説明

放送記録装置

【課題】使用者が所望する光ディスクに所望の番組のコンテンツデータを確実に録画することができ、しかも、対応する光ディスクが装着されていない旨の警告の発生を抑えることができる放送記録装置を提供する。
【解決手段】放送される番組のコンテンツデータを、着脱可能な光ディスクに記録する録画装置に、コンテンツデータを記憶することができる複数の記憶領域を有する記憶部12と、一の光ディスクに固有の媒体情報を一の記憶領域に関連付けて記憶する手段と、一の光ディスクに、関連付けて記録すべき番組を指定する予約情報を記憶する手段と、予約情報で関連付けられた光ディスクが装着されているか否かを判定する手段と、コンテンツデータを記憶するための空き容量を一の記憶領域が有しているか否かを判定する手段と、予約情報で関連付けられた光ディスクが装着されておらず、空き領域を一の記憶領域が有していない場合、警告を発する警告手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送された番組の内容を表すコンテンツデータを光ディスク等の記録媒体に記録する放送記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、テレビジョン放送により放送された番組を録画する録画装置(放送記録装置)が普及している。録画装置には、ハードディスク等の内蔵記憶装置を備え、番組の映像又は音声等の内容を表すコンテンツデータを前記内蔵記憶装置に記憶するものと、着脱可能な光ディスク等の可搬型の記録媒体にコンテンツデータを記録するものとがある。
【0003】
内蔵記憶装置を備えた録画装置においては、録画を行った録画装置でしか番組を再生することができないという難点がある。また、コンテンツデータを消去せずに保存し続けた場合、内蔵記憶装置の容量が不足し、コンテンツデータを保存できなくなるという難点がある。これらの難点は、内蔵記憶装置から可搬型の記録媒体へコンテンツデータをダビングすることによって、解消することができる。
しかし、録画装置の操作に不慣れな使用者にとっては、ダビングの操作は難しく、手間を要するという問題がある。
【0004】
一方、可搬型の記録媒体にコンテンツデータを直接記録することができる録画装置を用いる場合、上述のダビングを行う必要がない。家庭内で複数の使用者が同一の録画装置を利用する場合、各使用者が自己の記録媒体を保持し、各使用者が所望の番組を自己の記録媒体に録画することができる。また使用者が複数の録画装置を所有している場合、複数の録画装置を用いて一の記録媒体に録画を行うこともできる。
しかし、録画予約が行われた場合、録画装置がその録画予約の情報を記憶するため、録画に使用する予定であった記録媒体とは異なる他の記録媒体が誤って装着されたとしても、そのまま該記録媒体にコンテンツデータが記録されてしまうという難点がある。例えば、Aさんが所有する記録媒体に番組aを録画したい場合、番組aの録画予約を行い、Aさんが所有する記録媒体を録画装置に装着する必要があるが、誤ってBさんの記録媒体が録画装置に装着された場合、番組aがBさんの記録媒体に記録されてしまう。
また、録画開始時刻に記録媒体が装着されていない場合、録画が不能になるという難点がある。もちろん、録画予約を行った場合、記録媒体の排出を行えないよう録画再生機能を制限することも可能であるが、他の使用者は録画装置を使えなくなり、利便性が損なわれる。
更に、予約録画の待機状態においても、録画装置の通常の操作を可能にし、録画予約設定時と異なる記録媒体が装着された時に使用者に警告を発するように構成した録画装置が開示されているが(例えば、特許文献1,2)、他の使用者が記録媒体を交換する都度、警告が発せされるため、非常に煩わしいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−149393号公報
【特許文献2】特開平11−213627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録媒体に対する番組の録画を補助する記憶部を録画装置に備え、録画予約設定時に指定された記録媒体と異なる記録媒体が装着され、かつ記憶部による録画の補助が不能である場合、録画に係る警告を発するように構成することによって、使用者が所望する記録媒体に所望の番組のコンテンツデータを確実に録画することができ、しかも、対応する記録媒体が装着されていない旨の警告の発生を抑えることができる放送記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る放送記録装置は、放送される番組の内容を表すコンテンツデータを、着脱可能な記録媒体に記録する放送記録装置において、コンテンツデータを記憶することができる複数の記憶領域を有する記憶部と、一の記録媒体に固有の媒体情報を前記複数の記憶領域の内の一の記憶領域に関連付けて記憶する手段と、前記一の記録媒体に、関連付けて記録すべき番組を指定する番組指定情報を記憶する手段と、前記番組指定情報で関連付けられた記録媒体が装着されているか否かを判定する手段と、前記番組指定情報が指定する番組のコンテンツデータを記憶するための空き領域を前記一の記憶領域が有しているか否かを判定する手段と、前記番組指定情報で関連付けられた記録媒体が装着されておらず、前記番組指定情報が指定する番組のコンテンツデータを記憶するための空き領域を前記一の記憶領域が有していない場合、警告を発する警告手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る放送記録装置は、前記番組指定情報が指定する番組の放送時刻の所定時間前であるか否かを判定する手段を備え、前記警告手段は、前記放送時刻の所定時間前である場合、警告を発するようにしてあることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る放送記録装置は、前記警告手段は、記録媒体の着脱が行われた場合、警告を発するようにしてあることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る放送記録装置は、記録媒体に記録されたコンテンツデータを再生する手段を備え、前記警告手段は、コンテンツデータの再生を終了した場合、警告を発するようにしてあることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る放送記録装置は、前記番組指定情報が指定する番組のコンテンツデータを記憶するための空き領域を他の記憶領域が有しているか否かを判定する手段を備え、前記警告手段は、前記番組指定情報で関連付けられた記録媒体が装着されておらず、前記番組指定情報が指定する番組のコンテンツデータを記憶するための空き領域を前記一の記憶領域及び他の記憶領域が有していない場合、警告を発するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る放送記録装置は、前記番組指定情報で関連付けられた記録媒体が装着されている場合、前記番組指定情報が指定する番組のコンテンツデータを前記記録媒体に記録する手段と、前記番組指定情報で関連付けられた記録媒体が装着されていない場合、前記番組指定情報が指定する番組のコンテンツデータを、前記記録媒体の媒体情報を関連付けてある記憶領域に記憶させる手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る放送記録装置は、警告を発した後、該記録媒体が装着された場合、前記記憶部の空き容量に係る警告を発する手段を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、着脱可能な記録媒体に対するコンテンツデータの記録を記憶部が補助する。記憶部は、コンテンツデータを記憶することができる複数の記憶領域を有する。そして、放送記録装置は、一の記録媒体に固有の媒体情報と、一の記憶領域とを関連付けて記憶する。なお、言うまでも無く、関連付けられる媒体情報及び記憶領域は一組に限定されず、放送記録装置は、他の記録媒体に固有の媒体情報を、他の記憶領域に関連付けて記憶する。
そして、放送記録装置は、一の記録媒体に、関連付けて記録すべき番組を指定する番組指定情報を記憶することができる。つまり、一の記録媒体に対する録画予約が可能である。
番組指定情報を記憶した場合、放送記録装置は、番組指定情報で関連付けられた記録媒体が装着されているか否かを判定する。また、番組指定情報が指定する番組のコンテンツデータを記憶するための空き容量を、一の記録媒体に関連付けられた一の記憶領域が有しているか否かを判定する。そして、警告手段は、番組指定情報で関連付けられた記録媒体が装着されておらず、対応する記憶領域に空き容量が無い場合、警告を発する。つまり、放送記録装置は、コンテンツデータが記録されるべき記録媒体が装着されていない場合であっても、記憶部を用いてコンテンツデータを一時的に記憶することができる場合、警告を発しない。
【0015】
本発明にあっては、警告手段は、番組の放送時刻の所定時間前になった場合、警告を発する。従って、コンテンツデータが記録されるべき記録媒体の装着を促すことができ、コンテンツデータの録画を確実に行うことが可能になる。また、警告が頻発することを防止することができる。
【0016】
本発明にあっては、警告手段は、記録媒体の着脱が行われた場合、警告を発することによって、コンテンツデータが記録されるべき記録媒体の装着を促すことができ、コンテンツデータの録画を確実に行うことが可能になる。
【0017】
本発明にあっては、警告手段は、コンテンツデータの再生を終了した場合、警告を発することによって、コンテンツデータが記録されるべき記録媒体の装着を促すことができ、コンテンツデータの録画を確実に行うことが可能になる。
