説明

放送受信機能付き携帯通信端末

【課題】 電話マナーモードが設定されていてもTV機能を起動させてしまったために音が出てしまったという事態が生じるのを防止できる放送受信機能付き携帯通信端末を提供する。
【解決手段】 CPU1は、テレビ視聴状態で電話マナーモードが設定されたときには、テレビマナーモードであると判断する。同様に、電話マナーモードが設定されている状態でテレビ機能起動キーがON操作されたときにも、テレビマナーモードであると判断する。CPU1は、テレビマナーモードであると判断したとき、テレビ音声をミュートする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、テレビ放送を受信する機能と無線による通話を行う機能とを備えた放送受信機能付き携帯通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ放送視聴機能を備えた携帯型電話装置において、テレビ放送視聴が快適に行えるようにしたものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−167909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このようなテレビ放送視聴機能を備えた携帯型電話装置においてはテレビ機能部分と携帯電話機能部分とがほぼ無関係に独立して制御されるものであったために、例えば、音が出力されるべきでないとして電話マナーモードを設定していたとしても、TV機能を起動させてしまったために音が出てしまったという事態が生じてしまう。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑み、電話マナーモードが設定されていてもTV機能を起動させてしまったために音が出てしまったという事態が生じるのを防止し、更には、このような防止処理が実行されても極力テレビ視聴を快適に行うことができる放送受信機能付き携帯通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の放送受信機能付き携帯通信端末は、上記の課題を解決するために、テレビ放送を受信する放送受信手段と、無線による通話を行う無線電話手段と、これら手段を制御するとともにディスプレイの画面表示の制御を行う制御手段と、を備えた放送受信機能付き携帯通信端末において、
前記放送受信手段は、音声ミュート機能を備えており、
前記無線電話手段は、マナーモード機能を備えており、
前記制御手段は、無線電話手段のマナーモード機能が実行されたときに前記放送受信手段に音声ミュートモードを実行させること特徴とする(以下、この項において第1構成という)。
【0006】
上記の構成であれば、無線電話手段のマナーモード機能が実行されたときに音声ミュートモードが実行されるので、電話マナーモードが設定されていてもTV機能を起動させてしまったために音が出てしまったという事態が生じるのを防止することができる。
【0007】
上記第1構成の放送受信機能付き携帯通信端末において、前記制御手段は、前記無線電話手段のマナーモード機能が実行されたときに前記放送受信手段に音声ミュートモードを実行させる制御を当該制御がユーザ設定で許可となっているときに行うこととしてもよい(以下、この項において第2構成という)。
【0008】
上記第1構成又は第2構成の放送受信機能付き携帯通信端末において、前記放送受信手段はディジタル放送を受信して字幕表示が行えるように構成されており、前記制御手段は、前記放送受信手段に音声ミュート処理を実行させる際に前記放送受信手段に字幕表示を実行させることとしてもよい。かかる構成において、前記字幕表示は、当該表示がユーザ設定で許可となっているときに実行されることとしてもよい。
【0009】
上記第1構成又は第2構成の放送受信機能付き携帯通信端末において、前記放送受信手段はディジタル放送を受信して字幕表示が行えるように構成されており、前記制御手段は、前記放送受信手段に音声ミュート処理を実行させる際に、字幕表示を行うことについての許諾を求めるメッセージを表示し、ユーザが承諾する操作を行ったときには前記放送受信手段に字幕表示を実行させる一方、ユーザが承諾しない操作を行ったときには字幕表示を行わせないこととしてもよい。
【0010】
これら字幕表示が行える各構成において、前記制御手段は、音声ミュートに起因する字幕表示と通常の字幕表示とをユーザが区別することを可能にするアイコン表示を行うか又は字幕表示箇所の表示形態を通常時と異ならせることとしてもよい。
【0011】
