撮像装置および自動車における車載機器の操作装置
【課題】 可視光線および赤外線の両方の画像を撮像可能なカメラを用いて、赤外線の照射時にも車室内の照度を的確に判定できるようにする。
【解決手段】 撮像装置は、可視光線および赤外線の両方の画像を撮像可能なカメラCAと、画像から周囲環境の照度を判定する照度判定装置と、照度判定装置が周囲環境の照度が所定値未満であると判定すると赤外線を照射する赤外線照射手段URとを備えるので、周囲環境の照度が低いときでも赤外線を照射することで支障なく撮像を行うことができる。赤外線照射手段URは赤外線を断続的に照射し、照度判定装置は赤外線照射手段URが赤外線を照射していないときの画像から周囲環境の照度を判定するので、照射された赤外線によって周囲環境の照度が実際の照度よりも高く判定されるのを防止し、照度の判定精度を高めることができる。
【解決手段】 撮像装置は、可視光線および赤外線の両方の画像を撮像可能なカメラCAと、画像から周囲環境の照度を判定する照度判定装置と、照度判定装置が周囲環境の照度が所定値未満であると判定すると赤外線を照射する赤外線照射手段URとを備えるので、周囲環境の照度が低いときでも赤外線を照射することで支障なく撮像を行うことができる。赤外線照射手段URは赤外線を断続的に照射し、照度判定装置は赤外線照射手段URが赤外線を照射していないときの画像から周囲環境の照度を判定するので、照射された赤外線によって周囲環境の照度が実際の照度よりも高く判定されるのを防止し、照度の判定精度を高めることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視光線および赤外線の両方の画像を撮像可能なカメラを用いて周辺環境の照度を判定するための撮像装置と、この撮像装置を用いた自動車における車載機器の操作装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ステアリングハンドル上の乗員の手の形や動きを読み取る撮像手段と、その撮像手段が読み取った手の形や動きに基づいて車載機器に対する操作コマンドを出力できるようにした操作指令手段とをえたゼスチャーリモコン式操作装置が知られている。
【0003】
かかるゼスチャーリモコン式操作装置において、撮像手段として可視光線用のカメラと赤外線用のカメラとを別個に備備え、照度の高い昼間等には可視光線用のカメラで撮像した画像を用い、照度の低い夜間等には赤外線を照射するとともに、赤外線用のカメラで撮像した画像を用いることで、車室内の照度に関わらずに乗員の手の形や動きを読み取れるようにしたものが、下記特許文献1より公知である。このものによれば、可視光線用のカメラは赤外線を感知しないため、可視光線用のカメラで撮像した画像から車室内の照度を判定することが可能であり、その判定した照度に基づいて赤外線の照射および照射停止を切り替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−170873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年実用化された可視光線および赤外線の両方の画像を撮像可能なカメラを採用した場合、その画像から車室内の照度が低下したことを判定して赤外線の照射を開始することは可能であるが、赤外線の照射を行っている間は、画像から判定される車室内の照度は実際の可視光線による車室内の照度に関わらずに高くなるため、赤外線の照射を停止するタイミングを知ることができないという問題が発生する。
【0006】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、可視光線および赤外線の両方の画像を撮像可能なカメラを用いて、赤外線の照射時にも周囲環境の照度を的確に判定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、可視光線および赤外線の両方の画像を撮像可能なカメラと、前記画像から周囲環境の照度を判定する照度判定装置と、前記照度判定装置が周囲環境の照度が所定値未満であると判定すると赤外線を照射する赤外線照射手段とを備える撮像装置において、前記赤外線照射手段は赤外線を断続的に照射し、前記照度判定装置は前記赤外線照射手段が赤外線を照射していないときの前記画像から周囲環境の照度を判定することを特徴とする撮像装置が提案される。
【0008】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記照度判定装置は、前記画像の明度ヒストグラムを作成するとともに、前記明度ヒストグラムから高明度領域および低明度領域のデータを除外した中間明度領域のデータの平均値に基づいて周囲環境の照度を判定することを特徴とする撮像装置が提案される。
【0009】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記赤外線照射手段が赤外線の照射を開始する照度と赤外線の照射を停止する照度とがヒステリシスを有することを特徴とする撮像装置が提案される。
【0010】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の撮像装置を用いた自動車における車載機器の操作装置であって、複数個のマークが設けられたステアリングハンドルを撮像し得る前記撮像手段と、前記撮像手段から出力される撮像データに基づいて前記マークが隠されたか否かを該マーク毎に個別に判定可能な判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて車載機器に対する操作コマンドを出力する操作指令手段とを備えることを特徴とする自動車における車載機器の操作装置が提案される。
【0011】
尚、実施の形態のオーディオAU、ビデオDVDおよびカーナビCNは本発明の車載機器に対応し、実施の形態の認識手段C4は本発明の照度判定装置に対応する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の構成によれば、撮像装置は、可視光線および赤外線の両方の画像を撮像可能なカメラと、画像から周囲環境の照度を判定する照度判定装置と、照度判定装置が周囲環境の照度が所定値未満であると判定すると赤外線を照射する赤外線照射手段とを備えるので、周囲環境の照度が低いときでも赤外線を照射することで支障なく撮像を行うことができる。赤外線照射手段は赤外線を断続的に照射し、照度判定装置は赤外線照射手段が赤外線を照射していないときの画像から周囲環境の照度を判定するので、照射された赤外線によって周囲環境の照度が実際の照度よりも高く判定されるのを防止し、照度の判定精度を高めることができる。
【0013】
また請求項2の構成によれば、照度判定装置は、画像の明度ヒストグラムを作成し、その明度ヒストグラムから高明度領域および低明度領域のデータを除外した中間明度領域のデータの平均値に基づいて周囲環境の照度を判定するので、画像中に極端の明るい部分や極端に暗い部分が存在しても、それらの部分に影響されずに周囲環境の照度を精度良く判定することができる。
【0014】
また請求項3の構成によれば、赤外線照射手段が赤外線の照射を開始する照度と赤外線の照射を停止する照度とがヒステリシスを有するので、赤外線照射手段が赤外線の照射および照射停止を短い時間間隔で繰り返すチャタリングの発生を防止することができる。
【0015】
また請求項4の構成によれば、判定手段は、撮像手段から出力される撮像データに基づいて、複数個のマークの何れかが隠されたか否かを該マーク毎に個別に判定し、操作指令手段は、その判定結果に基づいて車載機器に対する操作コマンドを出力するので、各々のマークが撮像手段から隠された否かに基づいて車載機器に対する操作コマンドを正確に出力できるだけでなく、操作者の操作手順も判り易くなって操作者の認識違いによる誤操作も効果的に防止できる。しかも操作指令手段における判断ロジックは比較的単純であってコスト節減に寄与し得るだけでなく、演算処理も迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】自動車の車室内を示す概略図。