【0018】
本発明にあっては、放送記録装置は、番組指定情報が指定する番組のコンテンツデータを記憶するための空き領域を他の記憶領域が有しているか否かを判定する。そして、警告手段は、番組指定情報で関連付けられた記録媒体が装着されておらず、一の記憶領域はもちろん、他の記憶領域にも空き容量が無い場合、警告を発する。従って、警告が頻発することをより効果的に防止することができる。
【0019】
本発明にあっては、警告を発した後、記録媒体が装着された場合、記憶部の空き容量に係る警告を発する。記憶部の空き容量が増加した場合、警告が発せられなくなるため、警告が頻発することをより効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明にあっては、使用者が所望する記録媒体に所望の番組のコンテンツデータを確実に録画することができ、しかも、対応する記録媒体が装着されていない旨の警告の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の放送記録装置である録画装置の外観を示す概念図である。
【図2】本発明の放送記録装置である録画装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】記憶部の内部構成を概念的に示す説明図である。
【図4】記憶部の記憶領域を分割する処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】光ディスクドライブに光ディスクが装着されてから録画装置が行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】録画装置が行う録画予約の処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】保存用メモリに記憶した予約情報の内容例を示す概念図である。
【図8】録画装置が行う警告処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】録画装置が行う警告処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】録画装置が行う録画処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】録画装置が行う録画処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】コンテンツデータを記録した光ディスク又はコンテンツデータを記憶した記憶部の状態を示す概念図である。
【図13】コンテンツデータを記録した光ディスク又はコンテンツデータを記憶した記憶部の状態を示す概念図である。
【図14】コンテンツデータを記録した光ディスク又はコンテンツデータを記憶した記憶部の状態を示す概念図である。
【図15】コンテンツデータを記録した光ディスク又はコンテンツデータを記憶した記憶部の状態を示す概念図である。
【図16】録画装置が行う同期処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】録画装置が行う同期処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】光ディスクの記録内容を記憶部の記憶内容に同期させた結果を示す概念図である。
【図19】光ディスクの記録内容を記憶部の記憶内容に同期させ、記憶部からコンテンツデータを削除した結果を示す概念図である。
【図20】録画装置が行う番組再生の処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の放送記録装置である録画装置1の外観を示す概念図である。録画装置1には、テレビジョン受像機である映像表示装置4が接続されており、録画装置1は、映像表示装置4に対して映像信号及び音声信号を出力し、映像表示装置4は、映像信号に基づいた映像を表示し、音声信号に基づいた音声を出力する。また録画装置1は、使用者によって操作されるリモコン(リモートコントローラ)5からの信号を受信することにより、録画予約の指示等の各種の指示を受け付ける。
【0023】
図2は、本発明の放送記録装置である録画装置1の内部構成を示すブロック図である。録画装置1は、図示しない外部のアンテナ等に接続されており、該アンテナによって受信した放送信号が入力される放送入力部31と、図示しない外部チューナ等の外部装置から出力された映像信号及び音声信号が入力される信号入力部32とを備えている。また、録画装置1は、リモコン5から送信された信号を受信するリモコン受信部33と、映像表示装置4へ映像信号を出力する信号出力部34と、放送された番組の内容を表すコンテンツデータを記録するハイブリッドドライブ部10と、放送信号からコンテンツデータ及び映像信号を生成する処理を行うバックエンド部20とを備えている。コンテンツデータは映像及び音声からなる番組の内容を表すデジタルデータであり、コンテンツデータをデコードすることにより、番組の映像及び音声を再生することができる。
【0024】
バックエンド部20は、デジタルチューナ21、エンコーダ22、ストリーム処理部23、録画/再生制御部24、制御用メモリ25、インタフェース部26、保存用メモリ27,デコーダ28、画像処理部29を備える。
【0025】
デジタルチューナ21には放送入力部31が接続されている。デジタルチューナ21は、放送入力部31から出力された放送信号を受信して選局を行い、放送信号から選局されたチャンネル即ち特定の周波数帯の放送信号をMPEG(Moving Picture Experts Group)−2TS(Transport Stream)等のデジタルのストリームデータに変換し、変換したストリームデータをストリーム処理部23に与える。
【0026】
エンコーダ22には、信号入力部32が接続されている。エンコーダ22は、信号入力部32から出力された映像信号及び音声信号を受信し、受信した映像信号及び音声信号をMPEG−2PS(Program Stream)又はMPEG−2TS等のデジタルのストリームデータにエンコードし、エンコードされたストリームデータをストリームデータ処理部に与える。
【0027】
ストリーム処理部23には、デジタルチューナ21及びエンコーダ22が接続されている。ストリーム処理部23は、デジタルチューナ21及びエンコーダ22から与えられたストリームデータを取得し、取得したストリームデータの形式を、例えばDVDに適したMPEG2−PS形式等に変換したり、デジタル放送用のスクランブルを解除する処理等のストリームデータに対するデータ処理を行う。
また、ストリーム処理部23は、バックエンド部20内のシステムバスに接続されている。システムバスには、演算を行う演算部を含んでなる録画/再生制御部24、揮発性メモリである制御用メモリ25、SATA(Serial Advanced Technology Attachment )等のインタフェース部26、不揮発性メモリである保存用メモリ27、ストリームデータをデコードするデコーダ28が接続されている。
【0028】
録画/再生制御部24は、システムバスに接続された各構成部間でのデータの入出力を制御する処理を行う。また録画/再生制御部24にはバックエンド部20の外のリモコン受信部33が接続されており、録画/再生制御部24は、リモコン受信部33からの信号を取得することにより、録画装置1の主電源の入切操作、録画予約操作、再生操作、その他、使用者からの各種の指示を受け付ける。なお、録画装置1は、更に、チューナ装置等の外部装置からストリームデータを受信するイーサネット(登録商標)等のデジタルインタフェースを備えていてもよい。このデジタルインタフェースは、ストリーム処理部23に接続されている。
また、録画/再生制御部24は、録画予約用の図示しない時計部が接続されており、番組の録画予約を行うための時刻管理を行うことができる。
【0029】
制御用メモリ25は、ストリーム処理部23又は録画/再生制御部24等が実行する演算に伴う一時的な情報、主にストリーム処理部23で処理されたストリームデータ、又はハイブリッドドライブ部10から取得したストリームデータを記憶する揮発性のメモリである。制御用メモリ25は、一時的に記憶したストリームデータを、録画/再生制御部24の指示に従ってデコーダ28に与える。
【0030】
デコーダ28は、制御用メモリ25から与えられたストリームデータを取得し、取得したストリームデータを映像信号及び音声信号へデコードする。デコーダ28には、画像処理部29が接続されており、デコードされた映像信号及び音声信号を該画像処理部29へ出力する。
【0031】
画像処理部29は、画素の補間又は色調整等の画像処理を映像信号に対して実行する。画像処理部29にはバックエンド部20の外の信号出力部34が接続されており、画像処理部29は、映像信号及び音声信号を信号出力部34から映像表示装置4へ出力する。
【0032】
保存用メモリ27は、録画/再生制御部24の動作に必要な制御プログラム、及び録画予約に必要な情報等、保存する必要がある情報を記憶する。
【0033】
インタフェース部26には、バックエンド部20の外のハイブリッドドライブ部10が接続されている。バックエンド部20は、インタフェース部26を介してハイブリッドドライブ部10との間でデータを交換する。
【0034】
ハイブリッドドライブ部10は、バックエンド部20に接続するSATA等のインタフェース部14と、光ディスクドライブ11と、データを記憶する不揮発性の記憶部12と、光ディスクドライブ11及び記憶部12の動作を制御するドライブ制御部13とを備える。ハイブリッドドライブ部10は、インタフェース部14を介してバックエンド部20との間でデータを交換する。
