説明

放熱ファン

【課題】 放熱ファンのファンホイールのハブの上部および羽根の上部が蓋板の底部にぶつかることを防止することができる。
【解決手段】 一個の基座1、一個の蓋板2、一個のファンホイール3および一個の補助軸4を有する。蓋板2は基座1の上部に位置される。ファンホイール3は一個の回動軸31によって回動自在に基座1に枢接され、ファンホイール3には一個の最高部位Tが含まれ、ファンホイール3の最高部位Tと蓋板2の底部の間には一個の第一隙間G1が含まれる。補助軸4はファンホイール3のハブ32の上部と蓋板2の底部の間に設けられ、補助軸4とハブ32の上部または蓋板2の底部の間には一個の第二隙間G2が含まれ、第二隙間G2は第一隙間G1より小さくなるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱ファンに関するもので、特にファンホイールのハブの上部またはその羽根の上部がその蓋板の底部にぶつかるのを防止することができ、かつ特別に一個の補助軸を利用してファンホイールのハブと蓋板の間に介在させることにより、羽根の上部またはハブの上部が蓋板の底部にぶつかるのを防止することができる放熱ファンに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来の放熱ファンとしては、例えば中華民国公告第M324400号(特許文献1を参照)の「送風ファン」においては、送風ファンには一個の底座および一個の上蓋が含まれ、上記底座には一個の底板が含まれ、上記上蓋には一個の上板が含まれ、かつ上記底板には一個の枢軸が形成され、上記枢軸が一個のファンホイールを枢接するのに用いられるため、上記ファンホイールは上記底板と上板の間に回動できるようにしたものがある。
【0003】
また、従来の放熱ファンとしては、例えば図11に示すように、従来の放熱ファンの使用方式において、放熱ファン9は一個の框体90の内に収容され、放熱ファン9によって一個の発熱部材91に対して放熱の効果を提供することができるもりがある。放熱ファン9において基座92には一個の軸管93が設けられ、軸管93の外周壁は一個のステータ組94が結合するのに用いられ、かつ軸管93の内周壁には軸受け95が設けられる。軸受け95はファンホイール96の回動軸961が回動自在に回動するのに用いられ、ファンホイール96はハブ962の外周壁から複数個の羽根963が放射状に設けられる。複数個の羽根963の上部はハブ962から突出しないように、またはハブ962の上部と平らになるように形成され、ステータ組94によって永久磁石964を有するファンホイール96が回動するように駆動することができる。また、ファンホイール96のハブ962の上部と一個の蓋板97の間には一個の隙間Pが含まれることにより、ファンホイール96が回動する時、ハブ962の上部および羽根963の上部が蓋板97にぶつかるのを防止することができる。さらに、ファンホイール96の回動軸961は軸受け95の底部まで突出することができるため、かつ突出される回動軸961の部分には係止リングなどの位置決め部材(図示なし)が設けられるため、ファンホイール96が回動する時にハブ962の上部および羽根963の上部が蓋板97にぶつかるのを防止することができるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中華民国公告第M324400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような中華民国公告第M324400号に提示される従来の放熱ファンの構造においては、一般的に次のような問題点を有している。ファンホイールが回動時において上方へ移動する現象が生じることにより、ファンホイールのそれぞれの羽根の上部と上蓋の上板の間にぶつかる現象が生じがちであり、ファンホイールの回動時において騒音が生じてしまういう問題点があった。
【0006】
