説明

撮像装置及び動画像の記録方法

【課題】 プレREC機能を使用して撮影した映像に対して、素早く簡単に、記録された映像のスタートシーンを所望のシーンに設定すること。
【解決手段】 撮像素子(101)から出力される画像データの記録開始及び記録停止を指示する操作キー(112)と、最新の画像データを一定時間分記憶するメモリ(107)と、記録開始が指示された時にメモリに記憶されている画像データから、記録停止が指示された時にメモリに記憶されている画像データまでを、記録媒体に順次記録する記録手段と、記録開始が指示された時にメモリに記憶されていた画像データから、単位時間ずつの画像データを代表する縮小画像データを生成する分割表示画像生成部(109)と、縮小画像データを一覧表示するLCD(111)と、記録を開始する縮小画像データを選択する選択手段(112)と、選択された縮小画像データより前の画像データを、メモリから削除する映像削除部(110)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び動画像の記録方法に関し、特に、動画像の記録、編集処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の撮像装置では、撮影動作のスタンバイ状態において、被写体をモニタしながら撮影のタイミングを伺い、タイミングが来た時に、RECボタンを押すことにより、記録を開始している。このため、RECボタンを押すタイミングが遅れると、所望の画像を撮影し損なうことがある。また、撮影し損なわないように常に記録動作をしていると、無駄に記録する部分が生じ、記録媒体を不必要に消耗してしまう。
【0003】
このように、RECボタンを押して記録開始を指示する直前の、希望するシーンの撮り損ないを減らすために、例えば、特許文献1に示す技術が提案されている。この技術によれば、撮影して得られた画像信号をメモリに順次記憶していき、メモリの容量一杯になると、時間的に古い画像信号から順に情報を捨てて、新しく得られた画像信号を記憶していく。そして、RECボタンが押され、記録開始が指示されると、メモリに記憶されている画像信号を時間順に記録媒体に記録していく。以下、このようなRECボタンを押し、記録開始が指示された時点から、一定時間遡って記録をすることができる機能を「プレREC機能」と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−177914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術では、プレREC機能を使用すると、常に記録開始の指示より前の映像を記録するため、記録された映像には、ユーザーが所望しないシーンが記録されることがある。このような不要な映像を削除し、スタートシーンからユーザーの所望する映像にするためには、ユーザーはメニュー操作で編集画面へ移動し、分割作業を行い、不要な映像シーンを削除する、という、非常に手間のかかる作業を要する。
【0006】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、プレREC機能を使用して撮影した映像に対して、素早く簡単に、記録された映像のスタートシーンを所望のシーンに設定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、動画像を撮影する本発明の撮像装置は、入射する被写体の光学像を光電変換して、画像データを出力する撮像手段と、前記撮像手段から出力される画像データの記録開始及び記録停止を指示する指示手段と、前記指示手段による記録の指示の有無に関わらず、前記撮像手段から出力された最新の画像データを、一定時間分、記憶する記憶手段と、前記指示手段により記録開始が指示された時に前記記憶手段に記憶されている画像データから、記録停止が指示された時に前記記憶手段に記憶されている画像データまでを、順次記録する記録手段と、前記指示手段により記録開始が指示された時に前記記憶手段に記憶されていた画像データから、所定時間分の画像データを一単位として、各単位の画像データを代表する縮小画像データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成された縮小画像データを一覧表示する表示手段と、前記表示手段に一覧表示された縮小画像データから、記録を開始する縮小画像データを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された縮小画像データに対応する画像データより前に前記撮像手段から出力された画像データを、前記記憶手段から削除する削除手段とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プレREC機能を使用して撮影した映像に対して、素早く簡単に、記録された映像のスタートシーンを所望のシーンに設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるビデオカメラの構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態におけるプレREC映像の記録開始シーンを設定する手順を示すフローチャート。
