撮像装置
【課題】 撮像装置にアイコン作成機能を具備させると共に、所定の処理実行時にアイコンを表示させて容易に処理内容を確認できるようにする。
【解決手段】 撮像装置1は、第1実装メモリ17にアイコンを作成する処理内容及びアイコンの表示形態等を規定した装置プログラム20を記憶すると共に、光ディスクDへ撮像画像を記録する際の管理情報をバックアップ的に記録する第2実装メモリ18の空き領域に作成したアイコン22の画像データを記憶する。作成されたアイコン22は、撮像装置1を行う処理のいずれかに対応付けられ、その処理が実行されると、その処理に対応付けられたアイコンを表示パネル8に表示すると共に、処理の実行状況に応じてアイコンの表示形態を変更する。
【解決手段】 撮像装置1は、第1実装メモリ17にアイコンを作成する処理内容及びアイコンの表示形態等を規定した装置プログラム20を記憶すると共に、光ディスクDへ撮像画像を記録する際の管理情報をバックアップ的に記録する第2実装メモリ18の空き領域に作成したアイコン22の画像データを記憶する。作成されたアイコン22は、撮像装置1を行う処理のいずれかに対応付けられ、その処理が実行されると、その処理に対応付けられたアイコンを表示パネル8に表示すると共に、処理の実行状況に応じてアイコンの表示形態を変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが作成した図形(アイコン)を適宜表示可能にすると共に、光ディスクへのデータ書き込みに必要な管理情報をバックアップ的に記憶するメモリの記憶容量を活用して、作成したアイコンを保存できるようにした撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラと云った静止画、動画の撮像を行う様々な種類の撮像装置が普及している。このような撮像装置では、撮像画像を記録する記録媒体として様々な種類のメディアが適用されており、静止画を主に撮像する撮像装置は記録媒体として半導体メモリを用いることが多く、動画を主に撮像する撮像装置は記録媒体として磁気テープが用いる場合が多い。また、近時、動画を主に撮像とする撮像装置の中には、記録媒体としてDVD−RW、DVD−RAM等の各種光ディスクを用いる装置も存在する(特許文献1参照)。
【0003】
上述した各種撮像装置の殆どは、撮像画像を表示する表示部を具備しており、また、表示部には撮像画像以外に、撮像に係る各種機能を設定するメニュー、各種機能の状態を示すアイコン等も表示されるようにしている。表示されるアイコンの例としては、バッテリの残量を示すアイコン、設定しているフォーカスの程度を示すアイコン等があり、これらアイコンが表示されることで、ユーザは機器の状況を確認できる。
【特許文献1】特開平11−72348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撮像画像を記録する記録媒体として光ディスクを用いている撮像装置は、光ディスクに撮像画像を記録する際、光ディスクの記録領域のどの箇所(アドレス)に撮像画像のデータを書き込んだかを示す管理情報(記録処理に係る情報)も光ディスクに記録している。この管理情報は、光ディスクに記録されたデータを読み出す際の参照に必要なため、非常に重要である。しかし、何らかの不具合により光ディスクへ管理情報が書き込めない場合に備えて、撮像装置内に設けた実装メモリに管理情報をバックアップ的に記憶し、管理情報の内容が失われるのを防止する仕様の装置が存在する。
【0005】
上述した実装メモリは、管理情報が光ディスクへ書き込めない状況が発生しても素早く管理情報を保持できるように、不揮発性で且つ高速の書き込み性能が要求される。このような要求を満たすメモリとしてはNAND型フラッシュメモリが最適であるが、NAND型フラッシュメモリの最小記憶容量は一般的に128Mbitであるため、約4Mbitのデータ量の管理情報の記憶に最小記憶容量のNAND型フラッシュメモリを用いても、記憶容量の大部分が使用されないままとなり、実装メモリの記憶容量が過度で無駄が大きいと云う問題がある。
【0006】
一方、従来の撮像装置では、表示部に示されるアイコンの種類は予め決められているため、画一的なアイコンが表示されるに留まり、ユーザが独自にアイコンを作成したり、撮像画像を利用して新たなアイコンを作成するような機能は存在しなかった。そのため、撮像画像の各種処理状態を示すアイコンをユーザがカスタマイズする楽しさを提供できていないと云う問題がある。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ユーザの操作又は撮像画像の利用により独自のアイコン(図形)を作成し、作成したアイコンを処理に対応付けて、その処理の実行中に対応するアイコンを表示できるようにした撮像装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、アイコンの表示形態を処理の実行状況に応じて変化させて、処理状況を容易に把握できるようにした撮像装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、作成したアイコンを管理情報のバックアップ用の実装メモリの空き領域に記憶して、実装メモリを有効利用できるようにした撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係る撮像装置は、撮像手段で取得した撮像画像を表示する表示部を備える撮像装置において、前記表示部で表示した撮像画像中の範囲を指示する範囲指示を受け付ける手段と、範囲指示を受け付けた場合、該範囲指示に係る範囲を特定する特定手段と、該特定手段が特定した範囲に含まれる画像に基づいて図形を作成する図形作成手段と、該図形作成手段が作成した図形を撮像に関連した複数種類の処理のいずれかに対応付ける対応指示を受け付ける手段と、対応指示を受け付けた場合、該対応指示に基づいて図形及び処理を対応付ける手段と、図形が対応付けられた処理が実行された場合、該図形を前記表示部に表示する処理を行う表示処理手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、撮像画像中の一部の範囲に含まれる画像に基づいて図形(アイコン)を作成すると共に、そのアイコンを表示部で表示するので、ユーザは撮像画像を利用して独自のアイコンを表示できるようになり、撮像装置に新たな付加価値を設けて撮像画像に関連させてアイコンをカスタマイズできるという楽しみをユーザに提供できる。また、アイコンの表示は対応付けられた処理が実行された場合に行われるので、アイコンの表示により現在実行中の処理を把握可能となり、特に、表示されるアイコンが独自に作成されたものであるため、ユーザの注目度も高くなり、予め設定されたアイコンを表示する場合に比べて、実行されている処理の認識度を高められる。
【0010】
なお、本発明に係る図形(アイコン)とは、撮像装置の処理状態及び設定内容等を示す一種の記号に相当し、この意味において、図形をアイコンと称している。また、表示部でのアイコンの表示形態は、アイコンのみの表示、撮像画像へアイコンを重複表示する形態等があり、アイコンを対応付ける撮像に関連した処理の種類としては、撮像画像の記録処理、撮像画像を記録するための記録容量の残量検出処理、撮像を維持するためのバッテリ残量の検出処理、被写体の注意を集めて良好な撮像を行うためのタリーランプ的な表示処理、自動撮像を行うためのセルフタイマーに係る処理等が挙げられる。
【0011】
また、本発明に係る撮像装置は、撮像手段で取得した撮像画像を表示する表示部を備える撮像装置において、作図指示を受け付ける手段と、受け付けた作図指示に応じて前記表示部で作図を行う作図手段と、該作図手段が作図を行った内容に基づいて図形を作成する図形作成手段と、該図形作成手段が作成した図形を撮像に関連した複数種類の処理のいずれかに対応付ける対応指示を受け付ける手段と、対応指示を受け付けた場合、該対応指示に基づいて図形及び処理を対応付ける手段と、図形が対応付けられた処理が実行された場合、該図形を前記表示部に表示する処理を行う表示処理手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、ユーザからの作図指示に応じて表示部で作図を行うと共に、作図された内容をアイコン化するので、ユーザは自由にアイコンを作成できるようになり、撮像装置にアイコン作成と云う新たな機能を設けて独自のアイコンを表示部に表示させると云う楽しみをユーザに提供できる。また、作成されたアイコンは、そのアイコンに対応付けられた処理が実行された場合に表示されるので、アイコンの表示により現在実行中の処理を把握可能となる。なお、作図手段が行う具体的な作図に係る処理としては、作図指示に応じて輪郭線を描くこと、輪郭線で囲まれた範囲内を色付けること等があり、また、図形作成手段の具体的な処理としては、作図された内容を形成する画素を間引いてアイコン化すること等が挙げられる。
【0013】
さらに、本発明に係る撮像装置は、図形が対応付けられた処理の実行状況に応じて、前記表示部に表示する図形を回転させる手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、アイコンが対応付けられた処理の実行状況に応じて、アイコンを回転表示するので、表示されるアイコンの注目度が高められる。そのため、アイコンの回転表示は、撮像に関連した処理の中でタリーランプ的な表示処理、セルフタイマーに係る処理に好適であると共に、記録容量の残量検出処理で記録残量がミニマムに近付いた場合、バッテリ残量の検出処理でバッテリ残量がミニマムに近付いた場合等の警告として活用できる。
【0014】
さらにまた、本発明に係る撮像装置は、図形が対応付けられた処理の実行状況に応じて、前記表示部に表示する図形を点滅させる手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、アイコンが対応付けられた処理の実行状況に応じて、アイコンを点滅表示するので、アイコンの表示形態を確認することで処理状況を容易に確認できるようになる。例えば、セルフタイマーに係る処理にアイコンが対応付けられている場合、セルフタイマーによる撮像処理の開始に応じて表示部に表示されたアイコンが点滅表示されることになり、表示部を被写体となる人物側へ向ければ、被写体の人物の視線を撮像装置側へ集めることができ、良好な撮像を行える。また、タリーランプ的な処理にアイコンが対応付けられている場合も、被写体へ表示部を向けてアイコンを点滅表示させれば、被写体の注意を引くことができ、猫及び犬等の動物を撮像する場合も動物の注意を点滅表示するアイコンにより撮像装置の方へ集めて撮像を行える。
【0015】
また、本発明に係る撮像装置は、図形が対応付けられた処理の実行状況に応じて、前記表示部に表示する図形の色を変更する手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、アイコンが対応付けられた処理の実行状況に応じて、アイコンの色を変更するので、表示されるアイコンの色を確認することで処理の実行状況を判別できるようになる。例えば、撮像画像を記録する記録媒体の残量検出処理にアイコンが対応付けられている場合、検出した残量の結果が全記録容量と同程度であればアイコンを緑色、全記録容量の半分であればアイコンを黄色、全記録容量の10分の1以下であればアイコンを赤色に変更することなどが考えられる。