【図2】インストルメントパネル付近を運転者側から見た正面図。
【図3】図2の3−3線拡大断面図。
【図4】制御系のブロック図。
【図5】操作指令手段の待機モードから第1の作動モードへの切換操作過程を簡略的に示す説明図。
【図6】操作指令手段の第1の作動モードから第2の作動モードへの切換操作過程を簡略的に示す説明図。
【図7】車載機器に対する走行中操作の規制を解除して、走行中であっても運転者以外の同乗者による車載機器への手動操作を可能とするための操作過程を簡略的に示す説明図。
【図8】照度を判定するロジックを示すブロック図。
【図9】明度ヒストグラムの一例を示す図。
【図10】ボリューム調整操作を行うための操作手順を示すステップ概要図。
【図11】ソース選択操作を行うための操作手順を示すステップ概要図。
【図12】アルバム名・曲名の選択操作を行うための操作手順を示すステップ概要図。
【図13】音声検索モードへの移行操作を行うための操作手順を示すステップ概要図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1〜図13に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
先ず、図1〜図3において、車室のインストルメントパネルIには、速度計等の各種計器の他、オーディオAU、ビデオDVD、カーナビCN等の車載機器のための表示部Lや、これら車載機器AU,DVD,CNを手動操作するための操作部1等が設けられ、更にその各種計器の正面側には、運転者により操向操作されるステアリングハンドルSが配設される。
【0019】
ステアリングハンドルSは、操向軸(図示せず)に連結された中央ハブ部Saと、その中央ハブ部Saを円環状に取り囲むリム部Smと、そのリム部Smおよび中央ハブ部Sa間を連結する3本のスポーク部Sb1〜Sb3とを備える。中央ハブ部Saの外面にはホーンカバー2が着脱可能に被着され、そのホーンカバー2の中央外面には、デザイン処理されたH字状の第1マークM1が装着される。
【0020】
また前記スポーク部Sb1〜Sb3には、これらの外面を体裁よく覆うスポークカバー3が着脱可能に装着される。このスポークカバー3は、図示例では可撓性のあるシート状の金属板をスポーク部Sb1〜Sb3に対応した展開形状に形成して構成されており、その裏面には貼付用の接着剤または接着シートが設けられる。このスポークカバー3をスポーク部Sb1〜Sb3に取付ける際には、該カバー3をスポーク部Sb1〜Sb3の外面に倣わせるように巻き付けて貼付し、且つ該カバー3の自由端縁3eを図3に示すように内方に折り曲げるようにして、スポーク部Sb1〜Sb3に固定する。
【0021】
前記スポークカバー3の、左側のスポーク部Sb1に対応する部分には、第2〜第4マークM2〜M4(図示例ではM2がボリュームマーク、M3がソースマーク、M4がセレクトマークに該当)がそれぞれ接着または印刷により一列に付設されており、またスポークカバー3の、右側のスポーク部Sb3に対応する部分には、第5〜第7マークM5〜M7(図示例ではM5がボイスマーク、M6がアップマーク、M7がダウンマークに該当)がそれぞれ接着または印刷により、第5マークM5を内寄りとしたジグザグの配列で付設されている。
【0022】
車室内の適所、図示例では運転者のやや斜め後方の天井部には、各マークM1〜M7を撮像し得る撮像手段としてのモノクロのカメラCAが設置される。このカメラCAは、運転者が何れかのマークM1〜M7を隠したときには、その隠されたことが明確に認識可能となる撮像データを電子制御装置ECU(図4参照)に出力する。また車室内が暗くなって可視光線の撮像データが得られなくなった場合のために、ステアリングハンドルSの周囲に所定時間間隔で断続的に赤外線を照射するLEDよりなる赤外線照射手段URが、カメラCAの近傍の天井部に配置される。
【0023】
カメラCAの撮像データから第1〜第7マークM1〜M7および運転者の手Hを容易に認識できるように、ステアリングハンドルSの色は黒に近い暗色系であることが望ましく、第1〜第7マークM1〜M7は黒に白の縁取りをしたものであることが望ましい。
【0024】
図4に示すように、電子制御装置ECUは、車室内の適所、例えばインストルメントパネルIの内部に設置されるものであり、それは、カメラCAから出力される撮像データを分析し、その分析データに基づいてマークM1〜M7が隠されたか否かをマークM1〜M7毎に個別に判定可能な判定手段C1と、その判定手段C1による判定結果に基づいて車載機器(即ちオーディオAU、ビデオDVD、カーナビCN)に対する操作コマンドとしての操作指令信号を出力する操作指令手段C2と、この操作指令手段C2の出力信号を前記車載機器に対する駆動信号に変換して車載機器AU,DVD,CNに出力する信号出力部C3と、カメラCAから出力される撮像データに基づいて乗員の手Hを認識し得る認識手段C4とを備えている。
【0025】
前記カメラCAは、判定手段C1および認識手段C4の各入力側に接続される。また操作指令手段C2の入力側には、判定手段C1および認識手段C4の各出力側、ならびに外部の前記操作部1、舵角センサSE1および車速センサSE2がそれぞれ接続される。更に信号出力部C3の入力側には操作指令手段C2の出力側が接続されるとともに、その信号出力部C3の出力側には前記車載機器AU,DVD,CNが接続されている。
【0026】
操作指令手段C2は、前記外部の操作部1による車載機器AU,DVD,CNの操作入力を可能とする待機モードと、その操作入力を禁止する第1,第2の作動モードの何れかとを選択的にとることができ、前記待機モードでは、第1マークM1および第5マークM5以外のマーク(即ち第2〜第4マークM2〜M4、第6マークM6および第7マークM7)が隠されても操作指令手段C2は応答せず、即ち操作コマンドが発せられることはなない。
【0027】
また操作指令手段C2は、該操作指令手段C2が第1または第2の作動モードにある時に、車両において、予め設定した状態(具体的には所定角以上の舵角操作があった状態、あるいは所定時間内の急激な車速変化があった状態、あるいは第1,第2の何れかの作動モードに切換わってから一定時間以上、第2〜第7マークM2〜M7の何れかを隠す操作が無く、放置された状態、あるいは第1または第2の作動モードにあるにも拘わらず第1マークM1が再度隠される操作がなされた状態)になるのに応じて前記待機モードに自動的に切換わる。
【0028】
図8に示すように、認識手段C4のうち車室の照度を判定する部分は、可視光線画像選択手段P1と、ヒストグラム作成手段P2と、低・高明度領域削除手段P3と、平均値算出手段P4と、照度判定手段P5とを備える。カメラCAは可視光線画像選択手段P1に接続され、可視光線画像選択手段P1はヒストグラム作成手段P2に接続され、ヒストグラム作成手段P2は低・高明度領域削除手段P3に接続され、低・高明度領域削除手段P3は平均値算出手段P4に接続され、平均値算出手段P4は照度判定手段P5に接続され、照度判定手段P5は赤外線照射手段URに接続される。
【0029】
車室内が暗いために可視光線だけでは明瞭な画像が得られないとき、赤外線照射手段URが作動して赤外線を断続的に照射する。よって赤外線照射手段URによる断続的な赤外線の照射が途切れた断のとき、カメラCAは可視光線による画像を撮像し、赤外線照射手段URによる断続的な赤外線の照射が途切れない続のとき、カメラCAは可視光線および赤外線の両方による画像を撮像する。
【0030】
