撮影制御装置、その制御方法、および制御プログラム
【課題】複数の照明装置における照明設定(照明条件)と撮影パラメータとの関係を容易に調整できるようにする。
【解決手段】情報処理装置100は照明装置102−1〜102−nの各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量を照明設定値として保存するとともに、カメラ103−1〜103−mの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータをカメラ設定値として保存し、さらに、カメラ設定値の各々に対応づけて照明設定値のうちから露出が適正となる照明設定値を基準照明設定値として保存する。情報処理装置はカメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値に対応する基準照明設定値を選択照明設定値として選択し、選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度とカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、カメラの露出調整を行う。
【解決手段】情報処理装置100は照明装置102−1〜102−nの各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量を照明設定値として保存するとともに、カメラ103−1〜103−mの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータをカメラ設定値として保存し、さらに、カメラ設定値の各々に対応づけて照明設定値のうちから露出が適正となる照明設定値を基準照明設定値として保存する。情報処理装置はカメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値に対応する基準照明設定値を選択照明設定値として選択し、選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度とカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、カメラの露出調整を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真館におけるカメラおよび照明装置の制御に関し、特に、照明の設定に対する露出制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、写真館において、予め調整した複数の照明装置においてその発光のオン/オフと発光量との関係をメモリ等に照明情報として記録しておき、必要に応じて照明情報をメモリから読み出して照明装置にセットするようにした照明システムが知られている。
【0003】
同様に、カメラの撮影パラメータ(カメラ設定値ともいう)をその目的に合せて調整してメモリなどに記録しておき、必要に応じてメモリから撮影パラメータを読み出してカメラにセットするシステム(以下カメラ制御システムと呼ぶ)が知られている。
【0004】
ところが、上記の照明システムおよびカメラ制御システムは、互いに独立しており、カメラの撮影パラメータの設定については、照明の設定に合わせた設定を行うか、又はカメラマンが撮影画像および露出計を参考にしてカメラ設定の微調整を行う必要がある。
【0005】
例えば、被写体に対してストロボライトを含むライトを用いてライティングを行った後、当該ライティング条件をメモリなどに記憶しファイリングする。そして、ストロボ撮影の際にライティングを選択して撮影を行うようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0006】
また、撮像装置(カメラ)と通信可能な情報処理装置によって、簡易な操作で複数の撮影条件を用いて撮像装置に繰り返し撮影を行わせるようにしてものがある。そして、過去に撮像装置に設定されていた撮影条件に簡単に戻すための手法がある(従来技術1という)。
【0007】
加えて、複数の照明装置の照明条件を最適な状態で維持するため、複数の照明装置の照明条件が最適な状態で基準被写体を撮影した画像データから複数の基準点の色データを保存するようにしたものがある。ここでは、再び任意の時期において、基準被写体を撮影した画像データの基準点の色データを取得して、保存した色データとの差分量を算出する。そして、当該差分量に基づいて各照明装置の照明条件の変動量を算出して、この変動量がゼロになるように複数の照明装置の照明条件を調節している(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−24138号公報
【特許文献2】特開2006−32295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、特許文献1においては、露出パラメータなどの撮影パラメータは管理となっておらず、カメラマンが照明の設定に合わせて個々のカメラにおける撮影パラメータを調整しなければならない。このため、その調整が極めて面倒であるという課題がある。
【0010】
一方、従来技術1においては、撮影の際の照明設定が撮影パラメータを決定した時の照明設定と異なる場合に、カメラマンが個々のカメラにおける撮影パラメータを調整するか又は照明環境の調整を行う必要がある。
【0011】
加えて、特許文献2においては、個々の照明装置の性能低下が判定できず、結果的に、複数の照明装置によって十分な発光量を得られなくなった場合に、初めて各照明装置の性能を判定して調整することになり、その調整が極めて面倒であるという課題がある。
【0012】
いずれにしても、特許文献1および2に記載の手法では、複数の照明装置における照明設定(照明条件)と撮影パラメータとの関係を調整することが極めて面倒である。
【0013】
従って、本発明の目的は、複数の照明装置における照明設定(照明条件)と撮影パラメータとの関係を容易に調整することのできる撮影制御装置、その制御方法、および制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するため、本発明による撮影制御装置は、複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための撮影制御装置であって、前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量を照明設定値として保存する第1の保存手段と、前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータをカメラ設定値として保存する第2の保存手段と、前記カメラ設定値の各々に対応づけて前記照明設定値のうちから露出が適正となる照明設定値を基準照明設定値として保存する第3の保存手段と、撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値に対応する前記基準照明設定値を選択照明設定値として選択する選択手段と、前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整手段とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明による撮影制御装置は、複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための撮影制御装置であって、前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量を照明設定値として保存する第1の保存手段と、前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータをカメラ設定値として保存する第2の保存手段と、前記照明設定値の各々について、その照明環境で生成された少なくとも1つのカメラ設定値を、当該照明設定値の付帯情報として保存する第3の保存手段と、撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値を選択カメラ設定値として選択する第1の選択手段と、前記選択カメラ設定値が前記付帯情報とされた照明設定値を選択照明設定値として選択する第2の選択手段と、前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整手段とを有することを特徴とする。
【0016】
本発明による撮影制御装置は、複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための撮影制御装置であって、前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量を照明設定値として保存する第1の保存手段と、前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータをカメラ設定値として保存する第2の保存手段と、前記照明設定値の各々について、その照明環境で生成されたカメラ設定値に応じて算出された被写体輝度を、当該照明設定値の付帯情報として保存する第3の保存手段と、撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値を選択カメラ設定値として選択する第1の選択手段と、前記選択カメラ設定値が前記付帯情報とされた照明設定値を選択照明設定値として選択する第2の選択手段と、前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整手段とを有することを特徴とする。
【0017】
本発明による撮影制御装置は、少なくとも1つのカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記照明装置を制御するための撮影制御装置であって、前記複数の照明装置をそれぞれ単体で発光させる単体発光で所定の被写体を前記カメラで撮像して複数の第1の画像データを得る第1の制御手段と、前記第1の画像データをそれぞれ照明装置発光量データとして、前記照明装置発光量データと前記複数の照明装置毎に予め登録された発光量データとに応じて前記複数の照明装置の各々についてその発光量を調整する調整手段と、前記調整手段による前記発光量の調整の後、前記複数の照明装置を同時に発光させる通常発光で前記所定の被写体を前記カメラで撮像して第2の画像データを得る第2の制御手段と、前記第2の画像データと予め登録された通常発光における画像データとを比較して露出調整が必要であるか否かを判定する判定手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数の照明装置における照明設定と撮影パラメータとの関係を容易に調整することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態による撮影制御システムの一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す撮影制御システムにおいて撮影業務を行う前に実施される事前準備を説明するためのフローチャートである。
【図3】図1に示す撮影制御システムにおける撮影処理を説明するためフローチャートである。
【図4】図3に示す照明設定値セット選択処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】図4に関連して説明したTv、Av、およびSvとシャッタスピード(秒)、絞り(F値)、およびフィルム感度(ISO)との関係を示す図である。
【図6】図4で説明した処理によって被写体輝度が最小であるカメラ設定値セットにおける照明設定値セットが照明設定値セットの初期値として選択されたカメラ以外のカメラについて露出調整値の判定を説明するための図である。
【図7】図3に示すカメラ設定値セット露出調整処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7に示す露出パラメータ調整処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】撮影業務の途中でユーザが照明設定値セットを変更した際の各カメラの露出調整値の判定を説明するための図である。
【図10】本発明の第2の実施形態による撮影制御システムにおいて撮影業務を行う前に実施される事前準備を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態における照明設定値セット選択処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施形態による撮影制御システムにおいて撮影業務を行う前に実施される事前準備を説明するためのフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施形態における照明設定値セット選択処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の第4の実施形態による撮影制御システムの一例を示す図である。
【図15】図14に示す撮影制御システムの構成を詳細に示すブロック図である。
【図16】図2に示す撮影制御システムにおける動作を説明するためのフローチャートであり、(a)は事前準備を説明するためのフローチャート、(b)は撮像装置が撮影指示を受信した際の処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】図15に示す照明制御装置における処理を説明するためのフローチャートであり、(a)はエネルギー供給量を受信した際の処理を説明するためのフローチャート、(b)はSYNC信号(撮影同期信号)を受信した際の処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】図15に示す情報処理装置の表示部に表示される操作画面の一例を示す図である。
【図19】図15に示す情報処理装置で行われる発光量データの登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】図19に示す単発光撮影および通常発光撮影を説明するためのフローチャートであり、(a)は照明装置の単体発光撮影を説明するためのフローチャート、(b)は照明装置の通常発光撮影を説明するためのフローチャートである。
【図21】図15に示す情報処理装置で行われる露出調整処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】図21に示す照明装置発光量調整処理を説明するためのフローチャートである。
【図23】画像データから得られた輝度値に応じて照明装置のエネルギー供給量を求める際に用いられるテーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態による撮影制御装置(撮影制御システムともいう)の一例について図面を参照して説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による撮影制御システムの一例を説明するためのブロック図である。
【0022】
一般に、写真館の撮影スタジオなどには、複数のカメラ103−1〜103−m(mは2以上の整数)が配置されるとともに、複数の照明装置102−1〜102−n(nは2以上の整数)が配置されている。図示の例では、カメラ103−1〜103−mにはそれぞれレンズユニット104−1〜104−mが装着され、カメラ103−1〜103−mおよび照明装置102−1〜102−nは、撮影制御装置である情報処理装置100に接続されている。そして、この情報処理装置100には記憶部101が備えられている。
【0023】
なお、図1に示す例では、カメラ103−1〜103−mの各々はデジタルカメラであって、情報処理装置100とUSB、Ethernet(登録商標)、又は無線LAN等で接続されている。図示のカメラ103−1〜103−mの各々は情報処理装置100の撮影パラメータ変更指示によって当該カメラに装着されるレンズユニット等の装着機材に係るパラメータを含む撮影パラメータを変更する機能を備えている。
【0024】
さらに、カメラ103−1〜103−mの各々は、情報処理装置100に対して、レンズユニット等の装着機材に係るパラメータを含む撮影パラメータを通知する機能を備えている。
【0025】
レンズユニット104−1〜104−mは、種類によって明るさが異なり、レンズユニット104−1〜104−mの明るさを示すF値は次のようにして導かれる。
【0026】
F値=レンズユニットの焦点距離÷レンズユニットの有効口径 (1)
レンズユニット104−1〜104−mにおいて、有効口径が大きいと、集光量が大きくなり、有効口径が数1になると、光を集める面積は半分になる。
【0027】
【数1】
【0028】
図1において、レンズユニット104−1は絞りを制御する機能を有する。さらに、レンズユニット104−1は、現在のF値をカメラ103−1に通知する機能を備えている。なお、レンズユニット104−2〜104−mもレンズユニット104−1と同様の機能を有している。
【0029】
照明装置102−1は、カメラ103−1〜103−mによる撮影と同期して発光有無および発光出力(以下発光パラメータという)をユーザインタフェース(図示せず)によってユーザが設定する機能を有している。照明装置102−1はUSBケーブルなどを介して情報処理装置100と接続され、情報処理装置100は照明装置102−1の発光パラメータを変更制御する。さらに、照明装置102−1は、情報処理装置100に対して現在の発光パラメータを通知する機能を備えている。
【0030】
なお、照明装置102−2〜102−nは照明装置102−1と同様の機能を有している。
【0031】
情報処理装置100は、カメラ103−1〜103−mの各々から撮影パラメータを受信して記憶部101に保存する。同様に、情報処理装置100は照明装置102−1〜102−nの各々から受信した発光パラメータを記憶部101に保存する。
【0032】
情報処理装置100はユーザインタフェース(図示せず)を備えており、ユーザの指示によって、情報処理装置100に接続されているカメラからその撮影パラメータを収集して、カメラ設定値セットとして保存する。同様に、情報処理装置100はユーザの指示によって、情報処理装置100に接続されている照明装置からその発光パラメータを収集し、照明設定値セットとして保存する。
【0033】
さらに、情報処理装置100は、ユーザの指示によって保存された撮影パラメータをカメラに送信・設定する機能を備えている。同様に、情報処理装置100は、ユーザの指示によって保存された発光パラメータを照明装置に送信・設定する機能を備えている。
【0034】
図2は、図1に示す撮影制御装置において撮影業務を行う前に実施される事前準備を説明するためのフローチャートである。
【0035】
図1および図2を参照して、ここでは、撮影環境を構築するスキルをもつユーザが、例えば、七五三又は結婚式などのあるテーマに沿って照明装置102−1〜102−nに関する発光パラメータを調整する(ステップS201)。さらに、当該ユーザは、カメラ103−1〜103−mに関する撮影パラメータを調整する(ステップS202)。
【0036】
この際には、使用するカメラと当該カメラに装着されるレンズユニットの性能を引き出すため、発光パラメータおよび撮影パラメータの調整に当たって、レンズユニットが装着されたカメラ毎に行われる。
【0037】
続いて、1つのカメラと1つの照明装置の調整が完了した時点で、ユーザは情報処理装置100のユーザインタフェース(図示せず)を用いて、使用する照明装置に関する発光パラメータを照明設定値セットとして記憶部101に保存する(ステップS203)。
【0038】
さらに、ユーザはユーザインタフェースを用いて、使用するカメラに関する撮影パラメータをカメラ設定値セットとして記憶部101保存する(ステップS204)。そして、ユーザはカメラ設定値セットを用いる際に適正露出となる照明設定値セット(以下基準照明設定値セットという)として、ステップS203で保存した照明設定値セットをカメラ設定値セットの付帯情報として記憶部101に保存する(ステップS205)。これによって、事前準備が終了する。
【0039】
図3は、図1に示す撮影制御システムにおける撮影処理を説明するためフローチャートである。
【0040】
図1および図3を参照して、撮影業務が開始されると、ユーザは情報処理装置100に備えられたユーザインタフェースから、撮影に使用する1つ又は複数のカメラを選択する(ステップS301)。続いて、ユーザはユーザインタフェースを用いて、これらカメラ毎に使用するカメラ設定値セットを選択する(ステップS302)。なお、ここで選択可能なカメラ設定値セットは、上述の事前準備において保存したカメラ設定値セットである。
【0041】
上述のようにして、ユーザがカメラおよびカメラ設定値セットを選択すると、情報処理装置100は使用する全てのカメラについてカメラ設定値セットが選択されたか否かを判定する(ステップS303)。使用する全てのカメラについてカメラ設定値セットが選択されていないと(ステップS303において、NO)、情報処理装置100はユーザインタフェースにその旨表示する等してユーザにカメラ設定値セットの選択を促す。
【0042】
使用する全てのカメラについてカメラ設定値セットが選択されていると(ステップS303において、YES)、情報処理装置100は、後述するようにして、照明設定値セット選択処理を実施する(ステップS304)。使用する照明設定値セットを選択後、情報処理装置100は当該照明設定値セット(つまり、発光パラメータ)を照明装置に設定する(ステップS305)。
