説明

撮像装置

【課題】ベイヤ配列の撮像信号を、混色させること無く、解像度の低下を最小限に、撮像装置の感度を大きくする。
【解決手段】注目画素を中心とする5×5画素の領域内に位置し、第1の色成分の光を検出する第1種の画素の画素値だけを加重加算して第1の色成分(R)値を生成し、同様に注目画素を中心とする5×5画素の領域内に位置し、第3の色成分(B)の光を検出する画素の画素値だけを加重加算して第3の色成分(B)値を生成する。注目画素を中心とした3×3画素の領域内に位置し、第2の色成分(G)の光を検出する画素の画素値だけを加重加算して第2の色成分(G)値を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低照度の撮像環境において、より高感度な撮像画像が得られる撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の撮像装置として、N画素前までのデジタル信号を全て加算する機能を実行することにより、固体撮像素子の高感度化やS/N向上を図るように構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−184274号公報(第4頁、段落0010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の撮像装置は、連続する隣接画素からの撮像信号を加算しているため、カラー撮像素子を用いた場合には色が混ざりカラー信号を再生できないという問題があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、カラー撮像素子から読み出した撮像信号を画素加算しても、色が混ざることなく、カラー信号を高感度化できる撮像装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の撮像装置は、
第1の色成分の光を検出して対応する撮像信号を発生する第1種の画素と、第2の色成分の光を検出して対応する撮像信号を発生する第2種の画素と、第3の色成分の光を検出して対応する撮像信号を発生する第3種の画素と、前記第2の色成分の光を検出して対応する撮像信号を発生する第4種の画素とが、水平2画素、垂直2画素の組み合わせを基本単位として画面内に規則的に配列された撮像部と、前記撮像部から出力された撮像信号を所定の時間遅延させることで、注目画素とその周囲の画素の画素値を表す信号を抽出して同時に出力する画素抽出部と、
加算係数を生成する加算係数生成部と、
注目画素を中心とした水平5画素、垂直5画素の領域内に位置する前記第1種の画素を参照画素として、該参照画素の画素値だけを加算係数によって加重加算し、注目画素の第1の色成分値を生成する第1の色成分生成部と、
注目画素を中心とした水平3画素、垂直3画素の領域内に位置する前記第2種及び第4種の画素を参照画素として、該参照画素の画素値だけを加算係数によって加重加算し、注目画素の第2の色成分値を生成する第2の色成分生成部と、
注目画素を中心とした水平5画素、垂直5画素の領域内に位置する前記第3種の画素を参照画素として、該参照画素の画素値だけを加算係数によって加重加算し、注目画素の第3の色成分値を生成する第3の色成分生成部と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カラー撮像素子から読み出した撮像信号でも感度を例えば4倍に向上させ、極めて暗い低照度環境においても被写体を視認できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1の撮像装置を示すブロック構成図である。
【図2】図1の画素加算回路の一例を示すブロック構成図である。
【図3】図2の画素加算回路で加算される画素の空間配置を示す図である。
【図4】図1の画素抽出部6Eの一例を示すブロック構成図である。
【図5】図1の画素加算回路のR画素加算部6R及びR信号係数設定回路95の一例を示すブロック構成図である。
【図6】図1の画素加算回路のG画素加算部6G及びG信号係数設定回路195の一例を示すブロック構成図である。
【図7】図1の画素加算回路のB画素加算部6B及びB信号係数設定回路125の一例を示すブロック構成図である。
【図8】(a)〜(d)は、図5〜図7のR画素加算部6R、G画素加算部6G、B画素加算部6Eで加算される画素の色フィルタの配列情報を示す図である。
【図9】(a)〜(d)は、図5のR画素加算部6RでR信号を生成するために用いられる参照画素の配列を示す図である。
【図10】(a)〜(d)は、図6のG画素加算部6GでG信号を生成するために用いられる参照画素の配列を示す図である。
【図11】(a)〜(d)は、図7のB画素加算部6BでB信号を生成するために用いられる参照画素の配列を示す図である。
【図12】(a)〜(c)は、増感倍率Lと重み係数Kwの関係を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態1の撮像装置の別の構成を示すブロック構成図である。
【図14】本発明の実施の形態2の撮像装置を示すブロック構成図である。
【図15】(a)〜(e)は、被写体照度と、レンズの絞り、プログラマブル利得増幅回路の増幅利得、画素加算回路の増感倍率、撮像部の露光時間、及び画素加算回路の出力信号の振幅との関係を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態3の撮像装置を示すブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1、第2及び第3の色成分の光がそれぞれ赤色、緑色、及び青色の光であり、これらの色成分の光を検出して、対応する信号を出力する画素がベイヤ配列された撮像部が用いられる場合について詳しく説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による撮像装置を示す。図1において、レンズ1は、被写体像をCCD撮像素子2の撮像面上に合焦させる。
【0011】
CCD撮像素子(CCD)2は、後述の図8(a)〜図11(d)に示すように、赤色の光(第1の色成分の光)を検出するR画素、緑色の光(第2の色成分の光)を検出するG画素、及び青色の光(第3の色成分の光)を検出するB画素がベイヤ配列されたものであり、これらにより、赤色の光、緑色の光、青色の光(第1の色成分の光、第2の色成分の光、第3の色成分の光)が検出され、即ち光電変換されて、光電変換により生成された電荷が素子内部を転送されて、電気信号(撮像信号)として出力される。
【0012】
この撮像信号は、R画素からの画素信号であるR信号(第1の色成分値を表す信号)、G画素からの画素信号であるG信号(第2の色成分値を表す信号)、及びB画素からの画素信号であるB信号(第3の色成分値を表す信号)を含む。
【0013】
R画素、G画素、B画素は、例えば、それぞれ赤色の光のみを透過させる色フィルタを備えた光電変換素子、緑色の光のみを透過させる色フィルタを備えた光電変換素子、青色の光のみを透過させる色フィルタを備えた光電変換素子で構成される。
【0014】
CCD撮像素子2から信号された撮像信号は、相関二重サンプリング処理回路(CDS)3でノイズ等が除去される。
プログラマブル利得増幅回路(PGA)4は、相関二重サンプリング処理回路3の出力信号を制御回路12から出力された制御信号によって制御された利得で増幅して出力する。
A/D変換回路(ADC)5は、プログラマブル利得増幅回路4の出力信号を、デジタル信号に変換する。
【0015】
画素加算回路6は、A/D変換回路5から出力される撮像信号を受け、各画素位置を順次注目画素位置として選択し、該注目画素及びその周囲の画素のうち、同じ色の画素(同じ色成分の光を検出する画素)の信号を選択的に加算する。このような処理が撮像画面内のすべての画素位置について行われることで、すべての画素位置について、R信号、G信号、B信号が生成される。
【0016】
映像信号処理回路7は、画素加算回路6の出力信号に、色同時化処理、階調補正処理、ノイズ低減処理、輪郭補正処理、白バランス調整処理、信号振幅調整処理、及び色補正処理などを加えた映像信号を映像信号出力端子8から出力する。
【0017】
同期信号発生回路11は、垂直同期信号及び水平同期信号を生成して画素加算回路6、映像信号処理回路7及びタイミング発生回路10に供給する。
【0018】
タイミング発生回路10は、CCD撮像素子2の駆動タイミング信号DRTを発生して駆動回路9に供給する。駆動回路9は、タイミング発生回路10から出力された駆動タイミング信号DRTに基づいてCCD撮像素子2の駆動信号DRSを生成する。CCD撮像素子2は、駆動回路9から出力された駆動信号DRSに基づいて、光電変換及び電荷転送を行う。
【0019】
制御回路12は、レンズ1の絞りの制御、タイミング発生回路10が発生するCCD撮像素子2の光電変換素子からの電荷読出しタイミング及び電荷強制排出タイミングの制御(従って、電荷蓄積時間、即ち露光時間の制御)、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得の制御、並びに画素加算回路6の画素加算処理の制御を行う。
【0020】
画素加算回路6は図2に示すように、画素抽出部6Eと、R画素加算部6Rと、G画素加算部6Gと、B画素加算部6Bと、R信号係数設定回路95と、G信号係数設定回路195と、B信号係数設定回路295とを有する。R画素加算部6Rは、第1の色成分値を表す信号を生成する第1の色成分生成部を構成し、G画素加算部6Gは、第2の色成分値を表す信号を生成する第2の色成分生成部を構成し、B画素加算部6Bは、第3の色成分値を表す信号を生成する第3の色成分生成部を構成する。
【0021】
上記のように、A/D変換回路5からはベイヤ配列されたR画素、G画素、B画素からの撮像信号が出力され、画素加算回路6は、撮像画面内の各画素位置を順次注目画素として加算を行う。
【0022】
ベイヤ配列においては、1個のR画素、1個のB画素、及び2個のG画素から成る、水平2画素、垂直2画素の4画素の基本単位が繰り返される。
この基本単位において、2個のG画素が4画素の基本単位のうちの一方の対角線上に並び、R画素とB画素とが他方の対角線上に並んでいる。
2個のG画素のうち、B画素と同じ水平ライン(行)にあるものを符号GBで表し、R画素と同じ水平ライン(行)にあるものを符号GRで表す。また、R画素を符号RRで表し、B画素を符号BBで表すこともある。
【0023】
以下では、R画素を第1種の画素、GB画素を第2種の画素、B画素を第3種の画素、BR画素を第4種の画素と呼ぶ。また、GB画素とGR画素の両者をG画素と総称することがある。
また、注目画素をP33で示し、図8(c)に示すように、注目画素がR画素であるときは符号RR33で示し、図8(a)に示すように、注目画素がGB画素であるときは符号GB33で示し、図8(b)に示すように、注目画素がB画素であるときは符号BB33で示し、図8(d)に示すように、注目画素がGR画素であるときは符号BR33で示す。
【0024】
撮像素子2の撮像画面上の画素は、図3に示すように水平方向(行方向)H及び垂直方向(列方向)Vに整列し、全体としてマトリクス状に配置されている。各画素の画面上の位置は水平座標h、及び垂直座標vの組合せ(h,v)で表され、座標(h,v)の画素は符号Phv(h、vは1、2、3…)で表される。水平方向に隣接する画素間ではhの値が1だけ異なり、垂直方向に隣接する画素間ではvの値が1だけ異なる。即ち隣接画素間の距離(画素ピッチ)は1で表される。
【0025】
図3には、注目画素P33を中心とした水平5画素、垂直5画素の領域(以下単に「5×5画素の領域或いはブロック」と言うことがある)内の画素の配置が示されている。
注目画素P33に対する水平方向の座標値の差及び垂直方向の座標値の差のうちの大きい方が1である画素(P22、P32、P34、P23、P43、P24、P34、P44)、即ち注目画素を中心した水平3画素、垂直3画素の領域(3×3画素の領域)内に位置し、値画素以外の画素を、注目画素に隣接する画素或いは単に隣接画素と言うことがある。
【0026】
画素抽出部6Eは、A/D変換回路5の出力から、図3に示される、5×5画素の領域内の画素の画素値を抽出する。抽出された画素値は、R画素加算部6R、G画素加算部6G及びB画素加算部6Bへ供給される。
【0027】
画素抽出部6Eは、図4に示すように構成されている。
図4で「1L−DL」は1ライン遅延回路を示し、「1D−DL」は1画素遅延回路を示す。
画素抽出部6Eは、1ライン遅延回路22〜25と、1画素遅延回路32〜35、37〜40、42〜45、47〜50、52〜55とを図示にように接続して構成されており、注目画素とその周囲の画素の画素値を示す画素信号を同時に出力する。
例えば、注目画素が図3のP33であるとき、注目画素P33とその周囲の画素P11〜P55の画素値を表す画素信号を同時に出力する。
【0028】
A/D変換回路5から出力された画素信号Pcは画素信号P55として、画素加算回路6の入力端子101に印加され、画素加算回路6の画素抽出部6Eへ供給される。
