説明

放射線検出素子、及び放射線検出素子の製造方法

【課題】放射線の検出感度を向上させることができる放射線検出素子、及び放射線検出素子の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る放射線検出素子10は、放射線を検出可能な化合物半導体からなる半導体基板100と、半導体基板100の表面に設けられ、表面側から半導体基板100の内部に向けて徐々に幅が狭まる溝120と、半導体基板100の表面の平坦な領域と半導体基板100の表面の反対側の面とのそれぞれに設けられる電極とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線検出素子、及び放射線検出素子の製造方法に関する。特に、本発明は、γ線、X線等の放射線を検出する放射線検出素子、及び放射線検出素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の放射線検出器として、一つの検出素子に、チャンネルをなす検出部が一の方向に沿って三つ以上設けられた放射線検出器であって、検出素子の端部に位置する検出部は、その体積が、隣接する検出部の体積よりも大きい放射線検出器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の放射線検出器においては、複数のアノード電極により複数のチャンネルの信号読出電極が構成され、一つのカソード電極でバイアス印加電極が構成されている。そして、アノード電極間に、アノード電極を分割する電極分割溝が形成されている。
【0003】
特許文献1に記載の放射線検出器によれば、複数チャンネルの検出感度を一様化することができる放射線検出器を提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−259859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に係る放射線検出器は、アノード電極を分割する電極分割溝の断面形状が略矩形状である。電極分割溝の断面形状が矩形状の場合、この電極分割溝の直下の領域で発生した電子及びホールを電極に収集させることができず、当該領域は放射線を検出することのできない不感領域になり得る。不感領域は、放射線の検出感度の向上の観点からは低減させることが望まれる。
【0006】
したがって、本発明の目的は、放射線の検出感度を向上させることができる放射線検出素子、及び放射線検出素子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、放射線を検出可能な化合物半導体からなる半導体基板と、半導体基板の表面に設けられ、表面側から半導体基板の内部に向けて徐々に幅が狭まる溝と、半導体基板の表面の平坦な領域と半導体基板の表面の反対側の面とのそれぞれに設けられる電極とを備える放射線検出素子が提供される。
【0008】
また、上記放射線検出素子において、化合物半導体が、CdTe又はCdTeZnであってもよい。
【0009】
また、上記放射線検出素子において、溝が、断面にてV字形状又はU字形状を有することが好ましい。
【0010】
また、上記放射線検出素子において、半導体基板の表面の平坦な領域に設けられる電極が、半導体基板の表面の平坦な領域側からIn層とTi層とを有して構成され、半導体基板の表面の反対側の面に設けられる電極が、Ptから構成されてもよい。
【0011】
また、本発明は、上記目的を達成するため、化合物半導体からなる半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、半導体基板の表面に表面電極を形成する表面電極形成工程と、半導体基板の裏面に裏面電極を形成する裏面電極形成工程と、先端に向けて断面幅が徐々に狭まるブレードを表面電極に接触させ、表面側から半導体基板の内部に向けて徐々に幅が狭まる溝を半導体基板の表面に形成する溝形成工程とを備える放射線検出素子の製造方法が提供される。
【0012】
また、上記放射線検出素子の製造方法において、化合物半導体が、CdTe又はCdTeZnであってもよい。
【0013】
また、上記放射線検出素子の製造方法において、ブレードの先端部分が、断面にてV字形状又は円弧形状を有していてもよい。
【0014】
