改良ヒートシンクを有する歯科用ライト装置
本発明は、金属のような熱伝導性の固体ブロックで作られるヒートシンクと比べて、所定重量のヒートシンク材でより効率的に光源からの熱を取り除くか発散させることができるヒートシンク材に関する。さらに、重量を減じたヒートシンク材を用いたときに硬化ライト装置からの熱をより効果的に熱を取り除くか発散させることができるヒートシンクに関する。本発明のヒートシンクは、有機材料、非有機材料およびその組み合わせを含む少なくとも1つの適切な相変化材を有する。これらの材料は、実質的に可逆的な相変化を行い、典型的には、恒久的でないにせよその効果を失うことなく多くの回数の相変化を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に光硬化または光漂白に適したあらゆる装置に関する。特に、改良ヒートシンクを有する、歯科材料を硬化させる、または白化ゲルに作用するのに適した光硬化または光漂白装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、歯科技工において凹部の充填のために合成樹脂の充填物が標準となってきている。この合成充填物は、処置後硬化させる必要のある樹脂を用いる。この硬化のために、手持ちの硬化ライトが広く用いられてきた。光は、患者の口の中にある合成樹脂材料のほぼ近くで保持される。合成材料を硬化させるのに必要な時間は使用される樹脂の種類に依存する。したがって、手持ちのものが軽いほど、そのような装置を保持しなければならない歯科技師が硬化を行うことが容易になる。
【0003】
同時に、歯科技師によって歯の漂白も定常的に行われている。漂白剤の1種は感光性である。光漂白の間中、漂白ライトが使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
術中、いかなる硬化ライトによっても発生する熱は、問題を起こしやすい。工業安全規格は、硬化ライトの外部表面温度は50℃を超えてはならないと述べている。さらに、硬化ライトがオーバーヒートして遮断するまでの耐久性、すなわち可動時間は、硬化ライトからどれだけ多く、また早く熱を取り除くことができるかに拠る。この同様の問題は、光漂白ライトにおいても生じる。したがって、硬化および漂白ライト双方にとってなんらかの効果的な熱除去が望まれている。
【0005】
発生した熱を除去するために、さまざまな方法が試みられてきた。1つの通常の方法は、銅製のブロックのような金属のヒートシンクと、硬化または漂白ライト内部に内蔵する冷却ファンを使用することである。いくつかの装置は、除去を容易にするためヒートシンクと冷却ファンの組み合わせを使用している。
【0006】
金属製ブロックは効果的ではあるが、手持ちの硬化ライトにかなりの重さを加えることになる。この追加の重量は、今度は硬化ライトを使用する歯科技師の疲労を増すことに加担してしまう。また、ファンが同じ硬化ライトに使用されると、さらに重量が増して、音がうるさく、またバッテリーの寿命を短くし、装置の信頼性を減じる可能性がある。音は、また、しばしば歯科の処置が嫌いで恐れている患者の不安を増加させる。
【0007】
光漂白用の装置やいくつかの硬化ライトは使用中支持され、追加の重量が手持ちの硬化ライトほど問題を起こさないようにしているが、より効果的なヒートシンクは便利であり、よりコンパクトなデザインに寄与する。したがって、追加の重量なしに光源からの熱を効果的に発散または除去する装置への要請は残っている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、金属のような熱伝導材の固体ブロックからなるヒートシンクと比べて、与えられたヒートシンク材料を持った光源から熱をより効果的に除去または発散させることができるヒートシンク材に関する。
【0009】
本発明は、さらに、ヒートシンク材の重量を減らしたときに硬化ライトからより効果的
に熱を除去または発散させるヒートシンクに関する。
本発明は、有機材料、非有機材料、およびそれらの組み合わせを含む、少なくとも1つの適切な相変化材(phase change material)を有するヒートシンクを含む。これらの材
料は本質的に可逆的に相変化することが出来、典型的にはその効果を失うことなく、恒久的でないにせよ非常に多くの回数相変化することが出来る。
【0010】
ある実施例において、少なくとも1つの相変化材を有する少なくとも1つのヒートシンクを含む再充電可能な歯科用硬化ライトが開示されている。そのヒートシンクは、相変化材で少なくとも部分的に満たされた穴または空間を有する、金属のような熱伝導材のブロックを含む。
【0011】
他の実施例において、少なくとも1つの相変化材料を有する少なくとも1つのヒートシンクを含む漂白ライトが開示されている。そのヒートシンクは、相変化材で少なくとも部分的に充填された穴または空間を有する、金属のような熱伝導材のブロックを含む。
【0012】
本発明のヒートシンクは、金属のような熱伝導材を中空化することによって作られ、相変化材をその内部に確保するためにそれを蓋で閉める前に少なくとも1つの相変化材が、空間に少なくとも部分的に満たされ、少なくとも1つの相変化材が実質的に内蔵される。すなわち、従来の金属性ヒートシンクの製造に通常用いられるような熱伝導材に囲まれる。
【0013】
あるいは、ヒートシンクは、穴または空間を取り囲む金属の壁のように、熱伝導材料で鋳造されるか機械加工される。穴または空間は、相変化材をその内部に確保するためにそれをキャップ閉めする前に少なくとも1つの相変化材が、空間に少なくとも部分的に満たされる。
【0014】
ある実施例において、本発明のヒートシンクは単独で使用される。他の実施例において、それはファンに加えて、従来の金属ブロックヒートシンクと共に、またはそれらの組み合わせと共に使用される。
【0015】
本発明のヒートシンクは、従来の金属ブロックヒートシンクを組み込むのと同じ方法で組み込むことが出来、例えばそれを熱源、すなわち光源、すなわちハロゲン光源やキセノン光源のようなガス封入アーク光源、ハロゲン化金属光源、蛍光光源、半導体発光器、レーザー発光源、発光ダイオード(LED)のような発光チップ、固体LED、LEDアレイ、またはそれらの組み合わせに取り付ける。または他のヒートシンクに取り付ける。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に述べる詳細な説明は、ここに例示する本発明の実施例の説明として意図されたものであり、本発明が準備され、または用いられる唯一の形態を表わすよう意図したものではない。なお、説明は、構成と、本発明を実行するステップを述べているが、本発明の精神および範囲内に含まれるよう意図された異なった実施例によって、同じかまたは均等な機能および要素が達成され得ることを理解されたい。
【0017】
他に定義されない限り、ここで用いられる全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者に通常理解されているのと同じ意味を持つ。本発明の実行または試験において、ここで述べられるものと同様または均等な、あらゆる方法や材料を使用することが出来るが、ここでは例示する方法、装置および材料を述べる。
【0018】
光活性化合成材料を硬化するのに有用な硬化ライトシステム、または歯の白化に有用な
ライトシステムは、典型的にはハウジングあるいは囲い内に収められるライトモジュールを有する。
【0019】
従来の固体金属のヒートシンクの代わりに、実質的に中空の、金属のような熱伝導部材の内部に封入された相変化材を用いることによって、硬化ライトの重さを減らすことができ、また、ヒートシンクが、歯科用硬化ライト業界で“遮断(shut off)”温度と呼んでいる温度に到達するまでの時間を増すことができる。遮断温度に到達するまでの区間は“可動時間(run time)”と呼ばれる。“可動時間”を増す、すなわち、ライトがついたままでいられる時間が増せば、歯科医が硬化作業を行っている時間が増す。
【0020】
相変化材は、パラフィンワックス、2,2−ジメチル−n−ドコサン(C24H50)、トリミリスチン((O13H2VCOO)3C3H3)、1,3−メチルペンタコサン(C26H54)、他のポリエチレンワックス、エチレン−ビス−ステアラミド、N,N−エチレン−ビス−ステアラミド、または同様の有機材料を含み、それらは単独またはその混合体で使用される。非有機材料は、例えばリン酸水素ナトリウム12水和物(Na2HPO4−12H2O)、硫酸ナトリウム10水和物(Na2SO4−10H2O)、塩化鉄6水和物(FeCl3−6H2O)、TH29(融点29℃を有する水和塩でオーストラリア、ワンガラのTEAP Energy社から入手可能)、または同様の水和塩を含み、それらは単独またはその混合体で使用される。他の非有機材料としては金属合金があり、Ostalloy 117またはUM47(Umicore Electro−Optic Materials社から入手可能)も考慮される。典型的な材料としては、周囲温度で固体であって、例えば融点が約30℃と50℃の間、さらに例示すれば、約35℃から45℃の間である材料である。また、典型的な材料は、それらが周囲温度下にあるときは、例えば少なくとも約1.7、さらに例示すれば少なくとも約1.9の高い比熱を有する。さらに、それらが上昇した温度下にあるときは、少なくとも1.5、さらに例示すれば1.6の比熱を有する。
【0021】
上述した相変化材のいくつかは、ほとんど無限大回数の相変化を行うことが出来るくらい再使用可能である。他は、より吸熱的な材料であり、制御された環境下で使用されない限り限定的なライフサイクルを有する。これらの吸熱性の材料は、制御された環境下で使用されても相変化材としてはその効果を失う可能性がある。
【0022】
いくつかの金属合金は、その溶融熱は低いかもしれないが、溶融熱の高い他の相変化材よりはより良い熱伝導体であるかもしれない。したがって、相変化材内部の熱伝導性を高めるために、金属合金と、1つあるいはそれ以上の他の非有機あるいは有機相変化材との混合体を使用しても良い。
【0023】
物質の熱伝導度は、熱消散率を決めるために使用される1つのファクターである。例えば、相変化材の熱伝導度は、周囲温度下の状態で少なくとも約0.5W/m℃であり、上昇した温度下の状態では少なくとも約0.45W/m℃である。
【0024】
一般的に、相変化材は金属ハウジングのような熱伝導性のハウジングまたはケーシングの内部に収納される。ハウジングは、それはいかなる形状でも良いが、例えば丸いまたは四角の断面を持つ穴を規定する。穴の金属ケーシングまたは壁は、相変化材を収納するために機能し、また、相変化材に熱を伝えたり相変化材から熱を逃がすように熱伝達することを助ける。ヒートシンクのある大きさに対して、壁は薄ければ薄いほど多量の相変化材が存在することが出来、硬化ライトの重さへの寄与も少ない。しかし、壁は薄いほど相変化材から熱を伝導で逃がす効果が少なくなり、相変化材が周囲温度に戻り最初の状態に戻ってヒートシンクとして機能することが可能となる時間が長くかかる。例えば、特性のバランスのためには壁の厚さは、典型的には約1mmから約2.5mm、さらに例示すれば
、約1mmから約1.5mmである。
【0025】
また、ハウジングは大きな表面積を有するように作られる。例えば、その外表面にフィンや他の形を持った構造は、熱伝導または対流のために、表面積を増すことに寄与する。したがって、球形の構造は決して望ましいものではない。そのようなフィン、または表面を増大する他の構造は、穴の中にも取り入れられ、熱伝導性のケーシングと相変化材との間の接触面積を増大させ、したがって、熱伝導性のケーシングと相変化材との間のより早い、また、より効果的な熱伝達を可能にする。また、上述したように、有機または非有機の相変化材と金属合金との混合が相変化材内部の熱伝達効率を増大させる。
【0026】
また、熱伝導性のケーシングは、光源からの熱伝達のために良い熱接触状態にあることが望ましい。このことは、広い接触面を持った滑らかな熱伝導性の表面によって達成される。また、熱的な結合は熱エポキシあるいは他の熱伝導性接着剤のような熱伝導性の界面物質によって達成される。電気絶縁性の界面物質も、熱伝導性を失うことなく光源とヒートシンクを電気的な意味で絶縁するには有用である。
【0027】
ある相変化材は、また、上述したように非常に多くの熱エネルギー量を蓄積している高レベルの溶融潜熱を有する可能性がある。溶融潜熱は少なくとも約30kJ/kgが望ま
しく、少なくとも約200kJ/kgがさらに望ましい。
【0028】
ある実施例において、図1に示すように、ヒートシンク100は実質的に円筒状の形をしている。ハウジング101は、銅、アルミニウム、または他の熱伝導性の良い比較的軽い金属で作られる。図5に示すように、ハウジングは実質的に中空の内部107を持ち、例えばリン酸水素ナトリウム12水和物(Na2HPO4−12H2O)あるいは上述した物質のような相変化材108で、中空内部107の容積の少なくとも約50%が部分的に満たされる。選択された相変化材の蒸気圧に拠って、相変化材は中空内部107の容量の約80%の容積まで入れることができる。ハウジング101の1端は閉じており、その閉端部が101aとして示されている。ハウジング101の他端は、ヒートシンクに相変化材を充填するのが容易なように開いている。図5に同じく示されている開放端101bは、ヒートシンクハウジングの他の部分と同じ材質で作られる蓋部材103でカバーされる。ヒートシンクは、また、光源のような少なくとも1つの熱発生源との接触のための境界面構造102を有する。
