説明

放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム及び放射線画像撮影装置の撮影制御方法

【課題】放射線撮影時に、取っ手を筐体から離脱させて被写体の姿勢や装置の配置をより自由に設定する。
【解決手段】放射線画像撮影装置10は、放射線検出パネル30を収容する筐体12と、筐体12に着脱自在に装着される取っ手14と、を備える。放射線画像撮影装置10の制御部32は、筐体12に対する取っ手14の着脱状態を判定し、取っ手14が装着されている場合にフレームレートが規定されない静止画情報を取得する静止画撮影を実施可能とし、取っ手14が離脱されている場合に所定のフレームレートの動画情報を取得する動画撮影を実施可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線を検出して放射線画像情報を取得する放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム及び放射線画像撮影装置の撮影制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野では、放射線を被写体に照射し、被写体から透過した放射線を、放射線検出器で検出して放射線画像情報に変換する放射線画像撮影装置が広範に使用されている。また、近年は、静止画撮影と動画撮影を1つの放射線画像撮影装置によって実施することもある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されている放射線画像撮影装置(放射線検出装置)は、通常状態で静止画撮影を行い、付加機能モジュールを接続することで動画撮影を行う。また、特許文献1の放射線画像撮影装置は、可搬型の電子カセッテとして構成され、放射線検出器(センサーパネル)とその制御部(基本構成)が筐体内部に収容され、さらに取っ手が筐体外部に設けられる。持ち運び時には、オペレータが取っ手を把持することで、電子カセッテを容易に搬送することができる。
【0004】
ところで、可搬型の電子カセッテでは、放射線画像の撮影時(放射線画像情報の取得時)に、取っ手の設置部分が余分なスペースとなる。このようなことから、特許文献2には、放射線画像撮影装置(X線検出器)における取っ手の利用技術が開示されている。すなわち、特許文献2に開示されている放射線画像撮影装置の取っ手には、外部装置とデータの送受信を行うインターフェース、及び放射線検出器等に電力供給を行うインターフェースが内蔵される。この取っ手が筐体に装着(結合)されることで、データの送受信や電力供給が実施可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−083031号公報
【特許文献2】特開2010−107508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、放射線画像撮影装置により静止画撮影を行う場合は、医師や技師、看護士が筐体に装着された取っ手を把持して装置(筐体)の位置決め操作を行う、あるいは被写体が取っ手を把持して装置の位置決め保持を行うことがある。このため、取っ手が筐体に装着されていたほうが、装置の取扱性がよい。
【0007】
しかしながら、動画撮影を行う場合は、放射線画像撮影装置の位置が固定され、且つ比較的長い時間撮影を行うことが多く、筐体から突出する取っ手が邪魔となる。例えば、取っ手が筐体から突出していることで、被写体の撮影部位によっては、該被写体に無理な姿勢等を要求する可能性があり、その状態のまま長時間撮影を行うことは被写体にとって大きな負担となる。
【0008】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであって、動画撮影を行う場合に、取っ手を筐体から離脱させることで、被写体の姿勢や装置の配置をより自由に設定することを可能とし、これにより比較的長い時間撮影を行っても被写体の負担を軽減することができる放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム及び放射線画像撮影装置の撮影制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、本発明は、放射線を検出して放射線画像情報に変換する放射線検出器を収容する筐体と、前記筐体に着脱自在に装着され、該筐体の持ち運び時に把持可能な取っ手と、を備える放射線画像撮影装置であって、前記放射線検出器を制御して、静止画情報を取得する静止画撮影と、動画情報を取得する動画撮影と、を選択的に実施する制御部を有し、前記制御部は、前記筐体に対する前記取っ手の着脱状態を判定し、前記取っ手が装着される場合に前記静止画撮影を実施可能とし、前記取っ手が離脱される場合に前記動画撮影を実施可能とすることを特徴とする。
【0010】
上記によれば、制御部が筐体に対する取っ手の着脱状態を判定し、取っ手が離脱されている場合に動画撮影を実施可能とすることで、取っ手の着脱状態に基づいて静止画撮影と動画撮影を簡単に切り換えることができる。また、動画撮影を行う場合には、筐体から取っ手が離脱されているため、被写体の姿勢や放射線画像撮影装置の配置をより自由に設定することが可能となる。これにより、被写体に無理な姿勢を要求することが少なくなり、長時間動画撮影を行う場合に被写体の移動による撮影箇所の位置ずれを防止するとともに、被写体の負担等を軽減することができる。
【0011】
また、前記筐体には、当該放射線画像撮影装置と外部装置との間で信号を伝送するための通信用ケーブルと接続可能な通信用コネクタが設けられ、前記取っ手は、前記筐体に装着される場合に前記通信用コネクタを覆い、前記筐体から離脱される場合に前記通信用コネクタを露出させるとよい。
【0012】
これにより、取っ手が筐体に装着された状態では、該取っ手が通信用コネクタを覆うため、筐体の持ち運び時等に通信用コネクタに液体や埃が入り込むことを防ぐことができる。そして、取っ手が離脱された状態において、通信用コネクタを露出させることで、通信用ケーブルを通信用コネクタに接続して、動画撮影により取得される動画情報を容易に外部装置に送ることができる。
【0013】
この場合、前記通信用ケーブルは、前記制御部が取得した動画情報を前記外部装置に高速伝送可能な高速通信用ケーブルであるとよい。
【0014】
このように、外部装置に高速伝送可能な高速通信用ケーブルを用いることにより、例えば、30フレーム/秒(fps)等のフレームレートで撮影されることでデータ量が大きくなる動画情報を送信する場合でも、外部装置にスムーズに送信することができる。
【0015】
また、前記通信用ケーブルは、電力線通信を行う電力線通信モデムに接続されてもよい。
【0016】
このように、通信用ケーブルが電力線通信を行う電力線通信モデムに接続されることで、例えば、医療機関外において放射線画像の撮影を行う場合に、屋内に配線される電線を介して放射線画像情報の伝送(電力線通信)を行うことができる。このため、屋外に駐車している回診車や訪問車に対し、屋内で撮影した放射線画像情報を簡単に送ることができる。
【0017】
さらに、前記筐体には、外部電源から当該放射線画像撮影装置に電力供給を行うための電源用ケーブルと接続可能な電源用コネクタが設けられ、前記取っ手は、前記筐体に装着される場合に前記電源用コネクタを覆い、前記筐体から離脱される場合に前記電源用コネクタを露出させるとよい。
【0018】
これにより、取っ手が装着された状態で該取っ手が電源用コネクタを覆うため、筐体の持ち運び時等に電源用コネクタに液体や埃が入り込むことを防ぐことができる。そして、取っ手が離脱された状態において、電源用コネクタを露出させることで、電源用ケーブルを電源用コネクタに接続して、放射線検出器及び制御部に電力供給を行うことができ、比較的電力消費が大きい動画撮影でもバッテリの蓄電量を気にすることなく撮影を継続することができる。
【0019】
ここで、前記取っ手は、前記通信用ケーブル又は前記電源用ケーブルを収納するケーブル収納部を有することが好ましい。
【0020】
これにより、放射線画像撮影装置と別に通信用ケーブルを持ち運ぶ必要がなくなるため、通信用ケーブルの忘れ等を少なくすることができる。
【0021】
また、前記筐体は、少なくとも前記動画撮影時に、前記放射線検出器又は前記制御部から発生する熱を放出可能な放熱口を有し、前記取っ手は、前記筐体に装着される場合に前記放熱口を覆い、前記筐体から離脱される場合に前記放熱口を露出させるとよい。
【0022】
このように、放熱口によって、放射線検出器又は制御部から発生する熱を放出することで、筐体内部を冷却することができ、長時間動画撮影を行う場合でも安定的に動画情報を取得することができる。
【0023】
この場合、前記取っ手は、前記放熱口に係止する係止部を備え、該係止部が前記放熱口に係止されることで前記筐体に装着される構成としてもよい。
【0024】
これにより、取っ手を筐体に確実に係止することが可能となる。また、放熱口を利用して係止するため、取っ手を係止するための孔等を筐体に別途形成する必要がなくなり、装置の製造工程を容易化することができる。
【0025】
前記の目的を達成するために、本発明は、所定の照射エネルギー量の放射線を被写体に照射する放射線源と、前記被写体から透過された放射線を検出して放射線画像情報に変換する放射線検出器を収容する筐体、及び前記筐体に着脱自在に装着され該筐体の持ち運び時に把持可能な取っ手を備える放射線画像撮影装置と、を備える放射線画像撮影システムであって、前記放射線画像撮影装置は、前記放射線検出器を制御して、静止画情報を取得する静止画撮影と、動画情報を取得する動画撮影と、を選択的に実施する制御部を有し、前記制御部は、前記筐体に対する前記取っ手の着脱状態を検出し、前記取っ手が装着されている場合に前記静止画撮影を実施可能とし、前記取っ手が離脱されている場合に前記動画撮影を実施可能とし、前記放射線源は、前記制御部による前記静止画撮影と前記動画撮影の切り換えにともない、前記放射線の照射エネルギー量を切り換えることを特徴とする。
【0026】
また、本発明は、放射線を検出して放射線画像情報に変換する放射線検出器を収容する筐体と、前記筐体に着脱自在に装着され、該筐体の持ち運び時に把持可能な取っ手と、を備える放射線画像撮影装置の撮影制御方法であって、前記放射線検出器を制御して、静止画情報を取得する静止画撮影と、動画情報を取得する動画撮影と、を選択的に実施する制御部を有し、前記制御部が前記筐体に対する前記取っ手の着脱状態を検出する検出ステップと、前記取っ手が装着されている場合に前記静止画撮影を実施可能とし、前記取っ手が離脱されている場合に前記動画撮影を実施可能とする切換えステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、取っ手を筐体から離脱させることで、被写体の姿勢や装置の配置をより自由に設定することを可能とし、これにより比較的長い時間動画撮影を行う場合でも被写体の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係る放射線画像撮影装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1の放射線画像撮影装置の搬送状態を示す説明図である。
【図3】図1のIII−III線の断面図である。
【図4】図3の放射線検出パネルの構成を概略的に示す回路図である。
【図5】静止画撮影を行う場合の放射線画像撮影システムの一例を示すブロック図である。
【図6】図6Aは、図1の放射線画像撮影装置の設置例を概略的に示す側面図、図6Bは、図1の放射線画像撮影装置の設置例を概略的に示す正面図、図6Cは、図1の放射線画像撮影装置の撮影例を示す平面図である。
【図7】図1の放射線画像撮影装置の取っ手の離脱動作を示す説明図である。
【図8】図7の放射線画像撮影装置の筐体に通信ケーブルを接続した状態を示す説明図である。
【図9】動画撮影を行う場合の放射線画像撮影システムの一例を示すブロック図である。
【図10】第1実施形態に係る放射線画像撮影システムの動作を示すフローチャートである。
【図11】図11Aは、放射線画像撮影装置の取っ手の装着パターンを示す説明図であり、図11Bは、放射線画像撮影装置に複数の取っ手を装着した状態を示す説明図である。
【図12】図12Aは、第1変形例に係る放射線画像撮影装置を示す斜視図であり、図12Bは、第2変形例に係る放射線画像撮影装置を示す斜視図である。
【図13】第3変形例に係る放射線画像撮影装置を示す斜視図である。
【図14】図13の放射線画像撮影装置の使用例を概略的に示す説明図である。
【図15】図15A〜図15Dは、第4〜第7変形例に係る取っ手を示す図である。
【図16】図16Aは、第2実施形態に係る放射線画像撮影装置の筐体に取っ手が装着された状態を示す斜視図であり、図16Bは、図16Aの放射線画像撮影装置の筐体から取っ手が離脱された状態を示す斜視図である。
【図17】図16Aの放射線画像撮影装置の取っ手とその周辺部分を具体的に示す断面図である。
