説明

放送TS配信システム、このシステムに用いられる放送TS配信装置、ユーザ端末装置及び配信方法

【課題】IPパケットに変換された放送TSの配信時に、送出速度のずれを修正する。
【解決手段】 送出速度制御部13において、内部クロックを時刻発生部14で発生される時刻に基づいて定期的に補正し、この補正されたクロックを使用してTSパケットに付加されているTTSの体系と同じタイムスタンプを生成する。この状態で、IP送出処理部12から出力されるIPパケットを取り込み、IPパケット内の任意のTSパケットに付加されているTTSを取得し、このTTSと内部で生成したタイムスタンプとを比較して一致しているか否かを判定し、一致している場合には、次のTSパケットのTTSを取り込み、一致していなかった場合には、そのTTSが示す時刻と内部生成タイムスタンプが示す時刻との差を求め、その差分値に相当する送出速度補正値を算出し、算出された補正値をIP送出処理部12に発行し、送出速度を補正させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送番組コンテンツのトランスポートストリーム(以下、放送TS)をパケット化し、IP(Internet Protocol)ネットワークによる通信回線を通じて配信する放送TS配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、ブロードバンドの普及により、IPネットワークによる通信回線を利用したIP放送、ビデオオンデマンド(以下、VODという)サービスが盛んになってきている。中には、地上デジタル放送等で利用されているTSパケットを、通信回線を利用して配信するサービスも現れつつある。このようなサービスでは、伝送速度を極力抑える必要がある。このことから、不要なパケットを破棄することで全体の伝送データ量を削減し、伝送速度の低減を図る技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ところで、通信回線を利用してIP化されたTSパケットを受けるユーザ端末装置は、通信回線上の遅延、データ到達時刻の不規則性(揺らぎ)を吸収するためのバッファ領域を確保し、データの取得を行っている。しかしながら、このバッファ領域のサイズは、配信装置がIP化されたTSパケットを一定した速度で送出することを前提として設定されている。このため、配信装置の送出速度に微妙なずれが生じていると、ユーザ端末装置では、IP化されたTSパケットを長時間受け続けた場合にその「ずれ」が蓄積されることになり、バッファがアンダーフローあるいはオーバーフローとなる虞がある。アンダーフローの場合には、提示上でブラックアウトを生じてしまい、オーバーフローの場合には、バッファサイズが大きいが故に遅延の増大、または、これを補正するための映像飛びが発生してしまう。
【0004】
上記のような問題については、RTCP(RTP Control Protocol, RTP: Real-time Transport Protocol)の様な双方向プロトコルを用いて、ユーザ端末装置から送出速度を調整するための情報を配信装置に連絡することで補償することは可能である。しかしながら、放送コンテンツの放送配信において、全てのユーザ端末装置からの要求に対応することは、配信側のサーバに多大な負荷がかかり、膨大なユーザ数に対応することは現実的でない。
【特許文献1】特願2006−151527
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上述べたように、放送TSをIPパケットに変換して配信する場合に、送出速度のわずかなずれがユーザ端末装置側でバッファ領域に蓄積されることになり、バッファがアンダーフローあるいはオーバーフローとなる虞がある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決し、IPパケットに変換された放送TSの配信時に、送出速度のずれを修正することができ、これによってユーザ端末装置側のバッファ領域に対する影響を軽減することのできる放送TS配信システムとこのシステムに用いられる放送TS配信装置、ユーザ端末装置及び配信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために本発明に係る放送TS配信システムは、配信装置から、放送番組コンテンツのトランスポートストリームがパケット化された放送TSを、IP(Internet