説明

撮像装置及びその制御方法、並びにプログラム

【課題】レンズ交換式の撮像装置において、レンズ−撮像装置本体間の光学補正データの転送を効率良く行い、精度良く光学補正を行う。
【解決手段】光学系、光学系の特性に起因した画質劣化を補正するための光学補正データを保持した第1の記憶手段、第2の記憶手段、光学補正データを第1の記憶手段から第2の記憶手段に転送する転送手段、光学補正手段を有する。転送手段は、現在の光学系の状態に対応した光学補正データが第2の記憶手段に転送済みの場合には、第1の記憶手段から、現在の光学系の状態と異なる光学系の状態に対応した光学補正データを選択して第2の記憶手段に転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ交換式のビデオカメラ等の撮像装置及びその制御方法、並びに前記制御方法を実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
レンズ交換式のビデオカメラ等の撮像装置では、レンズ装置の光学特性に起因する、色収差や、周辺光量落ち、光学歪等の画質劣化を、撮像装置本体の信号処理で補正する際、レンズ装置の種類毎に光学補正データを用意する必要がある。また、撮像する対象が動画であるため、その補正にはリアルタイム性が求められる。
【0003】
そこで、特許文献1には、レンズ装置を着脱可能な撮像装置において、初期化動作中にレンズ装置との通信を行い、レンズ装置内部の全ての光学補正データを撮像装置に転送して、レンズに起因する画質劣化を補正するようにした技術が提案されている。初期化動作には、撮像装置に電源が投入された時や、撮像装置にレンズ装置が初めて接続された時、又はレンズ装置の交換時などが挙げられる。
【0004】
また、画像信号を補正するための補正データの転送時間を減少させるための技術として、特許文献2のような技術が提案されている。この技術では、補正データを第1のデータと第2のデータに2分割して、最初に第1のデータを第1のメモリから第2のメモリに転送し、残りの第2のデータを第1のメモリから第2のメモリに転送するか否かは条件により判断するように処理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−096907号公報
【特許文献2】特開2006−157852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1の技術では、レンズ装置内の全ての光学補正データを撮像装置内にコピーするため、コピーに多くの時間がかかる。そのため、初期化動作による待機時間が長くなるなどの問題があった。
【0007】
また、特許文献2の技術では、第2のメモリにおいて補正に必要な補正データが存在しない場合には、補正が必要な位置の補正を行うことができず、精度良く補正を行うことができないという問題があった。
【0008】
本発明は上記従来の問題点に鑑み、レンズ装置と撮像装置本体間など撮像装置において異なる装置間の光学補正データの転送を効率良く行い、且つ精度良く光学補正を行うようにした撮像装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、光学系と、前記光学系によって生成された被写体像を光電変換する撮像手段と、前記光学系の特性に対応する光学補正データを保持した第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段と異なる第2の記憶手段と、前記光学補正データを前記第1の記憶手段から前記第2の記憶手段に転送する転送手段と、前記第2の記憶手段に保持された光学補正データを用いて、前記撮像手段の出力信号を補正する光学補正手段とを有し、前記転送手段は、現在の光学系の状態と、前記第2の記憶手段への光学補正データの転送状況とに応じて、前記第1の記憶手段から光学補正データを選択して前記第2の記憶手段に転送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撮像装置において、第1の記憶手段から第2の記憶手段への光学補正データの転送を効率良く行い、且つ精度良く光学補正を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態における撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における光学条件と光学補正データベースの構成を示す模式図である。
【図3】第1の実施の形態における1V期間の処理の流れを説明するフローチャートとRAMの初期状態を示す模式図である。
【図4】第1の実施の形態における、複数V期間での動作例を説明するタイミングチャートである。
【図5】第1の実施の形態における、複数V期間でのRAMの状態例を示す模式図である。
【図6】第2の実施の形態の撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態における、光学補正データベースの構成とRAMの初期状態を示す模式図である。
【図8】第2の実施の形態における、複数V期間でのRAMの状態例を示す模式図である。
