説明

放射線画像撮影装置、及び通信モード設定装置

【課題】間接通信モードとされて他の無線機器を介して通信が行われる際に通信状況が悪い場合でも、通信対象となる制御装置と無線通信を確立することができる放射線画像撮影装置及び通信モード設定装置を提供する。
【解決手段】アドホックモードで通信を行う指定がされている場合はアドホックモードで無線通信を行い、インストラクチャモードで通信を行う指定がされている場合はインストラクチャモードで通信対象のコンソール18と無線通信を試み、通信不能の場合にアドホックモードで無線通信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像撮影装置、及び通信モード設定装置に係り、特に、機器同士が直接通信する直接通信モード及び機器同士が他の無線機器を介して通信する間接通信モードの何れかで選択的に無線通信が可能とされ、放射線源から射出されて被検者を透過した放射線により示される放射線画像の撮影を行う放射線画像撮影装置、及び当該放射線画像撮影装置の通信モードの設定を行う通信モード設定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基板上に放射線感応層を配置し、照射されたX線やγ線、α線等の放射線を検出し、照射放射線量の分布を表す放射線画像のデータへ直接変換して出力するFPD(Flat Panel Detector)が実用化されており、このFPD等のパネル型の放射線検出器と、画像メモリを含む電子回路及び電源部を内蔵し、放射線検出器から出力される放射線画像データを画像メモリに記憶する可搬型の放射線画像撮影装置(以下、電子カセッテともいう)も実用化されている。この放射線検出器を用いた放射線画像撮影装置は、従来のX線フィルムやイメージングプレートを用いた放射線画像撮影装置に比べて、即時に画像を確認でき、連続的に放射線画像の撮影を行う透視撮影(動画撮影)も行うことができるといったメリットがある。
【0003】
この種の放射線検出器は、種々のタイプのものが提案されており、例えば、放射線を一度CsI:Tl、GOS(GdS:Tb)などのシンチレータで光に変換し、変換した光をフォトダイオードなどのセンサ部で電荷に変換して蓄積する間接変換方式や、放射線をアモルファスセレン等の半導体層で電荷に変換する直接変換方式等がある。放射線画像撮影装置では、放射線検出器に蓄積された電荷を電気信号として読み出し、読み出した電気信号をアンプで増幅した後にA/D(アナログ/デジタル)変換部でデジタルデータに変換している。
【0004】
電子カセッテは、可搬性に優れているので、ストレッチャーやベッドに載せたまま被検者を撮影できると共に、放射線検出パネルの位置を変更することで撮影部位の調整も容易であるため、動けない被検者を撮影する場合にも柔軟に対処することができ、また、在宅等での放射線画像の撮影にも使用することもできる。
【0005】
特許文献1には、放射線発生装置を備えた回診車を用いて放射線画像の撮影を行う回診用X線装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−296676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、電子カセッテは、放射線画像の撮影を制御するコンソールなどの制御装置との間で各種の制御情報や画像データの送受信を行うが、電子カセッテをコンソールとを通信ケーブルで接続して電子カセッテをコンソールの間の通信を有線通信とした場合、電子カセッテの取扱性の悪化を招く。
【0008】
そこで、電子カセッテとコンソールに無線通信を行う機能を搭載することで、電子カセッテとコンソールとを接続する通信ケーブルを省略し、電子カセッテからコンソールへの画像データの転送や、電子カセッテとコンソールとの間の各種制御情報の送受を無線通信によって行うように構成することが望ましい。
【0009】
ところで、無線LANに代表される一般的な無線通信では、機器同士が無線LANアクセスポイントなどの無線基地局を介して通信が行われるが、病室や災害現場、患者の自宅など電子カセッテを持ち出して使用する場合に通信状況が必ずしもよいわけではないため、無線基地局を介してコンソールと通信できなくなる場合がある。
【0010】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、間接通信モードとされて他の無線機器を介して通信が行われる際に通信状況が悪い場合でも、通信対象となる制御装置と無線通信を確立することができる放射線画像撮影装置及び通信モード設定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の放射線画像撮影装置は、照射された放射線による放射線画像を示す画像データを生成する生成手段と、機器同士が直接通信する直接通信モード及び機器同士が他の無線機器を介して通信する間接通信モードの何れかで選択的に無線通信が可能とされた第1通信手段と、直接通信モード又は間接通信モードの何れで無線通信を行うかの設定を記憶した記憶手段と、前記記憶手段に直接通信モードで通信を行う設定がされている場合は直接通信モードで無線通信を行うように前記第1通信手段を制御し、前記記憶手段に間接通信モードで通信を行う設定がされている場合は間接通信モードで本放射線画像撮影装置を制御する制御装置と無線通信を試み、通信不能の場合に直接通信モードで無線通信を行うように前記第1通信手段を制御する制御手段と、を備えている。
【0012】
