説明

文書検索システムおよびその制御方法

【課題】ネットワークで接続された複合機間で文書の検索・印刷を行う際、複合機の処理性能によっては検索時間が長い、印刷する文書の選択が終了してからネットワーク経由で文書を印刷しなければならないといった要因から、検索開始から印刷までに時間が掛かった。
【解決手段】処理性能の高い複合機が検索を集中して行う事で、検索処理に掛かる時間を短縮させる。また、印刷される可能性の高い文書については、ユーザが検索結果から印刷する文書を選択している間に、その文書を持つ複合機が印刷可能な中間データに変換し、ユーザが操作している複合機に転送しておく事で、文書の選択から印刷までの時間を短縮させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークで接続された複合機群に蓄積された文書を検索する文書検索システムとその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル複写機をベースとして、多数の機能が付加された複合機能装置(以下、複合機と表記する)が実用化されている。複合機においては付加された機能としては例えば、デジタル複写機として元来備えられているスキャナ、プリンタを使用してファクシミリ通信を可能とする。また、プリンタを使用して、コンピュータから送られたコードデータをビットマップデータに展開してプリントアウトを行ったり、スキャナを使用して、スキャナから読み込んだ画像をネットワーク上に送信したりすることが可能である。さらに、プリンタを使用して、ネットワーク上から配信された画像をプリントしたりすることが可能である。
【0003】
このように複合機に付加された機能のひとつに、パーソナルボックス機能がある。これは、複合機の記憶装置内に、ユーザ個人や部署ごとに領域を割り当て、そこにプリント画像やスキャン画像を格納しておき、必要に応じて出力を可能とする機能である。
【0004】
さらに昨今では、このパーソナルボックスをネットワーク上で参照し、各複合機のパーソナルボックスに蓄積された文書を共有して利用できるような文書管理機能への要求が高まっている。この機能によれば、ある複合機の操作画面からの指示により、ネットワーク上に存在する他の複合機に蓄積された文書を検索し、操作している機器において所望の文書の参照や印刷を行うことを可能とする。文書の検索方法としては、蓄積文書に関連付けられた文書属性(文書名やインデックスなど)から検索を行う属性検索や、蓄積文書から抽出したテキスト情報に基づく検索が知られている。
【0005】
また文書の検索にはサーバ等の処理能力の高い機器に集中して行わせる方法と、文書を蓄積している機器に分散して行わせる方法がある。前者の方法ではサーバを複合機から操作できるようにする事で簡易に文書を検索可能な手法が提案されている(特許文献1)が、複合機のパーソナルボックス内の文書を検索する際には主に後者の方法が用いられる。
【0006】
しかしながら、複数の複合機が接続されたネットワークシステムにおいて、ある複合機から他の複合機上にある文書を検索する際には、ネットワーク上の全ての複合機が検索対象となる。したがってこのようなネットワークシステムにおいて検索を行う際には、全ての複合機に対してネットワーク通信を行う必要があった。したがって、所望の文書が存在しない複合機に対しても検索が実行されてしまうため、検索処理時間のみならず、ネットワーク・トラフィックの負荷も増大してしまう。
【0007】
この問題に対し、検索する文書の特徴からネットワーク上でその文書を蓄積している可能性の高い複合機を判定し、優先的に検索対象とすることで検索を効率化させる手法が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−257599号公報
【特許文献2】特開2008−152396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
複合機内の文書を検索する際、その複合機の処理能力と蓄積する文書の量によっては検索に時間が掛かる。複数の複合機に同時に文書を検索させる場合、全ての複合機で検索が終了しなければ最終的な検索結果は判明しない為、処理性能の低い複合機が存在すると全体としての検索時間が延びてしまう。
【0010】
また、検索した文書を印刷する場合、ユーザが検索結果をもとに印刷する文書を決定した後、その文書を蓄積する複合機から取得し、ビットマップ等の印刷可能な中間データに変換してから印刷を開始する必要があった。
【0011】
そこで本発明は、検索開始から文書の印刷までに掛かる時間を短縮させる事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する本発明は、情報検索システムであって、
情報処理装置が複数属するネットワーク上で、
第1の装置に入力された検索情報を、より処理能力の高い検索機能を持つ第2の装置に送信して検索を依頼する検索依頼手段と、
検索依頼を受けて記憶装置内の情報を検索する検索手段と、
第2の装置の検索結果に応じて、処理される可能性の高い情報を蓄積する第3の装置に、将来施され得る処理を予め施すよう依頼する先行処理依頼手段と、
先行処理依頼を受け、依頼された情報に先行処理を施す先行処理手段と、
先行処理を施した情報を必要とする装置に送信する送信手段と、
先行処理を施された情報を処理する際には、既に施された処理を省略する処理省略手段と、
を有する事を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、処理能力の高い複合機に集中的に文書の検索を行わせる事で、検索に掛かる時間を短縮できる。また、印刷される可能性の高い文書に関しては予め検索を指示した複合機に転送しておく事で、印刷する文書を選択してから印刷までに掛かる時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る一実施形態における文書検索システムの全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態における複合機の全体構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態における複合機の操作部の外観を示す図である。
