説明

撮像装置及び撮像装置の制御方法及びプログラム

【課題】 加速度検出によって所定の動きを検知する操作手段を使用する際、使用者ごとに異なる強さや動きの大きさで操作してしまうため、誤検出が起こる可能性があった。
【解決手段】 撮像素子にて結像した光学像を画像として表示する表示部と、表示部に表示する画像を変更する変更手段と、振れの加速成分を検出して出力する加速度検出手段と、加速度検出手段の出力から表示部に表示する画像を変更するために操作者によって加えられた振れを検出する動作検出手段とを有し、動作検出手段は、加速度信号が第1の閾値に達し、かつ第1の閾値を超えたことを検出した後に第1の閾値と異符号かつ第1の閾値よりも絶対値が大きい第2の閾値に達した後に、加速度信号が第2の閾値と同じ符号かつ第2の閾値よりも絶対値が小さい第3の閾値に達したことで、操作者によって加えられた振れを検出し、表示部に表示する画像を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラなどの撮像装置における操作性を改善する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラの操作方法としては、従来からボタンやダイアルといった操作部材とLCDのような表示装置を組み合わせてメニュー選択などによって操作してきた。
【0003】
しかし近年では機能が増える傾向にあり、操作方法が複雑になってしまうことで、逆にカメラの機能が使われなくなっているという課題がある。そこで、直感的な操作方法として近年注目されているのが加速度検出による動き検出を用いた操作方法が挙げられる。カメラを振るという動作に機能を割り当てることで、簡単にカメラの機能を使用することが出来るようになる技術が知られている。
【0004】
図16は撮像装置の表示部を見ながら撮像装置を振る時の振る動作を表した図である。
【0005】
人がカメラを持つ場合、大抵の場合シャッターボタンとの関係上、右手によって水平な状態(図16の(1)の状態)保持する状態が基本的な持ち方となる。そしてカメラを振る場合は、その持ち方のまま、手首またはひじを回転中心として振り上げたり振り下ろしたりという動作になることが考えられる。このため、この撮像装置を下に振り下げようとすると、一旦水平な状態から振り上げ、振り上げた後に振り下げるという動作になる。
【0006】
その際の撮像装置は振り上げる際の動作は、図16の(1)状態のように地面と水平の状態から、図16の(2)の状態を経て、図16の(3)の状態へ移行する。また、振り下げる際の動作は、振り上げの動作とは逆に、図16の(3)の状態から図16の(1)の状態へと移行する。しかし、カメラを右手によって水平な状態(図16の(1)の状態)保持する状態が基本的な持ち方であるため、カメラを下の方向に振る(本動作)場合、本動作前に準備動作として一旦振り上げてから本動作に入ることが多い。また、逆に上方向に振り上げる際にも、勢いをつけるために一旦下方向にカメラを傾けてから振り上げることが多い。
【0007】
特許文献1には、加速度を検出するそれぞれの軸方向にカメラを振ることで、異なる機能を割り当てることが可能になると開示されている。特許文献1の発明は、±X、±Y、±Z方向に検知できる加速度センサを有するカメラであって、各軸の加速度検出量が閾値を超えた時に、各軸に割り振られた動作を実行するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特登録04009887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、加速度を検出することが可能なカメラにおいて、加速度を検出する軸方向に正確にカメラを振ることは困難であり、人の腕の構造上、ひじや手首といった間接を中心とした回転運動の影響を受けてしまう。これによって加速度を検出する別方向に加速度が発生することが多い。
【0010】
そのため、従来のようにただ加速度が閾値を越えたか判定する検出法を用いると、本動作とは別方向への振りである動作を本動作として検出してしまい、検出精度に課題があった。
【0011】
また、加速度を検出することが可能なカメラにおいて、従来の本動作の波形を検出した後にカメラを振る本動作をした時に割り当てられた機能を実行するのでは、振った時と機能の実行時との間にタイムラグが生じる。このタイムラグによって、撮像装置の直感的な操作方法を実現しようとするにも関らず、使用しにくいと言った課題があった
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、実際の操作方法に応じた加速度波形の特徴を用いて検出を行うことにより、高い検出精度で所定の動作を検出可能とし、直感的な操作方法を実現する技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、以上の課題を解決するものであり、光学像を電気的な信号に変換する撮像素子を有する撮像装置であって、前記撮像素子にて結像した光学像を画像として表示する表示部と、前記表示部に表示する画像を変更する変更手段と、前記撮像装置に加わる振れの加速成分を検出して出力する加速度検出手段と、前記加速度検出手段の出力から、前記変更手段によって前記表示部に表示する画像を変更するために操作者によって加えられた振れを検出する動作検出手段とを有し、前記動作検出手段は、前記加速度信号が第1の閾値に達し、かつ前記第1の閾値を超えたことを検出した後に前記第1の閾値と異符号かつ前記第1の閾値よりも絶対値が大きい第2の閾値に達した後に、前記加速度信号が前記第2の閾値と同じ符号かつ前記第2の閾値よりも絶対値が小さい第3の閾値に達すると、前記操作者によって加えられた振れを検出し、前記変更手段は、前記動作検出手段の検出結果に応じて前記表示部に表示する画像を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、検出装置や検出装置を搭載した携帯機器、撮像装置などを振ったことを正確に検知することを可能とし、従来よりも直感的で分かりやすい操作系を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例に係わる撮像装置を示すシステム構成図である。
【図2】撮像装置の傾きに応じて重力加速度が変化する具体的な一例を説明する図である。
【図3】(a)本発明に係る撮像装置において、振り上げ動作によって得られる加速度波形の具体的な一例を説明する図である。(b)本発明に係る撮像装置において、振り下げ動作によって得られる加速度波形の具体的な一例を説明する図である。(c)本発明に係る撮像装置において、振り上げた後に振り下げた動作によって得られる加速度波形の具体的な一例を説明する図である。
【図4】本発明に係る撮像装置において、本発明による振り動作によって得られる加速度波形の具体的な一例を説明する図である。
【図5】本発明の実施例1から3に係る撮像装置において、振り動作検出の処理の流れを示すフローチャート。
【図6】本発明の実施例1に係る撮像装置において、図5のステップS100の処理の流れを示すフローチャート。
【図7】本発明の実施例1に係る撮像装置において、図5のステップS101の処理の流れを示すフローチャート。
【図8】本発明の実施例1に係る撮像装置において、図5のステップS102の処理の流れを示すフローチャート。
【図9】本発明の実施例2に係る撮像装置において、図5のステップS100の処理の流れを示すフローチャート。
【図10】本発明の実施例2に係る撮像装置において、図5のステップS101の処理の流れを示すフローチャート。
【図11】本発明の実施例3に係る撮像装置において、図5のステップS101の処理の流れを示すフローチャート。
【図12】本発明の実施例4と5に係る撮像装置において、振り動作検出の処理の流れを示すフローチャート。
【図13】本発明の実施例4に係る撮像装置において、図12のステップS101の処理の流れを示すフローチャート。
【図14】本発明の実施例4に係る撮像装置において、図12のステップS104の処理の流れを示すフローチャート。
【図15】本発明の実施例5に係る撮像装置において、図12のステップS101の処理の流れを示すフローチャート。
【図16】振り動作の具体的な一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明の実施例に係わる撮像装置を示すシステム構成図である。図1において、10は撮像装置1の光学系であり、ズームレンズ11a、焦点調節レンズ11b、シャッタ12、絞りユニット13などによって構成される。14は、光学系10の光軸を表す。21は光学像を電気信号に変換する撮像素子、22は撮像素子21にて結像した光学像のアナログ信号出力をデジタル信号に変換するA/D変換器(アナログ トゥ ディジタル変換器)である。24は撮像素子21、A/D変換器22、D/A変換器27にクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生部であり、メモリ制御部25及びシステム制御部50により制御される。
【0016】
23は画像処理部であり、A/D変換器22からのデータ或いはメモリ制御部25からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理やガンマ処理を行う。また、画像処理部23では、撮像した画像データを用いて所定の処理を行い、得られた結果に基づいてシステム制御部50が露光制御部41、フォーカス制御部42に対して制御を行う。つまり、コントラスト方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理等を行う。さらに、画像処理部23では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてAWB(オートホワイトバランス)処理も行うことも可能である。なお、露光制御部の具体的な演算処理については後に詳述する。
