説明

放熱部材及び電子機器

【課題】放熱特性に優れた熱伝導路を有する放熱部材及びそれを用いた電子機器を提供する。
【解決手段】放熱部材において、柱状ヒートシンク3は、凝固金属体でなり、凝固金属体は、基板1に設けられた孔30を鋳型として孔30の内部で凝固され、孔30を充たし、孔30の側壁面に密着している。しかも、孔30の内部で凝固され、孔30の側壁面に密着した凝固金属体は、巣、空隙、空洞のない緻密な構造を持つようになるから、熱伝導性及び放熱特性に優れた柱状ヒートシンク3となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱部材及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
各種電子機器では、例えば、半導体チップ間を貫通電極で接続するいわゆるTSV(Through Silicon Via)技術に見られるように、高密度化、高性能化及び高速化等を図りつつ、小型化、薄型化、軽量化を達成するための技術開発が進められている。
【0003】
ところが、積層化による高密度化、高性能化、高速化、小型化、薄型化及び軽量化が進展するにつれて、動作によって発生する熱量が増大する一方、その放熱構造の構築が難しくなり、いかにして放熱するかが、大きな問題となる。放熱が不十分であると、発生した熱が蓄積され、異常発熱に至り、電子部品の接合強度が失われ、電気的接続の信頼性が損なわれたり、あるいは、電子部品の電気的特性が変動し、最悪の場合には、熱暴走、熱破壊等を招きかねないからである。
【0004】
また、自動車産業では、エンジンとモータを組み合わせて走行するハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle、以下HV車と称する)、及び、電気をエネルギー源とし、モータを動力源として走行する電気自動車(Electric Vehicle、以下EV車と称する)の出現により、モータ駆動用インバータ等、大電流電子機器が車載されるようになり、その放熱対策が要求されるようになっている。また、自動車ランプとしてLEDが自使用されるようになり、ランプ制御用大規模集積回路装置(LSI)等においても、有効な放熱手段が求められている。
【0005】
このような放熱手段として、従来より種々の技術が知られている。例えば、特許文献1は、Ag粉末を含む導電性ペーストを充填して伝熱ビア導体を形成する技術を開示している。また、特許文献2は、熱伝導率の優れた金属(銅、はんだ、金)製であるか、発光素子サブマウント構造体の上面から孔を空け、孔の側面に金メッキを施して、はんだを充填することで、サーマルビアを形成する技術を開示している。特許文献3は、銀ペースト、銅ペースト等の金属粉含有樹脂や、金属棒と金属粉含有樹脂の複合体等を用いた導熱体を開示している。更に、特許文献4は、Cu、Niなどの金属を用いたサーマルビアを開示している。しかし、何れの従来技術の場合も、放熱特性の向上や、製造コスト低減等、改善すべき問題を抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−294253号公報
【特許文献2】特開2005−158957号公報
【特許文献3】特開平10−098127号公報
【特許文献4】特開2007−294834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、放熱特性に優れた熱伝導路を有する放熱部材及びそれを用いた電子機器を提供することである。
【0008】
本発明のもう一つの課題は、放熱特性に優れた熱伝導路を短時間で、効率よく形成することができる放熱部材及びそれを用いた電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明に係る放熱部材は、基板と、柱状ヒートシンクとを有する。前記柱状ヒートシンクは、凝固金属体でなり、前記凝固金属体は、前記基板に設けられた孔を鋳型として前記孔内で凝固され、前記孔を充たし、前記孔の側壁面に密着している。
【0010】
上述したように、本発明に係る放熱部材において、柱状ヒートシンクは、凝固金属体でなり、凝固金属体は、基板に設けられた孔を鋳型として孔内で凝固され、孔を充たし、孔の側壁面に密着しているから、孔の側壁面に対する密着力が高く、巣、空隙、空洞のない緻密な構造を持ち、熱伝導性及び放熱特性に優れた放熱部材が得られる。
【0011】
しかも、凝固金属体でなる柱状ヒートシンクは、孔を鋳型として孔内で凝固されたものであるから、めっき法等、他の方法によって形成した場合と比較して、孔の側壁面に対する密着力が高く、巣、空隙、空洞のない緻密な構造を持つ柱状ヒートシンクを、短時間で、効率よく形成することができる。
【0012】
柱状ヒートシンクの形成される基板は、絶縁性無機基板、絶縁性有機基板又は導電性基板の何れでもよい。無機基板としては、好ましくは、熱伝導性の良好なセラミック基板が用いられる。導電性基板としては、金属板の他、半導体材料として用いられる材料、代表的にはSi基板が用いられる。
【0013】