【図4】本実施形態における複合機間で授受される情報とそのタイミングを示す図である。
【図5】本実施形態において文書の検索依頼と印刷処理を示すフローチャートである。
【図6(a)】本実施形態における操作部210に表示される検索画面の一例を示す図である。
【図6(b)】本実施形態における操作部210に表示される検索に該当する文書が無い旨を示す画面の一例を示す図である。
【図6(c)】本実施形態における操作部210に表示される検索結果画面の一例を示す図である。
【図7】本実施形態において文書検索と転送指示処理を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態において中間データの転送処理を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態において文書の転送処理を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態において中間データ受付処理を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態において中間データ受付終了依頼受付処理を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態において集積複合機150での文書選択終了通知受付処理を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態において集積複合機120での文書選択終了通知受付処理を示すフローチャートである。
【図14(a)】本実施形態における検索クエリD401のフォーマットを示す図である。
【図14(b)】本実施形態における検索結果D402のフォーマットを示す図である。
【図14(c)】本実施形態における中間データ転送指示D403のフォーマットを示す図である。
【図14(d)】本実施形態における中間データD404のフォーマットを示す図である。
【図14(e)】本実施形態における中間データ転送終了指示D405のフォーマットを示す図である。
【図14(f)】本実施形態における文書選択終了通知D406のフォーマットを示す図である。
【図14(g)】本実施形態における文書転送指示D407のフォーマットを示す図である。
【図14(h)】本実施形態における文書データD408のフォーマットを示す図である。
【図14(i)】本実施形態における中間データ受付開始依頼D409のフォーマットを示す図である。
【図14(j)】本実施形態における中間データ受付終了依頼受付開始依頼D410のフォーマットを示す図である。
【図14(k)】本実施形態における中間データ受付終了依頼D411のフォーマットを示す図である。
【図14(l)】本実施形態における文書選択終了通知受付開始依頼D412のフォーマットを示す図である。
【図14(m)】本実施形態における文書選択終了通知受付開始依頼D413のフォーマットを示す図である。
【図14(n)】本実施形態における文書選択終了通知受付終了依頼D414のフォーマットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付する図面を用いて説明する。尚、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
<システム構成>
まず、本発明のシステム構成を説明する。
【0016】
図1は、本実施形態における文書検索システムの全体構成を示す図である。本システムは、複数の複合機110、120、130、140、150が互いにネットワーク160によって接続されていることにより構成される。このうち、検索に於ける処理能力が最も高い複合機150を集中して文書検索を行う集積複合機とする。また、集積複合機を含む各複合機には識別用のIDが割り振られている。
【0017】
集積複合機150は後述のHDD224に、ネットワークに接続された複合機110、120、130、140、150が蓄積する全ての文書の属性情報、及びサムネイル画像を保持するデータベース170を持つ。データベース170は属性として文書ID、文書名、文書の作成日時、文書を格納する複合機、文書の印刷回数、サムネイル画像を持つ。またデータベース170はその機能として、文書名と作成日時のいずれか、或いは両方の属性に対して検索したい値を問い合わせる事で文書の検索を行う検索機能、検索結果を文書の印刷回数で並び替えるソート機能、文書の印刷回数を増減させる更新機能を備える。文書IDはネットワークに接続された複合機110、120、130、140、150が蓄積する全ての文書に対して一意に付与される識別番号であり、集積複合機150がその文書の属性情報を保存する際に割り振られる。文書名は文書を複合機に保存した際に付与された文書の名前、作成日時は文書を保存した日時、複合機は文書の実体を格納している複合機のID、印刷回数は現時点までで文書が本実施形態で検索、且つ印刷された回数である。サムネイル画像は検索結果の表示に用いるもので、文書の最初のページをサイズの小さい画像として保存したものである。
【0018】
図2は、図1に示した複合機110の内部構成を示すブロック図である。尚、他の複合機120、130、140や集積複合機150についても複合機110と同様の構成からなる。
【0019】
図2において、操作部210はコントローラユニット220と接続され、複合機とユーザ間での検索情報や文書情報等の入出力を行う。
【0020】
コントローラユニット220はスキャナ部240やプリンタ部250、ネットワーク160に接続する事で、各デバイスの制御や各種情報の外部機器との入出力を行う。
【0021】
コントローラユニット220において、CPU221は複合機全体を制御する中央演算ユニットである。RAM2222はCPU221が演算に用いるデータを一時的に格納する為のワークメモリである。ROM223は複合機のブートに用いるプログラムが格納されており、主に複合機の起動の際に使用される。HDD224は複合機の制御に関するソフトウェアや各種設定と、保存された文書等を格納するハードディスクドライブ(HDD)である。操作部I/F225は操作部210に対するインターフェースであり、操作部210に入力・出力したい情報を中継する。ネットワークI/F226はネットワーク160に対するインターフェースであり、複合機120、130、140や集積複合機150との情報の入出力を担当する。これらのブロックはシステムバス227を通じて接続されている。
