説明

撮像装置及びそのプログラム

【課題】 被写体に対して迅速にフォーカスすることができる撮像装置及びそのプログラムを実現する。
【解決手段】 ズームレンズ2bのレンズ位置と優先フォーカスの種類に基づいて、スキャン代表位置となる3点のフォーカス位置をそれぞれ記録したスキャン代表位置テーブルを予め格納しておき、シャッタボタンが一気に全押しされた場合や、シャッタボタンが半押しされた後、所定時間経過前にシャッタボタンが全押しされた場合には、現在のズームレンズ2bのレンズ位置の取得、及び、近景優先フォーカスか遠景優先フォーカスの判断処理を行い、該得られたレンズ位置及び判断された優先フォーカスに基づいて、スキャン代表位置テーブルからフォーカス位置を取得し、該取得した3点のフォーカス位置の範囲内でコントラストAF処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及びそのプログラムに係り、詳しくは、被写体に対して迅速にフォーカスすることができる撮像装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の撮像装置、例えば、デジタルカメラにおいては、被写体に対してオートフォーカスする方法としてコントラストAF処理が一般的である。
コントラストAF処理とは、フォーカスレンズを駆動可能範囲内でレンズ端からレンズ端まで駆動させ、そのときのCCD出力である撮像信号からコントラスト成分を検出し、その波形を解釈して、つまり、高周波成分が最も大きくなるレンズの位置にレンズを合わせてピントを合わせるというものである。
【0003】
また、下記特許文献には、カメラの自動焦点調節装置なる発明が開示されている。詳しくは、コントラストAF処理において、被写体のコントラストを上げるために被写体にAF補助光を照射する際に、撮影レンズの移動期間中、AF補助光を連続的に発光させず、撮影レンズが所定量移動するごとに発光させるようにすることにより、AF補助光の発光に要する消費電力を低減させることができるというものである。
【0004】
【特許文献1】公開特許公報 特開2003−140027(段落「0036」〜段落「0062」参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の撮像装置によれば、レンズ端からレンズ端までフォーカスレンズを動かしてコントラストを検出していくので、AF処理に時間がかかってしまい、決定的瞬間など、迅速に被写体を撮影したい場合には、シャッタチャンスなどを逃してしまうという問題点があった。
【0006】
そこで本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、被写体に対して迅速にフォーカスすることができる撮像装置及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的達成のため、請求項1記載の発明による撮像装置は、被写体を撮像する撮像手段と、
フォーカスレンズのレンズ位置を変えていくとともに前記撮像手段により撮像された撮像画像のAF評価値を検出し、該検出した複数のAF評価値に基づいてフォーカスレンズを合焦レンズ位置に移動させるコントラストAF手段と、
撮影シーンを判断する判断手段と、
前記判断手段により判断された撮影シーンに応じて、前記コントラストAF手段により前記撮像手段により撮像された撮像画像のAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させて、被写体に対してフォーカスを行う第1のAF制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、例えば、請求項2に記載されているように、前記判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、優先フォーカスの種類を判定する判定手段を備え、
前記第1のAF制御手段は、
前記判定手段により判定された優先フォーカスの種類に応じて、前記コントラストAF手段により前記撮像手段により撮像された撮像画像のAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させるようにしてもよい。
【0009】
また、例えば、請求項3に記載されているように、光学ズーム倍率を設定する光学ズーム倍率設定手段と、
前記光学ズーム倍率設定手段により設定された光学ズーム倍率に基づいてズームレンズを移動させる光学ズーム手段と、
前記ズームレンズのレンズ位置を取得するズームレンズ位置取得手段と、
を備え、
前記第1のAF制御手段は、
前記判断手段により判断された撮影シーン及び前記ズームレンズ位置取得手段により取得されたズームレンズのレンズ位置に応じて、前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させるようにしてもよい。
【0010】
また、例えば、請求項4に記載されているように、前記第1のAF制御手段は、
前記判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、複数のフォーカス位置を取得するフォーカス位置取得手段を含み、
前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を、前記フォーカス位置取得手段により取得された複数のフォーカス位置に限定するようにしてもよい。
【0011】
また、例えば、請求項5に記載されているように、前記フォーカス位置取得手段により取得される複数のフォーカス位置は、一定のサンプリング間隔を有するようにしてもよい。
【0012】
また、例えば、請求項6に記載されているように、前記フォーカス位置取得手段により取得される複数のフォーカス位置のレンズ範囲は、フォーカスレンズの駆動可能範囲より狭いようにしてもよい。
【0013】
また、例えば、請求項7に記載されているように、撮影シーンに対応する複数のフォーカス位置を予め記憶している記憶手段を備え、
前記フォーカス位置取得手段は、
前記判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、複数のフォーカス位置を前記記憶手段から取得するようにしてもよい。
【0014】
また、例えば、請求項8に記載されているように、前記第1のAF制御手段は、
前記判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置のレンズ範囲を取得する範囲取得手段を含み、
前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を、前記範囲取得手段により取得されたフォーカスレンズのレンズ位置のレンズ範囲内に制限するようにしてもよい。
【0015】
また、例えば、請求項9に記載されているように、前記第1のAF制御手段は、
前記判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置のサンプリング間隔を取得する間隔取得手段を含み、
前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を、前記間隔取得手段により取得されたサンプリング間隔にしたがって変更するようにしてもよい。
【0016】
また、例えば、請求項10に記載されているように、前記第1のAF制御手段によるフォーカスが失敗したか否かを判断する第1の失敗判断手段と、
前記第1の失敗判断手段により前記第1のAF制御手段によるフォーカスが失敗したと判断された場合は、パンフォーカスにより被写体に対してフォーカスを行う第2のAF制御手段と、
を備えるようにしてもよい。
【0017】
また、例えば、請求項11に記載されているように、前記第2のAF制御手段は、
前記判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、パンフォーカスのフォーカス位置を取得するPF位置取得手段を含み、
前記PF位置取得手段により取得されたパンフォーカスのフォーカス位置にフォーカスレンズを駆動させることにより、被写体に対してフォーカスを行うようにしてもよい。
【0018】
また、例えば、請求項12に記載されているように、半押し操作と全押し操作が可能なシャッタボタンと、
前記シャッタボタンが一気に全押しされたか否かを判断する第1の判断手段と、
前記シャッタボタンが半押しされたか否かを判断する第2の判断手段と、
前記第2の判断手段により前記シャッタボタンが半押しされたと判断された場合には、前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置のレンズ範囲を広範囲にして、被写体に対してフォーカスを行う第3のAF制御手段と、
を備え、
前記第1のAF制御手段は、
前記第1の判断手段により一気に前記シャッタボタンが全押しされたと判断された場合には、前記判断手段により判断された撮影シーンに応じて、前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させて被写体に対してフォーカスを行うようにしてもよい。
【0019】
また、例えば、請求項13に記載されているように、前記第1の判断手段は、
前記シャッタボタンが半押しされてから所定時間経過前に前記シャッタボタンが全押しされた場合には、前記シャッタボタンが一気に全押しされたと判断し、
前記第2の判断手段は、
前記シャッタボタンが半押しされてから前記シャッタボタンが全押しされることなく所定時間が経過した場合には、前記シャッタボタンが半押しされたと判断するようにしてもよい。
【0020】
また、例えば、請求項14に記載されているように、前記第1の判断手段は、
前記第2の判断手段により前記シャッタボタンが半押しされたと判断されることなく、前記シャッタボタンが全押しされたと判断された場合には、前記シャッタボタンが一気に全押しされたと判断するようにしてもよい。
【0021】
また、例えば、請求項15に記載されているように、前記第2の判断手段より前記シャッタボタンが半押しされたと判断した後に、前記シャッタボタンが全押しされたか否かを判断する第3の判断手段と、
前記第3の判断手段により前記シャッタボタンが全押しされたと判断されたときに、前記第3のAF制御手段によるAF制御が完了しているか否かを判断する完了判断手段と、
を備え、
前記第1のAF制御手段は、