Protocol)ネットワークによる通信回線を通じてユーザ端末装置に配信するシステムであり、前記配信装置は、基準クロックをカウントしてタイムスタンプを生成し、前記放送TSの各パケットに前記タイムスタンプを順次付加してパーシャルTSを生成するパーシャルTS生成手段と、前記パーシャルTSをIPパケットに変換し送出するIP送出処理手段と、基準時刻を発生する基準時刻発生手段と、前記基準クロックに相当する参照クロックを生成しカウントすることで前記タイムスタンプ相当の参照時刻を生成する参照時刻生成手段、前記参照時刻を前記基準時刻に基づいて補正する時刻補正手段、前記IP送出処理手段から出力されるパーシャルTSから任意のパケットのタイムスタンプを抽出するタイムスタンプ抽出手段、前記抽出タイムスタンプと前記参照時刻とを比較する比較手段、前記比較手段の比較結果に基づいて両者が一致するように前記IP送出処理手段の送出速度を制御する制御手段を備えるIP送出速度制御手段とを具備し、前記ユーザ端末装置は、前記通信回線を通じて送られてくるIPパケットを一時格納するバッファと、前記バッファから順次IPパケットを取り出して前記パーシャルTSを抽出するIPパケット処理手段と、前記IPパケット処理手段で抽出されたパーシャルTSの各パケットからタイムスタンプを抽出して当該タイムスタンプに基づいて前記パケットを時間軸上に再配置することで前記放送TSを復元する放送TS復元手段と具備することを特徴とする。
【0008】
前記パーシャルTS生成手段は、前記タイムスタンプが付加されたパーシャルTSをその中からNULLパケットを抜いて出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、IPパケットに変換された放送TSの配信時に、送出速度のずれを修正することができ、これによってユーザ端末装置側のバッファ領域に対する影響を軽減することのできる放送TS配信システムとこのシステムに用いられる放送TS配信装置、ユーザ端末装置及び配信方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明に係る放送TS配信システムの一実施形態を示すブロック図である。図1において、10は放送TS配信装置、20はIPネットワークによる通信回線、30は通信回線20に接続されるユーザ端末装置である。
【0012】
上記放送TS配信装置10において、放送番組コンテンツがTSパケット化された放送TS体系は放送TS送出サーバ11に供給される。この放送TS送出サーバ11は、図2に示すように構成される。すなわち、放送TSサーバ11に入力された放送TS体系は、タイムスタンプ付加部111に供給される。このタイムスタンプ付加部111は、現在時刻に基づく基準クロックをカウントしてタイムスタンプを生成し、入力されるTSパケット毎にタイムスタンプを到着時刻として付加する。このようにしてタイムスタンプが付加された放送TS体系は、NULL抜き部112でTS中のNULLパケットが抜き取られる。このNULLパケット抜き取り後の放送TS体系は、TSパケット多重化部113に供給され、受信復調のためのパラメータ、付加情報が多重されて図1に示すIP送出処理部12に供給される。
【0013】
このIP送出処理部12は、NULLパケットが抜き取られた放送TS体系のTSパケットをIPパケットのペイロードに順次規定個数分、格納することでIP化するものである。このようにしてIPパケット化されたTTS付の放送TS体系(以下、IPパケット体系)は、規定ビットレートで通信回線20を介して所定のユーザ端末装置30に配信される。
【0014】
ここで、上記IP送出処理部12から送出されるIPパケット体系は送出速度制御部13に取り込まれる。この送出速度制御部13は、図3に示すように、上記基準クロックに相当する参照クロックを生成しカウントすることで上記タイムスタンプ相当の参照時刻を生成する参照時刻生成部131と、ミリ秒オーダで正確な時刻を発生させる時刻発生部14からの時刻に基づいて上記参照時刻を補正する時刻補正部132と、上記IP送出処理部12から出力されるIPパケット中から任意のTSパケットのタイムスタンプを抽出するタイムスタンプ抽出部133と、上記抽出タイムスタンプと参照時刻とを比較する比較部134と、この比較部134の比較結果に基づいて両者が一致するようにIP送出処理部12の送出速度を制御する制御部135を備える。
【0015】