【0035】
光ディスクドライブ11は、ブルーレイディスク(登録商標)又はDVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスク6が着脱自在に装着し、装着された光ディスク6からのデータの読み出し、及び光ディスク6へのデータの記録を行う。光ディスク6は、光ディスクドライブ11に対して着脱可能であり、本発明における記録媒体に相当する。また、光ディスクドライブ11は、光ディスク6が装着されているか否かを検出することができ、光ディスク6が装着された状態にあるか否かを示す信号を出力する。該信号は、ドライブ制御部13の制御によって、インタフェース部14,26を介して、録画/再生制御部24へ出力される。
【0036】
記憶部12は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ又はハードディスクであり、ドライブ制御部13の制御に従って、ストリームデータ及び各種データを読み書きを行う。
【0037】
図3は、記憶部12の内部構成を概念的に示す説明図である。記憶部12は、記憶部12の記憶内容を管理するための情報を記憶する管理領域、並びにコンテンツデータを記憶するための第1領域、第2領域、…、第n領域及び予備領域の複数の記憶領域を含んで構成されている。ここで、nは正の整数である。nは予め適当な値に定められており、録画装置1の出荷時点では、記憶部12の記憶領域が管理領域、第1〜第n領域及び予備領域の複数の記憶領域に予め分割されている。
【0038】
記憶部12の記憶領域の内、第1〜第n領域は、個別に特定の光ディスク6を対応付けておき、対応づけた光ディスク6に応じたデータを記憶するための記憶領域である。例えば、第1領域には特定の光ディスク61が対応付けられ、第2領域には特定の光ディスク62が対応付けられている。録画装置1の出荷時点では、いずれの領域にも光ディスク6は対応付けられていない。録画装置1を使用するには、使用者所有の光ディスク6を何れかの記憶領域に対応付けて登録する処理を行う必要がある。また予備領域は、その他のデータを記憶するための記憶領域である。
【0039】
記憶部12の管理領域は、図3に示すように、管理領域を管理するための情報を記憶する管理領域管理部と、第1領域、第2領域、…、第n領域及び予備領域の夫々を管理するための情報を記憶する第1領域管理部、第2領域管理部、…、第n領域管理部及び予備領域管理部とを含んで構成されている。管理領域は、記憶部12の記憶領域を分割した数を示すエントリ数と、管理領域中で第1〜第n領域管理部及び予備領域管理部の夫々に割り当てられたエリアのアドレスを示す割り当てエリア情報とが記憶されている。
【0040】
第1領域管理部には、第1記憶領域の番号を示すエントリ番号、第1領域に実際に光ディスク6が対応付けられているか否かを示す割り当てフラグ、及び対応付けられた光ディスク6を識別するためのメディアIDが記憶される。また第1領域管理部には、記憶部12の記憶領域中で第1領域に割り当てられたエリアのアドレスを示す割り当てエリア情報、光ディスク6のコピーガードに利用するための情報であるメディアキー情報、及び第1領域に係るデータの分布状態を示すマップ情報が記憶される。メディアID及びメディアキー情報は、光ディスク6に予め記録されている情報であり、個々の光ディスク6について固有の情報である。即ち、メディアID及びメディアキー情報は、本発明における媒体情報に相当する。録画装置1の出荷時点では、第1領域にはまだ光ディスク61が対応付けられていないので、割り当てフラグは光ディスク6が対応付けられていないことを示しており、特定の光ディスク61に固有のメディアID及びメディアキー情報はまだ記憶されていない。マップ情報は、第1領域で記憶するデータ、及び第1領域に対応付けられた光ディスク61で記録するデータが、第1領域及び光ディスク61のどのアドレスに分布しているのかを示している。第2〜第n領域管理部の夫々にも、同様の情報が記憶される。
なお、録画装置1は、記憶部12の記憶領域が予め分割されているのではなく、使用者がnの値を指定することによりnを決定し、nの値に応じて記憶部12の記憶領域を分割する処理を行う形態であってもよい。
次に、以上の構成でなる録画装置1が実行する処理を説明する。
【0041】
<記憶領域分割処理>
図4は、記憶部12の記憶領域を分割する処理の手順を示すフローチャートである。録画/再生制御部24は、録画装置1に登録できる光ディスク6の枚数の指定を受け付けるための受付画面を映像表示装置4に表示させ、使用者が所定の操作を行ったリモコン5からの信号をリモコン受信部33が受信することによって、登録できる光ディスク6の枚数の指定を受け付ける(ステップS11)。そして、録画/再生制御部24は、記憶部12の管理領域管理部に、指定された枚数の値を、エントリ数nとして記憶させることにより、エントリ数を設定する(ステップS12)。次いで、録画/再生制御部24は、記憶部12の管理領域中に第1〜第n領域管理部及び予備領域管理部を確保し、夫々に割り当てられたエリアのアドレスを示す割り当てエリア情報を管理領域管理部に記憶させることにより、第1領域管理部、第2領域管理部、…、第n領域管理部及び予備領域管理部を設定する(ステップS13)。録画/再生制御部24は、次に、記憶部12の管理領域以外の記憶領域を(n+1)分割し、第1〜第n領域及び予備領域の夫々に割り当てられたエリアのアドレスを示す割り当てエリア情報を、第1〜第n領域管理部及び予備領域管理部の夫々に記憶させることにより、第1〜第n領域及び予備領域を設定する(ステップS14)。録画装置1は、以上で記憶部12の記憶領域を分割する処理を終了する。
【0042】
<登録処理>
図5は、光ディスクドライブ11に光ディスク6が装着されてから録画装置1が行う処理の手順を示すフローチャートである。使用者の操作により光ディスクドライブ11に光ディスク6が装着された場合は、ドライブ制御部13は、光ディスク6中の所定の位置に記録された情報を光ディスクドライブ11に読み出させることにより、光ディスク6のメディアIDを読み出し、読み出したメディアIDをインタフェース部14からバックエンド部20へ出力する。録画/再生制御部24は、インタフェース部26を介してメディアIDを取得し、取得したメディアIDが記憶部12の第1〜第n領域管理部のいずれかに記憶されているかを判定することにより、装着された光ディスク6が既に登録済みの光ディスク6であるか否かを判定する(ステップS31)。メディアIDが記憶部12に記憶されておらず、光ディスク6が未登録であると判定した場合(ステップS31:NO)、録画/再生制御部24は、光ディスクドライブ11で光ディスク6から読み出したデータに基づき、光ディスク6がフォーマット済みの光ディスク6であるか否かを判定する(ステップS32)。ステップS32では、例えば、volume descriptorに基づいて判定を行う。光ディスク6がフォーマット済みの光ディスク6であると判定した場合(ステップS32:YES)、録画/再生制御部24は、光ディスクドライブ11で光ディスク6から読み出したデータに基づき、光ディスク6が再生専用の光ディスク6であるか否かを判定する(ステップS33)。
【0043】
光ディスク6が再生専用ではないと判定した場合(ステップS33:NO)、録画/再生制御部24は、光ディスク6のフォーマット指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS34)。例えば、録画/再生制御部24は、光ディスク6のフォーマット指示を受け付けるための受付画面用の映像信号をデコーダ28及び画像処理部29を介して信号出力部34から映像表示装置4へ送信することにより、映像表示装置4に、フォーマット指示を受け付けるための受付画面を表示させる。受付画面を確認した使用者は、フォーマットを行う際には、リモコン5を操作することによって、フォーマットの指示を入力する。使用者からの所定の操作を受け付けたリモコン5が送信した所定の信号をリモコン受信部33が受信することによって、光ディスク6のフォーマット指示を受け付けたと判定した場合(ステップS34:YES)、又はステップS32で光ディスク6がフォーマット済みではなかったと判定した場合(ステップS32:NO)、録画/再生制御部24は、ドライブ制御部13及び光ディスクドライブ11に、光ディスク6をフォーマットさせる(ステップS35)。光ディスク6のフォーマット指示の受け付けがないと判定した場合(ステップS34:NO)、録画/再生制御部24は、光ディスク6の登録指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS36)。例えば、録画/再生制御部24は、登録指示を受け付けるための受付画面を映像表示装置4に表示させ、光ディスク6の登録を行うか否かの指示をリモコン受信部33で受け付ける。なお、フォーマット指示を受け付けるための受付画面と、登録指示を受け付けるための受付画面とを一つに合わせた受付画面を映像表示装置4に表示させる処理を行ってもよい。
【0044】
