説明

支承構造

【課題】支承構造の高さを低く抑えるとともに、上部構造の上方への変位に対して十分に追随することができる支承構造を提供することを目的としている。
【解決手段】下部構造4上に配置される下沓1と、下沓1の上方に配置され上部構造5を支持する上沓2と、下沓1と上沓2との間に介在された弾性体3と、を備える支承構造において、弾性体3に中空部30が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部構造と上部構造との間に介装される支承構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、高架道路などの橋梁では、橋脚と主桁との間に支承構造が介在されている。従来、このような支承構造として、鋼板とゴム層とを積層させた構成からなる積層ゴム支承がある。この積層ゴム支承は、主桁等の上部構造の荷重により、ゴム層が側方に膨出するとともに鉛直方向に圧潰され、ゴム層の厚みが低減される。これにより、積層ゴム支承は、低減したゴム層の厚み分だけ上方への変位が許容される。したがって、大型車両の通行等で主桁が撓み、主桁端部に浮上りが生じ、支承構造が上向きに引っ張られても、ゴム層が鋼板から剥離されず、上方向への変位追随が可能になっている。
【0003】
一方、支承構造の他の例として、密閉ゴム支承板支承がある。密閉ゴム支承板支承は、橋脚の上端面に固定された下沓の凹部内に弾性体(ゴム)が設けられ、その上から中間プレートが被せられ、弾性体が密閉された構成となっている。また、中間プレートの上には、主桁に固定された上沓が載置されている。この密閉ゴム支承板支承では、弾性体(ゴム)が密閉されており、弾性体が膨出する場所が無いため、ゴムの非圧縮性により、支承構造に鉛直荷重が加えられても弾性体が圧潰されることがないが、主桁が撓んだ場合にも変位追随が可能である。すなわち、主桁が撓んだ場合、支承構造の一方側の部分(主桁の端面側の部分)に上向きの引張力が作用するとともに支承構造の他方側の部分(主桁の中央側の部分)に下向きの圧縮力が作用する。このとき、前記下向きの圧縮力により弾性体が一方側の部分へ逃げるため、一方側の部分における上方向への変位追随が可能である。
【0004】
また、近年、下沓と上沓との間に弾性体を介在させた構成からなる支承構造が提供されている。この支承構造は、下沓の上面及び上沓の下面にそれぞれ凹凸を形成し、下沓の凹凸と上沓の凹凸とを嵌合するように下沓と上沓とが組み合わせられている。また、この支承構造では、下沓の円筒部に、弾性体を膨出させるための貫通口が形成されている。(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2007−23582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の積層ゴム支承では、変位追従性を向上させるためにゴム層を厚くすると、支承構造の高さが高くなる。したがって、例えば、上記した密閉ゴム支承板支承に代えて積層ゴム支承を設置しようとしても、橋脚と主桁との間に収まらないという問題が生じる。
【0006】
また、上記した従来の密閉ゴム支承板支承では、上述したように弾性体が圧潰されていなくても主桁が撓んだ場合の変位追随が可能であるが、このときの弾性体の変位が大きいため、弾性体を下沓や中間プレートに接着することができないという問題がある。したがって、上記した従来の密閉ゴム支承板支承では、下沓の上に弾性体が非接着状態で載置され、さらに弾性体の上に中間プレートが非接着状態で載置された構成になっており、上下方向が拘束されていない。
【0007】
また、上記した特許文献1記載の支承構造では、下沓に貫通口が形成されており、鉛直荷重により弾性体の一部が貫通口内に膨出されて弾性体が圧潰されるため、その圧潰変位量の分だけ上方向への変位追随が可能であるが、圧潰変位量が小さく、大きな変位に対しては対応することができない。
【0008】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、支承構造の高さを低く抑えることができ、また、弾性体を下沓や上沓に対してそれぞれ接着することができ、さらに、上部構造の上方への変位に対して十分に追随することができる支承構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る支承構造は、下部構造上に配置される下沓と、該下沓の上方に配置され上部構造を支持する上沓と、前記下沓と前記上沓との間に介在された弾性体と、を備える支承構造において、前記弾性体に中空部が形成されていることを特徴としている。
【0010】
このような特徴により、中空部により、鉛直荷重が加えられたときに弾性体が逃げる空間が確保されているため、支承構造に鉛直荷重が加えられると、中空部内に弾性体の一部が膨出される。これにより、弾性体が圧潰変形する。すなわち、弾性体は加圧されると体積を変えずに変形するため、中空部に膨出された分、弾性体の厚さ(高さ)が低減される。したがって、低減された弾性体の厚み分だけ上方への変位が許容される。
