説明

撮像装置、表示制御方法

【課題】オプチカルビューファインダーとエレクトリカルビューファインダーとを併用することで撮影画像を含み様々な情報報知機能の向上を図り、かつ、特に画質補正後の状態を、オプチカルビュー画像を用いて確認する。
【解決手段】OVF画像に重複するように、EVFLCD44を、明るさを調整する機能として動作させると、画質補正後の疑似的な画像を見ることができる。EVFLCD44を、1/2の階調を初期状態としてOVF画像に重畳し、その後補正後の階調のEVFLCD44の画像を重畳する。画質補正が露出補正の場合、CCDで受光した画像データは、全領域で均一に光量が加減されるため、この加減量が決定された時点で、画像データを補正演算するのとは別に、加減量に基づいて、EVFLCD44の階調を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも撮像範囲を特定して表示するファインダーであって、光学的に入力されるオプチカルビュー画像を表示するオプチカルビューファインダー(OVF)、並びに前記撮像素子によって撮像したエレクトリカルビュー画像を再生して表示するエレクトリカルビューファインダー(EVF)モードを備えた撮像装置、並びに表示制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光学式(或いは枠式)ビューファインダー(OVF)に入射した光像と、電子ビューファインダー(EVF)によって表示された表示画像とをそれぞれハーフミラーを介して撮影者の肉眼に導く光学系を備えたファインダーが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1では、OVF及びEVFの長所をそれぞれ生かすことができ、鮮明なファインダー像を得ると共に撮影範囲等の情報を知ることができる。特に、ハイブリッドモードでは、OVF及びEVFが併用されることが記載されている。
【0004】
上記特許文献1において、OVF及びEVFを兼用するハイブリッドモードは、予め定められた情報を同時に表示する、所謂出力デバイスとしての機能に特化されたものである。
【0005】
また、特許文献2には、撮影レンズを介して入射される被写体からの入射光の光路を分割し、一方をファインダーで観察するための接眼レンズへ導き、他方をCCD等の撮像素子へ導く構成において、分割されて接眼レンズへと至る光路上に液晶シャッターで構成されたアイピースシャッタ(焦点板を兼用)を配置することで、選択的に接眼レンズへ画像を導くと共に、液晶シャッターを例えば情報表示デバイスとして利用して、画像と共に接眼レンズへ導くことが記載されている。
【0006】
特許文献2は、接眼レンズを覗くと、被写体画像と情報とを同時に見ることができるものの、液晶シャッターがEVFとして機能することは記載されていない。
【0007】
また、EVF画像とOVF画像とを重畳させて表示する技術の参考として、特許文献3には、OVFの光路上に透過率調整可能な部材を配置し、EVF画像に応じて透過度を変えることが記載されている。
【0008】
さらに、特許文献4には、AF領域に応じて、EVF表示を重畳して表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平3−292067号公報
【特許文献2】特開2002−258352号公報
【特許文献3】特開平6−22185号公報
【特許文献4】特開2010−54921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記背景技術(特に、特許文献1〜4)では、EVF画像とOVF画像とを重畳表示することは記載されているが、EVF画像とOVF画像を併用したときの用途として、OVF画像では知り得ない露出設定やホワイトバラス設定等の画質補正を実行した結果をユーザーに報知するような対策は確立されていない。
【0011】
例えば、上記画質補正を行った結果をユーザーに報知するには、OVF画像からEVF画像に切替えて表示するのが一般的である。EVF画像であれば、電子的に画像の濃度等を調整することができるため、ユーザーに画質補正後の状態を報知することができる。
【0012】
ところが、このEVF画像による画像補正結果の報知は、演算処理後の画像情報を反映させるため、応答性が悪いという欠点がある。これでは、OVF画像の特徴を生かすことができない。
【0013】
本発明は上記事実を考慮し、オプチカルビューファインダーとエレクトリカルビューファインダーとを併用することで撮影画像を含み様々な情報報知機能の向上を図り、かつ、特に画質補正後の状態を、オプチカルビュー画像を用いて確認することができる撮像装置及び表示制御方法を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、少なくとも撮像素子で被写体を撮像した画像を含むエレクトリカルビュー画像を表示する表示部と、前記表示部に表示されるエレクトリカルビュー画像を接眼部へ案内する光路、並びに光学的に入力される被写体のオプチカルビュー画像の何れかの単独画像を接眼部へ案内する光路を備え、何れか一方の単独画像、或いは双方の合成画像を接眼部へ案内する画像案内手段と、を備えたファインダー部と、前記ファインダー部への光路を選択する選択手段と、前記接眼部から見える画像を見ながら、撮像指示操作に基づいて撮像素子で撮像し、当該撮像した画像をデジタル画像データとして記録する撮像モード、並びに前記撮像モードによって記録した画像を再生表示する再生モードを選択的に切り替えるモード切替手段と、画質補正を実行する画質補正実行手段と、前記選択手段でオプチカルビュー画像の光路が選択されている状態での撮像モードにおいて、前記画質補正実行手段により前記画質補正が実行された場合に、前記表示手段のエレクトリカルビュー画像として、予め設定した初期表示パターン画像を表示して、前記オプチカルビュー画像に重畳させる画質補正時初期表示制御手段と、前記画質補正実行手段による画質補正実行結果に基づいて、前記表示部に表示するエレクトリカルビュー画像の濃度を変更して前記オプチカルビュー画像に重畳させることで、疑似的に画質結果を反映させた画像を形成する画質補正結果表示制御手段と、を有している。