【図3】第1の実施形態におけるプレREC映像の記録開始シーン設定時に表示される画面の一例を示す図。
【図4】本発明の第2の実施形態におけるビデオカメラの構成を示すブロック図。
【図5】第2の実施形態におけるプレREC映像の記録開始シーンを設定する手順を示すフローチャート。
【図6】第2の実施形態におけるプレREC映像の記録開始シーン設定時に表示される画面の一例を示す図。
【図7】本発明の第3の実施形態におけるビデオカメラの構成を示すブロック図。
【図8】第3の実施形態におけるプレREC映像の記録開始シーンを設定する手順を示すフローチャート。
【図9】第3の実施形態における記録開始シーン設定用の分割表示画像とスルー画像が表示された画面の一例を示す図。
【図10】プレREC映像の記録開始シーン設定時に表示される画面の別の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。ただし、本形態において例示される構成部品の寸法、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明がそれらの例示に限定されるものではない。
【0011】
なお、以下の説明において、プレREC機能による撮影を「プレREC撮影」、プレREC撮影により記録された、撮影指示前の動画像を「プレREC映像」、また、プレREC映像の期間を「プレREC期間」と呼ぶ。
【0012】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本第1の実施形態における撮像装置であるデジタルビデオカメラの構成を示すブロック図である。なお、本実施形態ではデジタルビデオカメラとして説明するが、映像信号の記録再生が可能なものであれば、デジタルスチルカメラなどであってもよい。
【0013】
本第1の実施形態では、通常撮影と、プレREC撮影とを選択的に行うことができるものとし、まず、通常撮影時の動作について図1を参照しながら説明する。
【0014】
RECボタン701が押されると撮影が開始され、撮像素子101は、不図示のレンズを通して入射した被写体の光学像を電気信号に光電変換して、出力する。カメラ信号処理部102は、撮像素子101から送られてきた電気信号を処理し、所定周期で標準的なデジタル画像データが動画像データとしてメモリ107に一時的に蓄積される。メモリ107に一時的に蓄積された動画像データは、ビデオ信号処理部106において圧縮符号化され、メモリ107をバッファとして一旦蓄積された後に、静止画像データや動画像データ等のデータを格納する記録媒体108に記録される。
【0015】
なお、ビデオ信号処理部106の圧縮伸張処理方式としては、例えば、モーションJPEGのような、1枚1枚のコマを独立して圧縮符号化する動画符号化方式が考えられる。他に、MPEGのようにコマによって独立して圧縮符号化したり、前後のコマの差分をとって圧縮符号化したり、また、複数のコマから予測して圧縮符号化する動画符号化方式であってもよい。
【0016】
記録媒体108としては、ハードディスク、固体磁気ディスクメモリ、光磁気ディスクメモリ、光ディスクメモリ等のディスクメディアや、SDRAM、DRAM等の固体半導体メモリで構成されるランダムアクセスが可能な種々の媒体を用いることができる。
【0017】
一方、ビデオ信号処理部106は分割表示画像生成部109及び映像削除部110を含み、ビデオ信号処理部106により処理された動画像データを含む画像は、LCD111に表示される。また、LCD111は、デジタルビデオカメラを操作するためのメニューも表示する。
【0018】
CPU103は、上述した処理を含む、デジタルビデオカメラ全体の制御及び演算処理を司る。フラッシュメモリ104内に記憶された圧縮プログラムが解凍されてプログラムメモリ105に展開され、CPU103はプログラムメモリ105内のプログラムに従って動作する。
【0019】
操作キー112は、後述するプレREC撮影により得られた動画像の記録開始シーンの制御や、メニュー設定を含む、デジタルビデオカメラにおける各種操作に用いられる。
【0020】
次に、プレREC撮影の動作について説明する。プレREC設定ボタン702やメニュー設定によりプレREC機能が選択されると、撮像素子101は、不図示のレンズを通して結像された光学像を電気信号に変換して出力し、カメラ信号処理部102はその電気信号を処理して、順次信号を出力する。そして、メモリ107に、カメラ信号処理部102から出力された動画像データを、記憶可能な容量一杯になるまで順次記憶していく。容量一杯になると、記憶していった時間の順に古い方から動画像データを捨てて、新しい時間の動画像データを記憶していき、常に記憶容量一杯の一定容量を記憶する。以下、RECボタン701による記録指示の有無に関わらず、この動作は繰り返され、メモリ107には常に一定容量分の最新の動画像データが記憶されることになる。
【0021】