【0022】
イメージバスI/F228はシステムバス227と、画像処理を担当する各ブロックを接続している画像バス229との中継、データ構造の変換を担う。画像バス229には、RIP230、デバイスI/F231、スキャナ画像処理部232、プリンタ画像処理部233、画像編集用画像処理部234が接続されている。
【0023】
RIP230はラスタイメージプロセッサ(RIP)であり、ページ記述言語(PDL)コードやディスプレイリストをビットマップイメージに変換する。デバイスI/F部231は、スキャナ部240やプリンタ部250とコントローラユニット220とを接続し、画像データの同期系・非同期系の変換を行う。
【0024】
また、スキャナ画像処理部232はスキャナ部240から入力した画像データに対し、補正、加工、編集等の各種処理を行う。プリンタ画像処理部233はプリント出力する画像データに対し、プリンタエンジンに応じた補正、解像度変換等の処理を行う。画像編集用画像処理234は、画像データの回転や、画像データの圧縮伸長処理等の各種画像処理を行う。
【0025】
図3は、操作部210の外観である。タッチパネル301はLCDタッチパネルであり、主な設定、状況表示はここで行われる。また、タッチパネル301はソフトキーボード機能も備えており、文字列を入力する事も可能である。テンキー302は0〜9までの数値を入力するためのキーである。IDキー303は、装置が部門管理されている場合に部門番号と暗証コードを入力する際に使用されるものである。
【0026】
リセットキー304は設定されたモードのリセット、ガイドキー305は各モードについての説明画面の表示、ユーザーモードキー306はユーザーモード画面の表示、割り込みキー307は割り込みコピーの際に用いられる。
【0027】
スタートキー308はコピー動作のスタート、ストップキー309はコピージョブの中止の際に使用される。
【0028】
ソフト電源310は押下することによりタッチパネル301のバックライトが消え装置は省電力状態に落ちる。節電キー311は押下することにより節電状態に入り、再度押下することで節電状態から復帰する。
【0029】
コピーキー312、ボックスキー313、検索キー314はそれぞれコピー、ボックス、検索機能に移行させるためのファンクションキーである。図3ではコピーの標準画面が表示された状態であり、他のファンクションキー313,314を押下することでそれぞれの機能の標準画面が表示される。
【0030】
画面コントラストキー315はタッチパネル301のコントラストを調整するための調整キーである。カウンタ確認キー316はそれまでに使用したコピー枚数の集計を確認する際に用いられる。
【0031】
実行/メモリLED317はジョブの実行中、又は画像のメモリへの蓄積中を、エラーLED318がジャム、又はドアオープン等装置がエラー状態にあることを、主電源LED319は装置のメインスイッチがONになっていることをそれぞれ示すLEDである。
<文書検索・印刷処理>
次に、本実施形態において文書を検索、印刷する手順を説明する。以下では、図1における各複合機のうち、複合機110をユーザが文書検索を依頼する依頼元複合機とし、更に複合機120が検索に該当した文書を蓄積しているものとする。また、図5、図7、図8、図9、図10、図11、図12、図13のフローチャートにおける各ステップは、そのステップを実行する複合機のCPU221がHDD224に格納されたプログラムを実行する事で処理を行うものとする。
〔通信データフォーマットの説明〕
以下、図4と図14(a)及び図14(n)を用いて複合機間で授受される情報のフォーマットについて説明する。図4は複合機110、120、集積複合機150において、それぞれの間で授受される情報とそのタイミングを示した図である。尚、図4における各ステップは、後述する図5、図7、図8、図9、図10、図11、図12、図13における同名のステップに相当する。
【0032】
検索クエリD401のフォーマットを図14(a)に示す。検索クエリD401は検索依頼であることを示す識別ビット領域A1601と、検索依頼IDを格納する領域A1602と、依頼元複合機のIDを格納する領域A1603と、文書名と作成日時を格納する領域A1604、A1605からなるパケットである。A1604とA1605には、それぞれユーザが検索したい文書名と作成日時が格納される。検索クエリD401は後述するS504によって複合機110から集積複合機150へ送信される。検索依頼IDは検索を依頼する複合機が検索のたびに発行する、複合機ごとに一意な識別番号であり、依頼元複合機IDと組み合わせる事で検索クエリを特定する事ができる。尚、ユーザによって文書名が入力されなかった場合は、検索したい文書の文書名を格納する領域A1604を空とする。
【0033】
検索結果D402のフォーマットを図14(b)に示す。検索結果D402は、検索結果であることを示す識別ビット領域A1701と、検索依頼IDを格納する領域A1702と、検索結果を格納する領域A1703からなるパケットである。検索結果D402は後述するS903によって集積複合機150から複合機110へ送信される。領域A1703は検索に該当した文書の文書IDを格納する領域A1704と、文書名を格納する領域A1705と、作成日時を格納する領域A1706と、文書を持つ複合機のIDを格納する領域A1707と、サムネイル画像を格納する領域A1708からなる。尚、検索結果を格納する領域A1703は、検索に該当した文書の数に応じて複数付加できる。また、検索に該当する文書が存在しなかった場合は、検索結果を格納する領域A1703を空とする。
【0034】
中間データ転送指示D403のフォーマットを図14(c)に示す。中間データ転送指示D403は、中間データ転送指示を示す識別ビット領域A1801と、検索依頼IDを格納する領域A1802と、文書IDを格納する領域A1803と、中間データの送信先の複合機IDを格納する領域A1804からなるパケットである。中間データ転送指示D403は後述するS907によって集積複合機150から複合機120へ送信される。
