説明

撮像装置と撮像方法

【課題】撮像フレームレートでメモリに記憶された撮像画像を所望のフレームレートとして容易に読み出す。
【解決手段】メモリ16に対する画像信号の書き込みと読み出しを制御して画像信号のフレームレート変換を行う変換処理ブロック12a〜12dを設ける。変換処理ブロック12a〜12dに対し、連続する複数の画素単位で並列に出力される画像信号SA-1〜SA-16を、変換処理ブロック12a〜12dで画像信号の読み出しを行ったときに読み出された画像信号が連続する画素の信号となるように振り分ける。変換処理ブロック12a〜12dで画像信号の読み出しを行えば、連続する複数画素の信号を得られる。変換処理ブロックに所定画素数分の画像信号を画素順に振り分ける場合に比べて、メモリ16からの画像信号の読み出しレートを低くすることが可能となり、記憶された撮像画像を所望のフレームレートで容易に読み出せる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、撮像装置と撮像方法に関する。詳しくは、画像信号をメモリに書き込み、該メモリに書き込まれた画像信号の読み出しを制御して画像信号のフレームレート変換を行う複数の変換処理手段に対して、撮像手段から出力された画像信号を複数の変換処理手段に画素単位で画素順に振り分けることで、所望のフレームレートの画像信号を容易に生成するものである。
【背景技術】
【0002】
撮像装置では、被写体を撮像する際のフレームレート(以下「撮像フレームレート」という)を特許文献1に記載されているように可変して、被写体の動きを実際の速度とは異なる速度で表示することが可能とされている。例えば、撮像フレームレートで撮像を行い得られた画像信号を撮像フレームレートよりも低いフレームレートで再生すれば、被写体の動きが実際の速度よりも遅くなったスロー再生画像を得ることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2000−125210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、撮像フレームレートを可変するとき、電子ビューファインダや記録装置のフレームレートが可変できるようになされていないと、撮像画像をそのままリアルタイムで表示したり記録することができない。ここで、撮像フレームレートの撮像画像をメモリに一時記憶させて、このメモリに記憶された撮像画像を電子ビューファインダや記録装置に対応した所望のフレームレートで読み出すものとすれば、撮像画像の表示や記録が可能となる。また、メモリからの撮像画像の読み出しが容易であれば、撮像装置における種々の処理動作等も容易とすることができる。
【0005】
そこで、この発明では、撮像フレームレートでメモリに記憶された撮像画像を所望のフレームレートとして容易に読み出すことができる撮像装置と撮像方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る撮像装置は、撮像画像の画像信号を出力する撮像手段と、撮像手段から出力された画像信号のメモリへの書き込みと、該メモリに書き込まれた画像信号の読み出しを制御して、画像信号のフレームレート変換を行う複数の変換処理手段を有し、撮像手段から出力された画像信号は、複数の変換処理手段で画像信号の読み出しを行ったとき、読み出された画像信号が連続する画素の信号となるように、複数の変換処理手段に振り分けるものである。
【0007】
また、この発明に係る撮像方法は、撮像画像の画像信号を出力する撮像工程と、撮像工程で出力された画像信号のメモリへの書き込みと、該メモリに書き込まれた画像信号の読み出しを制御して、画像信号のフレームレート変換を行う複数の変換処理工程を有し、撮像工程で出力された画像信号は、複数の変換処理工程で画像信号の読み出しを行ったとき、読み出された画像信号が連続する画素の信号となるように、複数の変換処理工程に振り分けるものである。
【0008】
