説明

放射線画像検出装置、放射線画像検出方法およびプログラム

【課題】簡易に省電力化が可能な放射線画像検出装置を提供する。
【解決手段】放射線検出器20の放射線検出領域を複数のブロックに分割し、それぞれのブロックにおける放射線の照射状態(照射量)を検出する。放射線を検出できなかった領域があれば、画像生成部電源54Aから、その領域に対応する画像読取部120A、120B,120Cへの電力供給を遮断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影対象部位を透過した放射線による示される放射線画像を撮影する放射線画像検出装置、放射線画像検出方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基板上に放射線感応層を配置し、放射線を直接、デジタルデータに変換できるFPD(Flat Panel Detector)等の放射線検出器が実用化され、この放射線検出器を用いて、照射された放射線により表わされる放射線画像を撮影する放射線画像撮影装置が実用化されている。放射線画像撮影装置に用いられる放射線検出器には、放射線を変換する方式として、放射線をシンチレータで光に変換した後にフォトダイオード等の半導体層で電荷に変換する間接変換方式や、放射線をアモルファスセレン等の半導体層で電荷に変換する直接変換方式等があり、各方式でも半導体層に使用可能な材料が種々存在する。
【0003】
ところで、この種の放射線画像撮影装置では、当該放射線画像撮影装置自身によって放射線の照射開始や照射停止、照射量等を検出することができれば、放射線画像撮影装置および放射線源等を統括的に制御する撮影制御装置と放射線源との接続を行う必要がなくなるため、システム構成を簡略化したり、撮影制御装置による制御を簡略化したりするうえで好ましい。
【0004】
一方、可搬型(携帯型)の放射線画像撮影装置は駆動電源を備える必要があり、操作状況等に応じて内部電源と外部電源とを切り替えて使用したり、あるいは一定時間使用しない場合、待機モードにすることが一般に行われている。例えば、特許文献1には、内部電源と外部電源とを切り替えて使用できる放射線画像検出器において、信号読出し回路が他の構成部材よりも消費電力が多いことから、撮影終了は、信号読出し回路に対する電力供給を停止(待機モード)して消費電力を抑える技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2の可搬型放射線画像撮影装置は、放射線検出領域のバイアス線を流れる電流により、放射線検出部の領域のうち、放射線画像撮影に使用されて放射線の照射を検出した領域のみを対象として、画像信号の読み出し処理や画像データの保存処理、画像データの送信処理を行うことで、放射線画像撮影の効率化、画像データの送信時間の短縮化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−208305号公報
【特許文献2】特開2010−212925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1の放射線画像検出器は、信号読出し回路への電力供給を停止して撮影待機モードとしている。また、特許文献2の可搬型放射線画像撮影装置では、放射線画像の撮影部位との関係で、放射線の照射を検出した領域と、検出しない領域とにおいて異なる処理を行うことで、電力供給モードと待機モードとを切り替えている。いずれの文献に記載の技術も、待機モードにおいて電力供給を停止しているため省電力が不十分である、という問題がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、簡易な方法で放射線画像検出装置の省電力化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の放射線画像検出装置は、照射された放射線の線量に応じて各々電荷を発生する複数の放射線検出素子が二次元状に配列された放射線検出パネルと、前記複数の放射線検出素子を複数に分割したブロックの各々に属する前記放射線検出素子に蓄積された電荷を読み出して画像データを取得する複数の画像取得手段と、前記複数のブロックの各々に対応した前記画像取得手段へ駆動用の電力を供給する電源と、予め定められた条件にしたがって前記ブロックに対応する前記画像取得手段へ前記電源からの電力の供給を遮断するように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の放射線画像検出装置によれば、前記放射線検出パネルの前記放射線が照射されない領域を検出する放射線検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記放射線検出手段によって放射線の照射が検出されないことを条件として、該放射線の照射が検出されない領域に対応する前記ブロックに属する前記画像取得手段へ前記電源からの電力の供給を遮断するように制御することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の放射線画像検出装置によれば、前記放射線画像検出装置に搭載されたバッテリのバッテリ残量を検知するバッテリ残量検知手段をさらに備え、前記制御部は、前記バッテリ残量検知手段で検知されたバッテリ残量を条件として該バッテリ残量が多くなるにしたがって、前記電力供給が遮断される前記複数の画像取得手段の対象範囲を減少させ、該バッテリ残量が少なくなるにしたがって、前記電力供給が遮断される前記複数の画像取得手段の対象範囲を拡大することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の放射線画像検出装置によれば、前記電力供給が遮断される前記複数の画像取得手段の対象範囲を減少させることで、前記照射された放射線を検出する前記ブロックの領域を拡大し、前記電力供給が遮断される前記複数の画像取得手段の対象範囲を拡大することで、前記照射された放射線を検出する前記ブロックの領域を縮小することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の放射線画像検出装置によれば、前記電力の供給が遮断された前記ブロックの領域を提示する提示手段をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の放射線画像検出装置は、前記電源が供給された前記画像取得手段に対応する前記ブロックの領域と、放射線画像の撮影対象部位の撮影に要する領域とを対比する対比手段と、前記ブロックの領域が前記撮影に要する領域よりも小さい場合、所定の報知を行う報知手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の放射線画像検出装置は、前記放射線検出素子が前記放射線の照射を受けて電荷を発生する半導体膜を有し、該電荷が前記複数の画素各々に設けられた蓄積容量に蓄積されるとともに、前記スイッチ素子により該蓄積容量に蓄積された電荷が読み出されることを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に記載の放射線画像検出装置は、前記放射線検出素子が照射された前記放射線を可視光に変換するシンチレータを有し、該変換された可視光が半導体層で電荷に変換された後、前記スイッチ素子により該電荷に応じた電気信号を出力することを特徴とする。
【0017】
また、上記の課題を解決するために、請求項9に記載の放射線画像検出方法は、放射線検出パネルに二次元状に配列され、照射された放射線の線量に応じて各々電荷を発生する複数の放射線検出素子を複数のブロックに分割し、画像取得手段により前記複数のブロックの各々に属する前記放射線検出素子に蓄積された電荷を読み出して画像データを取得し、前記複数のブロックの各々に対応した前記画像取得手段へ駆動用の電力を供給し、前記放射線検出パネルの前記放射線が照射されない領域を検出し、前記放射線の照射が検出されない領域に対応する前記ブロックに属する前記画像取得手段への前記電源からの電力の供給を遮断するように制御することを特徴とする。
【0018】
上記の課題を解決するために、請求項10に記載のプログラムは、照射された放射線の線量に応じて各々電荷を発生する複数の放射線検出素子が二次元状に配列された放射線検出パネルと、前記複数の放射線検出素子を複数に分割したブロックの各々に属する前記放射線検出素子に蓄積された電荷を読み出して画像データを取得する複数の画像取得手段と、前記複数のブロックの各々に対応した前記画像取得手段へ駆動用の電力を供給する電源と、を備えた放射線画像検出装置によって実行されるプログラムであって、コンピュータを、前記放射線検出パネルへの前記放射線の照射の有無を検出する放射線検出手段、前記放射線検出手段によって放射線の照射が検出されない領域に対応する前記ブロックに対する前記電源からの電力の供給を遮断するように制御する制御手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、放射線検出手段によって放射線検出パネルへの放射線の照射が検出されない領域についてのブロックに対応する画像読出手段へ電源からの電力の供給を遮断するので、簡単な構成で省電力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る放射線画像撮影装置の概略構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る電子カセッテに内蔵される放射線検出器の画素部分の構成を概略的に示す断面模式図である。
【図3】実施形態に係る放射線画像撮影装置の放射線検出器の構成を示す平面図である。
【図4】実施形態に係る放射線画像撮影装置の放射線検出器の構成を示す平面図である。
【図5】実施の形態に係る放射線検出器の構成を示す平面図である。
【図6】実施の形態に係る電子カセッテの構成を示す斜視図である。
【図7】電子カセッテの電気系の要部構成を含む、放射線画像撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態に係る画像生成部の構成を示す回路図である。
【図9】実施の形態に係る放射線照射検出部の構成を示す回路図である。
【図10】実施の形態に係る画像生成部の構成を示す回路図である。
