説明

放送受信記録再生装置

【課題】[追っかけ再生]や「裏番組録画」中などその番組のその時点での放送を不用意に見てしまうことや、記録データの再生により実際の放送番組の進行状況を見失い、視聴したかった番組を見損なうことを抑制した上で、通常の放送番組間のチャンネル移動と同じ感覚で再生映像と放送映像を切替え楽しむことができる放送受信記録再生装置を提供する。
【解決手段】本発明は、録画中のチャンネルを不用意に選局しても、チャンネルを切替えない機能と、記録データの再生は未視聴部分の先頭から一定時間さかのぼったシーンから再生する機能や再生中を示すと同時に現時刻を知らせる機能と、視聴できなかった一時記録データを次回の視聴選択ポイントと共に保存する手段を備えることで、チャンネル切替えと同等な感覚で軽快な再生視聴も楽しめる放送受信記録再生装置を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクやハードディスク或いは半導体メモリ等の大容量記録媒体の記録再生を行う放送受信記録再生装置に関し、テレビジョン放送等における放送番組の記録及び再生を行う放送用の放送受信記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、TV番組などの映像(及び音声)のコンテンツの記録再生を行う記録再生装置としては、ビデオテープを用いたVTRが知られているが、近年では、HDDレコーダやDVDレコーダなどと称されるハードディスクや光ディスク或いは半導体メモリなどの大容量記録媒体を用いての記録再生装置が知られている。これらハードディスクなどのランダムアクセス可能な記録媒体を用いての記録再生装置では、視聴者は所望する番組を録画しながら他の録画番組を再生したりすることも可能となっている。
【0003】
また、ハードディスクなどの高速ランダムアクセスを可能とした大容量記録媒体を用いることで、放送中の番組を録画しながら既に記録済みの番組などの再生を行うなどの録再生同時のタイムシフト再生などがある。また、複数の放送受信手段を備えた装置などにより特定の番組を録画する一方で、他の放送中の番組を視聴することができる装置もある。更に、これらの機能と類似する機能としてキャッシュ記録・再生と呼ばれる機能も提案されている。このキャッシュ機能とは、本来の長期保存記録が主な目的ではなく、放送中の視聴番組を所定容量(所定時間)を限度として常に記録媒体に一時的に録画することで、ユーザーが少し前のシーンからもう一度視聴したいという場合等のプレーバック再生をキャッシュ内に蓄えられている範囲内において行うものであり、下記文献等でも公開されている。
【0004】
例えば、特許文献1で開示されているキャッシュ記録機能及びその再生機能を備えた記録再生装置は、ユーザーが何気なく視聴している番組において、見逃してしまったシーンや特別にもう一度視聴し直したいと思うシーンが有った場合にその時点からでもユーザーがキャッシュに録画されているデータを再生することで視聴することができることをねらいとしたものである。
【0005】
また、特許文献2、特許文献3及び特許文献4で開示されている記録再生装置では、放送信号を受信・選局するチューナを複数備えることで、特定の番組を録画する一方で他の番組を別のチューナで再生し、特定番組の録画中もその録画に影響を与えることなく他のチャンネルを視聴できるというものである。
【特許文献1】特開2002−100162号公報
【特許文献2】特開2002−51290号公報
【特許文献3】特開2003−52001号公報
【特許文献4】特開2004−72449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載のキャッシュ録画は、視聴中の番組を記録するものであるため、ユーザーが視聴チャンネルを切替えると、当然そのキャッシュへの記録データはその選局に依存することになる。このため、このキャッシュ機能を十分に活用するためには、ユーザーがあまり無闇にチャンネルを切替えることは差し支えることが望ましく、チャンネル移動の激しいユーザーにとってはその機能の恩恵を十分に得られないという欠点を有している。
【0007】
また、特許文献2、特許文献3及び特許文献4記載の録画機能を利用した番組のタイムシフト再生では、現在放送途中の番組を何分か遅れた再生して番組を視聴する「追っかけ再生」などと称されているタイムシフト再生が利用されることが多く、このような利用においてはその時点で、その番組が放送において進行中であることも多く、視聴チャンネルをそのチャンネルに切替えてしまうと、「追っかけ再生」で楽しんでいた番組や「裏番組録画」などと呼ばれる方法で録画されている番組の大切なシーンなどを先に見てしまうことがある。特にスポーツ中継番組やドラマ等の結果が先にわかってしまうとその視聴の楽しみは半減してしまう事となり、楽しみにしていた番組だけに残念な視聴になってしまうという問題がある。そのため、「裏番組録画」をしているときにその番組が選局されたときは、その番組の録画データを未視聴ポイントから再生するなどの工夫をすることで、「裏番組録画」や「追っかけ再生」途中にチャンネル切替などを行っても、録画や再生中の番組の結果や大切なシーンを現放送によって先に見てしまうということを防止することも考えられている。
【0008】
しかしながら、このように「再生」や「録画」番組が放送されている時にチャンネルを移動するには、その番組のチャンネルに不用意に切替えないようにユーザーが注意する必要性や、装置自体が誤再生防止機能を備えユーザーがその機能を明示的に使う必要があった。当然ユーザーがその装置を使い込むことである程度まで自由にチャンネル移動をしながら色々な番組を楽しむことができるようになる。
【0009】
ところが、従来の装置では、上記操作に慣れると気楽にチャンネル移動ができるようになることから新たな問題が生じる。それは、上記した「追っかけ再生」や「裏番組記録」を行いながらその時放送されている番組などにチャンネルを切替えて、通常の放送番組の間でチャンネル切替えし、幾つもの番組を楽しんでいるときに同じように視聴を楽しむことで「追っかけ再生」などのように現在放送中の番組をタイムシフトして視聴すると、実際の番組終了の時間を越えて視聴を続けることになり、視聴しているユーザーの知らないうちに次の番組が始まってしまっているということが発生し、見たかった番組の最初を見逃してしまうという問題が発生している。