ステップS35の処理を終えた場合、又はステップS36で光ディスク6の登録指示を受け付けたと判定した場合(ステップS36:YES)、録画/再生制御部24は、記憶部12の管理領域に記憶された情報に基づき、記憶部12の第1〜第n領域の内で光ディスク6が対応付けられていない記憶領域があるか否かを判定する(ステップS37)。光ディスク6が対応付けられていない記憶領域がないと判定した場合(ステップS37:NO)、録画/再生制御部24は、各記憶領域に対応付けて登録してある光ディスク6の内で何れかの光ディスク6の登録を解消することの指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS38)。例えば、録画/再生制御部24は、光ディスク6の新規登録ができないことを報知した上で既に登録されている光ディスク6の登録解消の指示を受け付けるための受付画面を映像表示装置4に表示させ、登録解消をするか否かの指示をリモコン受信部33で受け付ける。なお、どの光ディスク6の登録を解消するかの指示をも受け付ける処理を行ってもよい。登録解消の指示を受け付けたと判定した場合(ステップS38:YES)、録画/再生制御部24は、ドライブ制御部13に、記憶部12の管理領域に記憶されている一の光ディスク6に固有の媒体情報を消去させることにより、一の光ディスク6の登録を解消する処理を行う(ステップS39)。例えば、記憶部12の第1領域に対応付けられている光ディスク61の登録を解消する場合、録画/再生制御部24は、記憶部12の第1領域管理部に記憶されているメディアID及びメディアキー情報を消去する処理を行う。またこのとき、第1領域管理部に記憶されている割り当てフラグは、光ディスク6が対応付けられていないことを示すフラグに書き換えられる。
【0045】
ステップS37で光ディスク6が対応付けられていない記憶領域があると判定した場合(ステップS37:YES)、又はステップS39が終了した場合、録画/再生制御部24は、光ディスクドライブ11に装着された光ディスク6に固有の媒体情報を、光ディスク6が対応付けられていない記憶領域に関連付けて記憶部12の管理領域に記憶することにより、光ディスク6を記憶領域に対応付けて登録する処理を行う(ステップS40)。例えば、記憶部12の第1領域に光ディスク61を対応付ける場合、録画/再生制御部24は、光ディスクドライブ11に装着されている光ディスク61から読み出したメディアID及びメディアキー情報を記憶部12の第1領域管理部に記憶させる処理を行う。また第1領域管理部に記憶されている割り当てフラグを、光ディスク6が対応付けられていることを示すフラグに書き換える。ステップS31でメディアIDが記憶部12に記憶されており、光ディスク6が登録済みであると判定した場合(ステップS31:YES)、又はステップS40の処理を終えた場合、録画/再生制御部24は、録画又は再生等の処理を実行するために、光ディスクドライブ11に装着されている光ディスク6へのアクセスを開始する(ステップS41)。
【0046】
ステップS33で光ディスク6が再生専用であると判定した場合(ステップS33:YES)、ステップS16で光ディスク6の登録指示の受付がなかったと判定した場合(ステップS36:NO)、又はステップS38で登録解消の指示の受付がなかったと判定した場合(ステップS38:NO)、録画/再生制御部24は、光ディスクドライブ11に装着されている光ディスク6に対して、未登録の光ディスク6としてアクセスを開始する(ステップS42)。録画装置1は、以上で、光ディスク6が装着された際の処理を終了する。
【0047】
<録画予約処理>
録画装置1は、登録された光ディスク6が光ディスクドライブ11に装着されている状態で、録画予約の処理を行う。
図6は、録画装置1が行う録画予約の処理の手順を示すフローチャートである。録画/再生制御部24は、録画すべき番組の指定を受け付けるための受付画面を映像表示装置4に表示させ、使用者が所定の操作を行ったリモコン5からの信号をリモコン受信部33で受信することによって、録画すべき番組の指定を受け付ける(ステップS51)。例えば、映像表示装置4は、電子番組表を表示し、使用者は電子番組表を確認しながらリモコン5を操作することによって、番組が電子番組上で指定される。次いで、録画/再生制御部24は、受け付けた番組の指定に従って、録画を予約した番組を指定する予約情報を生成し、光ディスクドライブ11に装着されている光ディスク6のメディアIDと関連付けて、予約情報を保存用メモリ27に記憶させる(ステップS52)。録画/再生制御部24は、次いで、ドライブ制御部13及び光ディスクドライブ11に、光ディスクドライブ11に装着されている光ディスク6に予約情報を記録させる(ステップS53)。録画装置1は、以上で録画予約の処理を終了する。
【0048】
図7は、保存用メモリ27に記憶した予約情報の内容例を示す概念図である。メディアIDと予約情報とが互いに関連付けられて記憶されている。予約情報は、チャンネル、番組の放送日時を示す情報を含んでおり、これらの情報により録画すべき番組が指定される。即ち、予約情報は、コンテンツデータを記録すべき番組を指定する情報であり、本発明における番組指定情報に相当する。なお、予約情報は、メディアIDの代わりに、光ディスク6が対応する記憶部12の記憶領域のエントリ番号に関連付けて記憶されてもよい。このようにして、保存用メモリ27は、登録されている光ディスク6に関連付けて予約情報を記憶する。
【0049】
<警告処理>
図8及び図9は、録画装置1が行う警告処理の手順を示すフローチャートである。以下の処理を定期的に実行される。録画/再生制御部24は、保存用メモリ27が予約情報を記憶しているか否かを判定する(ステップS71)。保存用メモリ27が予約情報を記憶していると判定した場合(ステップS71:YES)、録画/再生制御部24は、予約情報に関連付けられたメディアIDに対応する記憶領域(以下、対応領域という)に、番組のコンテンツデータを録画するための十分な空き容量があるか否かを判定する(ステップS72)。具体的には、録画/再生制御部24は、保存用メモリ27が記憶する予約情報に基づいて、コンテンツデータの録画に必要な記憶容量を推定する。そして、録画/再生制御部24は、記憶部12の管理領域に記憶された情報に基づいて、対応領域の空き容量を特定し、特定された空き容量と、推定された前記記憶容量とを比較することによって、対応領域に十分な空き容量があるか否かを判定する。
【0050】
対応領域に十分な空き容量が無いと判定した場合(ステップS72:NO)、録画/再生制御部24は、光ディスクドライブ11に光ディスク6が装着されているか否かを判定する(ステップS73)。光ディスク6が装着されていないと判定した場合(ステップS73:NO)、録画/再生制御部24は、保存用メモリ27が記憶する予約情報と、時計部が計時している時刻とに基づいて、予約録画開始時刻の所定時間前、例えば10分前であるか否かを判定する(ステップS74)。予約録画開始時刻の所定時間前であると判定した場合(ステップS74:YES)、録画/再生制御部24は、予約情報に関連付けられたメディアIDに対応する光ディスク6を装着すべき旨の警告を行うための映像信号を、デコーダ28及び画像処理部29を介して信号出力部34から映像表示装置4へ送信することによって、映像表示装置4に前記警告を行うための映像を表示させ(ステップS81)、処理を終える。以下、前記警告を行うための映像を、装着警告映像と呼ぶ。
【0051】
予約録画開始時刻の所定時間前で無いと判定した場合(ステップS74:NO)、録画/再生制御部24は、リモコン受信部33で受信した信号に基づいて、主電源のオフ操作があったか否かを判定する(ステップS75)。電源オフ操作があったと判定した場合(ステップS75:YES)、録画/再生制御部24は、予約情報に関連付けられたメディアIDに対応する光ディスク6を装着すべき旨の警告を行うための装着警告映像を、映像表示装置4に表示させる(ステップS81)。
ステップS71で保存用メモリ27が予約情報を記憶していないと判定した場合(ステップS71:NO)、ステップS72で対応領域に十分な空き容量があると判定した場合(ステップS72:YES)、又はステップS75で電源オフ操作が無かったと判定した場合(ステップS75:NO)、録画/再生制御部24は、処理を終える。
【0052】
ステップS73で光ディスク6が装着されていると判定した場合(ステップS73:YES)、録画/再生制御部24は、リモコン受信部33で受信した信号に基づいていて、光ディスク6のイジェクト操作があったか否かを判定する(ステップS76)。イジェクト操作があったと判定した場合(ステップS76:YES)、録画/再生制御部24は、装着警告映像を映像表示装置4に表示させる(ステップS81)
【0053】
イジェクト操作が無いと判定した場合(ステップS76:NO)、録画/再生制御部24は、装着されている光ディスク6が予約情報に関連付けられた光ディスク6であるか否かを判定する(ステップS77)。具体的には、録画/再生制御部24は、ドライブ制御部13及び光ディスクドライブ11に、装着された光ディスク6からメディアIDを読み取らせ、読み出されたメディアIDと、予約情報に関連付けられているメディアIDとを比較する。そして、録画/再生制御部24は、メディアIDが一致している場合、予約情報が関連付けられた光ディスク6であると判定する。
【0054】
予約情報が関連付けられた光ディスク6であると判定した場合(ステップS77:YES)、録画/再生制御部24は、処理を終える。予約情報が関連付けられた光ディスク6でないと判定した場合(ステップS77:NO)、録画/再生制御部24は、録画装置1の動画状態が停止状態へ遷移したか否かを判定する(ステップS78)。具体的には、録画/再生制御部24は、リモコン受信部33が受信した信号に基づいて、録画装置1の停止が指示されたか否かを判定する。停止状態へ遷移したと判定した場合(ステップS78:YES)、制御部は、装着警告映像を映像表示装置4に表示させる(ステップS81)。
【0055】