【0029】
画素信号P55は、1ライン遅延回路22〜25で順次1ライン遅延されて、画素信号P55に対して、それぞれ1、2、3、4ライン遅延した画素信号P54、P53、P52、P51が出力される。
画素信号P55はまた、1画素遅延回路32〜35で順次1画素遅延されて、画素信号P55に対してそれぞれ1、2、3、4画素遅延した画素信号P45、P35、P25、P15が出力される。
【0030】
1ライン遅延回路22から出力された画素信号P54は、1画素遅延回路37〜40で順次1画素遅延されて、画素信号P54に対してそれぞれ1、2、3、4画素遅延した画素信号P44、P34、P24、P14が出力される。
1ライン遅延回路23から出力された画素信号P53は、1画素遅延回路42〜45で順次1画素遅延されて、画素信号P53に対してそれぞれ1、2、3、4画素遅延した画素信号P43、P33、P23、P13が出力される。
【0031】
1ライン遅延回路24から出力された画素信号P52は、1画素遅延回路47〜50で順次1画素遅延されて、画素信号P52に対してそれぞれ1、2、3、4画素遅延した画素信号P42、P32、P22、P12が出力される。
1ライン遅延回路25から出力された画素信号P51は、1画素遅延回路52〜55で順次1画素遅延されて、画素信号P51に対してそれぞれ1、2、3、4画素遅延した画素信号P41、P31、P21、P11が出力される。
【0032】
画素信号P55〜P11は、それぞれ図3の画素P55〜P11の画素値を表すものであり、画素信号P55が入力されたタイミングで、画素抽出部6Eから同時に出力される。
画素信号P55〜P11は、それぞれ、接続端子111〜115、121〜125、131〜135、141〜145、151〜155を介してR画素加算部6R、G画素加算部6G、B画素加算部6Bに供給される。
【0033】
図5は、画素加算回路6のR画素加算部6R及びR信号係数設定回路95を示し、図6は、画素加算回路6のG画素加算部6G及びG信号係数設定回路195を示し、図7は、画素加算回路6のB画素加算部6B及びB信号係数設定回路295を示す。
【0034】
画素抽出部6Eで抽出された画素P11〜P55の画素値は、5×5画素の領域内の画素の画素値であり、図5に示される、R画素加算部6Rの乗算回路61〜85、図6に示される、G画素加算部6Gの乗算回路161〜185、及び図7に示されるB画素加算部6Bの乗算回路261〜285へ供給される。
【0035】
乗算回路61〜85、161〜185、及び261〜285は、それぞれ、5×5画素の領域内の各画素に対応して設けられたものであり、対応する画素の画素値とR信号係数設定回路95、G信号係数設定回路195、B信号係数設定回路295から供給される加算係数との乗算を行う。
【0036】
なお、後述のように、G画素加算部6Gには、水平3画素、垂直3画素の領域(3×3画素の領域)内の画素のみを供給するようにしても良い。
【0037】
R画素加算部6R、G画素加算部6G及びB加算部6Bの各々は、注目画素及びその周辺の画素を含む参照領域内の同じ色の画素の画素値を参照画素として加重加算して、加算画素値として出力する。即ち、R画素加算部6Rは、参照領域内の赤色の画素(R画素)の画素値を参照画素として加重加算して、赤色の加算画素値Rとして出力し、G画素加算部6Gは、参照領域内の緑色の画素(G画素)の画素値を参照画素として加重加算して、緑色の加算画素値Gとして出力し、B画素加算部6Bは、参照領域内の青色の画素(B画素)の画素値を参照画素として加重加算して、青色の加算画素値Bとして出力する。
【0038】
R画素加算部6R及びB画素加算部6Bでは、5×5画素の領域のうちの4隅の画素(注目画素に対して水平方向の座標値の差及び垂直方向の座標値の画素)を除いた部分を参照領域とし、G画素加算部6Gでは、3×3画素の領域を参照領域とする。
【0039】
上記の参照画素の選択は、注目画素からの距離の近い順に、注目画素を含め6個以下の画素を参照画素として選択すること、但しこの場合、選択された画素が、注目画素を中心として、水平方向及び垂直方向に対称(注目画素を通る水平線を中心として線対称、かつ注目画素を通る垂直線を中心として線対称)に配置されたものとなるようにすることを意味する。
【0040】
以下に詳しく述べるように、制御回路12は、制御端子103を介して、R信号係数設定回路95、G信号係数設定回路195、B信号係数設定回路295に増感倍率Lを供給し、
R信号係数設定回路95、G信号係数設定回路195、B信号係数設定回路295は、供給された増感倍率Lに基づき加算係数を生成する。
増感倍率Lは例えば1から4までの、小数部分をも含み得る数で表される値である。
【0041】
参照画素に対する加算係数は、例えば、参照画素の数に反比例する正規化係数Knと、参照画素毎に定められる重み係数Kwの積で与えられるものとされる。
【0042】
例えば、各画素に対する重み係数Kwは、当該画素の注目画素からの距離と、増感倍率Lに依存し、増感倍率Lが比較的小さいときは、上記重み係数Kwは上記の距離が大きいほど小さく、増感倍率Lが大きくなるほど、重み係数Kwの、上記距離に対する依存性が小さくなるように設定される。増感倍率が最大の値であるときは、すべての参照画素に対する加算係数が互いに等しくなるようにしても良い。
【0043】
参照画素以外の画素に対する加算係数はゼロに固定される。但し、本実施の形態では、5×5画素の領域内のすべての画素に対して乗算回路が設けられ、参照画素以外の画素に対する加算係数をゼロとすることで加重加算から除外する構成としている。これは画素加算部6R、6G、6Bを同一構成とするためである。
【0044】
図5において、制御回路12は制御端子103を介してR信号係数設定回路95へ1倍から4倍までの増感倍率Lを供給する。同期信号発生回路11は同期信号入力端子104を介してR信号係数設定回路95へ水平同期信号HDと垂直同期信号VDを供給する。
【0045】
R信号係数設定回路95は水平同期信号HDと垂直同期信号VDに基づいて注目画素P33の画素位置を判断して、注目画素の色フィルタ配列上の画素位置を特定し、特定した画素位置と増感倍率Lに基づいて、それぞれの画素位置に対応して設けられた乗算回路61〜85各々へ独立に25個の加算係数KR11〜KR55を設定する。参照画素以外の画素に対する加算係数は、ゼロに固定される。
【0046】
乗算回路61〜85は、画素抽出部6Eから、それぞれ接続端子111〜155を介して入力される画素値P11〜P55とR係数設定回路95で設定された加算係数KR11〜KR55を乗算する。
加算回路90は乗算回路61〜85の出力値を加算して、加算結果を加算画素信号Rとして、R信号出力端子106から出力する。
【0047】
図6において、制御回路12は制御端子103を介してG信号係数設定回路195へ増感倍率Lを供給する。同期信号発生回路11は同期信号入力端子104を介してG信号係数設定回路195へ水平同期信号HDと垂直同期信号VDを供給する。
G信号係数設定回路195は水平同期信号HDと垂直同期信号VDに基づいて注目画素P33の画素位置を判断して、注目画素の色フィルタ配列上の画素位置を特定し、特定した画素位置と増感倍率Lに基づいて、乗算回路161〜185各々へ独立に25個の加算係数を設定する。
【0048】
乗算回路161〜185は、画素抽出部6Eから、それぞれ接続端子111〜155を介して入力される画素値P11〜P55とG係数設定回路195で設定された加算係数KG11〜KG55を乗算する。
加算回路190は乗算回路161〜185の出力値を加算して、加算結果を加算画素信号Gとして、G信号出力端子107から出力する。
【0049】
図7において、制御回路12は制御端子103を介してB信号係数設定回路295へ増感倍率Lを供給する。同期信号発生回路11は同期信号入力端子104を介してB信号係数設定回路295へ水平同期信号HDと垂直同期信号VDを供給する。
B信号係数設定回路295は水平同期信号HDと垂直同期信号VDに基づいて注目画素P33の画素位置を判断して、注目画素の色フィルタ配列上の画素位置を特定し、特定した画素位置と増感倍率Lに基づいて、乗算回路261〜285各々へ独立に25個の加算係数を設定する。
【0050】
乗算回路261〜285は、画素抽出部6Eから、それぞれ接続端子111〜155を介して入力される画素値P11〜P55とB係数設定回路295で設定された加算係数KB11〜KB55を乗算する。加算回路290は乗算回路261〜285の出力値を加算して、加算結果を加算画素信号Bとして、B信号出力端子108から出力する。
【0051】
図8(a)〜(d)は、色フィルタ配列を考慮した注目画素を中心とした5×5画素の領域内における画素の配置を示す。R画素、G画素、B画素は市松模様状に配列されている。処理対象となる注目画素は、R画素の場合も、GB画素の場合も、B画素の場合も、GR画素の場合もあり、水平画素位置と垂直画素位置から特定される。
注目画素がGB33の時の周辺画素配置を図8(a)に示し、注目画素がBB33の時の周辺画素配置を図8(b)に示し、注目画素がRR33の時の周辺画素配置を図8(c)に示し、注目画素がGR33の時の周辺画素配置を図8(d)に示す。
注目画素の色フィルタが変われば、周辺画素の色フィルタ配列も異なる。また、同じG画素でも、GR画素とGB画素で周辺画素の色フィルタ配列は異なる。
【0052】
図8(a)の画素配置で、RR12、RR32、RR52、RR14、RR34、RR54、RR16、RR36、RR56はR画素を示す。
GR22、GR42、GR62、GR24、GR44、GR64、GR26、GR46、GR66は、R画素と同一水平ライン(同一の行)上に配置されたG画素を示す。色フィルタの特性に基づいてG画素と表記する場合と、R画素と同一水平ライン上に配置されたG画素の画素位置を特定するためにGR画素と表記する場合がある。
BB21、BB41、BB61、BB23、BB43、BB63、BB25、BB45、BB65はB画素を示す。
GB11、GB31、GB51、GB13、GB33、GB53、GB15、GB35、GB55は、B画素と同一水平ライン上に配置されたG画素を示す。
色フィルタの特性に基づいてG画素と表記する場合と、B画素と同一水平ライン上に配置されたG画素の画素位置を特定するためにGB画素と表記する場合がある。
【0053】
図8(b)の画素配置で、RR02、RR22、RR42、RR04、RR24、RR44、RR06、RR26、RR46はR画素を示す。GR12、GR32、GR52、GR14、GR34、GR54、GR16、GR36、GR56は、R画素と同一水平ライン上に配置されたG画素を示す。BB11、BB31、BB51、BB13、BB33、BB53、BB15、BB35、BB55はB画素を示す。GB01、GB21、GB41、GB03、GB23、GB43、GB05、GB25、GB45は、B画素と同一水平ライン上に配置されたG画素を示す。
【0054】
図8(c)の画素配置で、RR11、RR31、RR51、RR13、RR33、RR53、RR15、RR35、RR55はR画素を示す。GR21、GR41、GR61、GR23、GR43、GR63、GR25、GR45、GR65は、R画素と同一水平ライン上に配置されたG画素を示す。BB20、BB40、BB60、BB22、BB42、BB62、BB24、BB44、BB64はB画素を示す。GB10、GB30、GB50、GB12、GB32、GB52、GB14、GB34、GB54は、B画素と同一水平ライン上に配置されたG画素を示す。
【0055】
図8(d)の画素配置で、RR01、RR21、RR41、RR03、RR23、RR43、RR05、RR25、RR45はR画素を示す。GR11、GR31、GR51、GR13、GR33、GR53、GR15、GR35、GR55は、R画素と同一水平ライン上に配置されたG画素を示す。BB10、BB30、BB50、BB12、BB32、BB52、BB14、BB34、BB54はB画素を示す。GB00、GB20、GB40、GB02、GB22、GB42、GB04、GB24、GB44は、B画素と同一水平ライン上に配置されたG画素を示す。
【0056】
図9(a)〜(d)は、図5の画素加算回路のR画素加算部6RでR信号を生成するために用いられる参照画素の配列を示す。図示のように、5×5画素の領域から4隅の画素を除いた参照領域Ar内に位置するR画素(R成分の光を検出する画素、例えばRフィルタを設けた画素)が参照画素として用いられる。参照画素は、画素加算における加重加算で用いられるが、後述の増感倍率Lの値によっては、加算係数が「0」となる。即ち、増感倍率が小さいときは、注目画素から比較的遠い画素の加算係数が「0」となり、注目画素に比較的近い画素のみにより注目画素の画素値が求められる。
【0057】
図9(a)は、注目画素がGB33(第2種の画素)の時の参照領域Ar及び参照画素を示す。図示のように、参照領域Ar内にR画素が6個存在し、そのすべてが参照画素として用いられる。即ち、注目画素の1ライン前に位置する画素RR32、注目画素の1ライン前の2画素前に位置する画素RR12、注目画素の1ライン前の2画素後に位置する画素RR52、注目画素の1ライン後に位置する画素RR34、注目画素の1ライン後の2画素前に位置する画素RR14、及び注目画素の1ライン後の2画素後に位置する画素RR54