【図18】図16Aの放射線画像撮影装置において取っ手を介して電源供給を行う場合のブロック図である。
【図19】図19Aは、第8変形例の取っ手を示す図、図19Bは、第9変形例の取っ手と筐体の一部を示す図、図19Cは、第10変形例の取っ手を示す図、図19Dは、第11変形例の取っ手を示す図である。
【図20】図20Aは、第12変形例に係る放射線画像撮影装置を示す斜視図であり、図20Bは、第13変形例に係る放射線画像撮影装置を示す斜視図である。
【図21】図21Aは、第3実施形態に係る放射線画像撮影装置の筐体に取っ手が装着された状態を示す斜視図であり、図21Bは、図21Aの放射線画像撮影装置の筐体から取っ手が離脱された状態を示す斜視図である。
【図22】第3実施形態に係る放射線画像撮影装置を示すブロック図である。
【図23】図23Aは、図21Bの放射線画像撮影装置に外部バッテリを接続した状態を示す斜視図であり、図23Bは、第14変形例に係る放射線画像撮影装置を示す斜視図である。
【図24】図24Aは、第4実施形態に係る放射線画像撮影装置を示す斜視図であり、図24Bは、図24Aの放射線画像撮影装置の取っ手にACケーブルが装着された状態を示す斜視図である。
【図25】第4実施形態に係る放射線画像撮影装置を示すブロック図である。
【図26】第15変形例に係る放射線画像撮影システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る放射線画像撮影装置及び放射線画像撮影システムについて、撮影制御方法との関係で好適な実施の形態(第1〜第4実施形態)を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10の全体構成を示す斜視図であり、図2は、図1の放射線画像撮影装置10の搬送状態を示す説明図である。第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10は、図1及び図2に示すように、可搬型の電子カセッテとして構成され、装置の外観を構成する筐体12と、筐体12の一側面(長手側の側面12a)に着脱自在に装着される取っ手14と、を有する。
【0031】
筐体12は、平面視で長方状に形成され、側面視で所定の厚みを有する直方体形状(略平板形状)の箱体である。筐体12の一表面(照射面16)は、放射線X(図5参照)を透過可能な材料によって構成され、該照射面16には、撮影領域及び撮影位置の基準となるガイド線16aが形成される。なお、筐体12の照射面16以外の面は、この照射面16と同じ材料によって構成されてもよく、或いは別の材料(例えば、放射線を遮蔽する材料)によって構成されてもよい。
【0032】
また、取っ手14が装着される筐体12の側面12aには、外部装置(後述するコンソール78を含む)との間で情報の送受信が可能なインターフェースとしてのUSB(Universal Serial Bus)端子18と、メモリカード20を装填するためのカードスロット22とが設けられる。
【0033】
一方、取っ手14は、放射線画像撮影装置10を持ち運ぶ際の重量バランスが保てるように筐体12の側面12aの中央部に装着される。この取っ手14は、筐体12との装着状態において該筐体12側に接する直方状の基端接続部24、及び基端接続部24から外方に突出する円弧状で所定の厚みを有する把持部26によって構成される。基端接続部24には、筐体12と取っ手14とを強固に連結固定するロック機構28(図3参照)の主要構成が設けられる。これにより、取っ手14が筐体12から不用意に脱落することが防止される。
【0034】
図2に示すように、放射線画像撮影装置10を搬送する場合は、筐体12に取っ手14が装着された状態で、オペレータ(医師、技師又は看護士等)が把持部26を把持することで、容易に持ち運ぶことができる。オペレータは、取っ手14を把持して放射線画像撮影装置10を医療機関外(例えば、災害現場、事故現場、健康診断や在宅看護の現場等)に搬送することで、搬送先の現場において、放射線画像撮影装置10を用いた、例えば、事故現場の被害者や災害現場の被災者に対する放射線画像の撮影、健康診断を受診する者(受診者)に対する放射線画像の撮影、在宅看護が必要とされる在宅者に対する放射線画像の撮影を行うことが可能となる。
【0035】
このように、筐体12及び取っ手14により可搬型として構成される放射線画像撮影装置10は、放射線画像情報を取得するための種々の構成が筐体12の内部に設けられる。
【0036】
図3は、図1のIII−III線の断面図であり、放射線画像撮影装置10の内部構成を概略的に示すものである。放射線画像撮影装置10の筐体12内には、放射線Xを検出する放射線検出パネル30(放射線検出器)と、この放射線検出パネル30の駆動を制御する制御部32(静止画撮影制御部34、動画撮影制御部36、撮影切換制御部38)と、放射線検出パネル30及び制御部32に電力供給を行うバッテリ40と、撮影時に放射線検出パネル30及び制御部32の冷却を行う冷却ファン42とが設けられる。
【0037】
放射線検出パネル30は、例えば、被写体44を透過した放射線Xをシンチレータにより可視光に一旦変換し、変換した可視光をアモルファスシリコン(a−Si)等の物質からなる固体検出素子(以下、画素46ともいう)により電気信号に変換する間接変換型が適用される。この場合、放射線検出パネル30は、放射線Xの照射方向に沿って固体検出素子、シンチレータの順に配置されるISS(Irradiation Side Sampling)方式(表面読取方式)や、放射線Xの照射方向に沿ってシンチレータ、固体検出素子の順に配置されるPSS(Penetration Side Sampling)方式(裏面読取方式)のいずれかを採ることができる。なお、放射線検出パネル30としては、上記の間接変換型のほか、放射線Xの線量をアモルファスセレン(a−Se)等の物質からなる固体検出素子により電気信号に直接変換する直接変換型を採用することもできる。
【0038】
図4は、図3の放射線検出パネル30の構成を概略的に示す回路図である。図4に示すように、放射線検出パネル30は、可視光を電気信号に変換するa−Si等の物質からなる各画素46が形成された光電変換層を、行列状に並べられたTFT48のアレイの上に配置した構造を有する。この場合、各画素46では、可視光を電気信号(アナログ信号)に変換することにより発生した電荷が蓄積され、各行毎にTFT48を順次オンにすることにより、電荷を画像信号として読み出すことができる。
【0039】
各画素46に接続されるTFT48には、行方向と平行に延びるゲート線50と、列方向と平行に延びる信号線52とが接続される。各ゲート線50はライン走査駆動部54に接続され、各信号線52はマルチプレクサ56に接続される。ゲート線50には、行方向に配列されたTFT48をオンオフ制御する制御信号Von、Voffがライン走査駆動部54から供給される。この場合、ライン走査駆動部54は、ゲート線50を切り換える複数のスイッチSW1と、スイッチSW1の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ58とを備える。アドレスデコーダ58には、静止画撮影制御部34(又は動画撮影制御部36)からアドレス信号が供給される。
【0040】
また、信号線52には、列方向に配列されたTFT48を介して各画素46に保持されている電荷が流出し、下流に接続される増幅器60によって増幅される。増幅器60には、サンプルホールド回路62を介してマルチプレクサ56が接続される。マルチプレクサ56は、信号線52を切り換える複数のスイッチSW2と、スイッチSW2の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ64とを備える。アドレスデコーダ64には、静止画撮影制御部34(又は動画撮影制御部36)からアドレス信号が供給される。マルチプレクサ56には、A/D変換器66が接続され、A/D変換器66によってデジタル信号に変換された放射線画像情報(静止画情報又は動画情報)が静止画撮影制御部34や動画撮影制御部36に供給される。
【0041】
なお、スイッチング素子として機能するTFT48は、CMOS(Complementary Metal−Oxside Semiconductor)イメージセンサ等、他の撮像素子と組み合わせて実現してもよい。また、TFT48で言うところのゲート信号に相当するシフトパルスにより電荷をシフトしながら転送するCCD(Charge−Coupled Device)イメージセンサに置き換えることも可能である。
【0042】
図3に示すように、放射線画像撮影装置10の筐体12内部には、以上の放射線検出パネル30が1枚配設される。制御部32は、この放射線検出パネル30にアドレス信号を供給して放射線画像の撮影を行う。制御部32は、撮影前に、静止画撮影制御部34と動画撮影制御部36を選択的に切り換えることで、静止画情報を取得する静止画撮影と、動画情報を取得する動画撮影とを実施する。なお、放射線画像撮影装置10の放射線検出パネル30は、配設数が1枚に限定されるものではなく、例えば、2以上の放射線検出パネル30が配設されて、静止画撮影用と動画撮影用に使い分けられてもよい。
【0043】
静止画撮影制御部34は、放射線検出パネル30の駆動を制御する(すなわち、静止画撮影を実施する)ことで、被写体44の静止画情報を取得する。静止画情報とは、例えば、1回の撮影操作に基づき放射線源83から所定時間出力される放射線Xを検出して生成(変換)される1フレームの放射線画像情報である。また、通常は、動画撮影よりも大きな照射エネルギー量の放射線Xが放射線源83から出力され、静止画情報に変換される。このため、静止画情報は、解像度が高く鮮明な画質を有しており、医師や技師等が被写体44の状態(病状等)を読診するために用いられる。
【0044】
静止画撮影制御部34には、USB端子18及びカードスロット22が信号伝達可能に取り付けられる。USB端子18及びカードスロット22の先端接続側は、筐体12の側面12aを構成する側壁13に嵌め込まれて、筐体12の外側に露出される。
【0045】
一方、動画撮影制御部36は、放射線検出パネル30の駆動を制御する(すなわち、動画撮影を実施する)ことで、被写体44の動画情報を取得する。動画情報とは、例えば、1回の撮影操作に基づき放射線源83から所定のパルス間隔(フレームレート)で放射線Xが繰り返し出力され、この放射線Xを放射線検出パネル30によりパルス間隔毎に検出し、複数の放射線画像情報(フレーム)に変換したものである。或いは、動画情報は、放射線源83から一定の照射エネルギー量で連続的に照射される放射線Xを、所定の検出タイミング毎に検出し、複数の放射線画像情報に変換したものであってもよい。よって、動画情報は複数のフレームが連続するように構成される。また、通常は、静止画撮影よりも小さな照射エネルギー量の放射線Xが放射線源83から出力され、動画情報に変換される。このため、動画情報は、解像度は静止画情報よりも低いが、動画撮影制御部36により高速に画像処理される。この動画情報は、例えば、被写体44に挿入されたカテーテルの読影を行うために用いられる。
【0046】
動画撮影制御部36は、外部装置(例えば、コンソール78)に動画情報を送出する通信用コネクタ68を有する。この通信用コネクタ68の先端接続側は、筐体12の側面12aを構成する側壁13に嵌め込まれる。この場合、通信用コネクタ68は、筐体12の側面12aの略中央部に配置され、取っ手14を筐体12に装着した場合には、この取っ手14によって覆われる。
【0047】
また、撮影切換制御部38は、静止画撮影制御部34と動画撮影制御部36の動作を切り換える制御を行う。撮影切換制御部38には、取っ手14の着脱状態を検出する取っ手検出センサ70が接続される。撮影切換制御部38は、取っ手14の着脱状態に基づき切換制御を行う。この撮影切換制御部38の具体的な動作については後述する。
【0048】
さらに、バッテリ40は、筐体12内に配設される放射線検出パネル30、制御部32(静止画撮影制御部34、動画撮影制御部36、撮影切換制御部38)、冷却ファン42、取っ手検出センサ70等に電力を供給する。
【0049】
冷却ファン42は、筐体12の側面に形成された放熱口72に接続され、制御部32の駆動制御により撮影時(放射線画像情報の取得時)に熱が発生する箇所に外気を案内する。これにより、筐体12内部の温度を全体的に低下させ、撮影を安定的に行うことが可能となる。なお、冷却ファン42は、外気に混じる塵芥等を吸着可能なフィルタを備えることで、放射線検出パネル30や制御部32に塵芥が付着することを防ぐことができる。
【0050】
また、放熱口72は、側面に一対設けられ、筐体12内に外気を吸気するとともに、筐体12内の熱気を外部に排気する機能を有する。さらに、本実施形態の一対の放熱口72は、取っ手14を筐体12に装着するためのロック機構28の一部を構成する。
【0051】