【0011】
また、本発明に係る支承構造は、前記下沓の上面及び/又は前記上沓の下面に筒部が突設され、該筒部の内側に前記弾性体が収容されていることが好ましい。
これにより、下沓の上面と上沓の下面と筒部の内周面とで囲まれて空間(拘束された部屋)の中に弾性体が設けられているので、この弾性体の外周面は筒部によって拘束される。したがって、支承構造に鉛直荷重が加えられると、中空部内に弾性体が膨出して弾性体が或る程度まで圧潰変形するが、中空部が弾性体で塞がれた時点で弾性体の逃げるところがなくなるため、弾性体がそれ以上圧潰しなくなる。
【0012】
また、本発明に係る支承構造は、前記下沓の上面及び前記上沓の下面のうちの何れか一方に、筒部が突設され、前記下沓の上面及び前記上沓の下面のうちの何れか他方に、該筒部の外側又は内側に配置される突出部が突設されていることが好ましい。
これにより、下沓と上沓とが相対的に水平変位したとき、筒部と突出部とが係合してストッパー機能を果たす。これにより、下沓と上沓との相対的な水平変位が規制される。
【0013】
また、本発明に係る支承構造は、前記突出部が、外径が前記筒部の内径よりも小さく、前記筒部の内側に嵌め込まれる縦断面視凸形状を成し、少なくとも、前記下沓の上面及び前記上沓の下面のうちの何れか一方と前記突出部の先端面との間に、前記弾性体が介在されていることが好ましい。
これにより、上記したストッパー機能を果たすとともに、突出部を有する下沓又は上沓の形状が単純な形状になる。
【0014】
また、本発明に係る支承構造は、前記筒部と前記突出部との間に弾性体が介在されていることが好ましい。
これにより、下沓と上沓とが相対的に水平変位したとき、筒部と突出部との間の弾性体が緩衝機能を発揮し、筒部と突出部とが係合する際の衝撃が緩和される。また、筒部と突出部との間の弾性体の圧潰変形により水平変位追随機能を果たす。
【0015】
また、本発明に係る支承構造は、前記下沓の下面及び/又は前記上沓の上面に、前記下沓と前記下部構造、及び/又は、前記上沓と前記上部構造、を水平方向へ相対変位させるためのすべり材が設けられていることが好ましい。
これにより、下部構造と上部構造とが相対的に水平変位した場合、その水平変位がすべり材によって許容される。例えば、下部構造と下沓との間にすべり材が設けられている場合には、下部構造と上部構造とが相対的に水平変位したとき、支承構造は、下部構造に対して相対的に水平変位する。また、上部構造と上沓との間にすべり材が設けられている場合には、下部構造と上部構造とが相対的に水平変位したとき、支承構造は、上部構造に対して相対的に水平変位する。
【0016】
また、本発明に係る支承構造は、前記中空部が、前記弾性体を上下方向に貫通していることが好ましい。
これにより、鉛直荷重が加えられたときに弾性体が逃げる空間が一層大きくなる。これにより、弾性体がより一層圧潰変形し易くなり、弾性体の厚さ(高さ)が一層低減され、上方への許容変位量が大きくなる。
【0017】
また、本発明に係る支承構造は、前記中空部が、非貫通の有底孔であってもよい。
これにより、中空部の深さを調整することで、中空部の径(平面形状)や数を変更することなく中空部の容積が調整され、弾性体の圧潰変位量が調整される。
【0018】
また、本発明に係る支承構造は、前記下沓及び/又は前記上沓に、前記中空部に連通する貫通孔が形成されていることが好ましい。
これにより、中空部を形成するための中子等の型を貫通孔から引き抜くことが可能であり、中空部を有する弾性体が容易に形成される。
すなわち、上記した構成の支承構造の製造方法としては、下沓と上沓とを間隔をあけて対向配置するとともに、下沓及び/又は上沓に形成された貫通孔から棒状の中子を差し込んで下沓と上沓との間に中子を配置する工程と、下沓と上沓との間に溶融ゴム材料を流し込み弾性体を成形する工程と、前記中子を前記貫通孔から引き抜いて弾性体に中空部を形成する工程と、を備えた方法となる。
【0019】
また、本発明に係る支承構造は、前記貫通孔が栓体で閉塞されていることが好ましい。
これにより、中子を貫通孔から引き抜く工程の後、貫通孔を栓体で閉塞する工程を行うことで、貫通孔による下沓や上沓の強度低下が抑えられる。すなわち、下沓や上沓に貫通孔が形成されると、その強度が低下するが、貫通孔内に栓体が配設されることで、下沓や上沓の強度が補強される。
【0020】
また、本発明に係る支承構造は、前記弾性体が、前記下沓の上面及び前記上沓の下面にそれぞれ接着されていることが好ましい。