上記第1構成又は第2構成の放送受信機能付き携帯通信端末において、イヤホン装着部を備えており、前記制御手段は、イヤホンが装着されたとき又はイヤホンが装着されているときには前記音声ミュートのモードを終了して前記イヤホンから音声を出力させることとしてもよい。
【0012】
先述した字幕表示が行える各構成において、イヤホン装着部を備えており、前記制御手段は、イヤホンが装着されたとき又はイヤホンが装着されているときには前記音声ミュートのモードを終了して前記イヤホンから音声を出力させるとともに、前記音声ミュートに起因して採用された字幕表示のモードを終了することとしてもよい。
【0013】
或いは、先述した字幕表示が行える各構成において、イヤホン装着部を備えており、前記制御手段は、イヤホンが装着されたとき又はイヤホンが装着されているときには前記音声ミュートのモードを終了して前記イヤホンから音声を出力させるとともに、前記音声ミュートに起因して採用された字幕表示のモードを終了することについての許諾を求めるメッセージを表示し、ユーザが承諾する操作を行ったときには字幕表示を終了する一方、ユーザが承諾しない操作を行ったときには字幕表示を続行することとしてもよい。
【0014】
音声ミュートに起因して区別表示を行う先述の構成において、イヤホン装着部を備えており、前記制御手段は、イヤホンが装着されたとき又はイヤホンが装着されているときには前記音声ミュートのモードを終了して前記イヤホンから音声を出力させるとともに、前記音声ミュートに起因して採用された字幕表示のモードを終了することについての許諾を求めるメッセージを表示し、ユーザが承諾する操作を行ったときには字幕表示を終了する一方、ユーザが承諾しない操作を行ったときには字幕表示を続行し、且つ、この字幕表示を続行するときには、前記区別となる表示を元に戻すこととしてもよい。
【0015】
これら構成の放送受信機能付き携帯通信端末において、前記制御手段は、無線電話手段のマナーモード機能の終了の他に独自の音声ミュート終了の操作が実行された場合にも音声ミュートのモードを終了するとともに音声ミュートに起因して生じた状態を音声ミュート実行前の状態に戻すこととしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、電話マナーモードが設定されていてもTV機能を起動させてしまったために音が出てしまったという事態が生じるのを防止し、更には、このような防止処理が実行されても極力テレビ視聴を快適に行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態の放送受信機能付き携帯通信端末を図1乃至図3に基づいて説明する。なお、ここでは、TV付き携帯電話を例示している。
【0018】
図1はTV付き携帯電話10を示したブロック図である。このTV付き携帯電話10は、ディジタル放送受信部20と電話機能部30とを備えて成る。電話機能部30は、無線回路31と、信号処理回路32と、A/D・D/A変換部33と、マイク34と、スピーカ35とを備える。無線回路31は、音声やデータの送受信処理、基地局との間での所定のプロトコル処理(送信時処理、受信時処理)を行う。電話処理において受信した信号は無線回路31、信号処理回路32、A/D・D/A変換部33のD/A変換部を介してスピーカ35に与えられる一方、ユーザの発した音声はマイク34にて音声信号となり、A/D・D/A変換部33のA/D変換部、信号処理回路32、無線回路31を経て送出される。
【0019】
CPU1は、電話機能部30及びディジタル放送受信部20の双方の制御を行う。具体的には、例えば、電話機能部30に対しては、電話マナーモードが設定された場合に、着信音や着信メロディの出力を停止させる処理を実行する。電話マナーモードとは、音の出力が停止されるモードを言い、バイブレーション機能等については実行してもよいし実行しなくてもよい。電話マナーモードは、その設定がユーザーによってなされたとき、或いは、予め時間帯が設定されているときには当該時間帯が到来したときなどに実行される。また、CPU1は、操作キー部2のテレビ機能起動キーがON操作されたときには、ディジタル放送受信部20にON指令を与える処理や、操作キー部2のテンキーが操作されたときに、その番号をチャンネル番号とする選局指令をディジタル放送受信部20に与える等の処理を行う。また、電源回路5は、バッテリ4から得た電力を電話機能部30及びディジタル放送受信部20に供給する。
【0020】
次に、ディジタル放送受信部20について説明していく。地上アンテナ21は受信した信号を地上波ディジタルチューナ22に与える。各地上波ディジタルチューナ22は、映像音声データを含む高周波ディジタル変調信号のうちから特定周波数の信号を取り出す。また、各地上波ディジタルチューナ22は、復調回路、逆インタリーブ回路、誤り訂正回路などを備え、選択したディジタル変調信号を復調してトランスポート・ストリームを出力し、このトランスポート・ストリームをデマルチプレクサ(DEMUX)23に与える。