【0029】
図示された実施例において、ハウジングが鋳造で作られるときは、境界面構造102は上記の実質的に円筒状のハウジングと一体的に形成される。ハウジングが機械加工で作られるときは、それも機械加工される。
【0030】
ある実施例において、境界面構造102は、取り付け面になると同時に、熱発生源、例えばLEDのような光源、との良い熱的境界面となる平面102aを有する。平面102aは、ここでは傾斜面として例示されており、ハウジング101の閉端部101aの先端部と角度をなしている。この境界面構造はハウジング101の閉端部と同じか小さい直径であり、少なくとも1つの肩部1000を残している。他の実施例において、境界面構造102は、少なくともそれが光源の取り付け面を持つ限りにおいて他の形状寸法であってもよい。
【0031】
ハウジング101の外面は、実質的にハウジング101の全長に渡る少なくとも1つの谷部または溝101cが構成される。谷部または溝101cは、光源と接続する配線材を配置する場所として機能する。谷部または溝は、ハウジング101の長さ方向に均一の寸法であっても良いし、不規則な幅であっても良い。また谷部101は、滑らかであっても荒い面であっても良い。例示するように、ハウジング101は互いに反対側に向いた2つ
の平行な溝または谷部を有する。谷部101は、配線を配置するために機能するのに加えて、ヒートシンクの表面部がヒートシンクの重量を軽減する機能を付け加える。
【0032】
図1aは、図1のヒートシンクの実施例の底面斜視図であり、開放端は蓋部材103で閉められている。蓋部材は単純なキャップの形でも良いし、図4に示すようにより複雑な構造でも良く、以下に詳細を述べる。
【0033】
例示するように、蓋部材103は、ハウジング101の開放端101bの内部に嵌合する形をしている。蓋部材は、サーミスターまたは他の熱センサーを配置するための溝またはへこみを有する。蓋部材103は、多くの方法でハウジングの開放端101bの内部の適所に保持される。例えば、以下にさらに詳細を述べるように、蓋部材の外周をハウジング101の内壁に対して圧縮嵌合するために設けられる少なくとも1つの形成部111によって適所に保持される。
【0034】
図2は、本発明のヒートシンクの他の実施例の分解斜視図を示す。ヒートシンク200は、実質的に円筒状のハウジング外部201と、実質的に中空の内部201cと、ハウジング201内に位置するブレード状の分割部材202を有する。ブレード状の分割部材202は、実質的にハウジング201の内部201cの全長に渡っていても良いし、他のいかなる長さでも良い。
【0035】
ハウジング201は、上述したように同じ熱伝導物質で作られる。ある実施例においては、ブレード状の分割部材202は、ハウジング201と同じ材料で作られる。他の実施例においては、ブレード状の分割部材202はハウジング202と異なる熱伝導材で作られる。
【0036】
例示した実施例においては、ブレード状の分割部材202は、図2aに示されるように中空の内部203を仕切るように機能する。ブレード状の分割部材は、図1に示すハウジングの外部の谷部または溝と同様に、上述したように、また以下にも述べるように、より効果的な熱伝達のために熱伝導部材と相変化材との間の接触面領域を増大させるのに役立つ。他の実施例において、上述したように、上述したような金属合金が1つ以上の他の非有機または有機の相変化材と混合され、相変化材内部の熱伝導度を増加するために使用される。
【0037】
上述したように、蓋部材203がハウジング201の開放端に嵌合し、相変化材を収納する。
図3は、図1のヒートシンク100の側面図を示す。ここに示す境界面構造102は、望むならば異なった大きさの2つの実質的に平らな面、すなわち大きな面102aおよび小さな面102bを有し、熱発生源の取り付け面と、熱発生源との良い熱境界面を提供する。
【0038】
図3に示すように、境界面構造102は、ハウジング101の閉端部直径よりも小さな直径を有し、その結果、肩状の部分1000が境界面構造102の下部から突き出ている。
【0039】
図4は、図1,2,6,7に見られるように、ヒートシンク内に嵌合するのに適応した蓋部材103の外観の斜視図を示す。端部105は、図1に見られるようにヒートシンクの中空の内部107に挿入されるように嵌合しており、第2の端部104はヒートシンク100の外に露出している。周縁の溝106aを縦の壁部106に設けても良い。この溝は、空気および/または湿気を漏らさないシールを行うためのOリング、ガスケット、ま
たは他のシール部材を装備するために適応している。
【0040】
図4aは、図4に例示する蓋部材103の側面図を示す。蓋部材は、図示されるように、サーミスターまたは他の熱センサーを位置させるのに適応した溝またはへこみ100を有する。へこみ110は、蓋部材103の盛り上がった部分または土手にあってもよい。土手120は、蓋部材の他の部分よりは小さな直径である。
【0041】
上述したように、蓋部材103は多くの方法でハウジングの開放端101bの内部の適所に保持することが出来る。図5に示した例では、蓋部材は、蓋部材103の端部105のより大きな外周をハウジング101の内壁に対して圧縮嵌合するのに適した少なくとも1つの形成部111によって適所に保持される。周縁の溝106aは、ここでは直径を小さくした実質的に垂直な部分を持っているように示されている。溝106aは、成形されるかまたは蓋部材に機械加工される。上述したように、この溝はハウジングの開放端をシールするためにOリング、ガスケット、また他のシール部材が嵌合するように適応している。
【0042】
蓋部材103の底、つまり露出端104は、実質的にハウジング101の開放端の外径または外寸法と同じ外径または外寸法を持ち、蓋部材はハウジング101の垂直な外壁と同一平面である。望むならば、他の実施例において、蓋部材103の底端104の直径はハウジング101の開放端よりは大きな直径または寸法を持たせ、蓋部材103の取り除きを容易にするために蓋部材はヒートシンクの横からはみ出させても良い。
【0043】
図4bは、図4の蓋部材103の上面図を示す。この図で例示するように、縦壁部106の直径よりは大きな底端104の直径がはっきりと示されている。
図4cは、図4の蓋部材103の底面図を示し、サーミスターまたは他の熱センサーを保持するのに適応したへこみ110がはっきりと示されている。へこみは、図示されるように、円形の断面を持っているが、他のいかなる形状でも適しているかもしれない。
【0044】
図5は、本発明のヒートシンク100の断面図を示す。中空の内部107は、蓋部材103で封蓋されて示されている開放端101bと、閉端部101aを有する。中空内部107は、以前述べたいかなる物質をも含む相変化材で充分に満たされているように示されている。蓋部材103が設置され、Oリング109によって中空内部107をシールしている。蓋部材103は、(図4aに示すように)蓋部材の外周をハウジング101の内壁に対して圧縮嵌合するのに適応した少なくとも1つの形成部111によって適所に保持される。蓋は、また、例えばサーミスターまたは他の熱センサーを取り付けるのに適応した溝110を有する。サーミスターまたは他の熱センサーは、建築用または恒久接着剤、または、反応性接着剤、例えば、エポキシ、シリコン接着剤、接触セメント、またはシアノアクリレートベースの接着剤、アクリルベース、ポリウレタンベース、ポリアミドベース、スチレン共重合体ベース、ポリオレフィンベース、等の熱伝導性の接着剤を用いて溝に固定され、センサーが硬化ライト制御システムに温度情報を供給して、硬化ライトを持つのが熱過ぎたりオーバーヒートしないように保つ。
【0045】
いくつかの実施例において、蓋部材103はサーミスターに関して述べたような建築用接着剤を用いてハウジングの開放端にシールされる。接着剤は、存在するかもしれないいかなるピンホールをもシールする。他の実施例においては、ピンホールまたは通気穴は、気体を逃がすのに望ましい。どんな液体の相変化材であっても漏れを最小化するために、蒸気(vapor)透過不能/液滴(moisture)透過可能の層またはフィルムを、穴を覆うた
めに使用しても良い。
【0046】
いくつかの実施例において、ヒートシンクは孔を有し、LEDまたはレーザーダイオードチップが孔の中に取り付けられる。LEDまたはレーザーダイオードチップの側面から放射する光は、孔の壁に反射して所望の方向に向かう。いくつかの実施例において、孔は下記の図6に示すように深い。
【0047】
図6は、本発明の他の実施例のヒートシンク300の断面図を示す。この実施例において、ハウジング301は、上述したような境界面構造のように突き出した構造の代わりに孔312を有する。例示した実施例は細長い、実質的に筒状のヒートシンク300を示しているが、例えば孔またはへこみ312の曲線構造を有する。孔312は深く、LEDまたはLEDアレイのような少なくとも1つの光源を、孔またはへこみ312の末部312aまたは基部312bに位置させるのに適応した、基部312bを穴の上端に、末部312aを孔の底部に有する側壁320を持ち、熱発生の集中を拡散させる。
【0048】
孔312の基部は、少なくとも1つの光源313を取り付けるための、例えば互いに略対向して位置する少なくとも2つの取り付け台と、細長いヒートシンクの末部312aの方に位置する少なくとも1つの取り付け台313aを有する。これらの取り付け台は、上述したように、ヒートシンクハウジングの表面でも良い。
【0049】
ヒートシンク300は、上述したように、ハウジング301の全長に渡るか、あるいは全長には渡らない少なくとも1つの溝または谷部も有する。溝または谷部(図示せず)は、また、配線部材のために、内部の側壁302bに沿って存在しても良い。
【0050】
複数の光源313は、同じ波長もしくは異なった波長を放射することが可能である。このヒートシンク構成は、発生熱を一箇所に集中させることがなく、より効果的な熱消散を行うことが可能である。
【0051】
ある実施例においては、光源313の各々が発光ダイオード(LED)またはLEDアレイを有する。LED(またはLEDアレイ)の各々は光活性物質の硬化を開始するのに有効な光を放射する。ある実施例においては、1つまたは複数の光開始剤を活性化するための複数波長の光を発する。
【0052】
ある実施例において、孔312は、孔内部および/または基部312bにLED313を設置する準備がされる。LEDからの熱は、ハウジング301によって伝達し去られる。孔の側壁は固体の熱伝導性材料または金属材料である。その材料は、ハウジング301の、中空内部の無い他の部分と同じ熱伝導性材料または金属材料である。他の実施例において、側壁は、内部側壁320aと、孔312の部分的に中空である内部を取り囲む外部側壁320bとを有する。このスペースもある相変化材で満たされるか、またはあるスペースを占める相変化材が、ある相からより大きなスペースを占める相に変化したときのために拡張スペースが設けられる。
【0053】
中空内部307をシールするために、開放端301bに蓋部材103が使用され、Oリング309と形成部311で圧縮嵌合させる。サーミスターや他の熱センサーが溝310に配置され、硬化ライト制御システムに温度情報が伝わるように、上述した材料のような熱伝導性接着剤で固定される。上で述べたように、蓋部材303も存在するかもしれないいかなるピンホールをもシールするために接着剤でシールされる。他の実施例においては、ピンホールまたは通気孔は気体を逃がすのに望ましい。再び、どんな液体の相変化材であっても漏れを最小化するために、蒸気(vapor)透過可能/液滴(moisture)透過不能
の層またはフィルムを穴を覆うために使用しても良い。
【0054】
図7は、本発明のヒートシンクの他の実施例を示す。ヒートシンク400は、断面が四
角であり、ハウジング401と、実質的に中空な内部402を有する。ヒートシンクは、図示のように細長いヒートシンクであり、内部は実質的に四角形状または円筒状のどちらでも良い。
【0055】
このヒートシンクもまた、蓋部材の一番上にへこみを持った蓋部材403がはめ込まれている。蓋部材の溝409aの周りに弾性体のガスケット409がやはり設けられる。
1つの実施例ではハウジングの内部に分割材を有し、他の実施例では分割材を持たない。
【0056】
このヒートシンクも上述したように相変化材で満たされる。
ガスケットまたはOリングは、何らかの弾性材またはゴム材で作られ、相変化材がハウジングの外の環境に露出するのを最小化するような密閉をもたらす。
【0057】