また、上記のような図11に掲示される従来の放熱ファンの構造においては、一般的に次のような問題点を有している。従来の放熱ファン9のファンホイール96においてハブ962の上部および羽根963の上部と蓋板97の間には一個の隙間Pしか含まれず、またファンホイール96において永久磁石964とステータ組94の感応による磁気的吸引でハブ962の上部および羽根963の上部が蓋板97にぶつかるのを防止することができる。しかし、永久磁石964とステータ組94の感応による磁気の吸引力は限られることにより、ファンホイール96は依然として上方へ移動してしまうため、ハブ962の上部および羽根963の上部と蓋板97の間には依然としてぶつかる現象が生じ、そのためファンホイール96が回動する時、騒音が生じたり、ファンホイールの羽根や放熱ファンが壊れたりするという問題点があった。さらに、突出される回動軸961の部分に設けられた係止リングなどの位置決め部材により、ファンホイール96が上方へ移動してハブ962の上部および羽根963の上部が蓋板97にぶつかるのを避けることができるが、放熱ファン9の構造が複雑になるとともに、放熱ファン9の製造コストも相対的に高くなるという問題点があった。このように、上記のような従来の放熱ファンはさらなる改良を必要とするものであった。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みて発明されたものであって、その主な目的とするところは、放熱ファンのファンホイールのハブの上部および羽根の上部が蓋板の底部にぶつかることがない放熱ファンを提供することである。
【0008】
本発明の第二の目的は、放熱ファンのファンホイールのハブの上部および羽根の上部が蓋板の底部にぶつかることがなく、ファンホイールの回動時においてぶつかることによる騒音が生じるのを避けることができるとともに、ファンホイールの羽根および放熱ファンの損害率を低く抑えることができる放熱ファンを提供することである。
【0009】
本発明の第三の目的は、放熱ファンの構造を比較的簡単な構造にすることにより、製造コストを低く抑えることができる放熱ファンを提供することにある。
【0010】
本発明の第四の目的は、放熱ファンのファンホイールが一個の補助軸を有し、上記補助軸を蓋板の底部に当接することにより、ファンホイールの回動をさらに安定にすることができる放熱ファンのファンホイールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明による放熱ファンは、一個の基座、一個の蓋板、一個のファンホイールおよび一個の補助軸を有する。蓋板は基座の上部に位置される。ファンホイールは一個の回動軸によって回動自在に基座に枢接され、ファンホイールには一個の最高部位が含まれ、ファンホイールの最高部位と蓋板の底部の間には一個の第一隙間が含まれる。補助軸はファンホイールのハブの上部および蓋板の底部の間に設けられ、補助軸とハブの上部または蓋板の底部の間には一個の第二隙間が含まれ、第二隙間は第一隙間より小さくなるように形成される。
【0012】
また、基座の上には一個の保護板が設けられ、保護板はファンホイールの羽根の上部に位置され、ファンホイールの最高部位と保護板の底部の間には第一隙間が形成され、第二隙間が第一隙間より小さくなるように形成されることもできる。また、補助軸は一個の第一補助軸と一個の第二補助軸により構成され、ハブの上部には第一補助軸が設けられ、蓋板の底部には第二補助軸が設けられ、第一補助軸と第二補助軸の間には第二隙間が形成され、第二隙間は第一隙間より小さくなるように形成されることもできる。また、ファンホイールには一個の羽根突出高さが含まれ、補助軸には一個の長さが含まれ、羽根突出高さは補助軸の長さより小さくなるように形成されることもできる。また、補助軸はファンホイールのハブの上部に設けられることもできる。また、補助軸はファンホイールと一体に形成されることもできる。また、補助軸は蓋板の底部に設けられることもできる。また、補助軸はファンホイールの回転の中心位置に位置されることもできる。また、補助軸は回動軸から直接延伸してなるように形成されることもできる。また、補助軸が蓋板の底部に隣接する一端は円弧状、円錐状または尖状に形成されることもできる。また、第一補助軸と第二補助軸の隣接する端には少なくともその一端は円弧状、円錐状または尖状に形成されることもできる。また、蓋板の底部には一個の耐摩材が設けられ、耐摩材は補助軸の一端が当接するのに用いられることもできる。また、蓋板は基座に結合されることもできる。また、放熱ファンは一個の框体に結合され、蓋板は框体の一個の基板からなることもできる。また、基座には一個の風道が設けられ、風道には少なくとも一個の第一風口と少なくとも一個の第二風口が含まれ、かつ基座には他に一個の軸座が設けられ、ファンホイールは一個の回動軸によって軸座に枢接されることもできる。また、第一風口と第二風口は同じ水平方向に形成されることもできる。また、第一風口と第二風口は同じ軸方向に形成されることもできる。また、第一風口と第二風口は互いに直交する方向に形成されることもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の放熱ファンによれば、放熱ファンのファンホイールのハブの上部および羽根の上部が蓋板の底部にぶつかることがないという利点がある。