一方、取っ手14は、基端接続部24にロック機構28の主要構成を有するとともに、把持部26に高速通信用ケーブル74を収納するケーブル収納部75を有する。ロック機構28は、オペレータが取っ手14を把持することで放射線画像撮影装置10を容易に持ち運べるように、筐体12と取っ手14を強固に係止する構成であることが好ましい。
【0052】
例えば、第1実施形態に係るロック機構28は、図3に示すように、対向する一対のフック部28aを有し、このフック部28aを筐体12の放熱口72の開口縁部に引っ掛けることで、取っ手14を強固に係止することができる。また、ロック機構28は、基端接続部24の一側面にロック解除ボタン28bを備えている。オペレータは、ロック解除ボタン28bを内部ばね28cに抗して押圧することでフック部28aの係止を解除することができ、これにより取っ手14を筐体12から簡単に取り外すことができる。なお、取っ手14と筐体12を連結するロック機構28は、以上の構成に限定されず、種々の構成を採り得ることは勿論である。例えば、フック部28aを筐体12に設けるとともに、このフック部28aが係止可能な係止口(図示せず)を取っ手14に設けてもよい。また、鍵や暗証番号等を利用したロック機構28を採用してもよい。
【0053】
ケーブル収納部75は、取っ手14の把持部26の内部スペースを利用したものであり、本実施形態では高速通信用ケーブル74が収納される。これにより、放射線画像撮影装置10と別に高速通信用ケーブル74を持ち運ぶ必要がなくなるため、高速通信用ケーブル74の忘れ等を少なくすることができる。なお、ケーブル収納部75は筐体12に設けてもよい。
【0054】
次に、第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10を用いて放射線画像の撮影(静止画撮影)を行う場合に構築する放射線画像撮影システム11について説明する。図5は、静止画撮影を行う場合の放射線画像撮影システム11の一例を示すブロック図であり、図6Aは、図1の放射線画像撮影装置の設置例を概略的に示す側面図、図6Bは、図1の放射線画像撮影装置の設置例を概略的に示す正面図、図6Cは、図1の放射線画像撮影装置の撮影例を示す平面図である。
【0055】
図5に示すように、放射線画像撮影システム11は、放射線Xを被写体44に照射する放射線照射装置76と、放射線照射装置76から照射された放射線Xを検出する放射線画像撮影装置10(電子カセッテ)と、放射線照射装置76及び放射線画像撮影装置10の動作を制御するコンソール78と、によって構成される。
【0056】
放射線照射装置76は、例えば、医療機関内で放射線画像の撮影を行う場合は、撮影場所に設置された装置が使用される。災害現場や事故現場、在宅医療等のように医療機関外で放射線画像の撮影を行う場合は、放射線画像撮影装置10と共に持ち運ばれ、現場において所定のセッティングがなされる。この場合、放射線画像撮影装置10は、放射線照射装置76を一体的に備える構成(例えば、特開2011−172904号公報参照)を採ることもでき、これにより、各装置の搬送を容易に行うことが可能となる。
【0057】
放射線照射装置76は、図示しない外部電源(又は放射線画像撮影装置10のバッテリ40)に接続されて、被写体44に対し放射線Xの照射を行う。この放射線照射装置76は、入出力部80、曝射スイッチ81、線源制御部82及び放射線源83を備える。
【0058】
入出力部80は、USBケーブル等を用いてコンソール78に有線接続され、放射線照射装置76とコンソール78との間でデータの送受信を行う。なお、放射線照射装置76とコンソール78間のデータの送受信は、有線通信に限定されず、無線通信(例えば、UWB(Ultra Wide Band)、IEEE802.11.a/g/n等のWiFi(Wireless Fidelity)又はミリ波を用いた通信)を採用してもよい。
【0059】
曝射スイッチ81は、放射線画像の撮影を行う場合に、オペレータ等によってオン/オフ操作がなされ、外部電源から線源制御部82や放射線源83等への電力供給をスイッチングする。線源制御部82は、曝射スイッチ81のオン信号に基づき起動し、所定の制御条件(例えば、コンソール78から送信される撮影条件)に従って放射線源83の駆動を制御する。放射線源83は、線源制御部82の制御に基づき放射線Xを出力する。
【0060】
一方、放射線画像撮影装置10は、上述したように、放射線検出パネル30、制御部32(静止画撮影制御部34、動画撮影制御部36、撮影切換制御部38)、バッテリ40、冷却ファン42を備える。また、放射線画像撮影装置10のUSB端子18には、USBケーブル84が接続され、コンソール78との間でデータの送受信が可能とされる。さらに、放射線画像撮影装置10は、放射線照射装置76との距離(撮影間距離)を検出する線源位置検出部86を備える。
【0061】
線源位置検出部86は、例えば、図示しない距離センサを備え、放射線画像撮影装置10と放射線照射装置76との間の距離を検出する。距離センサが検出した検出距離は、静止画撮影制御部34又は動画撮影制御部36に送られる。
【0062】
静止画撮影制御部34は、内部にアドレス信号発生部34a、画像メモリ34b、SID判定部34c、画像処理部34dを備える。アドレス信号発生部34aは、ライン走査駆動部54のアドレスデコーダ58及びマルチプレクサ56のアドレスデコーダ64に対して、静止画撮影に応じたアドレス信号を供給する。画像メモリ34bは、放射線検出パネル30によって検出された静止画情報を記憶する。
【0063】
SID判定部34cは、線源位置検出部86が検出した検出距離と予め設定された距離(SID)が一致するか否かを判定する。すなわち、SID判定部34cは、静止画撮影を行う場合に、放射線照射装置76から照射される放射線Xの照射エネルギー量が正常に放射線画像撮影装置10に入射されるか否かを判定することができる。検出距離がSIDに一致しない場合は、放射線画像撮影装置10と放射線照射装置76の撮影間距離が一致しないことを示す情報を送信して、コンソール78の表示部90に表示させる。
【0064】
また、画像処理部34dは、放射線検出パネル30が取得した静止画情報に対し、予め定められた画像処理を施して、この静止画情報を画像メモリ34bに記憶させる。
【0065】
USB端子18には、USBケーブル84が接続され、放射線画像撮影装置10とコンソール78との間で種々のデータの送受信が行われる。この場合、USBケーブル84は、放射線画像撮影装置10が検出した静止画情報もコンソール78に送信する。一方、カードスロット22には、メモリカード20が挿入されて、静止画情報を必要に応じてメモリカード20に記憶させる。
【0066】
コンソール78は、放射線画像撮影システム11を全体的に制御する機能を有する。概略的には、放射線照射装置76に撮影条件等の制御指示信号を送って、撮影条件に基づく放射線Xの照射を実施させ、放射線画像撮影装置10により被写体44を透過した放射線Xを検出し、放射線画像撮影装置10から送られてきた放射線画像情報を処理(データ補正や記憶等)し、表示部90に表示させる。
【0067】
この場合、コンソール78は、演算処理部88、記憶部89、表示部90、入出力部91を備える一般的に周知のコンピュータを適用することができる。また、医療機関外において放射線画像の撮影を行う場合は、可搬型のコンピュータ(いわゆるノートパソコン)を利用すれば、持ち運びが容易となる。
【0068】
演算処理部88及び記憶部89は、放射線画像撮影システム11を制御する所定のプログラムを実施するように構成される。例えば、被写体44に対し、適切な照射エネルギー量の放射線Xを照射する撮影条件(管電圧、管電流、照射時間、フレームレート、累積被曝量)を、撮影部位、撮影方法等の事前条件に基づき適宜設定し、この撮影条件をオペレータの操作に基づき放射線照射装置76に送信する。また、演算処理部88及び記憶部89は、被写体44の情報(氏名、性別、ID番号等)や放射線画像撮影装置10の情報(使用状態、ID番号等)を管理する。さらに、演算処理部88及び記憶部89は、放射線画像撮影装置10が取得した放射線画像情報に対し、所定の画像処理を行い、この放射線画像情報を記憶する。
【0069】
表示部90は、例えば、液晶パネルによって構成され、記憶部89に記憶された放射線画像情報を、演算処理部88の制御に基づき表示する。また、入出力部91は、複数の有線接続用の端子(例えば、USB端子91a)を備え、放射線照射装置76や放射線画像撮影装置10との間でデータの送受信を行う。
【0070】
以上のように構成される放射線画像撮影システム11は、取っ手14を筐体12に装着した状態とすることで、静止画撮影を実施可能にする。静止画撮影において放射線画像撮影装置10を所定位置(被写体44の撮影部位に対応した位置)に位置決めする方法としては、専用の装填装置(立位撮影台/臥位撮影台又はレトロフィット、専用架台:図示せず)が存在する場合は該装置にセットすればよく、また、装填装置がない場合(例えば、医療機関外で撮影を実施する等)は、図6Aに示すように、被写体44が横臥している寝台(又は床等)と該被写体44の間に放射線画像撮影装置10を配置する。この場合、図6Bに示すように、オペレータが取っ手14を持って被写体44の横方向から放射線画像撮影装置10を滑り込ませることで、装置の位置調整(位置決め)を行うとよい。また、放射線Xを被写体44の背面側から照射して静止画撮影を行う場合は、図6Cに示すように、被写体44に取っ手14(又は筐体12)を把持してもらい、放射線画像撮影装置10を所望位置に位置決めすることもできる。
【0071】
このように、静止画撮影では、オペレータ又は被写体44が筐体12に装着されている取っ手14を操作することで、放射線画像撮影装置10を比較的容易に位置決めすることができる。そして、被写体44の上方に配置される放射線照射装置76から撮影条件に基づく放射線Xが照射され、被写体44の撮影部位を透過した放射線Xを、下部に位置する放射線画像撮影装置10によって検出する。静止画撮影制御部34は、放射線検出パネル30の駆動制御を行って静止画情報を取得し、取得した静止画情報をコンソール78に送信する。コンソール78は、この静止画情報を表示部90に表示する。
【0072】
静止画撮影では、筐体12に取っ手14が装着された状態で撮影を行うため、被写体44に無理な姿勢を要求する可能性もあるが、静止画撮影は短時間に行うことができる。このため、被写体44にとって大きな負担とはならない。
【0073】
また、静止画撮影から動画撮影に切り換える場合は、筐体12から取っ手14を離脱させる操作(取り外し操作)を行う。第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10は、取っ手14を離脱させることで、静止画撮影から動画撮影に自動的に切り換えることができる。図7は、この取っ手14の離脱動作を示す説明図であり、図8は、筐体12に通信ケーブルを接続した状態を示す説明図である。
【0074】
図3及び図7に示すように、筐体12から取っ手14を取り外す場合は、ロック解除ボタン28bを押すことで、取っ手14を筐体12に係止させているフック部28aの係止解除を行う。このため、被写体44と寝台の間に放射線画像撮影装置10を挿入している状態(図6B参照)でも、オペレータがロック解除ボタン28bを押すことで容易に取り外すことができる。これにより、放射線画像撮影装置10は、筐体12の側面に設けられている通信用コネクタ68及び放熱口72が露出される。
【0075】
取っ手14の離脱後、該取っ手14のケーブル収納部75から高速通信用ケーブル74を取り出して、筐体12に露出された通信用コネクタ68に高速通信用ケーブル74の一端を接続する(図8参照)。高速通信ケーブルの他端はコンソール78に接続する。
【0076】
高速通信用ケーブル74は、放射線画像撮影装置10からコンソール78に高速にデータを送出可能とし、高フレームレートで撮影されることでデータ量が大きくなる動画情報でも、コンソール78にスムーズに送信することができる。
【0077】
図9は、動画撮影を行う場合の放射線画像撮影システム11の一例を示すブロック図である。動画撮影では、撮影切換制御部38によって、放射線検出パネル30の駆動を静止画撮影制御部34から動画撮影制御部36に切り換える制御がなされる。撮影切換制御部38は、取っ手検出センサ70により取っ手14の着脱状態を検出しており、取っ手14の離脱を検出(判定)することで、静止画撮影制御部34から動画撮影制御部36への切り換えを行う。
【0078】
また、放射線画像撮影システム11は、撮影切換制御部38により静止画撮影と動画撮影を切り換えた場合(すなわち、取っ手14の着脱を行った場合)に、この切換情報を放射線照射装置76に送信し、放射線照射装置76の撮影条件(静止画撮影と動画撮影の設定)の切り換えを行う。この切換情報は、放射線画像撮影装置10からコンソール78を介して、放射線照射装置76に送信してもよく、或いは放射線画像撮影装置10及び放射線照射装置76に送受信機(図示せず)を設け、放射線画像撮影装置10から放射線照射装置76に直接的に送信してもよい(図5、図9の点線参照)。