請求項1によれば、生成手段により、照射された放射線による放射線画像を示す画像データを生成するものとされており、第1通信手段により、機器同士が直接通信する直接通信モード及び機器同士が他の無線機器を介して通信する間接通信モードの何れかで選択的に無線通信が可能とされている。また、直接通信モード又は間接通信モードの何れで無線通信を行うかの設定が記憶手段に記憶されている。
【0013】
そして、制御手段により、記憶手段に直接通信モードで通信を行う設定がされている場合は直接通信モードで無線通信を行うように第1通信手段が制御され、記憶手段に間接通信モードで通信を行う設定がされている場合は間接通信モードで本放射線画像撮影装置を制御する制御装置と無線通信を試み、通信不能の場合に直接通信モードで無線通信を行うように前記第1通信手段が制御される。
【0014】
このように、請求項1に記載の発明によれば、機器同士が直接通信する直接通信モード及び機器同士が他の無線機器を介して通信する間接通信モードの何れかで選択的に無線通信が可能とされており、直接通信モードで通信を行う設定がされている場合は直接通信モードで無線通信を行うように制御し、間接通信モードで通信を行う設定がされている場合は間接通信モードで本放射線画像撮影装置を制御する制御装置と無線通信を試み、通信不能の場合に直接通信モードで無線通信を行うので、間接通信モードとされて他の無線機器を介して通信が行われる際に通信状況が悪い場合でも、通信対象となる制御装置と無線通信を確立することができる
なお、本発明は、請求項2記載の発明のように、前記第1通信手段が、外部機器から通信モードの切り替えを指示する切替指示情報を受信し、前記制御手段が、前記第1通信手段で受信された切替指示情報により示される通信モードで無線通信を行うように前記第1通信手段を制御してもよい。これにより、切替指示情報を送信して通信モードを直接通信モード又は間接通信モードに適切に切り替えさせることにより、意図しないネットワークに接続されてしまうことを防止することができる。
【0015】
一方、請求項3に記載の通信モード設定装置は、請求項2の放射線画像撮影装置と無線通信が可能な第2通信手段と、予め定められた条件に従い、前記放射線画像撮影装置が通信対象とする制御装置と通信を行う通信モードを特定する特定手段と、前記特定手段により特定された通信モードへの切り替えを指示する切替指示情報を前記放射線画像撮影装置へ送信するように第2通信手段を制御する制御手段と、を備えている。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、通信対象の制御装置と通信を行う通信モードを特定し、特定された通信モードへの切り替えを指示する切替指示情報を放射線画像撮影装置へ送信して放射線画像撮影装置の通信モードを切り替えさせることにより、放射線画像撮影装置が意図しないネットワークに接続されてしまうことを防止することができる。
【0017】
なお、請求項3記載の発明は、請求項4記載の発明のように、前記放射線画像撮影装置を制御する制御装置毎に、各制御装置と通信を行う通信モードを示す通信モード情報を記憶した記憶手段と、前記放射線画像撮影装置が通信対象とする制御装置の指定を受け付ける受付手段と、をさらに備え、前記特定手段が、前記記憶手段に記憶された通信モード情報に基づき、前記受付手段で受け付けた制御装置と通信を行う通信モードを特定してもよい。これにより、通信対象とする制御装置と通信を行う適切な通信モードを設定できる。
【0018】
また、請求項3記載の発明は、請求項5記載の発明のように、前記放射線画像の撮影を行う撮影環境毎に、前記放射線画像撮影装置を制御する制御装置と通信を行う通信モードを示す通信モード情報を記憶した記憶手段と、前記撮影環境の指定を受け付ける受付手段と、をさらに備え、前記特定手段が、前記記憶手段に記憶された通信モード情報に基づき、前記受付手段で受け付けた撮影環境に応じた通信モードを特定してもよい。これにより、撮影環境に応じて、制御装置と通信を行う適切な通信モードを設定できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、間接通信モードとされて他の無線機器を介して通信が行われる際に通信状況が悪い場合でも、通信対象となる制御装置と無線通信を確立することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態に係る電子カセッテの構成を示す透過斜視図である。
【図2】実施の形態に係る放射線画像撮影システムの放射線撮影室における各装置の配置状態の一例を示す側面図である。
【図3】実施の形態に係る放射線撮影システムを病室に配置した状態を示す斜視図である。
【図4】実施の形態に係る撮影システムの電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図5】(A)はアドホックモードに示すブロック図であり、(B)はインストラクチャモードに示すブロック図である。
【図6】放射線撮影室及び病室での放射線画像撮影システムの構成を示すブロック図である。
【図7】在宅での放射線画像撮影システムの構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態に係る通信設定情報のデータ構造の一例を示す概略図である。
【図9】実施の形態に係る通信相手指定画面の構成を示す概略図である。
【図10】実施の形態に係る更新指示情報送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】実施の形態に係る更新処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】実施の形態に係る通信確立処理の流れを示すフローチャートある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、電子カセッテを用いて放射線画像の撮影を行う放射線画像撮影システムに適用した場合の形態例について説明する。