【0017】
25はメモリ制御部であり、A/D変換器22、画像処理部23、タイミング発生部24、画像表示メモリ26、D/A変換器27、圧縮伸長部28、内部メモリ29を制御する。A/D変換器22のデータが画像処理部23、メモリ制御部25を介して、或いはA/D変換器22のデータが直接メモリ制御部25を介して、画像表示メモリ26或いは内部メモリ29に書き込まれる。26は画像表示メモリ、27はD/A変換器である。7はTFT,LCD等から成る画像表示部であり、画像表示メモリ26に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器27を介して画像表示部7により表示される。画像表示部7を用いて撮像した画像データを逐次表示すれば、電子ファインダ機能を実現することが可能である。また、画像表示部7には画像が表示されるだけでなく、画像表示と共に、もしくは画像を表示することなく、撮像装置1の各種設定に関する様々なメニュー項目も表示する。ユーザは画像表示部7に表示されたメニュー項目を、操作スイッチ5を操作しながら適宜選択することにより、指定した項目の設定を変更することができる。
【0018】
28は適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長する圧縮伸長部であり、内部メモリ29に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータを内部メモリ29に書き込む。29は撮影した静止画像や動画像を格納するための内部メモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みを内部メモリ29に対して行うことが可能となる。また、内部メモリ29はシステム制御部50の作業領域としても使用することが可能である。
【0019】
41はシャッタ12や絞りユニット13を制御する露光制御部であり、ストロボ制御部8を介して制御されるストロボ9と連携することにより、ストロボ撮影にも対応する。42は焦点調節レンズ11bを制御するフォーカス制御部であり、43はスームレンズ11aによってズーミングを制御するズーム制御部であり、44はレンズの前面に配置される保護部材であるバリア2の動作を制御するバリア制御部である。
【0020】
9はストロボであり、ストロボ制御部8によって制御されることにより、AF補助光の投光機能、ストロボ調光機能にも対応する。50は撮像装置1全体を制御するシステム制御部であり、45はシステム制御部50の動作用の定数、変数、プログラム等を一時的に記憶する揮発性メモリである。
【0021】
46は電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。撮像装置1の動作時に必要な定数、変数、プログラム等を、撮像装置1の非動作時にも失われないように記録している。撮像装置1の動作時には、システム制御部50の呼び出し指示に応じて記録されている定数、変数、プログラム等をシステム制御部50に送る。システム制御部は必要に応じて、呼び出した定数、変数、プログラム等を、適宜利用できるようにメモリ45に展開する。
【0022】
加速度センサ83はX−Y軸またはX−Y−Z軸の振動検出センサであり、撮像装置1に加わる振れの加速成分(加速度)を検出する。この加速度センサ83は、撮像装置1に加わる振れの加速成分(加速度)を検出する。この加速度センサ83は、ジャイロセンサや姿勢センサなど、振動検出や姿勢検出が可能なセンサであれば1つのセンサであっても、複数のセンサを組み合わせて使用しても構わない。80は加速度検出センサ制御部であり、動作検出部81と姿勢検出部82で構成される。加速度センサ83からの加速度信号を検出して撮像装置1の姿勢状態の検出を行う。また、動作検出部81によって所定の振動の判定や、静止状態の判定を行う。更に、姿勢検出部82において所定の姿勢であることを検出した場合は、システム制御部を介して操作スイッチ5やレリーズスイッチ3、モードダイヤル4といった操作部材からの操作入力を無効にする。また、加速度検出センサ制御部80は検出周期制御部84に対して加速度センサの検出周期を制御している。
【0023】
47はシステム制御部50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を表示する液晶表示装置等の表示部である。この表示部47は撮像装置1の操作部近辺の視認し易い位置に単数或いは複数個所設置され、例えばLCDやLEDの組み合わせにより構成されている。また、表示部47は、その一部の機能が光学ファインダ6内に設置されていることもある。表示部47では、例えばシャッタスピードや絞り値、露出補正やストロボ発光の設定などを表示する。さらに、表示部47は撮影準備の完了や撮像装置1の静止状態をユーザに対し報知するために撮像装置1の正面(光学レンズ側)に単数または複数個設置されている。
【0024】
3,4および5はシステム制御部50の各種の動作指示を入力するための操作部であり、スイッチやダイアル、タッチパネル、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。
【0025】
3はレリーズスイッチであり、具体的には2段階に押し込むことができるように構成されている。ユーザは、1段目までの押し込み操作である半押し操作(SW1のオン)で撮影準備指示を行い、2段目までの押し込み操作である全押し(SW2のオン)操作で撮影指示を行うことができる。撮影準備指示であるSW1のオンで、システム制御部50は、AF(オートフォーカス)処理や、AE(自動露出)処理などの撮影準備動作を行うように制御する。そして、撮影指示であるSW2のオンで、システム制御部50は、露光制御部41を介してシャッタ12や絞りユニット13を駆動して、被写体画像を撮像素子21により取り込む制御を行う。具体的には、撮像素子21を蓄積状態にして、シャッタ12を開閉駆動することで被写体像を露光する。シャッタ12が閉状態に戻って撮像素子21の電荷蓄積を終了した後に、蓄積された電荷を信号として読み出す。システム制御部50およびメモリ制御部25は、撮像素子21から読み出した信号を、A/D変換器22、画像処理部23、圧縮伸張部28および内部メモリ29を用いて一連の現像処理や画像処理を行って画像データを生成する。そして、生成された画像データは、撮像装置1側のインタフェース51とコネクタ52、および着脱可能である記録媒体60側のコネクタ61とインタフェース62を介して、記録媒体60の記録部63に画像ファイルとして記録される。記録部60としては、ハードディスクやフラッシュメモリなどの、複数枚の画像データを記録するのに十分な容量を有するものが適している。なお、53は撮像装置1に対して記録媒体60が装着されているか否かを検出する記録媒体着脱検出部である。
【0026】
4はモードダイアルスイッチであり、電源オフ、撮影モード、再生モード、PC接続モード等の各機能モードを切り換えて設定することができる。5は各種ボタンやタッチパネル等からなる操作スイッチであり、メニューボタン、セットボタン、ストロボ設定ボタン等が設けられている。
【0027】
6は光学ファインダであり、直接的に被写体を確認することが可能である。この場合、画像表示部7による電子ファインダ機能を使用すること無しに、光学ファインダ6のみを用いて撮影を行える。また、光学ファインダ6内には表示部47の一部を配設して、例えば、シャッタスピードや絞り値などを確認できるようにしても良い。
【0028】
48は電源制御部であり、電池検出回路、DC/DCコンバータ、通電するブロックを切り換えるスイッチ回路等により構成されている。そして、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い検出結果をシステム制御部50に送る。また、システム制御部50の指示に基づいて、必要な電力を適宜撮像装置1の各部へ供給する。
【0029】
70は供給電源であり、コネクタ71と撮像装置1側のコネクタ49を介して、電源部72の電力を撮像装置1側に供給する。電源部72は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池、またはNiCd電池やNiMH電池やLi電池等の二次電池、ACアダプター等のいずれか、もしくはこれらの組合わせにより構成される。
【0030】
54は通信制御部であり、USBやIEEE1394、LAN、無線通信等の各種通信機能をサポートする。55は、通信部54により撮像装置1を他の機器と接続するためのコネクタ、あるいは無線通信をするためのアンテナである。
【0031】
次に図2と図4を用いて本発明の一実施例としての撮像装置を振った動作を加速度波形によって検出する方法について説明する。
【0032】
撮像装置に生じる加速度には、地球の重力による重力加速度と動きによって発生する加速と減速による加速度が挙げられる。重力加速度は常に物体に対してかかっているものであり、自由落下したときには0になる。一方、物体が動く時に生じる加速度には、進行方向を正方向としたときに、物体が動き始める時(加速時)に発生する正の加速度成分を持った加速度と、物体が止まる時(減速時)に発生する負の加速度成分を持った加速度が発生する。この際、加速度波形では、加速時には正の向きを持った山が現れ、また減速時には負の向きを持った山が現れる。即ち、加速時と減速時にはそれぞれ逆向きなって波形の山が現れる。また等速運動している間は、加速度は発生しないため0である。
【0033】