【0079】
取っ手検出センサ70は、図3に示すように、放熱口72に近接する位置に配設され、取っ手14のフック部28aの有無を検出する。撮影切換制御部38は、取っ手検出センサ70から取っ手14の装着が検出されると静止画撮影制御部34を動作させ、取っ手検出センサ70から取っ手14の離脱が検出されると動画撮影制御部36を動作させる。なお、取っ手14の検出は、取っ手検出センサ70に限定されないことは勿論であり、種々の手段を適用することができる。
【0080】
図9に示すように、動画撮影制御部36は、内部にアドレス信号発生部36a、画像メモリ36b、SID判定部36c及び高速画像処理部36dを備える。アドレス信号発生部36aは、ライン走査駆動部54のアドレスデコーダ58及びマルチプレクサ56のアドレスデコーダ64に対して、動画撮影に応じたアドレス信号を動画撮影のフレームレートに基づき供給する。ここで、動画撮影制御部36(アドレス信号発生部36a)は、複数の画素46(例えば、2×2画素)を1つの画素にまとめるビニング制御を実施してもよい。このようにビニング制御を行って動画情報の画質が静止画情報よりも落ちても、例えば、カテーテル等の読影を行うには充分な画質を得ることができる。
【0081】
画像メモリ36bは、放射線検出パネル30によって検出された動画情報を1フレーム毎に連続的に記憶する。また、SID判定部36cは、静止画撮影制御部34のSID判定部34cと同様の機能を有し、放射線画像撮影装置10と放射線照射装置76の撮影間距離の判定を行う。高速画像処理部36dは、放射線検出パネル30が取得した動画情報に対し、予め定められた画像処理を施して、この動画情報を画像メモリ36bに記憶させる。
【0082】
また、動画撮影制御部36は、通信用コネクタ68に接続されており、画像メモリ36bに記憶された動画情報を、通信用コネクタ68に接続された高速通信用ケーブル74を介してコンソール78に送信する。
【0083】
高速通信用ケーブル74は、例えば、放射線画像情報をパラレル伝送する近距離通信ケーブルが適用される。これにより、単位時間当たりのデータ伝送量が多くなる動画情報でも高速に送信することができる。また、高速通信用ケーブル74として、光ケーブルやLVDS(Low Voltage Differencial Signaling)ケーブルを適用してもよい。
【0084】
勿論、LANケーブル等の通常の通信用ケーブルを用いてもよく、この場合は、例えば、動画情報を高速に送信可能とするため、動画撮影制御部36によって伝送モード(プロトコル)を変更するようにしてもよい。すなわち、静止画情報を送信する場合は、高画質の静止画情報を確実に送信するため、放射線画像撮影装置10とコンソール78との間でバーチャルサーキットを構築し、必要に応じて静止画情報(パケットデータ)の再送を行うTCP(Transmission Control Protocol)伝送モードによってデータ通信を行う。一方、動画情報を送信する場合は、非コネクションレスの伝送としてバーチャルサーキットを構築せずに、動画情報を単純に送り続けるUDP(User Datagram Protocol)伝送モードによってデータ通信を行う。このように、動画情報をUDPによってコンソール78に送信することで、表示部90に動画情報をスムーズに表示することができる。
【0085】
なお、放射線画像撮影装置10を専用の装填装置にセットする場合は、通信用コネクタ68を、装填装置に設けられたコネクタに接続する構成としてもよい。
【0086】
コンソール78は、高速通信用ケーブル74が接続可能な通信用コネクタ91bを有し、高速通信用ケーブル74を介して放射線画像撮影装置10から送信されてきた動画情報を、演算処理部88により画像処理して記憶部89に記憶するとともに、表示部90に表示させる。
【0087】
第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10及び放射線画像撮影システム11は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作について説明する。図10は、第1実施形態に係る放射線画像撮影システム11の動作を示すフローチャートである。
【0088】
第1実施形態に係る放射線画像撮影システム11により、例えば、医療機関外において放射線画像の撮影を行う場合は、撮影前の準備として、放射線画像撮影装置10及び放射線照射装置76を所定の位置に配置し、これらの装置とコンソール78を有線接続する。すなわち、放射線画像撮影装置10のUSB端子18とコンソール78のUSB端子91aとをUSBケーブル84によって接続するとともに、放射線照射装置76の入出力部80とコンソール78の入出力部91とを専用ケーブル(又はUSBケーブル)によって接続する。さらに、放射線画像撮影装置10、放射線照射装置76及びコンソール78をそれぞれ起動することで、放射線画像撮影システム11が駆動状態となる。
【0089】
放射線画像撮影システム11の起動後は、放射線画像撮影装置10において取っ手検出センサ70により取っ手14の着脱状態が検出される(ステップS1:検出ステップ)。取っ手14の着脱状態の検出結果は、撮影切換制御部38に送られ、撮影切換制御部38において着脱状態に基づき静止画撮影と動画撮影の判定がなされる(ステップS2)。
【0090】
ステップS2において、放射線画像撮影システム11は、取っ手14の装着を検出すると、静止画撮影の実施準備を行う(ステップS3:切換えステップ)。この静止画撮影の実施準備では、放射線画像撮影装置10からコンソール78に静止画撮影の設定信号(切換情報)が送信される。コンソール78は、この静止画撮影の設定信号を受信したタイミングで、演算処理部88において静止画撮影用の撮影条件を設定し、この撮影条件を放射線照射装置76に出力する。放射線照射装置76は、撮影条件に基づき、線源制御部82が管電圧、管電流、照射時間等を設定する。一方、放射線画像撮影装置10は、撮影切換制御部38により静止画撮影制御部34と放射線検出パネル30が信号伝達可能に接続される。また、SID判定部34cによって、放射線画像撮影装置10と放射線照射装置76の撮影間距離が検出され、該撮影間距離の調整が行われる。
【0091】
静止画撮影の実施準備が終了すると、静止画撮影を実施する(ステップS4)。この場合、放射線照射装置76は、撮影条件に基づく照射エネルギー量の放射線Xを被写体44に照射する。被写体44を透過した放射線Xは、静止画撮影制御部34の制御に基づき駆動する放射線検出パネル30によって検出され、静止画情報に変換される。この静止画情報は、画像処理部34dによって画像処理がなされて、画像メモリ34bに一時的に記憶される。さらに、静止画情報は、放射線画像撮影装置10からUSBケーブル84を介してコンソール78に送られ、演算処理部88において所定の画像処理がなされて記憶部89に記憶される。そして、オペレータの操作に基づき、記憶された静止画情報が表示部90に表示される。
【0092】
一方、ステップS2において、取っ手14の離脱を判定すると、動画撮影の実施準備を行う(ステップS5:切換えステップ)。動画撮影の実施準備では、放射線画像撮影装置10からコンソール78に動画撮影の設定信号(切換情報)が送信される。コンソール78は、この動画撮影の設定信号を受信したタイミングで、演算処理部88において動画撮影用の撮影条件を設定し、この撮影条件を放射線照射装置76に出力する。放射線照射装置76は、撮影条件に基づき、線源制御部82が管電圧、管電流、照射時間、フレームレート等を設定する。一方、放射線画像撮影装置10は、撮影切換制御部38により動画撮影制御部36と放射線検出パネル30が信号伝達可能に接続される。また、SID判定部36cによって、放射線画像撮影装置10と放射線照射装置76の撮影間距離が検出され、該撮影間距離の調整が行われる。さらに、オペレータにより放射線画像撮影装置10の通信用コネクタ68及びコンソール78の通信用コネクタ68に高速通信用ケーブル74が接続されることで、動画情報の送信経路が構築される。
【0093】
動画撮影の実施準備が終了すると、動画撮影を実施する(ステップS6)。この場合、放射線照射装置76は、撮影条件に基づく照射エネルギー量の放射線Xを所定のフレームレート(例えば、30fps)に従って被写体44に照射する。被写体44を透過した放射線Xは、動画撮影制御部36の制御に基づき駆動する放射線検出パネル30によって検出され、フレーム毎の動画情報に変換される。この動画情報は、高速画像処理部36dにおいて画像処理がなされて、画像メモリ36bに一時的に記憶される。さらに、動画情報は、放射線画像撮影装置10から高速通信用ケーブル74を介してコンソール78に送られ、演算処理部88において所定の画像処理がなされて記憶部89に記憶される。そして、オペレータの操作に基づき、記憶された動画情報が表示部90に表示される。
【0094】
静止画撮影又は動画撮影が実施された後は、放射線画像の撮影継続が判別される(ステップS7)。そして、撮影を継続する場合は、ステップS1に戻り、同様の制御を繰り返す。一方、撮影を終了する場合は、所定の撮影終了処理がなされる(ステップS8)。この際、動画撮影を実施していた場合は、通信用コネクタ68から高速通信用ケーブル74が取り外されて、離脱していた取っ手14を筐体12に装着する。取っ手14は、装着時にロック機構28のフック部28aが放熱口72に引っ掛かることで、容易に再装着することができる。
【0095】
以上のように、放射線画像撮影システム11によって、放射線画像情報(静止画情報又は動画情報)が取得される。医師は、表示部90に表示された静止画情報を視認することで、被写体44の撮影部位の状態を診断する。その一方で、リアルタイムに表示された動画情報を視認することで、撮影部位の動作(体動)やカテーテルの位置等を認識することができる。なお、第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10は、上記の構成の他に種々の態様を採ることができる。
【0096】
図11Aは、放射線画像撮影装置10の取っ手14の装着パターンを示す説明図であり、図11Bは、放射線画像撮影装置10に複数の取っ手14を装着した状態を示す説明図である。
【0097】
例えば、放射線画像撮影装置10は、筐体12の側面に取っ手14の装着箇所が複数(図11Aでは四つ)設けられ、図11Aに示すように、筐体12の側面のいずれかに着脱自在に装着される構成としてもよい。これにより、放射線画像撮影装置10を被写体44と寝台の間に進入させる場合等に、進入の向きに応じて取っ手14を装着することができ、取扱性を向上することができる。
【0098】
また、取っ手14は放射線画像撮影装置10に複数装着してもよい。例えば、図11Bに示すように、筐体12の両側に取っ手14を一対で装着する構成とすれば、被写体44の背面から静止画撮影を行う際に、被写体44が一対の取っ手14をそれぞれ把持することができ、放射線画像撮影装置10の位置決め保持をより確実なものとすることができる。
【0099】
図12Aは、第1変形例に係る放射線画像撮影装置10Aを示す斜視図であり、図12Bは、第2変形例に係る放射線画像撮影装置10Bを示す斜視図である。なお、以降の説明において、第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10と同一の構成又は同一の機能を有する構成については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0100】
図12Aに示すように、第1変形例に係る放射線画像撮影装置10Aは、筐体12の側面12aの略中央部に電源用コネクタ92を設けた点で、第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10とは異なる。この電源用コネクタ92には、外部電源(図示せず)から電力供給可能な電源用ケーブル93が接続される。すなわち、放射線画像撮影装置10Aは、取っ手14が筐体12から離脱され、動画撮影が実施可能となった状態で、外部電源によって放射線検出パネル30や制御部32に電力供給が行われる。
【0101】
ここで、放射線画像撮影装置10、10Aによる動画撮影では、比較的長い時間撮影が行われるため、電力消費量が大きくなり、筐体12内のバッテリ40による電力供給だけでは撮影が中断してしまう可能性もある。このため、第1変形例に係る放射線画像撮影装置10Aのように、動画撮影時に外部電源から電力供給を行うことで、バッテリ40の蓄電量を気にすることなく撮影を行うことができる。この場合、放射線画像撮影装置10Aは、無線通信用のアンテナ(図示せず)を備える構成とすれば、放射線画像撮影装置10Aにおいて取得した動画情報をコンソール78に送信することができる。また、動画情報の画質を落としてデータ量を少なくし、USBケーブル84によって送信する構成としてもよい。
【0102】