が参照画素として用いられる。
このとき、R信号(第1の成分値)は次式で求める。
R=KR12×RR12+KR32×RR32+KR52×RR52
+KR14×RR14+KR34×RR34+KR54×RR54
R信号係数設定回路95は、加算係数KR11〜KR55のうち、上式で使わない係数、即ち参照画素位置の画素に対する係数を「0」に設定する。
【0058】
R信号係数設定回路95は、上式で使う加算係数を下式に従って算出する。
KR12=(L−1)×4/18
KR32=(L+8)/18
KR52=(L−1)×4/18
KR14=(L−1)×4/18
KR34=(L+8)/18
KR54=(L−1)×4/18
ここで、Lは制御回路12から設定される増感倍率である。
【0059】
上記の係数の各々は、正規化係数Knと重み係数Kwの積で与えられるものであり、上記の例では、加算される画素の数に反比例した4/6が正規化係数Knである。
例えば、KR32(3×3画素の領域内の画素についての加算係数)を求める式は、
KR32=(L+8)/12×4/6
と書き換えることができ、そのうち、4/6が正規化係数Kn、残りの(L+8)/12が重み係数Kwである。
同様に、KR12(3×3画素の領域外の画素についての加算係数)を求める式は、
KR12=(L−1)/3×4/6
そのうち、4/6が正規化係数Kn、残りの(L−1)/3が重み係数Kwである。他の係数についても同様である。
【0060】
増感倍率Lが1倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
R= 0 ×RR12+ 9/18×RR32+ 0 ×RR52
+ 0 ×RR14+ 9/18×RR34+ 0 ×RR54
増感倍率Lが2倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
R=4/18×RR12+10/18×RR32+4/18×RR52
+4/18×RR14+10/18×RR34+4/18×RR54
増感倍率Lが3倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
R=8/18×RR12+11/18×RR32+8/18×RR52
+8/18×RR14+11/18×RR34+8/18×RR54
増感倍率Lが4倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
R=12/18×RR12+12/18×RR32+12/18×RR52
+12/18×RR14+12/18×RR34+12/18×RR54
【0061】
図9(b)は、注目画素がBB33(第3種の画素)の時の参照領域Ar及び参照画素を示す。図示のように、参照領域Ar内にR画素が4個存在し、そのすべてが参照画素として用いられる。即ち、注目画素の1ライン前の1画素前に位置する画素RR22、注目画素の1ライン前の1画素後に位置する画素RR42、注目画素の1ライン後の1画素前に位置する画素RR42、及び注目画素の1ライン後の1画素後に位置する画素RR44が参照画素として用いられる。
このとき、R信号(第1の成分値)は次式で求める。
R=KR22×RR22+KR42×RR42
+KR24×RR24+KR44×RR44
R信号係数設定回路95は、加算係数KR11〜KR55のうち、上式で使わない係数、即ち参照画素位置の画素に対する係数を「0」に設定する。
【0062】
R信号係数設定回路95は、上式で使う加算係数を下式に従って算出する。
KR22=L/4
KR42=L/4
KR24=L/4
KR44=L/4
ここで、Lは制御回路12から設定される増感倍率である。
【0063】
上記の係数の各々は、正規化係数Knと重み係数Kwの積で与えられるものであり、上記の例では、加算される画素の数に反比例した4/4が正規化係数である。
例えば、KR22を求める式は、
KR22=L/4×4/4
と書き換えることができ、そのうち、4/4が正規化係数Kn、残りのL/4が重み係数Kwである。他の係数についても同様である。
【0064】
増感倍率Lが1倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
R= 1/4 ×RR22+ 1/4 ×RR42
+ 1/4 ×RR24+ 1/4 ×RR44
増感倍率Lが2倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
R= 2/4 ×RR22+ 2/4 ×RR42
+ 2/4 ×RR24+ 2/4 ×RR44
増感倍率Lが3倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
R= 3/4 ×RR22+ 3/4 ×RR42
+ 3/4 ×RR24+ 3/4 ×RR44
増感倍率Lが4倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
R= 4/4 ×RR22+ 4/4 ×RR42
+ 4/4 ×RR24+ 4/4 ×RR44
【0065】
図9(c)は、注目画素がRR33(第1種の画素)の時の参照領域Ar及び参照画素を示す。図示のように、R画素が5個存在し、そのすべてが参照画素として用いられる。即ち、注目画素RR33、注目画素の2ライン前に位置する参照画素RR31、注目画素の2画素前に位置する参照画素RR13、注目画素の2画素後に位置する参照画素RR53、及び注目画素の2ライン後に位置する参照画素RR35が参照画素として用いられる。
このとき、R信号は次式で求める。
R=KR31×RR31
+KR13×RR13+KR33×RR33+KR53×RR53
+KR35×RR35
R信号係数設定回路95は、加算係数KR11〜KR55のうち、上式で使わない係数、即ち参照画素位置の画素に対する係数を「0」に設定する。
【0066】
R信号係数設定回路95は、上式で使う加算係数を下式に従って算出する。
KR31=(L−1)×4/15
KR13=(L−1)×4/15
KR33=(16−L)/15
KR53=(L−1)×4/15
KR35=(L−1)×4/15
ここで、Lは制御回路12から設定される増感倍率である。
【0067】
上記の係数の各々は、正規化係数Knと重み係数Kwの積で与えられるものであり、上記の例では、加算される画素の数に反比例した4/5が正規化係数である。
例えば、KR33(注目画素についての加算係数)を求める式は、
KR33=(16−L)/12×4/5
と書き換えることができ、そのうち、4/5が正規化係数Kn、残りの(16−L)/12が重み係数Kwである。
同様に、KR31(3×3画素の領域外の画素についての加算係数)を求める式は、
KR31=(L−1)/3×4/5
と書き換えることができ、そのうち、4/5が正規化係数Kn、残りの(L−1)/3が重み係数Kwである。他の係数についても同様である。
【0068】
増感倍率Lが1倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
R= 0 ×RR31
+ 0 ×RR13+15/15×RR33+ 0 ×RR53
+ 0 ×RR35
増感倍率Lが2倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
R= 4/15×RR31
+ 4/15×RR13+14/15×RR33+ 4/15×RR53
+ 4/15×RR35
増感倍率Lが3倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
R= 8/15×RR31
+ 8/15×RR13+13/15×RR33+ 8/15×RR53
+ 8/15×RR35
増感倍率Lが4倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
R=12/15×RR31
+12/15×RR13+12/15×RR33+12/15×RR53
+12/15×RR35
【0069】
図9(d)は、注目画素がGR33(第4種の画素)の時の参照領域Ar及び参照画素を示す。図示のように、参照領域Ar内にR画素が6個存在し、そのすべてが参照画素として用いられる。即ち、注目画素の2ライン前の1画素前に位置する画素RR21、注目画素の2ライン前の1画素後に位置する画素RR41、注目画素の1画素前に位置する画素RR23、注目画素の1画素後に位置する画素RR43、注目画素の2ライン後の1画素前に位置する画素RR25、及び注目画素の2ライン後の1画素後に位置する画素RR45が参照画素として用いられる。
このとき、R信号は次式で求める。
R=KR21×RR21+KR41×RR41
+KR23×RR23+KR43×RR43
+KR25×RR25+KR45×RR45
R信号係数設定回路95は、加算係数KR11〜KR55のうち、上式で使わない係数、即ち参照画素位置の画素に対する係数を「0」に設定する。
【0070】
R信号係数設定回路95は、上式で使う加算係数を下式に従って算出する。
KR21=(L−1)×4/18
KR41=(L−1)×4/18
KR23=(L+8)/18
KR43=(L+8)/18
KR25=(L−1)×4/18
KR45=(L−1)×4/18
ここで、Lは制御回路12から設定される増感倍率である。
【0071】
上記の係数の各々は、正規化係数Knと重み係数Kwの積で与えられるものであり、上記の例では、加算される画素の数に反比例した4/6が正規化係数である。
例えば、KR23(3×3画素の領域内の画素についての加算係数)を求める式は、
KR23=(L+8)/12×4/6
と書き換えることができ、そのうち、4/6が正規化係数Kn、残りの(L+8)/12が重み係数Kwである。
同様に、KR21(3×3画素の領域外の画素についての加算係数)を求める式は、
KR21=(L−1)/3×4/6
と書き換えることができ、そのうち、4/6が正規化係数Kn、残りの(L−1)/3が重み係数Kwである。他の係数についても同様である。
【0072】
増感倍率Lが1倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
R= 0 ×RR21+ 0 ×RR41
+ 9/18×RR23+ 9/18×RR43
+ 0 ×RR25+ 0 ×RR45
増感倍率Lが2倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
R= 4/18×RR21+ 4/18×RR41
+10/18×RR23+10/18×RR43
+ 4/18×RR25+ 4/18×RR45
増感倍率Lが3倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
R= 8/18×RR21+ 8/18×RR41
+11/18×RR23+11/18×RR43
+ 8/18×RR25+ 8/18×RR45
増感倍率Lが4倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
R=12/18×RR21+12/18×RR41
+12/18×RR23+12/18×RR43
+12/18×RR25+12/18×RR45
【0073】
図10(a)乃至(d)は、図6の画素加算回路のG画素加算部6GでG信号を生成するために用いられる参照画素の配列を示す。図示のように、3×3画素の参照領域Ag内に位置するG画素(G成分の光を検出する画素、例えばGフィルタを設けた画素)が参照画素として用いられる。参照画素は、画素加算における加重加算で用いられるが、後述の増感倍率Lの値によっては、加算係数が「0」となる。即ち、増感倍率が小さいときは、注目画素から比較的遠い画素の加算係数が「0」となり、注目画素に比較的近い画素のみにより注目画素の画素値が求められる。
【0074】
図10(a)は、注目画素がGB33(第2種の画素)の時の参照領域Ag及び参照画素を示す。図示のように、参照領域Ag内にG画素(GB画素又はGR画素)が5個存在し、そのすべてが参照画素として用いられる。即ち、注目画素GB33と、注目画素の1ライン前の1画素前に位置する画素GR22、注目画素の1ライン前の1画素後に位置する画素GR42、注目画素の1ライン後の1画素前に位置する画素GR24、及び注目画素の1ライン後の1画素後に位置する画素GR44が参照画素として用いられる。
このとき、G信号は次式で求める。
G=KG22×GR22+KG42×GR42
+KG33×GB33
+KG24×GR24+KG44×GR44
G信号係数設定回路195は、加算係数KG11〜KG55のうち、上式で使わない係数、即ち参照画素位置の画素に対する係数を「0」に設定する。
【0075】
G信号係数設定回路195は、上式で使う加算係数を下式に従って算出する。
KG22=(L−1)×4/15
KG42=(L−1)×4/15
KG33=(16−L)/15
KG24=(L−1)×4/15
KG44=(L−1)×4/15