【0014】
本発明の放熱ファンによれば、放熱ファンのファンホイールのハブの上部および羽根の上部が蓋板の底部にぶつかることがないため、ファンホイールの回動時においてぶつかることによる騒音が生じるのを避けることができるとともに、ファンホイールの羽根および放熱ファンの損傷率を低く抑えることができるという利点がある。
【0015】
本発明の放熱ファンによれば、放熱ファンの構造が比較的簡単になるため、製造コストを低く抑えることができるという利点がある。
【0016】
本発明の放熱ファンによれば、放熱ファンのファンホイールは一個の補助軸を有し、補助軸を蓋板の底部に当接することにより、ファンホイールの回動がさらに安定になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の実施例1の放熱ファンの分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施例1の放熱ファンの組み立てられた状態の正面断面図である。
【図3】図3は、図2に示される補助軸が上昇した変位状態の説明図である。
【図4】図4は、本発明の実施例2の放熱ファンの組み立てられた状態の正面断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施例3の放熱ファンの組み立てられた状態の正面断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施例4の放熱ファンの組み立てられた状態の正面断面図である。
【図7】図7は、本発明の放熱ファンの使用例1の斜視図である。
【図8】図8は、図7のA−A線に沿った組み立てられた状態の正面断面図である。
【図9】図9は、本発明の放熱ファンの使用例2の斜視図である。
【図10】図10は、図9のA−A線に沿った組み立てられた状態の正面断面図である。
【図11】図11は、従来の放熱ファンの正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態について、以下、図面を参照して説明する。
【0019】
本発明において述べられる「放熱ファン」は、従来の軸流式ファン、遠心式ファン、送風式ファンまたは水平対流式ファンなどからなることができ、かつ、放熱ファンは気流を駆動して一個の風道において移動させることができるため、気流は風道の少なくとも一個の第一風口から上記風道の少なくとも一個の第二風口に向かって流動することは、本発明の技術分野を熟知したものにとって容易に予期及び理解することができるものである。
【0020】
また、本発明において述べられる「放熱ファン」は、従来の外回転子式放熱ファンまたは内回転子式放熱ファンからなることもできることは、本発明の技術分野を熟知したものにとって容易に予期及び理解することができるものである。
【0021】
本発明において用いられる用語「上部」、「底部」及び「側辺」は、図面上におけるある部材の上方位置の端部を「上部」、下方位置に位置する端部を「底部」、かつこれら「上部」と「底部」を連接する間を「側辺」と称している。
【0022】
本発明において用いられる用語「風道」は、第一風口と第二風口が含まれ、第一風口と第二風口は同じ水平方向に形成されるか、または同じ軸方向に形成されるか、同じ水平方向又は同じ垂直方向ではない方向に形成されるか、互いに直交する方向に形成されるか、或いは、互いにいかなる角度を有する方向に形成されることができる。
【0023】
本発明において用いられる用語「蓋板」は放熱ファンのファンホイールを保護することができ、放熱ファンの上部に形成される板片からなるか、または、放熱ファンが結合するのに用いられる一個の框体の基板からなることができる。
【0024】
本発明において用いられる用語「羽根」は、放熱ファンのファンホイールのハブの側辺に位置することができるか、放熱ファンのファンホイールのハブの側辺に位置してハブの上部から突出することができるか、放熱ファンのファンホイールのハブの側辺と上部に位置することができるか、或いは放熱ファンのファンホイールのハブの上部に位置することができるように形成できることは、従来の技術分野を熟知したものにとって容易に理解できることである。
