説明

操作時間測定装置及び方法、習熟度判定装置及び方法、プログラム

【課題】入力操作における初期状態の違いによる操作時間の違いを除いて、正確にユーザの習熟度を測定する習熟度測定装置を提供する。
【解決手段】一連の処理の各操作画面に対する操作時間を計測する操作時間計測部111と、一連の操作画面のグループ及び画面ID単位で操作時間を保存する操作時間履歴記憶部112と、一連の操作画面から最初の操作画面を除いて残りの操作画面に対する操作時間を集計して一連の操作に対する操作時間とする全操作時間算出部113と、全操作時間算出部113が算出した操作時間からユーザの操作に対する習熟度を判定する習熟度判定部114とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作時間測定装置及び方法、習熟度判定装置及び方法、並びに、プログラムに関し、特にグラフィカルユーザインタフェース環境でユーザが操作に慣れることで生ずる操作時間の変化を検出することが可能な操作時間測定装置及び方法、並びに、該操作時間測定装置及び方法を用いることによりユーザのコンピュータに対する習熟度を判定する習熟度判定装置及び方法、そのような処理を規定するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(PC)に代表されるコンピュータでは、そのグラフィカルユーザインタフェース環境において、アプリケーションを使用する際に、ユーザはさまざまな操作を指示し実行する。個々の操作を見ると、ユーザはマウスや、キーボード、他のさまざまな入力デバイスを用いてその操作を指示しており、自分にとって好ましい操作方法が提供されているかどうかは、機器の使いこなしに大いに影響を与える。そのため多くのアプリケーションで、可能な限り多くの操作方法を提供し、ユーザによる操作の自由度を高めようとする傾向がある。
【0003】
しかし、ユーザが初心者の場合には、あまり操作の自由度が高い環境はかえって混乱を招きかねない。それよりは、まず、少し手間や時間がかかるが確実に操作指示ができる方式、例えばダイアログ形式のガイドに従い入力操作を進めることで操作指示が完了するような方式に絞り込んで提供する方がよい。次いで、ユーザの習熟度に応じて徐々に自由度の高い操作環境を提供し、ユーザが例えばキーボードショートカットのような高度な操作方法を使いこなしていく。
【0004】
しかし、上記のような操作方法の提供の切り替えや、新しい操作方法の提供をシステム自らの判断で行うためには、システムはユーザの習熟度を自動的に計測し現状の操作環境に習熟したことを判定する処理が必要になる。この習熟度を測る効果的な方法の一つとして、ユーザの操作時間を計測することから習熟度を判定する手法がある。
【0005】
例えば、従来の操作時間に着目した習熟度判定方法の一例が、特許文献1、特許文献2に記載されている。特許文献1の習熟度判定方法は、グラフィカルユーザインタフェースの中でも、特にシステムがメニューを提示してから、ユーザの操作により選択されるまでの操作時間の測定に限定している。この特許文献1では、操作時間が一定値を下回る段階で、ユーザが操作に習熟したとみなす判定方法を採用している。
【0006】
しかし、特許文献1の判定方法では、メニューの提示からユーザによる選択までの単純な操作時間しか測っておらず、PCのグラフィカルユーザインタフェースのような環境において、ダイアログ画面で複数の入力を行うことで操作指示を入力する場合には、トータルの操作時間を計測してはいない。
【0007】
また、特許文献2は、習熟度の判定に熟練指数という判定式を導入している。ここで、熟練指数とは、ユーザが行う操作と操作の間の時間間隔の分布、例えばマウスでボタンを押すタイミングと次のボタンを押すタイミングの間の時間の分布の分散値を指している。熟練指数をあらかじめ規定した値と比較し、その値を下回ると、習熟したと判定する。これによりシステムは3段階の熟練レベルを判定できる。
【0008】
しかし、特許文献2の判定方法は、操作を最小単位で対象としているため、ユーザが考える処理の指示に必要な入力操作が1操作で完了するような場合には有効であるが、複数の入力操作により指示を行えるような環境では正しい判定ができない。
【特許文献1】特開平5−35432号公報 (第2−3頁)
【特許文献2】特開平8−55103号公報 (第3−4頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1及び2の何れの場合にも、対象としているユーザの操作時間の計測範囲について、計測を開始するタイミングにおける初期状態を考慮せずに計測を開始するため、ユーザの利用している入力デバイスを含めた入力環境の初期状態が操作時間に与える影響が出てしまうという問題がある。例えば、ウィンドウシステムを採用したグラフィカルユーザインタフェース環境で、ダイアログ画面中のボタンを押すことで操作完了をシステムに指示できるユーザの操作を考える。この環境において、操作対象のボタンが座標(1500,1000)にある場合に、操作時間の計測開示時におけるマウスポインタが座標(0,0)にある場合と、座標(1400,1100)にある場合とでは移動時間が大幅に異なるため、計測した操作時間にも大きく影響を与えてしまう。この移動時間は、その操作画面の内容を理解したかどうかや使いこなせているかの判断には含めてはいけない時間である。さらには、例えばマウスポインタがユーザの視認できる場所になく、視覚的に探す時間が発生した場合には、ポインタを探す時間も含めてしまうことになる。このような計測開始時における初期状態の違いが、ユーザの操作時間に影響し、習熟度の判定精度を落す問題がある。
