撮像装置
【課題】配線板40と信号ケーブル50との接続の信頼性が高い撮像装置1を提供する。
【解決手段】CCD23を表面21に有し、貫通配線24を介してCCD23と接続された外部接続端子24Aを裏面22に有する撮像素子チップ20と、第1の主面41において外部接続端子24Aと接続され、第2の主面42側に開口部のある接続孔43の壁面に露出した電極部44Aを有する配線板40と、一端が接続孔43に挿入され第2の主面42に対して立設した導電線51、が多層配線層44と接続された信号ケーブル50と、を具備する。
【解決手段】CCD23を表面21に有し、貫通配線24を介してCCD23と接続された外部接続端子24Aを裏面22に有する撮像素子チップ20と、第1の主面41において外部接続端子24Aと接続され、第2の主面42側に開口部のある接続孔43の壁面に露出した電極部44Aを有する配線板40と、一端が接続孔43に挿入され第2の主面42に対して立設した導電線51、が多層配線層44と接続された信号ケーブル50と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像素子チップを具備する撮像装置に関し、特に配線板を介して固体撮像素子チップと接続された信号ケーブルを具備する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像素子チップを具備する撮像装置は、例えば電子内視鏡の先端部に配設されて使用される。電子内視鏡の先端部は患者の苦痛を和らげるために、細径化および短小化が重要な課題である。
【0003】
図1に示すように、特開2000−199863号公報には、カバーガラス110と、撮像素子チップ120と、パターンフィルム130と、配線板140と、信号ケーブル150と、を有する撮像装置101が開示されている。そして、配線板140、および配線板140に実装された電子部品146、および信号ケーブル150の端子部は、撮像素子チップ120の投影面積内に納まっている。
【0004】
配線板140は、垂直向きの基板140Aと、基板140Aに直交する水平向きの基板140BからなるT字形状の多層セラミック板である。そして、撮像素子123の外周部に設けられたボンディングパッド124と、撮像素子チップ120の背面に結合された垂直向きの基板140Aに設けられたボンディングパッド(不図示)と、が配線パターンを形成したパターンフィルム130により接続されている。水平向きの基板140Bには電子部品146が実装されているとともに、端部に形成した端子部143に信号ケーブル150が接続されている。
【0005】
しかし、撮像装置101では、撮像素子チップ120が、より小型化すると、水平向きの基板140Bの複数の端子部143の1次元の配置が狭ピッチ化する。すると、端子部143に信号ケーブル150を接続する作業は容易ではなくなり、安定して確実な電気的接続ができなくなるおそれがあった。すなわち、撮像装置101では、配線板140と信号ケーブル150との接続の信頼性が低下してしまうおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−199863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、配線板と信号ケーブルとの接続の信頼性が高い撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明の撮像装置は、表(おもて)面に撮像素子を有し、貫通配線を介して前記撮像素子と接続された外部接続端子を裏面に有する撮像素子チップと、第1の主面において前記外部接続端子と接続され、第2の主面側に電極部のある多層配線層を有する配線板と、前記第2の主面に立設した接続部材によって前記電極部と接続された信号ケーブルと、を具備する
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、配線板と信号ケーブルとの接続の信頼性が高い撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】公知の撮像装置の構造を説明するための斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の撮像装置の構造を説明するための斜視図である。
【図3】第1の実施の形態の撮像装置の断面構造を説明するための模式図である。
【図4】第1の実施の形態の撮像装置の断面構造を説明するための分解図である。
【図5】第2の実施の形態の撮像装置の断面構造を説明するための分解図である。
【図6】第2の実施の形態の撮像装置の接続部材を説明するための図であり、図6(A)〜図6(D)は長手垂直方向の断面構造を、図6(E)は長手平行方向の断面構造を、示している。
【図7】第3の実施の形態の撮像装置の断面構造を説明するための分解図である。
【図8】第3の実施の形態の撮像装置の断面構造を説明するための部分拡大図である。
【図9】第4の実施の形態の撮像装置の断面構造を説明するための分解図である。
【図10】第5の実施の形態の撮像装置の断面構造を説明するための分解図である。
【図11】第6の実施の形態の内視鏡装置の断面構造を説明するための分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
図2、図3および図4を用いて本発明の第1の実施の形態の撮像装置1について説明する。図2は本実施の形態の撮像装置1の構造を説明するための背面方向、すなわち、被写体方向と逆方向から観察したときの斜視図であり、図3は撮像装置1の断面構造を説明するための模式図であり、図4は撮像装置1の断面構造を説明するための分解図である。なお図は、いずれも説明のための模式図であり、縦横の寸法比等は実際とは異なっている。また、断面構造を説明するための図は、説明のための図であり、ある切断面における構造を示すものではない。
【0012】