可視光線画像選択手段P1は、赤外線照射手段URによる断続的な赤外線の照射が途切れた断のときの可視光線による画像を選択し、車室の照度を判定すべくヒストグラム作成手段P2に出力する。尚、赤外線照射手段URによる断続的な赤外線の照射が途切れない続のときの可視光線および赤外線の両方による画像は、第1〜第7マークM1〜M7を認識するために使用される。そしてヒストグラム作成手段P2は、可視光線画像選択手段P1により選択された画像の全ての画素を抽出し、それを明度ごとに並べることで、図9に示す明度ヒストグラムを作成する。
【0031】
低・高明度領域削除手段P3は、明度ヒストグラムの画素のうち、例えばダッシュボードの下部のように極端に明度の低い部分の画素と、モニタ画面のように極端に明度の高い部分の画素とを削除する。続いて平均値算出手段P4は、低・高明度領域削除手段P3により削除されずに残った画素の明度の平均値を算出し、その平均値を所定の閾値と比較する。続いて照度判定手段P5は、前記平均値が閾値未満であれば、車室内の照度が低いために赤外線の照射が必要であると判断して赤外線照射手段URを作動させるとともに、前記平均値が閾値以上であれば、車室内の照度が高いために赤外線の照射が不要であると判断して赤外線照射手段URを作動を停止させる。
【0032】
例えば車両がトンネルの内部に入って車室内が暗くなったために赤外線の照射を一旦開始すると、車両がトンネルを出て車質内が明るくなっても、赤外線が照射されているために画像から検出される車室内の照度は殆ど変化せず、赤外線の照射を停止するタイミングを判定できないという問題があるが、本実施の形態によれば、赤外線を断続的に照射し、赤外線の照射が断になったときの画像、つまり可視光線の画像に基づいて車室内の照度を判定するので、車室内が明るくなって赤外線の照射を停止するタイミングを確実に判定することができる。
【0033】
しかも、その際に可視光線の画像から明度ヒストグラムを作成し、そこから極端に明度の低い画素と極端に明度の高い画素とを削除した残りの画素に基づいて照度を判定するので、照度判定の精度を高めることができる。
【0034】
尚、車室内が暗くなって赤外線の照射を開始するときは、未だ赤外線の照射開始前であって得られる画像が可視光線の画像であるため、任意の画像から車室の照度を判定することができる。
【0035】
また赤外線照射手段URを作動させる照度の閾値は、赤外線照射手段URの作動を停止させる照度の閾値よりも低く設定されており、これにより赤外線照射手段URが赤外線の照射および照射停止を短い時間間隔で繰り返すチャタリングの発生を防止することができる。
【0036】
而して、判定手段C1は、操作指令手段C2が待機モードにある状態では、カメラCAの撮像データに基づき、図5の(A)に示すようにステアリング本体Smの輪郭(丸)を認識して監視対象範囲とし、次いで図5の(B)に示すように中央の第1マークM1を認識しているので、この認識中に、図5の(C)に示すように第1マークM1が運転者の手Hで隠された場合にはそのことを迅速確実に認識でき、その認識結果を操作指令手段C2に出力することで、該手段C2が第1の作動モードに切り換わる。
【0037】
また判定手段C1は、操作指令手段C2が第1または第2の作動モードにある状態では、図6の(A)に示すようにスポーク部Sb1,Sb2の第2〜第7マークM2〜M7を認識しているので、この認識中に、例えば図6の(B)に示すように複数個の第2のマーク(即ち第2〜第5マークM2〜M5)が運転者の手Hで隠された場合にはそのことを迅速確実に認識でき、この認識結果に基づいて操作指令手段C2が第2の作動モードに切り換わる。更にこの第2の作動モードの状態で、図6の(C)に示すように複数個の第3のマーク(即ち第6,第7マークM6,M7)が運転者の手Hで隠されたことを迅速確実に認識でき、その認識結果を操作指令手段C2に出力する。
【0038】
更に認識手段C4は、操作指令手段C2が何れのモードにある場合でも、カメラCAの撮像データに基づき、図7の(A)に示すようにステアリング本体Smの輪郭を認識して監視対象範囲としている。そして操作指令手段C2は、それが車速センサSE2の検出信号に基づき自動車が走行中であると判断しているときに、認識手段C4がリム部Sm上に手Hが2つ有ることを認識しない場合には前記操作部1からの少なくとも一部の操作信号を無効にするが、認識手段C4が図7の(B)に示すようにリム部Sm上に手Hが2つ有ることを認識した場合には前記操作信号を無効にしないように構成される。
【0039】
よって、走行中においては従来と同様、安全運転の観点から車載機器AU,DVD,CNの操作部1への手動操作の少なくとも一部を無効にできる。しかしながら走行中であってもリム部Sm上に手Hが2つ有ることを認識手段C4が認識した場合には、前記操作部1から操作信号が出力されても、それは運転者以外の乗員により操作されたものと見做せることから、操作指令手段C2は前記操作信号を無効にしないようにして、運転者以外の乗員による操作を有効としている。これにより、自動車が走行中であっても、運転者が両手HでステアリングSを握っておれば、運転者以外の同乗者による車載機器AU,DVD,CNへの操作が可能となり、使い勝手、利便性が向上する。
【0040】
操作指令手段C2は、これが待機モードにある時に第1マークM1が隠されたと判定手段C1が判定するのに基づいて第1の作動モードに切換わり、その第1の作動モードでは、第2〜第5マークM2〜M5の1つが隠されることで車載機器における操作対象(図示例では「ボリューム」と、ビデオ・オーディオを選択する「ソース」と、アルバム名・曲名を選択する「セレクト」と、カーナビの音声検索モードを選択する「ボイス」と)を任意に選択可能となる。
【0041】
また操作指令手段C2は、これが第1の作動モードにある時に、第2〜第5マークM2〜M5の何れかが隠されたと判定手段C1が判定するのに基づいて第2の作動モードに切換わり、その第2の作動モードでは、第6,第7マークM6,M7の1つが隠されることで前記操作対象に関係した複数の操作パラメータの1つを選択可能である。その操作パラメータとは、前記操作対象に関連して操作者がより具体的に選択操作すべき操作内容を意味しており、図示例では第2マークM2が隠されたことで「ボリューム」が選択された場合には、第6マークM6を隠すことが「音量上げ」に、また第7マークM7を隠すことが「音量下げ」にそれぞれ対応する。
【0042】
また第3マークM3が隠されたことで「ソース」が選択された場合には、第6マークM6を隠すことがOFF・ビデオ・オーディオの「一方向順送り」に、また第7マークM7を隠すことが「他方向の順送り」にそれぞれ対応する。
【0043】
更に第4マークM4が隠されたことで「セレクト」が選択された場合には、第6マークM6を長く(例えば2秒)隠すことがアルバム名の「一方向順送り」に、また第6マークM6を短く隠すことが曲名の「一方向順送り」に、また第7マークM7を長く(例えば2秒)隠すことがアルバム名の「他方向順送り」に、また第7マークM7を短く隠すことが曲名の「他方向順送り」にそれぞれ対応する。
【0044】
次に前記操作装置の操作手順について、図10〜図13を参照して、より具体的に説明する。
[1]ボリューム調整操作
操作指令手段C2が前記待機モードにあるときは、図10のステップS10に示すように表示部Lは通常のカーナビ画面となっており、この状態から操作者が第1マークM1を隠すと(ステップS11)、「操作をどうぞ」のアナウンスと共に画面下半分に次に選択操作すべきマークM2〜M5の表示が強調して現れる(ステップS12)。そこで第2マークM2を隠すと(ステップS13)、「ボリューム」のアナウンスと共に画面下半分に次に選択操作すべきマークM6,M7の表示が強調して現れ(ステップS14)、次いで所定時間(例えば3秒)経過すると、現時点でのボリューム表示が現れる(ステップS15)。そこで第6マークM6または第7マークM7の何れかを隠すと(ステップS16)、隠したマークに対応して音量調整が実行され、その調整後のボリューム表示が現れる(ステップS17)。