【図9】第2の実施の形態における、1V期間の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態における、複数V期間での動作例を説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
<第1の実施の形態における撮像装置の構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【0014】
この撮像装置は、図1に示すように、カメラ本体200と、カメラ本体200に対して着脱可能なレンズ装置である交換レンズ100とで構成されている。そして、カメラ本体200内部のマイコン7と交換レンズ100内部のマイコン3が通信することにより、交換レンズ100の駆動、及びカメラ本体200で行われる光学特性に起因した画質劣化の補正処理が制御される。
【0015】
交換レンズ100は、レンズ及び絞りを含む光学系1と、光学系1の光学特性に起因する画質劣化を補正するための光学補正データを含む光学補正データベース2(第1の記憶手段の一例)と、マイコン3から構成されている。交換レンズ100内部のマイコン3は、交換レンズ100とカメラ本体200との通信制御のほかに、光学系1の駆動制御や光学補正データベース2のアクセス制御を行う。
【0016】
カメラ本体200は、撮像素子4、AFE5、ズーム設定部8、絞り設定部9、フォーカス設定部10、マイコン7、RAM12、光学補正部6、及び映像出力端子13から構成されている。
【0017】
撮像素子4は、交換レンズ100で生成される被写体像を光電変換する。AFE5は、撮像素子4の出力信号に対してA/D変換、及びCDS等のアナログ信号処理を行う。ズーム設定部8、絞り設定部9、及びフォーカス設定部10は、ユーザによる操作又はマイコン7での制御に応じて、それぞれ、光学系1のズーム、絞り、フォーカスを設定する。
【0018】
マイコン7は、カメラ本体200の動作全体を制御する。RAM12は、マイコン7のワークエリアとして機能するほか、交換レンズ100とカメラ本体200との通信や、カメラ本体200での信号処理において発生する中間信号を一時的に保持する(第2の記憶手段の一例)。光学補正部6は、RAM12に保持された光学補正データを用いて、着目フレームの映像信号に対し、光学系の光学特性に起因した画質劣化を補正する。そして、光学補正後の映像信号は、映像出力端子13から出力されるようになっている。
【0019】
<第1の実施の形態における撮像装置の動作の概要>
次に、第1の実施の形態における撮像装置の動作の概要について説明する。
【0020】
撮影が開始されると、ズーム設定部8、絞り設定部9及びフォーカス設定部10での設定に基づき、カメラ本体200内部のマイコン7から、交換レンズ100内部のマイコン3に光学系の駆動制御信号が転送される。
【0021】
その結果、マイコン3によって、光学系1の駆動制御が行われる。それと同時に、マイコン3は、光学条件に対応した光学補正データを、光学補正データベース2の中から抽出する。ここで、光学条件とは、ズーム、絞り、フォーカス等の設定によって定まる、光学系の状態を示す条件である。また、光学補正データベース2は、例えば図2のような構成になっており、各光学条件に対応した光学補正データが記憶されている。
【0022】
抽出された光学補正データは、マイコン3とマイコン7が通信することにより、カメラ本体200内部のRAM12に転送される。光学補正部6では、RAM12に保持されている光学補正データを参照して、着目フレームの映像信号に対し、光学系の光学特性に起因した画質劣化を補正し、光学補正後の映像信号を映像出力端子13から出力する。
【0023】
<第1の実施の形態における光学補正処理>
(A)1V期間の光学補正処理
次に、交換レンズ100からカメラ本体200へ光学補正データを転送し、カメラ本体200内で交換レンズの光学特性に起因した画質劣化を補正するまでの、1フレーム分の処理の流れについて、図3(a)を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図3(a)は、第1の実施の形態における撮像装置の1V期間の光学補正処理を示すフローチャートである。ここで、1V期間とは、例えば後述する図4のタイミングチャートにおいてVD信号の発信間隔など、1フレーム内の所定の単位映像期間(以下、単にV期間と記す)の1期間を意味する。
【0025】
図3(a)に示すステップS100で、着目フレームにおける撮影を開始する。すると、次のステップS101において、カメラ本体内部のマイコン7は、現在の撮影フレーム(以下、現フレームと表記)における光学系の状態を示す光学条件を検出し、RAM12に記憶する。このとき、マイコン7は、ズーム設定部8、絞り設定部9及びフォーカス設定部10の出力を参照する。ここで、現フレームの光学条件は、1V期間において、ズームや絞り、フォーカス等の各光学パラメータの設定値をそれぞれ平均化した値によって定義する。
【0026】
続くステップS102では、マイコン7は、現フレームの光学条件に対応した光学補正データの転送状況、つまり該光学補正データがRAM12に転送済みか否かを判定する。現フレームの光学条件に対応した光学補正データがRAM12に転送済みである場合には、ステップS104に移行し、未転送である場合には、ステップS103に移行する。