有機基板としては、耐熱性有機材料で構成されたものが適している。特に、300℃以上の耐熱性を有するものが適している。有機基板は、少なくとも一面に金属又は合金層(以下金属層という)を有しているものが好ましい。このような有機基板を用いることの利点は、既に、回路基板して実用化され、市販されているものを利用できること、基板材料費が安価になること及び柱状ヒートシンクのための穿孔工程が短時間で済むこと等である。
【0014】
しかも、少なくとも一面に金属層を有する有機基板であれば、溶融金属充填法によって、柱状ヒートシンクを形成する場合、金属層のある側から溶融金属を供給することにより、有機基板の表面が、溶融金属に直接接触するのを回避し、その熱的ダメージを軽減することができる。
【0015】
更に、金属膜は、柱状ヒートシンクに対して直交する面に設けられることになるから、柱状ヒートシンクによる厚み方向への放熱経路と、この放熱経路に直交する金属膜による放熱拡散面が生じる。即ち、三次元的な放熱経路が形成されるから、放熱特性が向上する。
【0016】
好ましくは、基板は、少なくとも一面に金属層を有する複数枚の有機基板を、積層面に金属層が位置するようにして積層した構造とする。この構造によれば、積層された有機基板の中間部に放熱路となる金属層が介在することになるから、柱状ヒートシンクによる放熱とともに、柱状ヒートシンクから伝達される熱を、基板の中間部で面方向に拡散する三次元的な放熱構造となる。このため、基板の内部に熱が籠るのを回避し、基板及び基板に搭載される電子部品の温度上昇を抑制することができる。
【0017】
好ましくは、柱状ヒートシンクは、複数であって、それぞれは、基板の面内に分布させる。これにより、電子部品に発生した熱を、基板の放熱面に広く拡散させ、放熱性を向上させることができる。柱状ヒートシンクを構成する材料の熱抵抗、及び、柱状ヒートシンクの占有率を適切に選ぶことにより、電子部品の動作によって生じた熱を、柱状ヒートシンクによって、一層効率よく、基板の外部に放熱しえる。
【0018】
本発明に係る放熱部材は、専ら、放熱のために用いることもできるし、基板の厚み方向に貫通する貫通電極を有する構造とし、回路基板として用いてもよい。
【0019】
本発明に係る放熱部材は、電子機器への適用において、発熱を伴う電子部品を取り付けて、その熱を外部に放出するために用いられる。電子機器には、電子工学の技術を応用した電気製品のほとんど全てが含まれる。具体例としては、パーソナル・コンピュータ、携帯電話機、デジタル家電、発光ダイオードを用いた発光装置、画像処理装置、イメージ・センサまたは車載電子機器等が含まれる。
【0020】
本発明に係る放熱部材は、熱伝導性及び放熱特性に優れた柱状ヒートシンクを有するから、電子機器への適用において、電子部品に発生した熱を、熱伝導性及び放熱特性に優れた柱状ヒートシンクを通して、効率よく、確実に放熱し、電子部品の異常発熱、熱暴走、誤動作を回避することができる。
【0021】
本発明において、電子部品は、能動素子、受動部品またはそれらを組み合わせた複合素子を含み、チップとしての形態をとる。能動素子には、半導体素子を用いた全ての素子が含まれる。代表例として、各種メモリ、各種論理ICまたはアナログ回路素子等を例示することができる。
【0022】
更には、TSV技術を適用して、上述した各種素子自体を3次元積層構造としたもの、又は、インターポーザと各種素子と組み合わせて3次元積層構造としたものも含まれる。
【発明の効果】
【0023】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)放熱特性に優れた熱伝導路を有する放熱部材及びそれを用いた電子機器を提供することができる。
(b)放熱特性に優れた熱伝導路を短時間で、効率よく形成することができる放熱部材及びそれを用いた電子機器を提供することができる。
【0024】
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る放熱部材の一部を示す平面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】図1及び図2に示した放熱部材を用いた電子機器の部分断面図である。
【図4】図1及び図2に示した放熱部材の製造工程を示す図である。
【図5】本発明に係る放熱部材の他の形態を示す断面図である。
【図6】本発明に係る放熱部材の他の形態における一部を示す断面図である。
【図7】本発明に係る放熱部材の他の形態における一部を示す断面図である。
【図8】図6又は図7に示した放熱部材の断面SEM像である。
【図9】図7に示した放熱部材の製造方法を示す図である。
【図10】本発明に係る放熱部材の他の形態における一部を示す断面図である。
【図11】本発明に係る放熱部材の他の形態における一部を示す断面図である。
【図12】本発明に係る放熱部材の他の形態における一部を示す断面図である。
【図13】本発明に係る放熱部材の他の形態における一部を示す平面図である。
【図14】図13に示した放熱部材の断面図である。
【図15】本発明に係る放熱部材の他の形態における一部を示す断面図である。