前記完了判断手段により、前記シャッタボタンが全押しされたと判断されたときに、前記第3のAF制御手段によるAF制御が完了していないと判断すると、前記判断手段により判断された撮影シーンに応じて、前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させて被写体に対してフォーカスを行うようにしてもよい。
【0022】
また、例えば、請求項16に記載されているように、測距センサアレイに結像された像の位相差を検出することにより被写体に対してフォーカスを行う位相差AF手段と、
前記位相差AF手段によるAF制御により被写体に対してフォーカスを行う第4のAF制御手段と、
前記第4のAF制御手段によるAF制御が失敗したか否かを判断する第2の失敗判断手段と、
を備え、
前記第1のAF制御手段は、
前記第2の失敗判断手段により前記第4のAF制御手段によるAF制御が失敗したと判断された場合には、前記判断手段により判断された撮影シーンに応じて、前記コントラストAF手段により前記撮像手段により撮像された撮像画像のAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させて、被写体に対してフォーカスを行うようにしてもよい。
【0023】
上記目的達成のため、請求項17記載の発明によるプログラムは、被写体を撮像する撮像処理と、
フォーカスレンズのレンズ位置を変えていくとともに前記撮像処理により撮像された撮像画像のAF評価値を検出し、該検出した複数のAF評価値に基づいて前記フォーカスレンズを合焦レンズ位置に移動させるコントラストAF処理と、
撮影シーンを判断する判断処理と、
前記判断処理により判断された撮影シーンに応じて、前記コントラストAF手段により前記撮像処理により撮像された撮像画像のAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させて、被写体に対してフォーカスを行う処理と、
を含み、上記各処理をコンピュータで実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1記載の発明によれば、フォーカスレンズのレンズ位置を変えていくとともに撮像手段により撮像された撮像画像のAF評価値を検出し、該検出した複数のAF評価値に基づいて前記フォーカスレンズを合焦レンズ位置に移動させるコントラストAF手段と、撮影シーンを判断する判断手段と、前記判断手段により判断された撮影シーンに応じて、前記コントラストAF手段により前記撮像手段により撮像された撮像画像のAF評価値を検出する前記フォーカスレンズのレンズ位置を変更させて、被写体に対してフォーカスを行う第1のAF制御手段と、を備えるようにしたので、撮影シーンに適切なフォーカスを迅速に行うことができ、シャッタチャンスを逃すことがない。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、優先フォーカスの種類を判定する判定手段を備え、第1のAF制御手段は、前記判定手段により判定された優先フォーカスの種類に応じて、前記コントラストAF手段により前記撮像手段により撮像された撮像画像のAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させるようにしたので、現在の撮影シーンに適切な優先フォーカスの種類に基づいてフォーカスを行うことができ、迅速且つ的確に被写体に対してフォーカスを行うことができる。
【0026】
請求項3記載の発明によれば、光学ズーム倍率を設定する光学ズーム倍率設定手段と、前記光学ズーム倍率設定手段により設定された光学ズーム倍率に基づいてズームレンズを移動させる光学ズーム手段と、前記ズームレンズのレンズ位置を取得するズームレンズ位置取得手段と、を備え、第1のAF制御手段は、判断手段により判断さえた撮影シーン及び前記ズームレンズ位置取得手段により取得された前記ズームレンズのレンズ位置に応じて、コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させるようにしたので、現在のズームレンズ位置に適したフォーカスを行うことができ、迅速且つ的確に被写体に対してフォーカスを行うことができる
【0027】
請求項4記載の発明によれば、第1のAF制御手段は、判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、複数のフォーカス位置を取得するフォーカス位置取得手段を含み、コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を、前記フォーカス位置取得手段により取得された複数のフォーカス位置に限定するようにしたので、迅速且つ的確に被写体に対してフォーカスを行うことができ、シャッタチャンスを逃すことがない。
【0028】
請求項5記載の発明によれば、フォーカス位置取得手段により取得される複数のフォーカス位置は、一定のサンプリング間隔を有するようにしたので、均等にAF評価値を検出することができ、フォーカス処理の失敗が少ない。
【0029】
請求項6記載の発明によれば、フォーカス位置取得手段により取得される複数のフォーカス位置のレンズ範囲は、フォーカスレンズの駆動可能範囲より狭いので、迅速に被写体に対してフォーカスを行うことができる。
【0030】
請求項7記載の発明によれば、撮影シーンに対応する複数のフォーカス位置を予め記憶している記憶手段を備え、フォーカス位置取得手段は、判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、複数のフォーカス位置を前記記憶手段から取得するようにしたので、迅速に被写体に対してフォーカスを行うことができる。
【0031】
請求項8記載の発明によれば、第1のAF制御手段は、判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置のレンズ範囲を取得する範囲取得手段を含み、前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出する前記フォーカスレンズのレンズ位置を、前記範囲取得手段により取得された前記フォーカスレンズのレンズ位置のレンズ範囲内に制限するようにしたので、迅速且つ的確に被写体に対してフォーカスを行うことができる。
【0032】
請求項9記載の発明によれば、第1のAF制御手段は、判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置のサンプリング間隔を取得する間隔取得手段を含み、前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を、前記間隔取得手段により取得されたサンプリング間隔にしたがって変更するようにしたので、撮影シーンに応じたフォーカスを行うことができ、迅速且つ的確にフォーカスを行うことをできる。
【0033】
請求項10記載の発明によれば、第1のAF制御手段によりフォーカスが失敗したか否かを判断する第1の失敗判断手段と、前記第1の失敗判断手段により前記第1のAF制御手段によるフォーカスが失敗したと判断された場合は、パンフォーカスにより被写体に対してフォーカスを行う第2のAF制御手段と、を備えるようにしたので、第1のAF制御手段によるフォーカスが失敗した場合であっても、迅速に被写体に対してフォーカスを行うことができる。
【0034】
請求項11記載の発明によれば、第2のAF制御手段は、判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、パンフォーカスのフォーカス位置を取得するPF位置取得手段を含み、前記PF位置取得手段により取得されたパンフォーカスのフォーカス位置にフォーカスレンズを駆動させるようにしたので、撮影シーンに適切なパンフォーカスを行うことができ、迅速に被写体に対してフォーカスを行うことができる。
【0035】
請求項12記載の発明によれば、半押し操作と全押し操作が可能なシャッタボタンと、前記シャッタボタンが一気に全押しされたか否かを判断する第1の判断手段と、前記シャッタボタンが半押しされたか否かを判断する第2の判断手段と、前記第2の判断手段により前記シャッタボタンが半押しされたと判断された場合には、コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置のレンズ範囲を広範囲にして、被写体に対してフォーカスを行う第3のAF制御手段と、を備え、第1のAF制御手段は、前記第1の判断手段により一気に前記シャッタボタンが全押しされたと判断された場合には、判断手段により判断された撮影シーンに応じて、前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させて被写体に対してフォーカスを行うようにしたので、シャッタボタンが一気に全押しされたと判断された場合は、迅速な撮影が要求されていると判断し、撮影シーンに応じた狭いサーチ範囲で、迅速にコントラストAF処理を行うことができ、シャッタチャンスを逃すことがない。また、シャッタボタンが半押しされた場合には、広いサーチ範囲で、確実にコントラストAF処理を行うことができる。
【0036】
請求項13記載の発明によれば、第1の判断手段は、シャッタボタンが半押しされてから所定時間経過前に前記シャッタボタンが全押しされた場合には、前記シャッタボタンが一気に全押しされたと判断し、第2の判断手段は、前記シャッタボタンが半押しされてから前記シャッタボタンが全押しされることなく所定時間経過した場合には、前記シャッタボタンが半押しされたと判断するようにしたので、シャッタボタン半押し後、直に全押しした場合でも、迅速な撮影が要求されていると判断し、撮影シーンに応じた狭いサーチ範囲で、迅速且つ的確に被写体に対してフォーカスを行うことができ、シャッタチャンスを逃すことがない。
【0037】
請求項14記載の発明によれば、第1の判断手段は、第2の判断手段によりシャッタボタンが半押しされたと判断されることなく、前記シャッタボタンが全押しされたと判断された場合には、前記シャッタボタンが一気に全押しされたと判断するようにしたので、シャッタボタンがいきなり全押しされた場合には、迅速な撮影を要求していると判断し、撮影シーンに応じた狭いサーチ範囲で、迅速且つ的確に被写体に対してフォーカスを行うことができ、シャッタチャンスを逃すことがない。
【0038】