【0035】
中間データD404のフォーマットを図14(d)に示す。中間データD404は、中間データであることを示す識別ビット領域A1901と、検索依頼IDを格納する領域A1902と、文書IDを格納する領域A1903と、中間データ本体を格納する領域A1904からなるパケットである。中間データD404は後述するS1008によって複合機120から複合機110へ送信される。中間データ本体は、RIP230で処理可能なディスプレイリストである。
【0036】
中間データ転送終了通知D405のフォーマットを図14(e)に示す。中間データ転送終了通知D405は中間データ転送終了通知を示す識別ビット領域A2001と、検索依頼IDを格納する領域A2002と、文書IDを格納する領域A2003と、中間データの送信先複合機IDを格納する領域A2004からなるパケットである。中間データ転送終了通知D405は後述するS1009によって複合機120から集積複合機150へ送信される。
【0037】
文書選択終了通知D406のフォーマットを図14(f)に示す。文書選択終了通知D406は、文書選択終了通知であることを示す識別ビット領域A2101と、検索依頼IDを格納する領域A2102と、依頼元複合機のIDを格納する領域A2103と、選択された文書IDを格納する領域A2104からなるパケットである。文書選択終了通知D406は後述するS511によって複合機110から集積複合機150及び複合機120へ送信される。文書IDを格納する領域A2104は、選択された文書の数に応じて複数付加できる。また、ユーザが文書選択をキャンセルした場合は、文書IDを格納する領域A2104を空とする。
【0038】
文書転送指示D407のフォーマットを図14(g)に示す。文書転送指示D407は文書転送指示であることを示す識別ビット領域A2201と、検索依頼IDを格納する領域A2202と、選択された文書の文書IDを格納する領域A2203と、文書の送信先複合機IDを格納する領域A2204からなるパケットである。文書転送指示D407は後述するS516によって複合機110から複合機120へ送信される。
【0039】
文書データD408のフォーマットを図14(h)に示す。文書データD408は、文書データであることを示す識別ビット領域A2301と、検索依頼IDを格納する領域A2302と、文書IDを格納する領域A2303と、文書データ本体を格納する領域A2304からなるパケットである。文書データD408は後述するS1102によって複合機120から複合機110へ送信される。
【0040】
中間データ受付開始依頼D409のフォーマットを図14(i)に示す。中間データ受付開始依頼D409は、中間データ受付開始依頼であることを示す識別ビット領域A2401と、検索依頼IDを格納する領域A2402からなるパケットである。中間データ受付開始依頼D409は後述するS508によって複合機110内の検索依頼及び印刷処理から中間データ受付処理へ送信される。
【0041】
中間データ受付終了依頼受付開始依頼D410のフォーマットを図14(j)に示す。中間データ受付終了依頼受付開始依頼D410は、中間データ受付終了依頼受付開始依頼であることを示す識別ビット領域A2501と、検索依頼IDを格納する領域A2502からなるパケットである。中間データ受付終了依頼受付開始依頼D410は、後述するS1202によって複合機110内の中間データ受付処理から中間データ受付終了依頼受付処理へ送信される。
【0042】
中間データ受付終了依頼D411のフォーマットを図14(k)に示す。中間データ受付終了依頼D411は、中間データ受付終了依頼であることを示す識別ビット領域A2601と、検索依頼IDを格納する領域A2602からなるパケットである。中間データ受付終了依頼D411は、後述するS512によって複合機110内の検索依頼及び印刷処理から中間データ受付終了依頼受付処理へ送信される。
【0043】
文書選択終了通知受付開始依頼D412のフォーマットを図14(l)に示す。文書選択終了通知受付開始依頼D412は、文書選択終了通知受付開始依頼であることを示す識別ビット領域A2701と、検索依頼IDを格納する領域A2702と、依頼元複合機のIDを格納する領域A2703からなるパケットである。文書選択終了通知受付開始依頼D412は後述するS905によって集積複合機150内の文書検索及び中間データ転送指示処理から文書選択終了通知受付処理へ送信される。
【0044】
文書選択終了通知受付開始依頼D413のフォーマットを図14(m)に示す。文書選択終了通知受付開始依頼D413は、文書選択終了通知受付開始依頼であることを示す識別ビット領域A2801と、検索依頼IDを格納する領域A2802と、依頼元複合機のIDを格納する領域A2803からなるパケットである。文書選択終了通知受付開始依頼D413は後述するS1002によって複合機120内の中間データ転送処理から文書選択終了通知受付処理へ送信される。
【0045】
文書選択終了通知受付終了依頼D414のフォーマットを図14(n)に示す。文書選択終了通知受付終了依頼D414は、文書選択終了通知受付終了依頼であることを示す識別ビット領域A2901と、検索依頼IDを格納する領域A2902と、依頼元複合機のIDを格納する領域A2903からなるパケットである。文書選択終了通知受付終了依頼D414は後述のS1006によって複合機120内の中間データ転送処理から文書選択終了通知受付処理へ送信される。
〔検索依頼処理及び印刷処理の説明〕
以下、図5のフローチャートと、図6(a)及び図6(c)に示す表示画面例とを用いて、複合機110における検索依頼処理と印刷処理を説明する。
【0046】
