説明

操作スイッチ装置

【課題】自動車の音響や空調機器等の操作に用いられる操作スイッチ装置に関し、簡易な構成で、安価で操作形態の多様な配置が可能なものを提供することを目的とする。
【解決手段】略箱状の内ケース11の上面に設けた複数の開口部11A内に、上下動可能に押圧体12を収納し、この押圧体12の上下動に伴い電気的接離が行われるプッシュスイッチ14を配置して、押圧体12の側面に軸部12Bを設けると共に、操作体16、17又は18の保持部16B、17B又は18Bに軸部12Bを係合させ、プッシュ操作スイッチ部又は揺動操作スイッチ部を設けて操作スイッチ装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に自動車のステアリングやフロントパネルに装着され、音響や空調機器等の操作に用いられる操作スイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車室内のステアリングやフロントパネルに揺動操作型やプッシュ操作型のスイッチ部を配置し、これらのスイッチ部によってオーディオやエアコン等の各種電子機器の操作を行う操作スイッチ装置が増えている。
【0003】
このような従来の操作スイッチ装置について、図8〜図10を用いて説明する。
【0004】
図8及び図9は従来の操作スイッチ装置の断面図、図10は同外観斜視図であり、図10において、片側には「Mode」や「Mute」が各々表示された操作体1、2を装着したプッシュ操作スイッチ部が配置され、片側には上面に「Volume」が表示された操作体3を装着した揺動操作スイッチ部が配置されており、図8にプッシュ操作スイッチ部の断面を、図9に揺動操作スイッチ部の断面を各々記載している。
【0005】
そして、図8において、4は絶縁樹脂製の内ケースで、上面には筒状に突出した開口部4Aが左右方向に並んで形成され、この各開口部4A内に下面開口で略箱状の操作体1及び2が上下動可能に装着されている。
【0006】
また、5は上下面に複数の導電パターン(図示せず)が形成された配線基板で、配線基板5上面には、上方に付勢された押釦6Aを有する複数のプッシュスイッチ6が実装されている。
【0007】
さらに、操作体1、2の下面には押圧部1A、2Aが各々突出して、押圧部1A、2A下端が配線基板5に実装された左右のプッシュスイッチ6の各押釦6Aに当接している。
【0008】
そして、7は略箱状のカバーで、このカバー7が内ケース4や配線基板5などを覆うと共に、カバー7上面の開口部7Aから操作体2、3の上面が突出してプッシュ操作スイッチ部が形成されている。
【0009】
次に、図9において、内ケース4の上面中央に設けた凹状の軸受け部4Bに、操作体3の下面中央から下方へ突出した軸部3Aが軸支されて、操作体3が内ケース4に揺動可能に保持されている。
【0010】
そして、8は内ケース4の略筒状のガイド部4C内に上下動可能に挿通された略柱状の押圧子で、操作体3下面の両端近傍から突出した押圧部3Bが押圧子8を介して、プッシュスイッチ6の押釦6A上面に当接している。
【0011】
また、カバー7の開口部7Bから操作体3上面が突出して揺動操作スイッチ部が形成されると共に、この揺動操作スイッチ部とプッシュ操作スイッチ部が並んで配置されて操作スイッチ装置が構成されている。
【0012】
なお、上述のように、内ケース4の形状において、プッシュ操作スイッチ部の開口部4Aに対し、揺動操作スイッチ部のガイド部4Cと軸受け部4Bというように、互いに形状が異なるものとなっている。
【0013】
また、このような操作スイッチ装置は車室内のステアリングやフロントパネルに装着され、プッシュスイッチ6等が配線基板5を介して、オーディオやエアコン等の各種電子機器や、自動車の電子回路(図示せず)に電気的に接続される。
【0014】
以上の構成において、例えば、図10に示すように、プッシュ操作スイッチ部の「Mode」が表示された操作体1上面を押圧すると、操作体1が下降すると共に、押圧部1Aがプッシュスイッチ6の押釦6Aをその付勢力に逆らって押圧する。
【0015】
そして、押圧された右方のプッシュスイッチ6の電気的接離が行われ、例えば、オーディオのモード、即ちラジオやCD、及びMDなどが切換えられる。
【0016】
また、例えば、図10に示すように、揺動操作スイッチ部の「Volume」が表示された操作体3上面の右方を押圧操作すると、操作体3が軸部3Aを中心として時計方向に揺動し、右側の押圧部3Bが押圧子8を介してプッシュスイッチ6の押釦6Aをその付勢力に逆らって押圧する。
【0017】