[2]ソース選択操作
図11に示すように、ステップS20〜S22までは、前記ステップS10〜S12と同じであり、そのステップS22の状態から第3マークM3を隠すと(ステップS23)、「ソース選択」のアナウンスと共に画面下半分に次に選択操作すべきマークM6,M7の表示が強調して現れ(ステップS24)、次いで所定時間(例えば3秒)経過すると、現時点でのソース表示(図では「OFF」の選択表示)が現れる(ステップS25)。そこで第6マークM6または第7マークM7の何れかを隠すと(ステップS26)、隠したマークに対応してOFF・ビデオ・オーディオの一方向または他方向の順送りが実行され、「ソース選択〇〇〇〇」のアナウンスと共にその選択後のソース表示が現れる(ステップS27)。
[3]アルバム名・曲名の選択操作
図12に示すように、ステップS30〜S32までは、前記ステップS10〜S12と同じであり、そのステップS32の状態から第4マークM4を隠すと(ステップS33)、「アルバム名・曲名選択」のアナウンスと共に画面下半分に次に選択操作すべきマークM6,M7の表示が強調して現れ(ステップS34)、次いで所定時間(例えば3秒)経過すると、現時点でのアルバム名・曲名ソース表示が現れる(ステップS35)。そこで第6マークM6または第7マークM7の何れかを長く(例えば2秒間)隠すようにすれば、アルバム名の一方向順送りまたは他方向順送りが実行され(ステップS36)、また第6マークM6または第7マークM7の何れかを短く隠すようにすれば、曲名の一方向順送りまたは他方向順送りが実行され(ステップS36)、それらの実行と共に新たに選択されたアルバム名・曲名の表示が現れる(ステップS37)。その表示が現れてから、所定時間(例えば5秒)放置すれば、新たに選択されたアルバム名・曲名が確定する。
[4]音声検索モードへの移行操作
図13に示すように、ステップS40〜S42までは、前記ステップS10〜S12と同じであり、そのステップS42の状態から操作者が第5マークM5を隠すと(ステップS43)、「音声検索」のアナウンスと共に、カーナビCNを従来公知の音声検索モードに移行させることができる。
【0045】
以上説明した本実施の形態によれば、カメラCAから出力される撮像データに基づいて複数のマークM1〜M7が隠されたか否かをマーク毎に個別に判定可能な判定手段C1と、その判定手段C1による判定結果に基づいて車載機器AU,DVD,CNに対する操作コマンド(操作指令信号)を出力する操作指令手段C2とを備えるので、各々のマークM1〜M7が操作者の手HでカメラCAから隠された否かに基づいて車載機器AU,DVD,CNに対する操作コマンドを正確に出力できるだけでなく、操作者の操作手順も判り易く、操作者の認識違いによる誤操作も効果的に防止可能となる。
【0046】
しかもその操作指令手段C2における判断ロジックは比較的単純であってコスト節減が図られる上、演算処理も迅速に行うことができる。また前記複数個のマークM1〜M7は車室内の被取付部材(図示例ではステアリングSに着脱可能なホーンカバー2、スポークカバー3)に設けられていて、それらカバー2,3やステアリングSに読み取り用の貫通孔を特別に穿設する必要はないため、後付けのオプション対応が比較的容易であるばかりか、各マークM1〜M7およびカメラCAの設置位置の自由度も比較的高くなり、更にステアリングSを持つ運転者が手元でマークM1〜M7を隠す操作を容易且つ迅速に行うことができる。
【0047】
その上、操作者は、第1マークMを隠すだけで操作指令手段C2を待機モードから第1の作動モードに迅速且つ確実に切換えることができ、更にその第1の作動モードでは、複数個のマークM2〜M5の1つを隠すだけで車載機器AU,DVD,CNにおける操作対象を迅速且つ確実に選択することができる。更に操作者は、操作指令手段C2が前記第2の作動モードにある時に、第6,第7マークM6,M7の1つを隠すだけで、操作対象に関係して指定すべき複数の操作パラメータ、即ち操作内容の1つを迅速且つ確実に選択できる。
【0048】
ところで操作指令手段C2は、該手段が何れかの作動モードにある時に、車両が予め設定した状態(具体的には所定角以上の舵角操作があった状態、あるいは所定時間内の急激な車速変化があった状態、あるいは第1,第2の何れかの作動モードに切換わってから一定時間以上、第2〜第7マークM2〜M7が隠されず放置された状態、あるいは第1または第2の作動モードにあるにも拘わらず第1マークM1が再度隠される操作がなされた状態)になるのに応じて待機モードに自動的に切換わる。これにより、カーブ走行時や急加速時等の、運転に専念すべき特別な走行状態等の場合や、一定時間以上放置の場合、更には運転者が即座に待機モードに戻したいと希望する場合に、操作指令手段C2を自動的に待機モードに戻すことができるため、それらの場合に操作者の誤操作により操作指令手段C2がコマンドを出力するのを未然に確実に防止することができる。
【0049】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0050】
例えば、実施の形態では、認識手段C4に照度判定装置の機能を持たせているが、認識手段C4から独立した照度判定装置を設けても良い。
【0051】
本発明操作装置によりオーディオAU、ビデオDVD、カーナビCN等を操作できるようにしたものを示したが、本発明では、操作対象を車載の他の機器、例えばエアコン等の空調装置、テレビ等にしてもよい。
【0052】
また実施の形態では、操作指令手段C2は、マークM1〜M7が隠されたことについての判定手段C1の判定結果に基づいて車載機器AU,DVD,CNに対する操作コマンド(操作指令信号)を出力するようにしたものを示したが、本発明では、マークM1〜M7が隠されたことについての判定手段C1の判定結果と、認識手段C4が手Hを認識した結果とを組み合わせた判断ロジックに基づき車載機器AU,DVD,CNに対する操作コマンド(操作指令信号)を出力するようにしてもよい。この場合においても、認識手段C4は、手Hを手H以外の身体部位(頭、腕等)と識別するだけであるため、従来技術のように判断ロジックが複雑化することはない。
【符号の説明】
【0053】
AU オーディオ(車載機器)
C1 判定手段
C2 操作指令手段
C4 認識手段(照度判定装置)
CA カメラ(撮像手段)
CN カーナビ(車載機器)
DVD ビデオ(車載機器)
M1〜M7 複数個のマーク
S ステアリングハンドル
UR 赤外線照射手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視光線および赤外線の両方の画像を撮像可能なカメラを用いて周辺環境の照度を判定するための撮像装置と、この撮像装置を用いた自動車における車載機器の操作装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ステアリングハンドル上の乗員の手の形や動きを読み取る撮像手段と、その撮像手段が読み取った手の形や動きに基づいて車載機器に対する操作コマンドを出力できるようにした操作指令手段とをえたゼスチャーリモコン式操作装置が知られている。
【0003】
かかるゼスチャーリモコン式操作装置において、撮像手段として可視光線用のカメラと赤外線用のカメラとを別個に備備え、照度の高い昼間等には可視光線用のカメラで撮像した画像を用い、照度の低い夜間等には赤外線を照射するとともに、赤外線用のカメラで撮像した画像を用いることで、車室内の照度に関わらずに乗員の手の形や動きを読み取れるようにしたものが、下記特許文献1より公知である。このものによれば、可視光線用のカメラは赤外線を感知しないため、可視光線用のカメラで撮像した画像から車室内の照度を判定することが可能であり、その判定した照度に基づいて赤外線の照射および照射停止を切り替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−170873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年実用化された可視光線および赤外線の両方の画像を撮像可能なカメラを採用した場合、その画像から車室内の照度が低下したことを判定して赤外線の照射を開始することは可能であるが、赤外線の照射を行っている間は、画像から判定される車室内の照度は実際の可視光線による車室内の照度に関わらずに高くなるため、赤外線の照射を停止するタイミングを知ることができないという問題が発生する。