【図11】実施の形態に係る放射線画像撮影装置の電子カセッテにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態に係る電子カセッテの電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図13】第2の実施の形態に係る電子カセッテにおける、バッテリ残量に基づく領域の拡大・縮小処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】第3の実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る放射線画像撮影装置の概略構成を示している。図1に示す放射線画像撮影装置104は、不図示の端末装置からの撮影依頼を受け付け、放射線画像の撮影スケジュールを管理するサーバからの指示に応じて、医師や放射線技師の操作により放射線画像の撮影を行う。放射線画像撮影装置104は、放射線源から曝射条件に従った線量とされた放射線Xを被検者に照射する放射線発生装置120と、被検者の撮影対象部位を透過した放射線Xを吸収して電荷を発生し、発生した電荷量に基づいて放射線画像を示す画像情報を生成する放射線検出器20を内蔵する電子カセッテ40と、電子カセッテ40に内蔵されているバッテリを充電するクレードル130と、電子カセッテ40および放射線発生装置120を制御するコンソール110と、を備えている。
【0022】
電子カセッテ40は、未使用時にはクレードル130の収容部に収納された状態で内蔵されているバッテリに充電が行われ、放射線画像の撮影時には放射線技師等によってクレードル130から取り出される。電子カセッテ40は、撮影姿勢が立位であれば立位台の保持部に保持され、撮影姿勢が臥位であれば臥位台の保持部に保持される。放射線画像撮影装置104では、放射線発生装置120とコンソール110との間、および電子カセッテ40とコンソール110との間で、無線通信によって各種情報の送受信を行う。
【0023】
なお、電子カセッテ40は、立位台の保持部や臥位台の保持部で保持された状態のみで使用されるものではなく、その可搬性から、腕部、脚部等を撮影する際には、保持部に保持されていない状態で使用することもできる。
【0024】
図2は、本発明の実施の形態に係る放射線画像撮影装置の電子カセッテに内蔵される放射線検出器の画素部分の構成を概略的に示す断面模式図である。図2に示すように、本実施の形態に係る放射線検出器20は、絶縁性の基板1上に、信号出力部14、センサ部13、およびシンチレータ8が順次積層しており、信号出力部14、センサ部13により画素が構成されている。画素は、基板1上に複数配列されており、各画素における信号出力部14とセンサ部13とが重なりを有するように構成されている。
【0025】
シンチレータ8は、センサ部13上に透明絶縁膜7を介して形成されており、上方(基板1の反対側)または下方から入射してくる放射線を光に変換して発光する蛍光体を成膜したものである。このようなシンチレータ8を設けることで、被写体を透過した放射線を吸収して発光することになる。シンチレータ8が発する光の波長域は、可視光域(波長360nm〜830nm)であることが好ましく、放射線検出器20によってモノクロ撮像を可能とするためには、緑色の波長域を含んでいることがより好ましい。
【0026】
シンチレータ8に用いる蛍光体としては、具体的には、放射線としてX線を用いて撮像する場合、ヨウ化セシウム(CsI)を含むものが好ましく、X線照射時の発光スペクトルが420nm〜700nmにあるCsI(Tl)(タリウムが添加されたヨウ化セシウム)を用いることが特に好ましい。なお、CsI(Tl)の可視光域における発光ピーク波長は565nmである。
【0027】
センサ部13は、上部電極6、下部電極2、および、これら上下の電極間に配置された光電変換膜4を有し、光電変換膜4は、シンチレータ8が発する光を吸収して電荷が発生する有機光電変換材料により構成されている。上部電極6は、シンチレータ8により生じた光を光電変換膜4に入射させる必要があるため、少なくともシンチレータ8の発光波長に対して透明な導電性材料で構成することが好ましい。より具体的には、上部電極6には、可視光に対する透過率が高く、抵抗値が小さい透明導電性酸化物(TCO;Transparent Conducting Oxide)を用いることが好ましい。なお、上部電極6としてAuなどの金属薄膜を用いることもできるが、透過率を90%以上得ようとすると抵抗値が増大し易いため、TCOの方が好ましい。例えば、ITO、IZO、AZO、FTO、SnO、TiO、ZnO等を好ましく用いることができ、プロセス簡易性、低抵抗性、透明性の観点からはITOが最も好ましい。なお、上部電極6は、全画素で共通の一枚構成としてもよく、画素毎に分割してもよい。
【0028】
光電変換膜4は、有機光電変換材料を含み、シンチレータ8から発せられた光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する。このように有機光電変換材料を含む光電変換膜4であれば、可視域にシャープな吸収スペクトルを持ち、シンチレータ8による発光以外の電磁波が光電変換膜4に吸収されることがほとんどなく、X線等の放射線が光電変換膜4で吸収されることによって発生するノイズを効果的に抑制することができる。
【0029】
光電変換膜4を構成する有機光電変換材料は、シンチレータ8で発光した光を最も効率よく吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータ8の発光ピーク波長と近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長とシンチレータ8の発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければシンチレータ8から発された光を十分に吸収することが可能である。具体的には、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、シンチレータ8の放射線に対する発光ピーク波長との差が、10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。
【0030】
このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、例えばキナクリドン系有機化合物およびフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。例えばキナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータ8の材料としてCsI(Tl)を用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能となり、光電変換膜4で発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。
【0031】
次に、本実施の形態に係る放射線検出器20に適用可能な光電変換膜4について具体的に説明する。本実施の形態に係る放射線検出器20における電磁波吸収/光電変換部位は、1対の電極2,6と、これらの電極2,6間に挟まれた有機光電変換膜4を含む有機層により構成することができる。この有機層は、より具体的には、電磁波を吸収する部位、光電変換部位、電子輸送部位、正孔輸送部位、電子ブロッキング部位、正孔ブロッキング部位、結晶化防止部位、電極、および層間接触改良部位等の積み重ね、もしくは混合により形成することができる。上記有機層は、有機p型化合物または有機n型化合物を含有することが好ましい。
【0032】
有機p型半導体(化合物)は、主に正孔輸送性有機化合物に代表されるドナー性有機半導体(化合物)であり、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物としては、電子供与性のある有機化合物であれば、いずれの有機化合物も使用可能である。
【0033】
有機n型半導体(化合物)は、主に電子輸送性有機化合物に代表されるアクセプター性有機半導体(化合物)であり、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは、2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であれば、いずれの有機化合物も使用可能である。
【0034】
有機p型半導体および有機n型半導体として適用可能な材料、および光電変換膜4の構成については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため、ここでは説明を省略する。なお、光電変換膜4は、さらにフラーレン若しくはカーボンナノチューブを含有させて形成してもよい。
【0035】
光電変換膜4の厚みは、シンチレータ8からの光を吸収する点では膜厚は大きいほど好ましいが、ある程度以上厚くなると光電変換膜4の両端から印加されるバイアス電圧により光電変換膜4に発生する電界の強度が低下して電荷が収集できなくなるため、30nm以上300nm以下が好ましく、より好ましくは、50nm以上250nm以下、特に好ましくは80nm以上200nm以下である。なお、図2に示す放射線検出器20では、光電変換膜4は、全画素で共通の一枚構成であるが、画素毎に分割してもよい。
【0036】
下部電極2は、画素毎に分割された薄膜とする。下部電極2は、透明または不透明の導電性材料で構成することができ、アルミニウム、銀等を好適に用いることができる。下部電極2の厚みは、例えば、30nm以上300nm以下とすることができる。
【0037】
センサ部13では、上部電極6と下部電極2の間に所定のバイアス電圧を印加することで、光電変換膜4で発生した電荷(正孔、電子)のうちの一方を上部電極6に移動させ、他方を下部電極2に移動させることができる。放射線検出器20では、上部電極6に配線が接続され、この配線を介してバイアス電圧が上部電極6に印加されるものとする。また、バイアス電圧は、光電変換膜4で発生した電子が上部電極6に移動し、正孔が下部電極2に移動するように極性が決められているものとするが、この極性は逆であってもよい。
【0038】