ここで、Lは制御回路12から設定される増感倍率である。
【0076】
上記の係数の各々は、正規化係数Knと重み係数Kwの積で与えられるものであり、上記の例では、加算される画素の数に反比例した4/5が正規化係数である。
例えば、KG33(注目画素についての加算係数)を求める式は、
KG33=(16−L)/12×4/5
と書き換えることができ、そのうち、4/5が正規化係数Kn、残りの(16−L)/12が重み係数Kwである。
同様に、KG22(注目画素以外の画素についての加算係数)を求める式は、
KG22=(L−1)/3×4/5
と書き換えることができ、そのうち、4/5が正規化係数Kn、残りの(L−1)/3が重み係数Kwである。他の係数についても同様である。
【0077】
増感倍率Lが1倍の時、G画素加算部6Gは次式の演算を行う。
G= 0 ×GR22+ 0 ×GR42
+15/15×GB33
+ 0 ×GR24+ 0 ×GR44
増感倍率Lが2倍の時、G画素加算部6Gは次式の演算を行う。
G= 4/15×GR22+ 4/15×GR42
+14/15×GB33
+ 4/15×GR24+ 4/15×GR44
増感倍率Lが3倍の時、G画素加算部6Gは次式の演算を行う。
G= 8/15×GR22+ 8/15×GR42
+13/15×GB33
+ 8/15×GR24+ 8/15×GR44
増感倍率Lが4倍の時、G画素加算部6Gは次式の演算を行う。
G=12/15×GR22+12/15×GR42
+12/15×GB33
+12/15×GR24+12/15×GR44
【0078】
図10(b)は、注目画素がBB33(第3種の画素)の時の参照領域及び参照画素を示す。図示のように、参照領域Ag内にG画素(GB画素又はGR画素)が4個存在し、そのすべてが参照画素として用いられる。即ち、注目画素の1ライン前に位置する画素GR32、注目画素の1画素前に位置する画素GB23、注目画素の1画素後に位置する画素GB43、及び注目画素の1ライン後に位置する画素GR34が参照画素として用いられる。
このとき、G信号は次式で求める。
G=KG32×GR32+KG34×GR34
+KG23×GB23+KG43×GB43
G信号係数設定回路195は、加算係数KG11〜KG55のうち、上式で使わない係数、即ち参照画素位置の画素に対する係数を「0」に設定する。
【0079】
G信号係数設定回路195は、上式で使う加算係数を下式に従って算出する。
KG32=L/4
KG34=L/4
KG23=L/4
KG43=L/4
ここで、Lは制御回路12から設定される増感倍率である。
【0080】
上記の係数の各々は、正規化係数Knと重み係数Kwの積で与えられるものであり、上記の例では、加算される画素の数に反比例した4/4が正規化係数である。
例えば、KG32を求める式は、
KG32=L/4×4/4
と書き換えることができ、そのうち、4/4が正規化係数Kn、残りのL/4が重み係数Kwである。他の係数についても同様である。
【0081】
増感倍率Lが1倍の時、G画素加算部6Gは次式の演算を行う。
G= 1/4 ×GR32+ 1/4 ×GR34
+ 1/4 ×GB23+ 1/4 ×GB43
増感倍率Lが2倍の時、G画素加算部6Gは次式の演算を行う。
G= 2/4 ×GR32+ 2/4 ×GR34
+ 2/4 ×GB23+ 2/4 ×GB43
増感倍率Lが3倍の時、G画素加算部6Gは次式の演算を行う。
G= 3/4 ×GR32+ 3/4 ×GR34
+ 3/4 ×GB23+ 3/4 ×GB43
増感倍率Lが4倍の時、G画素加算部6Gは次式の演算を行う。
G= 4/4 ×GR32+ 4/4 ×GR34
+ 4/4 ×GB23+ 4/4 ×GB43
【0082】
図10(c)は、注目画素がRR33(第1種の画素)の時の参照領域Ag及び参照画素を示す。図示のように、参照領域AG内にG画素(GB画素又はGR画素)が4個存在し、そのすべてが参照画素として用いられる。即ち、注目画素の1ライン前に位置する画素GB32、注目画素の1画素前に位置する画素GR23、注目画素の1画素後に位置する画素GR43、及び注目画素の1ライン後に位置する画素GB34が参照画素として用いられる。
このとき、G信号は次式で求める。
G=KG32×GB32+KG34×GB34
+KG23×GR23+KG43×GR43
G信号係数設定回路195は、加算係数KG11〜KG55のうち、上式で使わない係数、即ち参照画素位置の画素に対する係数を「0」に設定する。
【0083】
G信号係数設定回路195は、上式で使う加算係数を下式に従って算出する。
KG32=L/4
KG34=L/4
KG23=L/4
KG43=L/4
ここで、Lは制御回路12から設定される増感倍率である。
【0084】
上記の係数の各々は、正規化係数Knと重み係数Kwの積で与えられるものであり、上記の例では、加算される画素の数に反比例した4/4が正規化係数である。例えばKG32を求める式は、
KG32=L/4×4/4
と書き換えることができ、そのうち、4/4が正規化係数Kn、残りのL/4が重み係数Kwである。他の係数についても同様である。
【0085】
増感倍率Lが1倍の時、G画素加算部6Gは次式の演算を行う。
G= 1/4 ×GB32+ 1/4 ×GB34
+ 1/4 ×GR23+ 1/4 ×GR43
増感倍率Lが2倍の時、G画素加算部6Gは次式の演算を行う。
G= 2/4 ×GB32+ 2/4 ×GB34
+ 2/4 ×GR23+ 2/4 ×GR43
増感倍率Lが3倍の時、G画素加算部6Gは次式の演算を行う。
G= 3/4 ×GB32+ 3/4 ×GB34
+ 3/4 ×GR23+ 3/4 ×GR43
増感倍率Lが4倍の時、G画素加算部6Gは次式の演算を行う。
G= 4/4 ×GB32+ 4/4 ×GB34
+ 4/4 ×GR23+ 4/4 ×GR43
【0086】
図10(d)は、注目画素がGR33(第4種の画素)の時の参照領域Ag及び参照画素を示す。図示のように、参照領域Ag内にG画素(GB画素又はGR画素)が5個存在し、そのすべてが参照画素として用いられる。即ち、注目画素GR33と、注目画素の1ライン前の1画素前に位置する画素GB22、注目画素の1ライン前の1画素後に位置する画素GB42、注目画素の1ライン後の1画素前に位置する画素GB24、及び注目画素の1ライン後の1画素後に位置する画素GB44が参照画素として用いられる。
このとき、G信号は次式で求める。
G=KG22×GB22+KG42×GB42
+KG33×GR33
+KG24×GB24+KG44×GB44
G信号係数設定回路195は、加算係数KG11〜KG55のうち、上式で使わない係数、即ち参照画素位置の画素に対する係数を「0」に設定する。
【0087】
G信号係数設定回路195は、上式で使う加算係数を下式に従って算出する。
KG22=(L−1)×4/15
KG42=(L−1)×4/15
KG33=(16−L)/15
KG24=(L−1)×4/15
KG44=(L−1)×4/15
ここで、Lは制御回路12から設定される増感倍率である。
【0088】
上記の係数の各々は、正規化係数Knと重み係数Kwの積で与えられるものであり、上記の例では、加算される画素の数に反比例した4/5が正規化係数である。
例えば、KG33(注目画素についての加算係数)を求める式は、
KG33=(16−L)/12×4/5
と書き換えることができ、そのうち、4/5が正規化係数Kn、残りの(16−L)/12が重み係数Kwである。
同様に、KG22(注目画素以外の画素についての加算係数)を求める式は、
KG22=(L−1)/3×4/5
と書き換えることができ、そのうち、4/5が正規化係数Kn、残りの(L−1)/3が重み係数Kwである。他の係数についても同様である。
【0089】
増感倍率Lが1倍の時、G画素加算部6Gは次式の演算を行う。
G= 0 ×GB22+ 0 ×GB42
+15/15×GR33
+ 0 ×GB24+ 0 ×GB44
増感倍率Lが2倍の時、G画素加算部6Gは次式の演算を行う。
G= 4/15×GB22+ 4/15×GB42
+14/15×GR33
+ 4/15×GB24+ 4/15×GB44
増感倍率Lが3倍の時、G画素加算部6Gは次式の演算を行う。
G= 8/15×GB22+ 8/15×GB42
+13/15×GR33
+ 8/15×GB24+ 8/15×GB44
増感倍率Lが4倍の時、G画素加算部6Gは次式の演算を行う。
G=12/15×GB22+12/15×GB42
+12/15×GR33
+12/15×GB24+12/15×GB44
【0090】
図11(a)〜(d)は、図5の画素加算回路のB画素加算部6BでB信号を生成するために用いられる参照画素の配列を示す。図示のように、5×5画素の領域から4隅の画素を除いた参照領域Ab内に位置するB画素(B成分の光を検出する画素、例えばBフィルタを設けた画素)が参照画素として用いられる。参照画素は、画素加算における加重加算で用いられるが、後述の増感倍率Lの値によっては、加算係数が「0」となる。即ち、増感倍率が小さいときは、注目画素から比較的遠い画素の加算係数が「0」となり、注目画素に比較的近い画素のみにより注目画素の画素値が求められる。
【0091】
図11(a)は、注目画素がGB33(第2種の画素)の時の参照領域Ab及び参照画素を示す。図示のように、参照領域Ab内にB画素が6個存在し、そのすべてが参照画素として用いられる。即ち、注目画素の2ライン前の1画素前に位置する画素BB21、注目画素の2ライン前の1画素前に位置する画素BB41、注目画素の1画素前に位置する画素BB23、注目画素の1画素後に位置する画素BB43、注目画素の2ライン後の1画素前に位置する画素BB25、及び注目画素の2ライン後の1画素後に位置する画素BB45が参照画素として用いられる。
このとき、B信号は次式で求める。
B=KB21×BB21+KB41×BB41
+KB23×BB23+KB43×BB43
+KB25×BB25+KB45×BB45
B信号係数設定回路295は、加算係数KB11〜KB55のうち、上式で使わない係数、即ち参照画素位置の画素に対する係数を「0」に設定する。
【0092】
B信号係数設定回路295は、上式で使う加算係数を下式に従って算出する。
KB21=(L−1)×4/18
KB41=(L−1)×4/18
KB23=(L+8)/18
KB43=(L+8)/18
KB25=(L−1)×4/18
KB45=(L−1)×4/18
ここで、Lは制御回路12から設定される増感倍率である。
【0093】
上記の係数の各々は、正規化係数Knと重み係数Kwの積で与えられるものであり、上記の例では、加算される画素の数に反比例した4/6が正規化係数である。
例えば、KB23(3×3画素の領域内の画素についての加算係数)を求める式は、
KB23=(L+8)/12×4/6
と書き換えることができ、そのうち、4/6が正規化係数Kn、残りの(L+8)/12が重み係数Kwである。
同様に、KB21(3×3画素の領域外の画素についての加算係数)を求める式は、
KB21=(L−1)/3×4/6
と書き換えることができ、そのうち、4/6が正規化係数Kn、残りの(L−1)/3が重み係数Kwである。他の係数についても同様である。
【0094】
増感倍率Lが1倍の時、B画素加算部6Bは次式の演算を行う。
B= 0 ×BB21+ 0 ×BB41
+ 9/18×BB23+ 9/18×BB43
+ 0 ×BB25+ 0 ×BB45
増感倍率Lが2倍の時、B画素加算部6Bは次式の演算を行う。
B= 4/18×BB21+ 4/18×BB41
+10/18×BB23+10/18×BB43
+ 4/18×BB25+ 4/18×BB45
増感倍率Lが3倍の時、B画素加算部6Bは次式の演算を行う。
B= 8/18×BB21+ 8/18×BB41
+11/18×BB23+11/18×BB43
+ 8/18×BB25+ 8/18×BB45
増感倍率Lが4倍の時、B画素加算部6Bは次式の演算を行う。
B=12/18×BB21+12/18×BB41
+12/18×BB23+12/18×BB43
+12/18×BB25+12/18×BB45
【0095】
図11(b)は、注目画素がBB33(第3種の画素)の時の参照領域Ab及び参照画素を示す。図示のように、参照領域Ab内にB画素が5個存在し、そのすべてが参照画素として用いられる。即ち、注目画素BB33、注目画素の2ライン前に位置する画素BB31、注目画素の2画素前に位置する画素BB13、注目画素の2画素後に位置する画素BB53、及び注目画素の2ライン後に位置する画素BB35が参照画素として用いられる。
このとき、B信号は次式で求める。
B=KB31×BB31
+KB13×BB13+KB33×BB33+KB53×BB53
+KB35×BB35
B信号係数設定回路295は、加算係数KB11〜KB55のうち、上式で使わない係数、即ち参照画素位置の画素に対する係数を「0」に設定する。
【0096】
B信号係数設定回路295は、上式で使う加算係数を下式に従って算出する。
KB31=(L−1)×4/15
KB13=(L−1)×4/15
KB33=(16−L)/15
KB53=(L−1)×4/15
KB35=(L−1)×4/15
ここで、Lは制御回路12から設定される増感倍率である。
