説明

整形フリーザ

【課題】 本発明は、多量の水分を含む柔軟な食品等の製品を柔軟な袋状容器に入れた柔軟袋物製品において均一凍結整形を可能とする整形フリーザにおいて、必要最低限の押圧により均一凍結整形を可能とする構造上シンプル且つ低コストである整形フリーザを提供する。
【解決手段】上側噴射部と下側噴射部を有し、複数の上側噴射部はベルト往動部の上方において、複数の下側噴射部はベルト往動部の下方において、それぞれ間隙を確保して設ける。上側噴射部の噴射用スリットと下側噴射部の噴射用スリットとが搬送用コンベヤのベルト往動部を挟んで略対向するように設けてなる整形フリーザにおいて、搬送用コンベヤの上方に対向配設し、同方向に並走する搬送用コンベヤ間に凍結対象物を挟持し補助搬送する補助搬送用コンベヤと、凍結対象物の凍結開始点に対応する位置及び最大氷結晶生成帯の終端点に対応する位置に押えローラを設けたことを特徴とする整形フリーザ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多量の水分を含む柔軟な食品等の製品を柔軟な袋状容器に入れた柔軟袋物製品において、均一凍結整形を可能とする整形フリーザに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品等の可撓性部材よりなるワークの凍結を行う連続搬送フリーザにおいて、水溶液を封入した袋物を凍結させていくと、コンベヤによる搬送中の振動、水溶液の不均一性及び冷気の温度のムラに起因して、表面が凹凸状態で凍結されることがあった。この状態で、袋物をダンボール等に梱包すると、梱包時において袋物同士による破損が生じることがあった。また、搬送時においても同様にして、袋物同士による破損が生じることがあった。これらの事象を解決するために、前後に設けた駆動ローラと従動ローラとの間に巻き回しをして走行するコンベヤベルトを上下に対向配設し、同方向に並走する前記コンベヤベルト間にワークを挟持させて搬送するコンベヤ機構よりなる連続搬送フリーザであって、前記上下に並走するコンベヤベルトのそれぞれの内側に設けた平面状冷却板よりなる凍結整形手段と、前記上下のコンベヤベルトを引張状態で走行させるコンベヤベルト機構とを設け、搬送する前記ワークを上下ベルト間に挟持させながら凍結させる構成としたものが公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の発明では、搬送方式としては、複数のワークの同時整形を搬送中に行うためには、搬送中における各ワークが所定の形に凍結整形が完了するまでは凍結の始まりより終わりまで同一の姿勢及び搬送位置を正確に保持する必要がある。そのため、特許文献1の発明においては、ワークを上下から挟持搬送する並走コンベヤベルトを持つ二つのコンベヤ機構より構成する。
【0004】
そして、例えば柔軟性のワーク群を同時に同一形状の同一厚みを持つワークに凍結整形するために、搬送中のワーク群に対し表面が平面状の押圧板により押圧整形する必要があり、そのため前記上下に並走するコンベヤベルトの内側の所定位置に平行状に平面状押圧板を設け、前記走行するコンベヤベルトを介して挟持するワーク群を均一に押圧する構成とするとともに、前記押圧板を冷却板により形成し、押圧整形を同時に行う凍結整形手段を構成する。
【特許文献1】特開2004−132654号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような構成では、前記走行するコンベヤベルトを介して挟持するワーク群を均一に押圧する構成とするとともに、前記押圧板を冷却板により形成し、押圧整形を同時に行う凍結整形手段を有しているが、搬送中における各ワークが所定の形に凍結整形が完了するまでは、凍結の始まりより終わりまで同一の姿勢及び搬送位置を正確に保持する必要があり、前記押圧板を冷却板で形成しているため、構造上コストが増大するおそれがある。
【0006】
そこで、本発明はこのような問題点を解決するものであって、多量の水分を含む柔軟な食品等の製品を柔軟な袋状容器に入れた柔軟袋物製品において、均一凍結整形を可能とする整形フリーザにおいて、必要最低限の押圧により均一凍結整形を可能とする構造上シンプル且つ低コストである整形フリーザを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明の整形フリーザは、断熱トンネル内に凍結室を有し、凍結対象物を搬送する搬送用コンベヤと凍結室内の冷気を回収する冷気回収口と、凍結室内の冷気を吸引して回収する冷気回収手段とを有し、その冷気を冷気用熱交換手段に送る冷気回収室と、前記冷気回収室からの冷気を冷却する冷気用熱交換手段と、前記冷気用熱交換手段からの冷気を後記上側噴射部と下側噴射部とに供給する冷気供給室と、前記複数の上側噴射部は、前記搬送用コンベヤのベルト往動部の上方において、また、前記複数の下側噴射部は、前記搬送用コンベヤのベルト往動部の下方において、それぞれ搬送用コンベヤの搬送方向に対して交差する方向に間隙を確保して設けられ、かつ、前記上側噴射部の噴射用スリットと前記下側噴射部の噴射用スリットとが搬送用コンベヤのベルト往動部を挟んで略対向するように設けられている連続式急速凍結装置であって、前記搬送用コンベヤの上方に対向配設し、同方向に並走する前記搬送用コンベヤ間に前記凍結対象物を挟持し、補助搬送する補助搬送用コンベヤと、前記補助搬送用コンベヤのベルト往動部上面に接するように、前記凍結対象物を押圧する為の押えローラを2箇所に設けたことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の発明の整形フリーザは、請求項1記載の整形フリーザにおいて、前記押えローラは前記複数の上側噴射部と上側噴射部との間に設けられ、夫々の前記押えローラを離間させて設けたことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項3に記載の発明の整形フリーザは、請求項1又は請求項2に記載の整形フリーザにおいて、前記凍結対象物の凍結開始点に対応する位置及び最大氷結晶生成帯の終端点に対応する位置に前記押えローラを設けたことを特徴とするものである。