【0010】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、「追っかけ再生」や「裏番組録画」中などその番組のその時点での放送を不用意に見てしまうことや、記録データの再生により実際の放送番組の進行状況を見失い、視聴したかった番組を見損なうことを抑制した上で、通常の放送番組間のチャンネル移動と同じ感覚で再生映像と放送映像を切替えて視聴することができる放送受信記録再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために請求項1記載の本発明は、使用者からの少なくともチャンネル選択要求の入力操作によって操作手段から供給されるチャンネル選局信号に基づき選局されたチャンネルのチャンネルデータを記録及び再生する放送受信記録再生装置であって、複数のチャンネルからなる放送信号を受信して、供給されたチャンネル選局信号に基づくチャンネルデータをそれぞれ抽出する2つの放送受信手段と、一方の放送受信手段から抽出されたチャンネルデータを記録する記録手段と、操作手段から供給される記録再生要求信号に基づき、記録動作中の記録手段における既に記録されているデータ領域から読み出されるチャンネルデータとチャンネル選局信号に基づき他方の放送受信手段から抽出されるチャンネルデータとのいずれかを再生出力する再生手段とを備え、操作手段は、チャンネル選択要求の入力操作によって得られる他方の放送受信手段に供給すべきチャンネル選択信号に対応するチャンネル番号と記録手段に記録されているチャンネルデータに対応するチャンネル番号とが同一である場合には、他方の放送受信手段に対してはこのチャンネル番号に対応するチャンネル選局信号を出力しないよう制御することを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の放送受信記録再生装置であって、操作手段は、使用者によるチャンネル選択要求の入力操作によって得られる他方の放送受信手段に供給すべきチャンネル選択信号に対応するチャンネル番号と記録手段に記録されているチャンネルデータに対応するチャンネル番号とが同一である場合には、記録手段に対してはこのチャンネル番号に対応する記録再生要求信号を出力するとともに、使用者による記録再生停止要求の入力操作によって記録再生停止要求信号を出力するように構成し、再生手段は、記録再生要求信号に基づいて記録動作中の記録手段における既に記録されているデータ領域から読み出されたチャンネルデータを再生出力している最中に記録再生停止要求信号が供給された場合には、このチャンネルデータの再生出力を停止するとともに、このチャンネルデータにおける停止位置を示す再生開始指標データをこのチャンネルデータに関連付けて記録手段に記録し、少なくとも次に記録再生要求信号が供給された場合は、記録された再生開始指標データに基づきこのチャンネルデータの前回停止した位置から再生動作を開始するように構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の本発明は、請求項2記載の放送受信記録再生装置であって、再生手段は、チャンネルデータとこのデータに関連付けられた再生開始指標データとが記録手段に記録されている場合であって、操作手段から記録再生要求信号が供給された場合に、チャンネルデータの再生開始位置を関連付けられた再生開始指標データに対応した位置よりも所定時間分前の位置に設定して再生出力を開始することを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の本発明は、請求項2記載の放送受信記録再生装置であって、一方の放送受信手段から抽出されたチャンネルデータからコマーシャルデータの開始位置及び終了位置を検出するコマーシャル検出手段をさらに備え、再生手段は、チャンネルデータとこのデータに関連付けられた再生開始指標データとが記録手段に記録されている場合であって、操作手段から記録再生要求信号が供給された場合に、再生開始指標データから得られる開始位置が検出されたコマーシャルデータの開始位置と終了位置との期間内であるときは、このコマーシャルデータの開始位置よりも所定時間分前の位置から再生出力を開始することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、操作機能、再生及び記録機能などにより「裏番組記録」や「追っかけ再生」を行いながら、同時に放送されている他の番組に切替えて楽しむときに、記録データの再生映像と放送中の番組映像との切替えを、通常の放送番組間での切替えと同様の感覚で操作でき視聴を楽しむことを可能にする。更に、チャンネル切替えと同じ感覚で開始させた「追っかけ再生」のときに、この映像が再生映像であることを使用者にさりげなく認識させることや現在時刻を再生映像に表示させることにより、次の番組の開始をやり過ごしてしまうなどの「うっかりミス」による番組の見損ないを予防することができると共に、軽快なチャンネル切替を可能とした上で、切替え中に録画中の番組の放送映像を不用意に見てしまうことにより、録画映像を楽しむ前に番組の大切なシーンや結果を知ってしまうなどということ防止することができる手軽で配慮深い操作環境の提供を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の放送受信記録再生装置を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る放送受信記録再生装置の一実施形態の構成を示したブロック図である。また図2は、本発明に係る放送受信記録再生装置が備える制御手段と記録処理手段の具体的な構成を示したブロック図である。
【0018】
本発明の放送受信記録再生装置は、装置外部に接続された外部機器等から入力される信号を入力信号1として受信する入力手段2と、同じく外部接続されたアンテナ等の受信装置を用いて放送信号を入力信号2として受信する、予め選局機能を備えた放送受信手段3(チューナ1)と、放送受信手段3と同等機能を備え、放送受信手段3で受信する放送信号とは異なる放送信号を入力信号3として受信する放送受信手段4(チューナ2)と、これら入力信号1〜3を記録する記録媒体を備えた記録処理手段5と、装置の操作状況や動作状況を例えば装置のフロントパネルに視認可能に表示させる表示手段6と、ユーザーが操作するリモコン等のユーザインターフェースから発信された信号を受信するユーザー制御手段7と、入力信号1〜3及び記録媒体から読み出した各種信号を外部接続された映像モニタ又は外部記録機器に出力する出力手段8(例えばTV等、記録装置等)と、これら各種手段を統合して所定のプログラム処理に従って制御する制御手段1とを備えている。
【0019】
この放送受信記録再生装置は、チャンネル変更や音量変更を離れた場所から遠隔操作することができる遠隔操作機能を備える例えばリモコンにより操作指示が送信される。このリモコンは、放送受信チャンネルの切替え操作を行うためのチャンネル直接指定選局操作手段と、現行のチャンネルから相対的にチャンネルの選局指定を切替える相対指定選局操作手段と、録画中に取得した再生指示に従い録画中の映像を再生させる再生指定操作手段と、再生中の映像を停止させる再生停止指定操作手段と、現在再生中の映像を一時停止させる再生一時停止手段とを備える。