【0022】
まず、図1を参照して、本実施の形態に係る電子カセッテ12の構成について説明する。
【0023】
同図に示すように、電子カセッテ12は、放射線Xを透過させる材料からなる筐体41を備えており、防水性、密閉性を有する構造とされている。電子カセッテ12は、手術室等で使用されるとき、血液やその他の雑菌が付着するおそれがある。そこで、電子カセッテ12を防水性、密閉性を有する構造として、必要に応じて殺菌洗浄することにより、1つの電子カセッテ12を繰り返し続けて使用することができる。
【0024】
筐体41の内部には、放射線Xが照射される筐体41の照射面42側から、放射線Xが被検者を透過する際に生じる散乱線を除去するグリッド43、被検者を透過した放射線Xを検出する放射線検出器44、および放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板45が順に配設されている。なお、筐体41の照射面42をグリッド43として構成してもよい。
【0025】
また、筐体41の照射面42には、複数個のLEDから成り、電子カセッテ12の動作状態を表示するための表示部42Aが設けられている。なお、表示部42AはLED以外の発光素子で構成してもよいし、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示手段で構成してもよい。また、表示部42Aは照射面42以外の部位に設けてもよい。
【0026】
また、筐体41の内部の一端側には、マイクロコンピュータを含む電子回路及び充電可能な二次電池を収容するケース46が配置されている。放射線検出器44及び電子回路は、ケース46に配置された二次電池から供給される電力によって作動する。ケース46内部に収容された各種回路が放射線Xの照射に伴って損傷することを回避するため、ケース46の照射面42側には鉛板等を配設しておくことが望ましい。なお、本実施の形態に係る電子カセッテ12は、照射面42の形状が長方形とされた直方体とされており、その長手方向一端部にケース46が配置されている。
【0027】
また、電子カセッテ12は、筐体41の側面に各種ボタンを備えた操作パネル57が設けられている。
【0028】
本実施の形態に係る電子カセッテ12は、その可搬性から、病院内の放射線撮影室のみではなく、病院内の回診により放射線画像の撮影を行う形態、在宅にて放射線画像の撮影を行う形態、災害現場にて放射線画像の撮影を行う形態等にも使用することができる。
【0029】
図2には、本実施の形態に係る電子カセッテ12を用いて放射線画像の撮影を行う撮影システム10の放射線撮影室140における各装置の配置状態の一例が示されている。
【0030】
撮影システム10は、放射線源130から曝射条件に従った線量とされた放射線Xを被検者に照射する放射線発生装置16と、照射された放射線Xによる放射線画像を撮影する電子カセッテ12と、電子カセッテ12に内蔵されているバッテリを充電するクレードル40と、電子カセッテ12,及び放射線発生装置16を制御するコンソール18と、を備えている。
【0031】
また、放射線撮影室140には、立位での放射線撮影を行う際に用いられる立位台145と、臥位での放射線撮影を行う際に用いられる臥位台146とが設置されており、立位台145の前方空間は立位での放射線撮影を行う際の被検者の撮影位置148とされ、臥位台146の上方空間は臥位での放射線撮影を行う際の被検者の撮影位置149とされている。
【0032】
立位台145には電子カセッテ12を保持する保持部150が設けられており、立位での放射線画像の撮影を行う際には、電子カセッテ12が保持部150に保持される。同様に、臥位台146には電子カセッテ12を保持する保持部152が設けられており、臥位での放射線画像の撮影を行う際には、電子カセッテ12が保持部152に保持される。
【0033】
また、放射線撮影室140には、単一の放射線源130からの放射線によって立位での放射線撮影も臥位での放射線撮影も可能とするために、放射線源130を、水平な軸回り(図2の矢印A方向)に回動可能で、鉛直方向(図2の矢印B方向)に移動可能で、さらに水平方向(図2の矢印C方向)に移動可能に支持する支持移動機構52が設けられている。ここで、支持移動機構52は、放射線源130を水平な軸回りに回動させる駆動源と、放射線源130を鉛直方向に移動させる駆動源と、放射線源130を水平方向に移動させる駆動源を各々備えている(何れも図示省略。)。
【0034】
一方、クレードル40には、電子カセッテ12を収納可能な収容部40Aが形成されている。
【0035】
電子カセッテ12は、未使用時にはクレードル40の収容部40Aに収納された状態で内蔵されているバッテリに充電が行われ、放射線画像の撮影時には撮影者によってクレードル40から取り出され、撮影姿勢が立位であれば立位台145の保持部150に保持され、撮影姿勢が臥位であれば臥位台146の保持部152に保持される。
【0036】
ここで、本実施の形態に係る撮影システム10では、放射線発生装置16とコンソール18とをそれぞれケーブルで接続して有線通信によって各種情報の送受信を行うが、図2では、放射線発生装置16とコンソール18を接続するケーブルを省略している。また、電子カセッテ12とコンソール18との間は、無線通信によって各種情報の送受信を行う。なお、放射線発生装置16とコンソール18の間の通信も無線通信によって通信を行うものとしてもよい。
【0037】