図5は、本実施形態における検索依頼処理と印刷処理のフローチャートである。図5において、まずユーザによって検索キー314が押下されると、コントローラユニット220がS501にて操作部210のタッチパネル301に検索画面を表示する。この検索画面の一例は、図6(a)に示す通りである。図6(a)において、領域601にはこの画面の機能の説明が表示される。領域602は検索する文書の名前が入力される領域であり、タッチパネル301のソフトキーボード機能により、ユーザは任意の文字列を入力できる。ソフトキーボード機能(図示していない)は領域602をタップすることで呼び出される。ユーザによる文字列入力が完了する際には、ユーザがソフトキーボードの入力確定ボタンを押下することで、図6(a)に示す画面に戻り、且つ領域602に入力した文字列が反映された状態となる。領域603は検索する文書の作成日時を選ぶラジオボタンである。図6(a)においては、ユーザは「指定しない」、「本日」、「一週間以内」、「一ヶ月以内」、「日時指定」から選択できる。領域604は領域603によって「日時指定」が選択された場合に、ユーザによって任意の日時が入力される領域であり、日時の入力にはテンキー302を使用できる。ボタン605は検索を中止する際に用いるキャンセルボタンである。ボタン606は領域602、603、604に入力された情報を基に文書の検索を開始する際に押下される検索ボタンである。
【0047】
ユーザにより領域602、603、604に情報を入力された場合、コントローラユニット220はS502にて、複合機110の操作部210からユーザが入力した情報を受け入れる。その後、ユーザがキャンセルボタン605もしくは検索ボタン606を押下した場合、S503にてどちらのボタンが押下されたかを判断し、もしキャンセルボタン605が押下されたのであれば検索依頼と印刷の処理を終了させる。検索ボタン606が押下された場合、複合機110はS504の処理によって検索依頼IDを発行し、S502で受け入れた情報と共に、ネットワーク160を経由して集積複合機150に検索クエリD401として送信する。
【0048】
その後、コントローラユニット220はS505にて、後述のS903によって集積複合機150から送信される検索結果D402を待つ。検索結果受信後、S506にて検索結果D402の検索結果を格納する領域A1703が空でないかを調べる事で、検索に該当する文書が存在したかを判定する。該当する文書が存在しない場合は、S507によって操作部210のタッチパネル301に該当無しを示す画面を表示する。該当無しを示す画面の一例は図6(b)に示す通りである。図6(b)において、領域701にはこの画面の機能の説明が表示される。領域702には検索の結果、S502で入力された情報に該当する文書が見つからなかった旨が表示される。ボタン703は、この画面を抜けるボタンであり、押下された場合は検索依頼と印刷の処理をS501まで戻す。
【0049】
該当する文書が存在する場合、複合機110はS508にて、同一複合機内で起動している、後述の中間データ受付処理に中間データ受付開始依頼D409を送信する。中間データ受付処理は、検索依頼及び印刷処理とは別プロセスとして起動している為、互いに独立して処理を行う。
【0050】
続いて、コントローラユニット220はS509の処理によって操作部210のタッチパネル301に検索結果画面を表示する。検索結果画面の一例は図6(c)に示す通りである。図6(c)において、領域801にはこの画面の機能の説明が表示される。領域802には検索に該当した文書の属性情報とサムネイル画像が表示され、ユーザは文書のサムネイルをタップする事で印刷する文書を選択し、また選択された文書をもう一度タップする事で選択を解除する事ができる。ボタン803は文書を印刷せず処理を終了する場合にユーザによって押下されるキャンセルボタンである。ボタン804は選択した文書の印刷を開始する際にユーザによって押下される印刷ボタンである。
【0051】
その後、コントローラユニット220はS510でユーザの手作業による印刷文書の選択を受け入れる。キャンセルボタン803又は印刷ボタン804が押下された場合、S511にて印刷する文書の選択が終了した旨を、選択された文書の情報と共に、ネットワーク160を経由して集積複合機150及び複合機120に文書選択終了通知D406として送信する。この時、文書選択通知D406の検索依頼IDを格納する領域A2102には、S504で発行された検索依頼IDを格納する。
【0052】
続いて、複合機110はS512にて、後述の中間データ受付終了依頼受付処理に中間データ受付終了依頼D411を送信する。
【0053】
その後、コントローラユニット220はS513の処理により、ユーザがS510でキャンセルボタン803を押下したか、印刷ボタン804が押下したかを判断する。キャンセルボタン803が押下されていた場合は、印刷処理を行わず、処理を後述するS521までスキップさせる。
【0054】
印刷ボタン804が押下されていた場合は、コントローラユニット220はS514にて、中間データ受付処理のS1204で受信した中間データの文書IDと、選択された文書の文書IDとを照合する事で、選択された文書の中間データを受信済みか判断する。中間データを受信済みである場合、文書の取得と中間データ生成処理を行う必要が無い為、処理を後述するS519までスキップさせる。
【0055】
文書の中間データを受信していない場合は、コントローラユニット220はS515にて、選択された文書の複合機IDと自機のIDとを照合する事で、文書が自機に存在しているかを判断する。文書が自機に存在している場合、文書の取得処理を行う必要が無い為、処理を後述するS518までスキップさせる。
【0056】
文書が自機に存在しない場合は、複合機110はS516にて、複合機120へネットワーク160を通じて文書転送指示D407を送信する。
【0057】
その後、コントローラユニット220はS517にて文書データD408が後述のS1102によって複合機120より送信され、HDD224に格納されるのを待つ。文書データD408受信後、S518でHDD224内の文書データをシステムバス227、イメージバスI/F228、画像バス229を通じて画像編集用画像処理部234、プリンタ画像処理部233に渡し、全ページを中間データに変換する。変換した中間データはHDD224に格納する。その後、S519にてHDD224内の中間データをシステムバス227、イメージバスI/F228、画像バス229を通じてRIPに渡し、その結果作成されたビットマップイメージをデバイスI/F231を経由してプリンタ部250に送り、印刷を行う。
【0058】
印刷終了後、コントローラユニット220はS520にて、S510で選択された文書を全て印刷し終えたかを判断する。全ての文書の印刷を終えていない場合は、処理をS514に戻す。
【0059】