請求項15記載の発明によれば、第2の判断手段によりシャッタボタンが半押しされたと判断した後に、前記シャッタボタンが全押しされたか否かを判断する第3の判断手段と、前記第3の判断手段により前記シャッタボタンが全押しされたと判断されたときに、前記第3のAF制御手段によるAF制御が完了しているか否かを判断する完了判断手段と、を備え、第1のAF制御手段は、前記完了判断手段により前記シャッタボタンが全押しされたと判断されたときに、前記第3のAF制御手段によりAF制御が完了していないと判断すると、前記判断手段により判断された撮影シーンに応じて、コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させて、被写体に対してフォーカスを行うようにしたので、第3のAF制御手段によるAF制御が完了する前に、シャッタボタンが全押しされた場合には、迅速な撮影が要求されていると判断し、撮影シーンに応じた狭いサーチ範囲で、迅速且つ的確に被写体に対してフォーカスを行うことができ、シャッタチャンスを逃すことがない。
【0039】
請求項16記載の発明によれば、測距センサアレイに結像された像の位相差を検出することにより被写体に対してフォーカスを行う位相差AF手段と、前記位相差AF手段によるAF制御により被写体に対してフォーカスを行う第4のAF制御手段と、前記第4のAF制御手段によるAF制御が失敗したか否かを判断する第2の失敗判断手段と、を備え、第1のAF制御手段は、前記第2の失敗判断手段により前記第4のAF制御手段によるAF制御が失敗したと判断された場合には、判断手段により判断された撮影シーンに応じて、コントラストAF手段により撮像手段により撮像された撮像画像のAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させて、被写体に対してフォーカスを行うようにしたので、位相差AF制御手段によるAF制御が失敗した場合でも、撮影シーンに応じたフォーカスを行うことができ、迅速且つ的確に被写体に対してフォーカスを行うことができる。
【0040】
請求項17記載の発明によれば、デジタルカメラ、パソコン等に読み込ませることにより、本発明の撮像装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態を、デジタルカメラに適用した一例として図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
A.デジタルカメラの構成
図1は、本発明の撮像装置を実現するデジタルカメラ1の電気的な概略構成を示すブロック図である。
デジタルカメラ1は、撮影レンズ2(フォーカスレンズ2a、ズームレンズ2bを含む)、モータ駆動回路3、絞り兼用シャッタ4、垂直ドライバ5、TG(timing generator)6、CCD7、サンプルホールド回路8、アナログデジタル変換器9、カラープロセス回路10、DMAコントローラ11、DRAMインターフェース12、DRAM13、VRAMコントローラ14、VRAM15、デジタルビデオエンコーダ16、画像表示部17、JPEG回路18、DSP/CPU19、キー入力部20、ROM21、ストロボ駆動部22、ストロボ発光部23、カードI/F24、バス26から構成されており、カードI/F24には、デジタルカメラ1本体のカードスロットに着脱自在に装着されたメモリ・カード25が接続されている。
【0042】
撮影レンズ2は、複数のレンズ群から構成されるフォーカスレンズ2a、ズームレンズ2b等を含む。そして、撮影レンズ2には、モータ駆動回路3が接続されている。モータ駆動回路3は、フォーカスレンズ2a、ズームレンズ2bをそれぞれ光軸方向に駆動させるフォーカスモータ、ズームモータと、DSP/CPU19から送られてくる制御信号にしたがって、フォーカスモータ、ズームモータを駆動させるフォーカスモータドライバ、ズームモータドライバとから構成されている(図示せず)。
【0043】
絞り兼用シャッタ4は、図示しない駆動回路を含み、駆動回路はDSP/CPU19から送られてくる制御信号にしたがって絞り兼用シャッタを動作させる。この絞り兼用シャッタは、絞りとシャッタとして機能する。
絞りとは、撮影レンズ2から入ってくる光の量を制御する機構のことをいい、シャッタとは、CCD7に光を当てる時間を制御する機構のことをいう。CCD7に光を当てる時間は、シャッタの開閉の速度(シャッタ速度)によって変わってくる。露光は、この絞りとシャッタ速度によって定めることができる。
【0044】
CCD7は、垂直ドライバ5、TG6によって走査駆動され、一定周期毎に結像した被写体像のRGB値の各色の光の強さを光電変換してサンプルホールド回路8に出力する。
サンプルホールド回路8は、CCD7から送られてきたアナログ信号をCCD7の解像度に適した周波数でサンプリング(例えば、相関二重サンプリング)してアナログデジタル変換器9に出力する。なお、サンプリング後に自動利得調整(AGC)を行うこともある。
アナログデジタル変換器9は、サンプリングされたアナログ信号をデジタル信号に変換してカラープロセス回路10に出力する。
【0045】
カラープロセス回路10は、画素補間処理、γ補正処理等を含むカラープロセス処理を行うとともに、RGBデータから輝度色差信号(YUV信号)を生成する。
DMAコントローラ11は、カラープロセス回路10とDRAMインターフェース12を介してDRAM13との間のデータの転送をDSP/CPU19の介在なしに行うものである。
【0046】
DRAMインターフェース12は、DMAコントローラ11とDRAM13との間の信号インターフェース、及びDRAM13とバス26との間の信号インターフェースをとるものである。
DRAM13は、書き換え可能な半導体の一種であり、CCD7によって撮像された画像データ(カラープロセス回路10で生成されたYUV信号)を一時記憶しておくバッファメモリであるとともに、DSP/CPU19のワーキングメモリとしても利用される。
【0047】
VRAMコントローラ14は、VRAM15とバス26との間及びVRAM15とデジタルビデオエンコーダ16との間のデータの転送を制御する部分である。要するに、表示用画像データのVRAM15への書き込みと、同画像データのVRAM15からの読み出しを制御する部分である。
VRAM15は、いわゆるビデオRAMのことであり、スルー画像や再生画像の画像データを一時記憶しておくメモリである。
デジタルビデオエンコーダ16は、VRAM15から読み出されたデジタル信号の画像データをアナログ信号に変換するとともに、画像表示部17の走査方式に応じたタイミングで順次出力するものである。
【0048】
画像表示部17は、デジタルビデオエンコーダ16から送られてきたアナログ信号の画像データの画像を表示させるものである。
JPEG回路18は、JPEG(joint photographic experts group)の圧縮・伸張を行う部分である。JPEG回路18は、DSP/CPU19の制御信号にしたがってDRAM13に記憶されている画像データ(YUV信号)をJPEG圧縮したり、メモリ・カード25に記録されている画像データをJPEG伸張したりする。
【0049】
キー入力部20は、シャッタボタン、ズームキー(Wideキー、Teleキー)SETキー、カーソルキー等の複数の操作キーを含み、ユーザのキー操作に応じた操作信号をDSP/CPU19に出力する。
ストロボ駆動部22は、DSP/CPU19の制御信号にしたがって、ストロボ発光部23を閃光駆動させ、ストロボ発光部23はストロボを閃光させる。DSP/CPU19は、CCD7の出力信号の輝度成分又は図示しない測光回路によって撮影シーンが暗いと判断すると、ストロボ駆動部22に制御信号を送る。
【0050】
DSP/CPU19は、上記したデジタルカメラ1の各部を制御するワンチップマイコンである。また、DSP/CPU19はクロック回路を含み、このクロック回路は日付、時刻を計時するとともにタイマーとしての機能も有する。
ROM21には、DSP/CPU19の各部に必要な制御プログラム、つまり、AEやAF等を含む各種の制御に必要なプログラム、及び必要なデータが記録されており、DSP/CPU19は、前記プログラムに従い動作することにより本発明の撮像手段、コントラストAF手段、位相差AF手段、判断手段、判定手段、第1のAF制御手段、第2のAF制御手段、第3のAF制御手段、第4のAF制御手段、光学ズーム倍率設定手段、光学ズーム手段、ズームレンズ位置取得手段と、フォーカス位置取得手段、PF位置取得手段、範囲取得手段、間隔取得手段、第1の失敗判断手段、第2の失敗判断手段、第1の判断手段、第2の判断手段、第3の判断手段、完了判断手段として機能する。
【0051】
また、ROM21には、スキャン代表位置テーブル、パンフォーカス位置テーブルが格納されている。このROM21は、本発明の記憶手段として機能する。
図2は、スキャン代表位置テーブルの様子を示すものであり、スキャン代表位置テーブルには、ズームレンズ2bの位置及び優先フォーカスの種類に対応するスキャン代表位置となるフォーカス位置(サンプリングポイント)がそれぞれ記録されている。
図3は、パンフォーカス位置テーブルの様子を示すものであり、パンフォーカス位置テーブルには、ズームレンズ2bのレンズ位置及び優先フォーカスに対応するパンフォーカスのフォーカス位置がそれぞれ記録されている。
【0052】
図2、図3を見るとわかる通り、ズームレンズ2bのレンズ位置は、ズーム1、ズーム2、・・・、ズーム7と7段階に分かれており、ズーム1は殆どズームが行われていない状態(約1倍)の段階であることを示し、ズーム7はズームが一杯に行われている状態(ズーム倍率がマックスに近い状態)の段階であることを示している。
また、優先フォーカスの種類としては、近景優先フォーカス、絞り開放の遠景優先フォーカス、絞り開放でない遠景優先フォーカスの3種類がある。
このズームレンズ2bのレンズ位置、及び、優先フォーカスの種類により、スキャン代表位置となるフォーカス位置(AFサーチポイント)が図2のテーブルから、パンフォーカスのフォーカス位置が図3のテーブルから必然的に定まることとなる。
【0053】
例えば、絞り開放の遠景優先フォーカスであって、ズームレンズ2bのレンズ位置がズーム3である場合には、スキャン代表位置となるフォーカス位置は、被写界深度が1.2m〜2.2mとなるようなフォーカス位置と、被写界深度が1.6m〜4.6mとなるようなフォーカス位置と、被写界深度が2.5m〜∞mとなるようなフォーカス位置との3点となり、パンフォーカス位置は、2.2m〜∞mとなるようなフォーカス位置となる。なお、ここでは、スキャン代表位置となるフォーカス位置を3点としたが、複数であれば、2点でもよいし4点であってもよい。