【0020】
チャンネル直接指定選局操作手段とは、例えば数字ボタンのことを指し、すなわちリモコンに設けられているチャンネル1からチャンネル12までの個別ボタンのことを指している。また相対指定選局操作手段とは、例えばアップボタン及びダウンボタンのことを指し、いずれかのボタンを押すと現在のチャンネルにプラス1チャンネル又はマイナス1チャンネルして該当チャンネルを表示させるボタンのことを指している。
【0021】
ここで図1と併せて図2を参照し、放送受信記録再生装置の全体構造の説明に加え、制御手段1及び記録処理手段5の構成を詳細に説明する。
【0022】
図1に示した入力手段2、放送受信手段3及び放送受信手段4には、これら手段を介して取得した入力信号1〜3の中から後工程で処理の対象となる信号を少なくとも1つ以上選択する信号セレクト手段10が接続されている。
【0023】
信号セレクト手段10には、選択された入力信号を圧縮処理(例えばMPEG方式圧縮)等で記録信号処理を行う記録信号処理手段51が接続されており、システム制御手段11の指示により入力信号1〜3の選択及び記録制御手段52への出力を行う。
【0024】
尚、本実施形態においては、アナログ放送を受信する場合を例としているため、記録信号処理手段51においてはデータ圧縮処理を実行することが前提であるが、本実施形態は、デジタル放送にも適用できるものであり、その場合には、記録信号処理手段51は受信データの解析処理や再生のためのデータ伸張処理等を実行する。
【0025】
記録信号処理手段51には、記録信号処理された信号を後段に接続されている記録メディアマネージメント手段53に出力する記録制御手段52が接続されており、システム制御手段11の指示により記録信号処理された信号の記録制御手段52への出力を行う。
【0026】
記録制御手段52には、取得した信号の種類に応じて予め規定された記録媒体にこの信号を個別記録及び外部からの要求に応じて特定のデータを読み出す記録メディアマネージメント手段53が接続されており、システム制御手段11の指示により記録信号処理された信号の記録媒体への記録及び読込みを行う。
【0027】
記録メディアマネージメント手段53には、放送受信手段3から取得した入力信号2を一時的に記録する一時記録手段54と、放送受信手段4から取得した入力信号3を一時的に記録する一時記録手段55と、何れの信号をも主たる保存の対象とする記録手段56と、これら記録手段から読出された各種信号を取得して再生する再生制御手段12が接続されている。
【0028】
ここで一時記録手段54及び一時記録手段55には、ユーザーが実際に視聴している映像データ(音声データ及び動画データを含む)が記録される。この一時記録手段54及び一時記録手段55に記録される入力信号2及び入力信号3には、予め一定の条件、例えば時間、データサイズ又は装置OFF等の指示が記録されており、条件が満たされた場合にこれらデータを消去(無効化)する指示が記録されている。
【0029】
ここで図2において一時記録手段54、一時記録手段55及び記録手段56は、説明の都合上個別に記載しているが、これら記録手段は、例えばハードディスク等の高速アクセスが可能な大容量装置等を用いる場合は、1つのハードディスクを予め記録領域別に割り振り、各領域に各種信号を記録させるようにしてもよい。また記録手段に記録される信号を各々ファイル化して記録させるようにしてもよい。
【0030】
尚、本実施の形態においては、記録信号処理手段51、記録制御手段52、記録メディアマネージメント手段53、一時記録手段54、一時記録手段55及び記録手段56により記録処理手段5が構成されている。
【0031】
再生制御手段12には、後段に接続されているディスプレイ表示処理手段15に、記録信号処理手段51で記録信号処理された信号を表示可能に処理(例えばMPEG伸張等)して出力する再生信号処理手段13と、再生制御手段12から出力される表示信号に基づいて、再生信号処理手段13で処理された表示可能な映像データ等をディスプレイ表示処理手段15に出力する表示制御手段14が接続されている。再生制御手段12及び表示制御手段14で行われるデータの取得及び出力は、システム制御手段11の指示により制御が行われる。
【0032】
再生信号処理手段13及び表示制御手段14には、再生信号処理手段13及び表示制御手段14から映像データ等を取得し、これに例えばオンスクリーンディスプレイ処理等の表示処理し出力手段8に出力するディスプレイ表示処理手段15が接続されている。
【0033】
システム制御手段11には、ユーザーにより登録された予約録画の管理制御を行う予約録画制御手段16と、この予約日時等の管理及び装置起動時点から視聴チャンネルの切替要求指示が出力されまでの経過時間を計測するシステムタイマー手段17が接続されている。
【0034】
このシステム制御手段11は、チャンネルスキップ手段111と、再生開始指標付与手段112と、コマーシャル判定手段113とを備えている。
【0035】
チャンネルスキップ手段111は、複数のチャンネル番号の中から一のチャンネル番号を指定する直接選択信号又は現在選択されているチャンネル番号に対して相対的にチャンネル番号を切替える相対選局信号により選択された一のチャンネル番号に係る映像及び音声信号を記録中に、この記録中のチャンネル番号を指定する相対選局信号を取得すると、このチャンネルを選択させずにこのチャンネルの隣のチャンネル番号を選択させる機能部である。
【0036】
再生開始指標付与手段112は、記録データの再生停止位置に次に再生開始位置を示す指標データを付与する機能を有するものであるが、一度も再生されていない記録データに対する開始位置はデータの先頭とみなすように制御してもよい。ここで、指標データの付与とは、記録データに対して、直接その位置を示すデータを埋め込む方法、記録データの再生位置時間データや再生アドレスやバイト数等を記録データに関連付けて管理する方法等によるものである。
【0037】
コマーシャル判定手段113は、再生開始指標の付与位置が、この映像及び音声信号に含まれる広告又は宣伝に関するいわゆるコマーシャル期間内に付されているか否かを判定する機能部である。
【0038】
尚、上記各種処理手段及び制御手段が具備される制御手段1及び記録処理手段5は、例えばCPU、RAM、ROMからなり、ROMに記録された処理プログラムをRAMに展開して、CPUでこの処理プログラムを実行するようになっている。ここで処理プログラムとは、例えば信号セレクト手段10において入力信号1〜3の中から一の入力信号を選択して記録信号処理手段51に出力させるプログラムや、記録信号処理手段51において選択された入力信号を圧縮処理して記録制御手段52に出力させるプログラムや、記録媒体に各種信号を記録させるプログラム等がある。入力手段2、放送受信手段3,4、表示手段6、ユーザー制御手段7及び出力手段8は、各種専用電子回路により構成されるものである。