また、上記放射線検出素子の製造方法において、表面電極形成工程が、半導体基板の表面側からIn層、Ti層を形成し、裏面電極形成工程が、半導体基板の裏面にPt層を形成してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る放射線検出素子、及び放射線検出素子の製造方法によれば、放射線の検出感度を向上させることができる放射線検出素子、及び放射線検出素子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る放射線検出素子を備える放射線検出器の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る放射線検出素子の斜視図である。
【図3】(a)は本発明の実施の形態に係る放射線検出素子の溝の断面の概要を拡大して示し、(b)は従来技術に係る放射線検出素子の溝の断面の概要を拡大して示す。
【図4】本発明の実施の形態に係る放射線検出素子の製造工程の流れを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の変形例に係る放射線検出素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る放射線検出素子を備える放射線検出器の斜視図の一例を示す。
【0018】
(放射線検出器1の構成の概要)
本実施の形態に係る放射線検出素子10を備える放射線検出器1は、カード型の形状を呈し、γ線、X線等の放射線を検出する放射線検出器である。図1において放射線200は、紙面の上方から下方に沿って入射してくる。すなわち、放射線200は、放射線検出器1の放射線検出素子10からカードホルダ30及びカードホルダ31に向かう方向に沿って伝搬して放射線検出器1に到達する。そして、放射線検出器1は、放射線検出素子10の側面(つまり、図1の上方に面している面)に放射線200が入射する。したがって、放射線検出素子10の側面が放射線200の入射面となっている。このように、放射線検出素子10の側面を放射線200の入射面とする放射線検出器を、本実施の形態ではエッジオン型の放射線検出器と称する。なお、放射線検出器1は、特定の方向(例えば、放射線検出器1に向かう方向)に沿って入射してくる放射線200が通過する複数の開口を有するコリメータを介して放射線200を検出する複数の放射線検出器1が並べられて構成される放射線検出装置用の放射線検出器1として用いることができる。
【0019】
具体的に、放射線検出器1は、放射線200を検出可能な一対の放射線検出素子10と、薄い基板20と、一対の放射線検出素子10の隣接部分にて基板20を挟み込むことにより基板20を支持するカードホルダ30及びカードホルダ31とを備える。そして、一例として、一対の放射線検出素子10が4組、基板20を挟み込む位置において基板20に固定される。すなわち、各組の一対の放射線検出素子10は、基板20の一方の面と他方の面とのそれぞれに基板20を対称面として対称の位置に固定される。
【0020】
また、基板20はカードホルダ30とカードホルダ31とに挟み込まれて支持される。カードホルダ30とカードホルダ31とはそれぞれ同一形状を有して形成され、カードホルダ30が有する溝付穴34にカードホルダ31が有する突起部36が嵌め合うと共に、カードホルダ31が有する溝付穴34(図示しない)にカードホルダ30が有する突起部36(図示しない)が嵌め合うことにより基板20を支持する。
【0021】
また、弾性部材実装部32及び凹部32aは、複数の放射線検出器1を支持する放射線検出器立てに放射線検出器1が挿入された場合に、放射線検出器1を放射線検出器立てに押し付けて固定する板ばね等の弾性部材が設けられる部分である。なお、放射線検出器立てはカードエッジ部29が挿入されるコネクタを有しており、放射線検出器1は、カードエッジ部29がコネクタに挿入され、コネクタとパターン29aとが電気的に接続することにより外部の電気回路としての制御回路、外部からの電源線、グランド線等に電気的に接続される。
【0022】
また、放射線検出器1は、一対の放射線検出素子10の基板20の反対側に、各放射線検出素子10の電極と複数の基板端子22とのそれぞれを電気的に接続する配線パターン(放射線検出素子10の基板20の反対側の素子表面の電極、及びフレキシブル基板40の放射線検出素子10側の配線パターン等は図示しない)を有するフレキシブル基板40を更に備える。
【0023】
フレキシブル基板40は、一対の放射線検出素子10の一方の放射線検出素子10側、及び他方の放射線検出素子10側の双方に設けられる(本実施の形態においては、4組の一対の放射線検出素子10の一方の放射線検出素子10側のそれぞれと、他方の放射線検出素子10側のそれぞれとの双方に、フレキシブル基板40がそれぞれ設けられる)。そして、フレキシブル基板40の複数の配線パターンの一端はそれぞれ基板端子22に電気的に接続する。なお、基板端子22は、基板20の表面に設けられており、基板20の配線パターンに電気的に接続される。