(作用)
【0010】
請求項1記載の整形フリーザに係る発明では、多量の水分を含む柔軟な食品等の製品を柔軟な袋状容器に入れた柔軟袋物製品を均一凍結整形可能とする整形フリーザにおいて、
補助搬送用コンベヤを前記搬送用コンベヤの上方に対向配設し、同方向に並走する前記搬送用コンベヤ間に前記凍結対象物を挟持して搬送する前記補助搬送用コンベヤのベルト往動部上面に接するように、前記凍結対象物を押圧する為の押えローラを2箇所に設けたことで、前記搬送用コンベヤ及び前記補助搬送用コンベヤによって搬送されながら凍結される前記凍結対象物の上面を、前記補助用搬送コンベヤの上から前記押えローラの自重によって押圧することができる。
【0011】
請求項2記載の整形フリーザに係る発明では、多量の水分を含む柔軟な食品等の製品を柔軟な袋状容器に入れた柔軟袋物製品を均一凍結整形可能とする整形フリーザにおいて、補助搬送用コンベヤを前記搬送用コンベヤの上方に対向配設し、同方向に並走する前記搬送用コンベヤ間に前記凍結対象物を挟持して搬送する前記補助搬送用コンベヤのベルト往動部上面に接するように、前記凍結対象物を押圧する為の押えローラを前記複数の上側噴射部と上側噴射部との間に設けており、夫々の前記押えローラを離間させて設けたことで、テンパリング処理領域において、表面温度が低く、内部温度が高いという凍結対象物の温度分布を均温状態としながら、前記凍結対象物の上面を前記補助用搬送コンベヤの上から前記押えローラの自重によって押圧することができる。また、この工程を離間させることで、所定の間隔を有して2度繰り返して行うことができる。
【0012】
請求項3記載の整形フリーザに係る発明では、多量の水分を含む柔軟な食品等の製品を柔軟な袋状容器に入れた柔軟袋物製品を均一凍結整形可能とする整形フリーザにおいて、補助搬送用コンベヤを前記搬送用コンベヤの上方に対向配設し、同方向に並走する前記搬送用コンベヤ間に前記凍結対象物を挟持して搬送する前記補助搬送用コンベヤのベルト往動部上面に接するように、前記凍結対象物を押圧する為の押えローラを前記複数の上側噴射部と上側噴射部との間に設け、夫々の前記押えローラを離間させるとともに、前記凍結対象物の凍結開始点に対応する位置及び最大氷結晶生成帯の終端点に対応する位置に設けたことで、テンパリング処理領域において、表面温度が低く、内部温度が高いという凍結対象物の温度分布を均温状態としながら、前記凍結対象物の上面を前記補助用搬送コンベヤの上から前記押えローラの自重によって押圧することができる。また、前記凍結対象物の凍結開始点に対応する位置にて上面の押圧が行われるため、凍結始めの前記凍結対象物の上面を予め、押圧することができる。更に、前記凍結対象物の最大氷結晶生成帯の終端点に対応する位置にて上面の押圧することができる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の整形フリーザに係る発明では、多量の水分を含む柔軟な食品等の製品を柔軟な袋状容器に入れた柔軟袋物製品を均一凍結整形可能とする整形フリーザにおいて、補助搬送用コンベヤを前記搬送用コンベヤの上方に対向配設し、同方向に並走する前記搬送用コンベヤ間に前記凍結対象物を挟持して搬送する前記補助搬送用コンベヤのベルト往動部上面に接するように、前記凍結対象物を押圧する為の押えローラを2箇所に設けている。よって、前記搬送用コンベヤ及び前記補助搬送用コンベヤに搬送されながら凍結される前記凍結対象物の上面を前記補助用搬送コンベヤの上から前記押えローラの自重によって押圧することができるので、凍結により生じた前記凍結対象物の上面の凹凸を平坦にすることができるとともに、前記搬送用コンベヤからも押圧されることによって、前記凍結対象物の下面も平坦にすることができる。
これにより、前記凍結対象物の均一凍結整形を行うことができるので、梱包時や運送時における前記凍結対象物の破損を防止することもできる。
また、前記整形フリーザにおいて、搬送中における各凍結対象物が所定の形に凍結整形が完了するまでの間、凍結の始まりより終わりまで同一の姿勢及び搬送位置を正確に保持する構造ではなく、本願発明では、前記補助搬送用コンベヤのベルト往動部上面に接するように、前記凍結対象物を押圧する為の押えローラを2箇所に設けただけなので、その構造をシンプルにすることができ、従来製品より低コスト化を計ることができる。
【0014】