全ての文書の印刷を終えた場合、コントローラユニット220はS521の処理によって、S518で作成した中間データ、及び複合機120より取得した中間データを破棄し、処理を終える。
〔中間データ受付処理の説明〕
以下、図10のフローチャートを用いて、複合機110における中間データ受付処理を説明する。図10は、本実施形態のうち、中間データ受付開始依頼を受けた際の複合機110における中間データ受付処理のフローチャートである。
【0060】
まず、複合機110はS1201にて、S508によって文書検索及び印刷処理から中間データ受付開始依頼D409が送信されるのを待つ。中間データ受付開始依頼D409を受信した場合、S1202にて、同一複合機内で起動している、後述の中間データ受付終了依頼受付処理に中間データ受付終了依頼受付開始依頼D410を送信する。中間データ受付終了依頼受付処理は、検索依頼及び印刷処理と中間データ受付処理とは別プロセスとして起動している為、互いに独立して処理を行う。
【0061】
続いて、コントローラユニット220はS1203にて、後述の中間データ受付終了依頼受付処理がS1302にて中間データ受付終了依頼D411を受信済みか判断する。中間データ受付終了依頼D411を受信済みである場合、これ以上中間データを受信する必要が無いので、処理を終える。
【0062】
中間データ受付終了依頼D411を受信済みでない場合、コントローラユニット220はS1204にて、後述のS1008によって複合機120より送信される中間データD404を待つ。受信した中間データD404は、HDD224に一時的に格納される。
【0063】
その後、コントローラユニット220はS1205にて、検索結果D402に含まれる全ての文書について中間データを受信したかを判断する。全文書の中間データを受信していない場合は、処理をS1203に戻す。全文書の中間データを受信した場合は、処理を終える。
〔中間データ受付終了依頼受付処理の説明〕
以下、図11のフローチャートを用いて、複合機110における中間データ受付終了依頼受付処理を説明する。図11は、本実施形態のうち、中間データ受付終了依頼受付開始依頼を受けた際の複合機110における、中間データ受付終了依頼受付処理のフローチャートである。
【0064】
まず、複合機110はS1301にて、S1202によって中間データ受付処理から中間データ受付終了依頼受付開始依頼D410が送信されるのを待つ。中間データ受付終了依頼受付開始依頼D410を受信した場合、S1302にて検索依頼及び印刷処理から中間データ受付終了依頼D411が送信され、HDD224に格納されるのを待つ。中間データ受付終了依頼D411を受信した場合、処理を終える。
〔文書検索処理及び中間データ転送指示処理の説明〕
以下、図7のフローチャートを用いて、集積複合機150における文書検索処理と中間データ転送指示処理を説明する。図7は、本実施形態のうち、複合機110から検索依頼を受けた際の集積複合機150における処理のフローチャートである。
【0065】
まず、集積複合機150はS901にて、S504によって複合機110から検索クエリD401が送信され、HDD224に格納されるのを待つ。検索クエリD401を受信した後、コントローラユニット220はS902の処理によって、検索クエリD401に含まれた文書名、文書の作成日時を基にHDD224内のデータベース170を検索し、該当する文書の情報を抽出する。その後、S903にて抽出した情報を検索結果として、S901で受信した検索クエリD401の領域A1603に記された、検索を依頼した複合機、即ち複合機110に対してネットワーク160を通じて検索結果D402を送信する。
【0066】
その後、コントローラユニット220はS504にて検索に該当する文書が存在したかを判断する。検索に該当する文書が存在しなかった場合は中間データ転送指示処理を行わず、処理を終了する。
【0067】
検索に該当する文書が存在した場合、集積複合機150はS905にて、同一複合機内で起動している、後述の文書選択終了通知受付処理に文書選択終了通知受付開始依頼D412を送信する。文書選択終了通知受付処理は、文書検索及び中間データ転送指示処理とは別プロセスとして起動している為、互いに独立して処理を行う。
【0068】
つづいて、コントローラユニット220はS906の処理によって検索結果を文書の印刷回数の降順でソートする。その後、S907の処理により、S906でソートした検索結果の先頭から順に、その文書を格納している複合機に対して、ネットワーク160を通じて中間データ転送指示D403を送信する。この時、中間データ転送指示D403の検索依頼IDには検索クエリD401の領域A1602にある検索依頼IDが、中間データの送信先を格納する領域には検索クエリD401の領域A1603にある依頼元複合機ID、即ち複合機110がそれぞれ格納される。
【0069】
その後コントローラユニット220はS908で、S907の処理によって送信した中間データ転送指示D403と同一の検索依頼ID及び送信先複合機IDを持つ中間データ転送終了通知D405が複合機120から後述のS1009により送信されるのを待つ。転送終了通知D405を受信後、集積複合機150はS909で、S901の処理によって受信した検索クエリD401と同一の検索依頼IDと依頼元複合機IDを持つ文書選択終了通知D406を、後述の文書選択終了通知受付処理が受信しているかを判断する。文書選択終了通知D406を既に受信している場合は、残りの検索結果に含まれる文書に対しては中間データ転送指示処理を行わず、処理をS912までスキップさせる。
【0070】
文書選択終了通知D406を受信していない場合は、コントローラユニット220はS910の処理により、S906でソートした検索結果に含まれる全ての文書に対して中間データ転送指示処理を終えたかを判断する。まだ全ての文書に対して中間データ転送指示処理を終えていない場合は、S906でソートした検索結果のうち、直前に処理した文書の次の文書に対して中間データ転送指示処理を行う為に、処理をS907に戻す。
【0071】