ある実施例においては、ハウジングは上述したように気体を逃がす通気孔を有する。そのような実施例においては、完全に再使用可能な相変化材を用いない限り、ヒートシンクの再使用可能性は減少する。ある実施例において、これらの通気孔は、上述したように、ハウジング内部の相変化材を取り囲む蒸気透過可能/液滴透過不能の層でさらに覆われる。他の実施例において、蒸気透過可能/液滴透過不能の層は、少なくともハウジングの外側に通気孔のあるハウジングの部分を取り囲んでもよい。蒸気透過可能/液滴透過不能の層の例としては;少なくとも1つのイソシアネート機能性ポリウレタン(それは、NCOグループと、少なくとも1つの直鎖型ジヒドロキシポリエステルを持ったジオール成分の反応体で、二塩基酸成分とジオール成分から形成され、ジオール成分は平均分子量が少なくとも1000であって、イソシアネート機能性ポリウレタン内のOH:NCO比が1.0:1.6と1.0:2.6の間であるジヒドロキシポリエステルである)(USP No.5,851,661に開示されており、その内容は参照によってここに含まれる)を含むホットメルト水分硬化接着剤から成形される水蒸気透過ポリウレタン;エチレンメタクリル酸共重合体、またはポリエーテルブロックアミドを含む非硬化熱可塑性成分と、少なくとも1つの可塑剤のような溶剤との混合物から成形されるフィルム層;さまざまな接着剤(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィンの共重合体、特にエチレン共重合体、および(メタ)アクリル酸;オレフィン共重合体、例えばエチレン共重合体、(メタ)アクリル酸エステルの(メタ)アクリル酸誘導体;オレフィンの共重合体、例えばエチレン共重合体、ビニールアセテートのようなビニールカルボン酸塩のビニール化合物;Kraton(登録商標)、Solprene(登録商標)、Stereon(登録商標)などの登録商標で
市場で入手可能なスチレン−イソプロピレン−スチレン、スチレン-ブタジエン−スチレ
ン、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン、およびスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体;メタロセン触媒作用によるポリマー、特にエチレンおよび/またはプロピレンベースのポリマー;エチレン、ポリプロピレン、およびVestoplast(登録商標) 703(HuIs)のようなアモルファスポリオレフィン(アタクチックポリアルファオレフィン);ポリエステル;ポリアミド;イオノマーおよび対応する共重合体;およびそれらの混合物)(これらはUSP No.6,843,874に開示され、その内容は参照によってここに含まれる);等の実質的に連続する塗膜を生成する非接触コーティング法によって作られる熱可塑性成分を有する基材、を含む。
【0058】
上述したヒートシンクのいずれの実施例も変更または交換可能なように、必要に応じてモジュールとして構成することができる。
上述したヒートシンクは、硬化ライトシステムの中で使用される。硬化ライトはバッテリーで動作する手持ちのポータブルな硬化ライト、またはAC電力で動作するチェアサイドの硬化ライトシステムである。相変化材を含んだヒートシンクは、従来のヒートシンク
が装着されるのと同様の方法で硬化ライト装置または光漂白ライト装置の中に装着される。上述したように、いくつかの硬化ライトおよび漂白ライトは使用に当たって一般的には支持され、したがって、装置の重量は問題があるという程ではない。しかし、より効率的なヒートシンクは有益であり、にもかかわらずよりコンパクトな漂白ライトをもたらす可能性がある。
【0059】
少なくとも1つの相変化材を含むヒートシンクは、単独で使用されるか、または従来のヒートシンクまたはファンと共に使用される。歯の漂白に使用される光源の場合には液体冷却材のような追加の冷却システムを使用する
図8は、末端1110と、基部端1120と、末端に向かうハンドル1020と、基部端にハンドル部1020に対してある角度を持ったネックおよびヘッド部分1030を持った、本発明の硬化ライトの1実施例を示す。ライトモジュールハウジング1010は、実質的に円筒状の形状を有し、ライトモジュールハウジング内に、少なくとも1つのヒートシンク1200を配置した実質的に中空の内部1010aを持っている。ヒートシンク1200は、長手方向の軸を持つか、または、硬化ライト内で効果的な熱管理を助長するのに適応したあらゆる構造を取ることができる。ある実施例において、ヘッドおよびネック部分1030は、また、ここに図8に示す内蔵ライトガイド1700のようなライトガイドを持つことが出来る。他の実施例においては、硬化ライトは外部のライトガイドを有する。
【0060】
いくつかの実施例において、図示されるように、ライトモジュールハウジング1010の基部端の方にレンズカバー1650を配置する。ある実施例において、レンズカバー1650は、透明であり、光が、硬化される合成材料または作用される漂白材料に当たる前にそれを通過する。ハウジングの幾つかの例は、窓を有する、シールされたプラスチック端およびシールされた金属端を含んでいる。
【0061】
他の実施例において、カバー1650は、ターゲットの表面に向けて光を集中させるために焦点レンズまたは半球体である。他の実施例において、ハウジング1010は、レーザーダイオードまたは発光ダイオードによって放射される光が遠くの場所に配光される前に集光させるために、ハウジングに一体的に接着するか一体的に形成または成形された焦点半球体1740を有する。したがって、ハウジングは、このように光源を保護するだけでなく光を集中させるためにも機能する。焦点半球体またはレンズ1740は、より小さなターゲット領域、あるいはより広いターゲット領域のどちらかに、より正しく光束を向けるために、ハウジング1010の基部端1120から出る光束の照明形状または直径を変化させる装置として作用する。ライトモジュールハウジング1010は、さらに、例えば電気回路1420およびDCバッテリー1440を収納、保護する。
【0062】
再び図8を参照すると、ある実施例は末端部1200aと、基部端1200bを有する。 ヒートシンク1200は、基部端1200bがハウジング1010の基部端1120の近傍に近く位置した状態でライトモジュールハウジング1010内に配置される。ヒートシンク1200はどのような形状でも良い。少なくとも1つの取り付け台(図示せず)、または単なる面が、細長いヒートシンク1200の末端部1200aまたは基部端1200bに設けられる。本発明にヒートシンクの他の形状が含まれる場合は、取り付け台は基部または末部の面または部分に設けられる。
【0063】
取り付け台または面に、光源1300が取り付けられる。光源は、例えばLEDまたはLEDアレイである。ある実施例において、光源は、それらがターゲット領域に近くなるようにハウジング1010の基部端の方に配置される。他の実施例において、1つ以上の光源をターゲットから遠ざけておくように、ライトガイド1700がはめ込まれる。ライトガイド1700は、ここではハウジング1010の延長である。
【0064】
いくつかの実施例において、光源のチップが使用されるときは、それらは熱消散のために1つのヒートシンク上に集中的に配置されるか、または各々のヒートシンク上に個別に置かれる。いくつかの実施例において、光源は電極溝を持ったより大きなヒートシンク上に置かれる。
【0065】
また、いくつかの実施例において、チップが使用されるときは、本発明の相変化材料を含むヒートシンクは発光チップと直接、間接に接触する。相変化材がチップによって発生した熱を吸収した後、熱は消散される。従来のヒートシンクを少なくとも1つの相変化材を含む本発明のヒートシンクの横または下の近くに取り付けても良い。従来のヒートシンクを追加する代わりに、ファンを設けることもできる。
【0066】
ある実施例において、単一または複数のLEDチップまたはレーザーダイオードチップが従来の金属ブロックのヒートシンク上に配置され、光源によって発生する熱を吸収し、また、少なくとも1つの相変化材を含むヒートシンクが熱伝導性、すなわち金属のブロックから来る熱を吸収する。少なくとも1つの相変化材を含むヒートシンクは、従来の金属ブロックヒートシンクの横あるいは下の近くに取り付けることによって熱伝導性、すなわち金属のブロックから来る熱を消散する。
【0067】
他の実施例において、光源のチップは、熱を消散するために相変化材を含む単一のヒートシンク上に集合的に配置されるか、もしくは、個別に相変化材を含むそれ自身のヒートシンク上に配置される。
【0068】
本発明の他の実施例において、LEDまたはレーザーダイオードチップを含む光源は、ヒートシンクの面上およびそのヒートシンクの面の周縁に配置される。この構成では、そのように作られることが望まれているように、ヒートシンク上により多くのLEDまたはレーザーダイオードチップが配置されるほど、より強力な光にするか、または必要な数の波長数を備えることが出来る。
【0069】
加えて、ハウジング内にはレーザーまたはLEDチップに電力を供給する電極も含まれる。
相変化の最中に発生する気体を収納するように特別に準備されている場合は液体も使用されるが、操作の始めには、相変化材は例えば周囲温度下で固体の状態である。光源によって熱が発生するにつれて、熱は熱伝導性または金属のハウジングまたは壁を伝わって離れ、相変化材に吸収される。固体または液体はハウジングからの熱を吸収し、各々液体または気体への相変化を起こす。いくらか昇華が起こる可能性がある。相変化材の殆どの部分が新しい状態、すなわち新しい相に変化すると、設置された内部の熱センサーが、硬化ライトまたは漂白ライトをある与えられた温度で停止するように働く。この停止温度に到達した後、液体化または気体化された相変化材は、今度は熱の消散を始める。熱伝導性または金属のケースが熱発生源から取り除かれたときは、例えば光源は消される。この熱消散は、相変化材がそれぞれ最初の固体または液体の状態に戻ろうとして、再び熱伝導または金属ケースを通して行われる。相変化材の殆どが実質的に周囲温度に近くなったときは、もう一度その溶解点または気化点への温度上昇を経験するまで固体または液体のままでいて、このプロセスが繰り返される。相変化材は、本質的に可逆的な相変化を行うので、典型的には、その効果を失うことなく、恒久的でないにせよ非常に多くの回数実行することが出来る。
【0070】
ある実施例において、光源からの光は、ハウジングから出て、始めにライトガイドまたはファイバー光学ケーブルを通ることなく直接、硬化する面に到達する。他の実施例にお
いては、光は始めにライトガイドまたはファイバー光学ケーブルを通り、光源から硬化する面に到達する。
【0071】
光源は、例えば光源で発した光を硬化させる材料の方に向けるために、ユーザーが走査するハンドル内に配置する可能性がある。いくつかの実施例において、ハンドルの少なくとも1部分は、柔軟性があり、使用が容易なように望む方向に曲げることが出来る。この柔軟性のある部分は、少なくとも1本の曲げることの出来る配線を取り巻く少なくとも柔らかな材料を含んでいる。
【0072】
ハウジングから出てくる熱は、ハンドル内に配置される相変化材を含むヒートシンク、従来の金属ブロック、またはファン、あるいは単に周囲の空気によって消散される。
前述したように、複数の光源を用いるときは、それらは複数の波長の光を放射して、異なった波長に感応する光開始剤を有する合成材料を1つの光源ですべて硬化させることが出来る。いくつかの実施例において、ダイオードレーザーまたは発光ダイオードは適切な基材または固定具上にアレイ状に配置され、集中的なアレイが用いられたときはより大きな光のパワーまたは直径可変の光源を提供することが出来る。さらに、レーザー発光チップまたは発光ダイオードチップのアレイが用いられたときは、アレイの中に異なった波長のチップを配置することによって、単波長光または複数波長光が得られる。
【0073】
さらに、硬化または漂白ライトシステムは、ACまたはDC電源を有する制御モジュールを装備することが出来る。制御モジュールは、硬化また漂白システムに電力を供給し、望ましい光強度で、所望の時間の間、合成材料を硬化させたり光活性のある漂白材料を漂白したりするのに適した光を供給するように、硬化または漂白システムを制御する。オンオフスイッチおよびバッテリパワー低下の表示も設けることが出来る。
【0074】
本発明のいくつかの実施例において、光源への電力供給のために使用される1つ以上のバッテリーを充電するため、バッテリー充電器が用意される。バッテリーが充電されているときは、硬化ライトに電力を供給するために充電器から電力が引き出されるため、硬化または漂白ライトは依然処置のために使用できる。
【0075】
本発明は、さらに以下の例に例示される。:
例
歯科用硬化ライトに組み込まれるヒートシンクは次のように作られる:
使用される相変化材の成分および特性:
相変化材(PCM):以下の特性を有するリン酸水素ナトリウム12水和物(Na2HPO4−12H2O)が使用された:
融点:36℃
溶解熱:280kJ/kg
比熱:1.94kJ/kg℃(固体)、1.60kJ/kg℃(液体)
密度:1520kg/m3(固体)、1450kg/m3(液体)
熱伝導度:0.514W/m℃(固体)、0.476W/m℃(液体)
熱伝導性ハウジング:壁厚約1.5mmの銅ケース(テルル銅145)
準備:
相変化材は、オーブン中で55℃で45分間溶融するまで加熱される。1.2mLの液相状態の相変化材が、注入器によってヒートシンクの中空の銅製のケース中に詰め込まれる。ヒートシンクは、ハウジングを密閉するために蓋が押し込まれて適所に保持される前に、30分間ファンで冷やされる。サーミスターが蓋の溝に置かれ、熱エポキシで適所に