【0006】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、可視光線および赤外線の両方の画像を撮像可能なカメラを用いて、赤外線の照射時にも周囲環境の照度を的確に判定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、可視光線および赤外線の両方の画像を撮像可能なカメラと、前記画像から周囲環境の照度を判定する照度判定装置と、前記照度判定装置が周囲環境の照度が所定値未満であると判定すると赤外線を照射する赤外線照射手段とを備える撮像装置において、前記赤外線照射手段は赤外線を断続的に照射し、前記照度判定装置は前記赤外線照射手段が赤外線を照射していないときの前記画像から周囲環境の照度を判定することを特徴とする撮像装置が提案される。
【0008】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記照度判定装置は、前記画像の明度ヒストグラムを作成するとともに、前記明度ヒストグラムから高明度領域および低明度領域のデータを除外した中間明度領域のデータの平均値に基づいて周囲環境の照度を判定することを特徴とする撮像装置が提案される。
【0009】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記赤外線照射手段が赤外線の照射を開始する照度と赤外線の照射を停止する照度とがヒステリシスを有することを特徴とする撮像装置が提案される。
【0010】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の撮像装置を用いた自動車における車載機器の操作装置であって、複数個のマークが設けられたステアリングハンドルを撮像し得る前記撮像手段と、前記撮像手段から出力される撮像データに基づいて前記マークが隠されたか否かを該マーク毎に個別に判定可能な判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて車載機器に対する操作コマンドを出力する操作指令手段とを備えることを特徴とする自動車における車載機器の操作装置が提案される。
【0011】
尚、実施の形態のオーディオAU、ビデオDVDおよびカーナビCNは本発明の車載機器に対応し、実施の形態の認識手段C4は本発明の照度判定装置に対応する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の構成によれば、撮像装置は、可視光線および赤外線の両方の画像を撮像可能なカメラと、画像から周囲環境の照度を判定する照度判定装置と、照度判定装置が周囲環境の照度が所定値未満であると判定すると赤外線を照射する赤外線照射手段とを備えるので、周囲環境の照度が低いときでも赤外線を照射することで支障なく撮像を行うことができる。赤外線照射手段は赤外線を断続的に照射し、照度判定装置は赤外線照射手段が赤外線を照射していないときの画像から周囲環境の照度を判定するので、照射された赤外線によって周囲環境の照度が実際の照度よりも高く判定されるのを防止し、照度の判定精度を高めることができる。
【0013】
また請求項2の構成によれば、照度判定装置は、画像の明度ヒストグラムを作成し、その明度ヒストグラムから高明度領域および低明度領域のデータを除外した中間明度領域のデータの平均値に基づいて周囲環境の照度を判定するので、画像中に極端の明るい部分や極端に暗い部分が存在しても、それらの部分に影響されずに周囲環境の照度を精度良く判定することができる。
【0014】
また請求項3の構成によれば、赤外線照射手段が赤外線の照射を開始する照度と赤外線の照射を停止する照度とがヒステリシスを有するので、赤外線照射手段が赤外線の照射および照射停止を短い時間間隔で繰り返すチャタリングの発生を防止することができる。
【0015】
また請求項4の構成によれば、判定手段は、撮像手段から出力される撮像データに基づいて、複数個のマークの何れかが隠されたか否かを該マーク毎に個別に判定し、操作指令手段は、その判定結果に基づいて車載機器に対する操作コマンドを出力するので、各々のマークが撮像手段から隠された否かに基づいて車載機器に対する操作コマンドを正確に出力できるだけでなく、操作者の操作手順も判り易くなって操作者の認識違いによる誤操作も効果的に防止できる。しかも操作指令手段における判断ロジックは比較的単純であってコスト節減に寄与し得るだけでなく、演算処理も迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】自動車の車室内を示す概略図。
【図2】インストルメントパネル付近を運転者側から見た正面図。
【図3】図2の3−3線拡大断面図。
【図4】制御系のブロック図。
【図5】操作指令手段の待機モードから第1の作動モードへの切換操作過程を簡略的に示す説明図。
【図6】操作指令手段の第1の作動モードから第2の作動モードへの切換操作過程を簡略的に示す説明図。
【図7】車載機器に対する走行中操作の規制を解除して、走行中であっても運転者以外の同乗者による車載機器への手動操作を可能とするための操作過程を簡略的に示す説明図。
【図8】照度を判定するロジックを示すブロック図。
【図9】明度ヒストグラムの一例を示す図。
【図10】ボリューム調整操作を行うための操作手順を示すステップ概要図。
【図11】ソース選択操作を行うための操作手順を示すステップ概要図。
【図12】アルバム名・曲名の選択操作を行うための操作手順を示すステップ概要図。
【図13】音声検索モードへの移行操作を行うための操作手順を示すステップ概要図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1〜図13に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
先ず、図1〜図3において、車室のインストルメントパネルIには、速度計等の各種計器の他、オーディオAU、ビデオDVD、カーナビCN等の車載機器のための表示部Lや、これら車載機器AU,DVD,CNを手動操作するための操作部1等が設けられ、更にその各種計器の正面側には、運転者により操向操作されるステアリングハンドルSが配設される。
【0019】
ステアリングハンドルSは、操向軸(図示せず)に連結された中央ハブ部Saと、その中央ハブ部Saを円環状に取り囲むリム部Smと、そのリム部Smおよび中央ハブ部Sa間を連結する3本のスポーク部Sb1〜Sb3とを備える。中央ハブ部Saの外面にはホーンカバー2が着脱可能に被着され、そのホーンカバー2の中央外面には、デザイン処理されたH字状の第1マークM1が装着される。
【0020】
また前記スポーク部Sb1〜Sb3には、これらの外面を体裁よく覆うスポークカバー3が着脱可能に装着される。このスポークカバー3は、図示例では可撓性のあるシート状の金属板をスポーク部Sb1〜Sb3に対応した展開形状に形成して構成されており、その裏面には貼付用の接着剤または接着シートが設けられる。このスポークカバー3をスポーク部Sb1〜Sb3に取付ける際には、該カバー3をスポーク部Sb1〜Sb3の外面に倣わせるように巻き付けて貼付し、且つ該カバー3の自由端縁3eを図3に示すように内方に折り曲げるようにして、スポーク部Sb1〜Sb3に固定する。