請求項2記載の整形フリーザに係る発明では、多量の水分を含む柔軟な食品等の製品を柔軟な袋状容器に入れた柔軟袋物製品を均一凍結整形可能とする整形フリーザにおいて、補助搬送用コンベヤを前記搬送用コンベヤの上方に対向配設し、同方向に並走する前記搬送用コンベヤ間に前記凍結対象物を挟持して搬送する前記補助搬送用コンベヤのベルト往動部上面に接するように、前記凍結対象物を押圧する為の押えローラを前記複数の上側噴射部と上側噴射部との間に設けており、夫々の前記押えローラを離間させて設けている。よって、前記搬送用コンベヤ及び前記補助搬送用コンベヤに搬送されながら凍結される前記凍結対象物の上面を前記補助用搬送コンベヤの上から前記押えローラの自重によって押圧することができるので、凍結により生じた前記凍結対象物の上面の凹凸を平坦にすることができる。また、テンパリング処理領域において、表面温度が低く、内部温度が高いという凍結対象物の温度分布を均温状態としながら、前記凍結対象物の上面を前記補助用搬送コンベヤの上から前記押えローラの自重によって押圧して平坦にすることができるとともに、前記搬送用コンベヤからも押圧されることによって、前記凍結対象物の下面も平坦にすることができる。
これにより、前記凍結対象物の均一凍結整形を行うことができるので、梱包時や運送時における前記凍結対象物の破損を防止することもできる。また、この工程を離間させて2回繰り返して行うので、更に前記凍結対象物の上面を平坦にすることができる。
また、前記整形フリーザにおいて、搬送中における各凍結対象物が所定の形に凍結整形が完了するまでの間、凍結の始まりより終わりまで同一の姿勢及び搬送位置を正確に保持する構造ではなく、本願発明では、前記補助搬送用コンベヤのベルト往動部上面に接するように、前記凍結対象物を押圧する為の押えローラを前記複数の上側噴射部と上側噴射部との間に設け、夫々の前記押えローラを離間させて設けただけなので、その構造をシンプルにすることができ、従来製品より低コスト化を計ることができる。
【0015】
請求項3記載の整形フリーザに係る発明では、多量の水分を含む柔軟な食品等の製品を柔軟な袋状容器に入れた柔軟袋物製品を均一凍結整形可能とする整形フリーザにおいて、補助搬送用コンベヤを前記搬送用コンベヤの上方に対向配設し、同方向に並走する前記搬送用コンベヤ間に前記凍結対象物を挟持して搬送する前記補助搬送用コンベヤのベルト往動部上面に接するように、前記凍結対象物を押圧する為の押えローラを前記複数の上側噴射部と上側噴射部との間に設け、夫々の前記押えローラを離間させるとともに、前記凍結対象物の凍結開始点に対応する位置及び最大氷結晶生成帯の終端点に対応する位置に設けたことで、テンパリング処理領域において、表面温度が低く、内部温度が高いという凍結対象物の温度分布を均温状態としながら、前記凍結対象物の上面を前記補助用搬送コンベヤの上から前記押えローラの自重によって押圧することができる。
また、前記凍結対象物の凍結開始点に対応する位置にて上面の押圧が行われるため、凍結始めの前記凍結対象物の上面を予め、押圧することができ、更に、前記凍結対象物の最大氷結晶生成帯の終端点に対応する位置にて上面の押圧することができるので、凍結により生じた前記凍結対象物の上面の凹凸を平坦にすることができる。また、テンパリング処理領域において、表面温度が低く、内部温度が高いという凍結対象物の温度分布を均温状態としながら、前記凍結対象物の上面を前記補助用搬送コンベヤの上から前記押えローラの自重によって押圧して平坦にすることができるとともに、前記搬送用コンベヤからも押圧されることによって、前記凍結対象物の下面も平坦にすることができる。
また、前記凍結対象物の凍結開始点にて上面の押圧が行われるため、凍結始めの前記凍結対象物の上面を予め、押圧することで平坦にしておくことができ、凍結中に生じる凍結対象物の上面に生じる凹凸を防止することができる。
更に、前記凍結対象物の最大氷結晶生成帯の終端点にて上面の押圧が行われるため、凍結開始以降の凍結によって、前記凍結対象物の上面に生じた凹凸を除去して、完全に平坦にすることができる。
これにより、前記凍結対象物の均一凍結整形を行うことができるので、梱包時や運送時における前記凍結対象物の破損を防止することもできる。
また、前記整形フリーザにおいて、搬送中における各凍結対象物が所定の形に凍結整形が完了するまでの間、凍結の始まりより終わりまで同一の姿勢及び搬送位置を正確に保持する構造ではなく、本願発明では、前記補助搬送用コンベヤのベルト往動部上面に接するように、前記凍結対象物を押圧する為の押えローラを前記複数の上側噴射部と上側噴射部との間に設け、夫々の前記押えローラを離間させるとともに、前記凍結対象物の凍結開始点に対応する位置及び最大氷結晶生成帯の終端点に対応する位置に設けただけなので、その構造をシンプルにすることができ、従来製品より低コスト化を計ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態における整形フリーザを図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0017】
本発明を具体化した実施形態について図1から図5に従って説明する。本発明の実施例に係る整形フリーザ1は、断熱トンネル1a内に凍結室6、冷気回収室9、冷気供給室10、搬送用コンベヤ、補助搬送用コンベヤ、押えローラ13、冷気用熱交換手段14、複数の上側噴射部15及び下側噴射部16を有する。
【0018】