【図16】本発明に係る放熱部材の他の形態における一部を示す平面図である。
【図17】車載電子機器の回路図である。
【図18】図17に示した車載電子機器の放熱構造を示す部分断面図である。
【図19】パーソナル・コンピュータや携帯電話機等の電子機器に採用し得る放熱構造を示す部分断面図である。
【図20】パーソナル・コンピュータや携帯電話機等の電子機器に採用し得る放熱構造を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1及び図2を参照すると、本発明に係る放熱部材は、基板1と、柱状ヒートシンク3とを有する。基板1は、絶縁性無機基板、絶縁性有機基板又は導電性基板の何れでもよい。無機基板としては、好ましくは、熱伝導性の良好なセラミック基板が用いられる。導電性基板としては、金属板の他、半導体材料として用いられる材料、代表的にはSi基板が用いられる。
【0027】
柱状ヒートシンク3は、基板1に設けられた孔30内に充填された凝固金属体でなる。柱状ヒートシンク3を構成する凝固金属体は、基板1に設けられた孔30を鋳型として、孔30の内部で凝固されたもので、孔30を充たし、孔30の側壁面に密着している。
【0028】
上述したように、本発明に係る放熱部材において、柱状ヒートシンク3は、凝固金属体でなり、凝固金属体は、基板1に設けられた孔30を鋳型として孔30の内部で凝固され、孔30を充たし、孔30の側壁面に密着しているから、熱伝導性及び放熱特性に優れた放熱部材が得られる。しかも、基板1に設けられた孔30を鋳型として孔30の内部で凝固され、孔30を充たし、孔30の側壁面に密着した凝固金属体は、巣、空隙、空洞のない緻密な構造を持つようになるから、熱伝導性及び放熱特性に優れた柱状ヒートシンク3となる。
【0029】
このような凝固金属体は、具体的には、基板に設けられた孔30内に溶融金属を流し込み、孔30内に流し込まれた溶融金属に、機械的な力、例えばプレス板を用いたプレス圧、射出圧または転圧を印加しながら、冷却し、凝固させる方法によって形成することができる。
【0030】
しかも、柱状ヒートシンク3を構成する凝固金属体は、基板1に設けられた孔30を鋳型として孔30の内部で凝固された(溶融金属充填法)ものであるから、めっき法等、他の方法によって形成した場合と比較して、孔30の側壁面に対する凝固金属体の密着力が高く、巣、空隙、空洞のない緻密な構造を持つ柱状ヒートシンク3を、短時間で、効率よく形成することができる。
【0031】
また、柱状ヒートシンクを形成する技術として、特許文献2、3に記載するように、孔の側面にメッキを施した上で、サーマルビアを形成するとすれば、連続しためっき膜を形成ためには、ビアの内壁面を、凹凸の極めて小さい平滑な面にしなければならず、孔形成工程に長時間を費やさなければならなくなる。しかも、ビアホールのアスペクト比が高くなれば、めっきのための下地膜を連続する均質な膜として形成することが、極めて困難になる。
【0032】
これに対して、基板1に設けられた孔30を鋳型として、柱状ヒートシンク3を構成する凝固金属体を形成する本発明では、孔30の内壁面(側壁面)が凹凸面となっていても、溶融金属がその凹凸面を倣うように充填されてゆく。したがって、巣、空隙、空洞のない緻密な構造を持ち、孔30の側壁面に密着した構造の柱状ヒートシンク3が得られる。しかも、孔30の内壁面の凹凸が一種のアンカー効果を生じるので、柱状ヒートシンク3が孔30から浮き上がったり、あるは浮動したりすることなく、孔30の内部に確実に固定される。これは、裏返せば、従来技術との対比において、孔30の形成に当たって、その内壁面の平面度に気を使わずに済み、却って、孔30をある程度ラフに形成した方がよい結果を生むということでもある。
【0033】
柱状ヒートシンク3の構成材料の具体例としては、限定するものではないが、Al、Au、Cu、Ag、Sn等を例示することができる。これらの金属成分とともに、金属型カーボンナノチューブを用いてもよい。もっとも、柱状ヒートシンク3は、熱抵抗ができるだけ小さいこと好ましいから、材料及び組成比等は、そのような視点から選定する必要がある。図示実施例では、柱状ヒートシンク3は、中身の詰まった中実柱状体であって、断面円形状であるが、角形状であってもよい。
【0034】
柱状ヒートシンク3は、その両端が基板1の厚み方向に貫通し、互いに微小間隔を隔てて、マトリクス状に多数配置されている。柱状ヒートシンク3は、その一端(下端)が基板1の裏面(他面)に設けられた放熱層31によって共通に接続され、他端(上端)が、基板1の表面に導出されている。
【0035】
柱状ヒートシンク3の放熱特性は、基本的には、その組成材料の持つ熱伝導率(又は熱抵抗)と、基板1の平面積に対して、柱状ヒートシンク3の全体が占める占有率とによって定まる。例えば、柱状ヒートシンク3として、熱抵抗の低い材料を用いた場合には、占有率を低下させ、熱抵抗の高い材料を用いた場合には、占有率を上げる。即ち、柱状ヒートシンク3の占有率は、その組成材料の熱伝導率を考慮して定めることになる。逆に、占有率に制限がある場合には、求められる放熱特性を考慮して、適合する熱伝導率の材料を選択することになる。