【0043】
続いて、情報処理装置100は、後述するようにして、カメラ設定値セット露出調整処理を行う(ステップS306)。そして、情報処理装置100は、カメラ設定値セット露出調整処理において調整されたカメラ設定値セット(つまり、撮影パラメータ)を各カメラに設定する(ステップS307)。その後、ユーザはカメラおよび照明装置を用いて撮影を行って(ステップS308)、撮影業務が終了する。
【0044】
図4は、図3に示す照明設定値セット選択処理を説明するためのフローチャートである。
【0045】
図1および図4を参照して、いま、作風に大きな影響を与えるボケ味をコントロールするためには、照明を暗くして明るいレンズの絞りを開放気味にする必要がある。このため、撮影業務開始の際における照明設定値セットの初期設定は、撮影テーマに合った照明設定値セットのうち最も暗いものを選択することが望ましい。
【0046】
撮影に使用するカメラにはカメラ設定値セットが設定されており、各カメラ設定値セットには、前述のように、それぞれ基準照明設定値セットが関連付けられている。従って、カメラ設定値セットのうちの露出パラメータから算出される被写体輝度を相互に比較すれば、照明設定値セットの明るさを比較することができる。
【0047】
つまり、照明設定値セット選択処理を開始すると、情報処理装置100は例えばカメラ設定値セットの露出パラメータに基づいて被写体輝度をAPEX値(Additive system of Photographic Exposure)として算出する。
【0048】
APEX値を用いると、被写体輝度Bvは次の式(2)で求めることができる。
【0049】
Bv=Tv+Av−Sv (2)
ここで、Bvは被写体輝度(Brightness Value)、Tvはシャッタ速度段数(Time Value)、Avは絞り値段数(Aperture Value)、そして、Svは感度段数(Speed Value)である。
【0050】
APEX値とは、カメラの撮影パラメータであるシャッタスピード、絞り、およびISOの値を同一の単位系として、露出を簡単に計算するためのものである。ここでは、Tv、Av、およびSvはそれぞれ式(3)、式(4)、および式(5)によって求められる。
【0051】
Tv=log2(1/T) (3)
Av=log2(F値)2 (4)
Sv=log2(0.3×ISO) (5)
ここで、Tは露光時間である。
【0052】
図5は、図4に関連して説明したTv、Av、およびSvとシャッタスピード(秒)、絞り(F値)、およびフィルム感度(ISO)との関係を示す図である。
【0053】
図5に示すように、シャッタスピード、絞り、およびフィルム感度が変化するに伴って、それぞれTv、Av、およびSvが変化する。
【0054】
再び図1および図4を参照して、情報処理装置100は当該被写体輝度が最も小さいか、つまり、最小値であるかを判定する(ステップS401)。ここで、最初に算出された被写体輝度は最小値である判定され、それ以降の被写体輝度については前回までの判定で最も小さい被写体輝度と比較されて最小値であるか否かが判定されることになる。
【0055】
被写体輝度が最小値であると(ステップS401において、YES)、情報処理装置100は当該被写体輝度が最小値であるカメラ設定値セットの基準照明設定値セットを照明設定値セット(選択照明設定値セット)として選択する(ステップS402)。
【0056】
続いて、情報処理装置100は全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行ったか否かを確認する(ステップS403)。全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行っていると(ステップS403において、YES)、情報処理装置100は照明設定値セット選択処理を終了する。
【0057】
全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行っていないと(ステップS403において、NO)、情報処理装置100はステップS401に戻って処理を続行する。なお、ステップS401において、被写体輝度が最小値でないと(ステップS401において、NO)、情報処理装置100はステップS403の処理に移行する。
【0058】
図6は、図4で説明した処理によって被写体輝度が最小であるカメラ設定値セットにおける照明設定値セットが照明設定値セットの初期値として選択されたカメラ以外のカメラについて露出調整値の判定を説明するための図である。
【0059】
図6において、カメラA、B、およびCには、装着されたレンズユニットの明るさに応じてそれぞれカメラ設定値セットA、B、およびCがセットされている。カメラ設定値セットA、B、およびCには適正露出となる基準照明設定値セットが登録されている。そして、その際のシャッタスピード、絞り値、およびISO値に応じて求められたカメラ設定値セットにおける被写体輝度は、カメラAでは”11”、カメラBでは”14”、そして、カメラCでは”15”となっている。
【0060】
よって、照明設定値セットの初期値として照明設定値セットAが選択され、カメラBにおける露出調整値は”14−11”で”3”となり、同様に、カメラCにおける露出調整値は”15−11”で”4”となる。
【0061】
当該露出調整値はAPEX値であるので、露出段数を表している。従って、ISO値による調整可能な範囲を超えてしまった場合には、絞り値によって調整を行うことができる。
【0062】
なお、露出調整の際にまずISO値、次いで絞り値を用いれば、大型外部ストロボシステム(照明装置)を使用する場合には、露出がストロボの輝度×発光時間で決定されるため、カメラのシャッタスピードを変更しても露出の調整を行う必要がない。そして、絞り値は作風に大きな影響を与える関係上、露出調整の際、ISO値に次いで絞り値を用いることになる。なお、ユーザの好み又は状況に応じて、使用する露出パラメータの優先順位を変更可能としてもよい。
【0063】
図7は、図3に示すカメラ設定値セット露出調整処理を説明するためのフローチャートである。
【0064】
図1および図7を参照して、露出調整処理を開始すると、情報処理装置100は、上述のようにして選択された照明設定値セットに対して、適正露出となるカメラ設定値セットにおける被写体輝度と当該カメラのカメラ設定値セットにおける被写体輝度の差分(差分被写体輝度と呼ぶ)を算出する(ステップS701)。そして、情報処理装置100は当該差分被写体輝度に基づいて、後述するようにして、カメラの露出パラメータを調整する(ステップS702)。
【0065】
続いて、情報処理装置100は、全てのカメラについて露出調整が完了したか否かを判定する(ステップS703)。全てのカメラについて露出調整が完了していないと(ステップS703において、NO)、情報処理装置100はステップS701の処理に戻って、次のカメラについて差分被写体輝度を算出する。全てのカメラについて露出調整が完了すると(ステップS703において、YES)、情報処理装置100はカメラ設定値セット露出調整を終了する。
【0066】
図8は、図7に示す露出パラメータ調整処理を説明するためのフローチャートである。
【0067】
図1および図8を参照して、露出パラメータ調整処理を開始すると、情報処理装置100は図7に示すステップS701で算出した差分被写体輝度について調整可能な範囲をISO値で調整する(ステップS801)。そして、情報処理装置100は照明設定値セットに対して適正な露出となったか否かを判定する(ステップS802)。
【0068】
照明設定値セットに対して適正露出となると(ステップS802において、YES)、つまり、ISO値の調整によって差分被写体輝度の明るさを調整できた場合には、情報処理装置100は露出パラメータ調整処理を終了する。
【0069】
一方、照明設定値セットに対して適正露出とならない(S802でNO)、つまり、ISO値のみでは差分被写体輝度の明るさを調整できなければ、情報処理装置100は絞り値によって露出パラメータを調整する「設定」であるか否かを判定する(S803)。
【0070】
絞り値による調整を行う設定になっていると(ステップS803において、YES)、情報処理装置100は差分被写体輝度について調整可能な範囲を絞り値で調整する(ステップS804)。続いて、情報処理装置100は照明設定値セットに対して適正な露出となったか否かを判定する(ステップS805)。ここでは、例えば、差分被写体輝度が所定の閾値以下となったか否かによって、適正な露出となったか否かが判定される。
【0071】
そして、照明設定値セットに対して適正露出となると(ステップS805において、YES)、つまり、絞り値の調整によって差分被写体輝度の明るさを調整できた場合には、情報処理装置100は露出パラメータ調整処理を終了する。
【0072】
一方、照明設定値セットに対して適正露出とならないと(S805でNO)、つまり、絞り値では差分被写体輝度の明るさの調整ができなかった場合には、情報処理装置100は、例えば、ユーザインタフェースによって警告を発する(ステップS806)。ステップS803において、絞り値による調整を行う設定になっていなければ(ステップS803において、NO)、情報処理装置100は露出パラメータ調整処理を終了する。
【0073】
なお、同一の撮影テーマにおいて複数パターンのカメラ設定値セットおよび照明設定値セットを作成しておけば、撮影業務の途中でユーザが任意の照明設定値セットに変更することも可能である。この場合、図3に示すステップS305から処理を行って、各カメラの露出パラメータを被写体輝度に合わせて調整する。
【0074】
同様にして、同様に、撮影業務の途中でユーザは任意のカメラ設定値セットに変更することも可能である。この場合には、図3に示すステップS306から処理を行って、各カメラの露出パラメータを調整する。
【0075】
図9は、撮影業務の途中でユーザが照明設定値セットを変更した際の各カメラの露出調整値の判定を説明するための図である。
【0076】
図9において、いまカメラA、B、およびCには、装着されたレンズユニットの明るさに応じて、それぞれカメラ設定値セットA、B、およびCがセットされているものとする。各カメラ設定値セットには適正露出となる基準照明設定値セットが登録されている。そして、その際のシャッタスピード、絞り値、ISO値に応じて求められたカメラ設定値セット毎の被写体輝度はカメラAが”11”、カメラBが”14”、カメラCが”15”となっている。
【0077】
従って、照明設定値セットの初期値として照明設定値セットCが選択されて、カメラAの露出調整値は”11−15”で”−4”となり、同様に、カメラBの露出調整値は”14−15”で”−1”となる。
【0078】
ここで、カメラ設定値セットCがセットされたカメラCが撮影に使用するカメラとして選択されていなかったとしても、カメラ設定値セットの被写体輝度の差分に応じて、カメラAおよびBの露出調整値を決定することができる。
【0079】
このようにして、ユーザは使用するカメラと当該カメラに設定するカメラ設定値セットとを選択すれば、複数のカメラを用いて適正な露出による撮影を行い、テーマに合った撮影を行うことができることになる。
【0080】
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、照明設定値セットに適正露出となるカメラ設定値セットを関連付ける(紐づける)ために、カメラ設定値セットに関連付けて基準照明設定値セットを記録するようにした。
【0081】
第2の実施形態では、照明設定値セットの付帯情報として、当該照明設定値セットにおける照明環境で生成した全てのカメラ設定値セットを保持して、撮影開始の際の照明設定を決定する。そして、当該照明設定に応じて各カメラの露出パラメータを適正に調整するようにする。
【0082】
図10は、本発明の第2の実施形態による撮影制御システムにおいて撮影業務を行う前に実施される事前準備を説明するためのフローチャートである。なお、第2の実施形態による撮影制御システムの構成は図1に示す照明・カメラ設定制御システムの構成と同様である。
【0083】
図1および図10を参照して、ここでは、撮影環境を構築するスキルをもつユーザが、例えば、七五三又は結婚式などのあるテーマに沿って照明装置102−1〜102−nに関する発光パラメータを調整する(ステップS1001)。さらに、当該ユーザは、カメラ103−1〜103−mに関する撮影パラメータを調整する(ステップS1002)。
【0084】
この際には、使用するカメラと当該カメラに装着されるレンズユニットの性能を引き出すため、発光パラメータおよび撮影パラメータの調整に当たって、レンズユニットが装着されたカメラ毎に行われる。
【0085】
続いて、1つのカメラと1つの照明装置の調整が完了した時点で、ユーザは情報処理装置100のユーザインタフェースを用いて、使用するカメラに関する撮影パラメータをカメラ設定値セットとして記憶部101に保存する(ステップS1003)。さらに、ユーザはユーザインタフェースを用いて、使用する照明装置に関する発光パラメータを照明設定値セットとして記憶部101保存する(ステップS1004)。
【0086】
そして、ユーザはユーザインタフェースを用いて、1つの照明設定値セットにおける照明環境で生成した少なくとも1つのカメラ設定値セットを、当該照明設定値セットの付帯情報として記憶部101に保存する(ステップS1005)。これによって、事前準備が終了する。
【0087】
上述のようにしてユーザは事前準備を行った後、図3で説明したようにして、撮影業務を行うことになるが、第2の実施形態においては、図3に示すステップS304の照明設定値セット選択処理が異なる。
【0088】
図11は、本発明の第2の実施形態における照明設定値セット選択処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0089】
図1および図11を参照して、図4で説明したようにして、情報処理装置100はカメラ設定値セット毎にその被写体輝度が最小値であるかを判定する(ステップS1101)。被写体輝度が最小値であると(ステップS1101において、YES)、情報処理装置100は当該被写体輝度が最小値であるカメラ設定値セットを付帯情報として保持する照明設定値セット(選択照明設定値セット)を選択する(ステップS1102)。
【0090】
続いて、情報処理装置100は全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行ったか否かを確認する(ステップS1103)。全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行っていると(ステップS1103において、YES)、情報処理装置100は照明設定値セット選択処理を終了する。
【0091】
一方、全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行っていないと(ステップS1103において、NO)、情報処理装置100はステップS1101に戻って処理を続行する。なお、ステップS1101において、被写体輝度が最小値でないと(ステップS1101において、NO)、情報処理装置100はステップS1103の処理に移行する。
【0092】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、照明設定値セットの付帯情報として、当該照明設定値セットにおける照明環境で生成したカメラ設定値セットに応じて算出した被写体輝度を保持して、撮影開始の際の照明設定を決定する。そして、当該照明設定に応じて各カメラの露出パラメータを適正に調整するようにする。
【0093】
図12は、本発明の第3の実施形態による撮影制御システムにおいて撮影業務を行う前に実施される事前準備を説明するためのフローチャートである。なお、第3の実施形態による撮影制御システムの構成は図1に示す照明・カメラ設定制御システムの構成と同様である。
【0094】
図1および図12を参照して、ここでは、撮影環境を構築するスキルをもつユーザが、例えば、七五三又は結婚式などのあるテーマに沿って照明装置102−1〜102−nに関する発光パラメータを調整する(ステップS12001)。さらに、当該ユーザは、カメラ103−1〜103−mに関する撮影パラメータを調整する(ステップS1202)。
【0095】
この際には、使用するカメラと当該カメラに装着されるレンズユニットの性能を引き出すため、発光パラメータおよび撮影パラメータの調整に当たって、レンズユニットが装着されたカメラ毎に行われる。
【0096】
続いて、1つのカメラと1つの照明装置の調整が完了した時点で、ユーザは情報処理装置100のユーザインタフェースを用いて、使用するカメラに関する撮影パラメータをカメラ設定値セットとして記憶部101に保存する(ステップS1203)。さらに、ユーザはユーザインタフェースを用いて、使用する照明装置に関する発光パラメータを照明設定値セットとして記憶部101保存する(ステップS1204)。
【0097】
そして、ユーザはユーザインタフェースを用いて、照明設定値セット毎に当該照明設定値セットにおける照明環境で生成したカメラ設定値セットに応じて算出された被写体輝度を照明設定値セットの付帯情報として記憶部101に保存する(S1205)。これによって、事前準備が終了する。
【0098】
上述のようにしてユーザは事前準備を行った後、図3で説明したようにして、撮影業務を行うことになるが、第3の実施形態においては、図3に示すステップS304の照明設定値セット選択処理が異なる。
【0099】
図13は、本発明の第3の実施形態における照明設定値セット選択処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0100】
図1および図13を参照して、まず、図4で説明したようにして、情報処理装置100はカメラ設定値セット毎にその被写体輝度が最小値であるかを判定する(ステップS1301)。被写体輝度が最小値であると(S1301でYES)、情報処理装置100は当該最小の被写体輝度のカメラ設定値セット(選択カメラ設定値セット)と同一の被写体輝度が付帯情報とされた照明設定値セットを初期設定として選択する(ステップS1302)。
【0101】
続いて、情報処理装置100は全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行ったか否かを確認する(ステップS1303)。全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行っていると(ステップS1303において、YES)、情報処理装置100は照明設定値セット選択処理を終了する。
【0102】
一方、全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行っていないと(ステップS1303において、NO)、情報処理装置100はステップS1301に戻って処理を続行する。
【0103】
なお、ステップS1301において、被写体輝度が最小値でないと(ステップS1301において、NO)、情報処理装置100はステップS1303の処理に移行する。
【0104】
上述のように、第1〜第3の実施形態では、テーマに沿って予め作成されたカメラ設定値セットを選択すれば、特性の違うレンズユニットを装着した複数のカメラを用いて、一つの照明設定でスタジオ撮影を行うことができる。さらに、また、撮影の途中でカメラ毎のカメラ設定値セットを変更するか又は照明設定値セットを変更しても適切な露出で撮影を継続することができる。
【0105】
(第4の実施形態)
図14は本発明の第4の実施形態による撮影制御システムの一例を示す図である。
【0106】
図示の撮影制御システム(以下、撮影制御システムともいう)1400は、撮像装置1420を有し、この撮像装置1420は後述する露出調整・警告装置を備えている。撮像装置1420にはパーソナルコンピュータ(PC)からなる情報処理装置1410が接続されるとともに、照明制御装置1450が接続されている。また、情報処理装置1410は照明制御装置1450に接続され、この照明制御装置1450には複数の照明装置1430、1431、および1432が接続されている。そして、照明装置1430、1431、および1432は、露出調整の際に撮影される所定の被写体1440を照明する。
【0107】
なお、図示の例では、照明装置1430、1431、および1432の3台の照明装置が示されているが、照明装置の数は少なくとも1台あればよい。
【0108】
撮像装置1420は、設定されたシャッタスピード、絞り、ISOスピード(ISO値)、および色変換マトリクスなどの撮影パラメータと撮影の結果得られた画像データを情報処理装置1410に送信する機能を備えている。さらに、撮像装置1420は情報処理装置1410から撮影パラメータを受信して、当該撮影パラメータを設定する機能と情報処理装置1410からリモート撮影指示を受信して撮影を実行する機能を備えている。
【0109】
また、撮像装置1420は所謂X接点を装備して、照明制御装置1450と接続され、照明装置1430、1431、および1432に対する撮影同期信号を送信する機能を備えている。
【0110】