【0021】
デマルチプレクサ(DEMUX)23は、前記トランスポートストリームを、IEEEにおけるH.264などのビデオストリーム、オーディオストリーム、字幕関連データなどのデータ、及びPSI/SI(Program Specific Information/Service Information)などに分離する。デマルチプレクサ3は、ビデオストリームとオーディオストリームをH.264デコーダ24に供給し、PSI/SI(番組情報)をCPU1に供給する。CPU1は番組情報をメモリ3に格納する。なお、字幕関連データには字幕管理データと字幕(文)データとがある。ARIB TR−B14では、字幕管理データと字幕データはそのストリーム中に字幕が存在することを示す。字幕管理データ及び字幕データが受信された後、字幕文の表示が行われることが基本であるが、字幕管理データを受信せずとも、字幕データを受信した時点で字幕の表示が可能である。
【0022】
H.264デコーダ24は、ビデオストリームに対してデコードを行うビデオデコーダを備える。ビデオデコーダは、入力された符号化信号を復号して量子化係数や動きベクトルを求め、逆DCT変換や動きベクトルに基づく動き補償制御などを行って映像データを生成する。映像データはディスプレイ(例えば、液晶パネル等)27に供給される。音声データはAACデコーダ28によって音声信号化され、スピーカ29に供給される。
【0023】
メモリ(RAM、ROM、フラッシュメモリなど)3には、各種の動作プログラム、先述した番組情報、各種設定情報(例えば、電話マナーモード設定時における各種選択情報など)などが格納される。
【0024】
また、ディジタル放送受信部20にはイヤホン装着部25が設けられている。このイヤホン装着部25にイヤホンのプラグを差し込むことで、音声信号はイヤホン装着部25を介してイヤホンに供給される。また、イヤホン装着部25は、イヤホンのプラグが差し込まれたときに、装着信号(所定の電圧値等)をCPU1に与える。
【0025】
次に、この発明に関するテレビマナーモードについて説明していく。
【0026】
(1)CPU1は、テレビ視聴状態で電話マナーモードが設定されたときには、テレビマナーモードであると判断する。同様に、電話マナーモードが設定されている状態でテレビ機能起動キーがON操作されたときにも、テレビマナーモードであると判断する。勿論、電話マナーモードが設定されてもテレビマナーモードとしない設定をメニュー画面上で選択することもできる。電話マナーモードとは、先述のごとく、音の出力が停止されるモードを言う。
【0027】
(2)CPU1は、テレビマナーモードであると判断したとき、ディジタル放送受信部20に対してテレビ音声をミュートする設定を実行させる。CPU1は、この音声ミュート処理を行うときには、音声ミュートモードであることを示すメッセージ或いはアイコン(ピクトグラフ)をディスプレイ27に表示する処理を実行してもよい。前記メッセージについては、表示を行ってから所定時間経過したときに消すこととしてもよい。なお、メッセージやアイコンの表示は、図示しないOSD回路(オンスクリーンディスプレイ回路)を用いて実行することができる。
【0028】
(3)CPU1は、前記音声ミュートの処理に加え、受信放送に字幕データが存在しているときには、字幕文字をディスプレイ27に表示させる。ディジタル放送受信部20側の設定で字幕文字非表示の設定となっているときでも、強制的に字幕文字を表示させることとしてもよい。なお、ディジタル放送受信部20側の設定で「字幕文字非表示(テレビマナーモード時も非表示)」の設定となっているときには、字幕文字を表示しないこととしてもよい。勿論、ディジタル放送受信部20側の設定で「字幕文字非表示(テレビマナーモード時には表示)」の設定となっているときには自動的に字幕文字を表示させる。これら各種設定はメニュー画面上で行うことができる。また、CPU1は、字幕文字を表示してもよいかどうかを問うメッセージをディスプレイ27に表示し、字幕文字を表示してもよいとのユーザーの意志表示が確認できたときに、字幕文字を表示することとしてもよい。前記メッセージは、例えば、「字幕を表示しますか YESなら「1」を NOなら「2」を押して下さい」のごとく表示される。
【0029】