密閉される。さらに蓋の内部を密閉するためにさらに熱エポキシが施される。
【0076】
テスト:
上記で特定した構造の、作製されたヒートシンクは、本発明の硬化ライト内でテストされた。テストの内容は、相変化材を含んだヒートシンクの可動時間を、相変化材の無いヒートシンクの可動時間と比較判定することである。可動時間テストは、硬化ライトが遮断温度になる前の処置時間を判定する。周囲温度25℃から温度上昇で40℃になるまでの時間を取った。相変化材を含んだヒートシンクを使った硬化ライトは平均20分以上であった(およそ同じ構造の全20例を作動させた)、匹敵するヒートシンクで相変化材の無いものは、平均8分の可動時間であった(全部で67例を作動させた)。
【0077】
本発明のヒートシンクは、より低重量でありながら従来の固体金属ブロックヒートシンクと比べてより優れた性能を示した。
本発明は、いくつかの実施例に関して詳細に述べてきたが、本発明がその精神または必須の特徴から離れることなしに他の形態で具体化できることは、当業者によって認識されるであろう。本記述は、したがって、すべて限定的でなく例示的である。本発明の範囲は添付の請求項に示され、意味の範囲内および均等の範囲からくるすべての変形はその中に含まれるとされる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、本発明のヒートシンクの1実施例の斜視図を示す。
【図1a】図1aは、図1のヒートシンクの1実施例の下から見た斜視図を示す。
【図2】図2は、本発明のヒートシンクの他の実施例の展開図を示す。
【図2a】図2aは、図2の実施例で、キャップを除いた、下から見た斜視図を示す。
【図3】図3は、本発明の図1のヒートシンクの実施例の側面図を示す。
【図4】図4は、本発明の図1のヒートシンクの実施例のキャップの斜視図を示す。
【図4a】図4aは、図4の実施例の側面図を示す。
【図4b】図4bは、図4のキャップの実施例の上面図を示す。
【図4c】図4cは、図4のキャップの実施例の下面図を示す。
【図5】図5は、図1のヒートシンクの断面図を示す。
【図6】図6は、本発明のヒートシンクの他の実施例の断面図を示す。
【図7】図7は、本発明のヒートシンクの実施例の下から見た斜視側面展開図を示す。
【図8】図8は、本発明の1実施例の硬化ライトの断面図を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に光硬化または光漂白に適したあらゆる装置に関する。特に、改良ヒートシンクを有する、歯科材料を硬化させる、または白化ゲルに作用するのに適した光硬化または光漂白装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、歯科技工において凹部の充填のために合成樹脂の充填物が標準となってきている。この合成充填物は、処置後硬化させる必要のある樹脂を用いる。この硬化のために、手持ちの硬化ライトが広く用いられてきた。光は、患者の口の中にある合成樹脂材料のほぼ近くで保持される。合成材料を硬化させるのに必要な時間は使用される樹脂の種類に依存する。したがって、手持ちのものが軽いほど、そのような装置を保持しなければならない歯科技師が硬化を行うことが容易になる。
【0003】
同時に、歯科技師によって歯の漂白も定常的に行われている。漂白剤の1種は感光性である。光漂白の間中、漂白ライトが使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
術中、いかなる硬化ライトによっても発生する熱は、問題を起こしやすい。工業安全規格は、硬化ライトの外部表面温度は50℃を超えてはならないと述べている。さらに、硬化ライトがオーバーヒートして遮断するまでの耐久性、すなわち可動時間は、硬化ライトからどれだけ多く、また早く熱を取り除くことができるかに拠る。この同様の問題は、光漂白ライトにおいても生じる。したがって、硬化および漂白ライト双方にとってなんらかの効果的な熱除去が望まれている。
【0005】
発生した熱を除去するために、さまざまな方法が試みられてきた。1つの通常の方法は、銅製のブロックのような金属のヒートシンクと、硬化または漂白ライト内部に内蔵する冷却ファンを使用することである。いくつかの装置は、除去を容易にするためヒートシンクと冷却ファンの組み合わせを使用している。
【0006】
金属製ブロックは効果的ではあるが、手持ちの硬化ライトにかなりの重さを加えることになる。この追加の重量は、今度は硬化ライトを使用する歯科技師の疲労を増すことに加担してしまう。また、ファンが同じ硬化ライトに使用されると、さらに重量が増して、音がうるさく、またバッテリーの寿命を短くし、装置の信頼性を減じる可能性がある。音は、また、しばしば歯科の処置が嫌いで恐れている患者の不安を増加させる。
【0007】
光漂白用の装置やいくつかの硬化ライトは使用中支持され、追加の重量が手持ちの硬化ライトほど問題を起こさないようにしているが、より効果的なヒートシンクは便利であり、よりコンパクトなデザインに寄与する。したがって、追加の重量なしに光源からの熱を効果的に発散または除去する装置への要請は残っている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、金属のような熱伝導材の固体ブロックからなるヒートシンクと比べて、与えられたヒートシンク材料を持った光源から熱をより効果的に除去または発散させることができるヒートシンク材に関する。
【0009】
本発明は、さらに、ヒートシンク材の重量を減らしたときに硬化ライトからより効果的
に熱を除去または発散させるヒートシンクに関する。
本発明は、有機材料、非有機材料、およびそれらの組み合わせを含む、少なくとも1つの適切な相変化材(phase change material)を有するヒートシンクを含む。これらの材
料は本質的に可逆的に相変化することが出来、典型的にはその効果を失うことなく、恒久的でないにせよ非常に多くの回数相変化することが出来る。
【0010】
ある実施例において、少なくとも1つの相変化材を有する少なくとも1つのヒートシンクを含む再充電可能な歯科用硬化ライトが開示されている。そのヒートシンクは、相変化材で少なくとも部分的に満たされた穴または空間を有する、金属のような熱伝導材のブロックを含む。
【0011】
他の実施例において、少なくとも1つの相変化材料を有する少なくとも1つのヒートシンクを含む漂白ライトが開示されている。そのヒートシンクは、相変化材で少なくとも部分的に充填された穴または空間を有する、金属のような熱伝導材のブロックを含む。
【0012】
本発明のヒートシンクは、金属のような熱伝導材を中空化することによって作られ、相変化材をその内部に確保するためにそれを蓋で閉める前に少なくとも1つの相変化材が、空間に少なくとも部分的に満たされ、少なくとも1つの相変化材が実質的に内蔵される。すなわち、従来の金属性ヒートシンクの製造に通常用いられるような熱伝導材に囲まれる。
【0013】
あるいは、ヒートシンクは、穴または空間を取り囲む金属の壁のように、熱伝導材料で鋳造されるか機械加工される。穴または空間は、相変化材をその内部に確保するためにそれをキャップ閉めする前に少なくとも1つの相変化材が、空間に少なくとも部分的に満たされる。
【0014】
ある実施例において、本発明のヒートシンクは単独で使用される。他の実施例において、それはファンに加えて、従来の金属ブロックヒートシンクと共に、またはそれらの組み合わせと共に使用される。
【0015】
本発明のヒートシンクは、従来の金属ブロックヒートシンクを組み込むのと同じ方法で組み込むことが出来、例えばそれを熱源、すなわち光源、すなわちハロゲン光源やキセノン光源のようなガス封入アーク光源、ハロゲン化金属光源、蛍光光源、半導体発光器、レーザー発光源、発光ダイオード(LED)のような発光チップ、固体LED、LEDアレイ、またはそれらの組み合わせに取り付ける。または他のヒートシンクに取り付ける。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に述べる詳細な説明は、ここに例示する本発明の実施例の説明として意図されたものであり、本発明が準備され、または用いられる唯一の形態を表わすよう意図したものではない。なお、説明は、構成と、本発明を実行するステップを述べているが、本発明の精神および範囲内に含まれるよう意図された異なった実施例によって、同じかまたは均等な機能および要素が達成され得ることを理解されたい。
【0017】
他に定義されない限り、ここで用いられる全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者に通常理解されているのと同じ意味を持つ。本発明の実行または試験において、ここで述べられるものと同様または均等な、あらゆる方法や材料を使用することが出来るが、ここでは例示する方法、装置および材料を述べる。
【0018】
光活性化合成材料を硬化するのに有用な硬化ライトシステム、または歯の白化に有用な
ライトシステムは、典型的にはハウジングあるいは囲い内に収められるライトモジュールを有する。
【0019】
従来の固体金属のヒートシンクの代わりに、実質的に中空の、金属のような熱伝導部材の内部に封入された相変化材を用いることによって、硬化ライトの重さを減らすことができ、また、ヒートシンクが、歯科用硬化ライト業界で“遮断(shut off)”温度と呼んでいる温度に到達するまでの時間を増すことができる。遮断温度に到達するまでの区間は“可動時間(run time)”と呼ばれる。“可動時間”を増す、すなわち、ライトがついたままでいられる時間が増せば、歯科医が硬化作業を行っている時間が増す。
【0020】
相変化材は、パラフィンワックス、2,2−ジメチル−n−ドコサン(C24H50)、トリミリスチン((O13H2VCOO)3C3H3)、1,3−メチルペンタコサン(C26H54)、他のポリエチレンワックス、エチレン−ビス−ステアラミド、N,N−エチレン−ビス−ステアラミド、または同様の有機材料を含み、それらは単独またはその混合体で使用される。非有機材料は、例えばリン酸水素ナトリウム12水和物(Na2HPO4−12H2O)、硫酸ナトリウム10水和物(Na2SO4−10H2O)、塩化鉄6水和物(FeCl3−6H2O)、TH29(融点29℃を有する水和塩でオーストラリア、ワンガラのTEAP Energy社から入手可能)、または同様の水和塩を含み、それらは単独またはその混合体で使用される。他の非有機材料としては金属合金があり、Ostalloy 117またはUM47(Umicore Electro−Optic Materials社から入手可能)も考慮される。典型的な材料としては、周囲温度で固体であって、例えば融点が約30℃と50℃の間、さらに例示すれば、約35℃から45℃の間である材料である。また、典型的な材料は、それらが周囲温度下にあるときは、例えば少なくとも約1.7、さらに例示すれば少なくとも約1.9の高い比熱を有する。さらに、それらが上昇した温度下にあるときは、少なくとも1.5、さらに例示すれば1.6の比熱を有する。
【0021】
上述した相変化材のいくつかは、ほとんど無限大回数の相変化を行うことが出来るくらい再使用可能である。他は、より吸熱的な材料であり、制御された環境下で使用されない限り限定的なライフサイクルを有する。これらの吸熱性の材料は、制御された環境下で使用されても相変化材としてはその効果を失う可能性がある。
【0022】
いくつかの金属合金は、その溶融熱は低いかもしれないが、溶融熱の高い他の相変化材よりはより良い熱伝導体であるかもしれない。したがって、相変化材内部の熱伝導性を高めるために、金属合金と、1つあるいはそれ以上の他の非有機あるいは有機相変化材との混合体を使用しても良い。
【0023】
物質の熱伝導度は、熱消散率を決めるために使用される1つのファクターである。例えば、相変化材の熱伝導度は、周囲温度下の状態で少なくとも約0.5W/m℃であり、上昇した温度下の状態では少なくとも約0.45W/m℃である。
【0024】
一般的に、相変化材は金属ハウジングのような熱伝導性のハウジングまたはケーシングの内部に収納される。ハウジングは、それはいかなる形状でも良いが、例えば丸いまたは四角の断面を持つ穴を規定する。穴の金属ケーシングまたは壁は、相変化材を収納するために機能し、また、相変化材に熱を伝えたり相変化材から熱を逃がすように熱伝達することを助ける。ヒートシンクのある大きさに対して、壁は薄ければ薄いほど多量の相変化材が存在することが出来、硬化ライトの重さへの寄与も少ない。しかし、壁は薄いほど相変化材から熱を伝導で逃がす効果が少なくなり、相変化材が周囲温度に戻り最初の状態に戻ってヒートシンクとして機能することが可能となる時間が長くかかる。例えば、特性のバランスのためには壁の厚さは、典型的には約1mmから約2.5mm、さらに例示すれば
、約1mmから約1.5mmである。
【0025】