録画装置1の停止が指示されていないと判定した場合(ステップS78:NO)、録画/再生制御部24は、保存用メモリ27が記憶する予約情報と、時計部が計時している時刻とに基づいて、予約録画開始時刻の所定時間前であるか否かを判定する(ステップS79)。予約録画開始時刻の所定時間前であると判定した場合(ステップS79:YES)、録画/再生制御部24は、装着警告映像を映像表示装置4に表示させ(ステップS81)、処理を終える。
【0056】
予約録画開始時刻の所定時間前で無いと判定した場合(ステップS79:NO)、録画/再生制御部24は、リモコン受信部33で受信した信号に基づいて、主電源のオフ操作があったか否かを判定する(ステップS80)。電源オフ操作がなかったと判定した場合(ステップS80:NO)、録画/再生制御部は、処理を終える。電源オフ操作があったと判定した場合(ステップS80:YES)、録画/再生制御部24は、予約情報に関連付けられたメディアIDに対応する光ディスク6を装着すべき旨の警告を行うための装着警告映像を、映像表示装置4に表示させる(ステップS81)。
【0057】
図10及び図11は、録画装置1が行う録画処理の手順を示すフローチャートである。録画/再生制御部24は、時計部を用いて日時を計測し、保存用メモリ27に記憶してある予約情報に含まれる情報が示す番組の放送日時になったか否かを随時判定する(ステップS91)。まだ番組の放送日時ではないと判定した場合(ステップS91:NO)、録画/再生制御部24は、日時の計測を続行する。予約情報に含まれる情報が示す番組の放送日時になった場合(ステップS91:YES)、録画/再生制御部24は、光ディスクドライブ11に光ディスク6が装着されているか否かを判定する(ステップS92)。光ディスクドライブ11に光ディスク6が装着されていると判定した場合(ステップS92:YES)、録画/再生制御部24は、光ディスクドライブ11に装着されている光ディスク6が放送日時を示す情報を含む予約情報に関連付けられた光ディスク6であるか否かを判定する(ステップS93)。ステップS93では、録画/再生制御部24は、光ディスク6からメディアIDを読み出し、予約情報に関連付けて保存用メモリ27で記憶してあるメディアIDと読み光ディスクドライブ11に出したメディアIDとが一致するか否かに応じて、判定を行う。
【0058】
ステップS93で、メディアIDが一致してあり、光ディスク6が予約情報に関連付けられた光ディスク6であると判定した場合(ステップS93:YES)、録画/再生制御部24は、図12に示すように、放送が開始された番組の内容を表すコンテンツデータを光ディスクドライブ11で光ディスク6に記録させる処理を行う(ステップS94)。図12に詳細は後述する。ステップS94では、デジタルチューナ21は予約情報が示すチャンネルの放送信号をストリームデータへ変換し、ストリーム処理部23はストリームデータに対するデータ処理を行い、録画/再生制御部24は、ストリームデータをインタフェース部26からハイブリッドドライブ部10へ入力させる。ストリームデータは、デコードすることで番組を再生することが可能であり、番組の内容を表すコンテンツデータである。更にステップS94では、録画/再生制御部24は、ドライブ制御部13に、コンテンツデータを光ディスクドライブ11で光ディスク6に記録させる処理を行う。例えば、放送日時になった番組を指定する予約情報が光ディスク61に関連付けられてあり、光ディスク61が光ディスクドライブ11に装着されてある場合、光ディスク61にコンテンツデータが記録される。なお、録画/再生制御部24は、光ディスク6にコンテンツデータを記録させると共に、記憶部12の記憶領域の内で、予約情報に関連付けられた光ディスク6に対応する記憶領域にコンテンツデータを記憶させる処理を行ってもよい。
【0059】
番組の放送が終了し、コンテンツデータの記録が終了した場合、録画/再生制御部24は、光ディスク6に記録したコンテンツデータが表す番組のタイトルを示すタイトル情報を光ディスク6に記録させる(ステップS95)。番組のタイトルには、電子番組表で表示されるタイトル等、デジタルチューナ21が受信する放送信号に含まれる情報に基づいて決定したタイトルを用いてもよく、また使用者がリモコン5を操作することにより設定されたタイトルを用いてもよい。
【0060】
ステップS92で光ディスクドライブ11に光ディスク6が装着されていないと判定した場合(ステップS92:NO)、又はステップS93でメディアIDが一致しておらず、光ディスク6が予約情報に関連付けられた光ディスク6ではないと判定した場合(ステップS93:NO)、録画/再生制御部24は、対応領域に番組のコンテンツデータを記憶させるための空き容量があるか否かを判定する(ステップS96)。つまり予約情報に関連付けられたメディアIDに対応する記憶領域に、録画予約された番組のコンテンツデータを記憶するための十分な空き容量があるか否かを判定する。
【0061】
対応領域に空き容量があると判定した場合(ステップS96:YES)、録画/再生制御部24は、図13に示すように、放送が開始された番組の内容を表すコンテンツデータを、記憶部12の記憶領域の内で、予約情報に関連付けられたメディアIDに対応する対応領域に記憶させる(ステップS97)。例えば、放送日時になった番組を指定する予約情報が光ディスク61に関連付けられてあり、光ディスクドライブ11に光ディスク6が装着されていないか、又は光ディスクドライブ11に光ディスク61以外の光ディスク6が装着されている場合、記憶部12の第1領域にコンテンツデータが記憶される。図13の詳細は後述する。
【0062】
対応領域にコンテンツデータを記憶させるための空き容量が無いと判定した場合(ステップS96:NO)、録画/再生制御部24は、予備領域に番組のコンテンツデータを記憶させるために十分な空き容量があるか否かを判定する(ステップS98)。予備領域に十分な空き容量があると判定した場合(ステップS98:YES)、録画/再生制御部24は、図14に示すように、放送が開始された番組の内容を表すコンテンツデータを、記憶部12の予備領域に記憶させる(ステップS99)。図14の詳細は後述する。
【0063】
予備領域に空き容量が無いと判定した場合(ステップS98:NO)、録画/再生制御部24は、対応領域及び予備領域以外の他の記憶領域に、番組のコンテンツデータを記憶させるための十分な空き容量があるか否かを判定する(ステップS100)。他の記憶領域に十分な空き容量が無いと判定した場合(ステップS100:NO)、録画/再生制御部24は、処理を終える。他の記憶領域に十分な空き容量があると判定した場合(ステップS100:YES)、録画/再生制御部24は、図15に示すように、放送が開始された番組の内容を表すコンテンツデータを、前記他の記憶領域に記憶させる(ステップS101)。図15の詳細は後述する。
【0064】
ステップS95、ステップS97、ステップS99、又はステップS101の処理を終えた場合、録画/再生制御部24は、光ディスク6に記録させたタイトル情報と同等のタイトル情報を、保存用メモリ27に記憶する(ステップS102)。なお、録画/再生制御部24は、記憶部12の記憶領域の内で、予約情報に関連付けられた光ディスク6に対応する記憶領域にタイトル情報を記憶させる処理を行ってもよい。
【0065】
次いで、録画/再生制御部24は、光ディスク6に記録したコンテンツデータ又は記憶部12に記憶したコンテンツデータの分布状態を示すマップ情報を、ステップS102までの処理を反映するように更新する(ステップS103)。そして、録画/再生制御部24は、録画が終了した番組の予約情報を光ディスク6及び保存用メモリ27から消去する処理を行い(ステップS104)、録画処理を終了する。
【0066】
図12乃至図15は、コンテンツデータを記録した光ディスク6又はコンテンツデータを記憶した記憶部12の状態を示す概念図である。図12(a)は、ステップS94によって光ディスク61に番組1のコンテンツデータが記録された状態を示し、更に、光ディスク61の記録内容及び第1領域の記録内容並びに、第1領域に記憶すべきデータを仮記憶した予備領域及び第n領域の少なくとも一方に含まれるコンテンツデータを記録する仮想的なディスク(仮想ディスク)の記録イメージを示す。光ディスク61に番組1のコンテンツデータが記憶されており、それに伴って仮想ディスクにもコンテンツデータが記録されている。図12(b)は、記憶部12の第1領域管理部に記憶されたマップ情報の内容例を示す。コンテンツデータのデータ名に関連付けて、仮想ディスクにおけるデータの分布が、先頭アドレス及びデータのサイズによって記録されている。更に、第1領域とディスク61とでのコンテンツデータの同期状態を示す情報が記録されている。コンテンツデータは当初から光ディスク61には記録されているため、同期状態の項目には情報が格納されていない状態にある。更にまた、第1領域に記憶させるべき情報を他の記憶領域又は予備領域に記憶させた場合、本来、記憶させるべきであった記憶領域を示す仮記憶情報がデータ名に関連付けて記憶されている。図12においては、本来記憶すべき光ディスク61に番組1のコンテンツデータが記録されているため、仮記憶情報の項目には情報が格納されていない状態にある。
なお、本実施例では、メモリのアドレス及びデータのサイズを十進法の数値で示している。図12(c)は、タイトル情報の内容例を示す。コンテンツデータが表す番組のタイトルに関連付けて、番組が継続する時間の長さ、画質、ダビング可能回数、及び同期状態を示す情報が記録されている。なお、コンテンツデータのデータ名とタイトル名とは、図12に示したように同一でもよいが、互いに異なっていてもよい。
【0067】