図3には、本実施の形態に係る電子カセッテ12を用いて病室で放射線画像の撮影を行う撮影システム10の配置状態の一例が示されている。
【0038】
放射線発生装置16は、病院内を移動可能なように回診車33として構成されている。回診車33は、アーム20を備えており、アーム20の一端部には放射線源130が内蔵された放射線射出部22が設けられている。また、放射線発生装置16は、本体部24の底部に車輪26が設けられており、病院内を移動可能とされている。
【0039】
また、図3に示すコンソール18は、ノートブック型等のパーソナルコンピュータにより構成されており、撮影者から曝射条件などの撮影に関する各種操作入力を受け付ける。
【0040】
また、放射線射出部22は、ベッド15に仰臥している患者17の上部に配置される。放射線発生装置16は、コンソール18を介して放射線画像の撮影が指示されると、上記曝射条件等に応じた放射線量の放射線を放射線射出部22から照射する。放射線発生装置16から射出された放射線は、患者17を透過することで画像情報を担持した後に電子カセッテ12に照射される。
【0041】
次に、図4を参照して、本実施の形態に係る放射線撮影システム10の電気系の要部構成について説明する。
【0042】
放射線発生装置16には、コンソール18と通信を行うための接続端子36が設けられている。コンソール18には、放射線発生装置16と通信を行うための接続端子19が設けられている。放射線発生装置16の接続端子36とコンソール18の接続端子19はケーブル35によって接続されている。
【0043】
電子カセッテ12に内蔵された放射線検出器44は、TFTアクティブマトリクス基板66上に、放射線Xを吸収し、電荷に変換する光電変換層が積層されて構成されている。光電変換層は例えばセレンを主成分(例えば含有率50%以上)とする非晶質のa−Se(アモルファスセレン)からなり、放射線Xが照射されると、照射された放射線量に応じた電荷量の電荷(電子−正孔の対)を内部で発生することで、照射された放射線Xを電荷へ変換する。なお、放射線検出器44は、アモルファスセレンのような放射線Xを直接的に電荷に変換する放射線-電荷変換材料の代わりに、蛍光体材料と光電変換素子(フォトダイオード)を用いて間接的に電荷に変換してもよい。蛍光体材料としては、ガドリニウム硫酸化物(GOS)やヨウ化セシウム(CsI)がよく知られている。この場合、蛍光体材料によって放射線X−光変換を行い、光電変換素子のフォトダイオードによって光−電荷変換を行う。
【0044】
また、TFTアクティブマトリクス基板66上には、光電変換層で発生された電荷を蓄積する蓄積容量68と、蓄積容量68に蓄積された電荷を読み出すためのTFT70を備えた画素部74(図4では個々の画素部74に対応する光電変換層をセンサ部72として模式的に示している。)がマトリクス状に多数個配置されており、電子カセッテ12への放射線Xの照射に伴って光電変換層で発生された電荷は、個々の画素部74の蓄積容量68に蓄積される。これにより、電子カセッテ12に照射された放射線Xに担持されていた画像情報は電荷情報へ変換されて放射線検出器44に保持される。
【0045】
また、TFTアクティブマトリクス基板66には、一定方向(行方向)に延設され、個々の画素部74のTFT70をオン・オフさせるための複数本のゲート配線76と、ゲート配線76と直交する方向(列方向)に延設され、オンされたTFT70を介して蓄積容量68から蓄積電荷を読み出すための複数本のデータ配線78が設けられている。個々のゲート配線76はゲート線ドライバ80に接続されており、個々のデータ配線78は信号処理部82に接続されている。個々の画素部74の蓄積容量68に電荷が蓄積されると、個々の画素部74のTFT70は、ゲート線ドライバ80からゲート配線76を介して供給される信号により行単位で順にオンされる。TFT70がオンされた画素部74の蓄積容量68に蓄積されている電荷は、アナログの電気信号としてデータ配線78を伝送されて信号処理部82に入力される。従って、個々の画素部74の蓄積容量68に蓄積されている電荷は行単位で順に読み出される。
【0046】
図示は省略するが、信号処理部82は、個々のデータ配線78毎に設けられた増幅器及びサンプルホールド回路を備えており、個々のデータ配線78を伝送された電荷信号は増幅器で増幅された後にサンプルホールド回路に保持される。また、サンプルホールド回路の出力側にはマルチプレクサ、A/D(アナログ/デジタル)変換器が順に接続されており、個々のサンプルホールド回路に保持された電荷信号はマルチプレクサに順に(シリアルに)入力され、A/D変換器によってデジタルの画像データへ変換される。
【0047】
信号処理部82には画像メモリ90が接続されており、信号処理部82のA/D変換器から出力された画像データは画像メモリ90に順に記憶される。画像メモリ90は所定枚分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ90に順次記憶される。
【0048】
画像メモリ90は電子カセッテ12全体の動作を制御するカセッテ制御部92と接続されている。カセッテ制御部92はマイクロコンピュータによって構成されており、CPU(中央処理装置)92A、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ92B、HDD(ハードディスク・ドライブ)やフラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部92Cを備えている。
【0049】
このカセッテ制御部92には無線通信部94が接続されている。
【0050】