【0024】
(基板20の詳細)
基板20は、金属導体等の導電性材料からなる導電性薄膜(例えば、銅箔)が表面に形成された薄肉基板(例えば、FR4等のガラスエポキシ基板)を、ソルダーレジスト等の絶縁材料からなる絶縁層で挟んで可撓性を有して形成される。基板20は、一例として、0.2mm以下の厚さを有して形成される。また、基板20は、放射線検出素子10の電極に電気的に接続する配線パターンを有する。配線パターンの表面の一部の領域には導電性を有する銀ペーストが設けられ、放射線検出素子10の電極は銀ペーストを介して配線パターンに電気的に接続される。
【0025】
また、放射線検出素子10の電極に電気的に接続する基板20の配線パターンは、カードエッジ部29のパターン29aに電気的に接続するように形成される。また、基板20は、基板端子22とカードエッジ部29のパターン29aとを電気的に接続する配線パターンを有する。これにより、基板20において、放射線検出素子10の基板20側の面の電極(後述する表面電極116)は、基板20の配線パターンによりカードエッジ部29のパターン29aに電気的に接続される。また、放射線検出素子10の基板20側の反対側の面の電極(後述する裏面電極118)は、フレキシブル基板40の配線パターンと、基板端子22と、基板20の配線パターンとを経由してカードエッジ部29のパターン29aに電気的に接続される。ここで、例えば、放射線検出素子10の基板20側の電極をアノード電極とし、放射線検出素子10の基板20側の反対側の面の電極をカソード電極とする。この場合、アノード電極からの信号とカソード電極からの信号とはそれぞれ、カードエッジ部29のパターン29aに導かれ、パターン29aを介して外部の電気回路へ出力される。
【0026】
(放射線検出素子10の詳細)
図2は、本発明の実施の形態に係る放射線検出素子の斜視図の一例を示す。
【0027】
化合物半導体から主として構成される放射線検出素子10は、略直方体状に形成される。つまり、放射線検出素子10は、平面視にて略四角状に形成される。また、放射線検出素子10の放射線が入射する面に垂直な一の表面である素子表面10aに、複数の溝120が設けられる。ここで、溝120は、素子表面10a側から放射線検出素子10の内部に向けて徐々に幅が狭まる形状を有して設けられる。例えば、溝120は、断面視にてV字形状を有して形成される。溝120の幅(最も長い部分の幅)は、0.2mm程度である。
【0028】
そして、放射線が入射する放射線検出素子10の面であって、各溝120から、溝120が設けられている面の反対側の面(つまり、素子表面10b)への仮想的な垂線により区切られる領域、及び当該仮想的な垂線と放射線検出素子10の端部とで区切られる領域をピクセル領域と称する。放射線検出素子10が、(n−1)個の溝120を有することによりn個のピクセル領域が構成される。また、複数の溝120間の平坦な領域としての複数の素子表面10aそれぞれに表面電極116が設けられ、素子表面10bに裏面電極118が設けられる。なお、複数のピクセル領域それぞれが、放射線を検出する1つの画素(ピクセル)に対応する。これにより、一の放射線検出素子10は、複数の画素を有することになる。
【0029】
一例として、1つの放射線検出器1が8つの放射線検出素子10(4組の一対の放射線検出素子10)を備え、1つの放射線検出素子10がそれぞれ8つのピクセル領域を有する場合、1つの放射線検出器1は、64ピクセルの解像度を有することになる。溝120の数を増減させることにより、一の放射線検出素子10のピクセル数を増減させることができる。なお、一例として、放射線検出素子10の幅は1.2mm程度、長さは11.2mm程度、高さは5mm程度である。
【0030】
放射線検出素子10を構成する化合物半導体としては、例えば、CdTeを用いることができる。また、γ線等の放射線を検出できる限り、放射線検出素子10はCdTe素子に限られない。例えば、放射線検出素子10として、CdZnTe(CZT)素子、HgI素子等の化合物半導体素子を用いることもできる。
【0031】
図3の(a)は、本発明の実施の形態に係る放射線検出素子の溝の断面の概要を拡大して示し、(b)は、従来技術に係る放射線検出素子の溝の断面の概要を拡大して示す。
【0032】
