説明

操作位置検出装置

【課題】画像表示部に対して、2箇所が同時操作された際、それぞれの正確な位置情報を特定可能な操作位置検出装置を提供する。
【解決手段】操作位置検出装置は、画像表示部3の対角線上の4箇所に設置され、それぞれ画像表示部3の表面に沿ってスキャン光を射出する発光部、及び発光部から射出された光の反射光を受光可能な受光部を備えたセンサ50A〜50Dと、各センサの受光部で得られる光量変化から、画像表示部3の表面に存在する対象物の角度情報を検出し、得られた角度情報から画像表示部3の表面に存在する対象物の位置を特定する位置特定手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、遊技画像が表示される画像表示部に対し、操作者が接触した位置を検出することが可能な操作位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の画像が表示される画像表示部に対し、操作者が指やポインタ等を用いて特定の位置を指示した際、その位置を具体的に特定する操作位置検出装置が知られている。例えば、特許文献1には、指向性のある光を発光する発光部と、その発光部から射出された光の反射光を受光する受光部を備えたセンサを有する操作位置検出装置が開示されている。
【0003】
この公知の操作位置検出装置は、発光部から画像表示部の表面に沿うようにスキャン光を射出し、このスキャン光が対象物(指やポインタ等)から反射して戻ってくる反射光を受光部で受光することで、その対象物の位置情報を検出するよう構成されている。すなわち、スキャン光の発射方向、及び受光部で受光した反射光の光量に基づいて、画像表示部上で操作された対象物の具体的な位置を特定するよう構成されている。
【特許文献1】特開2005−230239号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した操作位置検出装置では、例えば、操作者が複数存在して、画像表示部上を同時に多点指示すると、それぞれの操作位置の正確な情報を取得することができない可能性がある。すなわち、発光部の射出光の方向と同一ライン上に存在する領域は、全て死角となってしまうことから、そのライン上で2点以上を接触すると、正確な位置情報を取得することはできない。
【0005】
また、仮に、図1に示すように、画像表示部のコーナの2箇所にセンサを設置したとしても、2点を同時接触した場合、死角が生じてしまい、正確な位置情報を取得するのは困難となる。すなわち、図1に示す画像表示部上において、センサA、及びセンサBにおいて、2箇所同時に反射光が遮られたときの角度検出が、それぞれ(a1,a2)、及び(b1,b2)であったとき、推定される物体座標は、図において、実際の接触ポイントであるX1,X2に加え、そのライン上に存在するX3,X4も接触した可能性のあるポイントとして挙げられてしまう。このため、指示されたポイントは、X1,X2,X3,X4のいずれか2箇所であると推定はできるものの、具体的にどの2箇所か明確に特定することはできない。
【0006】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、画像表示部に対して、2箇所が同時操作された際、それぞれの正確な位置情報を特定可能な操作位置検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、請求項1に係る操作位置検出装置は、画像表示部の対角線上の4箇所に設置され、それぞれ画像表示部の表面に沿ってスキャン光を射出する発光部、及び発光部から射出された光の反射光を受光可能な受光部を備えたセンサと、前記各センサの受光部で得られる光量変化から、前記画像表示部の表面に存在する対象物の角度情報を検出し、得られた角度情報から前記画像表示部の表面に存在する対象物の位置を特定する位置特定手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、対角線上の4箇所に設置されるセンサの受光部で、それぞれ対象物から得られる反射光の角度情報を取得することから、図1に示したX3や、X4の推定位置を排除することができ、確実に2点の位置情報を特定することが可能となる。
【0009】
また、請求項2に係る発明によれば、前記画像表示部の周囲に、前記各センサの発光部から射出される光を反射する反射手段を設置したことを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、前記各センサの受光部は、反射手段からの反射光が、対象物によって遮られたことを明確に検知できるため、正確に対象物の角度情報を取得することが可能となる。
【0011】