(4)上記のごとく字幕表示を行うこととする場合、通常の(テレビマナーモードではないときの)動作での字幕表示と前記テレビマナーモードによる字幕表示とが存在することになる。これらを区別するために、すなわち、通常の字幕表示か音声ミュートに起因する(電話マナーモードに起因する)字幕表示かをユーザーに知ってもらうために、これらを区別するアイコンをディスプレイ27に表示することとしてもよい。或いは、図3(a)(b)に示すように、字幕の表示エリアの縁の色や線等を異ならせたり、字幕エリアの背景色や字幕文字色を変えることで前記区別がつくようにしてもよい。
【0030】
(5)CPU1は、イヤホン装着部25にイヤホンのプラグが差し込まれたことを示す装着信号を受け取ると、前記音声ミュート実行による(テレビマナーモード実行による)字幕表示を終了する処理を行う(字幕表示エリアは消去される)とともに、音声ミュートのモードを終了して(テレビマナーモードを終了して)音声信号をイヤホン装着部25に供給する。なお、この状態でユーザーがメニュー画面を開いて「字幕表示」の項目でYESを選択すると、字幕表示が再開されるようにしてもよい。この場合の字幕表示においては、図3(a)に示すごとく通常の字幕表示とする。また、ディジタル放送受信部20側の設定で「イヤホンが装着されても字幕表示を続行する」という設定になっているときには、字幕表示を続行する。勿論、ディジタル放送受信部20側で「イヤホン装着時には字幕表示を停止する」という設定が選択されているときのみ字幕表示を停止することとしてもよい。また、CPU1は、字幕表示を終了してもよいかどうかを問うメッセージをディスプレイ27に表示し、字幕表示を終了してもよいとのユーザーの意志が確認できたときに、字幕表示を終了することとしてもよい。
【0031】
字幕表示を終了しないという意志表示の場合、通常の字幕表示として続行するものと見做すこととしてもよい。この場合、字幕表示の基本設定自体を「テレビ放送に字幕が存在するときには字幕を表示する」の設定に自動変更してもよい。また、前記区別のためのアイコンをディスプレイ27に表示していた場合には、当該アイコンの表示を終了する。同様に、通常の字幕表示として字幕表示を続行する場合、前記区別のために字幕表示エリアの縁の色や線等を異ならせていたのであれば、字幕表示エリアの縁の色や線等を通常の字幕表示における縁の色や線等の表示に戻す。
【0032】
(6)CPU1は、音声ミュートモードに起因する字幕表示がイヤホン装着によって終了されるとき、前記区別のためのアイコンをディスプレイ27に表示していた場合には、当該アイコンを非表示とする。
【0033】
(7)CPU1は、電話マナーモードが終了されたときにはテレビマナーモードも終了する。勿論、テレビマナーモードを解除するボタン操作等によってテレビマナーモード自体を解除することも可能である。CPU1は、テレビマナーモードを終了するときには、音声ミュートのモードを終了し、受信放送の音声をスピーカ29から出力するとともに、音声ミュートに起因して生じた状態(テレビマナーモードに起因して生じた状態)を音声ミュート実行前の状態に戻す。なお、イヤホン装着状態でテレビマナーモードが終了される場合には、受信放送の音声がイヤホンから出力される状態が維持される。
【0034】
(8)音声ミュートに起因して字幕表示が実行されていた場合において、テレビマナーモードが終了されたときには、CPU1は字幕表示を終了する(字幕表示エリアを消失させる)。前記区別のためのアイコンをディスプレイ27に表示していた場合には、当該アイコンを非表示とする。CPU1は、字幕表示を終了することの許諾を求めるメッセージをディスプレイ27に表示し、ユーザの許諾があった場合に字幕表示を終了することとしてもよい。
【0035】
図2は、テレビマナーモードにおける字幕表示処理の一例を示したフローチャートである。まず、テレビマナーモードが設定されたかどうかを判断する(ステップS1)。テレビマナーモードは先述のごとく電話マナーモードの設定に連動して設定される。テレビマナーモードが設定されなければ当該字幕表示処理を終了し、テレビマナーモードが設定されたならば、字幕自動表示設定が有効かどうかを判断する(ステップS2)。字幕自動表示設定が有効でなければ当該字幕表示処理を終了する。字幕自動表示設定が有効であればPMT(プログラム・マップ・テーブル)の情報を参照する(ステップS3)。次ぎに、PMT中に字幕の記載が存在するかどうかを判断する(ステップS4)。PMT中に字幕の記載が存在しなければ、当該字幕表示処理を終了する。
【0036】
PMT中に字幕の記載が存在すれば、字幕を表示することの許諾をユーザに求めるメッセージを表示し(ステップS5)、ユーザが許諾したかどうかを判断する(ステップS6)。ユーザが許諾しない場合には、字幕表示処理を終了する。ユーザが許諾した場合には、イヤホンが装着されているかどうかを判断する(ステップS7)。イヤホンが装着されていなければ、テレビマナーモードが終了したかどうかを判断し(ステップS8)、終了していなければ、字幕を表示する(ステップS9)。なお、この場合の字幕表示においては、字幕の自動表示を示すアイコン(区別用アイコン)を表示する。また、前記アイコン表示に代えて或いはアイコン表示とともに字幕表示エリアの縁の色や線等を変化させてもよい。