ここで、撮像装置を振ったときにはどのような加速度波形になるのかを例を挙げて説明する。
【0034】
図2は、本実施例の撮像装置が図16の(1)状態のように地面と水平の状態にあった場合と図16の(3)の状態のように振り上げた状態での座標系と、X軸方向とY軸方向への加速度を検出する加速度センサを搭載した時の、重力加速度の検出を表した図である。
【0035】
撮像装置の縦方向をY軸、横方向をX軸とする。Y軸は図2(a)のように、光軸と垂直をなす平面内においての鉛直方向であり、上向きを正とする。同様に、X軸は図2(a)のように、光軸と垂直をなす平面内においてY軸と垂直となる方向であり、表示部7を前にして右向きを正とする。これは、通常の撮像装置が右手でシャッタ等の操作部材を操作するようになっているため、撮像装置を振る動作は、大抵の場合、右手で持って手首またはひじを回転中心として振り上げたり振り下ろしたりという動作になるからである。よって、左手で操作する用の撮像装置であっても、X軸の正負を逆にすれば同じ効果が得られることになる。
【0036】
図2(a)は撮像装置が地面に対して水平に配置されている状態である。この状態は、撮像装置の表示部に表示された画像を見る時などに多く用いられる姿勢である。図2(c)は、図2(a)の姿勢における重力加速度の検出を表した図である。この場合、水平な姿勢ではY軸方向に重力加速度が全て発生し、X軸方向には重力加速度の影響を受けないため、静止状態での重力加速度は、X軸方向は0gレベル、Y軸方向は1gレベルになる。
【0037】
一方で、図2(b)は撮像装置を地面に対して角度αだけ傾いた状態である。この場合、図2(d)のように、撮像装置を水平からα傾けた角度まで振り上げたときの状態でのX軸の重力加速度は(sinα)gレベルとなり、Y軸の重力加速度は(cosα)gレベルとなる。このため、静止状態であっても、振り上げたときの状態と水平な姿勢との加速度レベルには差が生じることになる。
【0038】
図3(a)から(c)は、撮像装置を振り上げた時もしくは振り下げた時に加速度センサから検出される加速度のX軸方向成分を表した波形である。横軸が時間、縦軸が撮像装置を水平な姿勢から振り上げた時の加速度成分を表している。
【0039】
図3(a)は、撮像装置を水平な状態から、振り上げ始めのタイミングで加速し、振り上げ終わりのところで減速して停止した時の、加速度のX軸方向成分の波形を示している。即ち、図16の(1)から図16の(2)を経て、図16の(3)に移行した状態である。この場合、振り始めの加速時にピーク501と、振り終わりの減速時にピーク502において加速度が検出される。座標系においては図2(a)の状態から図2(b)の状態へと移行したので、振り前後の静止中における重力加速度のX軸方向成分は、図2(c)のように0gレベルから図2(d)のように(sinα)gレベルに移行する。
【0040】
また、図3(b)は、撮像装置を振り上げた状態から加速して振り下ろし、水平位置へ振り下ろしたところで減速して停止した時の、加速度センサから検出される加速度のX軸成分の波形を示している。即ち、図16の(3)から図16の(2)を経て、図16の(1)に移行した状態である。この場合、加速度は振り始めの加速時にピーク503が、振り終わりの減速時にピーク504が検出される。座標系においては図2(b)の状態から図2(a)の状態へと移行したので、振り前後の静止中における重力加速度のX軸方向成分は、図2(d)のように(sinα)gレベルから図2(c)のように0gレベルに移行する。
【0041】
そして、実際に撮像装置を振り上げた後に振り下げる際の加速度波形は、図3(c)に示すように、ちょうど図3(a)と図3(b)の加速度波形を組み合わせたような波形になる。図3(c)のピーク505は振り上げ動作を実行した時の加速によって表れる加速度のピークである。そしてピーク506は、振り上げが終わり、振り下げに入ろうとしている状態での、振り上げ時の減速と振り下げ時の加速が合わさって表れる加速度のピークである。そして、ピーク507は振り下ろしを行った際の、減速時に表れる加速度のピーク507である。このピーク505を第一の加速度波形、ピーク506を第2の加速度波形、ピーク507を第3の加速度波形とする。
【0042】
ピーク506は重力加速度の影響を含んでいるため、重力加速度分だけピークが大きくなる傾向があり、加速度によって撮像装置を振る動作の検出に有効に利用することができる。また、図3(c)は一旦振り上げてから振り下ろす動作の加速度波形を示しているが、一旦振り下げてから振り上げる動作の場合は図3(c)の波形に対して逆位相の波形になり、静止時の出力が(sinα)gレベルとなる。
【0043】
図4は図3(c)のように実際に撮像装置を振り下ろしたときの、加速度検出器(本実施例においては加速度センサ)によって検出された、加速度のX軸方向成分の一例を示すものである。横軸は時間、縦軸は加速度センサの出力であり、符号によって加速度の方向を表すものとする。
【0044】
第1の閾値である閾値Aおよび閾値−Aは、本実施例の撮像装置が動いているか否かを判定するための閾値であるとする。静止状態において水平状態にある場合は、図2(c)より加速度のX軸成分は検出されないため0(0g)である。よって、検出された加速度が閾値−A以上若しくは閾値A未満の範囲であれば、撮像装置は動いていない状態と判定され、逆に検出された加速度が閾値−A以下または閾値Aより大きければ撮像装置が動いていると判定される。
【0045】
一方、第2の閾値である閾値Bおよび閾値−Bは、撮像装置が所定の振り方で振られたかを判定するための閾値である。そのため、閾値−B<閾値−A、閾値A<閾値Bという関係で閾値が設定されているものである。よって、検出された加速度が閾値A以上であり閾値B未満であるか、若しくは閾値−A以下であり−Bより大きければ、撮像装置が動いてはいるものの所定の振り方では振られていないと判定する。その一方で、検出された加速度が閾値B以上若しくは−B以下であれば、撮像装置が動いており、かつ所定の振り方で振られていると判定する。
【0046】
また、第3の閾値である閾値Cおよび閾値−Cは、撮像装置が所定の強さの範囲内で振られたかを判定するための閾値である。そのため、閾値−C<閾値−B、閾値B<閾値Cという関係で閾値が設定されているものである。よって、検出された加速度が閾値B以上であり閾値C未満であるか、若しくは閾値−B以下であり−Cより大きければ、撮像装置が所定の振り方で振られていると判定する。その一方で、検出された加速度が閾値C以上若しくは−C以下であれば、撮像装置の振り方が強過ぎると判定する。撮像装置を強く振ると、誤って手から離れて落下する可能性が高くなるため、撮像装置の振り方が強過ぎると判定された場合は警告する。警告の方法は表示部47に警告文を表示しても良いし、不図示のスピーカーから警告音を発しても良い。
【0047】
なお、図4のピークである301から303のうち、最も加速度の絶対値が大きい302が図3(c)における第2の加速度波形に該当する。そして撮像装置を振り下げることが目的である場合は振り下げ動作を表し、振り上げることが目的である場合は振り上げ動作を表している。この場合、301は図3(c)における第1の加速度波形であり、振り下げのための準備動作である振り上げ動作の加速である。また、303は図3(c)における第3の加速度波形であり、振り下げ時の減速を検出した時の波形である。もし本動作が振り上げ動作であった場合は、波形がX軸に対して線対称になる(正負が逆になる)ことになり、第1の加速度波形301と第3の加速度波形303は上向きとなる。なお、最も加速度の絶対値が大きい波形が必ずしも本動作を示すとは限らず、本動作は準備動作よりも強く振られる可能性が高いというだけである。本発明における本動作の波形検出方法は後に説明する。
【0048】
310は第2の加速度波形302が閾値A(若しくは−A)を跨いだ時である。また、311は、第2の加速度波形302が閾値A(若しくは−A)を1回跨いだ後に再び跨いだ時である。そして312は、第3の加速度波形303が閾値A(若しくは−A)を1回跨いだ後に再び跨いだ時である。閾値S1および閾値S2は、第2の加速度波形(本動作)が閾値A以上または閾値−A以下になっている間の時間t1に対する閾値である。即ち、第2の加速度波形302が閾値Aを越えて再びAを下回る(若しくは、閾値−Aを下回って、再び閾値−Aを越える)までの時間である。閾値S1≦時間t1≦閾値S2の条件を満たす時、第2の加速度波形(本動作)が検出されたとする。
【0049】
また、撮像装置が動いていない状態(加速度が閾値−Aより大きく、閾値A未満の範囲)が閾値Eの時間以上継続されていれば、振り動作が停止した位置であると判定する。この場合、撮像装置が動いていない状態、即ち加速度が閾値−Aより大きく、閾値A未満の範囲が閾値Eの時間以上継続されていない状態である時は、初めに加速度が閾値A若しくは−Aを越えたときから1回の動作であるとする。
【0050】
そのため、例えば図4の第3の加速度波形303は第1の加速度波形301と第2の加速度波形302と一連の動作と見なされる。そして第3の加速度波形303の後に加速度が閾値−Aより大きく、閾値A未満の範囲が閾値Eの時間以上継続された後に、再び加速度が閾値−A以下若しくは閾値A以上になったときに、新たな振りの検出を開始する。
【0051】
なお、図4では加速度レベルの閾値として、A、B、Cの3種類の値があり、それに加えてそれぞれに異符号となる値があるため、6つの値があるように説明しているが、それぞれ異なる6種類の値としても良い。
【実施例1】
【0052】
上記の特徴を利用して撮像装置を振った方向を検出する一手法について、撮像装置を振ったときの加速度出力を表している図4の波形と、図5から図8のフローチャートを用いて説明する。
【0053】