なお、電源用ケーブル93は、取っ手14(又は筐体12)に設けられたケーブル収納部75に収納されると、取扱性が向上する。また、電源用ケーブル93には、図示しないAC/DC変換アダプタが設けられ、交流電源(商用電源)を直流電源に変換して放射線画像撮影装置10Aに供給するようにしてもよい。さらに、放射線画像撮影装置10Aは、収容されているバッテリ40に対し動画撮影と同時に充電を行ってもよい。
【0103】
図12Bに示すように、第2変形例に係る放射線画像撮影装置10Bは、筐体12の側面12aに通信用コネクタ68と電源用コネクタ92が併設される。従って、放射線画像撮影装置10Bでは、高速通信用ケーブル74による動画情報の送信と、電源用ケーブル93による電源供給との両方を行うことができる。
【0104】
図13は、第3変形例に係る放射線画像撮影装置10Cを示す斜視図であり、図14は、図13の放射線画像撮影装置10Cの使用例を概略的に示す説明図である。
【0105】
第3変形例に係る放射線画像撮影装置10Cは、図13に示すように、筐体12の側面12aに通信用ケーブル(例えば、LANケーブル)が接続されるコネクタ(以下、汎用コネクタ95という)を備える。この汎用コネクタ95には、電力線通信を行うPLC(Power Line Communication)アダプタ96(電力線通信モデム)の通信用ケーブル94が接続される。これにより、放射線画像撮影装置10Cが取得した放射線画像情報を電力線通信によってデータ送信することが可能となる。
【0106】
例えば、医療機関外において放射線画像撮影装置10Cにより放射線画像の撮影を行う場合は、図14に示すように、訪問宅の屋外に訪問車97(回診車)を駐車して、放射線画像撮影システム11のみを屋内に持ち込むことが考えられる。この場合、放射線画像撮影装置10Cが取得した放射線画像情報を訪問車97の管理装置97aに記憶させようとすると、一旦メモリカード20(又は他の記憶メディア)に記憶させるか、長い通信用ケーブルによって伝送経路を形成する必要があり、作業性が低下することになる。
【0107】
そこで、電力線通信を利用して放射線画像撮影装置10Cと訪問車97との間でデータの送受信を行うように、放射線画像撮影システム11を構築する。具体的には、放射線画像撮影装置10Cが接続されたPCLアダプタ96を屋内に設けられる第1コンセント98aに差し込むとともに、家屋の外面側に設けられる第2コンセント98bに訪問車97内の管理装置97aに繋がるPLCアダプタ96を差し込む。これにより、屋内で撮影して取得した放射線画像情報を、第1コンセント98aから屋内配線を介して第2コンセント98bに送信することができ、さらに第2コンセント98bから管理装置97aに放射線画像情報を送信し、管理装置97aに記憶させることができる。
【0108】
このように、電力線通信を実現することで、例えば、屋内において被写体44を移動させることが難しい状況でも、放射線画像の撮影を行って取得した放射線画像情報を、訪問車97に簡単に送ることができ、該放射線画像情報を容易に管理することができる。
【0109】
図15A〜図15Dは、第4〜第7変形例に係る取っ手14a〜14dを示す図である。筐体12に取り付けられる取っ手14は、図15A〜図15Dに示すように、その形状や機能を自由に設定することができる。すなわち、図15Aに示すように、取っ手14aは、基端接続部24がなく、筐体12から把持部26の両端が着脱自在に装着されてもよい。また、図15Bに示すように、取っ手14bは、基端接続部24からT字形状の把持部26が延出する構成であってもよい。さらに、図15Cに示すように、取っ手14cは、把持部26が基端接続部24(又は筐体12)に対し回転軸99を介して接続され、揺動自在とされていてもよい。またさらに、図15Dに示すように、取っ手14dは、筐体12と連なる形状に形成される。この場合、取っ手14d内に静止画撮影制御部34が設けられ、且つ筐体12内に動画撮影制御部36が設けられることで、取っ手14dの離脱とともに静止画撮影制御部34を切り離して、動画撮影制御部36の駆動を実施させることもできる。
【0110】
また、放射線画像撮影装置10、10A〜10Cは、筐体12内に動画撮影制御部36を備えず、取っ手14を離脱して露出された通信用コネクタ68に、動画撮影制御部36と同様の機能を有する外部制御装置(図示せず)を接続して、この外部制御装置によって動画撮影を実施してもよい。この場合、撮影切換制御部38は、静止画撮影から動画撮影に切り換える際に、筐体12内で放射線検出パネル30と通信用コネクタ68を信号伝達可能に接続すればよい。
【0111】
以上のように、第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10、10A〜10C(放射線画像撮影システム11)によれば、撮影切換制御部38が筐体12に対する取っ手14、14a〜14dの着脱状態を検出し、取っ手14、14a〜14dが離脱されている場合に動画撮影を実施可能とすることで、取っ手14、14a〜14dの着脱状態に基づいて静止画撮影と動画撮影を簡単に切り換えることができる。また、動画撮影を行う場合には、筐体12から取っ手14、14a〜14dが離脱されているため、被写体44の姿勢や放射線画像撮影装置10、10A〜10Cの配置をより自由に設定することが可能となる。これにより、被写体44に無理な姿勢を要求することが少なくなり、長時間動画撮影を行う場合に被写体44の移動による撮影箇所の位置ずれや被写体44の負担等を軽減することができる。
【0112】
また、取っ手14が筐体12に装着された状態では、該取っ手14が通信用コネクタ68を覆うため、筐体12の持ち運び時等に通信用コネクタ68に液体や埃が入り込むことを防ぐことができる。そして、取っ手14が離脱された状態において、通信用コネクタ68を露出させることで、高速通信用ケーブル74を通信用コネクタ68に接続して、動画撮影により取得される動画情報を容易にコンソール78(又は画像表示装置)に送ることができる。
【0113】
一方、変形例1の放射線画像撮影装置10Aでは、取っ手14が装着された状態で該取っ手14が電源用コネクタ92を覆うため、筐体12の持ち運び時等に電源用コネクタ92に液体や埃が入り込むことを防ぐことができる。そして、取っ手14が離脱された状態において、電源用コネクタ92を露出させることで、電源用ケーブル93を電源用コネクタ92に接続して、放射線検出パネル30及び制御部32に電力供給を行うことができ、長時間撮影を行い比較的電力消費が大きい動画撮影でもバッテリ40の蓄電残量を気にすることなく撮影を継続することができる。
【0114】
また、筐体12の側面12aに形成された放熱口72により放射線検出パネル30又は制御部32(動画撮影制御部36)から発生する熱を放出することで、筐体12内部を冷却することができ、長時間動画撮影を行う場合でも安定的に動画情報を取得することができる。さらに、第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10、10A〜10Cでは、放熱口72を利用して取っ手14のフック部28aを係止するため、取っ手14を係止するための孔等を筐体12に別途形成する必要がなくなり、装置の製造を容易化することができる。
【0115】
〔第2実施形態〕
図16Aは、第2実施形態に係る放射線画像撮影装置110の筐体12に取っ手114が装着された状態を示す斜視図であり、図16Bは、図16Aの放射線画像撮影装置110の筐体12から取っ手114が離脱された状態を示す斜視図である。第2実施形態に係る放射線画像撮影装置110は、筐体12と取っ手114の間に電源延長ケーブル116(電源用ケーブル)を配設し、取っ手114側にコンセント118(商用電源:図18参照)に接続可能な電源プラグ120を備えた点で第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10と異なる。すなわち、第2実施形態に係る放射線画像撮影装置110は、取っ手114の電源プラグ120をコンセント118に差し込むことで、取っ手114から電源延長ケーブル116を介して放射線画像撮影装置110に電力供給を行うことができる。
【0116】
また、放射線画像撮影装置110は、第1実施形態の放射線画像撮影装置10と同様の制御部32(静止画撮影制御部34、動画撮影制御部36、撮影切換制御部38)を備え、取っ手114が筐体12に装着された状態(図16A参照)では静止画撮影が実施可能となり、取っ手114が筐体12から離脱された状態(図16B参照)では動画撮影が実施可能となる。
【0117】
図17は、図16Aの放射線画像撮影装置110の取っ手114とその周辺部分を具体的に示す断面図であり、図18は、図16Aの放射線画像撮影装置110において取っ手114を介して電源供給を行う場合のブロック図である。図17に示すように、取っ手114は、平面視で、中央部が空洞で角部が湾曲した略矩形状に形成され、筐体12との装着状態において該筐体12側に接する直方状の基端接続部24、及び基端接続部24から外方に突出する把持部26によって構成される。取っ手の基端接続部24は、電源延長ケーブル116を収納するケーブル収納部75が中央部に設けられ、ロック機構128の主要部が基端接続部24の両端部に設けられる。取っ手114の把持部26は、筐体12と略平行に延在するバーの中央部にプラグ収納部130を有し、このプラグ収納部130に電源プラグ120が設けられる。また、筐体12と直交方向に延在する把持部26のバーの内部には、AC/DC変換アダプタ132(交流/直流変換器)が設けられる。
【0118】
ケーブル収納部75には、電源延長ケーブル116を巻き取る巻取り機構134が配設される。巻取り機構134は、例えば、取っ手114の外部に設けられる操作ボタン136と、電源延長ケーブル116が巻き付けられる巻付部138と、操作ボタン136の操作に基づき巻付部138を回転させる回転部140とによって構成される。操作ボタン136を操作しない場合は、取っ手114を引き出すことで、巻付部138が回転して電源延長ケーブル116を放出することができる。これにより、例えば医療機関外で放射線画像の撮影を行う際に、放射線画像撮影装置110から離れた位置にコンセント118がある場合でも、取っ手114を延長して電源プラグ120を差し込むことができる。
【0119】
ロック機構128は、例えば、筐体の放熱口72を係止するフック部128a、取っ手114の両側面に設けられフック部128aの基端に接続されるロック解除ボタン128b、及びフック部128aとロック解除ボタン128bを取っ手114の外方に押圧する内部ばね128cと、を備え、ロック解除ボタン128bを押圧することで、フック部128aをスライド移動させ、係止を解除する構成となっている。
【0120】
電源プラグ120は、プラグ収納部130(把持部26)に対し回転自在とされている。すなわち、オペレータが把持部26を把持して放射線画像撮影装置110を持ち運ぶ場合は、電源プラグ120をプラグ収納部130に収納することで、取っ手114を容易に把持することができる。一方、取っ手114を介して電源供給を行う場合は、電源プラグ120を回転して金属材からなる差込歯120aを取っ手114から突出させることで、コンセント118に差し込むことが可能となる。
【0121】
AC/DC変換アダプタ132は、電源プラグ120と巻取り機構134の間に配設され、コンセント118(商用電源)から供給される交流電源を、放射線検出パネル30や制御部32が利用可能な直流電源に変換する。
【0122】
一方、電源延長ケーブル116は、一端が巻取り機構134に接続されるとともに、他端が筐体12内に設けられるバッテリ40に接続される(図18も参照)。筐体12の側壁13には、防塵性や防水性を高めるために電源延長ケーブル116を密着保持するパッキン142が設けられてもよい。コンセント118から供給される電力は、バッテリ40に一旦蓄えられ、放射線検出パネル30及び制御部32の駆動に必要な電力がバッテリ40から供給される。
【0123】
第2実施形態に係る放射線画像撮影装置110は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作について説明する。第2実施形態に係る放射線画像撮影装置110は、取っ手検出センサ70及び撮影切換制御部38によって取っ手114の着脱状態を判定する。そして、取っ手114が装着されている場合には、静止画撮影制御部34を駆動させて静止画撮影を行う。一方、取っ手114が離脱されている場合には、動画撮影制御部36を駆動させて動画撮影を行う。静止画撮影及び動画撮影を行う場合の動作については第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10と同様である。
【0124】
放射線画像撮影システム111において、静止画撮影を行う場合は、一般的に、被写体44の放射線画像を数枚程度撮影するだけなので、短時間に撮影が行われる。このため、バッテリ40から放射線検出パネル30や静止画撮影制御部34等に電力供給を行っても、バッテリ40の蓄電量が急激に低下して不足となることが少ない。これに対し、動画撮影を行う場合は、長時間撮影が行われることが普通であり、動画情報の処理枚数も膨大な数になるため、急激に電力が消費される。したがって、バッテリ40からの電力供給だけでは比較的早期に電力不足に陥ることが想定される。