また、請求項3に係る発明によれば、前記各センサの前面側にハーフミラーを設置したことを特徴とする。
【0012】
上記した請求項2に係る構成において、対角線上に設置されるセンサの大きさを十分に小さくできず、それにより反射光の光量が低下する可能性がある。このため、上記した構成のように、センサの前面にハーフミラーを設置しておくことで、対角線上に設置されるセンサ部分に光が照射されても、そこに設置されたハーフミラーによって反射光が得られることから、対向する位置に設置されるセンサの受光部において検知される反射光の受光量を、それ程低下させることはなく、対象物の角度情報の精度を維持することが可能となる。
【0013】
また、請求項4に係る発明によれば、前記ハーフミラーは、入射光を、その入射光を照射したセンサの設置方向に反射させるように表面処理が施されていることを特徴とする。
【0014】
このような構成では、ハーフミラーの反射方向を、対向するセンサの受光部に向けるため、対向する位置に設置されたセンサの受光部において検知される反射光の受光量の低下をより少なくすることが可能となる。
【0015】
また、請求項5に係る発明によれば、前記対角線上に設置される対向するセンサのそれぞれの発光部を、交互に発光制御する発光制御部を有することを特徴とする。
【0016】
このような構成では、センサで光を射出し、かつその射出光の反射光を受光している際、そのセンサと対向する位置に設置されているセンサの発光部は、消灯状態に制御されているため、ハレーション等の影響を排除することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画像表示部に対して、2箇所同時操作されても、それぞれの正確な位置情報を特定することが可能な操作位置検出装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係る操作位置検出装置は、テーブル型に構成された遊技装置において、プレイヤの操作、具体的には、プレイヤが指示する手の指を検出できるよう構成されている。この場合、遊技装置は、筐体の上面に遊技画像や操作画像等が表示される矩形の画像表示部を備え、その周囲に、遊技用の6つのステーション(プレイヤ端末)が設置されており、画像表示部の中央領域で実行される遊技に対して、同時に6人のプレイヤ(遊技者)が参加できるようになっている。
【0019】
そして、各ステーションにおいて、プレイヤの操作物(本実施形態では指とされる)については、画像表示部の各コーナに対角線上に設置されるセンサを具備した操作位置検出装置によって、その具体的な指示位置が特定される。
【0020】
以下、本実施形態に係る操作位置検出装置を備えた遊技装置の一構成例について、図2から図4を参照して具体的に説明する。なお、これらの図において、図2は、遊技装置の全体構成を示す斜視図、図3は、遊技装置の内部構成を示す概略図、そして、図4は、画像表示部において実施される遊技例を示す図である。
【0021】
本実施形態における遊技装置1は、図に示すように、テーブル型の筐体2の上面(テーブル2A)に画像表示部3を設置し、その周囲に6つのステーション5が設置された構成となっている。各ステーションには、椅子5Aが設置されており、各ステーション5に着座したプレイヤは、画像表示部3の中央で実施される各種の遊技、例えば、カードゲーム、ルーレットゲーム、ダイスゲームなどに参加できるようになっている。この際、プレイヤは、メダル、硬貨、紙幣、プリペイドカード等、遊技価値を有する遊技媒体を利用することで、画面中央で実施される遊技に参加し、遊技終了時に払出を受けることが可能となっている。
【0022】
遊技は、後述するように、筐体2の内部に設置された制御ユニット、及び制御ユニットによって制御される画像投影手段等によって進行され、この制御ユニットは、遊技の進行に加え、各ステーションのプレイヤのBET操作の受付、及び遊技の結果によりプレイヤが入賞を獲得した場合、そのプレイヤに対して、BET内容に応じて遊技価値の払い出し処理などを行う。
【0023】
前記ステーション5は、プレイヤが遊技に参加してBET操作が行える構成であれば良く、少なくとも、遊技を実施する際に遊技媒体を投入する遊技媒体受付装置7と、プレイヤにより所定の指示が入力される複数のコントロールボタン等からなるコントロール部8とを備えている。なお、コントロール部8は、図に示すように、筐体2のテーブル部分に設置されているが、コントロールボタンを操作することにより発生する機能は、画像表示部3で表示される操作画像で実現される構成であっても良いし、逆に、画像表示部での操作の一部を、コントロールボタンによって行うようにしても良い。
【0024】