これにより、上下方向の変位が規制される。すなわち、下沓と上沓とを引き離す上下方向の引張力が作用した場合、弾性体が下沓や上沓に接着されていることにより、接着力が上記引張力に抵抗し、下沓と上沓とが離れ難くなる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る支承構造によれば、支承構造に鉛直荷重が加えられたとき、中空部内に弾性体の一部が膨出され、弾性体が圧潰変形し、弾性体の厚さが低減されるため、上部構造の上方への変位に対して追随することができる。また、上記のように鉛直荷重により弾性体が圧潰変形し、上方への変位追随が可能であるため、弾性体を下沓や上沓に対してそれぞれ接着することができる。しかも、中空部の数や大きさの変更により弾性体の圧潰変形量が調整可能であるため、弾性体を厚くすることなく、上部構造の上方への変位に対して十分に追随させることができ、支承構造の高さを低く抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る支承構造の第1〜第4の実施の形態について、図面に基いて説明する。
【0023】
[第1の実施の形態]
図1は本実施の形態における支承構造の平面図であり、図2は本実施の形態における支承構造の半断面図である。
【0024】
図1、図2に示すように、本実施の形態における支承構造は、橋梁の橋脚4の上端面と主桁5の下面との間に介装された固定式支承である。この支承構造は、橋脚4(下部構造)に固定される下沓1と、主桁5(上部構造)に固定される上沓2と、下沓1と上沓2との間に介在された弾性体3と、を備えている。
【0025】
下沓1は、橋脚4の上端面に複数(図1では4つ)のアンカーボルト6によって固定される平板状の鋼製部材である。詳しく説明すると、下沓1は、平面視矩形のものであり、その四隅には、アンカーボルト6を挿通させるためのボルト孔10がそれぞれ形成されている。また、下沓1の上面には、内筒部11(突出部)が突設されている。この内筒部11は、円筒形状の壁部であり、下沓1と一体に形成されている。また、内筒部11の外径は、後述する外筒部20(筒部)の内径よりも外径が小さい。
【0026】
上沓2は、下沓1の上方に配置され主桁5を支持するものであり、主桁5の下面にボルト7によって固定される平板状の鋼製部材である。詳しく説明すると、上沓2は、平面視円形のものであり、その下面には外筒部20が垂設されている。この外筒部20は、上沓2の外縁に沿って上沓2の全周に亘って延設された円筒形状の壁部であり、上沓2と一体に形成されている。言い換えれば、上沓2は、その下面に平面視円形の凹部が形成された構成となっている。外筒部20と内筒部11とは略同軸上に形成されており、外筒部20の内側に内筒部11が配設されている。なお、外筒部20の内周面と内筒部11の外周面との間には間隔が開けられている。
【0027】
また、上沓2には、丸孔状の貫通孔21が複数形成されている。これら貫通孔21は、平面的にみて上記した内筒部11の内側の位置に均等に配設されており、後述する中空部30にそれぞれ連通されている。なお、図3に示すように、上記した貫通孔21内には、六角穴付きボトル等の栓体23が嵌合され、貫通孔21が閉塞されていることが好ましい。具体的に説明すると、上沓2に雌ネジ状の貫通孔21が形成されており、この貫通孔21に雄ネジ状の栓体23が螺合されている。栓体23は貫通孔21と同一の長さ或いは貫通孔21よりも長いものであり、栓体23が貫通孔21の両端から突出しないように螺着されている。
また、ボルト7により固定される上沓2と主桁5との間には、ボルト7を通す図示せぬボルト孔を有するソールプレート8が介在されている。
【0028】
弾性体3は、ゴム又は熱可塑性エラストマーからなるものであり、公知の種々の材料を用いることが可能である。この弾性体3は、下沓1の上面及び上沓2の下面にそれぞれ加硫接着されている。また、弾性体3は、外筒部20の内側に収容されており、上記した内筒部11と外筒部20との間にも介在されている。したがって、内筒部11の先端部は、弾性体3内に埋設された状態となっている。
【0029】
また、弾性体3には、弾性体3を上下方向に貫通する丸孔状の中空部30が複数形成されている。中空部30は、上記した貫通孔21と略同一径の孔であり、貫通孔21に対応する位置に形成されている。具体的に説明すると、中空部30は、弾性体3の中央に1つと、その周りに4つ形成されている。なお、中空部30の位置や数、径などは、適宜変更可能である。
【0030】
図4(a)は鉛直荷重(初期荷重)が加えられていない状態の支承構造を模式的な表した断面図であり、図4(b)は鉛直荷重が加えられた状態の支承構造を模式的な表した断面図である。
図4(a)に示すように、支承構造の上に主桁5が設置されてなく、支承構造に鉛直荷重が加えられていないとき、下沓1の上面と外筒部20の下端面との間には、少なくとも主桁5の設置後の弾性体3の圧潰変形量dよりも大きい隙間があけられている。また、このとき、中空部30の内側は中空になっている。
【0031】