【0010】
さらに、操作時間を測定するにしても、種々の操作形態がある。例えば、一つの画面でフォームへの文字入力を行ったのち、OKボタンを押すことで入力が完了するような操作を仮定する。この場合には、測定対象としての操作を細分化すると、画面が表示されてから入力フォームへの入力開始までの時間、入力の時間、入力を終えてOKボタンを押すまでの時間がある。ユーザは、とりあえず入力をし、視覚的に確認した後にOKボタンを押したり、修正をかけたりする。ゆえに一連の操作をもって操作時間とみなすことが望ましい。しかし、特許文献1の操作時間は、このような一連の操作を対象としていないため、ユーザが対象とする操作画面に慣れたかどうかは分からない。
【0011】
さらに、メニューの提示からユーザによる選択までの時間しか対象としていないことにも問題がある。ユーザがメニューの中から選択した後に、ユーザが目的とする処理を行うための情報入力画面が起動する。ユーザが実際にはその入力画面で迷い、或いは、目的とする処理の画面でないとして取りやめても、システムは、選択した処理については習熟していると判断してしまっている。つまり、実際の習熟を判定するには、ユーザが選択した処理のための情報入力画面といった操作画面における全情報入力にかかる時間を対象としなければいけない。
【0012】
上記のように、従来技術では、計測開始時における初期状態、例えば操作開始時のマウスポインタの位置が計測のたびに異なるといった影響を考慮していない。このため、操作画面におけるユーザの操作時間を計測する際に、操作に対するユーザの習熟度に依存しない時間が含まれるので、同じ習熟度であっても計測値が毎回異なってしまうというという問題がある。
【0013】
また、従来技術では、ユーザが複数の入力を行う必要のある場面を考慮せずに操作時間の計測を行い、習熟度を判断している。このように、細かい操作単位の操作時間だけを測定することにより、操作画面に対するユーザの実際の習熟度が測れないという問題もある。
【0014】
本発明は、ユーザが用いる入力環境の初期状態に影響されずに、操作画面に対するユーザの入力操作の操作時間を計測することにより、実際の習熟度がより精度高く判定可能な操作時間の計測が可能な操作時間測定装置、方法、及びプログラムを提供し、また、その操作時間測定装置、方法、及びプログラムを用いた、ユーザの習熟度がより精度高く判定できる習熟度判定装置、方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明は、コンピュータの操作画面で操作を行うユーザの操作時間を測定する操作時間測定装置において、
各操作画面における操作時間を計測する操作時間計測手段と、
一連の操作グループに含まれる操作画面の操作時間を、各操作画面と対応付けて記憶する操作時間履歴記憶手段と、
前記一連の操作グループに含まれる操作画面から、操作時間が入力環境の初期状態に影響される操作画面を除いた対象操作画面に対応する操作時間を集計し、前記一連の操作グループに対する操作時間とする操作時間算出手段と、を備えることを特徴とする操作時間測定装置を提供する。
【0016】
また、本発明は、コンピュータの操作画面で操作を行うユーザの操作時間を測定する操作時間測定装置において、
各操作画面における操作時間を計測する操作時間計測手段と、
一連の操作グループに含まれる操作画面の操作時間を、各操作画面と対応付けて記憶する操作時間履歴記憶手段と、
前記一連の操作グループに含まれる操作画面に対する操作時間を計算する操作時間算出手段と、
特定のユーザについて、前記一連の操作グループに含まれる操作画面に対する複数回の操作時間を相互に比較し、今回計算された操作時間の前回までに計算された操作時間からの変化率が所定の範囲内に収まったときに、ユーザが所定の習熟段階に達したと判定して、前記今回の操作時間又は今回以降の操作時間を出力する操作時間出力手段と、を備えることを特徴とする操作時間測定装置を提供する。
【0017】
更に、本発明は、コンピュータの操作画面で操作を行うユーザの操作時間を、コンピュータの内部で測定する操作時間測定方法において、
各操作画面における操作時間を計測する操作時間計測ステップと、
一連の操作グループに含まれる操作画面の操作時間を、各操作画面と対応付けて記憶する操作時間履歴記憶ステップと、
前記一連の操作グループに含まれる操作画面から、操作時間が入力環境の初期状態に影響される操作画面を除いた対象操作画面に対応する操作時間を集計し、前記一連の操作グループに対する操作時間とする操作時間算出ステップと、を有することを特徴とする操作時間測定方法を提供する。
【0018】
更に、本発明は、コンピュータの操作画面で操作を行うユーザの操作時間を、コンピュータの内部で測定する操作時間測定方法において、
各操作画面における操作時間を計測する操作時間計測ステップと、
一連の操作グループに含まれる操作画面の操作時間を、各操作画面と対応付けて記憶する操作時間履歴記憶ステップと、
前記一連の操作グループに含まれる操作画面に対する操作時間を計算する操作時間算出ステップと、
特定のユーザについて、前記操作画面に対する複数回の操作時間を相互に比較し、今回計算された操作時間の前回までに計算された操作時間からの変化率が所定の範囲内に収まったときに、ユーザが所定の習熟段階に達したと判定して、前記今回の操作時間を出力する操作時間出力ステップと、を有することを特徴とする操作時間測定方法を提供する。