照明制御装置1450は、照明装置1430、1431、および143に対するエネルギー供給量(つまり、電力供給量)および発光・非発光の状態を情報処理装置1410に送信する機能を備える。また、照明制御装置1450は情報処理装置1410からエネルギー供給量および発光・非発光に関する指令を受信して、照明装置1430、1431、および1432に対するエネルギー供給量および発光・非発光の状態を設定する機能を備える。さらに、また、照明制御装置1450は所謂X接点を装備しており、撮像装置1420からSYNC信号(撮影同期信号)を受信する機能を備えている。
【0111】
情報処理装置1410は、撮像装置1420に対して、撮影パラメータを送信する機能、そして、リモート撮影を指示する機能を備えている。また、情報処理装置1410は撮像装置1420に設定された撮影パラメータおよび撮像装置1420による撮影の結果得られた画像データを受信する機能を備えている。
【0112】
さらに、情報処理装置1410は、照明制御装置1450と照明装置毎のエネルギー供給量および発光・非発光に関する情報を送受信する機能を備えている。
【0113】
図示の撮影制御システム1400は、写真スタジオ等において、安定して良好な撮像を行うことができるように撮影機材に関する設定値を管理しており、ユーザは情報処理装置1410によって毎日の始業点検を行うことができる。始業点検では、例えば、露出調整、ホワイトバランス調整、およびオートフォーカス(AF)調整等が行われるが、以下の説明では、露出調整についてのみ説明する。
【0114】
所定の被写体1440にはマーク1440a、1440b、および1440cが形成されており、これらマーク1440a、1440b、および1440cは照明装置1430、1431、および1432の発光量を計測する位置を示すマークである。なお、マーク1440a、1440b、および1440cは所定の被写体1440において照明装置1430、1431、および1432の発光量が最も高く計測できる位置に設けることが望ましい。
【0115】
図15は図14に示す撮影制御システム1400の構成を詳細に示すブロック図である。
【0116】
図14および図15を参照して、ここでは、照明装置1430、1431、および1432の発光量を精確に調整する際の前提条件として、撮影機材の設置位置、方向、および角度などを常に同一の条件として撮影を行う必要がある。つまり、所定の被写体1440とマーク1440a、1440b、および1440cの位置、方向、および角度が規定によって精確に設置され、撮像装置1420の撮影設定、位置、方向、および角度が規定によって精確に設置されていることが必要でいる。
【0117】
また、照明装置1430、1431、および1432の位置、方向、および角度が規定に従って精確に設置され、照明装置以外の入射光の光量が規定に従って常に一定であることが必要である。
【0118】
情報処理装置1410はCPU(中央処理装置)2110を有し、CPU2110はメモリ2140に格納されている制御プログラムに従って、後述する処理に係る制御を行う。メモリ2140は、例えば、RAM、ROM、およびハードディスクなどからなる記憶装置であり、CPU2110で実行される制御プログラム各種パラメータ、および入力画像データなどが格納される。
【0119】
通信部2160はネットワークおよび公衆回線を介して撮像装置1420および照明制御装置1450とデータを送受信する。CPU2110は、前述のメモリ2140に格納されるプログラム、データ、および処理結果を通信部2160を介して入出力する。
【0120】
操作部2130は、例えば、キーボードおよびポインティングデバイス等であり、ユーザは操作部2130を用いて情報処理装置1410に指示を入力する。なお、画像の入力および露出調整の開始、又は露出調整した結果を照明制御装置1150に送信する際には、操作部2130よってその指示が入力される。
【0121】
表示部2150は、例えば、カラーディスプレイ装置などのユーザインタフェース(UI)であり、露出調整業務の開始指示および各種警告の表示等を行う。
【0122】
撮像装置1420は、光学像を電気信号(アナログ信号)に変換する撮影素子2250を備えてする。A/D変換器2261は撮影素子2250から出力されたアナログ信号出力をデジタル信号に変換する。そして、画像処理部2220は、A/D変換器2261から出力されたデジタル信号又はメモリ2240に書き込まれた画像データに対してホワイトバランスを施す。
【0123】
さらに、画像処理部2220は所定の画素補間処理および色変換処理を実行する。また、画像処理部2220は、撮影の結果得られた画像データを用いて所定の演算処理を行う。
【0124】
図示のように、撮像装置1420の全体の動作を制御するコントローラ2210には、メモリ2240および通信部2260が接続されている。メモリ2240は、撮影の結果得られた画像データを格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像データを格納するための十分な記憶量を備えている。
【0125】
これによって、複数枚の静止画像データを連続して得る所謂連写撮影の場合においても、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ2240に対して行うことが可能となる。また、メモリ2240はコントローラ2210の作業領域としても用いられる。
【0126】
A/D変換器2261から出力されるデジタル信号(画像データ)は、画像処理部2220を介して、あるいは直接メモリ2240に書き込まれる。
【0127】
通信部2260は、例えば、RS232C、USB、IEEE1394、LAN、および無線通信等の各種通信機能を有し、撮像装置1420を他の機器、例えば、情報処理装置1410と接続する。撮像装置1420は通信部2260を介して情報処理装置1410およびプリンタ等の周辺機器(図示せず)との間で画像データおよび撮影パラメータの設定値を転送することができる。
【0128】
さらに、通信部2260は所謂X接点を有しており、照明制御装置1450および露出計(図示せず)等と接続されて、SYNC信号(撮影同期信号)を送信することができる。
【0129】
図示のように、照明装置1430は発光部2350を有している。図示はしないが、照明装置1431および1432の各々も発光部を備えている。照明制御装置1450は、照明装置1430、1431、および1432の発光部2350をエネルギー供給量(電力量)に応じて発光させる。
【0130】
照明制御装置1450はコントローラ2310を有し、このコントローラ2310は照明制御装置1450の全体の動作を制御する。そして、コントローラ2310はメモリ2340、通信部2360、操作部2330、表示部2320、および電源制御部2380に接続されている。
【0131】
メモリ2340は、照明装置1430、1431、および1432とコネクタ(図示せず)で接続される蓄電器2370、2371、および2372に関するエネルギー供給量および発光・非発光状態等を格納する。コントローラ2310は、操作部2330又は通信部2360からの指示に従って、メモリ2340に記憶された蓄電器2370、2371、および2372のエネルギー供給量および発光・非発光状態を上書きする。
【0132】
そして、コントローラ2310は電源制御部2380に対して蓄電器2370、2371、および2372のエネルギー供給量の変更を依頼する。電源制御部2380は、蓄電器2370、2371、および2372の蓄電量を、依頼されたエネルギー供給量に応じて変更する。
【0133】
通信部2360は、USBおよびLAN等の各種通信機能をいずれか1つ又は複数有し、照明制御装置1450を他の機器、例えば、情報処理装置1410と接続する。また、通信部2360は所謂X接点を有している。そして、撮像装置1420からSYNC信号(撮影同期信号)を受信すると、コントローラ2310はSYNC信号を受信したタイミングで蓄電器2370、2371、2372に蓄えた電力を用いて、照明装置1430、1431、1432の発光部を発光させる。
【0134】
図16は図2に示す撮影制御システム1400における動作を説明するためのフローチャートである。そして、図16(a)は事前準備を説明するためのフローチャートであり、図16(b)は撮像装置1420が撮影指示を受信した際の処理を説明するためのフローチャートである。
【0135】
図16(a)において、事前準備では、ユーザ(操作者ともいう)は所定の被写体1440および撮像装置1420と照明装置1430、1431、および1432とをそれぞれ所定の位置に配置する。そして、操作者は、予め定められたマニュアルに応じて照明装置1430、1431、および1432の発光量を調整して、撮像装置1420の最適な(適正な)露出設定を決定する(ステップS1601)。
【0136】
適正な露出設定を決定すると、操作者は全体発光量データおよび照明装置毎の単一照明装置発光量データを情報処理装置1410に登録して(S1602)、事前準備を終了する。
【0137】
ここで、全体発光量データとは、照明装置1430、1431、および1432を通常発光させて撮影した結果得られた画像データの全部または一部を示す。また、単一照明装置発光量データとは、照明装置1430、1431、および1432を1つずつ個別発光させて撮影した結果得られた画像データの全部または一部を示す。
【0138】
図示の例では、全体発光量データおよび単一照明装置発光量データを情報処理装置1410に登録して、情報処理装置1410に表示される操作画面を操作して照明装置調整指示を行って自動的に照明装置1430、1431、および1432の発光量調整を行う。
【0139】
図16(b)に示す処理は、撮像装置1420のメモリ2240に格納されたプログラムに応じてコントローラ2210が実行する。
【0140】
撮像装置1420の電源が投入されると、コントローラ2210はフラグおよび制御変数などを初期化する。そして、通信部2260を介してコントローラ2210は撮影指示を受信すると(ステップS1603)、コントローラ2210が記憶している距離データなどから、撮影レンズ(図示せず)のフォーカシングレンズを駆動して被写体1440に焦点を合わせる。
【0141】
また、コントローラ2210は測光データに従ってシャッタ(図示せず)を開放して撮影素子2250を露光する。つまり、コントローラ2210は撮影を行う(ステップS1604)。
【0142】
撮影素子2250の露光終了後、コントローラ2210は撮影素子2250から電荷信号(電気信号)を読出し、A/D変換器2261から出力されるデジタル信号に対して画像処理部2220においてデジタル露出補正、ホワイトバランス補正、色処理などを施す。
【0143】
そして、CPU2110はメモリ2240に画像のデータを書き込んだ後(ステップS1605)、通信部2260を介して情報処理装置1410に画像データを送信する(ステップS1606)。そして、コントローラ2210は処理を終了する。
【0144】
図17は図15に示す照明制御装置1450における処理を説明するためのフローチャートである。そして、図17(a)はエネルギー供給量を受信した際の処理を説明するためのフローチャートであり、図17(b)はSYNC信号(撮影同期信号)を受信した際の処理を説明するためのフローチャートである。
【0145】
図17(a)および(b)に示す処理は照明制御装置1450のメモリ2340に格納されたプログラムに応じてコントローラ2310によって実行される。
【0146】
図17(a)において、照明制御装置1450の電源が投入されると、コントローラ2310は、メモリ2340に記録された蓄電器2370、2371、および2372のエネルギー供給量(つまり、蓄電量)を表示部2320に表示する。そして、コントローラ2310は電源制御部2380によって照明装置1430、1431、および1432に対応する蓄電器2370、2371、および2372を充電する。
【0147】
いま、通信部2360でエネルギー供給量を受信すると(ステップS1701)、コントローラ2310は、指定された照明装置に対応する蓄電器のエネルギー供給量をメモリ2340に保存する(ステップS1702:エネルギー量設定)。そして、コントローラ2310は電源制御部2380に対して蓄電器2370、2371、および2372の充電を依頼する。電源制御部2380は、メモリ2340に保存されたエネルギー供給量に見合う電力量を蓄電器に充電して(ステップS1703)、処理を終了する。
【0148】
一方、図17(b)において、通信部がSYNC信号(撮影同期信号)を受信すると、コントローラ2310は電源制御部2380によって、メモリ2340に記憶された発光・非発光状態が発光状態を示す照明装置1430〜1432の発光部を発光させる(S1704)。ここでは、蓄電器2370〜2372に蓄えた電力を用いて発光が行われる。そして、電源制御部2380は、電力を消耗した蓄電器についてメモリ2340に記録されたエネルギー供給量に見合う電力量まで充電して(ステップS1705)、処理を終了する。
【0149】
図18は、図15に示す情報処理装置1410の表示部2150に表示される操作画面の一例を示す図である。
【0150】
図18を参照して、いま、情報処理装置1410において所定のプログラムが起動されると、CPU2110は表示部2150に操作画面5000を表示する。当該操作画面5000において、画像表示領域5310(色空間平面)は、撮像装置1420から受信した撮影画像データに応じた撮影画像を表示する領域である。また、この画像表示領域5310は照明装置の露出判定に用いる所定の位置として画像上の任意の座標を指定する際に用いられる。
【0151】
照明装置情報5100には、照明装置毎に、照明装置の番号5110、露出調整に用いられる座標5120、指定座標近傍の平均輝度値5130、撮影時のエネルギー供給量5140、および修正後のエネルギー供給量5150が表示される。
【0152】
警告表示領域5410はCPU2110が警告表示を行うための領域である。撮影ボタン5210を、例えば、マウスでクリックすると、CPU2110は撮像装置1420に撮影指示を送信する。そして、CPU2110は、受信した撮影画像データに応じた撮影画像を画像表示領域5310に表示する。
【0153】
発光量データ登録ボタン5230をクリックすると、CPU2110は画像表示領域5310に表示された画像データと照明装置情報5100に表示された情報を、照明装置毎の照明装置発光量データとしてメモリ2140に登録する。
【0154】
露出調整ボタン5220をクリックすると、CPU2110は、メモリ2140に登録した照明装置発光量データと比較して、後述するようにして、各照明装置の発光量調整を行う。そして、CPU2110は以後の露出調整において、照明装置毎の比較対象画像データとして用いる。
【0155】
エネルギー供給量受信ボタン5160がクリックされると、CPU2110は通信部2160を介して照明制御装置1450から各照明装置のエネルギー供給量を受信する。そして、CPU2110は照明装置情報5100に反映させる。照明装置情報5100における照明装置を選択した状態で、露出調整位置指定ボタン5180がクリックされると、CPU2110はマウスポインタ5320を露出調整位置指定時専用の形に変更する。
【0156】
続けて、画像表示領域5310に表示された撮影画像において所定の被写体に付された照明装置の発光量測定位置マークのうち、照明装置情報5100で選択された照明装置のマークの中心をクリックする。これにより、CPU2110は照明装置の露出判定用の規定座標を決定する。そして、CPU2110は照明装置情報5100の座標情報を更新する。
【0157】
エネルギー供給量送信ボタン5170がクリックされると、CPU2110は通信部2160を介して照明制御装置1150に各照明装置に係るエネルギー供給量を送信する。
【0158】
図19は、図15に示す情報処理装置1410で行われる発光量データの登録処理を説明するためのフローチャートである。図19に示す処理は情報処理装置1410のメモリ2140に格納されたプログラムに応じてCPU2110によって実行される。
【0159】
今、操作者が図18に示す発光量データ登録ボタン5230をクリックすると、CPU2110は照明制御装置1450および撮像装置1420を制御し、後述の照明装置の単体発撮影を実行する(ステップS1901)。そして、単一照明装置発光量データをメモリ2140に保存する(ステップS1902)。
【0160】
続いて、CPU2110は全ての照明装置について単一照明装置発光量データの登録を行ったか否かを判定する(ステップS1903)。単一照明装置発光量データの登録を行っていない照明装置があると(ステップS1903において、NO)、CPU2110はステップS1901の処理に戻る。
【0161】
一方、全ての照明装置について単一照明装置発光量データの登録が終了していると(ステップS1903において、NO)、CPU2110は、後述するようにして照明装置の通常発光撮影処理を実行する(ステップS1904)。そして、取得した画像データを全体発光量データとして登録する(ステップS1905)。そして、CPU2110は処理を終了する。
【0162】
図20は、図19に示す単発光撮影および通常発光撮影を説明するためのフローチャートである。そして、図20(a)は照明装置の単体発光撮影を説明するためのフローチャートであり、図20(b)は照明装置の通常発光撮影を説明するためのフローチャートである。
【0163】
図20(a)に示す単体発光撮影では、操作者が図18に示す撮影ボタン5210をクリックすると、CPU2110は照明装置情報5100に表示された照明装置の1つに対するエネルギー供給量を、通信部2160を介して照明制御装置1450に送信する。
【0164】
さらに、CPU2110は、複数の照明装置1430、1431、および1432のうち1つ(上記の選択された照明装置)だけが発光するように、照明制御装置1450に対して、発光・非発光状態指示を送信する(ステップS2001)。
【0165】
続いて、CPU2110は撮像装置1420に対して撮影指示を送信する(ステップS2002)。この撮影指示によって撮像装置1420は撮影を実行する。そして、CPU2110は撮像装置1420から画像データ(第1の画像データ)を受信する(ステップS2003)。
【0166】
CPU2110はこの画像データをメモリ2140に保存する(ステップS2004)。なお、CPU2110はこの画像データを単一照明装置発光量データとしてメモリ2140の他の領域に保存して、処理を終了する。
【0167】
図20(b)に示す通常発光撮影では、操作者が図18に示す撮影ボタン5210をクリックする。これに応答して、CPU2110は照明装置情報5100に表示された各照明装置に対するエネルギー供給量を、通信部2160を介して照明制御装置1450に送信する(ステップS2005)。通常発光撮影では、全ての照明装置が同時に発光する。
【0168】
続いて、CPU2110は通信部2160を介して撮像装置1420に撮影指示を送信する(ステップS2006)。この撮影指示によって撮像装置1420で撮影が行われて、CPU2110は撮像装置1420から画像データ(第2の画像データ)を受信する(ステップS2007)。そして、CPU2110は当該画像データをメモリ2140に保存し(ステップS1904)、受信した画像データを画像表示領域5310に表示して、処理を終了する。なお、この画像データは全体発光量データとしてメモリ2140に登録される。
【0169】
図21は図15に示す情報処理装置1410で行われる露出調整処理を説明するためのフローチャートである。図21に示す処理は情報処理装置1410のメモリ2140に格納されたプログラムに応じてCPU2110によって実行される。
【0170】
図15および図21を参照して、いま、図18に示す露出調整ボタン5220がクリックされると、CPU2110は照明制御装置1450および撮像装置1420を制御して、図20(a)で説明した単体発光撮影を行う(ステップS2101)。そして、CPU2110は後述するようにして、照明装置露出調整処理(照明装置発光量調整処理)を行う(ステップS2102)。この際、照明装置の調整履歴として調整日時および調整量がメモリ2140に保存される。
【0171】
続いて、CPU2110は照明装置の調整履歴から調整頻度が予め設定された許容範囲(頻度許容範囲)を超えているか否かについて確認する(ステップS2103)。調整頻度が頻度許容範囲を超えていると(ステップS2103において、NO)、CPU2110に図18に示す操作画面5000の警告表示領域5410に警告を表示する(ステップS2104)。そして、CPU2110は後述するステップS2105の処理に進む。
【0172】
なお、上記の頻度許容範囲は、例えば、発光量調整を3日連続で行なった場合を限度とするように日数で規定するようにする。また、発光量調整履歴に応じて最小自乗法を用いて発光量調整日の間隔を計算式で示して、発光量調整を行う頻度が毎日となる日を予測して、その日が近づいたら警告を発するようにしてもよい。
【0173】
調整頻度が頻度許容範囲以下であると(ステップS2103において、YES)、CPU2110は照明装置のエネルギー供給量調整可能幅が予め設定された許容範囲(エネルギー許容範囲)を超えているか否かについて確認する(ステップS2105)。ここで、エネルギー供給量調性可能幅とは、照明装置に供給する最大エネルギー供給量と現在のエネルギー供給量との差分をいう。
【0174】
エネルギー供給量調整可能幅がエネルギー許容範囲を超えていると(ステップS2105において、NO)、CPU2110は図18に示す操作画面5000の警告表示領域5410に警告を表示する(ステップS2106)。そして、CPU2110は後述するステップS2107の処理に進む。