本実施形態では、図4に示すように、画像表示部3の画像内において、カードゲームの一種であるバカラゲームが実施されるようになっている。すなわち、画像表示部3の中央領域において、「BANKER」「PLAYER」のカードが表示される遊技領域3Aが設けられており、また、画像表示部3の周辺領域において、各ステーション5に対応して、遊技領域3Aで実行される遊技に対してBET操作が行える操作領域3Bが設けられている。
【0025】
前記操作領域3Bは、各ステーション5の一部の構成要素となっており、その操作領域3Bには、ステーション毎にBET操作画面や、ヘルプ情報画面等が表示されるようになっている。図4では、全てのステーション5において、BET操作画面が表示された状態となっており、このBET操作画面は、各ステーションにおけるプレイヤが「BANKER」「PLAYER」「引き分け」に賭けるBET領域3aと、チップの表示が成されるチップ表示領域3bと、BETを確定する確定操作領域3cと、残余のクレジット情報を表示するクレジット情報表示領域3dとを備えた構成となっている。
【0026】
この場合、プレイヤは、チップ表示領域3bに表示されている「1」「5」「10」「100」の内、チップしようとする額を指で押さえ、そのままBET領域3aの「BANKER」「PLAYER」「引き分け」の表示領域にシフトさせるか、或いは、シフトさせることなく、そのまま指でBET領域3aの「BANKER」「PLAYER」「引き分け」のいずれかを押さえること等により、BET操作を行うことが可能となっている。そして、BET操作後、確定操作領域3cを指で押圧操作することにより、そのBET操作が確定する。なお、このようなプレイヤのBET操作については、後述する画像表示部3のコーナ4箇所に設置されたセンサ50A,50B,50C,50Dを備えた操作位置検出装置によって、具体的な指示位置が特定される。
そして、1つの遊技が終了した後、制御ユニットは、配当テーブルに基づいて、BETしたチップの枚数に応じたクレジットが、プレイヤの現在所有するクレジットに加算され、クレジット情報表示領域3dに表示される。
【0027】
前記遊技媒体受付装置7は、メダル、硬貨、紙幣、プリペイドカード等、遊技価値を有する遊技媒体を投入するよう構成されており、各ステーション5に設置されている。プレイヤは、投入された遊技媒体の範囲内で遊技を実行することができ、その投入額が、前記クレジット情報表示領域3dに表示される。
【0028】
前記コントロール部8は、各ステーション5に設置されており、遊技の進行に伴ってプレイヤが押圧操作するボタンを備えている。このボタンは、例えば、遊技終了時に押圧操作される払い戻し(CASHOUT)ボタン8a、ヘルプ(HELP)ボタン8bを備えている。
【0029】
前記払い戻しボタン8aは、通常、遊技終了時に押下されるボタンであり、払い戻しボタン8aが押下されると、遊技等によって獲得した現在プレイヤが所有するクレジットに応じた遊技媒体が筐体2の側面に設置された払出口10から払い戻される。なお、カードを用いた遊技媒体の投入、及び払出の場合、遊技媒体受付装置7の内部に設置されたリーダライタによって価値情報が書き換えられ、そのまま排出される。
【0030】
前記ヘルプボタン8bは、遊技の操作方法等が不明な場合に押下されるボタンであり、ヘルプボタン8bが押下されると、その直後に操作領域3B上に、ルールや各種の操作情報を示したヘルプ画面が表示される。
【0031】
また、前記筐体2には、上記した構成要素以外にも、例えば、音楽、効果音等を流すスピーカや、各種ランプ等が設置されていても良い。
【0032】
前記画像表示部3は、透過性を有する部材(透過性スクリーン)によって構成されており、背面から照射される光、具体的には、筐体2の内部に設置される画像投影手段12から投影される遊技画像(図4に示すようなカード画像)や、操作画像(図4に示すようなBET画像など)を表示させるようになっている。この場合、画像投影手段12は、公知のプロジェクタによって構成されており、遊技動作や、各ステーションにおけるプレイヤの操作を制御する制御ユニット15から送信される各種の画像(動画像、及び静止画像)を、拡大レンズ等を含む結像手段12Aによって拡大し、画像表示部3に結像させる機能を有している。
【0033】
前記制御ユニット15は、前記画像表示部3に表示される遊技用の画像データ、及びBET操作用の画像データを備え、画像表示部3に表示する各種の画像を制御して遊技を進行する遊技制御手段としての機能を備えている。この制御ユニットは、筐体2の内部に予め設置されている専用のユニットとして構成されていても良いし、遊技手順に関するデータや各種画像データを格納しているパーソナルコンピュータ(PC)のようなユニットを筐体2の内部に組み込んだ構成であっても良い。
【0034】