図2に示すように、撮像装置1は、カバーガラス10と、撮像素子チップ20と、封止樹脂30と、配線板40と、信号ケーブル50と、を有する。そして、配線板40の第2の主面42に2次元配置された複数の接続孔43のそれぞれに、1本の導電線51(図4参照)が挿入されているために、信号ケーブル50は、配線板40の第2の主面42に対して立設している。ここで、「立設」とは「垂直に配設(setup)」を意味するが、本発明の効果を奏する範囲であれば、導電線51(信号ケーブル50)は、第2の主面42垂直方向から例えば±20度程度傾いていてもよい。ただし、配線板40および信号ケーブル50は、撮像素子チップ20の投影面積内に収まるように配設される。
【0013】
次に、撮像装置1の、より詳細な構造について説明する。図3および図4に示すように、シリコン等の半導体からなる撮像素子チップ20の表面21には固体撮像素子であるCCD23が公知の半導体技術を用いて形成されている。固体撮像素子としてはCOMSイメージセンサ等でもよい。撮像素子チップ20の表面21にはカバーガラス10が接合されている。CCD23のためのマイクロレンズが、カバーガラス10の内側のCCD23上に形成されていてもよい。
【0014】
撮像素子チップ20には表面21から裏面22までを貫通する複数の貫通配線24を有し、CCD23の内部配線は、貫通配線24を介して裏面22の複数の外部接続端子24Aに接続されている。外部接続端子24A上には、それぞれバンプ31が形成されており、バンプ31は配線板40の多層配線層44と接続されている。封止樹脂30は、バンプ31の周囲を封止し接続の信頼性を高めると同時に、撮像素子チップ20と配線板40とを接合している。封止樹脂30としては、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、またはフェーノール系樹脂等を用いる。
【0015】
配線板40は、複数の配線層からなる多層配線層44が、複数の絶縁層45により絶縁された構造の、いわゆる多層配線板であり、ガラスエポキシ、セラミック、またはアルミニウム等を基材として用いる。配線板40のサイズ、すなわち外寸は、撮像素子チップ20と同等もしくはそれ以下であり、撮像素子チップ20の投影面積内に納まっている。本実施の形態の撮像装置1の配線板40は、チップコンデンサー、抵抗、トランジスター、インダクターまたはIC等の電子部品46が内蔵されている部品内蔵基板であるが、電子部品46が表面実装されていてもよいし、電子部品46が実装されていなくともよい。
【0016】
そして、配線板40には、第2の主面42に開口部のある、接続孔43が形成されており、接続孔43の底面を含む壁面の少なくとも一の領域が電極部44Aである。言い換えれば、接続孔43の壁面に露出した多層配線層44の一部分が、電極部44Aである。接続孔43は、複数の内部配線層からなる多層配線層44と複数の絶縁層45とを貫通するように形成されているが、それぞれの接続孔43は、少なくとも一の内部配線層が底部面を含む壁面の少なくとも一の領域に露出部を有する。なお、接続孔43の壁面全体を導電体で被覆した場合には前記導電体が電極部44Aとみなすことができる。
【0017】
なお、図3等では、4個の接続孔43がある場合を例示しているが、より多くの数の、または少ない数の接続孔43であってもよい。それぞれの接続孔43の電極部44Aは、多層配線層44により、例えば、それぞれ異なる外部接続端子24Aと電気的に接続されている。接続孔43の第2の主面42上の形成位置は、多層配線層44の構成および信号ケーブル50との接続位置を考慮して設計される。また、複数の接続孔43の深さは、全て同じである必要はなく、さらに、配線板40を貫通している孔があってもよい。
【0018】
そして、すでに説明したように信号ケーブル50の導電線51が接続孔43に挿入されると、信号ケーブル50は接続部材の機能を有する導電線51によって、多層配線層44の電極部44Aと電気的に接続される。導電線51と接続孔43の電極部44Aとの接続、すなわち信号ケーブル50と多層配線層44との接続は、はんだ接合、または熱圧着等による。なお、接続孔43の断面形状は内部に導電線51が挿入可能であれば如何なる形状でもよいが、導電線51の形状に合わせて、円形または矩形であることが好ましい。接続が容易となるためである。
【0019】
以上の説明のように、撮像装置1は、平面上、すなわち配線板40の第2の主面42上に、信号ケーブル50の接続部である接続孔43が2次元的に配置されている。このため、接続孔43を広い間隔(ピッチ)で形成できる。さらに接続孔43に導電線51を挿入して接続/固定するため、接続の機械的強度も強い。
【0020】
このため、本実施の形態の撮像装置1は、配線板40と信号ケーブル50との接続の信頼性が高い。
【0021】
また、撮像装置1では、平板状の配線板40の板厚方向がCCD23の光軸方向となっているため、カバーガラス10から信号ケーブル50との接続部までの長さが短い。このため、撮像装置1は、光軸方向が狭い空間に配設可能である。
【0022】
なお、撮像装置1の製造工程において、カバーガラス10と、撮像素子チップ20と、配線板40と、信号ケーブル50との、接合順序は、適宜、決定される。
【0023】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態の撮像装置1Aについて説明する。本実施の形態の撮像装置1Aは、第1の実施の形態の撮像装置1と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0024】
図5に示すように、撮像装置1Aでは、配線板40の接続孔43に、接続部材である導電性の棒状部材60が挿入され、棒状部材60に信号ケーブル50の導電線51が、はんだ接合または機械的に嵌合することで、電気的に接続されている。棒状部材60は、金、銅、真鍮、またはアルミニウム等からなる。また、棒状部材60は、接続孔43に挿入される部分よりも、接続孔43に挿入されない部分の外径(サイズ)が大きくてもよく、外径は段階的に変化していても連続的に変化していてもよい。
【0025】