【0015】
本発明において、前記初期表示パターン画像が、前記表示手段のエレクトリカルビュー画像の全面を均一、かつ中間的に発光量で発光した画像であることを特徴としている。
【0016】
また、本発明において、前記画質補正が、露出補正であり、前記画質補正時初期表示制御手段で設定した前記初期表示パターンに対して、全面均一状態を維持しながら、露出補正情報に基づいて、表示部の発光量を調整することを特徴としている。
【0017】
さらに、本発明において、前記画質補正が、ホワイトバランス補正であり、前記画質補正時初期表示制御手段で設定した前記初期表示パターンに対して、ホワイトバランス補正情報に基づいて、表示部の画素毎のカラーバランス、並びに発光量を調整することを特徴としている。
【0018】
また、本発明において、前記画質補正が、暗部補正であり、前記画質補正時初期表示制御手段で設定した前記初期表示パターンに対して、暗部補正情報に基づいて、表示部の画素毎の発光量を調整することを特徴としている。
【0019】
さらに、本発明において、前記画質補正結果表示制御手段で実行される画質補正後の表示部の表示を、周期的に点滅制御する点滅表示制御手段をさらに有することを特徴としている。
【0020】
また、本発明において、前記画質補正後のエレクトリカルビュー画像の調整が完了した時点で、オプチカルビュー画像を遮光して、前記表示部にエレクトリカルビュー画像を表示するように切り替える手動又は自動の切替手段をさらに有している。
【0021】
本発明は、少なくとも撮像素子で被写体を撮像した画像を含むエレクトリカルビュー画像を表示する表示部と、前記表示部に表示されるエレクトリカルビュー画像を接眼部へ案内する光路、並びに光学的に入力される被写体のオプチカルビュー画像の何れかの単独画像を接眼部へ案内する光路を備え、何れか一方の単独画像、或いは双方の合成画像を接眼部へ案内する画像案内手段と、を備えたファインダー部と、前記ファインダー部への光路を選択する選択手段と、前記選択手段で何れかの光路が選択され、前記接眼部から見える画像を見ながら、撮像指示操作に基づいて撮像素子で撮像し、当該撮像した画像をデジタル画像データとして記録する撮像モード、並びに前記撮像モードによって記録した画像を再生表示する再生モードを選択的に切り替えるモード切替手段と、画質補正を実行する画質補正実行手段と、を備えた撮像装置に用いられ、画質補正後の状態をオプチカルビュー画像で確認するための表示制御方法であって、前記撮像モード中、前記画質補正が実行された場合に、前記エレクトリカルビュー画像として、予め設定した初期表示パターン画像を表示して、前記オプチカルビュー画像に重畳させ、前記画質補正実行結果に基づいて、前記エレクトリカルビュー画像の濃度を変更して前記オプチカルビュー画像に重畳させることで、疑似的に画質結果を反映させた画像を形成する、ことを特徴としている。
【0022】
本発明によれば、撮像モードでファインダー部にオプチカルビュー画像のみが表示されている状態で、画質補正を行っても、オプチカルビュー画像には、その画質補正状態は反映されない。一方、画質補正が反映された状態は、エレクトリカルビュー画像を表示すれば確認可能であるが、画質補正後のエレクトリカルビュー画像を表示するまでに時間がかかる。
【0023】
そこで、撮像モード中、画質補正が実行された場合に、エレクトリカルビュー画像として、予め設定した初期表示パターン画像(例えば予め設定した全面を均一、かつ中間的な濃度等)を表示することで、オプチカルビュー画像に重畳させておく。
【0024】
なお、「濃度」とは、一般的に対象物の濃さを表すものであり、ここでは、「明るさ」という概念を含む。
【0025】
その後、画質補正実行結果に基づいて、エレクトリカルビュー画像の濃度を変更してオプチカルビュー画像に重畳させることで、疑似的に画質結果を反映させた画像が形成される。
【0026】
これにより、ファインダー部から見えるオプチカルビュー画像が擬似的に画質補正後の画像となり、ユーザーは迅速に画質補正後の状態を確認することができる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明した如く本発明では、オプチカルビューファインダーとエレクトリカルビューファインダーとを併用することで撮影画像を含み様々な情報報知機能の向上を図り、かつ、特に画質補正後の状態を、オプチカルビュー画像を用いて確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】(A)は本実施の形態に係るデジタルカメラの正面図、(B)は背面図である。
【図2】本実施の形態に係るデジタルカメラの内部構成を示す概略ブロック図である。
【図3】本実施の形態に係るデジタルカメラにおける撮像制御系を主体として制御ブロック図である。
【図4】本実施の形態に係り、メインコントローラを主として実行される、画質補正に基づく、EVFLCDの表示制御のための機能ブロック図である。
【図5】本実施の形態に係る画質補正画像確認制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】画質補正の内、露出補正を行ったときの接眼部から見ることができる画像の遷移状態を示す流れ図である。