【0019】
更に、本発明は、コンピュータの操作画面で操作を行うユーザの操作時間を、コンピュータの内部で測定するプログラムであって、前記コンピュータに、
各操作画面における操作時間を計測する操作時間計測ステップと、
一連の操作グループに含まれる操作画面の操作時間を、各操作画面と対応付けて記憶する操作時間履歴記憶ステップと、
前記一連の操作グループに含まれる操作画面から、操作時間が入力環境の初期状態に影響される操作画面を除いた対象操作画面に対応する操作時間を集計し、前記一連の操作グループに対する操作時間とする操作時間算出ステップと、を実行させることを特徴とするプログラムを提供する。
【0020】
更に、本発明は、コンピュータの操作画面で操作を行うユーザの操作時間を、コンピュータの内部で測定するプログラムであって、前記コンピュータに、
各操作画面における操作時間を計測する操作時間計測ステップと、
一連の操作グループに含まれる操作画面の操作時間を、各操作画面と対応付けて記憶する操作時間履歴記憶ステップと、
前記一連の操作グループに含まれる操作画面に対する操作時間を計算する操作時間算出ステップと、
特定のユーザについて、前記操作画面の複数回の操作時間を相互に比較し、今回計算された操作時間の前回までに計算された操作時間からの変化率が所定の範囲内に収まったときに、ユーザが所定の習熟段階に達したと判定して、前記今回の操作時間又は今回以降の操作時間を出力する操作時間出力ステップと、を実行させることを特徴とするプログラムを提供する。
【0021】
更に、本発明は、上記操作時間測定装置、方法及びプログラムを用いる習熟度判定装置、方法、及び、プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様の操作時間測定装置、方法、プログラム、習熟度判定装置、方法、及び、プログラムによると、操作時間が初期状態に影響される操作画面を除いた他の操作画面を評価対象の操作画面として、その対象操作画面に対するユーザの操作の操作時間を一連の操作画面に対する操作時間として測定するので、入力画面の初期状態に依存しないでユーザの習熟度の判定が容易な操作時間が得られる。また、その一連の操作に対する、初期状態に影響されない平均的な操作時間が得られるので、一連の操作に対する操作時間の評価が容易になる。
【0023】
本発明の別の態様の操作時間測定装置、方法、プログラム、習熟度判定装置、方法、及び、プログラムによると、操作時間の変化率が所定の範囲内に収まった後に演算された操作時間を出力するので、ユーザの習熟度判定における精度が高い操作時間が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照し、本発明の実施例について詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施例の操作時間測定装置を含む習熟度判定装置を示すブロック図である。習熟度判定装置は、プログラム制御により動作するコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)101と、出力部102と、入力部103とから構成されている。
【0025】
出力部102は、例えばディスプレイやスピーカといったデバイスを通じてコンピュータ101からの命令に従いユーザへの情報出力を行う。入力部103は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル、マイクといったデバイスを通じてユーザの入力をコンピュータ101に伝える。コンピュータ101では、プログラムを読み込むことでアプリケーション104が動作している。
【0026】
アプリケーション104は、ユーザが目的とする処理を行う処理部105と、ユーザへの情報出力や入力情報を扱うためのユーザインタフェース(UI)を管理するUI管理部106と、UI管理部106の指示に従いUIを実際に生成し、ユーザとの間で情報の入出力を行うUI生成部107と、出力部102への出力時刻と入力部103からの入力時刻とを参考に操作時間を算出する操作時間計測部111と、出力部102に出力された操作画面単位で、算出された操作時間を保存する操作時間履歴記憶部112と、操作画面ごとの操作時間から一連の処理実行にかかった操作時間を算出する全操作時間算出部113と、全操作時間算出部113の演算結果に基づいて習熟度を判定する習熟度判定部114とから構成されている。
【0027】
アプリケーション104のうちで、操作時間計測部111、操作時間履歴記憶部112、及び、全操作時間算出部113が本実施例の操作時間測定装置を構成し、また、これらにより構成される操作時間測定装置、及び、習熟度判定部114が、本実施例の習熟度判定装置を構成する。
【0028】
UI管理部106は、処理を実行するための情報入力のためのUIをどのように生成するかといった判断や、その結果として生成される画面のID管理を行う。UI管理部106は、その判断にあたってユーザの習熟度を判定する習熟度判定部114の判定結果を参照する。操作時間計測部111は、UI生成部107から出力指示された画面出力の時刻と、ユーザの入力時刻とから各操作画面における操作時間を測定し、さらに操作画面を識別するIDをUI管理部106から貰い受け、このIDと操作時間とを対応させて操作時間履歴記憶部112に保存指示する。
【0029】