【0025】
本発明において用いられる用語「羽根突出高さH」は、羽根がファンホイールのハブの上部から突出した高さを指し、羽根が放熱ファンのファンホイールのハブの側辺に位置する場合、またはファンホイールのハブの上部と平らになる場合、または羽根の上部がファンホイールのハブの上部から突出していない場合、羽根突出高さHはすなわちゼロとなる。
【0026】
本発明において用いられる用語「補助軸」は、単一の部材からなるか、または一個の第一補助軸と一個の第二補助軸により構成することができ、補助軸は一個の予定される長さLを有するか、または第一補助軸が一個の予定されるの長さL1からなり、かつ第二補助軸が一個の予定される長さL2からなり、第一補助軸の長さL1と第二補助軸の長さL2の総長さが長さLを指すことは、本発明の技術分野を熟知したものにとって容易に理解できることである。
【0027】
本発明において用いられる用語「ファンホイール最高部位T」は、ファンホイールから突出した最高部位を指し、羽根の上部がファンホイールのハブから突出した場合、「ファンホイール最高部位T」は羽根の上部であり、また、羽根の上部がファンホイールのハブの上部から突出していない場合、「ファンホイール最高部位T」はハブの上部である。本発明において述べられる「ファンホイール最高部位T」は、ハブの上部に位置する補助軸を含まない。
【0028】
本発明において用いられる用語「第一隙間G1」は、「ファンホイール最高部位T」と一個の蓋板の底部との間の距離を指す。
【0029】
本発明において用いられる用語「第一隙間G1’」は、「ファンホイール最高部位T」と一個の保護板の底部との間の距離を指す。
【0030】
本発明において用いられる用語「第二隙間G2」は、補助軸の一端と蓋板の底部の一つの距離を指すか、補助軸の一端とハブの上部の一つの距離を指すか、または第一補助軸と第二補助軸の間の一つの距離を指す。距離の長さがゼロである場合、補助軸の一端は蓋板の底部と互いに当接するか、補助軸の一端はハブの上部と互いに当接するか、または第一補助軸と第二補助軸は互いに当接することができることは、本発明の技術分野を熟知したものにとって容易に理解することができることである。
【実施例1】
【0031】
図1は本発明の実施例1の放熱ファンの分解斜視図で、図2は本発明の実施例1の放熱ファンの組み立てられた状態の正面断面図である。図1、2を参照すると、本発明の放熱ファンには一個の基座1、一個の蓋板2、一個のファンホイール3および一個の補助軸4が含まれる。蓋板2はファンホイール3の上方に位置合わせするように形成されることにより、ファンホイール3を保護することができる。ファンホイール3は基座1に相対して回動することができ、補助軸4は蓋板2とファンホイール3の間に介在するように形成されるため、ファンホイール3が蓋板2にぶつかることはない。
【0032】
基座1には一個の風道10が設けられ、風道10には少なくとも一個の第一風口11と少なくとも一個の第二風口12が含まれ、さらに基座1には一個の軸座13が設けられ、軸座13には軸受けなどの枢接部材14とステータ組15が設けられる。
【0033】
再び図1、2を参照すると、蓋板2は基座1の上部に位置され、蓋板2は位置決め部材21によって基座1に結合される。この結合方法は従来の係合、粘着またはその他の各種の固定方法を利用することができる。さらに、蓋板2の底部には一個の耐摩材22が設けられ、耐摩材22は補助軸4の一端が当接するのに用いられることにより、耐摩材22と補助軸4の補助的な支持によってファンホイール3の回動はさらに安定になる。
【0034】
ファンホイール3は一個の回動軸31によって基座1に相対して回動することができ、回動軸31は回動自在に基座1の軸座13に枢接され、かつ回動軸31と軸座13の間には一個の枢接部材14が設けられることにより、ファンホイール3の回動はさらにスムースになる。ファンホイール3には一個のハブ32が含まれ、ハブ32の上に複数個の羽根33が設けられる。複数個の羽根33はハブ32の上部から突出するように形成されることにより、一個の羽根突出高さHが形成される。ハブ32の内周壁には永久磁石34が設けられ、永久磁石34は基座1のステータ組15に対応するように形成されることにより、ステータ組15によってファンホイール3が回動するように駆動することができるため、気流は基座1の風道10で流動される。気流は基座1の第一風口11から第二風口12に向かって流動したり、または第二風口12から第一風口11に向かって流動したりするように形成される。