【0039】
ここで図4を参照して、放送受信記録再生装置の操作に用いる遠隔操作部(リモコン)について簡単に説明する。今般の放送受信記録再生装置では、ユーザーがリモコンを用いて放送受信記録再生装置を遠隔操作することが一般的であり、本説明においてもリモコンを用いた操作を主な対象として説明する。尚、装置本体のフロントパネルに設けられている操作ボタンを用いて操作して制御できることは言うまでもない。
【0040】
このリモコン23は、電源スイッチ24と、チャンネル切替えにおいてチャンネル局番を数字ボタンを用いて直接指定するチャンネル直接指定操作部25と、チャンネル切替えなどを現行のチャンネルからのUp−Down(現在選局のチャンネルにプラス1チャンネル、またはマイナス1チャンネルする操作のこと)によって指定するチャンネル相対指示操作部29と、記録データの再生映像を一時停止させるための一時停止指示操作部26と、再生状態又は記録状態を停止させる停止指示操作部27と、記録データの再生を指示する再生指示操作部28と、記録開始を指示する記録指示操作部30とを備えている。
【0041】
またこのリモコンは、図5に示すように、チャンネルごとに割り当てられた放送局の受信が可能である環境で動作していると仮定し、図4に示したリモコン23の数字ボタンであるチャンネル直接指定操作部25の各数字ボタンに図5に示した各チャンネル番号が割り当てられている。チャンネル直接指定操作部25を操作すれば、現在どのチャンネルを選局しているかに関係なく直接ユーザーが指定したチャンネルへ切替えることができ、チャンネル相対指示操作部29を操作すれば、その「Up」「Down」操作により順次チャンネルが切替えることができる。
【0042】
これらチャンネル直接指定操作部25やチャンネル相対指示操作部29の操作によって、チャンネル選局信号が出力される。また、再生指示操作部28の操作によって記録再生要求信号が出力され、また停止指示操作部27の操作によって記録再生停止要求信号が出力される。
【0043】
ここで図6を参照して、「Up」「Down」操作による基本的なチャンネル切替動作を説明する。
【0044】
まず図6に示すように、例えば最初に選択されているチャンネルが「CH1」の場合は、Up操作31で「CH3」に切替わり、更にUp操作32、33、34、35、36の操作をすることで順次チャンネルが「CH4」「CH6」「CH8」「CH10」「CH12」に切替わり、更にUp操作37で「CH1」に戻るというUp巡回動作をする。同様に「Down」操作44、43、42、41、40、39、38の操作に対しては、順次「CH10」「CH8」「CH6」「CH4」「CH3」「CH1」という具合にチャンネルが切替わるDown巡回動作をする。
【0045】
ここで図3を参照して、放送信号(入力信号2又は3)の一時記録タイミングの基本例について説明する。
【0046】
本説明にあたり、これらタイミングイメージ図の横軸は時間(t)、縦項目は各部の様子(ユーザーの要求:U、チューナの状態:Tu、一時記録内容:C、一時記録の再生状態:P、ディスプレイ表示状態:D等)とする。尚、下記説明においては次のような表記を用いる。例えば、図3の右上に表記している「U(t7)=Ch1」は、ユーザーがt7のタイミングでCh1チャンネルへのチャンネル切替え要求を出す。また同様に「Tu2(t3)=Ch4」は、チューナ2がタイミングt3においてCh4を選局したことを示す。以下、図9、図10、図12、図15、図16のタイミングイメージの説明においても同様の表現を用いる。
【0047】
同図に示すように、ユーザーがチャンネル切替え要求 U(t0)=Ch1 を出力すると、チューナ1状態Tu1は、Tu1(t0)=Ch1となり、表示Dは、表示D(t0)=Ch1となる。次に、ユーザーがこのチャンネルを録画するためにU(t1)=記録を要求すると、一時記録C1(t1)=Ch1の記録が開始する。この記録状態でユーザーがチャンネル切替え要求 U(t2)=Ch3、U(t3)=Ch4を要求すると、記録に使用されていないチューナTu2がTu2(t2)=Ch3、Tu2(t3)=Ch4とユーザー要求に応えた選局を行い、その受信映像を視聴できるように表示D(t2)=Ch3、D(t3)=Ch4に表示が切替えられ、更にユーザーからU(t4)=Ch1のチャンネル切替え要求が出力されると、表示出力信号をチューナTu1からの信号に切替えD(t4)=Ch1となる。この基本例では、記録中と同じチャンネルへの切替えが行われたときは、既に選局済みのTu1を用いて視聴するように構成されているが、Tu1に代えてTu2で選局を行うようにしてもよい。
【0048】
次に、ユーザーがU(t5)=再生を要求すると、C1の再生状態P1(t5)=再生Ch1の処理が行われ、表示Dにこの再生映像がD(t5)=再生Ch1として表示される。次いで、ユーザーが一旦他のチャンネル(Ch4)を見るために、U(t6)=停止Ch1を要求すると、C1の再生状態P1(t6)=停止として表示DにチューナTu2で選局しているCh4が表示D(t6)=Ch4に表示させ、次に、U(t7)=Ch1の要求で、D(t7)=Ch1とし、次いでユーザーから再度再生要求U(t8)=再生が出力されることで、先のt6で停止した位置からの再生が行われる。
【0049】
次に、図7を参照して、本発明の第1実施例に係る放送受信記録再生装置のチャンネル切替え動作について説明する。図7は、特定のチャンネル(ここではCH4)の録画動作中に他のチャンネルを視聴するためにチャンネル切替えを行った時のチャンネル切替わり動作をイメージ化したものである。
【0050】
同図に示すように、例えばチャンネルCH4を録画中に他局(例えば「CH1」)を視聴しており、チャンネル相対指示操作部29でUp操作31、32と操作を行うと、最初に選択されていたチャンネル「CH1」から「CH3」に切替わり、次いで本来ならば「CH4」へ切替わるところ、そのチャンネルが録画中の場合にはそのチャンネルを飛ばして次のチャンネル「CH6」に切替わるので切替えスキップ動作をする。同様に、チャンネル「CH6」を選局している時にDown操作41を行うと録画中の「CH4」を飛ばしてチャンネル「CH3」を選局する。
【0051】
次に、図8を参照して、本発明の第2実施例に係る放送受信記録再生装置のチャンネル切替え動作について説明する。図8は、図7と同様にチャンネル「CH4」が録画中のチャンネル相対指示操作部29によるチャンネル切替え動作をイメージ化したものである。