この発明においては、撮像画像の画像信号のメモリへの書き込みとメモリに書き込まれた画像信号の読み出しを制御して画像信号のフレームレート変換を行う複数の変換処理ブロックに対し、例えば連続する複数の画素単位で並列に出力される画像信号が、複数の変換処理ブロックで画像信号の読み出しを行ったとき、読み出された画像信号が連続する画素の信号となるように振り分けられて供給される。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、画像信号のメモリへの書き込みと、メモリに書き込まれた画像信号の読み出しを制御して、画像信号のフレームレート変換を行う変換処理手段(工程)が複数設けられて、撮像画像の画像信号は、複数の変換処理手段(工程)で画像信号の読み出しを行ったとき、読み出された画像信号が連続する画素の信号となるように、複数の変換処理手段(工程)に振り分けられる。このため、各変換処理手段(工程)で画像信号の読み出しを行えば、連続する複数画像の画像信号を得られるので、複数の変換処理手段(工程)に対して、所定画素数分の画像信号を画素順に振り分ける場合に比べて、メモリからの画像信号の読み出しレートを低くすることが可能となり、メモリに記憶された撮像画像を所望のフレームレートとして容易に読み出すことができる。また、画像信号を読み出す変換処理手段(工程)の切り換えも不要となる。さらに、連続する複数画素の画素信号が並列に画像信号として出力されて、この画素信号が振り分けられるので、連続する複数画素の画素信号を並列に出力することで撮像フレームレートが高くされても、各変換処理手段(工程)で画像信号の読み出しを行ったときに連続する複数画像の画像信号を得られるので、フレームレート変換を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図を参照しながら、この発明の形態について説明する。図1は、撮像装置10の構成を示すブロック図である。
【0011】
撮像部11は、例えばCMOS型やCCD型の固体撮像素子を用いて、撮像フレームレートの撮像信号を生成する。この撮像フレームレートは、撮像画像を記録媒体に記録するときの記録フレームレートやビューファインダ表示画像の表示フレームレート以上のフレームレートとする。
【0012】
図2は、例えばカラムアンプ方式のCMOS型固体撮像素子を用いた撮像部11の構成を示すブロック図である。この撮像部11は、例えば1クロックで16画素の画素信号を並列に出力することで、1クロックで1画素の画素信号を出力する撮像部に比べて、16倍の撮像フレームレートを実現する。
【0013】
垂直走査制御回路111は、画素信号を読み出すラインの選択を行う。水平走査制御回路112は、画素列選択回路113を駆動して、画素信号を読み出す水平方向の画素位置の選択を行う。画素列選択回路113は、ライン方向に対して直交する方向の画素列に一方の端子を接続して他方の端子を出力アンプ114と接続したスイッチ113swで構成されている。
【0014】
出力アンプ114は、1クロックで出力する画素信号の数に合わせて並列に設けるものとして、各出力アンプ114に画素列選択回路113のスイッチ113swを振り分けて接続する。例えば1クロックで16画素の画素信号を並列に出力するときには、16個の出力アンプ114-1〜114-16を並列に設ける。また、出力アンプ114-1には、「4L+1(Lは0または正の整数)」番目に位置する画素列と接続されるスイッチ113sw-(4L+1)を接続する。同様に、出力アンプ114-2〜114-16には、「4L+2」〜「4L+16」番目に位置する画素列と接続されるスイッチ113sw-(4L+2)〜113sw-(4L+16)をそれぞれ接続する。
【0015】
ここで、垂直走査制御回路111は、1ライン目の画素の画素信号読み出しを行い、水平走査制御回路112は、画素列選択回路113のスイッチ113sw-1〜113sw-16を同時にオン状態とする。このとき、出力アンプ114-1〜114-16からは、画素P(1,1)〜P(16,1)の画素信号Sp-(1,1)〜Sp-(16,1)が並列に出力される。水平走査制御回路112は、次のクロックで画素列選択回路113のスイッチ113sw-17〜113sw-32を同時にオン状態とする。このとき、出力アンプ114-1〜114-16からは、画素P(17,1)〜P(32,1)の画素信号Sp-(17,1)〜Sp-(32,1)が出力される。以下同様にして、16画素単位で画素信号を並列に繰り返し出力することで、1クロックで1画素の画素信号を出力する撮像部に比べて、16倍のフレームレートの画像信号SAを出力できる。
【0016】
撮像部11は、16画素の画素信号を並列に読み出すことにより生成された画像信号SAを4つの変換処理ブロック12a〜12dに振り分けて供給する。変換処理ブロック12a〜12dは、振り分けられた画像信号のメモリへの書き込みと、該メモリに書き込まれた画像信号の読み出しを制御して、画像信号のフレームレート変換を行う。