全ての文書に対して中間データ転送指示処理を終えた場合、複合機150はS911にて、S901で受信した検索クエリD401と同一の検索依頼IDと依頼元複合機IDを持つ文書選択終了通知D406を、後述の文書選択終了通知受付処理が受信するの待つ。その後、S912の処理によって、文書選択終了通知D406に含まれる文書IDの文書について、印刷回数にそれぞれ1を加算するようデータベース170を更新し、処理を終了する。
〔集積複合機150における文書選択終了通知受付処理の説明〕
以下、図12を用いて、複合機150における文書選択終了通知受付処理を説明する。図12は本実施形態において、文書選択終了通知受付開始依頼を受け取った際の集積複合機150での文書選択通知受付処理のフローチャートである。
【0072】
まず、集積複合機150はS1401にて、S905によって文書検索及び中間データ転送指示処理から文書終了通知受付開始依頼D412が送信されるのを待つ。文書終了通知受付開始依頼D412を受信した場合、S1402にて検索依頼及び印刷処理から文書選択終了通知D406が送信され、HDD224に格納されるのを待つ。文書選択終了通知D406を受信した場合、処理を終える。
〔中間データ転送処理の説明〕
以下、図8を用いて、検索に該当する文書を持つ複合機120の中間データ転送処理について説明する。図8は、本実施形態のうち、検索に該当する文書を蓄積する複合機120における中間データ転送処理のフローチャートである。
【0073】
S1001にて、複合機120は集積複合機150からS907により中間データ転送指示D403が送信され、HDD224に一時的に格納されるのを待つ。中間データ転送指示D403を受信した場合、S1002にて、同一複合機内で起動している、後述の文書選択終了通知受付処理に文書選択終了通知受付開始依頼D413を送信する。文書選択終了通知受付処理は、中間データ転送処理とは別プロセスとして起動している為、互いに独立して処理を行う。
【0074】
その後、複合機120はS1003にて、文書選択終了通知D406を後述の文書選択終了通知受付処理が受信しているかを判断する。文書選択終了通知D406を既に受信している場合は、中間データ作成処理を打ち切り、処理をS1009までスキップさせる。
【0075】
文書選択終了通知D406をまだ受信していない場合、コントローラユニット220はS1004にて中間データ転送指示D403により指示された文書をHDD224から抜き出す。更に抜き出した文書をシステムバス227、イメージバスI/F228、画像バス229を経由して画像編集用画像処理部234、プリンタ画像処理部233に渡し、文書のうちの1ページを印刷可能な中間データに変換し、再びHDD224に格納する。続いて、S1005にて指示された文書の全ページの中間データを作成し終えたか判断する。全ページの中間データを作成し終えていない場合、残りのページの中間データを作成する為に処理をS1003まで戻す。
【0076】
全ページの中間データを作成し終えた場合、複合機120はS1006にて、後述の文書選択終了通知受付処理に文書選択終了通知受付終了依頼D414を送信する。
【0077】
その後、S1007にて中間データ転送指示D403によって指定された送信先の複合機IDと、自機の複合機IDとを照合させる事で中間データの送信先が自機であるかを判断する。中間データ転送指示D403によって指定された送信先の複合機IDと、自機の複合機IDが一致した場合は送信先が自機であり、中間データの送信が必要無い為、中間データ送信処理を行わず、処理をS1009までスキップさせる。
【0078】
送信先が自機ではない場合、複合機120はS1008で、S1001の処理によって受信した中間データ転送指示D403に記された、中間データの送信先である複合機、即ち複合機110に対してネットワーク160を通じて中間データD404を送信する。その後、S1009にて集積複合機150に対してネットワーク160を通じて中間データ転送終了通知D405を送信し、処理を終了する。
〔複合機120における文書選択終了通知受付処理の説明〕
以下、図13を用いて、複合機120における文書選択終了通知受付処理を説明する。図13は本実施形態において、文書選択終了通知受付開始依頼を受け取った際の複合機120での文書選択通知受付処理のフローチャートである。
【0079】
まず、複合機120はS1501にて、S1002によって中間データ転送処理から文書終了通知受付開始依頼D413が送信されるのを待つ。文書終了通知受付開始依頼D413を受信した場合、S1502にて検索依頼及び印刷処理から文書選択終了通知D406が送信されるか、中間データ転送処理から文書選択終了通知受付終了依頼D1502が送信され、HDD224に格納されるのを待つ。文書選択終了通知D406か文書選択終了通知受付終了依頼D1502を受信した場合、処理を終える。
〔文書転送処理の説明〕
以下、図9を用いて、検索に該当する文書を持つ複合機120の文書転送処理について説明する。図9は、本実施形態のうち、検索に該当する文書を蓄積する複合機120における文書転送処理のフローチャートである。
【0080】
S1101にて、複合機120は集積複合機110からS516により文書転送指示D407が送信され、HDD224に一時的に格納されるのを待つ。文書転送指示D407を受信した場合、コントローラユニット220はS1102の処理によって文書転送指示D407により指示された文書をHDD224から抜き出し、複合機110に対してネットワーク160を通じて文書データD408を送信する。
【0081】
以上説明したように本実施形態を用いれば、文書の検索を処理能力の低い複合機や該当文書を持たない複合機に担当させる事無く、処理能力の高い複合機が高速に行輪セル事が可能になる。また、検索後にユーザが印刷する文書を選択している間に、印刷可能な形式に変換された文書を受け取ってその後の印刷処理を一部省略する事で、文書の検索と印刷の処理に掛かる時間を短縮させる事が可能になる。
<他の実施形態>
尚、本実施形態においては検索を担当する機器を複合機としたが、これは他の複合機に比較して検索に関する処理能力が高ければ複合機に限定する必要は無い。従って、例えば複合機よりも処理能力が高速であり、且つ文書の属性情報を保存するのに十分な記憶領域を持つサーバに検索を担当させる事ができる。その場合は、より高速な検索が可能になる。
【0082】