また、ハウジングは大きな表面積を有するように作られる。例えば、その外表面にフィンや他の形を持った構造は、熱伝導または対流のために、表面積を増すことに寄与する。したがって、球形の構造は決して望ましいものではない。そのようなフィン、または表面を増大する他の構造は、穴の中にも取り入れられ、熱伝導性のケーシングと相変化材との間の接触面積を増大させ、したがって、熱伝導性のケーシングと相変化材との間のより早い、また、より効果的な熱伝達を可能にする。また、上述したように、有機または非有機の相変化材と金属合金との混合が相変化材内部の熱伝達効率を増大させる。
【0026】
また、熱伝導性のケーシングは、光源からの熱伝達のために良い熱接触状態にあることが望ましい。このことは、広い接触面を持った滑らかな熱伝導性の表面によって達成される。また、熱的な結合は熱エポキシあるいは他の熱伝導性接着剤のような熱伝導性の界面物質によって達成される。電気絶縁性の界面物質も、熱伝導性を失うことなく光源とヒートシンクを電気的な意味で絶縁するには有用である。
【0027】
ある相変化材は、また、上述したように非常に多くの熱エネルギー量を蓄積している高レベルの溶融潜熱を有する可能性がある。溶融潜熱は少なくとも約30kJ/kgが望ま
しく、少なくとも約200kJ/kgがさらに望ましい。
【0028】
ある実施例において、図1に示すように、ヒートシンク100は実質的に円筒状の形をしている。ハウジング101は、銅、アルミニウム、または他の熱伝導性の良い比較的軽い金属で作られる。図5に示すように、ハウジングは実質的に中空の内部107を持ち、例えばリン酸水素ナトリウム12水和物(Na2HPO4−12H2O)あるいは上述した物質のような相変化材108で、中空内部107の容積の少なくとも約50%が部分的に満たされる。選択された相変化材の蒸気圧に拠って、相変化材は中空内部107の容量の約80%の容積まで入れることができる。ハウジング101の1端は閉じており、その閉端部が101aとして示されている。ハウジング101の他端は、ヒートシンクに相変化材を充填するのが容易なように開いている。図5に同じく示されている開放端101bは、ヒートシンクハウジングの他の部分と同じ材質で作られる蓋部材103でカバーされる。ヒートシンクは、また、光源のような少なくとも1つの熱発生源との接触のための境界面構造102を有する。
【0029】
図示された実施例において、ハウジングが鋳造で作られるときは、境界面構造102は上記の実質的に円筒状のハウジングと一体的に形成される。ハウジングが機械加工で作られるときは、それも機械加工される。
【0030】
ある実施例において、境界面構造102は、取り付け面になると同時に、熱発生源、例えばLEDのような光源、との良い熱的境界面となる平面102aを有する。平面102aは、ここでは傾斜面として例示されており、ハウジング101の閉端部101aの先端部と角度をなしている。この境界面構造はハウジング101の閉端部と同じか小さい直径であり、少なくとも1つの肩部1000を残している。他の実施例において、境界面構造102は、少なくともそれが光源の取り付け面を持つ限りにおいて他の形状寸法であってもよい。
【0031】
ハウジング101の外面は、実質的にハウジング101の全長に渡る少なくとも1つの谷部または溝101cが構成される。谷部または溝101cは、光源と接続する配線材を配置する場所として機能する。谷部または溝は、ハウジング101の長さ方向に均一の寸法であっても良いし、不規則な幅であっても良い。また谷部101は、滑らかであっても荒い面であっても良い。例示するように、ハウジング101は互いに反対側に向いた2つ
の平行な溝または谷部を有する。谷部101は、配線を配置するために機能するのに加えて、ヒートシンクの表面部がヒートシンクの重量を軽減する機能を付け加える。
【0032】
図1aは、図1のヒートシンクの実施例の底面斜視図であり、開放端は蓋部材103で閉められている。蓋部材は単純なキャップの形でも良いし、図4に示すようにより複雑な構造でも良く、以下に詳細を述べる。
【0033】
例示するように、蓋部材103は、ハウジング101の開放端101bの内部に嵌合する形をしている。蓋部材は、サーミスターまたは他の熱センサーを配置するための溝またはへこみを有する。蓋部材103は、多くの方法でハウジングの開放端101bの内部の適所に保持される。例えば、以下にさらに詳細を述べるように、蓋部材の外周をハウジング101の内壁に対して圧縮嵌合するために設けられる少なくとも1つの形成部111によって適所に保持される。
【0034】
図2は、本発明のヒートシンクの他の実施例の分解斜視図を示す。ヒートシンク200は、実質的に円筒状のハウジング外部201と、実質的に中空の内部201cと、ハウジング201内に位置するブレード状の分割部材202を有する。ブレード状の分割部材202は、実質的にハウジング201の内部201cの全長に渡っていても良いし、他のいかなる長さでも良い。
【0035】
ハウジング201は、上述したように同じ熱伝導物質で作られる。ある実施例においては、ブレード状の分割部材202は、ハウジング201と同じ材料で作られる。他の実施例においては、ブレード状の分割部材202はハウジング202と異なる熱伝導材で作られる。
【0036】
例示した実施例においては、ブレード状の分割部材202は、図2aに示されるように中空の内部203を仕切るように機能する。ブレード状の分割部材は、図1に示すハウジングの外部の谷部または溝と同様に、上述したように、また以下にも述べるように、より効果的な熱伝達のために熱伝導部材と相変化材との間の接触面領域を増大させるのに役立つ。他の実施例において、上述したように、上述したような金属合金が1つ以上の他の非有機または有機の相変化材と混合され、相変化材内部の熱伝導度を増加するために使用される。
【0037】
上述したように、蓋部材203がハウジング201の開放端に嵌合し、相変化材を収納する。
図3は、図1のヒートシンク100の側面図を示す。ここに示す境界面構造102は、望むならば異なった大きさの2つの実質的に平らな面、すなわち大きな面102aおよび小さな面102bを有し、熱発生源の取り付け面と、熱発生源との良い熱境界面を提供する。
【0038】
図3に示すように、境界面構造102は、ハウジング101の閉端部直径よりも小さな直径を有し、その結果、肩状の部分1000が境界面構造102の下部から突き出ている。
【0039】
図4は、図1,2,6,7に見られるように、ヒートシンク内に嵌合するのに適応した蓋部材103の外観の斜視図を示す。端部105は、図1に見られるようにヒートシンクの中空の内部107に挿入されるように嵌合しており、第2の端部104はヒートシンク100の外に露出している。周縁の溝106aを縦の壁部106に設けても良い。この溝は、空気および/または湿気を漏らさないシールを行うためのOリング、ガスケット、ま
たは他のシール部材を装備するために適応している。
【0040】
図4aは、図4に例示する蓋部材103の側面図を示す。蓋部材は、図示されるように、サーミスターまたは他の熱センサーを位置させるのに適応した溝またはへこみ100を有する。へこみ110は、蓋部材103の盛り上がった部分または土手にあってもよい。土手120は、蓋部材の他の部分よりは小さな直径である。
【0041】
上述したように、蓋部材103は多くの方法でハウジングの開放端101bの内部の適所に保持することが出来る。図5に示した例では、蓋部材は、蓋部材103の端部105のより大きな外周をハウジング101の内壁に対して圧縮嵌合するのに適した少なくとも1つの形成部111によって適所に保持される。周縁の溝106aは、ここでは直径を小さくした実質的に垂直な部分を持っているように示されている。溝106aは、成形されるかまたは蓋部材に機械加工される。上述したように、この溝はハウジングの開放端をシールするためにOリング、ガスケット、また他のシール部材が嵌合するように適応している。
【0042】
蓋部材103の底、つまり露出端104は、実質的にハウジング101の開放端の外径または外寸法と同じ外径または外寸法を持ち、蓋部材はハウジング101の垂直な外壁と同一平面である。望むならば、他の実施例において、蓋部材103の底端104の直径はハウジング101の開放端よりは大きな直径または寸法を持たせ、蓋部材103の取り除きを容易にするために蓋部材はヒートシンクの横からはみ出させても良い。
【0043】
図4bは、図4の蓋部材103の上面図を示す。この図で例示するように、縦壁部106の直径よりは大きな底端104の直径がはっきりと示されている。
図4cは、図4の蓋部材103の底面図を示し、サーミスターまたは他の熱センサーを保持するのに適応したへこみ110がはっきりと示されている。へこみは、図示されるように、円形の断面を持っているが、他のいかなる形状でも適しているかもしれない。
【0044】
図5は、本発明のヒートシンク100の断面図を示す。中空の内部107は、蓋部材103で封蓋されて示されている開放端101bと、閉端部101aを有する。中空内部107は、以前述べたいかなる物質をも含む相変化材で充分に満たされているように示されている。蓋部材103が設置され、Oリング109によって中空内部107をシールしている。蓋部材103は、(図4aに示すように)蓋部材の外周をハウジング101の内壁に対して圧縮嵌合するのに適応した少なくとも1つの形成部111によって適所に保持される。蓋は、また、例えばサーミスターまたは他の熱センサーを取り付けるのに適応した溝110を有する。サーミスターまたは他の熱センサーは、建築用または恒久接着剤、または、反応性接着剤、例えば、エポキシ、シリコン接着剤、接触セメント、またはシアノアクリレートベースの接着剤、アクリルベース、ポリウレタンベース、ポリアミドベース、スチレン共重合体ベース、ポリオレフィンベース、等の熱伝導性の接着剤を用いて溝に固定され、センサーが硬化ライト制御システムに温度情報を供給して、硬化ライトを持つのが熱過ぎたりオーバーヒートしないように保つ。
【0045】
いくつかの実施例において、蓋部材103はサーミスターに関して述べたような建築用接着剤を用いてハウジングの開放端にシールされる。接着剤は、存在するかもしれないいかなるピンホールをもシールする。他の実施例においては、ピンホールまたは通気穴は、気体を逃がすのに望ましい。どんな液体の相変化材であっても漏れを最小化するために、蒸気(vapor)透過不能/液滴(moisture)透過可能の層またはフィルムを、穴を覆うた
めに使用しても良い。
【0046】
いくつかの実施例において、ヒートシンクは孔を有し、LEDまたはレーザーダイオードチップが孔の中に取り付けられる。LEDまたはレーザーダイオードチップの側面から放射する光は、孔の壁に反射して所望の方向に向かう。いくつかの実施例において、孔は下記の図6に示すように深い。
【0047】
図6は、本発明の他の実施例のヒートシンク300の断面図を示す。この実施例において、ハウジング301は、上述したような境界面構造のように突き出した構造の代わりに孔312を有する。例示した実施例は細長い、実質的に筒状のヒートシンク300を示しているが、例えば孔またはへこみ312の曲線構造を有する。孔312は深く、LEDまたはLEDアレイのような少なくとも1つの光源を、孔またはへこみ312の末部312aまたは基部312bに位置させるのに適応した、基部312bを穴の上端に、末部312aを孔の底部に有する側壁320を持ち、熱発生の集中を拡散させる。
【0048】
孔312の基部は、少なくとも1つの光源313を取り付けるための、例えば互いに略対向して位置する少なくとも2つの取り付け台と、細長いヒートシンクの末部312aの方に位置する少なくとも1つの取り付け台313aを有する。これらの取り付け台は、上述したように、ヒートシンクハウジングの表面でも良い。
【0049】
ヒートシンク300は、上述したように、ハウジング301の全長に渡るか、あるいは全長には渡らない少なくとも1つの溝または谷部も有する。溝または谷部(図示せず)は、また、配線部材のために、内部の側壁302bに沿って存在しても良い。
【0050】
複数の光源313は、同じ波長もしくは異なった波長を放射することが可能である。このヒートシンク構成は、発生熱を一箇所に集中させることがなく、より効果的な熱消散を行うことが可能である。
【0051】
ある実施例においては、光源313の各々が発光ダイオード(LED)またはLEDアレイを有する。LED(またはLEDアレイ)の各々は光活性物質の硬化を開始するのに有効な光を放射する。ある実施例においては、1つまたは複数の光開始剤を活性化するための複数波長の光を発する。
【0052】
ある実施例において、孔312は、孔内部および/または基部312bにLED313を設置する準備がされる。LEDからの熱は、ハウジング301によって伝達し去られる。孔の側壁は固体の熱伝導性材料または金属材料である。その材料は、ハウジング301の、中空内部の無い他の部分と同じ熱伝導性材料または金属材料である。他の実施例において、側壁は、内部側壁320aと、孔312の部分的に中空である内部を取り囲む外部側壁320bとを有する。このスペースもある相変化材で満たされるか、またはあるスペースを占める相変化材が、ある相からより大きなスペースを占める相に変化したときのために拡張スペースが設けられる。
【0053】