【0036】
本発明に係る放熱部材は、電子機器への適用において、発熱を伴う電子部品を取り付け、その熱を外部に放出するために用いられる。図3には、そのような電子機器の一例が示されている。図1及び図2に示した放熱部材10の一面に、発熱を伴う電子部品7が、熱伝導性結合剤層6を介して搭載されており、放熱部材10の他面に設けられた層状或いは膜状の放熱層31に、放熱ブロック5が接合されている。電子部品7は、例えば、半導体チップ等の能動素子、又は、コンデンサ、インダクタ等の受動部品もしくはそれらの複合素子である。電子部品7は、半導体素子と受動部品とを併せ持つものであってもよいし、メモリ素子、論理回路素子またはアナログ回路素子であってもよい。これらの素子の単層であってもよいし、積層されたものであってもよい。
【0037】
ここで、本発明に係る放熱部材10は、基板1に設けられた孔30の側壁面に密着し、巣、空隙、空洞のない緻密な構造を持ち、熱伝導性及び放熱特性に優れた柱状ヒートシンク3を有するから、電子機器への適用において、電子部品7に発生した熱を、熱伝導性及び放熱特性に優れた柱状ヒートシンク3を通して、効率よく、確実に放熱し、電子部品7の異常発熱、熱暴走、誤動作を回避することができる。
【0038】
柱状ヒートシンク3は、複数であって、それぞれは、基板1の面内に分布させる。これにより、電子部品7に発生した熱を、基板1の放熱面に広く拡散させ、放熱性を向上させることができる。柱状ヒートシンク3を構成する材料の熱抵抗、及び、柱状ヒートシンク3の占有率を適切に選ぶことにより、電子部品7の動作によって生じた熱を、柱状ヒートシンク3によって、一層効率よく、基板1の外部に放熱しえる。
【0039】
既に述べたように、本発明に係る放熱部材において、柱状ヒートシンク3は、基板1に設けられた孔30内に溶融金属を流し込み、孔30内に流し込まれた溶融金属に、機械的な力、例えばプレス板を用いたプレス圧、射出圧または転圧を印加しながら、冷却し、凝固させることによって、得ることができる。これにより、スパッタ及びめっき法の併用によって形成する場合と比較して、巣、空隙、空洞のない緻密な構造を持つ柱状ヒートシンク3を、短時間で、効率よく形成することができる。
【0040】
図4には、上述した溶融金属充填法が図示されている。まず、図4(A)に図示するように、予め、厚み方向に貫通する微細な孔30を多数設けた基板1を、支持台S1の上に搭載する。孔30の下側は、支持台S1によって閉塞されている。
【0041】
次に、図4(B)に示すように、基板1に設けられた孔30を鋳型として、その内部に溶融金属3を流し込んだ後、図4(C)に図示するように、孔30内に流し込まれた溶融金属3に、機械的な力F1、例えばプレス板P1を用いたプレス圧、射出圧または転圧を印加しながら、冷却し、凝固させる。これによって、図4(D)に示すように、巣、空隙、空洞のない緻密な構造を持ち、孔30の側壁面に密着した柱状ヒートシンク3が形成される。
【0042】
基板1に設けられた孔30内に溶融金属を流し込む工程は、減圧された真空チャンバ内で実行することが好ましい。この減圧と、その後の印加圧力によって、差圧充填を行うことができるからである。
【0043】
次に、図5〜図7を参照し、本発明に係る放熱部材の他の実施の形態を説明する。図において、図1〜図4に現れた構成部分と対応する部分については、同一の参照符号を付し、重複説明は省略する。まず、図5の実施の形態では、柱状ヒートシンク3の先端を、耐熱性絶縁有機基板又は無機基板1の内部に留め、その上方に、厚みΔH1の絶縁層を残してある。即ち、柱状ヒートシンク3は、貫通させる必要はない。厚みΔH1の寸法は任意である。
【0044】
次に、図6を参照すると、基板1を有機絶縁基板によって構成した放熱部材が図示されている。有機基板1としては、耐熱性材料で構成されたものが適している。特に、300℃以上の耐熱性を有するものが適している。有機基板1は、少なくとも一面に、Cu箔等でなる金属層31、32を有している。図示の有機基板1は、その両面にCu箔でなる金属層31、32を有する両面銅張基板である。このような両面銅張基板は、例えば、高耐熱ガラスエポキシ銅張基板、高耐熱低熱膨張ガラス布基材エポキシ樹脂銅張基板、高熱伝導性ガラスコンポジット基板、高耐熱性 紙フェノール銅張基板、紙基材フェノール樹脂銅張基板等の名称で、各基板メーカから、さまざまなタイプのものが供給され、市販されている。
【0045】
有機基板1を用いることの利点は、既に、回路基板して実用化され、市販されているものを利用できること、基板材料費が安価になること及び柱状ヒートシンク3のための穿孔工程が短時間で済むこと等である。
【0046】
しかも、少なくとも一面に金属層31、32を有するので、溶融金属充填法によって、柱状ヒートシンク3を形成する場合、金属層31又は32のある側から溶融金属を供給することにより、有機基板1の表面が、溶融金属に直接接触するのを回避し、その熱的ダメージを回避することができる。
【0047】