図3の(a)に示すように、本実施の形態に係る放射線検出素子10の素子表面10aには、上述のとおり、表面電極116が設けられる。具体的に、表面電極116は、素子表面10aの平坦な領域側から第1電極112と第2電極114とをこの順に有して構成される。表面電極116は、放射線検出素子10に対し、ショットキー接合する材料から構成することができる。第1電極112は、例えば、In層から構成でき、第2電極114は、例えば、Ti層から構成することができる。また、素子表面10bには、裏面電極118が設けられる。裏面電極118は、放射線検出素子10にオーミック接合する材料から構成される。例えば、裏面電極118は、Ptから構成することができる。
【0033】
ここで、表面電極116と裏面電極118との間に電界を発生させると、素子表面10aから素子表面10bに向かう電界130aと、素子表面10aから溝120の側面に沿いつつ素子表面10bに向かう電界130bとが発生する。すなわち、素子表面10aから素子表面10bに向かうにつれて幅が徐々に狭まる断面形状を溝120が有しているので、溝120の近傍を通過する電界130bは、素子表面10aから素子表面10bへ直線的に向かう向きではなく、溝120の側面に沿った向きになる。
【0034】
そして、溝120の側面に沿った向きの電界130bの存在により、放射線200の入射によって溝120の下部近傍若しくは直下に発生した電子300は表面電極116側へ伝搬し、放射線200の入射によって発生したホール310は裏面電極118側へ伝搬する。これにより、放射線200によって溝120の下部近傍若しくは直下に発生した電子300及びホール310を表面電極116及び裏面電極118に適切に収集させることができ、放射線200の検出感度が向上する。
【0035】
一方、図3の(b)に示すように、断面形状が矩形状の溝122の場合、溝122の幅は素子表面10aから溝122の底部まで略一定である。そして、溝122の断面形状が矩形状の場合、素子表面10aから素子表面10bに向かう電界130aは直線的であり、溝122近傍の電界130cも溝122の側面にはほとんど沿うことがない。したがって、溝122の直下に電界はほとんど存在しない。つまり、溝122の断面形状が矩形状の場合には、溝122の直下の領域は放射線200を検出することのできない不感領域400になる。不感領域400に放射線200が入射した場合、放射線200の入射により発生した電子300及びホール310は表面電極116及び裏面電極118によって収集されない場合がある。しかしながら、本実施の形態に係る放射線検出素子10は、断面がV字状の溝120を有するので、溝の断面形状が矩形の場合に比べ、放射線200を検出することのできない領域を低減できる。
【0036】
(放射線検出素子1の製造方法)
図4は、本発明の実施の形態に係る放射線検出素子の製造工程の流れの一例を示す。
【0037】
まず、例えば、放射線を検出可能なCdTe等の化合物半導体からなる半導体基板100を準備する(半導体基板準備工程、図4の(a))。次に、半導体基板100の表面としての素子表面10aに表面電極116を形成する(表面電極形成工程、図4の(b))。表面電極形成工程は、一例として、半導体基板100の素子表面10a側からIn層と、Ti層とをこの順に形成する。更に、半導体基板100の裏面としての素子表面10bに裏面電極118を形成する(裏面電極形成工程、図4の(b))。裏面電極形成工程は、一例として、Pt層を裏面電極118として形成する。なお、表面電極形成工程、及び裏面電極形成工程は、蒸着法、スパッタ法等により実施できる。
【0038】
続いて、先端に向けて断面幅が徐々に狭まるブレード50を表面電極116に接触させ、素子表面10a側から化合物半導体からなる半導体基板100の内部に向けて徐々に幅が狭まる溝120を半導体基板100の素子表面10aに形成する(溝形成工程、図4(c))。ここで、ブレードの先端50aは、例えば、断面にてV字形状を有する。更に、半導体基板100の予め定められた位置において素子表面10aから素子表面10bまでをカット(すなわち、フルカット)することにより(素子分離工程)、半導体基板100から複数の放射線検出素子1を製造することができる。
【0039】
(実施の形態の効果)
本発明の実施の形態に係る放射線検出素子10は、表面電極116を分割する溝として断面がV字状の溝120を有するので、素子表面10aから素子表面10bへの電界の向きを溝120の側面に沿って曲げることができる。これにより、放射線を検出することのできない不感領域を低減できるので、放射線検出素子10の放射線の検出感度を向上させることができる。
【0040】