そして、RECボタン701が押されると、記録媒体108への記録が開始される。ここで、メモリ107に記憶されている時間の順に順次記録していく。このRECボタン701が押されたタイミングで撮影された動画像データにRECスタートフラグを付加して記録媒体108に記録することにより、プレREC映像を特定することができる。そして、記録を終了させるためにRECボタン701が再度押されると(記録停止)、その時点までに得られた動画像データが記録媒体108に記録される。なお、メモリ107への記憶はプレREC機能が解除されるまで継続される。
【0022】
この動作説明では、メモリ107に記憶した順に動画像データを記録媒体に記録する方式であり、常にメモリ107の記憶容量一杯の状態でメモリ107を使用する例である。なお、メモリ107の記憶容量を一杯に使用せずに、上述したように記憶に使用する部分と、その他の用途に使用する部分とに分けておき、記憶に使用する部分に一定時間分の記憶をするようにして、上述した動作をさせてもよい。また、RECボタン701が押される前のプレREC映像として記憶しておく記憶時間を、メモリ107の記憶容量の範囲内で、撮影者が任意に設定できるようにしても良い。
【0023】
次に、本第1の実施形態におけるプレREC映像の記録開始シーンを所望のシーンに設定する方法について説明する。
【0024】
動画像データの記録作業と並行して、ビデオ信号処理部106内の分割表示画像生成部109は、プレREC映像の縮小画像(分割表示画像)を生成する。ここでは、CPU103の制御の下、所定時間分のプレREC映像を一単位として、各単位のプレREC映像を代表するフレームの動画像データの一部を間引き処理等によって縮小した縮小画像データを生成する。生成された分割表示画像は、メモリ107の別領域に蓄積され、撮影された動画像データに関連付けて、ビデオ信号処理部106による圧縮を介して記録媒体108に記録される。
【0025】
図2は、このようにして記録された分割表示画像を用いて、プレREC映像の記録開始シーンを設定する手順を示すフローチャートである。ここでは、プレREC期間を4秒とし、分割表示枚数を8枚とした場合について説明する。この場合、分割表示画像生成部109により、0.5秒単位を1GOP(Group Of Picture)として、各分割表示画像が生成されることになる。
【0026】
まず、上述したプレREC期間の8枚の分割表示画像を、LCD111に表示する(S101)。その時の表示例を図3(a)に示す。図3(a)の表示画面において、操作キー112を用いてカーソルを上下左右に動かし、所望の記録開始シーンを選択すると(S102)、図3(b)に示すような選択画面となる。この画面で、「はい」を選択することで記録開始シーンが決定される(S103)。S103で記録開始シーンが決定されると、ビデオ信号処理部106内の映像削除部110により、記録媒体108に記録されている、選択された記録開始シーンに対応するプレREC映像より前のプレREC映像が削除される(S104)。
【0027】
このように、第1の実施形態におけるビデオカメラによれば、プレREC映像を一定時間単位(1GOP)で分割表示し、その一覧画像の中から記録したい所望の記録開始シーンを設定し、設定した記録開始シーンより前の映像を削除する。これにより、素早く簡単に記録された映像の記録開始シーンを所望のシーンに設定することができる。
【0028】
なお、図2のフローチャートに示す記録開始シーンを設定する処理は、撮影終了後の任意のタイミングで行うことができる。例えば、記録した動画像を初めて再生する際に行われるようにしても、記録終了後すぐに行われるようにしても良い。撮影終了後すぐに行うようにした場合、設定した記録開始シーンより前の不要な映像がすぐに削除されるため、撮影時の記録媒体108の記録時間を伸ばすことができる。
【0029】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、本第2の実施形態における撮像装置であるデジタルビデオカメラの構成を示すブロック図である。第1の実施形態で上述した図1に示すデジタルビデオカメラとの違いは、図1におけるプレREC設定ボタン702が無く、カウンタ901及びプレREC数算出部902を新たに設けた点である。従って、本第2の実施形態では常にプレREC撮影を行うものとするが、第1の実施形態で説明したように、通常撮影とプレREC撮影を選択できるようにしても構わない。プレREC数算出部902は、記録開始シーンを指定していないプレREC映像が何個あるか算出し、カウンタ901により、その数をディクリメントするように構成したものである。それ以外の構成は、図1に示すものと同じであるため、同じ参照番号を付し、説明を省略する。
【0030】
次に図5を参照して、本第2の実施形態における、プレREC映像の記録開始シーンを所望のシーンに設定する方法について説明する。なお、第2の実施形態においても、動画像データの記録作業と並行して分割表示画像を生成し、動画像データに関連付けて記録しておく。また、プレREC期間を4秒とし、分割表示枚数を8枚とした場合について説明する。この場合、分割表示画像生成部109により、0.5秒単位を1GOP(Group Of Picture)として、各分割表示画像が生成されることになる。