図5は動作検出部81が撮像装置を振り動作を検出する処理の流れを示すフローチャートである。図4の波形を例にとって、撮像装置を振った動作を検出する処理を説明する。
【0054】
加速度が図4に示した閾値A若しくは閾値−Aを跨いだとき(図4のプロット310)、撮像装置が振られたことを検出する処理が開始される。撮像装置が振られたことを検出する処理が開始されると、まずステップS100にて第1の加速度波形検出を行う。
【0055】
第1の加速度波形が閾値A若しくは−Aを跨ぐと、第1の加速度波形が検出されたと判断される(S100でYes)。このステップS100の動作については、後に図6を用いて詳細に説明する。
【0056】
第1の加速度波形が検出されると、次にステップS101にて第2の加速度波形の検出処理を行う。第2の加速度波形が閾値B若しくは−Bを跨ぐと(図4のプロット312)、第2の加速度波形が検出したと判断される(S101でYes)このステップS101の動作については、後に図7を用いて詳細に説明する。
【0057】
ステップS102においては、第1の加速度波形が検出され(ステップS100でYes)、かつ第2の加速度波形が検出されると(ステップS101でYes)、撮像装置が振られたか、また上に振られたか下に降られたかを判定する。なお、詳細は後述するが、第2の加速度波形は第1の加速度波形検出で跨いだ閾値とは異符号である必要がある。例えば、第1の加速度波形検出が閾値−Bを跨ぐことによって行われた場合は、第2の加速度波形検出が閾値Bを跨ぐ必要がある。これは第1の加速度波形検出が本動作の前の準備動作であり、本動作とは逆向きに振られているためである。このステップS102の動作については、後に図8を用いて詳細に説明する。
【0058】
そして、ステップS102で撮像装置が振られたと判定されれば(ステップS102でYes)、振り動作検出を終了する。なお、上記ステップS100からステップS102までの判定条件で何れかがNoの判定になると、直ぐに振り動作検出が出来なかったと判定して(ステップS103)、振り動作検出を終了する。
【0059】
次に、本実施例における第1の加速度波形検出(図5におけるステップS100)について、図4の振り動作波形の一例と図6の第1の加速度波形を検出するためのフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0060】
ステップS200は、加速度が閾値−A以下になったかどうかを判定する。加速度が閾値−A以下になったとき(ステップS200でYes)、第1の加速度波形は下向きの波形として検出され(ステップS203)、第1の加速度波形検出を終了する。
【0061】
また、加速度が閾値−Aより大きい場合(ステップS200でNo)、ステップS204にて、加速度が閾値A以上になったかどうかを判定する。加速度が閾値A以上になったとき(ステップS204でYes)、第1の加速度波形は上向きの波形として検出され(ステップS207)、第1の加速度波形検出を終了する。
【0062】
なお、ステップS204で加速度が閾値A未満の場合は、ステップS200にて加速度が閾値−Aより大きいため、閾値を跨いでおらず、静止状態であるため、再びS200へ戻る。
【0063】
続いて、本実施例における第2の加速度波形検出(図5におけるステップS101)について、図4の振り動作波形の一例と図7の第2の加速度波形を検出するためのフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0064】
図5のステップS100にて第1の加速度波形が検出された直後に、加速度が閾値A以上になったとき(ステップS300)、加速度が閾値A以上になっている間のピーク値(最大値)を検出する。加速度の検出は、検出周期制御部84にて制御されている加速度センサの検出周期にて検出を行っている。そのため、閾値Aを越えてからのピーク値(最大値)を更新した際にピーク値(最大値)を上書きすることによって、閾値Aを越えてからの検出した波形のピーク値(最大値)を測定することができる。この波形のピーク値(最大値)が閾値B以上となったとき(ステップS301でYes)、第2の加速度波形は上向きの波形として検出され(ステップS304)、次の処理に移る。
【0065】
しかし、ステップS301において波形のピーク値が閾値B未満であり、閾値Bを越えないまま閾値Aを下回ってしまったら(ステップS301でNo)、第2の加速度波形を検出できなかったとする(ステップS310)。この場合は、図5のステップ103へと進み、直ちに加速度波形検出処理を終了する。
【0066】
図5のステップS100にて第1の加速度波形が検出された直後に、加速度が閾値A未満であるとき(ステップS300でNo)、加速度が閾値−A以下になったかどうかを判定する(ステップS305)。加速度が閾値−A以下になったと判定されたとき(ステップS305でYes)、加速度が閾値−A以下になっている間のピーク値(最小値)を検出する。加速度の検出は、検出周期制御部84にて制御されている加速度センサの検出周期にて検出を行っている。そのため、閾値−Aを下回ってからのピーク値(最小値)を更新した際に、ピーク値(最小値)を上書きすることによって、閾値−Aを下回ってからの検出した波形のピーク値(最小値)を測定することができる。この波形のピーク値(最小値)が、閾値−Aを再び跨ぐ前に、閾値−B以下となったとき(ステップS306でYes)、第2の加速度波形は下向きの波形として検出され(ステップS309)、次の処理に移る。
【0067】
しかし、ステップS306において波形のピーク値が閾値−Bより大きく、閾値−Bを下回らないまま閾値−Aを上回ってしまったら(ステップS306でNo)、第2の加速度波形を検出できなかったとする(ステップS310)。この場合は、図5のステップ103へと進み、直ちに加速度波形検出処理を終了する。
【0068】
次に、本実施例における振り動作判定(図5におけるステップS102)について、図4の振り動作波形の一例と図8の第2の加速度波形を検出するためのフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0069】
ステップs400においては、ステップS203にて検出された第1の加速度波形が下向きの波形であったと判定されたかどうかを判断する。ステップS203にて検出された第1の加速度波形が下向きの波形であったと判定された場合(ステップS400でYes)は、ステップS401へ進む。また、ステップS203にて検出された第1の加速度波形が下向きの波形であったと判定されなかった場合(ステップS400でNo)、つまりステップS207にて上向きの波形と判定された場合は、ステップS403へ進む。
【0070】
ステップS401においては、ステップS304にて第2の加速度波形の向きが上向きと判定されているかどうかを判断する。もしステップS304にて第2の加速度波形の向きが上向きと判定されていれば(ステップS401でYes)、ステップS402へ進み、ステップS402にて撮像装置は振り下ろし動作が行われたと判定される。ここで、もしステップS304にて第2の加速度波形の向きが上向きと判定されなかったときは(ステップS401でNo)、ステップS405へ進み、振り動作は検出されなかったと判定される。この場合は、図5のステップ103へと進み、直ちに加速度波形検出処理を終了する。
【0071】
ステップS403においては、ステップS309にて第2の加速度波形の向きが下向きと判定されているかどうかを判断する。もしステップS309にて第2の加速度波形の向きが下向きと判定されていれば(ステップS403でYes)、ステップS405へ進み、ステップS405にて撮像装置は振り上げ動作が行われたと判定される。ここで、もしステップS309にて第2の加速度波形の向きが下向きと判定されなかったときは(ステップS403でNo)、ステップS405へ進み、振り動作は検出されなかったと判定される。この場合は、図5のステップ103へと進み、直ちに加速度波形検出処理を終了する。
【実施例2】
【0072】
本実施例においては、撮像装置などの携帯機器を振って操作する場合、所定の振る強さよりも強い動作で振られた場合は、操作者に対して強すぎることを警告する実施例である。
【0073】
本実施例は、実施例1と同じ構成の撮像装置を用いて説明する。図5は動作検出部81が撮像装置の振り動作を検出する処理の流れを示すフローチャートである。図4の波形を例にとって、撮像装置を振った動作を検出する処理を説明する。
【0074】
加速度が図4に示した閾値A若しくは閾値−Aを跨いだとき(図4のプロット310)、撮像装置が振られたことを検出する処理が開始される。撮像装置が振られたことを検出する処理が開始されると、まずステップS100にて第1の加速度波形検出を行う。第1の加速度波形が閾値A若しくは−Aを跨ぐと、第1の加速度波形が検出されたと判断される(S100でYes)。このステップS100の動作については、後に図9を用いて詳細に説明する。
【0075】
第1の加速度波形が検出されると、次にステップS101にて第2の加速度波形の検出処理を行う。第2の加速度波形が閾値B若しくは−Bを跨ぐと(図4のプロット312)、第2の加速度波形が検出したと判断される(S101でYes)。このステップS101の動作については、後に図9を用いて詳細に説明する。
【0076】
ステップS102においては、第1の加速度波形が検出され(ステップS100でYes)、かつ第2の加速度波形が検出されると(ステップS101でYes)、撮像装置が振られたか、また上に振られたか下に降られたかを判定する。なお、第2の加速度波形は第1の加速度波形検出で跨いだ閾値とは異符号である必要がある。例えば、第1の加速度波形検出が閾値−Aを跨ぐことによって行われた場合は、第2の加速度波形検出が閾値Bを跨ぐ必要がある。これは第1の加速度波形検出が本動作の前の準備動作であり、本動作とは逆向きに振られているためである。このステップS102の動作についての詳細な説明は、実施例1のステップ102と同じであるため割愛する。