【0097】
上記の係数の各々は、正規化係数Knと重み係数Kwの積で与えられるものであり、上記の例では、加算される画素の数に反比例した4/5が正規化係数である。
例えば、KB33(注目画素についての加算係数)を求める式は、
KB33=(16−L)/12×4/5
と書き換えることができ、そのうち、4/5が正規化係数Kn、残りの(16−L)/12が重み係数Kwである。
同様に、KB31(3×3画素の領域外の画素についての加算係数)を求める式は、
KB31=(L−1)/3×4/5
と書き換えることができ、そのうち、4/5が正規化係数Kn、残りの(L−1)/3が重み係数Kwである。他の係数についても同様である。
【0098】
増感倍率Lが1倍の時、B画素加算部6Bは次式の演算を行う。
B= 0 ×BB31
+ 0 ×BB13+15/15×BB33+ 0 ×BB53
+ 0 ×BB35
増感倍率Lが2倍の時、B画素加算部6Bは次式の演算を行う。
B= 4/15×BB31
+ 4/15×BB13+14/15×BB33+ 4/15×BB53
+ 4/15×BB35
増感倍率Lが3倍の時、B画素加算部6Bは次式の演算を行う。
B= 8/15×BB31
+ 8/15×BB13+13/15×BB33+ 8/15×BB53
+ 8/15×BB35
増感倍率Lが4倍の時、B画素加算部6Bは次式の演算を行う。
B=12/15×BB31
+12/15×BB13+12/15×BB33+12/15×BB53
+12/15×BB35
【0099】
図11(c)は、注目画素がRR33(第1種の画素)の時の参照領域Ab及び参照画素を示す。図示のように、参照領域Ab内にB画素が4個存在し、そのすべてが参照画素として用いられる。即ち、注目画素の1ライン前の1画素前に位置する画素BB22、注目画素の1ライン前の1画素後に位置する画素BB42、注目画素の1ライン後の1画素前に位置する画素BB24、及び注目画素の1ライン後の1画素後に位置する画素BB44が参照画素として用いられる。
このとき、B信号は次式で求める。
B=KB22×BB22+KB42×BB42
+KB24×BB24+KB44×BB44
B信号係数設定回路295は、加算係数KB11〜KB55のうち、上式で使わない係数、即ち参照画素位置の画素に対する係数を「0」に設定する。
【0100】
B信号係数設定回路295は、上式で使う加算係数を下式に従って算出する。
KB22=L/4
KB42=L/4
KB24=L/4
KB44=L/4
ここで、Lは制御回路12から設定される増感倍率である。
【0101】
上記の係数の各々は、正規化係数Knと重み係数Kwの積で与えられるものであり、上記の例では、加算される画素の数に反比例した4/4が正規化係数である。例えばKB22を求める式は、
KB22=L/4×4/4
と書き換えることができ、そのうち、4/4が正規化係数Kn、残りのL/4が重み係数Kwである。他の係数についても同様である。
【0102】
増感倍率Lが1倍の時、B画素加算部6Bは次式の演算を行う。
B= 1/4 ×BB22+ 1/4 ×BB42
+ 1/4 ×BB24+ 1/4 ×BB44
増感倍率Lが2倍の時、B画素加算部6Bは次式の演算を行う。
B= 2/4 ×BB22+ 2/4 ×BB42
+ 2/4 ×BB24+ 2/4 ×BB44
増感倍率Lが3倍の時、B画素加算部6Bは次式の演算を行う。
B= 3/4 ×BB22+ 3/4 ×BB42
+ 3/4 ×BB24+ 3/4 ×BB44
増感倍率Lが4倍の時、B画素加算部6Bは次式の演算を行う。
B= 4/4 ×BB22+ 4/4 ×BB42
+ 4/4 ×BB24+ 4/4 ×BB44
【0103】
図11(d)は、注目画素がGR33(第4種の画素)の時の参照領域Ab及び参照画素を示す。図示のように、参照領域Ab内にB画素が6個存在し、そのすべてが参照画素として用いられる。即ち、注目画素の1ライン前に位置する画素BB32、注目画素の1ライン前の2画素前に位置する画素BB12、注目画素の1ライン前の2画素後に位置する画素BB52、注目画素の1ライン後に位置する画素BB34、注目画素の1ライン後の2画素前に位置する画素BB14、及び注目画素の1ライン後の2画素後に位置する画素BB54が参照画素として用いられる。
このとき、B信号は次式で求める。
B=KB12×BB12+KB32×BB32+KB52×BB52
+KB14×BB14+KB34×BB34+KB54×BB54
B信号係数設定回路295は、加算係数KB11〜KB55のうち、上式で使わない係数、即ち参照画素位置の画素に対する係数を「0」に設定する。
【0104】
B信号係数設定回路295は、上式で使う加算係数を下式に従って算出する。
KB12=(L−1)×4/18
KB32=(L+8)/18
KB52=(L−1)×4/18
KB14=(L−1)×4/18
KB34=(L+8)/18
KB54=(L−1)×4/18
ここで、Lは制御回路12から設定される増感倍率である。
【0105】
上記の係数の各々は、正規化係数Knと重み係数Kwの積で与えられるものであり、上記の例では、加算される画素の数に反比例した4/6が正規化係数である。
例えば、KB32(3×3画素の領域内の画素についての加算係数)を求める式は、
KB32=(L+8)/12×4/6
と書き換えることができ、そのうち、4/6が正規化係数Kn、残りの(L+8)/12が重み係数Kwである。
同様に、KB12(3×3画素の領域外の画素についての加算係数)を求める式は、
KB12=(L−1)/3×4/6
と書き換えることができ、そのうち、4/6が正規化係数Kn、残りの(L−1)/3が重み係数Kwである。他の係数についても同様である。
【0106】
増感倍率Lが1倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
B= 0 ×BB12+ 9/18×BB32+ 0 ×BB52
+ 0 ×BB14+ 9/18×BB34+ 0 ×BB54
増感倍率Lが2倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
B=4/18×BB12+10/18×BB32+4/18×BB52
+4/18×BB14+10/18×BB34+4/18×BB54
増感倍率Lが3倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
B=8/18×BB12+11/18×BB32+8/18×BB52
+8/18×BB14+11/18×BB34+8/18×BB54
増感倍率Lが4倍の時、R画素加算部6Rは次式の演算を行う。
B=12/18×BB12+12/18×BB32+12/18×BB52
+12/18×BB14+12/18×BB34+12/18×BB54
【0107】
一般化すれば、参照画素に対する加算係数Ka(KR21、KR22、…、KG22、KG23、…、KB21、KB22、…)は、重み係数Kwと正規化係数Knの積で与えられる。
正規化係数Knは、加算により求めようとしている色成分値に応じて予め決められるものであり、参照画素の数に反比例する。上記の例では、参照画素の数がNp(=4、5又は6)であれば、正規化係数Kn=4/Np(=4/4、4/5又は4/6)である。
一方、重み係数Kwは、加算される各画素に対して定められるものであり、各画素に対する重み係数Kwは、当該画素の注目画素からの距離と、増感倍率に依存し、増感倍率Lが比較的小さいときは、重み係数Kwは距離が大きいほど小さく、増感倍率Lが大きくなるほど、重み係数Kwの距離に対する依存性が小さくなるように設定される。
加算係数の、すべての参照画素についての総和Skaは、増感倍率Lに等しい。
【0108】
参照画素の数が4の場合(図9(b)、図10(b)、図10(c)、図11(c))
参照画素の数が5の場合(図9(c)、図10(a)、図10(d)、図11(b))、
参照画素の数が6の場合(図9(a)、図9(d)、図11(a)、図11(d))、
のそれぞれについて、増感倍率Lと重み係数Kwの関係を図12(a)、(b)、(c)に示す。
図12(a)で、符号Kw4はすべての参照画素に共通の重み係数Kwを示す。
図12(b)で、符号Kw50は注目画素についての重み係数を示し、符号Kw51は注目画素以外の画素についての重み係数を示す。
図12(c)で、符号Kw61は3×3画素の領域内の参照画素についての重み係数を示し、符号Kw62は3×3画素の領域外の画素についての重み係数を示す。
【0109】
上記の実施の形態では、制御回路12において、増感倍率Lを出力し、係数設定回路95,195,295が増感倍率Lに基づいて加算係数Kaを生成することとしており、制御回路12と係数設定回路95,195,295とで、加算係数Kaを生成する加算係数生成部を構成している。
【0110】
上記の例で説明したように、注目画素に最も近い相関の高い画素を使って画素加算を行うので画像解像度の劣化を最小限に抑えつつ感度向上を実現することができる。特に解像度に寄与するG画素は、注目画素の隣接画素(3×3画素の領域内の画素)を参照画素としている。
【0111】
上記の例で説明したように、注目画素の近傍に位置する画素の画素値、従って相関が比較的高い画素値を用いて画素加算を行うので、画像解像度の劣化を抑制しつつ感度向上を実現することができる。特に輝度成分への影響を大きく与え、従って、解像度の向上への寄与の大きいG画素については、隣接画素(3×3画素の領域内の画素)のみを参照画素として画素加算を行うので、画素加算による解像度の劣化を最小限に抑えることができる。
【0112】
上記の例で説明したように、画素加算を撮像素子から出力された直後に(即ち映像信号処理回路7による処理の前に)行うことにより、映像信号処理の影響を受けずに、画素加算による高感度信号が生成できる。映像信号処理の後段で行う画素加算は、近傍に位置する画素を使った演算である色同時化処理や、フィルタ処理が施されているので、水平解像度や垂直解像度の低下が想定よりも大きい。隣接画素(水平方向の座標値の差及び垂直方向の座標値の差のうちの大きい方が1である画素)を使った画素加算を行った場合には、その1画素隣の画素は、色同時化処理で隣接画素に隣接する画素を使って生成されている場合があり、そうすると、結果的に水平方向又は垂直方向の画素間距離が2画素ピッチである画素と画素加算を行っていることになる。これとの比較から、映像信号処理後の画素信号を用いた画素加算に較べて、映像信号処理前の画素信号を用いた画素加算は、より高い解像度の画像が得られる効果がある。
【0113】
また映像信号処理では非線形なフィルタ処理や階調変換処理が行われているので、低振幅信号を入力した場合、信号振幅が失われている場合がある。このため、映像信号処理の出力信号を2画素加算しても、2倍の画像信号にならない可能性がある。上記した例では映像信号処理前に画素加算するように構成したので、2画素加算したら、2倍の画像信号になる効果がある。
【0114】
上記の例で説明したように、注目画素がR画素又はB画素である場合には、増感倍率Lが1倍の場合は、注目画素自体、又はその隣接画素のみを用いて画素加算を行い、増感倍率Lが4倍の場合は、隣接画素の周囲に配置されている周辺画素をも用いた画素加算を行うこととし、その間の増感倍率Lでは、増感倍率の増加に伴って加算係数が連続的に変化するように、例えば増感倍率の増加に加算係数の増加又は減少が比例するようにした。
一方、注目画素がG画素である場合には、増感倍率が1倍から4倍の如何なる場合にも、注目画素のみ又は注目画素及びその隣接画素のみを用いて画素加算を行なうこととした。
【0115】
以上のように構成したので、標準照度(高照度側基準値以上の範囲内)では、増感倍率Lは1倍として解像度の低下がない画像を出力できる。低照度範囲(低照度側基準値以下の範囲)では、増感倍率Lは4倍として解像度の低下を最小限に抑えた4倍の感度で画像を出力できる。カメラに搭載される撮像素子の感度やノイズレベルによるが、例えば上記の高照度側基準値を1lxに設定し、上記の低照度側基準値を0.25lxに設定しても良い。また、標準照度での増感倍率L=1倍と、低照度での増感倍率L=4倍の間の中照度範囲においては、シームレスに増感倍率Lを設定できるように構成したので、撮像装置から得られる画像を動画として見る場合にも、照度が暗くなる過程で画像が急変することがなく違和感を与えない効果がある。出力信号の明るさが急変することがなくなり、画面を見ている人が違和感を受けたり、見づらいと感じたりすることがなくなる。
【0116】
以上要するに、制御回路12とR信号係数設定回路95との組合せは、R画素加算部(第1の色成分生成部)6Rで用いられる加算係数を定めるに当たり、
被写体照度が所定の高照度側基準値以上の高照度範囲内にあり、図9(c)に示すように、注目画素がR画素(第1種の画素)である場合、注目画素以外の参照画素についての加算係数をゼロとし、
被写体照度が所定の高照度側基準値以上の高照度範囲内にあり、図9(a)、(b)、(d)に示すように、注目画素がR画素以外である場合(GB画素、B画素、又はGR画素である場合、即ち、第2種、第3種又は第4種の画素である場合)、注目画素を中心とした3×3画素の領域内に含まれない参照画素についての加算係数をゼロとし、