【0037】
前記ステップS7において、イヤホンが装着されていると判断したとき、字幕表示の終了の許諾をユーザに求めるメッセージを表示する(ステップS10)。前記区別用アイコンを表示していた場合、このメッセージの表示を行うときに、当該アイコンの表示を終了してもよい。そして、ユーザが字幕表示の終了を承諾したかどうかを判断する(ステップS11)。
【0038】
ユーザが字幕表示の終了を承諾しないなら、マナーモードが解除されたかどうかを判断し(ステップS12)、マナーモードが解除されていないなら、字幕表示を続行する(ステップS13)。この場合、テレビマナーモード実行による字幕表示と異なるとの考えに基づき、通常の字幕表示モードが選択されたと見做して字幕表示エリアの縁の色や線等を通常の状態に戻すこととしてもよい。ステップS12においてマナーモードが解除されたと判断したなら、字幕表示状態かどうかを判断する(ステップS15)。また、ステップS11においてユーザが字幕表示の終了を承諾したときには字幕表示の処理を終了し(ステップS19)、マナーモードが解除されたかどうかを判断し、マナーモードが解除されたなら、字幕表示状態かどうかを判断する(ステップS15)。なお、ステップS8においてマナーモードが解除されたと判断したときもステップS15に進む。
【0039】
ステップS15において、字幕表示状態でないと判断されたら、当該字幕表示処理を終了する。字幕表示状態でると判断されたら、字幕表示を終了することの許諾を求めるメッセージを表示する(ステップS16)。前記区別用アイコンを表示していた場合、このメッセージの表示を行うときに、当該アイコンの表示を停止してもよい。そして、ユーザが字幕表示の終了を承諾したかどうかを判断する(ステップS17)。ユーザが字幕表示の終了を承諾しないときには字幕を表示し続けて(ステップS18)、当該字幕表示処理を終了する。この場合、テレビマナーモード実行による字幕表示と異なるとの考えに基づき、通常の字幕表示モードが選択されたと見做して字幕表示エリアの縁の色や線等を通常の状態に戻すこととしてもよい。字幕終了についてユーザの許諾があった場合には字幕表示を終了し(ステップS20)、当該字幕表示処理を終了する。
【0040】
上記の実施形態では、ディジタル放送を受信することとしたが、アナログTV放送を受信する構成或いは両放送を受信する構成とすることもできる。なお、アナログTV放送については、前述した字幕表示に関する処理は除外されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の実施形態のTV機能付き携帯電話(放送受信機能付き携帯通信端末)を示したブロック図である。
【図2】この発明の実施形態の処理内容を示したフローチャートである。
【図3】同図(a)は通常の字幕表示における字幕表示エリアの縁の線を説明する説明図であり、同図(b)は音声ミュート時の字幕表示における字幕表示エリアの線を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1 CPU
2 操作キー
3 メモリ
10 TV機能付き携帯電話
20 ディジタル放送受信部
22 チューナ
25 イヤホン装着部
30 電話機能部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ放送を受信する放送受信手段と、無線による通話を行う無線電話手段と、これら手段を制御するとともにディスプレイの画面表示の制御を行う制御手段と、を備えた放送受信機能付き携帯通信端末において、
前記放送受信手段は、音声ミュート機能を備えており、
前記無線電話手段は、マナーモード機能を備えており、
前記制御手段は、無線電話手段のマナーモード機能が実行されたときに前記放送受信手段に音声ミュートモードを実行させること特徴とする放送受信機能付き携帯通信端末。
【請求項2】
請求項1に記載の放送受信機能付き携帯通信端末において、前記制御手段は、前記無線電話手段のマナーモード機能が実行されたときに前記放送受信手段に音声ミュートモードを実行させる制御を当該制御がユーザ設定で許可となっているときに行うことを特徴とする放送受信機能付き携帯通信端末。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の放送受信機能付き携帯通信端末において、前記放送受信手段はディジタル放送を受信して字幕表示が行えるように構成されており、前記制御手段は、前記放送受信手段に音声ミュート処理を実行させる際に前記放送受信手段に字幕表示を実行させることを特徴とする放送受信機能付き携帯通信端末。