また図6(A)〜図6(D)に示すように、棒状部材60の長手垂直方向の断面形状は、丸形(図6(A)、60A)に限られるものではなく、四角形(図6(B)、60B)、凹形(図6(C)、60C)、または中心部に導電線51を挿通可能なドーナツ形状(図6(D)、60D)等であってもよいし、部分的に変化していてもよい。ただし、導電線51との接続を考慮すると、少なくとも接続部の形状は、凹形、四角形、またはドーナツ形状が好ましい。さらに、図6(E)の長手平行方向の断面構造図に示すように、中心部に導電線51を嵌合可能なドーナツ形状であり、かつ、抜け防止のための構造を有する棒状部材60Eも好ましく用いることができる。棒状部材60Eでは導電線51を中心部に押し込むだけで、導電線51を固定すると同時に電気的に接続することができる。
【0026】
棒状部材60は導電線51よりも小さく、取り扱いが容易であるため接続作業が容易である。さらに棒状部材60の熱容量は、導電線51の熱容量よりも小さいために、配線板40への熱を用いた接続作業、例えば、はんだ接合作業が容易である。このため予め撮像素子チップ20を接続されている配線板40であっても、CCD23の熱による性能劣化が起こりにくい。そして、配線板40へ棒状部材60を、はんだ接合した後に、棒状部材60に導電線51が接続される。なお、すでに説明した撮像装置1と同様に撮像装置1Aの製造工程における構成要素の接合(接着)順序は変更可能であるため、配線板40へ棒状部材60を、はんだ接合した後に、撮像素子チップ20を接合してもよい。前記接合順序の場合には、例えば加熱したホットプレート上に配線板40を配置し、はんだ溶融温度以上に加熱した状態で、棒状部材60を、はんだ接合することで容易に接合を行うことができる。
【0027】
また、撮像装置1Aでは、製造工程の途中で検査を行うことができる。すなわち、撮像素子チップ20から配線板40を介して接続されている棒状部材60を用いて、撮像装置1としての電気的検査を行った後に、信号ケーブル50を接続することができる。
【0028】
以上の説明のように、本実施の形態の撮像装置1Aは、撮像装置1が有する効果に加えて、製造が容易である。
【0029】
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態の撮像装置1Bについて説明する。本実施の形態の撮像装置1Bは第1の実施の形態の撮像装置1と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0030】
図7および図8に示すように、撮像装置1Bは、複数の導電線51を一括して保持するケーブル固定基板70と、ケーブル固定基板70を配線板40に固定する固定基板接合部49と、からなるケーブル固定部72、を有する。ケーブル固定基板70は、導電線51を所定の配置、すなわち、配線板40の接続孔43の配置に保持する。なお、図7および図8に示す撮像装置1Bでは配線板40に固定基板接合部49が接着され、導電線51を所定の配置に保持したケーブル固定基板70が、固定基板接合部49と嵌合し固定する形態を示しているが、ケーブル固定部72として配線板40に接着してもよい。また、固定基板接合部49を用いないで、配線板40とケーブル固定基板70との間を封止樹脂により封止/固定してもよい。なお、ケーブル固定部72の大きさは、撮像素子チップ20および配線板40と同等または、それ以下である。
【0031】
さらに、撮像装置1Bの信号ケーブル50Bは、導電線51の外周に、被覆層52を介してシールド線53を有するシールドケーブルであり、ケーブル固定基板70の片面が導電層71であり、シールド線53が導電層71と接続されている。導電層71は接地(GND)電位となるように図示しないアース線と接続されている。すなわち、ケーブル固定部72の少なくとも一部が、接地電位の導電体であり、シールド線53がケーブル固定部72の導電体と、接続されている。
【0032】
ケーブル固定基板70の材料には、ガラスエポキシ等の樹脂、セラミック、または金属等を用いる。ケーブル固定基板70の材料に、アルミニウム等の導電性材料を用いた場合には、導電層71を形成する必要はない。一方、固定基板接合部49は、樹脂、セラミックまたは金属等を用い、導電性材料を用いた場合には固定基板接合部49は、配線板40の接地電位部と接続することが好ましい。配線板40の接地電位部をアース線と接続する必要がなくなるためである。
【0033】
撮像装置1Bは、ケーブル固定部72により複数の導電線51を、配線板40のそれぞれの接続孔43に一括で挿入/接続することができる。このため、製造工程の作業性がよい。
【0034】
さらに、撮像装置1Bは、信号ケーブル50Bのシールド線53とケーブル固定部72の接地電位の導電層71とが接続されているため、ノイズに強い。
【0035】
以上の説明のように、本実施の形態の撮像装置1Bは、撮像装置1Aが有する効果に加えて、製造が容易であり、かつノイズに強い。
【0036】
もちろん、固定基板接合部49が有する機能と、シールド線53を有する信号ケーブル50Bが有する機能とは、異なる機能であり、いずれか一方の機能だけを有する撮像装置であっても、よい。
【0037】
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態の撮像装置1Cについて説明する。本実施の形態の撮像装置1Cは第2の実施の形態の撮像装置1Aと類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0038】
撮像装置1Cでは、接続部材である導電性の棒状部材61が、導電線51の配置と接続孔43の配置とを、一致するための再配線部61Aを有する。図9に示すように再配線部61Aは、例えば棒状部材61が曲がっている部分である。
【0039】
接続孔43の配置は、配線板40の多層配線層44の構造によって設計することができるが、多層配線層44の構造が複雑化することが、好ましくないことがある。
【0040】
しかし、撮像装置1Cでは、棒状部材61が再配線部61Aを有するために、多層配線層44の構造を複雑化することなく、信号ケーブル50の導電線51を所望の配置、例えば、図9に示すように規則正しい所定間隔dの配置にすることができる。このため信号ケーブル50の導電線51の数が増加してもピッチ間隔を適切に確保することができるため信頼性が低下することがない。