【0054】
なお、優先フォーカスの種類及びズームレンズ2bのレンズ位置に対応するスキャン代表位置となる3点のうち、中間に位置するフォーカス位置とその両端に位置するフォーカス位置との距離間隔は同じとする。つまり、スキャン代表位置となる3点のフォーカス位置をフォーカス位置1、フォーカス位置2、フォーカス位置3とし、フォーカス位置2がフォーカス位置1と、フォーカス位置3との間に位置すると仮定すると、フォーカス位置1とフォーカス位置2との距離間隔と、フォーカス位置2とフォーカス位置3との距離間隔は同じである。
【0055】
例えば、上記した3点のフォーカス位置が、被写界深度が1.2m〜2.2mとなるようなフォーカス位置と、被写界深度が1.6m〜4.6mとなるようなフォーカス位置と、被写界深度が2.5m〜∞mとなるようなフォーカス位置である場合には、被写界深度が1.2m〜2.2mとなるようなフォーカス位置と、被写界深度が1.6m〜4.6mとなるようなフォーカス位置との距離間隔と、被写界深度が1.6m〜4.6mとなるようなフォーカス位置と、被写界深度が2.5m〜∞mとなるようなフォーカス位置との距離間隔は同じであることになる。
また、この距離間隔は、通常のコントラストAF処理によるサーチ駆動時のサンプリング間隔より大きくなるようにしておく。
【0056】
B.以下、本実施の形態におけるデジタルカメラ1の特徴となるそれぞれの構成の機能について説明する。
【0057】
C.デジタルカメラ1の動作
第1の実施の形態におけるデジタルカメラ1の動作を図4及び図5のフローチャートにしたがって説明する。
【0058】
ユーザのキー入力部20の操作により電源がONされると、DSP/CPU19は、CCD7による撮像を開始し、現在のズームレンズ2bのレンズ位置に対応した焦点距離でAE処理を実行し、また、カラープロセス回路10で、ホワイトバランス処理などの画像処理を施す(ステップS1)。
【0059】
そして、DSP/CPU19は、露光、ホワイトバランス等の設定を行うと、CCD7により撮像された画像データをDRAM13に記憶させてから、該記憶した画像データをVRAM15に記憶させて、デジタルビデオエンコーダ16を介して画像表示部17に撮像した画像データを表示させる。いわゆるスルー画像表示を行う(ステップS2)。
【0060】
そして、DSP/CPU19は、ユーザによってキー入力部20のズームキーの操作が行われたか否かの判断を行う(ステップS3)。この判断は、キー入力部20からズームキーの操作に対応する操作信号が送られてきたか否かにより判断する。
ステップS3で、ズームキーの操作が行われたと判断すると、ステップS4で、ユーザのズームキーの操作にしたがって(キー入力部20から送られてくる操作信号にしたがって)ズームレンズ2bを駆動させてステップS5に進み、ステップS3で、ズームキーの操作が行われていないと判断すると、そのままステップS5に進む。例えば、ユーザによってズームキーのTeleキーの操作が行われたと判断するとズームレンズ2bを光軸方向にしたがって被写体側の方へ駆動させ、ユーザによってズームキーのWideキーの操作が行われたと判断するとズームレンズ2bを光軸方向にしたがって撮影者側の方へ駆動させる。
【0061】
ステップS5に進むと、DSP/CPU19は、ユーザによってシャッタボタンが半押しされたか否かの判断を行う。この判断は、キー入力部20からシャッタボタン半押しに対応する操作信号が送られてきたか否かにより判断し、送られてきた場合にはシャッタボタンが半押しされたと判断する。
ステップS5で、シャッタボタンが半押しされていないと判断すると、ステップS1に戻り、ステップS5で、シャッタボタンが半押しされたと判断すると、DSP/CPU19は、半押し直前に取得したスルー画像に基づき、本撮影用の露出値(絞り値、シャッタスピード、増幅率)、ホワイトバランス値等の撮影条件を決定してロックするとともに、ストロボモードが強制発光モード、オートストロボモード、発光禁止モードのうちどのモードであるか否かを判断し、オートストロボモードの場合は更にCCD7の出力信号の輝度成分(半押し直前に取得したスルー画像)又は図示しない測光回路によって撮像された画像が暗いか否かの判断を行い、ストロボを閃光させるか否かの判断も行ってストロボ発光ON/OFF等の撮影条件をロックし(ステップS6)、タイマーをスタートさせる(ステップS7)。
【0062】
そして、DSP/CPU19は、タイムアップしたか否かの判断を行う(ステップS8)。このタイムアップしたか否かの判断は、タイマーが所定時間(ここでは、0.1秒とする)を経過したか否かにより判断する。この所定時間は、予め設定されていてもよいし、ユーザが設定することができるようにしてもよい。
ステップS8で、タイムアップしていないと判断すると、DSP/CPU19は、シャッタボタンが全押しされたか否かの判断を行う(ステップS9)。この判断は、キー入力部20からシャッタボタン全押しに対応する操作信号が送られてきた否かにより判断する。ステップS9で、シャッタボタンが全押しされていないと判断すると、ステップS8に戻る。
【0063】
所定時間経過したと判断する前に、ここでは、シャッタボタン半押ししてか0.1秒経過する前に(ステップS8でNに分岐)、シャッタボタンが全押しされたと判断すると(ステップS9でYに分岐)、迅速な撮影が要求されているものと判断し、ステップS10に進み、迅速なコントラストAF処理、つまり、本発明の特徴となるAF処理を開始する。
一方、シャッタボタンが全押しされる前に、タイムアップすると(ステップS8でYに分岐)、迅速な撮影が要求されていないと判断し、ステップS17に進み、通常のコントラストAF処理を開始する。
【0064】
なお、シャッタボタンが半押しされてから所定時間経過前にシャッタボタンが全押しされた場合に、ユーザが一気にシャッタボタンを全押ししたと判断するようにしたが、シャッタボタンの半押し状態が所定時間以上維持されないとDSP/CPU19によってシャッタボタン半押しに相当する操作信号が検出されないものとした場合には、シャッタボタン半押しに相当する操作信号が検出されることなくシャッタボタン全押しに相当する操作信号のみが検出された場合に、ユーザが一気にシャッタボタンを全押ししたと判断するようにしてもよい。
具体的に説明すると、ステップS5で、シャッタ半押しがされていないと判断すると、シャッタボタンが全押しされたか否かの判断を行い、全押しもされていないと判断するとステップS1に戻る。一方、半押しに対応する操作信号が検出された場合はステップS6に進み、AE、AWB等の撮影条件をロックし、そのままステップS17に進み、また、半押しに対応する操作信号が検出されずに、シャッタボタンが全押しに対応する操作信号が検出された場合は、ステップS6に進み、AE、AWB等の撮影条件をロックし、そのままステップS10に進むようにする。
【0065】
以下、本発明の特徴となるAF処理について説明する。
タイムアップする前に、シャッタボタンが全押しされると(ステップS9でYに分岐)、DSP/CPU19は、撮影シーンに基づく優先フォーカスの判定処理を行う(ステップS10)。つまり、現在の撮影シーンを判断し、該判断した撮影シーンから優先フォーカスの種類を判定する。この判定処理については後で詳細に説明する。優先フォーカスの種類としては、近景優先フォーカス、絞り開放の遠景優先フォーカス、絞り開放でない遠景優先フォーカスがある。
【0066】
次いで、DSP/CPU19は、現在のズームレンズ2bのレンズ位置を取得する(ステップS11)。このズームレンズ2bのレンズ位置は、ズーム1からズーム7までの7段階に分類され、ズーム1は、ズームがされていないか又はズームが殆どされていない状態を示し、ズーム7は、ズームがマックスに行われている状態を示している。
【0067】
次いで、DSP/CPU19は、ステップS10で判定した優先フォーカスの種類及びステップS11で取得したズームレンズ2bのレンズ位置からスキャン代表位置の取得を行う(ステップS12)。このスキャン代表位置の取得は、ROM21に格納されているスキャン代表位置テーブルからスキャン代表位置となるフォーカス位置を取得する。
例えば、ステップS10で、現在の撮影シーンから近景優先フォーカスと判断し、ステップS11で取得したズームレンズ2bのレンズ位置がズーム4である場合には、スキャン代表位置となるフォーカス位置は、被写界深度が1.3m〜2.3mとなるようなフォーカス位置と、被写界深度が2.0m〜5.0mとなるようなフォーカス位置と、被写界深度が2.5m〜10.0mとなるようなフォーカス位置の3点を取得する。
【0068】
そして、DSP/CPU19は、スキャン代表位置となるフォーカス位置の取得を行うと、該取得した3点のフォーカス位置に基づいてコントラストAF処理(本発明の特徴となるAF処理)を開始する(ステップS13)。この本発明の特徴となるAF処理を簡単に説明するならば、コントラストAF処理によりAF評価値(コントラスト値)を検出するフォーカスレンズ2aのレンズ位置を、該取得した3点のフォーカス位置に限定し、その中でAF評価値がピークとなるフォーカス位置にフォーカスレンズ2aを駆動させるというものである。
以下、通常のコントラストAF処理と対比させながら本発明の特徴となるAF処理について説明する。
【0069】
図6(a)は、通常のコントラストAF処理によってサーチ駆動させるフォーカスレンズ2aの位置遷移と、そのときのAF評価値との関係を示す図である。
図6(b)は、本発明の特徴となるAF処理によってサーチ駆動させるフォーカスレンズ2aの位置遷移と、そのときのAF評価値との関係を示す図である。
【0070】
通常のコントラストAF処理のときには、現在のフォーカスレンズ2aのレンズ位置(ここではレンズ位置31)から近い方のレンズ端までフォーカスレンズ2aを移動させ、このフォーカスレンズ位置でCCD7による撮像処理を実行し、そのときのAF評価値を検出する。そして、フォーカスレンズ2aの移動を再開してフォーカスレンズ2aを1区分(1ステップ分)移動させ、また、このフォーカスレンズ位置でCCD7による撮像処理を実行し、そのときのAF評価値を検出する。そして、また、フォーカスレンズ2aを1区分移動させ、フォーカスレンズ位置でCCD7による撮像処理を実行し、そのときのAF評価値を検出するという動作を、フォーカスレンズ2aが他方のレンズ端まで移動するまで行う。このように、通常のコントラストAF処理においては、フォーカスレンズ2aをレンズ端からレンズ端まで所定のサンプリング間隔で駆動させながら、AF評価値を検出していく。