【0175】
なお、エネルギー許容範囲として予め規定された定数を用いて、例えば、エネルギー供給量調整可能幅がこの定数以下となった場合に警告を発するようにしてもよい。また、発光量調整履歴に応じて最小自乗法を用いて照明装置のエネルギー供給量の変更量の変化を計算式で示して、エネルギー供給量の変更量が調整可能幅を超える日が近づいたら警告を発するようにしてもよい。
【0176】
エネルギー供給量調整可能幅がエネルギー許容範囲以下であると(ステップS2105において、YES)、CPU2110は全ての照明装置について調整が完了したか否かについて確認する(ステップS2107)。全ての照明装置について調整が完了していないと(ステップS2107において、NO)、CPU2110はステップS2101の処理に戻って、処理を続行する。
【0177】
一方、全ての照明装置について調整が完了すると(ステップS2107において、YES)、CPU2110は、図20(b)で説明した照明装置の通常発光撮影を行う(ステップS2108)。続いて、CPU2110は前に登録した全体発光量データと、照明装置の発光量調整後における通常発光撮影画像データとを比較して、露出が適正であるか否かを確認する(ステップS2109)。
【0178】
露出が適正でないと(ステップS2109において、NO)、CPU2110は図18に示す操作画面5000の警告表示領域5410に警告を表示して(ステップS2110)、処理を終了する。露出が適正であれば(ステップS2109において、YES)、CPU2110は処理を終了する。
【0179】
図22は、図21に示す照明装置発光量調整処理を説明するためのフローチャートである。
【0180】
図15および図21を参照して、照明装置発光量調整処理を開始すると、CPU2110は前にメモリ2140に保存した画像データを入力する(ステップS2201)。そして、CPU2110は予め指定された照明装置毎の露出調整に用いる座標5120(図18)を露出判定位置として指定する(ステップS2202)。続いて、CPU2110は当該露出判定位置の近傍のピクセルについてその平均輝度値を算出する(ステップS2203)。
【0181】
次に、CPU2110は平均輝度値と、図16(a)の処理で登録した照明装置発光量データとを比較して、発光量の調整が必要であるか否かについて判定する(ステップS2204)。発光量の調整が必要であると判定すると(ステップS2204において、YES)、CPU2110は、後述するようにして照明装置の出力値変更段数(エネルギー供給量変更段数)を決定する(ステップS2205)。そして、CPU2110は決定後のエネルギー供給量変更段数に応じて照明制御装置1450にエネルギー供給量を送信する(ステップS2206)。
【0182】
続いて、CPU2110は発光量を調整した照明装置についてその調整履歴(発光調整履歴ともいう)を更新して、調整日時および調整量を保存して(ステップS2207)、処理を終了する。なお、発光量の調整は必要でないと判定すると(ステップS2204において、NO)、CPU2110は、ステップS2207の処理に進んで、更新履歴を保存する。
【0183】
ここで、前述のした照明装置の出力値変更段数を決定する手法について説明する。
【0184】
図23は、画像データから得られた輝度値に応じて照明装置のエネルギー供給量を求める際に用いられるテーブルの一例を示す図である。
【0185】
図23に示すテーブルは、例えば、メモリ2140に格納され、図22で説明したステップS2205のエネルギー供給量変更段数の決定の際に用いられる。つまり、CPU2110は、図23のステップS2203で得られた平均輝度値に応じて当該テーブルを参照してエネルギー供給量を求める。
【0186】
ここでは、CPU2110は照明装置発光量データに応じて得られた輝度値に応じて図23に示すテーブルを参照して、対応するエネルギー供給量に基づいて適正エネルギー供給量を決定する。
【0187】
例えば、照明装置単体発光下で撮影した結果得られた画像データの平均輝度値が”70”であったとすると、図23に示すテーブルからエネルギー供給量は”3.9”とされる。そして、適正エネルギー供給量が4.9であるとすると、調整段数は”4.9−3.9=1.0”となって、照明装置発光量データを保存した時点から、照明装置は1.0段(10段階)性能劣化したことになる。よって、照明装置へのエネルギー供給量=適正エネルギー供給量+1.0=5.9となる。
【0188】
このようにして、撮影環境に合わせてエネルギー供給量毎の輝度値を測定しておけば、照明装置発光量データに応じた輝度値と、撮影画像データに応じた輝度値とに応じて、照明装置の現在の適正エネルギー供給量を得ることができる。
【0189】
上述のようにして、第4の実施形態では、撮影に関する知識のないスタッフでも容易に照明装置の発光量を調整することができるばかりでなく、照明装置が適正露出の発光量を維持しているうちに、照明装置の性能劣化を知ることができる。
【0190】
上述の説明から明らかなように、図1において、情報処理装置100および記憶部101が第1の保存手段、第2の保存手段、および第3の保存手段として機能する。また、情報処理装置100は選択手段又は第1の選択手段および第2の選択手段として機能する。さらに、情報処理装置100は露出調整手段として機能する。そして、情報処理装置100は警告手段として機能する。
【0191】
図14において情報処理装置1410および照明制御装置1450が第1の制御手段、調整手段、第2の制御手段、および判定手段として機能する。また、図15において、CPU2110およびメモリ2140が保存手段として機能し、CPU2110および表示部2150が警告手段として機能する。
【0192】
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0193】
例えば、上記の実施の形態の機能を制御方法として、この制御方法を、情報処理装置に実行させるようにすればよい。また、上述の実施の形態の機能を有する制御プログラムを、情報処理装置が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。
【0194】
この際、制御方法及び制御プログラムの各々は、少なくとも第1の保存ステップ、第2の保存ステップ、第3の保存ステップ、選択ステップ、および露出調整ステップを有する。また、制御方法及び制御プログラムの各々は、第1の保存ステップ、第2の保存ステップ、第3の保存ステップ、第1の選択ステップ、第2の選択ステップ、および露出調整ステップを有するようにしてもよい。
【0195】
加えて、制御方法及び制御プログラムの各々は、第1の制御ステップ、調整ステップ、第2の制御ステップ、および判定ステップを有するようにしてもよい。
【0196】
なお、制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
【0197】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0198】
100,1410 情報処理装置
101 記憶部
102−1〜102−n,1430〜1432 照明装置
103−1〜103−m カメラ
104−1〜104−m レンズユニット
1420 撮像装置
1440 被写体
1450 照明制御装置
2110 CPU
2350 発光部
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真館におけるカメラおよび照明装置の制御に関し、特に、照明の設定に対する露出制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、写真館において、予め調整した複数の照明装置においてその発光のオン/オフと発光量との関係をメモリ等に照明情報として記録しておき、必要に応じて照明情報をメモリから読み出して照明装置にセットするようにした照明システムが知られている。
【0003】
同様に、カメラの撮影パラメータ(カメラ設定値ともいう)をその目的に合せて調整してメモリなどに記録しておき、必要に応じてメモリから撮影パラメータを読み出してカメラにセットするシステム(以下カメラ制御システムと呼ぶ)が知られている。
【0004】
ところが、上記の照明システムおよびカメラ制御システムは、互いに独立しており、カメラの撮影パラメータの設定については、照明の設定に合わせた設定を行うか、又はカメラマンが撮影画像および露出計を参考にしてカメラ設定の微調整を行う必要がある。
【0005】
例えば、被写体に対してストロボライトを含むライトを用いてライティングを行った後、当該ライティング条件をメモリなどに記憶しファイリングする。そして、ストロボ撮影の際にライティングを選択して撮影を行うようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0006】
また、撮像装置(カメラ)と通信可能な情報処理装置によって、簡易な操作で複数の撮影条件を用いて撮像装置に繰り返し撮影を行わせるようにしてものがある。そして、過去に撮像装置に設定されていた撮影条件に簡単に戻すための手法がある(従来技術1という)。
【0007】
加えて、複数の照明装置の照明条件を最適な状態で維持するため、複数の照明装置の照明条件が最適な状態で基準被写体を撮影した画像データから複数の基準点の色データを保存するようにしたものがある。ここでは、再び任意の時期において、基準被写体を撮影した画像データの基準点の色データを取得して、保存した色データとの差分量を算出する。そして、当該差分量に基づいて各照明装置の照明条件の変動量を算出して、この変動量がゼロになるように複数の照明装置の照明条件を調節している(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−24138号公報
【特許文献2】特開2006−32295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、特許文献1においては、露出パラメータなどの撮影パラメータは管理となっておらず、カメラマンが照明の設定に合わせて個々のカメラにおける撮影パラメータを調整しなければならない。このため、その調整が極めて面倒であるという課題がある。
【0010】
一方、従来技術1においては、撮影の際の照明設定が撮影パラメータを決定した時の照明設定と異なる場合に、カメラマンが個々のカメラにおける撮影パラメータを調整するか又は照明環境の調整を行う必要がある。
【0011】
加えて、特許文献2においては、個々の照明装置の性能低下が判定できず、結果的に、複数の照明装置によって十分な発光量を得られなくなった場合に、初めて各照明装置の性能を判定して調整することになり、その調整が極めて面倒であるという課題がある。
【0012】
いずれにしても、特許文献1および2に記載の手法では、複数の照明装置における照明設定(照明条件)と撮影パラメータとの関係を調整することが極めて面倒である。
【0013】
従って、本発明の目的は、複数の照明装置における照明設定(照明条件)と撮影パラメータとの関係を容易に調整することのできる撮影制御装置、その制御方法、および制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するため、本発明による撮影制御装置は、複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための撮影制御装置であって、前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量を照明設定値として保存する第1の保存手段と、前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータをカメラ設定値として保存する第2の保存手段と、前記カメラ設定値の各々に対応づけて前記照明設定値のうちから露出が適正となる照明設定値を基準照明設定値として保存する第3の保存手段と、撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値に対応する前記基準照明設定値を選択照明設定値として選択する選択手段と、前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整手段とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明による撮影制御装置は、複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための撮影制御装置であって、前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量を照明設定値として保存する第1の保存手段と、前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータをカメラ設定値として保存する第2の保存手段と、前記照明設定値の各々について、その照明環境で生成された少なくとも1つのカメラ設定値を、当該照明設定値の付帯情報として保存する第3の保存手段と、撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値を選択カメラ設定値として選択する第1の選択手段と、前記選択カメラ設定値が前記付帯情報とされた照明設定値を選択照明設定値として選択する第2の選択手段と、前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整手段とを有することを特徴とする。
【0016】
本発明による撮影制御装置は、複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための撮影制御装置であって、前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量を照明設定値として保存する第1の保存手段と、前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータをカメラ設定値として保存する第2の保存手段と、前記照明設定値の各々について、その照明環境で生成されたカメラ設定値に応じて算出された被写体輝度を、当該照明設定値の付帯情報として保存する第3の保存手段と、撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値を選択カメラ設定値として選択する第1の選択手段と、前記選択カメラ設定値が前記付帯情報とされた照明設定値を選択照明設定値として選択する第2の選択手段と、前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整手段とを有することを特徴とする。
【0017】
本発明による撮影制御装置は、少なくとも1つのカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記照明装置を制御するための撮影制御装置であって、前記複数の照明装置をそれぞれ単体で発光させる単体発光で所定の被写体を前記カメラで撮像して複数の第1の画像データを得る第1の制御手段と、前記第1の画像データをそれぞれ照明装置発光量データとして、前記照明装置発光量データと前記複数の照明装置毎に予め登録された発光量データとに応じて前記複数の照明装置の各々についてその発光量を調整する調整手段と、前記調整手段による前記発光量の調整の後、前記複数の照明装置を同時に発光させる通常発光で前記所定の被写体を前記カメラで撮像して第2の画像データを得る第2の制御手段と、前記第2の画像データと予め登録された通常発光における画像データとを比較して露出調整が必要であるか否かを判定する判定手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数の照明装置における照明設定と撮影パラメータとの関係を容易に調整することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態による撮影制御システムの一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す撮影制御システムにおいて撮影業務を行う前に実施される事前準備を説明するためのフローチャートである。
【図3】図1に示す撮影制御システムにおける撮影処理を説明するためフローチャートである。
【図4】図3に示す照明設定値セット選択処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】図4に関連して説明したTv、Av、およびSvとシャッタスピード(秒)、絞り(F値)、およびフィルム感度(ISO)との関係を示す図である。
【図6】図4で説明した処理によって被写体輝度が最小であるカメラ設定値セットにおける照明設定値セットが照明設定値セットの初期値として選択されたカメラ以外のカメラについて露出調整値の判定を説明するための図である。
【図7】図3に示すカメラ設定値セット露出調整処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7に示す露出パラメータ調整処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】撮影業務の途中でユーザが照明設定値セットを変更した際の各カメラの露出調整値の判定を説明するための図である。
【図10】本発明の第2の実施形態による撮影制御システムにおいて撮影業務を行う前に実施される事前準備を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態における照明設定値セット選択処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施形態による撮影制御システムにおいて撮影業務を行う前に実施される事前準備を説明するためのフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施形態における照明設定値セット選択処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の第4の実施形態による撮影制御システムの一例を示す図である。
【図15】図14に示す撮影制御システムの構成を詳細に示すブロック図である。
【図16】図2に示す撮影制御システムにおける動作を説明するためのフローチャートであり、(a)は事前準備を説明するためのフローチャート、(b)は撮像装置が撮影指示を受信した際の処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】図15に示す照明制御装置における処理を説明するためのフローチャートであり、(a)はエネルギー供給量を受信した際の処理を説明するためのフローチャート、(b)はSYNC信号(撮影同期信号)を受信した際の処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】図15に示す情報処理装置の表示部に表示される操作画面の一例を示す図である。
【図19】図15に示す情報処理装置で行われる発光量データの登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】図19に示す単発光撮影および通常発光撮影を説明するためのフローチャートであり、(a)は照明装置の単体発光撮影を説明するためのフローチャート、(b)は照明装置の通常発光撮影を説明するためのフローチャートである。
【図21】図15に示す情報処理装置で行われる露出調整処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】図21に示す照明装置発光量調整処理を説明するためのフローチャートである。
【図23】画像データから得られた輝度値に応じて照明装置のエネルギー供給量を求める際に用いられるテーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態による撮影制御装置(撮影制御システムともいう)の一例について図面を参照して説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による撮影制御システムの一例を説明するためのブロック図である。
【0022】
一般に、写真館の撮影スタジオなどには、複数のカメラ103−1〜103−m(mは2以上の整数)が配置されるとともに、複数の照明装置102−1〜102−n(nは2以上の整数)が配置されている。図示の例では、カメラ103−1〜103−mにはそれぞれレンズユニット104−1〜104−mが装着され、カメラ103−1〜103−mおよび照明装置102−1〜102−nは、撮影制御装置である情報処理装置100に接続されている。そして、この情報処理装置100には記憶部101が備えられている。
【0023】
なお、図1に示す例では、カメラ103−1〜103−mの各々はデジタルカメラであって、情報処理装置100とUSB、Ethernet(登録商標)、又は無線LAN等で接続されている。図示のカメラ103−1〜103−mの各々は情報処理装置100の撮影パラメータ変更指示によって当該カメラに装着されるレンズユニット等の装着機材に係るパラメータを含む撮影パラメータを変更する機能を備えている。
【0024】
さらに、カメラ103−1〜103−mの各々は、情報処理装置100に対して、レンズユニット等の装着機材に係るパラメータを含む撮影パラメータを通知する機能を備えている。