図13は、ステップS97によって記憶部12の第1領域に番組1のコンテンツデータが記録された状態を示す。図13(a)に示すように、第1領域に番組1のコンテンツデータが記憶されており、それに伴って仮想ディスクにもコンテンツデータが記録されている。図13(b)に示すように、マップ情報では、コンテンツデータのデータ名に関連付けて、仮想ディスク及び第1領域におけるデータの分布が、先頭アドレス及びデータのサイズによって記録されている。更に、第1領域とディスク61とでのコンテンツデータの同期状態を示す情報が記録されている。コンテンツデータは光ディスク61には記録されていないので、同期状態は未同期となっている。また、図13においては、本来記憶すべき第1領域に番組1のコンテンツデータが記録されているため、仮記憶情報の項目には情報が格納されていない状態にある。更に、図13(c)に示すように、タイトル情報では、第1領域に記録されたコンテンツデータに関しては、ダビング可能回数として10回が記録される。
【0068】
図14は、ステップS99によって記憶部12の予備領域に番組1のコンテンツデータが記録された状態を示す。図14(a)に示すように、第1領域には、番組xのコンテンツデータが既に記録されており、第1番組のコンテンツデータを記憶するための空き容量が第1領域に残っていない。このため、予備領域に番組1のコンテンツデータが記憶されており、それに伴って仮想ディスクにもコンテンツデータが記録されている。図14(b)に示すように、マップ情報では、コンテンツデータのデータ名に関連付けて、仮想ディスク及び予備領域におけるデータの分布が、先頭アドレス及びデータのサイズによって記録されている。更に、予備領域とディスク61とでのコンテンツデータの同期状態を示す情報が記録されている。コンテンツデータは光ディスク61には記録されていないので、同期状態は未同期となっている。また、図14においては、本来記憶すべき第1領域に番組1のコンテンツデータが記録されていないため、第1番組のコンテンツデータが本来、記憶されるべき、第1領域を示す情報が格納されている。更に、図14(c)に示すように、タイトル情報では、予備領域に記録されたコンテンツデータに関しては、ダビング可能回数として10回が記録される。
【0069】
図15は、ステップS101によって記憶部12の第n領域に番組1のコンテンツデータが記録された状態を示す。図15(a)に示すように、第1領域及び予備領域には、それぞれ番組x及び番組yのコンテンツデータが既に記録されており、第1番組のコンテンツデータを記憶するための空き容量が第1領域及び予備領域のいずれにも残っていない。このため、第n領域に番組1のコンテンツデータが記憶されており、それに伴って仮想ディスクにもコンテンツデータが記録されている。図15(b)に示すように、マップ情報では、コンテンツデータのデータ名に関連付けて、仮想ディスク及び第n領域におけるデータの分布が、先頭アドレス及びデータのサイズによって記録されている。更に、第n領域とディスク61とでのコンテンツデータの同期状態を示す情報が記録されている。コンテンツデータは光ディスク61には記録されていないので、同期状態は未同期となっている。また、図15においては、本来記憶すべき第1領域に番組1のコンテンツデータが記録されていないため、第1番組のコンテンツデータが本来、記憶されるべき、第1領域を示す情報が格納されている。更に、図15(c)に示すように、タイトル情報では、第n領域に記録されたコンテンツデータに関しては、ダビング可能回数として10回が記録される。
【0070】
<同期・転送処理>
録画装置1は、ステップS31で登録済みの光ディスク6にアクセスを開始した後、光ディスク6の記録内容を記憶部12の対応する記憶領域での記憶内容に同期させる処理を行う。
図16及び図17は、録画装置1が行う同期処理の手順を示すフローチャートである。ステップS31で光ディスク6にアクセスを開始した後、録画/再生制御部24は、光ディスク6の記録内容と、記憶部12の記憶領域の内で光ディスク6に対応する記憶領域での記憶内容とを比較し、光ディスク6に未記録のコンテンツデータが該当する記憶領域に記憶されているか否かを判定する(ステップS111)。ステップS111では、例えば、光ディスク61に未記録のコンテンツデータが記憶部12の第1記憶領域に記憶されているか否か、又は予備領域又は他の記憶領域に記憶されているか否かを判定する。未記録のコンテンツデータが記憶されている場合(ステップS111:YES)、録画/再生制御部24は、光ディスク6に記録された予約情報があるか否かを判定する(ステップS112)。光ディスク6に記録された予約情報があると判定した場合(ステップS112:YES)、録画/再生制御部24は、対応領域に空き容量があるか否かを判定する(ステップS113)。
【0071】
対応領域に空き容量が無いと判定した場合(ステップS113:NO)、録画/再生制御部24は、未記録のコンテンツデータの同期を完了した後、記憶部12に記憶されたコンテンツデータを削除すべき旨を、映像表示装置4に表示させる(ステップS114)。次いで、録画/再生制御部24は、対応領域は、リモコン受信部33が受信した信号に基づいて、対応領域のデータを削除するか否かを判定する(ステップS115)。
【0072】
ステップS112で光ディスク6に予約情報が記録されていないと判定した場合(ステップS112:NO)、ステップS113で対応領域に空き容量があると判定した場合(ステップS113:YES)、又はステップS115で対応領域のデータを削除しないと判定した場合(ステップS115:NO)、録画/再生制御部24は、記憶部12から光ディスク6へ未記録のコンテンツデータをコピーする(ステップS117)。ステップS117では、録画/再生制御部24は、ドライブ制御部13に、記憶部12から未記録のコンテンツデータを読み出させ、読み出したコンテンツデータを光ディスクドライブ11で光ディスク6に記録させる。
【0073】
ステップS115で対応領域のコンテンツデータを削除すると判定した場合(ステップS115:YES)、録画/再生制御部24は、記憶部12から光ディスク6へ未記録のコンテンツデータを転送する(ステップS116)。つまり、記憶部12から光ディスク6へ未記録のコンテンツデータをコピーした後、記憶部12が記憶していた該コンテンツデータを削除する。
【0074】
ステップS116又はステップS117の処理を終えた場合、録画/再生制御部24は、次に、コンテンツデータを光ディスク6が記録した状態を反映させるように、保存用メモリ27に記憶したタイトル情報を更新し(ステップS118)、記憶部12の管理領域で記憶するマップ情報を更新する(ステップS119)。ステップS119では、例えば、光ディスク61がコンテンツデータを記録した状態を反映するように、記憶部12の第1領域管理部で記憶したマップ情報を更新する。
【0075】
録画/再生制御部24は、次に、光ディスク6に記録したコンテンツデータに係る予約情報、即ち、そのコンテンツデータが表す番組を録画するために生成した予約情報が光ディスク6に記録されているか否かを判定する(ステップS120)。光ディスク6に記録したコンテンツデータに係る予約情報が光ディスク6に記録されている場合(ステップS120:YES)、録画/再生制御部24は、ドライブ制御部13に、光ディスクドライブ11で光ディスク6から該当する予約情報を消去させる(ステップS121)。
【0076】
ステップS121で光ディスク6に未記録のコンテンツデータが記憶されていない場合(ステップS111:NO)、ステップS120で光ディスク6に記録したコンテンツデータに係る予約情報が光ディスク6に記録されていない場合(ステップS120:NO)、又はステップS121が終了した後は、録画/再生制御部24は、保存用メモリ27で未記憶の予約情報が光ディスク6に記録されているか否かを判定する(ステップS122)。保存用メモリ27で未記憶の予約情報が光ディスク6に記録されている場合(ステップS122:YES)、録画/再生制御部24は、未記憶の予約情報を光ディスク6から保存用メモリ27へコピーする(ステップS123)。ステップS123では、録画/再生制御部24は、ドライブ制御部13に、光ディスクドライブ11で光ディスク6から未記憶の予約情報を読み出させ、インタフェース部14を介してバックエンド部20へ予約情報を入力させ、入力された予約情報を保存用メモリ27に記憶する。ステップS121及びステップS123の処理により、光ディスク6に記録される予約情報と保存用メモリ27に記憶される予約情報とが一致することになる。
【0077】
ステップS122で未記憶の予約情報が光ディスク6に記録されていない場合(ステップS122:NO)、又はステップS123の処理を終了した場合、録画/再生制御部24は、光ディスク6の空き容量が所定容量未満であるか否かを判定する(ステップS124)。光ディスク6の空き容量が所定容量未満であると判定した場合(ステップS124:YES)、録画/再生制御部24は、新しい光ディスク6に交換すべき旨の映像を、映像表示装置4に表示させる(ステップS125)。
【0078】
ステップS125の処理を終えた場合、又はステップS124で光ディスク6の空き容量が所定量以上であるあると判定した場合(ステップS124:NO)、録画/再生制御部24は、管理領域が記憶する情報に基づいて、未同期の他の光ディスク6があるか否かを判定する(ステップS126)。未同期の光ディスク6がないと判定した場合(ステップS126:NO)、制御部は処理を終える。未同期の光ディスク6があると判定した場合(ステップS126:YES)、録画/再生制御部24は、他の光ディスク6を同期すべき旨を示した映像を、映像表示装置4に表示させ(ステップS127)、処理を終える。
【0079】
