説明

撮像装置および撮像方法

【課題】連続撮像時における圧縮符号化処理を高精度かつ高速に行う。
【解決手段】撮像装置100は、連続撮像により時間方向に連続する複数の画像データを生成する撮像部104と、画像データを補正するための補正要素に基づいて画像データの圧縮率を補正し、画面内予測符号化方式を用いて圧縮符号化する画像加工部と、圧縮符号化された画像データを画像記憶部に記憶するデータ制御部124と、圧縮符号化された画像データの現実の圧縮率である現圧縮率を導出する現圧縮率導出部130と、現圧縮率を時間方向に連続して複数保持する現圧縮率保持部132と、保持された複数の現圧縮率、または、保持された複数の現圧縮率と今回圧縮符号化する画像データの圧縮率とから、次回圧縮符号化する画像データの圧縮率である次圧縮率を予測する次圧縮率予測部134と、次圧縮率に基づいて補正要素を導出する補正要素導出部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続撮像(連写)により生成された画像データに画面内予測符号化による圧縮符号化処理を施して記憶する撮像装置および撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像した画像をデジタルデータ(画像データ)として記憶する撮像装置(デジタル撮像装置)には、画像データを圧縮符号化しデータ容量を小さくしてから記憶することで、記憶媒体のデータ領域を有効に利用する機能が搭載されている。このような圧縮符号化方法のひとつとして、JPEG(Joint Photographic Experts Group)圧縮と呼ばれる画面内予測符号化方式がある。この方式は主に静止画を圧縮する際に用いられるものであるが、これを動画に応用したMotion JPEGという方式もある。これらの符号化方式は、MPEG(Moving Picture Experts Group)などと比較して同一ビットレートでの圧縮効率は悪いが、画面間の差分情報を用いないため、符号化、復号化時の処理が軽くて済み、また、任意の箇所を簡単に編集することが可能であるという利点がある。本発明は、このJPEG等の画面内符号化方式を用いることを前提としたものである。また、撮像装置には、リリーススイッチを連続的に押止することで、画像を連続撮像する機能を有するものもある。
【0003】
このような連続撮像では、一度に多くの画像データが生成されるため、生成された画像データのデータ容量が所望のデータ容量に収まるように圧縮符号化処理を適切に制御しなければならない。従来は、撮像後の複数の画像データ(ローデータ)に、予め定められた圧縮に関するパラメータを用いて暫定的に圧縮符号化処理を施し、その結果に応じてパラメータを変更し、再度圧縮符号化処理を施すといった動作を繰り返して、連続撮像した画像データ全てのデータ容量を所望のデータ容量に近づける処理が行われていた(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、圧縮率の探索範囲の初期値の最大値および最小値によって画像信号の圧縮符号化処理をそれぞれ行い、最大値による圧縮符号化処理で得られたデータ容量および最小値による圧縮符号化処理で得られたデータ容量に基づいて圧縮率と圧縮符号化処理後のデータ容量との相関を近似し、圧縮符号化処理後の目標データ容量が得られる圧縮率の候補を推定する技術も知られている(例えば、特許文献2)。
【0005】
また、短時間の圧縮符号化処理を実現するため、画像データの取り出しおよび圧縮率の算出を継続的に行い、撮像操作がなされる直前に算出されていた圧縮率に従って、次回の画像データの圧縮符号化処理を行う技術が開示されている(例えば、特許文献3)。同様に、圧縮符号化処理後の1の画像データのデータ容量と目標値とを比較し、データ容量が目標値とほぼ一致するように次回の圧縮率を決定する技術も開示されている(例えば、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−141591号公報
【特許文献2】特開平10−150633号公報
【特許文献3】特開平11−122573号公報
【特許文献4】特開2000−125255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、データ容量が限られた記憶媒体に、連続撮像した多数の画像データを記憶するためには、撮像された画像データに圧縮符号化処理を施さなければならない。また、連続撮像した多数の画像データを所望のデータ容量に収めるには、圧縮符号化処理における圧縮率を適切に制御する必要もある。撮像装置では、例えば、予め設定された目標圧縮率に従って圧縮符号化処理を行う。しかし、画像データによっては、目標圧縮率と現実の圧縮率が大幅にずれてしまう場合がある。
【0008】
所望するデータ容量に収めるには、このような圧縮率のずれを補正しなければならないが、例えば、特許文献1および2の技術では、暫定的な圧縮符号化処理に加え、その結果に基づく圧縮符号化処理が繰り返し行われるので、最終的な圧縮率が決定するまでに長時間を要するといった問題があった。また、特許文献3および4の技術では、画像データの圧縮率を直前の画像データの圧縮率のみに基づいて予測しているので、イレギュラーな画像が撮像されたり、画像間の移動量が大きい場合に圧縮率の予測精度が低くなってしまう問題があった。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑み、連続撮像時における圧縮符号化処理を高精度かつ高速に行うことが可能な撮像装置および撮像方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は下記の撮像装置および撮像方法を提供するものである。
(1)連続撮像により時間方向に連続する複数の画像データを生成する撮像部と、画像データを補正するための補正要素に基づいて前記画像データの圧縮率を補正し、画面内予測符号化方式を用いて圧縮符号化する画像加工部と、圧縮符号化された前記画像データを画像記憶部に記憶するデータ制御部と、圧縮符号化された前記画像データの現実の圧縮率である現圧縮率を導出する現圧縮率導出部と、前記現圧縮率を時間方向に連続して複数保持する現圧縮率保持部と、保持された複数の前記現圧縮率、または、保持された前記複数の現圧縮率と今回圧縮符号化する画像データの圧縮率とから、次回圧縮符号化する画像データの圧縮率である次圧縮率を予測する次圧縮率予測部と、前記次圧縮率に基づいて前記補正要素を導出する補正要素導出部と、を備えることを特徴とする撮像装置。
(2)前記次圧縮率予測部は、予め定められた数の前記現圧縮率を平均し、その平均値を次圧縮率とすることを特徴とする上記(1)に記載の撮像装置。
(3)前記次圧縮率予測部は、予め定められた数の前記現圧縮率の時間方向に隣接する前記現圧縮率の差分値を平均し、その平均値を最新の前記現圧縮率に加算して次圧縮率とすることを特徴とする上記(1)に記載の撮像装置。
(4)前記次圧縮率予測部は、予め定められた数の前記現圧縮率の時間方向に隣接する前記現圧縮率の変化率を平均し、その平均値を最新の前記現圧縮率に乗算して次圧縮率とすることを特徴とする上記(1)に記載の撮像装置。
(5)前記次圧縮率予測部は、予め定められた数の前記現圧縮率を平均する処理、前記現圧縮率の時間方向に隣接する前記現圧縮率の差分値の平均値を最新の前記現圧縮率に加算する処理、前記現圧縮率の時間方向に隣接する前記現圧縮率の変化率の平均値を最新の前記現圧縮率に乗算する処理の群から選択された2または3の処理を、前記現圧縮率の変化態様に応じて切り換え、次圧縮率を予測することを特徴とする上記(1)に記載の撮像装置。
(6)前記画像加工部は、画像データの周波数領域の特性を、前記補正要素としての周波数応答特性に基づいて変換する周波数応答処理部であり、前記補正要素導出部は、前記次圧縮率と目標圧縮率とに基づいて前記周波数応答特性を導出する周波数応答導出部であることを特徴とする上記(1)から(5)のいずれかに記載の撮像装置。
(7)予め定められた複数の前記周波数応答特性と、前記次圧縮率と前記目標圧縮率との差分値と複数の前記周波数応答特性とを対応させた周波数応答テーブルとをさらに有し、前記周波数応答導出部は、前記周波数応答テーブルを用いて1の周波数応答特性を選択することを特徴とする上記(6)に記載の撮像装置。
(8)前記画像加工部は、画像データの階調を、前記補正要素としての階調特性に基づいて変換する階調処理部であり、前記補正要素導出部は、前記次圧縮率と目標圧縮率とに基づいて前記階調特性を導出する階調導出部であることを特徴とする上記(1)から(5)のいずれかに記載の撮像装置。
(9)予め定められた複数の前記階調特性と、前記次圧縮率と前記目標圧縮率との差分値と複数の前記階調特性とを対応させた階調テーブルとをさらに有し、前記階調導出部は、前記階調テーブルを用いて1の階調特性を選択することを特徴とする上記(8)に記載の撮像装置。
(10)前記画像加工部は、画像データに対し、前記補正要素としての量子化テーブルに基づいて圧縮符号化処理を行う圧縮処理部であり、前記補正要素導出部は、前記次圧縮率と目標圧縮率とに基づいて前記量子化テーブルを導出する量子化テーブル導出部であることを特徴とする上記(1)から(5)のいずれかに記載の撮像装置。
(11)予め定められた複数の量子化テーブルと、前記次圧縮率と前記目標圧縮率との差分値と複数の前記量子化テーブルとを対応させた量子化対応テーブルとをさらに有し、前記量子化テーブル導出部は、前記量子化対応テーブルを用いて1の量子化テーブルを選択することを特徴とする上記(10)に記載の撮像装置。
(12)前記データ制御部は、前記圧縮符号化された複数の画像データのうち、最後に圧縮符号化された画像データのみ前記画像記憶部に記憶することを特徴とする上記(1)から(11)のいずれかに記載の撮像装置。