一方、図4(b)に示すように、支承構造の上に主桁5が設置され、支承構造に鉛直荷重が加えられると、中空部30により弾性体3が逃げる空間が確保されているため、弾性体3が圧潰変形する。つまり、支承構造に鉛直荷重が加えられると、中空部30内に弾性体3の一部が膨出される。そして、中空部30内に膨出された分、弾性体3の厚さが低減され、上沓2の位置が沈下し、外筒部20の下端面が下沓1の上面に近接或いは当接する。このとき、弾性体3に形成された中空部30は、弾性体3を上下方向に貫通しているため、鉛直荷重が加えられたときに弾性体3の一部が逃げる空間が大きく、弾性体3の圧潰変形量dも十分に大きくなる。
【0032】
また、下沓1の上面と上沓2の下面と外筒部20の内周面とで囲まれた空間の中に弾性体3が設けられているので、この弾性体3の外周面は外筒部20によって拘束されている。したがって、上記したように、支承構造に鉛直荷重が加えられると、中空部30内に弾性体3が膨出して弾性体3が或る程度まで圧潰変形するが、中空部30が弾性体3で塞がれた時点で弾性体3の逃げるところがなくなるため、弾性体3がそれ以上圧潰しなくなる。なお、主桁5が所定の高さレベルに配置されるように、中空部30の数や径を調整する。
【0033】
また、上記した構成からなる支承構造が橋梁の橋脚4の上端面と主桁5の下面との間に介装されているときに、橋脚4と主桁5との間に相対的に水平変位が生じると、内筒部11と外筒部20との間に弾性体3が圧潰変形し、下沓1と上沓2とが相対的に水平変位する。そして、或る程度まで変位すると、内筒部11と外筒部20とが係合し合ってストッパー機能を発揮し、上記水平変位が規制される。このとき、内筒部11と外筒部20の間の弾性体3により、内筒部11と外筒部20との係合時の衝撃が緩和される。
【0034】
また、主桁5が撓んで主桁5の端部に浮上りが生じ、支承構造に上下方向の引張力が作用した場合、上沓2が下沓1に対して上方に移動する。このとき、上述したように弾性体3は、予め鉛直荷重により圧潰変形しているので、その圧潰変形量dの分だけ上方への変形が許容される。また、弾性体3は下沓1の上面及び上沓2の下面に対して加硫接着されているので、その接着力が上記した引張力に抵抗する。
【0035】
上記した構成からなる支承構造によれば、弾性体3が圧潰変形量dの分だけ上方変位が許容されているので、大型車両の通行等で主桁5が撓み、主桁5の端部に浮上りが生じても、主桁5端部の上方への変位に対して十分に追随することができる。また、上記のように上方変位が許容されているため、弾性体3を下沓1の上面及び上沓2の下面にそれぞれ接着することができる。そして、弾性体3を下沓1の上面及び上沓2の下面にそれぞれ接着すると、その接着力による鉛直変位の規制も期待することができる。
【0036】
しかも、上記した構成からなる支承構造によれば、上記した中空部30の数や大きさの変更により、弾性体3の低剛性化が可能であり、弾性体3の圧潰変形量dが調整可能である。このため、弾性体3を厚くすること無く、主桁5端部の上方への変位に対して十分に追随させることができ、支承構造の高さを低く抑えることができる。したがって、支承構造の断面剛性も小さくてよく、コンパクトな形状の支承構造にすることができ、例えば既設の鋼製支承と置き換える場合等、設置スペースの高さが低い場合であっても設置することが可能となる。
【0037】
また、上沓2の下面に外筒部20が突設され、その外筒部20の内側に弾性体3が収容されており、支承構造に鉛直荷重が加えられたとき、中空部30が弾性体3で塞がれた時点で弾性体3の逃げるところがなくなり、弾性体3がそれ以上圧潰しなくなるため、弾性体3を或る一定の圧潰変形状態で保持させることができる。
【0038】
また、下沓1の上面に内筒部11が突設され、上沓2の下面には外筒部20が突設されているため、下沓1と上沓2とが相対的に水平変位したとき、内筒部11及び外筒部20がストッパー機能を果たすことより水平変位が規制される。したがって、水平変位を規制するサイドブロック等の部材を別途設ける必要が無い。よって、支承構造を小型化することができ、狭いスペースにも設置することができる。
【0039】
また、内筒部11と外筒部20との間にも弾性体3が介在されているため、この内筒部11と外筒部20との間の弾性体3が水平変位に対して緩衝機能を発揮する。これにより、水平力を吸収することができ、水平変位を良好に規制することができる。また、内筒部11と外筒部20との間の弾性体3が圧潰変形されることで、水平変位に対して追随することが可能である。これにより、主桁5の伸縮等に対して対応することができる。
【0040】
また、弾性体3に形成された中空部30は、弾性体3を上下方向に貫通しているため、鉛直荷重が加えられたときに弾性体3の一部が逃げる空間が一層大きくなる。これにより、弾性体3がより一層圧潰変形し易くなり、弾性体3の厚さが一層低減され、上方への許容変位量が大きくなる。これにより、支承構造は大きな鉛直変位に対しても追随することができる。
【0041】