被写体照度が所定の低照度側基準値以下の低照度範囲内にある場合、参照画素のすべてについての加算係数を互いに等しいゼロ以外の値とし、
被写体照度が上記低照度側基準値と上記高照度側基準値の間の中照度範囲内にある場合、被写体照度の増加とともに、上記低照度範囲で用いられる値から、上記高照度範囲で用いられる値へ上記加算係数を連続的に変化させる。
【0117】
また、制御回路12とG信号係数設定回路195との組合せは、G画素加算部(第2の色成分生成部)6Gで用いられる加算係数を定めるに当たり、
被写体照度が所定の高照度側基準値以上の高照度範囲の場合にあり、図10(a)、(d)に示すように、注目画素がGB画素又はGR画素(第2種又は第4種の画素)、即ちG成分の光を検出する画素である場合、注目画素以外の参照画素についての加算係数をゼロとし、
被写体照度が所定の低照度側基準値以下の低照度範囲内にあり、図10(a)、(d)に示すように、注目画素がGB画素又はGR画素(第2種又は第4種の画素)、即ち、G成分の光を検出する画素である場合、すべての参照画素についての加算係数を互いに等しい値とし、
被写体照度が所定の高照度側基準値以上の高照度範囲内にあり、図10(c)、(b)に示すように、注目画素がR画素又はB画素(第1種又は第3種の画素)、即ち、G成分の光を検出する画素以外の画素であるである場合、すべての参照画素についての加算係数を互いに等しい第1の値とし、
被写体照度が所定の低照度側基準値以下の低照度範囲内にあり、図10(c)、(b)に示すように、注目画素がR画素又はB画素(第1種又は第3種の画素)、即ち、G成分の光を検出する画素以外の画素である場合、すべての参照画素についての加算係数を互いに等しい、上記第1の値よりも大きい第2の値とし、
被写体照度が上記低照度側基準値と上記高照度側基準値の間の中照度範囲内にある場合、
被写体照度の増加とともに、上記低照度範囲で用いられる値から、上記高照度範囲で用いられる値へ上記加算係数を連続的に変化させる。
【0118】
さらに、制御回路12とB信号係数設定回路195との組合せは、B画素加算部(第3の色成分生成部)6Bで用いられる加算係数を定めるに当たり、
被写体照度が所定の高照度側基準値以上の高照度範囲内にあり、図11(b)に示すように、注目画素がB画素(第3種の画素)である場合、注目画素以外の参照画素についての加算係数をゼロとし、
被写体照度が所定の高照度側基準値以上の高照度範囲内にあり、図11(a)、(c)、(d)に示すように、注目画素がB画素以外の画素(R画素、GB画素、GR画素、即ち第1種、2種、第4種の画素)である場合、注目画素を中心とした3×3画素の領域内に含まれない参照画素についての加算係数をゼロとし、
被写体照度が所定の低照度側基準値以下の低照度範囲内にある場合、参照画素のすべてについての加算係数を互いに等しいゼロ以外の値とし、
被写体照度が上記低照度側基準値と上記高照度側基準値の間の中照度範囲内にある場合、被写体照度の増加とともに、上記低照度範囲で用いられる値から、上記高照度範囲で用いられる値へ上記加算係数を連続的に変化させる。
【0119】
上記の例では、4倍までの増感倍率Lを設定した場合について説明したが、4倍よりも大きな値に設定しても良い。上記の加算係数の生成式は、増感倍率Lを1倍から4倍まで設定範囲とし、4倍の時に、すべての参照画素の重みが等しくなる。4倍よりも大きな増感倍率Lの加算係数の生成式は、参照画素の重みが等しいまま増感倍率Lを設定できる生成式とする。周辺画素の色フィルタ配置パターンによって異なるが、4画素加算のケースでは加算係数の生成式はL/4とし、5画素加算のケースでは加算係数の生成式はL/5とし、6画素加算のケースでは加算係数の生成式はL/6とする。4倍よりも大きな増感倍率Lの設定は、階調落ちに注意して使う必要がある。
【0120】
図9(a)〜(d)、図11(a)〜(d)では、R画素加算部6RでR信号を生成するために用いられる参照領域及びB画素加算部6BでB信号を生成するために用いられる参照領域を5×5画素の領域から4隅の画素を除いた部分としたが、4隅の画素を除かず、5×5画素の全体を参照領域としても良い。また、上記の例では、注目画素からの距離の近い順に、注目画素を含め6個以下の画素を参照画素として選択することとしたが、より多くの画素を参照画素として選択することとしても良い。
【0121】
上記の例で説明したように、同じ色成分の光を検出する画素の画素値(同じ色の色フィルtを備えた画素からの画素値)を加算するので、混色することなく高感度なカラー画像が得られる。
【0122】
低照度時の撮像画像をアナログアンプで増幅すると信号よりもノイズが大きくなる。またデジタルアンプで増幅すると階調落ちが発生する。上記の例で説明したように本発明は、近傍領域内の画素の画素加算で高感度化をはかるので信号よりもノイズが小さくなる。例えば2画素加算すると信号成分は2倍になり、ノイズ成分は二乗根倍になり、相対的に純粋の信号成分が大きくなる。また、画像の性質として近傍に位置する画素同士は相関が高いことから、注目画素の近傍に位置する複数画素を加算することで実効性の高い感度向上を実現している。
【0123】
上記の例において、固体撮像素子の一構成例として図1のようにCCD撮像素子2を使った構成について説明したが、2次元イメージセンサであればCCD撮像素子に限らず、CMOS撮像素子でも、どのようなものでも良い。またインターライントランスファーCCDに限らず、フレームトランスファーCCDでもフレームインターライントランスファーCCDであっても良い。
図13に、CMOS撮像素子20を使った構成を示す。CMOS撮像素子は、撮像機能単体のデバイスの場合もあるし、周辺機能を集積したデバイスの場合もある。
図13は、周辺機能を集積したCMOS撮像素子の場合について示す。
図1のCCD撮像素子2、相関二重サンプリング処理回路3、プログラマブル利得増幅回路4、A/D変換回路5、タイミング発生回路10の持つ機能は、CMOS撮像素子20の中に含まれている。
【0124】
実施の形態2.
図14は本発明の実施の形態2による撮像装置を示す。図14において、検波回路13が付加されていること、及び図1の制御回路12の代わりに制御回路12bが設けられている点を除き、実施の形態1の説明と同様であり、同様な効果を奏する。
【0125】
検波回路13は、画素加算回路6から供給された信号の大きさを検波し、信号振幅のレベル、例えば平均レベルの検出値ASAを求め、照度情報として出力する。
【0126】
検波回路13は、上記の検波において、信号振幅の平均レベルの算出値ASAを、全有効画素の画素値の総和を全有効画素数で除算して求める。
このような平均レベルの算出は、例えば垂直走査周期毎に行われ、例えば積分処理と割算処理とにより実行される。上記のようにして求められる信号振幅の平均レベルの「算出値」を、信号振幅の平均レベルの「検出値」と言うことがある。
【0127】
なお、上記の信号振幅の平均レベル算出における全有効画素数での除算は、画素数が2のn乗(nは整数)で与えられるときは、デジタル値のビットシフト処理で実現しても良い。また全有効画素数は、同じシステムでは定数であるので全有効画素数の除算を省略しても良い。
【0128】
制御回路12bは、実施の形態1の制御回路12と同様であるが、以下のように付加的な機能を有する。即ち、制御回路12bは、検波回路13から供給された信号振幅の平均レベルの検出値ASAに基づいて、レンズ1の絞りの制御、タイミング発生回路10が発生するCCD撮像素子2の光電変換素子からの電荷読出しタイミング及び電荷強制排出タイミングの制御(従って、電荷蓄積時間、即ち露光時間の制御)、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得の制御、並びに画素加算回路6の画素加算処理の制御を行う。
さらに、映像信号処理回路7は、垂直走査周期毎に画素加算回路6の出力に含まれるノイズのレベルを算出し、制御回路12bへ供給する。
【0129】
なお、上記の例では、上記の信号振幅の平均レベルの算出及びノイズレベルの算出を、垂直走査周期毎に行うものとして説明したが、検波回路13及び映像信号処理回路7内部の信号処理時間並びに検波回路13及び映像信号処理回路7から制御回路12bへの伝送時間を考慮して、数回の垂直走査に1回だけ行うようにしても良い。
【0130】
上記の例では、検波回路13は、信号振幅の平均レベルを算出したが、信号振幅のピーク検波とする場合もある。検波回路13の出力は、着目する被写体の視認性が高くなるように生成する。例えば、ハイライト部分を白く飽和させたくない場合は、ピーク検波とし、ハイライト部分が白く飽和しても中間階調がはっきり見えれば良い場合は、平均値検波とする。
【0131】
以下で詳しく述べるように、画素加算回路6による感度制御も露光制御の一環として制御できるので照度環境が変化しても、常に最適な条件で被写体を視認できる画像が得られる効果がある。また、画素加算回路6は、加算する画素の数(参照画素のうちで加算係数をゼロ以外の値とする画素の数)や加算係数を変えることで、信号振幅を調整する。
【0132】
制御回路12bは、検波回路13から得られる信号振幅の平均レベルの検出値ASAが一定となるように自動露光制御を行う。明るい環境での撮像で上記信号振幅が大きい時、制御回路12bは、レンズ1の開口を絞るように制御してCCD撮像素子2への入射光量を減らしたり、タイミング発生回路10による電荷強制排出タイミングの調整で、CCD撮像素子2の光電変換素子に蓄積される電荷を強制排出するように制御して露光時間を減らしたりする。
【0133】
暗い環境での撮像で上記信号振幅が小さくなってきた時、制御回路12bは、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を増やすように制御して撮像信号を増幅する。しかしながら、上記増幅利得が大き過ぎるとノイズが目立つようになり視認性の悪い画像となる。他の方法として、制御回路12bは、CCD撮像素子2の光電変換素子からの電荷読出しを垂直走査周期単位で間引くように制御することにより露光時間を延ばすこともできる。しかしながら、露光時間が長すぎると動く被写体が残像となり視認性の悪い画像となる。さらに垂直走査周期単位で欠落する画像の補間(フレーム補間)を行なう回路が必要になる。
【0134】
実施の形態1と同様に、本実施の形態の制御回路12bは、画素加算回路6への増感倍率Lを1倍から4倍に設定する。増感倍率Lの設定(調整)は、検波回路13からの照度情報並びに露光パラメータに基づいて行われる。実施の形態1で述べたように、増感倍率Lの変更により加算係数KR、KG、KBが調整される。従って、照度情報に基づいて加算係数が調整される。
注目画素の近傍領域内に位置する4〜6画素を加算することにより、4倍の感度向上を実現でき、極めて暗い環境での撮像でも大幅に視認性を改善することができる。また、フレーム周波数の低下を防止乃至抑制することができるので、動解像度の劣化はなく、水平解像度、垂直解像度の劣化は最小に抑えることができる。
【0135】
以下、被写体照度が変化したときの感度調整のための手順の一例を説明する。まず、露光時間は一定値(標準露光時間)Trに維持するものとして説明する。
被写体照度が徐々に暗くなり、信号振幅の平均レベルの検出値ASAが下がってくると、レンズ1の絞りを開放方向に制御して(図15(a)の範囲Sa)、信号振幅の平均レベルを維持する。ここで、「信号振幅の平均レベルを維持する」とは、画素加算回路6の出力の信号振幅の平均レベル、従って検波回路13の出力で表される、信号振幅の平均レベルを維持することを意味する。
【0136】
レンズ1の絞りが開放(全開)になった後は、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を増やすように制御して(図15(b)の範囲Sb)、信号振幅の平均レベルを維持する。プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得が大きくなり、増幅利得の所定の上限値UGLよりも大きくなった後は、画素加算回路6の増感倍率Lを大きくなるように制御して(図15(c)の範囲Sc)、信号振幅の平均レベルASAを維持する。
【0137】
増感倍率Lの制御による平均レベルASAの維持は、増感倍率Lが最大値(L=4)となるまで可能である。それよりもさらに被写体照度が低下すると、平均レベルASAは低下を開始する。
【0138】
標準露光時間Trにおいて、レンズ絞りを開放とし、増幅利得を最大とし、増感倍率Lが1であるときに画素加算回路6の出力(画素加算部6R、6G、6Bの出力)が所定のレベルとなる照度HLを高照度側基準値とし、高照度基準値HLの1/4の照度、即ち、標準露光時間Trにおいて、レンズ絞りを開放とし、増幅利得を最大とし、増感倍率Lが4であるときに画素加算回路6の出力が所定のレベルとなる照度LLを、低照度側基準値とする。
【0139】
