説明

支承部内の油をリサイクルするための方法

ロール胴(WB)の側面(ST)の領域および軸受内蔵材(LES)の軸受内に支承された圧延機ロール(W)のネック(WZ)の外周面の領域から油をリサイクルするための装置であって、軸受部材とロール胴(WB)の側面(ST)の間に設けられたシール軸受レース(DLR)は、ロールネック(WZ)上に取付けられている。シール軸受レース(DLR)の外側面に、円筒形の内側面を備え、シール軸受レースに抗してシールされた、外側円錐形面を備えた第一円錐環状体(KRK1)が配置されており、この円錐形面の傾斜部が、ロール軸線(x−x)へ向かう方向に延びている。軸受ケーシング内で不動に設けられ、第一円錐環状体(KRK1)の外側円錐形面と間隔をおいて相対している外側円錐形面を備えた第二円錐環状体(KRK2)は、この外側円錐形面と共にロール胴側面(ST)からの油を移送する液圧式ポンプ間隙(PS)を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール胴の端面領域および軸受内蔵材の軸受内に支承された圧延機ロールのネックの外周面の領域から油をリサイクルするための装置であって、軸受部材とロール胴の端面の間に設けられたシール軸受レースがロールネック上に設けられている様式の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
軸受内蔵材内で支承され、かつ軸受内蔵材により担持される圧延機のロールにあって、この支承部が、ロールのネックとロール胴に抗して、ロール胴上に取付けられたシール軸受レースを備えていること、およびこの支承部をロールネックあるいは軸受ケーシングと連結している他の可撓な、その一部がラビリンスを形成している弾性シールリングによりシールすることが知られている。このシール装置は、通常ロールの作動の際のシールに必要な条件は満たしている。
【0003】
圧延ストリップを圧延する場合、特に高い品質への要求が課せられる。例えば、乾燥スキンバス圧延スタンドでの圧延の場合、ロール胴は、完全に汚れが無くかつ油が無い状態に維持しなければならない。なぜなら、すでにばらばらになっているごくわずかな油滴−軸受から、ロール胴の側面を経由してロールの外周面で、圧延領域内に達する−が、ロール胴の表面品質を損ね、ロールをすべて交換することが頻繁に必要となるからである。
【0004】
シール軸受レースの下で軸受に向かって油の流れを発生させ、それにより油滴流出に対処するために、シールラビリンスに圧縮空気を作用させることが試行されてきた。さらに、ばらばらな油滴の流出を確実に回避するために、このような処置は適していないことがわかった。なぜなら度重なる結果として、たいていは同様な欠陥を有する一連のストリップコイルが巻き取られた後で初めて、油の流出により生じる品質の欠陥が、ストリップの圧延に続く検査ラインにおいて初めて検出されるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の根底をなす課題は、公知の油フィードバックシステムを、わずかなメンテナンス費用でもって、高い信頼性を伴い、わずかな量の油が流出する危険を取り除くように改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題は、冒頭で述べた類の油をリサイクルするための装置により、
円筒形の内側面を備え、シール軸受レースの外側面にあり、シール軸受レースに抗してシールされた第一円錐環状体を備え、この第一円錐環状体が外側円錐形面を有し、この円錐形面の傾斜部が、ロール軸線へ向かう方向に延びており、
軸受ケーシング内で不動に設けられた第二円錐環状体を備え、この第二円錐環状体が内側円錐形面を有し、この第二円錐環状体の内側円錐形面が、第一円錐環状体の外側円錐形面と間隔をおいて相対していて、この外側円錐形面と共にロール胴側面からの油を移送する液圧式ポンプ間隙を形成することにより解決される。
【0007】