また、上沓2には、中空部30に連通する貫通孔21が形成されているため、中空部30を形成するための図示せぬ中子を貫通孔21から引き抜くことが可能であり、中空部30を有する弾性体3が容易に形成される。詳しく説明すると、上記した支承構造を製作する際、まず、下沓1と上沓2とを対向配置させる。また、下沓1と上沓2との間に、中空部30を形成するための図示せぬ中子を所定位置に設置する。例えば、円柱形状の中子を貫通孔21から挿入して下沓1と上沓2との間に設置する。上記した中子としては例えばボルトを用いることができる。次に、下沓1と上沓2との間に、溶解したゴム材料等を充填して弾性体3を形成する。そして、弾性体3の硬化後に、上記した中子を貫通孔21から引き抜く。これにより、弾性体3に中空部30が形成される。このように、中空部30を有する弾性体3が容易に形成されるため、支承構造を容易に製作することができる。
【0042】
また、上記した貫通孔21内に栓体23を嵌合させることで、貫通孔21による上沓2の強度低下を抑えることができ、貫通孔21周りのひび割れ等を防止することができる。
【0043】
[第2の実施の形態]
上記した第1の実施の形態では、固定式の支承構造について説明したが、本発明は、図5に示すように、可動式の支承構造にすることも可能である。本実施の形態では、上記した可動式の支承構造について説明する。なお、上記した第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0044】
可動式の支承構造は、図5に示すように、上沓2の上面に、上沓2と主桁5等の上部構造とを水平方向へ相対変位させるためのすべり材22が設けられた構成、或いは、下沓1の下面に、下沓1と橋脚4等の下部構造とを水平方向へ相対変位させるためのすべり材22が設けられた構成、になっている。
【0045】
ここで、上記した可動式の支承構造について図6、図7に基づいて詳しく説明する。なお、主桁5の延在方向(図6における縦方向)を桁行方向とし、その桁行方向に直交する方向(図6における横方向)を桁幅方向とする。
【0046】
図6、図7に示すように、可動式の支承構造では、上沓2の上面に中間プレート9が載置されている。この中間プレート9は、桁行方向へ延在する矩形の鋼板であり、ボルト7により主桁5に固定されている。また、中間プレート9と主桁5との間には、ソールプレート8が介在されている。中間プレート9の下面には、ステンレス板90が固定されている。また、上沓2の上面には、ステンレス板90に滑動可能に当接されるすべり板22(すべり材)が設けられている。このとき、上沓2は主桁5に固定されてなく、上沓2と主桁5との相対的な水平移動が可能となっている。なお、すべり板22としては、ポリテトラフルオロエチレンや、分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレン等を用いることができる。また、中間プレート9の桁幅方向の両側には、桁行方向へ延在する段差部91がそれぞれ形成されている。この段差部91は、所定の長さだけ形成されており、平面視凹状に形成されている。
【0047】
一方、下沓1の上面には、桁幅方向に間隔を置いて配設された一対のサイドブロック12が立設されている。一対のサイドブロック12は、中間プレート9の両側にそれぞれ配設されており、サイドブロック12の上端には、上記した中間プレート9の段差部91の内側に配置され段差部91の端部に係止される係止部12aが突設されている。
【0048】
上記した構成からなる可動式の支承構造によれば、すべり板22とステンレス板90との間で自由に滑動する構成になっているため、桁行方向への変位が段差部91の長さ分の距離だけ許容される。一方、両側のサイドブロック12により桁幅方向への変位が規制される。これにより、気温などの影響により主桁5が伸縮した場合でも、支承構造は桁行方向の水平変位に対して追随することができる。
【0049】
なお、上記した可動式の支承構造は、上沓2の上にすべり板22及びステンレス板90を配設しており、橋脚4に対して下沓1が固定された構成になっているが、本発明は、下沓1の下にすべり板22及びステンレス板90を配設し、橋脚4に対して下沓1が水平移動する構成にすることも可能である。具体的に説明すると、橋脚4の上端面にアンカーボルト6により固定されたベースプレートを設置し、そのベースプレートの上に下沓1を配置する。そして、ベースプレートの上面にステンレス板90を固定し、下沓1の下面にすべり板22を固定する。このとき、下沓1は橋脚4に固定されてなく、下沓1と橋脚4との相対的な水平移動が可能な構成にする。これにより、上記した可動式の支承構造と同様に、水平変位に対して追随することができる。
【0050】
[第3の実施の形態]