無線通信部94は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g等に代表される無線LAN(Local Area Network)規格に対応しており、無線通信による外部機器との間で各種情報の伝送を制御する。また、無線通信部94は、外部装置と通信を行う通信モードとして、図5(A)に示すように、機器同士が直接通信するアドホックモード(直接通信モード)、及び図5(B)に示すように、機器同士が無線LANアクセスポイント180を介して通信するインストラクチャモード(間接通信モード)を備えており、通信モードをアドホックモード又はインストラクチャモードに選択的に切り替えて無線通信が可能とされている。
【0051】
カセッテ制御部92は、無線通信部94で通信を行う際の通信モードや、IPアドレス(Internet Protocol Address)、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNS(Domain Name System)サーバのIPアドレスなどのネットワークに関する設定、SSID(Service Set Identifier)や暗号化キーなど無線通信に関する設定を制御している。カセッテ制御部92は、無線通信部94を介して、設定されたネットワークに属するコンソール18と設定された通信モードで無線通信が可能とされており、コンソール18との間で各種情報の送受信を行う。カセッテ制御部92は、コンソール18から無線通信部94を介して受信される後述する曝射条件を記憶し、曝射条件に基づいて電荷の読み出しを開始する。
【0052】
カセッテ制御部92は、表示部42Aが接続されており、表示部42Aの表示状態を制御することができる。
【0053】
また、カセッテ制御部92は、操作パネル57が接続されており、操作パネル57に対する操作内容を把握することができる。
【0054】
また、電子カセッテ12には電源部96が設けられている。上述した各種回路や各素子(表示部42A、操作パネル57、ゲート線ドライバ80、信号処理部82、画像メモリ90、無線通信部94、カセッテ制御部92として機能するマイクロコンピュータ等)は、電源部96から供給された電力によって作動する。電源部96は、電子カセッテ12の可搬性を損なわないように、前述したバッテリ(二次電池)を内蔵しており、充電されたバッテリから各種回路や各素子へ電力を供給する。なお、図4では、電源部96と各種回路や各素子を接続する配線を省略している。
【0055】
一方、コンソール18は、操作メニューや撮影された放射線画像等を表示するディスプレイ100と、複数のキーを含んで構成され、各種の情報や操作指示が入力される操作パネル102と、を備えている。
【0056】
また、本実施の形態に係るコンソール18は、装置全体の動作を司るCPU104と、制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM106と、各種データを一時的に記憶するRAM108と、各種データを記憶して保持するHDD110と、ディスプレイ100への各種情報の表示を制御するディスプレイドライバ112と、操作パネル102に対する操作状態を検出する操作入力検出部114と、を備えている。また、コンソール18は、接続端子19に接続され、接続端子19及びケーブル35を介して放射線発生装置16との間で後述する曝射条件等の各種情報の送受信を行う通信I/F部116と、電子カセッテ12との間で無線通信により曝射条件等の各種情報の送受信を行う無線通信部118と、を備えている。
【0057】
無線通信部118も通信モードとして、機器同士が直接通信するアドホックモード及び機器同士が無線LANアクセスポイント180を介して通信するインストラクチャモードを備えており、アドホックモード及びインストラクチャモードで無線通信が可能とされている。
【0058】
CPU104、ROM106、RAM108、HDD110、ディスプレイドライバ112、操作入力検出部114、通信I/F部116、及び無線通信部118は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU104は、ROM106、RAM108、HDD110へのアクセスを行うことができると共に、ディスプレイドライバ112を介したディスプレイ100への各種情報の表示の制御、通信I/F部116を介した放射線発生装置16との各種情報の送受信の制御、及び無線通信部118を介した電子カセッテ12との各種情報の送受信の制御、を行うことができる。また、CPU104は、操作入力検出部114を介して操作パネル102に対するユーザの操作状態を把握することができる。
【0059】
一方、放射線発生装置16は、放射線Xを射出する放射線源130と、コンソール18との間で曝射条件等の各種情報を送受信する通信I/F部132と、受信した曝射条件に基づいて放射線源130を制御する線源制御部134と、が備えられている。
【0060】
線源制御部134は、もマイクロコンピュータによって実現されており、通信I/F部132、及び放射線源130が各々接続されている。線源制御部134は、放射線源130による放射線の射出動作に関する制御を行う。
【0061】
次に、本実施の形態に係る放射線撮影システム10の作用を説明する。
【0062】
本実施の形態に係る電子カセッテ12は、ネットワークに関する設定や無線通信に関する設定を変更して通信可能なコンソール18を切り替えることにより、図6に示すように、院内の放射線撮影室140での放射線画像の撮影に使用したり、放射線発生装置16を備えた回診車33と共に病室での放射線画像の撮影に使用したり、あるいは、図7に示すように、過般型の放射線発生装置16と共に在宅での放射線画像の撮影に使用することができる。