一方、ユーザ端末装置30において、通信回線20を介して受け取ったIPパケット体系はバッファ部31にいったん蓄積され、規定の速度で読み出されてIPパケット処理部32に送られる。このIPパケット処理部32は、入力されたIPパケット体系の各IPパケットからTSパケットを順次取り出すもので、取り出されたTSパケットはTSパケット処理部33に送られる。このTSパケット処理部33は入力されるTSパケットからタイムスタンプをデコードし、そのタイムスタンプの時刻に基づいて各TSパケットを時間軸上に再配列し、元のレートで出力する。これにより、NULLパケットが埋め込まれたことになり、元の放送TS体系が復元される。このようにして復元された放送TS体系は提示処理部34に送られ、コンテンツを提示するための復号再生が施される。
【0016】
上記構成において、以下に具体的な処理内容を説明する。
【0017】
通信回線を利用して放送TS体系を送る場合、通信回線の負荷を軽減する必要がある。そこで、本実施形態では、放送TS送出サーバ11において、1パケットが204バイト(パリティ付き)あるいは188バイト(パリティ無し)のTSパケットに対して4バイトのタイムスタンプ(以降、TTSという)を付加した後、サービスに不要なNULL等のパケットを排除して送出する。ここで、TTSを付加されたTSを一般にパーシャルTSという。TTSは27MHzのクロックにより生成されるものとする。図4(a)に送出対象の放送TS体系例を示し(1TSパケットが188byteの場合、29.958297Mbps)、図4(b)にTTSが付加されたTS体系例を示す(TTSが4byteの場合)。このようにして生成されたTTS付でNULL抜きの放送TS体系は、IP送出処理部12に送られ、図4(c)に示すように、例えば放送TS体系のTSパケット7個をIPパケットのペイロードに順次格納することでIP化する。このようにしてIPパケット化されたTTS付の放送TS体系(以下、IPパケット体系)は、放送TSの伝送レートより低い規定ビットレートで、通信回線20を介して所定のユーザ端末装置30に配信される。
【0018】
本実施形態では、送出速度制御部13において、上記のTTSを利用し、IP送出処理部12でIP化して送出しているTSパケットの送出速度が妥当であるかの判定を行い、その判定結果に基づいて送出速度の微調整を行う。速度の妥当性の判定においては、時刻発生部14で発生されるミリ秒オーダの正確な時刻を基準に行われる。
【0019】
図5は上記送出速度制御部13の具体的な処理の流れを示すフローチャートである。図5において、まず内部クロックを時刻発生部14で発生される時刻に基づいて定期的に補正し(ステップS1)、この補正されたクロックを使用してTTSの体系に合わせた27MHzの4バイトタイムスタンプカウンタを生成し、このカウンタにより補正クロックをカウントしてTTS体系と同じタイムスタンプを生成する(ステップS2)。
【0020】
上記の状態で、IP送出処理部12から出力されるIPパケットを取り込み、IPパケット内の任意のTSパケットに付加されているTTSを取得し(ステップS3)、このTTSと内部で生成したタイムスタンプとを比較して一致しているか否かを判定する(ステップS4)。一致している場合には、ステップS3に戻って次のTSパケットのTTSを取り込む。一致していなかった場合には、そのTTSが示す時刻と内部生成タイムスタンプが示す時刻との差を求め、その差分値に相当する送出速度補正値を算出する(ステップS5)。具体的には、指定のIPパケット送出個数あるいは、TTS付きTSパケット送出個数までに差分値を解消するための補正値を算出する。このようにして算出された補正値をIP送出処理部12に発行し、送出速度を補正させる(ステップS6)。
【0021】
以上の処理により、配信装置10は、IPパケットを極めて高精度な固定レートで出力するようになる。これにより、ユーザ端末装置30では、長時間安定して通信回線20を経由してIP化されたTSパケットを受信することが可能となる。この結果、IPパケット送出速度が不安定のために生じていたバッファサイズの増加を削減することができ、双方向プロトコル等の通信機能も不要で、コストダウンを図ることが可能となる。
【0022】