【0027】
なお、本実施の形態では、カメラ本体200内のRAM12は、例えば図3(b)に示すように、複数の光学条件に対応した光学補正データを記憶することができ、一度、交換レンズ100からカメラ本体200に転送された光学補正データは保持される。
【0028】
したがって、本実施の形態では、現フレームの光学条件に対して、光学補正データが転送済みである場合には、現フレームの光学条件とは異なる光学条件を選択し、その光学条件に対応する光学補正データを転送することを特徴としている。このようなデータ転送の制御を行うことにより、交換レンズ−カメラ本体間の通信帯域が待ち状態となる期間を有効活用して、撮影中に効率良く光学補正データをカメラ本体に転送することができる。
【0029】
ステップS103では、まずカメラ本体200内のマイコン7は、現フレームの光学条件を交換レンズ100内のマイコン3に転送する。そしてマイコン3が、現フレームの光学条件に対応した光学補正データを光学補正データベース2から抽出して、カメラ本体200内のRAM12に転送する。
【0030】
ステップS104では、カメラ本体200内のマイコン7が、現フレームの光学条件の近傍で、RAM12に未転送の光学補正データがあるか否かを探索する。現フレームの光学条件の近傍で、RAM12に未転送の光学補正データがある場合には、ステップS105に進み、現フレームの光学条件の近傍で、全条件に対応する光学補正データがRAM12に転送済みの場合には、ステップS107に進む。
【0031】
ステップS105では、カメラ本体200内のマイコン7が、現フレームの光学条件の近傍でRAM12に未転送の光学補正データの中から、当該V期間にRAM12に転送する光学補正データを選択する。選択された光学補正データに対応する光学条件を、カメラ本体200内のマイコン7が交換レンズ100内のマイコン3に転送する。
【0032】
なお、ステップS105において、当該V期間にRAM12に転送する光学補正データを選択する方法としては、例えば、RAM12に未転送の光学補正データの中で、現フレームの光学条件に最も近いものを選択する方法がある。動画撮影中の光学条件は、大きく変動することよりも小さく変動することのほうが頻度が高いため、現フレームの光学条件に近い光学補正データを選択しておいたほうが、光学条件が変動した場合に対応する光学補正データを用意できている可能性が高くなる。また、ズーム、絞り、フォーカス等の各光学パラメータの変動量をRAM12に記憶しておき、それらの光学パラメータの変動量を用いた方法でもよい。即ち、前記光学パラメータの変動量から、次のV期間で光学条件がどこに変化するかを予測して、予測した光学条件に対応する光学補正データを転送対象としてもよい。
【0033】
ステップS106では、交換レンズ100内のマイコン3が、ステップS105で指定された光学条件に対応する光学補正データを光学補正データベース2から抽出し、カメラ本体200内のRAM12に転送する。ステップS107では、カメラ本体200内部のマイコン7が、RAM12から、現フレームの光学条件に対応した光学補正データを読み出し、光学補正部6に送出する。光学補正部6では、現フレームの光学条件に対応した光学補正データを用いて、AFE5から出力される現フレームの映像信号に対し、光学補正処理を行う。
【0034】
なお、本実施の形態では、撮影開始から撮影終了までの各V期間について、上記で説明した図3(a)の処理を繰り返し行うことにより、光学系の状態に応じた光学補正処理が行われる。
【0035】
(B)複数V期間の光学補正処理
次に、複数V期間における光学系の状態変動の一例を示し、本実施の形態における複数V期間の光学補正処理について説明する。その際、各V期間において、どのような光学補正データが転送され、また各V期間において、どのような光学補正データが補正処理に適用されるかを、図4及び図5を参照しながら説明する。
【0036】
図4は、第1の実施の形態に係る撮像装置の複数V期間での動作例を示すタイミングチャートである。また、図5は、第1の実施の形態における撮像装置の複数V期間でのRAM12の状態例を示す模式図である。
【0037】
図4に示す期間T1で撮影を開始するものとする。期間T1以前では、交換レンズ100内のどの光学条件の光学補正データもカメラ本体200に転送されておらず、RAM12の状態は、図3(b)に示したような初期状態になっている。したがって、期間T1では、光学条件L4に対応した光学補正データX4が、交換レンズ100内の光学データベース2から選択され、RAM12に転送される。光学補正データ転送後のRAM12の状態は、図5(a)に示すようになる。期間T1において、光学補正部6では、RAM12に保持された光学補正データX4を参照し、当該フレームにおける光学補正処理が行われる。
【0038】
