説明

支持碍子及び絶縁構造物

【課題】鉄道車両の高速走行時における空力騒音を従来に比べて低減することのできる支持碍子及び絶縁構造物を提供する。
【解決手段】
鉄道車両の集電装置を支持する支持碍子1は、鉄道車両の前後方向の前方側に配置される前面部3と、鉄道車両の前後方向の後方側に配置される後面部5と、鉄道車両の左右方向に対向配置され、それぞれが上下方向に複数段の凸状襞を有する左側面部7及び右側面部9と、を備えている。前面部3は、下部から上部に向かって前記前後方向の後方側へと傾斜するとともに前記前後方向の前方側に凸となる滑らかな傾斜曲面として形成され、後面部は5、下部から上部に向かって前記前後方向の前方側へと傾斜するとともに前記前後方向の後方側に凸となる滑らかな傾斜曲面として形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の集電装置を支持する支持碍子及びこれに取り付けて使用する絶縁構造物に関し、特に鉄道車両の高速走行時における空力騒音の低減を図ることのできる支持碍子及び絶縁構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
日本の新幹線が口火を切った高速鉄道は世界に普及して、速度を競い合う状況になっている。このような状況の下、日本の騒音に関する基準が非常に厳しいことが高速化の足かせとなっている。車体の風きり音やトンネルでの衝撃音は、車体自体の改良によって改善されているが、架線から車両に電力を取り込むパンタフラフ等の集電装置で発生する空力音(空力騒音)は速度の6〜8乗に比例して増加するので、鉄道車両の高速化を達成するためには、この空力騒音を低減させる技術開発が不可欠となっている。
【0003】
集電装置に起因する空力騒音を低減する技術としては、従来から、(1)遮音カバーに空気バイパスを設ける、(2)架線に接触して集電する擦り板と舟体とを空気騒音が発生し難い曲面形状の支持体で構成する、(3)パンタグラフを遮蔽する壁の前後の壁面に半割り角錐状の傾斜屋根を設ける、(4)車両の碍子の上に基部と上部に分割したパンタグラフカバーを設ける、(5)セラミック製パンタグラフカバーを用いる、(6)翼型舟体を有するパンタグラフにおいて舟体全体に空気孔を設ける、(7)パンタグラフカバーを湾曲したメッシュで構成する、(8)シングルアーム型パンタグラフの前後を防風枠で覆う構造のカバーを用いる、(9)パンタグラフ枠を碍子の上部で覆う構造のパンタグラフカバーを用いる、及び、(10)パンタグラフ枠の変位範囲を覆う第2のカバーを設ける、などが知られている。
そのうち、集電装置を支持する支持碍子に関するものとして、特許文献1には、周面に外側に凸の襞を鉛直方向に複数個列設するとともに水平断面を電車の進行方向に長い偏平形状とした支持碍子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−130907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記支持碍子の表面に設けられた襞は沿面距離を確保するために必要なものであるが、高速走行時における騒音源ともなるため、近年の鉄道車両の高速化に伴って支持碍子における騒音問題のより効果的な解決法が望まれている。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、鉄道車両の高速走行時における空力騒音を従来に比べて低減することのできる支持碍子及び絶縁構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面による支持碍子は、鉄道車両の集電装置に支持する支持碍子であって、前記鉄道車両の前後方向の前方側に配置される前面部と、前記鉄道車両の前後方向の後方側に配置される後面部と、前記鉄道車両の左右方向に対向配置され、それぞれが上下方向に複数段の凸状襞を有する左側面部及び右側面部と、を備え、前記前面部は、下部から上部に向かって前記前後方向の後方側へと傾斜するとともに前記前後方向の前方側に凸となる滑らかな傾斜曲面として形成され、前記後面部は、下部から上部に向かって前記前後方向の前方側へと傾斜するとともに前記前後方向の後方側に凸となる滑らかな傾斜曲面として形成されている。
【0007】