【0125】
第2実施形態に係る放射線画像撮影装置110は、動画撮影において離脱された取っ手114を有効に活用して、放射線検出パネル30や動画撮影制御部36に電力供給を行う。これにより、動画撮影時に電力不足となることを回避でき、動画撮影を安定的に継続することが可能となる。また、電源延長ケーブル116から供給される電力を一旦バッテリ40に蓄電することで、例えば、コンセント118から電源プラグ120が不用意に脱落し電源供給が途絶えても、バッテリ40によって動画撮影を継続することができ、撮影の中断を回避することができる。
【0126】
なお、動画撮影によって取得された動画情報は、図18に示すように、放射線画像撮影装置110の送受信機144とコンソール78の送受信機146との間で無線通信を行うことで、コンソール78に送信することができる。勿論、動画情報の画質を落としてデータ量を少なくし、USBケーブルによって送信する構成としてもよい。
【0127】
図19Aは、第8変形例の取っ手114aを示す図、図19Bは、第9変形例の取っ手114bと筐体112の一部を示す図、図19Cは、第10変形例の取っ手114cを示す図、図19Dは、第11変形例の取っ手114dを示す図である。
【0128】
第2実施形態に係る放射線画像撮影装置110の電源プラグ120は、基本的に取っ手114のいずれかの位置に設けられればよく、また、電源プラグ120の収納、及び電源プラグ120の差込歯120aの露出機構も限定されるものではない。例えば、第8変形例に示すように(図19A参照)、電源プラグ121aは、取っ手114aの側面に設けられ、取っ手114a内に進退移動自在に配設(収納)される構成であってもよい。この場合、電源プラグ121aは、取っ手114aを筐体12から離脱した際に、差込歯120aが自動的に突出され、取っ手114aを筐体12に装着した際に、差込歯120aが自動的に収納されると便利である。
【0129】
また、第9変形例に示すように(図19B参照)、電源プラグ121bは、取っ手114bと筐体112が接触する接触面148に設けられてもよい。特に、取っ手114bの把持部26が平面視で円弧状に形成される等の場合は、筐体112との接触する平坦部分(接触面148)から電源プラグ121bの差込歯を突出させた方がコンセント118と電源プラグ121bとを密接に接続させることができる。
【0130】
この場合、筐体112の側面12aの電源プラグ121bと対向する位置に、この電源プラグ121bを収納可能なプラグ収納部131が設けられてもよい。すなわち、取っ手114を筐体12に装着する場合には、電源プラグ121bの差込歯が筐体112のプラグ収納部131に収納される。これにより、取っ手114b側にプラグ収納部や露出機構を設ける必要がなくなるため、簡単な構造とすることができる。
【0131】
さらに、第10変形例に示すように(図19C参照)、取っ手114cには、他の電力駆動機器の電源プラグが差し込み可能な複数の電源供給用コンセント150が設けられてもよい。この場合、他の電力駆動機器には、放射線照射装置76やコンソール78も含まれる。このように、電源供給用コンセント150を備えることで、取っ手114cをコンセント118に接続することにより他の電力駆動機器の電源プラグが差し込み難くなる場合でも、取っ手114cの電源供給用コンセント150に容易に差し込むことができる。
【0132】
第11変形例に示すように(図19D参照)、電源延長ケーブル116が接続された取っ手114dから、さらに電源プラグ152を有する電源用ケーブル154が延在するように構成されてもよい。この場合、把持部26は、ケーブル収納部75を備え、電源用ケーブル154を収納するように構成することもできる。このように、取っ手114dから電源用ケーブル154をさらに延長させることで、撮影位置(放射線画像撮影装置110の位置)からコンセント118までの距離が大きく離れていても、電源プラグ152をコンセント118まで充分に届かせることができる。
【0133】
図20Aは、第12変形例に係る放射線画像撮影装置110Aを示す斜視図であり、図20Bは、第13変形例に係る放射線画像撮影装置110Bを示す斜視図である。
【0134】
図20Aに示すように、第12変形例に係る放射線画像撮影装置110Aは、第2実施形態の電源プラグ120、121a、121bのように取っ手114、114a〜114dの側面(厚さ部分)から突出する構成ではなく、電源プラグ121cが取っ手114eの平面部分から突出するように構成されている。すなわち、電源プラグ121cは、略矩形状の取っ手114eを構成する6面のうち最も平面面積が大きい面(以下、プラグ突出面156という)から直交方向に突出する。このように、平面面積が大きいプラグ突出面156から電源プラグ121cが突出することで、該電源プラグ121cとコンセント118の接続状態をより強力にすることができる。すなわち、電源プラグ121を接続すると、取っ手114のプラグ突出面156がコンセント118の化粧プレート(図示せず)に接触することになる。この結果、取っ手114e及び電源延長ケーブル116の自重によって電源プラグ121cを支点とする回転方向に荷重がかかっても、コンセント118によって該荷重を受けることができ、電源プラグ121cの抜けを効果的に防止することができる。
【0135】
図20Bに示すように、第13変形例に係る放射線画像撮影装置110Bは、筐体12の側面12aに、電源延長ケーブル116の挿通部の他に、高速通信用ケーブル74(図8参照)が接続可能な通信用コネクタ68が設けられる。この高速通信用ケーブル74の一端は、コンソール78に接続される。これにより、放射線画像撮影装置110Bは、電源延長ケーブル116による電源供給と、高速通信用ケーブル74による動画情報の送信との両方を行うことができる。
【0136】
また、放射線画像撮影装置110、110A、110Bは、電源延長ケーブル116に通信用ケーブル(図示せず)を併設して取っ手114、114a〜114eに通信用コネクタ68を設けてよい。このように取っ手114、114a〜114eに通信用コネクタ68を設けても、コンソール78との間で有線通信を行うことができる。
【0137】
以上のように、第2実施形態に係る放射線画像撮影装置110、110A、110Bによれば、筐体12に対し着脱自在に構成される取っ手114、114a〜114eに、電源プラグ120、121a〜121cを備え、放射線検出パネル30や制御部32に対し電源延長ケーブル116を介して電気的に接続されることで、放射線画像撮影装置110、110A、110Bを持ち運ぶ際に使用する取っ手114、114a〜114eを離脱させて、電源供給に用いることができる。このため、放射線画像の撮影時に、被写体44の姿勢や放射線画像撮影装置110、110A、110Bの配置をより自由に設定することが可能となる。これにより、被写体44に無理な姿勢を要求することが少なくなり、長時間動画撮影を行う場合に被写体44の移動による撮影箇所の位置ずれを防止するとともに、被写体44の負担等を軽減することができる。
【0138】
さらに、取っ手114、114a〜114eが離脱されている場合に、所定のフレームレートの動画情報を取得する動画撮影を実施することで、長時間動画撮影を行う場合に、コンセント118から取っ手114、114a〜114e、電源延長ケーブル116を介して電力供給を行うことができるので、安定的に撮影を継続させることができる。
【0139】
なお、放射線画像撮影装置110、110A、110Bは、静止画撮影を実施する場合に、取っ手114、114a〜114eを筐体12、112から離脱させて電源プラグ120、121a〜121cをコンセント118に接続してもよいことは勿論である。この場合、静止画撮影と動画撮影の実施を切り換える図示しない切換スイッチを設けておき、取っ手114、114a〜114eを離脱させて動画撮影に切り換わった場合に、切換スイッチを操作することで、静止画撮影に変更する構成とすればよい。また、この静止画撮影と動画撮影の切り換える構成は、他の実施形態に採用してもよいことは勿論である。
【0140】
また、電源延長ケーブル116は、筐体12、112から取っ手114、114a〜114eを離間させることでケーブル収納部75から引き出されて延長されるので、電源延長ケーブル116が不用意に延びた状態となること回避することができる。その結果、放射線画像撮影装置110、110A、110Bの搬送時や放射線画像の撮影時に、電源延長ケーブル116が邪魔となる機会を減らすことができる。特に、係る放射線画像撮影装置110、110A、110Bは、ケーブル収納部75に電源延長ケーブル116を巻き取る巻取り機構134を有するため、操作ボタン136を操作するだけで電源延長ケーブル116をケーブル収納部75内に収納していくことができる。
【0141】
また、コンセント118から供給される交流電源を、直流電源に変換して放射線検出パネル30又は制御部32に供給するAC/DC変換アダプタ132が取っ手114、114a〜114eに設けられることで、筐体12、112内に交流/直流変換器を設ける必要がなくなるため、筐体12、112を小型化することができる。
【0142】
〔第3実施形態〕
図21Aは、第3実施形態に係る放射線画像撮影装置210の筐体12に取っ手214が装着された状態を示す斜視図であり、図21Bは、図21Aの放射線画像撮影装置210の筐体12から取っ手が離脱された状態を示す斜視図であり、図22は、第3実施形態に係る放射線画像撮影装置210を示すブロック図である。
【0143】
第3実施形態に係る放射線画像撮影装置210は、電気的に駆動可能な電気機能モジュール216、及び制御部32とコンソール78(又は他の外部装置)との間で信号の送信又は受信が可能な通信機能モジュール218を取っ手214に備えた点で、第1及び第2実施形態に係る放射線画像撮影装置10、110とは異なる。この場合、電気機能モジュール216及び通信機能モジュール218は、医療機関外での放射線画像撮影装置210の使用のうち、特に災害現場や事故現場等に該放射線画像撮影装置210を持ち込む場合に、該現場において要求される機器を搭載するものである。
【0144】
図22に示すように、例えば、取っ手214に設けられる電気機能モジュール216としては、カメラ220、プロジェクタ222、ライト224等が挙げられる。また、通信機能モジュール218としては、USB端子226、アンテナ228等が挙げられる。
【0145】
カメラ220は、周囲環境を撮影した写真を電子データとして記憶可能なデジタルカメラが用いられる。通常、災害現場や事故現場等では、被写体44の状態や現場の状態の写真を撮っておくことが望ましい。カメラ220は、このような状況に臨機応変に使用されるものである。図21Aに示すように、取っ手214が筐体12に装着されて、放射線画像撮影装置210が持ち運ばれる場合には、カメラ220は起動が停止された状態となっており、レンズ220aが保護カバー230によって被覆される。図21Bに示すように、取っ手214が筐体12から離脱されると、カメラ220は動作可能状態となる。そして、保護カバー230が外されて、取っ手214に設けられる操作ボタン232が操作されることで周囲環境の写真を撮影することができる。
【0146】
カメラ220で撮影した写真の電子データ(撮影情報)は、例えば、USB端子226に接続されるUSBケーブル(図示せず)を介してコンソール78に送信される。また、撮影情報は、操作ボタン232が操作されることで、併設されるプロジェクタ222によって投影されてもよい。これによりオペレータは、カメラ220で撮影した撮影情報をすぐに確認することができる。
【0147】
プロジェクタ222は、上記のようにカメラ220によって撮影した撮影情報を周囲の壁等に投影する。また、放射線画像撮影装置210によって撮影された放射線画像情報(静止画情報及び動画情報)を投影するように構成される。プロジェクタ222は、カメラ220と同様に、取っ手214が筐体12に装着されて放射線画像撮影装置210が持ち運ばれる場合には、起動が停止された状態となっており、レンズ222aが保護カバー230によって被覆される。図21Bに示すように、取っ手214が筐体12から離脱されると、動作可能状態となり、保護カバー230が外されて、取っ手214に設けられる操作ボタン232が操作されることで撮影情報や放射線画像情報の投影を行うことができる。なお、図21A及び図21Bでは、カメラ220とプロジェクタ222のレンズ220a、222aが別に設けられた状態を図示しているが、カメラ220とプロジェクタ222はレンズを共有してもよい。また、筐体12(又は取っ手214)には、取っ手214を所定の姿勢で支持可能な三脚(支持器:図示せず)が収納されてもよい。取っ手214を三脚に固定することで、プロジェクタ222は、撮影情報や放射線画像情報を安定して投影することができる。