中空内部307をシールするために、開放端301bに蓋部材103が使用され、Oリング309と形成部311で圧縮嵌合させる。サーミスターや他の熱センサーが溝310に配置され、硬化ライト制御システムに温度情報が伝わるように、上述した材料のような熱伝導性接着剤で固定される。上で述べたように、蓋部材303も存在するかもしれないいかなるピンホールをもシールするために接着剤でシールされる。他の実施例においては、ピンホールまたは通気孔は気体を逃がすのに望ましい。再び、どんな液体の相変化材であっても漏れを最小化するために、蒸気(vapor)透過可能/液滴(moisture)透過不能
の層またはフィルムを穴を覆うために使用しても良い。
【0054】
図7は、本発明のヒートシンクの他の実施例を示す。ヒートシンク400は、断面が四
角であり、ハウジング401と、実質的に中空な内部402を有する。ヒートシンクは、図示のように細長いヒートシンクであり、内部は実質的に四角形状または円筒状のどちらでも良い。
【0055】
このヒートシンクもまた、蓋部材の一番上にへこみを持った蓋部材403がはめ込まれている。蓋部材の溝409aの周りに弾性体のガスケット409がやはり設けられる。
1つの実施例ではハウジングの内部に分割材を有し、他の実施例では分割材を持たない。
【0056】
このヒートシンクも上述したように相変化材で満たされる。
ガスケットまたはOリングは、何らかの弾性材またはゴム材で作られ、相変化材がハウジングの外の環境に露出するのを最小化するような密閉をもたらす。
【0057】
ある実施例においては、ハウジングは上述したように気体を逃がす通気孔を有する。そのような実施例においては、完全に再使用可能な相変化材を用いない限り、ヒートシンクの再使用可能性は減少する。ある実施例において、これらの通気孔は、上述したように、ハウジング内部の相変化材を取り囲む蒸気透過可能/液滴透過不能の層でさらに覆われる。他の実施例において、蒸気透過可能/液滴透過不能の層は、少なくともハウジングの外側に通気孔のあるハウジングの部分を取り囲んでもよい。蒸気透過可能/液滴透過不能の層の例としては;少なくとも1つのイソシアネート機能性ポリウレタン(それは、NCOグループと、少なくとも1つの直鎖型ジヒドロキシポリエステルを持ったジオール成分の反応体で、二塩基酸成分とジオール成分から形成され、ジオール成分は平均分子量が少なくとも1000であって、イソシアネート機能性ポリウレタン内のOH:NCO比が1.0:1.6と1.0:2.6の間であるジヒドロキシポリエステルである)(USP No.5,851,661に開示されており、その内容は参照によってここに含まれる)を含むホットメルト水分硬化接着剤から成形される水蒸気透過ポリウレタン;エチレンメタクリル酸共重合体、またはポリエーテルブロックアミドを含む非硬化熱可塑性成分と、少なくとも1つの可塑剤のような溶剤との混合物から成形されるフィルム層;さまざまな接着剤(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィンの共重合体、特にエチレン共重合体、および(メタ)アクリル酸;オレフィン共重合体、例えばエチレン共重合体、(メタ)アクリル酸エステルの(メタ)アクリル酸誘導体;オレフィンの共重合体、例えばエチレン共重合体、ビニールアセテートのようなビニールカルボン酸塩のビニール化合物;Kraton(登録商標)、Solprene(登録商標)、Stereon(登録商標)などの登録商標で
市場で入手可能なスチレン−イソプロピレン−スチレン、スチレン-ブタジエン−スチレ
ン、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン、およびスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体;メタロセン触媒作用によるポリマー、特にエチレンおよび/またはプロピレンベースのポリマー;エチレン、ポリプロピレン、およびVestoplast(登録商標) 703(HuIs)のようなアモルファスポリオレフィン(アタクチックポリアルファオレフィン);ポリエステル;ポリアミド;イオノマーおよび対応する共重合体;およびそれらの混合物)(これらはUSP No.6,843,874に開示され、その内容は参照によってここに含まれる);等の実質的に連続する塗膜を生成する非接触コーティング法によって作られる熱可塑性成分を有する基材、を含む。
【0058】
上述したヒートシンクのいずれの実施例も変更または交換可能なように、必要に応じてモジュールとして構成することができる。
上述したヒートシンクは、硬化ライトシステムの中で使用される。硬化ライトはバッテリーで動作する手持ちのポータブルな硬化ライト、またはAC電力で動作するチェアサイドの硬化ライトシステムである。相変化材を含んだヒートシンクは、従来のヒートシンク
が装着されるのと同様の方法で硬化ライト装置または光漂白ライト装置の中に装着される。上述したように、いくつかの硬化ライトおよび漂白ライトは使用に当たって一般的には支持され、したがって、装置の重量は問題があるという程ではない。しかし、より効率的なヒートシンクは有益であり、にもかかわらずよりコンパクトな漂白ライトをもたらす可能性がある。
【0059】
少なくとも1つの相変化材を含むヒートシンクは、単独で使用されるか、または従来のヒートシンクまたはファンと共に使用される。歯の漂白に使用される光源の場合には液体冷却材のような追加の冷却システムを使用する
図8は、末端1110と、基部端1120と、末端に向かうハンドル1020と、基部端にハンドル部1020に対してある角度を持ったネックおよびヘッド部分1030を持った、本発明の硬化ライトの1実施例を示す。ライトモジュールハウジング1010は、実質的に円筒状の形状を有し、ライトモジュールハウジング内に、少なくとも1つのヒートシンク1200を配置した実質的に中空の内部1010aを持っている。ヒートシンク1200は、長手方向の軸を持つか、または、硬化ライト内で効果的な熱管理を助長するのに適応したあらゆる構造を取ることができる。ある実施例において、ヘッドおよびネック部分1030は、また、ここに図8に示す内蔵ライトガイド1700のようなライトガイドを持つことが出来る。他の実施例においては、硬化ライトは外部のライトガイドを有する。
【0060】
いくつかの実施例において、図示されるように、ライトモジュールハウジング1010の基部端の方にレンズカバー1650を配置する。ある実施例において、レンズカバー1650は、透明であり、光が、硬化される合成材料または作用される漂白材料に当たる前にそれを通過する。ハウジングの幾つかの例は、窓を有する、シールされたプラスチック端およびシールされた金属端を含んでいる。
【0061】
他の実施例において、カバー1650は、ターゲットの表面に向けて光を集中させるために焦点レンズまたは半球体である。他の実施例において、ハウジング1010は、レーザーダイオードまたは発光ダイオードによって放射される光が遠くの場所に配光される前に集光させるために、ハウジングに一体的に接着するか一体的に形成または成形された焦点半球体1740を有する。したがって、ハウジングは、このように光源を保護するだけでなく光を集中させるためにも機能する。焦点半球体またはレンズ1740は、より小さなターゲット領域、あるいはより広いターゲット領域のどちらかに、より正しく光束を向けるために、ハウジング1010の基部端1120から出る光束の照明形状または直径を変化させる装置として作用する。ライトモジュールハウジング1010は、さらに、例えば電気回路1420およびDCバッテリー1440を収納、保護する。
【0062】
再び図8を参照すると、ある実施例は末端部1200aと、基部端1200bを有する。 ヒートシンク1200は、基部端1200bがハウジング1010の基部端1120の近傍に近く位置した状態でライトモジュールハウジング1010内に配置される。ヒートシンク1200はどのような形状でも良い。少なくとも1つの取り付け台(図示せず)、または単なる面が、細長いヒートシンク1200の末端部1200aまたは基部端1200bに設けられる。本発明にヒートシンクの他の形状が含まれる場合は、取り付け台は基部または末部の面または部分に設けられる。
【0063】
取り付け台または面に、光源1300が取り付けられる。光源は、例えばLEDまたはLEDアレイである。ある実施例において、光源は、それらがターゲット領域に近くなるようにハウジング1010の基部端の方に配置される。他の実施例において、1つ以上の光源をターゲットから遠ざけておくように、ライトガイド1700がはめ込まれる。ライトガイド1700は、ここではハウジング1010の延長である。
【0064】
いくつかの実施例において、光源のチップが使用されるときは、それらは熱消散のために1つのヒートシンク上に集中的に配置されるか、または各々のヒートシンク上に個別に置かれる。いくつかの実施例において、光源は電極溝を持ったより大きなヒートシンク上に置かれる。
【0065】
また、いくつかの実施例において、チップが使用されるときは、本発明の相変化材料を含むヒートシンクは発光チップと直接、間接に接触する。相変化材がチップによって発生した熱を吸収した後、熱は消散される。従来のヒートシンクを少なくとも1つの相変化材を含む本発明のヒートシンクの横または下の近くに取り付けても良い。従来のヒートシンクを追加する代わりに、ファンを設けることもできる。
【0066】
ある実施例において、単一または複数のLEDチップまたはレーザーダイオードチップが従来の金属ブロックのヒートシンク上に配置され、光源によって発生する熱を吸収し、また、少なくとも1つの相変化材を含むヒートシンクが熱伝導性、すなわち金属のブロックから来る熱を吸収する。少なくとも1つの相変化材を含むヒートシンクは、従来の金属ブロックヒートシンクの横あるいは下の近くに取り付けることによって熱伝導性、すなわち金属のブロックから来る熱を消散する。
【0067】
他の実施例において、光源のチップは、熱を消散するために相変化材を含む単一のヒートシンク上に集合的に配置されるか、もしくは、個別に相変化材を含むそれ自身のヒートシンク上に配置される。
【0068】
本発明の他の実施例において、LEDまたはレーザーダイオードチップを含む光源は、ヒートシンクの面上およびそのヒートシンクの面の周縁に配置される。この構成では、そのように作られることが望まれているように、ヒートシンク上により多くのLEDまたはレーザーダイオードチップが配置されるほど、より強力な光にするか、または必要な数の波長数を備えることが出来る。
【0069】
加えて、ハウジング内にはレーザーまたはLEDチップに電力を供給する電極も含まれる。
相変化の最中に発生する気体を収納するように特別に準備されている場合は液体も使用されるが、操作の始めには、相変化材は例えば周囲温度下で固体の状態である。光源によって熱が発生するにつれて、熱は熱伝導性または金属のハウジングまたは壁を伝わって離れ、相変化材に吸収される。固体または液体はハウジングからの熱を吸収し、各々液体または気体への相変化を起こす。いくらか昇華が起こる可能性がある。相変化材の殆どの部分が新しい状態、すなわち新しい相に変化すると、設置された内部の熱センサーが、硬化ライトまたは漂白ライトをある与えられた温度で停止するように働く。この停止温度に到達した後、液体化または気体化された相変化材は、今度は熱の消散を始める。熱伝導性または金属のケースが熱発生源から取り除かれたときは、例えば光源は消される。この熱消散は、相変化材がそれぞれ最初の固体または液体の状態に戻ろうとして、再び熱伝導または金属ケースを通して行われる。相変化材の殆どが実質的に周囲温度に近くなったときは、もう一度その溶解点または気化点への温度上昇を経験するまで固体または液体のままでいて、このプロセスが繰り返される。相変化材は、本質的に可逆的な相変化を行うので、典型的には、その効果を失うことなく、恒久的でないにせよ非常に多くの回数実行することが出来る。
【0070】
ある実施例において、光源からの光は、ハウジングから出て、始めにライトガイドまたはファイバー光学ケーブルを通ることなく直接、硬化する面に到達する。他の実施例にお
いては、光は始めにライトガイドまたはファイバー光学ケーブルを通り、光源から硬化する面に到達する。
【0071】
光源は、例えば光源で発した光を硬化させる材料の方に向けるために、ユーザーが走査するハンドル内に配置する可能性がある。いくつかの実施例において、ハンドルの少なくとも1部分は、柔軟性があり、使用が容易なように望む方向に曲げることが出来る。この柔軟性のある部分は、少なくとも1本の曲げることの出来る配線を取り巻く少なくとも柔らかな材料を含んでいる。
【0072】
ハウジングから出てくる熱は、ハンドル内に配置される相変化材を含むヒートシンク、従来の金属ブロック、またはファン、あるいは単に周囲の空気によって消散される。
前述したように、複数の光源を用いるときは、それらは複数の波長の光を放射して、異なった波長に感応する光開始剤を有する合成材料を1つの光源ですべて硬化させることが出来る。いくつかの実施例において、ダイオードレーザーまたは発光ダイオードは適切な基材または固定具上にアレイ状に配置され、集中的なアレイが用いられたときはより大きな光のパワーまたは直径可変の光源を提供することが出来る。さらに、レーザー発光チップまたは発光ダイオードチップのアレイが用いられたときは、アレイの中に異なった波長のチップを配置することによって、単波長光または複数波長光が得られる。
