制御信号と、倍率色収差補正処理、周辺光量落ち補正処理の処理順との関係は、図7に示す表のようになる。切替制御信号がHレベルに設定されている場合、倍率色収差の目立つ高コントラストの被写体が補正対象の画像データに多く含まれていると推定される。そのため、システム制御部12は、A/D変換部5から出力される画像データに対して、倍率色収差補正処理を行った後、周辺光量落ち補正処理を行うよう、切替部7、切替部9、切替部11を制御する。即ち、切替部7は、倍率色収差補正部10から出力される画像データを選択し、切替部9は、A/D変換5から出力される画像データを選択し、切替部11は、周辺光量落ち補正部8から出力される画像データを選択するよう制御される。
【0040】
一方、切替制御信号がLレベルに設定されている場合には、周辺光量落ちの目立つ、低コントラストの被写体が補正対象の画像データに多く含まれていると推定される。そのため、システム制御部12は、A/D変換部5から出力される画像データに対して、周辺光量落ち補正処理を行った後、倍率色収差補正処理を行うよう、切替部7、切替部9、切替部11を制御する。即ち、切替部7は、A/D変換部5から出力される画像データを選択し、切替部9は、周辺光量落ち補正部8から出力される画像データを選択し、切替部11は、倍率色収差補正部10から出力される画像データを選択するよう制御される。
【0041】
以上のように、第1の実施形態においては、画像データのコントラスト分布を解析し、解析結果に応じて、周辺光量落ちと倍率色収差とのどちらの画質劣化が目立つかを推定し、画質劣化の目立つ方を先に補正するよう、補正処理の順序を制御している。本実施形態のように、複数種類の光学補正処理を順次行っていく撮像装置では、先に行った補正処理の影響で、次に行う補正処理の補正結果に誤差が生じてしまう。そのため、予め処理対象の画像データを解析して、画質劣化が目立つものを先に補正することにより、最終的な画像データの画質を向上させることができる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。第2の実施形態では、撮像装置が合焦判定部15を更に備え、合焦判定結果を考慮してコントラスト分布解析部6で切替制御信号を決定する点が第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施形態との差異についてのみ説明する。
【0043】
合焦判定部15は、A/D変換部5から出力される画像データから合焦判定のための評価値を生成し、デジタルビデオカメラ等で一般的に用いられているテレビAFを行う。合焦判定の方法については、外測センサを用いる等、テレビAF以外の方法で行っても構わない。合焦判定結果は多値で表現され、合焦判定結果の値が大きい程、合焦の度合いが高く、値が小さい程、合焦の度合いが低いことを示すものとする。
【0044】
合焦判定部15で判定された合焦判定結果はシステム制御部12に出力される。システム制御部12は、合焦判定結果に基づいて、光学系1のフォーカスレンズ位置の制御を光学系駆動部2に指示する。
【0045】
システム制御部12は、合焦判定結果に基づき、現フレームの積分コントラストレベルを判定するための閾値C1、C2の値を変更して、コントラスト分布解析部6に出力する。ここで、閾値C1、C2は、光学系1の倍率色収差及び周辺光量落ちの特性を考慮して予め算出された値であり、システム制御部12内の図示しないRAMに保持されているものとする。
【0046】
システム制御部12は、合焦判定結果を参照し、合焦している場合には、システム制御部12内の図示しないRAMに保持されている閾値C1、C2をそのままコントラスト分布解析部6に出力する。一方、合焦の度合いが低い場合、画像データのコントラストが全体的に低下する。そのため、システム制御部12は、現フレームの積分コントラストレベルを判定するための閾値C1、C2の値が合焦時よりも小さくなるよう、合焦判定結果に応じた抑圧係数KをC1、C2にそれぞれ乗じて、コントラスト分布解析部6に出力する。合焦判定結果と閾値C1、C2に対する抑圧係数Kとの関係は、図9に示すグラフのようになり、非合焦になり、画像データ全体のコントラストが低下する程、抑圧係数Kの値を小さくするようにしている。また、合焦時の積分コントラストレベルと切替制御信号との関係は、図10(a)に示すようになり、閾値C1、C2を基準に切替制御信号を切り替える。また、合焦度合いが低いときの積分コントラストレベルと切替制御信号との関係は、図10(b)に示すようになり、閾値K*C1、K*C2を基準に切替制御信号を切り替える。
【0047】
以上のように、第2の実施形態では、合焦状態に応じて、積分コントラストレベルを判定するための閾値の大きさを制御し、周辺光量落ち補正処理及び倍率色収差補正処理の処理順を制御するための切替制御信号を生成する。従って、合焦時に比べて、画像データ全体のコントラストが低くなる非合焦でも、倍率色収差が目立つようなシーンを撮影している場合には倍率色収差補正処理を先に行うことができ、補正後の画質を良好にすることができる。
【0048】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図11は、本発明の第3の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。第3の実施形態では、動き検出部16を備え、コントラスト分布解析部6が動き検出結果を考慮して切替制御信号を決定する点が第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施形態との差異についてのみ説明する。
【0049】
動き検出部16は、内部にフレームメモリを持ち、A/D変換部5から出力される画像データと、フレームメモリに保持された1フレーム前の画像データとの差分から動きベクトルを検出する。動き成分の検出方法としては、ジャイロ等の他の方法で行っても構わない。
【0050】
動き検出結果は多値で表現され、値が大きい程、フレーム全体の動きが大きく、値が小さい程、フレーム全体が静止していることを示すものとする。動き検出部16で検出された動き検出結果は、システム制御部12に出力される。
【0051】
システム制御部12は、動き検出結果に基づき、現フレームの積分コントラストレベルを判定するための閾値C1、C2の値を変更して、コントラスト分布解析部6に出力する。ここで、閾値C1、C2は、光学系1の倍率色収差及び周辺光量落ちの特性を考慮して予め算出された値であり、システム制御部12内の図示しないRAMに保持されているものとする。
【0052】