本発明の他の側面による絶縁構造物は、鉄道車両の集電装置を支持する支持碍子に取り付けて使用する絶縁構造物であって、前記鉄道車両の走行時に進行方向の前方側となる前面部と、前記鉄道車両の走行時に進行方向の後方側となる後面部と、それぞれが上下方向に複数段の凸状襞を有する左側面部及び右側面部と、を備え、前記前面部は、下部から上部に向かって前記後面部側へと傾斜するとともに外方に凸となる滑らかな傾斜曲面として形成され、前記後面部は、前記鉄道車両の走行時に進行方向の前方側となる前記支持碍子の外面に接合する接合面として形成されている。
【発明の効果】
【0008】
上記支持碍子及び絶縁構造物によれば、鉄道車両の走行時に滑らかな傾斜曲面(支持碍子における前面部又は後面部、絶縁構造物における前面部)が空気流に衝突するので、従来の支持碍子に比べて、特に高速走行時における空力騒音を大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態による支持碍子の概略構成を示す図である。
【図2】第2実施形態による絶縁構造物の概略構成を示す図である。
【図3】第2実施形態による絶縁構造物を既存の支持碍子に取り付けた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による支持碍子1の概略構成を示しており、図1(a)は支持碍子1の平面図(上面図)、図1(b)は支持碍子1の側面図、図1(c)は図1(a)のA−A断面図である。ここでは説明の便宜上、鉄道車両(図示省略)が矢印X方向に走行するものとし、図1における左側を鉄道車両の前後方向の前方側とし、図1における右側を鉄道車両の前後方向の後方側とする。
【0011】
支持碍子1は、鉄道車両の集電装置を屋根から所定の絶縁距離を確保しつつ支持するものであり、鉄道車両の前後方向の前方側に配置される前面部3と、鉄道車両の前後方向の後方側に配置される後面部5と、鉄道車両の左右方向に対向配置される一対の側面部(左側面部7,右側面部9)と、を備える。また、支持碍子1は、水平断面(横断面)が鉄道車両の左右方向に対して前後方向が長い流線型(例えば、長円形状や楕円形状)に形成され(図1(a)参照)、鉄道車両の前後方向に平行な縦断面が略等脚台形状に形成されている(図1(b)参照)。
【0012】
前面部3と後面部5とは同一の形状を有しており、鉄道車両が矢印X方向とは反対の方向に走行する場合には、後面部5が鉄道車両の進行方向の前方側となり、前面部3が鉄道車両の進行方向の後方側となる。したがって、支持碍子1において、鉄道車両が矢印X方向に走行する場合には前面部3が空気流と衝突する面となり、鉄道車両が矢印X方向とは反対の方向に走行する場合には後面部5が空気流と衝突する面となる。
前面部3は、その下部から上部に向かって鉄道車両の前後方向の後方側へと所定角度で傾斜するとともに鉄道車両の前後方向の前方側に凸となる滑らかな傾斜曲面として形成されている。また、後面部5は、その下部から上部に向かって鉄道車両の前後方向の前方側へと上記所定角度で傾斜するとともに鉄道車両の前後方向の後方側に凸となる滑らかな傾斜曲面として形成されている。
【0013】
左側面部7と右側面部9とは同一の形状を有しており、その表面には上下方向に複数段の凸状の襞11が形成されている。左側面部7及び右側面部9は、滑らかな傾斜曲面として形成された前面部3及び後面部5のそれぞれから表面に複数の襞11を有する襞面へと移行するように形成されており、各襞の鉄道車両の前後方向における長さは上部の襞ほど短く、下部の襞ほど長くなっている。
【0014】
また、支持碍子1には、図1(b)において破線で示すように、上面部13から下面部15までを斜めに貫通する貫通孔17a,17bが形成されている。より具体的には、貫通孔17aは傾斜曲面として形成された前面部3に沿って斜めに形成され、貫通孔17bは傾斜曲面として形成された後面部5に沿って斜めに形成されている。
なお、支持碍子1の各寸法、例えば支持碍子1の高さや幅、前面部3及び後面部5の傾斜角度、各襞11の厚さや高さなどは、支持碍子1を適用する鉄道車両の仕様等に応じて任意に設定することができる。
【0015】
以上のような構成を有する本実施形態による支持碍子1は次のような効果を有する。