【0016】
さらに、本発明に係る撮像装置は、図形が対応付けられた処理の実行状況に応じて、前記表示部に表示する図形の一部を消去する手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、アイコンが対応付けられた処理の実行状況に応じて、表示するアイコンの一部を消去するので、アイコンの表示具合を確認することで処理の実行状況を判別できるようになる。例えば、バッテリ残量の検出処理にアイコンが対応付けられている場合、検出したバッテリ残量の結果がフル充電状態であればアイコンを全て表示、バッテリ残量が半分であればアイコンを半分消去、バッテリ残量がフル充電状態の5分の1であればアイコンの5分の4を消去することが考えられる。
【0017】
さらにまた、本発明に係る撮像装置は、前記撮像手段で取得した撮像画像をディスク状の記録媒体に記録する処理を行う記録処理手段と、該記録処理手段の記録処理に係る情報及び前記図形を記憶するメモリとを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、管理情報の記憶用のメモリに、作成したアイコンを記憶するので、NAND型フラッシュメモリのような高速書き込みが可能で且つ記憶容量が大きいフラッシュメモリを用いても、メモリの記憶容量をアイコンの記憶用として有効に活用できるようになる。よって、高速書き込みが可能で且つ記憶容量が大きいフラッシュメモリを管理情報の記憶用に躊躇なく適用でき、管理情報をディスク記録媒体へ記録する際に不具合が発生しても、管理情報はメモリへ素早くバックアップされて管理情報の消失を確実に防止できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にあっては、撮像画像中の画像に基づいてアイコンを作成し、そのアイコンを撮像装置のいずれかの処理に対応付けて、その処理の実行中にアイコンを表示するので、独自のアイコンを処理の実行に関連付けて表示でき、アイコン作成と云う新たな機能をユーザに提供できると共に、処理内容の確認に対するアピール度も独自のアイコンにより向上できる。
【0020】
また、本発明にあっては、ユーザからの作図指示に応じて作図された内容をアイコン化すると共に、作成されたアイコンを撮像装置のいずれかの処理に対応付けて、その処理の実行中にアイコンを表示するので、自由にアイコンを作成すると云う新たな機能をユーザに提供でき、その上、ユーザが自ら作成したアイコンの表示により処理内容の確認に対する注目度も向上され、ユーザは確実に装置の実行状況を認識できる。
【0021】
さらに、本発明にあっては、アイコンが対応付けられた処理の実行状況に応じて、アイコンを回転表示、点滅表示するので、表示するアイコンの注目度を高めることができ、撮像装置の処理状況をより広くアピールできる。
さらにまた、本発明にあっては、アイコンが対応付けられた処理の実行状況に応じてアイコンの色を変更、アイコンの一部を消去するので、アイコンの表示形態により撮像装置の処理の状況を一目で把握できる。
【0022】
また、本発明にあっては、管理情報の記憶用のメモリに、作成したアイコンを記憶するので、高速書き込みが可能で且つ記憶容量が大きいフラッシュメモリを用いても、メモリの大きい記憶容量をアイコンの記憶に活用でき、さらに、管理情報をディスク状の記録媒体へ記録する際に不具合が発生しても、高速書き込みにより管理情報を確実にバックアップして管理情報の消失を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1を示す。本実施形態の撮像装置1は、撮像した画像を記録するディスク状の記録媒体にDVD−RW、DVD−RAM等の光ディスクを用いており、通常の撮像機能に加えてユーザが独自にアイコンを作成して適宜表示可能にしたことが特徴である。なお、本実施形態の撮像装置1は静止画及び動画の両方の撮像に対応しているが、静止画又は動画のいずれか一方の撮像のみに対応した構成にしてもよい。また、記録媒体の種類としては、BD(ブルーレイディスク)、HD DVD(High Definition DVD)等の光ディスクを用いる構成も可能である。
【0024】
撮像装置1は、ボックス状の筐体2の前面2aに撮像レンズ3を設け、背面側にはビューファインダ部7を設けると共に、一方の側面2bに窪部2cを形成し、その窪部2cの内部にモニタ部4を開閉可能に設けている。また、撮像装置1は、筐体2の側面2bの上方には上下左右キー5a〜5d及び決定キー5e等の複数の操作キーで構成される操作部5を設けており、他方の側面2dには光ディスクを収納する収納部6を取り付けている。
【0025】
ビューファインダ部7を覗くとビューファインダ用表示パネル14(図2参照)を確認できるようになっており、また、光ディスクの収納部6は筐体2に対し回動可能にして、ユーザが収納部6を把持することで撮像方向を自由に変えられるようにしている。なお、図1は、モニタ部4の表示パネル8にユーザが作成したアイコン25を表示した状態を示しており、本実施形態ではアイコン25の表示形態がアイコン25に対応付けられた処理状況に応じて変化(回転表示、点滅表示、色変更、一部消去等)するようにしている。
【0026】
図2は、撮像装置1の本発明に関連する箇所の内部構成を示すブロック図である。撮像装置1は、全体的な各種制御を行う中央制御部10に対して撮像処理部12、表示処理部13、記録コントロール部15、第1実装メモリ17、第2実装メモリ18、及び操作部5を接続している。また、撮像処理部12には撮像手段に相当するCCD(Charge Coupled Device)11が接続されており、表示処理部13にはビューファインダ用表示パネル14及びモニタ部4に設けられた表示パネル8が接続されている。さらに、撮像装置1は、各部へ給電を行うバッテリ19が装着されるようになっており(給電線の図示は省略)、装着されたバッテリ19の給電できる残量は、検出線23を通じて中央制御部10で検出されている。以下、撮像装置1を構成する上述した各部を説明する。
【0027】
撮像処理部12は、CCD11で撮像により取得されたアナログの撮像画像を所定の増幅率で増幅する処理、増幅した画像信号を一定のタイミング毎にサンプリングする相関二重サンプリング処理(CDS)、CDSのサンプリング処理により得られた各値をデジタル信号に変換してデジタルの画像信号を得る処理等を中央制御部10の制御に基づき行っている。なお、撮像処理部12は、バッファメモリ(図示せず)を有して処理中の画像信号を一時的に記憶可能にしており、また、処理が済んだ画像信号(撮像画像)を表示処理部13又は記録コントロール部15へ出力可能にしている。
【0028】
表示処理部13は、CCD11で撮像された撮像画像をビューファインダ用表示パネル14及び表示パネル8で表示させるための処理を行うものであり、撮像画像以外にも図3(a)(b)等に示す各種メニュー26、27及びアイコン25(図1参照)の表示等に係る処理も行う。また、表示処理部13は、表示するアイコン25を回転、点滅させる処理、さらには図8(a)〜(c)に示すように表示中のアイコン44の色を変更する処理、図9(a)〜(c)に示すように表示するアイコン43の一部を消去していく処理等も行う。なお、表示処理部13は、上述した各種処理を中央制御部10の制御に基づいて行い、表示に係るデータを一時的に記憶する表示用バッファメモリ(図示せず)を有する。
【0029】
記録コントロール部15は、撮像装置1に脱着可能に装着される光ディスクDに撮像画像を記録する処理を行っており、撮像処理部12で処理された撮像画像を光ディスクDへ記録するために、移動可能な光ピックアップ部、光ディスクを保持して回転させる駆動回転部等を具備している。また、記録コントロール部15は、光ディスクDへ撮像画像を記録する際には、光ディスクDの記憶領域中のいずれの箇所(アドレス)に、その撮像画像を記録するかを示す管理情報を生成して記憶領域の所定箇所に記録する処理を行う。
【0030】
なお、記録コントロール部15は、上述した記録に係る処理を中央制御部10の制御に基づき行っており、また、記録コントロール部15が生成した管理情報は、光ディスクDへの記録が完了するまではバックアップ的に第2実装メモリ18で記憶されるようになっている。さらに、本実施形態の記録コントロール部15は、装着される光ディスクDの空き容量を検出する処理も中央制御部10の制御により行う。
【0031】
第1実装メモリ17は不揮発性のフラッシュメモリであり、本実施形態ではNOR型のフラッシュROMを用いている。第1実装メモリ17は、撮像に係る処理を含む撮像装置1の全体的な処理内容を規定した装置プログラム20及び各種メニューのデータ等を予め記憶しており、装置プログラム20の規定する処理に基づき中央制御部10が各種処理を行う。なお、第1実装メモリ17の記憶内容の読み出し速度は、第2実装メモリ18に比べて速いため、中央制御部10は、装置プログラム20に規定された内容を迅速に読み出してスムーズな制御処理を行える。
【0032】
一方、第2実装メモリ18は、上述した記録コントロール部15が光ディスクDへ撮像画像を記録する際に生成される管理情報21を中央制御部10の制御に基づき記憶するものであり、不揮発性のフラッシュメモリとして第1実装メモリ17に比べて書き込み速度が速いNAND型のフラッシュROMを用いて、バッテリ切れ、ユーザの不注意な電源スイッチオフ操作等の不測の事態により光ディスクDへ管理情報21を書き込めない場合に管理情報21を確実に保持できるようにしている。なお、第2実装メモリ18は、接続部16を介して中央接続部10に接続されており、このように接続部16を設けているのは、本実施形態の中央制御部10に2種類の実装メモリ17、18を直接的に接続できるコネクタが設けられていないためである。
【0033】
また、第2実装メモリ18には、記憶容量が128Mbitのものを用いており、管理情報21のデータ量は約4Mbitであるため、管理情報21を記憶する領域を確保した上で、他の領域には、後述する処理で作成された各種アイコン22(アイコンの画像データ)が中央制御部10に制御により記憶される。
【0034】
図1、2に示す操作部5は、各キー5a〜5e等ごとに所定の操作信号が割り当てられており、各キー5a〜5e等がユーザにより押圧されると、ユーザからの各種指示を受け付けたことになり、割り当てられた操作信号を中央制御部10へ送る。なお、本実施形態では、撮像画像中の範囲を指示する範囲指示及び作図指示等の各種指示を受け付ける手段として、操作部5は機能している。また、中央制御部10は、操作部5から送られた操作信号に基づいて所定の処理を行うことになる。
【0035】
中央制御部10は第1実装メモリ17に記憶された装置プログラム20が規定する内容に従い所定の処理を行うものであり、撮像装置1の電源スイッチがオンされると中央制御部10が起動し各種処理を行う。中央制御部10が行う処理の一つに、撮像装置1の処理モードをユーザに選択させる内容がある。詳しくは、図3(a)に示すモード選択メニュー26を表示パネル8に表示させる制御を中央制御部10が行い、ユーザが操作部5の上下キー5a、5bを操作することに応じて選択対象を移動し、決定キー5eが操作されたときに選択されているモードを実行するようにしている。