【0148】
ライト224は、例えば、現場が暗い場合に点灯されることで、オペレータが周囲環境を視認する際の補助を行うものである。特に現場が暗い場合は、各種装置の操作ボタンが見えにくい等の不都合が生じるため、ライト224の使用によりこのような不都合を解消することが可能となる。この場合、ライト224の光源としては、低電力で駆動するLEDを用いることが好ましい。また、ライト224は、カメラ220を使用する場合にフラッシュを照射する機能を備えてもよい。
【0149】
カメラ220、プロジェクタ222、ライト224等の電気機能モジュール216は、動作時の電源が筐体12内のバッテリ40から供給される。これにより、取っ手214内に電源を配設する必要がなくなるため、取っ手214が小さくてもカメラ220、プロジェクタ222、ライト224を搭載することができる。勿論、取っ手214に電池等の電源を配設してもよい。なお、電気機能モジュール216は、カメラ220、プロジェクタ222、ライト224等に限定されないことは勿論であり、例えば治療において用いられる電気駆動機器を併設すること等も考えられる。
【0150】
一方、通信機能モジュール218であるUSB端子226は、筐体12に設けられるUSB端子18と同様に、USBケーブル(図示せず)が接続され、放射線画像撮影装置210とコンソール78(又は他の外部装置)との間で信号を送信又は受信する機能を有する。すなわち、取っ手214は、筐体12とコンソール78の有線接続を延長させる中継器としての役割を果たすことができる。例えば、災害現場や事故現場では、管理装置を車両に載せたまま、離れた位置で作業(放射線画像の撮影等)を行う機会が多くあり、通信用ケーブル(USBケーブル84を含む)の長さが足りなくなる可能性もある。放射線画像撮影装置210は、USB端子226を備えた取っ手214を筐体12から離脱することで、システム全体として通信用ケーブルを延長させることができ、現場の状況に対応しやすくなる。これにより、放射線画像撮影装置210は、放射線画像の撮影によって取得した放射線画像(静止画情報及び動画情報)をUSB端子226、USBケーブルを介して外部装置(管理装置)等に送信することができる。
【0151】
また、アンテナ228は、放射線画像撮影装置210とコンソール78(又は、他の外部装置)との間で信号を無線で送信又は受信する機能を有する。例えば、アンテナ228としては、近距離無線通信が可能なRFアンテナを適用することができる。このように、アンテナ228を着脱自在な取っ手214に設けることで、アンテナ228を筐体12から離間させた位置で無線通信することができる。このため、電波状況のよい場所に取っ手214(アンテナ228)を配置することで、放射線画像の撮影で取得した放射線画像情報(静止画情報及び動画情報)をより確実に送信することができる。
【0152】
アンテナ228は、取っ手214が筐体12に装着されている場合(図21A参照)には、コンソール78との間で信号の送信や受信が行われないように回路を遮断しておき、取っ手214が筐体12から離脱された場合に、無線通信の回路を接続する構成とすることが好ましい。これにより、放射線の照射により撮影した放射線画像に、無線通信によるノイズが混じり込むことを抑制できる。
【0153】
なお、アンテナ228を補助する電気機能モジュール216として、電界強度を検出する電界強度検出計(図示せず)を取っ手214に設けてもよい。これにより、アンテナ228を使用する場合に、この電界強度検出計によって検出した電界強度に基づき、取っ手214を位置決めすることができる。また、取っ手214に設けられる通信機能モジュール218は、USB端子226やアンテナ228に限定されるものではなく、他の通信用コネクタや無線通信機構を適用してもよいことは勿論である。
【0154】
取っ手214と筐体12は、電気機能モジュール216及び通信機能モジュール218との間で信号の送信又は受信が可能な通信用ケーブルと、筐体のバッテリ40と取っ手との間で相互に電力供給な電源用ケーブルとが共有されたケーブル234によって接続される。このケーブル234は、取っ手214を筐体12に装着した状態では、第1及び第2実施形態に係る放射線画像撮影装置10、110のように、取っ手214又は筐体12に設けられたケーブル収納部75に収納されるとよい。
【0155】
筐体12内には、電気機能モジュール216及び通信機能モジュール218と制御部32の間で信号を送信又は受信可能なインターフェース236が設けられる。制御部32は、取っ手検出センサ70を用いて取っ手214の着脱状態を判定し、取っ手214が筐体12に装着されている場合には、電気機能モジュール216と通信機能モジュール218に対する信号の送信又は受信を禁止するとともに、各モジュール216、218に対する電力供給を停止する。一方、取っ手214が筐体12から離脱されている場合には、電気機能モジュール216と通信機能モジュール218への信号の送信又は受信を許可するとともに、各モジュール216、218に対する電力供給を行い動作可能状態とする。
【0156】
このように、取っ手214の着脱状態に基づき、取っ手214に設けられる電気機能モジュール216又は通信機能モジュール218の動作を制御することで、例えば、放射線画像撮影装置210の持ち運び時に、オペレータが不用意に取っ手214の操作ボタン232を押してしまっても、各モジュール216、218が動作することを防ぐことができる。また、放射線画像の撮影を行う際に取っ手214を離脱することで、各モジュール216、218が放射線Xの影響を受ける機会を低減することができ、放射線Xによる機能の劣化等を抑止することができる。
【0157】
図23Aは、図21Bの放射線画像撮影装置210に外部バッテリ238を接続した状態を示す斜視図であり、図23Bは、第14変形例に係る放射線画像撮影装置210Aを示す斜視図である。
【0158】
図23Aに示すように、放射線画像撮影装置210は、取っ手214に電源用コネクタ240が設けられ、電源用ケーブル241を介して外部バッテリ238に接続されてもよい。これにより、放射線画像撮影装置210に外部バッテリ238から電力供給を行うことができる。例えば、災害現場や事故現場では、コンセント(商用電源)が近くにない場合や停電等により施設のコンセントから電力供給ができない可能性がある。このため、外部バッテリ238に接続可能な電源用コネクタ240を取っ手214に設けることで、電源用ケーブル241を接続し、外部バッテリ238から放射線画像撮影装置210に電力供給を行う。既述したように、動画撮影を行う場合は、長時間撮影する等の理由により電力消費が大きくなる。このため、外部バッテリ238から電力供給を行うことで、動画撮影を安定的に行うことが可能となる。
【0159】
この場合、外部バッテリ238から供給された電力は筐体12内のバッテリ40に一旦充電される構成としてもよい。また、電気機能モジュール216(カメラ220、プロジェクタ222、ライト224等)は外部バッテリ238からの電力供給によって駆動する構成とすることもできる。
【0160】
また、取っ手214には、第10変形例に係る取っ手114cのように、電源供給用コンセント242が設けられてもよい。電源供給用コンセント242には、他の電力駆動機器の電源プラグが差し込まれることで、放射線画像撮影装置210のバッテリ40又は外部バッテリ238から該他の電力駆動機器に電力供給を行うことができる。
【0161】
図23Bに示すように、第14変形例に係る放射線画像撮影装置210Aは、電気機能モジュール216として、周囲環境の放射線量を検出可能なガイガーカウンタ244(線量計)が取っ手214aに設けられてもよい。放射線画像の撮影では、通常、放射線照射装置76から放射線としてX線が被写体44に照射される。例えば、周囲環境において放射線としてγ線の放射線量が高い場合は、該γ線の波長がX線の波長に近いことから、取得される放射線画像情報にノイズが含まれる可能性がある。このため、取っ手214に設けたガイガーカウンタ244によって、周囲環境の放射線量を計測することで、災害現場や事故現場において放射線画像の撮影が適しているか否かを確認することができる。
【0162】
この場合、取っ手214には、ガイガーカウンタ244の線量検出センサ244aと、検出した放射線量を表示する表示パネル244bとが設けられ、オペレータが検出結果を容易に確認できるように構成することが好ましい。また、ガイガーカウンタ244は、取っ手214が筐体12に装着されている場合に、動作が停止状態とされ、取っ手214が筐体12から離脱された場合に、動作が許可されるとよい。
【0163】
以上のように、第3実施形態に係る放射線画像撮影装置210、210Aによれば、取っ手214が、電気的に駆動可能な電気機能モジュール216(カメラ220、プロジェクタ222、ライト224等)、及び制御部32と外部装置(コンソール78)との間で信号の送信又は受信が可能な通信機能モジュール218(USB端子226、アンテナ228等)を備えることで、例えば、災害現場や事故現場において、取っ手214、214aに設けられた電気機能モジュール216又は通信機能モジュール218を用いて種々の対応を行うことができる。
【0164】
この場合、制御部32は、取っ手214、214aが筐体12に装着される場合に、電気機能モジュール216又は通信機能モジュール218の動作を停止することで、放射線画像撮影装置210、210Aの持ち運び時に不用意に操作ボタン232等を押したとしても、電気機能モジュール216又は通信機能モジュール218の動作を防ぐことができる。また、取っ手214、214aが筐体12から離脱される場合に、電気機能モジュール216又は通信機能モジュール218を動作させることで、電気機能モジュール216又は通信機能モジュール218を自由に位置決めした位置で動作させることができる。
【0165】
ここで、制御部32は、取っ手214が筐体12から離脱される場合に、動画情報を取得する動画撮影を実施し、プロジェクタ222により取得された動画情報を投影することで、オペレータは、動画撮影中の動画情報をリアルタイムで簡単に視認することが可能となる。
【0166】
また、制御部32は、取っ手214が離脱されている場合に、動画撮影を行うことで、被写体44の姿勢や放射線画像撮影装置210の配置をより自由に設定することが可能となる。これにより、被写体44に無理な姿勢を要求することが少なくなり、長時間撮影を行っても、被写体44の移動による撮影箇所の位置ずれを防止するとともに、被写体44の負担等を軽減することができる。
【0167】
〔第4実施形態〕
図24Aは、第4実施形態に係る放射線画像撮影装置310を示す斜視図であり、図24Bは、図24Aの放射線画像撮影装置310の取っ手314にACケーブル316が装着された状態を示す斜視図であり、図25は、第4実施形態に係る放射線画像撮影装置310を示すブロック図である。
【0168】
第4実施形態に係る放射線画像撮影装置310は、図24A及び図24Bに示すように、電灯線としてACケーブル316(交流電源用ケーブル)が接続可能なACコネクタ318を取っ手314に備える点で、第1〜第3実施形態に係る放射線画像撮影装置10、110、210と異なる。すなわち、第4実施形態に係る放射線画像撮影装置310は、取っ手314が筐体12に装着された状態で、該取っ手314にACケーブル316が接続される。
【0169】
ACコネクタ318は、ACケーブル316の雄型コネクタ316aが差し込まれて、該雄型コネクタ316aを密接保持可能な雌型コネクタである。このACコネクタ318は、雄型コネクタ316aがプラス極とマイナス極の2端子からなる場合は、2ピン型のソケットに構成すればよく、雄型コネクタ316aがグランドを含む3端子からなる場合は、3ピン型のソケットに構成すればよい。
【0170】
ACケーブル316は、ACコネクタ318に接続される雄型コネクタ316aを一端部に備えるとともに、商用電源が供給されるコンセント320(図25参照)に接続可能な電源プラグ316bを他端部に備える。また、比較的遠い箇所にも電源プラグ316bが届くように、ACケーブル316は充分な長さを有することが好ましい。また、ACケーブル316は、筐体12(又は取っ手314)に設けられたケーブル収納部75に収納されるとよい。
【0171】
放射線画像撮影装置310は、電源プラグ316bがコンセント320に差し込まれたACケーブル316をACコネクタ318に接続することで、コンセント320(商用電源)から放射線検出パネル30及び制御部32に電力供給を行うことができる。
【0172】
図25に示すように、取っ手314の内部には、ACケーブル316から供給される交流電源を直流電源に変換可能なAC/DC変換アダプタ322と、ACケーブル316の接続状態を検出するACケーブル接続検出部324とが設けられる。AC/DC変換アダプタ322は、ACケーブル316から供給された交流電源を、放射線検出パネル30及び制御部32が使用可能な直流電源に変換する。ACケーブル接続検出部324は、ACコネクタ318(取っ手314)に対するACケーブル316の接続状態を検出する。この場合、ACケーブル接続検出部324は、ACケーブル316がACコネクタ318に物理的に接続したことを検出するのではなく、電源プラグ316bがコンセント320に接続され、電力供給可能となった状態のACケーブル316の接続を検出してもよい。