上記した第1、第2の実施の形態では、突出部として円筒形状の内筒部11が形成されているが、本発明は、図8に示すように、突出部として円盤形状の凸部111が下沓1に突設された構成にすることも可能である。本実施の形態では、下沓1に上記凸部111が突設された支承構造について説明する。なお、上記した第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0051】
図8に示すように、上記した凸部111は、縦断面視凸形状を成しており、その外径が外筒部20の内径よりも小さく、外筒部20の内側に嵌め込まれている。凸部111の外周面は、外筒部20の内周面に沿って形成されており、凸部111の外周面と外筒部20の内周面との間には間隔があけられて弾性体3が介在されている。また、凸部111の先端面は、上沓2の下面に対して間隔をあけて対向しており、凸部111の先端面と上沓2の下面との間には弾性体3が介在されている。
【0052】
上記した構成からなる支承構造では、橋脚4と主桁5との間に相対的に水平変位が生じると、凸部111と外筒部20との間に弾性体3が圧潰変形し、下沓1と上沓2とが相対的に水平変位する。そして、或る程度まで変位すると、凸部111と外筒部20とが係合し合ってストッパー機能を発揮し、上記水平変位が規制される。
また、第1の実施の形態における内筒部11を有する下沓1と比較して、凸部111を有する下沓1の方が、形状が単純化される。
【0053】
上記した構成からなる支承構造によれば、水平変位を規制することができるとともに、削り出しよる下沓1の製作コストを低減させることができる。すなわち、上記した凸部111を有する下沓1の場合、中央部分に内周孔を削らなくてよい分、製作コストを抑えることができる。
【0054】
[第4の実施の形態]
本発明は、図9、図10に示すように、弾性体3内に拘束部材31が内在された構成にすることも可能である。本実施の形態では、上記拘束部材31を備えた支承構造について説明する。なお、上記した第1〜第3の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0055】
図9、図10に示すように、本実施の形態における弾性体3には、その中心部分にのみ中空部30が形成されており、また、この弾性体3内には、その弾性体3の縦弾性係数よりも高い縦弾性係数を持つ拘束部材31が内在されている。この拘束部材31は、中空部30を囲う円環状の鋼板であり、弾性体3の上下方向(弾性体3の厚さ方向)の略中央部分に配設されている。
【0056】
上記した拘束部材31を備える支承構造によれば、弾性体3内に拘束部材31が内在されることにより、弾性体3の圧潰変形量d´が小さくなるため、中空部30だけで弾性体3の圧潰変形量d´の設定する場合に比べて、設計の自由度を増すことができる。
【0057】
なお、上記した実施の形態では、円環状の拘束部材31の中心部分の孔に中空部30が形成される構成になっているが、本発明は、拘束部材によって中空部30が閉塞される構成にすることも可能であり、例えば、中心部分に孔が無い円盤状の拘束部材を用いることも可能である。また、同一平面上に複数の拘束部材が配設されていてもよい。例えば、円環状の鋼板を複数に分割した状態で同一平面状に配設されていてもよい。この場合、鋼板は、二分割されていることが好ましい。
【0058】
以上、本発明に係る支承構造の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した第1〜第3の実施の形態では、溶解されたゴム材料等を下沓1と上沓2との間に充填することで弾性体3が形成されており、弾性体3は下沓1の上面及び上沓2の下面にそれぞれ加硫接着されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、予め成形された弾性体3を下沓1と上沓2との間に挟持させ、この弾性体3を下沓1の上面及び上沓2の下面に接着剤により接着することも可能である。さらに、弾性体3が下沓1の上面や上沓2の下面に接着されていなくてもよい。なお、弾性体3を予め成形しておく場合、弾性体3を複数のパーツに分割させておき、複数の弾性体パーツを組み合わせて弾性体3を形成してもよい。これにより、中空部30の量を適宜調整することができる。
【0059】
また、上記した第1〜第3の実施の形態では、内筒部11や凸部111の外周面と外筒部20の内周面との間に間隔があけられており、内筒部11と外筒部20との間、或いは凸部111と外筒部20との間に弾性体3が介在されているが、本発明は、内筒部11や凸部111の外周面と外筒部20の内周面とが当接されており、内筒部11と外筒部20との間、或いは凸部111と外筒部20との間に弾性体3が介在されていない構成にすることも可能である。これにより、内筒部11や凸部111と外筒部20との係合で下沓1と上沓2との相対的な水平変位が規制され、水平方向の拘束性が向上する。
【0060】
また、上記した第1〜第3の実施の形態では、下沓1の上面に内筒部11が突設され、上沓2の下面に外筒部20が突設されているが、本発明は、下沓1の上面に外筒部(筒部)が突設され、上沓2の下面に内筒部(突出部)が突設されていてもよい。