次の期間T2では、光学条件が、1V期間前のL4からL1に変化する。期間T2の開始時点で、カメラ本体200内のRAM12に保持されている光学補正データは、図5(a)に示すように、X4のみである。したがって、光学条件L1対応した光学補正データX1が、交換レンズ100内の光学データベース2から選択されて、RAM12に転送される。光学補正データ転送後のRAM12の状態は、図5(b)に示すようになる。期間T2において、光学補正部6では、RAM12に保持された光学補正データX1を参照して、当該フレームにおける光学補正処理が行われる。
【0039】
次の期間T3では、光学条件が1V期間前のL1からL7に変化する。期間T3の開始時点で、カメラ本体200内のRAM12に保持されている光学補正データは、図5(b)に示すように、X1、X4のみである。したがって、期間T3では、光学条件L7に対応した光学補正データX7が、交換レンズ100内の光学データベース2から選択されて、RAM12に転送される。光学補正データ転送後のRAM12の状態は、図5(c)に示すようになる。期間T3において、光学補正部6では、RAM12に保持された光学補正データX7を参照して、当該フレームにおける光学補正処理が行われる。
【0040】
次の期間T4では、光学状態が、1V期間前のL7からL4に変化する。ここで、光学条件L4に対応した光学補正データX4は、期間T1において、既にRAM12に転送されている。したがって、期間T4では、光学条件L4の近傍で、まだ、RAM12に転送されていない、光学補正データX5が、交換レンズ100内の光学データベース2から選択されて、RAM12に転送される。このとき、光学補正データ転送後のRAM12の状態は、図5(d)のようになる。一方で、期間T4において、光学補正部6では、RAM12に保持された光学補正データX4を参照して、当該フレームにおける光学補正処理が行われる。
【0041】
次の期間T5では、光学状態が1V期間前のL4からL5に変化する。ここで、光学条件L5に対応した光学補正データX5は、1V期間前の期間T4において、既にRAM12に転送されている。したがって、期間T5では、光学条件L5の近傍で、まだRAM12に転送されていない光学補正データX6が、交換レンズ100内の光学データベース2から選択されて、RAM12に転送される。このとき、光学補正データ転送後のRAM12の状態は、図5(e)に示すようになる。一方で、期間T5において、光学補正部6では、RAM12に保持された光学補正データX5を参照して、当該フレームにおける光学補正処理が行われる。
【0042】
<第1の実施の形態に係る利点>
本実施の形態の撮像装置では、レンズ交換時などの初期化動作中に、全ての光学補正データを交換レンズ100からカメラ本体200に転送することなく、撮影動作中に効率良く光学補正データを転送しながら、リアルタイムで光学補正処理を行うことができる。
【0043】
[第2の実施の形態]
<第2の実施の形態における撮像装置の構成>
図6は、本発明の第2の実施の形態である撮像装置の構成を示すブロック図である。第2の実施の形態の構成は、図1に示した第1の実施の形態の構成において、補間部11を追加したものである。第2の実施の形態では、カメラ本体200内のRAM12から読み出した光学補正データを必要に応じて補間し、光学補正部6で用いる補間済み光学補正データを生成する点が、第1の実施の形態と異なる。
【0044】
本実施の形態において、交換レンズ100内の光学補正データベース2の構成は、図7(a)に示すようになっており、例えば、倍率色収差、周辺光量落ち、歪曲収差といった補正対象の現象毎に、光学条件に対応した補正データを保持するものとする。また、本実施の形態において、1V期間内に、交換レンズ−カメラ本体間で転送できる光学補正データは、倍率色収差、周辺光量落ち、歪曲収差のうちの1種類だけであるものとする。また、カメラ本体200内のRAM12は、図7(b)に示すように、補正対象の現象毎に、光学条件に対応した補正データを保持するような構成となっており、一度転送された光学補正データは保持されるものとする。
【0045】
<第2の実施の形態における撮像装置の動作の概要>
次に、第2の実施の形態の撮像装置の動作概要について説明する。
【0046】
交換レンズ100がカメラ本体200に装着されると、交換レンズ100内の光学補正データベース2から、一部分の光学補正データが選択されて、カメラ本体200内部のRAM12に転送される。このとき、カメラ本体200に転送される光学補正データは、例えば図8(a)に示すような、一部分の光学補正データであるものとする。
【0047】
レンズ装着後の初期化動作が終了して、撮影動作が開始されると、ズーム設定部8、絞り設定部9及びフォーカス設定部10の設定に基づき、カメラ本体200内部のマイコン7から交換レンズ100内部のマイコン3に光学系の駆動制御信号が転送される。そして、マイコン3によって、光学系1の駆動制御が行われる。それと同時に、マイコン3は、転送対象の光学補正データを光学補正データベース2から選択し、カメラ本体200内部のRAM12に転送する。
【0048】
RAM12に転送された光学補正データは、マイコン7の制御に基づき、必要に応じて補間部11で補間されてRAM12に書き戻される。光学補正部6では、RAM12に保持されている光学補正データを参照して、現フレームの映像信号に対し、光学系の光学特性に起因した画質劣化を補正する。光学補正後の映像信号は映像出力端子13から出力される。