【0036】
なお、選択対象となる各モードの中で、撮像モードは撮像装置1の撮像機能を作動させて撮像処理を行うモードであり、再生モードは光ディスクDに記録された撮像画像を記録コントロール部15で読み出して表示パネル8で再生表示する処理を行うモードであり、管理・設定モードは撮像に係る各種内容等の設定を行うモードである。また、アイコン作成モードはアイコン作成機能を作動させるモードであり、モード選択メニュー26でアイコン作成モードが選択された場合、中央制御部10は、図3(b)に示すアイコン作成方法選択メニュー27を表示パネル8に表示させる処理を行う。
【0037】
図3(b)のアイコン作成方法選択メニュー27は、撮像画像を利用してアイコンを作成する「撮像画像利用」と云う項目と、ユーザが自ら作図する「作図」と云う項目を選択できるようにしており、ユーザが操作部5の上下キー5a、5bを操作することに応じて選択対象を移動し、決定キー5eが操作されたときに選択されている項目を実行するようにしている。
【0038】
「撮像画像利用」と云う項目が選択された場合、図4に示す画像選択メニュー30を生成して表示パネル8に表示させる制御処理を中央制御部10は行う。画像選択メニュー30は、光ディスクDに記録されている各種撮像画像の縮小化(サムネイル化)により生成した複数のサムネイル画像30a〜30fを配置したものであり、中央制御部10の制御に従い記録コントロール部15が順次撮像画像を読み出して、画像選択メニュー30に配置するサムネイル画像30a〜30fを表示処理部13が生成する。なお、光ディスクDに記録されている撮像画像が静止画のときは、その静止画をサムネイル化しており、撮像画像が動画のときは、動画を形成する複数のフレームの中で最初のフレームに相当する画像をサムネイル化している。
【0039】
また、図4の画像選択メニュー30は、配置された各サムネイル画像30a〜30fを選択できるようにしており、ユーザが操作部5の上下左右キー5a〜5dを操作することに応じて選択対象を移動し、決定キー5eが操作されたときに選択されているサムネイル画像をアイコンの元図として使用するようにしている。
【0040】
図5(a)は、表示パネル8に表示された範囲指定画面31を示しており、この範囲指定画面31は、図4の画像選択メニュー30でいずれかのサムネイル画像が選択された場合に表示されるものであり、選択されたサムネイル画像に係る撮像画像中からアイコンの作成元になる画像を含む矩形状の範囲を指定できるように、ユーザの操作により表示パネル8における位置を変更できる矢印32を表示している。なお、図5(a)に示す範囲指定画面31は、図4の画像選択メニュー30でサムネイル画像30fが選択されたときの内容を示しており、ユーザが操作部5の上下左右キー5a〜5dを操作することに応じて中央制御部10の制御に基づき矢印32の位置が変更される。また、決定キー5eが操作されることで、その時の矢印32の位置を矩形状の範囲の左上の点(始点)として中央制御部10が決定する。
【0041】
図5(b)に示す範囲指定画面31は、図5(a)の表示状態で中央制御部10が始点32aを決定したときに、中央制御部10の制御により表示パネル8に表示される内容を示しており、矢印32の位置を変更することで矩形状の範囲32aの右下の点(終点)を指定して撮像画像から抽出する範囲を特定するものである。よって、ユーザの上下左右キー5a〜5dの操作に応じて中央制御部10が矢印32の位置を変更し、決定キー5eが操作されることで、中央制御部10は範囲を指示する範囲指示を受け付けたことになり、その時の矢印32の位置を矩形状の範囲32bの右下の点(始点)として中央制御部10が決定し、撮像画像の中からユーザにより指定された範囲32bを特定する。
【0042】
範囲32bが特定されると、中央制御部10は特定された範囲32bに含まれる内容(画像)を元にして装置プログラム20が規定する処理に従いアイコン(図形)を作成する処理を行う。具体的には、範囲32bを形成する画素に含まれる色要素を検出し、色要素の色差が大きい色の境目となる輪郭線を特定し、その特定した輪郭線で囲まれる部分を抽出する。さらに、中央制御部10は、抽出した部分の画素を間引いて規定の大きさのアイコンを作成する。
【0043】
図5(c)はアイコン登録画面33を示し、アイコン登録画面33は、上述した中央制御部10の処理に基づき作成されたアイコン25の登録をユーザに確認する内容を表示パネル8で表示するものであり、ユーザは操作部5の左右キー5c、5d及び決定キー5eを操作して「YES」又は「NO」を選択することで、作成したアイコン25を保存するか否かを選択することになる。「YES」が選択された場合、中央制御部10は作成したアイコン25を形成するアイコン画像データを第2実装メモリ18に記憶する処理を行う。また、「NO」が選択された場合、中央制御部10はアイコン25を破棄する。
【0044】
一方、図6(a)に示す作図画面35は、図3(b)のアイコン作成方法選択メニュー27で「作図」と云う項目が選択された場合に表示パネル8に表示されるものであり、画面中に移動可能な矢印36が表示され、この矢印36はユーザの上下左右キー5a〜5dの操作に応じて中央制御部10が行う制御処理により表示位置が移動する。中央制御部10は、上述したユーザの各キー5a〜5dの操作を作図指示として受け付けて、矢印36の移動軌跡に従って作図線37を描画表示し作図を行う。作図画面35において描線の作図が完了し、ユーザが決定キー5eを操作すると、中央制御部10は次に図6(b)に示すカラーパレット38を表示パネル8に表示させる処理を行う。
【0045】
図6(b)のカラーパレット38は、複数種類の色が格子状に配置されたものであり、配置された複数の色の中からユーザが希望する色を選択できるようになっている。よって、ユーザは上下左右キー5a〜5dを操作することで、カラーパレット38からアイコンに使用する色を選択し、決定キー5eを操作することで選択された色を決定することになる。中央制御部10は、上述したようなユーザによる各種操作を作図指示として受け付け、図6(a)の作図画面35で描かれた作図線37で囲まれた部分に図6(b)のカラーパレット38から選択された色を付与すると共に、寸法を規定の大きさに調整してアイコン(図形)を作成する。
【0046】
図6(c)は作図により完成したアイコン40の登録画面39を示し、この登録画面39は、図5(c)のアイコン登録画面33と同様に作成したアイコン40を登録するか否かをユーザに確認するものであり、ユーザにより「YES」が選択された場合、中央制御部10はアイコン40の画像データを第2実装メモリ18に記憶する処理を行い、「NO」が選択された場合、中央制御部10はアイコン40を破棄する処理を行う。
【0047】
このように本発明に係る撮像装置1は、撮像画像の利用又はユーザによる作図に基づき新たなアイコンを自由に作成できる。さらに、本発明に係る撮像装置1では、作成したアイコンの画像データを第2実装メモリ18に記憶するようにしているため、第2実装メモリ18の記憶容量をアイコンの保存に活用でき、そのため第2実装メモリ18に高速書き込みが可能なNAND型フラッシュROMを適用しても、NAND型フラッシュROMの記憶容量が無駄になることもない。なお、NAND型フラッシュROMの適用により、管理情報の光ディスクDへの書き込み時に不測の事態が生じても、管理情報は確実にNAND型フラッシュROM(第2実装メモリ18)に保持される。
【0048】
また、本発明に係る撮像装置1は、作成したアイコンを撮像装置1の各種処理の中のいずれか1つに対応付けられるようにしており、さらに、アイコンが対応付けられた処理が実行されると、そのアイコンが表示パネル8に表示されるようにしている。アイコンが対応付けられる処理としては、撮像画像を光ディスクDへ記録する処理、光ディスクDの記録可能な残量を検出する処理、バッテリ19の給電可能な残量を検出する処理、撮像時におけるタリー表示に係る処理、セルフタイマーを利用した撮像処理等があり、これらの各処理は中央制御部10の制御に基づき行われる。
【0049】
また、上述した処理の中には、処理状況に応じてアイコンの表示形態を変化させるようにしているものもあり、具体的には表示形態を変化させる処理としては、光ディスクDの記録残量の検出処理、バッテリ19の給電残量の検出処理、タリー表示処理、セルフタイマー撮像処理等が挙げられる。本実施形態では、光ディスクDの記録可能な残量を検出する処理に対しては表示するアイコンの色を変更するようにしており、バッテリ19の給電可能な残量を検出する処理に対しては表示するアイコンの一部を消去するようにしており、撮像時にタリー表示に係る処理に対してはアイコンを回転表示し、セルフタイマーを利用した撮像処理に対してはアイコンを点滅表示するようにしている。
【0050】
アイコンと処理との対応付けは、管理・設定モードで行えるようにしており、図3(a)のモード選択メニュー26で管理・設定モードの項目が選択されると、中央制御部10は図7(a)に示す管理・設定項目の項目選択画面41を表示パネル8に表示させる制御を行う。項目選択画面41の中のアイコン対応付けと云う項目が選択されると、中央制御部10が、図7(b)に示すように、第2実装メモリ18に記憶されているアイコンを配置したアイコン選択メニュー42を生成して表示パネル8に表示させる制御を行う。
【0051】
図7(b)のアイコン選択メニュー42は、配置した各アイコン25、40、43等を上下左右キー5a〜5dの操作により選択し、決定キー5eの操作により選択されたアイコンを処理に対応付けるものとして中央制御部10が特定する処理を行う。中央制御部10がアイコンを特定すると、次に、中央制御部10は図7(c)に示す処理選択メニュー47を表示パネル8に表示させる処理を行う。
【0052】
図7(c)の処理選択メニュー47は、アイコンを対応付けることが可能な撮像装置1の処理内容の項目を羅列したものであり、上下左右キー5a〜5dがユーザからの操作を対応指示として受け付けることで対応付ける処理の項目を選択し、その状態で決定キー5eがユーザの操作を受け付けると、その時点で選択されていた処理の項目に図7(b)のアイコン選択メニュー42で選択されたアイコンを対応付ける処理を中央制御部10が行う。なお、アイコン選択メニュー42では、対応付けられる各処理ごとに識別情報(図示せず)が付与されており、アイコンの対応付けが行われると、その情報がアイコンに係る画像データに付加されて第2実装メモリ18に記憶される。
【0053】
よって、中央制御部10は、上述した各処理を実行する場合、実行する処理の識別情報を手掛かりに第2実装メモリ18を検索し、対応付けられたアイコンと探し出して表示パネル8に表示させる処理を行う。なお、処理選択メニュー47での対応付けの仕方によっては、ある処理に対して初期設定で対応付けられているアイコンを、新たに作成したアイコンに置き換えることも可能になる。
【0054】