【0035】
ファンホイール3には一個のファンホイール最高部位Tが含まれ、ファンホイール最高部位Tと蓋板2の底部の間には一個の第一隙間G1が形成される。
【0036】
補助軸4はファンホイール3のハブ32の上部と蓋板2の底部との間に設けられ、かつ補助軸4はファンホイール3のハブ32の上部、または蓋板2の底部、或いは同時にファンホイール3のハブ32の上部と蓋板2の底部に設けられることができる。実施例1において、補助軸4はファンホイール3のハブ32の上部に設けられ、かつ補助軸4は回動軸31から直接延伸してなるように形成される。補助軸4は好ましくはファンホイール3の回動の中心位置に対応するように形成され、補助軸4には一個の予定の長さLが含まれる。補助軸4の長さLは好ましくは上述した羽根突出高さHより大きくなるように形成される。補助軸4の一端と蓋板2の底部の間には一個の第二隙間G2が含まれ、第二隙間G2は上述した第一隙間G1より小さくなるように形成される。第二隙間G2の長さはゼロより大きくまたは同じ(ゼロ)になるように形成される(G2≧0)。第二隙間G2がゼロである場合、補助軸4の一端は蓋板2の底部または耐摩材22に当接するように形成されるため、補助軸4はファンホイール3がさらに安定して回動するように補助することができる。補助軸4が蓋板2の底部に隣接する一端は、好ましくは円弧状、円錐状または尖状に形成されるため、補助軸4と蓋板2の底部または耐摩材22との接触時の摩擦力を低く抑えることができる。
【0037】
再び図2を参照すると、本発明の放熱ファンの実施例1の組み立てられた状態が掲示され、ファンホイール3は回動軸31によって基座1の枢接部材14に枢接され、基座1のステータ組15によってファンホイール3が回動するのを駆動することができる。ファンホイール最高部位Tと蓋板2の底部には一個の第一隙間G1が形成され、補助軸4の上部と蓋板2の底部には一個の第二隙間G2が形成され、第二隙間G2は第一隙間G1より小さくなるように形成される( G2<G1)。
【0038】
図3は図2に示される補助軸が上昇した変位状態の説明図である。図3を参照すると、ファンホイール3が基座1に対して上昇して変位が生じられた場合、第二隙間G2が第一隙間G1より小さくなるように形成されるため(G2<G1)、または補助軸4の長さLが羽根突出高さHより大きくなるように形成されるため(L>H)、上昇して変位されたファンホイール3は補助軸4の一端によって蓋板2の底部に当接するように形成されるだけで、ファンホイール最高部位Tが蓋板2の底部にぶつかるのを避けることができる(実施例1において、ファンホイール3の羽根33の上部が蓋板2の底部にぶつかるのを避けることができる)。また、蓋板2の底部に耐摩材22が設けられる場合、上昇して変位された補助軸4の一端が耐摩材22に当接した時、耐摩材22と補助軸4の補助的な支持によってファンホイール3の回動はさらに安定になる。
【実施例2】
【0039】
図4は本発明の実施例2の放熱ファンの組み立てられた状態の正面断面図である。図4を参照すると、補助軸4は直接ファンホイール3の上に成形、すなわち補助軸4は一個の金属材質からなってファンホイール3と一体に成形されるか、または、図4に示されるように、ファンホイール3と同じ材質で直接ハブ32の上部の表面に成形される。ファンホイール最高部位Tと蓋板2の底部には一個の第一隙間G1が含まれ、補助軸4の上部と蓋板2の底部には一個の第二隙間G2が形成される。第二隙間G2は第一隙間G1より小さいか(G2<G1)、または、補助軸4の長さLは羽根突出高さHより大きい(L>H)。そのため、上昇して変位されたファンホイール3は補助軸4の一端によって蓋板2の底部に当接するだけで、ファンホイール最高部位Tが蓋板2の底部にぶつかるのを避けることができる(実施例2において、ファンホイール3の羽根33の上部が蓋板2の底部にぶつかるのを避けることができる)。
【実施例3】
【0040】