【0041】
なお、再配線部は、棒状部材61とは別体の構成要素として作成し、棒状部材61と接合してもよく、その場合には、再配線部と導電線51とが接続されていてもよい。
【0042】
撮像装置1Cは、第1の実施の形態の撮像装置1等が有する効果に加えて、製造工程の作業性がよいだけでなく、配線板40と信号ケーブル50との接続の信頼性がさらに高い。
【0043】
<第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態の撮像装置1Dについて説明する。本実施の形態の撮像装置1Dは第2の実施の形態の撮像装置1Aと類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0044】
図10に示すように、撮像装置1Dの配線板40Dは、第2の主面42に多層配線層44と接続されている電極部である電極パッド44Dを有する。電極パッド44Dは多層配線層44の第2の主面42側の最上層であってもよい。そして電極パッド44Dには、棒状部材62が立設されている。電極パッド44Dと棒状部材62とは、例えば、はんだ接合されている。棒状部材62は、図6(E)に示した棒状部材60Eと同様に中心部に導電線51を嵌合可能なドーナツ形状であり、かつ、抜け防止のための構造を有する。
【0045】
撮像装置1Dも、製造装置1等と同様に構成要素の接合順序は自在であり、配線板40Dの電極パッド44Dに棒状部材62を接合後に、配線板40Dとカバーガラス10が接合された撮像素子チップ20とを接合することが好ましい。そして、導電線51は、棒状部材62に挿入されることで棒状部材62と嵌合し、固定されると同時に電気的に接続される。
【0046】
撮像装置1Dは、撮像装置1A等が有する効果に加えて、配線板に接続孔を作成する必要がないため、さらに製造が容易である。
【0047】
<第6の実施の形態>
次に、第6の実施の形態の撮像装置1Eについて説明する。本実施の形態の撮像装置1Eは第1の実施の形態の撮像装置1と略同じであるので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。図11に示すように撮像装置1Eは電子内視鏡装置80の挿入部先端部に配設されている。図11において模式的に示している光学系81と、撮像装置1Eとは枠部82により光軸Oを中心に固定されている。撮像装置1Eの後側はシールド枠83により覆われており、シールド枠83の内部は樹脂充填剤84により充填されている。
【0048】
すでに説明した第1の実施の形態の撮像装置1と同じように撮像装置1Eは、信号ケーブル50との接続部までの全長が短い。このため、撮像装置1Eを具備する電子内視鏡装置80は、可撓性のない硬性部の長さを短縮できる。
【0049】
本発明は上述した実施の形態または変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等ができる。
【符号の説明】
【0050】
1、1A〜1E…撮像装置、10…カバーガラス、20…撮像素子チップ、21…表面、22…裏面、23…CCD、24…貫通配線、24A…外部接続端子、30…封止樹脂、31…バンプ、40、40D…配線板、41…第1の主面、42…第2の主面、43…接続孔、44…多層配線層、44A…電極部、44D…電極パッド、45…絶縁層、46…電子部品、49…固定基板接合部、50…信号ケーブル、50B…信号ケーブル、51…導電線、53…シールド線、60、60A〜60E、61、62…棒状部材、61A…再配線部、70…ケーブル固定基板、71…導電層、72…ケーブル固定部、80…電子内視鏡装置、81…光学系、82…枠部、83…シールド枠、84…樹脂充填剤、101…撮像装置、110…カバーガラス、120…撮像素子チップ、123…撮像素子、124…ボンディングパッド、130…パターンフィルム、140…配線板、143…端子部、146…電子部品、150…信号ケーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像素子チップを具備する撮像装置に関し、特に配線板を介して固体撮像素子チップと接続された信号ケーブルを具備する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像素子チップを具備する撮像装置は、例えば電子内視鏡の先端部に配設されて使用される。電子内視鏡の先端部は患者の苦痛を和らげるために、細径化および短小化が重要な課題である。
【0003】
図1に示すように、特開2000−199863号公報には、カバーガラス110と、撮像素子チップ120と、パターンフィルム130と、配線板140と、信号ケーブル150と、を有する撮像装置101が開示されている。そして、配線板140、および配線板140に実装された電子部品146、および信号ケーブル150の端子部は、撮像素子チップ120の投影面積内に納まっている。
【0004】
配線板140は、垂直向きの基板140Aと、基板140Aに直交する水平向きの基板140BからなるT字形状の多層セラミック板である。そして、撮像素子123の外周部に設けられたボンディングパッド124と、撮像素子チップ120の背面に結合された垂直向きの基板140Aに設けられたボンディングパッド(不図示)と、が配線パターンを形成したパターンフィルム130により接続されている。水平向きの基板140Bには電子部品146が実装されているとともに、端部に形成した端子部143に信号ケーブル150が接続されている。
【0005】