【0025】
レンズユニット104−1〜104−mは、種類によって明るさが異なり、レンズユニット104−1〜104−mの明るさを示すF値は次のようにして導かれる。
【0026】
F値=レンズユニットの焦点距離÷レンズユニットの有効口径 (1)
レンズユニット104−1〜104−mにおいて、有効口径が大きいと、集光量が大きくなり、有効口径が数1になると、光を集める面積は半分になる。
【0027】
【数1】
【0028】
図1において、レンズユニット104−1は絞りを制御する機能を有する。さらに、レンズユニット104−1は、現在のF値をカメラ103−1に通知する機能を備えている。なお、レンズユニット104−2〜104−mもレンズユニット104−1と同様の機能を有している。
【0029】
照明装置102−1は、カメラ103−1〜103−mによる撮影と同期して発光有無および発光出力(以下発光パラメータという)をユーザインタフェース(図示せず)によってユーザが設定する機能を有している。照明装置102−1はUSBケーブルなどを介して情報処理装置100と接続され、情報処理装置100は照明装置102−1の発光パラメータを変更制御する。さらに、照明装置102−1は、情報処理装置100に対して現在の発光パラメータを通知する機能を備えている。
【0030】
なお、照明装置102−2〜102−nは照明装置102−1と同様の機能を有している。
【0031】
情報処理装置100は、カメラ103−1〜103−mの各々から撮影パラメータを受信して記憶部101に保存する。同様に、情報処理装置100は照明装置102−1〜102−nの各々から受信した発光パラメータを記憶部101に保存する。
【0032】
情報処理装置100はユーザインタフェース(図示せず)を備えており、ユーザの指示によって、情報処理装置100に接続されているカメラからその撮影パラメータを収集して、カメラ設定値セットとして保存する。同様に、情報処理装置100はユーザの指示によって、情報処理装置100に接続されている照明装置からその発光パラメータを収集し、照明設定値セットとして保存する。
【0033】
さらに、情報処理装置100は、ユーザの指示によって保存された撮影パラメータをカメラに送信・設定する機能を備えている。同様に、情報処理装置100は、ユーザの指示によって保存された発光パラメータを照明装置に送信・設定する機能を備えている。
【0034】
図2は、図1に示す撮影制御装置において撮影業務を行う前に実施される事前準備を説明するためのフローチャートである。
【0035】
図1および図2を参照して、ここでは、撮影環境を構築するスキルをもつユーザが、例えば、七五三又は結婚式などのあるテーマに沿って照明装置102−1〜102−nに関する発光パラメータを調整する(ステップS201)。さらに、当該ユーザは、カメラ103−1〜103−mに関する撮影パラメータを調整する(ステップS202)。
【0036】
この際には、使用するカメラと当該カメラに装着されるレンズユニットの性能を引き出すため、発光パラメータおよび撮影パラメータの調整に当たって、レンズユニットが装着されたカメラ毎に行われる。
【0037】
続いて、1つのカメラと1つの照明装置の調整が完了した時点で、ユーザは情報処理装置100のユーザインタフェース(図示せず)を用いて、使用する照明装置に関する発光パラメータを照明設定値セットとして記憶部101に保存する(ステップS203)。
【0038】
さらに、ユーザはユーザインタフェースを用いて、使用するカメラに関する撮影パラメータをカメラ設定値セットとして記憶部101保存する(ステップS204)。そして、ユーザはカメラ設定値セットを用いる際に適正露出となる照明設定値セット(以下基準照明設定値セットという)として、ステップS203で保存した照明設定値セットをカメラ設定値セットの付帯情報として記憶部101に保存する(ステップS205)。これによって、事前準備が終了する。
【0039】
図3は、図1に示す撮影制御システムにおける撮影処理を説明するためフローチャートである。
【0040】
図1および図3を参照して、撮影業務が開始されると、ユーザは情報処理装置100に備えられたユーザインタフェースから、撮影に使用する1つ又は複数のカメラを選択する(ステップS301)。続いて、ユーザはユーザインタフェースを用いて、これらカメラ毎に使用するカメラ設定値セットを選択する(ステップS302)。なお、ここで選択可能なカメラ設定値セットは、上述の事前準備において保存したカメラ設定値セットである。
【0041】
上述のようにして、ユーザがカメラおよびカメラ設定値セットを選択すると、情報処理装置100は使用する全てのカメラについてカメラ設定値セットが選択されたか否かを判定する(ステップS303)。使用する全てのカメラについてカメラ設定値セットが選択されていないと(ステップS303において、NO)、情報処理装置100はユーザインタフェースにその旨表示する等してユーザにカメラ設定値セットの選択を促す。
【0042】
使用する全てのカメラについてカメラ設定値セットが選択されていると(ステップS303において、YES)、情報処理装置100は、後述するようにして、照明設定値セット選択処理を実施する(ステップS304)。使用する照明設定値セットを選択後、情報処理装置100は当該照明設定値セット(つまり、発光パラメータ)を照明装置に設定する(ステップS305)。
【0043】
続いて、情報処理装置100は、後述するようにして、カメラ設定値セット露出調整処理を行う(ステップS306)。そして、情報処理装置100は、カメラ設定値セット露出調整処理において調整されたカメラ設定値セット(つまり、撮影パラメータ)を各カメラに設定する(ステップS307)。その後、ユーザはカメラおよび照明装置を用いて撮影を行って(ステップS308)、撮影業務が終了する。
【0044】
図4は、図3に示す照明設定値セット選択処理を説明するためのフローチャートである。
【0045】
図1および図4を参照して、いま、作風に大きな影響を与えるボケ味をコントロールするためには、照明を暗くして明るいレンズの絞りを開放気味にする必要がある。このため、撮影業務開始の際における照明設定値セットの初期設定は、撮影テーマに合った照明設定値セットのうち最も暗いものを選択することが望ましい。
【0046】
撮影に使用するカメラにはカメラ設定値セットが設定されており、各カメラ設定値セットには、前述のように、それぞれ基準照明設定値セットが関連付けられている。従って、カメラ設定値セットのうちの露出パラメータから算出される被写体輝度を相互に比較すれば、照明設定値セットの明るさを比較することができる。
【0047】
つまり、照明設定値セット選択処理を開始すると、情報処理装置100は例えばカメラ設定値セットの露出パラメータに基づいて被写体輝度をAPEX値(Additive system of Photographic Exposure)として算出する。
【0048】
APEX値を用いると、被写体輝度Bvは次の式(2)で求めることができる。
【0049】
Bv=Tv+Av−Sv (2)
ここで、Bvは被写体輝度(Brightness Value)、Tvはシャッタ速度段数(Time Value)、Avは絞り値段数(Aperture Value)、そして、Svは感度段数(Speed Value)である。
【0050】
APEX値とは、カメラの撮影パラメータであるシャッタスピード、絞り、およびISOの値を同一の単位系として、露出を簡単に計算するためのものである。ここでは、Tv、Av、およびSvはそれぞれ式(3)、式(4)、および式(5)によって求められる。
【0051】
Tv=log2(1/T) (3)
Av=log2(F値)2 (4)
Sv=log2(0.3×ISO) (5)
ここで、Tは露光時間である。
【0052】
図5は、図4に関連して説明したTv、Av、およびSvとシャッタスピード(秒)、絞り(F値)、およびフィルム感度(ISO)との関係を示す図である。
【0053】
図5に示すように、シャッタスピード、絞り、およびフィルム感度が変化するに伴って、それぞれTv、Av、およびSvが変化する。
【0054】
再び図1および図4を参照して、情報処理装置100は当該被写体輝度が最も小さいか、つまり、最小値であるかを判定する(ステップS401)。ここで、最初に算出された被写体輝度は最小値である判定され、それ以降の被写体輝度については前回までの判定で最も小さい被写体輝度と比較されて最小値であるか否かが判定されることになる。
【0055】
被写体輝度が最小値であると(ステップS401において、YES)、情報処理装置100は当該被写体輝度が最小値であるカメラ設定値セットの基準照明設定値セットを照明設定値セット(選択照明設定値セット)として選択する(ステップS402)。
【0056】
続いて、情報処理装置100は全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行ったか否かを確認する(ステップS403)。全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行っていると(ステップS403において、YES)、情報処理装置100は照明設定値セット選択処理を終了する。
【0057】
全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行っていないと(ステップS403において、NO)、情報処理装置100はステップS401に戻って処理を続行する。なお、ステップS401において、被写体輝度が最小値でないと(ステップS401において、NO)、情報処理装置100はステップS403の処理に移行する。
【0058】
図6は、図4で説明した処理によって被写体輝度が最小であるカメラ設定値セットにおける照明設定値セットが照明設定値セットの初期値として選択されたカメラ以外のカメラについて露出調整値の判定を説明するための図である。
【0059】
図6において、カメラA、B、およびCには、装着されたレンズユニットの明るさに応じてそれぞれカメラ設定値セットA、B、およびCがセットされている。カメラ設定値セットA、B、およびCには適正露出となる基準照明設定値セットが登録されている。そして、その際のシャッタスピード、絞り値、およびISO値に応じて求められたカメラ設定値セットにおける被写体輝度は、カメラAでは”11”、カメラBでは”14”、そして、カメラCでは”15”となっている。
【0060】
よって、照明設定値セットの初期値として照明設定値セットAが選択され、カメラBにおける露出調整値は”14−11”で”3”となり、同様に、カメラCにおける露出調整値は”15−11”で”4”となる。
【0061】
当該露出調整値はAPEX値であるので、露出段数を表している。従って、ISO値による調整可能な範囲を超えてしまった場合には、絞り値によって調整を行うことができる。
【0062】
なお、露出調整の際にまずISO値、次いで絞り値を用いれば、大型外部ストロボシステム(照明装置)を使用する場合には、露出がストロボの輝度×発光時間で決定されるため、カメラのシャッタスピードを変更しても露出の調整を行う必要がない。そして、絞り値は作風に大きな影響を与える関係上、露出調整の際、ISO値に次いで絞り値を用いることになる。なお、ユーザの好み又は状況に応じて、使用する露出パラメータの優先順位を変更可能としてもよい。
【0063】
図7は、図3に示すカメラ設定値セット露出調整処理を説明するためのフローチャートである。
【0064】
図1および図7を参照して、露出調整処理を開始すると、情報処理装置100は、上述のようにして選択された照明設定値セットに対して、適正露出となるカメラ設定値セットにおける被写体輝度と当該カメラのカメラ設定値セットにおける被写体輝度の差分(差分被写体輝度と呼ぶ)を算出する(ステップS701)。そして、情報処理装置100は当該差分被写体輝度に基づいて、後述するようにして、カメラの露出パラメータを調整する(ステップS702)。
【0065】
続いて、情報処理装置100は、全てのカメラについて露出調整が完了したか否かを判定する(ステップS703)。全てのカメラについて露出調整が完了していないと(ステップS703において、NO)、情報処理装置100はステップS701の処理に戻って、次のカメラについて差分被写体輝度を算出する。全てのカメラについて露出調整が完了すると(ステップS703において、YES)、情報処理装置100はカメラ設定値セット露出調整を終了する。
【0066】
図8は、図7に示す露出パラメータ調整処理を説明するためのフローチャートである。
【0067】
図1および図8を参照して、露出パラメータ調整処理を開始すると、情報処理装置100は図7に示すステップS701で算出した差分被写体輝度について調整可能な範囲をISO値で調整する(ステップS801)。そして、情報処理装置100は照明設定値セットに対して適正な露出となったか否かを判定する(ステップS802)。
【0068】
照明設定値セットに対して適正露出となると(ステップS802において、YES)、つまり、ISO値の調整によって差分被写体輝度の明るさを調整できた場合には、情報処理装置100は露出パラメータ調整処理を終了する。
【0069】
一方、照明設定値セットに対して適正露出とならない(S802でNO)、つまり、ISO値のみでは差分被写体輝度の明るさを調整できなければ、情報処理装置100は絞り値によって露出パラメータを調整する「設定」であるか否かを判定する(S803)。
【0070】
絞り値による調整を行う設定になっていると(ステップS803において、YES)、情報処理装置100は差分被写体輝度について調整可能な範囲を絞り値で調整する(ステップS804)。続いて、情報処理装置100は照明設定値セットに対して適正な露出となったか否かを判定する(ステップS805)。ここでは、例えば、差分被写体輝度が所定の閾値以下となったか否かによって、適正な露出となったか否かが判定される。
【0071】
そして、照明設定値セットに対して適正露出となると(ステップS805において、YES)、つまり、絞り値の調整によって差分被写体輝度の明るさを調整できた場合には、情報処理装置100は露出パラメータ調整処理を終了する。
【0072】
一方、照明設定値セットに対して適正露出とならないと(S805でNO)、つまり、絞り値では差分被写体輝度の明るさの調整ができなかった場合には、情報処理装置100は、例えば、ユーザインタフェースによって警告を発する(ステップS806)。ステップS803において、絞り値による調整を行う設定になっていなければ(ステップS803において、NO)、情報処理装置100は露出パラメータ調整処理を終了する。
【0073】
なお、同一の撮影テーマにおいて複数パターンのカメラ設定値セットおよび照明設定値セットを作成しておけば、撮影業務の途中でユーザが任意の照明設定値セットに変更することも可能である。この場合、図3に示すステップS305から処理を行って、各カメラの露出パラメータを被写体輝度に合わせて調整する。
【0074】
同様にして、同様に、撮影業務の途中でユーザは任意のカメラ設定値セットに変更することも可能である。この場合には、図3に示すステップS306から処理を行って、各カメラの露出パラメータを調整する。
【0075】
図9は、撮影業務の途中でユーザが照明設定値セットを変更した際の各カメラの露出調整値の判定を説明するための図である。
【0076】
図9において、いまカメラA、B、およびCには、装着されたレンズユニットの明るさに応じて、それぞれカメラ設定値セットA、B、およびCがセットされているものとする。各カメラ設定値セットには適正露出となる基準照明設定値セットが登録されている。そして、その際のシャッタスピード、絞り値、ISO値に応じて求められたカメラ設定値セット毎の被写体輝度はカメラAが”11”、カメラBが”14”、カメラCが”15”となっている。
【0077】
従って、照明設定値セットの初期値として照明設定値セットCが選択されて、カメラAの露出調整値は”11−15”で”−4”となり、同様に、カメラBの露出調整値は”14−15”で”−1”となる。
【0078】
ここで、カメラ設定値セットCがセットされたカメラCが撮影に使用するカメラとして選択されていなかったとしても、カメラ設定値セットの被写体輝度の差分に応じて、カメラAおよびBの露出調整値を決定することができる。
【0079】
このようにして、ユーザは使用するカメラと当該カメラに設定するカメラ設定値セットとを選択すれば、複数のカメラを用いて適正な露出による撮影を行い、テーマに合った撮影を行うことができることになる。
【0080】
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、照明設定値セットに適正露出となるカメラ設定値セットを関連付ける(紐づける)ために、カメラ設定値セットに関連付けて基準照明設定値セットを記録するようにした。
【0081】
第2の実施形態では、照明設定値セットの付帯情報として、当該照明設定値セットにおける照明環境で生成した全てのカメラ設定値セットを保持して、撮影開始の際の照明設定を決定する。そして、当該照明設定に応じて各カメラの露出パラメータを適正に調整するようにする。
【0082】
図10は、本発明の第2の実施形態による撮影制御システムにおいて撮影業務を行う前に実施される事前準備を説明するためのフローチャートである。なお、第2の実施形態による撮影制御システムの構成は図1に示す照明・カメラ設定制御システムの構成と同様である。
【0083】
図1および図10を参照して、ここでは、撮影環境を構築するスキルをもつユーザが、例えば、七五三又は結婚式などのあるテーマに沿って照明装置102−1〜102−nに関する発光パラメータを調整する(ステップS1001)。さらに、当該ユーザは、カメラ103−1〜103−mに関する撮影パラメータを調整する(ステップS1002)。
【0084】
この際には、使用するカメラと当該カメラに装着されるレンズユニットの性能を引き出すため、発光パラメータおよび撮影パラメータの調整に当たって、レンズユニットが装着されたカメラ毎に行われる。
【0085】
続いて、1つのカメラと1つの照明装置の調整が完了した時点で、ユーザは情報処理装置100のユーザインタフェースを用いて、使用するカメラに関する撮影パラメータをカメラ設定値セットとして記憶部101に保存する(ステップS1003)。さらに、ユーザはユーザインタフェースを用いて、使用する照明装置に関する発光パラメータを照明設定値セットとして記憶部101保存する(ステップS1004)。
【0086】
そして、ユーザはユーザインタフェースを用いて、1つの照明設定値セットにおける照明環境で生成した少なくとも1つのカメラ設定値セットを、当該照明設定値セットの付帯情報として記憶部101に保存する(ステップS1005)。これによって、事前準備が終了する。
【0087】
上述のようにしてユーザは事前準備を行った後、図3で説明したようにして、撮影業務を行うことになるが、第2の実施形態においては、図3に示すステップS304の照明設定値セット選択処理が異なる。
【0088】
図11は、本発明の第2の実施形態における照明設定値セット選択処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0089】
図1および図11を参照して、図4で説明したようにして、情報処理装置100はカメラ設定値セット毎にその被写体輝度が最小値であるかを判定する(ステップS1101)。被写体輝度が最小値であると(ステップS1101において、YES)、情報処理装置100は当該被写体輝度が最小値であるカメラ設定値セットを付帯情報として保持する照明設定値セット(選択照明設定値セット)を選択する(ステップS1102)。
【0090】
続いて、情報処理装置100は全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行ったか否かを確認する(ステップS1103)。全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行っていると(ステップS1103において、YES)、情報処理装置100は照明設定値セット選択処理を終了する。
【0091】
一方、全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行っていないと(ステップS1103において、NO)、情報処理装置100はステップS1101に戻って処理を続行する。なお、ステップS1101において、被写体輝度が最小値でないと(ステップS1101において、NO)、情報処理装置100はステップS1103の処理に移行する。
【0092】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、照明設定値セットの付帯情報として、当該照明設定値セットにおける照明環境で生成したカメラ設定値セットに応じて算出した被写体輝度を保持して、撮影開始の際の照明設定を決定する。そして、当該照明設定に応じて各カメラの露出パラメータを適正に調整するようにする。
【0093】
図12は、本発明の第3の実施形態による撮影制御システムにおいて撮影業務を行う前に実施される事前準備を説明するためのフローチャートである。なお、第3の実施形態による撮影制御システムの構成は図1に示す照明・カメラ設定制御システムの構成と同様である。
【0094】
図1および図12を参照して、ここでは、撮影環境を構築するスキルをもつユーザが、例えば、七五三又は結婚式などのあるテーマに沿って照明装置102−1〜102−nに関する発光パラメータを調整する(ステップS12001)。さらに、当該ユーザは、カメラ103−1〜103−mに関する撮影パラメータを調整する(ステップS1202)。