(13)連続撮像により時間方向に連続する複数の画像データを生成し、画像データを補正するための補正要素に基づいて前記画像データの圧縮率を補正し、画面内予測符号化方式を用いて圧縮符号化し、圧縮符号化された前記画像データを画像記憶部に記憶し、圧縮符号化された前記画像データの現実の圧縮率である現圧縮率を導出し、前記現圧縮率を時間方向に連続して複数保持し、保持された複数の前記現圧縮率、または、保持された前記複数の現圧縮率と今回圧縮符号化する画像データの圧縮率とから、次回圧縮符号化する画像データの圧縮率である次圧縮率を予測し、前記次圧縮率に基づいて前記補正要素を導出することを特徴とする撮像方法。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明によれば、連続撮像時における圧縮符号化処理を高精度かつ高速に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態にかかる撮像装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。
【図2】次圧縮率予測部の動作を説明するための説明図である。
【図3】次圧縮率予測部の動作を説明するための説明図である。
【図4】次圧縮率予測部の動作を説明するための説明図である。
【図5】周波数応答特性による圧縮率の補正を説明するための説明図である。
【図6】階調特性による圧縮率の補正を説明するための説明図である。
【図7】量子化テーブルによる圧縮率の補正を説明するための説明図である。
【図8】撮像装置の他の例を示した機能ブロック図である。
【図9】第1の実施形態にかかる撮像方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【図10】第2の実施形態にかかる撮像装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。
【図11】画像データの生成速度の変化を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】画像データの生成速度の変化の他の例を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】第2の実施形態にかかる撮像方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0014】
本実施形態において「画像データ」は、撮像部の撮像素子による一度の撮像で生成される1画面分のデータを言う。「撮像」は、撮像部を通じて画像データを生成する動作を言い、「記憶」は、生成された画像データを記憶媒体に記憶する動作を言う。
【0015】
また、「連続撮像」は、画像データを、時間方向に連続して、順次生成する一連の動作を言い、例えば、1秒あたり1枚以上の画像データが生成される。また、本実施形態では、連続撮像し、さらにその画像データを連続的に記憶する場合の速度を撮像記憶速度と言い、撮像記憶速度は、例えば60枚/secといった値をとる。「単写撮像」は、少なくとも1枚の画像データを生成する動作を言い、その1枚の画像データを記憶する動作までを含む場合もあるが、画像データを記憶する前に、画像データを生成する動作を複数回行うことを排除するものではない。
【0016】
(第1の実施形態:撮像装置100)
図1は、第1の実施形態にかかる撮像装置100の概略的な構成を示した機能ブロック図である。撮像装置100は、撮像部104と、同期信号発生部(SSG:Synchronizing Signal Generator)106と、タイミング発生部(TG:Timing Generator)108と、リリーススイッチ110と、Y/C処理部112と、周波数応答処理部114と、階調処理部116と、圧縮処理部118と、システム内部バス120と、画像メモリ122と、データ制御部124と、画像記憶部126と、表示部128と、現圧縮率導出部130と、現圧縮率保持部132と、次圧縮率予測部134と、周波数応答導出部136と、周波数応答保持部138と、階調導出部140と、階調保持部142と、量子化テーブル導出部144と、量子化テーブル保持部146とを含んで構成される。
【0017】
また、周波数応答処理部114と、階調処理部116と、圧縮処理部118とは、補正要素に基づいて画像データの圧縮率を補正し、画面内予測符号化方式を用いて圧縮符号化する画像加工部として機能し、周波数応答導出部136と、階調導出部140と、量子化テーブル導出部144とは、補正要素を導出する補正要素導出部として機能する。ここで、補正要素は、画像加工部で用いられる、周波数応答特性、階調特性、量子化テーブルの群から選択された1または複数の要素を言う。周波数応答特性、階調特性、量子化テーブルに関しては後ほど詳述する。
【0018】
尚、データ制御部124、現圧縮率導出部130、次圧縮率予測部134、周波数応答導出部136、階調導出部140、量子化テーブル導出部144は、ハードウェアで構成してもよいし、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等と協働して動作する中央処理装置(CPU)を通じてソフトウェアで遂行されてもよい。また、図1においては、周波数応答処理部114の後段に階調処理部116が縦続されているが、この順序は逆でもよい。
【0019】
撮像部104は、レンズや、レンズを通じて入射した入射光を光電変換し画像データを生成する撮像素子等で構成され、例えば、連続撮像により時間方向に連続する複数の画像データを生成して、生成した複数の画像データを、順次Y/C処理部112に送信する。同期信号発生部106は、生成される画像データの水平サイズと垂直サイズに対応させ、内部クロックに同期して、水平同期信号と垂直同期信号を生成しタイミング発生部108に送信する。
【0020】
タイミング発生部108は、同期信号発生部106で生成された水平同期信号と垂直同期信号に基づいて撮像部104の撮像素子のクロックタイミングを変化させる制御信号を生成する。撮像部104は、かかる制御信号に応じて画像データを生成する。リリーススイッチ110は、ボタンスイッチ等で構成され、撮像者の操作入力を受け付け、撮像部104における画像データの生成のトリガ(契機)となる制御信号を生成する。また、本実施形態の撮像装置100では、撮像者がリリーススイッチ110を押止し続けることで連続撮像を行うことができる。
【0021】
Y/C処理部112は、画像データを輝度データ(Y)と色データ(C)に分離、変換する処理を行う。周波数応答処理部114は、Y/C処理部112を通じた画像データの周波数領域の特性を、後述する周波数応答導出部136で導出された周波数応答特性に基づいて変換する。階調処理部116は、周波数応答特性の変換処理が施された画像データの階調を、後述する階調導出部140で導出された階調特性に基づいて変換する。
【0022】
圧縮処理部118は、JPEG圧縮方式に従い、階調特性の変換処理が施された画像データに対し、量子化テーブルに基づいて圧縮符号化処理を行い、圧縮符号化処理を施した画像データを、システム内部バス120を通じて画像メモリ122に送信する。JPEG圧縮方式は既存の技術であるので、ここではその詳細な説明を省略する。また、圧縮処理部118は、JPEG圧縮方式以外の様々な既存の静止画圧縮方式を採用することが可能である。
【0023】
画像メモリ122は、SRAMやDRAM等のバッファで構成され、送信された画像データを一時的に保持する。データ制御部124は、画像メモリ122に一時的に保持されている画像データを、システム内部バス120を通じて画像記憶部126に転送して画像データを保持させたり、画像メモリ122に保持されている画像データに基づく画像を表示部128に表示させたりする。
【0024】
画像記憶部126は、撮像装置100と一体的に形成された、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体で構成され、1または複数の画像データを保持する。また、画像記憶部126として、撮像装置100から着脱可能な、DVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu-ray Disc)といった光ディスク媒体や、磁気テープ、磁気ディスクといった磁気媒体、フラッシュメモリ、ポータブルHDD等の外部記憶媒体を適用してもよい。尚、HDDは正確には装置であるが、説明の便宜上本実施形態では他の記憶媒体と同義として扱う。表示部128は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成される。
【0025】
現圧縮率導出部130は、圧縮処理部118によって圧縮符号化処理が施される前の画像データのデータ容量と、圧縮符号化処理が施された後の画像データのデータ容量を比較して、圧縮符号化処理における直近かつ現実の圧縮率である現圧縮率を導出する。また、導出された現圧縮率を現圧縮率保持部132に順次保持させる。現圧縮率保持部132は、現圧縮率導出部130が導出した現圧縮率を時間方向に連続して複数保持する。したがって、現圧縮率保持部132には、過去の複数回に渡る現圧縮率が保持されていることとなる。
【0026】
次圧縮率予測部134は、現圧縮率保持部132に保持された、直近の現圧縮率を含む過去複数回に渡る現圧縮率を現圧縮率保持部132から取得し、その複数の現圧縮率、または、保持された複数の現圧縮率と今回圧縮符号化する画像データの圧縮率とから、次回圧縮符号化する画像データの圧縮率である次圧縮率を予測する。かかる次圧縮率の予測は、複数の現圧縮率の(1)平均値、(2)差分値、(3)変化率を用いて行う。以下、それぞれにおける次圧縮率の導出処理を詳述する。
【0027】