【0077】
そして、ステップS102で撮像装置が振られたと判定されれば、振り動作検出を終了する(ステップS102でYes)。なお、上記ステップS100からステップS102までの判定条件で何れかがNoの判定になると、直ぐに振り動作検出が出来なかったとして(ステップS103)、振り動作検出を終了する。
【0078】
次に、本実施例における第1の加速度波形検出(図5におけるステップS100)について、図4の振り動作波形の一例と図9の第1の加速度波形を検出するためのフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0079】
ステップS200は、加速度が閾値−A以下になったかどうかを判定する。加速度が閾値−A以下になったとき(ステップS200でYes)、ステップS202へ進む。ステップS202では、加速度が閾値−C以下になっていないかを判定する。加速度が閾値−Cより大きい場合は、第1の加速度波形は下向きの波形として検出され(ステップS203)、第1の加速度波形検出を終了する。加速度が閾値−C以下である場合は、第1の加速度波形を検出できなかったとし、(ステップS208)。画像表示部7に振り方が強すぎる旨の警告表示を行う。また、警告は表示だけに限られず、不図示のスピーカーより音声による警告をしても良い。そして、図5のステップ103へと進む(ステップS100にてNo)。
【0080】
また、加速度が閾値−Aより大きい場合(ステップS200でNo)、ステップS204にて、加速度が閾値A以上になったかどうかを判定する。加速度が閾値A以上になったとき(ステップS204でYes)、ステップS206へと進む。ステップS206では、加速度が閾値Cより大きくなっていないかを判定する。加速度が閾値Cより大きい場合は、第1の加速度波形は上向きの波形として検出され(ステップS207)、第1の加速度波形検出を終了し、次の処理へ移る。加速度が閾値Cよりも大きい場合は、第1の加速度波形を検出できなかったとする(ステップS208)。この場合は、図5のステップ103へと進む(ステップS100にてNo)。
【0081】
なお、ステップS204で加速度が閾値A未満の場合は、ステップS200にて加速度が閾値−Aより大きいため、閾値を跨いでおらず、静止状態であるため、再びS200へ戻る。
【0082】
続いて、本実施例における第2の加速度波形検出(図5におけるステップS101)について、図4の振り動作波形の一例と図10の第2の加速度波形を検出するためのフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0083】
図5のステップS100にて第1の加速度波形が検出された直後に、加速度が閾値A以上になったとき(ステップS300)、加速度が閾値A以上になっている間のピーク値(最大値)を検出する。加速度の検出は、検出周期制御部84にて制御されている加速度センサの検出周期にて検出を行っている。そのため、閾値Aを越えてからのピーク値(最大値)を更新した際にピーク値(最大値)を上書きすることによって、閾値Aを越えてからの検出した波形のピーク値(最大値)を測定することができる。この波形のピーク値(最大値)が閾値B以上となったとき(ステップS301でYes、時間310)、ステップS302へ進む。
【0084】
しかし、ステップS301において波形のピーク値が閾値B未満であり、閾値Bを越えないまま閾値Aを下回ってしまったら(ステップS301でNo、時間311)、ステップS310へ進む。そして第2の加速度波形を検出できなかったとして第2の加速度波形検出を終了し、次の処理へ移る。この場合、図5のステップ103へと進む(ステップS101にてNo)。
【0085】
ステップS302では、加速度のピーク値(最大値)が閾値C以上になっていないかを判定する。加速度のピーク値(最大値)が閾値C未満の場合は、第2の加速度波形は上向きの波形として検出され(ステップS304)、第2の加速度波形検出を終了する。加速度のピーク値(最大値)が閾値C以上である場合は(ステップS302でNo)、加速度波形検出を終了し、画像表示部7などに振り方が強すぎる旨の警告表示を行う(ステップS311)。また、警告は表示だけに限られず、不図示のスピーカーより音声による警告をしても良い。この場合、図5のステップ103へと進む(ステップS101にてNo)。
【0086】
一方で、図5のステップS100にて第1の加速度波形が検出された直後に、加速度が閾値A未満であるとき(ステップS300でNo)、加速度が閾値−A以下になったかどうかを判定する(ステップS305)。加速度が閾値−A以下になったと判定されたとき(ステップS305でYes)、加速度が閾値−A以下になっている間のピーク値(最小値)を検出する。加速度の検出は、検出周期制御部84にて制御されている加速度センサの検出周期にて検出を行っている。そのため、閾値−Aを下回ってからのピーク値(最小値)を更新した際に、ピーク値(最小値)を上書きすることによって、閾値−Aを下回ってからの検出した波形のピーク値(最小値)を測定することができる。この波形のピーク値(最小値)が、閾値−Aを再び跨ぐ前に、閾値−B以下となったとき(ステップS306でYes)、ステップS307へ進む。
【0087】
しかし、ステップS306において波形のピーク値が閾値−Bより大きく、閾値−Bを下回らないまま閾値−Aを上回ってしまったら(ステップS306でNo)、第2の加速度波形を検出できなかったとする(ステップS310)。この場合は、図5のステップ103へと進み、直ちに加速度波形検出処理を終了する。
【0088】
ステップS307では、加速度のピーク値(最小値)が閾値−C以下になっていないかを判定する。加速度のピーク値(最小値)が閾値−C以上の場合は、第2の加速度波形は下向きの波形として検出され(ステップS309)、第2の加速度波形検出を終了する。加速度のピーク値(最小値)が閾値−C未満である場合は(ステップS307でNo)、加速度波形検出を終了し、画像表示部7などに振り方が強すぎる旨の警告表示を行う(ステップS311)。また、警告は表示だけに限られず、不図示のスピーカーより音声による警告をしても良い。この場合、図5のステップ103へと進む(ステップS101にてNo)。
【0089】
以上、第2の実施形態について撮像装置は、振り動作を検出する際に、振り加減が所望な強さよりも強いときには、落下などの注意を促すために強すぎることを警告表示する。これによって撮像装置などの携帯機器を振って操作する場合、操作者の手から誤って離れてしまい、携帯機器が投げ出されてしまったり、落下させてしまったりするなどを防止に繋がる。なお、弱い時は振り方が弱すぎることを警告表示しても良い。
【実施例3】
【0090】
本実施例においては、再生モードと撮影モードがある撮像装置などの携帯機器を振って操作することで、再生する画像の順送り若しくは逆送りを実行する実施例である。なお、再生モードを実行することによって、使用者は画像表示部7などを通して記憶部63に記憶した画像を見ることができる。
【0091】
本実施例は、実施例1と同じ構成の撮像装置を用いて説明する。図5は動作検出部81が撮像装置を振り動作を検出する処理の流れを示すフローチャートである。図4の波形を例にとって、撮像装置を振った動作を検出する処理を説明する。
【0092】
加速度が図4に示した閾値A若しくは閾値−Aを跨いだとき(図4のプロット310)、撮像装置が振られたことを検出する処理が開始される。撮像装置が振られたことを検出する処理が開始されると、まずステップS100にて第1の加速度波形検出を行う。第1の加速度波形が閾値A若しくは−Aを跨ぐと、第1の加速度波形が検出したと判断される(S100でYes)。このステップS100の動作についての詳細な説明は、実施例1のステップ100と同じであるため割愛する。
【0093】
第1の加速度波形が検出されると、次にステップS101にて第2の加速度波形の検出処理を行う。第2の加速度波形が閾値B若しくは−Bを跨ぐと(図4のプロット312)、第2の加速度波形が検出したと判断される(S101でYes)。このステップS101の動作についての詳細な説明は、後に図11を用いて詳細に説明する。
【0094】
ステップS102においては、第1の加速度波形が検出され(ステップS100でYes)、かつ第2の加速度波形が検出されると(ステップS101でYes)、撮像装置が振られたか、また上に振られたか下に降られたかを判定する。なお、第2の加速度波形は第1の加速度波形検出で跨いだ閾値とは異符号である必要がある。例えば、第1の加速度波形検出が閾値−Bを跨ぐことによって行われた場合は、第2の加速度波形検出が閾値Bを跨ぐ必要がある。これは第1の加速度波形検出が本動作の前の準備動作であり、本動作とは逆向きに振られているためである。このステップS102の動作については、実施例1のステップS102の動作と同じであるため、本実施例においての詳細な説明は省略する。
【0095】
そして、ステップS102で撮像装置が振られたと判定されれば、振り動作検出を終了する(ステップS102でYes)。なお、上記ステップS100からステップS102までの判定条件で何れかがNoの判定になると、直ぐに振り動作検出が出来なかったとして(ステップS103)、振り動作検出を終了する。
【0096】
続いて、本実施例におけるの第2の加速度波形検出(図5におけるステップS101)について、図4の振り動作波形の一例と図11の第2の加速度波形を検出するためのフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0097】