【0071】
ここで、1区分とは、フォーカスレンズ2aの1回の移動量のことをいい、この1回の移動量は、図6(a)でいうと、破線部から破線部までの矢印の距離をいう。また、AF評価値とは、CCD7によって撮像された撮像信号に含まれる高周波成分に基づき算出されるので、AF評価値が高いフォーカスレンズ2aのレンズ位置ほど、ピントが合うことになる。
そして、各フォーカスレンズ位置において検出した複数のAF評価値を比較することによりAF評価値が最も高いフォーカスレンズ位置を検出し、該検出したレンズ位置にフォーカスレンズ2aを駆動させる。図6を見ると、AF評価値がピークとなるレンズ位置は位置32なので、フォーカスレンズ2aをレンズ位置32に駆動させることにより被写体に対してフォーカスを行う。
【0072】
一方、本発明の特徴となるAF処理を行うときには、該取得したスキャン代表位置となる3点のフォーカス位置(フォーカスレンズ2aのレンズ位置)のうち、現在のフォーカスレンズ2aのレンズ位置に最も近いフォーカス位置にフォーカスレンズ2aを移動させる。ここでは、取得した3点のフォーカス位置は、図6(b)に示すように、フォーカス位置51、フォーカス位置52、フォーカス位置53とし、現在のフォーカスレンズ2aのレンズ位置は、レンズ位置41とするので、レンズ位置41に一番近いフォーカス位置51にフォーカスレンズ2aを移動させ、このフォーカスレンズ位置でCCD7による撮像処理を実行する。そして、そのときのAF評価値を検出し、フォーカスレンズ2aをフォーカス位置52に移動させ、このフォーカスレンズ位置でCCD7による撮像処理を実行し、そのときのAF評価値を検出する。そして、フォーカスレンズ2aをフォーカス位置53に移動させ、このフォーカスレンズ位置でCCD7による撮像処理を実行し、そのときのAF評価値を検出するという動作を行う。つまり、スキャン代表位置として取得したフォーカス位置に対してのみAF評価値を検出することとなる。
【0073】
本発明の特徴となるAF処理においては、1回の移動量(1区分)は、取得したフォーカス位置に基づいて定められることとなるが、図6(a)と図6(b)とを比べると分かるように、1回の移動量(1区分)は、通常のコントラストAF処理における移動量より大きい。ここでの1回の移動量は、図6(b)でいうと、破線部から破線部までの矢印の距離をいう。また、本発明の特徴となるAF処理における1回の移動量(1区分)は、ズームレンズ2bのレンズ位置や優先フォーカスの種類によっても異なる。
【0074】
さらに、本発明の特徴となるAF処理においては、AFサーチ範囲は、取得したフォーカス位置に基づいて定められることとなるが、図6(a)と図6(b)とを比べると分かるように、AFサーチ範囲(51〜53)は、通常のコントラストAF処理のAFサーチ範囲(一方のレンズ端〜他方のレンズ端)より狭い。また、本発明の特徴となるAF処理におけるAFサーチ範囲は、ズームレンズ2bのレンズ位置や優先フォーカスの種類によっても異なる。
なお、図6(b)の点線で示したAF評価値は、通常のコントラストAF処理によって検出されたAF評価値を示しており、図6(a)と対応するものである。また、実線で示したAF評価値は、スキャン代表位置として取得したフォーカス位置で検出されたAF評価値を示す。
【0075】
つまり、本発明の特徴となるAF処理のサーチ駆動時におけるサンプリング間隔は、通常のコントラストAF処理のサーチ駆動時におけるサンプリング間隔より大きく、また、本発明の特徴となるAF処理のサーチ駆動時におけるサーチ範囲は、通常のコントラストAF処理のサーチ駆動時におけるサーチ範囲よりかなり狭くなるようなフォーカス位置を予めROM21のスキャン代表位置テーブルに記録しておく。
【0076】
そして、該検出した3点のフォーカス位置におけるAF評価値の中でAF評価値がピークとなるフォーカス位置にフォーカスレンズ2aを移動させる。図6(b)を見ると、AF評価値がピークとなるフォーカス位置はフォーカス位置52なので、フォーカスレンズ2aをフォーカス位置52に移動させることにより、被写体に対してフォーカスを行う。
【0077】
図4のフローチャートに戻り、ステップS13で本発明の特徴となるAF処理を開始すると、DSP/CPU19は、コントラストAF処理が失敗したか否かの判断を行う(ステップS14)。AF処理が失敗する例としては、AF値がピーク(山形の頂点)となるフォーカスレンズ2aのレンズ位置が検出されなかった場合などがある。
【0078】
ステップS14で、コントラストAF処理が失敗していないと判断すると、DSP/CPU19は、コントラストAF処理が完了(成功)したか否かを判断し(ステップS15)、完了していないと判断するとステップS14に戻る。
コントラストAF処理が完了と判断される前に、コントラストAF処理が失敗したと判断すると(ステップS14でYに分岐)、パンフォーカスによるAF処理を行うべく、図5のステップS23に進む。このパンフォーカスによるAF処理については後で詳細に述べる。
【0079】
コントラストAF処理が失敗と判断されずに、コントラストAF処理が完了したと判断すると(ステップS15でYに分岐)、つまり、該取得した3点のフォーカス位置の中でAF評価値がピークとなるフォーカス位置にフォーカスレンズを移動させると、ステップS6でロックした撮影条件下で静止画撮影処理を実行した後、該得られた画像データをDRAM13に記憶し、該記憶した画像データからJPEG形式の画像ファイルを生成してメモリ・カード25に記録する(ステップS16)。
図6(b)を見ると分かるように取得したフォーカス位置の中で、一番AF評価値が高いのはフォーカス位置52なのでフォーカスレンズ2aをフォーカス位置52に移動させると、ロックした撮影条件下で静止画撮影処理を実行し、該得られた画像データをメモリ・カード25に記録することとなる。
【0080】
次に、通常のコントラストAF処理について説明する。
シャッタボタンが全押しされたと判断する前に(ステップS9でNに分岐)、タイムアップしたと判断すると(ステップS8でYに分岐)、DSP/CPU19は、迅速な撮影が要求されていないと判断し、通常のコントラストAF処理を開始する(ステップS17)。つまり、フォーカスレンズ2aをレンズ駆動可能な範囲でレンズ端からレンズ端までサーチ駆動させ、最もAF評価値の高くなる位置にフォーカスレンズ2aを駆動させるというというAF処理を開始する。通常のコントラストAF処理については、上述したのでここでは説明を省略する。
なお、フォーカスレンズ2aのサーチ駆動中にAF評価値のピークが検出された場合には、フォーカスレンズ2aのサーチ駆動を中止させ、該検出されたコントラストがピーク値となるフォーカス位置にフォーカスレンズ2aを駆動させるようにしてもよい。
【0081】
AF処理を開始すると、DSP/CPU19は、シャッタボタンが全押しされたか否かを判断し(ステップS18)、全押しされていない場合には、全押しされるまでステップS18に留まり、全押しされた場合には、通常のコントラストAF処理が失敗したか否かの判断を行う(ステップS19)。
ステップS19で、通常のコントラストAF処理が失敗していないと判断すると、DSP/CPU19は、コントラストAF処理が完了(成功)したか否かの判断を行う(ステップS20)。
【0082】
ステップS20で、コントラストAF処理が完了していないと判断するとステップS19に戻る。
通常のコントラストAF処理が失敗と判断されずに(ステップS19でNに分岐)、通常のコントラスト検出方式によりAF処理が完了したと判断すると(ステップS20でYに分岐)、つまり、コントラスト値(AF評価値)のピーク値を検出し、該検出したピーク値のレンズ位置にフォーカスレンズ2aを移動させると、ステップS16に進み、該ロックした撮影条件下で静止画撮影処理を行い、該得られた画像データをメモリ・カード25に記録させる。
図6(a)を用いて説明すると、レンズ位置32のときに最もAF評価値が高くなるので、フォーカスレンズ2aをレンズ位置32に移動させて、ロックした撮影条件下で静止画撮影処理を行い、該得られた画像データをメモリ・カード25に記録させることとなる。
【0083】
一方、ステップS19で、通常のコントラストAF処理が完了したと判断する前にAF処理が失敗したと判断すると、DSP/CPU19は、パンフォーカスによるAF処理を行うため、まず、撮影シーンに基づく優先フォーカスの判定処理を行う(ステップS21)。
次いで、DSP/CPU19は、現在のズームレンズ2bのレンズ位置を取得して(ステップS22)、図5のステップS23に進み、パンフォーカスによるAF処理を実行する。
【0084】
以下、パンフォーカスによるAF処理について説明する。
ステップS14でコントラストAF処理が失敗したと判断した場合、又は、ステップS19で通常のコントラストAF処理が失敗したと判断し、ステップS22でズームレンズ2bのレンズ位置を取得すると、図5のステップS23に進み、DSP/CPU19は、ステップS10又はステップS21で判定された優先フォーカスの種類が近景優先フォーカスであるか否かの判断を行う。つまり、図4のステップS14から図5のステップS23に進んだ場合には、ステップS10で判定した優先フォーカスに基づいて判断し、図4のステップS22から図5のステップS23に進んだ場合には、ステップS21で判定した優先フォーカスに基づいて判断する。
【0085】
ステップS23で、近景優先フォーカスであると判断すると、DSP/CPU19は、図4のステップS11又はステップS22で取得したズームレンズ2bのレンズ位置と近景優先フォーカスに基づいて、ROM21に格納されているパンフォーカス位置テーブルからフォーカス位置の取得を行い(ステップS24)、ステップS28に進む。
例えば、ズームレンズ2bのレンズ位置がズーム4である場合には、パンフォーカスのフォーカス位置は、被写界深度が1.8m〜4.9mとなるようなフォーカス位置を取得する。
【0086】
一方、ステップS23で、近景優先フォーカスでないと判断すると、ステップS25に進み、DSP/CPU19は、ステップS10又はステップS21で判定された優先フォーカスの種類が絞り開放の遠景優先フォーカスであるか否かを判断する。