被写体照度が徐々に明るくなって、低照度側基準値LL以上となり、信号振幅の平均レベルの検出値ASAが上がろうとすると、画素加算回路6の増感倍率Lを減らすように制御して(図15(c)の範囲Sc)、信号振幅の平均レベルを維持する。増感倍率Lが1倍まで小さくなると、次にプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を減らすように制御して、信号振幅の平均レベルを維持する。プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得が減少し(図15(b)の範囲Sb)、所定の下限値LGLよりも小さくなった後は、レンズ1の絞りを遮光方向に制御して(図15(a)の範囲Sa)、信号振幅の平均レベルを維持する(図15(e))。さらに照度が高くなると、平均レベルASAは上昇する。
【0140】
以上の制御を行う結果、図15(e)に実線で示すように、下限LLから上限ULまでの範囲において、信号振幅の平均レベルASAを一定に保つことができる。
なお、露光時間を一定としたが、被写体の照度に応じて露光時間をも制御しても良い。例えば、照度が低下して、増感倍率Lが最大値になってもなおも、信号振幅が十分な値とならないときに、露光時間を長くすることとしても良い(図15(d)の範囲Sd)。逆に、照度が高くなり、絞りを最大に絞っても(F値を最も高くしても)、信号振幅が大きすぎる場合には、露光時間を短くしても良い(図15(d)の範囲Se)。
このような露光時間の制御を加えると、図15(e)に点線で示すように、下限LLeから上限ULeまでの範囲において、信号振幅の平均レベルASAを一定に保つことができる。
【0141】
上記増幅利得の所定の上限値UGLは、映像信号処理回路7で検出されるノイズレベルの検出値ANLに基づいて決まる。(被写体照度が低下し、それに伴い撮像素子2の出力のS/Nが低下した場合に増幅利得を増加させる必要があることを考慮し、)ノイズレベルの検出値ANLが信号振幅の平均レベルの検出値ASAに対して所定のノイズ割合(第1の所定のノイズ割合、即ち許容上限値)NPR1に達したときのプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を上記所定の上限値UGLとする。上記第1の所定のノイズ割合NPR1は例えば1/50と定められる。
【0142】
ノイズレベルの算出値ANLは、ノイズ低減処理によりノイズ成分を抽出し、全有効画素範囲のノイズ成分の絶対値の総和を全有効画素数で除算することで求まる。ノイズ低減処理により、入力信号のノイズを低減したノイズ低減信号NRSが得られる。上記入力信号(映像信号処理回路7内でノイズ低減処理を行う前の信号)から上記ノイズ低減信号NRSを減算することでノイズ成分を抽出できる。上記のようにして求められるノイズレベルの「算出値」を、「検出値」と言うことがある。
【0143】
用途によって被写体の視認にあたり許容できるノイズレベルは異なるため、上記第1の所定のノイズ割合NPR1は、S/Nを重視するか、画像解像度を重視するか等、撮像装置の用途によって変わる。制御回路12bは、プログラマブル利得増幅回路4に設定している利得、及び検波回路13から制御回路12bへ供給されるノイズレベルの検出値ANLを観測しながらダイナミックに上記増幅利得の所定の上限値UGLを決めてプログラマブル利得増幅回路4及び画素加算回路6を制御することとしても良く、撮像装置を工場から出荷する前にノイズレベルの検出値ANLが信号振幅の平均レベルの検出値ASAに対して第1の所定のノイズ割合NPR1に達する増幅利得を測定し、上記所定の上限値UGLとして撮像装置の電源を切っても記憶内容を保持できる記憶部(不揮発性のメモリ、電池でバックアップされた揮発性のメモリなど)16に書込み、制御回路12bは上記増幅利得の所定の上限値UGLを参照してプログラマブル利得増幅回路4及び画素加算回路6を制御するようにしても良い。
【0144】
上記増幅利得の所定の下限値LGLは、映像信号処理回路7から制御回路12bへ供給されるノイズレベルの検出値ANLに基づいて決まる。ノイズレベルの検出値ANLが信号振幅の平均レベルの検出値ASAに対して所定のノイズ割合(第2の所定のノイズ割合)NPR2を下回ったときのプログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を上記所定の下限値LGLとする。上記第2の所定のノイズ割合は、上記第1の所定のノイズ割合NPR1と画素加算回路6による感度倍率(4倍)に基づいて決める。例えば、上記第2の所定のノイズ割合NPR2は、1/200(={(1/50)×(1/4)})と定められる。
【0145】
用途によって被写体の視認にあたり許容できるノイズレベルは異なるため、上記第2の所定のノイズ割合NPR2は、S/Nを重視するか、画像解像度を重視するか等、撮像装置の用途によって変わる。制御回路12bは、プログラマブル利得増幅回路4に設定している利得、及び検波回路13から制御回路12bへ供給されるノイズレベルの検出値ANLを観測しながらダイナミックに上記増幅利得の所定の下限値LGLを決めてプログラマブル利得増幅回路4及び画素加算回路6を制御することとしても良く、撮像装置を工場から出荷する前にノイズレベルの検出値ANLが信号振幅の平均レベルの検出値ASAに対して第2の所定のノイズ割合NPR2に達する増幅利得を測定し、上記所定の下限値LGLとして撮像装置の電源を切っても記憶内容を保持できる記憶部16に書込み、制御回路12bは上記増幅利得の所定の下限値LGLを参照してプログラマブル利得増幅回路4及び画素加算回路6を制御するようにしても良い。
【0146】
制御回路12bは、レンズ1の絞り、CCD撮像素子2の露光時間、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得、画素加算回路6における画素加算による信号振幅調整機能を制御して信号振幅の平均レベル(画素加算回路6の出力の信号振幅の平均レベル)を維持する。
【0147】
以上のような制御を行っているので、検波回路13で得られる信号の振幅ASAと、そのときの露光制御パラメータ(絞り、増幅利得、増感感度、露光時間)とに基づいて、被写体の照度を求めることができる。
言い換えれば、検波回路の出力に対し、露光制御パラメータに基づく逆算を行うことで得られる換算値は、被写体の照度に対応した値である。即ち、そのようなに逆算によって得られた照度が高照度側基準値以上か、低照度側輝度値以下か、それらの基準値の間の範囲にあるかを判断し、判断結果に応じ画素加算の制御(増感感度)を行うことができる。
【0148】
上記のように構成したので、露光制御の中で、絞り制御、増幅利得制御、画素加算制御、露光時間制御を順番に切替えることで、視認性の良い最適な明るさの画像を出力することができる効果がある。
【0149】
また、画素加算回路において、加算する画素の数ではなく加算係数で増感倍率を設定できるように構成し、増感倍率Lを整数に限らず小数を含み得る値で設定できることとしたので、露光制御の中で、画素加算制御も加算係数を小数点以下の値をも使ってシームレスに切替えられ、照度変化の過程で、画像の明るさが急変することなく見やすい画像が出力できる効果がある。
【0150】
実施の形態3.
図16は本発明の実施の形態3による撮像装置を示す。図16において、測光部14が付加されている点、及び制御回路12の代わりに制御回路12cが設けられている点を除き、実施の形態1と同様であり、同様な効果を奏する。
【0151】
測光部14は、レンズ1への光の入射方向の被写体照度を測光する。測光部14の照度センサ(図示せず)の取り付け及び位置決めはレンズの光軸に基づいて決められ、レンズ1が撮像する被写体の照度を測光する。
【0152】
制御回路12cは、実施の形態1の制御回路12と同様であるが、以下のように付加的な機能を有する。即ち、制御回路12cは、測光部14から供給された照度値に基づいて、レンズ1の絞りの制御、タイミング発生回路10が発生するCCD撮像素子2の光電変換素子からの電荷読出しタイミング及び電荷強制排出タイミングの制御(従って、電荷蓄積時間、即ち露光時間の制御)、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得の制御、並びに画素加算回路6の画素加算処理の制御を行う。
【0153】
制御回路12cは、記憶部16内に保持されている設定値テーブルに従って、レンズ1の絞り、CCD撮像素子2の露光時間、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得、画素加算回路6の増感倍率の設定を行う。
設定値テーブルには、照度値ごとにレンズ1の絞り、CCD撮像素子2の露光時間、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得、画素加算回路6の増感倍率が登録されている。
【0154】
照度が明るいときは、撮像素子2の露光時間はフレームレートに基づく標準露光時間Trに、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得は1倍に、画素加算回路6の増感倍率Lは1倍に設定してレンズ1の絞りを絞っていく(図15(a)の範囲Sa)。レンズ1が最大絞りになって照度がさらに明るくなると、撮像素子2の露光時間を標準露光時間Trから短く制御する(図15(d)の範囲Se)。
【0155】
照度が暗くなると、撮像素子2の露光時間はフレームレートに基づく標準露光時間Trに、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得は1倍に、画素加算回路6の増感倍率は1倍に設定してレンズ1の絞りを開いていく(図15(a)の範囲Sa)。レンズ1が絞り開放になって照度がさらに暗くなると、プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得を1倍から大きくしていく(図15(b)の範囲Sb)。プログラマブル利得増幅回路4の増幅利得が、上記の上限値(画素加算回路6の出力に含まれるノイズのレベルが上記の第1の所定の割合に達したときの増幅利得の値、即ち、該ノイズレベルが上記の第1の所定の割合(許容範囲の上限値)を超えないという制約条件を満たす最大利得値)となって照度がさらに暗くなると、画素加算回路6の増感倍率を1倍から大きくしていく(図15(c)の範囲Sc)。さらに暗くなると、露光時間を長くする(図15(d)の範囲Sd)。
【0156】
上記のように構成したので、露光制御の中で、絞り制御、増幅利得制御、画素加算制御及び露光時間制御を順番に切替えることで、視認性の良い最適な明るさの画像を出力することができる効果がある。
【0157】
また、画素加算回路において、加算する画素の数ではなく加算係数で増感倍率を設定できるように構成し、増感倍率Lを整数に限らず小数を含む値で設定できることとしたので、露光制御の中で、画素加算制御も加算係数を小数点以下の値をも使ってシームレスに切替えられ、照度変化の過程で、画像の明るさが急変することなく見やすい画像が出力できる効果がある。
【0158】
なお、実施の形態2及び3において、増感倍率を最大にしても信号振幅が十分でない場合に露光時間を長くする旨説明したが、これはフレームレートが変わらないようにすることを優先した結果である。フレームレートよりも解像度を重視する場合には、露光時間を長くする制御を先に行い、露光時間を(例えば所定の値まで)長くしても信号振幅が十分でない場合に増感倍率を大きくすることとしても良く、増感倍率を大きくする制御と露光時間を長くする制御を平行して行っても良い。
【符号の説明】
【0159】
1 レンズ、 2 CCD撮像素子、 3 相関二重サンプリング処理回路、 4 プログラマブル利得増幅回路、 5 A/D変換回路、 6 画素加算回路、 6E 画素抽出部、 6R R画素加算部、 6G G画素加算部、 6B B画素加算部、 7 映像信号処理回路、 8 映像信号出力端子、 9 駆動回路、 10 タイミング発生回路、 11 同期信号発生回路、 12、12b、12c 制御回路、 13 検波回路、 14 測光部、 20 CMOS撮像素子、 101 入力端子、 103 制御端子、 104 同期信号入力端子、 22〜25 1ライン遅延回路、 32〜55 1画素遅延回路、 61〜85 乗算回路、 90 加算回路、 95 R信号係数設定回路、 106 R信号出力端子、 161〜185 乗算回路、 190 加算回路、 195 G信号係数設定回路、 107 G信号出力端子、 261〜285 乗算回路、 290 加算回路、 295 B信号係数設定回路、 108 B信号出力端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の色成分の光を検出して対応する撮像信号を発生する第1種の画素と、第2の色成分の光を検出して対応する撮像信号を発生する第2種の画素と、第3の色成分の光を検出して対応する撮像信号を発生する第3種の画素と、前記第2の色成分の光を検出して対応する撮像信号を発生する第4種の画素とが、水平2画素、垂直2画素の組み合わせを基本単位として画面内に規則的に配列された撮像部と、前記撮像部から出力された撮像信号を所定の時間遅延させることで、注目画素とその周囲の画素の画素値を表す信号を抽出して同時に出力する画素抽出部と、