図5のステップS100にて第1の加速度波形が検出された直後に、加速度が閾値A以上になったとき(ステップS300)、加速度が閾値A以上になっている間のピーク値(最大値)を検出する。加速度の検出は、検出周期制御部84にて制御されている加速度センサの検出周期にて検出を行っている。そのため、閾値Aを越えてからのピーク値(最大値)を更新した際にピーク値(最大値)を上書きすることによって、閾値Aを越えてからの検出した波形のピーク値(最大値)を測定することができる。この波形のピーク値(最大値)が閾値B以上となったとき(ステップS301でYes)、第2の加速度波形は上向きの波形として検出され(ステップS304)、ステップS320へと移る。ステップS320においては、画像表示部7に表示している画像を、次の画像に変更する。また、ステップS320においては、図4のプロット313のタイミング、即ち再び閾値Aを越えるタイミングで、画像表示部7に表示している画像を、前の画像に変更する。このとき、画像の表示順序はファイルの名前や番号であってもよいし、撮影した日時や記録部61に記憶した日時であっても構わない。
【0098】
しかし、ステップS301において波形のピーク値が閾値B未満であり、閾値Bを越えないまま閾値Aを下回ってしまったら(ステップS301でNo)、第2の加速度波形を検出できなかったとする(ステップS310)。この場合は、図5のステップ103へと進み、直ちに加速度波形検出処理を終了し、次の処理へ移る。
【0099】
図5のステップS100にて第1の加速度波形が検出された直後に、加速度が閾値A未満であるとき(ステップS300でNo)、加速度が閾値−A以下になったかどうかを判定する(ステップS305)。加速度が閾値−A以下になったと判定されたとき(ステップS305でYes)、加速度が閾値−A以下になっている間のピーク値(最小値)を検出する。加速度の検出は、検出周期制御部84にて制御されている加速度センサの検出周期にて検出を行っている。そのため、閾値−Aを下回ってからのピーク値(最小値)を更新した際に、ピーク値(最小値)を上書きすることによって、閾値−Aを下回ってからの検出した波形のピーク値(最小値)を測定することができる。この波形のピーク値(最小値)が、閾値−Aを再び跨ぐ前に、閾値−B以下となったとき(ステップS306でYes)、第2の加速度波形は下向きの波形として検出され(ステップS309)、ステップS321へと移る。ステップS321においては、図4のプロット313のタイミング、即ち再び閾値Aを越えるタイミングで、画像表示部7に表示している画像を、前の画像に変更する。このとき、画像の表示順序はファイルの名前や番号であってもよいし、撮影した日時や記録部61に記憶した日時であっても構わないが、ステップS320で表示される画像と順序が逆になるようにする。但し、ランダム再生のようにランダムで画像の表示順序を決める特殊なモードがあるときは、その限りではない。
【0100】
しかし、ステップS306において波形のピーク値が閾値−Bより大きく、閾値−Bを下回らないまま閾値−Aを上回ってしまったら(ステップS306でNo)、第2の加速度波形を検出できなかったとする(ステップS310)。この場合は、図5のステップ103へと進み、直ちに加速度波形検出処理を終了し、次の処理へ移る。
【0101】
これによって、再生モード時に画像が表示されている状態で撮像装置を決められた方向に振ることで、振る方向によって画像の送り方向が変えられる撮像装置を提供することができる。また、本実施例に係る撮像装置は、第2の加速度波形を検出した際にどちらに振られたか判定するので、本動作時に画像送りが開始できる。これによって、使用者がスムーズかつ直感的に画像送りをすることができる操作系を搭載した撮像装置を提供することができる。
【0102】
(実施例3の変形例)
ここまで、実施例3における第2の加速度波形検出(図5におけるステップS101)について、図4の振り動作波形の一例と図11の第2の加速度波形を検出するためのフローチャートを用いて詳しく説明した。ここで、実施例3におけるの第2の加速度波形検出(図5におけるステップS101)について、図11の代わりに図9の第1の加速度波形を検出するためのフローチャートを流用してもよい。即ち、図9の第1の加速度波形を検出するためのフローチャートのうち、ステップS304の後にステップS320の処理を行い、ステップS304の後にステップS321の処理を行っても同様の効果を得られる。
【0103】
また、実施例3においては、ステップS320及びステップS321にて、図4のプロット313のタイミングにて画像の変更を行った。ただし、効果が同じであれば特に限定は無く、プロット312の時点(閾値Bを越えたタイミング)で行っても、プロット315の時点(閾値Bを再び越えたタイミング)であってもよい。またプロット312のタイミングからプロット315のタイミングであれば、任意のタイミングで良い。
【実施例4】
【0104】
本実施例においては、本実施例に係る撮像装置が連続して振られたときの波形検出について説明する。なお、本実施例は、実施例1同じ構成の撮像装置を用いて説明する。
【0105】
図12は動作検出部81が撮像装置を振り動作を検出する処理の流れを示すフローチャートである。図4の波形を例にとって、撮像装置を振った動作を検出する処理を説明する。
【0106】
加速度が図4に示した閾値A若しくは閾値−Aを跨いだとき(図4のプロット310)、撮像装置が振られたことを検出する処理が開始される。撮像装置が振られたことを検出する処理が開始されると、まずステップS100にて第1の加速度波形検出を行う。
【0107】
第1の加速度波形が閾値A若しくは−Aを跨ぐと、第1の加速度波形が検出されたと判断される(S100でYes)。このステップS100の動作についての詳細な説明は、実施例1のステップ100と同じであるため割愛する。
【0108】
第1の加速度波形が検出されると、次にステップS101にて第2の加速度波形の検出処理を行う。第2の加速度波形が閾値B若しくは−Bを跨ぐと(図4のプロット312)、第2の加速度波形が検出したと判断される(S101でYes)。このステップS101の動作についての詳細な説明は、後に図13を用いて詳細に説明する。
【0109】
ステップS102においては、第1の加速度波形が検出され(ステップS100でYes)、かつ第2の加速度波形が検出されると(ステップS101でYes)、撮像装置が振られたか、また上に振られたか下に降られたかを判定する。なお、第2の加速度波形は第1の加速度波形検出で跨いだ閾値とは異符号である必要がある。例えば、第1の加速度波形検出が閾値−Aを跨ぐことによって行われた場合は、第2の加速度波形検出が閾値Bを跨ぐ必要がある。これは第1の加速度波形検出が本動作の前の準備動作であり、本動作とは逆向きに振られているためである。このステップS102の動作についての詳細な説明は、実施例1のステップ102と同じであるため割愛する。
【0110】
そして、ステップS102で撮像装置が振られたと判定されれば(ステップS102でYes)、ステップS104へ進む。なお、上記ステップS100からステップS102までの判定条件で何れかがNoの判定になると、直ぐに振り動作検出が出来なかったと判定して(ステップS103)、ステップS104へ進む。
【0111】
ステップS104においては、撮像装置が動いていない状態(加速度が閾値−Aより大きく、閾値A未満の範囲)が閾値Eの時間以上継続されていれば、振り動作が停止した位置であると判定し、加速度波形検出が終了したことを検出する。そして、そして振り動作検出を終了する。このステップS104の動作についての詳細な説明は、後に図14を用いて詳細に説明する。
【0112】
次に、本実施例における第2の加速度波形検出(図12におけるステップS101)について、図4の振り動作波形の一例と図13の第2の加速度波形を検出するためのフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0113】
図12のステップS100にて第1の加速度波形が検出された直後に、加速度が閾値A以上になったとき(ステップS300)、加速度が閾値A以上になっている間のピーク値(最大値)を検出する。加速度の検出は、検出周期制御部84にて制御されている加速度センサの検出周期にて検出を行っている。そのため、閾値Aを越えてからのピーク値(最大値)を更新した際にピーク値(最大値)を上書きすることによって、閾値Aを越えてからの検出した波形のピーク値(最大値)を測定することができる。この波形のピーク値(最大値)が閾値B以上となったとき(ステップS301でYes)、ステップS303へ進む。
【0114】
しかし、ステップS301において波形のピーク値が閾値B未満であり、閾値Bを越えないまま閾値Aを下回ってしまったら(ステップS301でNo)、第2の加速度波形を検出できなかったとする(ステップS310)。この場合は、図12のステップ103へと進み、加速度波形検出処理が出来なかったとして、ステップS104へ進む。
【0115】
ステップS303においては、加速度が閾値A以上になっている時間t1が、閾値S1以上かつ閾値S2以下であるかどうかを判断する。加速度が閾値A以上になっている時間t1が、閾値S1以上かつ閾値S2以下である場合は(S303でYes)、第2の加速度波形は上向きの波形として検出され(ステップS304)、第2の加速度波形検出を終了する。また、加速度が閾値A以上になっている時間t1が、閾値S1未満若しくは閾値S2より長い場合は(S303でNo)、第2の加速度波形を検出できなかったとする(ステップS310)。この場合は、図12のステップ103へと進み、加速度波形検出処理が出来なかったとして、ステップS104へ進む。