図1、図2に示すように、前記断熱トンネル1aの断面形状は略直方形である。前記整形フリーザ1の側面には左右2箇所に手前に開く扉部1bが設けられており、扉部1bを開けて前記断熱トンネル1a内の点検、清掃等を行えるようになっている。図2に示すように、前記断熱トンネル1aの内側は、長手方向に沿って設けられた隔壁によって凍結室6、冷気回収室9、冷気供給室10に区分されている。前記凍結室6は、前記断熱トンネル1aの内側を隔壁で仕切られて図示左側に設けられる。前記冷気供給室10は、前記凍結室6の図示右側に設けられる。前記冷気回収室9は、前記凍結室6の上方であって、かつ前記冷気供給室10の図示左側に設けられる。後述するように、前記凍結室6、前記冷気回収室9、前記冷気供給室10はそれぞれ連通する部分を有しており、冷気は前記凍結室6、前記冷気回収室9、前記冷気供給室10を強制循環するようになっている。
【0019】
前記凍結室6は、搬送される凍結対象物Wを冷気によって凍結させる区画である。図1に示すように、前記凍結室6は、前記断熱トンネル1a内において長手方向の一端から他端まで連続している。前記凍結室6の長手方向の一端側には、凍結対象物Wを前記凍結室6内に供給する凍結対象物供給口1cが設けられている。前記凍結室6の長手方向の他端側には、前記凍結対象物Wを前記凍結室6内から取り出すための凍結対象物取出し1dが設けられている。
【0020】
前記搬送用コンベヤは、主に、搬送用スチールベルト11、下部駆動ローラ11c、下部従動用ローラ11d及び無段変速駆動モータ18からなり、前記搬送用スチールベルト11は、前記凍結室6内で前記凍結対象物Wを搬送するために設けられている。図1に示すように、前記搬送用スチールベルト11は、前記凍結室6の前記凍結対象物供給口1cから前記凍結対象物取出し1dにかけて前記凍結室6内を横貫するように架設されている。
【0021】
前記搬送用スチールベルト11は無端状であり、熱伝導率の大きいステンレス製の厚さ2mm程度の薄い鋼板で形成されている。前記搬送用スチールベルト11の図示上側が前記凍結対象物Wを前記凍結対象物供給口1cから前記凍結対象物取出し1dに向けて搬送するスチールベルト往動部11aとなり、前記搬送用スチールベルト11の図示下側が前記凍結対象物取出し1dから前記凍結対象物供給口1cに向けて戻るスチールベルト復動部11bとなる。前記搬送用スチールベルト11は両側を下部駆動ローラ11c及び下部従動ローラ11dに掛けて架設されており、前記下部駆動ローラ11cの上方に設置されている無段変速駆動モータ18を駆動源として駆動するようにしている。前記無段変速駆動モータ18は前記凍結室6内に設けた温度センサーからの信号または作業者による操作によって回転数が変更される。
【0022】
更に、図3(a)に示すように、前記下部従動ローラ11dには、前記搬送用スチールベルト11のテンションを調節又は保持できるように、以下の構成を備えている。
前記整形フリーザ1の側面上で、前記下部従動ローラ11dに外接されるテイクアップフレーム11eには、左右へのスライドを可能とする軸受11fが前記下部従動ローラ11dの軸に取付けられており、軸受押え11gを介して、バネ11hが取付けられている。また、前記スチールベルト復動部11bと同方向における前記テイクアップフレーム11eの外側から、前記テイクアップフレーム11e内の前記バネ11hに当接させるボルト11jと、前記ボルト11jを前記テイクアップフレーム11eに固定するためのナット11iを設けることで、前記バネ11hを押縮できる構造としている。これにより、前記バネ11hを押縮させることで、前記軸受11fをスライドさせ、前記搬送用スチールベルト11のテンションを調節又は保持することができる。
【0023】
前記補助搬送用コンベヤは、主に、金網ベルト12、上部駆動ローラ12c、上部従動用ローラ12d及び無段変速駆動モータ19からなり、前記金網ベルト12は、前記凍結室6内で前記凍結対象物Wの搬送を補助するために設けられている。図1又は図3(b)に示すように、前記金網ベルト12は、前記搬送用スチールベルト11の所定間隔の上方に位置し、前記凍結室6の前記凍結対象物供給口1c近傍から前記凍結対象物取出し1d近傍にかけて前記凍結室6内を縦貫するように架設されている。
【0024】
前記金網ベルト12は無端状であり、網目の小さいネット状で形成されている。前記金網ベルト12の図示下側が前記凍結対象物Wを前記凍結対象物供給口1c近傍から前記凍結対象物取出し1d近傍に向けて補助搬送する前記金網ベルト12の往動部12aとなり、前記金網ベルト12の図示上側が前記凍結対象物取出し1d近傍から前記凍結対象物供給口1c近傍に向けて戻る前記金網ベルト12の復動部12bとなる。
また、前記金網ベルト12は両側を上部駆動ローラ12c及び上部従動ローラ12fに掛けて架設されており、無段変速駆動モータ19(図示しない)を駆動源として駆動するようにしている。
【0025】
また、前記上部駆動ローラ12cには前記金網ベルト12の網目の小さいネットに咬合するように、複数の凹凸があるスプロケット(図示しない)が等間隔で数箇所設置されており、前記上部駆動ローラ12cの回動に伴いスプロケットを介して、前記金網ベルト12は回動する。
【0026】
また、前記上部駆動ローラ12cの上方に上部従動ローラ12d、下方に上部従動ローラ12eが設けられており、前記上部駆動ローラ12cと前記金網ベルト12との空転を防止している。
【0027】
また、前記上部駆動ローラ12dは、回動による摩擦抵抗を軽減させるため、軸受を介してブラケット(図示しない)に設置され、前記上部駆動ローラ12eは、直接ブラケットに設置されている。このとき、前記上部駆動ローラ12eにおいても軸受を用いることもできる。
【0028】