そして、押圧された右方のプッシュスイッチ6の電気的接離が行われ、例えば、オーディオの音量が大きくなる。
【0018】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2005−276650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら上記従来の操作スイッチ装置においては、装着される自動車の車種やグレードによって、揺動操作スイッチ部やプッシュ操作スイッチ部の配置が異なるものや、揺動操作スイッチ部のみや、あるいはプッシュ操作スイッチ部のみで構成される場合があり、このような操作形態の配置が多様な操作スイッチ装置に対応するには、それらの異なる構成に応じて都度、異なる形状の内ケース4を作製する必要があり、高価なものになり易いという課題があった。
【0020】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、簡易な構成で内ケースの共用化が図れ、安価で操作形態の多様な配置が可能な操作スイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【0022】
本発明の請求項1に記載の発明は、略箱状のケースの上面に複数の開口部を設けて、各開口部に上下動可能に収納された押圧体と、この押圧体の上下動に伴い電気的接離が行われるスイッチ接点からなり、押圧体の側面に軸部を設けると共に、押圧体の上方に配置した操作体の保持部に軸部を係合させて操作スイッチ装置を構成したものであり、例えば、1つの押圧体の軸部に1つの操作体の保持部を係合させ、操作体を押圧操作することにより操作体と押圧体が共に上下動するプッシュ操作スイッチ部を形成し、あるいは、2つの並んだ押圧体の上方に1つの操作体を配置して、これらの押圧体の各軸部に対応して操作体に設けた2つの保持部を係合させ、操作体を押圧操作することにより操作体が揺動する揺動操作スイッチ部を形成することが、内ケースや押圧体を共用してできるため、簡易な構成で、安価で操作形態の多様な配置が可能な操作スイッチ装置を得ることができるという作用を有する。
【0023】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、押圧体の側面に設けた軸部の断面形状を略小判状としたものであり、プッシュ操作スイッチ部を形成する場合には、操作体の保持部を軸部の断面形状に対しやや大きい凹状として、軸部に係合させて軸部に対し回動不能に保持し、保持体を操作した時のがたつきを少ないものにすることができ、揺動操作スイッチ部を形成する場合には、操作体の保持部を略円形の凹状として、この保持部を軸部に係合させて軸部に対し操作体が回動可能に保持することにより、円滑な揺動操作が可能で、揺動操作やプッシュ操作の際に確実な操作が可能なものにすることができるという作用を有する。
【0024】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、押圧体下部の側面に略円弧状の当接部を設けると共に、隣合う押圧体の当接部に両端部が近接する略小判状の操作補助体を回転可能に配設したものであり、両押圧体上方に操作体を配置して、操作体の左右のいずれか一方が押圧操作された時には、押圧された押圧体が下降して操作補助体が回転し操作体が揺動するが、両方の押圧体が同時に押圧操作された時には、各押圧体の対向する側面が近接する操作補助体に当接して押圧体が下降できないため、操作体の略中央を押圧操作した場合には動作しないようにして確実な操作が可能な揺動操作スイッチ部のものにすることができるという作用を有する。
【発明の効果】
【0025】
以上のように本発明によれば、簡易な構成により、安価で操作形態の多様な配置が可能な操作スイッチ装置を得られるという有利な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図7を用いて説明する。
【0027】
なお、従来の技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
【0028】
(実施の形態)
図1及び図2は本発明の一実施の形態による操作スイッチ装置の断面図、図3は同分解斜視図、及び図4は同外観斜視図であり、図4(a)において、片側には「Mode」や「Mute」が各々表示された操作体17、16を装着したプッシュ操作スイッチ部が配置され、片側には上面に「Volume」が表示された操作体18を装着した揺動操作スイッチ部が配置されており、プッシュ操作スイッチ部の断面を図1に、揺動操作スイッチ部の断面を図2に各々記載している。