以下、図4に示すようなカードゲーム(バカラゲーム)を実施する遊技制御手段の制御系について、図5のブロック図を参照して説明する。
【0035】
カードゲームを実施する遊技制御手段15Aは、メイン制御用のCPU31、ROM32、RAM33、及びこれらの間で相互にデータ転送を行うバス34を核として構成されるマイクロコンピュータ35を有している。そして、前記CPU31は、I/Oインターフェース37を介して、画像表示部3で表示される各種の画像を制御する画像制御駆動回路40、各ステーション5に着座しているプレイヤの指(対象物)の操作位置を検出する操作位置検出回路50、各ステーションのプレイヤの操作を検出するセンサを駆動するセンサ駆動回路51等に接続されている。
【0036】
前記遊技制御手段15Aのメイン制御用のCPU31は、I/Oインターフェース37及び通信インターフェース38を介して、各ステーション5との間で、BET情報、配当情報等、各種のデータの送受信を行い、各ステーション5を主導的に制御して遊技を進行させる機能を有する。具体的には、各ステーション5で成されるBET操作情報を、前記操作位置検出回路50によって特定してそのBET情報を受け付け、遊技の結果と、各ステーション5で成されたBET情報に基づいて、BETされたチップの入賞判定処理を行い、各ステーション5において払い出されるクレジット数を、配当テーブルを参照して計算する。
【0037】
また、前記遊技制御手段15AにおけるROM32は、例えば、半導体メモリ等により構成されており、バカラゲームを進行する上で基本的な機能を実現させるためのプログラム、遊技の進行に伴い、画像表示部3で表示される各種の画像内容を制御する表示動作プログラム、各ステーション5を主導的に制御するためのプログラム、遊技媒体の受付や払出に関するプログラム、バカラゲームを実行する上で参照される配当テーブル等が格納されている。
【0038】
前記RAM33は、CPU31で演算処理された各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであり、例えば、各ステーション5のコントロール部や操作画面による遊技者の操作情報(BET操作位置、BET量等)、操作位置検出回路50によって特定されるステーション毎の操作位置情報、及びCPU31により実行された処理の結果に関するデータ等を一時的に記憶する。
【0039】
そして、前記遊技制御手段15Aのメイン制御用のCPU31は、ROM32及びRAM33に記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の駆動装置、及び画像表示部3における表示画像の制御など、遊技の進行に伴う制御処理を実行する。
【0040】
前記画像制御駆動回路40は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMなどを備えて構成されている。前記プログラムROMには、画像表示部3の表示に関する画像制御用プログラム等が格納されており、画像ROMには、例えば、画像表示部3で表示される画像を形成するための各種画像データ(ドットデータ)が格納されている。
【0041】
また、画像制御CPUは、前記CPU31において設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に記憶されているドットデータの中から画像表示部3(プロジェクタ12)に表示する画像の決定を行う。このため、図4に示すような遊技画像(カード画像)や、操作画像(BET画像)の具体的な表示位置、及びゲームの進行に伴って画像を表示させるタイミング等については、前記CPU31によって制御される。
【0042】
また、ワークRAMは、前記画像制御プログラムを画像制御CPUで実行するときの一時記憶手段として構成され、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像を形成し、プロジェクタ12を介して画像表示部3に投影する。
【0043】
また、前記操作位置検出回路50は、所定の演算処理等を実行するCPU等を備え、画像表示部3の表面に存在する対象物(プレイヤによって指示される指)の位置を具体的に特定する位置特定手段としての機能を備えており、画像表示部3の各コーナに設置されるセンサ50A,50B,50C,50Dからの検知信号を受信し、画像表示部3上で、実際にプレイヤが操作した部分(プレイヤの手の指によって指示した具体的な位置)を特定する機能を有する。具体的に、各センサは、画像表示部3の表面に沿うようにスキャン光を射出する発光部と、発光部から射出された光の戻り光(反射光)を受光する受光部を備えており、プレイヤの手が画像表示部3上の任意の位置(例えば、図4に示したBET領域3aのいずれかの位置)を指示した際、その反射光が遮られた位置を検知する。