ロール胴の反対側にある圧送間隙の端部は、環状流入室内で合流し、この環状流入室が、軸半径方向でかつこの環状流入室に対して傾斜して延びている第一円錐環状体の側面と、この側面と間隔をおいて相対している、第二円錐環状体のフランジ形状の環状突出部の半径方向側面と、シール軸受レースの外側面部分とにより形成される。その際、ロール胴と反対側にあるポンプ間隙の出口端部は、環状の油捕集室内で合流し、この油捕集室は、半径方向に延びている第二円錐環状体の側面と、この側面と間隔をおいて相対している、軸受ケーシング内で不動に設けられたフランジ状環状突出部の側面と、第一円錐環状体の側壁部分とにより形成される。この場合、油捕集室は、軸受ケーシング内に設けられた半径方向の案内管路とこの案内管路の後方に設けられた導出管路とに所属している。
【0008】
第一円錐環状体は、ポンプ間隙の出口端部から軸方向の間隔をおいて、軸受の固定された部分において、同様に軸半径方向に延びている環状の乗り上げ面に当接するための、軸半径方向に延びている当接面を備えていてもよく、かつ耐磨耗性材料でできていてもよい。
【0009】
本装置は、ほんのわずかな部品を備えている構造コストがかからない場合にあって、高い信頼性によってだけでなく、特別な費用をかけずに、円筒ころ軸受による現存のシールシステム内に取付けることができることを特徴とする。なぜなら本装置は、もはや必要としない二重シールシステムにより占められる取付け空域よりも大きく構成されていないからである。さらに本装置は、他の用途の圧延機の軸受内で使用するのにも適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明を図示した実施例に基づき詳しく説明する。
【実施例】
【0011】
図1からわかるように、ロール支承部はロールWのロールネックWZ上に配置された一組のラジアルころ軸受と、ロールのロール胴WBの反対側にあるロールネックの端部WZE上に配置された一組のラジアル軸受から成る。ラジアルころ軸受は、軸受内蔵材LES内に挿入されており、ラジアル軸受RDLは閉鎖環状体ARK内に配置されている。この閉鎖環状体はロール胴WBの反対側にある軸受内蔵材LESの側面において、軸受内蔵材に取付けられている。ロール胴WBに向かい合った軸受内蔵材LESの他方の側面には、中間環状体ZRKが取付けられており、この中間環状体はこの後さらに詳しく説明するシール部材とシール装置とを備えている。
【0012】
支承部には、供給管路ZFKを経由してかつ供給管路に接続している案内管路FKに、図示していない方法で油が供給され、導出管路AKを経由して再度導出される。
【0013】
図2及び3から、ロール胴WBとラジアルころ軸受RRLとの間で、ロールネックWZ上にシール軸受レースDLRが設けられ、その外周面が中間環状体ZRKと固く連結した、弾性的ラビリンス環状物LRにより作用を受けて密な状態に保たれることがわかる。さらにこのシール軸受レースDLRの円筒形の外周部に、円筒形の内面を備えた第一円錐環状体KRK1が取付けられ、この第一円錐環状体の外側環状面ARFはロール胴WBの方向で離れるように、かつロール軸線x−x(図1)に傾斜して延びている。中間環状体内には、第二円錐環状体KRK2が配置されており、この第二円錐環状体の内側環状面IRFは、同様に傾斜して延びていて、第一円錐環状体KRK1の外側環状面ARFと間隔をおいて相対しており、この外側環状面ARFと共に円錐形の環状間隙すなわちポンプ間隙PSを形成し、ロール胴と反対側にあるポンプ間隙の出口端部は、案内管路FKを経由して導出管路AKと連結している油貯蔵室OSK内で合流し、ロール胴WBと反対側にあるポンプ間隙の入口端部は、環状入口室EK内で合流し、この環状入口室は、軸半径方向でかつこの環状入口室に対して傾斜して延びている第一円錐環状体KRK1の側壁と、この側壁と間隔をおいて相対しているフランジ形状の環状突出部RAの半径方向側面と、シール軸受レースDLRの外側面部分とにより形成される。
【0014】
第一円錐環状体KRK1は、圧送間隙PSの出口端部から軸方向に間隔をおいて、強固に軸受されたな軸受の環状片RSにおいて、同様に環状で軸方向に延びている当接面AUFに当接するための、環状で軸半径方向に延びている当接面ANFを備え、かつ耐磨耗性の材料でできている。
【0015】
第一円錐環状体KRK1は、ロールが作動する際、この場合不動の第二円錐環状体KRK2の周囲で回転するので、両圧送間隙PS間で液圧式遠心ポンプとして作用し、この液圧式遠心ポンプは、ロール胴の端面STの領域内の及びシール軸受レースの外側面の領域内の軸受から入口室EK内に達する油部分を吸い取り、油捕集室OSK、案内管路FK、そして導出管路AKを経由して、油を軸受の油循環部内に再度案内し、それにより油がロール胴WBの端面STに、及びロール胴を介してロール胴の外周面に達することは防げる。