【0063】
ところで、無線通信では、通信相手となる装置が把握しずらい。このため、電子カセッテ12は、本来通信対象とすべきコンソール18とは異なるコンソール18と通信を行ってしまう場合がある。
【0064】
例えば、図6に示すように、2つの放射線撮影室140(140A、140B)にそれぞれコンソール18(18A、18B)が設けられており、電子カセッテ12が放射線撮影室140Aのコンソール18Aと通信を行う設定がなされている場合に、電子カセッテ12を放射線撮影室140Bに移動させてもコンソール18Aと通信が行われてしまう。また、例えば、コンソール18Aと通信を行う設定がなされている電子カセッテ12を病室に持ち出し、回診車33と共に放射線画像の撮影を行おうとしてもコンソール18Aと通信が行われてしまう。
【0065】
撮影者は、撮影ミスの確認のために、電子カセッテ12で撮影した放射線画像をコンソール18のディスプレイ100に表示させて確認を行うが、通信設定が正しくなされていない場合、全く異なる位置に存在するコンソール18のディスプレイ100に放射線画像が表示される場合がある。
【0066】
さらに、図7に示すように、在宅にて放射線画像の撮影を行う場合に、電子カセッテ12がインストラクチャモードで通信を行うものとされていた場合、患者17の自宅の無線LANアクセスポイント180に接続されてしまう場合がある。
【0067】
そこで、本実施の形態に係るコンソール18は、各コンソール18毎に、ネットワークに関する設定、無線通信に関する設定、通信相手となるコンソール18のIPアドレスなどの通信設定情報をHDD110に記憶している。
【0068】
図8には、HDD110に記憶された通信設定情報のデータ構造の一例が示されている。
【0069】
コンソール18毎に、コンソール18を識別するためのコンソールID、撮影環境を示す環境情報、ネットワークに関する設定、無線通信に関する設定、通信相手となるコンソール18のIPアドレスなどが通信設定情報として記憶されている。
【0070】
撮影者は、電子カセッテ12を他の放射線撮影室140で使用する場合や回診車33と共に病室で使用する場合、在宅で使用する場合など、電子カセッテ12の通信相手となるコンソール18を変更する場合、電子カセッテ12と通信可能なコンソール18において操作パネル102を操作して、通信相手の変更操作を行う。
【0071】
図9には、コンソール18において、通信相手の変更操作を行う際にディスプレイ100に表示される通信相手指定画面190の構成の一例を示す構成図が示されている。
【0072】
通信相手指定画面190の一覧表示部192には、HDD110に記憶された通信設定情報に基づき、コンソール18毎に、コンソールID、撮影環境、通信モードが表示される。
【0073】
撮影者は、通信相手指定画面190の一覧表示部192から通信対象とするコンソール18の行を指定する。これにより、一覧表示部192では、指定された行が反転表示される。撮影者は、通信相手とするコンソール18の更新を行う場合、更新ボタン194を指定し、更新を中止する場合、キャンセルボタン196を指定する。
【0074】
コンソール18には、通信相手指定画面190の更新ボタン194が指定されると、電子カセッテ12に対して通信対象更とするコンソール18の切り替えを指示する切替指示情報を送信する切替指示情報送信処理を実行する。
【0075】
図10には、本実施の形態に係るコンソール18のCPU104により実行される更新指示情報送信処理の流れを示すフローチャートが示されている。
【0076】
同図のステップS10では、HDD110に記憶された通信設定情報から指定されたコンソール18のネットワークに関する設定、無線通信に関する設定に関する情報を特定する。
【0077】
次のステップS12では、上記ステップS10で特定したネットワークに関する設定、無線通信に関する設定に関する情報を含み、通信対象更とするコンソール18の切り替えを指示する切替指示情報を電子カセッテ12へ送信し、処理を終了する。
【0078】
電子カセッテ12は、切替指示情報を受信すると、ネットワークに関する設定を更新する更新処理を実行する。
【0079】
図11には、本実施の形態に係るカセッテ制御部92のCPU92Aにより実行される更新処理の流れを示すフローチャートが示されている。
【0080】
同図のステップS50では、受信された通信対象更新指示情報に含まれるネットワークに関する設定、無線通信に関する設定に応じて、無線通信部94のネットワークに関する設定、無線通信に関する設定を更新し、処理を終了する。なお、電子カセッテ12が更新された設定を有効にするために再起動が必要な場合は、更新処理で処理終了の際に再起動を行うものとしてもよい。
【0081】
これにより、電子カセッテ12は、更新後、通信相手指定画面190で指定されたコンソール18と通信が可能となる。
【0082】
ところで、電子カセッテ12の通信モードとしてインストラクチャモードが設定される場合、無線LANアクセスポイント180を介して通信が行われるが、無線LANアクセスポイント180との通信状況が悪い場合、コンソール18と通信できなくなる場合がある。
【0083】
そこで、本実施の形態に係る電子カセッテ12では、通信モードとしてアドホックモードで通信を行う設定がされている場合はアドホックモードで無線通信を行い、通信モードとしてインストラクチャモードで通信を行う設定がされている場合はインストラクチャモードでコンソール18と無線通信を試み、通信不能の場合にアドホックモードで無線通信を行う。
【0084】