操作時間履歴記憶部112は、操作時間計測部111から受け取ったIDごとの操作時間を履歴として記憶する。この際に、一連の操作・処理指示のグループも把握できるように記憶する。全操作時間算出部113は、IDごとの操作時間から各操作画面における操作時間を用いて、一連の処理のグループとしての操作時間を算出する。習熟度判定部114は、全操作時間算出部113が算出した操作時間に基づいてユーザの習熟度を判定し、その判定結果をUI管理部106に出力する。
【0030】
図2は、図1の習熟度判定装置の処理を示すフローチャートである。図2を参照して、アプリケーションの使用過程で新しい操作指示をユーザが行う場合の操作時間に基づいてユーザの習熟度を判定する方法を説明する。この操作指示において、UI管理部106は、操作・処理入力用に1個の操作画面をUI生成部107に生成指示し、出力部102に出力しようとする。このとき、UI管理部106は、操作時間計測部111に操作画面のIDを伝達する(ステップS11)。これにより、操作時間計測部111は、次に出力される画面における操作時間を計測すればよいことが分かる。
【0031】
次に、出力部102に操作画面が出力された時点から、操作完了までの時間計測が開始される(ステップS12)。この操作画面は、グラフィカルユーザインタフェースではダイアログ画面のような形態で、例えば図3に符号201で示すような画面である。UI管理部106は、この操作画面に対して、例えば“ID1”を付けて管理している。
【0032】
次に、ユーザによる操作画面の入力が済み、ユーザは、操作画面上の“入力完了”を意味する指示、例えば「次へ」「OK」「完了」のようなボタンを押す。すると操作時間計測部111は、指示時点までの経過時間を操作時間として測定完了する(ステップS13)。測定した操作時間は、操作画面を特定するIDと共に操作時間履歴記憶部に記録する(ステップS14)。次に、ユーザが求める処理の実行の前に、さらに入力の必要な操作画面が存在するか否かをチェックする(ステップS15)。ステップS15で、処理実行に必要な操作が全て完了したか否かを調べ、UI管理部106は、次の画面がある場合には、操作時間計測部111に次の操作画面のIDを伝える。次の画面があれば、ステップS12に戻り、ステップS12〜S15を繰り返す。次の画面が無い場合には、ステップS16に移行する。次の画面がない場合には、ないことを伝えても良いし、何も伝えなくても構わない。何も伝えられなければ操作時間計測部111は、画面が出力されても計測を開始しない。次の画面が無いことを伝えた場合でも、操作時間計測部111は、同様に計測を開始しない。
【0033】
操作時間計測部111は、一つのIDで管理される操作時間が確定した時点でその都度、操作時間履歴記憶部112に記録を行う。これにより図3の201、202、203、204といった操作画面に対する操作時間をID単位で記録できる。一連の入力が完了すると、その一連の入力処理を1グループと見立てる操作のグループ200と、IDと操作時間とで構成される各操作画面の操作とを関連づけて記憶する(ステップS16)。これにより、一つの処理に必要な画面構成、例えば図3の201〜204の一連の操作にかかった操作時間が算出できるようになる。操作時間履歴記憶部112には、グループとしての入力終了日時と、グループを構成するID群とを記録する。記録する日時については、入力開始日時でもよい。
【0034】
全操作時間算出部113は、各IDでの操作時間をもとに習熟度判定用の操作時間を算出する(ステップS17)。この操作時間算出では、例えば図4の全体の操作時間300において、ID1の操作時間301を除き、ID2〜ID4の操作時間302〜304の合計305を習熟度判定用の合計操作時間としている。このように、第1の操作画面、つまり図3におけるID1の操作画面を除くことで、操作開始時ごとにおける入力デバイスの初期状態の違いによる操作時間のばらつきを解消できる。習熟度判定部114は、全操作時間算出部113が算出した合計操作時間に基づいて、そのユーザの習熟度を判定する(ステップS18)。
【0035】
図5は、入力処理における初期状態を例示する入力画面を示す。同図に示すように、出力部であるモニタ401において、マウスポインタ402が操作画面403から大きく離れた座標(0,0)に存在する場合がある。このような場合に、最初のID1の操作時間から全体の操作時間を計測すると、操作画面への入力作業に先立って、ユーザがマウスポインタ402を操作画面403上に動かす移動時間も全操作時間に含まれてしまう。例えば、ユーザは、操作画面403における入力フォーム404に文字を入力する際に、まずマウスポインタ402を入力フォーム404の上に動かし、そこではじめて文字の入力を実行する。入力フォーム404が座標(850,450)辺りにある場合には、この段階でユーザの習熟度の判断に必要な操作時間はマウスポインタ402を座標(0,0)から座標(850,450)辺りに動かす時間に加え、実際に入力にかかる時間、そして判断をして入力完了を示すボタン406を押すまでにかかる時間となり、マウスポインタ402の初期座標(0,0)が毎回変わることで移動時間が変わり、操作時間に影響を与えてしまう。
【0036】