しかし、撮像装置101では、撮像素子チップ120が、より小型化すると、水平向きの基板140Bの複数の端子部143の1次元の配置が狭ピッチ化する。すると、端子部143に信号ケーブル150を接続する作業は容易ではなくなり、安定して確実な電気的接続ができなくなるおそれがあった。すなわち、撮像装置101では、配線板140と信号ケーブル150との接続の信頼性が低下してしまうおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−199863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、配線板と信号ケーブルとの接続の信頼性が高い撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明の撮像装置は、表(おもて)面に撮像素子を有し、貫通配線を介して前記撮像素子と接続された外部接続端子を裏面に有する撮像素子チップと、第1の主面において前記外部接続端子と接続され、第2の主面側に電極部のある多層配線層を有する配線板と、前記第2の主面に立設した接続部材によって前記電極部と接続された信号ケーブルと、を具備する
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、配線板と信号ケーブルとの接続の信頼性が高い撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】公知の撮像装置の構造を説明するための斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の撮像装置の構造を説明するための斜視図である。
【図3】第1の実施の形態の撮像装置の断面構造を説明するための模式図である。
【図4】第1の実施の形態の撮像装置の断面構造を説明するための分解図である。
【図5】第2の実施の形態の撮像装置の断面構造を説明するための分解図である。
【図6】第2の実施の形態の撮像装置の接続部材を説明するための図であり、図6(A)〜図6(D)は長手垂直方向の断面構造を、図6(E)は長手平行方向の断面構造を、示している。
【図7】第3の実施の形態の撮像装置の断面構造を説明するための分解図である。
【図8】第3の実施の形態の撮像装置の断面構造を説明するための部分拡大図である。
【図9】第4の実施の形態の撮像装置の断面構造を説明するための分解図である。
【図10】第5の実施の形態の撮像装置の断面構造を説明するための分解図である。
【図11】第6の実施の形態の内視鏡装置の断面構造を説明するための分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
図2、図3および図4を用いて本発明の第1の実施の形態の撮像装置1について説明する。図2は本実施の形態の撮像装置1の構造を説明するための背面方向、すなわち、被写体方向と逆方向から観察したときの斜視図であり、図3は撮像装置1の断面構造を説明するための模式図であり、図4は撮像装置1の断面構造を説明するための分解図である。なお図は、いずれも説明のための模式図であり、縦横の寸法比等は実際とは異なっている。また、断面構造を説明するための図は、説明のための図であり、ある切断面における構造を示すものではない。
【0012】
図2に示すように、撮像装置1は、カバーガラス10と、撮像素子チップ20と、封止樹脂30と、配線板40と、信号ケーブル50と、を有する。そして、配線板40の第2の主面42に2次元配置された複数の接続孔43のそれぞれに、1本の導電線51(図4参照)が挿入されているために、信号ケーブル50は、配線板40の第2の主面42に対して立設している。ここで、「立設」とは「垂直に配設(setup)」を意味するが、本発明の効果を奏する範囲であれば、導電線51(信号ケーブル50)は、第2の主面42垂直方向から例えば±20度程度傾いていてもよい。ただし、配線板40および信号ケーブル50は、撮像素子チップ20の投影面積内に収まるように配設される。
【0013】
次に、撮像装置1の、より詳細な構造について説明する。図3および図4に示すように、シリコン等の半導体からなる撮像素子チップ20の表面21には固体撮像素子であるCCD23が公知の半導体技術を用いて形成されている。固体撮像素子としてはCOMSイメージセンサ等でもよい。撮像素子チップ20の表面21にはカバーガラス10が接合されている。CCD23のためのマイクロレンズが、カバーガラス10の内側のCCD23上に形成されていてもよい。
【0014】
撮像素子チップ20には表面21から裏面22までを貫通する複数の貫通配線24を有し、CCD23の内部配線は、貫通配線24を介して裏面22の複数の外部接続端子24Aに接続されている。外部接続端子24A上には、それぞれバンプ31が形成されており、バンプ31は配線板40の多層配線層44と接続されている。封止樹脂30は、バンプ31の周囲を封止し接続の信頼性を高めると同時に、撮像素子チップ20と配線板40とを接合している。封止樹脂30としては、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、またはフェーノール系樹脂等を用いる。
【0015】
配線板40は、複数の配線層からなる多層配線層44が、複数の絶縁層45により絶縁された構造の、いわゆる多層配線板であり、ガラスエポキシ、セラミック、またはアルミニウム等を基材として用いる。配線板40のサイズ、すなわち外寸は、撮像素子チップ20と同等もしくはそれ以下であり、撮像素子チップ20の投影面積内に納まっている。本実施の形態の撮像装置1の配線板40は、チップコンデンサー、抵抗、トランジスター、インダクターまたはIC等の電子部品46が内蔵されている部品内蔵基板であるが、電子部品46が表面実装されていてもよいし、電子部品46が実装されていなくともよい。
【0016】
そして、配線板40には、第2の主面42に開口部のある、接続孔43が形成されており、接続孔43の底面を含む壁面の少なくとも一の領域が電極部44Aである。言い換えれば、接続孔43の壁面に露出した多層配線層44の一部分が、電極部44Aである。接続孔43は、複数の内部配線層からなる多層配線層44と複数の絶縁層45とを貫通するように形成されているが、それぞれの接続孔43は、少なくとも一の内部配線層が底部面を含む壁面の少なくとも一の領域に露出部を有する。なお、接続孔43の壁面全体を導電体で被覆した場合には前記導電体が電極部44Aとみなすことができる。
【0017】