図12には、コンソール18と通信を行う際に本実施の形態に係る電子カセッテ12の無線通信部94により実行される通信確立処理の流れを示すフローチャートが示されている。
【0085】
ステップS100では、設定されている通信モードがインストラクチャモードであるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップS102へ移行し、否定判定となった場合はステップS110へ移行する。
【0086】
ステップS102では、インストラクチャモードでコンソール18との通信の確立を試みる。
【0087】
次のステップS104では、コンソール18と通信が確立できたか否かを判定し、肯定判定となった場合は通信確立処理は正常終了し、否定判定となった場合はステップS106へ移行する。
【0088】
次のステップS106では、インストラクチャモードで所定回通信の確立を試みたか否かを判定し、肯定判定となった場合ステップS110へ移行し、否定判定となった場合は再度ステップS102へ移行して通信の確立を試みる。
【0089】
ステップS110では、設定されている通信モードがアドホックモードであるものとして、アドホックモードでコンソール18との通信の確立を試みる。
【0090】
次のステップS112では、コンソール18と通信が確立できたか否かを判定し、肯定判定となった場合は通信確立処理は正常終了し、否定判定となった場合はステップS114へ移行する。
【0091】
次のステップS114では、アドホックモードで所定回通信の確立を試みたか否かを判定し、肯定判定となった場合はコンソール18と通信が確立できない不通状態であるものとして通信確立処理は正常終了し、否定判定となった場合は再度ステップS110へ移行して通信の確立を試みる。
【0092】
カセッテ制御部92は、通信確立処理が正常終了した場合はコンソール18との通信を行い、通信確立処理が異常終了した場合は、例えば、表示部42Aを予め定めたパターンで点滅させることにより通信が確立できない状態であることの報知を行う。
【0093】
これにより、電子カセッテ12は、インストラクチャモードとされて無線LANアクセスポイント180を介して通信が行われる際に通信状況が悪い場合でも、通信対象となるコンソール18と無線通信を確立することができる。
【0094】
以上のように、本実施の形態によれば、電子カセッテ12は、無線通信部94により、機器同士が直接通信するアドホックモード及び機器同士が他の無線機器を介して通信するインストラクチャモードの何れかで選択的に無線通信が可能とされており、外部機器から通信モードの切り替えを指示する切替指示情報を受信した場合、カセッテ制御部92により、受信された切替指示情報により示される通信モードで無線通信を行うように無線通信部94を制御しているので、切替指示情報を送信して通信モードをインストラクチャモード又はアドホックモードに適切に切り替えさせることにより、意図しないネットワークに接続されてしまうことを防止することができる。
【0095】
また、本実施の形態によれば、アドホックモードで通信を行う指定がされている場合はアドホックモードで無線通信を行い、インストラクチャモードで通信を行う指定がされている場合はインストラクチャモードで通信対象のコンソール18と無線通信を試み、通信不能の場合にアドホックモードで無線通信を行うことより、インストラクチャモードとされて無線LANアクセスポイント180を介して通信が行われる際に通信状況が悪い場合でも、通信対象となる制御装置と無線通信を確立することができる。
【0096】
また、本実施の形態によれば、コンソール18は、コンソール18毎に、各コンソール18と通信を行う通信モードを示した通信設定情報をHDD110に記憶しており、通信対象とするコンソール18の指定を受け付け、HDD110に記憶された通信設定情報に基づき、受け付けたコンソール18と通信を行う通信モードを特定し、特定された通信モードへの切り替えを指示する切替指示情報を電子カセッテ12へ送信して電子カセッテ12の通信モードを切り替えさせることにより、電子カセッテ12が意図しないネットワークに接続されてしまうことを防止することができる。
【0097】
以上、本発明を上記実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0098】
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0099】
例えば、上記実施の形態では、無線通信として無線LANを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、機器同士が直接通信する直接通信モード及び機器同士が他の無線機器を介して通信する間接通信モードを備えていれば何れの無線通信方式であってもよい。
【0100】