【図7】画質補正の内、ホワイトバランス補正を行ったときの接眼部から見ることができる画像の遷移状態を示す流れ図である。
【図8】画質補正の内、暗部補正を行ったときの接眼部から見ることができる画像の遷移状態を示す流れ図である。
【図9】補正前画像と補正後画像とを交互に表示する制御を行ったときの遷移状態を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1(A)に示される如く、撮像装置としてのデジタルカメラ10の正面には、被写体像を結像させるためのレンズ12Lを備えた鏡筒12が備えられており、上面には、撮像(撮影)を実行する際にユーザーによって押圧操作されるレリーズボタン(所謂シャッター)14と、電源スイッチ16と、が備えられている。
【0030】
なお、本実施の形態に係るレリーズボタン14は、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)と、当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)と、の2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。
【0031】
本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、レリーズボタン14を前記半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッタースピード、絞りの状態)が設定された後、AF(Auto Focus、自動合焦)機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き、前記全押し状態にすると撮影(撮像)が行われる。
【0032】
一方、図1(B)に示される如く、デジタルカメラ10の背面には、オプチカルビューファインダー(以下、[OVF」という)と、エレクトリカルビューファインダー(以下、「EVF」という)とが併用された接眼部18が設けられている。EVFとOVFについての詳細は後述する。なお、接眼部18に対向するように、デジタルカメラ10の正面(図1(A)参照)には、対物レンズ20が設けられている。
【0033】
また、デジタルカメラ10の背面には、撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像や各種メニュー画面、メッセージ等を表示するための背面LCD22と、撮影を行うモードである撮影モード及び撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像を背面LCD22に表示(再生)するモードである再生モードの何れかのモードに設定するために操作されるモード切替スイッチ24と、背面LCD22の表示領域における上下左右の4方向の移動方向を示す4つの矢印キー及び当該4つの矢印キーの中央部に位置された決定キーの合計5つのキーを含んで構成された十字カーソルボタン26と、が備えられている。なお、入力操作系は、前記モード切替スイッチ24、十字カーソルボタン26に限定されるものではなく、背面LCD22にタッチパネル22TP(図2参照)機能を持たせるようにしてもよい。従って、必要に応じて全ての入力操作系を総称する場合、「操作部28(図2参照)」という場合がある。
【0034】
図2には、デジタルカメラ10における内部の光路構成と、撮像画像の処理を行う制御のハード資源である制御ブロック図とが示されている。
【0035】
前記鏡筒12のレンズ12Lから入射した光は、撮像素子(本実施の形態ではCCD30であるが、CMOS等でもよい)で受光され、電気信号に変換されるようになっている。入射光に応じた電気信号は、メインコントローラ32に入力され、各種処理が実行される。メインコントローラ32には、鏡筒駆動ドライバ34が接続されており、鏡筒12を光軸方向に移動させ、撮影倍率や焦点距離を変更するようになっている。
【0036】
また、メインコントローラ32には、LCDI/F36を介して、前記背面LCD22が接続されると共に、モード切替スイッチ24や十字カーソルボタン26を含む操作部28が接続されている(背面LCD22がタッチパネル機能を備える場合は、このタッチパネル22TPも含むものとする)。
【0037】
さらに、メインコントローラ32には、外部メモリI/F38(リーダ/ライタ兼用)が接続され、この外部メモリI/F38に装填されるメモリカード40へ画像データを記録したり、メモリカード40から画像データを取得する。
【0038】
ここで、本実施の形態では、メインコントローラ32に、EVF/OVFの併用ファインダー(ハイブリッドファインダー)を実現するために、LCDI/F42を介して表示部としてEVFLCD44が接続されている。
【0039】
すなわち、図2に示される如く、デジタルカメラ10の内部において、接眼部18には、光学的に被写体画像(オプチカルビュー画像)を案内する光路48と、表示部としてのEVFLCD44に表示された画像(エレクトリカルビュー画像)を案内する光路50とが設けられ、双方の光路48、50は、前記接眼部18の手前でハーフミラー52によって一致される(同軸)ようになっている。このため、ユーザーが接眼部18を覗くと、オプチカルビュー画像とエレクトリカルビュー画像の双方を見ることが可能となっている。なお、本実施の形態では、デフォルト設定として、EVFLCD44の表示はオフとし、OVF画像のみで撮影するようになっている。
【0040】
また、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、EVFLCD44として発光ダイオード式バックライト(以下、「LED式バックライト」という。)を備えたLCDが適用され、前記背面LCD22として光電管式バックライトを備えたLCDが適用されているが、これに限定されるものではない。