【0029】
図1において、11はポリオキシメチレンやABSなどの絶縁樹脂製で略箱状の内ケースで、この上面には所定の間隔で同形状の複数の開口部11Aが設けられている。
【0030】
そして、12はポリオキシメチレンやABSなどの絶縁樹脂製で略筒状の押圧体で、内側に貫通部12Aが設けられると共に、上方の内側面には断面が略小判状の軸部12Bが互いに対向して突出し、各押圧体12が内ケース11の各開口部11A内に上下動可能に収納されている。
【0031】
また、13は紙フェノール樹脂やガラスエポキシ樹脂などの絶縁樹脂製の配線基板で、上下面に複数の導電パターン(図示せず)が形成されると共に、上面にはスイッチ接点として上方に付勢された押釦14Aを有するプッシュスイッチ14や各種電子部品が実装されている。
【0032】
さらに、16、17はポリカーボネートやABSなどの絶縁樹脂製で略蓋状の操作体で、下面に保持体16Aや17Aが延出すると共に、それらの下部には図5(a)の要部拡大図に示すように、軸部12Bの断面形状よりやや大きい形状で凹状の保持部16Bや17Bが形成されている。
【0033】
そして、保持部16B、17Bが各押圧体12の軸部12Bに係合して、操作体16、17が押圧体12に対して回動やがたつきが規制されて保持されている。
【0034】
また、押圧体12下端がプッシュスイッチ14の押釦14A上面に当接すると共に、押圧体12上部の外周の肩部12Cが内ケース11の開口部11Aの内側に突出した段部11Bに当接して、操作体16、17への押圧操作によって押圧体12を介してプッシュスイッチ14の電気的接離が行われるようにして、プッシュ操作スイッチ部が形成されている。
【0035】
次に、図2に示す揺動操作スイッチ部において、内ケース11前側に配置された2つの各開口部11Aに押圧体12が上下動可能に収納され、配線基板13に実装されたプッシュスイッチ14の押釦14Aに押圧体12下端が当接していることは、図1に示した上記プッシュ操作スイッチ部と同様である。
【0036】
そして、18はポリカーボネートやABSなどの絶縁樹脂製で略蓋状の操作体で、この下面の2箇所から保持体18Aが下方に延出すると共に、保持体18Aの下部には、図5(b)に示すように、軸部12Bの断面形状よりやや大きい直径の略円形で凹状の保持部18Bが形成されている。
【0037】
また、各保持部18Bが対応する左右の押圧体12の軸部12Bに係合して、操作体18が押圧体12に対して回動可能に保持されている。
【0038】
さらに、19はポリオキシメチレンやABSなどの絶縁樹脂製で横長の略小判状の操作補助体であり、この前後側面に軸19Aが突出し、内ケース11の外側面と内壁に設けた軸孔11Cに軸19Aが係合して操作補助体19が回転可能に内ケース11に保持されている。
【0039】
なお、押圧体12下部の側面には略円弧状の当接部12Dが形成されて、操作補助体19上部の両側面の円弧部19Bが左右の当接部12Dに近接して配置されると共に、操作補助体19が所定角度を回転可能に、操作補助体19の円弧部19Bと押圧体12の当接部12Dの形状が設定されている。
【0040】
そして、操作体18の左側または右側を押圧すると、押圧操作した側に操作体18が揺動すると共にその下方の押圧体12が下降し、押圧体12が当接するプッシュスイッチ14の押釦14Aを押圧して電気的接離が行われるようにして、揺動操作スイッチ部が形成されている。
【0041】
さらに、20は絶縁樹脂製で上下面開口のカバー、21は同じく絶縁樹脂製の下ケースで、カバー20と下ケース21によってプッシュ操作スイッチ部と揺動操作スイッチ部が覆われて操作スイッチ装置が構成されている。
【0042】
そして、このような構成の操作スイッチ装置は、車室内のステアリングやフロントパネルに装着され、プッシュスイッチ14等が配線基板13を介して、オーディオやエアコン等の各種電子機器や、自動車の電子回路(図示せず)に電気的に接続される。
【0043】
以上の構成において、例えば、図4に示す、プッシュ操作スイッチ部の「Mode」が表示された操作体17上面を押圧すると、図6の断面図に示すように、右方の操作体17が下降すると共に、操作体17が保持された右側の押圧体12が当接するプッシュスイッチ14の押釦14Aをその付勢力に逆らって押圧する。
【0044】
そして、押圧されたプッシュスイッチ14の電気的接離が行われ、例えば、オーディオのモード、即ちラジオやCD、又はMDなどが選択されて切換えられる。
【0045】