前記無段変速駆動モータ19は前記凍結室6内に設けた温度センサーからの信号または作業者による操作によって回転数が変更される。このとき、前記搬送用スチールベルト11を駆動する前記無段変速駆動モータ18と前記金網ベルト12を駆動する前記無段変速駆動モータ19は、同速度であることが望ましい。
【0029】
前記押えローラ13は、前記金網ベルト12の自重のみでは前記凍結対象物Wの上面を平坦にすることが不十分であるため、より確実に前記凍結対象物Wの上面を平坦にするために設けられている。前記押えローラ13は、図4に示すように、前記金網ベルト12とほぼ同等の幅を有するステンレス製の円筒状からなり、両端部には軸部13aを有している。また、前記金網ベルト12のベルト往動部12aの上面に接するようにして、前記整形フリーザ1に固定されるブラケット13bに前記軸部13aが保持され、前記金網ベルト12のベルト往動部12a上で回動自在に定置されている。
また、前記押えローラ13は、図1に示すように、前記上部駆動ローラ12c及び前記上部従動ローラ12f間の2箇所に設けられている。具体的には、第1押えローラ13cは、前記凍結対象物Wの中心温度が−1℃になる凍結開始点に対応する位置、第2押えローラ13dは、前記凍結対象物Wの中心温度が−1℃乃至−5℃になる最大氷結晶生成帯を通過する終端点に対応する位置に設けられ、前記押えローラ13は、隣接する上側噴射部15の間であるテンパリング処理が行われる箇所に設けられる。前記凍結対象物Wは、前記搬送用スチールベルト11及び前記金網ベルト12によって搬送されながら凍結し、前記押えローラ13の設置箇所にて、前記押えローラ13の自重によって上面を押圧されることで、上面は平坦となり凍結される。
【0030】
前記冷気回収室9は、前記凍結室6内の冷気を回収し、その冷気を冷気用熱交換手段14に送る区画である。図2に示すように、前記冷気回収室9の図示左側には、前記冷気供給室10と離隔した位置に冷気回収口7が設けられる。前記冷気回収口7は前記冷気回収室9と前記凍結室6とを連通させて、前記凍結室6内の冷気を前記冷気回収室9内に回収するために設けられる。前記冷気回収口7の内側には冷風回収手段としての送風ファン8が設けられており、前記送風ファン8によって前記凍結室6の冷気が前記冷気回収室9に回収される。前記冷気回収室9と前記冷気供給室10との間の供給室隔壁2には前記冷気回収室9と前記冷気供給室10とを連通させる前記回収室連通穴部3が形成される。
【0031】
前記冷気用熱交換手段14は冷媒によって空気と熱交換を行い、空気を冷却する部分である。図2に示すように、前記冷気用熱交換手段14は前記冷気回収室9内であって前記冷気回収口7と前記冷気供給室10との間に設けられる。前記冷風回収口7から前記送風ファン8によって回収された冷気は前記冷気用熱交換手段14に接触し、冷媒と熱交換を行って冷却される。前記送風ファン8によって回収され、前記冷気用熱交換手段14で冷却された冷気は、前記冷気回収室9と前記冷気供給室10とを連通させる前記回収室連通穴部から前記冷気供給室10に送られる。
【0032】
前記冷気供給室10は、前記冷気用熱交換手段14によって冷却された冷気を取り入れ、上側噴射部15と下側噴射部16とに供給する部分である。図2に示すように、前記冷気供給室10は前記凍結室6の図示右側であって、前記凍結室6の長手方向に沿って設けられている。前記冷気供給室10と前記凍結室6とを仕切る凍結室隔壁4には、前記上側噴射部15と前記下側噴射部16とに連通させる凍結室連通穴部5が設けられている。前記凍結室連通穴部5は複数設けられており、前記凍結室6の長手方向に沿って上段と下段の2段に等間隔で設けられている。前記凍結室連通穴部5の列の上段は前記搬送用スチールベルト11のベルト往動部11aよりやや上方に設けられ、下段は前記搬送用スチールベルト11ベルト往動部11bよりやや下方に設けられる。
【0033】
前記上側噴射部15と下側噴射部16は、それぞれ前記冷気供給室10からの冷気を前記搬送用スチールベルト11の幅方向に送り、冷気を前記搬送用スチールベルト11の前記ベルト往動部11aに向けて噴射する部分である。図5は、前記上側噴射部15を示しているが、前記上側噴射部15と前記下側噴射部16は略同一形状であって、いずれも噴射部主体15a(16a)、噴射用スリット15e(16e)、冷風案内空間部15f(16f)を有している。前記上側噴射部15と前記下側噴射部16は、断面右側部材15b(16b)と断面左側部材15c(16c)及び蓋部材15d(16d)とから構成されており、それぞれステンレス製薄板を屈曲して形成されている。これらを溶接して前記上側噴射部15と前記下側噴射部16の噴射部主体15a(16a)、噴射用スリット15e(16e)、冷風案内空間部15f(16f)が構成される。前記噴射部主体15a(16a)の一端は開口部となっており、他端は蓋部材15d(16d)によって閉塞される。前記上側噴射部15と前記下側噴射部16の幅はいずれも約80mmである。
【0034】
前記噴射部主体15a(16a)は、前記冷風供給室10に連通させて冷風を前記搬送用スチールベルト11上方(下方)まで導く部分である。図5に示すように、前記噴射部主体15a(16a)の内側は冷風を導くための空間になっている。図2に示すように、前記噴射部主体15a(16a)は前記搬送用スチールベルト11を幅方向に跨ぐ長さを有する。前記噴射部主体15a(16a)の一端(開口部側)には前記凍結室隔壁4に取り付けるためのフランジ部17が形成されている。
【0035】