システム制御部12は、動き検出結果を参照し、撮影した画像データの動きが小さい場合、システム制御部12内の図示しないRAMに保持されている閾値C1、C2をそのままコントラスト分布解析部6に出力する。一方、動き検出が大きい場合、動きブレによって、画像データのコントラストが全体的に低下する。従って、システム制御部12は、現フレームの積分コントラストレベルを判定するための閾値C1、C2の値が動きブレの少ない場合よりも小さくなるよう、動き検出結果に応じた抑圧係数KをC1、C2にそれぞれ乗じて、コントラスト分布解析部6に出力する。
【0053】
動き検出結果と閾値C1、C2に対する抑圧係数との関係は、図12に示すグラフのようになり、動き量が大きくなり、非加算の場合に比べて画像データ全体のコントラストが低下する程、Kの値を小さくするようにしている。
【0054】
また、画像データの動きが小さい場合(静止時)の積分コントラストレベルと切替制御信号との関係は、図10(a)に示すようになり、画像データの動きが大きい場合の積分コントラストレベルと切替制御信号との関係は、図10(b)に示すようになる。
【0055】
以上のように、第3の実施形態では、動き検出結果に応じて、積分コントラストレベルを判定するための閾値の大きさを制御し、周辺光量落ち補正処理及び倍率色収差補正処理の処理順を制御するための切替制御信号を生成する。従って、動きブレによって、画像データ全体のコントラストが低くなる場合でも、倍率色収差が目立つようなシーンを撮影している場合には倍率色収差補正処理を先に行うことができ、補正後の画質を良好にすることができる。
【0056】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図13は、本発明の第4の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。第4の実施形態では、コントラスト分布解析部6において、システム制御部12で指定された撮像素子3の駆動モードを参照する点が第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施形態との差異についてのみ説明する。
【0057】
第4の実施形態において、撮像素子3の駆動モードは、撮像素子3から画素を非加算で読み出す非加算読み出しモードと、撮像素子3上で複数の画素を加算してから読み出す、加算読み出しモードとを備えている。撮像素子駆動部4は、システム制御部12で指定された駆動モードに基づいて、撮像素子3からアナログ画像信号を読み出すよう、撮像素子3の駆動制御を行う。また、システム制御部12は、撮像素子3の駆動モードに基づき、現フレームの積分コントラストレベルを判定するための閾値C1、C2の値を変更して、コントラスト分布解析部6に出力する。
【0058】
ここで、閾値C1、C2は、光学系1の倍率色収差及び周辺光量落ちの特性を考慮して予め算出された値であり、システム制御部12内の図示しないRAMに保持されているものとする。システム制御部12は、撮像素子3の駆動モードが非加算読み出しモードである場合には、システム制御部12内の図示しないRAMに保持されている閾値C1、C2をそのままコントラスト分布解析部6に出力する。一方、撮像素子3の駆動モードが加算読み出しモードである場合、センサ上の画素加算によって、入力画像のコントラストが全体的に低下する。そのため、システム制御部12は、現フレームの積分コントラストレベルを判定するための閾値C1、C2の値が、非加算読み出しモードの場合よりも小さくなるよう、加算画素数に応じた抑圧係数KをC1、C2にそれぞれ乗じて、コントラスト分布解析部6に出力する。
【0059】
加算読み出しモードの際の加算画素数と、閾値C1、C2に対する抑圧係数Kとの関係は、図14に示すグラフのようになり、加算画素数が増大し、非加算の場合に比べて画像全体のコントラストが低下する程、Kの値を小さくするようにしている。
【0060】
以上のように、第4の実施形態では、撮像素子3の駆動モードに応じて、積分コントラストレベルを判定するための閾値の大きさを制御し、周辺光量落ち補正処理及び倍率色収差補正処理の処理順を制御するための切替制御信号を生成する。従って、撮像素子3から加算読み出しされることで、画像データ全体のコントラストが低くなる場合でも、倍率色収差が目立つようなシーンを撮影している場合には倍率色収差補正処理を先に行うことができ、補正後の画質を良好にすることができる。
【0061】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0062】
1:光学系、2:光学系駆動部、3:撮像素子、4:撮像素子駆動部、5:A/D変換部、6:コントラスト分布解析部、7、9、11:切替部、8:周辺光量落ち補正部、10:倍率色収差補正部、12:システム制御部、13:光学特性データベース、15:合焦判定部、16:動き検出部、61:コントラスト検出フィルタ、62:解析領域判定部、63:積分部、64:記憶部、65:切替制御信号決定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系に起因した画質の劣化を補正する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光学系に起因する色収差、歪曲収差、周辺光量落ち等の画質劣化を、撮像装置本体内の画像信号処理によって低減する撮像装置が提案されている。このような撮像装置では、色収差、歪曲収差、周辺光量落ち等の光学系に起因する画質劣化は、焦点距離、絞り、フォーカス位置(以下、光学パラメータと称す)と、光軸中心からの距離とに応じて変化する。そのため、予め補正特性をメモリに記憶しておき、光学パラメータの設定に応じて、メモリから補正特性を参照し、撮像装置内の信号処理で補正を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、光学系に起因する画質劣化を撮像装置内の信号処理で補正する場合、色収差、歪曲収差等に対しては、画像内の画素位置を補正する処理が行われ、周辺光量落ち等に対しては、画像の信号レベルを補正する処理が行われる。このとき、色収差、歪曲収差の補正処理によって、周辺光量落ちの補正特性が変化してしまい、予めデータベースに保持されている周辺光量落ち補正特性との誤差が大きくなる場合がある。従って、このような誤差による画質劣化を懸念して、信号レベルの補正を行った後、画素位置の補正を行うようにした撮像装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−225270号公報
【特許文献2】特開2002−190979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に開示される撮像装置では、周辺光量落ちの補正を行った後に、色収差、倍率色収差用の補正を行うよう、補正の順番が固定されているので、色収差、倍率色収差用の補正が、前段に行われる周辺光量落ち補正の影響を受けることになる。
【0006】