図2〜4は、次圧縮率予測部134の動作を説明するための説明図である。特に図2は(1)平均値を用いる場合を、図3は(2)差分値を用いる場合を、図4は(3)変化率を用いる場合を示している。ここで、次圧縮率予測部134は、直近の現圧縮率と過去4回分の現圧縮率と合わせて5回分の現圧縮率150に基づいて次圧縮率152を予測している。ただし、次圧縮率予測部134で用いる現圧縮率150の数は、かかる5に限らず2以上であればよい。
【0028】
図2のように平均値を用いる場合、次圧縮率予測部134は、以下の数式1を用いて、直近を含む5回分の現圧縮率150(図2中、a、b、c、d、e)の平均値fを求める。
【数1】

…(数式1)
こうして求められた平均値fが次圧縮率152となる。このように平均値を用いると、イレギュラーな画像が撮像された等、圧縮率に短時間に大きな変化があった場合であっても、その変化に安易に追従することなく、適切な次圧縮率152を導出することが可能となる。
【0029】
また、図3のように差分値を用いる場合、次圧縮率予測部134は、以下の数式2に示すように、直近を含む5回分の現圧縮率150(図3中、a、b、c、d、e)のそれぞれ時間方向に隣接する現圧縮率150同士の差分値を求め(b−a、c−b、d−c、e−d)、その平均値を直近の現圧縮率150(ここではe)に加算する。
【数2】

…(数式2)
こうして求められた、差分値を利用した値gが次圧縮率152となる。このように差分値を用いると、画像間の移動量が大きい等、圧縮率が連続的に大小一方向に変化し続けたり、その変化方向が偏っている場合に、その変化に追従した適切な次圧縮率152を導出することが可能となる。
【0030】
さらに、図4のように変化率を用いる場合、次圧縮率予測部134は、以下の数式3に示すように、直近を含む5回分の現圧縮率150(図4中、a、b、c、d、e)のそれぞれ時間方向に隣接する現圧縮率150同士の変化率を求め(b/a、c/b、d/c、e/d)、その平均値を直近の現圧縮率150(ここではe)に乗算する。
【数3】

…(数式3)
こうして求められた、変化率を利用した値hが次圧縮率152となる。このように変化率を用いると、画像間の移動量が大きい等、圧縮率が連続的に大小一方向に変化し続けたり、その変化方向が偏っている場合に、その変化に追従した適切な次圧縮率152を導出することが可能となる。
【0031】
上述したように、次圧縮率予測部134で用いる現圧縮率150の数は2以上であれば足りるが、例えば、連続撮像開始時のように、現圧縮率150の数が予め定められた数に満たない場合、次圧縮率予測部134は、直近の現圧縮率150をそのまま次圧縮率152としたり、現圧縮率保持部132に保持している、予め定められた数に満たない現圧縮率150のみを反映して次圧縮率152を予測してもよい。
【0032】
例えば、連続撮像における1枚目の画像データの撮像では1回前の現圧縮率150が存在しないため、周波数応答処理部114、階調処理部116、圧縮処理部118は、それぞれ、予め準備されている標準の周波数応答特性、階調特性、量子化テーブルに基づいて変換処理または圧縮符号化処理を行う。なお、これらの、標準の周波数応答特性、階調特性、量子化テーブルは、ユーザーが外部操作によって設定した目標となる圧縮率に基づいて設定されるものである。そして、次圧縮率予測部134は、その変更処理および圧縮符号化処理による画像データの現圧縮率150をそのまま次圧縮率152とする。また、2枚目の画像データの撮像では、1回分の現圧縮率150しか保持されていないものの、周波数応答処理部114、階調処理部116、圧縮処理部118は、その1回分の現圧縮率150による次圧縮率152から導出された新たな周波数応答特性、階調特性、量子化テーブルに基づいて変換処理または圧縮符号化処理を行う。
【0033】
同様に、現圧縮率150の数が予め定められた数に達するまで、次圧縮率予測部134は、現圧縮率保持部132に保持している、予め定められた数に満たない現圧縮率150を用いて次圧縮率を予測し、周波数応答処理部114、階調処理部116、圧縮処理部118は、その次圧縮率152から導出された新たな周波数応答特性、階調特性、量子化テーブルに基づいて変換処理または圧縮符号化処理を行う。このとき、データ制御部124は、生成された画像データのうち、現圧縮率150の数が予め定められた数に達するまでの画像データを画像記憶部126には記憶せず、予め定められた数に達した後に記憶し始めるとすることもできる。
【0034】
ここでは、連続撮像における2枚目の画像データの撮像から予め定められた数に達するまで、周波数応答処理部114、階調処理部116、圧縮処理部118は、現圧縮率保持部132に保持している現圧縮率150を用いた新たな周波数応答特性、階調特性、量子化テーブルに基づいて変換処理または圧縮符号化処理を行うとしたが、かかる場合に限らず、1枚目同様、予め定められた数に達するまで予め準備さている標準の周波数応答特性、階調特性、量子化テーブルに基づいて変換処理または圧縮符号化処理を行ってもよい。
【0035】
また、複数の現圧縮率150を取り出す時間的位置は、上述したように直近および過去の1または複数回に限られず、直近を除く過去の所定回とすることもできる。
【0036】
さらに、次圧縮率予測部134は、上述した(1)予め定められた数の現圧縮率150を平均する処理、(2)現圧縮率150の時間方向に隣接する現圧縮率150の差分値の平均値を最新の現圧縮率150に加算する処理、(3)現圧縮率150の時間方向に隣接する現圧縮率150の変化率の平均値を最新の現圧縮率150に乗算する処理、の群から選択された2または3の処理を、現圧縮率150の変化態様(変化の向きやその大きさ)に応じて切り換え、次圧縮率152を予測するとしてもよい。
【0037】
例えば、(1)予め定められた数の現圧縮率150を平均する処理と、(2)現圧縮率150の時間方向に隣接する現圧縮率150の差分値の平均値を最新の現圧縮率150に加算する処理とを切換可能に組み合わせたとする。次圧縮率予測部134は、現圧縮率150の変化態様を監視し、例えば、画像間の移動量が大きい等、圧縮率が連続的に大小一方向に変化し続けたり、その変化方向が偏っている場合、(2)差分値を用いて次圧縮率152を予測し、イレギュラーな画像が撮像された等、圧縮率に短時間に大きな変化があった場合、(1)平均値を用いて次圧縮率152を予測する。このように現圧縮率150の変化態様に応じて、それぞれ次圧縮率の効果的な導出方法を用いることで、より高精度に圧縮符号化後の画像データのデータ容量を目標値に近づけることが可能となる。
【0038】
続いて、画像データの圧縮率の補正について説明する。画像データの圧縮率の補正は、周波数応答処理部114、階調処理部116、圧縮処理部118それぞれが、周波数応答特性、階調特性、量子化テーブルに基づいて変換処理または圧縮符号化処理を行うことで為される。したがって、(a)周波数応答特性、(b)階調特性、(c)量子化テーブルを補正することで結果的に画像データの圧縮率が相対的に変化し、連続撮像全時間を通じて現圧縮率150を目標圧縮率に近づけることができる。
【0039】
ここで、目標圧縮率は、撮像者が設定した、または複数の選択肢(標準モードやファインモードといった撮像モード等)から選択した1の圧縮率である。また、目標圧縮率は、一度の連続撮像で記憶可能な総データ容量を連続撮像の枚数で除算した1枚当たりのデータ容量に基づいて決定されるとしてもよい。
【0040】
周波数応答導出部136は、予測された次圧縮率152が目標圧縮率に近づくように、周波数応答保持部138に保持された前回の周波数応答特性と、次圧縮率予測部134が予測した次圧縮率152と、予め設定されている連続撮像における目標圧縮率とに基づいて、周波数応答処理部114が用いる周波数応答特性を導出する。
【0041】
具体的に、周波数応答導出部136は、まず、次圧縮率予測部134が予測した次圧縮率152と、目標圧縮率とを比較し、圧縮効果を下げるべきか上げるべきか判断する。例えば、周波数応答特性がLPF(Low Pass Filter)による周波数応答特性として表されている場合、周波数応答導出部136は、圧縮効果を下げるべきと判断すると、そのLPFのカットオフ周波数fc(大凡30〜40MHz程度)を上げ(通過帯域幅を拡げ)、圧縮効果を上げるべきと判断した場合、LPFのカットオフ周波数fcを下げる(通過帯域幅を狭める)。
【0042】
図5は、周波数応答特性による圧縮率の補正を説明するための説明図である。図5では、横軸は周波数、縦軸は周波数に対する応答(レスポンス)を示す。上記のように、周波数応答特性がLPFによる周波数応答特性として表されている場合、周波数応答導出部136は、図5(a)に示されたような、前回導出された周波数応答特性を周波数応答保持部138から取得し(前回のLPFのカットオフ周波数fcを取得し)、圧縮効果を下げるべきと判断した場合、図5(b)に示すように、前回のLPFのカットオフ周波数fcを、次圧縮率152と目標圧縮率との差分値に応じて決定される周波数分だけ上げる。また、周波数応答導出部136は、圧縮効果を上げるべきと判断した場合、図5(c)に示すように、前回のLPFのカットオフ周波数fcを、次圧縮率152と目標圧縮率との差分値に応じて決定される周波数分だけ下げる。
【0043】
ここで、圧縮率の補正に周波数応答特性を用いたのは以下の理由による。即ち、画像データでは、高周波成分が多いほど、画像データのデータ容量が大きくなり、その分、圧縮効果を上げなければならない。圧縮率を目標圧縮率に近づけるためには、圧縮符号化処理が施される前の段階で画像データから高周波成分を除けばよいことになる。そこで、本実施形態では、次圧縮率152の圧縮効果が目標圧縮率の圧縮効果より大きい場合、圧縮効果を下げるべきと判断して周波数応答特性の帯域幅を拡げ、逆に、次圧縮率152の圧縮効果が目標圧縮率の圧縮効果より小さい場合、圧縮効果を上げるべきと判断して周波数応答特性の帯域幅を狭めている。
【0044】