尚、上記実施形態では、IPパケット内の任意のTSパケットに付加されたTTSを抽出して内部生成タイムスタンプと比較するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、IP送出処理部12において、IPパケットに格納されるTSパケットのいずれかに付加されるタイムスタンプをそのまま、または基準時刻に基づいて補正してそのIPパケットのヘッダに格納するようにし、送出速度制御部13において、取り込んだIPパケットのヘッダに格納されたタイムスタンプを抽出し、内部で生成されたタイムスタンプと比較するようにしても同様に実施可能である。
【0023】
その他、本発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る放送TS配信システムの一実施形態を示すブロック図。
【図2】図1に示すシステムの放送TS送出サーバの具体的な構成を示すブロック図。
【図3】図1に示すシステムで使用される入力放送TS、TTS付放送TS、NULL抜き放送TS、IPパケット化された放送TSそれぞれのフォーマット構造を示す図。
【図4】図1に示すシステムで使用される送出速度制御部の具体的な構成を示すブロック図。
【図5】図1に示すシステムで使用される送出速度制御部の処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0025】
10…放送TS配信装置、11…放送TS送出サーバ、111…タイムスタンプ付加部、112…NULL抜き部、113…TSパケット多重化部、12…IP送出処理部、13…送出速度制御部、131…参照時刻生成部、132…時刻補正部、133…タイムスタンプ抽出部、134…比較部、135…制御部、14…時刻発生部、20…通信回線、30…ユーザ端末装置、31…バッファ部、32…IPパケット処理部、33…TSパケット処理部、34…提示処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信装置から、放送番組コンテンツのトランスポートストリームがパケット化された放送TSを、IP(Internet Protocol)ネットワークによる通信回線を通じてユーザ端末装置に配信する放送TS配信システムにおいて、
前記配信装置は、
基準クロックをカウントしてタイムスタンプを生成し、前記放送TSの各パケットに前記タイムスタンプを順次付加してパーシャルTSを生成するパーシャルTS生成手段と、
前記パーシャルTSをIPパケットに変換し送出するIP送出処理手段と、
基準時刻を発生する基準時刻発生手段と、
前記基準クロックに相当する参照クロックを生成しカウントすることで前記タイムスタンプ相当の参照時刻を生成する参照時刻生成手段、前記参照時刻を前記基準時刻に基づいて補正する時刻補正手段、前記IP送出処理手段から出力されるパーシャルTSから任意のパケットのタイムスタンプを抽出するタイムスタンプ抽出手段、前記抽出タイムスタンプと前記参照時刻とを比較する比較手段、前記比較手段の比較結果に基づいて両者が一致するように前記IP送出処理手段の送出速度を制御する制御手段を備えるIP送出速度制御手段とを具備し、
前記ユーザ端末装置は、
前記通信回線を通じて送られてくるIPパケットを一時格納するバッファと、
前記バッファから順次IPパケットを取り出して前記パーシャルTSを抽出するIPパケット処理手段と、
前記IPパケット処理手段で抽出されたパーシャルTSの各パケットからタイムスタンプを抽出して当該タイムスタンプに基づいて前記パケットを時間軸上に再配置することで前記放送TSを再生する放送TS再生手段とを具備することを特徴とする放送TS配信システム。
【請求項2】
前記パーシャルTS生成手段は、前記タイムスタンプが付加されたパーシャルTSをその中からNULLパケットを抜いて出力することを特徴とする請求項1記載の放送TS配信システム。
【請求項3】
前記IP送出処理手段は、前記パーシャルTSのいずれかに付加されるタイムスタンプをそのまま、または前記基準時刻に基づいて補正してIPパケットのヘッダに格納し、
前記タイムスタンプ抽出手段は、前記IPパケットのヘッダに格納されたタイムスタンプを抽出することを特徴とする請求項1記載の放送TS配信システム。
【請求項4】
放送番組コンテンツのトランスポートストリームがパケット化された放送TSを、IP(Internet Protocol)ネットワークによる通信回線を通じてユーザ端末装置に配信する放送TS配信装置において、
基準クロックをカウントしてタイムスタンプを生成し、前記放送TSの各パケットに前記タイムスタンプを順次付加してパーシャルTSを生成するパーシャルTS生成手段と、