ステップS25で、絞り開放の遠景優先フォーカスであると判断すると、図4のステップS11又はステップS22で取得したズームレンズ2bのレンズ位置と絞り開放の遠景優先フォーカスに基づいて、ROM21に格納されているパンフォーカス位置テーブルからフォーカス位置の取得を行い(ステップS26)、ステップS28に進む。
【0087】
一方、ステップS25で、絞り開放の遠景優先フォーカスでないと判断すると、絞り開放でない遠景優先フォーカスであると判断してステップS27に進み、図4のステップS11又はステップS22で取得したズームレンズ2bのレンズ位置と絞り開放でない遠景優先フォーカスに基づいて、ROM21に格納されているパンフォーカス位置テーブルからフォーカス位置の取得を行い、ステップS28に進む。
ステップS28に進むと、DSP/CPU19は、該取得したフォーカス位置にフォーカスレンズ2bを移動させて、図4のステップS16に進み、該ロックした撮影条件下で静止画撮影処理を行い、該得られた画像データをメモリ・カード25に記録させる。
【0088】
次に、撮影シーンに基づく優先フォーカスの判定処理を図7のサブフローチャートにしたがって説明する。
ここでは、ストロボ発光による撮影か否か、超高照度又は超低照度か否か、フリッカーを検出したか否か、屋外か否か、絞り開放か否かの判断により撮影シーンの判断を行い、該判断された撮影シーンに基づいて、近景優先フォーカスか、絞り開放の遠景優先フォーカスか、絞り開放でない遠景優先フォーカスか否かの判定処理を行う。
図4のステップS10、又は、ステップS21に進むと、図7のステップS51に進み、DSP/CPU19は、ストロボ発光による撮影か否かを判断する。この判断は、図4のステップS6でロックされた撮影条件によって判断する。
ステップS51で、ストロボ発光による撮影であると判断するとステップS55に進み、ストロボ発光による撮影でないと判断するとステップS52に進む。
【0089】
ストロボ発光による撮影でないと判断し、ステップS52に進むと、DSP/CPU19は、図4のステップS6でロックされた撮影条件(又はシャッタボタンの半押し又は全押し時に取得したスルー画像)に基づき、超高照度又は超低照度であるか否かを判断する。超高照度又は超低照度であると判断した場合はステップS56に進み、超高照度でもなければ超低照度でもないと判断するとステップS53に進む。この超高照度、超低照度の判断は、CCD7に射光された光が変換された電荷量により判断する。
超高照度でも超低照度でもないと判断し、ステップS53に進むと、DSP/CPU19は、シャッタボタンの半押し又は全押し時に取得したスルー画像中からフリッカーを検出したか否かを判断する。フリッカーを検出した場合にはステップS55に進み、フリッカーを検出していない場合はステップS54に進む。
【0090】
フリッカーを検出していないと判断し、ステップS54に進むと、撮影場所が屋外か屋内かを判断する。この判断は、ステップS6でロックされた撮影条件のホワイトバランス、つまり、カラープロセス回路10で自動ホワイトバランス処理により得た光の光源の色温度が太陽光の色温度であると判断すると屋外と判断し、自動ホワイトバランス処理により得た光の光源の色温度が太陽光の色温度でないと判断すると屋内と判断する。ステップS54で、屋外でないと判断するとステップS55に進み、屋外であると判断するとステップS56に進む。
【0091】
ステップS51でストロボ発光による撮影と判断した場合、ステップS53でフリッカーを検出したと判断した場合、ステップS54で屋外でないと判断した場合は、近景優先フォーカスと判定する(ステップS55)。
一方、ステップS52で、超高照度又は超低照度と判断した場合、ステップS54で屋外と判断した場合には、ステップS56に進み、絞りが開放であるか否かの判断を行う。この判断は、ステップS6でロックした撮影条件に基づいて判断する。
ステップS56で、絞り開放であると判断すると、絞り開放の遠景優先フォーカスと判定し(ステップS57)、絞り開放でないと判断すると、絞り開放でない遠景優先フォーカスと判定する(ステップS58)
そして、優先フォーカスの判定を行うと、図4のステップS11、又は、ステップS22に進む。
このようにして、撮影シーンから優先フォーカスの種類を判定する。
【0092】
C.以上のように、第1の実施の形態においては、シャッタボタンを半押ししてから、所定時間が経過したか否かを判断し、所定時間が経過する前にシャッタボタンが全押しされた場合(シャッタボタンがいきなり全押しされた場合も含む)は、迅速な撮影を要求していると判断し、現在の撮影シーンに基づいてスキャン代表位置となるフォーカス位置を取得し、該取得したフォーカス位置のAF評価値を検出して、コントラストAF処理を行うので、被写体に対して迅速にフォーカスすることができる。
【0093】
また、優先フォーカスの種類を判定し、該判断した種類の優先フォーカスにしたがって異なったスキャン代表位置を取得するので、撮影状況に応じたフォーカスを行うことができ、迅速且つ的確に被写体に対してフォーカスすることができる。
また、現在のズームレンズ2bのレンズ位置にしたがって異なるスキャン代表位置を取得するので、現在のズームレンズ位置に適したフォーカスを行うことができ、迅速且つ的確に被写体に対してフォーカスすることができる。
【0094】
また、シャッタボタンが半押しされてからシャッタボタンが全押しされることなく、所定時間が経過すると通常のコントラストAF処理を行うので、迅速な撮影が要求されていない場合には、確実に被写体に対してフォーカスすることができる。
また、コントラストAF処理が失敗したと判断した場合には、パンフォーカスによるAF処理を行うので、迅速に被写体に対してフォーカスすることができる。
【0095】
また、優先フォーカスの種類を判定し、該判定した優先フォーカスにしたがって異なるパンフォーカスのフォーカス位置を取得するので、撮影状況に応じたフォーカスを行うことができ、迅速且つ的確に被写体に対してフォーカスすることができる。
また、現在のズームレンズ2bのレンズ位置にしたがって異なるパンフォーカスのフォーカス位置を取得するので、現在のズームレンズ位置に適したフォーカスを行うことができ、迅速且つ的確に被写体に対してフォーカスすることができる。
【0096】
[第2の実施の形態]
次に第2の実施の形態について説明する。
上記第1の実施の形態においては、シャッタボタンが半押しされてから全押しされることなく所定時間経過した場合には、通常のコントラストAF処理を行うようににしたが、第2の実施の形態においてはシャッタボタンが半押しされた場合には、直ちに通常のコントラストAF処理を開始し、シャッタボタン全押し時に通常のコントラストAF処理が完了していない場合に本発明の特徴となるAF処理を行うというものである。
【0097】
D.デジタルカメラ1の動作
第2の実施の形態も、図1に示したものと同様の構成を有するデジタルカメラ1を用いることにより本発明の撮像装置を実現し、以下、第2の実施の形態におけるデジタルカメラ1の動作を図8のフローチャートにしたがって説明する。
【0098】
ユーザのキー入力部20の操作により電源がONされると、DSP/CPU19は、AE処理、AWB処理などを行う(ステップS101)。
次いで、DSP/CPU19は、CCD7によって撮像された被写体のスルー画像を画像表示部17に表示させる(ステップS102)。
次いで、DSP/CPU19は、ユーザによってズームキーの操作が行われたか否かを判断し(ステップS103)、ユーザによってズームキーの操作が行われた場合には、該操作にしたがってズームレンズ2bを駆動させて(ステップS104)、ステップS105に進み、ユーザによってズームキーの操作が行われていない場合には、そのままステップS105に進む。
【0099】
ステップS105に進むと、DSP/CPU19は、ユーザによってシャッタボタンが半押しされたか否かの判断を行う。
ステップS105で、シャッタボタンが半押しされていない場合にはステップS101に戻り、半押しされた場合は、DSP/CPU19は、半押し直前に取得したスルー画像に基づき、本撮影用の露出値(絞り値、シャッタスピード、増幅率)、ホワイトバランス値等の撮影条件を決定してロックするとともに、ストロボモードが強制発光モード、オートストロボモード、発光禁止モードのうちどのモードであるか否かを判断し、オートストロボモードの場合は更にCCD7の出力信号の輝度成分(半押し直前に取得したスルー画像)又は図示しない測光回路によって撮像された画像が暗いか否かの判断を行い、ストロボを閃光させるか否かの判断も行ってストロボ発光ON/OFF等の撮影条件をロックし(ステップS106)、通常のコントラストAF処理を開始させる(ステップS107)。この通常のコントラストAF処理については、第1の実施の形態で説明したので省略する。
【0100】
次いで、DSP/CPU19は、シャッタボタンが全押しされたか否かの判断を行う(ステップS108)。
ステップS108で、シャッタボタンが全押しされていない場合は、全押しされるまでステップS108に留まり、ステップS108で全押しされた場合には、DSP/CPU19は、通常のコントラストAF処理が失敗したか否かの判断を行う(ステップS109)。
【0101】
ステップS109で、通常のコントラストAF処理が失敗していないと判断すると、DSP/CPU19は、通常のコントラストAF処理が完了したか否かの判断を行う(ステップS110)。
ステップS110で、通常のコントラストAF処理が完了したと判断すると、DSP/CPU19は、ステップS106でロックした撮影条件下で静止画撮影処理を実行した後、該得られた画像データをDRAM13に記憶し、該記憶した画像データからJPEG形式の画像ファイルを生成してメモリ・カード25に記録させる(ステップS118)。
【0102】
一方、ステップS110で、通常のコントラストAF処理が完了していないと判断すると、DSP/CPU19は、現在行っている通常のコントラストAF処理を中止させる(ステップS111)。このとき、サーチ駆動しているフォーカスレンズ2aの移動も停止する。
そして、DSP/CPU19は、通常のコントラストAF処理を中止させると、撮影シーンに基づく優先フォーカスの判定処理を行い(ステップS112)、現在のズームレンズ2bのレンズ位置を取得する(ステップS113)。
【0103】