上述したように、従来の支持碍子は沿面距離を確保する目的で周面全体に襞が設けられており、この襞が鉄道車両の高速走行時に空力騒音の発生源となっていた。
これに対し、本実施形態による支持碍子1は、鉄道車両の走行時に空気流と衝突して最大の騒音域となる前面部3、後面部5が滑らかな傾斜曲面として形成されているので、従来の支持碍子に比べて、特に高速走行時(例えば300km/h以上)における空力騒音を大幅に低減することができる。
【0016】
なお、前面部3及び後面部5は傾斜させて形成されており、表面に襞が設けられていなくても十分な沿面距離を確保することができる。また、貫通孔17aは前面部3に沿って形成され、貫通孔17bは後面部5に沿って形成されており、これら貫通孔17a,17bの内面においても十分な沿面距離が確保される。
【0017】
また、本実施形態による支持碍子1は、前面部3及び後面部5が滑らかな傾斜曲面として形成されるとともに水平断面が流線型に形成されているので、鉄道車両の走行時における支持碍子1の空力抵抗を効果的に低減することができる。
【0018】
さらに、従来は、集電装置周辺の構成において鉄道車両の屋根に集電装置を支持する支持碍子の他にも集電装置で集電された電力を車内に取り込むための碍子(ケーブルヘッド)が設けられていることが多く、このケーブルヘッドも空力騒音の発生源となっていた。そのため、ケーブルヘッドを碍子カバー(フェアリング)によって覆うようにしていた。
この点、本実施形態による支持碍子1には貫通孔17a,17bが形成されており、集電装置側のケーブルを貫通孔17a又は貫通孔17bの内部を通過させて車両側のケーブルに接続させるように構成することにより、支持碍子1をケーブルヘッドとして使用することもできる。このようにすれば、支持碍子1とケーブルヘッドとを一体化した低騒音碍子とすることができる。この場合、碍子カバー(フェアリング)が不要となるので、集電装置全体としての軽量化やコスト低減が図れる。また、碍子カバーに発生していた大きな剥離領域もなくなるので、碍子カバーにおける空気流の剥離に起因した車両の動揺(乗り心地の悪さ)も解消される。
【0019】
なお、左側面部7及び右側面部9の表面には上下方向に複数段の襞11が形成されており、左側面部7及び右側面部9における沿面距離を十分に確保しつつ、従来の支持碍子と同様に、襞11と襞11との間を流れる空気流の減速による空力騒音の低減効果を得ることもできる。
【0020】
ところで、上記実施形態においては、支持碍子1に貫通孔17a,17bを形成しているが、当該貫通孔17a,17bをそれぞれ前面部3、後面部5に沿って形成することでその内面における沿面距離を確保するようにしている。しかし、これに限るものではなく、例えば貫通孔の内周面に該貫通孔の軸方向に複数段の襞を設けることによって沿面距離を確保するようにしてもよい。この場合、貫通孔を前面部3や後面部5に沿って形成する必要がなく、所望の状態に形成できるので、集電装置側のケーブル及び/又は車両側のケーブルの配置等についての自由度を高めることができる。
【0021】
次に、本発明の第2実施形態による絶縁構造物について説明する。
第2実施形態による絶縁構造物は、鉄道車両の集電装置を支持する支持碍子、すなわち、既に鉄道車両に設置されている支持碍子に取り付けて使用するものであり、例えば当該支持碍子と同じ材料を用いて形成される。
図2は、本発明の第2実施形態による絶縁構造物21の概略構成を示しており、図2(a)は絶縁構造物21の平面図(上面図)、図2(b)は絶縁構造物21の側面図、図2(c)は絶縁構造物21の背面図(後面図)である。
【0022】
絶縁構造物21は、支持碍子の前後に取り付けて使用するものであり、鉄道車両の走行時にその進行方向の前方側となる前面部23と、鉄道車両の走行時にその進行方向の後方側となる後面部25と、鉄道車両の左右方向に対向配置される一対の側面部(左側面部27、右側面部29)と、を備える。また、絶縁構造部21は、水平断面(横断面)が砲弾形状などの流線型に形成され(図2(a)参照)、鉄道車両の進行方向に平行な縦断面が略台形状に形成されている(図2(b)参照)。
【0023】
前面部23は、鉄道車両の走行時に空気流と衝突する面となるものであり、その下部から上部に向かって後面部25側へと所定角度で傾斜するとともに、外方(すなわち、鉄道車両の進行方向の前方側)に凸となる滑らかな傾斜曲面として形成されている。