図5は本発明の実施例3の放熱ファンの組み立てられた状態の正面断面図である。図5を参照すると、放熱ファンにも同様に一個の基座1、一個の蓋板2、一個のファンホイール3および一個の補助軸4が含まれる。基座1およびファンホイール3は実施例1と同じであるため、ここではその説明を割愛する。実施例3において、補助軸4には一個の第一補助軸41と一個の第二補助軸42が含まれ、第一補助軸41はハブ32の上部の表面から突出するように形成され、かつ第一補助軸41は回動軸31から直接延伸してなるように形成される。第一補助軸41には一個の予定の長さL1が含まれる。第二補助軸42は蓋板2の底部に位置するように形成され、第二補助軸42には一個の予定の長さL2が含まれる。第一補助軸41の長さL1と第二補助軸42の長さL2は協働して一個の長さLを形成する。
【0041】
第一補助軸41と第二補助軸42の総長さLは羽根突出高さHより大きくなるように形成されるか(L>H)、または、第一補助軸41と第二補助軸42の間に一個の第二隙間G2が形成され、ファンホイール最高部位Tと蓋板2の底部に一個の第一隙間G1が形成され、第二隙間G2が第一隙間G1より小さくなるように形成される(G2<G1)。第一補助軸41と第二補助軸42は好ましくは同じ中心線上に位置するように形成され、かつ第一補助軸41と第二補助軸42の隣接する端には少なくともその一端は好ましくは円弧状、円錐状または尖状に形成されるため、第一補助軸41と第二補助軸42の接触時の摩擦力を低く抑えることができる。そのため、上昇して変位されたファンホイール3は第一補助軸41の一端によって第二補助軸42の底部に当接するように形成されるだけで、ファンホイール最高部位Tが蓋板2の底部にぶつかるのを避けることができる(実施例3において、ファンホイール3の羽根33の上部が蓋板2の底部にぶつかるのを避けることができる)。
【実施例4】
【0042】
図6は本発明の実施例4の放熱ファンの組み立てられた状態の正面断面図である。図6を参照すると、放熱ファンにも同様に一個の基座1、一個の蓋板2、一個のファンホイール3および一個の補助軸4が含まれる。基座1およびファンホイール3は実施例1と同じであるため、ここではその説明を割愛する。実施例4において、補助軸4は直接蓋板2の上に成形、すなわち補助軸4は一個の金属材質からなって蓋板2と一体に成形されるか、または、図6に示されるように、蓋板2と同じ材質で直接蓋板2の底部の表面に成形される。補助軸4の底部とファンホイール3のハブ32の上部には第二隙間G2が形成される。その他にファンホイール最高部位Tと蓋板2の底部には一個の第一隙間G1が含まれ、第二隙間G2は第一隙間G1より小さくなるように形成されるか(G2<G1)、または補助軸4の長さLが羽根突出高さHより大きくなるように形成される(L>H)。そのため、上昇して変位されたファンホイール3はファンホイール3のハブ32の上部によって補助軸4の底部に当接するだけで、ファンホイール最高部位Tが蓋板2の底部にぶつかるのを避けることができる(実施例4において、ファンホイール3の羽根33の上部が蓋板2の底部にぶつかるのを避けることができる)。
【0043】
〔使用例1〕
図7は本発明の放熱ファンの使用例1の斜視図で、図8は図7のA−A線に沿った組み立てられた状態の正面断面図である。図7、8を参照すると、本発明の放熱ファンの使用例1において、ファンホイール3は回動自在に基座1に枢接され、かつ羽根33によって気流を第一風口11から第二風口12に向かって移動するように駆動することができるため、第二風口12に設けられる発熱部材5に対して放熱を行なうことができる。
【0044】
基座1と発熱部材5は一個の框体51に結合される。使用例1において、蓋板2は框体51の一個の基板からなり、かつファンホイール最高部位Tと蓋板2の底部の間には一個の第一隙間G1が形成され、補助軸4の一端と蓋板2の間には第二隙間G2が形成される。第二隙間G2は第一隙間G1より小さくなるように形成されるか(G2< G1)、または補助軸4の長さLが羽根突出高さHより大きくなるように形成されるため(L>H)、ファンホイール3が上昇して変位された時、ファンホイール3は補助軸4の一端によって蓋板2の底部に当接するだけで、ファンホイール最高部位Tが蓋板2の底部にぶつかるのを避けることができる(使用例1において、ファンホイール3の羽根33の上部およびハブ33の上部が蓋板2の底部にぶつかるのを避けることができる)。
【0045】
〔使用例2〕