図18は、光ディスク6の記録内容を記憶部12の記憶内容に同期させた結果を示す概念図である。図18は、図13に示す状態で、コンテンツデータを記録していない光ディスク61が光ディスクドライブ11に装着された場合の同期結果を示す。図18(a)に示すように、光ディスク61には、第1領域に記憶されているコンテンツデータと同一のコンテンツデータが記録される。仮想ディスクのデータ分布は、光ディスク6でのデータ分布を反映したデータ分布となっている。また図18(b)に示すように、マップ情報では、番組1のコンテンツデータが仮想ディスク及び第1領域の両方に記憶され、番組1のコンテンツデータに関して光ディスク61の記録内容と第1領域の記憶内容とが同期していることが記録されている。また図18(b)に示すように、マップ情報では、同じ番組を表すコンテンツデータの、仮想ディスク上での所在即ち光ディスク6上での所在と記憶部12での所在とが関連付けられてある。従って、マップ情報を参照することによって、光ディスク6及び記憶部12の両方で、同じ番組を表すコンテンツデータにアクセスすることができる。また図18(c)に示すように、タイトル情報でも、番組1のコンテンツデータに関して光ディスク61と第1領域とで同期していることが記録されている。
【0080】
また、図14及び図15に示すように、第1領域に記憶すべき、コンテンツデータを、一時的に予備領域又は第n領域に記憶させている場合、予備領域又は第n領域が記憶するコンテンツデータを、光ディスク6及び第1領域に転送し、予備領域及び第n領域から該コンテンツデータを削除する。このようにコンテンツデータを転送させることによって、コンテンツの記憶状態は図18に示した状態になる。また、コンテンツデータの転送を終えた場合、予備領域及び第n領域に対応する仮記憶情報は削除され、マップ情報も更新される。
【0081】
図19は、光ディスク6の記録内容を記憶部12の記憶内容に同期させ、記憶部12からコンテンツデータを削除した結果を示す概念図である。図19は、図14及び図15に示す状態で、コンテンツデータを記録していない光ディスク61が光ディスクドライブ11に装着された場合の同期及び転送の結果を示す。図19(a)に示すように、光ディスク61には、第1領域に記憶されている番組xのコンテンツデータと、予備領域又は第n領域に記憶されている番組1のコンテンツデータとが光ディスク6に転送されている。仮想ディスクのデータ分布は、光ディスク6でのデータ分布を反映したデータ分布となっている。また図19(b)に示すように、マップ情報では、第1領域が空になった状態を反映し、空の状態になっている。
【0082】
<再生処理>
録画装置1は、同期処理を終了した後、光ディスク6に記録されているコンテンツデータに基づいて番組を再生することができる。
図20は、録画装置1が行う番組再生の処理の手順を示すフローチャートである。使用者がリモコン5に対して所定の操作を行うことにより、リモコン受信部33は番組再生処理の開始指示を受け付け、録画/再生制御部24は、光ディスク6に記録されているコンテンツデータが表す番組の中から再生すべき番組を選択するための番組選択画面を映像表示装置4に表示させる(ステップS131)。ステップS131では、録画/再生制御部24は、保存用メモリ27で記憶しているタイトル情報から、光ディスクドライブ11に装着された光ディスク6に記録されているコンテンツデータが表す番組のタイトルを抽出し、抽出したタイトル含む番組選択画面を表示するために必要な映像信号を信号出力部34から映像表示装置4へ出力させる。映像表示装置4は、録画装置1からの映像信号に基づいて番組選択画面を表示する。番組選択画面では、光ディスク6に記録されているコンテンツデータが表す番組、即ち再生可能な番組の一覧が表示される。なお、録画/再生制御部24は、図16のフローチャートで示した同期処理が終了した後、直ぐにステップS131の処理を実行してもよい。
【0083】
番組選択画面を確認した使用者がリモコン5を操作し、リモコン5からの信号をリモコン受信部33で受信することにより、録画/再生制御部24は、使用者から、再生すべき番組の選択を受け付ける。ステップS131の後、録画/再生制御部24は、再生すべき番組の選択を受け付けることによる、番組再生の指示の受付を待ち受ける(ステップS132)。番組再生の指示の受付がない場合(ステップS132:NO)、録画/再生制御部24は、番組再生の指示の受付の待ち受けを続行する。番組再生の指示を受け付けた場合(ステップS132:YES)、録画/再生制御部24は、記憶部12の光ディスク6に対応付けられた記憶領域に、再生すべき番組を表すコンテンツデータが記憶されているか否かを判定する(ステップS133)。例えば、光ディクス61に記録されたコンテンツデータが表す番組1を再生すべき場合に、第1領域に番組1のコンテンツデータが記憶されているか否かを判定する。ステップS131では、録画/再生制御部24は、タイトル情報を参照し、再生すべき番組のタイトル名に関連付けられた同期状態の情報が同期を示している場合に記憶部12にコンテンツデータが記憶されていると判定し、同期を示していない場合にコンテンツデータが記憶されていないと判定すればよい。なお、録画/再生制御部24は、記憶部12の管理領域に記憶されたマップ情報を参照することによって、記憶部12にコンテンツデータが記憶されているか否かを判定する処理を行ってもよい。
【0084】
記憶部12の光ディスク6に対応付けられた記憶領域に、再生すべき番組を表すコンテンツデータが記憶されている場合(ステップS133:YES)、録画/再生制御部24は、記憶部12に記憶されているコンテンツデータに基づいて番組を再生する処理を行う(ステップS134)。ステップS134では、録画/再生制御部24は、記憶部12の管理領域に記憶されたマップ情報を参照することにより、コンテンツデータが記憶されているアドレスを特定し、ドライブ制御部13に、再生すべき番組を表すコンテンツデータを記憶部12から読み出させ、インタフェース部14を介してバックエンド部20へコンテンツデータを入力させる。更に録画/再生制御部24は、デコーダ28に、入力されたコンテンツデータを映像信号及び音声信号へデコードさせ、画像処理部29に画像処理を行わせ、信号出力部34から映像表示装置4へ映像信号及び音声信号を出力させる。映像表示装置4は、録画装置1からの映像信号及び音声信号に基づいて映像の表示及び音声の出力を行うことにより、番組を再生する。
【0085】
記憶部12の光ディスク6に対応付けられた記憶領域に、再生すべき番組を表すコンテンツデータが記憶されていない場合(ステップS133:NO)、録画/再生制御部24は、光ディスクドライブ11に装着されている光ディスク6に記録されたコンテンツデータに基づいて番組を再生する処理を行う(ステップS135)。ステップS135では、録画/再生制御部24は、ドライブ制御部13に、再生すべき番組を表すコンテンツデータを光ディスクドライブ11で光ディスク6から読み出させ、インタフェース部14を介してバックエンド部20へコンテンツデータを入力させる。更に録画/再生制御部24は、デコーダ28にコンテンツデータをデコードさせ、画像処理部29に画像処理を行わせ、信号出力部34から映像信号及び音声信号を出力させる。映像表示装置4は、録画装置1からの映像信号及び音声信号に基づいて番組を再生する。
【0086】
以上詳述した如く、本発明の放送記録装置である録画装置1は、光ディスクドライブ11とは別に、複数の記憶領域を有する記憶部12を設けてあり、特定の記憶領域に関連付けて光ディスク6のメディアIDを記憶することにより、特定の記憶領域に対応付けて特定の光ディスク6を登録してある。録画装置1は、録画のための予約情報を光ディスク6に関連付けて記憶し、録画すべき番組の放送時に予約情報が関連付けられた光ディスク6が装着されている場合光ディスク6にコンテンツデータを記録し、予約情報が関連付けられた光ディスク6が装着されていない場合、当該光ディスク6に対応する記憶領域にコンテンツデータを記憶させる。また録画装置1は、光ディスク6に記録するコンテンツデータと光ディスク6に対応する記憶領域に記憶するコンテンツデータとを示す情報をまとめて管理しており、光ディスク6が装着された場合に、当該光ディスク6を対応付けられた記憶領域に記憶されたコンテンツデータを光ディスク6に記録させ、また、番組の再生時には、記憶領域に記憶されているコンテンツデータに基づいて番組を再生する。このように、録画装置1は、記憶部12の各記憶領域を、光ディスク6に対するコンテンツデータの読み出し及び書き込みを補助するキャッシュ領域として利用する。
【0087】
記憶部12を利用することにより、録画装置1は、光ディスク6に記録すべきコンテンツデータを一旦記憶部12に記憶してから光ディスク6に記録することができる。これにより、録画装置1では、一旦光ディスク6を登録し、光ディスク6に関連付けて予約情報を記憶しておけば、番組の放送開始時に光ディスク6が装着されておらずとも、コンテンツデータは記憶部12に記憶され、後日光ディスク6が装着されたときにコンテンツデータが光ディスク6に記録される。従って、番組の放送開始時になっても使用者が録画装置1に光ディスク6を装着し忘れていた場合であっても、確実に番組を録画することができる。またコンテンツデータを記録させるべき特定の光ディスク6とは別の光ディスク6を使用者が誤って録画装置1に装着した場合であっても、誤って装着された光ディスク6にコンテンツデータが記録されることがなく、後日正しい光ディスク6にコンテンツデータが記録される。このように、本発明においては、大容量のハードディスク及び複数のチューナを必要とせずに、低コストで確実なコンテンツデータの記録を可能にする。
【0088】