なお、図3等では、4個の接続孔43がある場合を例示しているが、より多くの数の、または少ない数の接続孔43であってもよい。それぞれの接続孔43の電極部44Aは、多層配線層44により、例えば、それぞれ異なる外部接続端子24Aと電気的に接続されている。接続孔43の第2の主面42上の形成位置は、多層配線層44の構成および信号ケーブル50との接続位置を考慮して設計される。また、複数の接続孔43の深さは、全て同じである必要はなく、さらに、配線板40を貫通している孔があってもよい。
【0018】
そして、すでに説明したように信号ケーブル50の導電線51が接続孔43に挿入されると、信号ケーブル50は接続部材の機能を有する導電線51によって、多層配線層44の電極部44Aと電気的に接続される。導電線51と接続孔43の電極部44Aとの接続、すなわち信号ケーブル50と多層配線層44との接続は、はんだ接合、または熱圧着等による。なお、接続孔43の断面形状は内部に導電線51が挿入可能であれば如何なる形状でもよいが、導電線51の形状に合わせて、円形または矩形であることが好ましい。接続が容易となるためである。
【0019】
以上の説明のように、撮像装置1は、平面上、すなわち配線板40の第2の主面42上に、信号ケーブル50の接続部である接続孔43が2次元的に配置されている。このため、接続孔43を広い間隔(ピッチ)で形成できる。さらに接続孔43に導電線51を挿入して接続/固定するため、接続の機械的強度も強い。
【0020】
このため、本実施の形態の撮像装置1は、配線板40と信号ケーブル50との接続の信頼性が高い。
【0021】
また、撮像装置1では、平板状の配線板40の板厚方向がCCD23の光軸方向となっているため、カバーガラス10から信号ケーブル50との接続部までの長さが短い。このため、撮像装置1は、光軸方向が狭い空間に配設可能である。
【0022】
なお、撮像装置1の製造工程において、カバーガラス10と、撮像素子チップ20と、配線板40と、信号ケーブル50との、接合順序は、適宜、決定される。
【0023】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態の撮像装置1Aについて説明する。本実施の形態の撮像装置1Aは、第1の実施の形態の撮像装置1と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0024】
図5に示すように、撮像装置1Aでは、配線板40の接続孔43に、接続部材である導電性の棒状部材60が挿入され、棒状部材60に信号ケーブル50の導電線51が、はんだ接合または機械的に嵌合することで、電気的に接続されている。棒状部材60は、金、銅、真鍮、またはアルミニウム等からなる。また、棒状部材60は、接続孔43に挿入される部分よりも、接続孔43に挿入されない部分の外径(サイズ)が大きくてもよく、外径は段階的に変化していても連続的に変化していてもよい。
【0025】
また図6(A)〜図6(D)に示すように、棒状部材60の長手垂直方向の断面形状は、丸形(図6(A)、60A)に限られるものではなく、四角形(図6(B)、60B)、凹形(図6(C)、60C)、または中心部に導電線51を挿通可能なドーナツ形状(図6(D)、60D)等であってもよいし、部分的に変化していてもよい。ただし、導電線51との接続を考慮すると、少なくとも接続部の形状は、凹形、四角形、またはドーナツ形状が好ましい。さらに、図6(E)の長手平行方向の断面構造図に示すように、中心部に導電線51を嵌合可能なドーナツ形状であり、かつ、抜け防止のための構造を有する棒状部材60Eも好ましく用いることができる。棒状部材60Eでは導電線51を中心部に押し込むだけで、導電線51を固定すると同時に電気的に接続することができる。
【0026】
棒状部材60は導電線51よりも小さく、取り扱いが容易であるため接続作業が容易である。さらに棒状部材60の熱容量は、導電線51の熱容量よりも小さいために、配線板40への熱を用いた接続作業、例えば、はんだ接合作業が容易である。このため予め撮像素子チップ20を接続されている配線板40であっても、CCD23の熱による性能劣化が起こりにくい。そして、配線板40へ棒状部材60を、はんだ接合した後に、棒状部材60に導電線51が接続される。なお、すでに説明した撮像装置1と同様に撮像装置1Aの製造工程における構成要素の接合(接着)順序は変更可能であるため、配線板40へ棒状部材60を、はんだ接合した後に、撮像素子チップ20を接合してもよい。前記接合順序の場合には、例えば加熱したホットプレート上に配線板40を配置し、はんだ溶融温度以上に加熱した状態で、棒状部材60を、はんだ接合することで容易に接合を行うことができる。
【0027】
また、撮像装置1Aでは、製造工程の途中で検査を行うことができる。すなわち、撮像素子チップ20から配線板40を介して接続されている棒状部材60を用いて、撮像装置1としての電気的検査を行った後に、信号ケーブル50を接続することができる。
【0028】
以上の説明のように、本実施の形態の撮像装置1Aは、撮像装置1が有する効果に加えて、製造が容易である。
【0029】
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態の撮像装置1Bについて説明する。本実施の形態の撮像装置1Bは第1の実施の形態の撮像装置1と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0030】
図7および図8に示すように、撮像装置1Bは、複数の導電線51を一括して保持するケーブル固定基板70と、ケーブル固定基板70を配線板40に固定する固定基板接合部49と、からなるケーブル固定部72、を有する。ケーブル固定基板70は、導電線51を所定の配置、すなわち、配線板40の接続孔43の配置に保持する。なお、図7および図8に示す撮像装置1Bでは配線板40に固定基板接合部49が接着され、導電線51を所定の配置に保持したケーブル固定基板70が、固定基板接合部49と嵌合し固定する形態を示しているが、ケーブル固定部72として配線板40に接着してもよい。また、固定基板接合部49を用いないで、配線板40とケーブル固定基板70との間を封止樹脂により封止/固定してもよい。なお、ケーブル固定部72の大きさは、撮像素子チップ20および配線板40と同等または、それ以下である。