【0017】
ここで、画像信号SAを変換処理ブロック12a〜12dに振り分ける場合、4つの変換処理ブロック12a〜12dで画像信号の読み出しを行ったとき、読み出された画像信号が連続する画像の信号となるように振り分けを行う。すなわち、出力アンプ114-1からの画像信号SA-1,出力アンプ114-5からの画像信号SA-5、出力アンプ114-9からの画像信号SA-9,出力アンプ114-13からの画像信号SA-13は、変換処理ブロック12aに供給する。同様に、出力アンプ114-2からの画像信号SA-2,出力アンプ114-6からの画像信号SA-6,出力アンプ114-10からの画像信号SA-10,出力アンプ114-14からの画像信号SA-14は、変換処理ブロック12bに供給する。出力アンプ114-3からの画像信号SA-3,出力アンプ114-7からの画像信号SA-7,出力アンプ114-11からの画像信号SA-11,出力アンプ114-15からの画像信号SA-15は、変換処理ブロック12cに供給する。出力アンプ114-4からの画像信号SA-4,出力アンプ114-8からの画像信号SA-8,出力アンプ114-12からの画像信号SA-12,出力アンプ114-16からの画像信号SA-16は、変換処理ブロック12dに供給する。このように、画像信号SAを振り分けることで、変換処理ブロック12a〜12dで画像信号の読み出しを行ったときには、例えば連続する画素P(1,1)〜P(4,1)の信号を読み出すことができ、次の画像信号の読み出しでは、連続する画素P(5,1)〜P(8,1)の信号を読み出すことができる。
【0018】
変換処理ブロック12aの前段処理部13-1は、画像信号SA-1のゲイン調整や黒レベル調整等を行い、調整後の画像信号SA-1をA/D変換処理部14-1に供給する。A/D変換処理部14-1は、前段処理部13-1で処理された画像信号SA-1をディジタル信号に変換する。また、A/D変換処理で生じた折り返し成分の除去を行い、得られたディジタルの画像信号DB-1をメモリ制御部16に供給する。前段処理部13-2〜13-4およびA/D変換処理部14-2〜14-4も、前段処理部13-1やA/D変換処理部14-1と同様な処理を行い、画像信号SA-5,SA-9,SA-13を処理して得られたディジタルの画像信号DB-5,DB-9,DB-13をメモリ制御部15に供給する。
【0019】
メモリ制御部15は、メモリ16への画像信号の書き込みと読み出しを制御して、供給されたディジタルの画像信号DB-1,DB-5,DB-9,DB-13をフレームレートの異なる画像信号DD-aに変換してマルチプレクサ18に供給する。
【0020】
図3は、メモリ制御部15の構成を示すブロック図である。メモリ制御部15は、タイミング信号生成部151と制御情報レジスタ152と書込読出処理部153を有している。タイミング信号生成部151は、供給された画像信号DB-1,DB-5,DB-9,DB-16をメモリ16に書き込んだり、メモリ16に書き込まれている画像信号を読み出して画像信号DD-aとして出力するための基準となるタイミング信号TMを生成する。このタイミング信号TMは、後述する同期信号発生部31から供給されたクロック信号TS-ck1,TS-ck2や同期信号TS-m,TS-cに基づいて生成する。制御情報レジスタ152は、後述する動作制御部35と接続されており、動作制御部35から供給された制御情報やメモリ16の構成や書込読出処理部153の動作状態等に関する情報を保持する。
【0021】
書込読出処理部153は、タイミング信号生成部151で生成されたタイミング信号TMや制御情報レジスタ152に保持されている制御情報JHに基づき、書込制御信号WCや読出制御信号RCを生成してメモリ16に供給することで、メモリ16の所望の領域に画像信号の書き込み、あるいはメモリ16の所望の領域から画像信号を読み出して画像信号DD-aを出力する。また、書込読出処理部153は、メモリ16に書き込む画像信号やメモリ16から読み出した画像信号を一時保持するバッファ(図示せず)を有している。このため、撮像フレームレートの画像信号DBが供給されるタイミングと画像信号DBをメモリ16に書き込むタイミングが一致しなくとも、画像信号DBがバッファに一時保持されることから、正しく画像信号DBをメモリ16に書き込むことができる。また、メモリ16から画像信号を読み出して出力する場合も、読み出した画像信号がバッファに一時保持されることから、画像信号の読み出しを所望のフレームレートのタイミングで行うことができなくとも、所望のフレームレートの画像信号DDとしてメモリ制御部15から出力できる。例えば表示フレームレートや記録フレームレートで画像信号を出力できる。