【0041】
図3には、本実施の形態に係るデジタルカメラ10における、主として撮像処理制御系の構成を説明する。
【0042】
デジタルカメラ10は、前述のレンズ12Lを含んで構成され、鏡筒駆動ドライバ34によって光軸方向へ移動する鏡筒12と、鏡筒12の光軸後方に配設されたCCD30と、相関二重サンプリング回路(以下、「CDS」という。)を含んで構成されたアナログ信号処理部54と、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)56と、所定容量のラインバッファを内蔵し、かつ入力されたデジタル画像データを後述するメモリ58の所定領域に直接記憶させる制御を行うと共に、デジタル画像データに対して各種の画像処理を行うデジタル信号処理部60と、を含んで構成されている。
【0043】
ここで、アナログ信号処理部54のCDSによる相関二重サンプリング処理は、固体撮像素子の出力信号に含まれるノイズ(特に熱雑音)等を軽減することを目的として、固体撮像素子の1画素毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理である。
【0044】
一方、デジタルカメラ10は、デジタル画像データにより示される画像やメニュー画面等を背面LCD22に表示させるための信号を生成して背面LCD22に供給するLCDI/F62と、デジタル画像データにより示される画像やメニュー画面等をEVFLCD44に表示させるための信号を生成してEVFLCD44に供給するLCDI/F64と、デジタルカメラ10全体の動作を司るCPU(中央処理装置)66と、主として撮影により得られたデジタル画像データを記憶するVRAM(Video RAM)により構成されたメモリ58と、スマートメディア(Smart Media(登録商標))により構成されたメモリカード40をデジタルカメラ10でアクセス可能とするための外部メモリI/F38と、所定の圧縮形式でデジタル画像データに対して圧縮処理を施す一方、圧縮処理されたデジタル画像データに対して圧縮形式に応じた伸張処理を施す圧縮・伸張処理回路68と、を含んで構成されている。
【0045】
デジタル信号処理部60、LCDI/F62、64、CPU66、外部メモリI/F38、及び圧縮・伸張処理回路34はシステムバス70を介して相互に接続されている。従って、CPU66は、デジタル信号処理部60及び圧縮・伸張処理回路68の作動の制御、背面LCD22及びEVFLCD44に対する各種情報の表示、メモリ58及びメモリカード40へのアクセスを行うことができる。
【0046】
一方、デジタルカメラ10には、主としてCCD30を駆動させるためのタイミング信号を生成してCCD30に供給するタイミングジェネレータ72が備えられており、CCD30の駆動はCPU66によりタイミングジェネレータ66を介して制御される。
【0047】
CPU66は、CCD30による撮像によって得られた画像のコントラスト値が最大となるように合焦制御を行う(TTL「Through The Lens」方式)。
【0048】
(画質補正画像疑似表示制御)
ここで、本実施の形態に係るデジタルカメラ10においては、デフォルトがOVFであり、撮影(撮像)時に接眼部18を覗きながら、撮像画角を決める(構図を決めるとき)。このとき、撮像動作に先立って、被写体の状況によって、画質を調整する補正を実行する場合がある。
【0049】
画質補正の代表例としては、露出補正、ホワイトバランス補正、暗部補正等がある。ところが、このような画質補正は、CCD30で受光した画像データに対して実行されるため、接眼部18から除く画像(OVF画像)では、補正後の確認ができない。一方、EVFLCD44に画質補正後の画像を表示すれば、接眼部18から画質補正後の画像を見ることができるが、画質補正のための画像データ処理(演算等)に時間がかかり、応答性が悪い。
【0050】
そこで、本実施の形態では、OVF画像に重複するように、EVFLCD44を明るさを調整する機能として動作させることで、画質補正後の疑似的が画像が見られるようにした。
【0051】
より具体的には、EVFLCD44の階調が8ビット(0〜255段階)である場合に、1/2の諧調(段階値が128)を初期状態として表示すると、EVFLCD44のバックライトの光の1/2の光量が、OVF画像の重畳されることになる。
【0052】
例えば、画質補正が露出補正の場合、CCD30で受光した画像データは、全領域で均一に光量が加減されるため、この加減量が決定された時点で、画像データを補正演算するのとは別に、加減量に基づいて、EVFLCD44の階調を調整する。
【0053】
この階調調整により、OVF画像が擬似的に露出補正がなされた状態の画像となり、ユーザーは、露出補正で画像がどの程度変化するかを目視によって確認することができる。
【0054】
また、例えば、画質補正がホワイトバランス補正の場合、CCD30で受光した画像データは、RGBの各色毎に光量が加減されるため、この加減量が決定された時点で、画像データを補正演算するのとは別に、RGBの各色の加減量に基づいて、EVFLCD44の階調を調整する。
【0055】
この階調調整により、OVF画像が擬似的にホワイトバランス補正がなされた状態の画像となり、ユーザーは、ホワイトバランス補正で画像がどの程度変化するかを目視によって確認することができる。
【0056】
さらに、例えば、画質補正が暗部補正の場合、CCD30で受光した画像データは、暗部である一部の領域に対して均一に光量が加減されるため、この加減量が決定された時点で、画像データの一部(暗部)を補正演算するのとは別に、当該暗部の加減量に基づいて、EVFLCD44の階調を調整する。