【0073】
さらに、硬化または漂白ライトシステムは、ACまたはDC電源を有する制御モジュールを装備することが出来る。制御モジュールは、硬化また漂白システムに電力を供給し、望ましい光強度で、所望の時間の間、合成材料を硬化させたり光活性のある漂白材料を漂白したりするのに適した光を供給するように、硬化または漂白システムを制御する。オンオフスイッチおよびバッテリパワー低下の表示も設けることが出来る。
【0074】
本発明のいくつかの実施例において、光源への電力供給のために使用される1つ以上のバッテリーを充電するため、バッテリー充電器が用意される。バッテリーが充電されているときは、硬化ライトに電力を供給するために充電器から電力が引き出されるため、硬化または漂白ライトは依然処置のために使用できる。
【0075】
本発明は、さらに以下の例に例示される。:
例
歯科用硬化ライトに組み込まれるヒートシンクは次のように作られる:
使用される相変化材の成分および特性:
相変化材(PCM):以下の特性を有するリン酸水素ナトリウム12水和物(Na2HPO4−12H2O)が使用された:
融点:36℃
溶解熱:280kJ/kg
比熱:1.94kJ/kg℃(固体)、1.60kJ/kg℃(液体)
密度:1520kg/m3(固体)、1450kg/m3(液体)
熱伝導度:0.514W/m℃(固体)、0.476W/m℃(液体)
熱伝導性ハウジング:壁厚約1.5mmの銅ケース(テルル銅145)
準備:
相変化材は、オーブン中で55℃で45分間溶融するまで加熱される。1.2mLの液相状態の相変化材が、注入器によってヒートシンクの中空の銅製のケース中に詰め込まれる。ヒートシンクは、ハウジングを密閉するために蓋が押し込まれて適所に保持される前に、30分間ファンで冷やされる。サーミスターが蓋の溝に置かれ、熱エポキシで適所に
密閉される。さらに蓋の内部を密閉するためにさらに熱エポキシが施される。
【0076】
テスト:
上記で特定した構造の、作製されたヒートシンクは、本発明の硬化ライト内でテストされた。テストの内容は、相変化材を含んだヒートシンクの可動時間を、相変化材の無いヒートシンクの可動時間と比較判定することである。可動時間テストは、硬化ライトが遮断温度になる前の処置時間を判定する。周囲温度25℃から温度上昇で40℃になるまでの時間を取った。相変化材を含んだヒートシンクを使った硬化ライトは平均20分以上であった(およそ同じ構造の全20例を作動させた)、匹敵するヒートシンクで相変化材の無いものは、平均8分の可動時間であった(全部で67例を作動させた)。
【0077】
本発明のヒートシンクは、より低重量でありながら従来の固体金属ブロックヒートシンクと比べてより優れた性能を示した。
本発明は、いくつかの実施例に関して詳細に述べてきたが、本発明がその精神または必須の特徴から離れることなしに他の形態で具体化できることは、当業者によって認識されるであろう。本記述は、したがって、すべて限定的でなく例示的である。本発明の範囲は添付の請求項に示され、意味の範囲内および均等の範囲からくるすべての変形はその中に含まれるとされる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、本発明のヒートシンクの1実施例の斜視図を示す。
【図1a】図1aは、図1のヒートシンクの1実施例の下から見た斜視図を示す。
【図2】図2は、本発明のヒートシンクの他の実施例の展開図を示す。
【図2a】図2aは、図2の実施例で、キャップを除いた、下から見た斜視図を示す。
【図3】図3は、本発明の図1のヒートシンクの実施例の側面図を示す。
【図4】図4は、本発明の図1のヒートシンクの実施例のキャップの斜視図を示す。
【図4a】図4aは、図4の実施例の側面図を示す。
【図4b】図4bは、図4のキャップの実施例の上面図を示す。
【図4c】図4cは、図4のキャップの実施例の下面図を示す。
【図5】図5は、図1のヒートシンクの断面図を示す。
【図6】図6は、本発明のヒートシンクの他の実施例の断面図を示す。
【図7】図7は、本発明のヒートシンクの実施例の下から見た斜視側面展開図を示す。
【図8】図8は、本発明の1実施例の硬化ライトの断面図を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光硬化または光漂白のライトシステムに有用なヒートシンクであって、
開放端、閉端、および実質的に中空の内部を有する熱伝導性のハウジングと、
前記熱伝導性のハウジングの前記開放端に圧縮嵌合するのに適応した形成部を有する蓋部材とを含み、
前記ハウジングは、光源によって発生する熱を吸収し実質的に可逆の相変化を行う少なくとも1つの相変化材で部分的に満たされる、ヒートシンク。
【請求項2】
前記相変化材が熱伝導性の壁によって実質的に取り囲まれている、請求項1記載のヒートシンク。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記実質的に中空の内部を分割するためのブレード状の分割部材を有する、請求項1または2記載のヒートシンク。
【請求項4】
前記ハウジングは、光源を取り付けるのに適応した実質的に平らな面を含む境界面構造を有する、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項5】
前記相変化材は、蒸気を透過可能で液滴を透過不能なフィルムで実質的に取り囲まれている、請求項1または4記載のヒートシンク。
【請求項6】
前記ハウジングは、通気孔を有する、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項7】
前記通気孔を有する前記ハウジングの少なくとも1部分が、蒸気を透過可能で液滴を透過不能なフィルムで実質的に取り囲まれている、請求項6記載のヒートシンク。
【請求項8】
前記ハウジングが、円筒状または矩形の断面を有する、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項9】
前記ハウジングは、その外側に沿って前記ハウジングの全長に渡る少なくとも1つの溝を有し、前記溝は配線材を配置するのに適応している、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項10】
前記ハウジングは、実質的に中心に位置する深い孔を有し、前記孔は、少なくとも1つの側壁と、前記孔の最上部に2つの基部部分と、前記孔の底部に末部部分とを有し、前記基部部分と前記末部部分は少なくとも1つの光源を取り付けるのに適応している、請求項1記載のヒートシンク。
【請求項11】
前記側壁は、固体の熱伝導性材料を有する、請求項10記載のヒートシンク。
【請求項12】
前記側壁は、内部側壁および外部側壁を有し、前記内部側壁と前記外部側壁との間に実質的に中空のスペースを有する、請求項10記載のヒートシンク。
【請求項13】
光硬化または光漂白のライトシステムに用いられる軽量のヒートシンクであって、
実質的に可逆の相変化を行うことができる少なくとも1つの相変化材で少なくとも部分的に満たされる穴を持った熱伝導性のブロックと、
前記穴の内部に前記相変化材を収納するために前記穴に蓋をする蓋部材とを含む、ヒートシンク。
【請求項14】
前記相変化材は、蒸気を透過可能で液滴を透過不能なフィルムで実質的に取り囲まれている、請求項13記載のヒートシンク。
【請求項15】
前記ブロックは、通気孔を有する、請求項13または14記載のヒートシンク。
【請求項16】
前記通気孔を有する前記ブロックの少なくとも1部分が、蒸気を透過可能で液滴を透過不能なフィルムで実質的に取り囲まれている、請求項15記載のヒートシンク。
【請求項17】
前記ブロックは、その外側に沿って前記ブロックの全長に渡る少なくとも1つの溝を有し、前記溝は配線材を配置するのに適応している、請求項13から16のいずれかに記載のヒートシンク。
【請求項18】
前記ブロックは、実質的に中心に位置する深い孔を有し、前記孔は、少なくとも1つの側壁と、前記孔の最上部に2つの基部部分と、前記孔の底部に末部部分とを有し、前記基部部分と前記末部部分は少なくとも1つの光源を取り付けるのに適応している、請求項13から17のいずれかに記載のヒートシンク。
【請求項19】
前記側壁は、固体の熱伝導性材料を含む、請求項18記載のヒートシンク。
【請求項20】
前記側壁は、内部側壁および外部側壁を有し、前記内部側壁と前記外部側壁との間に実質的に中空のスペースを有する、請求項18記載のヒートシンク。
【請求項21】
前記相変化材は、周囲温度において固体である、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項22】
前記相変化材は、約30℃と約50℃の間の融点を有する、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項23】
前記相変化材は、約35℃と45℃の間の融点を有する、請求項22記載のヒートシンク。
【請求項24】
前記相変化材は、周囲温度において約1.7を超える比熱を有する、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項25】
前記相変化材は、上昇した温度において約1.5を超える比熱を有する、請求項24記載のヒートシンク。
【請求項26】
前記相変化材は、周囲温度において少なくとも約0.5W/m℃の熱伝導度を有する、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項27】
前記相変化材は、上昇した温度において少なくとも約0.45W/m℃の熱伝導度を有する、請求項26記載のヒートシンク。
【請求項28】
前記相変化材は、有機材料、非有機材料およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項29】
前記有機相変化材が、パラフィンワックス、2,2−ジメチル−n−ドコサン(C24H50、トリミリスチン((C13H27COO)3C3H3)、1,3−メチルペンタコサン(C26H54)、ポリエチレンワックス、エチレン−ビス−ステアラミド、N,N−エチレン−ビス−ステアラミド、およびそれらの混合物からなる群から選択される、
請求項28記載のヒートシンク。
【請求項30】
前記非有機相変化材は、非有機水和塩を含む、請求項28記載のヒートシンク。
【請求項31】
前記非有機相変化材は、リン酸水素ナトリウム12水和物(Na2HPO4−12H2O)、硫酸ナトリウム10水和物(Na2SO4−10H2O)、塩化鉄6水和物(FeCl3−6H2O)、TH29、金属合金、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項30記載のヒートシンク。
【請求項32】
光活性化合成材料を硬化するのに有用な、軽量で手持ちの硬化ライトシステムであって、
少なくとも1つの光源と、前記少なくとも1つの光源から熱を抜き去ることができる少なくとも1つのヒートシンクとを有する光源ハウジングと、
前記光源に電力を供給する機能を有する、前記光源ハウジング上に配置可能な電源とを備え、
前記少なくとも1つのヒートシンクは、
開放端、閉端、および実質的に中空の内部を有する熱伝導性のハウジングと、
前記熱伝導性のハウジングの前記開放端に圧縮嵌合するのに適応した形成部を有する蓋部材と、
前記ハウジング内に収納された、実質的に可逆的な相変化が可能な少なくとも1つの相変化材と、
を有する硬化ライトシステム。
【請求項33】
少なくとも1つの孔が前記少なくとも1つのヒートシンクに配置され、前記孔は発光ダイオードを装備するための大きさと形状をしている、請求項32記載の硬化ライトシステム。
【請求項34】
前記孔は、光を所望の方向に反射させることに役立つ環状の壁を有する、請求項32または33記載の硬化ライトシステム。
【請求項35】
前記光源ハウジングは、
前記光源を収納するのに役立つ、前記光源の外部周辺に位置する本体と、
前記本体に配置される光出口と、
前記光出口を覆うカバーとを有し、
該カバーは、前記光源から発した光が該カバーを通り抜けて硬化表面に達するのを許容する、請求項32、33、または34記載の硬化ライトシステム。
【請求項36】
前記ハウジングは、少なくとも1つの相変化材で部分的に満たされた、請求項35記載の硬化ライトシステム。
【請求項37】
前記相変化材は、有機材料、非有機材料、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項36記載の硬化ライトシステム。
【請求項38】
前記相変化材は、約35℃と約45℃の間の融点を有する、請求項36記載の硬化ライトシステム。
【請求項39】
前記相変化材は、周囲温度において約1.7を超える比熱を有する、請求項32から38のいずれかに記載の硬化ライトシステム。
【請求項40】
前記相変化材は、上昇した温度において約1.5を超える比熱を有する、請求項39記
載の硬化ライトシステム。
【請求項41】
前記相変化材は、周囲温度において少なくとも約0.5W/m℃の熱伝導度を有する、請求項32から39のいずれかに記載の硬化ライトシステム。