ここで、周辺光量落ちは平坦な被写体で目立ち、色収差、歪曲収差はコントラストの高いエッジを含む被写体で目立つ。そのため、例えば、コントラストの高いエッジを多く含み、平坦部の少ない画像では、画面内で倍率色収差による画質劣化が支配的となる。しかし、このような画像に対して、周辺光量落ち補正を行った後、倍率色収差用の補正を行うと、画像に発生している倍率色収差の特性が前段の周辺光量落ち補正によって変化してしまう。従って、データベースから読み出してきた倍率色収差の補正特性では適切に補正できなくなってしまうという課題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、画像データを精度よく補正し、最終的に出力される画像データの画質を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の撮像装置は、撮像手段と、前記撮像手段より出力される画像データのコントラスト分布を解析する解析手段と、前記画像データの倍率色収差を補正する第1の補正手段と、前記画像データの周辺光量落ちを補正する第2の補正手段と、前記解析手段による解析結果に基づいて、前記第1の補正手段による倍率色収差の補正処理と、前記第2の補正手段による周辺光量落ちの補正処理との処理順を切り替える切替手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像データを精度よく補正し、最終的に出力される画像データの画質を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】コントラスト分布解析部の構成及び動作について説明するための図ある。
【図3】切替制御信号決定部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】コントラストの高いフレームと低いフレームとを示す図である。
【図5】積分コントラストレベルと切替制御信号との関係を示す図である。
【図6】画像データに対して、周辺光量落ち補正処理、倍率色収差補正処理が行われ、映像信号出力端子から出力されるまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】切替制御信号と、倍率色収差補正処理、周辺光量落ち補正処理の処理順との関係を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図9】合焦判定結果と閾値C1、C2に対する抑圧係数Kとの関係を示す図である。
【図10】合焦時の積分コントラストレベルと切替制御信号との関係を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図12】動き検出結果と閾値C1、C2に対する抑圧係数との関係を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図14】加算読み出しモードの際の加算画素数と、閾値C1、C2に対する抑圧係数Kとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。図1において、1はレンズ、絞り等を含む光学系であり、光学系駆動部2によって駆動制御される。3は撮像素子であり、撮像素子駆動部4によって駆動制御される。5はA/D変換部であり、撮像素子3から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号(以下、画像データと称す)に変換する。6はコントラスト分布解析部であり、A/D変換部5から出力される画像データのコントラスト分布を解析する。8は、光学系1の光学特性に起因して発生する周辺光量落ちを補正する周辺光量落ち補正部である。10は、光学系1の光学特性に起因して発生する倍率色収差を補正する倍率色収差補正部である。13は、光学系1の光学特性を保持する光学特性データベースである。周辺光量落ち補正部8、倍率色収差補正部10での補正処理についてはそれぞれ、光学特性データベース13に保持された光学特性に基づいて補正特性が決定される。なお、倍率色収差補正部10は、第1の補正手段の適用例となる構成であり、周辺光量落ち補正部8は、第2の補正手段の適用例となる構成である。
【0013】
切替部7は、周辺光量落ち補正部8に入力される画像データを切替える機能を有し、システム制御部12からの制御に基づいて、A/D変換部5から出力される画像データ、又は、倍率色収差補正部10から出力される画像データの何れかを選択して出力する。切替部9は、倍率色収差補正部10に入力される画像データを切替える機能を有し、システム制御部12からの制御に基づいて、A/D変換部5から出力される画像データ、又は、周辺光量落ち補正部8から出力される画像データの何れかを選択して出力する。切替部11は、システム制御部12の制御に基づいて、倍率色収差補正部10から出力される画像データ、又は、周辺光量落ち補正部8から出力される画像データの何れかを選択して、映像信号出力端子14に出力する。
【0014】
次に、第1の実施形態に係る撮像装置における動作の概要について説明する。撮影が開始されると、システム制御部12から指示されるズーム、フォーカス、絞りの設定に基づいて、光学系駆動部2が動作し、光学系1の駆動制御が行われる。それと同時に、システム制御部12は、光学系1の光学設定(ズーム、絞り、フォーカス等の設定値)に基づいて、光学特性データベース13を探索する。そして、システム制御部12は、光学設定に応じた周辺光量落ち、倍率色収差の補正特性を、周辺光量落ち補正部8、倍率色収差補正部10にそれぞれ転送する。光学系1を介して撮像素子3に結像された被写体像は、撮像素子駆動部4での駆動制御によって撮像素子3から読み出され、A/D変換部5によってデジタル画像信号に変換される。A/D変換部5から出力されるデジタル画像信号である画像データは、コントラスト分布解析部6、切替部7、切替部9にそれぞれ入力される。
【0015】
コントラスト分布解析部6は、A/D変換部5から出力される1フレーム分の画像データのコントラスト分布を解析し、解析結果をシステム制御部12に出力する。システム制御部12では、コントラスト分布解析部6におけるコントラスト分布の解析結果に基づき、切替部7、切替部9、切替部11に対して切替制御信号を出力する。
【0016】
ここで、本実施形態に係る撮像装置は、入力される画像データのコントラスト分布に応じて、周辺光量落ち補正処理と倍率色収差補正処理との処理順を切り替える。即ち、入力される画像データのコントラスト分布に応じて、A/D変換部5から出力される画像データに対して周辺光量落ち補正処理を行った後、倍率色収差補正処理を行う場合と、A/D変換部5から出力される画像データに対して倍率色収差補正処理を行った後、周辺光量落ち補正処理を行う場合とがある。このような処理順の制御は、切替部7、切替部9、切替部11の制御によって実現している。