【0057】
この階調調整により、OVF画像が擬似的に暗部補正がなされた状態の画像となり、ユーザーは、暗部補正で画像がどの程度変化するかを目視によって確認することができる。
【0058】
図4は、メインコントローラ32を主として実行される、画質補正に基づく、EVFLCD44の表示制御のための機能ブロック図である。なお、この図4のブロック図は、機能的に分類したものであり、ハード構成を限定するものではない。
【0059】
図4に示される如く、画質補正指示部100では、操作部28の操作に基づいて、画質補正の指示を受け付ける。
【0060】
画質補正指示部100は、画質補正内容解析部102に接続され、受け付けた指示を、この画質補正内容解析部102へ送出する。画質補正内容解析部102では、入力された指示情報を解析し、画質補正の種類を特定する。
【0061】
画質補正内容解析部102は、画質補正実行指示部104に接続されており、特定した画質補正の種類に関する情報を送出する。画質補正実行指示部104は、補正処理制御部106に対して、補正処理の実行を指示する。補正処理制御部106は、指示を受けた画質補正に基づいて、記憶部108(露出補正プログラムメモリ108A、ホワイトバランス補正プログラムメモリ108B、暗部補正プログラムメモリ108C等)から何れかのプログラムを読み出して起動し、当該プログラムを実行する。なお、図4では、記憶部108に露出補正プログラムメモリ108A、ホワイトバランス補正プログラムメモリ108B、暗部補正プログラムメモリ108Cを図示したが、これら以外にも、画質補正に関するプログラムを必要に応じて記憶してもよい。これにより、操作部28の操作に従って、それぞれプログラムが読み出され起動することができる。
【0062】
露出補正プログラムでは、CCD30で受光する全体の受光データ補正するものであり、所謂絞り調整に相当する。なお、必要に応じて、CCD30の感度を調整する場合もある。例えば、別途設けた光量センサからの出力に応じて、CCD30の受光データを補正する。この場合、CCD30の受光データは全受光面が一律に補正される。
【0063】
ホワイトバランス補正は、例えば、RGBの各色のバランスを調整し、被写体の状況に応じて正しい白色を認識するために、各色の受光データを補正するものである。なお、必要に応じて、CCD30の感度を調整する場合もある。
【0064】
また、暗部補正は、撮影しようとする画角内に、陰影等で部分的に暗くなった領域と、他の領域との差を補間するべく、CCDの一部の領域の受光データを補正するものである。なお、必要に応じて、CCD30の感度を調整する場合もある。なお、この暗部補正は、該当する暗部の受光データが一律に補正される。
【0065】
ここで、本実施の形態では、図4に示される如く、画質補正の状態を擬似的にOVF画像に反映させるべく、画質補正実行指示部104には、EVFLCD初期データ読出部110と、画質補正情報取得部112が接続されている。また、前記画質補正情報取得部112は、前記補正処理制御部106に接続されている。
【0066】
前記画質補正実行指示部104から補正実行指示信号がEVFLCD初期表示データ読出部110に入力されると、EVFLCD初期表示データ読出部110では、基準データ記憶部114からEVFLCD44を初期状態で動作させるための階調データを取得し、EVFLCD表示データ補正部116へ送出する。この初期状態の階調データは、前述したように8ビットであれば、階調値は128(0〜255の中間値)である。
【0067】
また、EVFLCD表示データ補正部116には、画質補正情報取得部112で取得した、画質補正情報が入力されるようになっており、EVFLCD表示データ補正部116には、前記初期状態の階調データ(画質補正前)に続いて、画質補正後の階調データが入力される。
【0068】
EVFLCD表示データ補正部116は、表示制御部118に接続されている。表示制御部118は、前記EVFLCD表示データ補正部116から受けた階調データ(初期状態の階調データ及び画質補正後の階調データ)に基づいて、LCDI/F42を介して、EVFLCD44に階調設定された画像(画質補正の場合は、全領域均一な明るさの画像)を表示する。
【0069】
また、EVFLCD表示データ補正部116は、更新部120に接続されている。更新部120は、前記基準データ記憶部114に接続されている。すなわち、EVFLCD表示データ補正部116で認識している補正状態を、次の画質補正時の初期値とする場合には、更新部120を介して、基準データ記憶部114の基準データを更新する。なお、更新部120による更新は実行せず、基準データは初期に設定した固定値としてもよいし、或いは、露出補正やホワイトバランスは反映させ(更新し)、暗部補正は反映させない(更新しない)ようにし画質補正単位で更新/非更新を選択してもよい。
【0070】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0071】
(通常の撮像/再生動作)
デジタルカメラ10が、撮像モードに切り替えられている場合、鏡筒12内のレンズ12Lを介した撮像によってCCD30から出力された被写体像を示す信号は順次アナログ信号処理部54に入力されて相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理が施された後にADC56に入力され、ADC56は、アナログ信号処理部54から入力されたR(赤)、G(緑)、B(青)の信号を各々8〜12ビットのR、G、B信号(デジタル画像データ)に変換してデジタル信号処理部30に出力する。
【0072】
デジタル信号処理部60は、ラインバッファにADC56から順次入力されるデジタル画像データを蓄積して一旦メモリ58の所定領域に格納する。