図9は本発明の放熱ファンの使用例2の斜視図である。図9を参照すると、本発明の放熱ファンの使用例2において、放熱ファンは一個のファンホイール3および一個の基座1により構成され、かつ放熱ファンには他に一個の保護板16が設けられる。保護板16は従来の係合、粘着またはその他の各種の固定方法を利用して基座1に結合することができる。保護板16はファンホイール3の羽根33の上部に位置され、かつ保護板16によって第一風口11が形成されるため、気流は第一個の風口11から第二風口12に向かって移動するように形成、すなわち、発熱部材5から生成される熱エネルギーが第一風口11から引き込まれ、そして第二風口12から送り出されて放熱を行なうことができるように形成される。基座1および発熱部材5は一個の框体51に結合される。この結合方法は従来の係合、粘着またはその他の各種の固定方法を利用することができる。使用例2において、蓋板2は框体51の一個の基板からなる。
【0046】
図10は図9のA−A線に沿った組み立てられた状態の正面断面図である。図10を参照すると、補助軸4には一個の長さLが含まれ、補助軸4の一端と蓋板2の底部の間には一個の第二隙間G2が形成され、ファンホイール最高部位Tと保護板16の底部の間には一個の第一隙間G1’が形成される。第二隙間G2は第一隙間G1’より小さくなるように形成される(G2<G1’)か、または補助軸4の長さLが羽根突出高さHより大きくなるように形成される(L>H)ため、ファンホイール3が上昇して変位された時、ファンホイール3は補助軸4の一端によって蓋板2の底部に当接するだけで、ファンホイール3のハブ32の上部が蓋板2の底部にぶつかるのを避けることができ、さらに羽根33の上部が保護板16の底部にぶつかるのを避けることができる。
【0047】
上述のように、本発明の放熱ファンによれば、ファンホイールのハブの上部に補助軸が設けられるため、放熱ファンのファンホイールのハブの上部および羽根の上部が蓋板の底部にぶつかることがないという効果を有する。
【0048】
本発明の放熱ファンによれば、放熱ファンのファンホイールのハブの上部および羽根の上部が蓋板の底部にぶつかることがないため、ファンホイールの回動時においてぶつかるによる騒音が生じるのを避けることができるとともに、ファンホイールの羽根および放熱ファンの損傷率を低く抑えることができるという効果を有する。
【0049】
本発明の放熱ファンによれば、一個の補助軸を増やすだけで、放熱ファンの構造が比較的簡単になるため、製造コストを低く抑えることができるという効果を有する。
【0050】
本発明の放熱ファンによれば、放熱ファンのファンホイールのハブの上部に一個の補助軸を設け、補助軸を蓋板の底部に当接することにより、ファンホイールの回動がさらに安定になるという効果を有する。
【0051】
本発明は、その精神とび必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。従って、本明細書に記載した好ましい実施例は例示のなものであり、限定のなものではない。
【符号の説明】
【0052】
1 基座
10 風道
11 第一風口
12 第二風口
13 軸座
14 枢接部材
15 ステータ組
16 保護板
2 蓋板
21 位置決め部材
22 耐摩材
3 ファンホイール
31 回動軸
32 ハブ
33 羽根
34 永久磁石
4 補助軸
41 第一補助軸
42 第二補助軸
5 発熱部材
51 框体
9 放熱ファン
90 框体
91 発熱部材
92 基座
93 軸管
94 ステータ組
95 軸受け
96 ファンホイール
961 回動軸
962 ハブ
963 羽根
964 永久磁石
97 蓋板
G1 第一隙間
G2 第二隙間
G1’ 第一隙間
H 羽根突出高さ
L 長さ
L1 長さ
L2 長さ
T ファンホイール最高部位
P 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一個の基座(1)、一個の蓋板(2)、一個のファンホイール(3)および一個の補助軸(4)を有する放熱ファンにおいて、蓋板(2)は基座(1)の上部に位置され、ファンホイール(3)は一個の回動軸(31)によって回動自在に基座(1)に枢接され、ファンホイール(3)には一個の最高部位(T)が含まれ、ファンホイール(3)の最高部位(T)と蓋板(2)の底部の間には一個の第一隙間(G1)が含まれ、補助軸(4)はファンホイール(3)のハブ(32)の上部および蓋板(2)の底部の間に設けられ、補助軸(4)とハブ(32)の上部または蓋板(2)の底部の間には一個の第二隙間(G2)が含まれ、第二隙間(G2)は第一隙間(G1)より小さくなるように形成されることを特徴とする放熱ファン。
【請求項2】