また、上記では、周波数応答特性の帯域幅を、次圧縮率152と目標圧縮率との差分値に応じて変化させ、その都度、周波数応答特性を求める例を挙げたが、かかる場合に限られず、例えば、予め定められた複数の周波数応答特性(例えば、予め定められた複数のカットオフ周波数fc)と、次圧縮率152と目標圧縮率との差分値と複数の周波数応答特性とを対応させた周波数応答テーブルとを準備しておき、次圧縮率152と目標圧縮率との差分値に基づいて、適切な1の周波数応答特性を選択する構成としてもよい。かかる構成によって、周波数応答導出部136の処理負荷を削減でき、また、周波数応答特性が迅速に求められるため、画像データの圧縮符号化処理に費やす時間を短縮でき、ひいては、連続撮像における画像データの生成間隔を短縮することも可能となる。
【0045】
周波数応答導出部136は、このようにして求められた新たな周波数応答特性を周波数応答処理部114に送信し、周波数応答処理部114は、かかる新たな周波数応答特性に基づいて画像データを変換する。また、周波数応答導出部136は、導出された周波数応答特性を周波数応答保持部138の周波数応答特性に上書きして次回の処理に備える。
【0046】
階調導出部140は、予測された次圧縮率152が目標圧縮率に近づくように、階調保持部142に保持された前回の階調特性と、次圧縮率予測部134が予測した次圧縮率152と、予め設定されている連続撮像における目標圧縮率とに基づいて、階調処理部116が用いる階調特性を導出する。
【0047】
具体的に、階調導出部140は、まず、次圧縮率予測部134が予測した次圧縮率152と、目標圧縮率とを比較し、圧縮効果を下げるべきか上げるべきか判断する。そして、階調導出部140は、圧縮効果を下げるべきと判断した場合、例えば、階調特性である階調変換曲線(ここでは直線)の全体的な傾きを大きくし、圧縮効果を上げるべきと判断した場合、階調変換曲線の全体的な傾きを小さくする。
【0048】
図6は、階調特性による圧縮率の補正を説明するための説明図である。図6では、横軸は階調処理部116に入力された画像データの階調値を、縦軸は階調処理部116から出力される画像データの階調値を示す。階調導出部140は、図6(a)に示されたような、前回導出された階調特性を階調保持部142から取得し(前回の階調変換曲線160の傾き(ここでは例えば傾き1)を取得し)、圧縮効果を下げるべきと判断した場合、図6(b)に示すように、前回の階調変換曲線160の傾きを、次圧縮率152と目標圧縮率との差分値に応じて決定される値分だけ上げる。また、階調導出部140は、圧縮効果を上げるべきと判断した場合、図6(c)に示すように、前回の階調変換曲線160の傾きを、次圧縮率152と目標圧縮率との差分値に応じて決定される値分だけ下げる。ただし、図6(a)〜(c)のように、入力された階調値が0.5であった場合、出力される階調値も0.5となるように、階調変換曲線160のオフセットが調整される。
【0049】
ここで、圧縮率の補正に階調特性を用いたのは以下の理由による。即ち、画像データでは、階調値がとりうる範囲が大きいほどコントラストが大きくなり、それに伴って画像データのデータ容量が大きくなるので、その分、圧縮効果を上げなければならない。圧縮率を目標圧縮率に近づけるためには、圧縮符号化処理が施される前の段階で画像データの階調値のコントラストを変えればよい。そこで、本実施形態では、次圧縮率152の圧縮効果が目標圧縮率の圧縮効果より大きい場合、圧縮効果を下げるべきと判断して階調特性である階調変換曲線160の傾きを上げてコントラストを大きくし、逆に、次圧縮率152の圧縮効果が目標圧縮率の圧縮効果より小さい場合、圧縮効果を上げるべきと判断して階調変換曲線160の傾きを下げてコントラストを小さくしている。
【0050】
ここでは、階調特性である階調変換曲線160が直線(1次の曲線)となる例を挙げて説明したが、階調変換曲線160は直線に限られず、折線や2次以上の漸増曲線で構成することもできる。この場合、階調導出部140は、階調変換曲線160の近似直線の傾きが大きく、または小さくなるように階調変換曲線160を変化させるとしてもよい。また、階調値として、8bit入力、8bit出力の例を示したが、別のbit値でもよい。
【0051】
また、上記では、階調特性である階調変換曲線160の傾きを、次圧縮率152と目標圧縮率との差分値に応じて変化させ、その都度、階調特性を求める例を挙げたが、かかる場合に限られず、予め定められた複数の階調特性(例えば、予め定められた複数の階調変換曲線160の傾き)と、次圧縮率152と目標圧縮率との差分値と複数の階調変換曲線160の傾きとを対応させた階調テーブルとを準備しておき、次圧縮率152と目標圧縮率との差分値に基づいて、適切な1の階調変換曲線160の傾きを選択する構成としてもよい。かかる構成によって、階調導出部140の処理負荷を削減でき、また、階調特性が迅速に求められるため、画像データの圧縮符号化処理に費やす時間を短縮でき、ひいては、連続撮像における画像データの生成間隔を短縮することも可能となる。
【0052】
階調導出部140は、このようにして求められた新たな階調特性(階調変換曲線160の傾き)を階調処理部116に送信し、階調処理部116は、かかる新たな階調特性に基づいて画像データを変換する。また、階調導出部140は、導出された階調特性を階調保持部142の階調特性に上書きして次回の処理に備える。
【0053】
量子化テーブル導出部144は、予測された次圧縮率152が目標圧縮率に近づくように、量子化テーブル保持部146に保持された前回の量子化テーブルと、次圧縮率予測部134が予測した次圧縮率152と、予め設定されている連続撮像における目標圧縮率とに基づいて、圧縮処理部118が用いる量子化テーブルを導出する。ここで、量子化テーブルは、JPEGにおける離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)後の画像データの、比較的高い周波数成分を省略するために、その画像データを除算する係数をそれぞれ異ならせて配した表を言い、例えば、画像ブロックが8画素×8画素で表される場合、同じく8×8の係数が配された表となる。
【0054】
具体的に、量子化テーブル導出部144は、まず、次圧縮率予測部134が予測した次圧縮率152と、目標圧縮率とを比較し、圧縮効果を下げるべきか上げるべきか判断する。そして、量子化テーブル導出部144は、圧縮効果を下げるべきと判断した場合、例えば、量子化テーブルの各係数を比較的小さい(除数が小さい)値にし、圧縮効果を上げるべきと判断した場合、量子化テーブルの各係数を比較的大きい(除数が大きい)値にする。
【0055】
図7は、量子化テーブル170による圧縮率の補正を説明するための説明図である。図7では、量子化テーブル170が画像ブロックに合わせて8×8の係数の配列によって表されている。また、量子化テーブル170は、図7中、左上に向かって画像ブロックの低周波数成分に対応した係数となり、右下に向かって画像ブロックの高周波数成分に対応した係数となっている。量子化テーブル導出部144は、図7(a)に示されたような、前回導出した量子化テーブル170を量子化テーブル保持部146から取得し、圧縮効果を下げるべきと判断した場合、図7(b)に示すように、次圧縮率152と目標圧縮率との差分値に応じて決定される値分だけ、例えば、各係数に0.5を乗算して、各係数を小さくする。また、量子化テーブル導出部144は、圧縮効果を上げるべきと判断した場合、図7(c)に示すように、次圧縮率152と目標圧縮率との差分値に応じて決定される値分だけ、例えば、各係数に2を乗算して、各係数を大きくする。
【0056】
ここで、圧縮率の補正に量子化テーブル170を用いたのは以下の理由による。即ち、画像データでは、量子化テーブル170の各係数が大きいほど圧縮効果が大きくなり、量子化テーブル170の各係数が小さいほど圧縮効果が小さくなる。具体的に説明すると、例えば、圧縮前の画像データのデータ容量をS、圧縮後の画像データの予測データ容量をSa、目標とする画像データのデータ容量をSb、1回前に用いた量子化テーブル170の各係数をQorgi,j(i,jは整数)とすると、求める量子化テーブル170の係数Qi,j(i,jは整数)は数式4を用いて求められる。
【数4】

…(数式4)
ここでSa/Sは次圧縮率152を示し、Sb/Sは目標圧縮率を示す。
【0057】
例えば、図7(a)に示した量子化テーブル170を用いた場合に現圧縮率150が20%となったとすると、図7(a)の量子化テーブル170の係数を0.5で乗算した図7(b)の量子化テーブル170は、現圧縮率が40%となる。また、同様に、図7(a)の量子化テーブル170の係数を2で乗算した図7(b)の量子化テーブル170は、現圧縮率が10%となる。かかる圧縮符号化処理は一例であり、圧縮率は基となる画像データの内容によって変化するが、量子化テーブル170の係数の比に対する圧縮率の変化量はほぼ反比例の関係となる。
【0058】
そこで、本実施形態では、次圧縮率152の圧縮効果が目標圧縮率の圧縮効果より大きい場合、圧縮効果を下げるべきと判断して量子化テーブル170の係数を下げ、逆に、次圧縮率152の圧縮効果が目標圧縮率の圧縮効果より小さい場合、圧縮効果を上げるべきと判断して量子化テーブル170の係数を上げる。
【0059】
また、上記では、量子化テーブル170を、次圧縮率152と目標圧縮率との差分値に応じて変化させ、その都度、量子化テーブル170を求める例を挙げたが、かかる場合に限られず、例えば、予め定められた複数の量子化テーブル170(例えば、図7(a)、(b)、(c)等)と、次圧縮率152と目標圧縮率との差分値と複数の量子化テーブル170とを対応させた量子化対応テーブルとを準備しておき、次圧縮率152と目標圧縮率との差分値に基づいて、適切な1の量子化テーブル170を選択する構成としてもよい。かかる構成によって、量子化テーブル導出部144の処理負荷を削減でき、また、量子化テーブル170が迅速に求められるため、画像データの圧縮符号化処理に費やす時間を短縮でき、ひいては、連続撮像における画像データの生成間隔を短縮することも可能となる。