【0021】
前記スポークカバー3の、左側のスポーク部Sb1に対応する部分には、第2〜第4マークM2〜M4(図示例ではM2がボリュームマーク、M3がソースマーク、M4がセレクトマークに該当)がそれぞれ接着または印刷により一列に付設されており、またスポークカバー3の、右側のスポーク部Sb3に対応する部分には、第5〜第7マークM5〜M7(図示例ではM5がボイスマーク、M6がアップマーク、M7がダウンマークに該当)がそれぞれ接着または印刷により、第5マークM5を内寄りとしたジグザグの配列で付設されている。
【0022】
車室内の適所、図示例では運転者のやや斜め後方の天井部には、各マークM1〜M7を撮像し得る撮像手段としてのモノクロのカメラCAが設置される。このカメラCAは、運転者が何れかのマークM1〜M7を隠したときには、その隠されたことが明確に認識可能となる撮像データを電子制御装置ECU(図4参照)に出力する。また車室内が暗くなって可視光線の撮像データが得られなくなった場合のために、ステアリングハンドルSの周囲に所定時間間隔で断続的に赤外線を照射するLEDよりなる赤外線照射手段URが、カメラCAの近傍の天井部に配置される。
【0023】
カメラCAの撮像データから第1〜第7マークM1〜M7および運転者の手Hを容易に認識できるように、ステアリングハンドルSの色は黒に近い暗色系であることが望ましく、第1〜第7マークM1〜M7は黒に白の縁取りをしたものであることが望ましい。
【0024】
図4に示すように、電子制御装置ECUは、車室内の適所、例えばインストルメントパネルIの内部に設置されるものであり、それは、カメラCAから出力される撮像データを分析し、その分析データに基づいてマークM1〜M7が隠されたか否かをマークM1〜M7毎に個別に判定可能な判定手段C1と、その判定手段C1による判定結果に基づいて車載機器(即ちオーディオAU、ビデオDVD、カーナビCN)に対する操作コマンドとしての操作指令信号を出力する操作指令手段C2と、この操作指令手段C2の出力信号を前記車載機器に対する駆動信号に変換して車載機器AU,DVD,CNに出力する信号出力部C3と、カメラCAから出力される撮像データに基づいて乗員の手Hを認識し得る認識手段C4とを備えている。
【0025】
前記カメラCAは、判定手段C1および認識手段C4の各入力側に接続される。また操作指令手段C2の入力側には、判定手段C1および認識手段C4の各出力側、ならびに外部の前記操作部1、舵角センサSE1および車速センサSE2がそれぞれ接続される。更に信号出力部C3の入力側には操作指令手段C2の出力側が接続されるとともに、その信号出力部C3の出力側には前記車載機器AU,DVD,CNが接続されている。
【0026】
操作指令手段C2は、前記外部の操作部1による車載機器AU,DVD,CNの操作入力を可能とする待機モードと、その操作入力を禁止する第1,第2の作動モードの何れかとを選択的にとることができ、前記待機モードでは、第1マークM1および第5マークM5以外のマーク(即ち第2〜第4マークM2〜M4、第6マークM6および第7マークM7)が隠されても操作指令手段C2は応答せず、即ち操作コマンドが発せられることはなない。
【0027】
また操作指令手段C2は、該操作指令手段C2が第1または第2の作動モードにある時に、車両において、予め設定した状態(具体的には所定角以上の舵角操作があった状態、あるいは所定時間内の急激な車速変化があった状態、あるいは第1,第2の何れかの作動モードに切換わってから一定時間以上、第2〜第7マークM2〜M7の何れかを隠す操作が無く、放置された状態、あるいは第1または第2の作動モードにあるにも拘わらず第1マークM1が再度隠される操作がなされた状態)になるのに応じて前記待機モードに自動的に切換わる。
【0028】
図8に示すように、認識手段C4のうち車室の照度を判定する部分は、可視光線画像選択手段P1と、ヒストグラム作成手段P2と、低・高明度領域削除手段P3と、平均値算出手段P4と、照度判定手段P5とを備える。カメラCAは可視光線画像選択手段P1に接続され、可視光線画像選択手段P1はヒストグラム作成手段P2に接続され、ヒストグラム作成手段P2は低・高明度領域削除手段P3に接続され、低・高明度領域削除手段P3は平均値算出手段P4に接続され、平均値算出手段P4は照度判定手段P5に接続され、照度判定手段P5は赤外線照射手段URに接続される。
【0029】
車室内が暗いために可視光線だけでは明瞭な画像が得られないとき、赤外線照射手段URが作動して赤外線を断続的に照射する。よって赤外線照射手段URによる断続的な赤外線の照射が途切れた断のとき、カメラCAは可視光線による画像を撮像し、赤外線照射手段URによる断続的な赤外線の照射が途切れない続のとき、カメラCAは可視光線および赤外線の両方による画像を撮像する。
【0030】
可視光線画像選択手段P1は、赤外線照射手段URによる断続的な赤外線の照射が途切れた断のときの可視光線による画像を選択し、車室の照度を判定すべくヒストグラム作成手段P2に出力する。尚、赤外線照射手段URによる断続的な赤外線の照射が途切れない続のときの可視光線および赤外線の両方による画像は、第1〜第7マークM1〜M7を認識するために使用される。そしてヒストグラム作成手段P2は、可視光線画像選択手段P1により選択された画像の全ての画素を抽出し、それを明度ごとに並べることで、図9に示す明度ヒストグラムを作成する。
【0031】
低・高明度領域削除手段P3は、明度ヒストグラムの画素のうち、例えばダッシュボードの下部のように極端に明度の低い部分の画素と、モニタ画面のように極端に明度の高い部分の画素とを削除する。続いて平均値算出手段P4は、低・高明度領域削除手段P3により削除されずに残った画素の明度の平均値を算出し、その平均値を所定の閾値と比較する。続いて照度判定手段P5は、前記平均値が閾値未満であれば、車室内の照度が低いために赤外線の照射が必要であると判断して赤外線照射手段URを作動させるとともに、前記平均値が閾値以上であれば、車室内の照度が高いために赤外線の照射が不要であると判断して赤外線照射手段URを作動を停止させる。
【0032】
例えば車両がトンネルの内部に入って車室内が暗くなったために赤外線の照射を一旦開始すると、車両がトンネルを出て車質内が明るくなっても、赤外線が照射されているために画像から検出される車室内の照度は殆ど変化せず、赤外線の照射を停止するタイミングを判定できないという問題があるが、本実施の形態によれば、赤外線を断続的に照射し、赤外線の照射が断になったときの画像、つまり可視光線の画像に基づいて車室内の照度を判定するので、車室内が明るくなって赤外線の照射を停止するタイミングを確実に判定することができる。
【0033】
しかも、その際に可視光線の画像から明度ヒストグラムを作成し、そこから極端に明度の低い画素と極端に明度の高い画素とを削除した残りの画素に基づいて照度を判定するので、照度判定の精度を高めることができる。
【0034】
尚、車室内が暗くなって赤外線の照射を開始するときは、未だ赤外線の照射開始前であって得られる画像が可視光線の画像であるため、任意の画像から車室の照度を判定することができる。
【0035】
また赤外線照射手段URを作動させる照度の閾値は、赤外線照射手段URの作動を停止させる照度の閾値よりも低く設定されており、これにより赤外線照射手段URが赤外線の照射および照射停止を短い時間間隔で繰り返すチャタリングの発生を防止することができる。
【0036】
而して、判定手段C1は、操作指令手段C2が待機モードにある状態では、カメラCAの撮像データに基づき、図5の(A)に示すようにステアリング本体Smの輪郭(丸)を認識して監視対象範囲とし、次いで図5の(B)に示すように中央の第1マークM1を認識しているので、この認識中に、図5の(C)に示すように第1マークM1が運転者の手Hで隠された場合にはそのことを迅速確実に認識でき、その認識結果を操作指令手段C2に出力することで、該手段C2が第1の作動モードに切り換わる。