【0116】
図12のステップS100にて第1の加速度波形が検出された直後に、加速度が閾値A未満であるとき(ステップS300でNo)、加速度が閾値−A以下になったかどうかを判定する(ステップS305)。加速度が閾値−A以下になったと判定されたとき(ステップS305でYes)、加速度が閾値−A以下になっている間のピーク値(最小値)を検出する。加速度の検出は、検出周期制御部84にて制御されている加速度センサの検出周期にて検出を行っている。そのため、閾値−Aを下回ってからのピーク値(最小値)を更新した際に、ピーク値(最小値)を上書きすることによって、閾値−Aを下回ってからの検出した波形のピーク値(最小値)を測定することができる。この波形のピーク値(最小値)が、閾値−Aを再び跨ぐ前に、閾値−B以下となったとき(ステップS306でYes)、ステップS308へ進む。
【0117】
しかし、ステップS306において波形のピーク値が閾値−Bより大きく、閾値−Bを下回らないまま閾値−Aを上回ってしまったら(ステップS306でNo)、第2の加速度波形を検出できなかったとする(ステップS310)。この場合は、図12のステップ103へと進み、加速度波形検出処理が出来なかったとして、図12のステップS104へ進む。
【0118】
ステップS308においては、加速度が閾値−A未満になっている時間t1が、閾値S1以上かつ閾値S2以下であるかどうかを判断する。加速度が閾値−A未満になっている時間t1が、閾値S1以上かつ閾値S2以下である場合は(S308でYes)、第2の加速度波形は下向きの波形として検出され(ステップS309)、第2の加速度波形検出を終了する。また、加速度が閾値−A未満になっている時間t1が、閾値S1未満若しくは閾値S2より長い場合は(S308でNo)、第2の加速度波形を検出できなかったとする(ステップS310)。この場合は、図12のステップ103へと進み、加速度波形検出処理が出来なかったとして、図12のステップS104へ進む。
【0119】
次に、本実施例における加速度波形終了検出(図12におけるステップS104)について、図4の振り動作波形の一例と図14の加速度波形終了検出のためフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0120】
ステップS500においては、加速度が閾値−A以上かつ閾値A以下の範囲内であるかどうかを判定する。ステップS500にて、加速度が閾値−A以上かつ閾値A以下の範囲内であると判定された場合には(ステップS500でYes)、ステップS501へ進む。ステップS500にて加速度が閾値−A以上かつ閾値A以下の範囲内であると判定さなかった場合(ステップS500でNo)、即ち加速度が閾値−A未満若しくは閾値Aより大きいかった場合は、ステップS504へ進む。そしてステップS504にて加速度が閾値−A以上かつ閾値A以下の状態が継続されている時間(加速度継続時間)t2を初期化して、再びステップS500の判定を行う。
【0121】
ステップS501においては、加速度継続時間t2を計測し、ステップS502へ進む。そしてステップS502においては、加速度継続時間t2が閾値Eを越えているかどうかを判定する。加速度継続時間t2が閾値E以上である場合、ステップS503へと進み、加速度波形終了を検出する。一方で、加速度継続時間t2が閾値E未満である場合は、加速度継続時間t2のカウント続行しながら、再びステップS500へ戻る。
【0122】
この場合、加速度が閾値−A以上、閾値A以下の範囲が閾値Eの時間以上継続されていない状態である時は、初めに加速度が閾値A若しくは−Aを越えたときから1回の動作であるとする。そのため、例えば図4のピーク303はピーク301と302と一連の動作と見なされ、第3の加速度波形が新たな振りであると判定されることを防いでいる。
【0123】
本実施例に係る撮像装置は、加速度がある一定以上の大きさであっても、加速度の加わり方が短すぎたり長すぎたりした際には、エラーと判定することで振られたと検知しない。これによって、より正確に波形を検知し、直感的で分かりやすい操作系を提供する。また静止状態がある時間以上続かない場合は、1波形の検出とすることで、準備動作から本動作に該当する、第1、第2、第3の加速度波形の正確に検出できるようにするようになる。
【実施例5】
【0124】
本実施例においては、実施例1から4までの機能を全て搭載した撮像装置での波形検出について説明する。なお、本実施例は、実施例1と同じ構成の撮像装置を用いて説明する。
【0125】
図12は動作検出部81が撮像装置を振り動作を検出する処理の流れを示すフローチャートである。図4の波形を例にとって、撮像装置を振った動作を検出する処理を説明する。
【0126】
加速度が図4に示した閾値A若しくは閾値−Aを跨いだとき(図4のプロット310)、撮像装置が振られたことを検出する処理が開始される。撮像装置が振られたことを検出する処理が開始されると、まずステップS100にて第1の加速度波形検出を行う。
【0127】
第1の加速度波形が閾値A若しくは−Aを跨ぐと、第1の加速度波形が検出されたと判断される(S100でYes)。このステップS100の動作についての詳細な説明は、実施例2のステップ100と同じであるため割愛する。
【0128】
第1の加速度波形が検出されると、次にステップS101にて第2の加速度波形の検出処理を行う。第2の加速度波形が閾値B若しくは−Bを跨ぐと(図4のプロット311)、第2の加速度波形が検出したと判断される(S101でYes)。このステップS101の動作についての詳細な説明は、後に図15を用いて詳細に説明する。
【0129】
ステップS102においては、第1の加速度波形が検出され(ステップS100でYes)、かつ第2の加速度波形が検出されると(ステップS101でYes)、撮像装置が振られたか、また上に振られたか下に降られたかを判定する。なお、第2の加速度波形は第1の加速度波形検出で跨いだ閾値とは異符号である必要がある。例えば、第1の加速度波形検出が閾値−Aを跨ぐことによって行われた場合は、第2の加速度波形検出が閾値Bを跨ぐ必要がある。これは第1の加速度波形検出が本動作の前の準備動作であり、本動作とは逆向きに振られているためである。このステップS102の動作についての詳細な説明は、実施例1のステップ102と同じであるため割愛する。
【0130】
そして、ステップS102で撮像装置が振られたと判定されれば(ステップS102でYes)、ステップS104へ進む。なお、上記ステップS100からステップS102までの判定条件で何れかがNoの判定になると、直ぐに振り動作検出が出来なかったと判定して(ステップS103)、ステップS104へ進む。
【0131】
ステップS104においては、撮像装置が動いていない状態(加速度が閾値−Aより大きく、閾値A未満の範囲)が閾値Eの時間以上継続されていれば、振り動作が停止した位置であると判定し、加速度波形検出が終了したことを検出する。そして、そして振り動作検出を終了する。このステップS104の動作についての詳細な説明は、実施例4と同じであるため割愛する。
【0132】
次に、本実施例における第2の加速度波形検出(図12におけるステップS101)について、図4の振り動作波形の一例と図15の第2の加速度波形を検出するためのフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0133】
図12のステップS100にて第1の加速度波形が検出された直後に、加速度が閾値A以上になったとき(ステップS300)、加速度が閾値A以上になっている間のピーク値(最大値)を検出する。加速度の検出は、検出周期制御部84にて制御されている加速度センサの検出周期にて検出を行っている。そのため、閾値Aを越えてからのピーク値(最大値)を更新した際にピーク値(最大値)を上書きすることによって、閾値Aを越えてからの検出した波形のピーク値(最大値)を測定することができる。この波形のピーク値(最大値)が閾値B以上となったとき(ステップS301でYes)、ステップS302へ進む。
【0134】
しかし、ステップS301において波形のピーク値が閾値B未満であり、閾値Bを越えないまま閾値Aを下回ってしまったら(ステップS301でNo)、第2の加速度波形を検出できなかったとする(ステップS310)。この場合は、図12のステップ103へと進み、加速度波形検出処理が出来なかったとして、図12のステップS104へ進む。
【0135】
ステップS302では、加速度のピーク値(最大値)が閾値C以上になっていないかを判定する。加速度のピーク値(最大値)が閾値C未満の場合は、ステップS303へ進む。加速度のピーク値(最大値)が閾値C以上である場合は(ステップS302でNo)、加速度波形検出を終了し、画像表示部7などに振り方が強すぎる旨の警告表示を行う(ステップS311)。また、警告は表示だけに限られず、不図示のスピーカーより音声による警告をしても良い。この場合、図12のステップ103へと進む(ステップS101にてNo)。
【0136】
ステップS303においては、加速度が閾値A以上になっている時間t1が、閾値S1以上かつ閾値S2以下であるかどうかを判断する。加速度が閾値A以上になっている時間t1が、閾値S1以上かつ閾値S2以下である場合は(S303でYes)、第2の加速度波形は上向きの波形として検出され(ステップS304)、ステップS320へと移る。
【0137】
ステップS320においては、画像表示部7に表示している画像を、次の画像に変更する。また、ステップS320においては、図4のプロット313のタイミング、即ち再び閾値Aを越えるタイミングで、画像表示部7に表示している画像を、前の画像に変更する。このとき、画像の表示順序はファイルの名前や番号であってもよいし、撮影した日時や記録部61に記憶した日時であっても構わない。その後、第2の加速度波形検出を終了する。