【0095】
この際には、使用するカメラと当該カメラに装着されるレンズユニットの性能を引き出すため、発光パラメータおよび撮影パラメータの調整に当たって、レンズユニットが装着されたカメラ毎に行われる。
【0096】
続いて、1つのカメラと1つの照明装置の調整が完了した時点で、ユーザは情報処理装置100のユーザインタフェースを用いて、使用するカメラに関する撮影パラメータをカメラ設定値セットとして記憶部101に保存する(ステップS1203)。さらに、ユーザはユーザインタフェースを用いて、使用する照明装置に関する発光パラメータを照明設定値セットとして記憶部101保存する(ステップS1204)。
【0097】
そして、ユーザはユーザインタフェースを用いて、照明設定値セット毎に当該照明設定値セットにおける照明環境で生成したカメラ設定値セットに応じて算出された被写体輝度を照明設定値セットの付帯情報として記憶部101に保存する(S1205)。これによって、事前準備が終了する。
【0098】
上述のようにしてユーザは事前準備を行った後、図3で説明したようにして、撮影業務を行うことになるが、第3の実施形態においては、図3に示すステップS304の照明設定値セット選択処理が異なる。
【0099】
図13は、本発明の第3の実施形態における照明設定値セット選択処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0100】
図1および図13を参照して、まず、図4で説明したようにして、情報処理装置100はカメラ設定値セット毎にその被写体輝度が最小値であるかを判定する(ステップS1301)。被写体輝度が最小値であると(S1301でYES)、情報処理装置100は当該最小の被写体輝度のカメラ設定値セット(選択カメラ設定値セット)と同一の被写体輝度が付帯情報とされた照明設定値セットを初期設定として選択する(ステップS1302)。
【0101】
続いて、情報処理装置100は全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行ったか否かを確認する(ステップS1303)。全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行っていると(ステップS1303において、YES)、情報処理装置100は照明設定値セット選択処理を終了する。
【0102】
一方、全てのカメラ設定値セットについて最小値の判定を行っていないと(ステップS1303において、NO)、情報処理装置100はステップS1301に戻って処理を続行する。
【0103】
なお、ステップS1301において、被写体輝度が最小値でないと(ステップS1301において、NO)、情報処理装置100はステップS1303の処理に移行する。
【0104】
上述のように、第1〜第3の実施形態では、テーマに沿って予め作成されたカメラ設定値セットを選択すれば、特性の違うレンズユニットを装着した複数のカメラを用いて、一つの照明設定でスタジオ撮影を行うことができる。さらに、また、撮影の途中でカメラ毎のカメラ設定値セットを変更するか又は照明設定値セットを変更しても適切な露出で撮影を継続することができる。
【0105】
(第4の実施形態)
図14は本発明の第4の実施形態による撮影制御システムの一例を示す図である。
【0106】
図示の撮影制御システム(以下、撮影制御システムともいう)1400は、撮像装置1420を有し、この撮像装置1420は後述する露出調整・警告装置を備えている。撮像装置1420にはパーソナルコンピュータ(PC)からなる情報処理装置1410が接続されるとともに、照明制御装置1450が接続されている。また、情報処理装置1410は照明制御装置1450に接続され、この照明制御装置1450には複数の照明装置1430、1431、および1432が接続されている。そして、照明装置1430、1431、および1432は、露出調整の際に撮影される所定の被写体1440を照明する。
【0107】
なお、図示の例では、照明装置1430、1431、および1432の3台の照明装置が示されているが、照明装置の数は少なくとも1台あればよい。
【0108】
撮像装置1420は、設定されたシャッタスピード、絞り、ISOスピード(ISO値)、および色変換マトリクスなどの撮影パラメータと撮影の結果得られた画像データを情報処理装置1410に送信する機能を備えている。さらに、撮像装置1420は情報処理装置1410から撮影パラメータを受信して、当該撮影パラメータを設定する機能と情報処理装置1410からリモート撮影指示を受信して撮影を実行する機能を備えている。
【0109】
また、撮像装置1420は所謂X接点を装備して、照明制御装置1450と接続され、照明装置1430、1431、および1432に対する撮影同期信号を送信する機能を備えている。
【0110】
照明制御装置1450は、照明装置1430、1431、および143に対するエネルギー供給量(つまり、電力供給量)および発光・非発光の状態を情報処理装置1410に送信する機能を備える。また、照明制御装置1450は情報処理装置1410からエネルギー供給量および発光・非発光に関する指令を受信して、照明装置1430、1431、および1432に対するエネルギー供給量および発光・非発光の状態を設定する機能を備える。さらに、また、照明制御装置1450は所謂X接点を装備しており、撮像装置1420からSYNC信号(撮影同期信号)を受信する機能を備えている。
【0111】
情報処理装置1410は、撮像装置1420に対して、撮影パラメータを送信する機能、そして、リモート撮影を指示する機能を備えている。また、情報処理装置1410は撮像装置1420に設定された撮影パラメータおよび撮像装置1420による撮影の結果得られた画像データを受信する機能を備えている。
【0112】
さらに、情報処理装置1410は、照明制御装置1450と照明装置毎のエネルギー供給量および発光・非発光に関する情報を送受信する機能を備えている。
【0113】
図示の撮影制御システム1400は、写真スタジオ等において、安定して良好な撮像を行うことができるように撮影機材に関する設定値を管理しており、ユーザは情報処理装置1410によって毎日の始業点検を行うことができる。始業点検では、例えば、露出調整、ホワイトバランス調整、およびオートフォーカス(AF)調整等が行われるが、以下の説明では、露出調整についてのみ説明する。
【0114】
所定の被写体1440にはマーク1440a、1440b、および1440cが形成されており、これらマーク1440a、1440b、および1440cは照明装置1430、1431、および1432の発光量を計測する位置を示すマークである。なお、マーク1440a、1440b、および1440cは所定の被写体1440において照明装置1430、1431、および1432の発光量が最も高く計測できる位置に設けることが望ましい。
【0115】
図15は図14に示す撮影制御システム1400の構成を詳細に示すブロック図である。
【0116】
図14および図15を参照して、ここでは、照明装置1430、1431、および1432の発光量を精確に調整する際の前提条件として、撮影機材の設置位置、方向、および角度などを常に同一の条件として撮影を行う必要がある。つまり、所定の被写体1440とマーク1440a、1440b、および1440cの位置、方向、および角度が規定によって精確に設置され、撮像装置1420の撮影設定、位置、方向、および角度が規定によって精確に設置されていることが必要でいる。
【0117】
また、照明装置1430、1431、および1432の位置、方向、および角度が規定に従って精確に設置され、照明装置以外の入射光の光量が規定に従って常に一定であることが必要である。
【0118】
情報処理装置1410はCPU(中央処理装置)2110を有し、CPU2110はメモリ2140に格納されている制御プログラムに従って、後述する処理に係る制御を行う。メモリ2140は、例えば、RAM、ROM、およびハードディスクなどからなる記憶装置であり、CPU2110で実行される制御プログラム各種パラメータ、および入力画像データなどが格納される。
【0119】
通信部2160はネットワークおよび公衆回線を介して撮像装置1420および照明制御装置1450とデータを送受信する。CPU2110は、前述のメモリ2140に格納されるプログラム、データ、および処理結果を通信部2160を介して入出力する。
【0120】
操作部2130は、例えば、キーボードおよびポインティングデバイス等であり、ユーザは操作部2130を用いて情報処理装置1410に指示を入力する。なお、画像の入力および露出調整の開始、又は露出調整した結果を照明制御装置1150に送信する際には、操作部2130よってその指示が入力される。
【0121】
表示部2150は、例えば、カラーディスプレイ装置などのユーザインタフェース(UI)であり、露出調整業務の開始指示および各種警告の表示等を行う。
【0122】
撮像装置1420は、光学像を電気信号(アナログ信号)に変換する撮影素子2250を備えてする。A/D変換器2261は撮影素子2250から出力されたアナログ信号出力をデジタル信号に変換する。そして、画像処理部2220は、A/D変換器2261から出力されたデジタル信号又はメモリ2240に書き込まれた画像データに対してホワイトバランスを施す。
【0123】
さらに、画像処理部2220は所定の画素補間処理および色変換処理を実行する。また、画像処理部2220は、撮影の結果得られた画像データを用いて所定の演算処理を行う。
【0124】
図示のように、撮像装置1420の全体の動作を制御するコントローラ2210には、メモリ2240および通信部2260が接続されている。メモリ2240は、撮影の結果得られた画像データを格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像データを格納するための十分な記憶量を備えている。
【0125】
これによって、複数枚の静止画像データを連続して得る所謂連写撮影の場合においても、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ2240に対して行うことが可能となる。また、メモリ2240はコントローラ2210の作業領域としても用いられる。
【0126】
A/D変換器2261から出力されるデジタル信号(画像データ)は、画像処理部2220を介して、あるいは直接メモリ2240に書き込まれる。
【0127】
通信部2260は、例えば、RS232C、USB、IEEE1394、LAN、および無線通信等の各種通信機能を有し、撮像装置1420を他の機器、例えば、情報処理装置1410と接続する。撮像装置1420は通信部2260を介して情報処理装置1410およびプリンタ等の周辺機器(図示せず)との間で画像データおよび撮影パラメータの設定値を転送することができる。
【0128】
さらに、通信部2260は所謂X接点を有しており、照明制御装置1450および露出計(図示せず)等と接続されて、SYNC信号(撮影同期信号)を送信することができる。
【0129】
図示のように、照明装置1430は発光部2350を有している。図示はしないが、照明装置1431および1432の各々も発光部を備えている。照明制御装置1450は、照明装置1430、1431、および1432の発光部2350をエネルギー供給量(電力量)に応じて発光させる。
【0130】
照明制御装置1450はコントローラ2310を有し、このコントローラ2310は照明制御装置1450の全体の動作を制御する。そして、コントローラ2310はメモリ2340、通信部2360、操作部2330、表示部2320、および電源制御部2380に接続されている。
【0131】
メモリ2340は、照明装置1430、1431、および1432とコネクタ(図示せず)で接続される蓄電器2370、2371、および2372に関するエネルギー供給量および発光・非発光状態等を格納する。コントローラ2310は、操作部2330又は通信部2360からの指示に従って、メモリ2340に記憶された蓄電器2370、2371、および2372のエネルギー供給量および発光・非発光状態を上書きする。
【0132】
そして、コントローラ2310は電源制御部2380に対して蓄電器2370、2371、および2372のエネルギー供給量の変更を依頼する。電源制御部2380は、蓄電器2370、2371、および2372の蓄電量を、依頼されたエネルギー供給量に応じて変更する。
【0133】
通信部2360は、USBおよびLAN等の各種通信機能をいずれか1つ又は複数有し、照明制御装置1450を他の機器、例えば、情報処理装置1410と接続する。また、通信部2360は所謂X接点を有している。そして、撮像装置1420からSYNC信号(撮影同期信号)を受信すると、コントローラ2310はSYNC信号を受信したタイミングで蓄電器2370、2371、2372に蓄えた電力を用いて、照明装置1430、1431、1432の発光部を発光させる。
【0134】
図16は図2に示す撮影制御システム1400における動作を説明するためのフローチャートである。そして、図16(a)は事前準備を説明するためのフローチャートであり、図16(b)は撮像装置1420が撮影指示を受信した際の処理を説明するためのフローチャートである。
【0135】
図16(a)において、事前準備では、ユーザ(操作者ともいう)は所定の被写体1440および撮像装置1420と照明装置1430、1431、および1432とをそれぞれ所定の位置に配置する。そして、操作者は、予め定められたマニュアルに応じて照明装置1430、1431、および1432の発光量を調整して、撮像装置1420の最適な(適正な)露出設定を決定する(ステップS1601)。
【0136】
適正な露出設定を決定すると、操作者は全体発光量データおよび照明装置毎の単一照明装置発光量データを情報処理装置1410に登録して(S1602)、事前準備を終了する。
【0137】
ここで、全体発光量データとは、照明装置1430、1431、および1432を通常発光させて撮影した結果得られた画像データの全部または一部を示す。また、単一照明装置発光量データとは、照明装置1430、1431、および1432を1つずつ個別発光させて撮影した結果得られた画像データの全部または一部を示す。
【0138】
図示の例では、全体発光量データおよび単一照明装置発光量データを情報処理装置1410に登録して、情報処理装置1410に表示される操作画面を操作して照明装置調整指示を行って自動的に照明装置1430、1431、および1432の発光量調整を行う。
【0139】
図16(b)に示す処理は、撮像装置1420のメモリ2240に格納されたプログラムに応じてコントローラ2210が実行する。
【0140】
撮像装置1420の電源が投入されると、コントローラ2210はフラグおよび制御変数などを初期化する。そして、通信部2260を介してコントローラ2210は撮影指示を受信すると(ステップS1603)、コントローラ2210が記憶している距離データなどから、撮影レンズ(図示せず)のフォーカシングレンズを駆動して被写体1440に焦点を合わせる。
【0141】
また、コントローラ2210は測光データに従ってシャッタ(図示せず)を開放して撮影素子2250を露光する。つまり、コントローラ2210は撮影を行う(ステップS1604)。
【0142】
撮影素子2250の露光終了後、コントローラ2210は撮影素子2250から電荷信号(電気信号)を読出し、A/D変換器2261から出力されるデジタル信号に対して画像処理部2220においてデジタル露出補正、ホワイトバランス補正、色処理などを施す。
【0143】
そして、CPU2110はメモリ2240に画像のデータを書き込んだ後(ステップS1605)、通信部2260を介して情報処理装置1410に画像データを送信する(ステップS1606)。そして、コントローラ2210は処理を終了する。
【0144】
図17は図15に示す照明制御装置1450における処理を説明するためのフローチャートである。そして、図17(a)はエネルギー供給量を受信した際の処理を説明するためのフローチャートであり、図17(b)はSYNC信号(撮影同期信号)を受信した際の処理を説明するためのフローチャートである。
【0145】
図17(a)および(b)に示す処理は照明制御装置1450のメモリ2340に格納されたプログラムに応じてコントローラ2310によって実行される。
【0146】
図17(a)において、照明制御装置1450の電源が投入されると、コントローラ2310は、メモリ2340に記録された蓄電器2370、2371、および2372のエネルギー供給量(つまり、蓄電量)を表示部2320に表示する。そして、コントローラ2310は電源制御部2380によって照明装置1430、1431、および1432に対応する蓄電器2370、2371、および2372を充電する。
【0147】
いま、通信部2360でエネルギー供給量を受信すると(ステップS1701)、コントローラ2310は、指定された照明装置に対応する蓄電器のエネルギー供給量をメモリ2340に保存する(ステップS1702:エネルギー量設定)。そして、コントローラ2310は電源制御部2380に対して蓄電器2370、2371、および2372の充電を依頼する。電源制御部2380は、メモリ2340に保存されたエネルギー供給量に見合う電力量を蓄電器に充電して(ステップS1703)、処理を終了する。
【0148】
一方、図17(b)において、通信部がSYNC信号(撮影同期信号)を受信すると、コントローラ2310は電源制御部2380によって、メモリ2340に記憶された発光・非発光状態が発光状態を示す照明装置1430〜1432の発光部を発光させる(S1704)。ここでは、蓄電器2370〜2372に蓄えた電力を用いて発光が行われる。そして、電源制御部2380は、電力を消耗した蓄電器についてメモリ2340に記録されたエネルギー供給量に見合う電力量まで充電して(ステップS1705)、処理を終了する。
【0149】
図18は、図15に示す情報処理装置1410の表示部2150に表示される操作画面の一例を示す図である。
【0150】
図18を参照して、いま、情報処理装置1410において所定のプログラムが起動されると、CPU2110は表示部2150に操作画面5000を表示する。当該操作画面5000において、画像表示領域5310(色空間平面)は、撮像装置1420から受信した撮影画像データに応じた撮影画像を表示する領域である。また、この画像表示領域5310は照明装置の露出判定に用いる所定の位置として画像上の任意の座標を指定する際に用いられる。
【0151】
照明装置情報5100には、照明装置毎に、照明装置の番号5110、露出調整に用いられる座標5120、指定座標近傍の平均輝度値5130、撮影時のエネルギー供給量5140、および修正後のエネルギー供給量5150が表示される。
【0152】
警告表示領域5410はCPU2110が警告表示を行うための領域である。撮影ボタン5210を、例えば、マウスでクリックすると、CPU2110は撮像装置1420に撮影指示を送信する。そして、CPU2110は、受信した撮影画像データに応じた撮影画像を画像表示領域5310に表示する。
【0153】
発光量データ登録ボタン5230をクリックすると、CPU2110は画像表示領域5310に表示された画像データと照明装置情報5100に表示された情報を、照明装置毎の照明装置発光量データとしてメモリ2140に登録する。
【0154】
露出調整ボタン5220をクリックすると、CPU2110は、メモリ2140に登録した照明装置発光量データと比較して、後述するようにして、各照明装置の発光量調整を行う。そして、CPU2110は以後の露出調整において、照明装置毎の比較対象画像データとして用いる。
【0155】
エネルギー供給量受信ボタン5160がクリックされると、CPU2110は通信部2160を介して照明制御装置1450から各照明装置のエネルギー供給量を受信する。そして、CPU2110は照明装置情報5100に反映させる。照明装置情報5100における照明装置を選択した状態で、露出調整位置指定ボタン5180がクリックされると、CPU2110はマウスポインタ5320を露出調整位置指定時専用の形に変更する。
【0156】
続けて、画像表示領域5310に表示された撮影画像において所定の被写体に付された照明装置の発光量測定位置マークのうち、照明装置情報5100で選択された照明装置のマークの中心をクリックする。これにより、CPU2110は照明装置の露出判定用の規定座標を決定する。そして、CPU2110は照明装置情報5100の座標情報を更新する。
【0157】
エネルギー供給量送信ボタン5170がクリックされると、CPU2110は通信部2160を介して照明制御装置1150に各照明装置に係るエネルギー供給量を送信する。
【0158】
図19は、図15に示す情報処理装置1410で行われる発光量データの登録処理を説明するためのフローチャートである。図19に示す処理は情報処理装置1410のメモリ2140に格納されたプログラムに応じてCPU2110によって実行される。
【0159】
今、操作者が図18に示す発光量データ登録ボタン5230をクリックすると、CPU2110は照明制御装置1450および撮像装置1420を制御し、後述の照明装置の単体発撮影を実行する(ステップS1901)。そして、単一照明装置発光量データをメモリ2140に保存する(ステップS1902)。
【0160】