各画素を構成するセンサ部13は、少なくとも下部電極2、光電変換膜4、および上部電極6を含んでいればよいが、暗電流の増加を抑制するため、電子ブロッキング膜3および正孔ブロッキング膜5の少なくともいずれかを設けることが好ましく、両方を設けることがより好ましい。電子ブロッキング膜3は、下部電極2と光電変換膜4との間に設けることができ、下部電極2と上部電極6間にバイアス電圧を印加したときに、下部電極2から光電変換膜4に電子が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。電子ブロッキング膜3には、電子供与性有機材料を用いることができる。
【0039】
実際に電子ブロッキング膜3に用いる材料は、隣接する電極の材料および隣接する光電変換膜4の材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上電子親和力(Ea)が大きく、かつ、隣接する光電変換膜4の材料のイオン化ポテンシャル(Ip)と同等のIpもしくはそれより小さいIpを持つものが好ましい。この電子供与性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため、説明を省略する。
【0040】
電子ブロッキング膜3の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させるとともに、センサ部13の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、さらに好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
【0041】
正孔ブロッキング膜5は、光電変換膜4と上部電極6との間に設けることができ、下部電極2と上部電極6間にバイアス電圧を印加したときに、上部電極6から光電変換膜4に正孔が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。正孔ブロッキング膜5には、電子受容性有機材料を用いることができる。正孔ブロッキング膜5の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させるとともに、センサ部13の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、さらに好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
【0042】
実際に正孔ブロッキング膜5に用いる材料は、隣接する電極の材料および隣接する光電変換膜4の材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上イオン化ポテンシャル(Ip)が大きく、かつ、隣接する光電変換膜4の材料の電子親和力(Ea)と同等のEaもしくはそれより大きいEaを持つものが好ましい。この電子受容性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため、説明を省略する。
【0043】
なお、光電変換膜4で発生した電荷のうち、正孔が上部電極6に移動し、電子が下部電極2に移動するようにバイアス電圧を設定する場合には、電子ブロッキング膜3と正孔ブロッキング膜5の位置を逆にすればよい。また、電子ブロッキング膜3と正孔ブロッキング膜5は両方設けなくてもよく、いずれかを設けておけば、ある程度の暗電流抑制効果を得ることができる。
【0044】
図3は、各画素の下部電極2下方の基板1の表面に形成されている信号出力部の構成を概略的に示している。図3に示すように、信号出力部14は、下部電極2に対応して、下部電極2に移動した電荷を蓄積するコンデンサ9と、コンデンサ9に蓄積された電荷を電気信号に変換して出力する電界効果型薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、単に薄膜トランジスタともいう。)10が形成されている。コンデンサ9および薄膜トランジスタ10の形成された領域は、平面視において下部電極2と重なる部分を有しており、このような構成とすることで、各画素における信号出力部14とセンサ部13とが厚さ方向で重なりを有することとなる。なお、放射線検出器20(画素)の平面積を最小にするために、コンデンサ9および薄膜トランジスタ10の形成された領域が下部電極2によって完全に覆われていることが望ましい。
【0045】
コンデンサ9は、基板1と下部電極2との間に設けられた絶縁膜11を貫通して形成された導電性材料の配線を介して対応する下部電極2と電気的に接続されている。これにより、下部電極2で捕集された電荷をコンデンサ9に移動させることができる。
【0046】
薄膜トランジスタ10は、ゲート電極15、ゲート絶縁膜16、および活性層(チャネル層)17が積層され、さらに、活性層17上にソース電極18とドレイン電極19が所定の間隔を開けて形成されている。活性層17は、例えば、アモルファスシリコンや非晶質酸化物、有機半導体材料、カーボンナノチューブなどにより形成することができる。なお、活性層17を構成する材料は、これらに限定されるものではない。
【0047】
活性層17を構成する非晶質酸化物としては、In、GaおよびZnのうちの少なくとも1つを含む酸化物(例えばIn−O系)が好ましく、In、GaおよびZnのうちの少なくとも2つを含む酸化物(例えばIn−Zn−O系、In−Ga−O系、Ga−Zn−O系)がより好ましく、In、GaおよびZnを含む酸化物が特に好ましい。In−Ga−Zn−O系非晶質酸化物としては、結晶状態における組成がInGaO(ZnO)(mは6未満の自然数)で表される非晶質酸化物が好ましく、特に、InGaZnOがより好ましい。
【0048】
活性層17を構成可能な有機半導体材料としては、フタロシアニン化合物や、ペンタセン、バナジルフタロシアニン等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。なお、フタロシアニン化合物の構成については、特開2009−212389号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
【0049】
薄膜トランジスタ10の活性層17を非晶質酸化物や有機半導体材料、カーボンナノチューブで形成したものとすれば、X線等の放射線を吸収せず、あるいは吸収したとしても極めて微量に留まるため、信号出力部14におけるノイズの発生を効果的に抑制することができる。
【0050】
また、活性層17をカーボンナノチューブで形成した場合、薄膜トランジスタ10のスイッチング速度を高速化することができ、また、可視光域での光の吸収度合の低い薄膜トランジスタ10を形成できる。なお、カーボンナノチューブで活性層17を形成する場合、活性層17に極微量の金属性不純物を混入するだけで、薄膜トランジスタ10の性能は著しく低下するため、遠心分離などにより極めて高純度のカーボンナノチューブを分離・抽出して形成する必要がある。
【0051】
ここで、薄膜トランジスタ10の活性層17を構成する非晶質酸化物、有機半導体材料、カーボンナノチューブや、光電変換膜4を構成する有機光電変換材料は、いずれも低温での成膜が可能である。従って、基板1としては、半導体基板、石英基板、およびガラス基板等の耐熱性の高い基板に限定されず、プラスチック等の可撓性基板や、アラミド、バイオナノファイバを用いることもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の可撓性基板を用いることができる。このようなプラスチック製の可撓性基板を用いれば、軽量化を図ることもでき、例えば持ち運び等に有利となる。
【0052】
また、基板1には、絶縁性を確保するための絶縁層、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層、平坦性あるいは電極等との密着性を向上するためのアンダーコート層等を設けてもよい。
【0053】
一方、アラミドは、200度以上の高温プロセスを適用できるために透明電極材料を高温硬化させて低抵抗化でき、また、ハンダのリフロー工程を含むドライバICの自動実装にも対応できる。また、アラミドは、ITO(Indium Tin Oxide)やガラス基板と熱膨張係数が近いため、製造後の反りが少なく、割れにくい。また、アラミドは、ガラス基板等と比べて薄く基板を形成できる。なお、超薄型ガラス基板とアラミドを積層して基板を形成してもよい。
【0054】
また、バイオナノファイバは、バクテリア(酢酸菌、Acetobacter Xylinum)が産出するセルロースミクロフィブリル束(バクテリアセルロース)と透明樹脂との複合したものである。セルロースミクロフィブリル束は、幅50nmと可視光波長に対して1/10のサイズで、かつ高強度、高弾性、低熱膨張である。バクテリアセルロースにアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂を含浸・硬化させることで、繊維を60〜70%も含有しながら、波長500nmで約90%の光透過率を示すバイオナノファイバが得られる。バイオナノファイバは、シリコン結晶に匹敵する低い熱膨張係数(3〜7ppm)を有し、鋼鉄並の強度(460MPa)、高弾性(30GPa)で、かつフレキシブルであることから、ガラス基板等と比べて薄く基板1を形成できる。
【0055】
本実施の形態では、基板1上に、信号出力部14、センサ部13、透明絶縁膜7を順に形成することによりTFT基板30を形成し、当該TFT基板30上に光吸収性の低い接着樹脂等を用いてシンチレータ8を貼り付けることにより放射線検出器20を形成している。
【0056】
図4は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置の放射線検出器の構成を示す平面図である。図4に示すように、TFT基板30には、センサ部13、コンデンサ9、および薄膜トランジスタ10を含んで構成される画素32が一定方向(図4の行方向)、および当該一定方向に対する交差方向(図4の列方向)に2次元状に複数設けられている。
【0057】