【0049】
<第2の実施の形態における光学補正処理>
(A)1V期間の光学補正処理
次に、交換レンズ100からカメラ本体200へ光学補正データを転送し、カメラ本体200内で交換レンズ100の光学特性に起因した画質劣化を補正するまでの、1フレーム分の処理の流れについて、図9を参照しながら詳細に説明する。
【0050】
図9は、第2の実施の形態における撮像装置の1V期間の光学補正処理を示すフローチャートである。
【0051】
図9に示すステップS200で、あるV期間における撮影が開始されると、次のステップS201で、カメラ本体内部のマイコン7は次のような処理を行う。即ち、ズーム設定部8、絞り設定部9、及びフォーカス設定部10の出力を参照して現フレームにおける光学条件を検出し、RAM12に記憶する。ここでの、現フレームの光学条件は、前述したものと同様である。
【0052】
次のステップS202では、マイコン7が、カメラ本体200内のRAM12にアクセスし、現フレームの光学条件に対応した、全種類(倍率色収差、周辺光量落ち、歪曲収差)の光学補正データがRAM12に転送済みか否かを調べる。現フレームの光学条件に対応した全種類の光学補正データがRAM12に転送済みである場合には、ステップS203に移行し、そうでない場合にはステップS204に移行する。
【0053】
ステップS204では、マイコン7が、現フレームの光学条件に対応し、RAM12にまだ転送されていない光学補正データの中から、1種類の光学補正データを選択し、その情報(光学条件と補正データの種類)をマイコン3に転送する。なお、ステップS204において、当該V期間に転送する1種類の光学補正データを選択する方法としては、例えば、次のようなものが挙げられる。即ち、現フレームの光学条件に対応した光学補正データで、RAM12に保持されていないものの中から、補正の種類毎に優先順位をつけて選択する方法がある。補正の種類毎の優先順位としては、例えば、座標変換を伴うか否か、また演算精度を高くする必要があるか否かといったことを考慮して決めればよい。本実施の形態では、現フレームの光学条件に対応し、RAM12にまだ転送されていない光学補正データが、複数種類ある場合には、倍率色収差、歪曲収差、周辺光量落ちの優先順位で、転送対象のデータとして選択するものとする。
【0054】
続くステップS207では、ステップS204で転送された光学条件と補正データの種類に基づいて、マイコン3が、光学補正データベース2の中から1条件、1種類の光学補正データを探索し、カメラ本体200内のRAM12に転送する。
【0055】
次のステップS208では、マイコン7がRAM12にアクセスし、ステップS207での転送後、現フレームの光学条件に対応した全種類の光学補正データが、RAM12に転送済みとなったか否かを確認する。
【0056】
ステップS207での転送後、現フレームの光学条件に対応した全種類の光学補正データがRAM12に転送済みとなった場合には、ステップS210に進む。ステップS207の転送後も、現フレームの光学条件に対応した光学補正データの中で、RAM12に転送されていないものがある場合には、ステップS209に進む。
【0057】
ステップS209では、マイコン7が、現フレームの光学条件に対応し、まだRAM12に転送されていない光学補正データを補間部11での補間によって生成する。ここで、補間に用いられる補間データは、補間対象の光学補正データと同じ種類(倍率色収差、周辺光量落ち、歪曲収差のいずれか)で、RAM12に転送済みの光学補正データの中から、現フレームの光学条件に近似するものを用いる。
【0058】
一方、ステップS203では、マイコン7が、RAM12にアクセスし、現フレームの光学条件の周囲で、まだRAM12に転送されていない光学補正データがあるか否かを調べる。現フレームの光学条件の周囲でRAM12に転送されていない光学補正データがある場合には、ステップS205に進み、そうでない場合には、ステップS210に進む。
【0059】
ステップS205では、マイコン7が、現フレームの周囲の光学条件に対応し、まだRAM12に転送されていない光学補正データの中から、1種類の光学補正データを選択し、その情報(光学条件と補正データの種類)をマイコン3に転送する。
【0060】
なお、ステップS205において、当該V期間に転送する1種類の光学補正データを選択する方法としては、例えば、次のようなものが挙げられる。即ち、RAM12に保持されていない光学補正データの中から、現フレームの光学条件に近いものを選択し、さらに、その中で、補正の種類毎に優先順位をつけて選択する方法がある。補正の種類毎の優先順位としては、例えば、座標変換を伴うか否か、演算精度を高くする必要があるか否かといったことを考慮して決めればよい。本実施の形態では、同じ光学条件で、RAM12に未転送の光学補正データが複数種類ある場合には、倍率色収差、歪曲収差、周辺光量落ちの優先順位で、転送対象のデータとして選択するものとする。また、次のように選択しても良い。即ち、まずズーム、絞り、フォーカス等の各光学パラメータの変動量をRAM12に記憶しておく。そして、それらの光学パラメータの変動量から、次のV期間で光学条件がどこに変化するかを予測して、予測した光学条件の中で、倍率色収差、歪曲収差、周辺光量落ちの順に優先順位をつけて選択してもよい。