また、金属層31、32は、柱状ヒートシンク3に対して直交する面に設けられることになるから、柱状ヒートシンク3による厚み方向への放熱経路と、この放熱経路に直交する金属層31、32による放熱拡散面が生じる。即ち、三次元的な放熱経路が形成されるから、放熱特性が向上する。
【0048】
更に、図7を参照すると、少なくとも一面に金属層31、32を有する複数枚の有機基板1、1を、積層面に金属層31、32が位置するようにして積層した構造を持つ放熱部材が図示されている。積層される有機基板1の枚数は任意である。隣接する有機基板1は、耐熱性・熱伝導性に優れた接合材によって接合されていることが好ましい。
【0049】
この構造によれば、積層された有機基板1、1の中間部に放熱路となる金属層31、32が介在することになるから、柱状ヒートシンク3による放熱とともに、柱状ヒートシンク3から伝達される熱を、基板1の中間部で面方向に拡散する三次元的な放熱構造となる。このため、基板1の内部に熱が籠るのを回避し、基板1に搭載される電子部品の温度上昇を抑制することができる。柱状ヒートシンク3は、金属層31、32に連なり、直接的な熱結合関係にあることが好ましい。
【0050】
図6又は図7に図示された放熱部材のSEM像を示す図8を参照すると、有機基板1に設けられた孔30内に、柱状ヒートシンク3が、巣、空隙、空洞のない緻密な構造を保って充填され、孔30の側壁面が凹凸を有するにも関わらず、柱状ヒートシンク3が孔30の側壁面に密着している。
【0051】
孔30は、レーザ、ケミカル・エッチング又はプラズマエッチング等によって穿孔されるものであり、その内壁面に穿孔工程に付随する凹凸が生じるのであるが、図6及び図7に示すように、柱状ヒートシンク3は、孔30の内壁面が凹凸面となっているにも関わらず、その凹凸面を倣うように充填されて、孔30の内壁面に密着し、巣、空隙、空洞のない緻密な構造となっている。しかも、孔30の内壁面の凹凸が一種のアンカー効果を生じるので、柱状ヒートシンク3が孔30から浮き上がったり、あるは浮動したりすることなく、孔30内に確実に固定される。これは、裏返せば、スパッタ及びめっきの併用によって形成する一般的技術と比較して、孔30の形成に当たって、その内壁面の平面度に気を使わずに済み、却って、孔30をある程度ラフに形成した方がよい結果を生むということでもある。
【0052】
図6や図7に示した放熱部材は、図9に示した工程によって製造することができる。まず、図9(A)に図示するように、両面に金属層31、32を持つ複数枚(図示では2枚)の有機基板1を積層し接合した後、図9(B)に図示するように、レーザ、ケミカル・エッチング又はプラズマエッチング等、周知の穿孔方法によって孔30を穿孔する。次に、図9(C)に示すように、基板1に設けられた孔30内に溶融金属を流し込む。この後、孔30内に流し込まれた溶融金属に、機械的な力、例えばプレス板を用いたプレス圧、射出圧または転圧を印加しながら、冷却し、凝固させる。これによって、図7に示すように、巣、空隙、空洞のない緻密な構造を持つ柱状ヒートシンク3が形成される。
【0053】
複数枚の有機基板1を貫通する柱状ヒートシンク3を有する放熱部材を得る方法としては、予め、柱状ヒートシンク3を形成した有機基板1を積層し、バンプ等を介して接合する方法もある。しかし、この方法を採用した場合には、隣接する有機基板1の相互間で、柱状ヒートシンク3を位置合わせする必要があり、その位置合わせが困難であるのみならず、柱状ヒートシンクの形成位置、位置合わせ位置に僅かな寸法の狂いが生じただけで、隣接する基板1の相互間で、柱状ヒートシンクに位置ずれを生じてしまう。
【0054】
これに対して、図9に示した製造方法、及び、構造によれば、隣接する有機基板1、1の相互間に、連続する柱状ヒートシンク3が、一気通貫的に形成されるので、上述した位置合わせの困難性も、位置ずれの問題も生じない。
【0055】
有機基板1を用いた放熱部材は、図6、図7に示した形態の他にも、様々な形態を採ることができる。その一例を、図10〜図12に示してある。図において、図6〜図7に現れた構成部分と対応する部分については、同一の参照符号を付し、重複説明は省略する。まず、図10は、互いに積層された2枚の有機基板1において、柱状ヒートシンク3の配置ピッチを異ならせた形態を示している。
【0056】
次に、図11は、互いに積層された2枚の有機基板1の一方にのみ、柱状ヒートシンク3を設け、他方は、柱状ヒートシンクを持たない耐熱性絶縁基板とした例を示している。
【0057】
図12は、両面に金属層31、32を有するとともに、柱状ヒートシンク3を有する複数枚の有機基板1を積層し、更に、その上に、柱状ヒートシンク3を持たない有機基板1を積層した放熱部材を示している。
【0058】
本発明に係る放熱部材は、専ら、放熱手段として用いてもよいし、マザーボード又はサブマウント・ボード等の回路基板として用いることもできる。図13及び図14は、回路基板として用いられる放熱部材の一例を示している。図13及び図14を参照すると、両面に金属層31、32を有する任意複数枚(図では2枚)の有機基板1を積層し、かつ、接合した有機基板1に、電子部品を搭載する領域A1、A2を画定するとともに、その領域A1、A2内に露出する貫通電極91を、2枚の有機基板1、1を貫通するように設けてある。貫通電極91の少なくとも一端には、バンプ92が設けられている。領域A1、A2及び貫通電極91は、搭載すべき電子部品の種類に応じて設計される。