また、放射線検出器20には、上記一定方向(行方向)に延設され、各薄膜トランジスタ10をオン・オフさせるための複数本のゲート配線34と、上記交差方向(列方向)に延設され、オン状態の薄膜トランジスタ10を介して電荷を読み出すための複数本のデータ配線36と、が設けられている。放射線検出器20は、平板状で、かつ平面視において外縁に4辺を有する四辺形状、より具体的には、矩形状に形成されている。
【0058】
ここで、放射線検出器20では、画素32の一部を用いて、後述するように複数のブロックに分割された放射線の検出領域それぞれにおける放射線の照射状態を検出しており、残りの画素32によって放射線画像の撮影を行う。なお、以下では、放射線の照射状態を検出するための画素32を放射線検出用画素32Aといい、残りの画素32を放射線画像取得用画素32Bという。
【0059】
放射線検出器20では、画素32における放射線検出用画素32Aを除いた放射線画像取得用画素32Bにより放射線画像の撮影を行うため、放射線検出用画素32Aの配置位置における放射線画像の画素情報を得ることができない。このため、放射線検出器20では、放射線検出用画素32Aを分散するように配置する一方、コンソール110により、放射線検出用画素32Aの配置位置における放射線画像の画素情報を、当該放射線検出用画素32Aの周囲に位置する放射線画像取得用画素32Bにより得られた画素情報を用いて補間することにより生成する欠陥画素補正処理を実行する。
【0060】
ここで、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置104では、撮影対象部位が腹部等である場合のように放射線検出器20による撮影領域の全域を用いて撮影を行う場合や、撮影対象部位が脚部、腕部、手部等である場合のように放射線検出器20による撮影領域の一部のみを用いて撮影を行う場合がある。また、放射線検出器20では、例えば、図5に模式的に示すように、撮影領域を短冊状に複数のブロックに分割し、撮影領域20A,20B,20Cそれぞれに放射線検出用画素32Aを配置する。具体的には、撮影領域20Aの中央部近傍の領域25A,25Bと、撮影領域20Bの中央部近傍の領域26A,26Bと、撮影領域20Cの中央部近傍の領域27A,27Bとに画素32Aを配置している。
【0061】
なお、ここでは、撮影領域を3ブロックに分けているが、分割の数はこれに限定されない。また、個々のブロックの面積が同一でも、異なっていてもよい。分割の形状も短冊状に限定されず、例えば、碁盤の目状に分割してもよいし、放射線検出器20の端部に対して角度を持った線で分割してもよい。さらには、撮影領域の中心に面積の異なる複数の矩形を同心状に配された形で分割してもよい。
【0062】
そして、放射線の照射状態を検出するため、放射線検出器20には、図4に示すように、放射線検出用画素32Aにおけるコンデンサ9と薄膜トランジスタ10との接続部が接続された、当該コンデンサ9に蓄積された電荷を直接読み出すための直接読出配線38が上記一定方向(行方向)に延設されている。なお、放射線検出器20では、上記一定方向に並ぶ複数の放射線検出用画素32Aに対して1本の直接読出配線38が割り当てられており、当該複数の放射線検出用画素32Aにおけるコンデンサ9と薄膜トランジスタ10との接続部が共通(単一)の直接読出配線38に接続されている。
【0063】
次に、本実施の形態に係る電子カセッテ40の構成について説明する。図6は、本実施の形態に係る電子カセッテ40の構成を示す斜視図である。図6に示すように、電子カセッテ40は、放射線を透過させる材料からなる筐体41を備えており、防水性、密閉性を有する構造とされている。電子カセッテ40は、手術室等で使用されるとき、血液やその他の雑菌が付着するおそれがある。そこで、電子カセッテ40を防水性、密閉性を有する構造として、必要に応じて殺菌洗浄することにより、1つの電子カセッテ40を繰り返し続けて使用することができる。
【0064】
筐体41の内部には、種々の部品を収容する空間Aが形成されており、当該空間A内には、放射線Xが照射される筐体41の照射面側から、被写体を透過した放射線Xを検出する放射線検出器20、および放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板43が順に配設されている。
【0065】
ここで、電子カセッテ40では、筐体41の平板状の一方の面の放射線検出器20の配設位置に対応する領域が放射線を検出可能な四辺形状の撮影領域41Aとされている。この筐体41の撮影領域41Aを有する面が電子カセッテ40における天板41Bとされており、本実施の形態に係る電子カセッテ40では、放射線検出器20が、TFT基板30が天板41B側となるように配置され、当該天板41Bの筐体41における内側の面(天板41Bの放射線が入射される面の反対側の面)に貼り付けられている。
【0066】
一方、筐体41の内部の一端側には、放射線検出器20と重ならない位置(撮影領域41Aの範囲外)に、後述するカセッテ制御部58や電源部70(図7参照。)を収容するケース42が配置されている。筐体41は、電子カセッテ40全体の軽量化を図るために、例えば、カーボンファイバ(炭素繊維)、アルミニウム、マグネシウム、バイオナノファイバ(セルロースミクロフィブリル)、または複合材料等で構成されている。
【0067】
複合材料としては、例えば、強化繊維樹脂を含む材料が用いられ、強化繊維樹脂には、カーボンやセルロース等が含まれる。具体的には、複合材料としては、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)や、発泡材をCFRPでサンドイッチした構造のもの、または発泡材の表面にCFRPをコーティングしたもの等が用いられる。なお、本実施の形態では、発泡材をCFRPでサンドイッチした構造のものが用いられている。これにより、筐体41をカーボン単体で構成した場合と比較して、筐体41の強度(剛性)を高めることができる。
【0068】
次に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置の電気系の要部構成について説明する。図7は、電子カセッテ40の電気系の要部構成を含む、放射線画像撮影装置の構成を示すブロック図である。図7に示すように、電子カセッテ40に内蔵された放射線検出器20は、隣り合う2辺の一辺側にゲート線ドライバ52が配置され、他辺側に画像生成部54が配置されている。TFT基板30の個々のゲート配線34(図7では、ゲート配線34a,34b,・・・と個別に表記し、必要に応じてこの符号を用いる。)はゲート線ドライバ52に接続され、TFT基板30の個々のデータ配線36は画像生成部54に接続されている。また、筐体41の内部には、画像メモリ56と、カセッテ制御部58と、無線通信部60と、を備えている。
【0069】
TFT基板30の各薄膜トランジスタ10は、ゲート線ドライバ52からゲート配線34を介して供給される信号により行単位で順にオンされ、オン状態とされた薄膜トランジスタ10によって読み出された電荷は、電気信号としてデータ配線36を伝送されて画像生成部54に入力される。これにより、電荷は行単位で順に読み出され、二次元状の放射線画像が取得可能となる。
【0070】
ここで、画像生成部54の構成について説明する。図8は、本実施の形態に係る画像生成部54の構成を示す回路図である。図8に示すように、画像生成部54は、放射線検出器20の撮影領域を3つのブロックに分割した撮影領域20A,20B,20Cに配置された画素より電荷信号を読み出すためのデータ配線36A,36B,36Cと、可変ゲインプリアンプ(チャージアンプ)83A,83B,83Cと、サンプルホールド回路84A,84B,84Cとが、撮影領域20A,20B,20Cそれぞれに対応して備えられている。可変ゲインプリアンプ83A,83B,83Cは、正入力(非反転電極)側が接地されたオペアンプ82Aと、オペアンプ82Aの負入力(反転電極)側と出力側との間に、それぞれ並列に接続されるコンデンサ82Bと、リセットスイッチ82Cとを含んで構成されており、リセットスイッチ82Cは、カセッテ制御部58により切り換えられる。
【0071】
また、本実施の形態に係る画像生成部54は、上記撮影領域20A,20B,20Cそれぞれに対応して、マルチプレクサ86A,86B,86C、およびA/D(アナログ/デジタル)変換器88A,88B,88Cが備えられている。なお、サンプルホールド回路84A,84B,84Cのサンプルタイミング、およびマルチプレクサ86A,86B,86Cに設けられたスイッチによる選択出力も、カセッテ制御部58により切り換えられる。
【0072】
電子カセッテ40には、画像生成部54に駆動用の電力を供給する画像生成部電源54Aが備えられている。画像生成部電源54Aは、電力入力端が後述する電源部70に接続されたDC−DCコンバータによって構成されており、DC−DCコンバータの出力端は、画像生成部54の可変ゲインプリアンプ83A,83B,83C、サンプルホールド回路84A,84B,84C、マルチプレクサ86A,86B,86C、およびA/D変換器88A,88B,88Cに接続されている。
【0073】
さらに、本実施の形態に係る画像生成部電源54Aの制御入力端にはカセッテ制御部58が接続されている。そして、カセッテ制御部58は、上述した可変ゲインプリアンプ、サンプルホールド回路、マルチプレクサ、およびA/D変換器を備える画像読取部として、撮影領域20A,20B,20Cそれぞれに対応する画像読取部120A、120B,120Cそれぞれに対して、スイッチ130A,130B,130Cを介して、画像生成部電源54Aからの電力供給開始および電力供給停止を制御する。
【0074】
放射線画像を検出する際に、カセッテ制御部58は、まず、可変ゲインプリアンプ83A,83B,83Cのリセットスイッチ82Cを所定期間オン状態とすることにより、コンデンサ82Bに蓄積されていた電荷を放電する。一方、放射線Xが照射されることによって放射線画像取得用画素32Bの各々のコンデンサ9に蓄積された電荷は、接続されている薄膜トランジスタ10がオン状態とされることにより電気信号として接続されているデータ配線36A,36B,36Cを伝送され、データ配線36A,36B,36Cを伝送された電気信号は、対応する可変ゲインプリアンプ83A,83B,83Cにより、予め定められた増幅率で増幅される。
【0075】