【0061】
次のステップS206では、ステップS205で転送された光学条件と、補正データの種類に基づいて、マイコン3が、光学補正データベース2の中から1条件、1種類の光学補正データを探索し、カメラ本体200内のRAM12に転送する。
【0062】
その後のステップS210では、マイコン7が、RAM12から現フレームの光学条件に対応した光学補正データを読み出し、光学補正部6に送出する。そして、次のステップS211では、光学補正部6がRAM12からの光学補正データを参照し、AFE5から出力される現フレームの映像信号に対して、光学補正処理が行われる。
【0063】
(B)複数V期間の光学補正処理
次に、複数V期間における光学系の状態変動の一例を示し、本実施の形態における複数V期間の光学補正処理について説明する。その際、各V期間において、どのような光学補正データが転送され、また各V期間において、どのような光学補正データが補正処理に適用されるかを、図10及び図8を参照しながら説明する。
【0064】
図10は、第2の実施の形態に係る撮像装置の複数V期間での動作例を示すタイミングチャートである。
【0065】
図10に示す期間T1で撮影を開始するものとする。期間T1以前に、撮像装置の初期化動作が行われる。初期化動作中には、システムに負荷をかけない程度に、一部分の光学補正データが一括して光学補正データベース2からRAM12に転送される。初期化動作後のRAM12の状態は、例えば、図8(a)に示すようになっており、光学条件L3、L5に対応した周辺光量落ちの補正データS3、S5と、光学条件L2、L4に対応した歪曲収差の補正データD2、D4が転送済みとなっている。
【0066】
期間T1では、光学条件がL3となる。このときのRAM12の状態は、図8(a)であり、光学条件L3に対応した光学補正データのうち、倍率色収差と歪曲色収差の補正データが転送されていない。したがって、期間T1では、光学条件L3に対応し、まだRAM12に転送されていない倍率色収差と歪曲色収差の補正データの中から、優先度の高い倍率色収差用の補正データA3を選択して、RAM12に転送する。また、本実施の形態では、1V期間に1条件、1種類の光学補正データしか転送できないため、光学条件L3に対応した歪曲収差用の補正データは転送されず、補間部11での補間によって生成される。期間T1で、RAM12には、光学条件L3の近傍のL2、L4に対応した歪曲収差用の補正データD2、D4が転送済みとなっているので、これらの補正データを用いた補間を行い、光学条件L3に対応した歪曲収差用の補正データD3’を生成する。以上より、期間T1では、光学補正部6では、RAM12に保持された、倍率色収差用の補正データA3、周辺光量落ち用の補正データS3、歪曲収差用の補正データD3’を用いて、それぞれの光学補正処理が行われる。
【0067】
次の期間T2でも、光学条件はL3となっており、1V期間前から変化していない。期間T2の開始時点で、RAM12の状態は、図8(b)のようになっている。光学条件L3に対応した光学補正データのうち、歪曲色収差の補正データは、光学補正データベースから転送されたものではない。したがって、期間T2では、光学条件L3に対応した歪曲収差用の補正データD3を選択してRAM12に転送する。この転送をもって、RAM12には、光学条件L3に対応した全ての種類の光学補正データが転送済みとなるので、補間部11での補間処理は行わない。以上より、期間T3では、RAM12に保持された、倍率色収差用の補正データA3、周辺光量落ち用の補正データS3、歪曲収差用の補正データD3を用いて、光学補正部6での光学補正処理が行われる。
【0068】
次の期間T3では、光学条件がL4に変化する。このとき、RAM12の状態は、図8(c)のようになっており、光学条件L4に対応した光学補正データのうち、倍率色収差と周辺光量落ちの補正データがまだ転送されていない。したがって、期間T3では、光学条件L4に対応し、RAM12に保持されていない倍率色収差と周辺光量落ち用の補正データの中から、優先度の高い倍率色収差用の補正データA4を選択して、RAM12に転送する。また、本実施の形態では、1V期間に1条件、1種類の光学補正データしか転送できないため、光学条件L4に対応した周辺光量落ち用の補正データは転送されず、補間部11での補間によって生成される。期間T4で、RAM12には、光学条件L4の近傍のL3、L5に対応した周辺光量落ち用の補正データS3、S5が保持されているので、これらの補正データを用いた補間を行い、光学条件L4に対応した周辺光量落ち用の補正データS4’を生成する。以上より、期間T3では、RAM12に保持された、倍率色収差用の補正データA4、周辺光量落ち用の補正データS4’、歪曲収差用の補正データD4を用いて、光学補正部6での光学補正処理が行われる。
【0069】