【0073】
メモリ58の所定領域に格納されたデジタル画像データは、CPU66による制御下でデジタル信号処理部60によって読み出され、これらに所定の物理量に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行なうと共に、ガンマ処理及びシャープネス処理を行なって8ビットのデジタル画像データを生成し、更にYC信号処理を施して輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(以下、「YC信号」という。)を生成し、YC信号をメモリ58の上記所定領域とは異なる領域に格納する。
【0074】
なお、本実施の形態に係る背面LCD22は、CCD30による連続的な撮像によって得られた動画像(所謂「スルー画像」)を表示してファインダーとして使用することができるものとして構成されているが、このように背面LCD22をファインダーとして使用する場合には、生成したYC信号(映像信号)を、LCDI/F62を介して順次背面LCD22に出力する。これによって背面LCD22にスルー画像が表示されることになる。これは、EVFLCD44においても同様である。
【0075】
ここで、レリーズボタン14がユーザによって半押し状態とされた場合、前述のようにAE機能が働いて露出状態が設定された後、AF機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態とされた場合、この時点でメモリ58に格納されているYC信号を、圧縮・伸張処理回路68によって所定の圧縮形式(本実施の形態では、JPEG形式)で圧縮した後に外部メモリI/F38を介してメモリカード40に記録することによって撮影が行われる。
【0076】
一方、メモリカード40(又はメモリ66)に記憶された画像データは、背面LCD22(又は、EVFLCD44)に表示させることができる。すなわち、デジタルカメラ11を、撮像モードから再生モードに切り替えると、背面LCD22(EVFLCD44)は、前述のようなスルー画像ではなく、既にメモリカード40(又はメモリ66)に記憶された画像データを読み出して表示する。この表示は背面LCD22(EVFLCD44)の表示領域に1枚分の画像を表示することを基準として、2枚以上、或いは1枚の画像のトリミング画像を操作部28の操作によって表示させることができる。
【0077】
(画質補正後画像の表示制御)
本実施の形態に係るデジタルカメラ10においては、デフォルトがOVFである。
【0078】
また、ユーザーは、撮影(撮像)時に接眼部18を覗きながら、撮像画角を決める(構図を決めるとき)。
【0079】
一方、ユーザーは、被写体の状況に応じて、撮像動作に先立って、被写体の状況によって、画質を調整する補正を実行する場合がある。
【0080】
本実施の形態では、OVF画像に重複するように、EVFLCD44を、明るさを調整する機能として動作させることで、擬似的ではあるが、画質補正後の画像を接眼部18から覗くOVF画像で実現させた。
【0081】
図5は、本実施の形態に係る画質補正画像確認制御ルーチンを示すフローチャートである。このフローチャートは、ユーザーの操作部28の操作等により、画質補正の何れかの実行指示がなされたときに起動する。
【0082】
ステップ150では、画質補正種類を認識し、次いでステップ152へ移行してEVFLCD44の初期出力値として、最大出力光量の1/2の出力(初期状態の階調データ)に設定し、ステップ154へ移行する。
【0083】
ステップ154では、初期出力値(初期状態の階調データ)に基づいてEVFLCD44を表示する。これにより、接眼部18を覗いて見える画像は、OVF画像に、EVFLCD44からのEVF画像が重畳されたものとなり、実際には、OVF画像のみのときよりも明るくなる。これが画質補正前の画像となる。
【0084】
次のステップ156では、別途実行されている画質補正が完了したか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ158へ移行して、当該画質補正情報を取得する。
【0085】
ステップ158で画質補正情報を取得すると、ステップ160へ移行して、EVFLCD44の出力値を、画質補正情報に基づき、補正出力値に設定する。
【0086】
次のステップ162では、補正出力値に基づいてEVFLCD44を表示する。これにより、接眼部18を覗いて見える画像は、OVF画像にEVFLCD44からのEVF画像が重畳されたものとなり、擬似的に画質補正後の画像となる。
【0087】
なお、このとき、EVFLCD44の表示状態は前記初期状態から瞬時に補正出力値に移行するが、必要に応じて、徐々に変化させたり、段階的に変化させるようにしてもよい。
【0088】
次のステップ164では、前記ステップ154でEVFLCD44に表示した初期出力値でのEVF画像と、OVF画像との重畳画像と、ステップ162でEVFLCD44に表示された補正出力値でのEVF画像と、OVF画像との重畳画像と、を所定の周期で交互に実行する。すなわち、接眼部18から見える画像の明るさが点滅するように変化する。ユーザーはこの違いを見ることで、画質補正がどのくらい実行されたかを容易に確認することができる。なお、点滅周期は特に限定されるものではないが、周期が早すぎると残存によって、補正後の画像のみが強調される場合があり、周期が遅すぎると補正前後の確認がし難くなる場合があり、0.5秒周期前後(例えば、0.2秒〜0.8秒)が好ましい。
【0089】
また、逆に点滅を行わず(ステップ164の処理を行わず)、EVFLCD44に表示された補正出力値でのEVF画像と、OVF画像との重畳画像を常時表示するようにしてもよい。さらには、ユーザーの何らかの操作で、EVFLCD44に表示した初期出力値でのEVF画像交互に表示するようにしてもよい。