【0059】
貫通電極91は、好ましくは、溶融金属充填法によって形成された凝固金属体でなる。凝固金属体を用いることの利点は、既に述べたとおりであり、巣、空隙、空洞のない緻密な構造を持つ貫通電極91を、短時間で、効率よく形成することができる。
【0060】
貫通電極91を、溶融金属充填法を用いて形成する場合に用いられる金属材料の主なものとしては、Bi、In、Sn及びCuを例示することができる。特に、Biを含有させると、Biの持つ凝固時の体積膨張特性により、孔30の内部で、空洞や空隙を生じることのない緻密な貫通電極91を形成することができる。もっとも、Bi等を含有させると、電気抵抗が増大する傾向にあるので、要求される電気抵抗値を満たす限度で、Biを使用することが好ましい。溶融金属としては、上述した金属材料を用いて、粒径1μm以下の多結晶体の集合体でなる粒子(ナノ粒子)の粉体を溶融したものを用いることができる。
【0061】
図15及び図16には、本発明に係る放熱部材の更に別の形態が示されている。まず、図15を参照すると、基板1は、導電性基板によって構成されており、柱状ヒートシンク3は、孔30の内壁面及び導電性基板の一面(下面)に形成された有機又は無機の絶縁膜35によって、導電性基板1から電気絶縁されている。導電性基板1は、金属板であってもよいし、Si基板であってもよい。
【0062】
次に、図16を参照すると、柱状ヒートシンク3の他に、貫通電極91が配置されている。貫通電極91は、絶縁膜35によって導電性基板1から電気絶縁されている。
【0063】
本発明に係る放熱部材は、発熱を伴う電子部品7を含む電子機器に広く適用できる。本発明の適用される電子機器には、電子工学技術を応用した電気製品のほとんど全てが含まれる。具体例としては、車載電子機器、パーソナル・コンピュータ、携帯電話機、デジタル家電、発光ダイオードを用いた発光装置、画像処理装置又はイメージ・センサ等が含まれる。
【0064】
車載電子機器としては、HV車、又は、EV車に搭載されるモータ駆動用インバータ、LEDランプ制御用大規模集積回路装置(LSI)等を例示することができる。
【0065】
図17は、モータ駆動用インバータを含むモータ駆動装置の回路図である。図17を参照すると、モータ駆動装置は、直流電源装置710と、インバータ730と、制御装置750とを備え、三相交流回転電機でなるモータ(またはジェネレータ)770を駆動する構成となっている。直流電源装置710は、たとえばニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの2次電池、キャパシタ、コンデンサあるいは燃料電池などで構成される。
【0066】
インバータ730は、U相アーム73Uと、V相アーム73Vと、W相アーム73Wとからなる。U相アーム73Uは、直列接続されたスイッチング素子Q1、Q2からなり、V相アーム73Vは、直列接続されたスイッチング素子Q3、Q4からなり、W相アーム73Wは、直列接続されたスイッチング素子Q5、Q6からなる。また、各スイッチング素子Q1〜Q6のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1〜D6がそれぞれ接続されている。
【0067】
各相アームの中間点は、モータ770の各相コイルU、V、Wの相端に接続されている。すなわち、モータ770は、U、V、W相の3つのコイルの一端が中性点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がスイッチング素子Q1、Q2の中間点に、V相コイルの他端がスイッチング素子Q3、Q4の中間点に、W相コイルの他端がスイッチング素子Q5、Q6の中間点にそれぞれ接続されている。
【0068】
インバータ730は、直流電源装置710から供給される直流電圧を、制御装置750からの信号S1に基づいて、交流電圧に変換し、この交流電圧によってモータ770を駆動する。これにより、モータ770は、トルク指令値に従ったトルクを発生するように駆動される。
【0069】
図18は、図17に示したモータ駆動装置のインバータを構成するスイッチング素子の実装状態を示す図である。インバータ730は、本発明に係る放熱部材10の一面上に実装されている。インバータ730のU相アーム73Uは、スイッチング素子Q1、Q2と、P電極層63と、中間電極層62と、N電極層61とを含む。V相アーム73V、W相アーム73Wも同様の構成であるので、以下、U相アーム73Uを中心に説明する。
【0070】
U相アーム73Uは、スイッチング素子Q1、Q2と、P電極層63と、中間電極層62と、N電極層61とを含み、本発明に係る放熱部材50の一面上に搭載されている。
【0071】