【0061】
上記した第1、第2の実施の形態では、突出部として円筒形状の内筒部11が形成されており、第3の実施の形態では、突出部として円盤形状の凸部111が形成されているが、本発明における突出部は、上記した内筒部11や凸部111に限定されるものではなく、例えば、分割された壁状の突出部であってもよく、その他の形状の突出部であってもよい。また、上記した第1〜第3の実施の形態では、突出部(内筒部11、凸部111)が筒部(外筒部20)の内側に配設されているが、本発明は、筒部の外側に突出部が配設されていてもよい。
【0062】
また、上記した第1〜第3の実施の形態では、筒部として円筒形状の外筒部20が形成されているが、本発明は、円筒形状の筒部に限定されるものではない。例えば、角筒形状の筒部であってもよく、或いは、外周形状が平面視矩形であって内周形状が平面視円形の筒部であってもよく、その他の形状の筒部であってもよい。
【0063】
さらに、本発明は、下沓1の上面または上沓2の下面のうちの何れか一方に筒部が設けられ、突出部が無い構成にすることも可能である。さらに、本発明は、下沓1の上面や上沓2の下面に筒部が形成されていない構成にすることも可能である。
【0064】
また、上記した第1〜第3の実施の形態では、弾性体3を上下方向に貫通した貫通孔状の中空部30が弾性体3に形成されているが、本発明は、弾性体3に形成する中空部の形状は適宜変更可能である。例えば、図11に示すように、有底孔(非貫通孔)状の中空部130が弾性体3に形成されていてもよい。この有底孔状の中空部130では、その深さを調整することで、その径(平面形状)や数を変更することなく中空部130の容積が調整されて弾性体3の圧潰変位量が調整されるため、設計の自由度を向上させることができる。また、本発明は、スリット状の中空部が弾性体3に形成されていてもよく、その他の形状の中空部が弾性体3に形成されていてもよい。
【0065】
また、上記した第1〜第3の実施の形態では、下沓1が平面視矩形状であり、上沓2が平面視円形状であるが、本発明は、下沓1や上沓2の形状は適宜変更可能である。例えば、下沓1を平面視円形状にして上沓2を平面視矩形状にすることも可能であり、或いは、下沓1及び上沓2をそれぞれ平面視円形状又は平面視矩形状にすることも可能であり、或いは、下沓1や上沓2をその他の形状にすることも可能である。
【0066】
また、上記した第1〜第3の実施の形態では、中空部30に連通する貫通孔21が上沓2に形成されているが、本発明は、貫通孔21が下沓1に形成されていてもよく、或いは、貫通孔21が下沓1及び上沓2にそれぞれ形成されていてもよい。さらに、本発明は、下沓1や上沓2に貫通孔21が形成されていない構成にすることも可能である。
【0067】
また、上記した第1〜第3の実施の形態では、橋脚4と主桁5との間に介装される支承構造について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、支承構造の設置場所は適宜変更可能である。例えば、建築物を支承するための支承構造として利用することも可能であり、或いは、機械を支承するための支承構造として利用することも可能である。
【0068】
また、上記した第1〜第3の実施の形態では、橋脚4の上に下沓1が直接配置されており、また、上沓2の上にソールプレート8を介して主桁5が支持されているが、本発明は、下沓1が橋脚4上にプレート等の中間部材を介して配置されていてもよく、また、上沓2が主桁5を直接支持していてもよい。
【0069】
また、上記した実施の形態では、上沓2に雌ネジ状の貫通孔21が形成されており、この貫通孔21は、ボルト状の栓体23が螺着されることによって閉塞されているが、本発明は、上沓2に形成された貫通孔の内側に、冷却された栓体を嵌め込み、この栓体が温度上昇により膨張することで貫通孔の内周面に密接する方法(冷やし加締め)で貫通孔を閉塞することも可能である。これにより、貫通孔からの水分の浸入を防止することができるとともに、ネジ締め作業を省略することができ、貫通孔を閉塞する作業の手間を軽減することができる。この場合、貫通孔は、内周面にねじ山等の凹凸が形成されてなく、内周面が平滑な丸孔形状に形成されていることが好ましく、また、栓体も、外周面にねじ山等の凹凸が形成されてなく、貫通孔の形状に対応した円柱形状になっていることが好ましい。これにより、栓体による貫通孔の密封性を向上させることができ、水分の浸入を確実に防止することができる。
【0070】
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明するための固定式の支承構造の平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を説明するための固定式の支承構造の半断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を説明するための上沓の部分拡大図である。