続いて、CPU2110は全ての照明装置について単一照明装置発光量データの登録を行ったか否かを判定する(ステップS1903)。単一照明装置発光量データの登録を行っていない照明装置があると(ステップS1903において、NO)、CPU2110はステップS1901の処理に戻る。
【0161】
一方、全ての照明装置について単一照明装置発光量データの登録が終了していると(ステップS1903において、NO)、CPU2110は、後述するようにして照明装置の通常発光撮影処理を実行する(ステップS1904)。そして、取得した画像データを全体発光量データとして登録する(ステップS1905)。そして、CPU2110は処理を終了する。
【0162】
図20は、図19に示す単発光撮影および通常発光撮影を説明するためのフローチャートである。そして、図20(a)は照明装置の単体発光撮影を説明するためのフローチャートであり、図20(b)は照明装置の通常発光撮影を説明するためのフローチャートである。
【0163】
図20(a)に示す単体発光撮影では、操作者が図18に示す撮影ボタン5210をクリックすると、CPU2110は照明装置情報5100に表示された照明装置の1つに対するエネルギー供給量を、通信部2160を介して照明制御装置1450に送信する。
【0164】
さらに、CPU2110は、複数の照明装置1430、1431、および1432のうち1つ(上記の選択された照明装置)だけが発光するように、照明制御装置1450に対して、発光・非発光状態指示を送信する(ステップS2001)。
【0165】
続いて、CPU2110は撮像装置1420に対して撮影指示を送信する(ステップS2002)。この撮影指示によって撮像装置1420は撮影を実行する。そして、CPU2110は撮像装置1420から画像データ(第1の画像データ)を受信する(ステップS2003)。
【0166】
CPU2110はこの画像データをメモリ2140に保存する(ステップS2004)。なお、CPU2110はこの画像データを単一照明装置発光量データとしてメモリ2140の他の領域に保存して、処理を終了する。
【0167】
図20(b)に示す通常発光撮影では、操作者が図18に示す撮影ボタン5210をクリックする。これに応答して、CPU2110は照明装置情報5100に表示された各照明装置に対するエネルギー供給量を、通信部2160を介して照明制御装置1450に送信する(ステップS2005)。通常発光撮影では、全ての照明装置が同時に発光する。
【0168】
続いて、CPU2110は通信部2160を介して撮像装置1420に撮影指示を送信する(ステップS2006)。この撮影指示によって撮像装置1420で撮影が行われて、CPU2110は撮像装置1420から画像データ(第2の画像データ)を受信する(ステップS2007)。そして、CPU2110は当該画像データをメモリ2140に保存し(ステップS1904)、受信した画像データを画像表示領域5310に表示して、処理を終了する。なお、この画像データは全体発光量データとしてメモリ2140に登録される。
【0169】
図21は図15に示す情報処理装置1410で行われる露出調整処理を説明するためのフローチャートである。図21に示す処理は情報処理装置1410のメモリ2140に格納されたプログラムに応じてCPU2110によって実行される。
【0170】
図15および図21を参照して、いま、図18に示す露出調整ボタン5220がクリックされると、CPU2110は照明制御装置1450および撮像装置1420を制御して、図20(a)で説明した単体発光撮影を行う(ステップS2101)。そして、CPU2110は後述するようにして、照明装置露出調整処理(照明装置発光量調整処理)を行う(ステップS2102)。この際、照明装置の調整履歴として調整日時および調整量がメモリ2140に保存される。
【0171】
続いて、CPU2110は照明装置の調整履歴から調整頻度が予め設定された許容範囲(頻度許容範囲)を超えているか否かについて確認する(ステップS2103)。調整頻度が頻度許容範囲を超えていると(ステップS2103において、NO)、CPU2110に図18に示す操作画面5000の警告表示領域5410に警告を表示する(ステップS2104)。そして、CPU2110は後述するステップS2105の処理に進む。
【0172】
なお、上記の頻度許容範囲は、例えば、発光量調整を3日連続で行なった場合を限度とするように日数で規定するようにする。また、発光量調整履歴に応じて最小自乗法を用いて発光量調整日の間隔を計算式で示して、発光量調整を行う頻度が毎日となる日を予測して、その日が近づいたら警告を発するようにしてもよい。
【0173】
調整頻度が頻度許容範囲以下であると(ステップS2103において、YES)、CPU2110は照明装置のエネルギー供給量調整可能幅が予め設定された許容範囲(エネルギー許容範囲)を超えているか否かについて確認する(ステップS2105)。ここで、エネルギー供給量調性可能幅とは、照明装置に供給する最大エネルギー供給量と現在のエネルギー供給量との差分をいう。
【0174】
エネルギー供給量調整可能幅がエネルギー許容範囲を超えていると(ステップS2105において、NO)、CPU2110は図18に示す操作画面5000の警告表示領域5410に警告を表示する(ステップS2106)。そして、CPU2110は後述するステップS2107の処理に進む。
【0175】
なお、エネルギー許容範囲として予め規定された定数を用いて、例えば、エネルギー供給量調整可能幅がこの定数以下となった場合に警告を発するようにしてもよい。また、発光量調整履歴に応じて最小自乗法を用いて照明装置のエネルギー供給量の変更量の変化を計算式で示して、エネルギー供給量の変更量が調整可能幅を超える日が近づいたら警告を発するようにしてもよい。
【0176】
エネルギー供給量調整可能幅がエネルギー許容範囲以下であると(ステップS2105において、YES)、CPU2110は全ての照明装置について調整が完了したか否かについて確認する(ステップS2107)。全ての照明装置について調整が完了していないと(ステップS2107において、NO)、CPU2110はステップS2101の処理に戻って、処理を続行する。
【0177】
一方、全ての照明装置について調整が完了すると(ステップS2107において、YES)、CPU2110は、図20(b)で説明した照明装置の通常発光撮影を行う(ステップS2108)。続いて、CPU2110は前に登録した全体発光量データと、照明装置の発光量調整後における通常発光撮影画像データとを比較して、露出が適正であるか否かを確認する(ステップS2109)。
【0178】
露出が適正でないと(ステップS2109において、NO)、CPU2110は図18に示す操作画面5000の警告表示領域5410に警告を表示して(ステップS2110)、処理を終了する。露出が適正であれば(ステップS2109において、YES)、CPU2110は処理を終了する。
【0179】
図22は、図21に示す照明装置発光量調整処理を説明するためのフローチャートである。
【0180】
図15および図21を参照して、照明装置発光量調整処理を開始すると、CPU2110は前にメモリ2140に保存した画像データを入力する(ステップS2201)。そして、CPU2110は予め指定された照明装置毎の露出調整に用いる座標5120(図18)を露出判定位置として指定する(ステップS2202)。続いて、CPU2110は当該露出判定位置の近傍のピクセルについてその平均輝度値を算出する(ステップS2203)。
【0181】
次に、CPU2110は平均輝度値と、図16(a)の処理で登録した照明装置発光量データとを比較して、発光量の調整が必要であるか否かについて判定する(ステップS2204)。発光量の調整が必要であると判定すると(ステップS2204において、YES)、CPU2110は、後述するようにして照明装置の出力値変更段数(エネルギー供給量変更段数)を決定する(ステップS2205)。そして、CPU2110は決定後のエネルギー供給量変更段数に応じて照明制御装置1450にエネルギー供給量を送信する(ステップS2206)。
【0182】
続いて、CPU2110は発光量を調整した照明装置についてその調整履歴(発光調整履歴ともいう)を更新して、調整日時および調整量を保存して(ステップS2207)、処理を終了する。なお、発光量の調整は必要でないと判定すると(ステップS2204において、NO)、CPU2110は、ステップS2207の処理に進んで、更新履歴を保存する。
【0183】
ここで、前述のした照明装置の出力値変更段数を決定する手法について説明する。
【0184】
図23は、画像データから得られた輝度値に応じて照明装置のエネルギー供給量を求める際に用いられるテーブルの一例を示す図である。
【0185】
図23に示すテーブルは、例えば、メモリ2140に格納され、図22で説明したステップS2205のエネルギー供給量変更段数の決定の際に用いられる。つまり、CPU2110は、図23のステップS2203で得られた平均輝度値に応じて当該テーブルを参照してエネルギー供給量を求める。
【0186】
ここでは、CPU2110は照明装置発光量データに応じて得られた輝度値に応じて図23に示すテーブルを参照して、対応するエネルギー供給量に基づいて適正エネルギー供給量を決定する。
【0187】
例えば、照明装置単体発光下で撮影した結果得られた画像データの平均輝度値が”70”であったとすると、図23に示すテーブルからエネルギー供給量は”3.9”とされる。そして、適正エネルギー供給量が4.9であるとすると、調整段数は”4.9−3.9=1.0”となって、照明装置発光量データを保存した時点から、照明装置は1.0段(10段階)性能劣化したことになる。よって、照明装置へのエネルギー供給量=適正エネルギー供給量+1.0=5.9となる。
【0188】
このようにして、撮影環境に合わせてエネルギー供給量毎の輝度値を測定しておけば、照明装置発光量データに応じた輝度値と、撮影画像データに応じた輝度値とに応じて、照明装置の現在の適正エネルギー供給量を得ることができる。
【0189】
上述のようにして、第4の実施形態では、撮影に関する知識のないスタッフでも容易に照明装置の発光量を調整することができるばかりでなく、照明装置が適正露出の発光量を維持しているうちに、照明装置の性能劣化を知ることができる。
【0190】
上述の説明から明らかなように、図1において、情報処理装置100および記憶部101が第1の保存手段、第2の保存手段、および第3の保存手段として機能する。また、情報処理装置100は選択手段又は第1の選択手段および第2の選択手段として機能する。さらに、情報処理装置100は露出調整手段として機能する。そして、情報処理装置100は警告手段として機能する。
【0191】
図14において情報処理装置1410および照明制御装置1450が第1の制御手段、調整手段、第2の制御手段、および判定手段として機能する。また、図15において、CPU2110およびメモリ2140が保存手段として機能し、CPU2110および表示部2150が警告手段として機能する。
【0192】
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0193】
例えば、上記の実施の形態の機能を制御方法として、この制御方法を、情報処理装置に実行させるようにすればよい。また、上述の実施の形態の機能を有する制御プログラムを、情報処理装置が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。
【0194】
この際、制御方法及び制御プログラムの各々は、少なくとも第1の保存ステップ、第2の保存ステップ、第3の保存ステップ、選択ステップ、および露出調整ステップを有する。また、制御方法及び制御プログラムの各々は、第1の保存ステップ、第2の保存ステップ、第3の保存ステップ、第1の選択ステップ、第2の選択ステップ、および露出調整ステップを有するようにしてもよい。
【0195】
加えて、制御方法及び制御プログラムの各々は、第1の制御ステップ、調整ステップ、第2の制御ステップ、および判定ステップを有するようにしてもよい。
【0196】
なお、制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
【0197】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0198】
100,1410 情報処理装置
101 記憶部
102−1〜102−n,1430〜1432 照明装置
103−1〜103−m カメラ
104−1〜104−m レンズユニット
1420 撮像装置
1440 被写体
1450 照明制御装置
2110 CPU
2350 発光部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための撮影制御装置であって、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量を照明設定値として保存する第1の保存手段と、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータをカメラ設定値として保存する第2の保存手段と、
前記カメラ設定値の各々に対応づけて前記照明設定値のうちから露出が適正となる照明設定値を基準照明設定値として保存する第3の保存手段と、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値に対応する前記基準照明設定値を選択照明設定値として選択する選択手段と、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整手段とを有することを特徴とする撮影制御装置。
【請求項2】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための撮影制御装置であって、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量を照明設定値として保存する第1の保存手段と、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータをカメラ設定値として保存する第2の保存手段と、
前記照明設定値の各々について、その照明環境で生成された少なくとも1つのカメラ設定値を、当該照明設定値の付帯情報として保存する第3の保存手段と、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値を選択カメラ設定値として選択する第1の選択手段と、
前記選択カメラ設定値が前記付帯情報とされた照明設定値を選択照明設定値として選択する第2の選択手段と、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整手段とを有することを特徴とする撮影制御装置。
【請求項3】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための撮影制御装置であって、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量を照明設定値として保存する第1の保存手段と、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータをカメラ設定値として保存する第2の保存手段と、
前記照明設定値の各々について、その照明環境で生成されたカメラ設定値に応じて算出された被写体輝度を、当該照明設定値の付帯情報として保存する第3の保存手段と、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値を選択カメラ設定値として選択する第1の選択手段と、
前記選択カメラ設定値が前記付帯情報とされた照明設定値を選択照明設定値として選択する第2の選択手段と、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整手段とを有することを特徴とする撮影制御装置。
【請求項4】
前記露出調整手段は前記撮影に用いるカメラ毎にその露出パラメータを調整することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の撮影制御装置。
【請求項5】
前記露出調整手段は、前記露出パラメータの調整を行う際、前記カメラ設定値におけるISO値を調整することを特徴とする請求項4に記載の撮影制御装置。
【請求項6】
前記露出調整手段は、前記ISO値を調整しても前記差分が所定の閾値以下とならないと、さらに前記カメラ設定値における絞り値を調整することを特徴とする請求項5に記載の撮影制御装置。
【請求項7】
前記露出調整手段による前記絞り値の調整によっても前記差分が前記所定の閾値以下とならないと、警告を発する警告手段を有することを特徴とする請求項6に記載の撮影制御装置。
【請求項8】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための制御方法であって、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量をメモリに照明設定値として保存する第1の保存ステップと、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータを前記メモリにカメラ設定値として保存する第2の保存ステップと、
前記カメラ設定値の各々に対応づけて前記照明設定値のうちから露出が適正となる照明設定値を前記メモリに基準照明設定値として保存する第3の保存ステップと、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値に対応する前記基準照明設定値を選択照明設定値として選択する選択ステップと、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための制御方法であって、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量をメモリに照明設定値として保存する第1の保存ステップと、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータを前記メモリにカメラ設定値として保存する第2の保存ステップと、
前記照明設定値の各々について、その照明環境で生成された少なくとも1つのカメラ設定値を、前記メモリに当該照明設定値の付帯情報として保存する第3の保存ステップと、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値を選択カメラ設定値として選択する第1の選択ステップと、
前記選択カメラ設定値が前記付帯情報とされた照明設定値を選択照明設定値として選択する第2の選択ステップと、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項10】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための制御方法であって、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量をメモリに照明設定値として保存する第1の保存ステップと、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータを前記メモリにカメラ設定値として保存する第2の保存ステップと、
前記照明設定値の各々について、その照明環境で生成されたカメラ設定値に応じて算出された被写体輝度を、前記メモリに当該照明設定値の付帯情報として保存する第3の保存ステップと、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値を選択カメラ設定値として選択する第1の選択ステップと、
前記選択カメラ設定値が前記付帯情報とされた照明設定値を選択照明設定値として選択する第2の選択ステップと、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項11】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量をメモリに照明設定値として保存する第1の保存ステップと、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータを前記メモリにカメラ設定値として保存する第2の保存ステップと、
前記カメラ設定値の各々に対応づけて前記照明設定値のうちから露出が適正となる照明設定値を前記メモリに基準照明設定値として保存する第3の保存ステップと、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値に対応する前記基準照明設定値を選択照明設定値として選択する選択ステップと、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整ステップとを実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項12】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量をメモリに照明設定値として保存する第1の保存ステップと、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータを前記メモリにカメラ設定値として保存する第2の保存ステップと、
前記照明設定値の各々について、その照明環境で生成された少なくとも1つのカメラ設定値を、前記メモリに当該照明設定値の付帯情報として保存する第3の保存ステップと、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値を選択カメラ設定値として選択する第1の選択ステップと、