【0022】
このように、撮像画像の画像信号をメモリ16に記憶させることで、メモリ制御部15に供給された画像信号DBのフレームレートとメモリ制御部15から出力される画像信号DD-aのフレームレートを独立したものとすることができる。
【0023】
メモリ16は、撮像フレームレートの高い画像信号を記憶したり、撮像フレームレートの画像信号をメモリ16に書き込みながら、画像信号を読み出して所望のフレームレートで出力できるように、信号の書き込みや読み出しを高速に行うことができるメモリを用いて構成する。例えば、クロック信号の立ち上がりと立ち下がりの両方で信号の書き込みや読み出しを行うことができるDDRSDRAM(Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)を用いて構成する。
【0024】
変換処理ブロック12b〜12dも変換処理ブロック12aと同様な構成とされており、変換処理ブロック12bは、画像信号SA-2,SA-6,SA-10,SA-14を処理してフレームレートの異なる画像信号DD-bを生成してマルチプレクサ18に供給する。変換処理ブロック12cは、画像信号SA-3,SA-7,SA-11,SA-15を処理してフレームレートの異なる画像信号DD-cを生成してマルチプレクサ18に供給する。変換処理ブロック12dは、画像信号SA-4,SA-8,SA-12,SA-16を処理してフレームレートの異なる画像信号DD-dを生成してマルチプレクサ18に供給する。
【0025】
なお、ゲイン調整や黒レベル調整での調整量を変換処理ブロック12a〜12dの各前段処理部13-1〜13-4で独立に制御可能とすれば、撮像部11から並列に出力される画像信号SAが信号レベルのばらつきを有しても、並列に出力される画像信号SAのそれぞれを正しく調整したのち、画像信号DDを生成できる。
【0026】
このように、変換処理ブロック12a〜12dは、撮像画像の画像信号をメモリに記憶させることで、画像信号SA-1〜SA-16のフレームレートと画像信号DD-a〜DD-dのフレームレートを独立したものとすることができる。
【0027】
マルチプレクサ18は、変換処理ブロック12a〜12dから供給された画像信号DD-a〜DD-bを時分割多重してフレーム単位の画像信号DDMを生成してプロセス部21に供給する。
【0028】
プロセス部21は、接続される電子ビューファインダ41の能力に応じた画素数変換回路、フォーカスを分かりやすくするためのエッジ強調処理回路、所定のビデオレベルの信号に目印を重畳するゼブラミックス回路、有効画枠などの領域情報を示すボックスカーソル表示回路等で構成されており、撮像時に撮像者を手助けするための種々の処理を行う。また、露出制御のための検出回路、画作りのためのエッジ強調処理回路、色を調整するためのリニアマトリクス回路、モニタガンマを補正するガンマ補正回路、記録装置42で撮影画像を記録するためのインタフェースとしてのYCマトリクス処理回路等を有しており、良好な撮像画像を得ることができるように処理を行う。
【0029】
プロセス部21は、撮像時に撮像者を手助けするための種々の処理を行うことにより得られた画像信号DEをD/A変換器22に供給する。D/A変換器22は、画像信号DEをアナログの表示信号Vvfに変換して電子ビューファインダ41に供給する。電子ビューファインダ41は、供給された表示信号Vvfに基づいて撮像中の画像やメモリ16に記憶されている撮像画像の表示等を行う。
【0030】
また、プロセス部21は、良好な撮像画像を得ることができるように処理を行って得られた映像信号Voutを記録装置42に供給する。記録装置42は、供給された映像信号Voutをテープ状やディスク状等の記録媒体に記録する。
【0031】