【0060】
量子化テーブル導出部144は、このようにして求められた新たな量子化テーブル170を圧縮処理部118に送信し、圧縮処理部118は、かかる新たな量子化テーブル170に基づいて画像データに圧縮符号化処理を施す。また、量子化テーブル導出部144は、導出された量子化テーブル170を量子化テーブル保持部146の量子化テーブル170に上書きして次回の処理に備える。
【0061】
また、ここでは、周波数応答処理部114、階調処理部116、圧縮処理部118の全てで圧縮率の補正を行う例を挙げたが、周波数応答処理部114、階調処理部116、圧縮処理部118のうち選択された1または2の機能部のみで圧縮率の補正を行うことも可能である。このとき、採用する機能部を、圧縮率の影響度を踏まえて、圧縮処理部118、周波数応答処理部114、階調処理部116の順に優先して採用するとしてもよい。
【0062】
例えば、圧縮処理部118は、量子化テーブルを用いた圧縮符号化処理を直接行っているので、圧縮率を制御し易く、周波数応答処理部114は、既存のLPFを本実施形態の周波数応答特性の変換に用いることで部品点数を少なくでき、階調処理部116は、既存の増幅回路やガンマ補正回路を階調特性の変換に用いることで部品点数を少なくすることができる。また、いずれか1の機能部または2つの組み合わせで圧縮率の補正を行う場合、他の機能部の補正要素は固定する。
【0063】
図8は、撮像装置100の他の例を示した機能ブロック図である。上述した撮像装置100では、階調処理部116から出力された画像データを圧縮処理部118が直接圧縮符号化処理しているが、階調処理部116が、階調特性の変換処理を施した画像データを、システム内部バス120を通じて画像メモリ122に一旦保持させてもよい。この場合、連続撮像された画像データが画像メモリ122に蓄積される途中、または、蓄積された後、圧縮処理部118は、画像メモリ122から画像データを取得し、量子化テーブルに基づいて圧縮符号化処理を行い、また、システム内部バス120を通じて画像メモリ122に送信する。このような圧縮処理部118が画像データを画像メモリ122に一旦保持させる構成は後述する第2の実施形態でも用いることができる。
【0064】
ここでは、画像データの生成と圧縮符号化処理とを独立させ、連続撮像時には画像データの生成のみを行い時間短縮を図ると共に、連続撮像時以外の時間を利用して圧縮符号化処理を行うことで時間効率を高めている。本実施形態では、圧縮符号化処理時に画像メモリ122から迅速に画像データを取得することができ、早期に画像メモリ122内の画像データを削除することが可能なので、高精度かつ高速に圧縮符号化を行うことが可能である。
【0065】
また、本実施形態の単写撮像では、画像データの生成に関して連続撮像が実行され、データ制御部124が、圧縮符号化された複数の画像データのうち、最後に圧縮符号化された画像データのみ画像記憶部126に記憶する。当該単写撮像の処理は、後述する第2の実施形態でも用いることができる。かかる構成により、連続撮像による圧縮率の補正処理を単写撮像においても利用することができ、単写撮像における画像データのデータ容量を所望のデータ容量に近づけることが可能となる。
【0066】
また、コンピュータによって撮像装置100として機能するプログラムや、当該プログラムを記憶した記憶媒体も提供される。さらに、当該プログラムは、記憶媒体から読み取られてコンピュータに取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてコンピュータに取り込まれてもよい。
【0067】
(撮像方法)
次に、上述した撮像装置100を用いて、連続撮像(連写)した画像に圧縮符号化処理を施して記憶する撮像方法にについて説明する。
【0068】
図9は、第1の実施形態にかかる撮像方法の処理の流れを示したフローチャートである。撮像者による連続撮像を実行する際、撮像装置100の撮像部104は、連続撮像により時間方向に連続する複数の画像データを生成し(S202)、Y/C処理部112は、画像データを輝度データ(Y)と色データ(C)に分離、変換する処理を行う(S204)。続いて、周波数応答処理部114は、Y/C処理部112を通じた画像データの周波数領域の特性を、後述する周波数応答導出部136で導出された周波数応答特性に基づいて変換し(S206)、階調処理部116は、周波数応答特性の変換処理が施された画像データの階調を、後述する階調導出部140で導出された階調特性に基づいて変換し(S208)、圧縮処理部118は、階調特性の変換処理が施された画像データに対し、量子化テーブルに基づいて圧縮符号化処理を行い、システム内部バス120を通じて画像メモリ122に送信する(S210)。
【0069】
現圧縮率導出部130は、圧縮処理部118によって圧縮符号化処理が施される前の画像データのデータ容量と、圧縮符号化処理が施された後の画像データのデータ容量を比較して、圧縮符号化処理における直近かつ現実の圧縮率である現圧縮率150を導出し(S212)、導出された現圧縮率150を現圧縮率保持部132に保持させる(S214)。そして、次圧縮率予測部134は、現圧縮率保持部132に保持された、直近の現圧縮率を含む過去複数回に渡る現圧縮率を取得し、その複数の現圧縮率から次回の圧縮率である次圧縮率を予測する(S216)。かかる次圧縮率の予測は、複数の現圧縮率の(1)平均値、(2)差分値、(3)変化率のいずれかを用いて行う。
【0070】
また、連続撮像における1枚目の画像データ撮像では1回前の現圧縮率が存在しないため、周波数応答処理部114、階調処理部116、圧縮処理部118は、それぞれ、予め準備されている標準の周波数応答特性、階調特性、量子化テーブルに基づいて変換処理または圧縮符号化処理を行う。そして、次圧縮率予測部134は、その変更処理および圧縮符号化処理による現圧縮率150を次圧縮率152とする。また、2枚目の画像データの撮像では、周波数応答処理部114、階調処理部116、圧縮処理部118は、その1回分の現圧縮率150による次圧縮率152から導出された新たな周波数応答特性、階調特性、量子化テーブルに基づいて変換処理または圧縮符号化処理を行う。
【0071】
周波数応答導出部136は、周波数応答保持部138に保持された前回の周波数応答特性と次圧縮率152と目標圧縮率とに基づいて、周波数応答処理部114が用いる周波数応答特性を導出する(S218)。階調導出部140は、階調保持部142に保持された前回の階調特性と次圧縮率152と目標圧縮率とに基づいて、階調処理部116が用いる階調特性を導出する(S220)。量子化テーブル導出部144は、量子化テーブル保持部146に保持された前回の量子化テーブルと次圧縮率152と目標圧縮率とに基づいて、圧縮処理部118が用いる量子化テーブルを導出する(S222)。ここで、周波数応答導出部136、階調導出部140、量子化テーブル導出部144は、それぞれ、周波数応答テーブル、階調テーブル、量子化対応テーブルを用いて、周波数応答特性、階調特性、量子化テーブルを選択するとしてもよい。最後に、データ制御部124は、画像メモリ122に保持されている圧縮符号化処理された画像データを、システム内部バス120を通じて画像記憶部126に転送し、画像データを保持させる(S224)。
【0072】
従来の圧縮符号化処理を繰り返し行う方法では圧縮符号化に長時間を要し、また、圧縮符号化処理を繰り返すことなく実行する技術もあったが、直前の画像データの圧縮率のみを用いて次回の圧縮符号化のためのパラメータを決定していたので、予測精度が低かった。本実施形態の撮像装置100や撮像方法では、直前の複数の画像データの現圧縮率150から次圧縮率152を予測しているので、連続撮像という短時間の画像の時間方向の変化を適切に把握することができ、より高精度に現圧縮率を目標圧縮率に近づけることが可能となる。特に、本実施形態では圧縮符号化の高速化に従い、撮像間隔も短縮されるので、より類似した画像データに基づいて圧縮率を適切に予測することができる。したがって、イレギュラーな画像が撮像されたり、画像間の移動量が大きい(フォーカス、ズーム、パン・チルト動作時等)場合であっても、圧縮率が極端に外れた値になることもなく、連続撮像時における圧縮符号化処理を高精度かつ高速に行うことが可能となる。
【0073】
(第2の実施形態)
第1の実施形態で説明した撮像装置100では、直前の複数の画像データの現圧縮率から次圧縮率を予測することで、圧縮符号化処理を高精度かつ高速に行うことが可能となった。ただし、撮像装置100では、記憶対象となる画像データの圧縮率を予測するために、過去に渡る複数の画像データの現圧縮率150を参照しているため、適切な圧縮率の画像データを記憶するまでには、複数の画像データを生成する分だけの撮像時間を要することとなる。
【0074】
例えば、画像データの記憶を目的とした(画像記憶部126に画像データを記憶する、または、画像記憶部126に記憶するために少なくとも画像メモリ122に画像データを残す)速度である撮像記憶速度が60枚/secであった場合、記憶する画像データの圧縮率を予測するのに、直近の画像データと1回前の画像データとの2枚分の画像データを得るため、最低でも1/60×2=1/30秒必要となる。このため、撮像を行う場合の起動に時間がかかってしまい、撮影のタイミングを逃してしまう可能性がある。
【0075】
そこで、第2の実施形態では、第1の実施形態における撮像装置100を前提に、連続撮像時の画像データの生成速度を制御することで、圧縮符号化処理を高精度に行うと共に、短時間で画像データの記憶を開始することを目的とする。
【0076】
(撮像装置300)