【0052】
同図に示すように、例えば記録中のチャンネル「CH4」がチャンネル相対指示操作部29のUp操作32或いはDown操作41により通常ならば「CH4」を選局すべき切替え順であるが、本実施例ではそのチャンネルが録画中の際には録画データの再生映像に切替える。
【0053】
また、この録画データを再生している状態からチャンネル相対指示操作部29によるUp操作33またはDown操作40を行うと、この再生動作を停止し、更にこのデータの放送時のチャンネルからチャンネル選局を行う。つまり、図8で言うならば、Up操作32で「CH6」に、Down操作41で「CH3」にチャンネルを切替えるものである。尚、特定チャンネルの記録中に他チャンネルを選局する場合は、チャンネル直接指定操作部25を用いてダイレクトにチャンネル切替えを行うことも可能である。
【0054】
次に、図9を参照して、第2実施例のチャンネル切替え操作を行った場合の各制御部の動作について説明する。このタイミング動作は、一時記録手段C1にチャンネルCh1が記録されている時に行う図8で示したチャンネル切替え操作の制御タイミングをイメージ化したものであり、ユーザーの選局要求などを行う操作ボタンにより選択されるチューナ選局や記録データ再生動作の様子を示している。
【0055】
同図に示すように、まず、ユーザーがチャンネル切替え要求 U(t17)=Ch1を直接指示操作部25を用いて選局すると、チューナTu1はTu1(t17)=Ch1に切替わり、更にユーザーが相対指示操作部用29によりUp操作で選局を行うと、チューナTu2(t17)=Ch3に切替わる。ここでDown操作を行うとチューナTu1はTu1(t19)=Ch1に切替わる。
【0056】
次に、再生指示ボタンにより一時記録C1に記録中のデータの再生を指示すると、Up操作により再生中の記録データのチャンネルからUp操作したのと同じチャンネルの再生位置(ST1)に切替わる。ここで再生中のデータはCh1のものであるため、チューナ2を用いてTu2(t22)=Ch3と選局する。その後更にUp操作でチューナTu2のチャンネルをTu2(t24)=Ch4、Tu2(t25)=Ch6にチャンネルを切替え、直接指示操作部25を用いてCh12へのチャンネル切替えを行った後、Up操作でCh1を指示すると記録中のデータ再生を前回再生途中の位置(ST2)から再生を開始する。
【0057】
次に、図10を参照して、上記第1及び第2実施例に適用可能な一時記録C1の再生タイミングについて説明する。同図に示すように、ユーザーからのU(t32)=Ch1の要求でチャンネルを切替え、一時記録手段C1にチャンネルCh1に固定して視聴しながら録画をしている時に、ユーザーが別のチャンネルを視聴するためにU(t34)=Ch3及びU(t35)=Ch4の切替え要求を出力し、チューナTu2を用いてチャンネルをそれぞれTu2(t34)=Ch3、Tu2(t35)=Ch4に切替えて放送を視聴し、その後にユーザーがU(t36)=Ch1の切替えを要求すると、一時記録手段C1に録画中のCh1データの再生を行う。この時、再生の開始位置をCh1放送で最後に見ていたC1(t34)から一定の時間遡ったP0位置から再生する。これにより視聴映像の表示DのD(t36)〜D(t37)で再生される映像は先の視聴の時に見た最後の映像シーンを再生することになる。更に、この再生はU(t40)=Ch4のユーザー要求により停止し、再度U(t41)=Ch1の要求で、先ほどまでの再生位置から一定時間遡ったP1の位置から再生することで、最後に見たシーンをもう一度目にすることで、ユーザーにそれとなく今が再生映像であることを意識させることができる。
【0058】
ここで、図11を参照して、上記動作を行うためのシステム制御手段1の処理手順を説明する。但し、ここでは説明を簡素化するためにチャンネル切替え及び一時記録の動作に限定して説明する。
【0059】
まず、放送受信記録再生装置の電源をONして装置を起動させる。
【0060】
ステップS1で、システム制御手段11は、ROMに予め記録されているシステム起動プログラムを読込み、この起動処理の一環としてチューナ1及び2を起動させる。
【0061】
ステップS2で、システム制御手段11は、信号セレクト手段10を介してチューナ1及び2のデータ受信状態を確認し、どちらのチューナも受信を開始していない場合は、予め優先順位が高く設定されているチューナ1から映像データの受信を開始させる。そしてシステム制御手段11は、記録制御手段52を介して記録信号処理手段51に、同じ映像データを、保存用映像データとリアルタイム表示用映像データの2系統で取得させる。そして保存用の映像データには圧縮処理等の記録信号処理を施す指示を行い、リアルタイム表示用映像については後工程で説明する表示装置への表示を指示する。次いでシステム制御手段11は、記録メディアマネージメント手段53に対して記録信号処理手段51で記録信号処理された映像データの格納を指示する。記録メディアマネージメント手段53は、記録制御手段52を介して取得した記録信号処理済みの映像データを一時記録手段54に記録させる。
【0062】
ステップS3で、システム制御手段11は、ステップS2でリアルタイム表示用映像データとして取得した映像データを、記録信号処理手段51、記録制御手段52、記録メディアマネージメント手段53、再生制御手段12、表示制御手段14及びディスプレイ表示Y処理手段15を介して表示モニタ(TV等)に表示させる。
【0063】
ステップS4で、システム制御手段11は、一時記録手段54に記録させたデータの再生の最中であるか否かを確認し、再生中であればステップS5に進む。
【0064】
ステップS5で、システム制御手段11は、再生停止要求があるか否か確認し、再生停止要求がなければステップS3に戻り再生を継続する。ここで再生停止要求があった場合にはステップS6に進む。
【0065】
ステップS6で、システム制御手段11の再生開始指標付与手段112は、再生を停止し、再生停止位置及び次回の継続再生位置を記録手段56に記録する。
【0066】
ステップS7で、システム制御手段11は、チャンネル変更要求の有無を確認し、チャンネル変更要求が無ければ元のチャンネルを表示するようステップS3へ戻る。チャンネル変更要求があった場合にはステップS13に進む。
【0067】
一方、ステップS4で一時記録手段54に記録されたデータが再生中でない場合には、ステップS8に進む。
【0068】
ステップS8で、システム制御手段11は、ユーザーからのチャンネル切替え要求の有無を確認し、チャンネル切替え要求があるまで切替え要求を待ちで待機し、変更要求がない場合はステップS9に進み、変更要求がある場合はどのチューナで要求チャンネルが選局できるかを判断するためにステップS13に進む。