本実施例では、演算対象画面からID1の画面を外し、ID2の操作時間から合計を行う。ID2の操作画面の入力開始時には、マウスポインタはID1の画面で入力完了を示すボタン406を押せる範囲内に存在するため、ID2以降のマウスポインタの移動時間がほぼ一定とみなすことが出来るようになる。この効果は、例えばノートパソコンにおけるタッチパッドのようなデバイスで顕著に表れるが、通常のマウスでも表れる。従って、ユーザが初心者であるか否かを判定する際に、その習熟度の判定に有用な操作時間のみが得られる。また、ID2の操作時間からの合計は、このような効果が少ない他の入力デバイスにおいても特に不都合はなく、入力環境の初期状態に影響しない操作時間の測定が可能になる。
【0037】
さらに、図5における操作画面403の中で、入力フォーム404への入力と、選択ボタン405への入力との間に順序が決まっていない場合には、ユーザがどちらから開始するかは判らない。ユーザにとっても、順序に必然性や習慣がない場合には、毎回異なることもあり得る。この場合には、計測開始から入力フォーム404への入力開始までの時間と、入力フォーム404への入力時間と、選択肢405を見比べていずれかを選択するまでの判断時間と、すべての入力を終えたことを視認した後、入力完了のボタン406を押すまでの時間とを全て合わせて、対象操作画面の操作時間とすることで、操作順序の変動を無視することができる。
【0038】
図6は、本発明の第2の実施例に係る操作時間測定装置及び習熟度判定装置を含むコンピュータシステムのブロック図である。コンピュータ101は、習熟度判定装置108と、UI生成部107と、UI管理部106と、処理部105とを有する。習熟度判定装置108は、操作時間計測部111と、操作時間履歴記憶部112と、全操作時間算出部113と、操作時間履歴解析部115とを含む。操作時間履歴解析部115は、図1における習熟度判定部114の機能と、ユーザの習熟段階が一定レベルに達したことを検出する機能とを含む。
【0039】
操作時間履歴解析部115は、操作時間履歴記憶部112から各IDの操作画面における操作時間を受け取ると同時に、全操作時間算出部113からグループ化された一連の操作における操作時間の情報を受け取り、第1の実施例と同様に操作時間を演算し、次いで、ユーザの習熟段階が一定のレベルに達したと判定した後に、前記演算した操作時間に基づいて習熟度を判定する。操作時間履歴解析部115により判定された習熟度の情報は、UI管理部106に渡され、ユーザが次回入力指示を行う際のUIの変更などの判断に用いられる。
【0040】
図7は、上記システムの習熟度判定装置108の処理を示すフローチャートである。図7におけるステップS11〜S17は、図2のフローチャートのステップS11〜S17と同じであり、これらステップによって、各操作画面におけるユーザが行った操作の操作時間を計測し記録する。ステップS19では、一連の操作画面に対する操作の履歴を判定し、一連の操作画面に対する操作時間、及び、ID毎の操作時間に基づいてユーザの習熟段階を判定する。ステップS19でユーザの習熟段階が一定のレベルに達したと判定すると、ステップS17で算出された操作時間に基づいてユーザの習熟度を判定し、出力する(ステップS20)。UI管理部106は、その習熟度に基づいて入力画面を選定する。ステップS19で、一定の習熟度レベルに未到達であると判定されると、ステップS11に戻り、ステップS11〜S19の処理を繰り返す。
【0041】
図8は、一連の入力処理について、習熟度判定対象の操作時間がユーザの入力経験によって変化する様子を示す。この一連の入力処理は、操作画面ID1〜ID4を含む。この一連の入力処理について、ユーザのk回目の各操作画面ID1〜ID4の操作時間はそれぞれ311〜314である。同様にk+1回目の各操作画面ID1〜ID4の操作時間はそれぞれ321〜324、k+2回目の各操作画面ID1〜ID4の操作時間はそれぞれ331〜334である。一般的に、ユーザは、同じ操作を行う毎にその習熟度が向上する。各IDでの操作時間は、特定の単位処理であるID2の操作画面の場合には、312、322、332と操作時間が短縮している。
【0042】
図9は、習熟度判定に用いる全操作時間の変化を示す。同図の例では、図8の操作時間について、k回目と、k+1回目と、k+2回目の入力処理について、ID1の操作を除いた習熟度判定に用いる全操作時間が示されている。
【0043】
習熟度判定をk+2回目の処理が終了した後に行うとして説明する。ここで、習熟度判定は、2種類の算出値に基づいて行う。k+2回目では、操作画面ID1〜ID4の各操作時間は、331〜334である。まず、本実施例で判定に用いる図9のk+2回目の操作332、333、334の操作時間合計と、k+1回目の操作322、323、324の操作時間合計と比べる。今回の操作時間合計の前回の操作時間合計からの変化率がしきい値内に収まっていれば、操作時間合計については習熟したとみなす。
【0044】
変化率がしきい値を越えていれば、このユーザは、その時点で習熟度到達について、未達であると判断する。例えば、332、333、334の合計時間が322、323、324の合計時間に比べ一定の割合に収まっている場合は、その時点で習熟度判定は習熟と判定し、一定の範囲に収まっていない場合は習熟未達と判定してもよい。操作時間合計において、ユーザが習熟したと判定された場合には、次の判定処理に進む。
【0045】