【0016】
さらに本装置は、不十分なシールにより外側からロール胴により軸受内に達する冷却液あるいは潤滑エマルジョン残渣のような少量の液体を吸い取り、かつ軸受の油の循環を経由して導出するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】円筒ころ軸受の軸方向断面図である。
【図2】図2による図からの拡大詳細図である。
【図3】図2によるさらに拡大した詳細図である。
【符号の説明】
【0018】
RRL ラジアルころ軸受
RDL ラジアル軸受
LES 軸受内蔵材
W ロール
WB ロール胴
WZ ロールネック
ST (ロール胴WBの)端面
WZE ロールネックWZの(段付の)端部
ARK 閉鎖環状体
ZRK 中間環状体
ZFK 供給管路
FK 案内管路
AK 導出管路
DLK シール軸受レース
LR ラビリンス環状物
KRK1 (第一)円錐環状体
KRK1 (第二)円錐環状体
x−x ロール軸線
IRF (内側)環状面
ARF (外側)環状面
PS 圧送間隙
OSK 油捕集室
EK 流入室
RA (フランジ状)環状突出部
ANF 当接面
AUF 乗り上げ面
RS 環状片
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール胴の端面領域および軸受内蔵材の軸受内に支承された圧延機ロールのネックの外周面の領域から油をリサイクルするための装置であって、軸受部材とロール胴の端面の間に設けられたシール軸受レースがロールネック上に設けられている様式の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
軸受内蔵材内で支承され、かつ軸受内蔵材により担持される圧延機のロールにあって、この支承部が、ロールのネックとロール胴に抗して、ロール胴上に取付けられたシール軸受レースを備えていること、およびこの支承部をロールネックあるいは軸受ケーシングと連結している他の可撓な、その一部がラビリンスを形成している弾性シールリングによりシールすることが知られている。このシール装置は、通常ロールの作動の際のシールに必要な条件は満たしている。
【0003】
圧延ストリップを圧延する場合、特に高い品質への要求が課せられる。例えば、乾燥スキンバス圧延スタンドでの圧延の場合、ロール胴は、完全に汚れが無くかつ油が無い状態に維持しなければならない。なぜなら、すでにばらばらになっているごくわずかな油滴−軸受から、ロール胴の側面を経由してロールの外周面で、圧延領域内に達する−が、ロール胴の表面品質を損ね、ロールをすべて交換することが頻繁に必要となるからである。
【0004】
シール軸受レースの下で軸受に向かって油の流れを発生させ、それにより油滴流出に対処するために、シールラビリンスに圧縮空気を作用させることが試行されてきた。さらに、ばらばらな油滴の流出を確実に回避するために、このような処置は適していないことがわかった。なぜなら度重なる結果として、たいていは同様な欠陥を有する一連のストリップコイルが巻き取られた後で初めて、油の流出により生じる品質の欠陥が、ストリップの圧延に続く検査ラインにおいて初めて検出されるからである。
【発明の開示】
【0005】
油をリサイクルするために、円筒形の内側面を備え、シール軸受レースの外側面にあり、シール軸受レースに抗してシールされた第一円錐環状体を使用し、この第一円錐環状体が外側円錐形面を備え、この外側円錐形面の傾斜部がロール胴側面から、ロール軸線(x−x)へ向かう方向に延びており、この第一円錐環状体には、軸受ケーシング内で不動に設けられた、内側円錐形面を備えた別の第二円錐環状体を所属させ、この内側円錐形面が、第一円錐環状体の外側円錐形面と間隔をおいて相対しており、この場合、両円錐形面が、ロールのロール胴側面からの油を移送する液圧式ポンプ間隙を形成することにより、わずかな量の油が流出する危険を取り除くという目的で公知の油リサイクルシステムを改善するという、特許文献1から周知となっている提案から出発して、本発明は、ロール胴と反対側にあるポンプ間隙の入口端部が、環状流入室内で合流し、この環状流入室が、軸半径方向でかつこれ環状流入室に対して傾斜して延びている第一円錐環状体の側面と、この側面と間隔をおいて相対しているフランジ形状の環状突出部の半径方向側面と、シール軸受レースの外側面部分とにより形成されることにより、このポンプ間隙の効果と油の移送路を改善することにある。