前記噴射用スリット15e(16e)は、前記搬送用スチールベルト11の前記ベルト往動部11aの上面部(下面部)に向けて冷気を噴射する部分である。前記噴射部主体15a(16a)から離隔して形成される前記噴射用スリット15e(16e)は、前記搬送用スチールベルト11の搬送方向に対して交差する方向となるように形成され、前記搬送用スチールベルト11の搬送方向に対して交差する方向に冷気を噴射する。前記噴射用スリット15e(16e)の幅は、例えば、冷気供給室5の内部圧力を約100mmAqとした状態において、約18m/sの風速で冷気が噴射される幅に設定される。
【0036】
前記冷風案内空間部15f(16f)は、前記噴射部主体15a(16a)から前記噴射用スリット15e(16e)に冷風を案内し、前記噴射用スリット15e(16e)から噴射される冷気を層流に近い状態とする部分である。図5に示すように、前記冷風案内空間部15f(16f)は前記噴射部主体15a(16a)と前記噴射用スリット15e(16e)との間に設けられる。前記冷風案内空間部15f(16f)の幅は、前記噴射用スリット15e(16e)の幅と略同一の幅である。前記冷風案内空間部15f(16f)の上下方向の長さLは、前記噴射用スリット15e(16e)の相当直径Dの4倍から12倍が好ましい。相当直径Dは、前記噴射用スリット15e(16e)の幅をA、前記噴射用スリット15e(16e)の長さをLとすると、D=√(AL)で表される。
【0037】
前記上側噴射部15は、図1、図2、図3(b)及び図4に示すように、前記搬送用スチールベルト11のベルト往動部11aの上方で、かつ、前記搬送用スチールベルト11の搬送方向に対して交差する方向に設ける。前記上側噴射部15は、前記噴射部主体15aの一端(開口部側)を前記凍結室連通穴部5の上段の列に連通させた状態とし、この状態で前記フランジ部17を前記凍結室隔壁4に固定して前記上側噴射部15を前記凍結室隔壁4に固定する。各噴射部主体15aの他端(蓋部材15dで閉塞された端部側)は、前記搬送用スチールベルト11の側方で支持させる。
【0038】
前記下側噴射部16は、図1、図2、図3(b)及び図4に示すように、前記搬送用スチールベルト11のベルト往動部11aの下方で、かつ、前記搬送用スチールベルト11の搬送方向に対して交差する方向に設ける。前記下側噴射部16は、前記噴射部主体16aの一端(開口部側)を前記凍結室連通穴部5の下段の列に連通させた状態とし、この状態で前記フランジ部17を前記凍結室隔壁4に固定して前記下側噴射部16を前記凍結室隔壁4に固定する。各噴射部主体16aの他端(蓋部材16dで閉塞された端部側)は、前記搬送用スチールベルト11の側方で支持させる。
【0039】
また図1に示すように、前記上側噴射部15と前記下側噴射部16は、前記上側噴射部15の前記噴射用スリット15eと前記下側噴射部16の前記噴射用スリット16eとが前記搬送用スチールベルト11のベルト往動部11aを挟んで略対向するように設ける。
【0040】
次に本発明の実施例に係る整形フリーザ1の作動について説明する。前記整形フリーザ1の前記断熱トンネル1a内の冷気は、冷気回収手段としての前記送風ファン8により、前記凍結室6、前記冷気回収室9、前記冷気用熱交換手段14、前記冷気供給室10、複数の前記上側噴射部15及び複数の前記下側噴射部16を強制循環する。そして、複数の前記上側噴射部15から前記凍結対象物Wを凍結させ、複数の前記下側噴射部16から前記搬送用スチールベルト11のベルト往動部11aに対して噴射された冷気によって、前記搬送用スチールベルト11は冷やされ、熱伝導率の大きい前記搬送用スチールベルト11を介して前記凍結対象物Wを凍結させる。また、2箇所の前記押えローラ13の自重によって、前記凍結対象物Wの上面を平坦にすることができるとともに、前記搬送用スチールベルト11からも押圧されることによって、前記凍結対象物Wの下面も平坦にすることができる。
【0041】
この前記整形フリーザ1におけるインピンジメント処理領域は、前記上側噴射部15と前記下側噴射部16の間の領域であって、前記搬送用スチールベルト11で搬送されてその領域を通過する凍結対象物Wに対して上面からは冷気が吹き付けられ、下面からは熱伝導率の大きい前記搬送用スチールベルト11を介して、インピンジメント処理が行われる領域である。また、この前記整形フリーザ1におけるテンパリング処理領域は、隣接する前記上側噴射部15の間、または隣接する前記下側噴射部16の間の領域であって、前記搬送用スチールベルト11で搬送されてその領域を通過する凍結対象物W及び前記搬送用スチールベルト11に対して冷気の吹き付けが一時中断され、テンパリング処理が行われる領域である。
【0042】
テンパリング処理が行われる領域の内、第1押えローラ13cは前記凍結対象物Wの中心温度が−1℃になる凍結開始点に対応する位置、第2押えローラ13dは前記凍結対象物Wの中心温度が−1℃乃至−5℃になる最大氷結晶生成帯を通過する終端点に対応する位置に設けられ、前記押えローラ13の自重によって前記凍結対象物Wは最も効率よく上面を押圧され、上面は平坦となり凍結されるとともに、前記搬送用コンベヤからも押圧されることによって、前記凍結対象物の下面も平坦にすることができる。
前記凍結対象物供給口1cから供給された前記凍結対象物Wは、前記搬送用スチールベルト11により、前記第1押えローラ13c辺りまで搬送されると、前記凍結対象物Wの中心温度が−1℃になり凍結開始点を迎える。ここで、テンパリング処理を行いながら前記第1押えローラ13cによる前記凍結対象物Wの上面の押圧が行われる。この工程により、凍結始めの前記凍結対象物Wの上面を予め、平坦にしておくことができ、凍結中に生じる凍結対象物Wの上面に生じる凹凸を防止することができる。