【0031】
さらに、撮像装置1Bの信号ケーブル50Bは、導電線51の外周に、被覆層52を介してシールド線53を有するシールドケーブルであり、ケーブル固定基板70の片面が導電層71であり、シールド線53が導電層71と接続されている。導電層71は接地(GND)電位となるように図示しないアース線と接続されている。すなわち、ケーブル固定部72の少なくとも一部が、接地電位の導電体であり、シールド線53がケーブル固定部72の導電体と、接続されている。
【0032】
ケーブル固定基板70の材料には、ガラスエポキシ等の樹脂、セラミック、または金属等を用いる。ケーブル固定基板70の材料に、アルミニウム等の導電性材料を用いた場合には、導電層71を形成する必要はない。一方、固定基板接合部49は、樹脂、セラミックまたは金属等を用い、導電性材料を用いた場合には固定基板接合部49は、配線板40の接地電位部と接続することが好ましい。配線板40の接地電位部をアース線と接続する必要がなくなるためである。
【0033】
撮像装置1Bは、ケーブル固定部72により複数の導電線51を、配線板40のそれぞれの接続孔43に一括で挿入/接続することができる。このため、製造工程の作業性がよい。
【0034】
さらに、撮像装置1Bは、信号ケーブル50Bのシールド線53とケーブル固定部72の接地電位の導電層71とが接続されているため、ノイズに強い。
【0035】
以上の説明のように、本実施の形態の撮像装置1Bは、撮像装置1Aが有する効果に加えて、製造が容易であり、かつノイズに強い。
【0036】
もちろん、固定基板接合部49が有する機能と、シールド線53を有する信号ケーブル50Bが有する機能とは、異なる機能であり、いずれか一方の機能だけを有する撮像装置であっても、よい。
【0037】
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態の撮像装置1Cについて説明する。本実施の形態の撮像装置1Cは第2の実施の形態の撮像装置1Aと類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0038】
撮像装置1Cでは、接続部材である導電性の棒状部材61が、導電線51の配置と接続孔43の配置とを、一致するための再配線部61Aを有する。図9に示すように再配線部61Aは、例えば棒状部材61が曲がっている部分である。
【0039】
接続孔43の配置は、配線板40の多層配線層44の構造によって設計することができるが、多層配線層44の構造が複雑化することが、好ましくないことがある。
【0040】
しかし、撮像装置1Cでは、棒状部材61が再配線部61Aを有するために、多層配線層44の構造を複雑化することなく、信号ケーブル50の導電線51を所望の配置、例えば、図9に示すように規則正しい所定間隔dの配置にすることができる。このため信号ケーブル50の導電線51の数が増加してもピッチ間隔を適切に確保することができるため信頼性が低下することがない。
【0041】
なお、再配線部は、棒状部材61とは別体の構成要素として作成し、棒状部材61と接合してもよく、その場合には、再配線部と導電線51とが接続されていてもよい。
【0042】
撮像装置1Cは、第1の実施の形態の撮像装置1等が有する効果に加えて、製造工程の作業性がよいだけでなく、配線板40と信号ケーブル50との接続の信頼性がさらに高い。
【0043】
<第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態の撮像装置1Dについて説明する。本実施の形態の撮像装置1Dは第2の実施の形態の撮像装置1Aと類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0044】
図10に示すように、撮像装置1Dの配線板40Dは、第2の主面42に多層配線層44と接続されている電極部である電極パッド44Dを有する。電極パッド44Dは多層配線層44の第2の主面42側の最上層であってもよい。そして電極パッド44Dには、棒状部材62が立設されている。電極パッド44Dと棒状部材62とは、例えば、はんだ接合されている。棒状部材62は、図6(E)に示した棒状部材60Eと同様に中心部に導電線51を嵌合可能なドーナツ形状であり、かつ、抜け防止のための構造を有する。
【0045】
撮像装置1Dも、製造装置1等と同様に構成要素の接合順序は自在であり、配線板40Dの電極パッド44Dに棒状部材62を接合後に、配線板40Dとカバーガラス10が接合された撮像素子チップ20とを接合することが好ましい。そして、導電線51は、棒状部材62に挿入されることで棒状部材62と嵌合し、固定されると同時に電気的に接続される。
【0046】
撮像装置1Dは、撮像装置1A等が有する効果に加えて、配線板に接続孔を作成する必要がないため、さらに製造が容易である。
【0047】
<第6の実施の形態>
次に、第6の実施の形態の撮像装置1Eについて説明する。本実施の形態の撮像装置1Eは第1の実施の形態の撮像装置1と略同じであるので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。図11に示すように撮像装置1Eは電子内視鏡装置80の挿入部先端部に配設されている。図11において模式的に示している光学系81と、撮像装置1Eとは枠部82により光軸Oを中心に固定されている。撮像装置1Eの後側はシールド枠83により覆われており、シールド枠83の内部は樹脂充填剤84により充填されている。
【0048】
すでに説明した第1の実施の形態の撮像装置1と同じように撮像装置1Eは、信号ケーブル50との接続部までの全長が短い。このため、撮像装置1Eを具備する電子内視鏡装置80は、可撓性のない硬性部の長さを短縮できる。
【0049】
本発明は上述した実施の形態または変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等ができる。
【符号の説明】
【0050】