その際、ロール胴と反対側にあるポンプ間隙の出口端部は、環状の油捕集室内で合流し、この油捕集室は、半径方向に延びている第二円錐環状体の側面と、この側面と間隔をおいて相対している、軸受ケーシング内で不動に設けられたフランジ状環状突出部の側面と、第一円錐環状体の側壁部分とにより形成される。この場合、油捕集室は、軸受ケーシング内に設けられた半径方向の案内管路とこの案内管路の後方に設けられた導出管路とに所属している。
【0006】
第一円錐環状体は、ポンプ間隙の出口端部から軸方向の間隔をおいて、軸受の固定された部分において、同様に軸半径方向に延びている環状の乗り上げ面に当接するための、軸半径方向に延びている当接面を備えていてもよく、かつ耐磨耗性材料でできていてもよい。
【0007】
本装置は、ほんのわずかな部品を備えている構造コストがかからない場合にあって、高い信頼性によってだけでなく、特別な費用をかけずに、円筒ころ軸受による現存のシールシステム内に取付けることができることを特徴とする。なぜなら本装置は、もはや必要としない二重シールシステムにより占められる取付け空域よりも大きく構成されていないからである。さらに本装置は、他の用途の圧延機の軸受内で使用するのにも適している。
【特許文献1】仏国特許出願公開第1470057号明細書
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明を図示した実施例に基づき詳しく説明する。
【実施例】
【0009】
図1からわかるように、ロール支承部はロールWのロールネックWZ上に配置された一組のラジアルころ軸受と、ロールのロール胴WBの反対側にあるロールネックの端部WZE上に配置された一組のラジアル軸受から成る。ラジアルころ軸受は、軸受内蔵材LES内に挿入されており、ラジアル軸受RDLは閉鎖環状体ARK内に配置されている。この閉鎖環状体はロール胴WBの反対側にある軸受内蔵材LESの側面において、軸受内蔵材に取付けられている。ロール胴WBに向かい合った軸受内蔵材LESの他方の側面には、中間環状体ZRKが取付けられており、この中間環状体はこの後さらに詳しく説明するシール部材とシール装置とを備えている。
【0010】
支承部には、供給管路ZFKを経由してかつ供給管路に接続している案内管路FKに、図示していない方法で油が供給され、導出管路AKを経由して再度導出される。
【0011】
図2及び3から、ロール胴WBとラジアルころ軸受RRLとの間で、ロールネックWZ上にシール軸受レースDLRが設けられ、その外周面が中間環状体ZRKと固く連結した、弾性的ラビリンス環状物LRにより作用を受けて密な状態に保たれることがわかる。さらにこのシール軸受レースDLRの円筒形の外周部に、円筒形の内面を備えた第一円錐環状体KRK1が取付けられ、この第一円錐環状体の外側環状面ARFはロール胴WBの方向で離れるように、かつロール軸線x−x(図1)に傾斜して延びている。中間環状体内には、第二円錐環状体KRK2が配置されており、この第二円錐環状体の内側環状面IRFは、同様に傾斜して延びていて、第一円錐環状体KRK1の外側環状面ARFと間隔をおいて相対しており、この外側環状面ARFと共に円錐形の環状間隙すなわちポンプ間隙PSを形成し、ロール胴と反対側にあるポンプ間隙の出口端部は、案内管路FKを経由して導出管路AKと連結している油貯蔵室OSK内で合流し、ロール胴WBと反対側にあるポンプ間隙の入口端部は、環状入口室EK内で合流し、この環状入口室は、軸半径方向でかつこの環状入口室に対して傾斜して延びている第一円錐環状体KRK1の側壁と、この側壁と間隔をおいて相対しているフランジ形状の環状突出部RAの半径方向側面と、シール軸受レースDLRの外側面部分とにより形成される。
【0012】
第一円錐環状体KRK1は、圧送間隙PSの出口端部から軸方向に間隔をおいて、強固に軸受されたな軸受の環状片RSにおいて、同様に環状で軸方向に延びている当接面AUFに当接するための、環状で軸半径方向に延びている当接面ANFを備え、かつ耐磨耗性の材料でできている。