次の判定処理は、各IDの操作画面での操作時間の変化を見る。図9の例では、ID2の操作画面における操作時間が、k回目には312、k+1回目には322、k+2回目には332とほぼ単調に減少している。操作画面ID2における操作時間に着目し、操作時間履歴記憶部に保存されている最も古い、例えば1回目からの操作時間で構成される標本から操作時間の分散値の変化を見て一定値以下に達した段階を、ID2の操作画面における習熟と判断する。他に、今回の操作時間を前回の操作時間で割った変化率が一定値を下回るということで習熟と判断しても構わない。ただし、この一定値は、操作合計時間の変化率をもとに設定する。例えば操作合計時間の変化率が0.9であった場合、各操作画面の操作時間の変化率を0.9×0.9〜0.9×1.1の0.81〜0.99の範囲とする。この場合、操作合計時間の変化率が0.85であれば0.765〜0.935となり、操作合計時間の変化率に基づいて、判定基準を変えることができる。
【0046】
ID2の操作画面で習熟と判定した場合、ID3、ID4へと順次に判定を繰り返す。いずれのIDの操作画面においても、習熟未達と判定した時点で判定処理を終了する。このように判定を行うことで、全体の操作時間と各画面の操作時間のそれぞれにおいて、一定の習熟段階に達している旨が判定され、習熟段階の正確な判定が容易になる。習熟段階が所定のレベルに達していると判定されると、先に求めた一連の操作に対する操作時間に基づいて定められた習熟度が、そのユーザの習熟度として出力される。
【0047】
ここで、操作時間履歴記憶部112が、入力部からの入力情報を入力デバイスによる違いも含めて取得できる場合には、入力デバイスの情報も合わせて操作時間履歴記憶部112に記憶しても構わない。これによりタッチパッドやマウスなどの操作においてより精度高く習熟段階の判定が可能になる。
【0048】
また、上記第2の実施例ではID1の操作画面における操作処理は全て除いたが、操作画面内において、例えばマウスポインタが毎回違う位置にある可能性から操作時間に影響を与えるのは、何れか1個入力を行うまでの時間のみである。そこで、ID1の操作画面の操作時間について細分化し、最初の1個目の入力後からID1の操作画面の入力終了までの時間を測定できる限りにおいて、ID1の操作画面の操作時間を全操作時間の算出に組み入れても構わない。同様に習熟段階の判定に組み入れても構わない。
【0049】
なお、第2の実施例では、習熟段階の判定、及び、操作時間の演算にID1の操作時間を含めてもよい。これは、入力操作における初期状態の相違によるばらつきは、習熟段階の判定によって吸収できると考えられるからである。
【0050】
図10は、WWWブラウザを用いた操作画面の例を示す。操作画面501は、URL502によって一意に定まる。このようにURL502で各操作画面を識別できる限りにおいて、操作時間を測定することができ、同様に習熟度判定を行うことが出来る。さらにWWWブラウザに限らず、ハイパーカードのようなカード型のユーザインタフェースで構成される操作方式で、個人識別機能を持つ限りにおいて、アプリケーションの実行環境は、パーソナルコンピュータやPDAや携帯電話といったコンピュータ上のアプリケーションでも、チケット販売機や家電の操作及び設定といった組込み機器の操作画面制御プログラムでも構わない。
【0051】
本実施例では、第1の実施例と同様に第1の操作画面において最初の入力操作前に含まれる初期状態の相違によるぶれを排除した操作時間を、一連の操作に対する操作時間として測定するようにしたので、操作画面における正確な操作時間測定ができる。
【0052】
また、本実施例では、さらに正確な操作時間測定結果をもとに、一連のグループ全体での操作時間の変化と、各画面における操作時間の変化とを合わせて考慮し、さらに一連のグループ全体での操作時間の変化に基づいて習熟段階を判定する構成をとっているため、操作時間合計の変化率の基準値のみを追加的に設定することにより、出力される習熟度の判定精度を上げることができる。
【0053】
上記第1及び第2の実施例の習熟度判定装置は、ユーザが指示する処理対象に対して、ユーザが複数の入力を行う必要のある環境で習熟度の正確な判定が可能になる。
【0054】
なお、上記実施例の操作時間測定装置は、習熟度判定のみならず、ユーザがグラフィカルユーザインタフェース上での作業にかかった時間を高精度に計測するためのプログラムといった用途に適用できる。また、ユーザの習熟度に応じて高度な操作や、処理、ヘルプを提供するためのプログラムといった用途にも適用できる。また、ユーザの習熟度の判定プログラムや判定機能を備えた装置にも適用可能である。更に、ユーザの習熟度を別のプログラムやシステムに通知する習熟度通知機能を備えた装置にも適用可能である。
【0055】
以上、本発明をその好適な実施例に基づいて説明したが、本発明の操作時間測定装置及び方法、習熟度判定装置及び方法、並びに、プログラムは、上記実施例の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施例の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1の実施例に係る操作時間測定装置及び習熟度判定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の習熟度判定装置の処理を示すフローチャートである。
【図3】図1の習熟度判定装置で記録される操作画面の例を示す模式図である。
【図4】図1の実施例における操作時間を例示する線図である。
【図5】図1の実施例におけるモニター上の入力画面を例示する平面図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係る操作時間測定装置及び習熟度判定装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図6の習熟度判定装置の処理を示すフローチャートである。