同期信号発生部31は、信号発生部311と信号発生部312およびPLL回路313で構成されている。信号発生部311は、クロック信号TS-ck1と表示フレームレートや記録フレームレートの画像信号の生成および処理を行うための基準となる同期信号TS-mを発生させる。信号発生部312は、クロック信号TS-ck2と撮像フレームレートの画像信号の生成および処理を行うための基準となる同期信号TS-cを発生させる。PLL回路313は、クロック信号TS-ck1や同期信号TS-cをクロック信号-ck2や同期信号TS-mに同期させるためのものである。同期信号発生部31は、信号発生部311で生成したクロック信号TS-ck1や同期信号TS-mを、メモリ制御部15およびメモリ制御部15の後段に設けられたブロック等に供給する。また、信号発生部312で生成したクロック信号TS-ck2や同期信号TS-cを、メモリ制御部15と駆動信号生成部32およびメモリ制御部15の前段の前段処理部13やA/D変換処理部14に供給する。
【0032】
駆動信号生成部32は、同期信号発生部31から供給されたクロック信号TS-ck2や同期信号TS-cに基づき駆動信号RDを生成して撮像部11に供給して、撮像フレームレートの画像信号を生成するように撮像部11を駆動する。
【0033】
動作制御部35はCPU(Central Processing Unit)を用いて構成されており、この動作制御部35に接続されたユーザインタフェース部36からのユーザ操作に応じた操作信号PSに基づき制御信号CSを生成して各部に供給することで、ユーザ操作に応じて撮像装置を動作させる。
【0034】
次に、撮像装置の動作について説明する。撮像部11における撮像画像のサイズが水平方向2200画素,垂直方向1125ラインであり、クロック周波数を74.25MHzとして、1クロックで1画素の画素信号を読み出すものとすると、撮像フレームレートは30フレーム/秒となる。
【0035】
ここで、上述のように1クロックで16画素の画素信号を読み出すものとすると、1ライン分の画素は、(2200/16)=137.5クロックとなる。このため、水平クロック数を138,クロック周波数を74.52MHzとして駆動することにより、撮像フレームレートを30フレーム/秒の16倍である480フレーム/秒とすることができる。
【0036】
また、画像信号を4つの変換処理ブロック12a〜12dに振り分けて供給することから、1つの変換処理ブロックでは、撮像フレームレートが120フレーム/秒とされた撮像画像をリアルタイムに書き込む場合と同等の速度でメモリ16に画像信号DBを書き込むこととなる。
【0037】
次に、メモリに書き込まれた画像信号を読み出す場合、電子ビューファインダ41の表示フレームレートや記録装置42の記録フレームレートを例えば30フレーム/秒とすると、4つの変換処理ブロック12a〜12dとマルチプレクサ18は、画像信号DDMのフレームレートが30フレーム/秒となるようにメモリ16からの画像信号の読み出しや時分割多重を行う。
【0038】
4つの変換処理ブロック12a〜12dには、撮像部11で16画素の画素信号を並列に読み出すことにより生成された画像信号SAが、上述のように、変換処理ブロック12a〜12dで画像信号の読み出しを行ったとき、読み出された画像信号が連続する画素の信号となるように振り分けられている。このため、4つの変換処理ブロック12a〜12dでそれぞれメモリ16から画像信号を1画素分読み出すものとすると、図4に示すように、連続する4画素P(1,1)〜P(4,1)の信号を読み出すことができる。なお、図4では、画素P(1,1)〜P(4,1)のディジタル画素信号を画素信号DP(1,1)〜DP(4,1)として示している。また、図4Aは画像信号DD-a、図4Bは画像信号DD-b、図4Cは画像信号DD-c、図4Dは画像信号DD-dをそれぞれ示している。また、マルチプレクサ18は、画素信号DP(1,1)〜DP(4,1)を画素順に順次選択して図4Eに示す画像信号DDMを生成する。
【0039】
ここで、画像信号DDMのフレームレートを30フレームレート/秒とするときは、74.52MHzで画像信号DD-a〜DD-dを順番に繰り返し選択すれば良く、4つの変換処理ブロック12a〜12dの各メモリ16から(74.52/4)MHzで画像信号を画素順に読み出せば良い。
【0040】
なお、図5は、撮像部11で16画素の画素信号を並列に読み出すことにより生成された画像信号SAを、画素順に振り分けたときの画像信号読み出し動作を説明するための図である。ここで、画像信号SAを画素順に振り分けると、各変換処理ブロック12a〜12dに対して、連続する4画素の画素信号が供給されることとなる。このため、メモリに書き込まれた画像信号を読み出す場合、画像信号の読み出しを行う変換処理ブロックを4画素毎に切り換えるものとして、各変換処理ブロックから連続する4画素分の画素信号を読み出し、マルチプレクサ18では、画素毎に信号を選択しなければければならない。