次いで、DSP/CPU19は、ステップS111で判定したフォーカスの種類及びステップS112で取得したズームレンズ2bのレンズ位置に基づいてスキャン代表位置となる3点のフォーカス位置をROM21に記録されているスキャン代表位置テーブルから取得する(ステップS114)。
次いで、DSP/CPU19は、該取得したスキャン代表位置となる3点のフォーカス位置に基づいてコントラストAF処理(本発明の特徴となるAF処理)を開始させる(ステップS115)。この本発明の特徴となるAF処理については、第1の実施の形態で説明したのでここでは省略する。
【0104】
次いで、DSP/CPU19は、本発明の特徴となるAF処理が失敗したか否かの判断を行う(ステップS116)。ステップS115で、本発明の特徴となるAF処理が失敗していないと判断すると、DSP/CPU19は、本発明の特徴となるAF処理が完了したか否かの判断を行い(ステップS117)、完了していないと判断するとステップS116に戻る。
【0105】
本発明の特徴なるAF処理が失敗したと判断されずに、AF処理が完了した場合には(ステップS116でNに分岐、ステップS117でYに分岐)、ステップS118に進み、DSP/CPU19は、ステップS4でロックした撮影条件下で静止画撮影処理を実行した後、該得られた画像データをDRAM13に記憶し、該記憶した画像データからJPEG形式の画像ファイルを生成してメモリ・カード25に記録させる。
【0106】
一方、本発明の特徴となるAF処理が完了と判断される前に、AF処理が失敗したと判断すると(ステップS116でNに分岐)、パンフォーカスによるAF処理を行うべく図5のステップS23に進む。
また、ステップS109で通常のコントラストAF処理が失敗と判断すると、DSP/CPU19は、パンフォーカスによるAF処理を行うため、まず、撮影シーンに基づく優先フォーカスの判定処理(ステップS119)、現在のズームレンズ2bのレンズ位置の取得(ステップS120)を行って、図5のステップS23に進み、パンフォーカスによるAF処理を実行する。
パンフォーカスによるAF処理は、第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。
【0107】
以上のように、第2の実施の形態においては、シャッタボタンが半押しされると、通常のコントラストAF処理を行い、通常のコントラスト検出方式が完了すると判断する前にシャッタボタン全押しされたときには、迅速な撮影を要求していると判断し、コントラストAF処理により検出するフォーカスレンズ2aのレンズ位置を該取得した3点のフォーカス位置に限定し、その中でAF評価値がピークとなるフォーカス位置にフォーカスレンズ2aを移動させるので、被写体に対して迅速にフォーカスすることができる。
【0108】
なお、上記第1、第2の実施の形態は以下のような変形例も可能である。
(1)第1の実施の形態においては、シャッタボタンは半押しされてから所定時間経過前にシャッタボタンが全押しされた場合に(シャッタボタンが一気に全押しされた場合も含む)、また、第2の実施の形態においては、シャッタボタンの半押しにより開始された通常のコントラストAF処理が完了する前にシャッタボタンが全押しされた場合に、本発明の特徴となるAF処理を行うようにしたが、所定の撮影モードが選択された状態で、シャッタボタンが半押しされた場合や、シャッタボタンが一気に全押しされた場合にスキャン代表位置となるフォーカス位置を取得し、該取得したフォーカス位置でコントラストAF処理を実行するようにしてもよい。つまり、所定の撮影モード下でのAF処理は、優先フォーカスの種類の判定及びレンズ位置の取得を行い、それに基づいたスキャン代表位置となるフォーカス位置で、コントラストAF処理を行うようにする。さらに、従来、シャッタボタンの半押し操作又は全押し操作に応答して通常のコントラストAF処理を行うようしていたが、シャッタボタンの半押し操作又は全押し操作に応答して本発明の特徴となるAF処理を行うようにしてもよい。
【0109】
(2)位相差検出方式によるAF機能を備え、位相差検出方式によるAF処理が失敗した場合(非合焦時)のみ、本発明の特徴となるAF処理を実行するようにしてもよい。
【0110】
(3)また、シャッタボタンが全押しされた後に、ズームレンズ2bのレンズ位置の取得、優先フォーカスの種類の判定を行うようにしたが、スルー画像表示中にコンティニュアス的に、ズームレンズ2bのレンズ位置の検出、優先フォーカスの種類の判定を絶えず行うようにしてもよい。そして、シャッタボタンが一気に全押しされた場合や、シャッタボタンが半押しされた後所定時間経過することなく全押しされた場合や、シャッタボタンの半押しにより開始された通常のコントラストAF処理が完了する前にシャッタボタンが全押しされた場合などには、シャッタボタン半押し(又は全押し)直前のスルー画像に基づいて判断されたズームレンズ2bのレンズ位置及び優先フォーカスに基づいて、スキャン代表位置となるフォーカス位置を取得する。これにより、更に迅速に被写体に対してフォーカスを行うことができる。
また、シャッタボタンが半押しされたときに、ズームレンズ2bのレンズ位置及び撮影シーンに基づく優先フォーカスの判定処理を行うようにしてもよい。
【0111】
(4)また、スキャン代表位置テーブルには、ズームレンズ2bのレンズ位置及び判断された優先フォーカスに対応するスキャン代表位置として複数のフォーカス位置をそれぞれ記録しておくようにしたが、1点だけのフォーカス位置をそれぞれ記録するようにしてもよい。つまり、図3に示すパンフォーカス位置テーブルに示すように、ズームレンズ2bのレンズ位置及び判断された優先フォーカスに対応するスキャン代表位置をそれぞれ1点と決めておくようにする。この場合には、スキャン代表位置として取得したフォーカス位置を基準に、フォーカスレンズを狭範囲で駆動させて、AF評価値が最も高くなるフォーカス位置にフォーカスレンズ2bを駆動させるようにしてもよい。
【0112】
(5)また、スキャン代表位置テーブルには、3点のサーチポイントとなるフォーカス位置を記録するようにしたが、これに代えて、サーチ範囲を示すサーチ範囲テーブルというものを設け、このサーチ範囲内でコントラストAF処理を行うようにしてもよい。このサーチ範囲テーブルには、ズームレンズ2bのレンズ位置及び優先フォーカスの種類に応じたサーチ範囲を予め記録しておく。サーチ範囲を特定する方法としては、サーチ範囲の両端となるフォーカス位置を記録させておくことによりサーチ範囲を特定することができる。
【0113】
(6)また、スキャン代表位置テーブルに代えて、サンプリング間隔を示したサンプリング間隔テーブルというものを設けるようにしてもよい。このサンプリング間隔テーブルには、ズームレンズ2bのレンズ位置及び優先フォーカスの種類に応じたサンプリング間隔を予め記録させておく。この場合には、サーチ範囲は、通常のコントラストAF処理におけるサーチ範囲と同じということになるが、サンプリング間隔は、通常のコントラストAF処理におけるサンプリング間隔より大きくする。
【0114】
(7)また、スキャン代表位置テーブルに代えて、上記したサーチ範囲テーブル及びサンプリング間隔テーブルというものを設け、現在のズームレンズ2bのレンズ位置及び優先フォーカスの種類に応じて、サーチ範囲とサンプリング間隔を変えるようにしてもよい。
【0115】
(9)また、予めスキャン代表位置テーブル、パンフォーカス位置テーブルというものを設けるようにしたが、これらのテーブルを設けずに、計算によってスキャン代表位置となるフォーカス位置や、パンフォーカスのフォーカス位置を求めるようにしてもよい。
【0116】
(10)また、第1の実施の形態においては、通常のコントラストAF処理を開始し、通常のコントラストAF処理が完了する前にシャッタボタンが全押しされたと判断すると、完了と判断するまで待ち処理を行っていたが、図4のステップS20で完了していないと判断すると、迅速な撮影が要求されていると判断して、通常のコントラストAF処理を中止して、ステップS10に進み、本発明の特徴となるAF処理を行うようにしてもよい。つまり、第1の実施の形態に第2の実施の形態を応用するようにしてもよい。
【0117】
(11)スキャン代表位置テーブルには、優先フォーカスの種類及びズームレンズのレンズ位置に対応する3点のフォーカス位置を格納するようにしたが、優先フォーカスの種類のみに対応する3点のフォーカス位置を格納するようにしてもよい。つまり、現在の撮影シーンを判断し、該判断した撮影シーンに基づく優先フォーカスの種類によってスキャン代表位置となる3点のフォーカス位置を取得するようにしてもよい。
また、パンフォーカス位置テーブルも同様に、優先フォーカスの種類のみに対応するフォーカス位置を格納しておくようにしてもよい。
【0118】
(12)更に、上記実施の形態におけるデジタルカメラ1は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、カメラ付き携帯電話、カメラ付きPDA、カメラ付きパソコン、カメラ付きICレコーダ、又はデジタルビデオカメラ等でもよく、要は被写体を撮影することができる機器であれば何でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の実施の形態のデジタルカメラのブロック図である。
【図2】ROM21に格納されているスキャン代表位置テーブルの様子を示すものである。
【図3】ROM21に格納されているパンフォーカス位置テーブルの様子を示すものである。
【図4】第1の実施の形態におけるデジタルカメラの動作を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態におけるデジタルカメラの動作を示すフローチャートである。
【図6】コントラストAF処理によってサーチ駆動させるフォーカスレンズ2aの位置遷移と、そのときのAF評価値との関係を示す図である。
【図7】撮影シーンに基づく優先フォーカスの判断処理を示すサブフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態におけるデジタルカメラの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0120】
1 デジタルカメラ
2 撮影レンズ
3 モータ駆動回路
4 絞り兼用シャッタ
5 垂直ドライバ
6 TG
7 CCD
8 サンプルホールド回路
9 アナログデジタル変換器
10 カラープロセス回路
11 DMAコントローラ
12 DRAMインターフェース
13 DRAM