P電極層63、中間電極層62およびN電極層61は、共に、放熱部材10上にパターンとして形成される。P電極層63は、一方端が電源ラインLN1を構成するバスバーに結合される。N電極層61は、一方端がアースラインLN2を構成するバスバーに結合される。中間電極層62は、図17のU相アーム73Uの中間点に相当する。図示はされていないが、バスバーも、放熱部材10の一面上に配置される。
【0072】
スイッチング素子Q1は、コレクタが中間電極層62に導通するように中間電極層62に固着される。スイッチング素子Q1のエミッタは、ワイヤWL1によりP電極層63に接続される。
【0073】
スイッチング素子Q2は、コレクタがN電極層61に導通するようにN電極層61に固着される。スイッチング素子Q2のエミッタは、ワイヤWL1により中間電極層62に接続される。
【0074】
放熱部材10は、スイッチング素子Q1、Q2、P電極層63、中間電極層62、及び、N電極層61を搭載する一面側(上面側)に、絶縁層を有するタイプのもの(例えば、図5、図11、図12参照)が用いられ、下面側の金属層31が、シリコングリス62を介して放熱ブロック50上に配置される。
【0075】
放熱ブロック50は、複数の溝501を有する。インバータ730の冷却系として水冷系を採用した場合、外部に配されたラジエータ(図示せず)から供給された冷却水は、放熱ブロック50の複数の溝501を紙面に垂直な方向に流れることによって、放熱部材10を介してスイッチング素子Q1、Q2を冷却する。スイッチング素子Q3〜Q6でも、同様の冷却作用が行われる。
【0076】
HV自動車やEV自動車では、インバータ730を用い、直流電源装置710から供給された直流電圧を交流電圧に変換してモータ770を駆動するので、インバータ730を構成するスイッチング素子Q1〜Q6やバスバーに、大きな電流が流れる。したがって、このような発熱部分をいかにして冷却するかが大きな問題である。
【0077】
本発明に係る放熱部材10は、スイッチング素子Q1、Q2、P電極層63、中間電極層62、及び、N電極層61等に対する電気絶縁とともに、柱状ヒートシンク3による放熱経路によって、インバータ730を構成するスイッチング素子Q1〜Q6やバスバーの熱を効率よく放熱ブロック50に伝達し、スイッチング素子Q1〜Q6やバスバー等の冷却に資することができる。
【0078】
次に、本発明に係る放熱部材を、パーソナル・コンピュータ、携帯電話機又はデジタル家電等の適用した例を、図19及び図20を参照して説明する。まず、図19を参照すると、本発明に係る放熱部材10の一面上に、電子部品7が搭載されている。放熱部材10は、例えば図7に示す構造のものであって、マザーボードとして用いられている。
【0079】
電子部品7は、例えば、LSI等の論理素子7Aと、DRAM等のメモリ素子7Bとを、インターポーザ7Cを介して積層し、接合した構造となっている。このような電子デバイスは、情報処理システムの基本要素として用いられる。より具体的には、例えば、モバイル、携帯電話機、デジタル家電、サーバ等における画像処理システムの構成要素として用いることができる。その他にも、イメージ・センサ・モジュールとしての適用例も考えられる。
【0080】
論理素子7Aは、チップ状であって、その内部にLSIなどの半導体論理回路を有している。インターポーザ7Cは、デカップリング・コンデンサや、貫通電極を有しており、貫通電極の一端を、論理素子7Aに接続し、貫通電極の他端をメモリ素子7Bに接続してある。これによって、TSV技術を利用した3次元配置の電子部品が得られている。インターポーザ7Cは、Si基板、樹脂基板又はセラミック基板に、貫通電極を形成することによって得られる。もっとも、電子部品7を構成する素子の積層数、種類、その電極配置等は、適用される電子部品7によって、さまざまに変化するもので、図19は、3次元積層構造の一例を概念的に示すものに過ぎない。
【0081】
この構造によれば、積層された有機基板1、1の中間部に放熱路となる金属層31、32が介在することになるから、柱状ヒートシンク3による放熱とともに、柱状ヒートシンク3から伝達される熱を、基板1の中間部で面方向に拡散する三次元的な放熱構造となる。このため、基板1の内部に熱が籠るのを回避し、基板1に搭載される電子部品7の温度上昇を抑制することができる。
【0082】
図示はされていないが、論理素子7A、メモリ素子7B及びインターポーザ7Cにも、同様の柱状ヒートシンクを内蔵させることができ、その柱状ヒートシンクを、一連に連続させて、マザーボード1の柱状ヒートシンク3に熱結合させることにより、更に放熱効果を上げることができる。
【0083】
次に、図20を参照すると、マザーボード10Aの一面上に、電子部品7を内蔵するサブマウント・ボード10Bを搭載した例が図示されている。マザーボード10Aは、図19に示したもので、両面に金属層31A、32Aを有する2枚の有機基板1A、1Aを、積層面に金属層31A、32Aが位置するようにして積層した構造になる。
【0084】