【0024】
後面部25は、支持碍子に取り付けられる面(取付面)であり、対応する支持碍子の外面、すなわち、鉄道車両の走行時にその進行方向の前方側となる支持碍子の外面に接合する接合面として形成されている。通常、支持碍子の外面は複数の襞を有する襞面として形成されているため、後面部25もこの襞面に合わせて凹凸を有して形成される。なお、本実施形態では、水平断面が円形状又は長円形状に形成された支持碍子の外面に接合するように、絶縁構造物21の内方(すなわち、鉄道車両の進行方向の前方側)に凸となる曲面状に形成されている。
【0025】
左側面部27と右側面部29とは同一の形状を有しており、その表面に上下方向に複数段の襞31が形成されている。左側面部27及び右側面部29は、滑らかな傾斜曲面として形成された前面部23から表面に複数の襞を有する襞面へと次第に移行するように形成されている。左側面部27及び右側面部29に形成された各襞は、支持碍子に形成された各襞に対応しており、絶縁構造物21を支持碍子に取り付けることにより、絶縁構造物21と支持碍子とが一体化することはもちろん、該絶縁構造物21の左側面部27及び右側面部29に形成された各襞31と支持碍子の外面に形成された各襞とは、鉄道車両の進行方向に延びる一つの襞に一体化される。
【0026】
また、絶縁構造物21には、図2(b)に示すように、上面部33から下面部35までを斜めに貫通する貫通孔37が形成されている。より具体的には、貫通孔37は、傾斜曲面として形成された前面部23に沿って形成されている。
なお、絶縁構造物21の各寸法、例えば絶縁構造物21の高さや幅、前面部3の傾斜角度、各襞の厚さや高さなどは、既に設置されている支持碍子に応じて任意に設定することができる。
【0027】
図3は、本実施形態による絶縁構造物21を既に設置されている支持碍子40に取り付けた状態を示している。図3(a)は平面図(上面図)、図3(b)は側面図である。図3に示すように、通常は、一つの支持碍子40に対して二つ(一組)の絶縁構造物21が取り付けられ、この二つの絶縁構造物21は、互いに逆向きで支持碍子40をその前後から挟むように配置される。この結果、二つの絶縁構造物21と支持碍子40とは一体化して新たな一つの支持碍子として機能することになる。
【0028】
本実施形態による絶縁構造物21は次のような効果を有する。
上述したように、従来の支持碍子は周面全体に襞が設けられており、この襞が高速走行時に空力騒音の発生源となっていた。
本実施形態による絶縁構造物21は、後面部35が支持碍子の外面に接合する接合面として形成されており、この接合面によって既存の支持碍子の前後にほぼ隙間なく取り付けることができる。そして、このように本実施形態による絶縁構造物21を既存の支持碍子の前後に取り付けることにより、絶縁構造物21の前面部23である滑らかな傾斜曲面が鉄道車両の走行時に空気流と衝突することになるので、特に高速走行時(例えば300km/h以上)における空力騒音を大幅に低減することができる。
【0029】
ここで、前面部23は傾斜しており、襞が設けられていなくても十分な沿面距離を確保できる。また、貫通孔37は前面部23に沿って形成されており、貫通孔37の内面においても十分な沿面距離が確保される。
【0030】
また、本実施形態による絶縁構造物21は、鉄道車両の走行時に空気流と衝突することになる前面部23が滑らかな傾斜曲面として形成されるとともに水平断面が流線型に形成されているので、当該絶縁構造物21を既存の支持碍子に取り付けることにより、空力抵抗も効果的に低減することができる。
【0031】
また、従来の集電装置周辺の構成においては、鉄道車両の屋根に集電装置を支持する支持碍子の他にも集電装置で集電された電力を車内に取り込むための碍子(ケーブルヘッド)が設けられており、このケーブルヘッドも空力騒音の発生源となっていた。
本実施形態による絶縁構造物21は、前面部23に沿って形成された貫通孔37を有しており、集電装置側のケーブルを貫通孔37の内部を通過させて車両側のケーブルに接続させるようにする構成することで絶縁構造物21をケーブルヘッドとしても使用することができる。すなわち、本実施形態による絶縁構造物21を用いることにより、車両走行時における空力騒音の発生源となっていた従来の支持碍子及びケーブルヘッドをまとめて低騒音構造にすることができ、特に高速走行時における空力騒音を大幅に低減できる。この場合、ケーブルヘッド等を覆っていた碍子カバー(フェアリング)も不要となり、集電装置全体としての軽量化やコストダウンを図ることができる。また、碍子カバーに発生する大きな剥離領域がなくなるので、碍子カバーにおける空気流の剥離に起因した車両の動揺(乗り心地の悪さ)も解消される。