14 VRAMコントローラ
15 VRAM
16 デジタルビデオエンコーダ
17 画像表示部
18 JPEG回路
19 DSP/CPU19
20 キー入力部
21 ROM
22 ストロボ駆動部
23 ストロボ発光部
24 カードI/F
25 メモリ・カード
26 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像手段と、
フォーカスレンズのレンズ位置を変えていくとともに前記撮像手段により撮像された撮像画像のAF評価値を検出し、該検出した複数のAF評価値に基づいてフォーカスレンズを合焦レンズ位置に移動させるコントラストAF手段と、
撮影シーンを判断する判断手段と、
前記判断手段により判断された撮影シーンに応じて、前記コントラストAF手段により前記撮像手段により撮像された撮像画像のAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させて、被写体に対してフォーカスを行う第1のAF制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、優先フォーカスの種類を判定する判定手段を備え、
前記第1のAF制御手段は、
前記判定手段により判定された優先フォーカスの種類に応じて、前記コントラストAF手段により前記撮像手段により撮像された撮像画像のAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
光学ズーム倍率を設定する光学ズーム倍率設定手段と、
前記光学ズーム倍率設定手段により設定された光学ズーム倍率に基づいてズームレンズを移動させる光学ズーム手段と、
前記ズームレンズのレンズ位置を取得するズームレンズ位置取得手段と、
を備え、
前記第1のAF制御手段は、
前記判断手段により判断された撮影シーン及び前記ズームレンズ位置取得手段により取得されたズームレンズのレンズ位置に応じて、前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させることを特徴とする請求項1又は2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1のAF制御手段は、
前記判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、複数のフォーカス位置を取得するフォーカス位置取得手段を含み、
前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を、前記フォーカス位置取得手段により取得された複数のフォーカス位置に限定することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記フォーカス位置取得手段により取得される複数のフォーカス位置は、一定のサンプリング間隔を有することを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
【請求項6】
前記フォーカス位置取得手段により取得される複数のフォーカス位置のレンズ範囲は、フォーカスレンズの駆動可能範囲より狭いことを特徴とする請求項4又は5記載の撮像装置。
【請求項7】
撮影シーンに対応する複数のフォーカス位置を予め記憶している記憶手段を備え、
前記フォーカス位置取得手段は、
前記判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、複数のフォーカス位置を前記記憶手段から取得することを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第1のAF制御手段は、
前記判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置のレンズ範囲を取得する範囲取得手段を含み、
前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を、前記範囲取得手段により取得されたフォーカスレンズのレンズ位置のレンズ範囲内に制限することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第1のAF制御手段は、
前記判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置のサンプリング間隔を取得する間隔取得手段を含み、
前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を、前記間隔取得手段により取得されたサンプリング間隔にしたがって変更することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第1のAF制御手段によるフォーカスが失敗したか否かを判断する第1の失敗判断手段と、
前記第1の失敗判断手段により前記第1のAF制御手段によるフォーカスが失敗したと判断された場合は、パンフォーカスにより被写体に対してフォーカスを行う第2のAF制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第2のAF制御手段は、
前記判断手段により判断された撮影シーンに基づいて、パンフォーカスのフォーカス位置を取得するPF位置取得手段を含み、
前記PF位置取得手段により取得されたパンフォーカスのフォーカス位置にフォーカスレンズを駆動させることにより、被写体に対してフォーカスを行うことを特徴とする請求項10記載の撮像装置。
【請求項12】
半押し操作と全押し操作が可能なシャッタボタンと、
前記シャッタボタンが一気に全押しされたか否かを判断する第1の判断手段と、
前記シャッタボタンが半押しされたか否かを判断する第2の判断手段と、
前記第2の判断手段により前記シャッタボタンが半押しされたと判断された場合には、前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置のレンズ範囲を広範囲にして、被写体に対してフォーカスを行う第3のAF制御手段と、
を備え、
前記第1のAF制御手段は、
前記第1の判断手段により一気に前記シャッタボタンが全押しされたと判断された場合には、前記判断手段により判断された撮影シーンに応じて、前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させて被写体に対してフォーカスを行うことを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の撮像装置。
【請求項13】
前記第1の判断手段は、
前記シャッタボタンが半押しされてから所定時間経過前に前記シャッタボタンが全押しされた場合には、前記シャッタボタンが一気に全押しされたと判断し、
前記第2の判断手段は、
前記シャッタボタンが半押しされてから前記シャッタボタンが全押しされることなく所定時間が経過した場合には、前記シャッタボタンが半押しされたと判断することを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
【請求項14】
前記第1の判断手段は、
前記第2の判断手段により前記シャッタボタンが半押しされたと判断されることなく、前記シャッタボタンが全押しされたと判断された場合には、前記シャッタボタンが一気に全押しされたと判断することを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
【請求項15】
前記第2の判断手段より前記シャッタボタンが半押しされたと判断した後に、前記シャッタボタンが全押しされたか否かを判断する第3の判断手段と、
前記第3の判断手段により前記シャッタボタンが全押しされたと判断されたときに、前記第3のAF制御手段によるAF制御が完了しているか否かを判断する完了判断手段と、
を備え、
前記第1のAF制御手段は、
前記完了判断手段により、前記シャッタボタンが全押しされたと判断されたときに、前記第3のAF制御手段によるAF制御が完了していないと判断すると、前記判断手段により判断された撮影シーンに応じて、前記コントラストAF手段によりAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させて被写体に対してフォーカスを行うことを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
【請求項16】
測距センサアレイに結像された像の位相差を検出することにより被写体に対してフォーカスを行う位相差AF手段と、
前記位相差AF手段によるAF制御により被写体に対してフォーカスを行う第4のAF制御手段と、
前記第4のAF制御手段によるAF制御が失敗したか否かを判断する第2の失敗判断手段と、
を備え、
前記第1のAF制御手段は、
前記第2の失敗判断手段により前記第4のAF制御手段によるAF制御が失敗したと判断された場合には、前記判断手段により判断された撮影シーンに応じて、前記コントラストAF手段により前記撮像手段により撮像された撮像画像のAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させて、被写体に対してフォーカスを行うことを特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載の撮像装置。
【請求項17】
被写体を撮像する撮像処理と、
フォーカスレンズのレンズ位置を変えていくとともに前記撮像処理により撮像された撮像画像のAF評価値を検出し、該検出した複数のAF評価値に基づいて前記フォーカスレンズを合焦レンズ位置に移動させるコントラストAF処理と、
撮影シーンを判断する判断処理と、
前記判断処理により判断された撮影シーンに応じて、前記コントラストAF手段により前記撮像処理により撮像された撮像画像のAF評価値を検出するフォーカスレンズのレンズ位置を変更させて、被写体に対してフォーカスを行う処理と、
を含み、上記各処理をコンピュータで実行させることを特徴とするプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−227133(P2006−227133A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−38589(P2005−38589)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】