【0017】
周辺光量落ち補正部8は、システム制御部12から出力される補正特性を参照し、切替部7から出力される画像データに対して周辺光量落ち補正処理を行う。倍率色収差補正部10は、システム制御部12から出力される補正特性を参照し、切替部9から出力される画像データに対して倍率色収差補正処理を行う。
【0018】
切替部11は、システム制御部12から出力される切替制御信号に基づいて、A/D変換部5から出力される画像データに対して周辺光量落ち補正処理を行った後、倍率色収差補正処理を行うことにより得られた画像データか、A/D変換部5から出力される画像データに対して倍率色収差補正処理を行った後、周辺光量落ち補正を行うことにより得られた画像データかを選択して、映像信号出力端子14に出力する。
【0019】
以上により、1フレーム分の画像データの生成が終了する。上記一連の処理を、撮影期間中、フレーム毎に行うことで、光学系の特性に起因した画質劣化(倍率色収差、周辺光量落ち)が補正された画像データを出力することができる。
【0020】
次に、コントラスト分布解析部6の構成及び動作について、図2を参照しながら詳細に説明する。図2において、61はコントラスト検出フィルタ、62は解析領域判定部、63は積分部、64は記憶部、65は切替制御信号決定部である。
【0021】
コントラスト検出フィルタ61は、A/D変換部5から出力される画像データに対して、画素毎にコントラストレベルを検出するためのフィルタ処理を行う。コントラストレベルを検出するためのフィルタ処理としては、例えばsobelフィルタ等が用いられるが、別の方法でもよい。
【0022】
解析領域判定部62は、システム制御部12から出力される、着目画素の像高と、像高に対する閾値とを参照して、着目画素が解析対象の像高範囲に含まれる画素か否かを判定する。なお、着目画素の像高は、システム制御部12において、着目画素の水平、垂直の画素アドレスを用いて計算されるものとする。
【0023】
積分部63は、解析領域判定部62から出力される判定結果に基づき、フレーム内の所定の像高領域に含まれる画素について、コントラスト検出フィルタ61から出力される、画素毎のコントラストレベルを積分し、積分結果(積分コントラストレベル)を記憶部64に格納する。また、記憶部64は、後述する切替制御信号決定部65で決定された、1フレーム前の画像データに対する切替制御信号も格納されている。
【0024】
切替制御信号決定部65は、記憶部64に格納された、現フレームの画像データの積分コントラストレベルと、1フレーム前の画像データに対する切替制御信号と、システム制御部12から出力される閾値C1(第1の基準)、C2(第2の基準)とを用いて、現フレームの画像データに対する切替制御信号を生成する。なお、閾値C1、C2は、現フレームの積分コントラストレベルを判定するために用いられるものである。光学系1の倍率色収差及び周辺光量落ちの特性を考慮して予め算出された閾値C1、C2が、システム制御部12内の図示しないRAMに保持されているものとする。
【0025】
図3は、切替制御信号決定部65の処理の流れを示すフローチャートである。ステップS200において、切替制御信号決定部65は、現フレームの画像データの積分コントラストレベルを閾値C1と比較する。現フレームの画像データの積分コントラストレベルが閾値C1よりも小さい場合、処理はステップS201に移行する。一方、現フレームの画像データの積分コントラストレベルが閾値C1以上である場合、処理はステップS202に移行する。
【0026】
ステップS201において、切替制御信号決定部65は、切替制御信号をLレベルに設定する。ステップS202において、切替制御信号決定部65は、現フレームの画像データの積分コントラストレベルが閾値C2以上であるか否かを判定する。現フレームの画像データの積分コントラストレベルが閾値C2以上である場合、処理はステップS203に移行する。一方、現フレームの積分コントラストレベルが閾値C2より小さい場合、処理はステップS204に移行する。
【0027】
ステップS203において、切替制御信号決定部65は、切替制御信号をHレベルに設定する。ステップS204において、切替制御信号決定部65は、記憶部64に記憶されている1フレーム前の画像データに対する切替制御信号を、現フレームの切替制御信号として選択する。
【0028】
ここで、切替制御信号としてLレベルが設定された場合、図4(a)に示すように、フレーム内の解析対象の領域において、コントラストの高い被写体があまり分布していないとみなすことができる。一方、切替制御信号としてHレベルが設定された場合、図4(b)に示すように、フレーム内の解析対象の領域において、コントラストの高い被写体が多く分布しているとみなすことができる。
【0029】
また、動画撮影中、ノイズや手ぶれ等によって、積分コントラストレベルが微小に変動した場合、切替部7、切替部9、切替部11における制御が敏感に反応してしまうと、同じようなシーンを撮影しているのに、周辺光量落ち補正処理と倍率色収差補正処理との処理順が毎フレーム切り替わってしまう可能性がある。このような状況を防ぐために、本実施形態に係る撮像装置は、現フレームの積分コントラストレベルが閾値C1と閾値C2との間Dで揺らいでいる場合、図5に示すように、1フレーム前の切替制御信号を維持するようにしている。以上のようにして決定された切替制御信号は、記憶部64に上書きされ、また、切替部7、切替部9、切替部11に出力される。
【0030】
次に、A/D変換部5から出力された画像データに対して、周辺光量落ち補正処理、倍率色収差補正処理が行われ、映像信号出力端子14から出力されるまでの処理の流れについて、図6及び図7を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
図6において、ステップS100において、システム制御部12は、内部の画素位置カウンタを初期化する。画素位置カウンタは、着目画素の画素位置を示すXYアドレスをカウントアップするものとし、1フレーム分の処理が終わる毎に開始画素位置のXYアドレスに対応した初期値にリセットされるものとする。
【0032】
ステップS101において、システム制御部12は着目画素のXYアドレスから像高を求め、解析領域判定部62は着目画素が所定の像高範囲に存在するか否かを判定する。着目画素が所定の像高範囲に存在する場合、処理はステップS102に移行する。一方、着目画素が所定の像高範囲外に存在する場合、処理はステップS104に移行する。ここで所定の像高範囲とは、倍率色収差、周辺光量落ちによる画質劣化が目立つと予測される像高範囲であり、光学系1の光学設定に応じて定まるものである。
【0033】