また、本発明の実施の形態に係る放射線検出素子10は、先端に向けて断面幅が徐々に狭まるブレードの先端50aを有したブレード50を用いて半導体基板100に溝120を形成する。ブレードの先端が平面状の場合、ブレードの回転中にブレードの先端の側面が半導体基板100に接触し、半導体基板100にストレスが蓄積しやすい。これに対し、本実施の形態では、ブレードの先端50aの断面幅が先端に向けて徐々に狭まる形状であるので、ブレードの先端50aの側面と半導体基板100との間でストレスが発生しにくい。これにより、溝120の領域に機械的なストレスが蓄積することを抑制できる。したがって、製造される放射線検出素子10にクラック等のダメージが生じることを抑制でき、放射線検出素子10の検出感度の低下を抑制できる。
【0041】
[実施の形態の変形例]
図5は、本発明の実施の形態の変形例に係る放射線検出素子の断面の概要を示す。
【0042】
実施の形態の変形例に係る放射線検出素子1aにおいては、溝120aの断面形状が異なる点を除き、実施の形態に係る放射線検出素子10と略同一の構成及び機能を備える。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
【0043】
すなわち、溝120aは、素子表面10a側から放射線検出素子1aの内部に向けて徐々に幅が狭まる形状であって、曲面を有して形成される。例えば、溝120aは、断面視にてU字形状を有して形成される。溝120aは、一例として、断面にて円弧形状の先端を有するブレードを用いて形成することができる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0045】
1 放射線検出器
1a 放射線検出素子
10 放射線検出素子
10a、10b 素子表面
20 基板
22 基板端子
29 カードエッジ部
29a パターン
30、31 カードホルダ
32 弾性部材実装部
32a 凹部
34 溝付穴
36 突起部
40 フレキシブル基板
50 ブレード
50a ブレードの先端
100 半導体基板
112 第1電極
114 第2電極
116 表面電極
118 裏面電極
120、120a 溝
122 溝
130a、130b、130c 電界
200 放射線
300 電子
310 ホール
400 不感領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を検出可能な化合物半導体からなる半導体基板と、
前記半導体基板の表面に設けられ、前記表面側から前記半導体基板の内部に向けて徐々に幅が狭まる溝と、
前記半導体基板の前記表面の平坦な領域と前記半導体基板の前記表面の反対側の面とのそれぞれに設けられる電極と
を備える放射線検出素子。
【請求項2】
前記化合物半導体が、CdTe又はCdTeZnである請求項1に記載の放射線検出素子。
【請求項3】
前記溝が、断面にてV字形状又はU字形状を有する請求項2に記載の放射線検出素子。
【請求項4】
前記半導体基板の前記表面の平坦な領域に設けられる前記電極が、前記半導体基板の前記表面の平坦な領域側からIn層とTi層とを有して構成され、
前記半導体基板の前記表面の反対側の面に設けられる前記電極が、Ptから構成される請求項3に記載の放射線検出素子。
【請求項5】
化合物半導体からなる半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、
前記半導体基板の表面に表面電極を形成する表面電極形成工程と、
前記半導体基板の裏面に裏面電極を形成する裏面電極形成工程と、
先端に向けて断面幅が徐々に狭まるブレードを前記表面電極に接触させ、前記表面側から前記半導体基板の内部に向けて徐々に幅が狭まる溝を前記半導体基板の表面に形成する溝形成工程と
を備える放射線検出素子の製造方法。
【請求項6】
前記化合物半導体が、CdTe又はCdTeZnである請求項5に記載の放射線検出素子の製造方法。
【請求項7】
前記ブレードの前記先端部分が、断面にてV字形状又は円弧形状を有する請求項6に記載の放射線検出素子の製造方法。
【請求項8】
前記表面電極形成工程が、前記半導体基板の表面側からIn層、Ti層を形成し、
前記裏面電極形成工程が、前記半導体基板の裏面にPt層を形成する請求項7に記載の放射線検出素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−23235(P2012−23235A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160583(P2010−160583)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】