【0013】
第一円錐環状体KRK1は、ロールが作動する際、この場合不動の第二円錐環状体KRK2の周囲で回転するので、両圧送間隙PS間で液圧式遠心ポンプとして作用し、この液圧式遠心ポンプは、ロール胴の端面STの領域内の及びシール軸受レースの外側面の領域内の軸受から入口室EK内に達する油部分を吸い取り、油捕集室OSK、案内管路FK、そして導出管路AKを経由して、油を軸受の油循環部内に再度案内し、それにより油がロール胴WBの端面STに、及びロール胴を介してロール胴の外周面に達することは防げる。
【0014】
さらに本装置は、不十分なシールにより外側からロール胴により軸受内に達する冷却液あるいは潤滑エマルジョン残渣のような少量の液体を吸い取り、かつ軸受の油の循環を経由して導出するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】円筒ころ軸受の軸方向断面図である。
【図2】図2による図からの拡大詳細図である。
【図3】図2によるさらに拡大した詳細図である。
【符号の説明】
【0016】
RRL ラジアルころ軸受
RDL ラジアル軸受
LES 軸受内蔵材
W ロール
WB ロール胴
WZ ロールネック
ST (ロール胴WBの)端面
WZE ロールネックWZの(段付の)端部
ARK 閉鎖環状体
ZRK 中間環状体
ZFK 供給管路
FK 案内管路
AK 導出管路
DLK シール軸受レース
LR ラビリンス環状物
KRK1 (第一)円錐環状体
KRK1 (第二)円錐環状体
x−x ロール軸線
IRF (内側)環状面
ARF (外側)環状面
PS 圧送間隙
OSK 油捕集室
EK 流入室
RA (フランジ状)環状突出部
ANF 当接面
AUF 乗り上げ面
RS 環状片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール胴(WB)の側面(ST)の領域および軸受内蔵材(LES)の軸受内に支承された圧延機ロール(W)のネック(WZ)の外周面の領域から油をリサイクルするための装置であって、軸受部材とロール胴(WB)の側面(ST)の間に設けられたシール軸受レース(DLR)がロールネック(WZ)上に設けられている様式の装置において、
円筒形の内側面を備え、シール軸受レース(DLR)の外側面にあり、シール軸受レースに抗してシールされた第一円錐環状体(KRK1)を備え、この第一円錐環状体が外側円錐形面を有し、この円錐形面の傾斜部が、ロール軸線(x−x)へ向かう方向に延びており、
軸受ケーシング内で不動に設けられた第二円錐環状体(KRK2)を備え、この第二円錐環状体が内側円錐形面を有し、この内側円錐形面が、第一円錐環状体(KRK1)の外側円錐形面と間隔をおいて相対しており、この外側円錐形面と共にロール胴側面(ST)からの油を移送する液圧式ポンプ間隙(PS)を形成するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
ロール胴(WB)と反対側にあるポンプ間隙(PS)の入口端部が、環状流入室(EK)内で合流し、この環状流入室が、軸半径方向でかつこれ環状流入室に対して傾斜して延びている第一円錐環状体(KRK1)の側面と、この側面と間隔をおいて相対しているフランジ形状の環状突出部(RA)の半径方向側面と、シール軸受レース(DLR)の外側面部分とにより形成されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
ロール胴(WB)と反対側にあるポンプ間隙(PS)の出口端部が、
環状の油捕集室(OSK)内で合流し、この油捕集室が、半径方向に延びている第二円錐環状体(KRK2)の側面と、この側面と間隔をおいて相対している、軸受ケーシング内で不動に設けられたフランジ状環状突出部(RS)の半径方向側面と、第一円錐環状体(KRK1)の側壁部分とにより形成されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
油捕集室(OSK)が、軸受ケーシング内に設けられた半径方向の案内管路(FK)とこの案内管路の後方に設けられた導出管路(AK)とに所属していることを特徴とする請求項3記載の装置。
【請求項5】