【0069】
ステップS9で、システム制御手段11は、一時記録装置54への再生要求があるか否かを確認し、要求が無ければステップ8へ戻りチャンネル変更要求を確認し、要求があればステップS10に進む。
【0070】
ステップS10で、システム制御手段11は、現時点より前に一時記録されたデータの視聴履歴があるか否かを最終視聴ポイントの有無から確認を行い、最終視聴ポイントデータの途中を指し示めすポイントマークが無い場合はステップS11に進み、ポイントマークがある場合はステップS22に進む。
【0071】
ステップS11で、システム制御手段11は、データの先頭から再生を開始し、ステップS3へ戻る。
【0072】
一方、ステップS10で、システム制御手段11は、最終視聴ポイントがデータの途中を示すポイントマークが有る場合は、ステップS22でその最終視聴位置より更に一定時間遡った位置から再生を開始して、ステップS3へ戻る。
【0073】
また一方、ステップS13で、システム制御手段11は、ステップS7及びステップ8でチャンネルチェンジ要求ありと判定した場合には、どのチューナで要求チャンネルが選局できるかを判断するためにチューナ1の選局状態を確認する。確認の結果、選局中のチャンネルが記録等のために固定されていない場合はステップS19に進み、固定されている場合はステップS21に進む。
【0074】
ステップS19で、システム制御手段11は、チューナ1を用いて要求されているチャンネルを選局し、ステップS20でチューナ1の出力を表示用に信号処理してステップS3へ戻る。
【0075】
一方、ステップS21で、システム制御手段11は、固定中(記録中)のチャンネルへの切替え要求があるか否かを確認し、チャンネル切替え要求がこの固定中のチャンネルへの要求である場合にはステップS10に進み、チャンネル切替え要求が固定中のチャンネルへの要求でない場合はステップS14に進む。
【0076】
ステップS14で、システム制御手段11のチャンネルスキップ手段111は、チューナ2の状態を確認して、録画等で使用されていない場合はステップS15でチューナ2を用いて要求のチャンネルを選局し、ステップS16で表示出力信号をチューナ2からの信号に切替え、ステップS17でチューナ1での視聴ポイントを確認して、チューナ2の選局チャンネルを一時記録手段55に記録開始し、ステップS3へ戻って表示する。
【0077】
尚ここでは、一時記録よりも予約録画の方を優先しているため、何れかのチューナが予約録画で使用されていれば、チャンネル要求は空いているほうで行うことを前提に、動作を簡略化して説明してある。ゆえに、チューナが共に予約録画中である場合には、チャンネル切替え自体が許可されない場合が十分にあり得る。
【0078】
次に、図12を参照して、本発明の第3実施例に係るチャンネル切替え操作を行った場合の各制御部の動作について説明する。
【0079】
同図に示すように、ユーザーからのU(t46)=Ch1の要求でチャンネルを切替え、一時記録手段C1にチャンネルをCh1に固定して視聴をしながら録画をしている時に、ユーザーが別のチャンネルを視聴するためにU(t48)=Ch3及びU(t49)=Ch4の切替え要求を出し、チューナTu2を用いてチャンネルをそれぞれTu2(t48)=Ch3、Tu2(t49)=Ch4に切替えて放送を視聴し、その後にユーザーがU(t50)=Ch1の切替えを要求した際に、一時記録手段C1へ録画中であるCh1データの再生を行う。この時、再生の開始位置をCh1放送を最後に見ていたC1(t48)から一定の時間遡ったP0位置から再生する。これにより視聴映像の表示DのD(t50)〜D(t51)で再生される映像は先の視聴の時に見た最後の映像シーンを再生することになる。更に、この再生はU(t56)=Ch4のユーザー要求により停止し、再度U(t57)=Ch1の要求で、先までの再生停止位置がCM中であることから、そのCMの先頭から一定時間遡ったP1の位置から再生することで、最後に見た番組のシーンをもう一度目にさせることで、ユーザーにそれとなく今が再生映像であることを意識させることができる。
【0080】
図13を参照して、上記動作を行うためのシステム制御手段1の処理手順を説明する。但し、ここでは説明を簡素化するためにチャンネル切替え及び一時記録の動作に限定して説明する。尚、本処理工程は、図11の処理工程と比較して、ステップS10以降にステップS23及びステップS24を設けた点と、ステップS6に代えてステップS17を設けた点が異なる。
【0081】
まず、放送受信記録再生装置の電源をONして装置を起動させる。
【0082】
ステップS1で、システム制御手段11は、ROMに予め記録されているシステム起動プログラムを読込み、この起動処理の一環としてチューナ1及び2を起動させる。
【0083】
ステップS2で、システム制御手段11は、信号セレクト手段10を介してチューナ1及び2のデータ受信状態を確認し、どちらのチューナも受信を開始していない場合は、予め優先順位が高く設定されているチューナ1から映像データの受信を開始させる。そしてシステム制御手段11は、記録制御手段52を介して記録信号処理手段51に、同じ映像データを、保存用映像データとリアルタイム表示用映像データの2系統で取得させる。そして保存用の映像データには圧縮処理等の記録信号処理を施す指示を行い、リアルタイム表示用映像については後工程で説明する表示装置への表示を指示する。次いでシステム制御手段11は、記録メディアマネージメント手段53に対して記録信号処理手段51で記録信号処理された映像データの格納を指示する。記録メディアマネージメント手段53は、記録制御手段52を介して取得した記録信号処理済みの映像データを一時記録手段54に記録させる。
【0084】
ステップS3で、システム制御手段11は、ステップS2でリアルタイム表示用映像データとして取得した映像データを、記録信号処理手段51、記録制御手段52、記録メディアマネージメント手段53、再生制御手段12、表示制御手段14及びディスプレイ表示Y処理手段15を介して表示モニタ(TV等)に表示させる。
【0085】
ステップS4で、システム制御手段11は、一時記録手段54が再生中か否かを確認し、再生中であればステップS5に進む。
【0086】
ステップS5で、システム制御手段11は、再生停止要求があるか否か確認し、再生停止要求がなければステップS3に戻る。ここで再生停止要求があった場合にはステップS6に進む。
【0087】
ステップS6で、システム制御手段11は、再生を停止し、再生停止位置及び次回の継続再生位置を記録する。
【0088】
ステップS7で、システム制御手段11は、チャンネル変更要求の有無を確認し、チャンネル変更要求が無ければ元のチャンネルを表示するようステップS3へ戻る。一方、チャンネル変更要求があった場合にはステップS13に進む。