【請求項42】
前記相変化材は、上昇した温度において少なくとも約0.45W/m℃の熱伝導度を有する、請求項41記載の硬化ライトシステム。
【請求項43】
前記孔は、内部側壁および外部側壁を有する側壁と、前記内部側壁と前記外部側壁との間の実質的に中空のスペースとを有する、請求項32から42のいずれかに記載の硬化ライトシステム。
【請求項44】
前記孔は、固体の側壁を有する、請求項43記載の硬化ライトシステム。
【請求項45】
前記孔は、少なくとも1つの側壁と、前記孔の最上部に2つの基部部分と、前記孔の底部に末部部分とを有し、前記基部部分と前記末部部分は少なくとも1つの光源を取り付けるのに適応している、請求項43記載の硬化ライトシステム。
【請求項46】
複数の発光チップを有し、前記チップの少なくともいくつかは前記チップのその他から発する波長の光とは異なる波長の光を発することが可能である、請求項32から45のいずれかに記載の硬化ライトシステム。
【請求項47】
前記光源からの光が光伝達装置を通って伝わる、請求項32から46のいずれかに記載の硬化ライトシステム。
【請求項48】
前記相変化材は、少なくとも約30kJ/kgの溶融潜熱を有する、請求項1から31のいずれかに記載のヒートシンク。
【請求項49】
前記相変化材は、少なくとも約200kJ/kgの溶融潜熱を有する、請求項48記載のヒートシンク。
【請求項1】
光硬化または光漂白のライトシステムに有用なヒートシンクであって、
開放端、閉端、および実質的に中空の内部を有する熱伝導性のハウジングと、
前記熱伝導性のハウジングの前記開放端に圧縮嵌合するのに適応した形成部を有する蓋部材とを含み、
前記ハウジングは、光源によって発生する熱を吸収し実質的に可逆の相変化を行う少なくとも1つの相変化材で部分的に満たされる、ヒートシンク。
【請求項2】
前記相変化材が熱伝導性の壁によって実質的に取り囲まれている、請求項1記載のヒートシンク。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記実質的に中空の内部を分割するためのブレード状の分割部材を有する、請求項1または2記載のヒートシンク。
【請求項4】
前記ハウジングは、光源を取り付けるのに適応した実質的に平らな面を含む境界面構造を有する、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項5】
前記相変化材は、蒸気を透過可能で液滴を透過不能なフィルムで実質的に取り囲まれている、請求項1または4記載のヒートシンク。
【請求項6】
前記ハウジングは、通気孔を有する、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項7】
前記通気孔を有する前記ハウジングの少なくとも1部分が、蒸気を透過可能で液滴を透過不能なフィルムで実質的に取り囲まれている、請求項6記載のヒートシンク。
【請求項8】
前記ハウジングが、円筒状または矩形の断面を有する、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項9】
前記ハウジングは、その外側に沿って前記ハウジングの全長に渡る少なくとも1つの溝を有し、前記溝は配線材を配置するのに適応している、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項10】
前記ハウジングは、実質的に中心に位置する深い孔を有し、前記孔は、少なくとも1つの側壁と、前記孔の最上部に2つの基部部分と、前記孔の底部に末部部分とを有し、前記基部部分と前記末部部分は少なくとも1つの光源を取り付けるのに適応している、請求項1記載のヒートシンク。
【請求項11】
前記側壁は、固体の熱伝導性材料を有する、請求項10記載のヒートシンク。
【請求項12】
前記側壁は、内部側壁および外部側壁を有し、前記内部側壁と前記外部側壁との間に実質的に中空のスペースを有する、請求項10記載のヒートシンク。
【請求項13】
光硬化または光漂白のライトシステムに用いられる軽量のヒートシンクであって、
実質的に可逆の相変化を行うことができる少なくとも1つの相変化材で少なくとも部分的に満たされる穴を持った熱伝導性のブロックと、
前記穴の内部に前記相変化材を収納するために前記穴に蓋をする蓋部材とを含む、ヒートシンク。
【請求項14】
前記相変化材は、蒸気を透過可能で液滴を透過不能なフィルムで実質的に取り囲まれている、請求項13記載のヒートシンク。
【請求項15】
前記ブロックは、通気孔を有する、請求項13または14記載のヒートシンク。
【請求項16】
前記通気孔を有する前記ブロックの少なくとも1部分が、蒸気を透過可能で液滴を透過不能なフィルムで実質的に取り囲まれている、請求項15記載のヒートシンク。
【請求項17】
前記ブロックは、その外側に沿って前記ブロックの全長に渡る少なくとも1つの溝を有し、前記溝は配線材を配置するのに適応している、請求項13から16のいずれかに記載のヒートシンク。
【請求項18】
前記ブロックは、実質的に中心に位置する深い孔を有し、前記孔は、少なくとも1つの側壁と、前記孔の最上部に2つの基部部分と、前記孔の底部に末部部分とを有し、前記基部部分と前記末部部分は少なくとも1つの光源を取り付けるのに適応している、請求項13から17のいずれかに記載のヒートシンク。
【請求項19】
前記側壁は、固体の熱伝導性材料を含む、請求項18記載のヒートシンク。
【請求項20】
前記側壁は、内部側壁および外部側壁を有し、前記内部側壁と前記外部側壁との間に実質的に中空のスペースを有する、請求項18記載のヒートシンク。
【請求項21】
前記相変化材は、周囲温度において固体である、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項22】
前記相変化材は、約30℃と約50℃の間の融点を有する、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項23】
前記相変化材は、約35℃と45℃の間の融点を有する、請求項22記載のヒートシンク。
【請求項24】
前記相変化材は、周囲温度において約1.7を超える比熱を有する、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項25】
前記相変化材は、上昇した温度において約1.5を超える比熱を有する、請求項24記載のヒートシンク。
【請求項26】
前記相変化材は、周囲温度において少なくとも約0.5W/m℃の熱伝導度を有する、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項27】
前記相変化材は、上昇した温度において少なくとも約0.45W/m℃の熱伝導度を有する、請求項26記載のヒートシンク。
【請求項28】
前記相変化材は、有機材料、非有機材料およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、先行するいずれかの請求項に記載のヒートシンク。
【請求項29】
前記有機相変化材が、パラフィンワックス、2,2−ジメチル−n−ドコサン(C24H50、トリミリスチン((C13H27COO)3C3H3)、1,3−メチルペンタコサン(C26H54)、ポリエチレンワックス、エチレン−ビス−ステアラミド、N,N−エチレン−ビス−ステアラミド、およびそれらの混合物からなる群から選択される、
請求項28記載のヒートシンク。
【請求項30】
前記非有機相変化材は、非有機水和塩を含む、請求項28記載のヒートシンク。
【請求項31】
前記非有機相変化材は、リン酸水素ナトリウム12水和物(Na2HPO4−12H2O)、硫酸ナトリウム10水和物(Na2SO4−10H2O)、塩化鉄6水和物(FeCl3−6H2O)、TH29、金属合金、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項30記載のヒートシンク。
【請求項32】
光活性化合成材料を硬化するのに有用な、軽量で手持ちの硬化ライトシステムであって、
少なくとも1つの光源と、前記少なくとも1つの光源から熱を抜き去ることができる少なくとも1つのヒートシンクとを有する光源ハウジングと、
前記光源に電力を供給する機能を有する、前記光源ハウジング上に配置可能な電源とを備え、
前記少なくとも1つのヒートシンクは、
開放端、閉端、および実質的に中空の内部を有する熱伝導性のハウジングと、
前記熱伝導性のハウジングの前記開放端に圧縮嵌合するのに適応した形成部を有する蓋部材と、
前記ハウジング内に収納された、実質的に可逆的な相変化が可能な少なくとも1つの相変化材と、
を有する硬化ライトシステム。
【請求項33】
少なくとも1つの孔が前記少なくとも1つのヒートシンクに配置され、前記孔は発光ダイオードを装備するための大きさと形状をしている、請求項32記載の硬化ライトシステム。
【請求項34】
前記孔は、光を所望の方向に反射させることに役立つ環状の壁を有する、請求項32または33記載の硬化ライトシステム。
【請求項35】
前記光源ハウジングは、
前記光源を収納するのに役立つ、前記光源の外部周辺に位置する本体と、
前記本体に配置される光出口と、
前記光出口を覆うカバーとを有し、
該カバーは、前記光源から発した光が該カバーを通り抜けて硬化表面に達するのを許容する、請求項32、33、または34記載の硬化ライトシステム。
【請求項36】
前記ハウジングは、少なくとも1つの相変化材で部分的に満たされた、請求項35記載の硬化ライトシステム。
【請求項37】
前記相変化材は、有機材料、非有機材料、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項36記載の硬化ライトシステム。
【請求項38】
前記相変化材は、約35℃と約45℃の間の融点を有する、請求項36記載の硬化ライトシステム。
【請求項39】
前記相変化材は、周囲温度において約1.7を超える比熱を有する、請求項32から38のいずれかに記載の硬化ライトシステム。
【請求項40】
前記相変化材は、上昇した温度において約1.5を超える比熱を有する、請求項39記
載の硬化ライトシステム。
【請求項41】
前記相変化材は、周囲温度において少なくとも約0.5W/m℃の熱伝導度を有する、請求項32から39のいずれかに記載の硬化ライトシステム。
【請求項42】
前記相変化材は、上昇した温度において少なくとも約0.45W/m℃の熱伝導度を有する、請求項41記載の硬化ライトシステム。
【請求項43】
前記孔は、内部側壁および外部側壁を有する側壁と、前記内部側壁と前記外部側壁との間の実質的に中空のスペースとを有する、請求項32から42のいずれかに記載の硬化ライトシステム。
【請求項44】
前記孔は、固体の側壁を有する、請求項43記載の硬化ライトシステム。
【請求項45】
前記孔は、少なくとも1つの側壁と、前記孔の最上部に2つの基部部分と、前記孔の底部に末部部分とを有し、前記基部部分と前記末部部分は少なくとも1つの光源を取り付けるのに適応している、請求項43記載の硬化ライトシステム。
【請求項46】
複数の発光チップを有し、前記チップの少なくともいくつかは前記チップのその他から発する波長の光とは異なる波長の光を発することが可能である、請求項32から45のいずれかに記載の硬化ライトシステム。
【請求項47】
前記光源からの光が光伝達装置を通って伝わる、請求項32から46のいずれかに記載の硬化ライトシステム。
【請求項48】
前記相変化材は、少なくとも約30kJ/kgの溶融潜熱を有する、請求項1から31のいずれかに記載のヒートシンク。
【請求項49】
前記相変化材は、少なくとも約200kJ/kgの溶融潜熱を有する、請求項48記載のヒートシンク。
【図1】
【図1a】
【図2】
【図2a】
【図3】
【図4】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図1a】
【図2】
【図2a】
【図3】
【図4】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2008−504907(P2008−504907A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519525(P2007−519525)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/023736
【国際公開番号】WO2006/014402
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(300057780)ディスカス デンタル インプレッションズ インコーポレーテッド (15)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/023736
【国際公開番号】WO2006/014402
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(300057780)ディスカス デンタル インプレッションズ インコーポレーテッド (15)
【Fターム(参考)】
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