一方、カセッテ制御部58は、上述した放電を行った後、サンプルホールド回路84A,84B,84Cを所定期間駆動させることより、可変ゲインプリアンプ83A,83B,83Cによって増幅された電気信号の信号レベルをサンプルホールド回路84A,84B,84Cに保持させる。
【0076】
そして、各サンプルホールド回路84A,84B,84Cに保持された信号レベルは、カセッテ制御部58による制御に応じてマルチプレクサ86A,86B,86Cにより順次選択され、A/D変換器88A,88B,88CによってA/D変換されることにより、撮影された放射線画像を示す画像データが生成される。
【0077】
一方、画像生成部54には画像メモリ56が接続されており、画像生成部54のA/D変換器88A,88B,88Cから出力された画像データは画像メモリ56に順に記憶される。画像メモリ56は所定枚分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ56に順次記憶される。
【0078】
画像メモリ56はカセッテ制御部58と接続されている。カセッテ制御部58はマイクロコンピュータを含んで構成され、CPU(中央処理装置)58A、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ58B、フラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部58Cを備えており、電子カセッテ40全体の動作を制御する。
【0079】
さらに、カセッテ制御部58には無線通信部60が接続されている。無線通信部60は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g/n等に代表される無線LAN(Local Area Network)規格に対応しており、無線通信による外部機器との間での各種情報の伝送を制御する。カセッテ制御部58は、無線通信部60を介して、放射線画像の撮影に関する制御を行うコンソール110などの外部装置と無線通信が可能とされており、コンソール110等との間で各種情報の送受信が可能とされている。
【0080】
また、電子カセッテ40には電源部70が設けられており、上述した各種回路や各素子(ゲート線ドライバ52、画像生成部54、画像メモリ56、無線通信部60、カセッテ制御部58として機能するマイクロコンピュータ等)は、電源部70から供給された電力によって作動する。電源部70は、電子カセッテ40の可搬性を損なわないように、バッテリ(充電可能な二次電池)を内蔵しており、充電されたバッテリから各種回路・素子へ電力を供給する。なお、図7では、電源部70と各種回路や各素子を接続する配線を省略している。
【0081】
一方、本実施の形態に係る放射線検出器20は、放射線の照射状態を検出するために、TFT基板30を隔ててゲート線ドライバ52の反対側に放射線照射検出部55が配置されており、TFT基板30の個々の直接読出配線38(図7では、直接読出配線38a,38c,・・・と個別に表記し、必要に応じてこの符号を用いる。)は放射線照射検出部55に接続されている。
【0082】
ここで、本実施の形態に係る放射線照射検出部55の構成について説明する。図9は、本実施の形態に係る放射線照射検出部55の構成を示す回路図である。図9に示すように、放射線照射検出部55は、放射線検出用画素32Aに接続された直接読出配線38の各々に対応して、可変ゲインプリアンプ(チャージアンプ)92が備えられている。可変ゲインプリアンプ92は、正入力側が接地されたオペアンプ92Aと、オペアンプ92Aの負入力側と出力側との間に、それぞれ並列に接続されるコンデンサ92Bと、リセットスイッチ92Cとを含んで構成されており、リセットスイッチ92Cは、カセッテ制御部58により切り換えられる。また、放射線照射検出部55は、入力端が可変ゲインプリアンプ92の各々の出力端に接続され、出力端がカセッテ制御部58に接続された照射判定回路94が備えられている。
【0083】
放射線の照射状態を検出する際に、カセッテ制御部58は、まず、可変ゲインプリアンプ92のリセットスイッチ92Cを所定期間オン状態とすることにより、コンデンサ92Bに蓄積されていた電荷を放電する。一方、放射線Xが照射されることによって放射線検出用画素32Aの各々のコンデンサ9に蓄積された電荷は電気信号として接続されている直接読出配線38を伝送され、直接読出配線38を伝送された電気信号は、対応する可変ゲインプリアンプ92により、予め定められた増幅率で増幅された後に、照射判定回路94に入力される。
【0084】
本実施の形態に係る照射判定回路94では、可変ゲインプリアンプ92の各々から入力された電気信号に基づいて、放射線源121から照射された放射線Xの線量(以下、「放射線量」という。)を取得し、当該放射線量が予め定められた第1閾値に達したか否かを判定することにより、放射線の照射が開始されたか否かを判定して、判定結果を示す第1判定結果情報をカセッテ制御部58に出力する。
【0085】
また、本実施の形態に係る照射判定回路94では、上記放射線量が予め定められた第2閾値未満となったか否かを判定することにより、放射線の照射が終了されたか否かを判定して、判定結果を示す第2判定結果情報をカセッテ制御部58に出力する。
【0086】
なお、本実施の形態に係る照射判定回路94では、上記放射線の照射が開始されたか否かを判定する際には、撮影領域20A,20B,20Cの放射線検出用画素32Aに対応する全ての可変ゲインプリアンプ92からの出力信号に、当該出力信号によって示される放射線量が上記第1閾値に達したものが存在する場合に上記第1判定結果情報として放射線の照射が開始されたことを示す情報を出力するように制御する。
【0087】
また、本実施の形態に係る照射判定回路94では、上記放射線の照射が終了されたか否かを判定する際には、撮影領域20A,20B,20Cの放射線検出用画素32Aに対応する全ての可変ゲインプリアンプ92からの出力信号に、当該出力信号によって示される放射線量が上記第2閾値未満となったものが存在する場合に上記第2判定結果情報として放射線の照射が終了されたことを示す情報を出力するように制御する。
【0088】
なお、電子カセッテ40には、放射線照射検出部55に駆動用の電力を供給する放射線照射検出部電源55Aが備えられている。本実施の形態に係る放射線照射検出部電源55Aは、電力入力端が電源部70に接続されたDC−DCコンバータによって構成されており、当該DC−DCコンバータの出力端は、放射線照射検出部55の可変ゲインプリアンプ92および照射判定回路94に接続されている。
【0089】
ここで、本実施の形態に係る放射線照射検出部電源55Aの制御入力端にはカセッテ制御部58が接続されており、放射線照射検出部電源55Aからの電力供給開始および電力供給停止はカセッテ制御部58によって制御される。
【0090】
一方、図7に示すように、コンソール110は、サーバ・コンピュータとして構成されており、操作メニューや撮影された放射線画像等を表示するディスプレイ111と、複数のキーを含んで構成され、各種の情報や操作指示が入力される操作パネル112と、を備えている。
【0091】
コンソール110は、装置全体の動作を司るCPU113と、制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM114と、各種データを一時的に記憶するRAM115と、各種データを記憶して保持するHDD(ハードディスク・ドライブ)116と、ディスプレイ111への各種情報の表示を制御するディスプレイドライバ117と、操作パネル112に対する操作状態を検出する操作入力検出部118と、を備えている。また、コンソール110は、無線通信により、放射線発生装置120との間で後述する曝射条件等の各種情報の送受信を行うと共に、電子カセッテ40との間で画像データ等の各種情報の送受信を行う無線通信部119を備えている。
【0092】
CPU113、ROM114、RAM115、HDD116、ディスプレイドライバ117、操作入力検出部118、および無線通信部119は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU113は、ROM114、RAM115、HDD116へのアクセスを行うことができると共に、ディスプレイドライバ117を介したディスプレイ111への各種情報の表示の制御、および無線通信部119を介した放射線発生装置120および電子カセッテ40との各種情報の送受信の制御を各々行うことができる。また、CPU113は、操作入力検出部118を介して操作パネル112に対するユーザの操作状態を把握することができる。
【0093】
一方、放射線発生装置120は、放射線源121と、コンソール110との間で曝射条件等の各種情報を送受信する無線通信部123と、受信した曝射条件に基づいて放射線源121を制御する線源制御部122と、を備えている。線源制御部122もマイクロコンピュータを含んで構成されており、受信した曝射条件等を記憶する。このコンソール110から受信する曝射条件には管電圧、管電流等の情報が含まれている。線源制御部122は、受信した曝射条件に基づいて放射線源121から放射線Xを照射させる。このとき、被写体の大きさ等の撮影条件に合わせて、放射線Xを絞り込むこともある。
【0094】
次に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置の動作について説明する。まず、図10を参照して、放射線画像の撮影を行う際のコンソール110の動作について説明する。なお、図10は、操作パネル112を介して実行する旨の指示入力が行われた際にコンソール110のCPU113によって実行される放射線画像撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM114の所定領域に予め記憶されている。
【0095】
図10のステップ300では、予め定められた初期情報入力画面をディスプレイ111により表示させるようにディスプレイドライバ117を制御し、次のステップ302にて所定情報の入力待ちを行う。撮影者は、初期情報入力画面の下端近傍に表示されている終了ボタンを、操作パネル112を介して指定する。終了ボタンが指定されると、ステップ304に移行する。ステップ304では、上記初期情報入力画面において入力された情報(以下、「初期情報」という。)を電子カセッテ40に無線通信部119を介して送信した後、次のステップ306にて、上記初期情報に含まれる曝射条件を放射線発生装置120へ無線通信部119を介して送信することにより当該曝射条件を設定する。これに応じて放射線発生装置120の線源制御部122は、受信した曝射条件での曝射準備を行う。