図10は、第2の実施形態にかかる撮像装置300の概略的な構成を示した機能ブロック図である。撮像装置300は、撮像部104と、同期信号発生部306と、タイミング発生部308と、リリーススイッチ110と、Y/C処理部112と、周波数応答処理部114と、階調処理部116と、圧縮処理部118と、システム内部バス120と、画像メモリ122と、データ制御部124と、画像記憶部126と、表示部128と、現圧縮率導出部130と、現圧縮率保持部132と、次圧縮率予測部134と、周波数応答導出部136と、周波数応答保持部138と、階調導出部140と、階調保持部142と、量子化テーブル導出部144と、量子化テーブル保持部146とを含んで構成される。ここで、同期信号発生部306と、タイミング発生部308とは、画像データの生成速度を管理する生成速度管理部として機能する。
【0077】
第1の実施形態における構成要素として既に述べた撮像部104と、リリーススイッチ110と、Y/C処理部112と、周波数応答処理部114と、階調処理部116と、圧縮処理部118と、システム内部バス120と、画像メモリ122と、データ制御部124と、画像記憶部126と、表示部128と、現圧縮率導出部130と、現圧縮率保持部132と、次圧縮率予測部134と、周波数応答導出部136と、周波数応答保持部138と、階調導出部140と、階調保持部142と、量子化テーブル導出部144と、量子化テーブル保持部146とは、実質的に機能が同一なので重複説明を省略し、ここでは、構成が相違する同期信号発生部306とタイミング発生部308とを挙げ、特に、画像データの生成速度を変化させる構成について説明する。ただし、第1の実施形態では、次圧縮率を求めるために要する現圧縮率を複数としたが、第2の実施形態では、直近の現圧縮率のみによって次圧縮率を求めてもよい。
【0078】
同期信号発生部306は、生成される画像データの水平サイズと垂直サイズに対応させて、水平同期信号と垂直同期信号を生成し、タイミング発生部308に送信する。タイミング発生部308は、同期信号発生部306で生成された水平同期信号と垂直同期信号に基づいて撮像部104の撮像素子のクロックタイミングを変化させる制御信号を生成する。撮像部104の撮像素子は、外部から光信号を受光すると、クロックタイミングに同期して画像信号(画像データ)を出力する。本実施形態では、撮像部104による撮像データの生成速度を制御することを目的の1つとしているので、同期信号発生部306は、画像データの生成速度を高くするために水平同期信号および垂直同期信号の発生周期を短くし、一方、画像データの生成速度を低くするために水平同期信号および垂直同期信号の発生周期を長くする。ここで、画像データの生成速度の制御方法に関して触れておく。
【0079】
画像データの生成速度の制御方法に関し、所定のクロックで撮像部104を駆動した場合、撮像素子の1系統の出力バスから単位時間に読み出せる画像データのデータ容量の上限は決まっている。このため、一般的には、画像データの生成速度が高くなるほど、生成された画像データのデータ容量は小さくなり、画像データの生成速度が低くなるほど、画像データのデータ容量は大きくなる。これは、所謂画素混合を用いた手法であり、例えば、特開2006−217355号公報等に具体的な実現方法が示されている。また、特開平10−191184号公報のように、複数系統の出力バスを設け、複数系統の出力バスから同一のタイミングで同時に画像データを得ることにより、画像データの生成速度が高い場合であってもデータ容量の大きい画像データを得ることができる。
【0080】
したがって、上述した複数系統の出力バスを設ける技術では、1系統の出力バスを設けた場合と異なり、画像データの生成速度が高速になっても画像データのデータ容量が小さくならない。即ち、画像データのデータ容量が画像データの生成速度に依存しないので、常に画像データの生成速度を高く設定しておくことも可能である。ただし、画像データの生成速度が高いと、その分、電力を消費してしまうため、画像データの生成速度は、そのときの撮像状況に応じて適宜切り換えるのが望ましい。本実施形態では、複数系統の出力バスを設ける技術を用い、画像データの生成速度が切り換わった場合であっても画像データのデータ容量が等しいことを前提とする。
【0081】
同期信号発生部306は、撮像部104の画像データの生成速度を、任意のトリガに応じて、画像データの記憶を目的とした撮像記憶速度より一旦高くし、任意のトリガ以降の所定のタイミングで、撮像記憶速度に切り換える。ここで、任意のトリガは、画像データを記憶するための準備処理である。撮像者は、撮像(記憶)を開始する前段の準備処理として、例えば、リリーススイッチ110を半押しし、撮像部104のオートフォーカスを機能させる。このとき撮像部104は、フォーカスレンズを移動することで被写体に焦点を合わせると共に、画像データの生成速度を撮像記憶速度より高くする。撮像装置300では、高い生成速度で生成された画像データを用いて迅速に次圧縮率152を予測する。そして、半押し以降の所定のタイミングで、撮像者が、リリーススイッチ110を全押しすると、連続撮像、および、生成された画像データの記憶が開始される。
【0082】
前段の準備処理は、上記オートフォーカス機能の開始操作に限らず、被写体のスマイル検知の開始操作であったり、所定の画像範囲内の映像の変化の検知開始操作であったり、画像データの画像メモリ122への記憶タイミングにタイマを用いるオートタイマの設定操作であってもよい。
【0083】
そして、予め定められた数の現圧縮率150が保持され、次圧縮率が適切に予測されるようになったら、画像データの生成速度を撮像記憶速度に戻して、画像メモリ122への記憶が開始される。
【0084】
図11は、画像データの生成速度の変化を説明するためのタイミングチャートである。図11においては、撮像状態として、例えば、画像データの記憶を目的とした記憶状態と、その前段で、主として画像データの圧縮符号化のため次圧縮率152を予測する予測状態と、さらにその前段で、生成された画像データを閲覧させるため主として画像データを表示部128に表示させる表示状態との3つの状態遷移を示している。
【0085】
同期信号発生部306は、任意のトリガがあるまでの表示状態において、画像データの生成速度を、撮像記憶速度と等しい60枚/sec(周期1/60sec)とし、データ制御部124は、生成した画像データを表示部128に表示させている。
【0086】
ここで、撮像者によるリリーススイッチ110の操作を通じて、画像データを記憶するための準備処理である任意のトリガ(例えば、オートフォーカス機能の開始操作)を受けると、撮像状態は、表示状態から予測状態に遷移し、同期信号発生部306は、垂直同期信号VD1を制御し、画像データの生成速度を、撮像記憶速度より高い、例えば、240枚/sec(周期1/240sec)に切り換える(60枚/sec→240枚/sec)。
【0087】
また、任意のトリガから所定の時間が経過すると、もしくは、任意のトリガから所定時間経過後にさらに撮像者のリリーススイッチ110の操作を通じた新たなトリガ(例えば、全押し操作)を得ると、撮像状態は、予測状態から記憶状態に遷移し、同期信号発生部306が、垂直同期信号VD1を制御することで画像データの生成速度を、撮像記憶速度に切り換える(240枚/sec→60枚/sec)。そして、データ制御部124は、画像メモリ122に保持された画像データの画像記憶部126への記憶を開始する。ここでは、予測状態において次圧縮率152を予測するのに十分な現圧縮率150が取得されているので、記憶状態では、適切な圧縮率で画像データの圧縮符号化が行われる。
【0088】
図11をさらに具体的に説明すると、撮像装置300は、任意のトリガを受けると、撮像状態を予測状態に遷移し、画像加工部(周波数応答処理部114、階調処理部116、圧縮処理部118)は画像データの圧縮率の補正を開始し、補正要素導出部(周波数応答導出部136、階調導出部140、量子化テーブル導出部144)は、その圧縮率の補正に必要な補正要素を導出し始める。そして、予測状態の1回目の垂直同期信号VD1で現圧縮率保持部132に現圧縮率150が保持される。
【0089】
例えば、次圧縮率152を予測するための現圧縮率150の数を4とした場合、予測状態は、垂直同期信号VD1の4クロック分継続する。そして、現圧縮率保持部132に現圧縮率150が4つ保持されると、撮像状態は予測状態から記憶状態に遷移する。
【0090】
このとき、次圧縮率予測部134は、予測状態で蓄積された4つの現圧縮率150の平均値等により、次圧縮率152を適切に予測することができるので、補正要素導出部(周波数応答導出部136、階調導出部140、量子化テーブル導出部144)は、記憶状態における、垂直同期信号VD1の1クロック目から、その次圧縮率152と目標圧縮率とに基づいて適切に補正要素を決定することが可能となり、画像加工部(周波数応答処理部114、階調処理部116、圧縮処理部118)は、その適切な補正要素に基づいて画像データの圧縮率を補正することができる。こうして圧縮符号化された画像データは、例えば、データ制御部124によって画像記憶部126に記憶される。
【0091】
記憶状態における垂直同期信号VD1の2クロック目では、次圧縮率予測部134は、予測状態における直前に取得された3つの現圧縮率150と、記憶状態における1回目の画像データの現圧縮率150との平均値等により次圧縮率を予測する。したがって、240枚/secで生成した3枚の画像データと60枚/secで生成した1枚の画像データとの圧縮率を参照していることとなる。
【0092】
本実施形態では、同期信号発生部306およびタイミング発生部308を用いて、撮像部104の画像データの生成速度と、データ制御部124の画像データの画像記憶部126への記憶速度とを合わせることで連続撮像をスムーズに行うことが可能となる。
【0093】