1、1A〜1E…撮像装置、10…カバーガラス、20…撮像素子チップ、21…表面、22…裏面、23…CCD、24…貫通配線、24A…外部接続端子、30…封止樹脂、31…バンプ、40、40D…配線板、41…第1の主面、42…第2の主面、43…接続孔、44…多層配線層、44A…電極部、44D…電極パッド、45…絶縁層、46…電子部品、49…固定基板接合部、50…信号ケーブル、50B…信号ケーブル、51…導電線、53…シールド線、60、60A〜60E、61、62…棒状部材、61A…再配線部、70…ケーブル固定基板、71…導電層、72…ケーブル固定部、80…電子内視鏡装置、81…光学系、82…枠部、83…シールド枠、84…樹脂充填剤、101…撮像装置、110…カバーガラス、120…撮像素子チップ、123…撮像素子、124…ボンディングパッド、130…パターンフィルム、140…配線板、143…端子部、146…電子部品、150…信号ケーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に撮像素子を有し、貫通配線を介して前記撮像素子と接続された外部接続端子を裏面に有する撮像素子チップと、
第1の主面において前記外部接続端子と接続され、第2の主面側に電極部のある多層配線層を有する配線板と、
前記第2の主面に立設した接続部材によって前記電極部と接続された信号ケーブルと、を具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記電極部が、第2の主面に開口部のある接続孔の壁面に露出した、前記多層配線層の一部分であり、
前記接続部材が、一端が前記接続孔に挿入され前記多層配線層と接続され、他端が前記第2の主面から突出していることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
前記接続部材が、前記信号ケーブルの導電線であることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記接続部材が棒状部材であり、前記接続部材に前記信号ケーブルの導電線が接続されていることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
複数の前記導電線を所定の配置に保持するとともに、前記配線板に固定される、ケーブル固定部を、具備することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置
【請求項6】
前記ケーブル固定部の少なくとも一部が、接地電位の導電体であり、
前記信号ケーブルが、前記導電線の外周にシールド線を有するシールドケーブルであり、
前記シールド線が、前記ケーブル固定部の前記導電体と、接続されていることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置
【請求項7】
前記接続部材が、前記導電線の配置と前記接続孔の配置とを、一致するための再配線部を有することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置
【請求項8】
前記電極部が、前記第2の主面上に形成された電極パッドであり、
前記棒状部材が、前記電極パッド上に立設されていることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置
【請求項1】
表面に撮像素子を有し、貫通配線を介して前記撮像素子と接続された外部接続端子を裏面に有する撮像素子チップと、
第1の主面において前記外部接続端子と接続され、第2の主面側に電極部のある多層配線層を有する配線板と、
前記第2の主面に立設した接続部材によって前記電極部と接続された信号ケーブルと、を具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記電極部が、第2の主面に開口部のある接続孔の壁面に露出した、前記多層配線層の一部分であり、
前記接続部材が、一端が前記接続孔に挿入され前記多層配線層と接続され、他端が前記第2の主面から突出していることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
前記接続部材が、前記信号ケーブルの導電線であることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記接続部材が棒状部材であり、前記接続部材に前記信号ケーブルの導電線が接続されていることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
複数の前記導電線を所定の配置に保持するとともに、前記配線板に固定される、ケーブル固定部を、具備することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置
【請求項6】
前記ケーブル固定部の少なくとも一部が、接地電位の導電体であり、
前記信号ケーブルが、前記導電線の外周にシールド線を有するシールドケーブルであり、
前記シールド線が、前記ケーブル固定部の前記導電体と、接続されていることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置
【請求項7】
前記接続部材が、前記導電線の配置と前記接続孔の配置とを、一致するための再配線部を有することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置
【請求項8】
前記電極部が、前記第2の主面上に形成された電極パッドであり、
前記棒状部材が、前記電極パッド上に立設されていることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−188375(P2011−188375A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53572(P2010−53572)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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