また、上記実施の形態では、通信設定情報として、コンソール18毎に、コンソール18を識別するためのコンソールID、撮影環境を示す環境情報、ネットワークに関する設定、無線通信に関する設定、通信相手となるコンソール18のIPアドレスなどを記憶し、電子カセッテ12の通信対象とするコンソール18を切り替える場合、コンソール18において通信対象とする制御装置の指定を受け付け、通信設定情報から指定されたコンソール18のネットワークに関する設定、無線通信に関する設定に関する情報を特定し、ネットワークに関する設定、無線通信に関する設定に関する情報を含んだ切替指示情報を電子カセッテ12へ送信することにより、電子カセッテ12の通信モードを切り替えさせる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、通信設定情報として、撮影環境毎に、各撮影環境で使用されるコンソール18と通信を行うためのネットワークに関する設定、無線通信に関する設定、通信相手となるコンソール18のIPアドレスなどの通信設定情報が記憶し、電子カセッテ12の通信対象とするコンソール18を切り替える場合、コンソール18において撮影環境の指定を受け付け、通信設定情報から指定された撮影環境で使用されるコンソール18と通信を行うためのネットワークに関する設定、無線通信に関する設定に関する情報を特定し、ネットワークに関する設定、無線通信に関する設定に関する情報を含んだ切替指示情報を電子カセッテ12へ送信することにより、電子カセッテ12の通信モードを切り替えさせるものとしてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態では、通信設定情報として、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバのIPアドレスなどを記憶させた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバからIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバのIPアドレスなどを取得するものとしてもよい。
【0102】
また、上記実施の形態では、放射線としてX線を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、γ線等の他の放射線を適用する形態としてもよい。
【0103】
その他、上記実施の形態で説明した構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したり、接続状態等を変更したりすることができることは言うまでもない。
【0104】
さらに、上記実施の形態で説明した各種の処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ換えたりすることができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0105】
10 放射線撮影システム
12 電子カセッテ(放射線画像撮影装置)
18 コンソール(通信モード設定装置)
44 放射線検出器(生成手段)
82 信号処理部(生成手段)
92 カセッテ制御部(制御手段)
94 無線通信部(第1通信手段)
102 操作パネル(受付手段)
104 CPU(特定手段、制御手段)
110 HDD(記憶手段)
118 無線通信部(第2通信手段)
180 無線LANアクセスポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射された放射線による放射線画像を示す画像データを生成する生成手段と、
機器同士が直接通信する直接通信モード及び機器同士が他の無線機器を介して通信する間接通信モードの何れかで選択的に無線通信が可能とされた第1通信手段と、
直接通信モード又は間接通信モードの何れで無線通信を行うかの設定を記憶した記憶手段と、
前記記憶手段に直接通信モードで通信を行う設定がされている場合は直接通信モードで無線通信を行うように前記第1通信手段を制御し、前記記憶手段に間接通信モードで通信を行う設定がされている場合は間接通信モードで本放射線画像撮影装置を制御する制御装置と無線通信を試み、通信不能の場合に直接通信モードで無線通信を行うように前記第1通信手段を制御する制御手段と、
を備えた放射線画像撮影装置。
【請求項2】
前記第1通信手段は、外部機器から通信モードの切り替えを指示する切替指示情報を受信し、
前記制御手段は、前記第1通信手段で受信された切替指示情報により示される通信モードで無線通信を行うように前記第1通信手段を制御する
請求項1記載の放射線画像撮影装置。
【請求項3】
請求項2の放射線画像撮影装置と無線通信が可能な第2通信手段と、
予め定められた条件に従い、前記放射線画像撮影装置が通信対象とする制御装置と通信を行う通信モードを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された通信モードへの切り替えを指示する切替指示情報を前記放射線画像撮影装置へ送信するように第2通信手段を制御する制御手段と、
を備えた通信モード設定装置。
【請求項4】
前記放射線画像撮影装置を制御する制御装置毎に、各制御装置と通信を行う通信モードを示す通信モード情報を記憶した記憶手段と、
前記放射線画像撮影装置が通信対象とする制御装置の指定を受け付ける受付手段と、をさらに備え、
前記特定手段は、前記記憶手段に記憶された通信モード情報に基づき、前記受付手段で受け付けた制御装置と通信を行う通信モードを特定する
請求項3記載の通信モード設定装置。
【請求項5】
前記放射線画像の撮影を行う撮影環境毎に、前記放射線画像撮影装置を制御する制御装置と通信を行う通信モードを示す通信モード情報を記憶した記憶手段と、
前記撮影環境の指定を受け付ける受付手段と、をさらに備え、
前記特定手段は、前記記憶手段に記憶された通信モード情報に基づき、前記受付手段で受け付けた撮影環境に応じた通信モードを特定する
請求項3記載の通信モード設定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−165919(P2012−165919A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30093(P2011−30093)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】