前記選択カメラ設定値が前記付帯情報とされた照明設定値を選択照明設定値として選択する第2の選択ステップと、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整ステップとを実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項13】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量をメモリに照明設定値として保存する第1の保存ステップと、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータを前記メモリにカメラ設定値として保存する第2の保存ステップと、
前記照明設定値の各々について、その照明環境で生成されたカメラ設定値に応じて算出された被写体輝度を、前記メモリに当該照明設定値の付帯情報として保存する第3の保存ステップと、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値を選択カメラ設定値として選択する第1の選択ステップと、
前記選択カメラ設定値が前記付帯情報とされた照明設定値を選択照明設定値として選択する第2の選択ステップと、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整ステップとを実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項14】
少なくとも1つのカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記照明装置を制御するための撮影制御装置であって、
前記複数の照明装置をそれぞれ単体で発光させる単体発光で所定の被写体を前記カメラで撮像して複数の第1の画像データを得る第1の制御手段と、
前記第1の画像データをそれぞれ照明装置発光量データとして、前記照明装置発光量データと前記複数の照明装置毎に予め登録された発光量データとに応じて前記複数の照明装置の各々についてその発光量を調整する調整手段と、
前記調整手段による前記発光量の調整の後、前記複数の照明装置を同時に発光させる通常発光で前記所定の被写体を前記カメラで撮像して第2の画像データを得る第2の制御手段と、
前記第2の画像データと予め登録された通常発光における画像データとを比較して露出調整が必要であるか否かを判定する判定手段とを有することを特徴とする撮影制御装置。
【請求項15】
前記調整手段で行われた発光量の調整についてその履歴を発光調整履歴として保存する保存手段を有することを特徴とする請求項14に記載の撮影制御装置。
【請求項16】
前記発光調整履歴が示す調整頻度が予め定められた許容範囲を超えると警告を発する警告手段を有することを特徴とする請求項15に記載の撮影制御装置。
【請求項17】
前記調整手段による発光量の調整を行う際、当該発光量の調整量が所定の許容範囲を超えると、前記警告手段は警告を発することを特徴とする請求項16に記載の撮影制御装置。
【請求項18】
前記判定手段によって露出の調整が必要であると判定されると、前記警告手段は警告を発することを特徴とする請求項16又は17に記載の撮影制御装置。
【請求項19】
前記調整手段は、前記第1の画像データについて平均輝度値を求めて、当該平均輝度値と前記予め登録された発光量データの平均輝度値とを比較して前記発光量の調整を行うか否かを決定することを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載の撮影制御装置。
【請求項20】
少なくとも1つのカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記照明装置を制御するための制御方法であって、
前記複数の照明装置をそれぞれ単体で発光させる単体発光で所定の被写体を前記カメラで撮像して複数の第1の画像データを得る第1の制御ステップと、
前記第1の画像データをそれぞれ照明装置発光量データとして、前記照明装置発光量データと前記複数の照明装置毎に予め登録された発光量データとに応じて前記複数の照明装置の各々についてその発光量を調整する調整ステップと、
前記調整ステップによる前記発光量の調整の後、前記複数の照明装置を同時に発光させる通常発光で前記所定の被写体を前記カメラで撮像して第2の画像データを得る第2の制御ステップと、
前記第2の画像データと予め登録された通常発光における画像データとを比較して露出調整が必要であるか否かを判定する判定ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項21】
少なくとも1つのカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記照明装置を制御するための制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記複数の照明装置をそれぞれ単体で発光させる単体発光で所定の被写体を前記カメラで撮像して複数の第1の画像データを得る第1の制御ステップと、
前記第1の画像データをそれぞれ照明装置発光量データとして、前記照明装置発光量データと前記複数の照明装置毎に予め登録された発光量データとに応じて前記複数の照明装置の各々についてその発光量を調整する調整ステップと、
前記調整ステップによる前記発光量の調整の後、前記複数の照明装置を同時に発光させる通常発光で前記所定の被写体を前記カメラで撮像して第2の画像データを得る第2の制御ステップと、
前記第2の画像データと予め登録された通常発光における画像データとを比較して露出調整が必要であるか否かを判定する判定ステップとを実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項1】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための撮影制御装置であって、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量を照明設定値として保存する第1の保存手段と、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータをカメラ設定値として保存する第2の保存手段と、
前記カメラ設定値の各々に対応づけて前記照明設定値のうちから露出が適正となる照明設定値を基準照明設定値として保存する第3の保存手段と、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値に対応する前記基準照明設定値を選択照明設定値として選択する選択手段と、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整手段とを有することを特徴とする撮影制御装置。
【請求項2】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための撮影制御装置であって、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量を照明設定値として保存する第1の保存手段と、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータをカメラ設定値として保存する第2の保存手段と、
前記照明設定値の各々について、その照明環境で生成された少なくとも1つのカメラ設定値を、当該照明設定値の付帯情報として保存する第3の保存手段と、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値を選択カメラ設定値として選択する第1の選択手段と、
前記選択カメラ設定値が前記付帯情報とされた照明設定値を選択照明設定値として選択する第2の選択手段と、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整手段とを有することを特徴とする撮影制御装置。
【請求項3】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための撮影制御装置であって、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量を照明設定値として保存する第1の保存手段と、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータをカメラ設定値として保存する第2の保存手段と、
前記照明設定値の各々について、その照明環境で生成されたカメラ設定値に応じて算出された被写体輝度を、当該照明設定値の付帯情報として保存する第3の保存手段と、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値を選択カメラ設定値として選択する第1の選択手段と、
前記選択カメラ設定値が前記付帯情報とされた照明設定値を選択照明設定値として選択する第2の選択手段と、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整手段とを有することを特徴とする撮影制御装置。
【請求項4】
前記露出調整手段は前記撮影に用いるカメラ毎にその露出パラメータを調整することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の撮影制御装置。
【請求項5】
前記露出調整手段は、前記露出パラメータの調整を行う際、前記カメラ設定値におけるISO値を調整することを特徴とする請求項4に記載の撮影制御装置。
【請求項6】
前記露出調整手段は、前記ISO値を調整しても前記差分が所定の閾値以下とならないと、さらに前記カメラ設定値における絞り値を調整することを特徴とする請求項5に記載の撮影制御装置。
【請求項7】
前記露出調整手段による前記絞り値の調整によっても前記差分が前記所定の閾値以下とならないと、警告を発する警告手段を有することを特徴とする請求項6に記載の撮影制御装置。
【請求項8】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための制御方法であって、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量をメモリに照明設定値として保存する第1の保存ステップと、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータを前記メモリにカメラ設定値として保存する第2の保存ステップと、
前記カメラ設定値の各々に対応づけて前記照明設定値のうちから露出が適正となる照明設定値を前記メモリに基準照明設定値として保存する第3の保存ステップと、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値に対応する前記基準照明設定値を選択照明設定値として選択する選択ステップと、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための制御方法であって、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量をメモリに照明設定値として保存する第1の保存ステップと、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータを前記メモリにカメラ設定値として保存する第2の保存ステップと、
前記照明設定値の各々について、その照明環境で生成された少なくとも1つのカメラ設定値を、前記メモリに当該照明設定値の付帯情報として保存する第3の保存ステップと、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値を選択カメラ設定値として選択する第1の選択ステップと、
前記選択カメラ設定値が前記付帯情報とされた照明設定値を選択照明設定値として選択する第2の選択ステップと、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項10】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための制御方法であって、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量をメモリに照明設定値として保存する第1の保存ステップと、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータを前記メモリにカメラ設定値として保存する第2の保存ステップと、
前記照明設定値の各々について、その照明環境で生成されたカメラ設定値に応じて算出された被写体輝度を、前記メモリに当該照明設定値の付帯情報として保存する第3の保存ステップと、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値を選択カメラ設定値として選択する第1の選択ステップと、
前記選択カメラ設定値が前記付帯情報とされた照明設定値を選択照明設定値として選択する第2の選択ステップと、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項11】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量をメモリに照明設定値として保存する第1の保存ステップと、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータを前記メモリにカメラ設定値として保存する第2の保存ステップと、
前記カメラ設定値の各々に対応づけて前記照明設定値のうちから露出が適正となる照明設定値を前記メモリに基準照明設定値として保存する第3の保存ステップと、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値に対応する前記基準照明設定値を選択照明設定値として選択する選択ステップと、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整ステップとを実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項12】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量をメモリに照明設定値として保存する第1の保存ステップと、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータを前記メモリにカメラ設定値として保存する第2の保存ステップと、
前記照明設定値の各々について、その照明環境で生成された少なくとも1つのカメラ設定値を、前記メモリに当該照明設定値の付帯情報として保存する第3の保存ステップと、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値を選択カメラ設定値として選択する第1の選択ステップと、
前記選択カメラ設定値が前記付帯情報とされた照明設定値を選択照明設定値として選択する第2の選択ステップと、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整ステップとを実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項13】
複数のカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記カメラおよび前記照明装置を制御するための制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記照明装置の各々について、撮影のテーマに応じて発光の有無および発光量をメモリに照明設定値として保存する第1の保存ステップと、
前記カメラの各々について、撮影のテーマに応じた撮影パラメータを前記メモリにカメラ設定値として保存する第2の保存ステップと、
前記照明設定値の各々について、その照明環境で生成されたカメラ設定値に応じて算出された被写体輝度を、前記メモリに当該照明設定値の付帯情報として保存する第3の保存ステップと、
撮影に用いるカメラを選択した際に、前記カメラ設定値のうち被写体輝度が最小となるカメラ設定値を選択カメラ設定値として選択する第1の選択ステップと、
前記選択カメラ設定値が前記付帯情報とされた照明設定値を選択照明設定値として選択する第2の選択ステップと、
前記選択照明設定値に対して適正露出となるカメラ設定値における被写体輝度と前記撮影に用いるカメラに係るカメラ設定値における被写体輝度との差分に基づいて、前記撮影に用いるカメラの露出調整を行う露出調整ステップとを実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項14】
少なくとも1つのカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記照明装置を制御するための撮影制御装置であって、
前記複数の照明装置をそれぞれ単体で発光させる単体発光で所定の被写体を前記カメラで撮像して複数の第1の画像データを得る第1の制御手段と、
前記第1の画像データをそれぞれ照明装置発光量データとして、前記照明装置発光量データと前記複数の照明装置毎に予め登録された発光量データとに応じて前記複数の照明装置の各々についてその発光量を調整する調整手段と、
前記調整手段による前記発光量の調整の後、前記複数の照明装置を同時に発光させる通常発光で前記所定の被写体を前記カメラで撮像して第2の画像データを得る第2の制御手段と、
前記第2の画像データと予め登録された通常発光における画像データとを比較して露出調整が必要であるか否かを判定する判定手段とを有することを特徴とする撮影制御装置。
【請求項15】
前記調整手段で行われた発光量の調整についてその履歴を発光調整履歴として保存する保存手段を有することを特徴とする請求項14に記載の撮影制御装置。
【請求項16】
前記発光調整履歴が示す調整頻度が予め定められた許容範囲を超えると警告を発する警告手段を有することを特徴とする請求項15に記載の撮影制御装置。
【請求項17】
前記調整手段による発光量の調整を行う際、当該発光量の調整量が所定の許容範囲を超えると、前記警告手段は警告を発することを特徴とする請求項16に記載の撮影制御装置。
【請求項18】
前記判定手段によって露出の調整が必要であると判定されると、前記警告手段は警告を発することを特徴とする請求項16又は17に記載の撮影制御装置。
【請求項19】
前記調整手段は、前記第1の画像データについて平均輝度値を求めて、当該平均輝度値と前記予め登録された発光量データの平均輝度値とを比較して前記発光量の調整を行うか否かを決定することを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載の撮影制御装置。
【請求項20】
少なくとも1つのカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記照明装置を制御するための制御方法であって、
前記複数の照明装置をそれぞれ単体で発光させる単体発光で所定の被写体を前記カメラで撮像して複数の第1の画像データを得る第1の制御ステップと、
前記第1の画像データをそれぞれ照明装置発光量データとして、前記照明装置発光量データと前記複数の照明装置毎に予め登録された発光量データとに応じて前記複数の照明装置の各々についてその発光量を調整する調整ステップと、
前記調整ステップによる前記発光量の調整の後、前記複数の照明装置を同時に発光させる通常発光で前記所定の被写体を前記カメラで撮像して第2の画像データを得る第2の制御ステップと、
前記第2の画像データと予め登録された通常発光における画像データとを比較して露出調整が必要であるか否かを判定する判定ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項21】
少なくとも1つのカメラと複数の照明装置とを用いて撮影を行う際に用いられ、前記照明装置を制御するための制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記複数の照明装置をそれぞれ単体で発光させる単体発光で所定の被写体を前記カメラで撮像して複数の第1の画像データを得る第1の制御ステップと、
前記第1の画像データをそれぞれ照明装置発光量データとして、前記照明装置発光量データと前記複数の照明装置毎に予め登録された発光量データとに応じて前記複数の照明装置の各々についてその発光量を調整する調整ステップと、
前記調整ステップによる前記発光量の調整の後、前記複数の照明装置を同時に発光させる通常発光で前記所定の被写体を前記カメラで撮像して第2の画像データを得る第2の制御ステップと、
前記第2の画像データと予め登録された通常発光における画像データとを比較して露出調整が必要であるか否かを判定する判定ステップとを実行させることを特徴とする制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−194349(P2012−194349A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58045(P2011−58045)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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