連続撮像において記憶する画像データの枚数の上限を例えば2枚に設定している場合、データ制御部124が画像記憶部126に画像データを2枚記憶したことに応じて、撮像状態は、記憶状態から表示状態に自動的に遷移する。ただし、図11の例では、画像データの生成速度は、撮像記憶速度(60枚/sec)に維持される。ここでは、連続撮像において記憶する画像データの枚数の上限を2枚としたが、1枚や3枚以上とすることも勿論可能である。また、本実施形態では、次圧縮率152の予測を行うための現圧縮率150の数を4としたが、現圧縮率150の数は1以上であればよい。
【0094】
ところで、本実施形態では、画像データの生成速度を切り換えても画像データのデータ容量は変わらないことを前提としたが、切換前後で画像データのデータ容量が変わる場合、画素混合等を用いているため、撮像部104で生成された画像データの高周波成分が、その前に生成された画像データの高周波成分と異なってしまう可能性がある。したがって、補正要素導出部(周波数応答導出部136、階調導出部140、量子化テーブル導出部144)は、補正要素を導出するパラメータとして、画像データの生成速度の切り換えによる高周波成分の低減を加味する必要がある。
【0095】
上述した画像データの生成速度の切り換えによって、圧縮符号化は以下のように動作する。即ち、画像データの画像メモリ122への記憶が開始される前の現圧縮率150の蓄積を高速(撮像記憶速度より高い速度)で行い、短時間で適切な次圧縮率を予測し、それ以降は、撮像記憶速度で圧縮率の補正を継続する。画像データの生成間隔が短いと、次圧縮率152の予測に必要な時間が短くなるのみならず、連続する画像データが近似した画像となり、次圧縮率152の予測精度も向上する。
【0096】
また、同期信号発生部306は、任意のトリガがあるまでと、最後に圧縮符号化された画像データを画像記憶部に記憶した以降の、撮像部104の画像データの生成速度を、撮像記憶速度より低くしてもよい。
【0097】
図12は、画像データの生成速度の変化の他の例を説明するためのタイミングチャートである。図12においても、撮像状態として、記憶状態と、予測状態と、表示状態との3つの状態遷移が示される。図12では、画像データの生成、圧縮符号化、および画像データの画像記憶部126への記憶を行うための垂直同期信号VD1が示されている。垂直同期信号VD1は撮像状態に応じて変化する。
【0098】
同期信号発生部306は、任意のトリガがあるまでの表示状態において、画像データの生成速度を、撮像記憶速度である60枚/sec(周期1/60sec)より低い30枚/sec(周期1/30sec)とし、データ制御部124は、生成した画像データを表示部128に表示させている。ここでは、画像データの記憶に影響のない表示状態における画像データの生成速度を下げることで、消費電力や発熱を低減している。ただし、画像データの生成速度を下げすぎると、表示部128が、撮像者が所望する画像データの閲覧機能を果たせなくなる可能性があるので、本実施形態では、画像データの生成速度を30枚/secとしている。
【0099】
ここで、撮像者によるリリーススイッチ110の操作を通じて、画像データを記憶するための準備処理である任意のトリガ(例えば、オートフォーカス機能の開始操作)を受けると、撮像状態は、表示状態から予測状態に遷移し、同期信号発生部306は、垂直同期信号VD1を制御し、画像データの生成速度を、撮像記憶速度より高い、例えば、240枚/sec(周期1/240sec)に切り換える(30枚/sec→240枚/sec)。
【0100】
また、任意のトリガから所定の時間が経過すると、もしくは、任意のトリガから所定時間経過後にさらに撮像者のリリーススイッチ110の操作を通じた新たなトリガ(例えば、全押し操作)を得ると、撮像状態は、予測状態から記憶状態に遷移し、同期信号発生部306が、垂直同期信号VD1を制御することで画像データの生成速度を、撮像記憶速度に切り換える(240枚/sec→60枚/sec)。データ制御部124は、撮像記憶速度に切り換えた垂直同期信号VD1に基づいて、画像メモリ122に保持された画像データの画像記憶部126への記憶を開始する。ここでは、予測状態において次圧縮率152を予測するのに十分な現圧縮率150が取得されているので、記憶状態では、適切な圧縮率で画像データの圧縮符号化が行われる。
【0101】
ここで、撮像状態が記憶状態となると、同期信号発生部306とタイミング発生部308とが、画像データの生成速度が撮像記憶速度となるように垂直同期信号VD1を制御し、圧縮処理部118は、データ制御部124による画像データの記憶タイミングに合わせて圧縮符号化した画像データを画像メモリ122に送信している。したがって、画像データの生成から記憶までを効率的に実行でき、ひいては圧縮符号化の全体的な時間短縮を実現することができる。
【0102】
図12をさらに具体的に説明すると、撮像装置300は、任意のトリガを受けるまで、消費電力や発熱を低減すべく、30枚/secで表示部128に画像データを表示している。任意のトリガを受けると、撮像装置300の撮像状態は予測状態となり、画像加工部(周波数応答処理部114、階調処理部116、圧縮処理部118)は画像データの圧縮率の補正を開始し、補正要素導出部(周波数応答導出部136、階調導出部140、量子化テーブル導出部144)は、その圧縮率の補正に必要な補正要素を導出し始める。そして、予測状態の1回目の垂直同期信号VD1で現圧縮率保持部132に現圧縮率150が保持される。
【0103】
例えば、図11同様、次圧縮率152を予測するための現圧縮率150の数を4とした場合、予測状態は、垂直同期信号VD1の4クロック分継続する。そして、現圧縮率保持部132に現圧縮率150が4つ保持されると、撮像状態が予測状態から記憶状態に遷移する。
【0104】
このとき、次圧縮率予測部134は、予測状態で蓄積された4つの現圧縮率150の平均値等により、次圧縮率152を適切に予測することができるので、補正要素導出部(周波数応答導出部136、階調導出部140、量子化テーブル導出部144)は、記憶状態における、垂直同期信号VD1の1クロック目から、その次圧縮率152と目標圧縮率とに基づいて適切に補正要素を決定することが可能となり、画像加工部(周波数応答処理部114、階調処理部116、圧縮処理部118)は、その適切な補正要素に基づいて画像データの圧縮率を補正することができる。こうして圧縮符号化された画像データは、例えば、データ制御部124によって画像記憶部126に記憶される。
【0105】
記憶状態における垂直同期信号VD1の2クロック目では、次圧縮率予測部134は、予測状態における直前に取得された3つの現圧縮率150と、記憶状態における1回目の画像データの現圧縮率150との平均値等により次圧縮率を予測する。したがって、240枚/secで生成した3枚の画像データと60枚/secで生成した1枚の画像データとの圧縮率を参照していることとなる。
【0106】
図12の状態遷移を、撮像者の視点で説明すると、何らの操作を行っていないときの撮像状態が表示状態であり、撮像者は、表示部128を通じて、画像データを生成した場合の被写体の位置や大きさを確認することができる。このときの画像データの生成速度は、表示部128における画像データの更新速度が撮像者に許容できる範囲で低い値(例えば、30枚/sec)に設定されている。
【0107】
そして、撮像者がリリーススイッチ110を半押しすると、撮像装置300は、オートフォーカス機能を遂行し被写体に焦点を合わせると共に、撮像状態を予測状態に遷移し、画像データの生成速度が高い状態(例えば、240枚/sec)で圧縮符号化処理における次圧縮率152の予測を開始する。続いて、撮像者がリリーススイッチ110を全押しすると、撮像装置300は、撮像状態を記憶状態に遷移し、画像データの生成速度を画像データの撮像記憶速度(60枚/sec)に切り換え、連続撮像された画像データを記憶する。そして、撮像者がリリーススイッチ110を開放すると、撮像装置300は、画像データの生成速度を低い値(例えば、30枚/sec)に戻す。
【0108】
このように撮像者は、リリーススイッチ110等を操作することで、撮像および記憶タイミングを任意に決めることができ、本実施形態による高精度かつ高速な圧縮符号化処理の恩恵を受けつつ、所望する画像データを所望するタイミングで生成することが可能となる。
【0109】
また、コンピュータによって撮像装置300として機能するプログラムや、当該プログラムを記憶した記憶媒体も提供される。さらに、当該プログラムは、記憶媒体から読み取られてコンピュータに取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてコンピュータに取り込まれてもよい。
【0110】
(撮像方法)
次に、上述した撮像装置300を用いて、連続撮像(連写)した画像に圧縮符号化処理を施して記憶する撮像方法にについて説明する。
【0111】
図13は、第2の実施形態にかかる撮像方法の処理の流れを示したフローチャートである。ここでも、第1の実施形態における撮像方法で既に述べた処理(S202〜S224)は、実質的に処理が同一なので重複説明を省略する。
【0112】
当該撮像方法においては、まず、撮像状態が予測状態または記憶状態であるか否か判定され(S350)、撮像状態が標準の状態である表示状態となっている間(S350におけるNO)、同期信号発生部306は、撮像データの生成速度を撮像記憶速度より低く設定する(S352)。
【0113】
撮像部104が生成した画像データがY/C処理部112によってY/C処理が施されると(S204)、撮像状態が予測状態または記憶状態であるか否か判定され(S354)、撮像状態が表示状態である間(S354におけるNO)、撮像装置300は、生成した画像データを、圧縮符号化処理を施すことなく、直接、画像メモリ122に保持させる(S356)。画像メモリ122に保持された画像データは表示部128に表示される。画像データ保持処理S356が完了すると撮像状態判定ステップS350に戻る。