その後、前記凍結対象物Wは、前記第2押えローラ13dまでは、インピンジメント処理とテンパリング処理を交互に行いながら、凍結されていく。
前記凍結対象物Wは、前記第2押えローラ13d辺りまで搬送されると、前記凍結対象物Wの中心温度が−1℃乃至−5℃となり最大氷結晶生成帯にある。このとき、前記凍結対象物Wは全体の約60%乃至80%が凍結しており、いわゆるシャーベット状態にある。ここで、テンパリング処理を行いながら前記第2押えローラ13dによる前記凍結対象物Wの上面の押圧が行われる。この工程により、前記第2押えローラ13dまでに搬送される中で、前記凍結対象物Wの上面に生じた凹凸を除去して、完全に平坦にすることができる。このとき、前記凍結対象物Wの中心温度が−1℃乃至−5℃となる最大氷結晶生成帯では、その内部はいわゆるシャーベット状態にあり、完全に凍結していないことが重要となる。
その後の工程において、前記凍結対象物Wは前記凍結対象物取出し1dに向かうに従い、完全に凍結される。このようにして、前記凍結対象物Wは、凍結始めの凍結開始点及びシャーベット状態にある最大氷結晶生成帯終端点において、効率よく前記押えローラ13の自重によって上面を押圧され、上面は平坦となり凍結されるとともに、前記搬送用コンベヤからも押圧されることによって、前記凍結対象物の下面も平坦にすることができる。
【0043】
複数の前記上側噴射部15及び前記下側噴射部16から噴射された冷気は、凍結対象物W及び前記搬送用スチールベルト11と熱交換を行う。複数の前記上側噴射部15及び前記下側噴射部16はそれぞれ間隙を確保して設けられているため、冷気回収手段としての前記送風ファン8で吸引すると、冷気は噴射部の間に滞留することなく、噴射部の間隙から前記冷気回収室9に回収される。従って、インピンジメント処理領域において噴射部から噴射される冷気は、凍結対象物Wと熱交換を行った後の冷気に妨げられず、拡散せずに凍結対象物W及び前記搬送用スチールベルト11に吹き付けられる。一方、テンパリング処理領域においては、インピンジメント処理領域において噴射部から噴射された冷気が拡散しないため、冷気が凍結対象物W及び前記搬送用スチールベルト11に吹き付けられない。
【0044】
また、前記上側噴射部15と前記下側噴射部16はそれぞれ、冷気を噴射する前記噴射用スリット15e(16e)と、前記噴射用スリット15e(16e)の幅と略同一の幅であって前記噴射部主体15a(16a)から前記噴射用スリット15e(16e)に冷風を案内する前記冷風案内空間部15f(16f)とを有している。前記噴射用スリット15e(16e)から噴射される冷気はほとんど層流となっているため、インピンジメント処理領域において、冷風は前記噴射用スリット15e(16e)から出ても拡散せずに、凍結対象物W及び前記搬送用スチールベルト11に強く集中して吹き付けられる。
【0045】
以上説明した本発明の実施例に係る整形フリーザ1によれば、テンパリング処理が行われる領域の内、第1押えローラ13cは前記凍結対象物Wの中心温度が−1℃になる凍結開始点に対応する位置、第2押えローラ13dは前記凍結対象物Wの中心温度が−1℃乃至−5℃になる最大氷結晶生成帯を通過する終端点に対応する位置に設けられ、前記押えローラ13の自重によって前記凍結対象物Wは最も効率よく上面を押圧され、上面は平坦となり凍結されるとともに、前記搬送用コンベヤからも押圧されることによって、前記凍結対象物の下面も平坦にすることができる。
これにより、前記凍結対象物の均一凍結整形を行うことができるので、ダンボール等への梱包時においての前記凍結対象物同士による破損、また、搬送時においての前記凍結対象物による破損を防止することもできる。
また、前記整形フリーザ1において、搬送中における各凍結対象物が所定の形に凍結整形が完了するまでの間、凍結の始まりより終わりまで同一の姿勢及び搬送位置を正確に保持する構造ではなく、本願発明では、前記補助搬送用コンベヤのベルト往動部上面に接するように、前記凍結対象物を押圧する為の押えローラを前記複数の上側噴射部と上側噴射部との間に設け、夫々の前記押えローラを離間させるとともに、前記凍結対象物の凍結開始点に対応する位置及び最大氷結晶生成帯の終端点に対応する位置に設けただけなので、その構造をシンプルにすることができ、従来製品より低コスト化を計ることができる。
【0046】
なお、実施形態は上記に限定されるものではなく、以下のように変更してもよい。
【0047】
凍結対象物Wの厚みが変動する場合に対応するため、上側噴射部15の噴射用スリット15eとベルト往動部11aの上面部との距離を任意に変更できることが好ましい。変更する手段としては、例えば、凍結室隔壁4に対する上側噴射部15のフランジ部17の固定位置を上下方向に変更できるようにする。また、このとき凍結対象物Wの凍結点等に応じて、前記押えローラ13の位置や個数も任意に変更することができる。
【0048】