【0096】
次のステップ308では、曝射開始を指示する指示情報を放射線発生装置120へ無線通信部119を介して送信する。これに応じて、放射線源121は、放射線発生装置120がコンソール110から受信した曝射条件に応じた管電圧、管電流、および曝射期間での放射線Xの射出を開始する。放射線源121から射出された放射線Xは、被検者を透過した後に電子カセッテ40に到達する。
【0097】
一方、電子カセッテ40のカセッテ制御部58は、上記初期情報を受信すると、照射判定回路94から出力されている第1判定結果情報が放射線の照射が開始されたことを示す情報となるまで待機した後、放射線画像の撮影動作を開始する。次いで、電子カセッテ40は、照射判定回路94から出力されている第2判定結果情報が放射線の照射が終了されたことを示す情報となるまで待機した後、撮影動作を終了する。そして、電子カセッテ40は、放射線画像の撮影動作を終了すると、当該撮影によって得られた画像データをコンソール110に送信する。
【0098】
次のステップ310では、上記画像データが電子カセッテ40から受信されるまで待機し、次のステップ312にて、受信した画像データに対し、前述した欠陥画素補正処理を施した後、シェーディング補正等の各種の補正を行う画像処理を実行する。続くステップ314では、上記画像処理が行われた画像データ(以下、「補正画像データ」という。)をHDD116に記憶し、次のステップ316にて、補正画像データにより示される放射線画像を、確認等を行うためにディスプレイ111によって表示させるようにディスプレイドライバ117を制御する。そして、ステップ318で、補正画像データを不図示のサーバへ病院内ネットワークを介して送信し、その後、本放射線画像撮影処理プログラムを終了する。なお、サーバへ送信された補正画像データはデータベースに格納され、医師が撮影された放射線画像の読影や診断等を行うことが可能となる。
【0099】
図11は、放射線画像撮影装置の電子カセッテにおける処理手順を示すフローチャートである。なお、図11は、コンソール110から上記初期情報を受信した際に電子カセッテ40のカセッテ制御部58におけるCPU58Aにより実行されるカセッテ撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはメモリ58Bの所定領域に予め記憶されている。
【0100】
図11のステップ400で、画像生成部電源54Aから画像生成部54への電力供給を開始するように画像生成部電源54Aを制御した後、続くステップ401で、放射線照射検出部電源55Aから放射線照射検出部55への電力供給を開始するように放射線照射検出部電源55Aを制御する。次のステップ402において、ゲート線ドライバ52を制御してゲート線ドライバ52から各ゲート配線34a,34b,34c,・・・に1ラインずつ順にオン信号を出力させ、放射線検出器20の各画素32におけるコンデンサ9に蓄積された電荷を放電させることにより、放射線検出用画素32Aおよび放射線画像取得用画素32Bの各画素32をリセットする。なお、本ステップ403の処理によって行われる各画素32のリセット動作は1回のみでもよく、複数回繰り返してもよい。
【0101】
次のステップ404では、照射判定回路94から上述した第1判定結果情報を取得し、ステップ406で、取得した第1判定結果情報が、放射線の照射が開始されたことを示すものであるか否かを判定する。そして、第1判定結果情報が照射開始を示していれば、処理をステップ408に移行する。このステップ408では、放射線検出器20の各画素32におけるコンデンサ9への電荷の蓄積を開始することにより、放射線画像の撮影動作を開始する。
【0102】
次のステップ410では、照射判定回路94から上述した第2判定結果情報を取得し、ステップ412において、取得した第2判定結果情報が、放射線の照射が終了されたことを示すものであるか否かを判定する。その第2判定結果情報が、照射が終了を示していれば、処理をステップ414に移行する。ステップ414では、上記ステップ400の処理によって開始した放射線照射検出部電源55Aから放射線照射検出部55への電力供給を停止するように放射線照射検出部電源55Aを制御し、続くステップ416で、上記ステップ408の処理によって開始した撮影動作を終了する。
【0103】
ステップ420で、照射判定回路94により、撮影領域を短冊状に3つのブロックに分割した撮影領域20A,20B,20Cそれぞれにおける放射線の照射線量を取得する。そして、撮影領域20A,20B,20Cのうち、放射線を検出できかなった領域があるかどうかを判定する。撮影領域20A,20B,20Cの中に放射線を検出できなかった領域があれば、カセッテ制御部58は、続くステップ422で、図8に示す画像読取部120A、120B,120Cのうち、放射線を検出できかなった領域に対応する画像読取部への画像生成部電源54Aからの電力供給を停止する。具体的には、カセッテ制御部58は、図8のスイッチ130A,130B,130Cのうち、放射線の不検出領域に対応する画像読取部に電源を供給するスイッチをOFFにして、電力供給を停止する。
【0104】
一方、撮影領域20A,20B,20Cのうち、放射線を検出できた領域に対応する画像読取部には電源が供給されているので、カセッテ制御部58は、ステップ424において、放射線が検出された領域に対応する画像読取部において画像データの読み出しを行う。すなわち、放射線が検出された撮影領域についてゲート線ドライバ52を制御してゲート線ドライバ52から各ゲート配線34a,34b,34c,・・・に1ラインずつ順にオン信号を出力させ、各ゲート配線34に接続された各薄膜トランジスタ10を1ラインずつ順にオンさせる。放射線検出器20は、各ゲート配線34に接続された各薄膜トランジスタ10を1ラインずつ順にオンされると、1ラインずつ順に各コンデンサ9に蓄積された電荷が電気信号として各データ配線36に流れ出す。各データ配線36に流れ出した電気信号は画像生成部54でデジタルの画像データに変換されて、画像メモリ56に記憶される。
【0105】
次のステップ426で、カセッテ制御部58は、放射線検出器20の各画素32におけるコンデンサ9の電荷の読み出しが終了した後の残留電荷や暗電流が蓄積された電荷を放電させることにより、放射線検出用画素32Aおよび放射線画像取得用画素32Bの各画素32をリセットする。また、画像生成部電源54Aから画像生成部54への電力供給を停止するように画像生成部電源54Aを制御する。そして、次のステップ428において、画像メモリ56に記憶された画像データを読み出し、読み出した画像データをコンソール110に無線通信部60を介して送信した後、本カセッテ撮影処理プログラムを終了する。
【0106】
なお、放射線検出器20は、図2のシンチレータ8が形成された側から放射線が照射されて、当該放射線の入射面の裏面側に設けられたTFT基板30により放射線画像を読み取る、いわゆる裏面読取方式とされた場合、シンチレータ8の上面側(TFT基板30の反対側)でより強く発光し、TFT基板30側から放射線が照射されて、当該放射線の入射面の表面側に設けられたTFT基板30により放射線画像を読み取る、いわゆる表面読取方式とされた場合、TFT基板30を透過した放射線がシンチレータ8に入射してシンチレータ8のTFT基板30側がより強く発光する。TFT基板30に設けられた各センサ部13には、シンチレータ8で発生した光により電荷が発生する。このため、放射線検出器20は、表面読取方式とされた場合の方が裏面読取方式とされた場合よりもTFT基板30に対するシンチレータ8の発光位置が近いため、撮影によって得られる放射線画像の分解能が高い。
【0107】
また、放射線検出器20は、光電変換膜4を有機光電変換材料により構成しており、光電変換膜4で放射線がほとんど吸収されない。このため、本実施の形態に係る放射線検出器20は、表面読取方式により放射線がTFT基板30を透過する場合でも光電変換膜4による放射線の吸収量が少ないため、放射線に対する感度の低下を抑えることができる。表面読取方式では、放射線がTFT基板30を透過してシンチレータ8に到達するが、このように、TFT基板30の光電変換膜4を有機光電変換材料により構成した場合、光電変換膜4での放射線の吸収が殆どなく放射線の減衰を少なく抑えることができるため、表面読取方式に適している。
【0108】
また、薄膜トランジスタ10の活性層17を構成する非晶質酸化物や光電変換膜4を構成する有機光電変換材料は、いずれも低温での成膜が可能である。このため、基板1を放射線の吸収が少ないプラスチック樹脂、アラミド、バイオナノファイバで形成することができる。このように形成された基板1は放射線の吸収量が少ないため、表面読取方式により放射線がTFT基板30を透過する場合でも、放射線に対する感度の低下を抑えることができる。
【0109】
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、放射線の検出領域(撮影領域)を複数のブロックに分割し、それぞれのブロックにおける放射線の照射状態(照射量)を検出し、放射線を検出できなかった領域があれば、その領域についてのブロックに対応する画像読取部への電力供給を遮断するように制御する。こうすることで、放射線検出器において消費電力の多い可変ゲインプリアンプ(チャージアンプ)を含む画像読取部(画像生成部)における消費電力の抑制・管理をブロック単位で行うことができ、電子カセッテ全体としての省電力化も可能となる。すなわち、放射線の照射を受けず、放射線画像の形成に寄与しない画素ブロックに対応する画像読取部への電力供給を簡単な構成で絶つことで省電力化できる。
【0110】
また、放射線検出用に設けられた複数の画素をセンサ部として、分割された検出領域それぞれにおける放射線の照射の有無を判定するので、簡易な回路で省電力のための構成を実現できる。
【0111】