また、本実施形態では、上述した対応付けにより、図7(b)で示す車のアイコン44に光ディスクDの記録残量の検出処理が対応付けられ、ビルのアイコン43にバッテリ19の給電残量の検出処理が対応付けられ、三重の塔のアイコン25にタリー表示処理が対応付けられ、猫のアイコン40にセルフタイマー撮像処理が対応付けられているものとする。
【0055】
図8(a)は、表示パネル8に撮像画像50を表示している状態を示し、この際、中央制御部10は撮像画像50の表示に並行して記録コントロール部15を制御して光ディスクDの記録可能な残量を検出する処理を行っており、その結果、表示パネル8に表示した撮像画像の右下に車のアイコン44を重ね合わせて表示する。第1実装メモリ17に記憶された装置プログラム20は、光ディスクDの記録可能残量が全記録容量の2分の1以上であれば作成されたアイコンの色をそのまま表示し、記録可能残量が全記録容量の2分の1未満10分の1以上であればアイコンの色を黄色に変更し、記録可能残量が全記録容量の10分の1未満になればアイコンの色を赤色に変更することを規定している。
【0056】
よって、中央制御部10は、記録コントロール部15を制御して光ディスクDの記録可能な残量を検出して、検出の結果、記録可能残量が全記録容量の2分の1以上であれば図8(a)に示すように、アイコン44を設定された色で表示させる。また、検出の結果(検出処理の実行状況に応じて)、記録可能残量が全記録容量の2分の1未満10分の1以上になれば、図8(b)に示すようにアイコン44の色を黄色(斜め右上がりのハッチングで表現)に変更したアイコン44′を表示させる。
【0057】
さらに、中央制御部10は、検出の結果、記録可能残量が全記録容量の10分の1未満になれば、図8(c)に示すようにアイコン44′の色を赤色(斜め右下がりのハッチングで表現)に変更したアイコン44″を表示させる。このようにアイコン44の表示形態を変化させることで、ユーザはアイコン44の表示形態を確認すれば、記録できる残量を概算的に把握できる。なお、中央制御部10は、アイコン44を形成する画素が有する色要素を変更する指示を表示処理部13に出すことで、上述した色変更を行う。
【0058】
また、図9(a)は、表示パネル8に撮像画像51を表示している状態を示し、この際、中央制御部10は撮像画像51の表示に並行してバッテリ19の給電可能な残量を検出する処理を行っている。そのため、表示パネル8に表示された撮像画像51の右下にビルのアイコン43を重ね合わせている。第1実装メモリ17に記憶された装置プログラム20は、バッテリ19の残量に応じて表示するアイコンの一部を消去することを規定しており、例えば、バッテリ19がフル充電の場合はアイコンの全部を表示させ、バッテリ残量がフル充電の4分の3であればアイコンの一方向において端から4分の1の部分を消去し、バッテリ残量がフル充電の半分であればアイコンの一方向において端から半分を消去し、バッテリ残量がフル充電の5分の3であればアイコンの一方向において端から5分の4の部分を消去することを規定する。
【0059】
よって、中央制御部10は、撮像画像51の表示中にバッテリ19の残量を検出して、検出の結果、バッテリ19がフル充電であれば図9(a)に示すようにアイコン43の全てを表示させる。また、検出の結果、バッテリ残量が半分になれば、図9(b)に示すように、縦方向における上半分の部分43a(破線で示す範囲)を消去したアイコン43′を表示させ、さらに、検出の結果、バッテリ残量が4分の1になれば、図9(c)に示すように4分の3の部分43b(破線で示す範囲)を消去したアイコン43″を表示させる。このようにアイコン43の表示形態が変化することで、ユーザはアイコン43の表示形態を確認すれば、バッテリを使用できる程度を概算的に把握できる。なお、中央制御部10は、アイコン43の消去する範囲に該当する撮像画像51の画素をアイコン43の消去する部分に重ねて表示する指示を表示処理部13に出すことで、アイコン43の一部を消去している。
【0060】
さらに、第1実装メモリ17に記憶された装置プログラム20は、動画撮像時にタリーランプの代用として表示パネル8にアイコンを回転表示(タリー表示)させて撮像中であることを被写体へ伝える処理を規定している。管理・設定モードでタリー表示を行う設定が行われている状態で撮像モードに入ると、中央制御部10はタリー表示に対応付けられた三重の塔のアイコン25を表示パネル8に表示させる制御を行う。
【0061】
動画撮像が開始されると、図10(a)〜(c)に示すように、中央制御部10は、表示していたアイコン25の中心を回転中心としてアイコン25を右回りに回転させて表示させる制御処理を行う。この回転表示に係る処理は、中央制御部10がアイコン25の表示する角度を変更する指示を表示処理部13へ出すことで行っている。このようにアイコン25を回転させてタリー表示を行うことで、被写体は、動画撮像中であることを容易に認識することが可能になる。なお、タリー表示を行うときは、モニタ部4を開いて表示パネル8を被写体の方へ向ける必要がある。また、このようなタリー表示は、猫、犬のような動物を撮像する場合に、動物の注意を撮像装置1の方へ向けるような用途にも好適である。
【0062】
さらにまた、第1実装メモリ17に記憶された装置プログラム20は、セルフタイマーで静止画撮像を行う場合、表示パネル8にアイコンを点滅表示させることを規定している。セルフタイマーの機能を作動させて撮像処理を行うとき、セルフタイマーの設定を行うと、猫のアイコン40を表示パネル8に表示させ、セルフタイマーを作動させると、図11(a)(b)に示すように、中央制御部10は猫のアイコン40の表示及び非表示を繰り返し、表示パネル8にアイコン40を点滅表示させる制御を行う。
【0063】
この際、セルフタイマーにより撮像の時期が近付くにつれて点滅の間隔が短くなるようにしている。この点滅表示は、中央制御部10が点滅に係る間隔に応じてアイコン40の表示及び非表示の指示を表示処理部13に出すことで行っている。このようにアイコン40を点滅表示させることで、セルフタイマーでの撮像を好適に行える。なお、上述したようにセルフタイマーで撮像を行うときは、タリー表示と同様にモニタ部4を開いて表示パネル8を被写体の方へ向ける必要がある。
【0064】
なお、本発明に係る撮像装置1は、上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形例の適用が可能である。例えば、記憶したアイコンを対応付ける撮像に関連した処理は、上述した処理以外にも設定したフォーカスの種類ごとに所望のアイコンを対応付けるようにしてもよい。また、アイコンを対応付けた処理の状況に応じてアイコンの表示形態を変更する内容は、上記割り当て以外にも、タリー表示にアイコンの点滅表示、セルフタイマー撮像にアイコンの回転表示、バッテリの残量検出にアイコンの色変更、光ディスクDの残容量検出にアイコンの一部消去を適宜割り当てるようにしてもよい。また、アイコンの表示形態としては、上述した以外にアイコンの位置変更、アイコンの寸法変更等も適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置の斜視図である。
【図2】実施形態の撮像装置の主要な内部構成を示すブロック図である。
【図3】(a)はモード選択メニューを示す概略図、(b)はアイコン作成方法選択メニューを示す概略図である。
【図4】画像選択メニューを示す概略図である。
【図5】(a)は始点指定に係る範囲指定画面を示す概略図、(b)は終点指定に係る範囲指定画面を示す概略図、(c)はアイコン登録画面を示す概略図である。
【図6】(a)は作図画面を示す概略図、(b)はカラーパレットを示す概略図、(c)はアイコンの登録画面を示す概略図である。
【図7】(a)は項目選択画面を示す概略図、(b)はアイコン選択メニューを示す概略図、(c)は処理選択メニューを示す概略図である。
【図8】(a)はアイコンを重複表示した撮像画像を示す概略図、(b)はアイコンの色を変更した状態を示す概略図、(c)はアイコンの色を更に変更した状態を示す概略図である。
【図9】(a)はアイコンを重複表示した撮像画像を示す概略図、(b)はアイコンの半分を消去した状態を示す概略図、(c)はアイコンの4分の3の部分を消去した状態を示す概略図である。
【図10】(a)〜(c)は、アイコンを回転表示する状態を示す概略図である。
【図11】点滅表示を示し、(a)アイコンの表示状態を示す概略図、(b)は、アイコンの非表示状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0066】
1 撮像装置
5 操作部
8 表示パネル
10 中央制御部
11 CCD
12 撮像処理部
13 表示処理部
15 記録コントロール部
17 第1実装メモリ
18 第2実装メモリ
19 バッテリ
20 装置プログラム
21 管理情報
22 アイコン
D 光ディスク
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが作成した図形(アイコン)を適宜表示可能にすると共に、光ディスクへのデータ書き込みに必要な管理情報をバックアップ的に記憶するメモリの記憶容量を活用して、作成したアイコンを保存できるようにした撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラと云った静止画、動画の撮像を行う様々な種類の撮像装置が普及している。このような撮像装置では、撮像画像を記録する記録媒体として様々な種類のメディアが適用されており、静止画を主に撮像する撮像装置は記録媒体として半導体メモリを用いることが多く、動画を主に撮像する撮像装置は記録媒体として磁気テープが用いる場合が多い。また、近時、動画を主に撮像とする撮像装置の中には、記録媒体としてDVD−RW、DVD−RAM等の各種光ディスクを用いる装置も存在する(特許文献1参照)。
【0003】
上述した各種撮像装置の殆どは、撮像画像を表示する表示部を具備しており、また、表示部には撮像画像以外に、撮像に係る各種機能を設定するメニュー、各種機能の状態を示すアイコン等も表示されるようにしている。表示されるアイコンの例としては、バッテリの残量を示すアイコン、設定しているフォーカスの程度を示すアイコン等があり、これらアイコンが表示されることで、ユーザは機器の状況を確認できる。
【特許文献1】特開平11−72348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撮像画像を記録する記録媒体として光ディスクを用いている撮像装置は、光ディスクに撮像画像を記録する際、光ディスクの記録領域のどの箇所(アドレス)に撮像画像のデータを書き込んだかを示す管理情報(記録処理に係る情報)も光ディスクに記録している。この管理情報は、光ディスクに記録されたデータを読み出す際の参照に必要なため、非常に重要である。しかし、何らかの不具合により光ディスクへ管理情報が書き込めない場合に備えて、撮像装置内に設けた実装メモリに管理情報をバックアップ的に記憶し、管理情報の内容が失われるのを防止する仕様の装置が存在する。
【0005】