ステップS102において、コントラスト検出フィルタ61は、A/D変換部5から出力された画像データに対してコントラスト検出フィルタ処理を実行し、着目画素におけるコントラストレベルを検出する。ステップS103において、積分部63は、ステップS102で求めた着目画素のコントラストレベルを積分し、記憶部64に格納する。
【0034】
ステップS104において、システム制御部12は、画素位置カウンタの値を参照し、フレーム内の全ての画素について解析領域の判定とコントラストレベルの検出、積分とを実行したか否かを判定する。フレーム内の全ての画素について処理が終了した場合、処理はステップS106に移行する。一方、フレーム内の全ての画素について未だ処理が終了していない場合、処理はステップS105に移行する。
【0035】
ステップS105において、システム制御部12は、画素位置カウンタの値を1画素分インクリメントする。ステップS106において、切替制御信号決定部65は、現フレームの積分コントラストレベルと、1フレーム前の画像データに対応する切替制御信号とを記憶部64から読み出す。
【0036】
ステップS107において、切替制御信号決定部65は、現フレームの積分コントラストレベル、1フレーム前の切替制御信号、及び、閾値C1、C2を参照して、現フレームの画像データに対応する切替制御信号を決定する。
【0037】
ステップS108において、システム制御部12は、現フレームの切替制御信号を記憶部64に上書きする。ステップS109において、システム制御部12は、現フレームの切替制御信号を切替部7、切替部9、切替部11に出力する。
【0038】
ステップS110において、システム制御部12は、切替制御信号に基づいて、周辺光量落ち補正部8及び倍率色収差補正部10での補正処理が指定の処理順で行われるよう、切替部7、切替部9、切替部11を制御する。
【0039】
切替制御信号と、倍率色収差補正処理、周辺光量落ち補正処理の処理順との関係は、図7に示す表のようになる。切替制御信号がHレベルに設定されている場合、倍率色収差の目立つ高コントラストの被写体が補正対象の画像データに多く含まれていると推定される。そのため、システム制御部12は、A/D変換部5から出力される画像データに対して、倍率色収差補正処理を行った後、周辺光量落ち補正処理を行うよう、切替部7、切替部9、切替部11を制御する。即ち、切替部7は、倍率色収差補正部10から出力される画像データを選択し、切替部9は、A/D変換5から出力される画像データを選択し、切替部11は、周辺光量落ち補正部8から出力される画像データを選択するよう制御される。
【0040】
一方、切替制御信号がLレベルに設定されている場合には、周辺光量落ちの目立つ、低コントラストの被写体が補正対象の画像データに多く含まれていると推定される。そのため、システム制御部12は、A/D変換部5から出力される画像データに対して、周辺光量落ち補正処理を行った後、倍率色収差補正処理を行うよう、切替部7、切替部9、切替部11を制御する。即ち、切替部7は、A/D変換部5から出力される画像データを選択し、切替部9は、周辺光量落ち補正部8から出力される画像データを選択し、切替部11は、倍率色収差補正部10から出力される画像データを選択するよう制御される。
【0041】
以上のように、第1の実施形態においては、画像データのコントラスト分布を解析し、解析結果に応じて、周辺光量落ちと倍率色収差とのどちらの画質劣化が目立つかを推定し、画質劣化の目立つ方を先に補正するよう、補正処理の順序を制御している。本実施形態のように、複数種類の光学補正処理を順次行っていく撮像装置では、先に行った補正処理の影響で、次に行う補正処理の補正結果に誤差が生じてしまう。そのため、予め処理対象の画像データを解析して、画質劣化が目立つものを先に補正することにより、最終的な画像データの画質を向上させることができる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。第2の実施形態では、撮像装置が合焦判定部15を更に備え、合焦判定結果を考慮してコントラスト分布解析部6で切替制御信号を決定する点が第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施形態との差異についてのみ説明する。
【0043】
合焦判定部15は、A/D変換部5から出力される画像データから合焦判定のための評価値を生成し、デジタルビデオカメラ等で一般的に用いられているテレビAFを行う。合焦判定の方法については、外測センサを用いる等、テレビAF以外の方法で行っても構わない。合焦判定結果は多値で表現され、合焦判定結果の値が大きい程、合焦の度合いが高く、値が小さい程、合焦の度合いが低いことを示すものとする。
【0044】
合焦判定部15で判定された合焦判定結果はシステム制御部12に出力される。システム制御部12は、合焦判定結果に基づいて、光学系1のフォーカスレンズ位置の制御を光学系駆動部2に指示する。
【0045】
システム制御部12は、合焦判定結果に基づき、現フレームの積分コントラストレベルを判定するための閾値C1、C2の値を変更して、コントラスト分布解析部6に出力する。ここで、閾値C1、C2は、光学系1の倍率色収差及び周辺光量落ちの特性を考慮して予め算出された値であり、システム制御部12内の図示しないRAMに保持されているものとする。
【0046】
システム制御部12は、合焦判定結果を参照し、合焦している場合には、システム制御部12内の図示しないRAMに保持されている閾値C1、C2をそのままコントラスト分布解析部6に出力する。一方、合焦の度合いが低い場合、画像データのコントラストが全体的に低下する。そのため、システム制御部12は、現フレームの積分コントラストレベルを判定するための閾値C1、C2の値が合焦時よりも小さくなるよう、合焦判定結果に応じた抑圧係数KをC1、C2にそれぞれ乗じて、コントラスト分布解析部6に出力する。合焦判定結果と閾値C1、C2に対する抑圧係数Kとの関係は、図9に示すグラフのようになり、非合焦になり、画像データ全体のコントラストが低下する程、抑圧係数Kの値を小さくするようにしている。また、合焦時の積分コントラストレベルと切替制御信号との関係は、図10(a)に示すようになり、閾値C1、C2を基準に切替制御信号を切り替える。また、合焦度合いが低いときの積分コントラストレベルと切替制御信号との関係は、図10(b)に示すようになり、閾値K*C1、K*C2を基準に切替制御信号を切り替える。
【0047】
以上のように、第2の実施形態では、合焦状態に応じて、積分コントラストレベルを判定するための閾値の大きさを制御し、周辺光量落ち補正処理及び倍率色収差補正処理の処理順を制御するための切替制御信号を生成する。従って、合焦時に比べて、画像データ全体のコントラストが低くなる非合焦でも、倍率色収差が目立つようなシーンを撮影している場合には倍率色収差補正処理を先に行うことができ、補正後の画質を良好にすることができる。