【0031】
まず、メニューや再生モードから、プレREC映像の記録開始シーンを指定する処理を選択する(S201)。本第2の実施形態では、記録開始シーンを指定していないプレREC映像には記録開始シーンの未指定フラグを立てておき、S202において、プレREC数算出部902により、記録開始シーンの未指定フラグの数(n個)を数え、カウンタ901に設定する。その後、記録開始シーンの未指定フラグが立っている動画像データのうち、1つの動画像データのプレREC期間の8枚の分割表示画像を、LCD111に表示し(S203)、カウンタ901は、m=n−1とする(S204)。その時の表示例を図6(a)に示す。図6(a)の表示画面は、記録開始シーンを指定していないn個の動画像データの内の1個目のプレREC映像の分割表示画像である。記録開始シーンを指定する順番としては、例えば、記録開始シーンの未指定フラグが立っている動画像データの内、時系列で古いものから、または新しいものから指定するようにすることが考えられるが、本発明はこの順番により限定されるものではない。
【0032】
続いて、図6(a)の表示画面において、操作キー112を用いて、カーソルを上下左右に動かし、所望の記録開始シーンを選択すると(S205)、図6(b)に示すような選択画面となる。この画面で、「はい」を選択することで記録開始シーンが決定される(S206)。S206で記録開始シーンが決定されると、ビデオ信号処理部106内の映像削除部110により、記録媒体108に記録されている、選択された記録開始シーンより前の映像が削除される(S207)。そして、記録開始シーンの未指定フラグをオフにする。
【0033】
上述したようにして1個目の動画像データの記録開始シーンを指定すると、m=0であるかどうか、即ち、記録開始シーンを指定していない動画像データが存在するか、及び、記録開始シーンの指定処理を終了するかどうかを判断する(S208)。S208でNOの場合、m=m−1とし(S209)、S205に戻り、記録開始シーンを指定していない次の動画像データについて、上述した処理を繰り返す。この時の表示例を図6(c)に示す。以下、記録開始シーンを指定していないプレREC映像が無くなる(m=0)まで、若しくはメニュー解除やモード移行により記録開始シーンを指定するための処理を抜けるまで(S208でYES)上記処理を繰り返す。
【0034】
上記の通り、本第2の実施形態によれば、記録開始シーンを設定していないプレREC映像について、まとめて設定することができるため、素早く簡単にプレREC機能を用いて記録された映像の記録開始シーンを所望のシーンに設定することができる。
【0035】
なお、図5を参照して説明した例では、記録開始シーンを指定し、不要な映像の削除が終了すると、次の記録開始シーンを選択していない動画像データにおけるプレREC映像の分割表示画像の表示に移っていた。しかしながら、本発明はこれに限るものではなく、図6に示す表示画面例にあるように、ページ送りアイコン601、602を選択することで、記録開始シーンを指定しなくても、任意の動画像データのプレREC映像の分割表示画像に移動できるようにしてもよい。
【0036】
また、上述した例では、記録開始シーンを選択していない動画像データが無くなるまでの検出をディクリメントによって行っていたが、インクリメントして検出するようにしてもよい。また、その他種々の検出方法が適用できる。
【0037】
また、記録開始シーンを指定して不要映像を削除する処理を、第1の実施形態で説明したように撮影終了毎に行う方法と、第2の実施形態のように任意のタイミングでまとめて行う方法を、メニューにより選択できるようにしてもよい。
【0038】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、分割表示画像生成部109が、動画像データの記録作業と並行してプレREC映像の分割表示画像を生成し、生成した分割表示画像を記録媒体108に記録するものとして説明した。しかしながら、分割表示画像を生成するタイミングはこれに限るものではなく、分割表示画像を一覧表示する時に生成するようにして、記録媒体108に記録しないようにしても良い。
【0039】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図7は、本第3の実施形態における撮像装置であるデジタルビデオカメラの構成を示すブロック図である。第1の実施形態で上述した図1に示すデジタルビデオカメラとの違いは、図1におけるプレREC設定ボタン702が無く、ビデオ信号処理部106内に画像合成部1401と、スルー画表示メモリ1402を新たに設けた点である。これにより、LCD111の画面上にスルー画像を表示可能にしている。それ以外の構成は、図1に示すものと同じであるため、同じ参照番号を付し、説明を省略する。
【0040】