上述した実装メモリは、管理情報が光ディスクへ書き込めない状況が発生しても素早く管理情報を保持できるように、不揮発性で且つ高速の書き込み性能が要求される。このような要求を満たすメモリとしてはNAND型フラッシュメモリが最適であるが、NAND型フラッシュメモリの最小記憶容量は一般的に128Mbitであるため、約4Mbitのデータ量の管理情報の記憶に最小記憶容量のNAND型フラッシュメモリを用いても、記憶容量の大部分が使用されないままとなり、実装メモリの記憶容量が過度で無駄が大きいと云う問題がある。
【0006】
一方、従来の撮像装置では、表示部に示されるアイコンの種類は予め決められているため、画一的なアイコンが表示されるに留まり、ユーザが独自にアイコンを作成したり、撮像画像を利用して新たなアイコンを作成するような機能は存在しなかった。そのため、撮像画像の各種処理状態を示すアイコンをユーザがカスタマイズする楽しさを提供できていないと云う問題がある。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ユーザの操作又は撮像画像の利用により独自のアイコン(図形)を作成し、作成したアイコンを処理に対応付けて、その処理の実行中に対応するアイコンを表示できるようにした撮像装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、アイコンの表示形態を処理の実行状況に応じて変化させて、処理状況を容易に把握できるようにした撮像装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、作成したアイコンを管理情報のバックアップ用の実装メモリの空き領域に記憶して、実装メモリを有効利用できるようにした撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係る撮像装置は、撮像手段で取得した撮像画像を表示する表示部を備える撮像装置において、前記表示部で表示した撮像画像中の範囲を指示する範囲指示を受け付ける手段と、範囲指示を受け付けた場合、該範囲指示に係る範囲を特定する特定手段と、該特定手段が特定した範囲に含まれる画像に基づいて図形を作成する図形作成手段と、該図形作成手段が作成した図形を撮像に関連した複数種類の処理のいずれかに対応付ける対応指示を受け付ける手段と、対応指示を受け付けた場合、該対応指示に基づいて図形及び処理を対応付ける手段と、図形が対応付けられた処理が実行された場合、該図形を前記表示部に表示する処理を行う表示処理手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、撮像画像中の一部の範囲に含まれる画像に基づいて図形(アイコン)を作成すると共に、そのアイコンを表示部で表示するので、ユーザは撮像画像を利用して独自のアイコンを表示できるようになり、撮像装置に新たな付加価値を設けて撮像画像に関連させてアイコンをカスタマイズできるという楽しみをユーザに提供できる。また、アイコンの表示は対応付けられた処理が実行された場合に行われるので、アイコンの表示により現在実行中の処理を把握可能となり、特に、表示されるアイコンが独自に作成されたものであるため、ユーザの注目度も高くなり、予め設定されたアイコンを表示する場合に比べて、実行されている処理の認識度を高められる。
【0010】
なお、本発明に係る図形(アイコン)とは、撮像装置の処理状態及び設定内容等を示す一種の記号に相当し、この意味において、図形をアイコンと称している。また、表示部でのアイコンの表示形態は、アイコンのみの表示、撮像画像へアイコンを重複表示する形態等があり、アイコンを対応付ける撮像に関連した処理の種類としては、撮像画像の記録処理、撮像画像を記録するための記録容量の残量検出処理、撮像を維持するためのバッテリ残量の検出処理、被写体の注意を集めて良好な撮像を行うためのタリーランプ的な表示処理、自動撮像を行うためのセルフタイマーに係る処理等が挙げられる。
【0011】
また、本発明に係る撮像装置は、撮像手段で取得した撮像画像を表示する表示部を備える撮像装置において、作図指示を受け付ける手段と、受け付けた作図指示に応じて前記表示部で作図を行う作図手段と、該作図手段が作図を行った内容に基づいて図形を作成する図形作成手段と、該図形作成手段が作成した図形を撮像に関連した複数種類の処理のいずれかに対応付ける対応指示を受け付ける手段と、対応指示を受け付けた場合、該対応指示に基づいて図形及び処理を対応付ける手段と、図形が対応付けられた処理が実行された場合、該図形を前記表示部に表示する処理を行う表示処理手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、ユーザからの作図指示に応じて表示部で作図を行うと共に、作図された内容をアイコン化するので、ユーザは自由にアイコンを作成できるようになり、撮像装置にアイコン作成と云う新たな機能を設けて独自のアイコンを表示部に表示させると云う楽しみをユーザに提供できる。また、作成されたアイコンは、そのアイコンに対応付けられた処理が実行された場合に表示されるので、アイコンの表示により現在実行中の処理を把握可能となる。なお、作図手段が行う具体的な作図に係る処理としては、作図指示に応じて輪郭線を描くこと、輪郭線で囲まれた範囲内を色付けること等があり、また、図形作成手段の具体的な処理としては、作図された内容を形成する画素を間引いてアイコン化すること等が挙げられる。
【0013】
さらに、本発明に係る撮像装置は、図形が対応付けられた処理の実行状況に応じて、前記表示部に表示する図形を回転させる手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、アイコンが対応付けられた処理の実行状況に応じて、アイコンを回転表示するので、表示されるアイコンの注目度が高められる。そのため、アイコンの回転表示は、撮像に関連した処理の中でタリーランプ的な表示処理、セルフタイマーに係る処理に好適であると共に、記録容量の残量検出処理で記録残量がミニマムに近付いた場合、バッテリ残量の検出処理でバッテリ残量がミニマムに近付いた場合等の警告として活用できる。
【0014】
さらにまた、本発明に係る撮像装置は、図形が対応付けられた処理の実行状況に応じて、前記表示部に表示する図形を点滅させる手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、アイコンが対応付けられた処理の実行状況に応じて、アイコンを点滅表示するので、アイコンの表示形態を確認することで処理状況を容易に確認できるようになる。例えば、セルフタイマーに係る処理にアイコンが対応付けられている場合、セルフタイマーによる撮像処理の開始に応じて表示部に表示されたアイコンが点滅表示されることになり、表示部を被写体となる人物側へ向ければ、被写体の人物の視線を撮像装置側へ集めることができ、良好な撮像を行える。また、タリーランプ的な処理にアイコンが対応付けられている場合も、被写体へ表示部を向けてアイコンを点滅表示させれば、被写体の注意を引くことができ、猫及び犬等の動物を撮像する場合も動物の注意を点滅表示するアイコンにより撮像装置の方へ集めて撮像を行える。
【0015】
また、本発明に係る撮像装置は、図形が対応付けられた処理の実行状況に応じて、前記表示部に表示する図形の色を変更する手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、アイコンが対応付けられた処理の実行状況に応じて、アイコンの色を変更するので、表示されるアイコンの色を確認することで処理の実行状況を判別できるようになる。例えば、撮像画像を記録する記録媒体の残量検出処理にアイコンが対応付けられている場合、検出した残量の結果が全記録容量と同程度であればアイコンを緑色、全記録容量の半分であればアイコンを黄色、全記録容量の10分の1以下であればアイコンを赤色に変更することなどが考えられる。
【0016】
さらに、本発明に係る撮像装置は、図形が対応付けられた処理の実行状況に応じて、前記表示部に表示する図形の一部を消去する手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、アイコンが対応付けられた処理の実行状況に応じて、表示するアイコンの一部を消去するので、アイコンの表示具合を確認することで処理の実行状況を判別できるようになる。例えば、バッテリ残量の検出処理にアイコンが対応付けられている場合、検出したバッテリ残量の結果がフル充電状態であればアイコンを全て表示、バッテリ残量が半分であればアイコンを半分消去、バッテリ残量がフル充電状態の5分の1であればアイコンの5分の4を消去することが考えられる。
【0017】
さらにまた、本発明に係る撮像装置は、前記撮像手段で取得した撮像画像をディスク状の記録媒体に記録する処理を行う記録処理手段と、該記録処理手段の記録処理に係る情報及び前記図形を記憶するメモリとを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、管理情報の記憶用のメモリに、作成したアイコンを記憶するので、NAND型フラッシュメモリのような高速書き込みが可能で且つ記憶容量が大きいフラッシュメモリを用いても、メモリの記憶容量をアイコンの記憶用として有効に活用できるようになる。よって、高速書き込みが可能で且つ記憶容量が大きいフラッシュメモリを管理情報の記憶用に躊躇なく適用でき、管理情報をディスク記録媒体へ記録する際に不具合が発生しても、管理情報はメモリへ素早くバックアップされて管理情報の消失を確実に防止できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にあっては、撮像画像中の画像に基づいてアイコンを作成し、そのアイコンを撮像装置のいずれかの処理に対応付けて、その処理の実行中にアイコンを表示するので、独自のアイコンを処理の実行に関連付けて表示でき、アイコン作成と云う新たな機能をユーザに提供できると共に、処理内容の確認に対するアピール度も独自のアイコンにより向上できる。
【0020】
また、本発明にあっては、ユーザからの作図指示に応じて作図された内容をアイコン化すると共に、作成されたアイコンを撮像装置のいずれかの処理に対応付けて、その処理の実行中にアイコンを表示するので、自由にアイコンを作成すると云う新たな機能をユーザに提供でき、その上、ユーザが自ら作成したアイコンの表示により処理内容の確認に対する注目度も向上され、ユーザは確実に装置の実行状況を認識できる。
【0021】
さらに、本発明にあっては、アイコンが対応付けられた処理の実行状況に応じて、アイコンを回転表示、点滅表示するので、表示するアイコンの注目度を高めることができ、撮像装置の処理状況をより広くアピールできる。
さらにまた、本発明にあっては、アイコンが対応付けられた処理の実行状況に応じてアイコンの色を変更、アイコンの一部を消去するので、アイコンの表示形態により撮像装置の処理の状況を一目で把握できる。
【0022】