【0090】
次のステップ166では、EVFLCD44の表示を終了させる指示があったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ168へ移行して、OVF画像のみの表示に戻し、このルーチンは終了する。
【0091】
なお、次に画質補正する場合は、既に補正された状態を初期状態としてもよいし(初期出力値の更新)、常に初期出力値を固定値としてもよい。
【0092】
(露出補正における擬似表示の遷移)
図6は、画質補正の内、露出補正を行ったときの接眼部18から見ることができる画像の遷移状態を示したものである。
【0093】
図6(A)は、OVF画像のみであり、所謂被写体の生画像である。この表示状態で、露出補正の指示があると、図6(B)に示される如く、階調データ128(0〜255の中間値)で、EVFLCD44が表示される。このEVFLCD44の画像がOVF画像に合成(重畳)されることになる。図6(B)では合成(重畳)された結果が暗くなっているが、実際は、EVFLCD44から発せられる光が、OVF画像に加算されるため、前記生画像よりも明るい画像となる。
【0094】
この図6(B)の重畳画像が基準となり、別途実行される露出補正の結果が、図6(C)の右端の階調レベルの鎖線になったとすると、この鎖線の階調データで、EVFLCD44が表示される。このEVFLCD44の画像がOVF画像に合成(重畳)されることになり、露出補正結果の擬似的な画像となる。
【0095】
(ホワイトバランス補正における擬似表示の遷移)
図7は、画質補正の内、ホワイトバランス補正を行ったときの接眼部18から見ることができる画像の遷移状態を示したものである。
【0096】
図7(A)は、OVF画像のみであり、所謂被写体の生画像である。この表示状態で、ホワイトバランス補正の指示があると、図7(B)に示される如く、階調データ128(0〜255の中間値)で、EVFLCD44が表示される。このEVFLCD44の画像がOVF画像に合成(重畳)されることになる。図7(B)では合成(重畳)された結果が暗くなっているが、実際は、EVFLCD44から発せられる光が、OVF画像に加算されるため、前記生画像よりも明るい画像となる。
【0097】
この図7(B)の重畳画像が基準となり、別途実行されるホワイトバランス補正の結果が、図7(C)の右端の階調レベルの鎖線になったとすると、この鎖線の階調データ(RGBの各色毎に補正された階調データ)で、EVFLCD44が表示される。このEVFLCD44の画像がOVF画像に合成(重畳)されることになり、ホワイトバランス補正結果の擬似的な画像となる。
【0098】
(暗部補正における擬似表示の遷移)
図8は、画質補正の内、暗部補正を行ったときの接眼部18から見ることができる画像の遷移状態を示したものである。なお、暗部補正は、シェーディング補正を含む。
【0099】
図8(A)は、OVF画像のみであり、所謂被写体の生画像であり、画像の一部が暗くなっている(図8(A)の斜線部分参照)。この表示状態で、暗部補正の指示があると、図8(B)に示される如く、階調データ128(0〜255の中間値)で、EVFLCD44が表示される。このEVFLCD44の画像がOVF画像に合成(重畳)されることになる。図8(B)では合成(重畳)された結果が暗くなっているが、実際は、EVFLCD44から発せられる光が、OVF画像に加算されるため、前記生画像よりも明るい画像となる。この図8(B)の画像でも、画像の一部が暗くなっている。
【0100】
この図8(B)の重畳画像が基準となり、別途実行される暗部補正の結果が、図8(C)の右端の階調レベルの鎖線になったとすると、この鎖線の階調データで、EVFLCD44が表示される。このEVFLCD44の画像がOVF画像に合成(重畳)されることになり、露出補正結果の擬似的な画像となる。擬似的な画像では、画像の一部に存在した暗部が解消されていることがわかる。ユーザーはこれを見て、暗部補正が正常に行われていることを認識することができる。
【0101】
なお、暗部補正(シェーディング補正)制御は、全体を基準として暗い領域を対象としたが、逆に、全体を基準として、明るい領域を対象とする補正にも適用可能である。
【0102】
(点滅制御)
図9は、補正前画像と補正後画像とを交互に表示する制御を行ったときの遷移状態を示している。
【0103】
図9(A)は、暗部補正を例にとったものであり、補正前の画像と、補正後の画像とを所定の周期で交互に表示(制御的には、図9(B)に示すEVFLCD44の表示制御)すると、接眼部18から見える画像は、補正領域が点滅するように見え、補正の状況が見易くなる。
【符号の説明】
【0104】
10 デジタルカメラ(撮像装置)
12L レンズ
12 鏡筒
14 レリーズボタン
16 電源スイッチ
18 接眼部(ファインダー部)
20 対物レンズ(ファインダー部)
22 背面LCD
24 モード切替スイッチ
26 十字カーソルボタン
22TP タッチパネル
28 操作部
30 CCD
32 メインコントローラ
34 鏡筒駆動ドライバ
36 LCDI/F
38 外部メモリI/F
40 メモリカード
42 LCDI/F
44 EVFLCD(表示部、ファインダー部)
48 光路(ファインダー部)
50 光路(ファインダー部)
52 ハーフミラー(選択手段)
54 アナログ信号処理部
56 アナログ/デジタル変換器(ADC)
58 メモリ
60 デジタル信号処理部
62 LCDI/F
64 LCDI/F
66 CPU
68 圧縮・伸張処理回路
70 システムバス
72 タイミングジェネレータ
100 画質補正指示部
102 画質補正内容解析部
104 画質補正実行指示部