【0041】
例えば図5Aに示すように、変換処理ブロック12aから、74.52MHzで画像信号の読み出しを行い、画像信号DD-aとして連続する4画素P(1,1)〜P(4,1)の画素信号DP(1,1)〜DP(4,1)を読み出す。次に、画像信号の読み出しを行う変換処理ブロックを変換処理ブロック12bに切り換えて、図5Bに示すように変換処理ブロック12bから、画像信号DD-bとして連続する4画素P(5,1)〜P(8,1)の画素信号DP(5,1)〜DP(8,1)を読み出す。その後、図5Cに示すように変換処理ブロック12cから、画像信号DD-cとして連続する4画素P(9,1)〜P(12,1)の画素信号DP(9,1)〜DP(12,1)の読み出し、図5Dに示すように、変換処理ブロック12dから、画像信号DD-dとして連続する4画素P(13,1)〜P(16,1)の画素信号DP(13,1)〜DP(16,1)の読み出しを行う。さらに、変換処理ブロック12aから、画像信号DD-aとして連続する4画素P(17,1)〜P(20,1)の画素信号DP(17,1)〜DP(20,1)の読み出し等を引き続き行う。また、マルチプレクサ18は、74.52MHzで画素順に画素信号を順次選択して図5Eに示すように画像信号DDMをする。
【0042】
このように、画像信号SAを画素順に振り分けた場合、変換処理ブロックから74.52MHzで画像信号の読み出しを行わなければならず、また、画像信号を読み出す変換処理ブロックの切り換えを行わなければならない。さらに、連続する4画素分の画素信号が各変換処理ブロックから連続して読み出されるので、マルチプレクサ18は画像信号の選択を精度良く行わなければならない。
【0043】
しかし、上述のように画像信号SAを複数の変換処理ブロックに対して、各変換処理ブロックで画像信号の読み出しを行ったとき、読み出された画像信号が連続する画素の信号となるように振り分ければ、連続する複数画素の画素信号が複数の変換処理ブロックから並列に出力できるので変換処理ブロックにおけるメモリからの画像信号の読み出しレートを低くできる。また、画像信号を読み出す変換処理ブロックを切り換える必要もない。さらに、画像信号の読み出しレートが低く、連続する複数画素の画素信号が並列に出力されているので、マルチプレクサ18は、連続する複数画素分の画素信号が各変換処理ブロックから連続して読み出される場合のように、画像信号の選択を高い精度で行わなくとも画像信号DDMを正しく生成できるため、連続する複数画素の信号を並列に出力して撮像フレームレートを高くしてもフレームレート変換を容易に行うことができる。
【0044】
ところで、マルチプレクサ18から画像信号DDMをプロセス部21に供給して、表示信号Vvfと映像信号Voutの生成を行うものとした場合、撮像画像のリアルタイム表示と撮像画像をフレーム順に記録することは同時に行うことができない。例えば、撮像フレームレートを120フレーム/秒、表示フレームレートと記録フレームレートを30フレーム/秒としたとき、撮像画像をリアルタイムに表示するには3フレーム間引き処理を行いながら撮像画像を読み出さなければならない。しかし、3フレーム間引き処理を行いながら撮像画像を読み出すと、撮像画像を間引くことなくフレーム順に記録装置42に記録できなくなってしまう。このため、例えば、撮像画像をリアルタイムに表示するための表示フレームレートの画像信号を記録装置42に記録しながら撮像を行い、間引きによって記録されなかった撮像画像の画像信号を撮像終了後に記録装置42に供給して正しいフレーム順序に並び替えて記録する処理を行う。
【0045】
さらに、電子ビューファインダ41に撮像画像をリアルタイムで表示しながら撮像画像をメモリ16に記憶させる動作と、メモリ16に記憶されている撮像画像を記録装置42で記録する動作を別々に行うことで、撮像動作中の処理を容易とすることができる。
【0046】
例えば、ユーザインタフェース部36で撮像画像の書き込み開始操作が行われたときには、メモリ16に画像信号DBの書き込みを開始して、所定フレーム数の画像信号DBがメモリ16に記憶されたとき、画像信号DBの書き込みを停止することで、書き込み開始操作から所定フレーム数の撮像画像をメモリ16に記憶させる。あるいは、画像信号DBの書き込みを開始しておき、ユーザインタフェース部36で撮像画像の書き込み停止操作が行われたとき、画像信号DBの書き込みを停止することで、書き込み停止操作が行われるまでの撮像画像をメモリ16に記憶させる。