【0044】
前記操作位置検出回路50は、4つのセンサ50A,50B,50C,50Dから入力される検知位置に基づいて角度情報を導き出し、画像表示部3上で指示された手の位置を具体的に特定する機能を有する。この場合、各ステーション5に着座したプレイヤが、たとえ同時に指示操作を実行しても、各センサからの検知情報に基づいて、その位置を正確に特定することが可能となっている。
【0045】
また、前記センサ駆動回路51は、4つのセンサ50A,50B,50C,50Dの発光部の点灯、及び消灯を制御するものであり、CPU31からの制御信号に基づいて、各センサの発光のタイミング等を制御するようになっている。
【0046】
次に、上記したCPU31に接続されたステーション5の制御系に係る構成について説明する。
図6は、本実施形態に係るステーション5の制御系を模式的に示すブロック図である。ステーション5は、そのステーションにおける動作を制御するプレイヤ用制御部70、及び上述した周辺装置機器(遊技媒体受付装置7、コントロール部8、及び払い出し処理装置9等)を備えている。
【0047】
前記プレイヤ用制御部70は、ステーション制御用のCPU71、ROM72、及びRAM73を備えており、通信インターフェース65を介して、上述した前記遊技制御手段15Aのメイン制御用のCPU31との間でデータの送受信を行う。
【0048】
前記ROM72は、例えば、半導体メモリ等により構成されており、ステーション5において基本的な機能を実現させるためのプログラム、その他ステーションでの制御上必要な各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。
【0049】
前記RAM73は、前記CPU71で演算された各種データ、プレイヤが現在所有するクレジット数、プレイヤによるチップのBET状況等を一時的に記憶しておくメモリである。
【0050】
また、CPU71には、コントロール部8(図1参照)に設けられた払い戻しボタン8a、ヘルプボタン8bがそれぞれ接続されており、CPU71は、各ボタンの押下等により出力される操作信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。そして、プレイヤの操作による入力信号は、メイン制御用のCPU31に送信される。
【0051】
また、CPU71には、払い出し処理装置9が接続されており、CPU71からの払出し指令信号により、メダル等の遊技媒体を払出口10から払い出すことが可能となっている。更に、CPU71には、上述した貨幣やメダル等の遊技媒体を投入する遊技媒体受付装置7が接続されている。遊技媒体受付装置7から送信される遊技価値情報(クレジット情報)は、RAM73に記憶される。
【0052】
次に、上述したように構成される遊技装置1に設置され、各プレイヤの指示位置を具体的に検出する操作位置検出装置の構成、及び動作について説明する。
【0053】
上述したように、位置を特定するセンサは、図2に示すように、画像表示部3の各コーナの対角線上に設置されており(センサ50A〜50D)、それぞれ、発光部、及びその発光部から射出される光を受光する受光部とを備えている。この場合、発光部からは、周囲の可視光からの影響を受けないように、画像表示部3の表面に沿って赤外線を射出するよう構成されており、その表面上を90°の範囲でスキャンする。
【0054】
すなわち、発光部から射出された赤外線は、画像表示部3の表面に指などが存在していた場合、その反射光が遮られることから、その光量変化を検知して、操作位置検出回路において、対象物の具体的な位置を角度情報として算出する。この際、合計4つのセンサから対象物の角度情報を算出することができるため、所定のアルゴリズムにより、各センサからの角度情報を組み合わせることで、多点操作された操作位置を具体的に特定することが可能となる。
【0055】
また、本実施形態では、図2及び図3に示すように、画像表示部3の周囲に、各センサ50A〜50Dの発光部から射出される光を反射する反射手段が設置されている。
【0056】
このような反射手段は、テーブル2Aの中央に、画像表示部3が設置される矩形の凹所2Bを形成しておき、その矩形の凹所を形成する内壁面2B´に反射板やミラー57を取着することで構成することが可能である。すなわち、このような反射手段を設けておくことで、各センサの受光部において、反射手段からの反射光が、対象物によって遮られたことを明確に検知できるため、操作位置検出回路において、正確に対象物の角度情報を取得することが可能となる。
【0057】