【0037】
また判定手段C1は、操作指令手段C2が第1または第2の作動モードにある状態では、図6の(A)に示すようにスポーク部Sb1,Sb2の第2〜第7マークM2〜M7を認識しているので、この認識中に、例えば図6の(B)に示すように複数個の第2のマーク(即ち第2〜第5マークM2〜M5)が運転者の手Hで隠された場合にはそのことを迅速確実に認識でき、この認識結果に基づいて操作指令手段C2が第2の作動モードに切り換わる。更にこの第2の作動モードの状態で、図6の(C)に示すように複数個の第3のマーク(即ち第6,第7マークM6,M7)が運転者の手Hで隠されたことを迅速確実に認識でき、その認識結果を操作指令手段C2に出力する。
【0038】
更に認識手段C4は、操作指令手段C2が何れのモードにある場合でも、カメラCAの撮像データに基づき、図7の(A)に示すようにステアリング本体Smの輪郭を認識して監視対象範囲としている。そして操作指令手段C2は、それが車速センサSE2の検出信号に基づき自動車が走行中であると判断しているときに、認識手段C4がリム部Sm上に手Hが2つ有ることを認識しない場合には前記操作部1からの少なくとも一部の操作信号を無効にするが、認識手段C4が図7の(B)に示すようにリム部Sm上に手Hが2つ有ることを認識した場合には前記操作信号を無効にしないように構成される。
【0039】
よって、走行中においては従来と同様、安全運転の観点から車載機器AU,DVD,CNの操作部1への手動操作の少なくとも一部を無効にできる。しかしながら走行中であってもリム部Sm上に手Hが2つ有ることを認識手段C4が認識した場合には、前記操作部1から操作信号が出力されても、それは運転者以外の乗員により操作されたものと見做せることから、操作指令手段C2は前記操作信号を無効にしないようにして、運転者以外の乗員による操作を有効としている。これにより、自動車が走行中であっても、運転者が両手HでステアリングSを握っておれば、運転者以外の同乗者による車載機器AU,DVD,CNへの操作が可能となり、使い勝手、利便性が向上する。
【0040】
操作指令手段C2は、これが待機モードにある時に第1マークM1が隠されたと判定手段C1が判定するのに基づいて第1の作動モードに切換わり、その第1の作動モードでは、第2〜第5マークM2〜M5の1つが隠されることで車載機器における操作対象(図示例では「ボリューム」と、ビデオ・オーディオを選択する「ソース」と、アルバム名・曲名を選択する「セレクト」と、カーナビの音声検索モードを選択する「ボイス」と)を任意に選択可能となる。
【0041】
また操作指令手段C2は、これが第1の作動モードにある時に、第2〜第5マークM2〜M5の何れかが隠されたと判定手段C1が判定するのに基づいて第2の作動モードに切換わり、その第2の作動モードでは、第6,第7マークM6,M7の1つが隠されることで前記操作対象に関係した複数の操作パラメータの1つを選択可能である。その操作パラメータとは、前記操作対象に関連して操作者がより具体的に選択操作すべき操作内容を意味しており、図示例では第2マークM2が隠されたことで「ボリューム」が選択された場合には、第6マークM6を隠すことが「音量上げ」に、また第7マークM7を隠すことが「音量下げ」にそれぞれ対応する。
【0042】
また第3マークM3が隠されたことで「ソース」が選択された場合には、第6マークM6を隠すことがOFF・ビデオ・オーディオの「一方向順送り」に、また第7マークM7を隠すことが「他方向の順送り」にそれぞれ対応する。
【0043】
更に第4マークM4が隠されたことで「セレクト」が選択された場合には、第6マークM6を長く(例えば2秒)隠すことがアルバム名の「一方向順送り」に、また第6マークM6を短く隠すことが曲名の「一方向順送り」に、また第7マークM7を長く(例えば2秒)隠すことがアルバム名の「他方向順送り」に、また第7マークM7を短く隠すことが曲名の「他方向順送り」にそれぞれ対応する。
【0044】
次に前記操作装置の操作手順について、図10〜図13を参照して、より具体的に説明する。
[1]ボリューム調整操作
操作指令手段C2が前記待機モードにあるときは、図10のステップS10に示すように表示部Lは通常のカーナビ画面となっており、この状態から操作者が第1マークM1を隠すと(ステップS11)、「操作をどうぞ」のアナウンスと共に画面下半分に次に選択操作すべきマークM2〜M5の表示が強調して現れる(ステップS12)。そこで第2マークM2を隠すと(ステップS13)、「ボリューム」のアナウンスと共に画面下半分に次に選択操作すべきマークM6,M7の表示が強調して現れ(ステップS14)、次いで所定時間(例えば3秒)経過すると、現時点でのボリューム表示が現れる(ステップS15)。そこで第6マークM6または第7マークM7の何れかを隠すと(ステップS16)、隠したマークに対応して音量調整が実行され、その調整後のボリューム表示が現れる(ステップS17)。
[2]ソース選択操作
図11に示すように、ステップS20〜S22までは、前記ステップS10〜S12と同じであり、そのステップS22の状態から第3マークM3を隠すと(ステップS23)、「ソース選択」のアナウンスと共に画面下半分に次に選択操作すべきマークM6,M7の表示が強調して現れ(ステップS24)、次いで所定時間(例えば3秒)経過すると、現時点でのソース表示(図では「OFF」の選択表示)が現れる(ステップS25)。そこで第6マークM6または第7マークM7の何れかを隠すと(ステップS26)、隠したマークに対応してOFF・ビデオ・オーディオの一方向または他方向の順送りが実行され、「ソース選択〇〇〇〇」のアナウンスと共にその選択後のソース表示が現れる(ステップS27)。
[3]アルバム名・曲名の選択操作
図12に示すように、ステップS30〜S32までは、前記ステップS10〜S12と同じであり、そのステップS32の状態から第4マークM4を隠すと(ステップS33)、「アルバム名・曲名選択」のアナウンスと共に画面下半分に次に選択操作すべきマークM6,M7の表示が強調して現れ(ステップS34)、次いで所定時間(例えば3秒)経過すると、現時点でのアルバム名・曲名ソース表示が現れる(ステップS35)。そこで第6マークM6または第7マークM7の何れかを長く(例えば2秒間)隠すようにすれば、アルバム名の一方向順送りまたは他方向順送りが実行され(ステップS36)、また第6マークM6または第7マークM7の何れかを短く隠すようにすれば、曲名の一方向順送りまたは他方向順送りが実行され(ステップS36)、それらの実行と共に新たに選択されたアルバム名・曲名の表示が現れる(ステップS37)。その表示が現れてから、所定時間(例えば5秒)放置すれば、新たに選択されたアルバム名・曲名が確定する。
[4]音声検索モードへの移行操作
図13に示すように、ステップS40〜S42までは、前記ステップS10〜S12と同じであり、そのステップS42の状態から操作者が第5マークM5を隠すと(ステップS43)、「音声検索」のアナウンスと共に、カーナビCNを従来公知の音声検索モードに移行させることができる。
【0045】
以上説明した本実施の形態によれば、カメラCAから出力される撮像データに基づいて複数のマークM1〜M7が隠されたか否かをマーク毎に個別に判定可能な判定手段C1と、その判定手段C1による判定結果に基づいて車載機器AU,DVD,CNに対する操作コマンド(操作指令信号)を出力する操作指令手段C2とを備えるので、各々のマークM1〜M7が操作者の手HでカメラCAから隠された否かに基づいて車載機器AU,DVD,CNに対する操作コマンドを正確に出力できるだけでなく、操作者の操作手順も判り易く、操作者の認識違いによる誤操作も効果的に防止可能となる。
【0046】