【図4】(a)は鉛直荷重が加えられる前の支承構造を模式的に表した断面図であり、(b)は鉛直荷重が加えられた後の支承構造を模式的に表した断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を説明するための可動式の支承構造を模式的に表した断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を説明するための可動式の支承構造の平面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を説明するための可動式の支承構造の半断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態を説明するための支承構造を模式的に表した断面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態を説明するための支承構造を模式的に表した断面図である。
【図10】図9に示すA−A間の平断面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態を説明するための支承構造を模式的に表した断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 下沓
2 上沓
3 弾性体
4 橋脚(下部構造)
5 主桁(上部構造)
11、111 内筒部(突出部)
20 外筒部(筒部)
21 貫通孔
22 すべり板(すべり材)
23 栓体
30、130 中空部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部構造上に配置される下沓と、該下沓の上方に配置され上部構造を支持する上沓と、前記下沓と前記上沓との間に介在された弾性体と、を備える支承構造において、
前記弾性体に中空部が形成されていることを特徴とする支承構造。
【請求項2】
請求項1記載の支承構造において、
前記下沓の上面及び/又は前記上沓の下面に筒部が突設され、
該筒部の内側に前記弾性体が収容されていることを特徴とする支承構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の支承構造において、
前記下沓の上面及び前記上沓の下面のうちの何れか一方には、筒部が突設され、
前記下沓の上面及び前記上沓の下面のうちの何れか他方には、該筒部の外側又は内側に配置される突出部が突設されていることを特徴とする支承構造。
【請求項4】
請求項3に記載の支承構造において、
前記突出部が、外径が前記筒部の内径よりも小さく、前記筒部の内側に嵌め込まれる縦断面視凸形状を成し、
少なくとも、前記下沓の上面及び前記上沓の下面のうちの何れか一方と前記突出部の先端面との間に、前記弾性体が介在されていることを特徴とする支承構造。
【請求項5】
請求項3または4記載の支承構造において、
前記筒部と前記突出部との間に弾性体が介在されていることを特徴とする支承構造。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の支承構造において、
前記下沓の下面及び/又は前記上沓の上面には、前記下沓と前記下部構造、及び/又は、前記上沓と前記上部構造、を水平方向へ相対変位させるためのすべり材が設けられていることを特徴とする支承構造。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一項に記載の支承構造において、
前記中空部は、前記弾性体を上下方向に貫通していることを特徴とする支承構造。
【請求項8】
請求項1から6の何れか一項に記載の支承構造において、
前記中空部は、非貫通の有底孔であることを特徴とする支承構造。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一項に記載の支承構造において、
前記下沓及び/又は前記上沓には、前記中空部に連通する貫通孔が形成されていることを特徴とする支承構造。
【請求項10】
請求項9記載の支承構造において、
前記貫通孔は栓体で閉塞されていることを特徴とする支承構造。
【請求項11】
請求項1から10の何れか一項に記載の支承構造において、
前記弾性体は、前記下沓の上面及び前記上沓の下面にそれぞれ接着されていることを特徴とする支承構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−79464(P2009−79464A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−66240(P2008−66240)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】