また、本発明にあっては、管理情報の記憶用のメモリに、作成したアイコンを記憶するので、高速書き込みが可能で且つ記憶容量が大きいフラッシュメモリを用いても、メモリの大きい記憶容量をアイコンの記憶に活用でき、さらに、管理情報をディスク状の記録媒体へ記録する際に不具合が発生しても、高速書き込みにより管理情報を確実にバックアップして管理情報の消失を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1を示す。本実施形態の撮像装置1は、撮像した画像を記録するディスク状の記録媒体にDVD−RW、DVD−RAM等の光ディスクを用いており、通常の撮像機能に加えてユーザが独自にアイコンを作成して適宜表示可能にしたことが特徴である。なお、本実施形態の撮像装置1は静止画及び動画の両方の撮像に対応しているが、静止画又は動画のいずれか一方の撮像のみに対応した構成にしてもよい。また、記録媒体の種類としては、BD(ブルーレイディスク)、HD DVD(High Definition DVD)等の光ディスクを用いる構成も可能である。
【0024】
撮像装置1は、ボックス状の筐体2の前面2aに撮像レンズ3を設け、背面側にはビューファインダ部7を設けると共に、一方の側面2bに窪部2cを形成し、その窪部2cの内部にモニタ部4を開閉可能に設けている。また、撮像装置1は、筐体2の側面2bの上方には上下左右キー5a〜5d及び決定キー5e等の複数の操作キーで構成される操作部5を設けており、他方の側面2dには光ディスクを収納する収納部6を取り付けている。
【0025】
ビューファインダ部7を覗くとビューファインダ用表示パネル14(図2参照)を確認できるようになっており、また、光ディスクの収納部6は筐体2に対し回動可能にして、ユーザが収納部6を把持することで撮像方向を自由に変えられるようにしている。なお、図1は、モニタ部4の表示パネル8にユーザが作成したアイコン25を表示した状態を示しており、本実施形態ではアイコン25の表示形態がアイコン25に対応付けられた処理状況に応じて変化(回転表示、点滅表示、色変更、一部消去等)するようにしている。
【0026】
図2は、撮像装置1の本発明に関連する箇所の内部構成を示すブロック図である。撮像装置1は、全体的な各種制御を行う中央制御部10に対して撮像処理部12、表示処理部13、記録コントロール部15、第1実装メモリ17、第2実装メモリ18、及び操作部5を接続している。また、撮像処理部12には撮像手段に相当するCCD(Charge Coupled Device)11が接続されており、表示処理部13にはビューファインダ用表示パネル14及びモニタ部4に設けられた表示パネル8が接続されている。さらに、撮像装置1は、各部へ給電を行うバッテリ19が装着されるようになっており(給電線の図示は省略)、装着されたバッテリ19の給電できる残量は、検出線23を通じて中央制御部10で検出されている。以下、撮像装置1を構成する上述した各部を説明する。
【0027】
撮像処理部12は、CCD11で撮像により取得されたアナログの撮像画像を所定の増幅率で増幅する処理、増幅した画像信号を一定のタイミング毎にサンプリングする相関二重サンプリング処理(CDS)、CDSのサンプリング処理により得られた各値をデジタル信号に変換してデジタルの画像信号を得る処理等を中央制御部10の制御に基づき行っている。なお、撮像処理部12は、バッファメモリ(図示せず)を有して処理中の画像信号を一時的に記憶可能にしており、また、処理が済んだ画像信号(撮像画像)を表示処理部13又は記録コントロール部15へ出力可能にしている。
【0028】
表示処理部13は、CCD11で撮像された撮像画像をビューファインダ用表示パネル14及び表示パネル8で表示させるための処理を行うものであり、撮像画像以外にも図3(a)(b)等に示す各種メニュー26、27及びアイコン25(図1参照)の表示等に係る処理も行う。また、表示処理部13は、表示するアイコン25を回転、点滅させる処理、さらには図8(a)〜(c)に示すように表示中のアイコン44の色を変更する処理、図9(a)〜(c)に示すように表示するアイコン43の一部を消去していく処理等も行う。なお、表示処理部13は、上述した各種処理を中央制御部10の制御に基づいて行い、表示に係るデータを一時的に記憶する表示用バッファメモリ(図示せず)を有する。
【0029】
記録コントロール部15は、撮像装置1に脱着可能に装着される光ディスクDに撮像画像を記録する処理を行っており、撮像処理部12で処理された撮像画像を光ディスクDへ記録するために、移動可能な光ピックアップ部、光ディスクを保持して回転させる駆動回転部等を具備している。また、記録コントロール部15は、光ディスクDへ撮像画像を記録する際には、光ディスクDの記憶領域中のいずれの箇所(アドレス)に、その撮像画像を記録するかを示す管理情報を生成して記憶領域の所定箇所に記録する処理を行う。
【0030】
なお、記録コントロール部15は、上述した記録に係る処理を中央制御部10の制御に基づき行っており、また、記録コントロール部15が生成した管理情報は、光ディスクDへの記録が完了するまではバックアップ的に第2実装メモリ18で記憶されるようになっている。さらに、本実施形態の記録コントロール部15は、装着される光ディスクDの空き容量を検出する処理も中央制御部10の制御により行う。
【0031】
第1実装メモリ17は不揮発性のフラッシュメモリであり、本実施形態ではNOR型のフラッシュROMを用いている。第1実装メモリ17は、撮像に係る処理を含む撮像装置1の全体的な処理内容を規定した装置プログラム20及び各種メニューのデータ等を予め記憶しており、装置プログラム20の規定する処理に基づき中央制御部10が各種処理を行う。なお、第1実装メモリ17の記憶内容の読み出し速度は、第2実装メモリ18に比べて速いため、中央制御部10は、装置プログラム20に規定された内容を迅速に読み出してスムーズな制御処理を行える。
【0032】
一方、第2実装メモリ18は、上述した記録コントロール部15が光ディスクDへ撮像画像を記録する際に生成される管理情報21を中央制御部10の制御に基づき記憶するものであり、不揮発性のフラッシュメモリとして第1実装メモリ17に比べて書き込み速度が速いNAND型のフラッシュROMを用いて、バッテリ切れ、ユーザの不注意な電源スイッチオフ操作等の不測の事態により光ディスクDへ管理情報21を書き込めない場合に管理情報21を確実に保持できるようにしている。なお、第2実装メモリ18は、接続部16を介して中央接続部10に接続されており、このように接続部16を設けているのは、本実施形態の中央制御部10に2種類の実装メモリ17、18を直接的に接続できるコネクタが設けられていないためである。
【0033】
また、第2実装メモリ18には、記憶容量が128Mbitのものを用いており、管理情報21のデータ量は約4Mbitであるため、管理情報21を記憶する領域を確保した上で、他の領域には、後述する処理で作成された各種アイコン22(アイコンの画像データ)が中央制御部10に制御により記憶される。
【0034】
図1、2に示す操作部5は、各キー5a〜5e等ごとに所定の操作信号が割り当てられており、各キー5a〜5e等がユーザにより押圧されると、ユーザからの各種指示を受け付けたことになり、割り当てられた操作信号を中央制御部10へ送る。なお、本実施形態では、撮像画像中の範囲を指示する範囲指示及び作図指示等の各種指示を受け付ける手段として、操作部5は機能している。また、中央制御部10は、操作部5から送られた操作信号に基づいて所定の処理を行うことになる。
【0035】
中央制御部10は第1実装メモリ17に記憶された装置プログラム20が規定する内容に従い所定の処理を行うものであり、撮像装置1の電源スイッチがオンされると中央制御部10が起動し各種処理を行う。中央制御部10が行う処理の一つに、撮像装置1の処理モードをユーザに選択させる内容がある。詳しくは、図3(a)に示すモード選択メニュー26を表示パネル8に表示させる制御を中央制御部10が行い、ユーザが操作部5の上下キー5a、5bを操作することに応じて選択対象を移動し、決定キー5eが操作されたときに選択されているモードを実行するようにしている。
【0036】
なお、選択対象となる各モードの中で、撮像モードは撮像装置1の撮像機能を作動させて撮像処理を行うモードであり、再生モードは光ディスクDに記録された撮像画像を記録コントロール部15で読み出して表示パネル8で再生表示する処理を行うモードであり、管理・設定モードは撮像に係る各種内容等の設定を行うモードである。また、アイコン作成モードはアイコン作成機能を作動させるモードであり、モード選択メニュー26でアイコン作成モードが選択された場合、中央制御部10は、図3(b)に示すアイコン作成方法選択メニュー27を表示パネル8に表示させる処理を行う。
【0037】
図3(b)のアイコン作成方法選択メニュー27は、撮像画像を利用してアイコンを作成する「撮像画像利用」と云う項目と、ユーザが自ら作図する「作図」と云う項目を選択できるようにしており、ユーザが操作部5の上下キー5a、5bを操作することに応じて選択対象を移動し、決定キー5eが操作されたときに選択されている項目を実行するようにしている。
【0038】
「撮像画像利用」と云う項目が選択された場合、図4に示す画像選択メニュー30を生成して表示パネル8に表示させる制御処理を中央制御部10は行う。画像選択メニュー30は、光ディスクDに記録されている各種撮像画像の縮小化(サムネイル化)により生成した複数のサムネイル画像30a〜30fを配置したものであり、中央制御部10の制御に従い記録コントロール部15が順次撮像画像を読み出して、画像選択メニュー30に配置するサムネイル画像30a〜30fを表示処理部13が生成する。なお、光ディスクDに記録されている撮像画像が静止画のときは、その静止画をサムネイル化しており、撮像画像が動画のときは、動画を形成する複数のフレームの中で最初のフレームに相当する画像をサムネイル化している。
【0039】
また、図4の画像選択メニュー30は、配置された各サムネイル画像30a〜30fを選択できるようにしており、ユーザが操作部5の上下左右キー5a〜5dを操作することに応じて選択対象を移動し、決定キー5eが操作されたときに選択されているサムネイル画像をアイコンの元図として使用するようにしている。
【0040】
図5(a)は、表示パネル8に表示された範囲指定画面31を示しており、この範囲指定画面31は、図4の画像選択メニュー30でいずれかのサムネイル画像が選択された場合に表示されるものであり、選択されたサムネイル画像に係る撮像画像中からアイコンの作成元になる画像を含む矩形状の範囲を指定できるように、ユーザの操作により表示パネル8における位置を変更できる矢印32を表示している。なお、図5(a)に示す範囲指定画面31は、図4の画像選択メニュー30でサムネイル画像30fが選択されたときの内容を示しており、ユーザが操作部5の上下左右キー5a〜5dを操作することに応じて中央制御部10の制御に基づき矢印32の位置が変更される。また、決定キー5eが操作されることで、その時の矢印32の位置を矩形状の範囲の左上の点(始点)として中央制御部10が決定する。
【0041】
図5(b)に示す範囲指定画面31は、図5(a)の表示状態で中央制御部10が始点32aを決定したときに、中央制御部10の制御により表示パネル8に表示される内容を示しており、矢印32の位置を変更することで矩形状の範囲32aの右下の点(終点)を指定して撮像画像から抽出する範囲を特定するものである。よって、ユーザの上下左右キー5a〜5dの操作に応じて中央制御部10が矢印32の位置を変更し、決定キー5eが操作されることで、中央制御部10は範囲を指示する範囲指示を受け付けたことになり、その時の矢印32の位置を矩形状の範囲32bの右下の点(始点)として中央制御部10が決定し、撮像画像の中からユーザにより指定された範囲32bを特定する。