【0048】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図11は、本発明の第3の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。第3の実施形態では、動き検出部16を備え、コントラスト分布解析部6が動き検出結果を考慮して切替制御信号を決定する点が第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施形態との差異についてのみ説明する。
【0049】
動き検出部16は、内部にフレームメモリを持ち、A/D変換部5から出力される画像データと、フレームメモリに保持された1フレーム前の画像データとの差分から動きベクトルを検出する。動き成分の検出方法としては、ジャイロ等の他の方法で行っても構わない。
【0050】
動き検出結果は多値で表現され、値が大きい程、フレーム全体の動きが大きく、値が小さい程、フレーム全体が静止していることを示すものとする。動き検出部16で検出された動き検出結果は、システム制御部12に出力される。
【0051】
システム制御部12は、動き検出結果に基づき、現フレームの積分コントラストレベルを判定するための閾値C1、C2の値を変更して、コントラスト分布解析部6に出力する。ここで、閾値C1、C2は、光学系1の倍率色収差及び周辺光量落ちの特性を考慮して予め算出された値であり、システム制御部12内の図示しないRAMに保持されているものとする。
【0052】
システム制御部12は、動き検出結果を参照し、撮影した画像データの動きが小さい場合、システム制御部12内の図示しないRAMに保持されている閾値C1、C2をそのままコントラスト分布解析部6に出力する。一方、動き検出が大きい場合、動きブレによって、画像データのコントラストが全体的に低下する。従って、システム制御部12は、現フレームの積分コントラストレベルを判定するための閾値C1、C2の値が動きブレの少ない場合よりも小さくなるよう、動き検出結果に応じた抑圧係数KをC1、C2にそれぞれ乗じて、コントラスト分布解析部6に出力する。
【0053】
動き検出結果と閾値C1、C2に対する抑圧係数との関係は、図12に示すグラフのようになり、動き量が大きくなり、非加算の場合に比べて画像データ全体のコントラストが低下する程、Kの値を小さくするようにしている。
【0054】
また、画像データの動きが小さい場合(静止時)の積分コントラストレベルと切替制御信号との関係は、図10(a)に示すようになり、画像データの動きが大きい場合の積分コントラストレベルと切替制御信号との関係は、図10(b)に示すようになる。
【0055】
以上のように、第3の実施形態では、動き検出結果に応じて、積分コントラストレベルを判定するための閾値の大きさを制御し、周辺光量落ち補正処理及び倍率色収差補正処理の処理順を制御するための切替制御信号を生成する。従って、動きブレによって、画像データ全体のコントラストが低くなる場合でも、倍率色収差が目立つようなシーンを撮影している場合には倍率色収差補正処理を先に行うことができ、補正後の画質を良好にすることができる。
【0056】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図13は、本発明の第4の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。第4の実施形態では、コントラスト分布解析部6において、システム制御部12で指定された撮像素子3の駆動モードを参照する点が第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施形態との差異についてのみ説明する。
【0057】
第4の実施形態において、撮像素子3の駆動モードは、撮像素子3から画素を非加算で読み出す非加算読み出しモードと、撮像素子3上で複数の画素を加算してから読み出す、加算読み出しモードとを備えている。撮像素子駆動部4は、システム制御部12で指定された駆動モードに基づいて、撮像素子3からアナログ画像信号を読み出すよう、撮像素子3の駆動制御を行う。また、システム制御部12は、撮像素子3の駆動モードに基づき、現フレームの積分コントラストレベルを判定するための閾値C1、C2の値を変更して、コントラスト分布解析部6に出力する。
【0058】
ここで、閾値C1、C2は、光学系1の倍率色収差及び周辺光量落ちの特性を考慮して予め算出された値であり、システム制御部12内の図示しないRAMに保持されているものとする。システム制御部12は、撮像素子3の駆動モードが非加算読み出しモードである場合には、システム制御部12内の図示しないRAMに保持されている閾値C1、C2をそのままコントラスト分布解析部6に出力する。一方、撮像素子3の駆動モードが加算読み出しモードである場合、センサ上の画素加算によって、入力画像のコントラストが全体的に低下する。そのため、システム制御部12は、現フレームの積分コントラストレベルを判定するための閾値C1、C2の値が、非加算読み出しモードの場合よりも小さくなるよう、加算画素数に応じた抑圧係数KをC1、C2にそれぞれ乗じて、コントラスト分布解析部6に出力する。
【0059】
加算読み出しモードの際の加算画素数と、閾値C1、C2に対する抑圧係数Kとの関係は、図14に示すグラフのようになり、加算画素数が増大し、非加算の場合に比べて画像全体のコントラストが低下する程、Kの値を小さくするようにしている。
【0060】
以上のように、第4の実施形態では、撮像素子3の駆動モードに応じて、積分コントラストレベルを判定するための閾値の大きさを制御し、周辺光量落ち補正処理及び倍率色収差補正処理の処理順を制御するための切替制御信号を生成する。従って、撮像素子3から加算読み出しされることで、画像データ全体のコントラストが低くなる場合でも、倍率色収差が目立つようなシーンを撮影している場合には倍率色収差補正処理を先に行うことができ、補正後の画質を良好にすることができる。
【0061】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0062】
1:光学系、2:光学系駆動部、3:撮像素子、4:撮像素子駆動部、5:A/D変換部、6:コントラスト分布解析部、7、9、11:切替部、8:周辺光量落ち補正部、10:倍率色収差補正部、12:システム制御部、13:光学特性データベース、15:合焦判定部、16:動き検出部、61:コントラスト検出フィルタ、62:解析領域判定部、63:積分部、64:記憶部、65:切替制御信号決定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、
前記撮像手段より出力される画像データのコントラスト分布を解析する解析手段と、