しかもその操作指令手段C2における判断ロジックは比較的単純であってコスト節減が図られる上、演算処理も迅速に行うことができる。また前記複数個のマークM1〜M7は車室内の被取付部材(図示例ではステアリングSに着脱可能なホーンカバー2、スポークカバー3)に設けられていて、それらカバー2,3やステアリングSに読み取り用の貫通孔を特別に穿設する必要はないため、後付けのオプション対応が比較的容易であるばかりか、各マークM1〜M7およびカメラCAの設置位置の自由度も比較的高くなり、更にステアリングSを持つ運転者が手元でマークM1〜M7を隠す操作を容易且つ迅速に行うことができる。
【0047】
その上、操作者は、第1マークMを隠すだけで操作指令手段C2を待機モードから第1の作動モードに迅速且つ確実に切換えることができ、更にその第1の作動モードでは、複数個のマークM2〜M5の1つを隠すだけで車載機器AU,DVD,CNにおける操作対象を迅速且つ確実に選択することができる。更に操作者は、操作指令手段C2が前記第2の作動モードにある時に、第6,第7マークM6,M7の1つを隠すだけで、操作対象に関係して指定すべき複数の操作パラメータ、即ち操作内容の1つを迅速且つ確実に選択できる。
【0048】
ところで操作指令手段C2は、該手段が何れかの作動モードにある時に、車両が予め設定した状態(具体的には所定角以上の舵角操作があった状態、あるいは所定時間内の急激な車速変化があった状態、あるいは第1,第2の何れかの作動モードに切換わってから一定時間以上、第2〜第7マークM2〜M7が隠されず放置された状態、あるいは第1または第2の作動モードにあるにも拘わらず第1マークM1が再度隠される操作がなされた状態)になるのに応じて待機モードに自動的に切換わる。これにより、カーブ走行時や急加速時等の、運転に専念すべき特別な走行状態等の場合や、一定時間以上放置の場合、更には運転者が即座に待機モードに戻したいと希望する場合に、操作指令手段C2を自動的に待機モードに戻すことができるため、それらの場合に操作者の誤操作により操作指令手段C2がコマンドを出力するのを未然に確実に防止することができる。
【0049】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0050】
例えば、実施の形態では、認識手段C4に照度判定装置の機能を持たせているが、認識手段C4から独立した照度判定装置を設けても良い。
【0051】
本発明操作装置によりオーディオAU、ビデオDVD、カーナビCN等を操作できるようにしたものを示したが、本発明では、操作対象を車載の他の機器、例えばエアコン等の空調装置、テレビ等にしてもよい。
【0052】
また実施の形態では、操作指令手段C2は、マークM1〜M7が隠されたことについての判定手段C1の判定結果に基づいて車載機器AU,DVD,CNに対する操作コマンド(操作指令信号)を出力するようにしたものを示したが、本発明では、マークM1〜M7が隠されたことについての判定手段C1の判定結果と、認識手段C4が手Hを認識した結果とを組み合わせた判断ロジックに基づき車載機器AU,DVD,CNに対する操作コマンド(操作指令信号)を出力するようにしてもよい。この場合においても、認識手段C4は、手Hを手H以外の身体部位(頭、腕等)と識別するだけであるため、従来技術のように判断ロジックが複雑化することはない。
【符号の説明】
【0053】
AU オーディオ(車載機器)
C1 判定手段
C2 操作指令手段
C4 認識手段(照度判定装置)
CA カメラ(撮像手段)
CN カーナビ(車載機器)
DVD ビデオ(車載機器)
M1〜M7 複数個のマーク
S ステアリングハンドル
UR 赤外線照射手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光線および赤外線の両方の画像を撮像可能なカメラ(CA)と、前記画像から周囲環境の照度を判定する照度判定装置(C4)と、前記照度判定装置(C4)が周囲環境の照度が所定値未満であると判定すると赤外線を照射する赤外線照射手段(UR)とを備える撮像装置において、
前記赤外線照射手段(UR)は赤外線を断続的に照射し、前記照度判定装置(C4)は前記赤外線照射手段(UR)が赤外線を照射していないときの前記画像から周囲環境の照度を判定することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記照度判定装置(C4)は、前記画像の明度ヒストグラムを作成するとともに、前記明度ヒストグラムから高明度領域および低明度領域のデータを除外した中間明度領域のデータの平均値に基づいて周囲環境の照度を判定することを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記赤外線照射手段(UR)が赤外線の照射を開始する照度と赤外線の照射を停止する照度とがヒステリシスを有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の撮像装置を用いた自動車における車載機器の操作装置であって、
複数個のマーク(M1〜M7)が設けられたステアリングハンドル(S)を撮像し得る前記撮像手段(CA)と、前記撮像手段(CA)から出力される撮像データに基づいて前記マーク(M1〜M7)が隠されたか否かを該マーク(M1〜M7)毎に個別に判定可能な判定手段(C1)と、前記判定手段(C1)による判定結果に基づいて車載機器(AU,DVD,CN)に対する操作コマンドを出力する操作指令手段(C2)とを備えることを特徴とする自動車における車載機器の操作装置。
【請求項1】
可視光線および赤外線の両方の画像を撮像可能なカメラ(CA)と、前記画像から周囲環境の照度を判定する照度判定装置(C4)と、前記照度判定装置(C4)が周囲環境の照度が所定値未満であると判定すると赤外線を照射する赤外線照射手段(UR)とを備える撮像装置において、
前記赤外線照射手段(UR)は赤外線を断続的に照射し、前記照度判定装置(C4)は前記赤外線照射手段(UR)が赤外線を照射していないときの前記画像から周囲環境の照度を判定することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記照度判定装置(C4)は、前記画像の明度ヒストグラムを作成するとともに、前記明度ヒストグラムから高明度領域および低明度領域のデータを除外した中間明度領域のデータの平均値に基づいて周囲環境の照度を判定することを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記赤外線照射手段(UR)が赤外線の照射を開始する照度と赤外線の照射を停止する照度とがヒステリシスを有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の撮像装置を用いた自動車における車載機器の操作装置であって、
複数個のマーク(M1〜M7)が設けられたステアリングハンドル(S)を撮像し得る前記撮像手段(CA)と、前記撮像手段(CA)から出力される撮像データに基づいて前記マーク(M1〜M7)が隠されたか否かを該マーク(M1〜M7)毎に個別に判定可能な判定手段(C1)と、前記判定手段(C1)による判定結果に基づいて車載機器(AU,DVD,CN)に対する操作コマンドを出力する操作指令手段(C2)とを備えることを特徴とする自動車における車載機器の操作装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−201302(P2012−201302A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69628(P2011−69628)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【Fターム(参考)】
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