また、図4に示すように、揺動操作スイッチ部の「Volume」が表示された操作体18上面の右方を押圧操作すると、図7の断面図に示すように、左側の押圧体12の軸部12Bを中心として保持部18Bが回動して、操作体18が時計方向に揺動し、右側の保持部18Bを介して下方の押圧体12が下降すると共に、この押圧体12が当接するプッシュスイッチ14の押釦14Aをその付勢力に逆らって押圧する。
【0046】
そして、押圧されたプッシュスイッチ14の電気的接離が行われ、例えば、オーディオの音量が大きくなる。
【0047】
なお、この時、左右の押圧体12の略中間の下方に配置された操作補助体19は、右側の押圧体12の下降に伴って、押圧体12の左側面の当接部12Dが操作補助体19の右側の円弧部19Bに当接し、操作補助体19は軸19Aを中心に時計方向へ回転する。
【0048】
そして、操作補助体19が時計方向へ回転すると、左側の円弧部19Bは左側の押圧体12の右側面の当接部12Dに沿って回転して、右側の押圧体12のみ下降するようになっている。
【0049】
また、図2に示すような未操作状態において、例えば、操作体18の左右方向の略中間を押圧操作した場合には、左右の押圧体12の両方が下降し始めるが、この時、両押圧体12の間にある操作補助体19上部の左右の円弧部19Bに押圧体12の当接部12Dが同時に当接して、両押圧体12は同時に下降はできない。
【0050】
つまり、操作体18の左側または右側を押圧操作した時には、押圧体12の当接部12Dにより操作補助体19が回転して、押圧された側の押圧体12だけが確実に下降するが、操作体18の略中央を押圧操作した場合には、左右の押圧体12が同時に下降できないようにして、確実な揺動操作が可能な揺動操作スイッチ部となっている。
【0051】
また、図4(a)に示すように、操作スイッチ装置の右側に揺動操作スイッチ部を、左側にプッシュ操作スイッチ部を各々配置した構成から、図4(b)に示すように、右側にプッシュ操作スイッチ部を、左側に揺動操作スイッチ部を各々配置した構成に変更する場合には、前側の各押圧体12に操作体16、17を各々装着し、左側の隣合って並ぶ2つの押圧体12に操作体18を装着すると共に、左側の両押圧体12の間に操作補助体19を装着することにより、内ケース11を共用して所望の操作スイッチ装置を実現することができる。
【0052】
さらに、図4(c)に示すように、全てをプッシュ操作スイッチ部にする場合には、片側に装着された操作体18や操作補助体19に代えて、操作体16、17と同様な形状の操作体を操作体18下方に位置した押圧体12に各々装着することにより、同じく内ケース11を共用して所望の操作スイッチ装置を実現することができる。
【0053】
このように本実施の形態によれば、略箱状の内ケース11の上面に設けた複数の開口部11A内に、上下動可能に押圧体12を収納し、この押圧体12の上下動に伴い電気的接離が行われるプッシュスイッチ14を配置して、押圧体12の側面に軸部12Bを設けると共に、押圧体12の上方に配置した操作体16、17の保持部16A、17Aに軸部12Bを係合させ、あるいは2つの並んだ押圧体12の上方に配置した操作体18の2つの保持体18Aに対応して軸部12Bを係合させて操作スイッチ装置を構成することにより、操作体16、17とこれらに対応する押圧体12によってプッシュ操作スイッチ部が、操作体18とこれに対応する押圧体12によって揺動操作スイッチ部が各々形成することが、内ケース11や押圧体12を共用してできるため、簡易な構成で、安価で操作形態の多様な配置が容易に可能な操作スイッチ装置を得ることができるものである。
【0054】
そして、押圧体12側面の軸部12Bの断面形状を略小判状とすることにより、プッシュ操作スイッチ部を形成する場合には、操作体16、17の保持部16A、17Aを軸部12Bの断面形状よりやや大きい形状で凹状にして、軸部12Bに係合させて軸部12Bに対し回動やがたつきを規制することによって、操作体を押圧操作した時のがたつきを少ないものにすることができ、また、揺動操作スイッチ部を形成する場合には、操作体18の保持部18Bを略円形の凹状にして軸部12Bに係合させ、軸部12Bに対し操作体18が回動可能とすることによって、円滑な揺動操作が可能なものにすることができる。
【0055】