次に図8を参照して、本第3の実施形態における、プレREC映像の記録開始シーンを所望のシーンに設定する方法について説明する。本第3の実施形態では、プレREC映像の記録開始シーンの選択中に、撮影したいシーンが到来した場合にも、取りこぼしを無くすことができる方法を説明する。なお、第3の実施形態においても、動画像データの記録作業と並行して分割表示画像を生成し、動画像データに関連付けて記録しておく。また、プレREC期間を3.5秒とし、分割表示枚数を7枚とした場合について説明する。この場合、分割表示画像生成部109により、0.5秒単位を1GOP(Group Of Picture)として、各分割表示画像が生成されることになる。
【0041】
まず、撮影モードにおいて、分割表示画像生成部109は、スルー画表示メモリ1402に記憶されたスルー画像の縮小画像を順次生成する。そして、すでにプレREC撮影により記録された動画像のプレREC映像を1GOPずつ示した縮小画像7枚と、順次生成されるスルー画像の縮小画像との計8枚の画像を表示するため、分割表示画面へ移行する(S301)。ここでは、画像合成部1401が、分割表示画像生成部109により生成され、記録されたプレREC期間中の縮小画像と、スルー画表示メモリ1402からのスルー画像とを合成して、LCD111に表示する。その時の表示例を図9(a)に示す。図9(a)に示すように、スルー画像を分割表示の右下で確認することができる。S301での表示画面中にRECボタン701が押された場合は(S302でYES)、S307へ進み、プレREC撮影による記録を開始する。
【0042】
一方、S302でRECボタン701が押されなかった場合は、S303へと進み、操作キー112を用いてカーソルを上下左右に動かし、所望の記録開始シーンを選択すると、図9(b)に示すよな選択画面となる。この時点で、RECボタン701が押された場合は(S304でYES)、S307へ進んでプレREC撮影による記録を開始する。一方、S304でRECボタン701が押されなかった場合は、図9(b)に示す画面で「はい」を選択することで記録開始シーンが決定される(S305)。S305で記録開始シーンが決定されると、ビデオ信号処理部106内の映像削除部110により、記録媒体108に記録されている、選択された記録開始シーン以前の映像は削除される(S306)。
【0043】
なお、カメラのスルー画像の表示は、メニューにより表示と非表示を選択できるようにしても良い。
【0044】
このように、第3の実施形態におけるビデオカメラによれば、プレREC映像を一定時間単位で分割表示し、その一覧画像の中から記録したい所望の記録開始シーンを設定している間にも、同じ画面上にスルー画像を表示する。これにより、記録開始シーンの設定中に、所望のシーンを撮り逃さないようにすることができる。
【0045】
なお、上述した第1〜第3の実施形態では、プレREC期間中の分割表示の時間単位を、MPEGを想定して映像編集の容易さからGOP単位である0.5秒としている。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、その他の圧縮形式を用いる場合は、それぞれの圧縮形式の編集に最適な時間単位とするとよい。または、撮影者が任意に設定できる手段を設けておき、分割一覧表示するための時間単位を任意に設定できるようにしてもよい。
【0046】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、プレREC期間を4秒、分割表示枚数を8枚、また、第3の実施形態ではプレREC期間を3.5秒、分割表示枚数を7枚としているが、本発明はこれに限るものではない。LCD111に表示する分割一覧表示の枚数指定に従って、プレREC期間の映像が全て指定枚数内に収まるように、分割表示画像生成のための時間単位を計算する手段を設けておき、プレREC期間の映像が全て一画面内に収まるように時間単位を決めてもよい。
【0047】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、図3及び図6に示す画面表示例のように、一画面内の分割表示画像は全てプレREC期間の映像としている。しかしながら、図10に示すように、RECボタン701を押した直後から少なくとも一単位分(図10の例では2単位分)の動画像データを代表する縮小画像を、プレREC期間の分割表示画像と一緒に表示するようにしてもよい。
【0048】
また、上述した第1〜第3の実施形態では、記録可能なプレREC期間の映像を全て記録するものとして説明したが、記録可能なプレREC期間の映像を全て記録しなくてもよく、その場合には、記録した時間に応じて表示する分割表示枚数を変更してもよい。
【0049】
また、上述した第1〜第3の実施形態では、分割表示画像を静止画としたが、操作キー112により選択されている画像を、他の分割表示画像と共に動画再生するようにしてもよい。
【0050】
また、上述した第1〜第3の実施形態では、記録開始シーンの指定を操作キー112を用いて選択しているが、タッチパネルを搭載したLCDであれば、タッチパネルを触ることによって記録開始シーンを直接選択するようにしてもよい。
【0051】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像を撮影する撮像装置であって、