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、放射線検出器20の複数のブロックに分割した撮影領域のうち、照射された放射線を検出できなかった領域に対応する画像読取部への電力供給を遮断することで、放射線検出器の省電力化を図る場合の形態例について説明した。ここでは、第2の実施の形態として、放射線検出器に内蔵されたバッテリの残量に基づいて撮影領域を拡大する構成について説明する。
【0112】
図12は、第2の実施の形態に係る電子カセッテの電気系の要部構成を示すブロック図である。図12に示す電子カセッテ40は、内蔵された電源部(バッテリ)70のバッテリ残量を検知するバッテリ残量検知部65を備えている。バッテリ残量検知部65で検知された電源部70のバッテリ残量は、バッテリ残量検知信号として、カセッテ制御部58に入力される。なお、図12に示す電子カセッテ40の他の構成要素は、図7に示す上記第1の実施の形態に係る放射線画像撮影装置を構成する電子カセッテと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0113】
図13は、第2の実施の形態に係る電子カセッテにおける、バッテリ残量に基づく撮影領域の拡大・縮小処理の流れを示すフローチャートである。図13のステップ501で、バッテリ残量検知部65で電源部70のバッテリ残量を検知する。続くステップ503では、カセッテ制御部58が、バッテリ残量検知部65で検知された電源部70のバッテリ残量が、「多い」「中位」「少ない」のいずれに属するかを判断する。ここで、バッテリ残量が多いとは、例えば、電源部70の端子電圧が予め定めた閾値1を超え、電源部70が満充電、あるいはそれに近い状態にあることを意味し、バッテリ残量が少ないとは、電源部70の端子電圧が予め定めた閾値2(<閾値1)より小さく、充電しなければ電子カセッテの継続的な使用が確保できない状態をいう。また、バッテリ残量が中程度とは、電源部70の端子電圧が閾値1と閾値2の間にあり、例えば、所定回数、電子カセッテの継続的な使用が保障されるバッテリ残量をいう。
【0114】
バッテリ残量が少ない場合、カセッテ制御部58は、ステップ505において、放射線照射検出部電源55Aからの電力供給の遮断対象とする画像読取部120A、120B,120Cの数を減らすように制御する(電力供給遮断範囲の拡大)。具体的には、画像生成部54のスイッチ130Aをオンにして、他のスイッチ130B,130Cをオフにする。これにより放射線検出器20の3つの撮影領域20A,20B,20C(図5および図8参照)のうち、撮影領域20Aに対応する画像読取部120Aにのみ電力が供給される。そして、ステップ507で、撮影領域20Aのみが使用可能であることをコンソールに可視表示する。
【0115】
上記の場合とは逆に、バッテリ残量が多い、または中程度の場合は、そのバッテリ残量に応じて、電力供給する画像読取部の数を増やし、撮影領域を拡大する(電力供給遮断範囲の縮小)。バッテリ残量が多い場には、ステップ513で、画像生成部54のスイッチ130A,130B,130Cすべてをオンにする。そして、ステップ515で、放射線検出器20のすべての撮影領域20A,20B,20Cが撮影に使用できる領域であることをコンソールに可視表示する。なお、バッテリ残量が中程度の状態にある場合には、ステップ509で、撮影領域20A,20B,20Cのうち2つの領域に対応する画像読取部に電力供給する。そして、ステップ511で、使用可能領域をコンソールに可視表示する。
【0116】
撮影可能範囲の表示は、上記に限定されず、放射線検出器20の右半分、あるいは左半分としてもよい。
【0117】
このように、第2の実施の形態に係る電子カセッテでは、電源部70のバッテリ残量に応じて段階的に、電力供給する画像読取部を拡大、あるいは縮小する。つまり、バッテリ残量が少なくなるに従って電力供給する画像読取部の範囲を拡大し、バッテリが回復するに従って、電力供給する画像読取部の範囲を縮小する。換言すれば、放射線検出器の撮影できる範囲(領域)を、予めバッテリ残量に応じて制限する。こうすることで、無線電子カセッテにおいて、短冊状に分割された撮影領域のうち、バッテリ残量に見合った範囲の撮影領域で放射線画像の撮影が可能となり、無線電子カセッテにおける省電力化を効率的に行える。
【0118】
さらに、バッテリ残量に応じて段階的に、電力供給する画像読取部を拡大、あるいは縮小する際、それに伴い放射線検出器20において撮影可能な領域をコンソールに可視表示するようにしたことで、技師等が円滑、かつ迅速に放射線画像の撮影業務を遂行できる。
【0119】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、上記第2の実施の形態による処理に加えて、撮影メニューと撮影可能領域とを考慮した処理を行う。図14は、第3の実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。なお、図14において、図13の処理と同一処理には同一の符号を付し、ここでは、それらの説明を省略する。
【0120】
図14のステップ601では、撮影メニューを取得する。例えば、手や腕部、脚部といった被検者の具体的な撮影部位を撮影メニューとして取得する。ステップ603において、上記ステップ601で取得した撮影メニューと、ステップ503で検知された電源部70のバッテリ残量に基づく撮影可能範囲とを対比する。そして、ステップ605において、当該撮影可能範囲が、撮影メニューで示された撮影部位を十分に撮影できるかどうかを判断する。撮影可能範囲が十分であれば、そのまま撮影処理に入る(ステップ609)。しかし、撮影部位に対して撮影可能範囲が狭い場合は、その旨をコンソール等への表示により報知する。
【0121】
このように、撮影メニューに対する撮影可能範囲の適否を判断して、その結果を報知することで、撮影部位が撮影可能範囲よりも大きすぎる等の場合、撮影の可否を直ちに判断できるので、技師に対してカセッテの交換を促すことで、結果として無駄な電力消費を抑えることができる。また、サイズの大きい撮影(例えば半切サイズ)を希望したにもかかわらず、小さい領域(例えば四切サイズ)での撮影しかできなかったといった不都合を防止できる。
【0122】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0123】
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0124】
例えば、撮影領域された個々の領域における放射線検出用画素の配置については、図5に示す例に限定されず、放射線検出用画素の配置位置には特に制限はない。なお、上記実施の形態では、放射線検出器20に設けられた画素32の一部を放射線検出用画素32Aとして用いているため、隣接する放射線検出用画素32Aが欠陥画素補正を実施可能な程度に離間していることが好ましいことは言うまでもない。
【0125】
また、上記実施の形態では、放射線検出用画素32Aを、放射線の照射開始および放射線の照射終了を検出するために用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可変ゲインプリアンプ92の出力を積分、若しくは累積加算することにより放射線の照射量を求めて適正な照射量のタイミングを検出することや、可変ゲインプリアンプ92の出力の最大値を求めることにより透視撮影等における被曝管理のための放射線源の管電圧や管電流に依存する放射線の単位時間当たりの照射線量率を検出するために放射線検出用画素32Aを用いる形態としてもよい。
【0126】
また、上記実施の形態では、放射線検出器20において行方向に並んだ放射線検出用画素32Aを共通の直接読出配線38に接続した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、全ての放射線検出用画素32Aについて異なる直接読出配線38に個別に接続する形態としてもよい。
【0127】
また、上記実施の形態では、初期情報の入力が終了したタイミングで放射線照射検出部55への電力供給を開始する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、放射線を曝射させる際に撮影者等によって押圧操作されるスイッチを設け、当該スイッチが押圧操作されたタイミングで放射線照射検出部55への電力供給を開始する形態としてもよい。
【0128】
また、上記実施の形態では、画像読み出しを行う際に放射線照射検出部55への電力供給を停止する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、画像読み出しを行う際にも放射線照射検出部55への電力供給を行う一方、放射線の照射開始を検出する際には画像生成部54への電力供給を停止する形態としてもよい。
【0129】
また、上記実施の形態では、放射線発生装置120により、コンソール110から曝射条件が設定され、曝射開始が指示された際に放射線源121による放射線の曝射を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、放射線発生装置120に対し、放射線の曝射を開始させる際と当該曝射を終了させる際に撮影者等によって操作されるスイッチを設けておき、当該スイッチに対する操作に応じて放射線の曝射の開始および終了を行うように、放射線発生装置120の線源制御部122により制御する形態としてもよい。
【0130】
また、上記実施の形態では、画像データを読み出す直前に画像生成部54への電力供給を開始する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、放射線の照射が開始されたことが検出された直後等の放射線の照射が開始されたことが検出された後で、かつ画像データの読み出しを開始する前の何れかのタイミングで画像生成部54への電力供給を開始する形態としてもよい。
【0131】
また、上記実施の形態では、本発明を画像生成部54および放射線照射検出部55への電力供給を制御する形態に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、放射線検出用画素32Aおよび放射線画像取得用画素32Bへのバイアス電圧の電力供給を制御する形態に適用してもよく、さらに画像生成部54および放射線照射検出部55への電力供給と、放射線検出用画素32Aおよび放射線画像取得用画素32Bへのバイアス電圧の電力供給の双方を制御する形態に適用してもよい。