【0089】
一方、ステップS4で一時記録手段54が再生中でない場合には、ステップS8に進む。
【0090】
ステップS8で、システム制御手段11は、ユーザーからのチャンネル切替え要求の有無を確認し、チャンネル切替え要求があるまで切替え要求を待ち、変更要求がない場合はステップS9に進み、変更要求がある場合はどのチューナで要求チャンネルが選局できるかを判断するためにステップS13に進む。
【0091】
ステップS13で、システム制御手段11は、チューナ1の選局状態を確認して、空いているチューナでの選局を以降のステップで行う。
【0092】
ステップS9で、システム制御手段11は、一時記録装置54への再生要求があるか否かを確認し、要求が無ければステップ8へ戻りチャンネル変更要求を確認し、要求があればステップS10に進む。
【0093】
ステップS10で、システム制御手段11は、現時点より前に一時記録されたデータの視聴履歴があるか否かを最終視聴ポイントの有無から確認を行い、最終視聴ポイントデータの途中を指し示しめすポイントマークが無い場合はステップS11に進み、ポイントマークがある場合はステップS23に進む。
【0094】
ステップS23で、システム制御手段11のコマーシャル判定手段113は、最終視聴ポイントの位置がCM(コマーシャル)中であるか否かを確認し、CM中である場合には、ステップS24に進む。
【0095】
ステップS24で、システム制御手段11は、CMの先頭を検出し、そのCM先頭位置から一定時間更に遡った位置からの再生を行い、ステップS3へ戻る。
【0096】
一方、ステップS23で、システム制御手段11は、最終視聴位置がCMで無い場合には、ステップS22でその最終視聴位置より更に一定時間遡った位置から再生を開始して、ステップS3へ戻る。
【0097】
尚、以下ステップS13以降の処理は、図11と同処理のためここでは説明を省略する。
【0098】
以上説明した通り、図12及び図13のタイミング動作及び処理制御を行うことにより、第1及び第2実施例のような操作環境などによりチャンネル切替えと記録データの再生を柔軟且つスムーズに切替えて各番組を切替えながら視聴した場合にも、番組を再生する際には、最後に見たシーンをもう一度見せることで、それが記録データの再生映像であることを視聴者に意識させ、次の番組を意識させることができる。
【0099】
上記第1〜第3実施例は、この実施例に加えて、次の図14に示す表示ディスプレイに工夫を施すことにより一層その効果を得ることができる。
【0100】
図14(a)〜(d)は、本発明の放送受信記録再生装置に接続される表示ディスプレイに表示される表示一例を示す図である。
【0101】
図14(a)に示す本発明が搭載された放送受信記録再生装置49には、放送信号を受信するためのアンテナ48が接続され、更に映像音声信号伝送用ケーブル47を介して表示装置(TVなど)45が接続されている。また、この表示装置45は表示部46を備え、この表示部46に映像を再生表示するものである。
【0102】
図14(b)に示す本発明が搭載された放送受信記録再生装置49は、表示装置45の表示部46に、予め記録した記録データを再生するときに、現在放送中の番組の終了時間やCM終了時間或いは特定の区切りの時間(例えば、00分、30分)等のタイミングで、表示部46に、現在再生動作中であることを示す表示50を一定時間出力表示するものである。
【0103】
図14(c)に示す本発明が搭載された放送受信記録再生装置49は、表示装置45の表示部46に、予め記録した記録データを再生するときに、表示部46のエリアサイズより一回り小さいサイズの映像51を出力表示させることで、現在の映像が記録データの再生であることを視聴者に視認可能に表示させるものである。
【0104】
図14(d)示すに本発明が搭載された放送受信記録再生装置49は、表示装置45の表示部46に、予め記録した記録データを再生するときに、現在放送中の番組の終了時間やCM終了時間或いは特定の区切りの時間(例えば、00分、30分)等のタイミングで表示部46に現在の時刻を示す時刻表示52を一定時間画面上に表示させるものである。
【0105】
更に、本発明のように保存用の記録手段と一時記録手段を備える放送受信記録再生装置では、一時記録手段で記録したデータを利用した軽快な再生及びチャンネル選択を行うことができるが、当然、時間が足りず一時記録装置のデータをその時点では最後まで視聴できない場合が生じることは容易に予想できる。そのため、通常は、一時記録手段に記録したデータを保存用の記録装置に保存し、後日改めて視聴するといった使い方をする。しかし、本発明で目指す記録データの再生視聴と放送チャンネル視聴を軽快行き来しながら記録データを楽しんでいた場合には、録画データを何処まで視聴していたか、又その録画データに何処までの番組が記録しているかが不明確になる場合があり、後日、すばやく再生位置を確定することができなくなる。
【0106】
そこで、図15、図16を参照して、上記問題を解決する第4及び第5実施例を説明する。
【0107】
この放送受信記録再生装置は、一時記録装置のデータを保存データとして記録装置に記録する場合に、第4実施例ではその番組の最終視聴ポイントを記録データにも記録し、第5実施例では一時記録データ内に記録された複数の番組により構成されるデータを記録する際に、その番組の境界を示す情報を共に記録することで後日それら保存データを楽しむ際に速やかに再生位置を選択できるものである。
【0108】
具体的に図15は、ユーザーがU(t65)=Ch1でチャンネルを切替えて、一時記録手段にこのチャンネルを録画しながら、次のチャンネル切替えU(t67)=Ch4までの間、そのチャンネルCh1を視聴し、その後Ch4を視聴している。この時、この一時記録C1の記録データを後日楽しむために保存記録 U(t68)=録画開始をした場合、その録画データにはt65からt67まで既に放送で視聴済みであることを示す情報を共に記録する。
【0109】
一方、図16は、一時記録C1に残っているデータを保存する際に、そのデータが複数の番組で構成されている場合にはその番組ごとの境界位置情報を同時に記録することを示すものである。
【0110】
これによれば、一時記録データ内に記録された複数の番組により構成されるデータを記録する際に、その番組の境界を示す情報を共に記録することで、後日それら保存データを楽しむ際に速やかに再生位置を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明に係る放送受信記録再生装置の一実施形態の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明に係る放送受信記録再生装置が備える制御手段と記録処理手段の具体的な構成を示したブロック図である。