次の期間T4では、光学条件が再びL3に変化する。このとき、RAM12の状態は、図8(d)のようになっており、光学条件L3に対応した全種類の光学補正データが保持されている。そこで、期間T4では、光学条件L3の近傍で、RAM12にまだ転送されていない1条件、1種類の光学補正データが転送対象のデータとして選択される。ここでは、光学条件L3に最も近いL2に対応した倍率色収差用の補正データA2が転送対象として選択され、RAM12に転送される。また、期間T4において、補正に用いる光学補正データは、全てRAM12に転送済みであるので、補間部11での補間処理は行わない。以上より、期間T4では、RAM12に保持された、倍率色収差用の補正データA4、周辺光量落ち用の補正データS4、歪曲収差用の補正データD4を用いて、光学補正部6での光学補正処理が行われる。
【0070】
次の期間T5では、光学条件がL2に変化する。このとき、RAM12の状態は、図8(e)のようになっており、光学条件L2に対応した光学補正データの中で、周辺光量落ちに対応する光学補正データが、まだ転送されていない。したがって、期間T5では、交換レンズ100内の光学補正データベース2から、光学条件L2に対応した周辺光量落ち用の光学補正データステップS2を選択して、RAM12に転送する。また、このときのデータ転送をもって、RAM12では、図8(f)に示すように、光学条件L2に対応した全種類の光学補正データが転送済みとなるので、補間部11での補間処理は行わない。以上より、期間T5では、RAM12に保持された、倍率色収差用の補正データA2、周辺光量落ち用の補正データステップS2、歪曲収差用の補正データD2を用いて、光学補正部6での光学補正処理が行われる。
【0071】
<第2の実施の形態に係る利点>
本実施の形態の撮像装置では、レンズ交換時などの初期化動作中に、光学補正データベース内の一部分の光学補正データのみ転送すればよいので、初期動作中の待機時間を低減することができる。
【0072】
また、一つの光学条件に対応した光学補正データのデータ量が大きい場合でも、交換レンズ−カメラ本体間の通信容量を圧迫せずに、必要な光学補正データを効率良く転送することができる。
【0073】
また、補正に必要な光学補正データがカメラ本体200内に保持されていない場合でも、周囲の光学条件に対応した光学補正データを基に補正特性を補間するため、光学補正データの欠落により光学補正処理の性能が低下するのを防ぐことができる。
【0074】
さらに、現フレームの光学条件に対応した光学補正データが揃っているならば、光学補正データが転送されていない光学条件を間に挟み、現フレームと離れた光学条件に対応した光学補正データを転送するようにしてもよい。互いに離れた光学条件に対応した光学補正データを先に転送し、これらを用いて補正特性の補間を行うことで、少量の光学補正データを転送した段階で、多くの光学条件に対応した仮の光学補正データを用意することができるようになる。
【0075】
以上より、初期化動作中の待機時間を抑えつつ、リアルタイムで精度良く光学補正処理を行うことができる。
【0076】
[他の実施の形態]
なお、本発明の実施の形態は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(プログラム)をパーソナルコンピュータ(CPU,プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【符号の説明】
【0077】
1 光学系
2 光学補正データベース
3 交換レンズ内のマイコン
4 撮像素子
6 光学補正部
7 カメラ本体内のマイコン
11 補間部
12 カメラ本体内のRAM
100 交換レンズ
200 カメラ本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系と、前記光学系によって生成された被写体像を光電変換する撮像手段と、前記光学系の特性に対応する光学補正データを保持した第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段と異なる第2の記憶手段と、前記光学補正データを前記第1の記憶手段から前記第2の記憶手段に転送する転送手段と、前記第2の記憶手段に保持された光学補正データに基づいて、前記撮像手段の出力信号を補正する光学補正手段とを有し、
前記転送手段は、現在の光学系の状態と、前記第2の記憶手段への光学補正データの転送状況とに応じて、前記第1の記憶手段から光学補正データを選択して前記第2の記憶手段に転送することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
現在の光学系の状態に対応した光学補正データが前記第2の記憶手段に転送済みか否かを判定する判定手段を備え、
前記転送手段は、前記判定手段により、現在の光学系の状態に対応した光学補正データが転送済みであると判定された場合には、前記第1の記憶手段から、現在の光学系の状態と異なる光学系の状態に対応した光学補正データを選択して前記第2の記憶手段に転送することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記判定手段により、前記第2の記憶手段に未転送の、現在の光学系の状態に対応した光学補正データがあると判定された場合には、該未転送の光学補正データを、補間データを用いた補間により生成する補間手段を有することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記補間データは、前記第2の記憶手段に転送済みの光学補正データの中から、現在の光学系の状態に近似する光学条件に対応した光学補正データを用いることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