また、前記搬送用スチールベルト11を金網ベルトとし、前記金網ベルト12をスチールベルトとするとともに、前記押えローラ13を金網ベルトのベルト往動部の下面に接するように設けることもできる。これによって、前記実施例1とは対称構造とすることできる。このとき、金網ベルトのベルト往動部の下面に接するように設けられる前記押えローラは、常時上方へ付加がかかるような構造をとることによって、前記実施例1の押えローラ13の自重と同等の力を付加することできる。これによって、前記凍結対象物Wの上面をスチールベルトで押圧され平坦にすることができるとともに、金網ベルトのベルト往動部の下面に接するように設けられる前記押えローラによって、前記凍結対象物Wの下面も平坦にされて、均一凍結整形される。
【0049】
更に、前記搬送用スチールベルト11を金網ベルトとして、上下の搬送用ベルトを金網ベルトとするとともに、前記押えローラ13も同様の位置に上下に対向するように設けることもできる。これによって、前記凍結対象物Wは上下の押えローラによって、押圧されることにより、均一凍結整形される。
【0050】
上側噴射部15と下側噴射部16の幅や取り付けピッチは実施例に限定されず、凍結対象物Wの種類等に応じて変更してもよい。
【0051】
冷気用熱交換手段14を断熱トンネル1a内に設置したが、断熱トンネル1aの外部に設置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施例1に係る整形フリーザ1を長手方向に切断した断面簡略図である。
【図2】本発明の実施例1に係る整形フリーザ1を図1のX−X線で切断した端面簡略図である。
【図3】本発明の実施例1に係る整形フリーザ1における図1の(a)テイクアップ部端面拡大図、及び(b)押えローラ部付近の拡大図である。
【図4】本発明の実施例1に係る整形フリーザ1における図3の(b)Y−Y線で切断した端面簡略図である。
【図5】本発明の実施例1に係る整形フリーザ1における上部噴射部15の断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 整形フリーザ
1a 断熱トンネル
1b 扉部
1c 凍結対象物供給口
1d 凍結対象物取出し口
2 供給室隔壁
3 回収室連通穴部
4 冷凍室隔壁
5 連結室連通穴部
6 凍結室
7 冷気回収口
8 冷気回収手段としての送風ファン
9 冷気回収室
10 冷気供給室
11 搬送用スチールベルト
11a ベルト往動部
11b ベルト復動部
11c 下部駆動ローラ
11d 下部従動ローラ
11e テイクアップフレーム
11f 軸受
11g 軸受押え
11h バネ
11i ナット
11j ボルト
12 金網ベルト
12a ベルト往動部
12b ベルト復動部
12c 上部駆動ローラ
12d 上部従動ローラ
12e 上部従動ローラ
12f 上部従動ローラ
13 押えローラ
13a 軸部
13b ブラケット
13c 第1押えローラ
13d 第2押えローラ
14 冷気用熱交換手段
15 上部噴射部
15a 噴射部主体
15b 断面右側部材
15c 断面左側部材
15d 蓋部材
15e 噴射用スリット
15f 冷風案内空間部
16 下部噴射部
16a 噴射部主体
16b 断面右側部材
16c 断面左側部材
16d 蓋部材
16e 噴射用スリット
16f 冷風案内空間部
17 フランジ部
18 無段変速駆動モータ
19 無段変速駆動モータ
W 凍結対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱トンネル内に凍結室を有し、凍結対象物を搬送する搬送用コンベヤと
凍結室内の冷気を回収する冷気回収口と、凍結室内の冷気を吸引して回収する冷気回収手段とを有し、その冷気を冷気用熱交換手段に送る冷気回収室と、
前記冷気回収室からの冷気を冷却する冷気用熱交換手段と、
前記冷気用熱交換手段からの冷気を後記上側噴射部と下側噴射部とに供給する冷気供給室と、
前記複数の上側噴射部は、前記搬送用コンベヤのベルト往動部の上方において、また、前記複数の下側噴射部は、前記搬送用コンベヤのベルト往動部の下方において、それぞれ搬送用コンベヤの搬送方向に対して交差する方向に間隙を確保して設けられ、かつ、前記上側噴射部の噴射用スリットと前記下側噴射部の噴射用スリットとが搬送用コンベヤのベルト往動部を挟んで略対向するように設けられている連続式急速凍結装置であって、
前記搬送用コンベヤの上方に対向配設し、同方向に並走する前記搬送用コンベヤ間に前記凍結対象物を挟持し、補助搬送する補助搬送用コンベヤと、
前記補助搬送用コンベヤのベルト往動部上面に接するように、前記凍結対象物を押圧する為の押えローラを2箇所に設けたことを特徴とする整形フリーザ。
【請求項2】
前記押えローラは前記複数の上側噴射部と上側噴射部との間に設けられ、夫々の前記押えローラを離間させて設けたことを特徴とする請求項1記載の整形フリーザ。
【請求項3】
前記凍結対象物の凍結開始点に対応する位置及び最大氷結晶生成帯の終端点に対応する位置に前記押えローラを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の整形フリーザ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−89227(P2008−89227A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270227(P2006−270227)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(391018547)高橋工業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】