【0047】
その後、メモリ16に記憶されている撮像画像の読み出しを行い、読み出した撮像画像を記録装置42で記録媒体に記録させる。また、撮像画像の記録時にプロセス部21で画像信号DEを生成すれば、どのような撮像画像が記録装置42に記録されているか電子ビューファインダ41に表示させることもできる。
【0048】
なお、上述の形態のフレームレートや画像サイズ等は、理解を容易とするために一例として示したものであり、上記フレームレートや画像サイズ等に限定されるものでないことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、本発明に係る撮像装置と撮像方法は、高速撮像動作を行う場合に有用であり、高速撮像画像をメモリに書き込み、このメモリに書き込まれた撮像画像を所望のフレームレートで読み出してリアルタイムで画像の確認等を行う場合に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】撮像装置の構成を示す図である。
【図2】撮像部の構成を示す図である。
【図3】メモリ制御部の構成を示す図である。
【図4】読み出された信号が連続する画素の信号となるように振り分けを行ったときの画像信号読み出し動作を説明するため図である。
【図5】読み出された信号を画素順に振り分けたときの画像信号読み出し動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0051】
10・・・撮像装置、11・・・撮像部、12a〜12d・・・変換処理ブロック、13-1〜13-4・・・前段処理部、14-1〜14-4・・・A/D変換処理部、15・・・メモリ制御部、16・・・メモリ、18・・・マルチプレクサ、21・・・プロセス部、22・・・D/A変換器、31・・・同期信号発生部、32・・・駆動信号生成部、35・・・制御部、36・・・ユーザインタフェース部、41・・・電子ビューファインダ、42・・・記録装置、111・・・垂直走査制御回路、112・・・水平走査制御回路、113・・・画素列選択回路、113sw・・・スイッチ、114・・・出力アンプ、151・・・タイミング信号生成部、152・・・制御情報レジスタ、153・・・書込読出処理部、311,312・・・信号発生部、313・・・PLL回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像画像の画像信号を出力する撮像手段と、
前記撮像手段から出力された前記画像信号のメモリへの書き込みと、該メモリに書き込まれた画像信号の読み出しを制御して、画像信号のフレームレート変換を行う複数の変換処理手段を有し、
前記撮像手段から出力された画像信号は、前記複数の変換処理手段で画像信号の読み出しを行ったとき、読み出された画像信号が連続する画素の信号となるように、前記複数の変換処理手段に振り分ける
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像手段は、撮像画像の画像信号を連続する複数の画素単位で並列に出力し、
前記並列に出力された画像信号を、前記複数の変換処理手段に振り分ける
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
撮像画像の画像信号を出力する撮像工程と、
前記撮像工程で出力された前記画像信号のメモリへの書き込みと、該メモリに書き込まれた画像信号の読み出しを制御して、画像信号のフレームレート変換を行う複数の変換処理工程を有し、
前記撮像工程で出力された画像信号は、前記複数の変換処理工程で画像信号の読み出しを行ったとき、読み出された画像信号が連続する画素の信号となるように、前記複数の変換処理工程に振り分ける
ことを特徴とする撮像方法。
【請求項4】
前記撮像工程では、撮像画像の画像信号を連続する複数の画素単位で並列に出力し、
前記並列に出力された画像信号を、前記複数の変換処理工程に振り分ける
ことを特徴とする請求項3記載の撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−157150(P2006−157150A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−340767(P2004−340767)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】