【0042】
範囲32bが特定されると、中央制御部10は特定された範囲32bに含まれる内容(画像)を元にして装置プログラム20が規定する処理に従いアイコン(図形)を作成する処理を行う。具体的には、範囲32bを形成する画素に含まれる色要素を検出し、色要素の色差が大きい色の境目となる輪郭線を特定し、その特定した輪郭線で囲まれる部分を抽出する。さらに、中央制御部10は、抽出した部分の画素を間引いて規定の大きさのアイコンを作成する。
【0043】
図5(c)はアイコン登録画面33を示し、アイコン登録画面33は、上述した中央制御部10の処理に基づき作成されたアイコン25の登録をユーザに確認する内容を表示パネル8で表示するものであり、ユーザは操作部5の左右キー5c、5d及び決定キー5eを操作して「YES」又は「NO」を選択することで、作成したアイコン25を保存するか否かを選択することになる。「YES」が選択された場合、中央制御部10は作成したアイコン25を形成するアイコン画像データを第2実装メモリ18に記憶する処理を行う。また、「NO」が選択された場合、中央制御部10はアイコン25を破棄する。
【0044】
一方、図6(a)に示す作図画面35は、図3(b)のアイコン作成方法選択メニュー27で「作図」と云う項目が選択された場合に表示パネル8に表示されるものであり、画面中に移動可能な矢印36が表示され、この矢印36はユーザの上下左右キー5a〜5dの操作に応じて中央制御部10が行う制御処理により表示位置が移動する。中央制御部10は、上述したユーザの各キー5a〜5dの操作を作図指示として受け付けて、矢印36の移動軌跡に従って作図線37を描画表示し作図を行う。作図画面35において描線の作図が完了し、ユーザが決定キー5eを操作すると、中央制御部10は次に図6(b)に示すカラーパレット38を表示パネル8に表示させる処理を行う。
【0045】
図6(b)のカラーパレット38は、複数種類の色が格子状に配置されたものであり、配置された複数の色の中からユーザが希望する色を選択できるようになっている。よって、ユーザは上下左右キー5a〜5dを操作することで、カラーパレット38からアイコンに使用する色を選択し、決定キー5eを操作することで選択された色を決定することになる。中央制御部10は、上述したようなユーザによる各種操作を作図指示として受け付け、図6(a)の作図画面35で描かれた作図線37で囲まれた部分に図6(b)のカラーパレット38から選択された色を付与すると共に、寸法を規定の大きさに調整してアイコン(図形)を作成する。
【0046】
図6(c)は作図により完成したアイコン40の登録画面39を示し、この登録画面39は、図5(c)のアイコン登録画面33と同様に作成したアイコン40を登録するか否かをユーザに確認するものであり、ユーザにより「YES」が選択された場合、中央制御部10はアイコン40の画像データを第2実装メモリ18に記憶する処理を行い、「NO」が選択された場合、中央制御部10はアイコン40を破棄する処理を行う。
【0047】
このように本発明に係る撮像装置1は、撮像画像の利用又はユーザによる作図に基づき新たなアイコンを自由に作成できる。さらに、本発明に係る撮像装置1では、作成したアイコンの画像データを第2実装メモリ18に記憶するようにしているため、第2実装メモリ18の記憶容量をアイコンの保存に活用でき、そのため第2実装メモリ18に高速書き込みが可能なNAND型フラッシュROMを適用しても、NAND型フラッシュROMの記憶容量が無駄になることもない。なお、NAND型フラッシュROMの適用により、管理情報の光ディスクDへの書き込み時に不測の事態が生じても、管理情報は確実にNAND型フラッシュROM(第2実装メモリ18)に保持される。
【0048】
また、本発明に係る撮像装置1は、作成したアイコンを撮像装置1の各種処理の中のいずれか1つに対応付けられるようにしており、さらに、アイコンが対応付けられた処理が実行されると、そのアイコンが表示パネル8に表示されるようにしている。アイコンが対応付けられる処理としては、撮像画像を光ディスクDへ記録する処理、光ディスクDの記録可能な残量を検出する処理、バッテリ19の給電可能な残量を検出する処理、撮像時におけるタリー表示に係る処理、セルフタイマーを利用した撮像処理等があり、これらの各処理は中央制御部10の制御に基づき行われる。
【0049】
また、上述した処理の中には、処理状況に応じてアイコンの表示形態を変化させるようにしているものもあり、具体的には表示形態を変化させる処理としては、光ディスクDの記録残量の検出処理、バッテリ19の給電残量の検出処理、タリー表示処理、セルフタイマー撮像処理等が挙げられる。本実施形態では、光ディスクDの記録可能な残量を検出する処理に対しては表示するアイコンの色を変更するようにしており、バッテリ19の給電可能な残量を検出する処理に対しては表示するアイコンの一部を消去するようにしており、撮像時にタリー表示に係る処理に対してはアイコンを回転表示し、セルフタイマーを利用した撮像処理に対してはアイコンを点滅表示するようにしている。
【0050】
アイコンと処理との対応付けは、管理・設定モードで行えるようにしており、図3(a)のモード選択メニュー26で管理・設定モードの項目が選択されると、中央制御部10は図7(a)に示す管理・設定項目の項目選択画面41を表示パネル8に表示させる制御を行う。項目選択画面41の中のアイコン対応付けと云う項目が選択されると、中央制御部10が、図7(b)に示すように、第2実装メモリ18に記憶されているアイコンを配置したアイコン選択メニュー42を生成して表示パネル8に表示させる制御を行う。
【0051】
図7(b)のアイコン選択メニュー42は、配置した各アイコン25、40、43等を上下左右キー5a〜5dの操作により選択し、決定キー5eの操作により選択されたアイコンを処理に対応付けるものとして中央制御部10が特定する処理を行う。中央制御部10がアイコンを特定すると、次に、中央制御部10は図7(c)に示す処理選択メニュー47を表示パネル8に表示させる処理を行う。
【0052】
図7(c)の処理選択メニュー47は、アイコンを対応付けることが可能な撮像装置1の処理内容の項目を羅列したものであり、上下左右キー5a〜5dがユーザからの操作を対応指示として受け付けることで対応付ける処理の項目を選択し、その状態で決定キー5eがユーザの操作を受け付けると、その時点で選択されていた処理の項目に図7(b)のアイコン選択メニュー42で選択されたアイコンを対応付ける処理を中央制御部10が行う。なお、アイコン選択メニュー42では、対応付けられる各処理ごとに識別情報(図示せず)が付与されており、アイコンの対応付けが行われると、その情報がアイコンに係る画像データに付加されて第2実装メモリ18に記憶される。
【0053】
よって、中央制御部10は、上述した各処理を実行する場合、実行する処理の識別情報を手掛かりに第2実装メモリ18を検索し、対応付けられたアイコンと探し出して表示パネル8に表示させる処理を行う。なお、処理選択メニュー47での対応付けの仕方によっては、ある処理に対して初期設定で対応付けられているアイコンを、新たに作成したアイコンに置き換えることも可能になる。
【0054】
また、本実施形態では、上述した対応付けにより、図7(b)で示す車のアイコン44に光ディスクDの記録残量の検出処理が対応付けられ、ビルのアイコン43にバッテリ19の給電残量の検出処理が対応付けられ、三重の塔のアイコン25にタリー表示処理が対応付けられ、猫のアイコン40にセルフタイマー撮像処理が対応付けられているものとする。
【0055】
図8(a)は、表示パネル8に撮像画像50を表示している状態を示し、この際、中央制御部10は撮像画像50の表示に並行して記録コントロール部15を制御して光ディスクDの記録可能な残量を検出する処理を行っており、その結果、表示パネル8に表示した撮像画像の右下に車のアイコン44を重ね合わせて表示する。第1実装メモリ17に記憶された装置プログラム20は、光ディスクDの記録可能残量が全記録容量の2分の1以上であれば作成されたアイコンの色をそのまま表示し、記録可能残量が全記録容量の2分の1未満10分の1以上であればアイコンの色を黄色に変更し、記録可能残量が全記録容量の10分の1未満になればアイコンの色を赤色に変更することを規定している。
【0056】
よって、中央制御部10は、記録コントロール部15を制御して光ディスクDの記録可能な残量を検出して、検出の結果、記録可能残量が全記録容量の2分の1以上であれば図8(a)に示すように、アイコン44を設定された色で表示させる。また、検出の結果(検出処理の実行状況に応じて)、記録可能残量が全記録容量の2分の1未満10分の1以上になれば、図8(b)に示すようにアイコン44の色を黄色(斜め右上がりのハッチングで表現)に変更したアイコン44′を表示させる。
【0057】
さらに、中央制御部10は、検出の結果、記録可能残量が全記録容量の10分の1未満になれば、図8(c)に示すようにアイコン44′の色を赤色(斜め右下がりのハッチングで表現)に変更したアイコン44″を表示させる。このようにアイコン44の表示形態を変化させることで、ユーザはアイコン44の表示形態を確認すれば、記録できる残量を概算的に把握できる。なお、中央制御部10は、アイコン44を形成する画素が有する色要素を変更する指示を表示処理部13に出すことで、上述した色変更を行う。
【0058】
また、図9(a)は、表示パネル8に撮像画像51を表示している状態を示し、この際、中央制御部10は撮像画像51の表示に並行してバッテリ19の給電可能な残量を検出する処理を行っている。そのため、表示パネル8に表示された撮像画像51の右下にビルのアイコン43を重ね合わせている。第1実装メモリ17に記憶された装置プログラム20は、バッテリ19の残量に応じて表示するアイコンの一部を消去することを規定しており、例えば、バッテリ19がフル充電の場合はアイコンの全部を表示させ、バッテリ残量がフル充電の4分の3であればアイコンの一方向において端から4分の1の部分を消去し、バッテリ残量がフル充電の半分であればアイコンの一方向において端から半分を消去し、バッテリ残量がフル充電の5分の3であればアイコンの一方向において端から5分の4の部分を消去することを規定する。
【0059】
よって、中央制御部10は、撮像画像51の表示中にバッテリ19の残量を検出して、検出の結果、バッテリ19がフル充電であれば図9(a)に示すようにアイコン43の全てを表示させる。また、検出の結果、バッテリ残量が半分になれば、図9(b)に示すように、縦方向における上半分の部分43a(破線で示す範囲)を消去したアイコン43′を表示させ、さらに、検出の結果、バッテリ残量が4分の1になれば、図9(c)に示すように4分の3の部分43b(破線で示す範囲)を消去したアイコン43″を表示させる。このようにアイコン43の表示形態が変化することで、ユーザはアイコン43の表示形態を確認すれば、バッテリを使用できる程度を概算的に把握できる。なお、中央制御部10は、アイコン43の消去する範囲に該当する撮像画像51の画素をアイコン43の消去する部分に重ねて表示する指示を表示処理部13に出すことで、アイコン43の一部を消去している。