【0138】
また、加速度が閾値A以上になっている時間t1が、閾値S1未満若しくは閾値S2より長い場合は(S303でNo)、第2の加速度波形を検出できなかったとする(ステップS310)。この場合は、図12のステップ103へと進み、加速度波形検出処理が出来なかったとして、図12のステップS104へ進む。
【0139】
一方で、図12のステップS100にて第1の加速度波形が検出された直後に、加速度が閾値A未満であるとき(ステップS300でNo)、加速度が閾値−A以下になったかどうかを判定する(ステップS305)。加速度が閾値−A以下になったと判定されたとき(ステップS305でYes)、加速度が閾値−A以下になっている間のピーク値(最小値)を検出する。加速度の検出は、検出周期制御部84にて制御されている加速度センサの検出周期にて検出を行っている。そのため、閾値−Aを下回ってからのピーク値(最小値)を更新した際に、ピーク値(最小値)を上書きすることによって、閾値−Aを下回ってからの検出した波形のピーク値(最小値)を測定することができる。この波形のピーク値(最小値)が、閾値−Aを再び跨ぐ前に、閾値−B以下となったとき(ステップS306でYes)、ステップS307へ進む。
【0140】
しかし、ステップS306において波形のピーク値が閾値−Bより大きく、閾値−Bを下回らないまま閾値−Aを上回ってしまったら(ステップS306でNo)、第2の加速度波形を検出できなかったとする(ステップS310)。この場合は、図12のステップ103へと進み、直ちに加速度波形検出処理を終了する。
【0141】
ステップS307では、加速度のピーク値(最小値)が閾値−C以下になっていないかを判定する。加速度のピーク値(最小値)が閾値−C以上の場合は、ステップS308へ進む。加速度のピーク値(最小値)が閾値−C未満である場合は(ステップS307でNo)、加速度波形検出を終了し、画像表示部7などに振り方が強すぎる旨の警告表示を行う(ステップS311)。また、警告は表示だけに限られず、不図示のスピーカーより音声による警告をしても良い。この場合、図12のステップ103へと進む(ステップS101にてNo)。
【0142】
ステップS308においては、加速度が閾値−A未満になっている時間t1が、閾値S1以上かつ閾値S2以下であるかどうかを判断する。加速度が閾値−A未満になっている時間t1が、閾値S1以上かつ閾値S2以下である場合は(S308でYes)、第2の加速度波形は下向きの波形として検出され(ステップS309)、ステップS321へと移る。ステップS321においては、画像表示部7に表示している画像を、前の画像に変更する。また、ステップS321においては、図4のプロット313のタイミング、即ち再び閾値Aを越えるタイミングで、画像表示部7に表示している画像を、前の画像に変更する。このとき、画像の表示順序はファイルの名前や番号であってもよいし、撮影した日時や記録部61に記憶した日時であっても構わないが、ステップS320で表示される画像と順序が逆になるようにする。但し、ランダム再生のようにランダムで画像の表示順序を決める特殊なモードがあるときは、その限りではない。そして、第2の加速度波形検出を終了する。
【0143】
また、加速度が閾値A以上になっている時間t1が、閾値S1未満若しくは閾値S2より長い場合は(S308でNo)、第2の加速度波形を検出できなかったとする(ステップS310)。この場合は、図12のステップ103へと進み、加速度波形検出処理が出来なかったとして、ステップS104へ進む。
【0144】
実施例5においては、ステップS320及びステップS321にて、図4のプロット313のタイミングにて画像の変更を行った。ただし、効果が同じであれば特に限定は無く、プロット312の時点(閾値Bを越えたタイミング)で行っても、プロット315の時点(閾値Bを再び越えたタイミング)であってもよい。またプロット312のタイミングからプロット315のタイミングであれば、任意のタイミングで良い。
【0145】
以上のような構成により、本実施例における撮像装置は、実施例1から実施例4までの撮像装置の有する効果を得ることができる。そして、撮像装置などの携帯機器によって振ったことを正確に検知することを可能となり、従来よりも直感的で分かりやすい操作系を提供することができる。
【0146】
以上、第1〜第5の実施形態について撮像装置の振り動作の検出方法を説明してきたが、検出動作は振る動作に限らず、例えば揺らすなどのように、加速度センサ利用できる動作であれば良い。さらに、加速度の波形について検出方法を説明してきたが、加速度波形にハイパスフィルタやローパスフィルタなどのフィルタ処理を加えてから所定の動作の検出を行っても良い。実施形態の説明の中では、X軸に限定して説明しているが、検出したい動作や種類に応じて閾値を設定し、図示していないがカメラレンズの光軸方向をZ軸とするとき、Y軸やZ軸を含めた複数の検出軸を組み合わせて動作の検出を行っても良いことは言うまでもない。
【0147】
また、第3と第5の実施形態について、撮像装置を振る動作を検出することによって、撮影した動画像の再生と停止や、早送りと巻き戻しの機能を割り当てることによって動画再生にも対応できる・
上記では加速度検出手段によって所定の動作を検出する一手法として説明してきたが、角速度や振動を検出する手段を用いて所定の動作を検出するようにしても良い。また、上記の実施例中では撮像装置について説明したが、撮影を実行できる電子機器、通信機器などでも同様の効果を得ることができる。
【0148】
(その他の実施例)
本発明の目的は、以下の処理を実行することによって達成される。即ち、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0149】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0150】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0151】
更に、前述した実施の形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【0152】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した手順に対応するプログラムコードが格納されることになる。
【符号の説明】
【0153】
1 撮像装置
21 撮像素子
41 露光制御部
50 システム制御部
80 加速度センサ制御部
81 動作検出部
82 姿勢検出部
83 加速度センサ
84 振動検出周期制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学像を電気的な信号に変換する撮像素子を有する撮像装置であって、
前記撮像素子にて結像した光学像を画像として表示する表示部と、
前記表示部に表示する画像を変更する変更手段と、
前記撮像装置に加わる振れの加速成分を検出して出力する加速度検出手段と、
前記加速度検出手段の出力から、前記変更手段によって前記表示部に表示する画像を変更するために操作者によって加えられた振れを検出する動作検出手段とを有し、
前記動作検出手段は、前記加速度信号が第1の閾値に達し、かつ前記第1の閾値を超えたことを検出した後に前記第1の閾値と異符号かつ前記第1の閾値よりも絶対値が大きい第2の閾値に達した後に、前記加速度信号が前記第2の閾値と同じ符号かつ前記第2の閾値よりも絶対値が小さい第3の閾値に達すると、前記操作者によって加えられた振れを検出し、
前記変更手段は、前記動作検出手段の検出結果に応じて前記表示部に表示する画像を変更することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記動作検出手段は、前記操作者によって加えられた振れの前記振れの向きを判定する向き判定手段を更に備え、
前記向き判定手段は前記第1の閾値もしくは第2の閾値の符号によって前記操作者によって加えられた振れの方向を判定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記変更手段は、前記操作者によって加えられた振れの方向に応じて前記表示部に表示する画像を変更することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子にて結像した光学像を画像として表示する表示部とを有する撮像装置であって、
前記表示部に表示する画像を変更する変更工程と、
振れの加速成分を検出して出力する加速度検出工程と、
前記加速度検出工程の出力から、前記変更工程によって前記表示部に表示する画像を変更するために操作者によって加えられた振れを検出する動作検出工程とを有し、
前記動作検出工程は、前記加速度信号が第1の閾値に達し、かつ前記第1の閾値を超えたことを検出した後に前記第1の閾値と異符号かつ前記第1の閾値よりも絶対値が大きい第2の閾値に達した後に、前記加速度信号が前記第2の閾値と同じ符号かつ前記第2の閾値よりも絶対値が小さい第3の閾値に達すると、前記操作者によって加えられた振れを検出し、
前記変更工程は、前記動作検出工程の検出結果に応じて前記表示部に表示する画像を変更することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2010−193067(P2010−193067A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34028(P2009−34028)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】