前記パーシャルTSをIPパケットに変換し送出するIP送出処理手段と、
基準時刻を発生する基準時刻発生手段と、
前記基準時刻に基づいて前記IP送出処理手段の送出速度を制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段は、
前記基準クロックに相当する参照クロックを生成しカウントすることで前記タイムスタンプ相当の参照時刻を生成する参照時刻生成手段と、
前記参照時刻を前記基準時刻に基づいて補正する時刻補正手段と、
前記IP送出処理手段から出力されるパーシャルTSから任意のパケットのタイムスタンプを抽出するタイムスタンプ抽出手段と、
前記抽出タイムスタンプと前記参照時刻とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づいて両者が一致するように前記IP送出処理手段の送出速度を制御する制御手段を備えることを特徴とする放送TS配信装置。
【請求項5】
前記パーシャルTS生成手段は、前記タイムスタンプが付加されたパーシャルTSをその中からNULLパケットを抜いて出力することを特徴とする請求項4記載の放送TS配信装置。
【請求項6】
前記IP送出処理手段は、前記パーシャルTSのいずれかに付加されるタイムスタンプをそのまま、または前記基準時刻に基づいて補正してIPパケットのヘッダに格納し、
前記タイムスタンプ抽出手段は、前記IPパケットのヘッダに格納されたタイムスタンプを抽出することを特徴とする請求項4記載の放送TS配信装置。
【請求項7】
配信装置から、放送番組コンテンツのトランスポートストリームがパケット化された放送TSを、IP(Internet Protocol)ネットワークによる通信回線を通じてユーザ端末装置に配信する放送TS配信システムに用いられ、
前記配信装置が、基準クロックをカウントしてタイムスタンプを生成し、前記放送TSの各パケットに前記タイムスタンプを順次付加してパーシャルTSを生成し、前記パーシャルTSをIPパケットに変換して送出し、基準時刻を発生し、前記基準クロックに相当する参照クロックを生成しカウントすることで前記タイムスタンプ相当の参照時刻を生成し、前記参照時刻を前記基準時刻に基づいて補正し、前記IPパケットに変換されて送出されるパーシャルTSから任意のパケットのタイムスタンプを抽出し、前記抽出タイムスタンプと前記参照時刻とを比較し、その比較結果に基づいて両者が一致するように前記IPパケットの送出速度を制御する場合に、
前記通信回線を通じて送られてくるIPパケットを一時格納するバッファと、
前記バッファから順次IPパケットを取り出して前記パーシャルTSを抽出するIPパケット処理手段と、
前記IPパケット処理手段で抽出されたパーシャルTSの各パケットからタイムスタンプを抽出して当該タイムスタンプに基づいて前記パケットを時間軸上に再配置することで前記放送TSを再生する放送TS再生手段とを具備することを特徴とする放送TS配信システムのユーザ端末装置。
【請求項8】
配信装置から、放送番組コンテンツのトランスポートストリームがパケット化された放送TSを、IP(Internet Protocol)ネットワークによる通信回線を通じてユーザ端末装置に配信する放送TS配信システムに用いられ、
基準クロックをカウントしてタイムスタンプを生成し、
前記放送TSの各パケットに前記タイムスタンプを順次付加してパーシャルTSを生成し、
前記パーシャルTSをIPパケットに変換して送出し、
基準時刻を発生し、
前記基準クロックに相当する参照クロックを生成しカウントすることで前記タイムスタンプ相当の参照時刻を生成し、
前記参照時刻を前記基準時刻に基づいて補正し、
前記IPパケットに変換されて送出されるパーシャルTSから任意のパケットのタイムスタンプを抽出し、
前記抽出タイムスタンプと前記参照時刻とを比較し、その比較結果に基づいて両者が一致するように前記IPパケットの送出速度を制御することを特徴とする放送TS配信システムの配信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−124924(P2008−124924A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−308251(P2006−308251)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】