サブマウント・ボード10Bは、例えば、図16に示した放熱部材から変形されたもので、柱状ヒートシンク3Bの他に、貫通電極91Bが配置されている。サブマウント・ボード10Bは、その一面側に凹部70を有しており、凹部70の周囲の肉厚部に、絶縁層35Bによって電気絶縁された柱状ヒートシンク3Bが備えられている。柱状ヒートシンク3Bは、一端が金属層31Bに連続している。貫通電極91Bは、凹部70の底部に備えられ、絶縁層35Bによって電気絶縁されている。
【0085】
電子部品7は、凹部70の内部に収納されており、論理素子7Aの下面に備えられた電極(バンプ)が貫通電極91Bの一端に接合されている。
【0086】
図19及び図20の場合、マザーボード10A及びサブマウント・ボード10Bに柱状ヒートシンク3A、3Bが設けられているから、電子部品7の動作によって生じた熱を、柱状ヒートシンク3A、3Bによって、サブマウント・ボード10Bから、マザーボード10Aに伝達し、その外部に放熱し得る。したがって、蓄熱による異常発熱を回避し、発熱による電子部品7の電気的特性の変動を回避することができる。
【0087】
サブマウント・ボード10Bは、一面に凹部70を有しており、その内部に電子部品7が収納されている。柱状ヒートシンク3Bのそれぞれは、凹部70を取り囲むように配置され、基板1の厚み方向に貫通し、互いに微小間隔を隔てて多数配置されている。したがって、凹部70の内部に収納された電子部品7を、その全周から、柱状ヒートシンク3Bによって立体的に取り囲む放熱路が形成されることになるから、電子部品7に発生した熱を、3次元的に集熱し、効率よく放熱することができる。
【0088】
柱状ヒートシンク3A、3Bは、所定の占有率をもって分布している。したがって、柱状ヒートシンク3A、3Bを構成する材料の熱抵抗を考慮したうえで、柱状ヒートシンク3の占有率を適切に選ぶことにより、電子部品7の動作によって生じた熱を、柱状ヒートシンク3A、3Bによって、マザーボード10Aの外部に効率よく放熱し、異常発熱を回避することができる。
【0089】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。
【符号の説明】
【0090】
1 基板
91 貫通電極
3 柱状ヒートシンク
7 電子部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、柱状ヒートシンクとを有する放熱部材であって、
前記柱状ヒートシンクは、凝固金属体でなり、
前記凝固金属体は、前記基板に設けられた孔を鋳型として前記孔内で凝固され、前記孔を充たし、前記孔の側壁面に密着している、
放熱部材。
【請求項2】
請求項1に記載された放熱部材であって、前記凝固金属体は、前記基板に設けられた孔内に流し込まれた溶融金属を、加圧しながら冷却させて凝固させたものでなる、放熱部材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された放熱部材であって、前記凝固金属体は、金属成分とともに、カーボンナノチューブを含む、放熱部材。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載された放熱部材であって、前記基板は、無機基板でなる、放熱部材。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れかに記載された放熱部材であって、前記基板は有機基板を含む、放熱部材。
【請求項6】
請求項5に記載された放熱部材であって、前記有機基板は、少なくとも一面に金属又は合金層を有している、放熱部材。
【請求項7】
請求項6に記載された放熱部材であって、前記基板は、複数枚の前記有機基板を積層したものでなり、積層面に前記金属又は合金層が位置する、放熱部材。
【請求項8】
請求項1乃至3の何れかに記載された放熱部材であって、前記基板は、導電性基板でなる、放熱部材。
【請求項9】
放熱部材と、発熱を伴う電子部品とを含む電子機器であって、
前記放熱部材は、請求項1乃至8の何れかに記載されたものであり、
前記電子部品は、前記放熱部材に取り付けられている、
電子機器。
【請求項10】
請求項9に記載された電子機器であって、前記電子部品は、能動部品、受動部品またはそれらを組み合わせた複合部品である、電子機器。
【請求項11】
請求項9に記載された電子機器であって、パーソナル・コンピュータ、携帯電話機、デジタル家電、発光ダイオードを用いた発光装置、画像処理装置、イメージ・センサまたは車載電子機器の何れかである、電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−227312(P2012−227312A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92717(P2011−92717)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【特許番号】特許第4880793号(P4880793)
【特許公報発行日】平成24年2月22日(2012.2.22)
【出願人】(504034585)有限会社 ナプラ (55)
【Fターム(参考)】