【0173】
一方、筐体12の内部に設けられる撮影切換制御部38は、ACケーブル接続検出部324に接続され、該ACケーブル接続検出部324が検出した検出結果(ACケーブル316の接続状態)に基づき、静止画撮影制御部34と動画撮影制御部36の駆動を切り換えるように構成される。すなわち、放射線画像撮影装置310は、ACケーブル316がACコネクタ318(取っ手314)に接続されない場合に、静止画撮影を実施可能とし、ACケーブル316がACコネクタ318(取っ手314)に接続された場合に、動画撮影を実施可能とする。
【0174】
また、筐体12には、AC/DC変換アダプタ322に接続される電源切換部326が設けられる。電源切換部326は、ACケーブル接続検出部324にも接続され、ACケーブル316の接続状態に基づき、放射線検出パネル30及び制御部32等に供給する電力を、バッテリ40からの供給と、ACケーブル316を介して供給された外部電源(コンセント320)からの供給と、に選択的に切り換える機能を有する。すなわち、ACケーブル316がACコネクタ318に接続されない場合には、バッテリ40から電力供給を行い、ACケーブル316がACコネクタ318(取っ手314)に接続された場合には、コンセント320からの電力供給を行う。
【0175】
さらに、電源切換部326は、ACケーブル316が接続された場合に、ACケーブル316から供給される電力を、放射線検出パネル30及び制御部32等に供給される電力と、バッテリ40に充電する電力に分配する。これにより、電源切換部326は、ACケーブル316から供給される電力をバッテリ40にも充電をすることができる。
【0176】
放射線画像撮影装置310は、以上のように構成することにより、動画撮影を行う場合に、外部電源(コンセント320)から電力供給がなされることになり、長時間動画撮影(放射線検出パネル30及び動画撮影制御部36の駆動)を行う場合でも、電力を安定的に供給することができる。
【0177】
なお、取っ手314は、第1〜第3実施形態に係る放射線画像撮影装置10、110、210と同様に、筐体12に対し着脱自在に構成されてもよい。この場合、取っ手314と筐体12の間には、直流電源を供給可能な電源用ケーブル328が配設される。すなわち、ACケーブル316を介して供給された交流電源は、AC/DC変換アダプタ322によって直流電源に変換され、電源用ケーブル328を介して放射線検出パネル30や制御部32に供給される。これにより、取っ手314は、システム全体における2つのケーブル316、328の中継器として機能し、医療機関外等において放射線画像の撮影場所から比較的遠い場所にコンセント320が設置されていても、ACケーブル316を届かせることができる。この場合、ACケーブル接続検出部324は、筐体12側に設けられて、筐体12に供給される直流電源の電流値を検出することで、ACケーブル316の接続状態を検出する構成としてもよい。
【0178】
図26は、第15変形例に係る放射線画像撮影システム311の全体構成を概略的に示す説明図である。
【0179】
第15変形例に係る放射線画像撮影システム311は、放射線画像撮影装置310に接続されるACケーブル316Aを用いて電力線通信を行う構成である。これにより、放射線画像撮影装置310が取得した放射線画像情報(静止画情報又は動画情報)を電力線通信によってデータ送信することが可能となる。
【0180】
具体的には、放射線画像撮影装置310が接続されたACケーブル316Aを室内に設けられる第1コンセント330に差し込むとともに、家屋の外面側に設けられる第2コンセント332に訪問車内の管理装置が接続されたACケーブル316Aを差し込む。これにより、屋内で撮影して取得した放射線画像情報を、第1コンセント330から屋内配線を介して第2コンセント332に送信することができ、さらに第2コンセント332から管理装置334に放射線画像情報を送信し、管理装置334に記憶させることができる。
【0181】
このように、ACケーブル316Aを利用した電力線通信を実現することで、例えば、屋内において被写体44を移動させることが難しい状況でも、放射線画像の撮影を行って取得した放射線画像情報を、訪問車336に簡単に送ることができ、該放射線画像情報を容易に管理することができる。
【0182】
以上のように、第4実施形態に係る放射線画像撮影装置310によれば、交流電源を供給可能なACケーブル316が取っ手314に接続されることで、ACケーブル316を介して、放射線検出パネル30及び制御部32に電力供給を行うことができる。また、撮影切換制御部38が、筐体12に対するACケーブル316の着脱状態を判定し、ACケーブル316が離脱されている場合に静止画撮影を実施可能とすることで、電力消費が少ない静止画撮影ではバッテリ40の電力が使用される。これに対しACケーブル316が接続されている場合に動画撮影を実施可能とすることで、長時間撮影を行い比較的電力消費が大きい動画撮影でもバッテリ40の蓄電量を気にすることなく撮影を継続することができる。
【0183】
この場合、取っ手314に、ACケーブル316から供給される交流電源を直流電源に変換するAC/DC変換アダプタ322を設けることで、取っ手314の内部スペースを有効活用することができる。また、筐体12内に直流変換器を設ける必要がなくなるため、筐体を小型化することができる。
【0184】
なお、放射線画像撮影装置310に接続される電灯線は、交流電源を供給するACケーブル316、316Aに限定されるものではなく、種々の態様を採用できることは勿論である。例えば、電灯線として直流電源用ケーブル(図示せず)を放射線画像撮影装置310に接続して、該放射線画像撮影装置310に直流電源を供給し、放射線画像の撮影を行うこともできる。この場合、筐体12や取っ手314にAC/DC変換アダプタ322を配設する必要がなくなるため、装置の小型化を図ることもできる。
【0185】
特に、近年は、自然エネルギー(太陽光、風力等)を利用した発電が推進されており、こうした発電装置では直流電源が容易に生成される。このため、直流電源用ケーブルを適用することで、直流電源(自然エネルギーを利用した電源)によって放射線画像の撮影を行うことができる。また、直流電源網が構築された地域に対しても、放射線画像撮影装置310を有効に活用することが可能となる。勿論、直流電源用ケーブルを用いた場合でも、直流電源線に適用可能な電力線通信装置等によって電力線通信を行うことができる。
【0186】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0187】
10、10A〜10C、110、110A、110B、210、210A、310…放射線画像撮影装置
11、111、311…放射線画像撮影システム
12、112…筐体
14、14a〜14d、114、114a〜114e、214、214a、314…取っ手
30…放射線検出パネル 32…制御部
34…静止画撮影制御部 36…動画撮影制御部
38…撮影切換制御部 40…バッテリ
68…通信用コネクタ 72…放熱口
74…高速通信用ケーブル 75…ケーブル収納部
78…コンソール 116…電源延長ケーブル
120、121、121a〜121c、152、316b…電源プラグ
132…AC/DC変換アダプタ 134…巻取り機構
216…電気機能モジュール 218…通信機能モジュール
220…カメラ 222…プロジェクタ
226…USB端子 228…アンテナ
240…電源用コネクタ 316、316A…ACケーブル
318…ACコネクタ 322…AC/DC変換アダプタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を検出して放射線画像情報に変換する放射線検出器を収容する筐体と、
前記筐体に着脱自在に装着され、該筐体の持ち運び時に把持可能な取っ手と、を備える放射線画像撮影装置であって、
前記放射線検出器を制御して、静止画情報を取得する静止画撮影と、動画情報を取得する動画撮影と、を選択的に実施する制御部を有し、
前記制御部は、前記筐体に対する前記取っ手の着脱状態を判定し、前記取っ手が装着される場合に前記静止画撮影を実施可能とし、前記取っ手が離脱される場合に前記動画撮影を実施可能とする
ことを特徴とする放射線画像撮影装置。
【請求項2】
請求項1記載の放射線画像撮影装置において、
前記筐体には、当該放射線画像撮影装置と外部装置との間で信号を伝送するための通信用ケーブルと接続可能な通信用コネクタが設けられ、
前記取っ手は、前記筐体に装着される場合に前記通信用コネクタを覆い、前記筐体から離脱される場合に前記通信用コネクタを露出させる
ことを特徴とする放射線画像撮影装置。
【請求項3】
請求項2記載の放射線画像撮影装置において、
前記通信用ケーブルは、前記制御部が取得した動画情報を前記外部装置に高速伝送可能な高速通信用ケーブルである
ことを特徴とする放射線画像撮影装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の放射線画像撮影装置において、
前記通信用ケーブルは、電力線通信を行う電力線通信モデムに接続される
ことを特徴とする放射線画像撮影装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置において、
前記筐体には、外部電源から当該放射線画像撮影装置に電力供給を行うための電源用ケーブルと接続可能な電源用コネクタが設けられ、
前記取っ手は、前記筐体に装着される場合に前記電源用コネクタを覆い、前記筐体から離脱される場合に前記電源用コネクタを露出させる
ことを特徴とする放射線画像撮影装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置において、
前記取っ手は、前記通信用ケーブル又は前記電源用ケーブルを収納するケーブル収納部を有する
ことを特徴とする放射線画像撮影装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置において、
前記筐体は、少なくとも前記動画撮影時に、前記放射線検出器又は前記制御部から発生する熱を放出可能な放熱口を有し、
前記取っ手は、前記筐体に装着される場合に前記放熱口を覆い、前記筐体から離脱される場合に前記放熱口を露出させる
ことを特徴とする放射線画像撮影装置。
【請求項8】
請求項7記載の放射線画像撮影装置において、
前記取っ手は、前記放熱口に係止する係止部を備え、該係止部が前記放熱口に係止されることで前記筐体に装着される
ことを特徴とする放射線画像撮影装置。
【請求項9】
所定の照射エネルギー量の放射線を被写体に照射する放射線源と、
前記被写体から透過された放射線を検出して放射線画像情報に変換する放射線検出器を収容する筐体、及び前記筐体に着脱自在に装着され該筐体の持ち運び時に把持可能な取っ手を備える放射線画像撮影装置と、を備える放射線画像撮影システムであって、
前記放射線画像撮影装置は、前記放射線検出器を制御して、静止画情報を取得する静止画撮影と、動画情報を取得する動画撮影と、を選択的に実施する制御部を有し、
前記制御部は、前記筐体に対する前記取っ手の着脱状態を検出し、前記取っ手が装着されている場合に前記静止画撮影を実施可能とし、前記取っ手が離脱されている場合に前記動画撮影を実施可能とし、
前記放射線源は、前記制御部による前記静止画撮影と前記動画撮影の切り換えにともない、前記放射線の照射エネルギー量を切り換える
ことを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項10】
放射線を検出して放射線画像情報に変換する放射線検出器を収容する筐体と、前記筐体に着脱自在に装着され、該筐体の持ち運び時に把持可能な取っ手と、を備える放射線画像撮影装置の撮影制御方法であって、
前記放射線検出器を制御して、静止画情報を取得する静止画撮影と、動画情報を取得する動画撮影と、を選択的に実施する制御部を有し、
前記制御部が前記筐体に対する前記取っ手の着脱状態を検出する検出ステップと、
前記取っ手が装着されている場合に前記静止画撮影を実施可能とし、前記取っ手が離脱されている場合に前記動画撮影を実施可能とする切換えステップと、を有する
ことを特徴とする放射線画像撮影装置の撮影制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−96762(P2013−96762A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238037(P2011−238037)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】