また、本実施形態においては検索に該当した文書を複合機で印刷可能な中間データに変換した上で転送したが、このような変換を行わずに文書をそのまま転送する事や、逆にラスタイメージ変換後のビットマップを転送する事も可能である。その場合は、転送するデータの容量が小さくなり得る為、ネットワーク・トラフィックの負荷を軽減させる事が可能になる。
【符号の説明】
【0083】
224 記憶装置
226 ネットワーク管理装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を蓄積する記憶装置(224)と、
蓄積された情報群から情報を検索する検索機能と、
ネットワーク上の他の機器との通信を担当するネットワーク管理装置(226)と、
を持つ情報処理装置が、複数属するネットワーク上で
第1の装置に入力された検索情報を、より処理能力の高い検索機能を持つ第2の装置に送信して検索を依頼する検索依頼手段(S504)と、
検索依頼を受けて記憶装置(224)内の情報を検索する検索手段(S902)と、
第2の装置の検索結果に応じて、処理される可能性の高い情報を蓄積する第3の装置に、将来施され得る処理を予め施すよう依頼する先行処理依頼手段(S907)と、
先行処理依頼を受け、依頼された情報に先行処理を施す先行処理手段(S1004)と、
先行処理を施した情報を必要とする装置に送信する送信手段(S1008)と、
先行処理を施された情報を処理する際には、既に施された処理を省略する処理省略手段(S514)と、
を有する事を特徴とする情報検索システム。
【請求項2】
前記検索手段は、情報に付加された属性情報を用いて検索を行う(S902)手段を有する事を特徴とする請求項1に記載の情報検索システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、主に文書情報を扱う事を特徴とする請求項2に記載の情報検索システム。
【請求項4】
前記第1の装置、第2の装置、第3の装置は、複合機である事を特徴とする請求項3に記載の情報検索システム。
【請求項5】
前記第1の装置、第3の装置は複合機であり、前記第2の装置は第1の装置、第3の装置よりも高度な検索装置を持つ複合機以外の装置である事を特徴とする請求項3に記載の情報検索システム。
【請求項6】
前記先行処理手段は、記憶装置に蓄積した文書を印刷可能な形式に変換し(S1004)、その文書を複合機に送信する手段(S1008)を有する事を特徴とする請求項4または5に記載の情報検索システム。
【請求項7】
前記先行処理依頼手段は、検索を依頼した第1の装置からの要請に応じて先行処理依頼を打ち切る手段(S909)を有する事を特徴とする請求項6に記載の情報検索システム。
【請求項8】
前記先行処理手段は、検索を依頼した第1の装置からの要請に応じて先行処理を打ち切る手段(S1003)を有する事を特徴とする請求項7に記載の情報検索システム。
【請求項9】
情報を蓄積する記憶装置(224)と、
蓄積された情報群から情報を検索する検索機能と、
ネットワーク上の他の機器との通信を担当するネットワーク管理装置(226)と、
を持つ情報処理装置が、複数属するネットワーク上で
第1の装置に入力された検索情報を、より処理能力の高い検索機能を持つ第2の装置に送信して検索を依頼する検索依頼ステップ(S504)と、
検索依頼を受けて記憶装置(224)内の情報を検索する検索ステップ(S902)と、
第2の装置の検索結果に応じて、処理される可能性の高い情報を蓄積する第3の装置に、将来施され得る処理を予め施すよう依頼する先行処理依頼ステップ(S907)と、
先行処理依頼を受け、依頼された情報に先行処理を施す先行処理ステップ(S1004)と、
先行処理を施した情報を必要とする装置に送信する送信ステップ(S1008)と、
先行処理を施された情報を処理する際には、既に施された処理を省略する処理省略ステップ(S514)と、
を有する事を特徴とする情報検索システムの制御方法。


【図14(a)】
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【図14(b)】
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【図14(c)】
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【図14(d)】
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【図14(e)】
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【図14(f)】
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【図14(g)】
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【図14(h)】
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【図14(i)】
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【図14(j)】
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【図14(k)】
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【図14(l)】
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【図14(m)】
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【図14(n)】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図6(c)】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−93946(P2012−93946A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240504(P2010−240504)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】