【0114】
表示状態の間に、任意のトリガとして画像データを記憶するための準備処理、例えば、撮像者によるリリーススイッチ110の半押し操作を受けると、撮像状態は、表示状態から予測状態に遷移する。撮像状態判定ステップS350において、撮像状態が予測状態であると判定されると(S350におけるYES)、撮像状態が記憶状態であるか否か判定される(S358)。撮像状態が記憶状態でなければ、即ち、撮像状態が予測状態であれば(S358におけるNO)、同期信号発生部306は、画像データの生成速度を撮像記憶速度より高く設定する(S360)。
【0115】
また、撮像状態判定ステップS354において、撮像状態が予測状態であると判定されると(S354におけるYES)、圧縮符号化処理(S206〜S222)が遂行される。そして、撮像状態が記憶状態であるか否か判定され(S362)、撮像状態が記憶状態でなければ(S362におけるNO)、撮像状態判定ステップS350に戻る。
【0116】
続いて、任意のトリガに基づく所定のタイミング、例えば、任意のトリガから所定の時間経過後に撮像者によるリリーススイッチ110の全押し操作を受けると、撮像状態は予測状態から記憶状態に遷移する。撮像状態判定ステップS350において、撮像状態が記憶状態であると判定され(S350におけるYES)、かつ、撮像状態判定ステップS358において、撮像状態が記憶状態であると判定されると(S358におけるYES)、同期信号発生部306は、画像データの生成速度を撮像記憶速度に設定する(S364)。
【0117】
また、撮像状態判定ステップS354において、撮像状態が記憶状態であると判定されると(S354におけるYES)、予測状態同様、圧縮符号化処理(S206〜S222)が遂行される。そして、撮像状態判定ステップS362において、撮像状態が記憶状態であると判定されると(S362におけるYES)、データ制御部124によって画像データが画像記憶部126に記憶される(S224)。画像データ保持処理S224が完了すると撮像状態判定ステップS350に戻る。
【0118】
以上、説明した撮像装置300や撮像方法によれば、直前の1または複数の画像データの現圧縮率150から次圧縮率152を予測しているので、撮像装置300は、連続撮像という短時間の画像データの時間方向の変化を適切に把握することができ、より高精度に圧縮率を目標圧縮率に近づけることが可能となる。さらに、画像データの生成速度を切換制御することで、画像データの圧縮率の予測をさらに高精度かつ高速に行うことができ、また、画像データの記憶に影響がない表示状態において消費電力や発熱を低減することが可能となる。かかる効果は連続撮像のみならず単写撮像においても期待することができる。
【0119】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0120】
尚、本明細書の撮像方法として挙げた各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、連続撮像により生成された画像データに画面内予測符号化による圧縮符号化処理を施して記憶する撮像装置および撮像方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0122】
100、300 …撮像装置
104 …撮像部
114 …周波数応答処理部
116 …階調処理部
118 …圧縮処理部
124 …データ制御部
126 …画像記憶部
130 …現圧縮率導出部
132 …現圧縮率保持部
134 …次圧縮率予測部
136 …周波数応答導出部
140 …階調導出部
144 …量子化テーブル導出部
150 …現圧縮率
152 …次圧縮率
160 …階調変換曲線
170 …量子化テーブル
306 …同期信号発生部
308 …タイミング発生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続撮像により時間方向に連続する複数の画像データを生成する撮像部と、
画像データを補正するための補正要素に基づいて前記画像データの圧縮率を補正し、画面内予測符号化方式を用いて圧縮符号化する画像加工部と、
圧縮符号化された前記画像データを画像記憶部に記憶するデータ制御部と、
圧縮符号化された前記画像データの現実の圧縮率である現圧縮率を導出する現圧縮率導出部と、
前記現圧縮率を時間方向に連続して複数保持する現圧縮率保持部と、
保持された複数の前記現圧縮率、または、保持された前記複数の現圧縮率と今回圧縮符号化する画像データの圧縮率とから、次回圧縮符号化する画像データの圧縮率である次圧縮率を予測する次圧縮率予測部と、
前記次圧縮率に基づいて前記補正要素を導出する補正要素導出部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記次圧縮率予測部は、予め定められた数の前記現圧縮率を平均し、その平均値を次圧縮率とすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記次圧縮率予測部は、予め定められた数の前記現圧縮率の時間方向に隣接する前記現圧縮率の差分値を平均し、その平均値を最新の前記現圧縮率に加算して次圧縮率とすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記次圧縮率予測部は、予め定められた数の前記現圧縮率の時間方向に隣接する前記現圧縮率の変化率を平均し、その平均値を最新の前記現圧縮率に乗算して次圧縮率とすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記次圧縮率予測部は、予め定められた数の前記現圧縮率を平均する処理、前記現圧縮率の時間方向に隣接する前記現圧縮率の差分値の平均値を最新の前記現圧縮率に加算する処理、前記現圧縮率の時間方向に隣接する前記現圧縮率の変化率の平均値を最新の前記現圧縮率に乗算する処理の群から選択された2または3の処理を、前記現圧縮率の変化態様に応じて切り換え、次圧縮率を予測することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記画像加工部は、画像データの周波数領域の特性を、前記補正要素としての周波数応答特性に基づいて変換する周波数応答処理部であり、
前記補正要素導出部は、前記次圧縮率と目標圧縮率とに基づいて前記周波数応答特性を導出する周波数応答導出部であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
予め定められた複数の前記周波数応答特性と、前記次圧縮率と前記目標圧縮率との差分値と複数の前記周波数応答特性とを対応させた周波数応答テーブルとをさらに有し、
前記周波数応答導出部は、前記周波数応答テーブルを用いて1の周波数応答特性を選択することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記画像加工部は、画像データの階調を、前記補正要素としての階調特性に基づいて変換する階調処理部であり、
前記補正要素導出部は、前記次圧縮率と目標圧縮率とに基づいて前記階調特性を導出する階調導出部であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
予め定められた複数の前記階調特性と、前記次圧縮率と前記目標圧縮率との差分値と複数の前記階調特性とを対応させた階調テーブルとをさらに有し、
前記階調導出部は、前記階調テーブルを用いて1の階調特性を選択することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記画像加工部は、画像データに対し、前記補正要素としての量子化テーブルに基づいて圧縮符号化処理を行う圧縮処理部であり、
前記補正要素導出部は、前記次圧縮率と目標圧縮率とに基づいて前記量子化テーブルを導出する量子化テーブル導出部であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
予め定められた複数の量子化テーブルと、前記次圧縮率と前記目標圧縮率との差分値と複数の前記量子化テーブルとを対応させた量子化対応テーブルとをさらに有し、
前記量子化テーブル導出部は、前記量子化対応テーブルを用いて1の量子化テーブルを選択することを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記データ制御部は、前記圧縮符号化された複数の画像データのうち、最後に圧縮符号化された画像データのみ前記画像記憶部に記憶することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
連続撮像により時間方向に連続する複数の画像データを生成し、
画像データを補正するための補正要素に基づいて前記画像データの圧縮率を補正し、画面内予測符号化方式を用いて圧縮符号化し、
圧縮符号化された前記画像データを画像記憶部に記憶し、
圧縮符号化された前記画像データの現実の圧縮率である現圧縮率を導出し、
前記現圧縮率を時間方向に連続して複数保持し、
保持された複数の前記現圧縮率、または、保持された前記複数の現圧縮率と今回圧縮符号化する画像データの圧縮率とから、次回圧縮符号化する画像データの圧縮率である次圧縮率を予測し、
前記次圧縮率に基づいて前記補正要素を導出することを特徴とする撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−99878(P2012−99878A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243213(P2010−243213)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】