着脱可能なレンズ装置の光学系によって生成された被写体像を光電変換する撮像手段と、前記レンズ装置の光学系の状態を選択する選択手段と、前記レンズ装置の第1の記憶手段から転送された、前記選択手段にて選択された光学系の状態に対応する特性の光学補正データを保持する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に保持された光学補正データに基づいて、前記撮像手段の出力信号を補正する光学補正手段とを有し、
前記選択手段は、現在の光学系の状態と、前記第2の記憶手段が保持する光学補正データに応じて、前記光学系の状態を選択することを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
被写体像を光電変換する撮像手段と、光学補正データを保持する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に保持された光学補正データを補間する補間手段と、前記補間手段にて補間された光学補正データに基づいて、前記撮像手段の出力信号を補正する光学補正手段とを備えた撮像装置に着脱可能なレンズ装置であって、
光学系と、前記光学系の状態に応じた光学補正データを保持した第1の記憶手段と、前記光学補正データを前記第1の記憶手段から前記第2の記憶手段に転送する転送手段とを有し、
前記転送手段は、現在の光学系の状態と、前記第2の記憶手段への光学補正データの転送状況とに応じて、前記第1の記憶手段から光学補正データを選択して前記第2の記憶手段に転送することを特徴とするレンズ装置。
【請求項7】
光学系と、前記光学系によって生成された被写体像を光電変換する撮像手段と、前記光学系の特性に対応する光学補正データを保持した第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段と異なる第2の記憶手段とを有する撮像装置の制御方法であって、
前記光学補正データを前記第1の記憶手段から前記第2の記憶手段に転送する転送工程と、
前記第2の記憶手段に保持された光学補正データに基づいて、前記撮像手段の出力信号を補正する光学補正工程とを有し、
前記転送工程は、現在の光学系の状態と、前記第2の記憶手段への光学補正データの転送状況とに応じて、前記第1の記憶手段から光学補正データを選択して前記第2の記憶手段に転送することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項8】
着脱可能なレンズ装置の光学系によって生成された被写体像を光電変換する撮像手段と、前記レンズ装置の第1の記憶手段から転送された光学補正データを保持する第2の記憶手段とを有する撮像装置の制御方法であって、
前記レンズ装置の光学系の状態を選択する選択工程と、
前記選択工程にて選択された光学系の状態に対応する特性の光学補正データが前記第1の記憶手段から前記第2の記憶手段に転送される転送工程と、
前記第2の記憶手段に保持された光学補正データに基づいて、前記撮像手段の出力信号を補正する光学補正工程とを有し、
前記選択工程は、現在の光学系の状態と、前記第2の記憶手段が保持する光学補正データに応じて、前記光学系の状態を選択することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項9】
被写体像を光電変換する撮像手段と、光学補正データを保持する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に保持された光学補正データに基づいて、前記撮像手段の出力信号を補正する光学補正手段とを備えた撮像装置に着脱可能であって、光学系と、前記光学系の状態に応じた光学補正データを保持した第1の記憶手段を有するレンズ装置の制御方法であって、
前記光学補正データを前記第1の記憶手段から前記第2の記憶手段に転送する転送工程とを有し、
前記転送工程は、現在の光学系の状態と、前記第2の記憶手段への光学補正データの転送状況とに応じて、前記第1の記憶手段から光学補正データを選択して前記第2の記憶手段に転送することを特徴とするレンズ装置の制御方法。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか一項に記載の制御方法をコンピュータに実行させるための、前記コンピュータで読み取り可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−124916(P2011−124916A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282827(P2009−282827)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】