【0132】
また、上記実施の形態では、放射線検出器20に設けられた画素32の一部を本発明の放射線検出素子に相当する放射線検出用画素32Aとして用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、一例として特許第4217443号公報に開示されているように、放射線検出用画素32Aを、画素32とは別層として放射線検出器20に積層する形態としてもよく、一例として特許第4217506号公報に開示されているように、画素32とは別に放射線検出用画素32Aと同様に作用する放射線検出素子を設ける形態としてもよい。この場合、欠陥画素が生じることがないため、上記各実施の形態に比較して、放射線画像の品質を向上させることができる。
【0133】
また、上記実施の形態では、放射線検出用画素32Aを、放射線を検出する専用の画素とした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、放射線検出用画素32Aを放射線画像取得用画素32Bと兼用する形態としてもよい。この場合の形態例としては、一例として特開2009−219538号公報に開示されているように、各画素に流れるバイアス電流の変化に基づいて放射線の照射状態を検出する形態が例示される。
【0134】
また、上記実施の形態では、本発明の放射線検出素子をTFT基板30に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電子カセッテ40の内部におけるTFT基板30とは異なる基板に設けてもよく、さらに、電子カセッテ40とは別体で放射線入射側、若しくは当該入射側とは反対側に重ねるように設ける形態等としてもよい。この場合にも上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0135】
また、上記実施の形態では、センサ部13が、シンチレータ8で発生した光を受光することにより電荷が発生する有機光電変換材料を含んで構成されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、センサ部13として有機光電変換材料を含まずに構成されたものを適用する形態としてもよい。
【0136】
また、上記実施の形態では、電子カセッテ40の筐体41の内部にカセッテ制御部58や電源部70を収容するケース42と放射線検出器20とを重ならないように配置した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、放射線検出器20とカセッテ制御部58や電源部70を重なるように配置してもよい。
【0137】
また、上記実施の形態では、電子カセッテ40とコンソール110との間、放射線発生装置120とコンソール110との間で、無線にて通信を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの少なくとも一方を有線にて通信を行う形態としてもよい。
【0138】
また、上記実施の形態では、放射線としてX線を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、γ線等の他の放射線を適用する形態としてもよい。
【0139】
その他、上記実施の形態で説明した電子カセッテ40の構成、撮影システム104の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したり、接続状態等を変更したりすることができることは言うまでもない。
【0140】
また、上記実施の形態で説明した初期情報の構成も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な情報を削除したり、新たな情報を追加したりすることができることは言うまでもない。
【0141】
また、上記実施の形態で説明した各種プログラムの処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ換えたりすることができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0142】
1 基板
8 シンチレータ
10 薄膜トランジスタ
13 センサ部
20 放射線検出器
30 TFT基板
32 画素
32A 放射線検出用画素(放射線検出素子)
32B 放射線画像取得用画素
36 データ配線(信号配線)
38 直接読出配線(放射線検出用配線)
40 電子カセッテ
54 画像生成部
55 放射線照射検出部
58 カセッテ制御部
58A CPU
65 バッテリ残量検知部
82 可変ゲインプリアンプ(第1のアンプ)
84 サンプルホールド回路
86 マルチプレクサ
88 A/D変換器
92 可変ゲインプリアンプ(第2のアンプ)
94 照射判定回路
110 コンソール
120 放射線発生装置
X 放射線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射された放射線の線量に応じて各々電荷を発生する複数の放射線検出素子が二次元状に配列された放射線検出パネルと、
前記複数の放射線検出素子を複数に分割したブロックの各々に属する前記放射線検出素子に蓄積された電荷を読み出して画像データを取得する複数の画像取得手段と、
前記複数のブロックの各々に対応した前記画像取得手段へ駆動用の電力を供給する電源と、
予め定められた条件にしたがって前記ブロックに対応する前記画像取得手段へ前記電源からの電力の供給を遮断するように制御する制御手段と、
を備えた放射線画像検出装置。
【請求項2】
前記放射線検出パネルの前記放射線が照射されない領域を検出する放射線検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記放射線検出手段によって放射線の照射が検出されないことを条件として、該放射線の照射が検出されない領域に対応する前記ブロックに属する前記画像取得手段へ前記電源からの電力の供給を遮断するように制御する
請求項1に記載の放射線画像検出装置。
【請求項3】
前記放射線画像検出装置に搭載されたバッテリのバッテリ残量を検知するバッテリ残量検知手段をさらに備え、
前記制御部は、前記バッテリ残量検知手段で検知されたバッテリ残量を条件として該バッテリ残量が多くなるにしたがって、前記電力供給が遮断される前記複数の画像取得手段の対象範囲を減少させ、該バッテリ残量が少なくなるにしたがって、前記電力供給が遮断される前記複数の画像取得手段の対象範囲を拡大する
請求項1記載の放射線画像検出装置。
【請求項4】
前記電力供給が遮断される前記複数の画像取得手段の対象範囲を減少させることで、前記照射された放射線を検出する前記ブロックの領域を拡大し、前記電力供給が遮断される前記複数の画像取得手段の対象範囲を拡大することで、前記照射された放射線を検出する前記ブロックの領域を縮小する
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
【請求項5】
前記電力の供給が遮断された前記ブロックの領域を提示する提示手段をさらに備える
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
【請求項6】
前記電源が供給された前記画像取得手段に対応する前記ブロックの領域と、放射線画像の撮影対象部位の撮影に要する領域とを対比する対比手段と、
前記ブロックの領域が前記撮影に要する領域よりも小さい場合、所定の報知を行う報知手段と、をさらに備える
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
【請求項7】
前記放射線検出素子は前記放射線の照射を受けて電荷を発生する半導体膜を有し、該電荷が前記複数の画素各々に設けられた蓄積容量に蓄積されるとともに、前記スイッチ素子により該蓄積容量に蓄積された電荷が読み出される
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
【請求項8】
前記放射線検出素子は照射された前記放射線を可視光に変換するシンチレータを有し、該変換された可視光が半導体層で電荷に変換された後、前記スイッチ素子により該電荷に応じた電気信号を出力する
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の放射線画像検出装置。
【請求項9】
放射線検出パネルに二次元状に配列され、照射された放射線の線量に応じて各々電荷を発生する複数の放射線検出素子を複数のブロックに分割し、画像取得手段により前記複数のブロックの各々に属する前記放射線検出素子に蓄積された電荷を読み出して画像データを取得し、
前記複数のブロックの各々に対応した前記画像取得手段へ駆動用の電力を供給し、
前記放射線検出パネルの前記放射線が照射されない領域を検出し、
前記放射線の照射が検出されない領域に対応する前記ブロックに属する前記画像取得手段への前記電源からの電力の供給を遮断するように制御する、
放射線画像検出方法。
【請求項10】
照射された放射線の線量に応じて各々電荷を発生する複数の放射線検出素子が二次元状に配列された放射線検出パネルと、前記複数の放射線検出素子を複数に分割したブロックの各々に属する前記放射線検出素子に蓄積された電荷を読み出して画像データを取得する複数の画像取得手段と、前記複数のブロックの各々に対応した前記画像取得手段へ駆動用の電力を供給する電源と、を備えた放射線画像検出装置によって実行されるプログラムであって、
コンピュータを、
前記放射線検出パネルへの前記放射線の照射の有無を検出する放射線検出手段、
前記放射線検出手段によって放射線の照射が検出されない領域に対応する前記ブロックに対する前記電源からの電力の供給を遮断するように制御する制御手段
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−76679(P2013−76679A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218044(P2011−218044)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】