前記画像データの倍率色収差を補正する第1の補正手段と、
前記画像データの周辺光量落ちを補正する第2の補正手段と、
前記解析手段による解析結果に基づいて、前記第1の補正手段による倍率色収差の補正処理と、前記第2の補正手段による周辺光量落ちの補正処理との処理順を切り替える切替手段とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記切替手段は、前記画像データのコントラスト分布が所定の基準より低い場合、前記第2の補正手段による周辺光量落ちの補正処理を、前記第1の補正手段による倍率色収差の補正処理より先に実行するように処理順を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記切替手段は、前記画像データのコントラスト分布が所定の基準以上である場合、前記第1の補正手段による倍率色収差の補正処理を、前記第2の補正手段による周辺光量落ちの補正処理より先に実行するように処理順を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記切替手段は、前記画像データのコントラスト分布が第1の基準より低い場合、前記第2の補正手段による周辺光量落ちの補正処理を、前記第1の補正手段による倍率色収差の補正処理より先に実行するように処理順を切り替え、前記画像データのコントラスト分布が前記第1の基準より高い値である第2の基準以上である場合、前記第1の補正手段による倍率色収差補正の補正処理を、前記第2の補正手段による周辺光量落ちの補正処理より先に実行するように処理順を切り替え、前記画像データのコントラスト分布が前記第1の基準以上であり、且つ前記第2の基準より低い場合、前記第1の補正手段及び前記第2の補正手段の処理順を1フレーム前の処理順で制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
合焦状態を判定する合焦判定手段と、
前記合焦判定手段の判定結果に基づいて、前記所定の基準を変更する変更手段とを更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記変更手段は、前記合焦判定手段により判定される合焦状態が低い度合いである程、前記所定の基準を低く変更することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
合焦状態を判定する合焦判定手段と、
前記合焦判定手段の判定結果に基づいて、前記第1の基準及び前記第2の基準のうちの少なくとも何れか一方を変更する変更手段とを更に有することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記変更手段は、前記合焦判定手段により判定される合焦状態が低い度合いである程、前記第1の基準及び前記第2の基準のうちの少なくとも何れか一方を低く変更することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記画像データにおける動き成分を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段の検出結果に基づいて、前記所定の基準を変更する変更手段とを更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記変更手段は、前記動き検出手段により検出される動き成分の動き量が大きい程、前記所定の基準を低く変更することを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記画像データにおける動き成分を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段の検出結果に基づいて、前記第1の基準及び前記第2の基準のうちの少なくとも何れか一方を変更する変更手段とを更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記変更手段は、前記動き検出手段により検出される動き成分の動き量が大きい程、前記第1の基準及び前記第2の基準のうちの少なくとも何れか一方を低く変更することを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記撮像手段からの画像データの読み出しモードに基づいて、前記所定の基準を変更する変更手段を更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記変更手段は、前記撮像手段の画素を加算して画像データを読み出すモードである場合、前記撮像手段の画素を非加算で画像データを読み出すモードよりも、前記所定の基準を低く変更することを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記撮像手段からの画像データの読み出しモードに基づいて、前記第1の基準及び前記第2の基準のうちの少なくとも何れか一方を変更する変更手段を更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記変更手段は、前記撮像手段の画素を加算して画像データを読み出すモードである場合、前記撮像手段の画素を非加算で画像データを読み出すモードよりも、前記第1の基準及び前記第2の基準のうちの少なくとも何れか一方を低く変更することを特徴とする請求項15に記載の撮像装置。
【請求項17】
撮像手段を有する撮像装置の制御方法であって、
前記撮像手段より出力される画像データのコントラスト分布を解析する解析ステップと、
前記解析ステップによる解析結果に基づいて、第1の補正手段による前記画像データに対する倍率色収差の補正処理と、第2の補正手段による前記画像データに対する周辺光量落ちの補正処理との処理順を切り替える切替ステップとを有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項18】
撮像手段を有する撮像装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記撮像手段より出力される画像データのコントラスト分布を解析する解析ステップと、
前記解析ステップによる解析結果に基づいて、第1の補正手段による前記画像データに対する倍率色収差の補正処理と、第2の補正手段による前記画像データに対する周辺光量落ちの補正処理との処理順を切り替える切替ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
撮像手段と、
前記撮像手段より出力される画像データのコントラスト分布を解析する解析手段と、
前記画像データの倍率色収差を補正する第1の補正手段と、
前記画像データの周辺光量落ちを補正する第2の補正手段と、