【図3】放送受信記録再生装置の一時記録データの再生タイミングを説明するためのイメージ図である。
【図4】本発明で適応するリモコンの外観図である。
【図5】Up‐Down(アップダウン)キーの選局登録例を示す表である。
【図6】Up‐Down(アップダウン)選局によるチャンネル切替えの基本動作を説明するためのイメージ図である。
【図7】本発明の第1実施例に係るチャンネル切替え動作を示すイメージ図である。
【図8】本発明の第2実施例に係るチャンネル切替え動作を示すイメージ図である。
【図9】本発明の第2実施例に係る放送受信記録再生装置の一時記録データの再生タイミングを説明するためのイメージ図である。
【図10】本発明の第3実施例に係る放送受信記録再生装置の一時記録データの再生タイミングを説明するためのイメージ図である。
【図11】本発明の第3実施例に係る放送受信記録再生装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の第3実施例に係る放送受信記録再生装置の一時記録データの再生タイミングを説明するためのイメージ図である。
【図13】本発明の第3実施例に係る放送受信記録再生装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の放送受信記録再生装置に接続する表示ディスプレイの一例を示す図である。
【図15】本発明の第4実施例に係る放送受信記録再生装置の一時記録データの再生タイミングを説明するためのイメージ図である。
【図16】本発明の第5実施例に係る放送受信記録再生装置の一時記録データの再生タイミングを説明するためのイメージ図である。
【符号の説明】
【0112】
1…制御手段
2…入力手段
3…放送受信手段
4…放送受信手段
5…記録処理手段
6…表示手段
7…ユーザー制御手段
8…出力手段
10…信号セレクト手段
11…システム制御手段
12…再生制御手段
13…再生信号処理手段
14…表示制御手段
15…ディスプレイ表示処理手段
16…予約録画制御手段
17…システムタイマー手段
23…リモコン
24…電源スイッチ
25…チャンネル直接指定操作部
26…一時停止指示操作部
27…停止指示操作部
28…再生指示操作部
29…チャンネル相対指示操作部
30…記録指示操作部
45…表示装置
46…表示部
47…映像音声信号伝送用ケーブル
48…アンテナ
49…放送受信記録再生装置
51…記録信号処理手段
52…記録制御手段
53…記録メディアマネージメント手段
54…一時記録手段
55…一時記録手段
56…記録手段
60…表示
61…映像
62…時刻表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者からの少なくともチャンネル選択要求の入力操作によって操作手段から供給されるチャンネル選局信号に基づき選局されたチャンネルのチャンネルデータを記録及び再生する放送受信記録再生装置であって、
複数のチャンネルからなる放送信号を受信して、前記供給されたチャンネル選局信号に基づくチャンネルデータをそれぞれ抽出する2つの放送受信手段と、
前記一方の放送受信手段から抽出されたチャンネルデータを記録する記録手段と、
前記操作手段から供給される記録再生要求信号に基づき、前記記録動作中の前記記録手段における既に記録されているデータ領域から読み出されるチャンネルデータと前記チャンネル選局信号に基づき前記他方の放送受信手段から抽出されるチャンネルデータとのいずれかを再生出力する再生手段とを備え、
前記操作手段は、
前記チャンネル選択要求の入力操作によって得られる前記他方の放送受信手段に供給すべきチャンネル選択信号に対応するチャンネル番号と前記記録手段に記録されているチャンネルデータに対応するチャンネル番号とが同一である場合には、前記他方の放送受信手段に対しては該チャンネル番号に対応するチャンネル選局信号を出力しないよう制御することを特徴とする放送受信記録再生装置。
【請求項2】
前記操作手段は、
使用者によるチャンネル選択要求の入力操作によって得られる前記他方の放送受信手段に供給すべきチャンネル選択信号に対応するチャンネル番号と前記記録手段に記録されているチャンネルデータに対応するチャンネル番号とが同一である場合には、前記記録手段に対しては該チャンネル番号に対応する記録再生要求信号を出力するとともに、使用者による記録再生停止要求の入力操作によって記録再生停止要求信号を出力するように構成し、
前記再生手段は、
前記記録再生要求信号に基づいて記録動作中の前記記録手段における既に記録されているデータ領域から読み出されたチャンネルデータを再生出力している最中に前記記録再生停止要求信号が供給された場合には、該チャンネルデータの再生出力を停止するとともに、該チャンネルデータにおける停止位置を示す再生開始指標データを該チャンネルデータに関連付けて前記記録手段に記録し、少なくとも次に前記記録再生要求信号が供給された場合は、前記記録された再生開始指標データに基づき該チャンネルデータの前回停止した位置から再生動作を開始するように構成したことを特徴とする請求項1記載の放送受信記録再生装置。
【請求項3】
前記再生手段は、
チャンネルデータと該データに関連付けられた再生開始指標データとが前記記録手段に記録されている場合であって、前記操作手段から記録再生要求信号が供給された場合に、前記チャンネルデータの再生開始位置を前記関連付けられた再生開始指標データに対応した
位置よりも所定時間分前の位置に設定して再生出力を開始することを特徴とする請求項2記載の放送受信記録再生装置。
【請求項4】
前記一方の放送受信手段から抽出されたチャンネルデータからコマーシャルデータの開始位置及び終了位置を検出するコマーシャル検出手段をさらに備え、
前記再生手段は、
前記チャンネルデータと該データに関連付けられた再生開始指標データとが前記記録手段に記録されている場合であって、前記操作手段から記録再生要求信号が供給された場合に、前記再生開始指標データから得られる開始位置が前記検出されたコマーシャルデータの開始位置と終了位置との期間内であるときは、該コマーシャルデータの開始位置よりも所定時間分前の位置から再生出力を開始することを特徴とする請求項2記載の放送受信記録再生装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−124334(P2007−124334A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314593(P2005−314593)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】