【0032】
なお、本実施形態における貫通孔37についても、上記第1実施形態における貫通孔17a,17bと同様の変形が可能である。すなわち、前面部23に沿って形成することに加えて又は代えて貫通孔の内周面に該貫通孔の軸方向に複数段の襞を設けるようにしてもよい。
【0033】
以上、本発明の好ましい実施形態(支持碍子、絶縁構造物)について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0034】
1…支持碍子、3…前面部、5…後面部、7…左側面部、9…右側面部、11…襞、13…上面部、15…下面部、17a,b…貫通孔、21…絶縁構造物、23…前面部、25…後面部、27…左側面部、29…右側面部、31…襞、33…上面部、35…下面部、37…貫通孔、40…支持碍子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両の集電装置を支持する支持碍子であって、
前記鉄道車両の前後方向の前方側に配置される前面部と、
前記鉄道車両の前後方向の後方側に配置される後面部と、
前記鉄道車両の左右方向に対向配置され、それぞれが上下方向に複数段の凸状襞を有する左側面部及び右側面部と、
を備え、
前記前面部は、下部から上部に向かって前記前後方向の後方側へと傾斜するとともに前記前後方向の前方側に凸となる滑らかな傾斜曲面として形成され、
前記後面部は、下部から上部に向かって前記前後方向の前方側へと傾斜するとともに前記前後方向の後方側に凸となる滑らかな傾斜曲面として形成されている、支持碍子。
【請求項2】
水平断面が前記前後方向に長い流線型に形成されている、請求項1に記載の支持碍子。
【請求項3】
上面部から下面部までを貫通する少なくとも一つの貫通孔が形成されている、請求項1又は2に記載の支持碍子。
【請求項4】
前記貫通孔は、前記前面部又は前記後面部に沿って前記上面部から前記下面部までを斜めに貫通している、請求項3に記載の支持碍子。
【請求項5】
前記貫通孔の内周面には、該貫通孔の軸方向に複数段の凸状襞が形成されている、請求項3又は4に記載の支持碍子。
【請求項6】
鉄道車両の集電装置を支持する支持碍子に取り付けて使用する絶縁構造物であって、
前記鉄道車両の走行時に進行方向の前方側となる前面部と、
前記鉄道車両の走行時に進行方向の後方側となる後面部と、
それぞれが上下方向に複数段の凸状襞を有する左側面部及び右側面部と、
を備え、
前記前面部は、下部から上部に向かって前記後面部側へと傾斜するとともに外方に凸となる滑らかな傾斜曲面として形成され、
前記後面部は、前記鉄道車両の走行時に進行方向の前方側となる前記支持碍子の外面に接合する接合面として形成されている、絶縁構造物。
【請求項7】
前記複数段の凸状襞のそれぞれは、当該絶縁構造物を前記支持碍子に取り付けた際に該支持碍子の外面に形成された襞と一体化するように形成されている、請求項6に記載の絶縁構造物。
【請求項8】
水平断面が流線型に形成されている、請求項6又は7に記載の絶縁構造物。
【請求項9】
上面部から下面部までを貫通する貫通孔が形成されている、請求項6〜8のいずれか1つに記載の絶縁構造物。
【請求項10】
前記貫通孔は、前記前面部に沿って前記上面部から前記下面部までを斜めに貫通している、請求項9に記載の絶縁構造物。
【請求項11】
前記貫通孔の内周面には該貫通孔の軸方向に複数段の凸状襞が形成されている、請求項9又は10に記載の絶縁構造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−124979(P2012−124979A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271182(P2010−271182)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】