加算係数を生成する加算係数生成部と、
注目画素を中心とした水平5画素、垂直5画素の領域内に位置する前記第1種の画素を参照画素として、該参照画素の画素値だけを加算係数によって加重加算し、注目画素の第1の色成分値を生成する第1の色成分生成部と、
注目画素を中心とした水平3画素、垂直3画素の領域内に位置する前記第2種及び第4種の画素を参照画素として、該参照画素の画素値だけを加算係数によって加重加算し、注目画素の第2の色成分値を生成する第2の色成分生成部と、
注目画素を中心とした水平5画素、垂直5画素の領域内に位置する前記第3種の画素を参照画素として、該参照画素の画素値だけを加算係数によって加重加算し、注目画素の第3の色成分値を生成する第3の色成分生成部と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
第1の色成分が赤、第2の色成分が緑、第3の色成分が青であり、前記画素がベイヤ配列されたものであることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1種の画素が、前記第1の色成分の光を透過させる第1の色フィルタを設けた画素であり、前記第2種の画素及び第4種の画素が、前記第2の色成分の光を透過させる第2の色フィルタを設けた画素であり、前記第3種の画素が、前記第3の色成分の光を透過させる第3の色フィルタを設けた画素であることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1の色成分生成部は、前記水平5画素、垂直5画素の領域内の4隅に位置する画素以外の、前記第1種の画素の画素値のすべてを用いて加重加算を行い、前記第3の色成分生成部は、前記水平5画素、垂直5画素の領域の4隅に位置する画素以外の、前記第3種の画素の画素値のすべてを用いて加重加算を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1の色成分値を求める際に用いられる加算係数は、前記第1の色成分値を求める際に用いられる参照画素の数に反比例する正規化係数と、前記参照画素ごとの重み係数の積で与えられ、
前記第2の色成分値を求める際に用いられる加算係数は、前記第2の色成分値を求める際に用いられる参照画素の数に反比例する正規化係数と、前記参照画素ごとの重み係数の積で与えられ、
前記第3の色成分値を求める際に用いられる加算係数は、前記第3の色成分値を求める際に用いられる参照画素の数に反比例する正規化係数と、前記参照画素ごとの重み係数の積で与えられる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
各参照画素に対する重み係数は、当該画素の注目画素からの距離と、増感倍率に依存し、
前記増感倍率が比較的小さいときは、前記重み係数は前記距離が大きいほど小さく、
前記増感倍率が大きくなるほど、前記重み係数の前記距離に対する依存性が小さくなる
ことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記加算係数生成部は、被写体の照度が低いほど、前記増感倍率を大きくすることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
被写体の照度を表す照度情報を生成する照度情報生成部を備え、
前記加算係数生成部は、前記照度情報に基づいて前記増感倍率を決定することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記照度情報生成部が、被写体からの光に基づいて上記照度を測定して、照度情報を生成する測光部を有する
ことを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記照度情報生成部は、前記第1、第2及び第3の色成分生成部で生成された前記第1、第2及び第3の色成分値の信号振幅並びに露光制御パラメータに基いて前記照度情報を生成することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第1の色成分生成部は、
注目画素が前記第1種の画素である場合、注目画素、注目画素の2ライン前に位置する参照画素、注目画素の2画素前に位置する参照画素、注目画素の2画素後に位置する参照画素、及び注目画素の2ライン後に位置する参照画素の画素値を加重加算した結果を注目画素の第1の色成分値として出力し、
注目画素が前記第2種の画素である場合、注目画素の1ライン前に位置する参照画素、注目画素の1ライン前の2画素前に位置する参照画素、注目画素の1ライン前の2画素後に位置する参照画素、注目画素の1ライン後に位置する参照画素、注目画素の1ライン後の2画素前に位置する参照画素、及び注目画素の1ライン後の2画素後に位置する参照画素の画素値を加重加算した結果を注目画素の第1の色成分値として出力し、
注目画素が前記第3種の画素である場合、注目画素の1ライン前の1画素前に位置する参照画素、注目画素の1ライン前の1画素後に位置する参照画素、注目画素の1ライン後の1画素前に位置する参照画素、及び注目画素の1ライン後の1画素後に位置する参照画素の画素値を加重加算した結果を注目画素の第1の色成分値として出力し、
注目画素が前記第4種の画素である場合、注目画素の2ライン前の1画素前に位置する参照画素、注目画素の2ライン前の1画素後に位置する参照画素、注目画素の1画素前に位置する参照画素、注目画素の1画素後に位置する参照画素、注目画素の2ライン後の1画素前に位置する参照画素、及び注目画素の2ライン後の1画素後に位置する参照画素の画素値を加重加算した結果を注目画素の第1の色成分値として出力する
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項12】
前記第2の色成分生成部は、
注目画素が前記第1種又は第3種の画素である場合、注目画素の1ライン前に位置する参照画素、注目画素の1画素前に位置する参照画素、注目画素の1画素後に位置する参照画素、及び注目画素の1ライン後に位置する参照画素の画素値を加重加算した結果を注目画素の第2の色成分値として出力し、
注目画素が前記第2種又は第4種の画素である場合、注目画素、注目画素の1ライン前の1画素前に位置する参照画素、注目画素の1ライン前の1画素後に位置する参照画素、注目画素の1ライン後の1画素前に位置する参照画素、及び注目画素の1ライン後の1画素後に位置する参照画素の画素値を加重加算した結果を注目画素の第2の色成分値として出力する
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項13】
前記第3の色成分生成部は、
注目画素が前記第1種の画素である場合、注目画素の1ライン前の1画素前に位置する参照画素、注目画素の1ライン前の1画素後に位置する参照画素、注目画素の1ライン後の1画素前に位置する参照画素、及び注目画素の1ライン後の1画素後に位置する参照画素の画素値を加重加算した結果を注目画素の第3の色成分値として出力し、
注目画素が前記第2種の画素である場合、注目画素の2ライン前の1画素前に位置する参照画素、注目画素の2ライン前の1画素後に位置する参照画素、注目画素の1画素前に位置する参照画素、注目画素の1画素後に位置する参照画素、注目画素の2ライン後の1画素前に位置する参照画素、及び注目画素の2ライン後の1画素後に位置する参照画素の画素値を加重加算した結果を注目画素の第3の色成分値として出力し、
注目画素が前記第3種の画素である場合、注目画素、注目画素の2ライン前に位置する参照画素、注目画素の2画素前に位置する参照画素、注目画素の2画素後に位置する参照画素、及び注目画素の2ライン後に位置する参照画素の画素値を加重加算した結果を注目画素の第3の色成分値として出力し、
注目画素が前記第4種の画素である場合、注目画素の1ライン前に位置する参照画素、注目画素の1ライン前の2画素前に位置する参照画素、注目画素の1ライン前の2画素後に位置する参照画素、注目画素の1ライン後に位置する参照画素、注目画素の1ライン後の2画素前に位置する参照画素、及び注目画素の1ライン後の2画素後に位置する参照画素の画素値を加重加算した結果を注目画素の第3の色成分値として出力する
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項14】
前記加算係数生成部は、前記第1の色成分生成部で用いられる加算係数を定めるに当たり、
被写体照度が所定の高照度側基準値以上の高照度範囲内にあり、注目画素が前記第1種の画素である場合、注目画素以外の参照画素についての加算係数をゼロとし、
前記被写体照度が所定の高照度側基準値以上の高照度範囲内にあり、注目画素が前記第2種、第3種、又は第4種の画素である場合、注目画素を中心とした水平3画素、垂直3画素の領域内に含まれない参照画素についての加算係数をゼロとし、
前記被写体照度が所定の低照度側基準値以下の低照度範囲内にある場合、参照画素のすべてについての加算係数を互いに等しい、ゼロ以外の値とし、
前記被写体照度が前記低照度側基準値と前記高照度側基準値の間の中照度範囲内にある場合、前記被写体照度の増加とともに、前記低照度範囲で用いられる値から、前記高照度範囲で用いられる値へ前記加算係数を連続的に変化させる
ことを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記加算係数生成部は、前記第2の色成分生成部で用いられる加算係数を定めるに当たり、
被写体照度が所定の高照度側基準値以上の高照度範囲の場合にあり、注目画素が前記第2種又は第4種の画素である場合、注目画素以外の参照画素についての加算係数をゼロとし、
前記被写体照度が所定の低照度側基準値以下の低照度範囲内にあり、注目画素が前記第2種又は第4種の画素である場合、すべての参照画素についての加算係数を互いに等しい値とし、
前記被写体照度が所定の高照度側基準値以上の高照度範囲内にあり、注目画素が前記第1種又は第3種の画素である場合、すべての参照画素についての加算係数を互いに等しい第1の値とし、
前記被写体照度が所定の低照度側基準値以下の低照度範囲内にあり、注目画素が前記第1種又は第3種の画素である場合、すべての参照画素についての加算係数を互いに等しい、前記第1の値よりも大きい第2の値とし、
前記被写体照度が前記低照度側基準値と前記高照度側基準値の間の中照度範囲内にある場合、前記被写体照度の増加とともに、前記低照度範囲で用いられる値から、前記高照度範囲で用いられる値へ前記加算係数を連続的に変化させる
ことを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記加算係数生成部は、前記第3の色成分生成部で用いられる加算係数を定めるに当たり、
被写体照度が所定の高照度側基準値以上の高照度範囲内にあり、注目画素が前記第3種の画素である場合、注目画素以外の参照画素についての加算係数をゼロとし、
前記被写体照度が所定の高照度側基準値以上の高照度範囲内にあり、注目画素が前記第1種、2種、又は第4種の画素である場合、注目画素を中心とした水平3画素、垂直3画素の領域内に含まれない参照画素についての加算係数をゼロとし、
前記被写体照度が所定の低照度側基準値以下の低照度範囲内にある場合、参照画素のすべてについての加算係数を互いに等しいゼロ以外の値とし、
前記被写体照度が前記低照度側基準値と前記高照度側基準値の間の中照度範囲内にある場合、前記被写体照度の増加とともに、前記低照度範囲で用いられる値から、前記高照度範囲で用いられる値へ前記加算係数を連続的に変化させる
することを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記所定の正規化係数は、前記参照画素の数をNpとするとき、4/Npで与えられることを特徴とする請求項5又は6に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記撮像部のレンズ絞り及び露光時間を制御する制御回路と、前記撮像部から出力された撮像信号を増幅する信号増幅部とをさらに備え、
前記高照度側基準値は、レンズ絞りを開放とし、前記露光時間を標準露光時間とし、前記信号増幅部の増幅利得を、前記画素加算回路に含まれるノイズのレベルが所定値を超えないとの制約条件を満たす最大利得値とし、前記第1乃至第3の色成分生成部の増感倍率を1とした時に、前記第1乃至第3の色成分生成部の出力が所定のレベルとなる照度であることを特徴とする請求項14、15又は16に記載の撮像装置。
【請求項19】
前記低照度側基準値は、前記高照度側基準値の1/4倍であることを特徴とする請求項14、15又は16に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−195675(P2012−195675A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56572(P2011−56572)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】