前記解析手段による解析結果に基づいて、前記第1の補正手段による倍率色収差の補正処理と、前記第2の補正手段による周辺光量落ちの補正処理との処理順を切り替える切替手段とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記切替手段は、前記画像データのコントラスト分布が所定の基準より低い場合、前記第2の補正手段による周辺光量落ちの補正処理を、前記第1の補正手段による倍率色収差の補正処理より先に実行するように処理順を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記切替手段は、前記画像データのコントラスト分布が所定の基準以上である場合、前記第1の補正手段による倍率色収差の補正処理を、前記第2の補正手段による周辺光量落ちの補正処理より先に実行するように処理順を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記切替手段は、前記画像データのコントラスト分布が第1の基準より低い場合、前記第2の補正手段による周辺光量落ちの補正処理を、前記第1の補正手段による倍率色収差の補正処理より先に実行するように処理順を切り替え、前記画像データのコントラスト分布が前記第1の基準より高い値である第2の基準以上である場合、前記第1の補正手段による倍率色収差補正の補正処理を、前記第2の補正手段による周辺光量落ちの補正処理より先に実行するように処理順を切り替え、前記画像データのコントラスト分布が前記第1の基準以上であり、且つ前記第2の基準より低い場合、前記第1の補正手段及び前記第2の補正手段の処理順を1フレーム前の処理順で制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
合焦状態を判定する合焦判定手段と、
前記合焦判定手段の判定結果に基づいて、前記所定の基準を変更する変更手段とを更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記変更手段は、前記合焦判定手段により判定される合焦状態が低い度合いである程、前記所定の基準を低く変更することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
合焦状態を判定する合焦判定手段と、
前記合焦判定手段の判定結果に基づいて、前記第1の基準及び前記第2の基準のうちの少なくとも何れか一方を変更する変更手段とを更に有することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記変更手段は、前記合焦判定手段により判定される合焦状態が低い度合いである程、前記第1の基準及び前記第2の基準のうちの少なくとも何れか一方を低く変更することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記画像データにおける動き成分を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段の検出結果に基づいて、前記所定の基準を変更する変更手段とを更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記変更手段は、前記動き検出手段により検出される動き成分の動き量が大きい程、前記所定の基準を低く変更することを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記画像データにおける動き成分を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段の検出結果に基づいて、前記第1の基準及び前記第2の基準のうちの少なくとも何れか一方を変更する変更手段とを更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記変更手段は、前記動き検出手段により検出される動き成分の動き量が大きい程、前記第1の基準及び前記第2の基準のうちの少なくとも何れか一方を低く変更することを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記撮像手段からの画像データの読み出しモードに基づいて、前記所定の基準を変更する変更手段を更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記変更手段は、前記撮像手段の画素を加算して画像データを読み出すモードである場合、前記撮像手段の画素を非加算で画像データを読み出すモードよりも、前記所定の基準を低く変更することを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記撮像手段からの画像データの読み出しモードに基づいて、前記第1の基準及び前記第2の基準のうちの少なくとも何れか一方を変更する変更手段を更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記変更手段は、前記撮像手段の画素を加算して画像データを読み出すモードである場合、前記撮像手段の画素を非加算で画像データを読み出すモードよりも、前記第1の基準及び前記第2の基準のうちの少なくとも何れか一方を低く変更することを特徴とする請求項15に記載の撮像装置。
【請求項17】
撮像手段を有する撮像装置の制御方法であって、
前記撮像手段より出力される画像データのコントラスト分布を解析する解析ステップと、
前記解析ステップによる解析結果に基づいて、第1の補正手段による前記画像データに対する倍率色収差の補正処理と、第2の補正手段による前記画像データに対する周辺光量落ちの補正処理との処理順を切り替える切替ステップとを有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項18】
撮像手段を有する撮像装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記撮像手段より出力される画像データのコントラスト分布を解析する解析ステップと、
前記解析ステップによる解析結果に基づいて、第1の補正手段による前記画像データに対する倍率色収差の補正処理と、第2の補正手段による前記画像データに対する周辺光量落ちの補正処理との処理順を切り替える切替ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−160881(P2012−160881A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18759(P2011−18759)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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