【図8】図6の実施例における操作時間を例示する線図である。
【図9】図6の実施例における特定の操作画面における操作時間を例示する線図である。
【図10】WWWブラウザを用いた操作画面を例示する平面図。
【符号の説明】
【0057】
101 コンピュータ
102 出力部
103 入力部
104 アプリケーション
105 処理部
106 UI管理部
107 UI生成部
108 習熟度判定装置
111 操作時間計測部
112 操作時間履歴記憶部
113 全操作時間算出部
114 習熟度判定部
115 操作時間履歴解析部
200 ID1からID4で構成される一連の処理の記録
201 ID1の操作画面
202 ID2の操作画面
203 ID3の操作画面
204 ID4の操作画面
300 ID1からID4で構成される一連の処理の操作時間
301 ID1の操作画面における入力完了までの操作時間
302 ID2の操作画面における入力完了までの操作時間
303 ID3の操作画面における入力完了までの操作時間
304 ID4の操作画面における入力完了までの操作時間
305 習熟度判定用の合計操作時間
311 ID1の操作画面における入力完了までのk回目の操作時間
312 ID2の操作画面における入力完了までのk回目の操作時間
313 ID3の操作画面における入力完了までのk回目の操作時間
314 ID4の操作画面における入力完了までのk回目の操作時間
321 ID1の操作画面における入力完了までのk+1回目の操作時間
322 ID2の操作画面における入力完了までのk+1回目の操作時間
323 ID3の操作画面における入力完了までのk+1回目の操作時間
324 ID4の操作画面における入力完了までのk+1回目の操作時間
331 ID1の操作画面における入力完了までのk+2回目の操作時間
332 ID2の操作画面における入力完了までのk+2回目の操作時間
333 ID3の操作画面における入力完了までのk+2回目の操作時間
334 ID4の操作画面における入力完了までのk+2回目の操作時間
401 出力部のモニタ
402 出力部に表示されたマウスポインタ
403 出力部に表示された操作画面
404 出力部に表示された操作画面における入力フォーム
405 出力部に表示された操作画面における選択ボタン
406 出力部に表示された操作画面の入力完了を指示するボタン
501 WWWブラウザにおける操作画面
502 WWWブラウザにおける操作画面を呼び出すURL



【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータの操作画面で操作を行うユーザの操作時間を測定する操作時間測定装置において、
各操作画面における操作時間を計測する操作時間計測手段と、
一連の操作グループに含まれる操作画面の操作時間を、各操作画面と対応付けて記憶する操作時間履歴記憶手段と、
前記一連の操作グループに含まれる操作画面から、操作時間が入力環境の初期状態に影響される操作画面を除いた対象操作画面に対応する操作時間を集計し、前記一連の操作グループに対する操作時間とする操作時間算出手段と、を備えることを特徴とする操作時間測定装置。
【請求項2】
前記操作時間算出手段は、前記一連の操作グループに含まれる複数の操作画面のうち最初の操作画面を除いた残りの操作画面を前記対象操作画面とする、請求項1に記載の操作時間測定装置。
【請求項3】
前記操作時間算出手段は、特定のユーザについて、前記一連の操作グループに対する操作時間を複数回にわたって計算し、今回計算された操作時間の前回迄に計算された操作時間からの変化率が所定の範囲以内に収まったときに、ユーザが一定の習熟段階に達したと判定し、前記今回の操作時間又は今回以降の操作時間を出力する、請求項1又は2に記載の操作時間測定装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一に記載の操作時間測定装置と、前記操作時間算出手段が出力する操作時間に基づいてユーザの習熟度を判定する習熟度判定手段と、を備えることを特徴とする習熟度判定装置。
【請求項5】
コンピュータの操作画面で操作を行うユーザの操作時間を測定する操作時間測定装置において、
各操作画面における操作時間を計測する操作時間計測手段と、
一連の操作グループに含まれる操作画面の操作時間を、各操作画面と対応付けて記憶する操作時間履歴記憶手段と、
前記一連の操作グループに含まれる操作画面に対する操作時間を計算する操作時間算出手段と、
特定のユーザについて、前記一連の操作グループに含まれる操作画面に対する複数回の操作時間を相互に比較し、今回計算された操作時間の前回までに計算された操作時間からの変化率が所定の範囲内に収まったときに、ユーザが所定の習熟段階に達したと判定して、前記今回の操作時間又は今回以降の操作時間を出力する操作時間出力手段と、を備えることを特徴とする操作時間測定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の操作時間測定装置と、該操作時間測定装置で得られた操作時間に基づいてユーザの習熟度を判定する習熟度判定手段とを備えることを特徴とする習熟度判定装置。
【請求項7】
コンピュータの操作画面で操作を行うユーザの操作時間を、コンピュータの内部で測定する操作時間測定方法において、