また、押圧体12下部の側面に略円弧状の当接部12Dを設けると共に、隣合う押圧体12の当接部12Dに両端部が近接する略小判状の操作補助体19を回転可能に配設することにより、両押圧体12上方に操作体18を配置して、操作体18の左右のいずれか一方が押圧操作された時には、押圧された側の押圧体12が下降して操作補助体19が回転し操作体18が揺動するが、両方の押圧体12が同時に押圧された時には、各押圧体12の当接部12Dが操作補助体19に当接して押圧体12が下降できないため、操作体18の左右方向の略中間を押圧操作された場合には動作しないようにして、確実な揺動操作が可能な揺動操作スイッチ部のものにすることができる。
【0056】
さらに、以上の説明では、プッシュ操作用の操作体16、17の保持部16B、17Bの形状を、押圧体12の略小判状の軸部12Bよりやや大きくして、操作体16A,17Aの軸部12Bに対する回動やがたつきを規制する構成として説明したが、軸部12Bよりやや大きい略円形の凹状にして軸部12Bに係合させると共に、操作体16、17の回動やがたつきは、カバー20や内ケース11との嵌合等によって規制するように構成しても、本発明の実施は可能である。
【0057】
そして、以上の説明では、1つの押圧体12に対応して1つの操作体16または17を上方に装着してプッシュ操作スイッチ部を構成するものとして説明したが、2つ以上の押圧体12を同時に押圧操作可能な操作体をこれら押圧体12に装着して、大きい動作荷重のものや、同時に多くの機能を制御可能なものにしても良い。
【0058】
また、スイッチ接点として上方に付勢された押釦14Aを有するプッシュスイッチ14を用いた構成について説明したが、配線基板に固定接点を設け、ゴム等の下面に可動接点を設けてスイッチ接点を形成したものや、同じく配線基板の固定接点上に略ドーム状で導電金属製の可動接点を載置させてスイッチ接点を形成したものなど、押圧体12を上方に付勢するものであれば様々な構成のスイッチを用いても良い。
【0059】
なお、押圧体12に貫通部12Aを設けることにより、貫通部12A下方の配線基板13にLEDなどの発光体を実装すると共に、操作体16、17または18を透光性の絶縁材料で上面に周囲を不透光に着色した透光性の記号やシンボルなどの表示を設けて、発光体を発光させると、その光が貫通部12Aを通して操作体16、17または18上面の表示が照光されるため、周囲が暗い場合にでも操作体の識別が容易なものにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明による操作スイッチ装置は、簡易な構成で、安価で操作形態の多様な配置が容易に可能な操作スイッチ装置を提供することができるという効果を有し、主に自動車のステアリングやフロントパネルに装着され、各種電子機器の操作に用いられる操作スイッチ装置等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施の形態による断面図
【図2】同断面図
【図3】同分解斜視図
【図4】同斜視図
【図5】同要部拡大図
【図6】同動作を示す断面図
【図7】同動作を示す断面図
【図8】従来の操作スイッチ装置の断面図
【図9】同断面図
【図10】同斜視図
【符号の説明】
【0062】
11 内ケース
11A 開口部
11B 段部
11C 軸孔
12 押圧体
12A 貫通部
12B 軸部
12C 肩部
12D 当接部
13 配線基板
14 プッシュスイッチ
14A 押釦
16、17、18 操作体
16A、17A、18A 保持体
16B、17B、18B 保持部
19 操作補助体
19A 軸
19B 円弧部
20 カバー
21 下ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に複数の開口部を設けた略箱状のケースと、上記開口部に上下動可能に収納された押圧体と、この押圧体の上下動に伴い電気的接離が行われるスイッチ接点からなり、上記押圧体の側面に軸部を設けると共に、この軸部に係合する保持部を設けた操作体を上記押圧体の上方に配置した操作スイッチ装置。
【請求項2】
押圧体側面の軸部の断面形状を略小判状とした請求項1記載の操作スイッチ装置。
【請求項3】
押圧体下部の側面に略円弧状の当接部を設けると共に、隣合う上記押圧体の上記当接部に両端部が近接する略小判状の操作補助体を回転可能に配設した請求項1記載の操作スイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−287410(P2007−287410A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111769(P2006−111769)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】