入射する被写体の光学像を光電変換して、画像データを出力する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像データの記録開始及び記録停止を指示する指示手段と、
前記指示手段による記録の指示の有無に関わらず、前記撮像手段から出力された最新の画像データを、一定時間分、記憶する記憶手段と、
前記指示手段により記録開始が指示された時に前記記憶手段に記憶されている画像データから、記録停止が指示された時に前記記憶手段に記憶されている画像データまでを、順次記録する記録手段と、
前記指示手段により記録開始が指示された時に前記記憶手段に記憶されていた画像データから、所定時間分の画像データを一単位として、各単位の画像データを代表する縮小画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された縮小画像データを一覧表示する表示手段と、
前記表示手段に一覧表示された縮小画像データから、記録を開始する縮小画像データを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された縮小画像データに対応する画像データより前に前記撮像手段から出力された画像データを、前記記憶手段から削除する削除手段と
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記記録手段による記録が終了する毎に、当該記録した画像データに対応する前記縮小画像データを一覧表示することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示手段は、記録を開始する縮小画像データが選択されていない画像データに対応する前記縮小画像データを、順に一覧表示することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記記録手段による記録が終了する毎に、当該記録した画像データに対応する前記縮小画像データを前記表示手段に一覧表示する処理と、記録を開始する縮小画像データが選択されていない画像データに対応する前記縮小画像データを前記表示手段に順に一覧表示する処理とのいずれかを選択する手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記生成手段は、更に、前記撮像手段から出力される画像データの縮小画像データを順次生成し、
前記表示手段は、更に、前記撮像手段から出力される画像データの縮小画像データを、前記各単位の縮小画像データと共に一覧表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記生成手段は、更に、前記指示手段により記録開始が指示された後に前記記憶手段に記憶された画像データから、所定時間分の画像データを一単位として、少なくとも一単位分の画像データを代表する縮小画像データを生成し、
前記表示手段は、更に、前記指示手段により記録開始が指示された後に前記記憶手段に記憶された前記少なくとも一単位分の画像データを代表する縮小画像データを、前記各単位の縮小画像データと共に一覧表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記選択手段により選択されていない縮小画像データと共に、前記選択された縮小画像データに対応する所定時間分の画像データを動画再生することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
動画像の記録方法であって、
撮像手段が、入射する被写体の光学像を光電変換して、画像データを出力する撮像工程と、
指示手段が、前記撮像工程で出力される画像データの記録開始及び記録停止を指示する指示工程と、
前記指示工程における記録の指示の有無に関わらず、前記撮像手段から出力された最新の画像データを、一定時間分、記憶手段に記憶する記憶工程と、
記録手段が、前記指示工程で記録開始が指示された時に前記記憶手段に記憶されている画像データから、記録停止が指示された時に前記記憶手段に記憶されている画像データまでを、記録媒体に順次記録する記録工程と、
生成手段が、前記指示工程で記録開始が指示された時に前記記憶手段に記憶されていた画像データから、所定時間分の画像データを一単位として、各単位の画像データを代表する縮小画像データを生成する生成工程と、
表示手段が、前記生成工程で生成された縮小画像データを一覧表示する表示工程と、
選択手段が、前記表示工程で一覧表示された縮小画像データから、記録を開始する縮小画像データを選択する選択工程と、
削除手段が、前記選択工程で選択された縮小画像データに対応する画像データより前に前記撮像工程で出力された画像データを、前記記憶手段から削除する削除工程と
を有することを特徴とする動画像の記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−9951(P2012−9951A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141882(P2010−141882)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】