各操作画面における操作時間を計測する操作時間計測ステップと、
一連の操作グループに含まれる操作画面の操作時間を、各操作画面と対応付けて記憶する操作時間履歴記憶ステップと、
前記一連の操作グループに含まれる操作画面から、操作時間が入力環境の初期状態に影響される操作画面を除いた対象操作画面に対応する操作時間を集計し、前記一連の操作グループに対する操作時間とする操作時間算出ステップと、を有することを特徴とする操作時間測定方法。
【請求項8】
前記操作時間算出ステップは、前記一連の操作グループに含まれる複数の操作画面のうち最初の操作画面を除いた残りの操作画面を前記対象操作画面とする、請求項7に記載の操作時間測定方法。
【請求項9】
前記操作時間算出ステップは、特定のユーザについて、前記一連の操作グループに対する操作時間を複数回にわたって計算し、今回計算された操作時間の前回迄に計算された操作時間からの変化率が所定の範囲以内に収まったときに、ユーザが一定の習熟段階に達したと判定し、前記今回の操作時間又は今回以降の操作時間を出力する、請求項7又は8に記載の操作時間測定方法。
【請求項10】
請求項7〜9の何れか一に記載の操作時間測定方法を用い、前記操作時間算出ステップで出力する操作時間に基づいてユーザの習熟度を判定することを特徴とする習熟度判定方法。
【請求項11】
コンピュータの操作画面で操作を行うユーザの操作時間を、コンピュータの内部で測定する操作時間測定方法において、
各操作画面における操作時間を計測する操作時間計測ステップと、
一連の操作グループに含まれる操作画面の操作時間を、各操作画面と対応付けて記憶する操作時間履歴記憶ステップと、
前記一連の操作グループに含まれる操作画面に対する操作時間を計算する操作時間算出ステップと、
特定のユーザについて、前記操作画面に対する複数回の操作時間を相互に比較し、今回計算された操作時間の前回までに計算された操作時間からの変化率が所定の範囲内に収まったときに、ユーザが所定の習熟段階に達したと判定して、前記今回の操作時間を出力する操作時間出力ステップと、を有することを特徴とする操作時間測定方法。
【請求項12】
請求項11に記載の操作時間測定方法を用い、該操作時間測定方法で出力された操作時間に基づいてユーザの習熟度を判定することを特徴とする習熟度判定方法。
【請求項13】
コンピュータの操作画面で操作を行うユーザの操作時間を、コンピュータの内部で測定するプログラムであって、前記コンピュータに、
各操作画面における操作時間を計測する操作時間計測ステップと、
一連の操作グループに含まれる操作画面の操作時間を、各操作画面と対応付けて記憶する操作時間履歴記憶ステップと、
前記一連の操作グループに含まれる操作画面から、操作時間が入力環境の初期状態に影響される操作画面を除いた対象操作画面に対応する操作時間を集計し、前記一連の操作グループに対する操作時間とする操作時間算出ステップと、を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
前記操作時間算出ステップは、前記一連の操作グループに含まれる複数の操作画面のうち最初の操作画面を除いた残りの操作画面を前記対象操作画面とする、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記操作時間算出ステップは、特定のユーザについて、前記一連の操作グループに対する操作時間を複数回にわたって計算し、今回計算された操作時間の前回迄に計算された操作時間からの変化率が所定の範囲以内に収まったときに、ユーザが一定の習熟段階に達したと判定し、前記今回の操作時間又は今回以降の操作時間を出力する、請求項13又は14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記操作時間算出ステップが出力する操作時間に基づいてユーザの習熟度を判定する習熟度判定ステップを更にコンピュータに実行させる、請求項13〜15の何れか一に記載のプログラム。
【請求項17】
コンピュータの操作画面で操作を行うユーザの操作時間を、コンピュータの内部で測定するプログラムであって、前記コンピュータに、
各操作画面における操作時間を計測する操作時間計測ステップと、
一連の操作グループに含まれる操作画面の操作時間を、各操作画面と対応付けて記憶する操作時間履歴記憶ステップと、
前記一連の操作グループに含まれる操作画面に対する操作時間を計算する操作時間算出ステップと、
特定のユーザについて、前記操作画面の複数回の操作時間を相互に比較し、今回計算された操作時間の前回までに計算された操作時間からの変化率が所定の範囲内に収まったときに、ユーザが所定の習熟段階に達したと判定して、前記今回の操作時間又は今回以降の操作時間を出力する操作時間出力ステップと、を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
前記操作時間出力ステップで出力された操作時間に基づいてユーザの習熟度を判定する習熟度判定ステップを更にコンピュータに実行させる、請求項17に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−305339(P2008−305339A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−154302(P2007−154302)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】