106 補正処理制御部(画質補正実行手段)
108 記憶部
108A 露出補正プログラムメモリ
108B ホワイトバランス補正プログラムメモリ
108C 暗部補正プログラムメモリ
110 EVFLCD初期データ読出部(画質補正時初期表示制御手段)
112 画質補正情報取得部(画質補正結果表示制御手段)
114 基準データ記憶部
116 EVFLCD表示データ補正部(画質補正結果表示制御手段)
118 表示制御部(画質補正時初期表示制御手段、画質補正結果表示制御手段)
120 更新部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも撮像素子で被写体を撮像した画像を含むエレクトリカルビュー画像を表示する表示部と、前記表示部に表示されるエレクトリカルビュー画像を接眼部へ案内する光路、並びに光学的に入力される被写体のオプチカルビュー画像の何れかの単独画像を接眼部へ案内する光路を備え、何れか一方の単独画像、或いは双方の合成画像を接眼部へ案内する画像案内手段と、を備えたファインダー部と、
前記ファインダー部への光路を選択する選択手段と、
前記接眼部から見える画像を見ながら、撮像指示操作に基づいて撮像素子で撮像し、当該撮像した画像をデジタル画像データとして記録する撮像モード、並びに前記撮像モードによって記録した画像を再生表示する再生モードを選択的に切り替えるモード切替手段と、
画質補正を実行する画質補正実行手段と、
前記選択手段でオプチカルビュー画像の光路が選択されている状態での撮像モードにおいて、前記画質補正実行手段により前記画質補正が実行された場合に、前記表示手段のエレクトリカルビュー画像として、予め設定した初期表示パターン画像を表示して、前記オプチカルビュー画像に重畳させる画質補正時初期表示制御手段と、
前記画質補正実行手段による画質補正実行結果に基づいて、前記表示部に表示するエレクトリカルビュー画像の濃度を変更して前記オプチカルビュー画像に重畳させることで、疑似的に画質結果を反映させた画像を形成する画質補正結果表示制御手段と、
を有する撮像装置。
【請求項2】
前記初期表示パターン画像が、前記表示手段のエレクトリカルビュー画像の全面を均一、かつ中間的に発光量で発光した画像であることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記画質補正が、露出補正であり、前記画質補正時初期表示制御手段で設定した前記初期表示パターンに対して、全面均一状態を維持しながら、露出補正情報に基づいて、表示部の発光量を調整することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記画質補正が、ホワイトバランス補正であり、前記画質補正時初期表示制御手段で設定した前記初期表示パターンに対して、ホワイトバランス補正情報に基づいて、表示部の画素毎のカラーバランス、並びに発光量を調整することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の撮像装置。
【請求項5】
前記画質補正が、暗部補正であり、前記画質補正時初期表示制御手段で設定した前記初期表示パターンに対して、暗部補正情報に基づいて、表示部の画素毎の発光量を調整することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の撮像装置。
【請求項6】
前記画質補正結果表示制御手段で実行される画質補正後の表示部の表示を、周期的に点滅制御する点滅表示制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項記載の撮像装置。
【請求項7】
前記画質補正後のエレクトリカルビュー画像の調整が完了した時点で、オプチカルビュー画像を遮光して、前記表示部にエレクトリカルビュー画像を表示するように切り替える手動又は自動の切替手段をさらに有する請求項1〜請求項6の何れか1項記載の撮像装置。
【請求項8】
少なくとも撮像素子で被写体を撮像した画像を含むエレクトリカルビュー画像を表示する表示部と、前記表示部に表示されるエレクトリカルビュー画像を接眼部へ案内する光路、並びに光学的に入力される被写体のオプチカルビュー画像の何れかの単独画像を接眼部へ案内する光路を備え、何れか一方の単独画像、或いは双方の合成画像を接眼部へ案内する画像案内手段と、を備えたファインダー部と、前記ファインダー部への光路を選択する選択手段と、前記選択手段で何れかの光路が選択され、前記接眼部から見える画像を見ながら、撮像指示操作に基づいて撮像素子で撮像し、当該撮像した画像をデジタル画像データとして記録する撮像モード、並びに前記撮像モードによって記録した画像を再生表示する再生モードを選択的に切り替えるモード切替手段と、画質補正を実行する画質補正実行手段と、を備えた撮像装置に用いられ、画質補正後の状態をオプチカルビュー画像で確認するための表示制御方法であって、
前記撮像モード中、前記画質補正が実行された場合に、前記エレクトリカルビュー画像として、予め設定した初期表示パターン画像を表示して、前記オプチカルビュー画像に重畳させ、
前記画質補正実行結果に基づいて、前記エレクトリカルビュー画像の濃度を変更して前記オプチカルビュー画像に重畳させることで、疑似的に画質結果を反映させた画像を形成する、
ことを特徴とする表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−63721(P2012−63721A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209969(P2010−209969)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】