第一円錐環状体(KRK1)が、ポンプ間隙(PS)の出口端部から軸方向の間隔をおいて、軸受の固定された部分において、同様に環状で軸半径方向に延びている乗り上げ面(AFU)に当接するための、軸半径方向に延びている環状の当接面(ANF)を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の装置。
【請求項6】
第一円錐環状体(KRK1)が、耐磨耗性材料から成ることを特徴とする請求項5記載の装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール胴(WB)の側面(ST)の領域および軸受内蔵材(LES)の軸受内に支承された圧延機ロール(W)のネック(WZ)の外周面の領域から油をリサイクルするための装置であって、軸受部材とロール胴(WB)の側面(ST)の間に設けられたシール軸受レース(DLR)がロールネック(WZ)上に設けられており、
円筒形の内側面を備え、シール軸受レース(DLR)の外側面にあり、シール軸受レースに抗してシールされた第一円錐環状体(KRK1)を備え、この第一円錐環状体が外側円錐形面を有し、この円錐形面の傾斜部が、ロール胴側面に向かってロール軸線(x−x)へ向かう方向に延びており、
軸受ケーシング内で不動に設けられた第二円錐環状体(KRK2)を備え、この第二円錐環状体が内側円錐形面を有し、この内側円錐形面が、第一円錐環状体(KRK1)の外側円錐形面と間隔をおいて相対しており、この外側円錐形面と共にロール胴側面(ST)からの油を移送する液圧式ポンプ間隙(PS)を形成するように構成されている装置において、
ロール胴(WB)と反対側にあるポンプ間隙(PS)の入口端部が、環状流入室(EK)内で合流し、この環状流入室が、軸半径方向でかつこれ環状流入室に対して傾斜して延びている第一円錐環状体(KRK1)の側面と、この側面と間隔をおいて相対しているフランジ形状の環状突出部(RA)の半径方向側面と、シール軸受レース(DLR)の外側面部分とにより形成されるように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
ロール胴(WB)と反対側にあるポンプ間隙(PS)の出口端部が、
環状の油捕集室(OSK)内で合流し、この油捕集室が、半径方向に延びている第二円錐環状体(KRK2)の側面と、この側面と間隔をおいて相対している、軸受ケーシング内で不動に設けられたフランジ状環状突出部(RS)の半径方向側面と、第一円錐環状体(KRK1)の側壁部分とにより形成されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項3】
油捕集室(OSK)が、軸受ケーシング内に設けられた半径方向の案内管路(FK)とこの案内管路の後方に設けられた導出管路(AK)とに所属していることを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項4】
第一円錐環状体(KRK1)が、ポンプ間隙(PS)の出口端部から軸方向の間隔をおいて、軸受の固定された部分において、同様に環状で軸半径方向に延びている乗り上げ面(AFU)に当接するための、軸半径方向に延びている環状の当接面(ANF)を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の装置。
【請求項5】
第一円錐環状体(KRK1)が、耐磨耗性材料から成ることを特徴とする請求項4記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2006−522688(P2006−522688A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504714(P2006−504714)
【出願日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【国際出願番号】PCT/EP2004/002784
【国際公開番号】WO2004/089559
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(390035426)エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト (320)
【Fターム(参考)】