基座(1)の上には一個の保護板(16)が設けられ、保護板(16)はファンホイール(3)の羽根(33)の上部に位置され、ファンホイール(3)の最高部位(T)と保護板(16)の底部の間には第一隙間(G1’)が形成され、第二隙間(G2)は第一隙間(G1’)より小さくなるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の放熱ファン。
【請求項3】
補助軸(4)は一個の第一補助軸(41)と一個の第二補助軸(42)により構成され、ハブ(32)の上部には第一補助軸(41)が設けられ、蓋板(2)の底部には第二補助軸(42)が設けられ、第一補助軸(41)と第二補助軸(42)の間には第二隙間(G2)が形成され、第二隙間(G2)は第一隙間(G1)より小さくなるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の放熱ファン。
【請求項4】
ファンホイール(3)には一個の羽根突出高さ(H)が含まれ、補助軸(4)には一個の長さ(L)が含まれ、羽根突出高さ(H)は補助軸(4)の長さ(L)より小さくなるように形成されることを特徴とする請求項1、2または3に記載の放熱ファン。
【請求項5】
補助軸(4)はファンホイール(3)のハブ(32)の上部に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の放熱ファン。
【請求項6】
補助軸(4)はファンホイール(3)と一体に形成されることを特徴とする請求項5に記載の放熱ファン。
【請求項7】
補助軸(4)は蓋板(2)の底部に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の放熱ファン。
【請求項8】
補助軸(4)はファンホイール(3)の回転の中心位置に位置されることを特徴とする請求項1、2または3に記載の放熱ファン。
【請求項9】
補助軸(4)は回動軸(31)から直接延伸してなるように形成されることを特徴とする請求項1、2または3に記載の放熱ファン。
【請求項10】
補助軸(4)が蓋板(2)の底部に隣接する一端は円弧状、円錐状または尖状に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の放熱ファン。
【請求項11】
第一補助軸(41)と第二補助軸(42)の隣接する端には少なくともその一端は円弧状、円錐状または尖状に形成されることを特徴とする請求項3に記載の放熱ファン。
【請求項12】
蓋板(2)の底部には一個の耐摩材(22)が設けられ、耐摩材(22)は補助軸(4)の一端が当接するのに用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の放熱ファン。
【請求項13】
蓋板(2)は基座(1)に結合されることを特徴とする請求項1、2または3に記載の放熱ファン。
【請求項14】
放熱ファンは一個の框体(51)に結合され、蓋板(2)は框体(51)の一個の基板からなることを特徴とする請求項1、2または3に記載の放熱ファン。
【請求項15】
基座(1)には一個の風道(10)が設けられ、風道(10)には少なくとも一個の第一風口(11)と少なくとも一個の第二風口(12)が含まれ、かつ基座(1)には他に一個の軸座(13)が設けられ、ファンホイール(3)は一個の回動軸(31)によって軸座(13)に枢接されることを特徴とする請求項1、2または3に記載の放熱ファン。
【請求項16】
第一風口(11)と第二風口(12)は同じ水平方向に形成されることを特徴とする請求項15に記載の放熱ファン。
【請求項17】
第一風口(11)と第二風口(12)は同じ軸方向に形成されることを特徴とする請求項15に記載の放熱ファン。
【請求項18】
第一風口(11)と第二風口(12)は互いに直交する方向に形成されることを特徴とする請求項15に記載の放熱ファン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−229689(P2012−229689A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206888(P2011−206888)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(597149629)建準電機工業股▲分▼有限公司 (53)
【Fターム(参考)】