上記したような各コーナにおいて、対角線上にセンサ(50A,50D)(50B,50C)を設置しておくことで、複数のステーション5から同時に操作される対象物を正確に判別することが可能となる。例えば、図1に示したように、センサを同一サイドのコーナ2箇所のみに設置した構成では、上述したように、2点を同時接触した場合、死角が生じて正確な位置情報を取得するのは困難となる。すなわち、図1に示す画像表示部上において、センサA、及びセンサBにおいて、2箇所同時に反射光が遮られたときの角度検出が、それぞれ(a1,a2)、及び(b1,b2)であったとき、推定される物体座標は、実際の接触ポイントであるX1,X2に加え、そのライン上に存在するX3,X4も接触した可能性のあるポイントとなり、実際の指示ポイントX1,X2を特定することはできないが、図7に示すように、対角線上の4箇所に設置されるセンサの受光部で、それぞれ対象物から得られる反射光の角度情報を取得することによって、図1に示したX3や、X4の推定位置を排除することができ、確実に2点の位置情報を特定することが可能となる。
【0058】
例えば、図7に模式的に示す例では、センサ50A,50Bから得られる角度情報に加え、センサ50Cから得られる角度情報(c1,c2)、或いはセンサ50Dから得られる角度情報(d1,d2)により、図1に示した死角となる点X3,X4を排除することができ、多点入力された際の正確な位置情報を得ることが可能となる。
【0059】
なお、このような対角線上に設置されるセンサ50A〜50Dによれば、2点の同時入力に限らず、更に、多数の点が同時操作されても、各センサの検知結果から、正確な接触位置を特定することが可能となる。すなわち、各ステーション5に着座したプレイヤは、図4に示すBET画面に対して、指を用いてBET操作することで、その位置情報は、各コーナに対角線上に設置されたセンサ50A〜50Dによって特定され、複数のプレイヤが同時に多点操作しても、各操作の具体的な位置を特定することが可能となる。
【0060】
この場合、プレイヤの数が多すぎて、多点操作するケースが多い場合、操作位置によっては死角が生じる可能性がある。このため、操作画面上において、プレイヤが頻繁に操作する領域、例えば、上記したBET操作位置に関しては、予め、ステーション間で死角が生じない位置に配置しておけば良い。
【0061】
そして、このように操作位置検出回路50によって特定された位置情報は、CPU31に入力される。上述したように、CPU31は、操作画像(BET画像)の具体的な表示位置(ステーション毎の表示位置)や、ゲームの進行に伴って各種の画像を表示させるタイミング等を制御しているため、操作位置検出回路50によって特定された位置情報との間で対比処理を実行することで、ステーション毎に対応付けして、BET位置、及びそのBET位置におけるBET量を管理することが可能となる。
【0062】
ところで、上述した構成では、画像表示部3の対角線上に設置されるセンサの大きさが大きくなると、その領域からの反射光が十分でなくなる可能性がある。すなわち、ある位置のセンサの受光部で検知される反射手段(反射板、ミラー等)57からの戻り光が、対角線上に位置するセンサによって低下して、その位置において死角が生じてしまう可能性がある。
【0063】
このため、図8に示すように、各センサ50A〜50Dの前面側にハーフミラー80を設置しておくことが好ましい。例えば、図8に模式的に示した対向するセンサ50Aとセンサ50Dの関係で具体的に説明すると、各センサの前面にハーフミラー80を設置しておくことで、センサ50Dの発光部50Daから対角線上に位置するセンサ50Aに向けて赤外光が射出されても、そこに設置されたハーフミラー80からの反射によって、反射光Rdが得られることから、受光部50Dbにおいて検知される反射光の受光量を、それ程低下させることはなく、対象物の角度情報の精度を維持することが可能となる。
【0064】
この場合、反射手段57による反射率と、ハーフミラー80による反射率は、異なっており、ハーフミラー80からの反射光による受光量は減少してしまうが、予め対象物が存在しない状態で各方向からの受光量を記録しておくことで、ハーフミラー80からの低下した反射光を補正することが可能となり、操作位置の検出に際して精度が低下するようなことはない。
【0065】
また、図9に示すように、各センサ50A〜50Dの前面に設置されるハーフミラー80については、入射光R1を、その入射光を射出したセンサの設置方向に反射させる(反射光R2の方向を入射光R1の方向に偏向する)ように表面処理80aを施しておくことが好ましい。このような表面処理は、ハーフミラー80の表面をエッチングなどによって所定の凹凸状に切削することで構成することができ、このような構成により、ハーフミラー80の反射方向を、対向するセンサの受光部に向けることが可能となる。従って、対向する位置に設置されたセンサの受光部において検知される反射光の受光量の低下をより少なくすることが可能となり、操作位置の検出に際して、精度の低下をより効果的に抑制することが可能となる。