【0060】
さらに、第1実装メモリ17に記憶された装置プログラム20は、動画撮像時にタリーランプの代用として表示パネル8にアイコンを回転表示(タリー表示)させて撮像中であることを被写体へ伝える処理を規定している。管理・設定モードでタリー表示を行う設定が行われている状態で撮像モードに入ると、中央制御部10はタリー表示に対応付けられた三重の塔のアイコン25を表示パネル8に表示させる制御を行う。
【0061】
動画撮像が開始されると、図10(a)〜(c)に示すように、中央制御部10は、表示していたアイコン25の中心を回転中心としてアイコン25を右回りに回転させて表示させる制御処理を行う。この回転表示に係る処理は、中央制御部10がアイコン25の表示する角度を変更する指示を表示処理部13へ出すことで行っている。このようにアイコン25を回転させてタリー表示を行うことで、被写体は、動画撮像中であることを容易に認識することが可能になる。なお、タリー表示を行うときは、モニタ部4を開いて表示パネル8を被写体の方へ向ける必要がある。また、このようなタリー表示は、猫、犬のような動物を撮像する場合に、動物の注意を撮像装置1の方へ向けるような用途にも好適である。
【0062】
さらにまた、第1実装メモリ17に記憶された装置プログラム20は、セルフタイマーで静止画撮像を行う場合、表示パネル8にアイコンを点滅表示させることを規定している。セルフタイマーの機能を作動させて撮像処理を行うとき、セルフタイマーの設定を行うと、猫のアイコン40を表示パネル8に表示させ、セルフタイマーを作動させると、図11(a)(b)に示すように、中央制御部10は猫のアイコン40の表示及び非表示を繰り返し、表示パネル8にアイコン40を点滅表示させる制御を行う。
【0063】
この際、セルフタイマーにより撮像の時期が近付くにつれて点滅の間隔が短くなるようにしている。この点滅表示は、中央制御部10が点滅に係る間隔に応じてアイコン40の表示及び非表示の指示を表示処理部13に出すことで行っている。このようにアイコン40を点滅表示させることで、セルフタイマーでの撮像を好適に行える。なお、上述したようにセルフタイマーで撮像を行うときは、タリー表示と同様にモニタ部4を開いて表示パネル8を被写体の方へ向ける必要がある。
【0064】
なお、本発明に係る撮像装置1は、上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形例の適用が可能である。例えば、記憶したアイコンを対応付ける撮像に関連した処理は、上述した処理以外にも設定したフォーカスの種類ごとに所望のアイコンを対応付けるようにしてもよい。また、アイコンを対応付けた処理の状況に応じてアイコンの表示形態を変更する内容は、上記割り当て以外にも、タリー表示にアイコンの点滅表示、セルフタイマー撮像にアイコンの回転表示、バッテリの残量検出にアイコンの色変更、光ディスクDの残容量検出にアイコンの一部消去を適宜割り当てるようにしてもよい。また、アイコンの表示形態としては、上述した以外にアイコンの位置変更、アイコンの寸法変更等も適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置の斜視図である。
【図2】実施形態の撮像装置の主要な内部構成を示すブロック図である。
【図3】(a)はモード選択メニューを示す概略図、(b)はアイコン作成方法選択メニューを示す概略図である。
【図4】画像選択メニューを示す概略図である。
【図5】(a)は始点指定に係る範囲指定画面を示す概略図、(b)は終点指定に係る範囲指定画面を示す概略図、(c)はアイコン登録画面を示す概略図である。
【図6】(a)は作図画面を示す概略図、(b)はカラーパレットを示す概略図、(c)はアイコンの登録画面を示す概略図である。
【図7】(a)は項目選択画面を示す概略図、(b)はアイコン選択メニューを示す概略図、(c)は処理選択メニューを示す概略図である。
【図8】(a)はアイコンを重複表示した撮像画像を示す概略図、(b)はアイコンの色を変更した状態を示す概略図、(c)はアイコンの色を更に変更した状態を示す概略図である。
【図9】(a)はアイコンを重複表示した撮像画像を示す概略図、(b)はアイコンの半分を消去した状態を示す概略図、(c)はアイコンの4分の3の部分を消去した状態を示す概略図である。
【図10】(a)〜(c)は、アイコンを回転表示する状態を示す概略図である。
【図11】点滅表示を示し、(a)アイコンの表示状態を示す概略図、(b)は、アイコンの非表示状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0066】
1 撮像装置
5 操作部
8 表示パネル
10 中央制御部
11 CCD
12 撮像処理部
13 表示処理部
15 記録コントロール部
17 第1実装メモリ
18 第2実装メモリ
19 バッテリ
20 装置プログラム
21 管理情報
22 アイコン
D 光ディスク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段で取得した撮像画像を表示する表示部を備える撮像装置において、
前記表示部で表示した撮像画像中の範囲を指示する範囲指示を受け付ける手段と、
範囲指示を受け付けた場合、該範囲指示に係る範囲を特定する特定手段と、
該特定手段が特定した範囲に含まれる画像に基づいて図形を作成する図形作成手段と、
該図形作成手段が作成した図形を撮像に関連した複数種類の処理のいずれかに対応付ける対応指示を受け付ける手段と、
対応指示を受け付けた場合、該対応指示に基づいて図形及び処理を対応付ける手段と、
図形が対応付けられた処理が実行された場合、該図形を前記表示部に表示する処理を行う表示処理手段と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
撮像手段で取得した撮像画像を表示する表示部を備える撮像装置において、
作図指示を受け付ける手段と、
受け付けた作図指示に応じて前記表示部で作図を行う作図手段と、
該作図手段が作図を行った内容に基づいて図形を作成する図形作成手段と、
該図形作成手段が作成した図形を撮像に関連した複数種類の処理のいずれかに対応付ける対応指示を受け付ける手段と、
対応指示を受け付けた場合、該対応指示に基づいて図形及び処理を対応付ける手段と、
図形が対応付けられた処理が実行された場合、該図形を前記表示部に表示する処理を行う表示処理手段と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
図形が対応付けられた処理の実行状況に応じて、前記表示部に表示する図形を回転させる手段を備える請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
図形が対応付けられた処理の実行状況に応じて、前記表示部に表示する図形を点滅させる手段を備える請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
図形が対応付けられた処理の実行状況に応じて、前記表示部に表示する図形の色を変更する手段を備える請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項6】
図形が対応付けられた処理の実行状況に応じて、前記表示部に表示する図形の一部を消去する手段を備える請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像手段で取得した撮像画像をディスク状の記録媒体に記録する処理を行う記録処理手段と、
該記録処理手段の記録処理に係る情報及び前記図形を記憶するメモリとを備える請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の撮像装置。
【請求項1】
撮像手段で取得した撮像画像を表示する表示部を備える撮像装置において、
前記表示部で表示した撮像画像中の範囲を指示する範囲指示を受け付ける手段と、
範囲指示を受け付けた場合、該範囲指示に係る範囲を特定する特定手段と、
該特定手段が特定した範囲に含まれる画像に基づいて図形を作成する図形作成手段と、
該図形作成手段が作成した図形を撮像に関連した複数種類の処理のいずれかに対応付ける対応指示を受け付ける手段と、
対応指示を受け付けた場合、該対応指示に基づいて図形及び処理を対応付ける手段と、
図形が対応付けられた処理が実行された場合、該図形を前記表示部に表示する処理を行う表示処理手段と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
撮像手段で取得した撮像画像を表示する表示部を備える撮像装置において、
作図指示を受け付ける手段と、
受け付けた作図指示に応じて前記表示部で作図を行う作図手段と、
該作図手段が作図を行った内容に基づいて図形を作成する図形作成手段と、
該図形作成手段が作成した図形を撮像に関連した複数種類の処理のいずれかに対応付ける対応指示を受け付ける手段と、
対応指示を受け付けた場合、該対応指示に基づいて図形及び処理を対応付ける手段と、
図形が対応付けられた処理が実行された場合、該図形を前記表示部に表示する処理を行う表示処理手段と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
図形が対応付けられた処理の実行状況に応じて、前記表示部に表示する図形を回転させる手段を備える請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
図形が対応付けられた処理の実行状況に応じて、前記表示部に表示する図形を点滅させる手段を備える請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
図形が対応付けられた処理の実行状況に応じて、前記表示部に表示する図形の色を変更する手段を備える請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項6】
図形が対応付けられた処理の実行状況に応じて、前記表示部に表示する図形の一部を消去する手段を備える請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像手段で取得した撮像画像をディスク状の記録媒体に記録する処理を行う記録処理手段と、
該記録処理手段の記録処理に係る情報及び前記図形を記憶するメモリとを備える請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−325008(P2006−325008A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−146987(P2005−146987)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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