【請求項4】
請求項3に記載の放送受信機能付き携帯通信端末において、前記字幕表示は、当該表示がユーザ設定で許可となっているときに実行されることを特徴とする放送受信機能付き携帯通信端末。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の放送受信機能付き携帯通信端末において、前記放送受信手段はディジタル放送を受信して字幕表示が行えるように構成されており、前記制御手段は、前記放送受信手段に音声ミュート処理を実行させる際に、字幕表示を行うことについての許諾を求めるメッセージを表示し、ユーザが承諾する操作を行ったときには前記放送受信手段に字幕表示を実行させる一方、ユーザが承諾しない操作を行ったときには字幕表示を行わせないことを特徴とする放送受信機能付き携帯通信端末。
【請求項6】
請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の放送受信機能付き携帯通信端末において、前記制御手段は、音声ミュートに起因する字幕表示と通常の字幕表示とをユーザが区別することを可能にするアイコン表示を行うか又は字幕表示箇所の表示形態を通常時と異ならせることを特徴とする放送受信機能付き携帯通信端末。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の放送受信機能付き携帯通信端末において、イヤホン装着部を備えており、前記制御手段は、イヤホンが装着されたとき又はイヤホンが装着されているときには前記音声ミュートのモードを終了して前記イヤホンから音声を出力させることを特徴とする放送受信機能付き携帯通信端末。
【請求項8】
請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の放送受信機能付き携帯通信端末において、イヤホン装着部を備えており、前記制御手段は、イヤホンが装着されたとき又はイヤホンが装着されているときには前記音声ミュートのモードを終了して前記イヤホンから音声を出力させるとともに、前記音声ミュートに起因して採用された字幕表示のモードを終了することを特徴とする放送受信機能付き携帯通信端末。
【請求項9】
請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の放送受信機能付き携帯通信端末において、イヤホン装着部を備えており、前記制御手段は、イヤホンが装着されたとき又はイヤホンが装着されているときには前記音声ミュートのモードを終了して前記イヤホンから音声を出力させるとともに、前記音声ミュートに起因して採用された字幕表示のモードを終了することについての許諾を求めるメッセージを表示し、ユーザが承諾する操作を行ったときには字幕表示を終了する一方、ユーザが承諾しない操作を行ったときには字幕表示を続行することを特徴とする放送受信機能付き携帯通信端末。
【請求項10】
請求項6に記載の放送受信機能付き携帯通信端末において、イヤホン装着部を備えており、前記制御手段は、イヤホンが装着されたとき又はイヤホンが装着されているときには前記音声ミュートのモードを終了して前記イヤホンから音声を出力させるとともに、前記音声ミュートに起因して採用された字幕表示のモードを終了することについての許諾を求めるメッセージを表示し、ユーザが承諾する操作を行ったときには字幕表示を終了する一方、ユーザが承諾しない操作を行ったときには字幕表示を続行し、且つ、この字幕表示を続行するときには、前記区別となる表示を元に戻すことを特徴とする放送受信機能付き携帯通信端末。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の放送受信機能付き携帯通信端末において、前記制御手段は、無線電話手段のマナーモード機能の終了の他に独自の音声ミュート終了の操作が実行された場合にも音声ミュートのモードを終了するとともに音声ミュートに起因して生じた状態を音声ミュート実行前の状態に戻すことを特徴とする放送受信機能付き携帯通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−150899(P2007−150899A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−344510(P2005−344510)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】