【0066】
また、上記した構成では、対角線上に設置される対向するセンサ(50A,50D)、及びセンサ(50B,50C)のそれぞれの発光部を交互に発光制御することが好ましい。すなわち、各センサ50A〜50Dの発光部の点灯、消灯を制御するセンサ駆動回路51に対して、図10で示すようなタイミングチャートにより、各センサの点灯間隔を制御することで、対角線上の一方のセンサで光を射出し、かつその射出光の反射光を受光している際、そのセンサと対向する位置に設置されているセンサの発光部は、消灯状態に制御されているため、ハレーション等の影響を排除することが可能となり、より正確な位置情報を得ることが可能となる。
【0067】
以上、本発明に係る操作位置検出装置を、テーブル型の遊技装置に適用した実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
【0068】
例えば、遊技装置の構成や、操作位置を特定する対象物については、適宜変形することが可能である。例えば、プレイヤの手に限らず、プレイヤが所持する操作物の位置を特定する構成であっても良い。また、画像表示部3は、筐体2の内部に設置されたプロジェクタによって、遊技画像を投影するように構成したが、液晶画面等によって構成されていても良い。また、遊技が実施されるステーション5の構成や操作機器についても、実施される遊技に応じて適宜変形することが可能である。
【0069】
さらに、操作位置検出装置を構成するセンサに関しては、プレイヤによって操作される部分(画像表示装置3の表面)に対して、対角線上に設置されていれば良く、その設置態様については、適宜変形することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】2つのセンサによって多点入力した際の位置情報の検出を模式的に示す図。
【図2】本発明に係る操作位置検出装置が設置される遊技装置の一例を示す斜視図。
【図3】遊技装置の内部構成を示す概略図。
【図4】画像表示部において実施される遊技例を示す図。
【図5】遊技制御手段の制御系を示すブロック図。
【図6】各ステーションにおける制御系を示すブロック図。
【図7】対角線上に設置されるセンサによって多点入力した際の位置情報の検出を模式的に示す図。
【図8】センサの前面にハーフミラーを設置した際の対向するセンサ間における光の経路を模式的に示す図。
【図9】表面処理されたハーフミラーによる光の反射状態を模式的に示す図。
【図10】センサの点灯と消灯のタイミングを示すタイミングチャート。
【符号の説明】
【0071】
1 遊技装置
2 筐体
3 画像表示部
3A 遊技領域
3B 操作領域
5 ステーション
12 画像投影手段
15 制御ユニット
50 操作位置検出回路
50A,50B,50C,50D センサ
80 ハーフミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示部の対角線上の4箇所に設置され、それぞれ画像表示部の表面に沿ってスキャン光を射出する発光部、及び発光部から射出された光の反射光を受光可能な受光部を備えたセンサと、
前記各センサの受光部で得られる光量変化から、前記画像表示部の表面に存在する対象物の角度情報を検出し、得られた角度情報から前記画像表示部の表面に存在する対象物の位置を特定する位置特定手段と、
を有することを特徴とする操作位置検出装置。
【請求項2】
前記画像表示部の周囲に、前記各センサの発光部から射出される光を反射する反射手段を設置したことを特徴とする請求項1に記載の操作位置検出装置。
【請求項3】
前記各センサの前面側にハーフミラーを設置したことを特徴とする請求項2に記載の操作位置検出装置。
【請求項4】
前記ハーフミラーは、入射光を、その入射光を照射したセンサの設置方向に反射させるように表面処理が施されていることを特徴とする請求項3に記載の操作位置検出装置。
【請求項5】
前記対角線上に設置される対向するセンサのそれぞれの発光部を、交互に発光制御する発光制御部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の操作位置検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−207775(P2009−207775A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55717(P2008−55717)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】