また記憶部12にコンテンツデータを記憶させることにより、録画装置1は、記憶部12に記憶してあるコンテンツデータに基づいて番組を再生することができる。不揮発性メモリ又はハードディスクで構成された記憶部12は、光ディスク6よりもデータの読み出しが早いので、光ディスク6に記録されたコンテンツデータに基づいて番組を再生する場合に比べて、スムーズな番組の再生が可能であり、使用者に与えるストレスを抑制することができる。特に、番組の放送時に光ディスク6へのコンテンツデータの記録と共に記憶部12へもコンテンツデータを記憶する録画装置1の場合、再生しようとする番組のコンテンツデータが記憶部12に記憶されている可能性が高く、番組のスムーズな再生を高頻度で行うことが可能となる。
【0089】
また、本実施の形態では、録画装置1は、フォーマットされていない光ディスク6が装着された場合に、光ディスク6をフォーマットした上で、光ディスク6を登録する処理を行う。これにより、未フォーマットの光ディスク6を録画装置1に装着しただけで、光ディスク6が登録され、使用者は面倒な作業なしに登録済みの光ディスク6を作成して使用することができる。また本発明においては、録画装置1は、記憶部12の記憶領域に関連付けて記憶してある光ディスク6のメディアIDを消去することにより、光ディスク6を登録してある状態を解除することができる。これにより、記憶部12の記憶領域の内で光ディスク6が対応付けられていない記憶領域が不足した場合に、記憶領域に光ディスク6が対応付けられた状態を解消し、この記憶領域に新たな光ディスク6を対応付けることができる。例えば、コンテンツデータを記録した光ディスク6を再生専用として利用する場合、再生専用の光ディスク6の登録を解除して、他の光ディスク6を記録用に登録することが可能となる。
【0090】
更に、本実施の形態では、録画装置1は、光ディスク6に予約情報を記録し、光ディスク6が装着されたときには、内部で記憶している予約情報と光ディスク6に記録されている予約情報とを同期させる。これにより、他の録画装置1で光ディスク6に予約情報が記録された場合であっても、録画装置1で予約情報を管理し、確実にコンテンツデータを記録することが可能となる。
【0091】
更にまた、本実施の形態にあっては、録画予約されるべき光ディスク6が装着されておらず、かつ対応領域に、録画予約された番組のコンテンツデータを記憶するための空き容量が無い場合に、光ディスク6を装着すべき旨を警告するように構成してあるため、使用者が所望する光ディスク6に所望の番組のコンテンツデータを確実に録画することができ、しかも、対応する光ディスク6が装着されていない旨の警告の発生を抑えることができる。
【0092】
更にまた、本実施の形態にあっては、番組の放送時刻の所定時間前になった場合、記録媒体の着脱が行われた場合、動作状態から停止状態へ遷移した場合、主電源がオフ状態になった場合に、警告を発するように構成されている。従って、警告が頻発することを防止すると共に、コンテンツデータが記録されるべき光ディスク6の装着を適切に促すことができ、コンテンツデータの録画を確実に行うことが可能になる。
【0093】
更にまた、本実施の形態にあっては、光ディスク6が装着されておらず、該光ディスク6に対応する記憶領域に十分な空き容量がない場合であっても、予備領域に番組のコンテンツデータを仮録画し、後に光ディスク6及び対応領域に転送するように構成されているため、録画予約された番組のコンテンツデータをより確実に記憶することができ、利便性を向上させることができる。
【0094】
更にまた、本実施の形態にあっては、光ディスク6が装着されておらず、該光ディスク6に対応する記憶領域はもちろん、予備領域にも十分な空き容量がない場合であっても、他の記憶領域に番組のコンテンツデータを仮録画し、後に光ディスク6及び対応領域に転送するように構成されているため、録画予約された番組のコンテンツデータをより確実に記憶することができ、利便理性を向上させることができる。
【0095】
更にまた、本実施の形態では、対応領域の空き容量が十分でない場合、対応領域のコンテンツデータの同期及び転送を促すことによって、空き容量を増加させるように構成されているため、光ディスク6を装着すべき旨の警告の頻発をより効果的に抑えることができる。
【0096】
なお、本実施の形態においては、光ディスク6に固有の媒体情報として光ディスク6に予め記録されているメディアIDを使用する形態を示したが、これに限るものではなく、本発明では、光ディスク6毎に異なる情報を光ディスク6に書き込み、書き込んだ情報をメディアIDとして利用してもよい。また本実施の形態においては、デジタルチューナ21で放送信号を受信する形態を示したが、本発明はアナログ放送の放送信号を受信するアナログチューナを備えた形態であってもよい。アナログチューナを備えた形態では、アナログチューナはエンコーダ22に接続される。
【0097】
また本実施の形態においては、本発明における着脱可能な記録媒体として光ディスクを用いる形態を示したが、これに限るものではなく、本発明は、着脱可能な記録媒体として、可搬型のハードディスク又はメモリカード等、その他の記録媒体を用いる形態であってもよい。また本実施の形態においては、本発明の放送記録装置は録画装置であるとしたが、これに限るものではなく、本発明の記録装置は、映像表示装置と録画装置とが一体となった形態であってもよい。また本実施の形態においては、本発明の放送記録装置としてテレビジョン放送により放送された番組のコンテンツデータを記録する形態を示したが、これに限るものではなく、本発明の放送記録装置は、音声放送又はデータ放送等、テレビジョン放送以外の放送で放送される番組のコンテンツデータを記録する形態であってもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 録画装置(放送記録装置)
10 ハイブリッドドライブ部
11 光ディスクドライブ
12 記憶部
13 ドライブ制御部
20 バックエンド装置
21 デジタルチューナ
23 ストリーム処理部
24 録画/再生処理部
27 保存用メモリ
28 デコーダ
29 画像処理部
33 リモコン受信部
34 信号出力部
4 映像表示装置
5 リモコン(リモートコントローラ)
61 光ディスク(記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送される番組の内容を表すコンテンツデータを、着脱可能な記録媒体に記録する放送記録装置において、
コンテンツデータを記憶することができる複数の記憶領域を有する記憶部と、
一の記録媒体に固有の媒体情報を前記複数の記憶領域の内の一の記憶領域に関連付けて記憶する手段と、
前記一の記録媒体に、関連付けて記録すべき番組を指定する番組指定情報を記憶する手段と、
前記番組指定情報で関連付けられた記録媒体が装着されているか否かを判定する手段と、
前記番組指定情報が指定する番組のコンテンツデータを記憶するための空き領域を前記一の記憶領域が有しているか否かを判定する手段と、
前記番組指定情報で関連付けられた記録媒体が装着されておらず、前記番組指定情報が指定する番組のコンテンツデータを記憶するための空き領域を前記一の記憶領域が有していない場合、警告を発する警告手段と
を備えることを特徴とする放送記録装置。
【請求項2】
前記番組指定情報が指定する番組の放送時刻の所定時間前であるか否かを判定する手段を備え、
前記警告手段は、
前記放送時刻の所定時間前である場合、警告を発するようにしてある
ことを特徴とする請求項1に記載の放送記録装置。
【請求項3】
前記警告手段は、
記録媒体の着脱が行われた場合、警告を発するようにしてある
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放送記録装置。
【請求項4】
記録媒体に記録されたコンテンツデータを再生する手段を備え、
前記警告手段は、
コンテンツデータの再生を終了した場合、警告を発するようにしてある
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載の放送記録装置。
【請求項5】
前記番組指定情報が指定する番組のコンテンツデータを記憶するための空き領域を他の記憶領域が有しているか否かを判定する手段を備え、
前記警告手段は、
前記番組指定情報で関連付けられた記録媒体が装着されておらず、前記番組指定情報が指定する番組のコンテンツデータを記憶するための空き領域を前記一の記憶領域及び他の記憶領域が有していない場合、警告を発するようにしてある
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載の放送記録装置。
【請求項6】
前記番組指定情報で関連付けられた記録媒体が装着されている場合、前記番組指定情報が指定する番組のコンテンツデータを前記記録媒体に記録する手段と、
前記番組指定情報で関連付けられた記録媒体が装着されていない場合、前記番組指定情報が指定する番組のコンテンツデータを、前記記録媒体の媒体情報を関連付けてある記憶領域に記憶させる手段と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一つに記載の放送記録装置。
【請求項7】
警告を発した後、該記録媒体が装着された場合、前記記憶部の空き容量に係る警告を発する手段を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一つに記載の放送記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−101262(P2011−101262A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255380(P2009−255380)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】